商標取消審判
2023-300626
サワヤハチジューハチヤ、サワヤ、サワケ、チャワヤ、チャワケ、ワヤ、ワケ、ハチジューハチヤ
- 審判番号
- 2023-300626
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-070601
- 登録番号
- 5810923
- 請求日
- 2023年09月01日
- 審決日
- 2024年12月23日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 沢屋
- 【請求人代理人】松下 恵三
- 【被請求人】木村 徳彦
- 【被請求人代理人】出雲 暖子
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 豊瀬 京太郎
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T132 .1 -Y (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5810923号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5810923号商標(以下「本件商標」という。)は、「茶和家 八十八夜」の文字を標準文字で表してなり、平成27年7月23日に登録出願、第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,調味料,穀物の加工品,弁当,米」を指定商品として、同年12月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、令和5年9月21日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の同2年9月21日から同5年9月20日までを以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第30類「調味料,穀物の加工品,弁当」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、第30類「調味料,穀物の加工品,弁当」(以下「請求に係る指定商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
なお、請求人は、下記の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由を審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第19号証(枝番号を含む。枝番号をまとめて引用するときは枝番号を省略する。乙8は欠番。)を提出した。
1 本件商標権者(被請求人)による通常使用権の許諾について
本件商標権者は、株式会社木村園(以下「木村園社」という。)の代表取締役である(乙21※審決注:乙19の誤記と認める。)。本件商標権者は、本件商標権取得と同時に、木村園社に対し、使用地域、使用期間、使用態様を限定せず、通常使用権を許諾した。
2 本件商標は使用されていること
本件商標の通常使用権者である木村園社は、本件商標を指定商品中、第30類「穀物の加工品」について、要証期間に日本国内において使用している。
3 本件商標の使用について
木村園社は、インターネット通販サイトの楽天市場にて、遅くとも2020年12月から現在に至るまで、穀物の加工品であるそばを販売している。以下、そばの過去における販売について詳述する。
(1)インターネット通販サイトで使用したこと
ア 2020年12月30日の使用
(ア)被請求人は、過去のウェブサイトを閲覧できるツールのウェイバックマシンというサイト(以下「ウェイバックマシン」という。)に、楽天市場での木村園社のウェブサイトのURLを入力した結果、2020年12月30日のウェブサイトがヒットした(乙1、乙2)。
(イ)2020年12月30日の、楽天市場のウェブサイトにおいて、木村園社は、そばを販売した(乙3の3~10)。
(ウ)同ウェブサイトのトップページには、「茶和家」(乙3の1、乙3の11)、「SAWAYA」(乙3の2)が、付されていた。
そして、木村園社が販売したそばの包装袋(乙3の7~10)には、「茶和家八十八夜」の文字が記載され(乙17の1)、そばを梱包した箱の正面には「茶和家八十八夜」の文字が記載されていた(乙16、乙18)。
(エ)2020年12月30日、木村園社は、そばつゆ、そば、清涼飲料の通信販売を行うウェブサイト上に、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供したのであるから、第30類「穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第8号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
さらに、同日、木村園社は、そばの包装袋やそばを梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売し、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
イ 2022年12月7日の使用
(ア)被請求人は、ウェイバックマシンに、木村園社のウェブサイトのURLを入力した結果、2022年12月7日のウェブサイトがヒットした(乙4)。
(イ)2022年12月7日の、木村園社のウェブサイトにおいて、木村園社は、そばを販売した(乙5の1~4)。
