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特許異議申立

2023-700645

蓋開閉構造

審判番号
2023-700645
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-191483
登録番号
7192740
請求日
2023年06月19日
審決日
2024年05月24日
公報発行日
2024年08月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】豊田合成株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人 共立特許事務所
  • 【異議申立人】荒木 博之
審判長/審判官
  • 審判長 古屋野 浩志
  • 審判官 ▲高▼橋 祐介
  • 審判官 太田 恒明
分類
P1651.113-YAA(E05B) / P1651.121-YAA(E05B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第2号、特許法第29条第1項第3号、特許法第113条第2号、特許法第120条の5第2項第1号、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第7項、特許法第120条の8第1項
データ出所
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特許第7192740号発明「蓋開閉構造」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7192740号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕、〔5、6、9~14〕、〔7、8〕について訂正することを認める。 特許第7192740号の請求項1~6、9~14に係る特許を維持する。 特許第7192740号の請求項7、8に係る特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7192740号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~14に係る特許についての出願は、令和元年10月18日に特許出願されたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。 令和 4年12月12日 :特許権の設定登録 令和 4年12月20日 :特許掲載公報発行 令和 5年 6月19日 :特許異議の申立て(特許異議申立人荒木博之) 令和 5年10月30日付け:取消理由通知 令和 5年12月27日 :訂正請求書及び意見書の提出 令和 6年 1月22日付け:通知書(訂正請求があった旨の通知) 令和 6年 2月22日 :意見書の提出(特許異議申立人) 第2 本件訂正請求について 令和5年12月27日付けの訂正請求書によりなされた訂正請求(以下「本件訂正請求」といい、本件訂正請求によりなされた訂正を「本件訂正」という。)は、本件特許の特許請求の範囲について、以下のとおり訂正することを求めるものである。 1 本件訂正の内容 本件訂正は、以下の訂正事項1から10とおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 (1) 訂正事項1 本件特許の特許請求の範囲の請求項1の、「蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、電動アクチュエータと、前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、を備え、前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、前記第一駆動機構は、前記回転体に設けられたカム部と、前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、を含む、蓋開閉構造。」との記載を、「蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、電動アクチュエータと、前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、を備え、前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、前記第一駆動機構は、前記回転体に設けられたカム部と、前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、を含み、前記ロック駆動部材は、前記ロック駆動部材が前記ロック位置に位置する際に前記リッド駆動部材に当接して前記リッド駆動部材の位置移動を規制するロック部を有する、蓋開閉構造。」に訂正する。 請求項1を引用する請求項2から4も同様に訂正する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5に記載された「前記従動部は、ピン状に形成されており、前記カム部は、前記従動部が嵌るカム溝である、請求項1乃至4の何れか一項に記載された蓋開閉構造。」のうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改め、「蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、電動アクチュエータと、前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、を備え、前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、前記第一駆動機構は、前記回転体に設けられたカム部と、前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、を含み、前記従動部は、ピン状に形成されており、前記カム部は、前記従動部が嵌るカム溝である、蓋開閉構造。」との記載に訂正する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項6に記載された「前記従動部は、溝状に形成されており、前記カム部は、前記従動部に嵌るカム突起である、請求項1乃至4の何れか一項に記載された蓋開閉構造。」のうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改め、「蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、電動アクチュエータと、前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、を備え、前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、前記第一駆動機構は、前記回転体に設けられたカム部と、前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、を含み、前記従動部は、溝状に形成されており、前記カム部は、前記従動部に嵌るカム突起である、蓋開閉構造。」との記載に訂正する。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項9に記載された「前記蓋体を閉方向に付勢する力を発生する付勢部材を備える、請求項8に記載された蓋開閉構造。」のうち、請求項8に引用される請求項7のうち請求項1を引用するものについて独立形式に改め、「蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、電動アクチュエータと、前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、を備え、前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、前記第一駆動機構は、前記回転体に設けられたカム部と、前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、を含み、前記第二駆動機構は、前記回転体側に設けられた第一係合部と、前記リッド駆動部材側に設けられ、前記回転体の回転に伴って前記第一係合部に係合して前記リッド駆動部材を位置移動させる第二係合部と、を含み、前記第一係合部及び前記第二係合部は、前記回転体の回転に伴って前記リッド駆動部材を前記閉位置から前記全開位置まで位置移動させる際に互いに係合し、前記蓋体を閉方向に付勢する力を発生する付勢部材を備える、蓋開閉構造。」との記載に訂正する。 同様に、請求項9を引用する請求項10についても訂正する。 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項11に記載された「前記ロック駆動部材が前記ロック位置に位置移動した状態で前記リッド駆動部材と前記ロック駆動部材との相対移動を規制する相対移動規制部材を備える、請求項1乃至10の何れか一項に記載された蓋開閉構造。」のうち、請求項1を引用するものについて独立形式に改め、「蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、電動アクチュエータと、前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、を備え、前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、前記第一駆動機構は、前記回転体に設けられたカム部と、前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、を含み、前記ロック駆動部材が前記ロック位置に位置移動した状態で前記リッド駆動部材と前記ロック駆動部材との相対移動を規制する相対移動規制部材を備える、蓋開閉構造。」との記載に訂正する。 (8) 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項5、6、9乃至11の各請求項のうち請求項2を引用するものについて、「前記第一駆動機構は、前記回転体の第一角度区間での回転により前記ロック駆動部材を位置移動させ、前記第二駆動機構は、前記回転体の第二角度区間での回転により前記リッド駆動部材を位置移動させ、前記第一角度区間と前記第二角度区間とは、互いに重なり合っていない、請求項5、6、9乃至11に記載された蓋開閉構造。」と記載し、新たな請求項12とする。 (9) 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項5、6、9乃至11の各請求項のうち請求項3を引用するもの、及び、請求項3のうち請求項5、6、9乃至11の何れかに引用される請求項2を引用するもの(訂正後の請求項12)について、「前記第一駆動機構は、前記第二駆動機構により前記リッド駆動部材が前記蓋体の閉位置に位置する状態で前記ロック駆動部材を位置移動させる、請求項5、6、9乃至12に記載された蓋開閉構造。」と記載し、新たな請求項13とする。 (10) 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項5、6、9乃至11の各請求項のうち請求項4を引用するもの、及び、請求項4のうち請求項5、6、9乃至11の何れかに引用される請求項2又は3を引用するもの(訂正後の請求項12、13)について、「前記カム部は、前記回転体の回転時に前記ロック駆動部材を前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で位置移動させるロック側駆動区間部と、前記回転体が回転しても前記ロック駆動部材を前記ロック解除位置に維持させるロック側空転区間部と、を有する、請求項5、6、9乃至13の何れか一項に記載された蓋開閉構造。」と記載し、新たな請求項14とする。 (11) 一群の請求項及び別の訂正単位とする求めについて ア 本件訂正前の請求項1~11は、請求項2~11が、本件訂正請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項〔1~11〕について請求されている。 イ 特許権者は、本件訂正後の請求項5、6、9~14に係る訂正について、本件訂正が認められたならば、本件訂正前の一群の請求項とは別の訂正単位として扱われることを求めている。 2 訂正の適否 (1) 訂正事項1 訂正事項1は、本件特許の明細書の【0029】、【0030】及び【0069】の記載に基づいて、「ロック駆動部材が」「ロック位置に位置する際に」「リッド駆動部材に当接して」「リッド駆動部材の位置移動を規制する」「ロック部を有する」という発明特定事項を付加することで、訂正前の請求項1の「蓋開閉構造」を限定するものである。 同様に、訂正後の請求項2~4が訂正後の請求項1を引用することにより、訂正前の請求項2~4の「蓋開閉構造」を更に限定するものである。 よって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許の明細書、特許請求の範囲及び図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、新規事項の追加に該当しない。 また、訂正事項1は、「蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材」という発明特定事項を概念的により下位の「回転体の軸方向に延びて、ロック駆動部材がロック位置に位置する際にリッド駆動部材に当接してリッド駆動部材の位置移動を規制するロック部を有する」「ロック駆動部材」に限定するものであり、カテゴリー、対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当しない。 (2) 訂正事項2 訂正事項2は、訂正前の請求項5が訂正前の請求項1~4を引用していたものを、訂正前の請求項2~4を引用しないものとしたうえで、訂正前の請求項1を引用するものについて独立形式に改めるものであるから、他の請求項を引用しないものとすることを目的するものであるとともに、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 (3) 訂正事項3 訂正事項3は、訂正前の請求項6が訂正前の請求項1~4を引用していたものを、訂正前の請求項2~4を引用しないものとしたうえで、訂正前の請求項1を引用するものについて独立形式に改めるものであるから、他の請求項を引用しないものとすることを目的するものであるとともに、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 (4) 訂正事項4 訂正事項4は、請求項7を削除するものであるから、当該訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとともに、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 (5) 訂正事項5 訂正事項5は、請求項8を削除するものであるから、当該訂正事項5は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとともに、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 (6) 訂正事項6 訂正事項6は、訂正前の請求項9が訂正前の請求項8を引用し、訂正前の請求項8が訂正前の請求項7を引用し、そして訂正前の請求項7が訂正前の請求項1~6を引用していたものを、訂正前の請求項2~6を引用しないものとしたうえで、訂正前の請求項1を引用するものについて独立形式請求項へ改めるものであり、また、訂正前の請求項10が訂正前の請求項9を引用し、訂正前の請求項9が訂正前の請求項8を引用し、訂正前の請求項8が訂正前の請求項7を引用し、そして訂正前の請求項7が訂正前の請求項1~6を引用していたものを、訂正前の請求項2~6を引用しないものとしたうえで、訂正前の請求項1を引用するものについて独立形式請求項へ改めるものであるから、他の請求項を引用しないものとすることを目的するものであるとともに、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 (7) 訂正事項7 訂正事項7は、訂正前の請求項11が訂正前の請求項1~10を引用していたものを、訂正前の請求項2~10を引用しないものとしたうえで、訂正前の請求項1を引用するものについて独立形式請求項へ改めるものであるから、他の請求項を引用しないものとすることを目的するものであるとともに、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 (8) 訂正事項8 訂正事項8は、訂正後の請求項12が、訂正前の請求項1~4を引用する訂正前の請求項5と、訂正前の請求項1~4を引用する訂正前の請求項6と、訂正前の請求項1~6を引用する訂正前の請求項7を引用する訂正前の請求項8を引用する訂正前の請求項9と、訂正前の請求項9を引用する訂正前の請求項10と、訂正前の請求項1~10を引用する訂正前の請求項11と、の各請求項において、訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用するもののみとし、訂正前の請求項5、6のうち訂正前の請求項3又は請求項4を引用するもの、訂正前の請求項9、10のうち訂正前の請求項3又は請求項4を引用するもの、訂正前の請求項11のうち訂正前の請求項3~10を引用するものを削除するものであるから、訂正前の請求項5、6、9~11が、訂正事項1での請求項1の限定事項の追加により訂正前の請求項1を引用できなくなったことに伴い、訂正前の請求項2との間の引用関係を改める訂正であり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 そして、訂正事項8は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 (9) 訂正事項9 訂正事項9は、訂正後の請求項13が、訂正前の請求項1~4を引用する訂正前の請求項5と、訂正前の請求項1~4を引用する訂正前の請求項6と、訂正前の請求項1~6を引用する訂正前の請求項7を引用する訂正前の請求項8を引用する訂正前の請求項9と、訂正前の請求項9を引用する訂正前の請求項10と、訂正前の請求項1~10を引用する訂正前の請求項11と、の各請求項において、訂正前の請求項1を引用する請求項3を引用するもののみとし、また、訂正後の請求項13が、訂正後の請求項12を引用することにより、訂正前の請求項2を引用する請求項3を引用するもののみとするものであるから、訂正前の請求項5、6、9~11が、訂正事項1での請求項1の限定事項の追加により訂正前の請求項1を引用できなくなったことに伴い、訂正前の請求項3との間の引用関係を改める訂正であり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 そして、訂正事項9は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 (10) 訂正事項10 訂正事項10は、訂正後の請求項14が、訂正前の請求項1~4を引用する訂正前の請求項5と、訂正前の請求項1~4を引用する訂正前の請求項6と、訂正前の請求項1~6を引用する訂正前の請求項7を引用する訂正前の請求項8を引用する訂正前の請求項9と、訂正前の請求項9を引用する訂正前の請求項10と、訂正前の請求項1~10を引用する訂正前の請求項11と、の各請求項において、訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用するものとし、訂正後の請求項14が、訂正後の請求項12を引用することにより、訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項4を引用するものとし、訂正後の請求項13を引用することにより、訂正前の請求項1を引用する請求項3を引用する請求項4を引用するもの、及び、訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項3を引用する請求項4を引用するものとするものである。 してみると、訂正事項10は、訂正前の請求項5、6、9~11が、訂正事項1での請求項1の限定事項の追加により訂正前の請求項1を引用できなくなったことに伴い、訂正前の請求項4との間の引用関係を改める訂正であり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 そして、訂正事項10は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 (11) 上記(1)から(10)のとおりであるから、訂正事項1、4及び5は特許請求の範囲の減縮を目的とし、訂正事項2、3、6~10は他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とし、本件特許の明細書、特許請求の範囲及び図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 (12) 一群の請求項について 訂正前の請求項1~4について、請求項2~4はそれぞれ、請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~4に対応する訂正後の請求項1~4は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 また、訂正前の請求項9、10について、請求項10は、請求項9を引用しているものであって、訂正事項6によって記載が訂正される請求項9に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項9、10に対応する訂正後の請求項9、10は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 更に、訂正前の請求項2~6、9~11について、訂正前の請求項5、6、9~11はそれぞれ、訂正前の請求項2~4を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項2、3、6、7によって訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項2~6、9~11に対応する訂正後の請求項5、6、9~14は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 そして、訂正請求書において、「訂正後の請求項5、6、及び9-14については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求める。」としているので、訂正後の請求項〔5、6、9~14〕は請求項1とは別の訂正単位として扱う。 (13) 小括 上記(1)から(12)のとおり、本件訂正請求による訂正事項1~10は、特許法第120条の5第2項第1号及び第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 また、本件においては、訂正前の請求項1~11について特許異議の申立てがなされているので、訂正前の請求項1~11に係る訂正事項1~10に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 よって、本件訂正は適法であり、かつ、訂正後の請求項5、6、9~14について別途訂正することを求めるものであるから、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕、〔5、6、9~14〕、〔7、8〕について訂正することを認める。 第3 本件訂正発明 上記第2のとおり、訂正後の特許請求の範囲について本件訂正が認められるから、本件特許の請求項1~14に係る発明(以下「本件訂正発明1」等という。)は、本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定される次のとおりのものである。なお、記号A1等は、分説するため合議体が付与した。 【請求項1】 A1 蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、 A2 前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、 A3 電動アクチュエータと、 A4 前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、 A5 前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、 A6 前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、 を備え、 A7 前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、 A8 前記第一駆動機構は、 前記回転体に設けられたカム部と、 前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、 を含み、 A9 前記ロック駆動部材は、前記ロック駆動部材が前記ロック位置に位置する際に前記リッド駆動部材に当接して前記リッド駆動部材の位置移動を規制するロック部を有する、 A10 蓋開閉構造。 【請求項2】 B1 前記第一駆動機構は、前記回転体の第一角度区間での回転により前記ロック駆動部材を位置移動させ、 B2 前記第二駆動機構は、前記回転体の第二角度区間での回転により前記リッド駆動部材を位置移動させ、 B3 前記第一角度区間と前記第二角度区間とは、互いに重なり合っていない、 B4 請求項1に記載された蓋開閉構造。 【請求項3】 C1 前記第一駆動機構は、前記第二駆動機構により前記リッド駆動部材が前記蓋体の閉位置に位置する状態で前記ロック駆動部材を位置移動させる、 C2 請求項1又は2に記載された蓋開閉構造。 【請求項4】 D1 前記カム部は、前記回転体の回転時に前記ロック駆動部材を前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で位置移動させるロック側駆動区間部と、前記回転体が回転しても前記ロック駆動部材を前記ロック解除位置に維持させるロック側空転区間部と、を有する、 D2 請求項1乃至3の何れか一項に記載された蓋開閉構造。 【請求項5】 E1 蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、 E2 前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、 E3 電動アクチュエータと、 E4 前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、 E5 前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、 E6 前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、 を備え、 E7 前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、 E8 前記第一駆動機構は、 前記回転体に設けられたカム部と、 前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、 を含み、 E9 前記従動部は、ピン状に形成されており、 E10 前記カム部は、前記従動部が嵌るカム溝である、 E11 蓋開閉構造。 【請求項6】 F1 蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、 F2 前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、 F3 電動アクチュエータと、 F4 前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、 F5 前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、 F6 前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、 を備え、 F7 前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、 F8 前記第一駆動機構は、 前記回転体に設けられたカム部と、 前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、 を含み、 F9 前記従動部は、溝状に形成されており、 F10 前記カム部は、前記従動部に嵌るカム突起である、 F11 蓋開閉構造。 