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特許拒絶査定不服審判

2023-018488

表示装置及其光源モジュール

審判番号
2023-018488
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-003339
請求日
2023年11月01日
審決日
2024年12月16日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】中強光電股▲ふん▼有限公司
  • 【請求人代理人】伊東 忠重
  • 【請求人代理人】伊東 忠彦
  • 【請求人代理人】宮崎 修
審判長/審判官
  • 審判長 波多江 進
  • 審判官 野村 伸雄
  • 審判官 芝沼 隆太
分類
P18 .121-Z (G02F) / P18 .575-Z (G02F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 3339「表示装置及其光源モジュール」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 8月 6日出願公開、特開2020-118965〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年1月14日(パリ条約による優先権主張2019年1月18日 中国)の出願であって、その手続の経緯の概要は、以下のとおりである。 令和 5年 2月 7日付け:拒絶理由通知書 同年 5月12日 :意見書、手続補正書の提出 同年 6月23日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同年 7月 4日 :原査定の謄本の送達) 同年11月 1日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和5年11月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年11月1日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1) 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。 「光源モジュール及び表示モジュールを含む表示装置であって、 前記光源モジュールは、バックライトモジュール及び出光視角制御装置を含み、 前記バックライトモジュールは、照明光束を発し、 前記出光視角制御装置は、前記照明光束の伝播方向に沿って前記バックライトモジュールの上に配置され、且つ第一偏光板、第二偏光板、第一液晶層、第一配向層及び第二配向層を含み、 前記第一偏光板及び前記第二偏光板は、前記照明光束の伝播路径に順次配置され、 前記第一液晶層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第一偏光板と前記第二偏光板との間に位置し、前記第一液晶層における複数の液晶分子は、第一印加電圧に基づいて配列方向が変わり、 前記第一配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第一偏光板と前記第一液晶層との間に位置し、 前記第二配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第一液晶層との間に位置し、 前記第一配向層と前記第二配向層との配向方向が互いに垂直であり、 前記第一印加電圧が0Vに等しいときに、前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角範囲が、第一視角であり、前記第一印加電圧が0Vよりも大きいときに、前記出光視角範囲は、第二視角であり、 前記第二視角は、前記第一視角とは異なり、 前記表示モジュールは、前記照明光束の伝播方向に沿って前記光源モジュールの上に配置され、前記照明光束を表示光束に変換するために用いられ、 前記表示モジュールは、 前記照明光束の伝播路径に順次配置される第四偏光板及び第五偏光板;及び 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第五偏光板との間に位置する表示層を含み、 前記出光視角制御装置は、さらに、 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第二偏光板との間に位置する第二液晶層であって、前記第二液晶層における複数の液晶分子は、第二印加電圧に基づいて配列方向が変わる、第二液晶層; 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第二液晶層との間に位置する第三配向層;及び 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第二液晶層との間に位置する第四配向層であって、前記第三配向層と前記第四配向層との配向方向が互いに垂直である、第四配向層を含み、 前記第一印加電圧及び前記第二印加電圧がともに0Vに等しいときに、前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角が、前記第一視角であり、前記第一印加電圧及び前記第二印加電圧がともに0Vよりも大きいときに、前記出光視角は、第三視角であり、前記第一視角、前記第二視角及び前記第三視角は、互いに異なり、 前記第一液晶層又は前記第二液晶層の液晶分子がねじれネマティック液晶であり、 前記第二配向層と前記第三配向層との配向方向の差が180度であり、前記第一配向層と前記第四配向層との配向方向の差が180度であり、 前記第一印加電圧が0Vよりも大きいときに、前記出光視角範囲が前記第一視角から前記第二視角に変わる偏移方向と、前記第二配向層の配向方向との夾角が45度であり、 前記表示装置は、さらに、 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記出光視角制御装置と前記表示モジュールとの間に位置する光学位相遅延層を含む、表示装置。」 (2) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「光源モジュール及び表示モジュールを含む表示装置であって、 前記光源モジュールは、バックライトモジュール及び出光視角制御装置を含み、 前記バックライトモジュールは、照明光束を発し、 前記出光視角制御装置は、前記照明光束の伝播方向に沿って前記バックライトモジュールの上に配置され、且つ第一偏光板、第二偏光板、第一液晶層、第一配向層及び第二配向層を含み、 前記第一偏光板及び前記第二偏光板は、前記照明光束の伝播路径に順次配置され、 前記第一液晶層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第一偏光板と前記第二偏光板との間に位置し、前記第一液晶層における複数の液晶分子は、第一印加電圧に基づいて配列方向が変わり、 前記第一配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第一偏光板と前記第一液晶層との間に位置し、 