(ウ)同ウェブサイトのトップページには、「茶和家」(乙5の1、乙5の5)、「SAWAYA」(乙5の1)が、付されていた。
そして、木村園社が販売したそばの包装袋(乙5の2~4)には、「茶和家 八十八夜」の文字が記載され(乙17の1、乙17の2)、そばを梱包した箱の正面には「茶和家 八十八夜」の文字が記載されていた(乙16、乙18)。
(エ)2022年12月7日、木村園社は、そばの通信販売を行うウェブサイト上に、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供したのであるから、第30類「穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第8号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
さらに、同日、木村園社は、そばの包装袋やそばを梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
ウ 2023年6月16日の使用
(ア)被請求人は、ウェイバックマシンに、楽天市場のウェブサイトのURLを入力した結果、2022年2月8日(※審決注:2023年6月16日の誤記と認める。)のウェブサイトがヒットした(乙6)。
(イ)2023年6月16日の、楽天市場のウェブサイトにおいて、木村園社は、そばを販売した(乙7の2~8)。
(ウ)同ウェブサイトのトップページには、「茶和家」(乙7の1、乙7の8)、「SAWAYA」(乙7の2)が、付されていた。
そして、木村園社が販売したそばの包装袋(乙7の2、乙7の3、乙7の7)には、「茶和家 八十八夜」の文字が記載されていた(乙17の2)。
(エ)2023年6月16日、木村園社は、そばの通信販売を行うウェブサイト上に、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供したのであるから、第30類「穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第8号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
さらに、同日、木村園社は、そばの包装袋に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
(2)顧客から書き込みがあったこと
ア 被請求人は、楽天ビジネスログインをし(乙9、乙10)、みんなのレビュー(乙11)を検索したところ、そばつゆ、そば、清涼飲料を購入した顧客からの書き込みがあった。
イ 2022年7月30日に投稿された書き込みには、そばつゆ、そば、清涼飲料を購入した顧客から、美味しかったなどの記載があった(乙12)。
ウ 2022年(※審決注:2021年の誤記と認める。)6月24日に投稿された書き込みには、そばつゆ、そば、清涼飲料を購入した顧客から、父の日のプレゼントなどの記載があった(乙12)。
エ 上記書き込みのあった商品は、そばの包装袋には「茶和家 八十八夜」の文字が記載され、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱の正面には「茶和家 八十八夜」の文字が記載されていた(乙16、乙17の1、乙20※審決注:乙18の誤記と認める。)。
オ 2022年6月~7月頃、木村園社は、インターネット通販において、そばの包装袋やそばを梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売し、そば等のセットを梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
(3)顧客との取引があったこと
ア 被請求人は、楽天ビジネスログインをし(乙9、乙10)、顧客管理を検索した(乙13)。
イ そば等のセットは、2022年6月27日(※審決注:17日の誤記と認める。)に発送され(乙14)、2023年5月8日~2023年5月30日の間に、少なくとも9件の注文があった(乙15)。
ウ そば等のセットは、楽天市場のインターネット通販にて販売されたものである。前述のとおり、木村園社は、そばの包装袋に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売し、そばを梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)ウェイバックマシンによりアーカイブされたウェブサイト(乙2~乙7)
乙第2号証ないし乙第7号証は、ウェイバックマシンによりアーカイブされたウェブサイトである。
ア 乙第2号証は、アーカイブされた日付けであり、「DECEMBER 30,2020」(2020年(令和2年)12月30日)と表示されている。
イ 乙第3号証は、「Dec 30,2020」(2020年(令和2年)12月30日)を掲載日とする楽天市場のウェブサイトであり、「年越しそば」「八十八夜新茶蕎麦 6人前」「茶和家/木村園」(「/」は改行を表す。以下同じ。)「製造者:株式会社木村園 静岡県掛川市下垂木2083」の記載があり、また、商品の包装袋及び包装箱と考えられる写真(乙3の7~9)が掲載されている。
ウ 乙第4号証は、アーカイブされた日付けであり、「DECEMBER 7,2022」(2022年(令和4年)12月7日)と表示されている。
エ 乙第5号証は、「Dec 07,2022」(2022年(令和4年)12月7日)を掲載日とする楽天市場のウェブサイトであり、「茶和家 木村園」(「茶和家」には「さわや」のルビが振られている。)「静岡県掛川市下垂木2083」「茶和家 茶そば ギフト」「年越し 八十八夜茶蕎麦」の記載があり、また、商品の包装袋及び包装箱と考えられる写真(乙5の2、3)が掲載されている。
