商標取消審判
2023-300691
ゼットエイエム、ザム
- 審判番号
- 2023-300691
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1991-046909
- 登録番号
- 2589275
- 請求日
- 2023年09月27日
- 審決日
- 2024年08月08日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 輝事務所
- 【被請求人】株式会社 オーティス
- 【被請求人代理人】協明国際弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T132 .1 -Y (Y0619)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第2589275号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
登録第2589275号商標(以下「本件商標」という。)は、「ZAM」の欧文字を横書きしてなる構成よりなり、平成3年5月7日に登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同5年10月29日に設定登録され、その後、平成17年2月2日に指定商品を第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット」及び第19類「陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),土砂崩壊防止用植生板,窓口風防通話板,区画表示帯,セメントおよびその製品,木材,石材,建築用ガラス」とする指定商品の書換登録がされたものである。
また、本件商標の権利者は「株式会社オーティス」であるところ、商標登録原簿によれば、その住所は「大阪府東大阪市横枕南5番3号」である。
そして、本件審判請求の登録は、令和5年10月13日にされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年10月13日~令和5年10月12日)を、以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第6類「全指定商品」及び第19類「建造物組立てセット(金属製のものを除く。)」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書、令和6年1月12日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年2月21日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、以下、証拠の表記にあたっては、甲第1号証を「甲1」のように省略して表示する場合がある。
1 請求の理由
本件商標は、本件審判請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁書による主張の要旨
被請求人は答弁書において、本件商標は商標権者により本件審判請求の登録前3年以内に、本件審判請求に係る指定商品について使用されている旨主張し、証拠として乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。
しかしながら、これらの証拠によっては、いまだ本件商標が本件審判請求登録前3年以内に本件審判請求に係る指定商品について使用された事実は認められないから、本件商標はその登録を取り消されるべきである。
(1)商標権者の住所について
商標権者は本件商標の登録時の住所を「大阪府大阪市天王寺区餌差町10番29号」としており、法人番号公表サイトにて検索したところでは、平成29年4月3日に「大阪府大阪市天王寺区勝山2丁目21番16号」へ、また、現在は令和5年7月3日に「大阪府大阪市天王寺区上本町5丁目6番4-2103号」へ変更されていることが確認できる(甲1、甲2)。
(2)乙第1号証の1及び乙第2号証について
乙第1号証の1は、商標権者の製品カタログの部分的なコピーであり、乙第2号証はこれと同じ内容のものが被請求人の公式ホームページにデジタルカタログとして掲載されていることを証する資料であるが、同カタログに記載されている住所は「東大阪市横枕南5-3」であるところ、カタログが発行されたとする2020年12月当時の被請求人の登記上の住所は「大阪府大阪市天王寺区勝山2丁目21番16号」であるから、これが商標権者のカタログと認めることはできない。
また、商標権者が本件商標を使用していると主張する商品は同カタログによれば「妻アングル」「鼻かくし取付金具」であるところ、これが本件審判請求に係る指定商品に該当するか、定かではない。
さらに、カタログ中の「ZAM」の表示の下には商品の写真と、図面及び品番が表示されており、さらにその下には「ZAM材料」の表示とともに各品番の商品の一覧表が掲載されている。そして、「ZAM材料」と表示されている一覧表の「材種」の欄には「2.3(ZAM)」や「3.0(ZAM)」、「1.6(ZAM)」のように、「妻アングル」と「鼻かくし取付金具」の両方の一覧表の材種の欄に記載されている。また、「鼻かくし取付金具」の一覧表の上部には「スーパーダイマ材料」との表示もあり、材種の欄には「1.6(スーパーダイマ)」との記載もある。
