商標取消審判
2023-300864
オイスター
- 審判番号
- 2023-300864
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1988-140684外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 2322560
- 請求日
- 2023年11月28日
- 審決日
- 2024年09月02日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ノーブルウッド リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人 快友国際特許事務所
- 【被請求人】株式会社 ゼネラル・オイスター
- 【被請求人代理人】阪本 清孝
- 【被請求人代理人】田邉 壽二
- 分類
- T131 .1 -Y (Z3233)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
- 文字(標準文字の明示なし)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項、商標法第2条第3項第8号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第2322560号の2商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
登録第2322560号の2商標(以下「本件商標」という。)は、「OYSTER」の欧文字と「オイスター」の片仮名を上下2段に横書きしてなる構成よりなり、昭和63年12月15日に登録出願、平成3年7月31日に設定登録された登録第2322560号商標の商標権の分割に係るものであって、第32類「ビール」及び第33類「洋酒、果実酒」を指定商品として、同17年4月19日に商標権の分割移転の登録がされたものである。
そして、本件審判請求の登録は、令和5年12月13日にされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年(2020年)12月13日~令和5年(2023年)12月12日)を、以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び令和6年2月22日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年4月25日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、甲(乙)第1号証を「甲(乙)1」のように省略して表示する場合がある。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁書による主張の要旨
(1)被請求人の主張について
被請求人は、答弁書において、商標権者のグループ会社である株式会社海洋深層水かきセンター(以下「海洋深層水かきセンター」という。)が展開する通販サイト「eOyster」において、「8th SEA OYSTER STOUT」の文字を付したスタウトビールを販売しているから、本件審判請求に係る指定商品中の「ビール」(以下「使用商品」という。)に本件商標を使用している旨を主張するが、当該使用は、本件商標の使用には当たらない。
(2)「eOyster」の使用について
被請求人は、乙第5号証に記載のとおり、商標権者が「eOyster」又は「e オイスター」という名前のウェブサイトにおいてビールを販売していることから、本件商標を本件審判請求に係る指定商品に使用している旨を主張する。
しかしながら、乙第5号証の上部の「ゼネラル・オイスターグループの生牡蠣通販サイト「e オイスター」」との記載や、乙第6号証の「eOyster(イーオイスター)」のウェブサイトにおける「お酒の販売を開始いたします。」との記載において、「eOyster」及び「e オイスター」は、1つの言葉として示されており、また、「eOyster」及び「e オイスター」は、略同大、等間隔で、外観上まとまりよく一体に表されている。
さらに、「イーオイスター」という称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
このことから、「eOyster」及び「e オイスター」の構成及び称呼からすれば、これに接する取引者、需要者は、殊更に「Oyster」又は「オイスター」の文字のみに着目するというよりは、一体不可分のものとして認識し、把握する。
したがって、「eOyster」及び「e オイスター」から「Oyster」又は「オイスター」の文字が分離抽出されるものではなく、「eOyster」及び「e オイスター」の使用をもって、本件商標の使用に該当するものではない。
