特許訂正審判
2023-390100
セルアクセスプロシージャの改善
- 審判番号
- 2023-390100
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-553575
- 登録番号
- 7053878
- 請求日
- 2023年07月27日
- 審決日
- 2023年12月21日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
- 【請求人代理人】田中 伸一郎
- 【請求人代理人】▲吉▼田 和彦
- 【請求人代理人】須田 洋之
- 【請求人代理人】大塚 文昭
- 【請求人代理人】近藤 直樹
- 審判長/審判官
- 審判長 中木 努
- 審判官 新田 亮
- 審判官 齋藤 哲
- 分類
- P141 .841-Y (H04W) / P141 .851-Y (H04W) / P141 .853-Y (H04W) / P141 .856-Y (H04W) / P141 .537-Y (H04W)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第131条の2第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7053878号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7053878号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7053878号(以下「本件特許」という。)は、2018年(平成30年)4月5日を国際出願日とする特許出願(特願2020-553575号)に係る特許であって、その請求項1ないし25に係る発明について令和4年4月4日に特許権の設定登録がなされたものである。
そして、本件特許は、令和5年7月27日に本件訂正審判の請求がなされ、同年9月13日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年11月8日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 令和5年11月8日に提出された手続補正書による補正の適否について
令和5年11月8日に提出された手続補正書における補正は、訂正拒絶理由通知において訂正の要件を満たしていないと指摘した訂正事項1ないし4、8ないし13、17、18に係る訂正を「6.請求の理由」から削除するとともに、審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲の記載における訂正事項1ないし4、8ないし13、17、18の記載を、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の記載に戻すものである。
いずれの補正も、審判請求書の「6.請求の理由」における単なる訂正事項を削除する補正、及び、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲の記載について訂正事項を削除する補正に整合させるための補正であって、請求の要旨を変更するものではなく、特許法第131条の2第1項の規定を満たすものである。
第3 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判請求の趣旨は、「特許第7053878号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものであり、その訂正の内容は、令和5年11月8日に提出された手続補正書による補正により、次のとおりである(下線は、訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項4に「前記ユーザ機器」と記載されているのを、「前記ユーザ機器(510)」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項5ないし請求項8、及び請求項13も同様に訂正する)。
(2)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項5に「デュアルコネクティビティモードで」と記載されているのを、「前記ユーザ機器(510)がデュアルコネクティビティモードで」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項6ないし請求項8、及び請求項13も同様に訂正する)。
(3)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項6に「基地局」と記載されているのを、「基地局(620)」に訂正する(請求項6の記載を引用する請求項7ないし請求項8、及び請求項13も同様に訂正する)。
(4)訂正事項14
特許請求の範囲の請求項17に「前記ユーザ機器」と記載されているのを、「前記ユーザ機器(510)に訂正する(請求項17の記載を引用する請求項18ないし請求項21も同様に訂正する)。
(5)訂正事項15
特許請求の範囲の請求項18に「デュアルコネクティビティモードで」と記載されているのを、「前記ユ―ザ機器(510)がデュアルコネクティビティモードで」に訂正する(請求項18の記載を引用する請求項19ないし請求項21も同様に訂正する)。
(6)訂正事項16
特許請求の範囲の請求項19に「基地局」と記載されているのを、「基地局(620)」に訂正する(請求項19の記載を引用する請求項20ないし請求項21も同様に訂正する)。
第4 当審の判断
1 訂正事項5
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項4には「前記ユーザ機器」と記載されている一方、請求項4が引用する請求項3には「ユーザ機器(510)」と記載されており、請求項4の「前記ユーザ機器」と請求項3の「ユーザ機器(510)」との関係が不明瞭である。
訂正事項5は、請求項4の「前記ユーザ機器」を「前記ユーザ機器(510)」に訂正し、請求項3との間で用語の記載を統一することで、請求項4の「前記ユーザ機器(510)」と請求項3の「ユーザ機器(510)」との関係を明瞭にするものである。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項5は、上記(1)に記載したとおり、請求項4の「前記ユーザ機器」を「前記ユーザ機器(510)」に訂正することで、請求項4と請求項3との間で用語の記載を統一するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項5は、上記(1)に記載したとおり、請求項4の「前記ユーザ機器」を「前記ユーザ機器(510)」に訂正することで、請求項4と請求項3との間で用語の記載を統一するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第5項に適合するものである。
2 訂正事項6
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項5には「デュアルコネクティビティモードで動作する」と記載されているものの、動作する主体が明確ではなく、訂正前の請求項5の記載が不明瞭である。
訂正事項6は、デュアルコネクティビティモードで動作する主体が「ユーザ機器(510)」であることを明瞭にするものである。
したがって、訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項6は、上記(1)に記載したとおり、デュアルコネクティビティモードで動作する主体が「ユーザ機器(510)」であることを明瞭にするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項6は、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正前の請求項5にある「デュアルコネクティビティモードで動作する」について、発明の詳細な説明には、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)
(a)「【0060】
セルのためのスタンドアロン及び非スタンドアロン展開シナリオを示す例示的な通信システム500を示す、図5に参照を行う。図では、システムのコンポーネント間の実線はデータプレーンを示す。一方、破線はコントロールプレーンを示す。通信システム500は、第一基地局520と通信するように構成される通信デバイス510(例えば、UE)を含む・・・。」