かかる使用態様から、これに接する当業界の需要者・取引者は、同商品は材種に日本製鉄株式会社(以下「日本製鉄社」という。)が製造・販売する、「高耐食めっき鋼板」である「ZAM」(甲3)や「スーパーダイマ」(甲4)を原材料として使用していることを示す、原材料や品質の表示であると自然と理解するものである。
換言すれば、仮に「ZAM」や「ZAM材料」の表示があるにもかかわらず、原材料に日本製鉄社の「ZAM」を使用していない場合、当業界の需要者・取引者が品質について誤認を生じることは明らかである。このことも、本件商標が商品の原材料や品質の表示と理解されることの証左である。
商標法第50条の適用上、「商品についての登録商標の使用」があったというためには、同法第2条第3項の文言とおりの使用では足りずに、当該商品の識別表示として同法第2条第3項、第4項所定の行為がなされることを要し、登録商標の使用に当たるか否かの認定に当たっては、登録商標に係る指定商品及び指定役務の属する産業分野における取引の実情を十分に考慮し、個々具体的な事例に基づいて判断すべきものであるところ(審判便覧)、本件審判請求に係る指定商品との関係では同カタログ中の「ZAM」の文字部分は、原材料として日本製鉄社の「高耐食めっき鋼板」である「ZAM」を使用していることの表示として理解されるものである。
したがって、同カタログにおける「ZAM」の表示が自他商品識別標識(出所表示)として機能することはないから、乙第1号証の1、乙第2号証によっては、本件商標と社会通念上同一の商標が本件審判請求に係る指定商品について使用された事実は認められない。
加えて、乙第2号証のデジタルカタログを確認したところ、部材名(「妻アングル」や「鼻かくし取付金具」)の横に「ZAM」のように表示さている例は他には見当たらない(甲5)。
よって、乙第1号証の1のように一部分のコピーのみでは、本件において証拠とする目的をもって作成されたものではないかとの疑念を抱かざるを得ないため、請求人はカタログの原本の提出を希望する。
(3)乙第3号証の1及び乙第4号証について
乙第3号証の1は商標権者の製品カタログの部分的なコピーであり、乙第4号証はこれと同じ内容のものが商標権者の公式ホームページにデジタルカタログとして掲載されていることを証する資料であるが、同カタログに記載されている住所は「東大阪市横枕南5-3」であるところ、カタログが発行されたとする2023年5月当時の被請求人の登記上の住所は「大阪府大阪市天王寺区勝山2丁目21番16号」であるから、これが商標権者のカタログと認めることはできない。
また、被請求人が本件商標を使用していると主張する商品は同カタログによれば「住宅用雨樋金具」であるところ、「金具」は本件審判請求に係る指定商品に含まれる商品ではないため、これが本件審判請求に係る指定商品に該当するか、定かではない。
さらに、乙第3号証の1の1葉目はカタログ中表紙、2葉目はカタログの43頁、3葉目はカタログの裏表紙のコピーであるが、請求人が乙第4号証のデジタルカタログをウェブサイトにて確認したところ、当該カタログの42頁の左上部は「W-18タイプ(一八くん)」と表示されおり、品名の欄には「ステンレス/一八くん」と記載されており(甲6)、当該表示により、これに接する需要者、取引者は当該カタログの42頁に掲載された商品がステンレス製であると理解する。そして、乙第3号証の1の2葉目の左上部に「ZAM(ザム)一八くん」と表示され、品名の欄には「ZAM(ザム)/一八くん」と記載されおり、当該カタログの44頁には品名に同じく「一八くん」と記載され、「備考」の欄には「足 ZAM」と多数記載されている(甲6)ことから、これに接する当業界の需要者、取引者は、同商品は金具や金具の足の材種に日本製鉄社が製造・販売する、「高耐食めっき鋼板」である「ZAM」(甲3)を原材料として使用していることを示す、原材料や品質の表示であると自然と理解するものである。
したがって、同カタログにおける「ZAM」の表示はいずれも日本製鉄社が製造・販売する、「高耐食めっき鋼板」である「ZAM」を示す原材料や品質の表示と理解され、当該文字部分が自他商品識別標識(出所表示)として機能することはないから、乙第3号証の1、乙第4号証によっては、本件商標と社会通念上同一の商標が本件審判請求に係る指定商品について使用された事実は認められない。
(4)乙第1号証の2及び乙第3号証の2について
乙第1号証の2は、乙第1号証の1のカタログの制作・印刷に関する請求明細書であり、乙第3号証の2は、乙第3号証の1のカタログの制作・印刷に関する請求書及び納品書であるが、これらには本件商標は一切表示されていないから、これを本件商標の使用証拠として採用することはできない。
なお、乙第1号証の1及び乙第3号証の1によって、本件商標の使用が立証されないことは上述のとおりである。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号含む。)を提出した。