また、「eOyster」及び「e オイスター」から「Oyster」又は「オイスター」の文字が分離抽出されるものではないが、「Oyster」又は「オイスター」について、乙第5号証に「ゼネラル・オイスターグループの生牡蠣通販サイト「e オイスター」」や「安全安心な生牡蠣をお届けします」と記載があるとおり、本サイトの主な商品は牡蠣そのものであるところ、「eOyster」又は「e オイスター」のうち「Oyster」及び「オイスター」の文字は牡蠣の英語として慣れ親しまれた語であって、牡蠣の普通名称にすぎず、それ自体で出所を識別する表示として使用されるものではない。
したがって、商標権者がビールの通信販売において使用している商標は、「eOyster」又は「e オイスター」であり、「OYSTER」ではない。
(3)「8th SEA OYSTER STOUT」の使用について
被請求人は、乙第7号証に記載のとおり、商標権者が「8th SEA OYSTER STOUT」の文字を記載したラベルを付したスタウトビールを販売しており、本件商標を本件審判請求に係る指定商品に使用している旨を主張する。
しかしながら、商標権者がスタウトビールに付した「8th SEA OYSTER STOUT」のラベルは、「8th SEA」、「OYSTER」及び「STOUT」が横幅を揃えて上下3段に配置されている。
また、「8th SEA」と「OYSTER」とは同じ書体で記載され、「OYSTER」と「STOUT」とは同じ背景色及び文字色で記載されており、全体として外観上の一体感があるものである。
さらに、「エイスシーオイスタースタウト」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうすると、「8th SEA OYSTER STOUT」の文字に接する取引者、需要者は、「OYSTER」の文字のみに着目するというよりは、「8th SEA OYSTER STOUT」を一体不可分のものとして認識し、把握するものである。
したがって、「8th SEA OYSTER STOUT」から「OYSTER」の文字部分が分離抽出されるものではなく、「8th SEA OYSTER STOUT」の使用であって、本件商標「OYSTER」の使用に該当するものではない。
ア 「OYSTER」の部分について
「8th SEA OYSTER STOUT」のうち、「OYSTER」及び「OYSTER STOUT」の部分は出所表示機能を果たす態様で使用されているものではない。以下にその理由を説明する。
乙第7号証に「牡蠣を原材料に使用した、これまでにない黒ビール。」と記載されているとおり、商標権者が「8th SEA OYSTER STOUT」を付して販売するオイスタースタウトは、牡蠣を原料として使用するスタウトビールである。そして、「OYSTER」は牡蠣の英語として日本で慣れ親しまれている言葉である。
したがって、「8th SEA OYSTER STOUT」のうち「OYSTER」の部分は、スタウトビールの原料である牡蠣を表示するものとして認識されるものであり、その1語が独立して、商標権者のビールの出所を表示する機能を発揮していたとは考えられない。
また、商標権者は、「OYSTER」の部分にRマークや登録商標の文字を付すなど、「OYSTER」が商標権者に係る商標である旨の表示もしていない。
さらに、乙第7号証の製品紹介や、乙第9号証ないし乙第26号証の納品書においては、片仮名で「エイス シー オイスタースタウト」と記載されており、「オイスタースタウト」は間にスペースのない1つの言葉として記載されている。
そのため、かかる使用態様から判断しても、「OYSTER」の文字のみが商標権者のビールの出所を表示する機能を発揮していたとは考えられない。
イ 「OYSTER STOUT」の部分について
「オイスタースタウト」という言葉は、例えばサッポロビール株式会社やオリオンビール株式会社のウェブサイトにおいて、スタウトビールの種類の1つとして紹介されている(甲2、甲3)。
また、2013年及び2017年に掲載されたブログにおいても、牡蠣を原料とするスタウトビールの種類として「オイスタースタウト」が紹介されている(甲4、甲5)。商標権者以外の醸造メーカーも、「三陸広田産牡蠣のスタウト(オイスタースタウト)」、「北木島オイスタースタウト」といった名称で、要証期間より前から牡蠣を原料としたスタウトビールを販売している(甲6、甲7)。