【請求項7】(削除) 【請求項8】(削除) 【請求項9】 G1 蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、 G2 前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、 G3 電動アクチュエータと、 G4 前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、 G5 前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、 G6 前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、 を備え、 G7 前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、 G8 前記第一駆動機構は、 前記回転体に設けられたカム部と、 前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、 を含み、 G9 前記第二駆動機構は、 前記回転体側に設けられた第一係合部と、 前記リッド駆動部材側に設けられ、前記回転体の回転に伴って前記第一係合部に係合して前記リッド駆動部材を位置移動させる第二係合部と、 を含み、 G10 前記第一係合部及び前記第二係合部は、前記回転体の回転に伴って前記リッド駆動部材を前記閉位置から前記全開位置まで位置移動させる際に互いに係合し、 G11 前記蓋体を閉方向に付勢する力を発生する付勢部材を備える、 G12 蓋開閉構造。 【請求項10】 H1 前記付勢部材は、前記回転体側又は前記基材側と前記リッド駆動部材側との間に介在している、 H2 請求項9に記載された蓋開閉構造。 【請求項11】 I1 蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、 I2 前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、 I3 電動アクチュエータと、 I4 前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、 I5 前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、 I6 前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、 を備え、 I7 前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、 I8 前記第一駆動機構は、 前記回転体に設けられたカム部と、 前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、 を含み、 I9 前記ロック駆動部材が前記ロック位置に位置移動した状態で前記リッド駆動部材と前記ロック駆動部材との相対移動を規制する相対移動規制部材を備える、 I10 蓋開閉構造。 【請求項12】 J1 前記第一駆動機構は、前記回転体の第一角度区間での回転により前記ロック駆動部材を位置移動させ、 J2 前記第二駆動機構は、前記回転体の第二角度区間での回転により前記リッド駆動部材を位置移動させ、 J3 前記第一角度区間と前記第二角度区間とは、互いに重なり合っていない、 J4 請求項5、6、9乃至11に記載された蓋開閉構造。 【請求項13】 K1 前記第一駆動機構は、前記第二駆動機構により前記リッド駆動部材が前記蓋体の閉位置に位置する状態で前記ロック駆動部材を位置移動させる、 K2 請求項5、6、9乃至12に記載された蓋開閉構造。 【請求項14】 L1 前記カム部は、前記回転体の回転時に前記ロック駆動部材を前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で位置移動させるロック側駆動区間部と、前記回転体が回転しても前記ロック駆動部材を前記ロック解除位置に維持させるロック側空転区間部と、を有する、 L2 請求項5、6、9乃至13の何れか一項に記載された蓋開閉構造。 第4 特許異議の申立てについて 1 特許異議の申立ての概要 特許異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記甲第1号証~甲第5号証を提出した。 甲第1号証:米国特許出願公開第2016/0326777号明細書 甲第2号証:特開2013-1384号公報 甲第3号証:林杵雄著,「機械工学全書 第7巻 機構学」,コロナ社,1982年7月1日,p.40-41 甲第4号証:米国特許出願公開第2002/0008402号明細書 甲第5号証:実願昭59-133207号(実開昭61-47729号)のマイクロフィルム (以下、申立人が提出した各甲号証を「甲1」等と略して示す。) そして、特許異議申立書(以下「申立書」という。)の第6頁の「3 申立ての理由」「(3)申立ての根拠」の項、及び、第27頁の「(5)むすび」の項に記載された条文に鑑み、申立理由を整理すると、以下の申立理由を申立人は申し立てている。 (申立理由) 申立理由1 本件特許の請求項1~4、7、8に係る発明は、甲1に記載の発明(以下「甲1発明」という。)と同一であり、特許法第29条第1項第2号に該当し、特許を受けることができないものであるから、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 申立理由2 本件特許の請求項5、6に係る発明は、甲1発明及び甲3に記載の周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 申立理由3 本件特許の請求項9、10に係る発明は、甲1発明及び甲4に記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 申立理由4 本件特許の請求項11に係る発明は、甲1発明及び甲5に記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 なお、申立人は、申立理由1において、根拠条文として特許法第29条第1項第2号を提示しているが、申立理由1において「甲1に記載の発明」を認定しており、当該発明は「特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明」ではなく、「特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明」とすべきであると認められることから、根拠条文は、特許法第29条第1項第3号であるとして、以下、検討する。 2 令和5年10月30日付け取消理由の概要 本件訂正前の請求項1~4、7及び8に係る特許に対して、当審合議体が令和5年10月30日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 (取消理由) (1) 本件特許の請求項1~4、7及び8に係る発明は、甲1に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (2) 本件特許の請求項1~4、7及び8に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に対する特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 記 甲1:米国特許出願公開第2016/0326777号明細書 3 令和5年12月27日付け意見書(特許権者)の概要 特許権者は、令和5年10月30日付け取消理由に関して、概ね以下の主張を行っている。 本件訂正発明1は、「ロック駆動部材がロック部を有しかつロック駆動部材がロック位置に位置する際にそのロック部がリッド駆動部材に当接してリッド駆動部材の位置移動を規制する」構成を有する点で、その構成の記載や示唆が無い甲1から認定される甲1発明とは異なり、また、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができるものではない。 そして、本件訂正発明1では、ロック駆動部材が、ロック部を有し、そのロック部でリッド駆動部材の位置移動を規制するので、ロック駆動部材による蓋体のロック/ロック解除動作を省スペースで実現できるものである。 また、本件訂正発明2~4は本件訂正発明1に従属するものであり、本件訂正発明1が特許を受けることができるものであれば、本件訂正発明2~4も特許を受けることができるものである。 そして、本件訂正により、請求項7及び8は削除された。 さらに、本件訂正後の請求項5、6、9及び11はそれぞれ、取消理由の対象でない請求項を他の請求項の記載を引用しないものとしたものであり、請求項10は請求項9の記載を引用し、また、請求項12~14は、上記の請求項5、6、9、及び11の記載を引用することから、本件訂正発明5、6、9、及び11が特許を受けることができるものであれば、本件訂正発明10、12~14も特許を受けることができるものである。 4 令和6年2月22日付け意見書(申立人)の概要 申立人は、令和6年2月22日付け意見書とともに、参考資料1(特開2014-118694号公報)を提出し、概ね以下の主張を行っている。 (1) 本件訂正発明1について 本件訂正発明1における「前記ロック駆動部材は、前記ロック駆動部材が前記ロック位置に位置する際に前記リッド駆動部材に当接して前記リッド駆動部材の位置移動を規制するロック部を有する」との限定事項は、甲2に記載されており、当該限定事項によって本件訂正発明1の進歩性が肯定され得るものではない。 (2) 本件訂正発明5について 本件訂正発明5における「第一駆動機構」の「従動部」が「ピン形状に形成されており」、「カム部」が「前記従動部(申立人注:ピン形状)が嵌まるカム溝」であることが規定されているところ、「カム溝」と「ピン形状」の組み合わせは、例えば甲3に記載されている周知技術にすぎない。 参考資料1における案内溝42と連結突41は、それぞれ本件訂正発明5における「カム溝」と「ピン形状」に相当し、参考資料1には、本件訂正発明5と同じ「蓋開閉構造」の「第一駆動機構」において、「カム溝」と「ピン形状」の組み合わせが開示されており、本件訂正発明5における「カム溝」と「ピン形状」の組み合わせは、周知技術にすぎない。 よって、本件訂正発明5の進歩性は肯定され得ない。 第5 当審合議体の判断 1 各甲号証、参考資料1に記載された事項、及び、甲1発明 (1) 甲1に記載された事項、及び、甲1発明 ア 甲1に記載された事項 申立人が提出し、上記取消理由で引用された甲1には、以下の事項が記載されている(下線は甲1発明等の認定に関連する箇所を明示するために当審で付した。訳は、概ね添付訳文による。) 「[0001] The invention concerns an actuator for a fuel tank cap or tailboard in a vehicle as well as a method for actuation of the fuel tank cap or tailboard.」 (【0001】本発明は、車両の燃料タンクキャップ又はテールボード用のアクチュエータ、ならびに、燃料タンクキャップ又はテールボードを作動させるための方法に関する。) 「[0015] Another aspect of the invention concerns a fuel tank cap actuator system comprising a fuel tank cap 1 and an actuator according to claim 1.」 (【0015】本発明の別の態様は、請求項1に記載の燃料タンクキャップ1とアクチュエータとを備える燃料タンク・キャップ・アクチュエータ・システムに関する。) 「[0023] FIG. 1 shows an actuator implemented in a vehicle to automatically open and close a fuel tank cap 1 comprising a latch 2 and an electric drive 3 that can rotate a control plate 4 with a control contour around an axis 7. 」 (【0023】図1は、ラッチ2と、軸7の周りに制御輪郭部を有する制御プレート4を回転させることができる電気駆動装置3とを備える、燃料タンクキャップ1を自動的に開閉するために車両に実装されたアクチュエータを示す。) 「[0024] To open the fuel tank cap 1, an electric engine of the electric drive 3 can be activated to rotate the control plate 4 (FIG. 2) which pushes against a mating plate 6 to provide linear motion capable of pulling a latch release cable 10 of a Bowden cable 9 to unlock the latch 2. Then, in course of rotation, the control plate 4 catches a torque plate 5 (FIG. 3) which turns a torque shaft 23 capable of turning respectively opening the fuel tank cap 1. Reversing the above sequences, electric drive 3 causes the mechanism to turn respectively close the fuel tank cap 1 and then to relieve tension on the latch release cable 10 to lock the fuel tank cap 1. The actuator is preferably designed in a way that the latch release cable 10 is released and kept released as long as the fuel tank cap is open in order to increase life time of the actuator. 