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特許異議申立

2022-701282

デジタルドアロック、コンピュータプログラム、及び非接触方式で該デジタルドアロックを制御する方法

審判番号
2022-701282
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-066200
登録番号
7094048
請求日
2022年12月21日
審決日
2023年10月04日
公報発行日
2024年01月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ピルリア テクノロジー カンパニー,リミテッド
  • 【権利者代理人】▲吉▼川 俊雄
  • 【異議申立人】高橋 繁
審判長/審判官
  • 審判長 居島 一仁
  • 審判官 蔵野 いづみ
  • 審判官 太田 恒明
分類
P1651.121-YAA(E05B) / P1651.113-YAA(E05B) / P1651.851-YAA(E05B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7094048号発明「デジタルドアロック、コンピュータプログラム、及び非接触方式で該デジタルドアロックを制御する方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7094048号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕について訂正することを認める。 特許第7094048号の請求項4~13に係る特許を維持する。 特許第7094048号の請求項1~3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7094048号(以下「本件特許」という。)の請求項1~13に係る特許についての出願は、令和3年4月9日(パリ条約による優先権主張2021年(令和3年)2月3日(KR)韓国)に出願され、令和4年6月23日にその特許権の設定登録がされ、同年7月1日に特許掲載公報が発行された。 その後の本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和4年12月21日差出:特許異議申立人高橋繁(以下「申立人」という 。)による請求項1~13に係る特許に対する 特許異議の申立て 令和5年 3月30日付け:取消理由通知 同年 6月26日 :特許権者による意見書の提出及び訂正の請求 同年 7月10日付け:訂正請求があった旨の通知 なお、当審は、令和5年7月10日付け訂正請求があった旨の通知において、申立人に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えたが、指定期間内に申立人からは何らの応答もなかった。 第2 訂正の請求について 1 訂正の内容 令和5年6月26日付け訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。)による訂正の請求(以下「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 2 訂正の適否の判断 (1) 訂正事項1 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。 (2) 訂正事項2 訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項2を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。 (3) 訂正事項3 訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項3を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。 (4) 一群の請求項について 訂正事項1~3に係る訂正前の請求項1~3は、請求項2は請求項1を引用し、請求項3は請求項2を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、一群の請求項である。 3 小括 以上のとおり、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正後の請求項1~13に係る発明は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(以下、それぞれ、請求項番号により「本件発明1」等といい、これらを併せて「本件発明」という。また、請求項4及び請求項10の符号4A等は、分説するため当審で付した。「4A」等が付された事項を、以下「特定事項4A」等という。)。 「【請求項1】(削除) 【請求項2】(削除) 【請求項3】(削除) 【請求項4】 4A モバイル装置で実行され、ブルートゥース通信を通じてデジタルドアロックのそれぞれを制御するために媒体に保存されたモバイルアプリにおいて、 4B 前記モバイルアプリは、前記デジタルドアロックのそれぞれを制御するために、前記デジタルドアロックのそれぞれについての設定情報を含む設定情報ファイルを外部装置から受信して、前記設定情報ファイルを前記モバイル装置の保存装置に保存する段階と、 4C ブルートゥースペアリングのために、前記デジタルドアロックのそれぞれを検索する段階と、 4D 検索された前記デジタルドアロックのドアロックIDをディスプレイする段階と、 4E ディスプレイされた前記ドアロックIDのうちから第1デジタルドアロックの第1ドアロックIDが選択されれば、前記保存装置に保存された前記設定情報ファイルに含まれた前記第1デジタルドアロックについての第1設定情報を読み取って、前記ブルートゥース通信を通じて前記第1デジタルドアロックに伝送する段階と、を行い、 4F 前記第1設定情報は、開閉設定情報と動作設定情報とを含み、 前記開閉設定情報は、使用者情報、パスワード、及びRFIDカード番号を含み、 前記動作設定情報は、前記第1デジタルドアロックの使用者をして前記第1デジタルドアロックを手動または自動で開閉させるか否かを示すロック設定、及び前記第1デジタルドアロックが解除された後、再び自動でロックするまでかかる時間を示す再ロック時間を含む 4G 媒体に保存された、モバイルアプリ。 【請求項5】 前記モバイルアプリは、 前記ブルートゥース通信を通じて、使用履歴情報伝送要請をペアリングされた前記第1デジタルドアロックに伝送する段階と、 前記ブルートゥース通信を通じて、前記第1デジタルドアロックから伝送された使用履歴情報を受信する段階と、 前記使用履歴情報を前記外部装置に伝送する段階と、 をさらに行う媒体に保存された、請求項4に記載のモバイルアプリ。 【請求項6】 前記第1デジタルドアロックによって収集される前記使用履歴情報は、誰が、いつ、如何なる手段で前記第1デジタルドアロックのドアロック解除装置のそれぞれを用いて、前記第1デジタルドアロックのドアロック装置を解除したか否かを示し、 前記ドアロック解除装置は、キーパッド、RFIDリーダー、手動開閉器、信号受信器、生体情報認識装置、及び内部ハンドルのうちから少なくとも3つを含み、 前記如何なる手段は、前記パスワード、前記RFIDカード番号を保存するRFIDカード、前記手動開閉器、前記信号受信器に開き信号を伝送する信号伝送装置、生体情報、及び前記内部ハンドルのうちから少なくとも3つを含む媒体に保存された、請求項5に記載のモバイルアプリ。 【請求項7】 前記外部装置がPCである時、 前記設定情報ファイルを前記モバイル装置の保存装置に保存する段階は、前記PCと前記モバイル装置との間に連結されたケーブルを通じて前記PCから前記設定情報ファイルをダウンロードされて、前記保存装置に保存する段階を含み、 前記使用履歴情報を前記外部装置に伝送する段階は、前記使用履歴情報を前記PCに保存するために、前記ケーブルを通じて前記モバイル装置から前記PCにアップロードする段階を含む媒体に保存された、請求項6に記載のモバイルアプリ。 【請求項8】 前記外部装置がPCである時、 前記設定情報ファイルを前記モバイル装置の保存装置に保存する段階は、前記PCと前記モバイル装置との間に形成されたWi-Fi(登録商標)通信網を通じて前記PCから前記設定情報ファイルをダウンロードされて、前記保存装置に保存する段階を含み、 前記使用履歴情報を前記外部装置に伝送する段階は、前記使用履歴情報を前記PCに保存するために、前記Wi-Fi通信網を通じて前記モバイル装置から前記PCにアップロードする段階を含む媒体に保存された、請求項6に記載のモバイルアプリ。 【請求項9】 前記外部装置がウェブサーバである時、 前記設定情報ファイルを前記モバイル装置の保存装置に保存する段階は、前記ウェブサーバと前記モバイル装置との間に形成された携帯電話の通信網を通じて前記ウェブサーバから前記設定情報ファイルをダウンロードされて、前記保存装置に保存する段階を含み、 前記使用履歴情報を前記外部装置に伝送する段階は、前記使用履歴情報を前記ウェブサーバに保存するために、前記携帯電話の通信網を通じて前記モバイル装置から前記ウェブサーバにアップロードする段階を含み、 前記ウェブサーバに保存された前記設定情報ファイルは、Wi-Fi通信を通じてPCから前記ウェブサーバに伝送された後、データベースに保存された媒体に保存された、請求項6に記載のモバイルアプリ。 【請求項10】 10A 設定情報登録段階で、電子装置で実行されるコンピュータプログラムが、デジタルドアロックのうちから第1デジタルドアロックと前記電子装置とをブルートゥースペアリングする段階と、 10B 前記コンピュータプログラムが、前記デジタルドアロックのそれぞれを制御するために、前記デジタルドアロックのそれぞれについての設定情報を含む設定情報ファイルをディスプレイする段階と、 10C 前記設定情報ファイルに含まれた前記第1デジタルドアロックについての第1設定情報が選択されれば、前記コンピュータプログラムが、前記第1設定情報を前記第1デジタルドアロックに登録するために、前記第1設定情報をブルートゥース通信を通じて前記第1デジタルドアロックに伝送する段階と、 を含み、 10D 前記第1設定情報は、開閉設定情報と動作設定情報とを含み、 前記開閉設定情報は、使用者情報、パスワード、及びRFIDカード番号を含み、 前記動作設定情報は、前記第1デジタルドアロックの使用者をして前記第1デジタルドアロックを手動または自動で開閉させるか否かを示すロック設定、及び前記第1デジタルドアロックが解除された後、再び自動でロックするまでかかる時間を示す再ロック時間を含む、 10E デジタルドアロックの制御方法。 【請求項11】 使用履歴情報伝送段階で、前記コンピュータプログラムが、前記デジタルドアロックのうち、前記第1デジタルドアロックと前記電子装置とをブルートゥースペアリングする段階と、 前記第1デジタルドアロックと前記電子装置とがブルートゥースペアリングされれば、前記コンピュータプログラムが、前記ブルートゥース通信を通じて前記第1デジタルドアロックに使用履歴情報伝送要請を伝送する段階と、 前記コンピュータプログラムが、前記ブルートゥース通信を通じて前記第1デジタルドアロックから使用履歴情報を受信する段階と、をさらに含み、 前記第1デジタルドアロックによって収集される前記使用履歴情報は、誰が、いつ、如何なる手段で前記第1デジタルドアロックのドアロック解除装置のそれぞれを用いて、前記第1デジタルドアロックのドアロック装置を解除したか否かを示し、 前記ドアロック解除装置は、キーパッド、RFIDリーダー、手動開閉器、信号受信器、生体情報認識装置、及び内部ハンドルのうちから少なくとも3つを含み、 前記如何なる手段は、パスワード、RFIDカード番号を保存するRFIDカード、前記手動開閉器、前記信号受信器に開き信号を伝送する信号伝送装置、生体情報、及び前記内部ハンドルのうちから少なくとも3つを含む、請求項10に記載のデジタルドアロックの制御方法。 