さらに、商標権者も、2017年6月時点で自ら販売していたスタウトビールの瓶の裏面において、「アイルランドに伝わるオイスタースタウト」と記載し、自社商標ではなくスタウトの種類として「オイスタースタウト」の名称を使用し(甲8)、同商品を購入した消費者も、ブログにおいて「オイスタースタウト=牡蠣ビール」、「アイルランドに伝わるオイスタースタウト」と紹介しており、「オイスタースタウト」の文字を、商標権者に係る商標ではなく、スタウトビールの種類として認識している(甲9)。
商標権者が販売する「8th SEA OYSTER STOUT」を付したスタウトビールを紹介するウェブサイトにおいても、「スタイル:オイスタースタウト」として記載されており、商標権者に係るビールの商標ではなく、ビールの種類として紹介されている(甲10)。
以上のことから、要証期間の前から、牡蠣を原料とするスタウトビールの種類を示す名称として、「オイスタースタウト」が、日本国内において使用されていたことがわかる。
したがって、「8th SEA OYSTER STOUT」のうち「OYSTER STOUT」の部分は、牡蠣を原料とするスタウトビールの種類を表示するものとしてのみ認識されるものであり、この部分が独立して商標権者のビールの出所を表示するものとして認識されていたということはできない。
よって、「8th SEA OYSTER STOUT」のうち、「OYSTER」及び「OYSTER STOUT」の部分は、出所表示機能を果たす態様で使用されていたとはいえず、使用態様から判断しても、「8th SEA」の部分のみ、あるいは「8th SEA OYSTER STOUT」全体を一体不可分としたものが、商標権者によって商標的使用をされていた商標に該当するものである。
(4)商標権者が使用する商標と本件商標との社会通念上の同一性について
被請求人が、商標権者の使用と主張する各商標と本件商標とが、同一あるいは社会通念上同一の商標であるかについて検討する。
ア 「eOyster」又は「e オイスター」について
「eOyster」又は「e オイスター」は、語頭に「e」の文字を有するため、本件商標と外観において明確に区別可能である。
また、称呼においても、「イーオイスター」と本件商標「オイスター」とは、語頭の「イー」の音の有無という顕著な差異を有する。
さらに、本件商標「OYSTER」は、「牡蠣」を意味する英語として慣れ親しまれている一方、「eOyster」又は「e オイスター」は特定の観念を生じるものではないから、観念においても相違する。
したがって、商標権者が使用していた「eOyster」又は「e オイスター」の商標は、本件商標と同一、若しくは社会通念上同一ではない。
よって、商標権者による「eOyster」又は「e オイスター」の商標の使用は、いずれも、本件商標の使用とは認められない。
イ 「8th SEA」及び「8th SEA OYSTER STOUT」について
商標権者が使用する「8th SEA」の商標と本件商標とは、構成するアルファベットが異なり、外観において明確に区別可能である。
また、称呼においても、「エイスシー」と「オイスター」とは、顕著に異なる。
さらに、「OYSTER」の文字は、「牡蠣」を意味する英語として慣れ親しまれている一方、「8th SEA」は「8番目の海」という観念を生じるため、観念においても相違する。
「8th SEA OYSTER STOUT」と「OYSTER」とは、「8th SEA」及び「STOUT」の有無によって、外観における顕著な差異を有する。
また、称呼においても、「エイスシーオイスタースタウト」と本件商標「オイスター」とは、明確に区別可能である。
さらに、「OYSTER」の文字は、「牡蠣」を意味する英語として慣れ親しまれている一方、「8th SEA OYSTER STOUT」は「8番目の海のオイスタースタウト」という観念を生じ、観念においても相違する。
したがって、商標権者が使用する「8th SEA」又は「8th SEA OYSTER STOUT」の商標は、いずれも、本件商標と同一、若しくは社会通念上同一ではない。
よって、商標権者による「8th SEA」又は「8th SEA OYSTER STOUT」の商標の使用は、いずれも、本件商標の使用とは認められない。
(5)結び
以上のとおり、商標権者は、本件商標を本件審判請求に係る指定商品に使用していないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録は取り消されるべきものである。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第26号証を提出した。
1 請求人の主張について
請求人は、本件商標に関し、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、継続して3年以上日本国内において、本件審判請求に係る指定商品について使用している事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張するが、請求人のかかる主張には理由がない。