前記第二配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第一液晶層との間に位置し、 前記第一配向層と前記第二配向層との配向方向が互いに垂直であり、 前記第一印加電圧が0Vに等しいときに、前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角範囲が、第一視角であり、前記第一印加電圧が0Vよりも大きいときに、前記出光視角範囲は、第二視角であり、 前記第二視角は、前記第一視角とは異なり、 前記表示モジュールは、前記照明光束の伝播方向に沿って前記光源モジュールの上に配置され、前記照明光束を表示光束に変換するために用いられ、 前記表示モジュールは、 前記照明光束の伝播路径に順次配置される第四偏光板及び第五偏光板;及び 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第五偏光板との間に位置する表示層を含み、 前記出光視角制御装置は、さらに、 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第二偏光板との間に位置する第二液晶層であって、前記第二液晶層における複数の液晶分子は、第二印加電圧に基づいて配列方向が変わる、第二液晶層; 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第二液晶層との間に位置する第三配向層;及び 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第二液晶層との間に位置する第四配向層であって、前記第三配向層と前記第四配向層との配向方向が互いに垂直である、第四配向層を含み、 前記第一印加電圧及び前記第二印加電圧がともに0Vに等しいときに、前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角が、前記第一視角であり、前記第一印加電圧及び前記第二印加電圧がともに0Vよりも大きいときに、前記出光視角は、第三視角であり、前記第一視角、前記第二視角及び前記第三視角は、互いに異なり、 前記第一液晶層又は前記第二液晶層の液晶分子がねじれネマティック液晶であり、 前記第二配向層と前記第三配向層との配向方向の差が180度であり、前記第一配向層と前記第四配向層との配向方向の差が180度であり、 前記第一印加電圧が0Vよりも大きいときに、前記出光視角範囲が前記第一視角から前記第二視角に変わる偏移方向と、前記第二配向層の配向方向との夾角が45度である、表示装置。」 2 本件補正の適否 本件補正のうち請求項1についての補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「表示装置」について「前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記出光視角制御装置と前記表示モジュールとの間に位置する光学位相遅延層を含む」との限定をするものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に検討する。 (1) 本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載した事項により特定されるとおりのものである。 (2) 引用文献の記載事項及び引用発明等の認定 ア 引用文献3の記載事項及び引用発明の認定 (ア) 引用文献3の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に発行された特開2006-171333号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある(下線は、当合議体が付した。以下同じ。)。 「【0022】 図1は、この発明の一実施の形態に係る液晶表示装置を示している。この液晶表示装置は、通常の画像を表示可能な第1の液晶表示部2及びこの表示装置の表示を切り替て表示をコントロールする第2の液晶表示部4から構成されている。 【0023】 第1の液晶表示部2には、TFT構造が採用され、このTFT構造では、よく知られるように第1及び第2の透明な基板6,8が互いに対向して配置され、その外面側には、第1及び第2の透過軸を有する第1及び第2の偏光板10,12が形成されている。第2基板8に対向する第1の基板6の内面には、TFT等のアクティブ素子(図示せず)が形成され、このアクティブ素子に電圧を印加する為の素子駆動用配線(図示せず)が形成され、アクティブ素子に接続された透明な画素電極(ITO電極)14が第1電極として形成されている。これらアクティブ素子、素子駆動用配線及び画素電極14上には、第1の配向膜16が形成されている。第1の基板6外には、この第1の液晶表示部2の光源としてのバックライトが設けられ、このバックライトからのバックライト光線が第1の基板6から第2の基板8上に向けられている。第1の配向膜16は、後に実施例として説明されるように所定の配向方向を与えるようにラビング処理されている。 【0024】 また、第1基板6に対向する第2の基板8の内面には、透明な共通電極(ITO電極)18が第2電極として形成され、この共通電極18上には、第2の配向膜20が形成されている。第2の配向膜20は、同様に後に実施例として説明されるように所定の配向方向を与えるようにラビング処理されている。第1及び第2の基板6,8の周囲には、基板6,8を支持するシール部22が設けられ、互いに対向する第1及び第2の基板6,8の間には、均一な間隙が設けられ、この間隙に配置される第1及び第2の配向膜16,20間には、第1の液晶層24が充填されている。このシール部22及び基板6,8によって第1の液晶層24は、第1の液晶表示部2内にシールされている。 【0025】 この第1の液晶表示部2においては、外部の回路から液晶駆動回路30に供給される画像信号に基づいて駆動電圧信号が液晶駆動回路30から共通電極18及び素子駆動用配線に与えられ、素子駆動用配線の電圧印加に従って選択的にアクティブ素子がアクティブとされて画素電極14及び共通電極18間に電圧が印加される。従って、第1の液晶層24内の各画素電極14によって規定される各液晶セルの配向特性が変化され、液晶セル毎にバックライト光線の透過が制御されて第2基板8を介して画像信号に対応した画像が観察される。 【0026】 ここで、第1の液晶表示部2は、偏光板10,12がその両面に配置される構造であれば特に限定されるものではなく、TN液晶・STN液晶・IPS液晶・MVA液晶の方式を用いることが可能である。 【0027】 第2の液晶表示部4は、後に説明するように、第1の液晶表示部2で表示される画像の視認範囲を制限する視野制限モード及び第1の液晶表示部2で表示される画像を装置で定まる広い視野角に亘って表示する広視野モードに切り替えられる構造を備えている。即ち、第2の液晶表示部4は、第1の液晶表示部2の第2の偏光板12上に透明な第3の基板42が設けられ、この第3の基板42に対向して同様に透明な第4の基板44が配置されている。この第4の基板44の外面には、同様に第3の偏光板46が形成されている。 【0028】 互いに対向する第3及び第4の基板42、44の内面上には、夫々透明な第3及び第4の電極48,50が形成され、この第3及び第4の電極48,50上には、第3及び第4の配向膜52,54が形成されている。