【請求項12】 前記電子装置がPCである時、 前記第1デジタルドアロックと前記電子装置とをブルートゥースペアリングする段階は、 前記PCが、第1Wi-Fi通信網を通じてウェブサーバと通信チャンネルを形成する段階と、 前記ウェプサーバが、第2Wi-Fi通信網を通じてインターネット共有器と通信チャンネルを形成する段階と、 前記インターネット共有器が、第3Wi-Fi通信網を通じてブリッジと通信チャンネルを形成する段階と、 前記ブリッジが、前記ブルートゥース通信を通じて前記第1デジタルドアロックと通信チャンネルを形成する段階と、を含み、 前記PCで実行される前記コンピュータプログラムは、前記ウェブサーバ、前記インターネット共有器、及び前記ブリッジを通じて前記第1設定情報を遠隔で前記第1デジタルドアロックに登録するために、前記第1設定情報を前記ウェブサーバ、前記インターネット共有器、及び前記ブリッジを通じて前記第1デジタルドアロックに伝送する、請求項11に記載のデジタルドアロックの制御方法。 【請求項13】 前記電子装置がモバイル装置である時、 前記第1デジタルドアロックと前記電子装置とをブルートゥースペアリングする段階は 前記モバイル装置が、移動通信網を通じてウェブサーバと通信チャンネルを形成する段階と、 前記ウェブサーバが、第2Wi-Fi通信網を通じてインターネット共有器と通信チャンネルを形成する段階と、 前記インターネット共有器が、第3Wi-Fi通信網を通じてブリッジと通信チャンネルを形成する段階と、 前記ブリッジが、前記ブルートゥース通信を通じて前記第1デジタルドアロックと通信チャンネルを形成する段階と、を含み、 前記モバイル装置で実行される前記コンピュータプログラムは、前記ウェブサーバ、前記インターネット共有器、及び前記ブリッジを通じて前記第1設定情報を遠隔で前記第1デジタルドアロックに登録するために、前記第1設定情報を前記ウェブサーバ、前記インターネット共有器、及び前記ブリッジを通じて前記第1デジタルドアロックに伝送する、請求項11に記載のデジタルドアロックの制御方法。」 第4 証拠一覧、特許異議申立理由の概要、及び取消理由通知において通知した取消理由の概要 1 証拠一覧 特許異議申立書(以下「申立書」という。)に添付して提出された証拠は、以下のとおりである。 甲第1号証:特開2009-19423号公報 甲第2号証:特開2020-46808号公報 甲第3号証:特許第3729007号公報 甲第4号証:特開2011-227573号公報 甲第5号証:特開平10-176446号公報 甲第6号証:特開2004-132073号公報 甲第7号証:特許第5129557号公報 甲第8号証:特許第6765147号公報 甲第9号証:特表2018-511718号公報 甲第10号証:特表2010-534286号公報 (以下「甲第1号証」等を「甲1」等という。) 2 特許異議申立理由の概要 申立人が申立書において主張する特許異議申立理由の概要は、以下のとおりである。 (1) 甲1を主引用例とした場合 ア 本件特許の請求項1、請求項2、請求項4及び請求項10に係る発明は、甲1に記載された発明である。 イ 本件特許の請求項1~11に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲2~9に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 ウ 本件特許の請求項12及び請求項13に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲2~10に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2) 甲2を主引用例とした場合 本件特許の請求項1に係る発明は、甲2に記載された発明である。 3 取消理由通知において通知した取消理由の概要 当審において令和5年3月30日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は次のとおりである。 (進歩性)下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 ・請求項1~3 ・引用文献等 甲1(特開2009-19423号公報) 第5 証拠について 1 甲1 (1) 記載事項 甲1には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 「【0016】 本例の電気錠システム1は、例えば図1に示すように、配信サーバ10、携帯電話20、電気錠装置30、問い合わせ先端末40から構築され、電気錠装置30への各種設定や電気錠装置30からの各種ログ情報の取得に携帯電話20を用いている。以下、各構成要素について詳述する。」 「【0018】 配信サーバ10は、携帯電話専用のアプリケーションソフトウェアを配信するサーバで構成される。配信サーバ10は、図1に示すように、データベース11を備えて構成され、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して携帯電話20と通信可能に接続されている。 【0019】 データベース11は、携帯電話20上で実行可能な各種携帯電話に対応したアプリケーションソフトウェア(例えばiアプリ、EZアプリ、S!アプリなど)を記憶している。このアプリケーションソフトウェア(以下、アプリと略称する)としては、電気錠装置30に各種設定を行うための設定用アプリケーションソフトウェア(以下、設定用アプリと略称する)、電気錠装置30から各種ログ情報を取得するための収集用アプリケーションソフトウェア(以下、収集用アプリと略称する)を記憶している。 【0020】 設定用アプリは、携帯電話20から電気錠装置30に各種設定を行うときに携帯電話20上で起動されるもので、電気錠装置30の各種設定(例えば物件コード、日時設定、使用ID登録、動作モードなど)の初期設定データを含み、この初期設定データを必要に応じて編集するためのソフトウェアで構成される。 【0021】 また、収集用アプリは、携帯電話20が電気錠装置30から各種ログ情報(例えば操作情報、エラー情報、メンテナンス情報、設定情報など)を取得するときに携帯電話20上で起動されるソフトウェアで構成される。 【0022】 この配信サーバ10は、携帯電話20から配信要求があったときに、利用者が選択希望する各種アプリ(設定用アプリ、収集用アプリ)を携帯電話20に配信している。」 「【0023】 次に、携帯電話20は、一般ユーザーやメンテナンス業者などが所持する市販の電話からなり、機器本体内に非接触型ICチップを内蔵したICチップ内蔵タイプ若しくは非接触型IC内蔵カードが装着可能に構成される。本例では、この携帯電話20が、電気錠装置30への各種設定や電気錠装置30からの各種ログ情報の収集を行う際の端末として利用される。この携帯電話20は、図1に示すように、操作部21、非接触通信部22、制御部23、記憶部24、表示部25、報知部26を備えて構成される。 ・・・ 【0025】 非接触通信部22は、例えば非接触ICカード技術方式であるFeliCa(登録商標)によって電気錠装置30との間で相互に非接触通信が可能なリーダ/ライタで構成される。非接触通信部22では、設定用アプリを起動した状態で携帯電話20本体を電気錠装置30の通信エリア範囲内に近接させて設定操作を行ったときに、記憶部24に記憶された各種設定データを非接触通信によって電気錠装置30に送信している。また、非接触通信部22は、収集用アプリを起動した状態で携帯電話20本体を電気錠装置30の通信エリア範囲内に近接させて収集操作を行ったときに、電気錠装置30の各種ログ情報を電気錠装置30から非接触通信によって収集している。 【0026】 制御部23は、例えばCPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータで構成され、携帯電話20を電話として使用するのに必要な各種制御の他、配信サーバ10から各種アプリを取得するための制御、取得した各種アプリを起動させるための制御、取得した各種アプリを記憶部24にインストールさせる制御、操作部21の操作によって起動した各種アプリに係る表示内容を選択的に表示部25の表示画面上に表示する制御、表示制御した各種アプリに係る表示内容の編集処理に伴う制御、編集後の各種情報を記憶部24に記憶させる制御などを行っている。 ・・・ 【0028】 まず、操作部21の操作によって設定用アプリを起動すると、制御部23は、携帯電話20のモードを、電気錠装置30の各種設定を行うための設定用モードに切り替え制御し、表示部25に電気錠装置30の初期設定データを含む設定項目を表示制御する。このとき、操作部21によって表示内容が編集されると、その編集後の表示内容を記憶部24に記憶する。また、制御部23は、携帯電話20本体を通信エリア範囲内に近接させて操作部21が操作されると、設定データを非接触通信部22から電気錠装置30に送信する制御をし、設定データの送信が完了すると、完了した旨を報知する制御をしている。 【0029】 また、操作部21の操作によって収集用アプリを起動すると、制御部23は、携帯電話20のモードを、電気錠装置30から各種ログ情報を収集するための収集用モードに切り替え制御している。さらに、制御部23は、携帯電話20本体を通信エリア範囲内に近接させて操作部21が操作されると、電気錠装置30から各種ログ情報を収集する制御をし、ログ情報の収集が完了すると、完了した旨を報知する制御をしている。また、制御部23は、収集した各種ログ情報を項目毎に表示制御したり、収集した各種ログ情報を問い合わせ先端末40に送信する制御をしている。 【0030】 記憶部24は、例えば磁気的、光学的記憶媒体若しくはROM、RAM等の半導体メモリで構成され、携帯電話20を電話として使用するのに必要な各種制御情報の他、配信サーバ10から取得した各種アプリ、操作部21の操作により編集された設定データ、電気錠装置30からの各種ログ情報などを記憶している。 【0031】 表示部25は、携帯電話20を電話として使用する際に必要な表示内容の他、操作部21の操作によって起動した各種アプリ毎の表示内容、電気錠装置30の各種設定データ、電気錠装置30から収集した各種ログ情報などを表示画面上に表示している。」 「【0034】 次に、電気錠装置30は、電池を駆動源としたスタンドアロンな構成であり、IDキー50からの施解錠情報を正常認証したときに現在の錠前及び扉の状態に応じて錠前を電気的に施解錠制御するものである。この電気錠装置30は、図1に示すように、非接触通信部31、記憶部32、制御部33、報知部34、施解錠機構35、電源部36を備えて構成される。 【0035】 非接触通信部31は、携帯電話20との間で相互に非接触通信を行うリーダ/ライタで構成され、例えば扉や扉付近の所定箇所に位置して設けられる。この非接触通信部31は、設定用モード若しくは収集用モードに制御された携帯電話20が通信エリア範囲内に近接したときに、この携帯電話20との間で非接触通信が行われ、携帯電話20から送信された各種設定データを受信したり、記憶部32に記憶された電気錠装置30の各種ログ情報を携帯電話20に送信している。 【0036】 記憶部32は、例えば磁気的、光学的記憶媒体若しくはROM、RAM等の半導体メモリで構成され、電気錠装置30を駆動するために必要な各種制御情報の他、施解錠時にIDキー50から送信された施解錠情報が正当な情報であるか否かを判別するための認証用施解錠情報、携帯電話20から受信した電気錠装置30の設定データ、例えば操作情報、エラー情報、メンテナンス情報、設定情報、モニタ情報としての状態信号(錠前の施解錠状態信号や扉の開閉状態信号)等の電気錠装置30に関わる各種ログ情報を記憶している。 ・・・ 【0038】 また、制御部33は、設定用モード(設定用アプリを起動した状態)の携帯電話20が非接触通信部31の通信エリア範囲内に近接したときに、非接触通信部31を介して携帯電話20から各種設定データを受信する制御をしている。そして、制御部33は、この受信した各種設定データを記憶部32に記憶させるとともに、この受信した各種設定データに基づいて電気錠装置30の各種設定の自動セットアップを行っている。また、制御部33は、携帯電話20からの各種設定データに基づく電気錠装置30の設定が完了すると、この設定が完了した旨を報知する制御をしている。 