2 本件商標の使用の事実について
(1)商標権者は、海洋深層水かきセンターが展開する通販サイトにおいて、本件商標と社会通念上同一の商標を要証期間に日本国内において、本件審判請求に係る指定商品について使用している。
(2)商標権者について
商標権者である株式会社ゼネラル・オイスターは、2000年4月に設立され(設立時の名称は「株式会社ヒューマンウェブ」であり、2016年に「株式会社ゼネラル・オイスター」へ商号変更)、牡蠣の直営レストランを全国展開するとともに、卸売りを兼営する企業である。グループ全体では直営のオイスターバーレストランに加え、種苗生産拠点、陸上養殖実験施設、独自のシステムの浄化施設を有し、牡蠣の種苗・生産から販売を一貫して行っている(乙1)。
(3)本件商標の使用について
商標権者は、新たに設立したグループ会社である乙第2号証に示した株式会社ヒューマンウェブ(直営店舗事業)で牡蠣の直営レストランを全国展開し、乙第3号証のメニューに示すように、本件商標が付されたビール(オイスタースタウト)を提供している。
なお、乙第3号証のメニューは、展開している店舗で共通に使用しているため、店名などの表記は行っていない。
そして、店舗で提供する牡蠣などを家庭で味わえるように、グループ会社の海洋深層水かきセンターが運営する通販サイト(eOyster)において、本件商標が付されたビール(オイスタースタウト)を販売している(乙4、乙5)。
通販サイト(eOyster)は、2020年8月13日に営業を開始し、同年12月18日から酒類の販売を始め、現在も販売を継続している。酒類販売開始に際して報道関係者へリリース発表した(乙6)。
通販サイト(eOyster)で販売されるビールの正面には、「8TH SEA」、「OYSTER」及び「STOUT」の文字が右上がりに3列に表記され、「OYSTER」部分が本件商標と社会通念上同一となる商標を使用している部分である(乙7)。
すなわち、厳密には本件商標は「OYSTER」と「オイスター」の2段の文字列から構成されるものであるが、「オイスター」部分は「OYSTER」の称呼を表記したものなので、本件商標の支配的部分を占める「OYSTER」部分の使用が本件商標の使用に該当するものである。
乙第7号証に示されたビールの「8TH SEA」、「OYSTER」及び「STOUT」の文字は、乙第6号証に示されているビールのラベルと異なるが、2022年5月頃以降から現在使用中の表記で販売を行っている。
本件商標が付されたビール(オイスタースタウト)は、商標権者が株式会社木内酒造へ委託製造を行っており、ビール裏面のラベル(裏ラベル)には、「品目:ビール」、「販売者:株式会社ゼネラル・オイスター」、「製造所:株式会社木内酒造」と明記され、商標権者が販売元となっている(乙8)。
(4)本件審判請求に係る指定商品に関する要証期間内の使用について
本件審判請求に係る指定商品には、使用商品である「ビール」が含まれている。
グループ会社である海洋深層水かきセンターが運営する通販サイト(eOyster)で本件商標及び前記裏ラベルを付したビールを販売した(乙9~乙26)。
乙第9号証ないし乙第26号証は、乙第7号証の本件商標が付された「ビール」の画像を見た一般需要者に商品(オイスタースタウト(クラフトビール))を販売した際の納品書(適格請求書)の一部であり、その出荷予定日付は、それぞれ本件審判請求前の日付であるので、本件商標を付した使用商品が要証期間内に販売されたことを示している。
したがって、本件商標が使用商品について要証期間内に使用されていたことは明らかである。
3 結語
以上のとおり、本件商標は、要証期間に日本国内において、商標権者により本件審判請求に係る指定商品である「ビール」について使用されていたものである。
よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべき理由がない。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、(1)要証期間に、(2)日本国内において、(3)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(4)本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、(5)本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 被請求人が提出した乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、商標権者のウェブページの写しであり、本号証の1葉目の中央上部に「会社概要|企業情報|General Oyster(ゼネラル・オイスター)」の記載、左上部に「会社概要」の記載、その下に「会社名:株式会社ゼネラル・オイスター」の記載、その下に「本社:東京都中央区日本橋茅場町2丁目13番13号 JRE茅場町二丁目ビル 7階」の記載、その下に「事業内容:飲食事業、卸事業、加工事業、ヴィレッジ事業、陸上養殖、種苗事業など、牡蠣の六次産業化事業を中心とした企業グループの企画・管理・運営(純粋持株会社)」の記載、その下に「グループ会社:株式会社ヒューマンウェブ、株式会社海洋深層水かきセンター、(通販事業e-oyster、浄化センター)、株式会社日本かきセンター、株式会社ジーオー・ファーム」の記載がある。