オ 乙第6号証は、アーカイブされた日付けであり、カレンダー上に、2023年6月16日が表示されている。
カ 乙第7号証は、「Jun 16,2023」(2023年(令和5年)6月16日)を掲載日とする楽天市場のウェブサイトであり、「茶和家 木村園」(「茶和家」には「さわや」のルビが振られている。)「八十八夜茶そば」「希少な富山県そば粉と厳選した小麦粉使用」の記載があり、また、商品の包装袋及び包装箱と考えられる写真(乙7の2、3)が掲載されている。
(2)商品の包装袋(乙16、乙17)
ア 乙17号証の1の右側に表示されている画像(別掲1)は、乙第3号証の7、同号証の8及び乙第5号証の2に表示されている包装袋を拡大したものと認められるものであり、縦長四角形状の袋表面に、茶娘、茶の葉及び植物の種子と考えられる図形、「細く長く長寿を願う」「茶和家 八十八夜/茶蕎麦」「掛川産八十八夜茶と」「国産そば・・・使用」の記載があることが確認できる。
イ 乙17号証の2の右側に表示されている画像(別掲2)は、乙第5号証の3、乙第7号証の2及び同号証の3に表示されている包装袋を拡大したものと認められるものであり、縦長四角形状の袋表面に、茶娘及び茶の葉と考えられる図形、青色系に彩色された縦しま模様、「細く長く長寿を願う」「茶和家 八十八夜/茶蕎麦」「極上の喉越し」「希少国産/そば粉」「掛川産/八十八夜茶/深蒸茶」の記載があることが確認できる。
(3)商標権者(木村園社の代表取締役)及び木村園社の本店の住所について(乙19)
木村園社の履歴事項全部証明書(乙19)には、商標権者が2017年(平成29年)7月1日に代表取締役に就任(同月7日に登記)したことが記載されている。
また、木村園社の本店の住所は、乙第3号証及び乙第5号証に記載された住所と一致する。
(4)上記(1)ないし(3)によれば、以下のことが認められる。
ア 木村園社は、2020年(令和2年)12月30日、2022年(令和4年)12月7日及び2023年(令和5年)6月16日に、楽天市場のウェブサイトにおいて、商品の包装袋を掲載して「そば(の麺)」(以下「使用商品」という。)を販売するために広告を行った。
そして、上記2020年(令和2年)12月30日、2022年(令和4年)12月7日及び2023年(令和5年)6月16日の各時点において、商標権者が木村園社の代表取締役である。
イ 使用商品は、上記(2)のとおりの包装袋に梱包されていたことが推認され、当該包装袋において、看者の注意を最も引くといえる部分である中央やや上方に、ひときわ大きく目立つ態様で「茶和家 八十八夜/茶蕎麦」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。別掲3)が表示されている。
2 判断
(1)使用商品及び使用商標について
使用商品は、顧客に販売するために、楽天市場のウェブサイトに掲示され広告されていたものであり、「そば(の麺)」であるから、請求に係る指定商品中、第30類「穀物の加工品」の範ちゅうに属する商品であるとみて差し支えない。
また、ウェブサイトに掲載された使用商品が梱包されていたと推認される包装袋には、使用商標(「茶和家 八十八夜/茶蕎麦」)の表示があるところ、使用商標の構成中の「茶蕎麦」の文字部分は、商品の品質を表したものと認識されるにすぎないから、使用商標において自他商品識別力を発揮する要部は「茶和家 八十八夜」の文字部分であると認められ、使用商標の要部と本件商標とは文字構成を同じくするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標であるといえる。
(2)使用時期、使用行為、使用者について
商標権者が代表取締役である木村園社が、要証期間である2020年(令和2年)12月30日、2022年(令和4年)12月7日及び2023年(令和5年)6月16日に、使用商品に関する広告に使用商標を付した商品の包装袋を表示して電磁的方法により提供したといえるから、同社が、要証期間に、商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為を行ったと認めることができる。
そして、要証期間において、商標権者は木村園社の代表取締役であり、同社が本件商標を使用するに当たって、黙示の許諾があったことは推認できるから、木村園社は本件商標についての通常使用権者と認められる。
(3)小括
上記(1)及び(2)からすれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した包装袋を表示して、当該包装袋に梱包した、本件審判の請求に係る指定商品(「穀物の加工品」)の範ちゅうに属する商品(「そば(の麺)」)に関する広告を電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号に該当。)と認めることができる。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、その審判の請求に係る指定商品に含まれる穀物の加工品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用した事実を証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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