【0039】 さらに、制御部33は、収集用モード(収集用アプリを起動した状態)の携帯電話20が非接触通信部31の通信エリア範囲内に近接したときに、記憶部32に記憶された各種ログ情報を携帯電話20に対して送信し、携帯電話20に対する各種ログ情報の送信が完了すると、この完了した旨を報知する制御をしている。」 「【0045】 まず、図2を参照しながら所望のアプリ(設定用アプリ、収集用アプリ)を携帯電話20上にインストールする動作について説明する。利用者は、携帯電話20から配信サーバ10に対してアクセスし(ST1)、配信サーバ10に記憶される複数のアプリの中から必要なアプリ(設定アプリ、収集アプリ)を選択してダウンロードする(ST2)。そして、利用者は、配信サーバ10からダウンロードしたアプリを携帯電話20にインストールする(ST3)。 【0046】 次に、図3を参照しながら携帯電話20にインストールされた設定用アプリを起動して、電気錠装置30の設定を行う動作について説明する。まず、利用者は、携帯電話20上で設定用アプリを起動し、携帯電話20のモードを設定用モードに切り替える(ST11)。次に、携帯電話20上で起動した設定用アプリの各種設定項目に設定される設定データを必要に応じて表示画面上で編集設定し(ST12)、各種設定項目毎の設定データを携帯電話20上に保存する(ST13)。 【0047】 そして、各種設定データの編集が完了すると、携帯電話20を電気錠装置30の非接触通信部31にかざして、電気錠装置30に各種設定データを送信する(ST14)。携帯電話20は、各種設定データの送信が完了すると、鳴動又は振動して、設定データの送信が完了した旨を報知する(ST15)。電気錠装置30は、携帯電話20から送信された設定データに基に自動セットアップを行い(ST16)、設定が完了すると、鳴動又は所定表示をして設定データに基づく設定が完了した旨を利用者に報知する(ST17)。 ・・・ 【0049】 次に、図4を参照しながら携帯電話20にインストールされた収集用アプリを起動して、電気錠装置30から各種ログ情報を収集し、その収集した各種ログ情報を問い合わせ先に送信する動作について説明する。まず、利用者は、携帯電話20上で収集用アプリを起動し、携帯電話20のモードを収集用モードに切り替える(ST21)。次に、携帯電話20を電気錠装置30の非接触通信部31にかざし、電気錠装置30から各種ログ情報を携帯電話20に収集する(ST22)。そして、この各種ログ情報の収集が完了すると、携帯電話20が振動又は鳴動し、電気錠装置30が鳴動又は所定表示を行い、各種ログ情報の収集が完了した旨を利用者に報知する(ST23)。 【0050】 そして、各種ログ情報の収集が完了すると、利用者は携帯電話20上で各種ログ情報を閲覧して確認し(ST24)、携帯電話20の通信機能(メール機能)を使って各種ログ情報を問い合わせ先端末40へ送信する(ST25)。」 (2) 甲1に記載された発明 上記(1)より、甲1には次の2つの発明(以下、それぞれを「甲1発明」、「甲1方法発明」という。)が記載されていると認められる。 <甲1発明> 「a1 配信サーバ10、携帯電話20、電気錠装置30、問い合わせ先端末40から構築される電気錠システム1において(【0016】)、 b1 配信サーバ10は、携帯電話専用のアプリケーションソフトウェアを配信するサーバで構成され、データベース11を備えて構成され、インターネット等の通信ネットワークを介して携帯電話20と通信可能に接続され(【0018】)、 b2 データベース11は、携帯電話20上で実行可能なアプリケーションソフトウェア(以下「アプリ」という。)として、電気錠装置30に各種設定を行うための設定用アプリケーションソフトウェア(以下「設定用アプリ」という。)、電気錠装置30から各種ログ情報を取得するための収集用アプリケーションソフトウェア(以下「収集用アプリ」という。)を記憶しており(【0019】)、 b3 設定用アプリは、携帯電話20から電気錠装置30に各種設定を行うときに携帯電話20上で起動されるもので、電気錠装置30の各種設定(例えば物件コード、日時設定、使用ID登録、動作モードなど)の初期設定データを含み、この初期設定データを必要に応じて編集するためのソフトウェアで構成され(【0020】)、 b4 収集用アプリは、携帯電話20が電気錠装置30から各種ログ情報(例えば操作情報、エラー情報、メンテナンス情報、設定情報など)を取得するときに携帯電話20上で起動されるソフトウェアで構成され(【0021】)、 b5 配信サーバ10は、携帯電話20から配信要求があったときに、利用者が選択希望する各種アプリ(設定用アプリ、収集用アプリ)を携帯電話20に配信し(【0022】)、 c1 携帯電話20は、操作部21、非接触通信部22、制御部23、記憶部24、表示部25、報知部26を備えて構成され、電気錠装置30への各種設定や電気錠装置30からの各種ログ情報の収集を行う際の端末として利用され(【0023】)、 c2 非接触通信部22は、FeliCa(登録商標)によって電気錠装置30との間で相互に非接触通信が可能なリーダ/ライタで構成され、 非接触通信部22では、設定用アプリを起動した状態で携帯電話20本体を電気錠装置30の通信エリア範囲内に近接させて設定操作を行ったときに、記憶部24に記憶された各種設定データを非接触通信によって電気錠装置30に送信し、また、非接触通信部22は、収集用アプリを起動した状態で携帯電話20本体を電気錠装置30の通信エリア範囲内に近接させて収集操作を行ったときに、電気錠装置30の各種ログ情報を電気錠装置30から非接触通信によって収集し(【0025】)、 c3 制御部23は、配信サーバ10から各種アプリを取得するための制御、取得した各種アプリを起動させるための制御、取得した各種アプリを記憶部24にインストールさせる制御、操作部21の操作によって起動した各種アプリに係る表示内容を選択的に表示部25の表示画面上に表示する制御、表示制御した各種アプリに係る表示内容の編集処理に伴う制御、編集後の各種情報を記憶部24に記憶させる制御などを行い(【0026】)、 c4 操作部21の操作によって設定用アプリを起動すると、制御部23は、携帯電話20のモードを、電気錠装置30の各種設定を行うための設定用モードに切り替え制御し、表示部25に電気錠装置30の初期設定データを含む設定項目を表示制御し、操作部21によって表示内容が編集されると、その編集後の表示内容を記憶部24に記憶し、携帯電話20本体を通信エリア範囲内に近接させて操作部21が操作されると、設定データを非接触通信部22から電気錠装置30に送信する制御をし、設定データの送信が完了すると、完了した旨を報知する制御をしており(【0028】)、 c5 操作部21の操作によって収集用アプリを起動すると、制御部23は、携帯電話20のモードを、電気錠装置30から各種ログ情報を収集するための収集用モードに切り替え制御し、さらに、携帯電話20本体を通信エリア範囲内に近接させて操作部21が操作されると、電気錠装置30から各種ログ情報を収集する制御をし、ログ情報の収集が完了すると、完了した旨を報知する制御をし、収集した各種ログ情報を項目毎に表示制御したり、収集した各種ログ情報を問い合わせ先端末40に送信する制御をしており(【0029】)、 c6 記憶部24は、半導体メモリで構成され、配信サーバ10から取得した各種アプリ、操作部21の操作により編集された設定データ、電気錠装置30からの各種ログ情報などを記憶し(【0030】)、 c7 表示部25は、操作部21の操作によって起動した各種アプリ毎の表示内容、電気錠装置30の各種設定データ、電気錠装置30から収集した各種ログ情報などを表示画面上に表示し(【0031】)、 d1 電気錠装置30は、非接触通信部31、記憶部32、制御部33、報知部34、施解錠機構35、電源部36を備えて構成され、IDキー50からの施解錠情報を正常認証したときに現在の錠前及び扉の状態に応じて錠前を電気的に施解錠制御するものであり(【0034】)、 d2 非接触通信部31は、携帯電話20との間で相互に非接触通信を行うリーダ/ライタで構成され、設定用モード若しくは収集用モードに制御された携帯電話20が通信エリア範囲内に近接したときに、この携帯電話20との間で非接触通信が行われ、携帯電話20から送信された各種設定データを受信したり、記憶部32に記憶された電気錠装置30の各種ログ情報を携帯電話20に送信するものであって(【0035】)、 d3 記憶部32は、携帯電話20から受信した電気錠装置30の設定データ、例えば操作情報、エラー情報、メンテナンス情報、設定情報、モニタ情報としての状態信号(錠前の施解錠状態信号や扉の開閉状態信号)等の電気錠装置30に関わる各種ログ情報を記憶し(【0036】)、 d4 制御部33は、設定用モード(設定用アプリを起動した状態)の携帯電話20が非接触通信部31の通信エリア範囲内に近接したときに、非接触通信部31を介して携帯電話20から各種設定データを受信する制御をし、この受信した各種設定データを記憶部32に記憶させるとともに、この受信した各種設定データに基づいて電気錠装置30の各種設定の自動セットアップを行い(【0038】)、 d5 さらに、制御部33は、収集用モード(収集用アプリを起動した状態)の携帯電話20が非接触通信部31の通信エリア範囲内に近接したときに、記憶部32に記憶された各種ログ情報を携帯電話20に対して送信するものであり(【0039】)、 e1 まず、所望のアプリ(設定用アプリ、収集用アプリ)を携帯電話20上にインストールするにあたり、利用者は、携帯電話20から配信サーバ10に対してアクセスし、配信サーバ10に記憶される複数のアプリの中から必要なアプリ(設定アプリ、収集アプリ)を選択してダウンロードし、配信サーバ10からダウンロードしたアプリを携帯電話20にインストールし(【0045】)、 e2 次に、携帯電話20にインストールされた設定用アプリを起動して、電気錠装置30の設定を行うにあたり、まず、利用者は、携帯電話20上で設定用アプリを起動し、携帯電話20のモードを設定用モードに切り替え、次に、携帯電話20上で起動した設定用アプリの各種設定項目に設定される設定データを必要に応じて表示画面上で編集設定し、各種設定項目毎の設定データを携帯電話20上に保存し(【0046】)、 e3 そして、各種設定データの編集が完了すると、携帯電話20を電気錠装置30の非接触通信部31にかざして、電気錠装置30に各種設定データを送信し、電気錠装置30は、携帯電話20から送信された設定データに基に自動セットアップを行うものであり(【0047】)、 e4 次に、携帯電話20にインストールされた収集用アプリを起動して、電気錠装置30から各種ログ情報を収集し、その収集した各種ログ情報を問い合わせ先に送信するにあたり、まず、利用者は、携帯電話20上で収集用アプリを起動し、携帯電話20のモードを収集用モードに切り替え、次に、携帯電話20を電気錠装置30の非接触通信部31にかざし、電気錠装置30から各種ログ情報を携帯電話20に収集し(【0049】)、 e5 そして、各種ログ情報の収集が完了すると、利用者は携帯電話20上で各種ログ情報を閲覧して確認し、携帯電話20の通信機能(メール機能)を使って各種ログ情報を問い合わせ先端末40へ送信する(【0050】) a2 アプリケーションソフトウェア(【0019】)。」 <甲1方法発明> 「甲1発明のアプリケーションソフトウェアにより電気錠装置30を設定する方法。」 2 甲2 (1) 記載事項 甲2には、以下の事項が記載されている。 「【0008】 図1は、実施形態の入出管理システム1の概略構成図である。入出管理システム1は、例えば、無線ルータ(第1通信部の一例)10と、複数のリーダ装置(第2通信部の一例)20-1~20-nと、複数の電子錠30-1~30-nと、コントローラ40と、携帯端末100と、入出管理サーバ200とを備える。以下の説明において、リーダ装置20-1~20-nは、それぞれ同様の構成とし、何れのリーダ装置であるかを区別しないときは、何れのリーダ装置であるかを示すハイフン以降の符号を省略し、「リーダ装置20」と称して説明する。また、ハイフンを用いて説明する他の構成についても同様とする。