(2)乙第4号証について
乙第4号証は、被請求人が商標権者のウェブページで海洋深層水かきセンターを紹介する画像である旨主張するものであり、本号証の中央上部に「事業内容|企業情報|General Oyster(ゼネラル・オイスター)」の記載があり、中央部中程に「株式会社海洋深層水かきセンター[富山入善ヴィレッジ事業]」、「会社名 株式会社海洋深層水かきセンター」の記載がある。
(3)乙第5号証について
乙第5号証は、海洋深層水かきセンターが運営する通販サイトを紹介するウェブページの写しであり、中央上部に「会社情報|ゼネラル・オイスターグループの生牡蠣通販サイト「eオイスター」」の記載、その下に「¥10,000以上のご注文で送料無料」の記載、左上部に「eOyster」及び「by General Oyster group」の記載、中央部に「HOME OYSTER BAR」、「オイスターバーの美味しさをご自宅で。」、「お店と変わらない」、「「生」の美味しさをご提供します。」の記載があり、本号証の下部に、「販売会社 株式会社海洋深層水かきセンター」の記載、その下に「所在地 本社:東京都中央区日本橋茅場町2丁目13番13号 JRE茅場町二丁目ビル7階 物流センター:富山県下新川郡入善町下飯野249-3」の記載、その下に「事業内容 水産物卸売業」の記載がある。
(4)乙第6号証について
乙第6号証は、被請求人が報道関係者へのリリース発表文書と主張する書面であり、本号証の1葉目の上部に「生牡蠣とお酒がセットで届く!クリスマスや正月におうちで牡蠣パーティー。牡蠣のためのワイン・日本酒・ビールが登場!」の記載、その下に「12月18日(金)17時より販売スタート!」の記載、その下に「株式会社ゼネラル・オイスター」の記載、その下に「2020年12月18日 17時00分」の記載があり、その下には、「日本最大級※1のオイスターバーチェーンである株式会社ゼネラル・オイスター(本社:東京都中央区、省略)の子会社である株式会社海洋深層水かきセンター(本社:東京都中央区、省略)は、牡蠣通販サイト「eOyster(イーオイスター)・・・」にて、お酒の販売を開始いたします。」の記載がある。
また、乙第6号証の3葉目下部には、「サイト運営会社:株式会社海洋深層水かきセンター」及び「所在地:東京都中央区日本橋茅場町2丁目13番目13号 共同ビル7階」の記載がある。
(5)乙第7号証について
乙第7号証は、被請求人が通販サイトのビールの説明画像と主張するものであり、本号証の1葉目の左上部に「eOyster by General Oyster group」の記載、中央部に「エイス シー オイスタースタウト|牡蠣入り・牡蠣のためのクラフトビール(330ml)冷蔵」の記載、その下に「牡蠣にあう」、「牡蠣のための」、「クラフトビール」の記載とともに、「8TH SEA」、「OYSTER」(以下「使用商標」という。)及び「STOUT」の文字を3段に表示したビール瓶の写真が掲載されており、当該頁左下部には、「商品詳細」として、「牡蠣の香りがほのかに漂う、牡蠣と一緒に楽しみたいスタウトです。」、「8TH SEA OYSTER SOUT(エイス シー オイスタースタウト)/330ml」の記載がある。
乙第7号証の4葉目には、本号証の1葉目に掲載の「使用商標」の表示を含んだビール瓶の写真と同じのものが掲載されており、その右側に「エイス シー オイスタースタウト|牡蠣入り・牡蠣のためクラフトビール(330ml)冷蔵」、「価格800円(税込)」、「牡蠣の香りがほのかに漂う、牡蠣と一緒に楽しみたいスタウトです」、「送料は全国一律1,200円(税込)」及び「※総額10,000円(税込)以上のお買上で全国送料無料!」の記載がある。
(6)乙第8号証について
乙第8号証は、被請求人がビールの裏面に付されたラベル画像と主張するものであり、本号証に、「8TH SEA OYSTER STOUT」、「世界七大洋のどの海域でもつくりだせない牡蠣の理想の環境を創出。第8の海である海洋深層水を一部仕込水に使用したアイルランド風の牡蠣エキス入りスタウトビールです。」、「品目:ビール」及び「販売者:株式会社ゼネラル・オイスター 東京都中央区日本橋茅場町2-13-13 7F」の記載があり、乙第7号証に掲載の商品「エイス シー オイスタースタウト|牡蠣入り・牡蠣のためのクラフトビール(330ml)冷蔵」の裏ラベルと推認できるものである。