」 (【0024】燃料タンクキャップを開くために電気駆動装置3の電気エンジンを作動させて、嵌合プレート6を押してボーデンケーブル9のラッチ解除ケーブル10を引っ張ってラッチ2をロック解除できる直線運動を提供する制御プレート4(図2)を回転させることができる。次いで、制御プレート4は、回転の過程で、トルクプレート5(図3)を捉え、続いて燃料タンクキャップ1を開くことができる回転可能なトルクシャフト23を回転させる。上記の手順を逆にすると、電気駆動装置3は、機構を回転させ、続いて燃料タンクキャップ1を閉じ、次いでラッチ解除ケーブル10の張力を解除して燃料タンクキャップ1をロックする。 アクチュエータの寿命を延ばすために、好ましくは、燃料タンクキャップが開いている限り、ラッチ解除ケーブル10が解除され、解除されたままであるように、アクチュエータは設計される。) 「[0025] The transmission of force and/or motion from the control plate 4 to the mating plate 6 and torque plate 5 is realized through ramps 19, cams 20 and a web 21, which are arranged such that the targeted time sequence of force and/or motion transmission to the mating plate 6 and torque plate 5 is enabled to allow the above described automatic opening and closing cycle of the fuel tank cap 1 including timed locking and unlocking of the latch 2 and turning of the fuel tank cap 1.」 (【0025】制御プレート4から嵌合プレート6及びトルクプレート5への力及び/又は運動の伝達は、傾斜部19、カム20及びウェブ21を介して実現され、これらは、嵌合プレート6及びトルクプレート5への力及び/又は運動伝達の目標とするタイムシーケンスが、ラッチ2の時限ロック及びロック解除、ならびに燃料タンクキャップ1の回転を含む、燃料タンクキャップ1の上述の自動開閉サイクルを可能にするように構成される。) 「[0026] The Bowden cable 9 comprises an inner latch release cable 10 and an outer Bowden cable housing 11. 」 「【0026】ボーデンケーブル9は、内側のラッチ解除ケーブル10と、外側のボーデンケーブルハウジング11とを備える。」 「[0027] Preferably, the mating plate 6 comprises a mating base plate 26 with a different, preferably bigger, diameter than a torque base plate 25 of a torque plate 5. This allows compact arrangement of both members, particularly in an interleaved manner.」 (【0027】好ましくは、嵌合プレート6は、トルクプレート5のトルクベースプレート25とは異なる、好ましくはより大きい直径を有する嵌合ベースプレート26を備える。これにより、両部材のコンパクトな配置が、特に交互配置方式で可能になる。) 「[0028] Preferably, the control base plate 24 of the control plate 4 has an equal, roughly equal, or bigger diameter compared to a mating base plate 26 of a mating plate 6, a torque base plate 25 of a torque plate 5 and/or a housing 8 of the electric drive 3, preferably the diameter of the control base plate 24 equals or roughly equals the diameter of the mating base plate 26 and/or the housing 8. This allows compact arrangement of both members, particularly also in an interleaved manner.」 (【0028】好ましくは、制御プレート4の制御ベースプレート24は、嵌合プレート6の嵌合ベースプレート26、トルクプレート5のトルクベースプレート25、及び/又は電気駆動装置3のハウジング8と比較して、等しいか、ほぼ等しいか、又はより大きい直径を有し、好ましくは、制御ベースプレート24の直径は、嵌合ベースプレート26及び/又はハウジング8の直径と等しいか、又はほぼ等しい。これにより、両方の部材のコンパクトな配置が、特に交互配置方式でも可能になる。) 「[0029] Preferably the mating contour of the mating plate 6 comprises a ramp 19, which is arranged on the side of a mating base plate 26 that is facing the control plate 4 and/or a torque plate 5. 」 (【0029】好ましくは、嵌合プレート6の嵌合輪郭部は、制御プレート4及び/又はトルクプレート5に面する嵌合ベースプレート26の側に配置された傾斜部19を備える。) 「[0030] Preferably, there is an interconnecting member 15 for coupling the torque plate 5 with the fuel tank cap 1 or tailboard, preferably by means of a rotational form fit connection to a torque shaft 23 of the torque plate 5. This enables a very simple realization with few parts. 」 (【0030】好ましくは、トルクプレート5のトルクシャフト23への回転式嵌合接続によって、好ましくは、トルクプレート5を燃料タンクキャップ1又はテールボードに結合するための相互接続部材15がある。これにより、部品が少ない非常に簡単な実現が可能になる。) 「[0031] Preferably the cam 20 of a torque plate 5 is supported by the control plate 4, preferably with direct contract between a torque contour, particularly a cam 20 of the torque plate 4, and a control base plate 24 of the control plate 4, particularly in a sliding manner. This allows a very compact design. 」 (【0031】好ましくはトルク輪郭部、特にトルクプレート5のカム20と制御プレート4の制御ベースプレート24との間の直接収縮によって、特にスライド方式で、好ましくは、トルクプレート5のカム20が、制御プレート4によって支持される。これにより、非常にコンパクトな設計が可能になる。) 「[0032] There is a cable lever 14 to lock and unlock the latch 2, particularly with a stripe-shaped cable lever 14. 」 (【0032】ラッチ2を口ック及びロック解除するためにケーブルレバー14があり、ケーブルレバー14は、特にストライプ状である。) 「[0033] Preferably, the cable lever 14 can rotate around a cable lever axis 18, which is crosswise oriented towards an axis 7 of rotation of the control plate 4 and/or arranged at an end of the cable lever 14. 」 (【0033】好ましくは、ケーブルレバー14は、ケーブルレバー軸18の周りを揺動することができ、ケーブルレバー軸は、制御プレート4が回転する軸7に交差するように方向付けられ、かつ/又はケーブルレバー14の端部に配置されている。) 「[0034] Preferably, the cable lever 14 comprises a cable lever shaft aligned with an cable lever axis 18, which is mounted on a particularly Y-shaped housing arm 13 of the housing 8 of the electric drive 3, and/or a latch release cable interface 27 for mounting a latch release cable 10 of a Bowden cable 9, particularly at another end of the cable lever 14, preferably opposed to the end with a cable lever axis 18. 」 (【0034】好ましくは、ケーブルレバー14は、特に、電気駆動装置3のハウジング8のY字形のハウジングアーム13に取り付けられたケーブルレバー軸18と整列したケーブルレバーシャフト、及び/又は、ケーブルレバー14の別の端部で、好ましくはケーブルレバー軸18を有する端部に対向して、ボーデンケーブル9のラッチ解除ケーブル10を取り付けるためのラッチ解除ケーブルインターフェース27、を備える。) 「[0035] Preferably, the Bowden cable housing 11 is mounted on a housing holder 12 of a housing 8 of the electric drive 3, particularly at a lateral area of the housing 8, preferably at the opposite side of a housing arm 13 for mounting a cable lever 14. 」 (【0035】好ましくは、ボーデンケーブルハウジング11は電気駆動装置3のハウジング8のハウジングホルダ12に、特にハウジング8の側方領域に、好ましくはケーブルレバー14を取り付けるためのハウジングアーム13の反対側に、取り付けられる。) 「[0036] Preferably, a housing holder 12 for a Bowden cable housing 11 is placed below a latch release cable interface 27 for a latch release cable 10.」 (【0036】好ましくは、ボーデンケーブルハウジング11用のハウジングホルダ12がラッチ解除ケーブル10用のラッチ解除ケーブルインターフェース27の下方に配置される。) 「[0038] In one embodiment, there is a torque plate 5 for opening and/or closing the fuel tank cap 1 or tailboard comprising a torque contour for interacting with the control contour of the control plate 4 preferably through direct contact in order to transmit a force and/or motion from the control plate 4 to the torque plate 5, a mating plate 6 for lock and/or unlock the latch 2 comprising a mating contour for interacting with the control contour of the control plate 4 preferably through direct contact in order to transmit a force and/or motion from the control plate 4 to the mating plate 6, and/or a control plate 4, a torque plate 5 and/or a mating plate 6 are arranged centered on a same axis 7, preferably the same axis 7 like the longitudinal axis 7 of rotation of the electric drive 3 and/or the fuel door cap 1 or tailboard. 