第3及び第4の基板42、44によって規定される第3及び第4の配向膜52,54間の間隙には、第2の液晶56が充填され、第3及び第4の基板42、44の周囲には、基板42、44を支持するシール部58が設けられ、互いに対向する第3及び第4の基板42、44及びシール部58によって第2の液晶56は、第2の液晶表示部4内にシールされている。 【0029】 ここで、この第2の液晶表示部4は、第1の液晶表示部2の表面の偏光板12から射出される偏光をコントロールするために設けられ、視野角を制御しようとする方向に応じて後に具体的な実施例で説明されるように、第2の液晶表示部4に適切な構造が与えられる。例えば、高い輝度で適切な視野を与える為には、第3の配向膜52は、第2の偏光板12の光透過軸に対してそのラビング方向が略直交するように定められ、第4の配向膜54は、第3の偏光板46の光透過軸に対してそのラビング方向が略直交するように定められることが好ましい。 【0030】 また、第2の液晶表示部4は、特に、特定のタイプの液晶素子に限定されるものではないが、第3及び第4の基板42、44上の第3及び第4の配向膜52,54の配向(ラビング)方向を直交させたTN方式、上下基板のラビング方向を平行にしたホモジニアス方式などを挙げることができる。これらの液晶素子の内、特にTN型液晶素子が適している。 【0031】 後に説明するように、第2の液晶表示部4は、第3の偏光板46の透過軸の方向に応じて、表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に中間調表示状態に対応する電圧を印加した際に視野制限モードに設定されるノーマリーホワイトのタイプと、第3及び第4電極48,50間に飽和電圧以上の電圧を印加した際に広視野モードに設定されるノーマリーブラックのタイプがある。 【0032】 ノーマリーホワイトのタイプでは、第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されない場合には、第1の液晶表示部2からの光線を制限せずに透過してそのまま通過させて広い視野で第1の液晶表示部2に表示された画像を外部から観察することができる。また、ノーマリーホワイトのタイプでは、制御信号に応じて表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されると、第2の液晶表示部4の第2の液晶56の配向特性が変化されて光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出される。従って、第1の液晶表示部2に表示された画像を観察することができる領域が制限される。 【0033】 ノーマリーブラックのタイプでは、第3及び第4電極48,50間に中間調に対応する電圧が印加された場合には、第2の液晶表示部4の第2の液晶56の配向特性に従って、光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2から光線が射出される。従って、第1の液晶表示部2に表示された画像を観察することができる領域が制限される。また、ノーマリーブラックのタイプでは、制御信号に応じて表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に飽和電圧以上の電圧が印加されると、第2の液晶表示部4の第2の液晶56の配向特性が変化されて第1の液晶表示部2からの光線を制限せずに透過してそのまま通過させて広い視野で第1の液晶表示部2に表示された画像を外部から観察することができる。 【0034】 尚、上述したように、ノーマリーホワイト及びノーマリーブラックは、通常状態において光線を制限せず及び通常状態において光線を制限するとの意味で用い、白或いは黒の意味を持たないことに注意されたい。 ・・・略・・・ 【0043】 図1に示された液晶表示装置の光学的配置及びその変形例をより詳細に種々の実施例を参照して説明する。尚、以下の実施例において、第2の液晶表示部4,第3の液晶表示部9に電圧を印加する場合、全て中間調表示に対応する電圧を印加するものである。このことは、特定の電圧値が示されている場合においても、また、特定の電圧値が示されていない場合においても同様にある。 【0044】 (実施例1) 図2は、図1に示された液晶表示装置において、ノーマリーホワイトのタイプに係る光学系の光学的配置を示す模式図である。図2に示すように、第1の液晶表示部2としての表示素子には、互いに対向された第1及び第2の偏光板10,12、同様に偏光板10,12間で対向されている第1及び第2の配向膜16,20及び配向膜16,20間に設けられた液晶からなる液晶層等の光学部品が配置されている。この第1の液晶表示部2は、通常の液晶素子であり、TN液晶、STN液晶、IPS液晶、MVA液晶等の中から選択することができ、また、それらの液晶素子に視角補償素子等をつけた液晶素子であっても良い。 【0045】 この第1の液晶表示部2に接してITO電極が形成されているガラス基板42上にラビング処理を施した第3の配向膜52としてポリイミド膜が形成され、基板44上に第3の配向膜52に対向して第4の配向膜54として同様にポリイミド膜が形成されている。配向膜52,54間には、液晶層の厚みを5μmとするようにTN型液晶用液晶材料(例えば、メルク(株)社製ZLI4792)が充填され、シール剤58によりその周囲が封止されて第1の液晶表示部3上に第2の液晶表示部4として液晶素子が作り付けられている。第2の液晶表示部4の外表面には、偏光板46が設置されている。 【0046】 図2において、第1、第2及び第3の偏光板10、12、46に示される矢印P1,P2,P3は、この偏光板10、12、46を透過することができる偏光光線の透過軸を示し、第1、第2、第3及び第4の配向膜16,20,52,54に示される矢印R1,R2,R3,R4は、夫々ラビング処理の方向を示している。実線で示される矢印R1,R3は、基板6,42の上面側の配向膜16,52がラビング処理されていることを示し、破線で示される矢印R2,R4は、基板8,44の下面側の配向膜20,54がラビング処理されていることを示している。 【0047】 図2に示される表示装置においては、第1の液晶表示部2においては、偏光板10の透過軸P1に対してこれに近接する配向膜16のラビング方向R1が平行に設定され、偏光板12の透過軸P2に対してこれに近接する配向膜20のラビング方向R2が平行に設定されている。 【0048】 これに対して第2の液晶表示部4においては、偏光板12の透過軸P2に対してこれに近接する配向膜52のラビング方向R3が略直交するように設定され、偏光板46の透過軸P3に対してこれに近接する配向膜54のラビング方向R4が略直交するように設定されている。即ち、第2の液晶表示部4においては、配向膜52、54のラビング方向R3、R4が夫々近接する偏光板12,46の透過軸P2,P3に対して略垂直に定められているoモード(o-mode)が採用され、この第2の液晶表示部4が視野制限モードでアクティブとされると、視野角がコントロールされる。」 (当合議体注:【0025】の「第1の液晶24」は、「第1の液晶層24」の誤記であり、【0026】の「第1の液晶部2」、【0044】の「第1の液晶表示素子2」及び【0045】の「第1の液晶素子」は、「第1の液晶表示部2」の誤記であり、【0029】及び【0030】の「第2の液晶部4」及び「液晶部4」は、「第2の液晶表示部4」の誤記であり、【0031】の「第2の偏光板46」は、「第3の偏光板46」の誤記であり、【0043】の「あmた」は、「また」の誤記であることは、明らかであるので、誤記を正して摘記した。 また、【0032】及び【0033】の「第1の液晶表示部2の液晶56」は、「第1の液晶部表示部2の第1の液晶層24」又は「第2の液晶表示部4の第2の液晶56」のいずれかの誤記であることは明らかであるところ、第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されると配向特性が変化するのは第2の液晶表示部4の第2の液晶56であることからみて、後者の誤記であることが明らかであるから、誤記を正して摘記した。) 「【0063】 (実施例2) 図4には、対角8インチの第1の液晶表示部2の上に第2の液晶表示部4を設置した第2の実施例に係る表示装置の光学系が概略的に示されている。 【0064】 図4に示される表示装置については、図2に示される表示装置と同一箇所或いは同一部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。図4に示される表示装置においては、第2の液晶表示部4において、配向膜54のラビング処理方向R4が図2に示される配向膜54のラビング処理方向R4とは反対方向に向けられている。」 (当合議体注:【0063】の「第1の液晶表示素子2」及び「第2の液晶素子4」は、それぞれ「第1の液晶表示部2」及び「第2の液晶表示部4」の誤記であり、【0064】の「第2の表示部4」は、「第2の液晶表示部4」の誤記であることは、明らかであるので、誤記を正して摘記した。) 「【0082】 (実施例4) 図9は、第4の実施例に係る液晶表示装置を示している。図9に示される表示装置においては、図4に示される対角8インチの第2の液晶表示部4上に第2の液晶表示部4と略同様の構造を有する第3の液晶表示部9が配置固定されている。第1及び第2の液晶表示部2,4については、図4に示される構造と略同一であるので、図4に示される部品或いは箇所に関しては同一符号を付してその説明を省略する。 【0083】 尚、図9において、第4の偏光板96に示される矢印P4は、この偏光板96を透過することができる偏光光線の透過軸を示し、第5及び第6の配向膜92,94に示される矢印R5,R6は、夫々ラビング処理の方向を示している 第3の液晶表示部9は、第2の液晶表示部4と同様に第1の液晶表示部2で表示される画像の視認範囲を制限する視野制限モード及び第1の液晶表示部2で表示される画像を装置で定まる広い視野角に亘って表示する広視野モードに切り替えられる構造を備えている。即ち、第3の液晶表示部9は、第2の液晶表示部4の第3の偏光板46上に透明な第5の基板(図示せず)が設けられ、この第5の基板に対向して同様に透明な第6の基板(図示せず)が配置されている。この第6の基板の外面には、同様に第4の偏光板96が形成されている。 【0084】 互いに対向する第5及び第6の基板の内面上には、夫々透明な第5及び第6電極(図示せず)が形成され、この第5及び第6の電極上には、第5及び第6の配向膜92,94が形成されている。第5及び第6の基板によって規定される第5及び第6の配向膜92,94間の間隙には、第3の液晶(図示せず)が充填され、第5及び第6の基板の周囲には、第5及び第6の基板を支持するシール部(図示せず)が設けられ、互いに対向する第5及び第6の基板及びシール部によって第3の液晶56は、第3の液晶表示部9内にシールされている。 【0085】 第3の液晶表示部9においては、第5の配向膜92は、第3の偏光板46の透過軸P3に直交する方向R5に沿ってラビング処理され、このラビング方向R5に直交する方向R6に沿って第6の配向膜94は、ラビング処理されている。また、第4の偏光板96の透過軸P4は、第6の配向膜94のラビング方向R6に対して直交するように設定されている。 【0086】 図9に示される液晶表示装置がカーナビゲーションシステムとして使用される場合について説明する。 【0087】 図9に示される液晶表示装置においては、車両の非走行時等に助手席及び運転席双方から表示装置を見る場合には、第2及び第3の液晶表示部4、9には、電圧が印加されない。一方、車両の走行時には、表示装置を助手席からのみ見え、運転席からは見えないようにする場合には、第2及び第3の液晶表示部4、9には、夫々2.6V乃至2.8Vの電圧が印加される。 【0088】 このような液晶表示装置では、第2及び第3の液晶表示部4,9を電圧無印加にしておくと、第1の液晶表示部2の特性は特に変化することはない。但し、装置全体の透過率は、70%程度となる。しかし、2つの第2及び第3の液晶表示部4,9に同時に電圧を印加すると図中右方向から見た場合の透過率が第1の液晶表示部2の輝度を100とした時、正面からの傾き角30°~60°の範囲で0.1以下とすることができる。 【0089】 後に説明するように、第2の液晶表示部4或いは第3の液晶表示部9のみでは、30°で1%程度まで減少しても50-60°では4%程度まで上昇し下の第1の液晶表示部2の表示が透けて見える可能性もある。 【0090】 また、図9に示される表示装置において、第2及び第3の液晶表示部4,9に印加する印加電圧を等しくすることも可能であり、また、異なる電圧を印加することも可能である。液晶素子は、印加電圧により最も輝度が低下する角度が異なる。そのため、例えば、正面に対して20°から40°傾いた角度からの覗き込みを防止したい場合、液晶表示部4,9の内の一方の最も暗くなる角度を20°に設定し、他方の液晶素子の最も暗くなる角度を40°に設定して目的の条件が得られるようになる。また、構成に関しても第2及び第3の液晶表示部4,9の構成を異なる構成とすることも可能である。また、2つの液晶素子のΔndを異なる値を与えるようにして、より多様な要求に答えられるようにすることも可能である。 【0091】 図10は、第2及び第3の液晶表示部4、9の夫々における透過率の視野角依存性を示している。図10において、縦軸は、透過率(相対値%)を表し、横軸は、視野角を表している。液晶に電圧Vが印加されない状態は、ノーマリーホワイトに相当し、透過率分布T0で示されるように、視野角0°で透過率最大で、視野角±70°まで緩やかに透過率が減衰される。液晶に電圧2.6Vが印加される場合には、透過率分布T1で示されるように、視野角-30°で透過率最大で、視野角+30°及び視野角-70°まで緩やかに4%程度まで透過率が減衰される。また、液晶に電圧2.8Vが印加される場合には、透過率分布T2に示されるように、視野角-30°で透過率最大(電圧2.6Vの透過率分布T1に比べて最大透過率が低下されている。)で、同様に視野角+30°及び視野角-70°まで緩やかに4%程度まで透過率が減衰される。 【0092】 このように、第2の液晶表示部4のみが単体で表示装置に設けられる場合には、視野角60°付近で4%程度までにしか透過率が減少されない。