1 日本国内における商標権者による登録商標の使用であること
乙第1号証の1は、商標権者が日本国内において頒布した自社製品を紹介するためのカタログから登録商標の使用を証明できる箇所のみ一部抜粋してコピーしたものである。
当該カタログには、表紙に株式会社オーティスと明記され、裏表紙には会社名、住所、WebサイトのURL等が明記されるとともに、該当頁には登録商標が表示されている。これら乙第1号証の1から、日本国内における商標権者による登録商標の使用であることが明白である。
また乙第3号証の1も、商標権者が日本国内において頒布した自社製品を紹介するためのカタログから登録商標の使用を証明できる箇所のみ一部抜粋してコピーしたものである。
当該カタログにも、表紙に株式会社オーティスと明記され、裏表紙には会社名、住所、WebサイトのURL等が明記されるとともに、該当頁には登録商標が表示されている。これら乙第3号証の1から、日本国内における商標権者による登録商標の使用であることが明白である。
2 本件審判請求に係る指定商品の使用であり、登録商標の使用であること
乙第1号証の1の2葉目は、折版屋根用部材・金具を紹介する頁であり、そこに商品の写真と共に当該登録商標の表示がある。当該行為は本件審判請求に係る指定商品の使用であり、登録商標の使用である。
乙第3号証の1の2葉目は、住宅用雨樋金具を紹介する頁であり、そこに商品の写真と共に当該登録商標の表示がある。当該行為は本件審判請求に係る指定商品の使用であり、登録商標の使用である。
3 商標法第2条第3項第8号の使用であること
乙第1号証の1及び乙第3号証の1に示すカタログは、商標法第2条第3項第8号でいうところの「取引書類」に該当し、これら取引書類に商標を付し、それらを頒布する行為は、商標法第2条第3項第8号の商標の広告的使用に該当する。
4 要証期間の使用であること
乙第1号証の2は、乙第1号証の1に示すカタログの制作・印刷を依頼している株式会社DAIWA(大阪市中央区南船場1-11-9)からの令和3年1月20日付け請求明細書である。乙第1号証の2の「月日」の欄に「12/25」とあり、品名の欄に「ファスニング 折版屋根部材」との記載、そして数量の欄に、「3,000部」との記載がある。一方、乙第1号証の1の裏表紙には、「このカタログの記載内容は、2020年12月現在のものです。」との記載がある。また乙第1号証の1の裏表紙には、「R2.12.3000D」との記載があり、これは令和2年12月に3,000部発行したことを意味する。乙第1号証の1の記載と乙第1号証の2を照らせば、要証期間に乙第1号証の1が制作・印刷されたことを証明することができる。
乙第2号証として、この乙第1号証の1と同じ内容のものが、商標権者のインターネット公式ホームページにデジタルカタログとしても掲載されていることを証する資料を提出する。当該デジタルカタログは、印刷物と同時期に更新され、当該ホームページに掲載されるものであるので、この使用事実も要証期間の使用といえる。
乙第3号証の2は、乙第3号証の1に示すカタログの制作・印刷を依頼している株式会社DAIWA(大阪市西区新町1-28-3:2023年1月に移転)からの2023年(令和5年)5月20日付け請求書と同年5月17日付け納品書である。この乙第3号証の2の「伝票日付」の欄に「5/17」とあり、品名の欄に「雨樋金具カタログ」との記載、そして数量の欄に、「3,000」との記載がある。一方、乙第3号証の1の裏表紙には、「このカタログの記載内容は、2023年5月現在のものです。」との記載がある。また乙第3号証の1の裏表紙には、「R5.4.3000D」との記載があり、これは令和5年4月に3,000部発行したことを意味する。乙第3号証の1に示すカタログは、デザイン修正が発生したため、多少のラグがあるが、乙第3号証の1の記載と乙第3号証の2を照らせば、要証期間に乙第3号証の1が制作・印刷されたことが証明することができる。
乙第4号証として、乙第3号証の1と同じ内容のものが、商標権者のインターネット公式ホームページにデジタルカタログとしても掲載されていることを証する資料を提出する。当該デジタルカタログは、印刷物と同時期に更新され、当該ホームページに掲載されるものであるので、この使用事実も要証期間の使用といえる。
5 本件商標と使用商標について
本件商標は「ZAM」と欧文字で書された商標であり、使用商標は本件商標と同じ書体でないとしても、よく用いられる書体で「ZAM」と書された商標を使用しており、社会通念上同一の登録商標の使用と認められる。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、(1)要証期間に、(2)日本国内において、(3)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(4)本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、(5)本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 被請求人が提出した乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)乙第3号証の1について