また、図1に示す入出管理システム1は、説明の便宜上、入出管理サーバ200と携帯端末100とを1対1の関係で示しているが、M対N(M、Nは、ともに1以上の自然数)の関係であってもよい。入出管理サーバ200は、施解錠する扉が設けられる建物や施設ごとに設けられてもよく、建物等のフロアごとに設けられてもよい。携帯端末100は、「携帯可能電子装置」の一例である。入出管理サーバ200は、「入出管理装置」の一例である。」 「【0012】 コントローラ40は、リーダ装置20により取得した情報を入出管理サーバ200に送信する。また、コントローラ40は、入出管理サーバ200から電子錠30による扉Dの施解錠を行うための制御情報を取得し、取得した制御情報に基づいて電子錠30の施錠または解錠を行う。また、コントローラ40は、解錠してから所定時間が経過した後に施錠させる制御情報を生成し、生成した制御情報を電子錠30に出力してもよい。また、コントローラ40は、リーダ装置20および電子錠30の数に対応付けて複数設けられてもよい。」 「【0016】 図2は、実施形態の携帯端末100のハードウェア構成例を示す図である。携帯端末100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)110と、RAM(Random Access Memory)111と、不揮発性メモリ112と、入力部113と、表示部114と、カードI/F(インターフェース)部115と、NW(ネットワーク)通信部116と、NFCコントローラ117と、アンテナ117Aと、カメラ(撮像部の一例)118と、マイク(音声入力部の一例)119と、UICC150とを備えている。なお、CPU110と、RAM111と、不揮発性メモリ112と、入力部113と、表示部114と、カードI/F部115と、NW通信部116と、NFCコントローラ117と、カメラ118と、マイク119とは、システムバスBS1を介して接続されている。 ・・・ 【0018】 入力部113は、例えば、キースイッチやタッチパネル装置であり、利用者から入力された情報を受け付ける。入力部113は、実施形態における事前認証処理や解錠処理の実行依頼を受け付ける。解錠処理には、例えば、トークン取得処理および解錠実行処理が含まれる。また、入力部113は、利用者の人物認証や携帯端末100の端末認証のための認証情報や、その他の情報の入力を受け付ける。表示部114は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、事前認証処理や解錠処理に必要な各種情報を表示する。表示部114は、タッチパネル装置として入力部113と一体に設けられてもよい。表示部114は、例えば、扉Dを解錠するための事前認証サービスや解錠サービスを提供する際の各種画面を表示させる。」 「【0030】 UICC150は、例えば、UICC通信部162と、UICC制御部164と、データ記憶部166とを備える。UICC制御部164およびデータ記憶部166は、セキュアエレメントの一例である。UICC通信部162は、図2に示すコンタクト部151および通信I/F部153を用いて実現され、接触インターフェースを利用して、カード通信部142と通信する。 【0031】 UICC制御部164は、例えば、CPU154により実現される。UICC制御部164は、例えば、認証情報登録部164Aと、第1認証部164Bと、第2認証部164Cと、端末側認証状態管理部164Dとを備える。認証情報登録部164Aは、例えば、アプリ実行部122による事前認証処理が実行される前に、個人認証情報166Aおよび鍵情報166Bをデータ記憶部166に記憶させる。例えば、認証情報登録部164Aは、UICC通信部162を介して受信した個人を識別するための個人ID(パスワード)や生体情報等を、個人認証情報166Aとしてデータ記憶部166に記憶させる。図4は、実施形態の個人認証情報166Aの内容の一例を示す図である。個人認証情報166Aは、例えば、個人IDに生体情報が対応付けられているものである。生体情報とは、例えば、指紋情報、顔情報、虹彩情報、声紋情報である。指紋情報とは、例えば、カメラ118により撮像された画像から解析された指紋の形状や模様、色等の情報、またはそれらを所定の特徴量に変換した情報である。また、顔情報とは、例えば、カメラ118により撮像された画像から解析された利用者の顔の輪郭や特徴部位(例えば、目、鼻、口)の形状パターン、特徴部位の配置パターン、色等の情報、またはそれらを所定の特徴量に変換した情報である。虹彩情報とは、例えば、カメラ118により撮像された画像から解析された利用者の眼球の黒目部分に現れる特徴的な模様パターンや色等の情報、またはそれらを所定の特徴量に変換した情報である。声紋情報とは、例えば、マイク119により取得された利用者の音声情報から解析された声の大きさや抑揚、音声の周波数成分の強度の分布や時間による変化の仕方等の情報、またはそれらを所定の特徴量に変換した情報である。なお、個人認証情報166Aは、生体情報に代えて(または加えて)、個人IDに、PIN(Personal Identification Number)や端末IDが対応付けられたものでもよい。また、個人IDと端末IDとは、同一ユーザが、同一端末を使う限り、一致する場合が多いため、個人認証情報166AをそれぞれのIDで別々に管理してもよいし、端末IDで管理してもよい。 ・・・ 【0033】 第1認証部164Bは、アプリ実行部122による事前認証処理において、UICC通信部162を介して受信した個人ID、生体情報、およびPINのようなパスワード等と、データ記憶部166に記憶された個人認証情報166Aとに基づいて、一または複数の認証手段による人物認証処理を行う。人物認証処理とは、例えば、利用者の正当性を確認する処理であり、正当な利用者であると判定された場合に認証に成功したと判定され、正当な利用者でないと判定された場合に認証に失敗したと判定されるものである。第1認証部164Bは、人物認証に失敗した場合に、その旨を示す情報を表示制御部124により表示部114に表示させる。 ・・・ 【0035】 端末側認証状態管理部164Dは、第1認証部164Bによる人物認証や第2認証部164Cによる端末認証が成功した場合に、利用者の認証状態を含む認証状態情報166Cをデータ記憶部166に記憶させる。図6は、実施形態の認証状態情報166Cの内容の一例を示す図である。認証状態情報166Cは、例えば、個人IDおよび端末IDに、認証状態、認証状態保持期間、およびセッション鍵が対応付けられている。認証状態とは、例えば、人物認証が成功した認証手法、または解錠が可能な扉Dに関する情報(例えば、扉の識別情報である扉ID)に関する情報である。例えば、人物認証が成功した場合には、認証状態に認証が成功した認証手法が認証情報として記憶され、端末認証も成功した場合には、入出管理サーバ200から得られる解錠可能な扉Dに関する情報が認証情報として記憶される。認証状態保持期間とは、例えば、認証情報が有効な期間である。また、セッション鍵とは、例えば、携帯端末100と入出管理サーバ200との間で通信される情報を暗号化または復号化するための鍵である。セッション鍵は、端末認証が成功した後に、入出管理された200から得られる情報である。また、端末側認証状態管理部164Dは、認証状態保持期間を経過した認証状態情報166Cをデータ記憶部166から削除する等の管理を行う。」 「【0037】 次に、入出管理サーバ200の機能構成について説明する。図7は、実施形態の入出管理サーバ200の機能構成例を示す図である。入出管理サーバ200は、例えば、通信制御部210と、端末認証部(第3認証部の一例)220と、管理部230と、トークン生成部240と、施解錠制御部(解錠制御部の一例)250と、サーバ側記憶部260とを備える。これらの機能部は、例えばCPU等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC等のハードウェア機能部であってもよい。 【0038】 通信制御部210は、例えば、Wi-FiやBluetooth等の無線通信方式を用いて、無線ルータ10を介して携帯端末100と通信するための制御を行う。また、通信制御部210は、例えば、リーダ装置20により読み取られた携帯端末100に関する情報(例えば、後述する第2解錠情報)を受信したり、施解錠制御部250からの扉Dを施解錠(解錠または施錠)するための制御情報をコントローラ40に送信する。」 「【0041】 図9は、実施形態の扉管理情報264の内容の一例を示す図である。扉管理情報264は、例えば、扉IDに、リーダ装置20の識別情報であるリーダID、電子錠30の識別情報である電子錠ID、コントローラ40の識別情報であるコントローラID40、および認証手段情報が対応付けられている。図9の例において、扉D1を解錠するためには、パスワード認証(例えば、PINによる認証)で成功する必要であることを示し、扉D2を解錠するためには、パスワード認証および指紋認証の2つの認証で成功する必要があることを示している。例えば、扉に対する認証手段の数や種類は、例えば、入室する部屋の重要度や機密度(例えば、機密文書や重要な装置が置かれている等)に応じて設定される。」 (2) 甲2に記載された事項 上記(1)より、甲2には次の事項(以下「甲2記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「無線ルータ10と、複数のリーダ装置20-1~20-nと、複数の電子錠30-1~30-nと、コントローラ40と、携帯端末100と、入出管理サーバ200とを備える入出管理システム1であって(【0008】)、 コントローラ40は、解錠してから所定時間が経過した後に施錠させる制御情報を生成し、生成した制御情報を電子錠30に出力し(【0012】)、 携帯端末100の入力部113は、利用者の人物認証や携帯端末100の端末認証のための認証情報や、その他の情報の入力を受け付け、表示部114は、事前認証処理や解錠処理に必要な各種情報を表示し(【0016】、【0018】)、 携帯端末100が備えるUICC150は、UICC制御部164と、データ記憶部166とを備え(【0016】、【0030】)、 UICC制御部164は、認証情報登録部164Aと、第1認証部164Bとを備え、 認証情報登録部164Aは、UICC通信部162を介して受信した個人を識別するための個人ID(パスワード)や生体情報等を、個人認証情報166Aとしてデータ記憶部166に記憶させ、個人認証情報166Aは、生体情報に代えて(または加えて)、個人IDに、PIN(Personal Identification Number)や端末IDが対応付けられたものでもよく(【0031】)、 第1認証部164Bは、個人ID、生体情報、およびPINのようなパスワード等と、個人認証情報166Aとに基づいて、人物認証処理を行い、人物認証が成功した場合には、認証状態に認証が成功した認証手法が認証情報として記憶され、端末認証も成功した場合には、入出管理サーバ200から得られる解錠可能な扉Dに関する情報が認証情報として記憶され(【0033】、【0035】)、 入出管理サーバ200は、通信制御部210と、施解錠制御部250と、サーバ側記憶部260とを備え(【0037】)、 通信制御部210は、Bluetoothを用いて、無線ルータ10を介して携帯端末100と通信するための制御を行い(【0038】)、 扉管理情報264として、扉IDに、リーダ装置20の識別情報であるリーダID、電子錠30の識別情報である電子錠ID、コントローラ40の識別情報であるコントローラID40、および認証手段情報が対応付けられ、扉D1を解錠するためには、パスワード認証(例えば、PINによる認証)で成功する必要であることを示し、扉D2を解錠するためには、パスワード認証および指紋認証の2つの認証で成功する必要がある(【0041】) 入出管理システム1(【0008】)。」 3 甲3 (1) 記載事項 甲3には、以下の事項が記載されている。 「【0011】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。