この4%程度の透過率は、通常の使用条件では問題は生じないが、夜間での使用など周囲の輝度が低い環境下では下の第1の液晶表示部2に表示される画像が透けて見える虞がある。例えば、カーナビゲーション用途で夜間室内灯なしで走行する場合など、上記の構成では、第1の液晶表示部2の表示が透けて見える場合がある。 ・・・略・・・ 【0096】 図9に示される表示構造では、第2及び第3の液晶表示部4,9に与えられる電圧は、等しくても良く、或いは、異なっていても良いことは明らかであり、夜間の使用においては、第2及び第3の液晶表示部4,9の両方に電圧が与えられてアクティブとされて視野角が制限され、昼間の使用においては、第2及び第3の液晶表示部4,9の一方に電圧が与えられてその一方のみがアクティブとされて視野角が制限されても良い。第2及び第3の液晶表示部4,9の一方のみがアクティブとされて視野角が制限される場合には、図11及び図12から明らかなように透過率を大きく設定することができ、外光に対しても十分な輝度で表示装置が画像等の情報を表示することができる。 【0097】 また、例えば、液晶表示部4,9の一方を視野角30°の所に極小点を持つように設定し、液晶表示部4,9の他方を視野角50°の所に極小点を有するように組み合わせることにより視野角を狭くし、表示情報を保護する範囲を広くすることができる表示装置を実現することができる。また、液晶表示部4,9において、液晶セルの厚み或いは液晶材料などの構成を変えても同様の効果を期待することができる。」 (当合議体注:【0088】及び【0090】の「第2及び第3の表示部4,9」は、「第2及び第3の液晶表示部4,9」の誤記であり、【0088】の「第1の表示部2」は、「第1の液晶表示部2」の誤記であり、【0089】の「第2の表示部4或いは第3の表示部9」は、「第2の液晶表示部4或いは第3の液晶表示部9」の誤記であり、【0092】の「第1の液晶表示素子2」は「第1の液晶表示部2」の誤記であることは、明らかであるので、誤記を正して摘記した。) 「【0114】 (実施例9) 図17(a)に示される1つの第2の液晶表示部4及び図17(b)に示される1つの第3の液晶表示部9を用い、図9に示される構造を有する表示装置(試作装置(A)とする。)を作成した。図17(a)に示される第2の液晶表示部4には、液晶材料としてはZLI-4792(UR009)を用い、図19(b)に示される第3の液晶表示部9には、液晶材料としてはZLI-4792(US009)を用いている。2つの材料は、添加している光学活性物質の旋光性の向きのみが異なっている。 【0115】 また、比較のために、図17(a)に示される2つの第2の液晶表示部4により図18に示す構造の表示装置(試作装置(B)とする。)を作成した。図9に示される表示装置(試作装置(A))では、ラビング方向R5がラビング方向R3とは異なり、また、ラビング方向R6がラビング方向R4とは異なるに対して図18に示される表示装置(試作装置(B))では、ラビング方向R5,R6が夫々ラビング方向R3、R4に略同一である点が異なっている。 【0116】 第1の液晶表示素子部2としては市販のカーナビゲーション用8インチワイドの液晶モニター(表面輝度 400cd/m2)を使用した。液晶表示部4、9の大きさは、表示領域が第1の表示装置2としての液晶モニターの表示領域と等しくなるように選択した。 【0117】 水平に設置した試作装置(A)及び(B)の第1の液晶表示部2に通常の画像(自然画)を表示させ、観察者は、パネル正面から左右30°傾いた位置からパネルに表示されている画像を観察した。電圧を印加しない場合、試作装置(A)及び(B)ともに画面の画像は、良好に観察することができた。次に、液晶表示部4は、右側30°から見た場合8インチパネルの左端に最暗部がくるように信号電圧を印加し、液晶表示部9は、右側30°から見た場合に右端に最暗部がくるように信号電圧を印加した。このような条件でパネル中央部の画像を観察した。 【0118】 試作装置(B)は、蛍光灯下或いは昼中窓際においては、左30°からは良好に画像が観察されたが、右30°からは全く画像が観察されなかった。一方部屋を暗室にした場合(夜の走行中に相当)画像によっては(明るい画像の場合は)内容を見分けることができた。試作装置(A)の場合は、部屋を暗室にした場合でも、いかなる画像も内容を見分けることはできなかった。(1分以上見つめた場合を除く) このように、第2、第3の表示部4,9に用いられている光学活性物質及びラビングの方向を変えて2つの液晶素子のねじれ角の方向を異なるようにすることで覗き見防止の性能を大きく向上させることができる。即ち、第2、第3の表示部4,9に用いられている液晶材料が適切に選定されることによって互いに反対方向の捩れ構造を第2、第3の表示部4,9に与えることができる。また、第2、第3の表示部4,9の液晶材料に添加する光学活性物質によって互いに反対方向の捩れ方向を誘起する異なる旋光性を有する光学活性物質とすることができる。」 (当合議体注:【0114】の「1つの液晶表示部9」は、「1つの第3の液晶表示部9」の誤記であることは、明らかであるので、誤記を正して摘記した。) 図1、図2、図4、図9、図10及び図17は、以下のとおりである。 「【図1】 [図:0001423031000001.jpg] 【図2】 [図:0001423031000002.jpg] 【図4】 [図:0001423031000003.jpg] 【図9】 [図:0001423031000004.jpg] 【図10】 [図:0001423031000005.jpg] 【図17】 [図:0001423031000006.jpg] 」 (イ) 実施例9に係る試作装置(A)の表示装置の構成に関して当業者が把握できる事項 【0043】には、「図1に示された液晶表示装置の光学的配置及びその変形例をより詳細に種々の実施例を参照して説明する。」と記載されていることから、種々の実施例の1つである実施例9に係る試作装置(A)の表示装置は、図1に示された液晶表示装置の構成を援用できるといえる。したがって、図1に示された液晶表示装置についての【0022】~【0025】、【0027】~【0028】の記載から、当業者は、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置について、次の事項を把握することができる。 ・通常の画像を表示可能な第1の液晶表示部2及びこの表示装置の表示を切り替て表示をコントロールする第2の液晶表示部4を含んで構成されること(【0022】) ・第1の液晶表示部2には、第1及び第2の透明な基板6,8が互いに対向して配置され、その外面側には、第1及び第2の透過軸を有する第1及び第2の偏光板10,12が形成され、第2基板8に対向する第1の基板6の内面には、TFT等のアクティブ素子が形成され、このアクティブ素子に電圧を印加する為の素子駆動用配線が形成され、アクティブ素子に接続された透明な画素電極14が第1電極として形成され、これらアクティブ素子、素子駆動用配線及び画素電極14上には、第1の配向膜16が形成され、第1の基板6外には、この第1の液晶表示部2の光源としてのバックライトが設けられ、このバックライトからのバックライト光線が第1の基板6から第2の基板8上に向けられること(【0023】) ・第1基板6に対向する第2の基板8の内面には、透明な共通電極18が第2電極として形成され、この共通電極18上には、第2の配向膜20が形成され、第1及び第2の配向膜16,20間には、第1の液晶層24が充填されること(【0024】) ・第1の液晶層24内の各画素電極14によって規定される各液晶セルの配向特性が変化され、液晶セル毎にバックライト光線の透過が制御されて第2基板8を介して画像信号に対応した画像が観察されること(【0025】) ・第2の液晶表示部4は、第1の液晶表示部2で表示される画像の視認範囲を制限する視野制限モード及び第1の液晶表示部2で表示される画像を装置で定まる広い視野角に亘って表示する広視野モードに切り替えられる構造を備え、第2の液晶表示部4は、第1の液晶表示部2の第2の偏光板12上に透明な第3の基板42が設けられ、この第3の基板42に対向して透明な第4の基板44が配置され、この第4の基板44の外面には、第3の偏光板46が形成されること(【0027】) ・互いに対向する第3及び第4の基板42、44の内面上には、夫々透明な第3及び第4の電極48,50が形成され、この第3及び第4の電極48,50上には、第3及び第4の配向膜52,54が形成され、第3及び第4の配向膜52,54間の間隙には、第2の液晶56が充填されること(【0028】) (ウ) 実施例9に係る試作装置(A)の表示装置のラビング方向に関して当業者が把握できる事項 a 実施例9について説明する【0114】には、「図17(a)に示される1つの第2の液晶表示部4及び図17(b)に示される1つの第3の液晶表示部9を用い、図9に示される構造を有する表示装置(試作装置(A)とする。)を作成した。」と記載されており、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置は、図9に示される構造を有する表示装置であることが分かる。そこで、以下ではこれを前提として、図9に示される構造を有する表示装置に係る第4の実施例についての記載は、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置についての記載でもあるものとして検討する。 図9に示される構造を有する表示装置に係る第4の実施例について記載する【0082】には、「図9は、第4の実施例に係る液晶表示装置を示している。図9に示される表示装置においては、図4に示される対角8インチの第2の液晶表示部4上に第2の液晶表示部4と略同様の構造を有する第3の液晶表示部9が配置固定されている。第1及び第2の液晶表示部2,4については、図4に示される構造と略同一であるので、図4に示される部品或いは箇所に関しては同一符号を付してその説明を省略する。」と記載されている。 そこで、図4に示される構造に係る第2の実施例についての記載をみると、【0064】には、「図4に示される表示装置については、図2に示される表示装置と同一箇所或いは同一部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。図4に示される表示装置においては、第2の液晶表示部4において、配向膜54のラビング処理方向R4が図2に示される配向膜54のラビング処理方向R4とは反対方向に向けられている。」と記載されている。 したがって、当業者は、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置の第1及び第2の液晶表示装置のラビング方向は、第2の液晶表示部4における配向膜54のラビング処理方向R4が図2に示される配向膜54のラビング処理方向R4とは反対方向に向けられており、それ以外は図2に示される表示装置と同様であることを把握できる。そうすると、前記【0064】及び図2に示される表示装置に係る実施例1についての【0047】~【0048】の記載から、当業者は、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置について、次の事項を把握することができる。 ・第1の液晶表示部2においては、偏光板10の透過軸P1に対してこれに近接する配向膜16のラビング方向R1が平行に設定され、偏光板12の透過軸P2に対してこれに近接する配向膜20のラビング方向R2が平行に設定されること(【0047】) ・第2の液晶表示部4においては、偏光板12の透過軸P2に対してこれに近接する配向膜52のラビング方向R3が略直交するように設定され、偏光板46の透過軸P3に対してこれに近接する配向膜54のラビング方向R4が略直交するように設定されること(【0048】、当合議体注:「図4に示される表示装置においては、第2の液晶表示部4において、配向膜54のラビング処理方向R4が図2に示される配向膜54のラビング処理方向R4とは反対方向に向けられている」が、図2、図4のいずれにおいても、偏光板46の透過軸P3に対してこれに近接する配向膜54のラビング方向R4が略直交するように設定されていることには変わりがないので、このように把握することができる。) b 前記(イ)で説示したとおり、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置は、図1に示された液晶表示装置の構成を援用できるところ、図1に示された液晶表示装置についての記載である【0030】には、「第2の液晶表示部4は、特に、特定のタイプの液晶素子に限定されるものではないが、第3及び第4の基板42、44上の第3及び第4の配向膜52,54の配向(ラビング)方向を直交させたTN方式、上下基板のラビング方向を平行にしたホモジニアス方式などを挙げることができる。」と記載されている。この記載と第4の実施例に係る液晶表示装置を示す図9を併せて見れば、当業者は、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置について、次の事項を把握することができる。 ・第2の液晶表示部4は、第3及び第4の基板42、44上の第3及び第4の配向膜52,54の配向(ラビング)方向を直交させたTN方式であること c 前記aで説示した事項を考慮すると、実施例1について説明する【0046】の「第1、第2及び第3の偏光板10、12、46に示される矢印P1,P2,P3は、この偏光板10、12、46を透過することができる偏光光線の透過軸を示し、第1、第2、第3及び第4の配向膜16,20,52,54に示される矢印R1,R2,R3,R4は、夫々ラビング処理の方向を示している。」との記載は、第4の実施例に係る液晶表示装置についても妥当することは明らかである。また、第4の実施例に係る液晶表示装置についての記載である【0083】には、「第4の偏光板96に示される矢印P4は、この偏光板96を透過することができる偏光光線の透過軸を示し、第5及び第6の配向膜92,94に示される矢印R5,R6は、夫々ラビング処理の方向を示している」と記載されている。そうすると、図9の矢印の方向から、当業者は、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置について、次の事項を把握することができる。 ・第3の配向膜52のラビング方向R3と第6の配向膜94のラビング方向R6は異なり、第4の配向膜54のラビング方向R4と第5の配向膜92のラビング方向R5は異なること d 実施例9に係る試作装置(A)の表示装置を示す図17(a)から、当業者は、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置について、次の事項を把握することができる。 ・第4の配向膜54のラビング方向R4は、第2の液晶表示部4の右方向に対して45度の方向であること (エ) 実施例9に係る試作装置(A)の表示装置のタイプに関して当業者が把握できる事項 前記(イ)で説示したとおり、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置は、図1に示された液晶表示装置の構成を援用できるところ、図1に示された液晶表示装置についての記載である【0031】には、「第2の液晶表示部4は、第3の偏光板46の透過軸の方向に応じて、表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に中間調表示状態に対応する電圧を印加した際に視野制限モードに設定されるノーマリーホワイトのタイプと、第3及び第4電極48,50間に飽和電圧以上の電圧を印加した際に広視野モードに設定されるノーマリーブラックのタイプがある。」と記載されている。この記載と、前記(ウ)a、bの事項を併せて考慮すると、第4の実施例に係る第2の液晶表示部4は、ノーマリーホワイトのタイプであることを当業者は把握できる。 したがって、前記【0031】の記載及びノーマリーホワイトのタイプについて説明する【0032】の記載から、当業者は、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置について、次の事項を把握することができる。 ・第2の液晶表示部4は、第3の偏光板46の透過軸の方向に応じて、表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に中間調表示状態に対応する電圧を印加した際に視野制限モードに設定されるノーマリーホワイトのタイプであること(【0031】) ・第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されない場合には、第1の液晶表示部2からの光線を制限せずに透過してそのまま通過させて広い視野で第1の液晶表示部2に表示された画像を外部から観察することができ、制御信号に応じて表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されると、第2の液晶表示部4の第2の液晶56の配向特性が変化されて光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出されること(【0032】) (オ) 実施例9に係る試作装置(A)の表示装置の視野角に関して当業者が把握できる事項 図9に示される構造を有する表示装置に係る第4の実施例について説明する【0091】には、「図10は、第2及び第3の液晶表示部4、9の夫々における透過率の視野角依存性を示している。図10において、縦軸は、透過率(相対値%)を表し、横軸は、視野角を表している。液晶に電圧Vが印加されない状態は、ノーマリーホワイトに相当し、透過率分布T0で示されるように、視野角0°で透過率最大で、視野角±70°まで緩やかに透過率が減衰される。液晶に電圧2.6Vが印加される場合には、透過率分布T1で示されるように、視野角-30°で透過率最大で、視野角+30°及び視野角-70°まで緩やかに4%程度まで透過率が減衰される。」と記載されているところ、ここでいう「視野角」の方向について検討する。 図9に示される構造を有する表示装置に係る第4の実施例について説明する【0087】の「図9に示される液晶表示装置においては、車両の非走行時等に助手席及び運転席双方から表示装置を見る場合には、第2及び第3の液晶表示部4、9には、電圧が印加されない。一方、車両の走行時には、表示装置を助手席からのみ見え、運転席からは見えないようにする場合には、第2及び第3の液晶表示部4、9には、夫々2.6V乃至2.8Vの電圧が印加される。」との記載から、前記【0091】の「視野角」の方向は、助手席と運転席の方向、すなわち、図9に示される構造を有する表示装置の左右方向であることが理解できる。このことは、図9に示される構造を有する試作装置(A)の表示装置について説明する【0117】の「水平に設置した試作装置(A)及び(B)の第1の液晶表示部2に通常の画像(自然画)を表示させ、観察者は、パネル正面から左右30°傾いた位置からパネルに表示されている画像を観察した。」という記載からも首肯できるし、同表示装置における図17(a)及び(b)で示されるラビング方向の変化と視野角の関係についての技術常識からも首肯できる。 したがって、【0087】、【0091】、【0117】等の記載から、当業者は、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置について、次の事項を把握することができる。 ・【0091】で説明される視野角の方向は、表示装置の左右方向であること (カ) 引用発明の認定 前記(ア)で摘記した引用文献3の記載事項及び前記(イ)~(オ)で認定した当業者が把握できる事項から、引用文献3には、実施例9に係る試作装置(A)の表示装置について、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(以下、引用発明の認定に用いた箇所の段落番号等を参考までに括弧内に付した。)。 <引用発明> 「表示装置であって、(【0114】) 表示装置は、通常の画像を表示可能な第1の液晶表示部2及びこの表示装置の表示を切り替て表示をコントロールする第2の液晶表示部4を含んで構成され、(前記(イ)) 第1の液晶表示部2には、第1及び第2の透明な基板6,8が互いに対向して配置され、その外面側には、第1及び第2の透過軸を有する第1及び第2の偏光板10,12が形成され、第2基板8に対向する第1の基板6の内面には、TFT等のアクティブ素子が形成され、このアクティブ素子に電圧を印加する為の素子駆動用配線が形成され、アクティブ素子に接続された透明な画素電極14が第1電極として形成され、これらアクティブ素子、素子駆動用配線及び画素電極14上には、第1の配向膜16が形成され、第1の基板6外には、この第1の液晶表示部2の光源としてのバックライトが設けられ、このバックライトからのバックライト光線が第1の基板6から第2の基板8上に向けられ、(前記(イ)) 第1基板6に対向する第2の基板8の内面には、透明な共通電極18が第2電極として形成され、この共通電極18上には、第2の配向膜20が形成され、第1及び第2の配向膜16,20間には、第1の液晶層24が充填され、(前記(イ)) 第1の液晶層24内の各画素電極14によって規定される各液晶セルの配向特性が変化され、液晶セル毎にバックライト光線の透過が制御されて第2基板8を介して画像信号に対応した画像が観察され、(前記(イ)) 第2の液晶表示部4は、第1の液晶表示部2で表示される画像の視認範囲を制限する視野制限モード及び第1の液晶表示部2で表示される画像を装置で定まる広い視野角に亘って表示する広視野モードに切り替えられる構造を備え、第2の液晶表示部4は、第1の液晶表示部2の第2の偏光板12上に透明な第3の基板42が設けられ、この第3の基板42に対向して透明な第4の基板44が配置され、この第4の基板44の外面には、第3の偏光板46が形成され、(前記(イ)) 