乙第3号証の1は、被請求人が商品カタログと主張するものであり、1葉目は当該カタログの表紙であり、「雨樋金具カタログ」、「住宅用雨樋金具/軒とい用 半丸」、「株式会社オーティス」等の記載、及び雨樋金具の画像があり、2葉目には、上部に「軒とい用 半丸 ZAM(ザム)一八くん」の記載があり、「品名」として「ZAM(ザム)」(別掲。以下「使用商標」という。)及び「一八くん 座付正面打」の記載、「図面」として当該雨樋金具の図面の記載があり、3葉目は、当該カタログの裏表紙であり、「株式会社オーティス」、「東大阪市横枕南5-3」、電話番号、「このカタログの記載内容は、2023年5月現在のものです。」等の記載がある。
(2)乙第3号証の2について
乙第3号証の2の1葉目の中央上部には「請求書」の記載があり、その左側には「東大阪市横枕南5-3」及び「株式会社オーティス様」の記載、右側には「請求書発行日付」として「2023/05/20」の記載、「株式会社DAIWA」、「大阪市西区新町1-28-3」の記載及び同社の押印があり、「伝票日付」として「05/17」の記載、「注文No」として「8002-044084 0002044084-000」の記載、「品名」として「売上 雨樋金具カタログ」の記載、「数量」として「3,000部」の記載がある。
乙第3号証の2の2葉目の中央部には「納品書」の記載があり、その左側には「東大阪市横枕南5-3」及び「株式会社オーティス様」の記載、右側には「納品日」として「2023/05/17」の記載、その下に「株式会社DAIWA」及び「大阪市西区新町1-28-3」の記載並びに同社の押印、「注文No/製品No」として「0002044084-0008002-044084」の記載、「品名・規格」として「雨樋金具カタログ」の記載、「数量」として「3,000部」の記載がある。
(3)乙第4号証について
乙第4号証は、商標権者のインターネット公式ホームページの写しであり、左上部に「株式会社オーティス/雨とい 屋根材 ファスナー等 建築資材の総合メーカー」の記載があり、右側上部に上記(1)に係る商品カタログ(乙3の1)に記載された電話番号と同一の電話番号の記載があり、さらに、「商品紹介/受金具」のタイトルの下、「住宅用軒用」の項に「一般的に住宅軒用に使われている金具を紹介しています。和風・洋風及び和洋折衷等、あらゆる軒戸樋に対応致します。」の記載、及び乙第3号証の1の表紙に掲載された雨樋金具の画像のうち一つと共通の画像があり、当該頁の最下部に、上記商品紹介に係る雨樋金具のカタログへのリンクと思しき「デジタルカタログ」の記載がある。
3 判断
(1)本件商標と使用商標の社会通念上同一性について
本件商標は、「ZAM」の欧文字を横書きしてなり、他方、使用商標は、「ZAM(ザム)」の文字を横書きしてなるものであり、ザムの称呼を共通にし、いずれも「ZAM」の欧文字を共通にする商標であるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
使用商標が使用された商品は、「雨樋金具」であり、これは、商品カタログ(乙3の1)及びホームページ(乙4)の各記載によれば、住宅の軒用の雨樋を取り付けるための金属製の部材といえることから、本件審判請求に係る指定商品中の第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料」の範ちゅうに属するものと認められる。
(3)使用者、使用行為、使用時期について
商標権者である株式会社オーティス(大阪市東大阪横枕南5番3号)は、2023年5月頃、使用商品の掲載ページに使用商標を表示した「雨樋金具カタログ」と題するカタログの作成を株式会社DAIWAに依頼し、同月、同カタログを発行し、それを自社のウェブサイトにおける「受金具」(住宅用軒用の金具を含む。)の商品紹介のページに、「デジタルカタログ」として掲載したといえる。
そうすると、使用商標の使用者は、商標権者であって、商標権者は、要証期間である2023年5月頃、使用商品を掲載したカタログに使用商標を表示して電磁的な方法により提供したこと、すなわち、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為をしたと認めることができる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)によれば、商標権者は、要証期間に日本国内において、本件審判請求に係る指定商品中の「建築用又は構築用の金属製専用材料」の範ちゅうの商品「雨樋金具」を広告するためのカタログに、本件商標と社会通念上同一の商標を付して、電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号)と認められる。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者が本件審判請求に係る指定商品中の「建築用又は構築用の金属製専用材料」の範ちゅうに属する「雨樋金具」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-300691