本発明を具体化した例として、この実施例に係る施解錠制御システムは、図5に模式的に示すように、家屋1の玄関のドア2を施解錠するロック装置(電気錠装置3)を制御するものであり、前記家屋1側に前記電気錠装置3の施解錠を制御する施解錠制御装置4を備え、例えば家族が所持(携帯)する携帯通信機(鍵)としての携帯型電話装置(携帯電話機)5との間でデータ通信を行なうことにより、家族のみが施解錠を行なうことができるようになっている。 【0012】 図2には、前記家屋1側に設けられる施解錠制御装置4の電気的構成の概略を示している。この施解錠制御装置4は、マイコンを主体としてなる制御回路6に、ワイヤレスデータ通信手段として機能するBluetooth ユニット7、入力手段として機能する入力部8、ID情報やパスワードを記憶する記憶手段として機能するメモリ9を接続して構成されている。また、前記制御回路6は、前記電気錠装置3に対して施錠あるいは解錠信号を出力し、もって施解錠を制御するようになっている。 【0013】 前記Bluetooth ユニット7は、周知のように、Bluetooth 規格によるワイヤレスデータ通信を行なうもので、後述するように、前記携帯型電話装置5との間でデータ通信を行なうようになっている。また、前記入力部8は、例えばキーボード等を備え、初期設定モードにおいて、ユーザが、ID情報(この場合携帯型電話装置5の電話番号)やパスワード等を設定,入力できるようになっている。前記メモリ9には、前記入力部8から入力されたID情報やパスワードが記憶されるようになっている。」 「【0033】 尚、本実施例では、施解錠制御装置4は、上記電気錠装置3の解錠が行なわれた後、一定時間が経過すると(図4のステップP14にてYes)、自動的に電気錠装置3の施錠がなされるようになっている(ステップP15)。あるいは、携帯型電話装置5が交信距離内から離れたとき即ち侵入信号の受信がなくなったときに、電気錠装置3を自動的に施錠するように構成しても良い。 ・・・ 【0035】 このように本実施例によれば、携帯型電話装置5にBluetooth ユニット18を設け、施解錠制御装置4との間でのデータ通信を行ない、電気錠装置3の施解錠の制御を行なわせることができるようになった。この結果、携帯型電話装置5を、施解錠制御システムの鍵として使用する携帯通信機と兼用させることができ、ユーザは、携帯型電話装置5を携帯していれば、別途に携帯通信機を携帯する必要がなくなり、ユーザの利便性の向上を図ることができるという優れた効果を奏する。」 (2) 甲3に記載された事項 上記(1)より、甲3には次の事項(以下「甲3記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「家屋1の玄関のドア2を施解錠する電気錠装置3を制御するものであり、前記家屋1側に前記電気錠装置3の施解錠を制御する施解錠制御装置4を備え、例えば家族が所持(携帯)する携帯通信機(鍵)としての携帯型電話装置5との間でデータ通信を行なうことにより、家族のみが施解錠を行なうことができるようになっている施解錠制御システムにおいて(【0011】)、 前記家屋1側に設けられる施解錠制御装置4は、マイコンを主体としてなる制御回路6に、ワイヤレスデータ通信手段として機能するBluetooth ユニット7、入力手段として機能する入力部8、ID情報やパスワードを記憶する記憶手段として機能するメモリ9を接続して構成され、前記制御回路6は、前記電気錠装置3に対して施錠あるいは解錠信号を出力し、もって施解錠を制御するものであり(【0012】)、 前記Bluetooth ユニット7は、Bluetooth 規格によるワイヤレスデータ通信を行なうもので、前記携帯型電話装置5との間でデータ通信を行なうようになっており、入力部8は、キーボード等を備え、初期設定モードにおいて、ユーザが、ID情報やパスワード等を設定,入力でき(【0013】)、 施解錠制御装置4は、上記電気錠装置3の解錠が行なわれた後、一定時間が経過すると、自動的に電気錠装置3の施錠がなされるようになっており、あるいは、携帯型電話装置5が交信距離内から離れたとき即ち侵入信号の受信がなくなったときに、電気錠装置3を自動的に施錠するように構成し(【0033】)、 携帯型電話装置5にBluetooth ユニット18を設け、施解錠制御装置4との間でのデータ通信を行ない、電気錠装置3の施解錠の制御を行なわせる(【0035】) 施解錠制御システム(【0011】)。」 4 甲4 (1) 記載事項 甲4には、以下の事項が記載されている。 「【0030】 図2は、本発明の実施の形態1に従う鍵管理システムの概略ブロック図である。 図2を参照して、本発明の実施の形態1に従う鍵管理システムは、鍵2と、鍵2の解錠/施錠を管理する鍵管理装置5と認証装置20とを含む。鍵管理装置5と認証装置20とは情報の授受が可能なように接続されている。 ・・・ 【0033】 鍵管理装置5は、認証処理が成功した旨の通知を受けて、鍵2を解錠状態に設定する。そして、一定時間(例えば20秒等)経過後に自動的に施錠状態に設定する。ここで、一定時間は、ユーザ3がドア4を開けて建物に入室するのに十分と思われる時間を予め管理者側で設定するものとする。なお、ユーザ3が建物から退出する場合には、ドア4は常時開閉可能であるものとする。本例においては、ユーザ3がドア4を開けて建物に入室する際に認証処理を行う場合について主に説明する。」 「【0042】 図4を参照して、認証装置20は、その制御構造として、認証用データ記憶部250と、外部通信部255と、認証画面生成部256と、認証判定部258と、ユーザ情報受付部260と、認証強度調整部262と、データ入出力部264とを含む。 ・・・ 【0044】 まず、認証装置20における制御機能について説明する。 認証用データ記憶部250は、認証データ252と、画像データ253とを格納する。」 (2) 甲4に記載された事項 上記(1)より、甲4には次の事項(以下「甲4記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「鍵2と、鍵2の解錠/施錠を管理する鍵管理装置5と認証装置20とを含む鍵管理システムにおいて(【0030】)、 鍵管理装置5は、認証処理が成功した旨の通知を受けて、鍵2を解錠状態に設定し、一定時間経過後に自動的に施錠状態に設定するものであり(【0033】)、 認証装置20は、認証用データ記憶部250を含み(【0042】)、 認証用データ記憶部250は、認証データ252と、画像データ253とを格納する(【0044】) 鍵管理システム(【0030】)。」 5 甲5 (1) 記載事項 甲5には、以下の事項が記載されている。 「【0011】 【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例について、図1乃至図3を参照して説明する。尚、図4と同一部分には同一部分を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。図2は、住宅施錠システムの構成を示すものである。受信制御装置10は、ドア2の内部に設置されており、制御盤(信号出力手段)4とは、コネクタ11を介して中継ハーネス12によって接続されている。また、受信制御装置10は、電気錠1とは、コネクタ13を介して中継用ハーネス13aによって接続されていると共に、ACアダプタ14を介して商用交流電源から動作用電源を得るようになっている。 【0012】図1は、受信制御装置10を中心とする詳細な電気的構成を示すものである。受信制御装置10は、リモコン(送信機)15から電波信号(空中伝搬信号)によってIDコードと共に送信される施錠信号または解錠信号をアンテナ16によって受信するようになっている。受信した電波信号は、受信回路17により復調されてマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)18に与えられるようになっている。 【0013】マイコン18には、クロック回路19よりクロック信号が与えられると共に、リセット回路20からはリセット信号が与えられるようになっている。また、ディップスイッチなどで構成される各種設定スイッチ21からは、各種の設定に関する情報が与えられるようになっている。マイコン18に内蔵されているROMには、制御プログラムと共に、リモコン15から送信されるIDコード,施錠信号及び解錠信号のデータが記憶されている。 【0014】一方、マイコン18には、制御盤4から解錠信号及び施錠信号が受信バッファ22a及び22bを介して入力ポートに与えられ、逆に、マイコン18からは、後述するように電気錠1から出力される解錠状態信号及びドア開信号が、出力ポートから送信バッファ23a及び23bを介して制御盤4に与えられるようになっている。 【0015】また、マイコン18からは、解錠信号及び施錠信号が、出力ポートから送信バッファ24a及び24bを介して電気錠1に与えられ、逆に、電気錠1から解錠状態信号及びドア開信号が、受信バッファ25a及び25bを介してマイコン18の入力ポートに与えられるようになっている。尚、マイコン18は、中継手段及び制御手段に対応している。」 「【0028】以上のように本実施例によれば、受信制御装置10を、施錠システムを構成する制御盤4と電気錠1との間に接続可能に構成すると共に、マイコン18は、制御盤4またはリモコン15から送信される施錠信号または解錠信号を受信すると、電気錠1に施錠信号または解錠信号を出力するようにした。」 (2) 甲5に記載された事項 上記(1)より、甲5には次の事項(以下「甲5記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「受信制御装置10は、ドア2の内部に設置されており、制御盤(信号出力手段)4とは、コネクタ11を介して中継ハーネス12によって接続され、電気錠1とは、コネクタ13を介して中継用ハーネス13aによって接続されて構成される住宅施錠システムにおいて(【0011】)、 受信制御装置10は、リモコン(送信機)15から電波信号(空中伝搬信号)によってIDコードと共に送信される施錠信号または解錠信号をアンテナ16によって受信し、受信した電波信号は、受信回路17により復調されてマイコン18に与えられるようになっており(【0012】)、 マイコン18に内蔵されているROMには、制御プログラムと共に、リモコン15から送信されるIDコード,施錠信号及び解錠信号のデータが記憶されており(【0013】)、 一方、マイコン18には、制御盤4から解錠信号及び施錠信号が受信バッファ22a及び22bを介して入力ポートに与えられ(【0014】)、 また、マイコン18からは、解錠信号及び施錠信号が、出力ポートから送信バッファ24a及び24bを介して電気錠1に与えられることにより(【0015】)、 マイコン18は、制御盤4またはリモコン15から送信される施錠信号または解錠信号を受信すると、電気錠1に施錠信号または解錠信号を出力するようにした(【0028】) 住宅施錠システム(【0011】)。」 6 甲6 (1) 記載事項 甲6には、以下の事項が記載されている。 「【0026】 次に、この実施形態のドアロック制御システムにおいては、玄関ドアには、電子鍵装置によりドアの施錠、開錠を行なえるようにするためのドアロック装置が取り付けられる。この例では、電子鍵装置とドアロック装置との間では、電子鍵情報の通信を行ない、ドアロック装置は、その通信に基づいてドアの施錠、開錠を制御するようにする。」 「【0048】 [電子鍵装置の構成例] 前述したように、この実施形態においては、電子鍵装置としては、ICカードの他、携帯電話端末やPDA端末なども用いることができる。しかし、電子鍵装置は、生体情報の取得部と、制御用ICチップと、通信手段とを備える点では共通している。電子鍵装置がICカードである場合の構成例を次に示す。 【0049】 <電子鍵装置の第1の例> この第1の例の電子鍵装置は、生体情報として、指紋を用いるICカードの場合の例である。図4(A)は、この例のICカード40Fの表面を示し、この表面には、所有者の氏名と、ID番号が表示されていると共に、指紋読取部41の指紋読取窓41Wが形成されている。 ・・・ 【0067】 <電子鍵装置の第2の例> この第2の例の電子鍵装置は、生体情報として、虹彩を用いるICカードの場合の例である。