商標取消審判
2024-300168
レイカジャパン、レーカジャパン、レーカ
- 審判番号
- 2024-300168
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2019-152006
- 登録番号
- 6332668
- 請求日
- 2024年03月13日
- 審決日
- 2026年03月23日
- 公報発行日
- 2026年06月26日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】REIKA JAPAN 株式会社
- 【請求人代理人】長谷川 芳樹
- 【請求人代理人】黒川 朋也
- 【請求人代理人】川島 麻衣
- 【被請求人】古野 海
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 和彦
- 審判官 駒井 芳子
- 審判官 真鍋 伸行
- 分類
- T131 .1 -Z (W1030)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条、商標法第2条第3項、商標法第50条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6332668号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6332668号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6332668号商標(以下「本件商標」という。)は、「REIKA JAPAN」の欧文字を標準文字で表してなり、第10類「磁気治療器,家庭用永久磁石磁気治療器,貼付式磁気治療器」及び第30類「菓子,チョコレート,アーモンド入り菓子,茶」を指定商品として、令和2年12月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年4月12日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和3年4月12日から同6年4月11日までを、以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書、令和6年7月1日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同7年9月18日付け弁駁書(以下「弁駁書」という。)において、その理由を要旨次のように述べ、甲第1号証ないし甲第3号証(なお、弁駁書で証拠として提出された「甲第1号証」は、審判請求書で提出された証拠の番号と重複しているため、これを「甲第3号証」とする。)を提出した。
なお、以下、証拠の表示については、甲(乙)第1号証を「甲(乙)1」のように省略して表示する場合がある。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品(以下「本件指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁書による主張
(1)被請求人が提出した証拠について
ア 乙1について
乙1は、被請求人が製品化及び販売していると主張する「麦チョコ」と表示された商品の写真であるが、以下のとおり、本件商標の要証期間内の商取引に係る適法かつ客観的な使用を示すものとして、到底採用できない。
(ア)中身の確認ができない。
茶色の袋に「麦チョコ」と記載されたシールが1枚貼付されているのみで、内容物が実際に「麦チョコ」であることを客観的に確認できない。
(イ)要証期間内の使用を示す日付が欠如している。
要証期間における使用を直接示す日付が一切添付されておらず、要証期間内の使用の立証として不十分である。
(ウ)必須表示の欠落と違法流通の疑いがある。
写真上の表示は「chocolate」、「麦チョコ」及び「REIKA JAPAN」にとどまり、食品表示法等で義務づけられた品名、原材料名、内容量、アレルゲン、栄養成分、保存方法、製造者/販売者の氏名・所在地、問い合わせ先、製造所固有記号等の表示が確認できない。このような必須表示を欠く商品は適法に流通できず、実販売があったとは考え難いものである。
(エ)市販仕様を欠く体裁である。
JANコード等の商品識別コードが付されておらず、実際の流通を前提とした市販品の体裁を備えていない。
(オ)使用者と被請求人との関係性が不明確である。
シールからは表示主体(製造者/販売者)が特定できず、当該表示行為を直ちに被請求人の商標の「使用」であると評価することができない。
(カ)後日作成の疑いがある。
市販品に通常見られる体裁や裏付けを欠き、事後的に作成された写真・パッケージである疑いが強いといえる。
(キ)市場での客観的痕跡がない。
被請求人が製品化及び販売をしているのであれば、商品の店頭陳列、ECサイト掲載、広告宣伝、レビュー等、市場への露出を示す客観的な痕跡があるはずだが、一切確認することができない。
(ク)流通実績に関する資料が欠如している。
小売側の仕入・販売記録、EC受注履歴、広告・販促物、展示会出展実績等、通常期待される流通実績の資料が提出されていない。
(ケ)営業許可・製造体制の不備の可能性がある。
被請求人に菓子製造業許可等がない場合、自己製造は不可能であり、適法な販売ができない。OEMであっても契約書や製造所表示等が必要になる。
以上のとおり、乙1は、本件商標の要証期間内における適法かつ客観的な使用を裏づける証拠としての要件を満たしていない。
イ 乙2について
乙2も本件商標の使用を証明するに足りないものである。
(ア)要証期間外の資料である。
被請求人が提出した納品伝票は2021年2月13日付けで、明らかに要証期間外の資料であるため、使用証拠として採用できない。
(イ)社会通念上の商取引に当たらない。
一度限りの極少量の取引、かつ特定個人との取引にとどまっており、継続的・反復的な市場流通を前提とする「社会通念上の商取引」とは評価できず、登録取消を回避することを目的とした見せかけの使用にすぎないといえる。
(ウ)実取引の客観的裏付けがない。
物流面の裏付け(運送会社の送り状・追跡履歴等)や、決済面の裏付け(銀行取引明細、会計帳簿等)が一切示されていない。これらがない限り、当該納品が現実に行われ、対価を伴った実取引があったとは認められない。
(エ)取引相手方側の資料が欠如している。
取引先の資料による突合ができなければ、伝票の実在性・真正性・商取引性は担保されない。
以上より、乙2は、本件商標の要証期間内における適法かつ客観的な使用を立証する資料として採用できない。仮に形式上の伝票が存在したとしても、期間、数量・相手方、物流・決済の裏付けという各要件を欠く限り、使用の立証としては到底足りないものである。
(2)本件商標の出願・登録の経緯と提出証拠の信用性について
被請求人は請求人の元社員であり、被請求人が請求人に対する嫌がらせを目的として本件商標を無断出願・登録した経緯がある。よって、利害・動機の観点から、被請求人が提出した各証拠の信用性は著しく低い。
具体的な経緯は以下のとおりである。