」 (【0038】一実施形態では、燃料タンクキャップ1又はテールボードを開閉するためのトルクプレート5であって、制御プレート4からトルクプレート5に力及び/又は運動を伝達するために、好ましくは直接接触によって、制御プレート4の制御輪郭部と相互作用するためのトルク輪郭部を備える、トルクプレート5と、制御プレート4から嵌合プレート6に力及び/又は運動を伝達するために、好ましくは直接接触によって、制御プレート4の制御輪郭部と相互作用するための嵌合輪郭部を備える、ラッチ2をロック及び/又はロック解除するための嵌合プレート6とがあり、ならびに/あるいは、制御プレート4、トルクプレート5及び/又は嵌合プレート6は、同一の軸7、好ましくは電気駆動装置3及び/又は燃料ドアキャップ1もしくはテールボードの回転の長手方向の軸7のような同一の軸7を中心として配置される。) 「[0040] In one embodiment, the control plate 4, a torque plate 5 and/or a mating plate 6 have a disk shape. This helps to save installation space. 」 (【0040】一実施形態では、制御プレート4、トルクプレート5、及び/又は嵌合プレート6は、ディスク形状を有する。これは、設置スペースを節約するのに役立つ。) 「[0041] In one embodiment, a torque plate 5 is arranged in between the control plate 4 and a mating plate 6 along an axis 7 of rotation of the control plate 4. This allows very compact and interleaved construction.」 (【0041】一実施形態では、トルクプレート5は、制御プレート4が回転する軸7に沿って制御プレート4と嵌合プレート6との間に配置される。これにより、非常にコンパクトで交互配置された構造が可能になる。) 「[0042] In one embodiment, the control contour comprises a ramp 19, a cam 20 and/or a web 21, preferably curved along or in parallel to a part of the circumference, a mating contour of a mating plate 6 comprises a ramp 19, preferably curved along or in parallel to a part of the circumference, and/or a torque contour of a torque plate 5 comprises at least one cam 20 or exactly two cams 20. A transmission of force and/or motion on very little space in a very reliable and energy efficient manner can thereby be achieved.」 (【0042】一実施形態では、制御輪郭部は、好ましくは円周の一部に沿って湾曲した又はそれに平行な傾斜部19、カム20、及び/又はウェブ21を備え、嵌合プレート6の嵌合輪郭部は、好ましくは円周の一部に沿って湾曲した又はそれに平行な傾斜部19を備え、及び/又は、トルクプレート5のトルク輪郭部は、少なくとも1つのカム20又は正確に2つのカム20を備える。これにより、非常に信頼性が高くエネルギー効率の良い方法で、非常に小さな空間上での力及び/又は運動の伝達を達成できる。」 「[0044] In one embodiment, the control contour comprises at least one gap between two ramps 19 or a ramp 19 and a web 21 and/or a ramp 19 has a slope that allows sliding up or down in direction of an axis 7 of rotation of the control plate 4. A timely sequenced opening and closing cycle with locking and unlocking, which requires not only rotation but also linear actuation motion, can thereby be achieved very easily and with very few parts, particularly with only one engine.」 (【0044】一実施形態では、制御輪郭部は、2つの傾斜部19又は傾斜部19とウェブ21との間に少なくとも1つのギャップを備え、及び/又は傾斜部19は、制御プレート4の回転軸7の方向に上下にスライド可能とする傾斜を有する。これにより、回転だけでなく直線的な作動運動も必要とするロック及びロック解除を伴う適時にシーケンスされた開閉サイクルを、非常に簡単かつ非常に少ない部品で、特に1つのエンジンのみで達成できる。) 「[0048] In one embodiment, the torque plate 5 comprises a centered torque shaft 23 with a not rotation-symmetric cross sectional contour, preferably round shaped with a two edges coupling for enabling a rotational form fit connection to the fuel tank cap 1 or tailboard. A simple realization can thereby be achieved.」 (【0048】一実施形態では、トルクプレート5は、燃料タンクキャップ1又はテールボードヘの回転式嵌合接続を可能にするために、回転対称ではない断面輪郭部、好ましくは2つの縁部結合を有する円形形状を有する中心トルクシャフト23を備える。これにより、簡単な実現を達成することができる。) 「[0049] In one embodiment, the torque shaft 23 of a torque plate 5 extents through hole of a mating plate 6. This enables a very compact design. 」 (【0049】一実施形態では、トルクプレート5のトルクシャフト23は、嵌合プレート6の穴を貫通して延びる。これにより、非常にコンパクトな設計が可能になる。) 「[0050] In one embodiment, during a closing and/or opening cycle of the fuel tank cap 1 or tailboard, the control plate 4 and/or a torque plate 5 can rotate, particularly around an axis 7, a mating plate 6 is not designed to rotate during a closing and/or opening cycle of the fuel tank cap 1 or tailboard, a ramp 19 of a mating plate 6 can slide up, down or along a ramp 19 and/or a web 21 of the control plate 4, and/or at least one cam 20 of the control plate 4 can push a cam 20 of a torque plate 5. These features enable the conversion of rotation of the output shaft into rotation on the one side and linear motion on the other side. A highly demanding problem can thereby be solved very easily within very little construction space and very reliably.」 (【0050】一実施形態では、燃料タンクキャップ1もしくはテールボードの閉鎖及び/又は開放のサイクル中、制御プレート4及び/又はトルクプレート5は、特に軸7の周りを回転することができ、嵌合プレート6は、燃料タンクキャップ1もしくはテールボードの閉鎖及び/又は開放サイクル中に回転するように設計されておらず、嵌合プレート6の傾斜部19は、制御プレート4の傾斜部19及び/又はウェブ21に沿って上下にスライドすることができ、ならびに/あるいは、制御プレート4の少なくとも1つのカム20は、トルクプレート5のカム20を押すことができる。これらの特徴は、出カシャフトの回転を一方側の回転及び他方側の直線運動に変換することを可能にする。これにより、非常に要求が厳しい問題を、非常にわずかな構築空間内で非常に容易に、非常に確実に解決できる。) 「[0051] In one embodiment the cable lever 14 is v-shaped, and/or is on one side rotatable mounted at a housing 8 of the electric drive 3 and/or at another side comprises a latch release cable interface 27 for mounting a latch release cable 10 of a Bowden cable 9 for locking and/or unlocking the latch 2. A v-shaped cable lever 14 enables a levered motion path and thus can save construction space while being very energy efficient. This particularly applies when the cable lever 14 is on the one side mounted and on the other side connected to the latch release cable 10.」 (【0051】一実施形態では、ケーブルレバー14は、V字形であり、ならびに/あるいは、一方側では電気駆動装置3のハウジング8に回転可能に取り付けられ、かつ/又は他方側では、ラッチ2をロック及び/もしくはロック解除するためのボーデンケーブル9のラッチ解除ケーブル10を取り付けるためのラッチ解除ケーブルインターフェース27を備える。V字形ケーブルレバー14は、レバー式運動経路を可能にし、したがって非常にエネルギー効率的でありながら構造スペースを節約できる。これは、ケーブルレバー14が、一方側が取り付けられ、他方側がラッチ解除ケーブル10に接続された場合に、特に当てはまる。) 「[0053] In one embodiment, the cable lever 14 comprise a v-edge 17, which is arranged roughly in a center area of the cable lever 14 and/or rather closer to a latch release cable interface 27 than a cable lever axis 18. This enables a levered motion path and thus can save construction space while being very energy efficient.」 「【0053】一実施形態ではケーブルレバー14は、ケーブルレバー14のほぼ中央領域に、及び/又はむしろケーブルレバー軸18よりもラッチ解除ケーブルインターフェース27に近接して配置されたv縁部17を備える。これは、レバー式運動経路を可能にし、したがって非常にエネルギー効率的でありながら、構造スペースを節約できる。」 「[0055] In one embodiment, the cable lever 14 is supported on a mating plate 6, preferably with direct contact between a v-edge 17 and a mating plate 6, particularly a mating base plate 26, preferably on the opposed side to the control plate 4. A very simple, linear force and/or motion transmission can be thereby achieved in a very space efficient manner.」 「【0055】一実施形態では、ケーブルレバー14は、好ましくはv縁部17と嵌合プレート6、特に嵌合ベースプレート26との間の直接接触によって、好ましくは制御プレート4の反対側で、嵌合プレート6上に支持される。これにより、非常に簡単な直線の力及び/又は運動伝達を、非常に空間効率的な方法で達成できる。」 「[0060] In a first sequence (FIGS. 4 to 5), the control plate 4 rotates in counterclockwise (present embodiment) or clockwise (if the fuel tank cap would be placed on the opposite vehicle side) direction to unlock the latch 2, particularly with a rotation of more than 45°, preferably more than 60°, especially preferably more than 85°, and/or less than 360°, preferably less than 270°, especially preferably less than 180°.」 (【0060】第1のシーケンス(図4~図5)において、制御プレート4はラッチ2をロック解除するために、特に45°を超える、好ましくは60°を超える、特に好ましくは85°を超える、及び/又は360°未満、好ましくは270°未満、特に好ましくは180°未満の回転で反時計回り(本実施形態) 又は時計回り(燃料タンクキャップが反対車両側に配置される場合)の方向に回転する。) 「[0061] In a second sequence (FIGS. 5 to 6), the control plate 4 can rotate in counterclockwise (present embodiment) or clockwise direction to open the fuel tank cap 1 or tailboard, particularly with a rotation of more than 45°, preferably more than 60°, especially preferably more than 85°, and/or less than 360°, preferably less than 270°, especially preferably less than 180°.」 (【0061】第2のシーケンス(図5~図6)において、制御プレート4は、燃料タンクキャップ1又はテールボードを開くために、特に45°を超える、好ましくは60°を超える、特に好ましくは85°を超える、及び/又は360°未満、好ましくは270°未満、特に好ましくは180°未満の回転で、反時計回り(本実施形態)又は時計回り方向に回転することができる。) 「[0064] In a fifth sequence, the control plate 4 can rotate in clockwise or counterclockwise direction to close the fuel tank cap 1 or tailboard, particularly with a rotation of more than 45°, preferably more than 60°, especially preferably more than 85°, and/or less than 360°, preferably less than 270°, especially preferably less than 180°.」 (【0064】第5のシーケンスにおいて、制御プレート4は、燃料タンクキャップ1又はテールボードを閉じるために、特に45°を超える、好ましくは60°を超える、特に好ましくは85°を超える、及び/又は360°未満、好ましくは270°未満、特に好ましくは180°未満の回転で、時計回り又は反時計回り方向に回転することができる。) 「[0065] In a sixth sequence, the control plate 4 can rotate in clockwise or counterclockwise direction to lock the latch 2, particularly with a rotation of more than 45°, preferably more than 60°, especially preferably more than 85°, and/or less than 360°, preferably less than 270°, especially preferably less than 180°.」 (【0065】第6のシーケンスにおいて、制御プレート4は、ラッチ2をロックするために、特に45°を超える、好ましくは60°を超える、特に好ましくは85°を超える、及び/又は360°未満、好ましくは270°未満、特に好ましくは180°未満の回転で、時計回り又は反時計回り方向に回転することができる。) 「図1 [図:0001413310000001.jpg] 」 「図2、図3 [図:0001413310000002.jpg] 」 「図4 [図:0001413310000003.jpg] 」 「図5 [図:0001413310000004.jpg] 」 「図6 [図:0001413310000005.jpg] 」 イ 甲1の記載事項より認定できる事項 (ア) 認定事項ア 【0001】を参照すると、燃料タンク・キャップ・アクチュエータ・システムは車両に搭載されるものであると認められ、燃料タンクキャップ1は、車体に対して開閉するものである点(以下「認定事項ア」という。)が認定できる。 (イ) 認定事項イ 図1を参照すると、燃料タンク・キャップ・アクチュエータ・システムは、相互接続部材15を介して接続された燃料タンクキャップ1と、燃料タンクキャップ1に設けられたラッチ2を備える点(以下「認定事項イ」という。)が認定できる。 (ウ) 認定事項ウ 図1~4の記載を参照すると、燃料タンク・キャップ・アクチュエータ・システムは、制御プレート4に加えて嵌合プレート6とトルクプレート5を備える点(以下「認定事項ウ」という。)が認定できる。 (エ) 認定事項エ 図2、【0041】及び【0042】を参照すると、制御プレート4は、ディスク形状の制御ベースプレート24と、制御ベースプレート24のトルクプレート5及び嵌合プレート6と対向する面に形成された制御輪郭部からなり、前記制御輪郭部は、ディスク形状の円周の一部に沿って湾曲した傾斜部19、カム20、及びウェブ21を備える点(以下「認定事項エ」という。)が認定できる。 (オ) 認定事項オ 図2、4~6の記載を参照すると、ウェブ21は制御プレート4に対して傾斜しないものである点(以下「認定事項オ」という。)が看取できる。 (カ) 認定事項カ 図1~3、【0038】及び【0042】を参照すると、トルクプレート5は、ディスク形状のトルクベースプレート25と、トルクベースプレート25の制御プレート4に対向する面に形成され制御プレート4の制御輪郭部と相互作用するためのトルク輪郭部からなり、トルク輪郭部はカム20を備え、制御プレート4の制御輪郭部のカム20と、トルクプレート5のトルク輪郭部のカム20は接触可能である点(以下「認定事項カ」という。)が認定できる。 ウ 甲1発明 上記ア及びイより、甲1には以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。なお、a~qについては分説のために合議体が付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。 「a 車両に対して(認定事項ア)燃料タンクキャップ1を自動的に開閉するための(【0023】)燃料タンク・キャップ・アクチュエータ・システムであって(【0015】)、 b 前記燃料タンク・キャップ・アクチュエータ・システムは、相互接続部材15を介して接続された燃料タンクキャップ1と、燃料タンクキャップ1に設けられたラッチ2と(認定事項イ)、軸7の周りに制御輪郭部を有する制御プレート4を回転させることができる電気駆動装置3とを備え(【0023】)、 c 前記燃料タンク・キャップ・アクチュエータ・システムは、制御プレート4に加えて嵌合プレート6とトルクプレート5を備え(認定事項ウ)、 d 制御プレート4、トルクプレート5及び嵌合プレート6は、同一の軸7を中心として配置され(【0038】)、制御プレート4、トルクプレート5、及び嵌合プレート6は、ディスク形状を有し(【0040】)、 e 制御プレート4は、ディスク形状の制御ベースプレート24と、制御ベースプレート24のトルクプレート5及び嵌合プレート6と対向する面に形成された制御輪郭部からなり、前記制御輪郭部は、ディスク形状の円周の一部に沿って湾曲した傾斜部19、カム20、及びウェブ21を備え(認定事項エ)、傾斜部19は、制御プレート4の回転軸7の方向に上下にスライド可能とする傾斜を有し(【0044】)、ウェブ21は制御プレート4に対して傾斜しないものであり(認定事項オ)、 f トルクプレート5は、制御プレート4が回転する軸7に沿って制御プレート4と嵌合プレート6との間に配置され(【0041】)、燃料タンクキャップ1を開閉するためのものであり(【0038】)、トルクプレート5は、ディスク形状のトルクベースプレート25と、トルクベースプレート25の制御プレート4に対向する面に形成され制御プレート4の制御輪郭部と相互作用するためのトルク輪郭部からなり、トルク輪郭部はカム20を備え、制御プレート4の制御輪郭部のカム20と、トルクプレート5のトルク輪郭部のカム20は接触可能であり(認定事項カ)、トルクプレート5は、燃料タンクキャップ1ヘの回転式嵌合接続を可能にするために、トルクシャフト23を備え(【0048】)、トルクプレート5のトルクシャフト23は、嵌合プレート6の穴を貫通して延び(【0049】)、相互接続部材15はトルクシャフト23を燃料タンクキャップ1に結合するためのものであり(【0030】)、 g 嵌合プレート6は、ラッチ2をロック及びロック解除するためのものであり(【0038】)、嵌合プレート6は、トルクプレート5のトルクプレート5より大きい直径を有する嵌合ベースプレート26を備え(【0027】)、制御プレート4の制御ベースプレート24は、嵌合プレート6の嵌合ベース26及びハウジング8の直径と等しいか、又はほぼ等しく(【0028】)、嵌合プレート6の嵌合輪郭部は、制御プレート4及びトルクプレート5に面する嵌合ベースプレート26の側に配置された傾斜部19を備え(【0029】)、 h 制御プレート4から嵌合プレート6及びトルクプレート5への力及び運動の伝達は、傾斜部19、カム20及びウェブ21を介して実現され(【0025】)、 i ラッチ2をロック及びロック解除するためにケーブルレバー14があり(【0032】)、ケーブルレバー14は、V字形であり(【0051】)、ケーブルレバー軸18は、制御プレート4が回転する軸7に向かって横方向に配向され、かつ、ケーブルレバー14は、ケーブルレバー14の端部に配置されたケーブルレバー軸18の周りを揺動することができ(【0033】)、ケーブルレバー軸18は電動駆動装置3のハウジング8のハウジングアーム13に取り付けられ、ケーブルレバー14は別の端部で、ケーブルレバー軸18を有する端部と対向してボーデンケーブル9のラッチ解除ケーブル10を取り付けるためのラッチ解除ケーブルインターフェース27を備え(【0034】)、 j ボーデンケーブル9は、内側のラッチ解除ケーブル10と、外側のボーデンケーブルハウジング11とを備え(【0026】) k ボーデンケーブルハウジング11は、電気駆動装置3のハウジングのハウジングホルダ12に取り付けられ(【0035】)、 l ボーデンケーブルハウジング11のハウジングホルダ12が、ラッチ解除ケーブル10用のラッチ解除ケーブルインターフェース27の下方に配置され(【0036】)、 m 燃料タンクキャップ1の閉鎖及び開放のサイクル中、制御プレート4及びトルクプレート5は、軸7の周りを回転することができ、嵌合プレート6は、燃料タンクキャップ1の閉鎖及び開放サイクル中に回転するように設計されておらず、嵌合プレート6の傾斜部19は、制御プレート4の傾斜部19及びウェブ21に沿って上下にスライドすることができ、制御プレート4の少なくとも1つのカム20は、トルクプレート5のカム20を押すことができ(【0050】)、 n ケーブルレバー14は、ケーブルレバー14のほぼ中央領域に、ケーブルレバー軸18よりもラッチ解除ケーブルインターフェース27に近接して配置されたv縁部17を備え(【0053】)、ケーブルレバー14は、v縁部17と嵌合ベースプレート26との間の直接接触によって、嵌合プレート6上に支持され(【0055】)、 o 第1のシーケンスにおいて、ラッチ2をロック解除するために(【0060】)、電気駆動装置3の電気エンジンを作動させて(【0024】)、制御プレート4は反時計回りの方向に回転し(【0060】)、嵌合プレート6を押してボーデンケーブル9のラッチ解除ケーブル10を引っ張ってラッチ2をロック解除できる直線運動を提供し、次いで(【0024】)、第2のシーケンスにおいて、制御プレート4は、燃料タンクキャップ1を開くために、反時計回りに回転し(【0061】)、制御プレート4は、回転の過程で、トルクプレート5を捉え、続いて燃料タンクキャップ1を開くことができるトルクシャフト23を回転させ(【0024】)、 p 上記の手順を逆にすると、電気駆動装置3は、機構を回転させ、続いて(【0024】)第5のシーケンスにおいて、制御プレート4は、燃料タンクキャップ1を閉じるために、時計回りに回転し(【0064】)、第6のシーケンスにおいて、制御プレート4は、ラッチ2をロックするために、時計回りに回転し(【0065】)、ラッチ解除ケーブル10の張力を解除して燃料タンクキャップ1をロックする(【0024】) q 燃料タンク・キャップ・アクチュエータ・システム(【0015】)。」 (2) 甲2に記載された事項 申立人が提出した甲2には、車両用燃料ドア開閉装置(発明の名称)に関して、ヒンジ部の回動を規制するようにアクチュエータによって作動して、前記ヒンジ部に備えられたロック孔に進退するロックロッドと、前記ロックロッドと連動して燃料ドアが押されることを防止する押され防止レバーとを含む構成が記載されている(【0006】、図3等参照。)。 (3) 甲3に記載された事項 申立人が提出した甲3は、機械要素についての周知技術を示したものであり、p.40-41には、「カム仕掛の種類」として、みぞカムと該みぞカムに係合する突起部とからなるカム仕掛の構成が複数種類例示されている。 (4) 甲4に記載された事項 申立人が提出した甲4には、「充填材注入口室蓋」に関して、充填材注入口室蓋4を閉鎖及び開放位置で固定するために、ばね8が使用される点が記載されている([0015]参照。)。 (5) 甲5に記載された事項 申立人が提出した甲5には、「車両用シートのシートバックロック機構」(考案の名称)に関して、倒伏可能に構成されたシートバック12を起立させた状態でボテー側に固着されたストライカ32にシートバック12に固着されたフック30を係止させ、フック30をクッション20に当接させ、フック30の回動を阻止する構成、すなわち、相対移動を規制するための部材としてのクッション20を備えた構成が記載されている(第1頁、第3頁、第6頁、第7頁、第1図参照。)