図7(A)は、この例のICカード40Iの表面を示し、この表面には、所有者の氏名と、ID番号が表示されていると共に、使用者の虹彩を読み取るための手段として、この例では、CCD(Charge Coupled Device)カメラ45が設けられている。 ・・・ 【0081】 [生体情報の他の例] 以上の例では、生体情報としては、指紋と、虹彩の場合について説明したが、生体情報としては、これに限られるものではない。例えば手の甲の静脈パターンを生体情報として用いることもできる。この場合には、虹彩情報に代えて、所有者の手の甲の静脈パターンを登録して記憶しておくとともに、CCDカメラ45により、手の甲の静脈パターンを撮影して取り込むことにより、第2の例のICカード40Iの構成をそのまま用いることができる。」 「【0086】 玄関ドア1には、さらに、玄関ドア係止片25と、ロック片26と、ドア開閉センサ27が設けられている。さらに、玄関ドア1の内側には、ドアロック装置2の動作を制御するためのドアロック制御装置100が設けられており、電子鍵リーダ/ライタ部21exおよび21in、LED22exおよび22in、スピーカ23exおよび23in、ドア開閉センサ27および図示を省略したドアロック機構駆動部が、このドアロック制御装置100に接続されている。」 「【0097】 この例のドアロック制御装置100は、ドアロック制御モードとして、オートロックモードと、逐次ロックモードとの2通りの制御モードを備えている。」 「【0214】 その後、CPU101は、ドア開閉センサ27のセンサ出力を参照して、玄関ドア1が閉じられたことを確認し(ステップS142)、玄関ドア1が閉じられた後、所定時間、例えば3秒経過したことを確認したら(ステップS143)、ドアロック機構駆動部112を駆動制御して、ドアロック機構28により玄関ドア1を施錠状態に復帰させるようにする(ステップS144)。そして、CPU101は、内側LED22inを緑色で点滅して、玄関ドア1が施錠状態に戻ったことを報知する(ステップS145)。」 (2) 甲6に記載された事項 上記(1)より、甲6には次の事項(以下「甲6記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「玄関ドアには、電子鍵装置によりドアの施錠、開錠を行なえるようにするためのドアロック装置が取り付けられ、電子鍵装置とドアロック装置との間では、電子鍵情報の通信を行ない、ドアロック装置は、その通信に基づいてドアの施錠、開錠を制御するようにするドアロック制御システムにおいて(【0026】)、 電子鍵装置は、生体情報の取得部を備え(【0048】)、生体情報として、指紋、虹彩、手の甲の静脈パターン等を用い(【0049】、【0067】、【0081】)、 玄関ドア1には、ドア開閉センサ27が設けられ、さらに、玄関ドア1の内側には、ドアロック装置2の動作を制御するためのドアロック制御装置100が設けられており、ドア開閉センサ27およびドアロック機構駆動部が、このドアロック制御装置100に接続されており(【0086】)、 ドアロック制御装置100は、ドアロック制御モードとして、オートロックモードと、逐次ロックモードとの2通りの制御モードを備え(【0097】)、 ドア開閉センサ27のセンサ出力を参照して、玄関ドア1が閉じられたことを確認し、玄関ドア1が閉じられた後、所定時間、例えば3秒経過したことを確認したら、ドアロック機構駆動部112を駆動制御して、ドアロック機構28により玄関ドア1を施錠状態に復帰させるようにする(【0214】) ドアロック制御システム(【0026】)。」 7 甲7 (1) 記載事項 甲7には、以下の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、電気錠システム及びそれを備えた建物に関する。」 「【0025】 図1に示すように、玄関ドア11は、扉体としてのドア本体12と、ドア枠13とを備えている。ドア本体12は縦長の矩形状をなし、ドアフレーム、断熱材及び面材等によって周知の如く構成されている。ドア本体12は、把手21、電気錠22、照合ユニット23及びコントローラ24を備えている。把手21はドア本体12の屋内側及び屋外側に設けられており、ユーザがドア本体12を開閉する際に用いられる。電気錠22は電気的に錠前を施解錠する装置であり、把手21の上方及び下方にそれぞれ設けられている。電気錠22は手動により錠前を施解錠するサムターン31を有しており、そのサムターン31が屋内側に設けられている。照合ユニット23はコントローラ24と外部機器との間で無線通信を可能とするものであり、ドア本体12の屋外側に設けられている。制御手段としてのコントローラ24は電気錠22の制御システムを司るものであり、ドア本体12に内蔵されている。」 「【0040】 コントローラ24は、無線通信部103及び前記通電部材41と接続されている。無線通信部103は前記照合ユニット23に設けられ、この無線通信部103によってコントローラ24は外部機器との間で無線通信が可能となる。また、通電部材41は第1電源配線96と接続されており、第2電源配線98とも接続可能となっている。そして、商用交流電源ACから電源供給を受けると、コントローラ24には交流電源系統を通じて電源が供給される。また、電源接続部74が第2電源配線98に接続されると、コントローラ24には直流電源系統を通じて電源が供給される。」 (2) 甲7に記載された事項 上記(1)より、甲7には次の事項(以下「甲7記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「玄関ドア11は、扉体としてのドア本体12と、ドア枠13とを備え、ドア本体12は、把手21、電気錠22、照合ユニット23及びコントローラ24を備え、電気錠22は手動により錠前を施解錠するサムターン31を有しており、そのサムターン31が屋内側に設けられており(【0025】)、 コントローラ24は、無線通信部103及び前記通電部材41と接続され、無線通信部103は前記照合ユニット23に設けられ、この無線通信部103によってコントローラ24は外部機器との間で無線通信が可能となる(【0040】) 電気錠システム(【0001】)。」 8 甲8 (1) 記載事項 甲8には、以下の事項が記載されている。 「【0019】 扉制御装置10は、マンションやアパート、寮等の集合住宅Mの入口(エントランス)付近に設置されている。そして、扉制御装置10は、集合住宅Mの入口に設置されたオートロック式の扉11の施錠及び解錠を制御する。例えば、扉制御装置10は、一対のインターホンで構成され、一方のインターホンが集合住宅Mの入口付近に設置され、他方のインターホンが構成集合住宅Mの各部屋に設置されている。宅配業者は一対のインターホンを利用して他方インターホンの先の住人と通話が可能であり、住人の遠隔操作により、扉11を解錠してもらい、集合住宅Mに入ることができる。しかしながら、住人が不在であれば、通話が不可能なため扉11を解錠できずに集合住宅Mに入ることができず、集合住宅M内の宅配ボックスに荷物を投函したり、宅配ボックスから荷物を集荷したりすることができない。そこで、インターホンの機能に扉制御機能を設けることで扉制御装置10を構成している。」 (2) 甲8に記載された事項 上記(1)より、甲8には次の事項(以下「甲8記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「一対のインターホンで構成され、宅配業者は一対のインターホンを利用して他方インターホンの先の住人と通話が可能であり、住人の遠隔操作により、扉11を解錠してもらい、集合住宅Mに入ることができる、集合住宅Mの入口に設置されたオートロック式の扉11の施錠及び解錠を制御する扉制御装置10(【0019】)。」 9 甲9 (1) 記載事項 甲9には、以下の事項が記載されている。 「【0044】 更に、スマートロック装置500は、Wi-Fiルータ514に接続されたWi-Fiモジュール512を更に含む。Wi-Fiモジュール512は、ブルートゥースモジュール516及び別のブルートゥースモジュール518を介してマイクロコントローラ502と通信する。ブルートゥースモジュール516及びブルートゥースモジュール518は、ブルートゥース4.0に準拠するものであり得る。 Wi-Fiモジュール512及び/またはブルートゥースモジュール516は、特定の範囲内の複数のロック装置を制御するために使用され得る通信ゲートウェイ511として機能する。Wi-Fiモジュール512は、ボード上に構築されたWi-Fiモジュールを有するArduino YUNボードであってもよい。AC/DC電源520は、Wi-Fiモジュール512及びブルートゥースモジュール516に電力を供給する。 【0045】 ユーザーは、ユーザー装置522を使用して、Wi-Fiルータ514を介してWi-Fiモジュール512と通信しているサービスプロバイダサーバ524に接続することができる。ユーザー装置522は、スマートフォン、スマートTV、グーグルグラス、または任意の他の同様の電子通信デバイスであってもよい。更に、ユーザー装置522は、Wi-Fiモジュール512を介してスマートロック装置500から信号を送受信するソフトウェアアプリケーションを含む。これは、図7、8、9及び10に関連して更に詳細に説明される。更に、ユーザー装置522によって実行されるソフトウェアアプリケーションは、ユーザーに対してスマートロック装置500とのインタラクション中に充実したインタラクション体験を提供するために、音声認識、タッチID、顔認識などの生体認証式のアプローチを利用することができる。 サービスプロバイダサーバ524は、スマートロック装置500を使用するユーザーのユーザーデータベースを維持する。 更に、サービスプロバイダサーバ524は、ユーザがスマートロック装置500と通信するための安全なチャネルを提供する。また更に、サービスプロバイダサーバ524は、スマートロック装置500またはロック装置100の製造元/提供者によって提供及び維持されてもよい。スマートロック装置500は、ユーザー装置522と通信するサービスプロバイダサーバ524を介して、リアルタイムで、施錠、解錠、ドアオープンなどそのステータスを更新することができる。ローカルエリアネットワークを用いる状況では、ステータス更新は、ブルートゥースモジュール516及び518を介して送信される。」 (2) 甲9に記載された事項 上記(1)より、甲9には次の事項(以下「甲9記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「Wi-Fiルータ514に接続されたWi-Fiモジュール512を含み、Wi-Fiモジュール512は、ブルートゥースモジュール516及び別のブルートゥースモジュール518を介してマイクロコントローラ502と通信し(【0044】)、 ユーザーは、ユーザー装置522を使用して、Wi-Fiルータ514を介してWi-Fiモジュール512と通信しているサービスプロバイダサーバ524に接続し、 ユーザー装置522と通信するサービスプロバイダサーバ524を介して、リアルタイムで、施錠、解錠、ドアオープンなどそのステータスを更新することができ、ローカルエリアネットワークを用いる状況では、ステータス更新は、ブルートゥースモジュール516及び518を介して送信される(【0045】) スマートロック装置500(【0044】)。」 10 甲10 (1) 記載事項 甲10には、以下の事項が記載されている。 「【0051】 次に、様々な図面を参照すると、図5には、本発明の一つの例示的な実施形態に従って構成されたユニバーサルロックシステム21が図示されているが、同様の参照符号は、同様の部材を指す。“ユニバーサル”という用語は、関連する様々なキー装置と互換性のあるロック装置の様々なフォーマットを含むことが可能であるシステムを意味する。この実施例において、該ロック装置は、低コストで、強固で、強力で、可搬なロック装置22として描かれている。キー装置24は、ロック装置22を作動させる、リモートの、電子的に作動する、ハンドヘルドの部材である。ほとんどの場合、“作動させる”とは、ロック装置22を施錠するかまたは解錠することを意味する。 【0052】 ユーザ132は、キー装置24を用いて、無線通信チャネル122を介してロック装置22を作動させる。