(7)乙第9号証ないし乙第26号証について
乙第9号証ないし乙第26号証は、被請求人が乙第7号証に掲載の商品を販売した際の納品書と主張するものである。
乙第9号証ないし乙第26号証のいずれも、中央上部に「お買い上げ明細書(納品書)」の記載、右側上部に「株式会社海洋深層水かきセンター」、「〒1030025」、「東京都中央区日本橋茅場町2丁目13番13号JRE茅場町二丁目ビル7階」及び電話番号の記載、「商品名」として「エイス シー オイスタースタウト|牡蠣入り・牡蠣のためのクラフトビール(330ml)」の記載、「単価」として「800円」の記載があり、納品書の出荷予定日(2021.10.31~2023.11.26)は、いずれも要証期間である。
3 判断
(1)使用商品及び使用商標について
使用商品「ビール」(乙7、乙8)は、本件審判請求に係る指定商品の範ちゅうの商品であることは明らかである。
また、本件商標は、「OYSTER」の欧文字と「オイスター」の片仮名を上下2段に横書きしてなるところ、「オイスター」の片仮名は、「牡蠣」の意味を有する英語「OYSTER」の読みを片仮名で表示したもので、「OYSTER」の欧文字及び「オイスター」の片仮名は、いずれも「牡蠣」を意味する語として認識されているものであるから、本件商標は、「OYSTER」の欧文字及び「オイスター」の片仮名の使用はもとより、いずれかの一方の使用も本件商標の使用と認められ、その構成文字に相応して「オイスター」の称呼が生じ、「牡蠣」の観念が生じる。
使用商標は、別掲のとおり、「OYSTER」の欧文字を右上がりに横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して「オイスター」の称呼が生じ、「牡蠣」の観念が生じる。
したがって、本件商標の構成中の「OYSTER」と使用商標とは、その構成文字、称呼及び観念を共通にするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一といえる。
(2)使用行為、使用時期について
商標権者は、2020年12月18日付けで、同日より、その子会社である海洋深層水かきセンターが運営する牡蠣通販サイトにて酒の販売を開始する旨のプレスリリースを行ったこと(乙5、乙6)、当該牡蠣通販サイトにおいて、「エイス シー オイスタースタウト|牡蠣入り・牡蠣のためのクラフトビール(330ml)冷蔵」、「価格 800円(税込)」の各記載とともに、包装容器に使用商標が付された使用商品の写真が掲載されていたこと(乙7)、また、海洋深層水かきセンターが発行する納品書には、商品名として「エイス シー オイスタースタウト|牡蠣入り・牡蠣のためのクラフトビール(330ml)」の記載及び単価として「800円」の記載があり、納品書に記載の出荷予定日はいずれも要証期間であること(乙9~乙26)が認められる。
してみれば、海洋深層水かきセンターは、要証期間に、使用商品の包装容器に本件商標と社会通念上同一といえる使用商標を付した使用商品に関する広告をウェブサイトにおいて提供していたことが推認できる。
(3)使用者について
上記2(1)ないし(4)の記載内容(乙1、乙4~乙6)によれば、海洋深層水かきセンターは、商標権者のグループ会社であり、かつ、子会社であって、商標権者の業務に係る使用商品を取り扱う通販サイトを運営していることからすれば、商標権者は、海洋深層水かきセンターに本件商標を使用商品に使用することについて黙示の許諾を与えていたと見て差し支えない。
よって、海洋深層水かきセンターは、通常使用権者と認められる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)によれば、通常使用権者は、要証期間に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中「ビール」に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した商品に関する広告を電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号に該当。)と認められる。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、通常使用権者が本件審判請求に係る指定商品中「ビール」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-300864