ア 2019年11月11日、請求人であるREIKA JAPAN株式会社の社長が、各部門と面談し、被請求人に対し仕入先との窓口担当を追加依頼したところ、被請求人は「コミッションがなければやりません」と拒否をした。社長が「それは会社の理念に合わない」と返答したところ、被請求人は自ら「やめます」と発言し、社長もその場で承諾した。
イ 2019年11月14日、請求人は電話にて被請求人に退職手続きについて伝達した。
ウ その直後の2019年11月20日、被請求人は請求人の許諾を得ることなく、請求人に嫌がらせをする目的で本件商標の出願を行った。
被請求人退職時の状況および本件商標の出願・登録経緯が分かる資料として、請求人の弁護士が作成した報告書を提出する(甲3)。以上の事情は、被請求人が提出した使用証拠の信用性の判断において不利に作用すべきである。
(3)結論
以上により、被請求人は本件指定商品について、要証期間における本件商標の使用を証明していない。被請求人の提出した包材写真および納品伝票は、我が国における権利者による要証期間内の商標的使用を、商取引の実在性まで含めて裏付けるには到底足りない。さらに、本件商標の出願の経緯に照らすと、提出された使用証拠はいずれも偽造・後日作成の疑いが濃厚である。よって、被請求人の主張は失当であるから、請求の趣旨に記載したとおりの審決を求める。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、その理由を答弁書において、本件商標は、その登録後、それを使用した商品を製品化及び販売している旨述べ、証拠方法として、乙1及び乙2を提出した。
第4 当審における審尋及び被請求人の回答
1 当審における審尋
審判長は、令和7年12月3日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人の主張及び同人が提出した証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認められない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した弁駁書に対する回答を求めた。
2 審尋に対する被請求人の回答
被請求人は、上記1の審尋に対し、何らの応答もしていない。
第5 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その指定商品について登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用を証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、要証期間に日本国内おいて、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その指定商品のうち、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることを全て証明する必要がある。
2 事実認定
被請求人の主張及びその提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙1について
乙1は、別掲のとおり、茶色の巾着様の包装(袋)の写真であって、その包装(袋)の正面及び裏面(1葉目及び2葉目)の中央部に配された白色の円形図形(以下「乙1円形図形」という。)内部に「Chocolate」、「麦チョコ」及び「REIKA JAPAN」の文字が3段書きで表されている。
(2)乙2について
乙2は、「納品書(控)」と記載された書類の写真(写し)であって、最上段に「2021年2月13日」の記載、右上に縦書きの「古野」の文字の朱印、及び「下記のとおり納品いたしました」の記載の下に、「品名」の欄に「麦チョコ」の記載のほか、数量、単価、金額等の記載がある。
3 判断
上記2によれば、以下のとおり判断できる。
(1)乙1について
被請求人は、乙1を商品の写真として提出しているところ、巾着様の包装(袋)の正面及び裏面の中央部に配された乙1円形図形内に「Chocolate」、「麦チョコ」及び「REIKA JAPAN」の文字が記載されていることは認められるものの、実際に包装されている商品の内容が乙1からは確認できないことから、本件商標が本件指定商品のうちのいずれかについて使用されたものであると認めることはできない。
また、乙1は、巾着様の包装(袋)に、例えば製造者の氏名、名称など、本件商標を使用して当該商品を製品化した者又は販売した者などを特定できる記載がないことから、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標を当該商品において使用したものであると認めることができない。
さらに、乙1は、当該商品を製品化又は販売した日時を確認できる記載等もないことから、要証期間における証拠とも認められない。
したがって、乙1の証拠からは要証期間内に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって本件商標が本件指定商品のいずれかに使用されたものであると認めることはできない。
(2)乙2について
被請求人は、乙2を納品伝票の写しとして提出しているところ、乙2は「納品書(控)」及び「2021年2月13日」と記載されていることから、要証期間外の日付において作成された納品書であるといえ、乙2は、要証期間における証拠とは認めることができない。
また、乙2からは、本件商標等の記載が確認できず、本件商標が付された納品書(取引書類)とは認められない。
なお、仮に、乙2は、乙1に掲載された商品に係る納品書であるとして提出されたものであるとしても、乙1円形図形内部の「麦チョコ」の記載と納品書の「品名」の欄にある「麦チョコ」の記載が共通するのみであって、乙2が乙1の商品に係る納品書であることを客観的に証明する証拠の提出はなく、また、乙1に掲載されている商品も、上記(1)のとおり、実際に包装されている商品の内容は確認することができないことから、乙2は、乙1に係る商品「麦チョコ」に関する納品書(取引書類)であると認めることはできない。
したがって、乙2の証拠からは要証期間内に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって本件商標が本件指定商品中「菓子」に包含される「麦チョコ」に使用されたものであると認めることはできない。
(3)小括
したがって、乙1及び乙2の証拠からは、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、要証期間内に、本件商標が、本件指定商品のいずれかに使用されたものであると認めることはできない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標を、本件指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する行為を行っていたことを証明していない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2024-300168