キー装置24は、単独で、無線ネットワーク134を通じて、無線ハブ138および該ハブのネットワーク接続184を介してローカルデータベース140に通信する。キーのユーザ132の特権は、マネージャー144により端末142を通じ、ネットワーク接続183からデータベース140を介して設定することができる。キーのユーザは、随意にデータベース140に接続(180)されている任意の登録ステーション130で、キー装置を取得することができる。キー装置24によって報告されたイベント、およびマネージャー144によって入力された他の情報は、インターネット等の広域ネットワーク150と、ネットワーク接続185および181とを介してリモートデータベース160で共有することができる。それにより、このデータは、ネットワーク接続182を通じて端末162を使用する調査員164によって分析に都合よく利用できる。調査員164は、例えば、特定のロック装置22、特定のキー装置24、特定のユーザ132、またはマネージャー144または端末142に対して、いくつかのまたは全てのアクセス権を無効にし、または変更することができる。」 「【0130】 図7は、上述した要素と、従来のEACシステムの要素とを含むハイブリッドシステム199として実施された、本発明によるアクセス制御システムの別の例示的な実施形態の概略図である。図5と同様に、ユーザ132は、登録ステーション130からキー装置24を取得している。ここでもまた、キー装置24は、無線信号122を介してロック装置22を開くのに用いることができる。このアクティビティに関連するデータは、キー装置24によってネットワーク134を通じ、ハブ138を介して送信される。様々なネットワークコンポーネントが、イーサネット(登録商標)等の何らかの適当なプロトコルを用いて、接続173、180、184、185、186、190、191を介して通信する。ユーザの特権およびアクティビティは、データベース140内にバッファリングされ、インターネットプロトコル接続を含んでもよいワイドエリアネットワーク150を介して遠隔地へ送信することができる。図5のシステムとは違って、該アクセス権は、端末172において作業するシステム管理者174により、電子アクセス制御データベース170によって設定される。アクセス制御データベース170は、例えば、バッジリーダ176や他の図示されていない装置を介して、出入り口178へのアクセスを制御するメインコントローラ171および端末コントローラ173Aおよび173Bを含むEAC装置からなるネットワークとも通信する。EACネットワーク接続192および194は、イーサネット(登録商標)型とすることができ、または、RS485等の2線プロトコルを用いることができる。該出入り口およびバッジリーダの接続198および193は、それぞれ、必ずしも必要なことではないが、所有者または装置に固有のタイプである。このシナリオにおいて、キー装置24は、バッジリーダ176に互換性のある出力を生成してもしなくてもよく、それにより、独立したアクセス制御カードの必要性をなくす。」 (2) 甲10に記載された事項 上記(1)より、甲10には次の事項(以下「甲10記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「ユーザ132は、キー装置24を用いて、無線通信チャネル122を介してロック装置22を作動させ、キー装置24は、単独で、無線ネットワーク134を通じて、無線ハブ138および該ハブのネットワーク接続184を介してローカルデータベース140に通信し、キーのユーザ132の特権は、マネージャー144により端末142を通じ、ネットワーク接続183からデータベース140を介して設定することができ(【0052】)、 または、ユーザ132は、登録ステーション130からキー装置24を取得し、キー装置24は、無線信号122を介してロック装置22を開くのに用いることができ、このアクティビティに関連するデータは、キー装置24によってネットワーク134を通じ、ハブ138を介して送信される(【0130】)、 ユニバーサルロックシステム21(【0051】)。」 第6 当審の判断 1 取消理由通知に記載した取消理由についての判断 上記第2のとおり、本件訂正により、取消理由の対象である請求項1~3を削除されたため、当該請求項に対する取消理由は対象が存在しなくなった。 2 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について (1) 本件発明4 ア 対比 本件発明4と甲1発明とを対比する。なお、見出しは(4a)等とし、本件発明4の分説に対応させている。 (4a) 甲1発明の「携帯電話20」、「電気錠装置30」、「半導体メモリ」は、本件発明4の「モバイル装置」、「デジタルドアロック」、「媒体」に、それぞれ相当する。 そして、甲1発明の「FeliCa(登録商標)」と本件発明4の「ブルートゥース通信」は、いずれも「非接触通信」である点で共通する。 また、甲1発明のd4の、「電気錠装置30」の「制御部33は、設定用モード(設定用アプリを起動した状態)の携帯電話20が非接触通信部31の通信エリア範囲内に近接したときに、非接触通信部31を介して携帯電話20から各種設定データを受信する制御をし、この受信した各種設定データを記憶部32に記憶させるとともに、この受信した各種設定データに基づいて電気錠装置30の各種設定の自動セットアップを行」うものであることからみて、甲1発明の「設定用アプリ」は、「電気錠装置30」を制御するためのものといえるから、甲1発明の「設定用アプリ」は、本件発明4の「デジタルドアロックのそれぞれを制御する」「モバイルアプリ」に相当する。 さらに、甲1発明のb5、c5より、甲1発明は、「半導体メモリで構成され」た「携帯電話20」の「記憶部24」に「各種アプリ(設定用アプリ、収集用アプリ)」「を記憶」するものであるから、甲1発明の「半導体メモリ」は、本件発明4の「モバイルアプリ」を「保存」する「媒体」に相当する。 以上のことから、甲1発明は、本件発明4の特定事項4Aと、「モバイル装置で実行され」、非接触通信「を通じてデジタルドアロックのそれぞれを制御するために媒体に保存されたモバイルアプリ」である点で共通する。 (4b) 甲1発明の「携帯電話20」の「記憶部24」は、本件発明4の「モバイル装置の保存装置」に相当する。 また、上記(4a)より、甲1発明の「設定用アプリ」は、本件発明4の「デジタルドアロックのそれぞれを制御する」「モバイルアプリ」に相当する。 そして、甲1発明のe2、c6の「各種設定項目毎の設定データを携帯電話20上」の「記憶部24」「に保存」することは、本件発明4の「前記設定情報ファイルを前記モバイル装置の保存装置に保存する」ことに相当する。 してみると、甲1発明は、本件発明4の特定事項4Bと、「前記モバイルアプリは、前記デジタルドアロックのそれぞれを制御するために」、「前記設定情報ファイルを前記モバイル装置の保存装置に保存する段階」を行う点で共通する。 (4e) 甲1発明の「設定データ」は、本件発明4の「設定情報」に相当する。 そして、甲1発明の「記憶部24」に「記憶」された「編集された設定データ」(甲1発明のc6)を、「FeliCa(登録商標)」「によって電気錠装置30に送信」(甲1発明のc2)することは、本件発明4の「前記保存装置に保存された前記設定情報ファイルに含まれた前記第1デジタルドアロックについての第1設定情報を読み取って、前記ブルートゥース通信を通じて前記第1デジタルドアロックに伝送する」ことと、「前記保存装置に保存された」「デジタルドアロックについての」「設定情報を」、非接触通信「を通じて」「デジタルドアロックに伝送する」点で共通する。 よって、甲1発明は、本件発明4の特定事項4Eと、「前記保存装置に保存された」「デジタルドアロックについての」「設定情報を」、非接触通信「を通じて」「デジタルドアロックに伝送する段階」「を行」う点で共通する。 (4g) 上記(4a)より、甲1発明の「半導体メモリ」、「設定用アプリ」は、本件発明4の「媒体」、「モバイルアプリ」に、それぞれ相当する。 よって、甲1発明は、本件発明4の特定事項4Gを備える。 以上のことから、本件発明4と甲1発明は、 「4A’モバイル装置で実行され、非接触通信を通じてデジタルドアロックのそれぞれを制御するために媒体に保存されたモバイルアプリにおいて、 4B’前記モバイルアプリは、前記デジタルドアロックのそれぞれを制御するために、前記設定情報ファイルを前記モバイル装置の保存装置に保存する段階と、 4E’前記保存装置に保存されたデジタルドアロックについての設定情報を、非接触通信を通じてデジタルドアロックに伝送する段階と、を行う 4G 媒体に保存された、モバイルアプリ。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1](特定事項4A) デジタルドアロックのそれぞれを制御するための非接触通信の種類が、 本件発明4では、「ブルートゥース通信」であるのに対し、 甲1発明では、「FeliCa(登録商標)」である点。 [相違点2](特定事項4B) モバイルアプリが、デジタルドアロックのそれぞれを制御するために、モバイル装置の保存装置に保存する設定情報ファイルに関して、 本件発明4では、「前記デジタルドアロックのそれぞれについての設定情報を含む設定情報ファイルを外部装置から受信」するのに対し、 甲1発明では、「携帯電話20から電気錠装置30に各種設定を行うときに携帯電話20上で起動されるもので、電気錠装置30の各種設定(例えば物件コード、日時設定、使用ID登録、動作モードなど)の初期設定データを含み、この初期設定データを必要に応じて編集するためのソフトウェアで構成され」る「設定用アプリ」(甲1発明のb3)を、「配信サーバ10からダウンロードしたアプリを携帯電話20にインストールし」(甲1発明のe1)、「利用者は、携帯電話20上で設定用アプリを起動し、携帯電話20のモードを設定用モードに切り替え、次に、携帯電話20上で起動した設定用アプリの各種設定項目に設定される設定データを必要に応じて表示画面上で編集設定し、各種設定項目毎の設定データを携帯電話20上に保存」する(甲1発明のe2)点、すなわち、甲1発明では、電気錠装置30の各種設定の初期設定データを含む設定用アプリを携帯電話20上で起動して、各種設定項目に設定される設定データを編集する点。 [相違点3](特定事項4C、4D) 本件発明4では、「ブルートゥースペアリングのために、前記デジタルドアロックのそれぞれを検索する段階と、検索された前記デジタルドアロックのドアロックIDをディスプレイする段階と」、を行うのに対し、 甲1発明では、「FeliCa(登録商標)」を用いているため、このような段階を行うことが特定されていない点。 [相違点4](特定事項4E) 本件発明4では、「ディスプレイされた前記ドアロックIDのうちから第1デジタルドアロックの第1ドアロックIDが選択されれば、前記保存装置に保存された前記設定情報ファイルに含まれた前記第1デジタルドアロックについての第1設定情報を読み取って、前記ブルートゥース通信を通じて前記第1デジタルドアロックに伝送する段階と、を行」うのに対し、 甲1発明では、特定事項4C、4Dを備えていないため、「ディスプレイされた前記ドアロックIDのうちから第1デジタルドアロックの第1ドアロックIDが選択」することを行うか否か不明であり、さらに「前記保存装置に保存された前記設定情報ファイルに含まれた前記第1デジタルドアロックについての第1設定情報を読み取」ることを行うか否か不明である点。 [相違点5](特定事項4F) 第1設定情報に含まれる開閉設定情報及び動作設定情報に関して、 本件発明4では、「前記開閉設定情報は、使用者情報、パスワード、及びRFIDカード番号を含み、前記動作設定情報は、前記第1デジタルドアロックの使用者をして前記第1デジタルドアロックを手動または自動で開閉させるか否かを示すロック設定、及び前記第1デジタルドアロックが解除された後、再び自動でロックするまでかかる時間を示す再ロック時間を含む」としているのに対し、 甲1発明では、「各種設定」は「例えば物件コード、日時設定、使用ID登録、動作モードなど」としており、具体的内容が不明である点。 