(b)「【0079】
通信デバイス、例えば、デバイス610において行われ得る方法700の一例を示す、図7を参照する。デバイスは、UEであり得る。」
(c)「【0084】
デバイスがサポートするPLMNにスタンドアロンアクセスが利用可能ではない場合、S750では、デバイスは、セルに関するスタンドアロンアクセスについての要求を送信しない。方法はS760に進むことができ、そこでデバイスはデュアルコネクティビティモードでセルにアクセスする。」
ここで、上記(c)から、デュアルコネクティビティモードで動作するのはデバイスであり、上記(a)及び(b)の記載をふまえると、当該デバイスにユーザ機器(510)が含まれることは明らかである。
そうすると、訂正事項6は、願書に添付した明細書中の発明の詳細な説明の段落0060、0079、0084に基づいて導き出される構成であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
3 訂正事項7
(1) 訂正の目的について
訂正前の請求項6には「基地局」と記載されている一方、請求項9ないし12,22ないし25には「基地局(620)」と記載されており、「基地局」と「基地局(620)」との関係が不明瞭である。
訂正事項7は、請求項6の「基地局」を「基地局(620)」に訂正し、請求項6と他の請求項との間で用語の記載を統一することで、請求項6の「基地局(620)」と請求項9ないし12,22ないし25の「基地局(620)」の関係を明瞭にするものである。
したがって、訂正事項7は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項7は、上記(1)に記載したとおり、請求項6の「基地局」を「基地局(620)」に訂正することで、請求項6と他の請求項との間で用語の記載を統一するものあるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項7は、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項7は、上記(1)に記載したとおり、請求項6の「基地局」を「基地局(620)」に訂正することで、請求項6と他の請求項との間で用語の記載を統一するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項7は、特許法第126条第5項に適合するものである。
4 訂正事項14
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項17には「前記ユーザ機器」と記載されている一方、請求項17が引用する請求項16には「ユーザ機器(510)」と記載されており、請求項17の「前記ユーザ機器」と請求項16の「ユーザ機器(510)」との関係が不明瞭である。
訂正事項14は、請求項17の「前記ユーザ機器」を「前記ユーザ機器(510)」に訂正し、請求項16との間で用語の記載を統一することで、請求項17の「前記ユーザ機器(510)」と請求項16の「ユーザ機器(510)」との関係を明瞭にするものである。
したがって、訂正事項14は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項14は、上記(1)に記載したとおり、請求項17の「前記ユーザ機器」を「前記ユーザ機器(510)」に訂正することで、請求項17と請求項16との間で用語の記載を統一するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項14は、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項14は、上記(1)に記載したとおり、請求項17の「前記ユーザ機器」を「前記ユーザ機器(510)」に訂正することで、請求項17と請求項16との間で用語の記載を統一するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項14は、特許法第126条第5項に適合するものである。
5 訂正事項15
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項18には「デュアルコネクティビティモードで動作する」と記載されているものの、動作する主体が明確ではなく、訂正前の請求項18の記載が不明瞭である。
訂正事項15は、デュアルコネクティビティモードで動作する主体が「ユーザ機器(510)」であることを明瞭にするものである。
したがって、訂正事項15は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項15は、上記(1)に記載したとおり、デュアルコネクティビティモードで動作する主体が「ユーザ機器(510)」であることを明瞭にするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項15は、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正前の請求項18にある「デュアルコネクティビティモードで動作する」について、発明の詳細な説明には、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)
(a)「【0060】
セルのためのスタンドアロン及び非スタンドアロン展開シナリオを示す例示的な通信システム500を示す、図5に参照を行う。図では、システムのコンポーネント間の実線はデータプレーンを示す。一方、破線はコントロールプレーンを示す。通信システム500は、第一基地局520と通信するように構成される通信デバイス510(例えば、UE)を含む・・・。」
(b)「【0079】
通信デバイス、例えば、デバイス610において行われ得る方法700の一例を示す、図7を参照する。デバイスは、UEであり得る。」
(c)「【0084】
デバイスがサポートするPLMNにスタンドアロンアクセスが利用可能ではない場合、S750では、デバイスは、セルに関するスタンドアロンアクセスについての要求を送信しない。方法はS760に進むことができ、そこでデバイスはデュアルコネクティビティモードでセルにアクセスする。」
ここで、上記(c)から、デュアルコネクティビティモードで動作するのはデバイスであり、上記(a)及び(b)の記載をふまえると、当該デバイスにユーザ機器(510)が含まれることは明らかである。
そうすると、訂正事項6は、願書に添付した明細書中の発明の詳細な説明の段落0060、0079、0084に基づいて導き出される構成であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
6 訂正事項16
(1) 訂正の目的について
訂正前の請求項19には「基地局」と記載されている一方、請求項9ないし12,22ないし25には「基地局(620)」と記載されており、「基地局」と「基地局(620)」との関係が不明瞭である。
訂正事項16は、請求項19の「基地局」を「基地局(620)」に訂正し、請求項19と他の請求項との間で用語の記載を統一することで、請求項19の「基地局(620)」と請求項9ないし12,22ないし25の「基地局(620)」の関係を明瞭にするものである。
したがって、訂正事項16は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項16は、上記(1)に記載したとおり、請求項19の「基地局」を「基地局(620)」に訂正することで、請求項19と他の請求項との間で用語の記載を統一するものあるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項16は、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項16は、上記(1)に記載したとおり、請求項19の「基地局」を「基地局(620)」に訂正することで、請求項19と他の請求項との間で用語の記載を統一するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項16は、特許法第126条第5項に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正請求に係る訂正事項5ないし7、14ないし16は、いずれも特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-390100