。 (6) 参考資料1に記載された事項 申立人が提出した参考資料1には、「ロック装置」(発明の名称)に関して、車体1の給電口2を開閉するリッド3のロック装置23が開示されており、リッド3や給電プラグ15に係止可能なロックピン30に関して、ロックピン30の上部側面には、ピン形状の連結突41が突設され、この連結突41は、回転ピース32の軸部34の側面に凹設された斜め向きの案内溝(スロープ)42に係止された構成が記載されている(【0024】、【0026】、図3、図4参照。)。 2 取消理由通知に記載した取消理由について (1) 本件訂正発明1について ア 対比 本件訂正発明1と甲1発明とを対比する。 なお、以下の見出し(a1)~(a10)は、本件訂正発明1のA1~A10に概ね対応させている。以下同様。 (a1) 甲1発明の構成aにおける「燃料タンクキャップ1」は、本件訂正発明1の構成A1における「蓋体」に相当し、甲1発明の構成aにおける「車体に対して」「開閉する」ことは、本件訂正発明1の構成A1における「基材に対して開閉動作させる」ことに相当する。 また、甲1発明の構成fにおける「燃料タンクキャップ1を開閉するためのものであ」る「トルクプレート5」、「燃料タンクキャップ1ヘの回転式嵌合接続を可能にするため」の「トルクシャフト23」及び「トルクシャフト23を燃料タンクキャップ1に結合するための」「相互接続部材15」は、「燃料タンクキャップ1」を「開閉するため」の構成をなすものであるから、本件訂正発明1の構成A1における「蓋体を」「開閉動作させるリッド駆動部材」に相当する。 したがって、甲1発明の構成a及び構成fにおける「燃料タンクキャップ1を」「車体に対して」「開閉動作」するための「トルクプレート5」、「トルクシャフト23」及び「相互接続部材15」は、本件訂正発明1の構成A1における「蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材」に相当する。 よって、甲1発明は、本件訂正発明1の構成A1に相当する構成を有する。 (a2) 甲1発明の構成iにおける「ラッチ2をロック及びロック解除するため」の「ケーブルレバー14」及び構成jにおける「ラッチ解除ケーブル10」は、「燃料タンクキャップ1に設けられたラッチ2」を「ロック」「するための」構成をなすものであるから、本件訂正発明1の構成A2における「前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材」に相当する。 よって、甲1発明は、本件訂正発明1の構成A2に相当する構成を有する。 (a3) 甲1発明の構成bにおける「電気駆動装置3」は、本件訂正発明1の構成A3における「電動アクチュエータ」に相当する。 よって、甲1発明は、本件訂正発明1の構成A3に相当する構成を有する。 (a4) 甲1発明の構成bにおける「電気駆動装置3」が「回転させることができる」「制御プレート4」は、本件訂正発明1の構成A4における「前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体」に相当する。 よって、甲1発明は、本件訂正発明1の構成A4に相当する構成を有する。 (a5) 甲1発明の構成e、構成g及び構成oにおける「制御プレート4」が「備え」た「嵌合プレート6と対向する面に形成された制御輪郭部」が「備え」る「傾斜部19」及び「ウェブ21」と、「ケーブルレバー14」を「支持」し、「制御プレート4及びトルクプレート5に面する嵌合ベースプレート26の側に配置された傾斜部19を備え」た「嵌合プレート6」からなる構成は、「制御プレート4」が「反時計回りの方向に回転し」、「嵌合プレート6を押して」「ボーデンケーブル9のラッチ解除ケーブル10を引っ張ってラッチ2をロック解除できる直線運動を供給」するものであるから、本件訂正発明1の構成A5における「前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構」に相当する。 よって、甲1発明は、本件訂正発明1の構成A5に相当する構成を有する。 (a6) 甲1発明の構成fにおける「カム20を備え」る「制御プレート4」と、「燃料タンクキャップ1を開閉するためのものであり」「制御プレート4の」「カム20」と「接触可能」な「カム20を備え」る「トルクプレート5」からなる構成は、構成oにおいて、「制御プレート4は、回転の過程で、トルクプレート5を捉え、燃料タンクキャップ1を開くことができるトルクシャフト23を回転させ」ることが特定されていることから、本件訂正発明1の構成A6における「前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構」に相当する。 よって、甲1発明は、本件訂正発明1の構成A6に相当する構成を有する。 (a7) 甲1発明の構成oにおける「第1のシーケンスにおいて、ラッチ2をロック解除するために」「電気駆動装置3の電気エンジンを作動させて」「制御プレート4は反時計回りの方向に回転し」、「次いで」、「第2のシーケンスにおいて、制御プレート4は、燃料タンクキャップ1を開くために、反時計回りに回転」することは、「第1のシーケンス」において、「ケーブルレバー14」及び「ラッチ解除ケーブル10」が「ラッチ2をロック解除」した状態にされることが認められるから、甲1発明の構成oにおける「第1のシーケンス」に「次いで」、「第2のシーケンスにおいて、制御プレート4は、燃料タンクキャップ1を開くために、反時計回りに回転」し、「制御プレート4は、回転の過程で、トルクプレート5を捉え、燃料タンクキャップ1を開くことができるトルクシャフト23を回転させ」ることは、本件訂正発明1の構成A7における「前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ」ることに相当する。 よって、甲1発明は、本件訂正発明1の構成A7に相当する構成を有する。 (a8) 甲1発明の構成eにおける「制御プレート4」の「嵌合プレート6と対向する面に形成された制御輪郭部」が「備え」る「傾斜部19」及び「ウェブ21」は、本件訂正発明1の構成A8における「回転体に設けられたカム部」に相当する。 また、甲1発明の構成gにおける「嵌合プレート6の嵌合輪郭部」が「備え」る「制御プレート4」「に面する嵌合ベースプレート26の側に配置された傾斜部19」は、構成mにおいて「制御プレート4の傾斜部19及びウェブ21に沿って上下にスライドすることができ」る点が特定されていることから、本件訂正発明1の構成A8における「前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部」に相当する。 よって、甲1発明は、本件訂正発明1の構成A8に相当する構成を有する。 (a10) 甲1発明の構成qにおける「燃料タンク・キャップ・アクチュエータ・システム」は、本件特許発明1の構成A10における「蓋開閉構造」に相当する。 よって、甲1発明は、本件特許発明1の構成A10に相当する構成を有する。 イ 一致点及び相違点 上記アの(a1)~(a10)からみて、本件訂正発明1と甲1発明とは、以下の点で一致する。 <一致点> A1 蓋体を基材に対して開閉動作させるリッド駆動部材と、 A2 前記蓋体を閉状態にロック可能なロック駆動部材と、 A3 電動アクチュエータと、 A4 前記電動アクチュエータの駆動に伴って回転する回転体と、 A5 前記回転体の回転により、前記ロック駆動部材を、前記蓋体が閉状態にロックされるロック位置と前記蓋体の閉状態ロックが解除されるロック解除位置との間で位置移動させる第一駆動機構と、 A6 前記回転体の回転により、前記リッド駆動部材を、前記蓋体の閉位置と全開位置との間で位置移動させる第二駆動機構と、 を備え、 A7 前記第二駆動機構は、前記第一駆動機構により前記ロック駆動部材が前記ロック解除位置に位置する状態で前記リッド駆動部材を位置移動させ、 A8 前記第一駆動機構は、 前記回転体に設けられたカム部と、 前記ロック駆動部材に設けられ、前記カム部に係合し、前記回転体の回転に伴って前記ロック駆動部材を位置移動させる従動部と、 を含む A10 蓋開閉構造。 そして、両者は、以下の点で相違する。 <相違点1> (構成A9に関して) ロック駆動部材に関して、本件訂正発明1では、前記ロック駆動部材は、前記ロック駆動部材が前記ロック位置に位置する際に前記リッド駆動部材に当接して前記リッド駆動部材の位置移動を規制するロック部を有する点が特定されているのに対して、甲1発明は、本件訂正発明1のロック駆動部材に相当する「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」が、本件訂正発明1のリッド駆動部材に相当する「トルクプレート5」、「トルクシャフト23」又は「相互接続部材15」に当接してそれらの部材の位置移動を規制する部材を有する構成とはなっていない点。 ウ 判断 上記相違点1に係る本件訂正発明1の構成は、実質的な相違点であることから、本件訂正発明1は、甲1発明ではない。 また、甲1発明において、「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」は本件訂正発明1のロック駆動部材に相当し、「トルクプレート5」、「トルクシャフト23」又は「相互接続部材15」は本件訂正発明1のリッド駆動部材に相当するものである。 そして、甲1発明は、燃料タンクキャップ1の開閉に関して、「燃料タンクキャップ1を閉じる」にあたって「燃料タンクキャップ1をロックする」ときは、「ラッチ解除ケーブル10の張力を解除」するものであり、「燃料タンクキャップ1」を開くときには、「制御プレート4」を「回転し」、「ラッチ解除ケーブル10を引っ張ってラッチ2をロック解除できる」ようにするものであるから、甲1発明における「ラッチ解除ケーブル10の張力」が「解除」された状態の「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」が、本件訂正発明1における「ロック位置に位置する際」の「ロック駆動部材」に相当することになる。 そこで、甲1発明において、「ラッチ解除ケーブル10の張力」が「解除」された状態の「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」が、「トルクプレート5」、「トルクシャフト23」又は「相互接続部材15」に当接することによって位置移動を規制する部材を備え得るかについて検討すると、甲1には、「ラッチ解除ケーブル10の張力」が「解除」された状態の「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」に、「トルクプレート5」、「トルクシャフト23」又は「相互接続部材15」に対して、当接することによって位置移動を規制する部材を設けることについては何ら示唆されておらず、また、「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」が、当接することによって位置移動を規制する部材を設けるために適切な構造を有するものとは認められない。 してみると、甲1発明において、相違点1に係る本件訂正発明1に係る構成を成すためには、甲1発明の構成を根本的に変更する必要があることは明らかであり、甲1発明において、上記相違点1に係る本件訂正発明1の構成をなすことは、当業者が甲1に記載された事項に基づいて容易になし得たものではない。 さらに、上記第4の3において特許権者が主張しているように、本件訂正発明1は、上記相違点1に係る構成を有することによって、ロック駆動部材による蓋体のロック/ロック解除動作を省スペースで実現できるという効果を奏するものである。 申立人による令和6年2月22日付け意見書では、甲2には、本件訂正により挿入された構成が記載されている旨が主張されており、ヒンジ部の回動を規制するようにアクチュエータによって作動して、前記ヒンジ部に備えられたロック孔に進退するロックロッドと、前記ロックロッドと連動して燃料ドアが押されることを防止する押され防止レバーとを含む構成が記載されていると認められ、この構成における「ロックロッド」は、上記の「当接することによって位置移動を規制する部材」に相当すると認められるが、上記したように、甲1発明における「ラッチ解除ケーブル10の張力」が「解除」された状態の「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」において、「当接することによって位置移動を規制する部材」を設けることは甲1には何ら示唆されていないとともに、甲1発明の「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」を設けるために適切な構造を有するとも認められないことから、甲1発明に甲2に記載された事項を適用可能であるとは認められない。 してみると、甲2に記載された事項を参照したとしても、本件訂正発明1は、甲1発明及び甲2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 エ 小括 以上のとおりであるから、本件訂正発明1は、甲1発明と同一の発明ではなく、また甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないことから、取消理由通知に記載した取消理由によって本件訂正発明1に係る本件特許を取り消すことはできない。 (2) 本件訂正発明2~4について 本件訂正発明2~4は、本件訂正発明1を引用するものであり、本件訂正発明1の構成をすべて含み、さらに限定された発明であるところ、上記1で検討したとおり、本件訂正発明1が、甲1発明と同一ではなく、また甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない以上、本件訂正発明2~4も甲1発明と同一ではなく、また甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 よって、取消理由通知に記載した取消理由によって本件訂正発明2~4に係る本件特許を取り消すことはできない。 (3) 本件訂正前の請求項7及び8に係る発明について 本件訂正により、本件訂正前の請求項7及び8は削除されたため、本件訂正前の請求項7及び8についての取消理由は解消した。 (4) まとめ 以上のとおりであるから、本件訂正発明1~4は、甲1発明と同一ではなく、また甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 また、取消理由の対象であった本件訂正前の請求項7及び8は本件訂正により削除された。 よって、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。 2 取消理由通知に採用しなかった特許異議申立理由について (1) 本件訂正発明5について 本件訂正発明5の構成E1~E8及びE11は、それぞれ、本件訂正発明1の構成A1~A8及びA10に相当することから、本件訂正発明5と甲1発明とを対比すると、両者は以下の点で相違し、その余の点で一致する。 <相違点2> (構成E9及びE10に関して) 従動部とカム部に関して、本件訂正発明5は、従動部は、ピン状に形成されており、カム部は、前記従動部が嵌るカム溝であるのに対して、甲1発明は、本件訂正発明5の従動部に相当する「嵌合プレート6」が「備え」る「傾斜部19」がピン状ではなく、本件訂正発明5のカム部に相当する「制御プレート4」が「備え」る「傾斜部19」及び「ウェブ21」が、カム溝ではない点。 そして、上記相違点2について検討すると、甲3には、カム仕掛として、みぞカムと該みぞカムに係合する突起部とからなる構成が記載されており、この構成における突起部は、上記相違点2に係る本件訂正発明5の構成における「ピン状に形成され」た「従動部」に相当し、同みぞカムは、上記相違点2に係る本件訂正発明5の構成における「従動部が嵌るカム溝」に相当するといえる。 しかしながら、甲1発明における「嵌合プレート6」が「備え」る「傾斜部19」と、「制御プレート4」が「備え」る「傾斜部19」及び「ウェブ21」からなる構成を、他のカム機構に置換可能であることは、甲1には何ら示唆されていない。 そして、甲1発明における「制御プレート4から嵌合プレート6」「への力及び運動の伝達」を「実現」するために、甲3に記載された事項を採用するためには、ともに「ディスク形状を有」する「制御プレート4」と「嵌合プレート6」において、「制御プレート4」にみぞカムを設け、「嵌合プレート6」にみぞカムに係合する突起部を設けることになるが、そのように構成し、上記相違点2に係る本件訂正発明5に係る構成を成すためには、甲1発明の構成を根本的に変更する必要があることは明らかである。 申立人が提示した参考資料1には、ロックピン30にピン形状の連結突41が突設され、この連結突41が、回転ピース32の軸部34の側面に凹設された斜め向きの案内溝(スロープ)42に係止された構成が記載されており、その構成は、みぞカムと該みぞカムに係合する突起部とからなる構成といえることから、甲3に記載された事項は、周知技術であるといえるが、上記したように、当該周知技術を適用するためには、甲1発明の構成を根本的に変更する必要があり、甲1発明に当該周知技術を適用することが当業者にとって容易であるとは認められない。 してみると、本件訂正発明5は、甲1発明及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (2) 本件訂正発明6について 本件訂正発明6の構成F1~F8及びF11は、それぞれ、本件訂正発明1の構成A1~A8及びA10に相当することから、本件訂正発明6と甲1発明とを対比すると、両者は以下の点で相違し、その余の点で一致する。 <相違点3> (構成F9及びF10に関して) 従動部とカム部に関して、本件訂正発明6は、従動部は、溝状に形成されており、カム部は、前記従動部に嵌るカム突起であるのに対して、甲1発明は、本件訂正発明6の従動部に相当する「嵌合プレート6」が「備え」る「傾斜部19」が溝状ではなく、本件訂正発明6のカム部に相当する「制御プレート4」が「備え」る「傾斜部19」及び「ウェブ21」が、カム突起ではない点。 そして、上記相違点3について検討すると、甲3には、カム仕掛として、みぞカムと該みぞカムに係合する突起部とからなる構成が記載されており、溝状の構成と突起状の構成の組み合わせによって、カム仕掛を構成することは、周知技術であると認められる。 しかしながら、甲1発明における「嵌合プレート6」が「備え」る「傾斜部19」と、「制御プレート4」が「備え」る「傾斜部19」及び「ウェブ21」からなる構成を、他のカム機構に置換可能であることは、甲1には何ら示唆されていない。 また、甲1発明における「制御プレート4から嵌合プレート6」「への力及び運動の伝達」を「実現」するために、甲3に記載された事項を採用するためには、ともに「ディスク形状を有」する「制御プレート4」と「嵌合プレート6」において、「制御プレート4」に突起状の構成を設け、「嵌合プレート6」に溝状の構成を設けることになるが、そのように構成し、上記相違点3に係る本件訂正発明6に係る構成を成すためには、甲1発明の構成を根本的に変更する必要があることは明らかであり、溝状の構成と突起状の構成の組合せからなるカム仕掛が、周知技術であったとしても、甲1発明に当該従来周知の技術を適用することが当業者にとって容易であるとは認められない。 してみると、本件訂正発明6は、甲1発明及び甲3に記載された周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3) 本件訂正発明9、10について 本件訂正発明9の構成G1~G8及びG12は、それぞれ、本件訂正発明1の構成A1~A8及びA10に相当することから、本件訂正発明9と甲1発明とを対比すると、両者は、少なくとも、以下の点で相違する。 <相違点4> (構成G11に関して) 第二駆動機構に関して、本件訂正発明9は、前記第二駆動機構が、蓋体を閉方向に付勢する力を発生する付勢部材を備えるのに対して、甲1発明は、本件訂正発明9の第二駆動機構に相当する「カム20を備え」る「制御プレート4」と、「燃料タンクキャップ1を開閉するためのものであり」「制御プレート4の」「カム20」と「接触可能」な「カム20を備え」る「トルクプレート5」からなる構成は、燃料タンクキャップ1を閉方向に付勢する力を発生する付勢部材を備えていない点。 そして、上記相違点4について検討すると、甲4には、充填材注入口室蓋4を閉鎖及び開放位置で固定するために、ばね8が使用される点が記載されており、開閉機構において、ばね8を用いて充填材注入口室蓋4を閉鎖位置又は開放位置に固定する技術思想が記載されてはいるが、甲1発明の「カム20を備え」る「制御プレート4」と、「燃料タンクキャップ1を開閉するためのものであり」「制御プレート4の」「カム20」と「接触可能」な「カム20を備え」る「トルクプレート5」からなる構成において、燃料タンクキャップ1を閉じる方向に付勢部材を設けることは、「トルクプレート5」を「燃料タンクキャップ1の閉鎖」の回転方向に付勢する部材を設けることになるが、そのような部材を設けることは、甲1には何ら示唆されていない。 また、甲1発明において、「トルクプレート5」に付勢部材を設け、上記相違点4に係る本件訂正発明9の構成を成すためには、甲1発明の構成を根本的に変更する必要があり、甲1発明に甲4に記載された事項を適用することが当業者ににとって容易であるとは認められない。 してみると、本件訂正発明9は、甲1発明及び甲4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 また、本件訂正発明10は、本件訂正発明9を引用するものであり、本件訂正発明9の構成をすべて含み、さらに限定された発明であるから、本件訂正発明9と同様に、甲1発明及び甲4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (4) 本件訂正発明11について 本件訂正発明11の構成I1~I8及びI10は、それぞれ、本件訂正発明1の構成A1~A8及びA10に相当することから、本件訂正発明11と甲1発明とを対比すると、両者は、以下の点で相違し、その余の点で一致する。 <相違点5> (構成I9に関して) 第一駆動機構に関して、本件訂正発明11は、前記第一駆動機構が、ロック駆動部材がロック位置に位置移動した状態でリッド駆動部材とロック駆動部材との相対移動を規制する相対移動規制部材を備えるのに対して、甲1発明は、本件訂正発明11の第一駆動機構に相当する「制御プレート4」が「備え」る「傾斜部19」及び「ウェブ21」と、「ケーブルレバー14」を「支持」し、「制御プレート4及びトルクプレート5に面する嵌合ベースプレート26の側に配置された傾斜部19を備え」た「嵌合プレート6」からなる構成において、「制御プレート4」が「燃料タンクキャップ1を閉じるために、時計回りに回転し」た後において、本件訂正発明11のリッド駆動部材に相当する「トルクプレート5」、「トルクシャフト23」及び「相互接続部材15」と、本件訂正発明11のロック駆動部材に相当する「ケーブルレバー14」及び「ラッチ解除ケーブル10」との相対移動を規制するための部材を有さない点。 そこで、上記相違点5について検討すると、甲5には、相対移動を規制するための部材を備えた構成についての記載がされている。 また、上記2(1)ウにおける検討事項を参照すると、甲1発明における、「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」は本件訂正発明11のロック駆動部材に相当し、「トルクプレート5」、「トルクシャフト23」又は「相互接続部材15」は本件訂正発明11のリッド駆動部材に相当し、甲1発明における「ラッチ解除ケーブル10の張力」が「解除」された状態の「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」が、本件訂正発明11における「ロック位置に位置する際」の「ロック駆動部材」に相当することになる。 そこで、甲1発明において、「ラッチ解除ケーブル10の張力」が「解除」された状態の「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」が、「トルクプレート5」、「トルクシャフト23」又は「相互接続部材15」との相対移動を規制するための部材を備え得るかについて検討すると、甲1には、上記の相対移動を規制するための部材を設けることは、何ら示唆されていない。 さらに、甲1発明において、「ラッチ解除ケーブル10の張力」が「解除」された状態の「ケーブルレバー14」又は「ラッチ解除ケーブル10」が、「トルクプレート5」、「トルクシャフト23」又は「相互接続部材15」との相対移動を規制するための部材を設け、上記相違点5に係る本件訂正発明11の構成を成すためには、甲1発明の構成を根本的に変更する必要があることは明らかであり、甲1発明に甲5に記載された事項を適用することによって上記相違点5に係る本件訂正発明11の構成を成すことが当業者にとって容易であるとは認められない。 してみると、本件訂正発明11は、甲1発明及び甲5に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (5) 本件訂正発明12~14について 本件訂正発明12~14は、いずれも、本件訂正発明5、6、9又は11を直接又は間接的に引用するものであり、本件訂正発明5、6、9又は11の構成をすべて含み、さらに限定された発明であるから、上記(1)~(4)において検討したように、本件訂正発明5、6、9又は11と同様に、甲1発明、甲2に記載された事項、甲3に記載された周知技術、甲4に記載された事項、及び、甲5に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件訂正発明1~6、9~14に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件訂正発明1~6、9~14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、本件訂正前の請求項7、8は本件訂正により削除されたため、請求項7、8についての特許異議の申立ては、不適法なものであり、その補正をすることができないから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700645

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    同じ当事者: 荒木 博之
  • 2024-700895異議申立 / 2024-12-12 / 維持紫外発光装置
    同じ当事者: 豊田合成株式会社
  • 2023-700202異議申立 / 2023-06-27 / 維持積層造形経路生成装置、積層造形経路生成方法、積層造形システム、および、積層造形方…
    同じ当事者: 荒木 博之
  • 2021-700224異議申立 / 2021-12-01 / 請求成立(取消)感光性樹脂組成物
    同じ当事者: 荒木 博之
  • 2019-700923異議申立 / 2021-04-28 / 訂正認容半導体装置
    同じ当事者: 豊田合成株式会社
同じ論点・分野の審決(審決分類)41件(113・E05B、121・E05B)
  • 2025-700427異議申立 / 2026-02-12 / 訂正認容対象物制御装置
    共通の審決分類: 113・E05B、121・E05B
  • 2025-700720異議申立 / 2025-09-22 / 維持機器固定用台座
    共通の審決分類: 113・E05B、121・E05B
  • 2021-701176異議申立 / 2024-03-08 / 訂正認容制御装置、サーバシステム、及び車両管理システム
    共通の審決分類: 113・E05B、121・E05B
  • 2022-701282異議申立 / 2023-10-04 / 訂正認容デジタルドアロック、コンピュータプログラム、及び非接触方式で該デジタルドアロック…
    共通の審決分類: 113・E05B、121・E05B
  • 2022-700712異議申立 / 2023-08-31 / 訂正認容発動制御装置
    共通の審決分類: 113・E05B、121・E05B

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