イ 判断 (ア) 相違点1~5は、いずれも実質的な相違点と認められる。 してみると、本件発明4は、甲1発明とはいえない。 (イ) 事案に鑑み相違点2について検討する。 本件発明4の「モバイルアプリ」は、「前記デジタルドアロックのそれぞれについての設定情報を含む設定情報ファイルを外部装置から受信」するものであるところ、「外部装置から受信」する「設定情報ファイル」には、すでに「デジタルドアロックのそれぞれについての設定情報」、すなわち、複数の「デジタルドアロック」の個々の「設定情報」が含まれているものと認められる。 しかしながら、甲1発明の「設定用アプリ」は、「初期設定データ」が含まれるものであり、「配信サーバ10からダウンロードしたアプリを携帯電話20にインストールし」た後に「携帯電話20上で起動した設定用アプリの各種設定項目に設定される設定データを必要に応じて表示画面上で編集設定」するものであるから、本件発明4の「モバイルアプリ」とは、「外部装置から受信」する「設定情報ファイル」に含まれる「設定情報」の内容が異なるものである。 また、甲1には、本件発明4の上記相違点2に係る構成について記載されておらず、また、示唆もない。 そして、甲2記載事項~甲10記載事項においても、本件発明4の上記相違点2に係る構成について記載も示唆もない。 よって、甲1発明から、上記相違点2に係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易になし得たものとはいえず、また、甲1発明に、甲2記載事項~甲10記載事項を適用することにより、上記相違点2に係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易になし得たものともいえない。 (ウ) 以上のことから、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明4は、当業者であっても、甲1発明及び甲2記載事項~甲10記載事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 (2) 本件発明5~9 本件発明5~9は、本件発明4の発明特定事項を含み、さらに限定したものであるところ、本件発明4が甲1発明及び甲2記載事項~甲10記載事項に基づいて当業者が容易に発明できたものではない以上、本件発明5~9も同様に、当業者が容易に発明できたものではない。 (3) 本件発明10 ア 対比 本件発明10と甲1方法発明とを対比する。なお、見出しは(10b)等とし、本件発明10の分説に対応させている。 (10b) 甲1方法発明の「設定用アプリ」、「電気錠装置30」、「編集設定」された「設定データ」は、本件発明10の「コンピュータプログラム」、「デジタルドアロック」、「デジタルドアロック」「の設定情報を含む設定情報ファイル」に、それぞれ相当する。 そして、甲1方法発明は「携帯電話20上で起動した設定用アプリの各種設定項目に設定される設定データを」「表示画面上で編集設定」する(甲1発明のe2)ことから、本件発明10の「設定情報ファイルをディスプレイ」していることは明らかである。 また、甲1方法発明は「携帯電話20」から「電気錠装置30に各種設定データを送信し、電気錠装置30は、携帯電話20から送信された設定データに基に自動セットアップを行うものであ」る(甲1発明のe3)ことから、甲1方法発明においても、「携帯電話20上で起動した設定用アプリの各種設定項目に設定される設定データを」「表示画面上で編集設定」することは、「電気錠装置30」を制御するために行っているものといえる。 以上のことから、甲1方法発明は、本件発明10の特定事項10Bと、「前記コンピュータプログラムが、前記デジタルドアロック」「を制御するために、前記デジタルドアロック」「の設定情報を含む設定情報ファイルをディスプレイする段階」を含む点で共通する。 (10c) 甲1方法発明の「設定データ」は、本件発明10の「設定情報」に相当する。 そして、甲1方法発明の「編集された設定データ」(甲1発明のc6)を、「設定用アプリを起動し」て、「FeliCa(登録商標)」「によって電気錠装置30に送信」(甲1発明のc2)し、「電気錠装置30」の「制御部33」に「各種設定データを受信する制御を」させ、「この受信」させた「各種設定データを記憶部32に記憶させる」(甲1発明のd4)ことは、本件発明10の「前記コンピュータプログラムが、前記第1設定情報を前記第1デジタルドアロックに登録するために、前記第1設定情報をブルートゥース通信を通じて前記第1デジタルドアロックに伝送する」ことと、「前記コンピュータプログラムが」、「設定情報を」「デジタルドアロックに登録するために」、「設定情報を」非接触通信「を通じて」「デジタルドアロックに伝送する」点で共通する。 よって、甲1方法発明は、本件発明10の特定事項10Cと、「前記コンピュータプログラムが」、「設定情報を」「デジタルドアロックに登録するために」、「設定情報を」非接触通信「を通じて」「デジタルドアロックに伝送する段階と、を含」む点で共通する。 (10e) 甲1方法発明の「電気錠装置30を設定する方法」は、本件発明10の「デジタルドアロックの制御方法」に相当する。 よって、甲1方法発明は、本件発明10の特定事項10Eを備える。 以上のことから、本件発明10と甲1方法発明は、 「10B’コンピュータプログラムが、デジタルドアロックを制御するために、デジタルドアロックの設定情報を含む設定情報ファイルをディスプレイする段階と、 10C’ 前記コンピュータプログラムが、設定情報をデジタルドアロックに登録するために、設定情報を非接触通信を通じてデジタルドアロックに伝送する段階と、 を含む、 10E デジタルドアロックの制御方法。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1](特定事項10A) 本件発明10では、「設定情報登録段階で、電子装置で実行されるコンピュータプログラムが、デジタルドアロックのうちから第1デジタルドアロックと前記電子装置とをブルートゥースペアリングする段階」を含むのに対し、 甲1方法発明では、「FeliCa(登録商標)」を用い、ブルートゥース通信を用いていないため、このような構成を備えていない点。 [相違点2](特定事項10B) 本件発明10では、「前記コンピュータプログラムが、前記デジタルドアロックのそれぞれを制御するために、前記デジタルドアロックのそれぞれについての設定情報を含む設定情報ファイルをディスプレイする段階」を含むのに対し、 甲1方法発明では、「操作部21の操作によって設定用アプリを起動すると、制御部23は、携帯電話20のモードを、電気錠装置30の各種設定を行うための設定用モードに切り替え制御し、表示部25に電気錠装置30の初期設定データを含む設定項目を表示制御し、操作部21によって表示内容が編集されると、その編集後の表示内容を記憶部24に記憶し」、「携帯電話20本体を通信エリア範囲内に近接させて操作部21が操作されると、設定データを非接触通信部22から電気錠装置30に送信する」ものである点。 [相違点3](特定事項10C) 本件発明10では、「前記設定情報ファイルに含まれた前記第1デジタルドアロックについての第1設定情報が選択されれば、前記コンピュータプログラムが、前記第1設定情報を前記第1デジタルドアロックに登録するために、前記第1設定情報をブルートゥース通信を通じて前記第1デジタルドアロックに伝送する段階」を含むのに対し、 甲1方法発明では、特定事項10Aを備えていないので、「第1デジタルドアロックと前記電子装置とをブルートゥースペアリングする段階」を含むか否か不明であり、「前記設定情報ファイルに含まれた前記第1デジタルドアロックについての第1設定情報が選択」することを行うか否か不明である点。 [相違点4](特定事項10D) 第1設定情報に含まれる開閉設定情報及び動作設定情報に関して、 本件発明10では、「前記開閉設定情報は、使用者情報、パスワード、及びRFIDカード番号を含み、前記動作設定情報は、前記第1デジタルドアロックの使用者をして前記第1デジタルドアロックを手動または自動で開閉させるか否かを示すロック設定、及び前記第1デジタルドアロックが解除された後、再び自動でロックするまでかかる時間を示す再ロック時間を含む」としているのに対し、 甲1方法発明では、「各種設定」は「例えば物件コード、日時設定、使用ID登録、動作モードなど」としており、具体的内容が不明である点。 イ 判断 (ア) 相違点1~4は、いずれも実質的な相違点と認められる。 してみると、本件発明10は、甲1方法発明とはいえない。 (イ) 事案に鑑み相違点2について検討する。 本件発明10の「コンピュータプログラム」は、「前記デジタルドアロックのそれぞれについての設定情報を含む設定情報ファイルをディスプレイする」ものであるところ、「デジタルドアロックのそれぞれについての設定情報」、すなわち、複数の「デジタルドアロック」の個々の「設定情報」が含まれている「設定情報ファイルをディスプレイ」するものと認められる。 しかしながら、甲1方法発明の「設定用アプリ」は、「初期設定データ」が含まれるものであり、「設定用アプリを起動すると」、「表示部25に電気錠装置30の初期設定データを含む設定項目を表示制御し、操作部21によって表示内容が編集されると、その編集後の表示内容を記憶部24に記憶し」、「電気錠装置30に送信する」ものであるから、「表示部25」には、「電気錠装置30の初期設定データを含む設定項目」、及び、「編集後の表示内容」、すなわち、「送信する」対象の「電気錠装置30」の設定データが表示されるものであり、本件発明10とは、ディスプレイされる内容が異なるものである。 よって、甲1には、本件発明10の上記相違点2に係る構成について記載されておらず、また、示唆もない。 そして、甲2記載事項~甲10記載事項においても、本件発明10の上記相違点2に係る構成について記載も示唆もない。 よって、甲1方法発明から、上記相違点2に係る本件発明10の構成とすることは、当業者が容易になし得たものとはいえず、また、甲1方法発明に、甲2記載事項~甲10記載事項を適用することにより、上記相違点2に係る本件発明10の構成とすることは、当業者が容易になし得たものともいえない。 (ウ) 以上のことから、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明10は、当業者であっても、甲1方法発明及び甲2記載事項~甲10記載事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 (4) 本件発明11~13 本件発明11~13は、本件発明10の発明特定事項を含み、さらに限定したものであるところ、本件発明10が甲1方法発明及び甲2記載事項~甲10記載事項に基づいて当業者が容易に発明できたものではない以上、本件発明11~13も同様に、当業者が容易に発明できたものではない。 (5) 小括 したがって、本件発明4及び本件発明10は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるとはいえず、また、本件発明4~13は、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるともいえないので、本件発明4~13に係る特許は、同法第113条第2号に該当せず、特許異議申立理由により取り消すことはできない。 第7 むすび 以上のとおり、本件発明4~13に係る特許は、申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。 また、他に本件発明4~13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 また、請求項1~3に係る特許は訂正により削除され、申立人による請求項1~3に係る特許異議申立の対象が存在しないものとなったため、特許法120条の8第1項で準用する同法135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-701282

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