互いに対向する第3及び第4の基板42、44の内面上には、夫々透明な第3及び第4の電極48,50が形成され、この第3及び第4の電極48,50上には、第3及び第4の配向膜52,54が形成され、第3及び第4の配向膜52,54間の間隙には、第2の液晶56が充填され、(前記(イ)) 第2の液晶表示部4は、第3の偏光板46の透過軸の方向に応じて、表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に中間調表示状態に対応する電圧を印加した際に視野制限モードに設定されるノーマリーホワイトのタイプであり、(前記(エ)) 第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されない場合には、第1の液晶表示部2からの光線を制限せずに透過してそのまま通過させて広い視野で第1の液晶表示部2に表示された画像を外部から観察することができ、制御信号に応じて表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されると、第2の液晶表示部4の第2の液晶56の配向特性が変化されて光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出され、(前記(エ)) 第2の液晶表示部4上に第2の液晶表示部4と略同様の構造を有する第3の液晶表示部9が配置固定され、(【0082】) 第3の液晶表示部9は、第2の液晶表示部4と同様に第1の液晶表示部2で表示される画像の視認範囲を制限する視野制限モード及び第1の液晶表示部2で表示される画像を装置で定まる広い視野角に亘って表示する広視野モードに切り替えられる構造を備え、第3の液晶表示部9は、第2の液晶表示部4の第3の偏光板46上に透明な第5の基板が設けられ、この第5の基板に対向して同様に透明な第6の基板が配置され、この第6の基板の外面には、第4の偏光板96が形成され、(【0083】) 互いに対向する第5及び第6の基板の内面上には、夫々透明な第5及び第6電極が形成され、この第5及び第6の電極上には、第5及び第6の配向膜92,94が形成され、第5及び第6の基板によって規定される第5及び第6の配向膜92,94間の間隙には、第3の液晶が充填され、(【0084】) 第1の液晶表示部2においては、偏光板10の透過軸P1に対してこれに近接する配向膜16のラビング方向R1が平行に設定され、偏光板12の透過軸P2に対してこれに近接する配向膜20のラビング方向R2が平行に設定され、(前記(ウ)a) 第2の液晶表示部4においては、偏光板12の透過軸P2に対してこれに近接する配向膜52のラビング方向R3が略直交するように設定され、偏光板46の透過軸P3に対してこれに近接する配向膜54のラビング方向R4が略直交するように設定され、(前記(ウ)a) 第2の液晶表示部4は、第3及び第4の基板42、44上の第3及び第4の配向膜52,54の配向(ラビング)方向を直交させたTN方式であり、(前記(ウ)b) 第3の配向膜52のラビング方向R3と第6の配向膜94のラビング方向R6は異なり、第4の配向膜54のラビング方向R4と第5の配向膜92のラビング方向R5は異なり、(前記(ウ)c) 第4の配向膜54のラビング方向R4は、第2の液晶表示部4の右方向に対して45度の方向であり、(前記(ウ)d) 第3の液晶表示部9においては、第5の配向膜92は、第3の偏光板46の透過軸P3に直交する方向R5に沿ってラビング処理され、このラビング方向R5に直交する方向R6に沿って第6の配向膜94は、ラビング処理され、(【0085】) 第4の偏光板96の透過軸P4は、第6の配向膜94のラビング方向R6に対して直交するように設定され、(【0085】) 第2及び第3の液晶表示部4,9を電圧無印加にしておくと、第1の液晶表示部2の特性は特に変化することはなく、2つの第2及び第3の液晶表示部4,9に同時に電圧を印加すると透過率が第1の液晶表示部2の輝度を100とした時、正面からの傾き角30°~60°の範囲で0.1以下とすることができ、(【0088】) 第2の液晶表示部4或いは第3の液晶表示部9のみでは、30°で1%程度まで減少しても50-60°では4%程度まで上昇し下の第1の液晶表示部2の表示が透けて見え、(【0089】) 第2の液晶表示部4における透過率の視野角依存性は、液晶に電圧Vが印加されない状態は、視野角0°で透過率最大であり、液晶に電圧2.6Vが印加される場合には、視野角-30°で透過率最大であり、(【0091】) 当該視野角の方向は、表示装置の左右方向であり、(前記(オ)) 液晶表示部4,9において、液晶セルの厚み或いは液晶材料などの構成を変えても視野角を狭くし、表示情報を保護する範囲を広くする効果を期待することができる(【0097】) 表示装置。」 イ 引用文献2の記載事項及び引用文献2に記載された技術的事項の認定 (ア) 引用文献2の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に発行された特開2006-139160号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。 「【0176】 次に本発明の視野角制御素子の実施例について図面を参照しながら説明する。図25は本発明の視野角制御素子の一例を説明するため概略断面図である。 【0177】 視野角制御素子35は平坦かつ透明で光学的に等方なガラス、或いはプラスチックからなる第1の透明基板50及び第2の透明基板51と、液晶層150を備える偏光状態切り替え手段1200と、光学的に負の一軸異方性媒体からなる位相差板70と、第1の偏光板2000及び第2の偏光板2100とから構成される。 【0178】 第2の透明基板51には透明電極60、及びポリイミド系高分子からなる配向膜550が積層形成されており、第1の透明基板50には第2の透明基板51と、同じく透明電極61、及び配向膜551が積層形成されている。 【0179】 透明電極としてはインジウム・亜鉛・酸化物(IZOとも呼ぶ)、或いはインジウム・錫・酸化物(ITOとも呼ぶ)などの酸化インジウムを主原料とする透明導電材料を用いることができる。 【0180】 尚、2枚の透明基板50,51のそれぞれに形成された透明電極60,61は図示しない配線、及びスイッチング素子を介して電源に接続することで、透明電極60,61に少なくとも2つの所定の電圧を選択的に印加できるように構成する。 【0181】 つまり、透明電極60,61に所定の電位差を発生し、液晶層150に複数の所定の強度の電界を選択的に印加できるよう構成する。 【0182】 2枚の透明基板50,51はそれぞれ透明電極及び配向膜を形成した面を向いあわせるように配置し、さらに図示しないスペーサーを介すことで2枚の透明基板の間に一定の間隙を設け、この間隙の周囲をシール材55で枠状にシールすることで空間を形成する。液晶層150はこの空間に誘電異方性が正のネマチック液晶を封入することで構成する。 【0183】 第1の透明基板50に形成する配向膜551は液晶分子を基板面に対して垂直方向に配向させる垂直配向膜とし、第2の透明基板に形成する配向膜550はラビング処理等の配向処理により、液晶分子が基板面から2~4度とわずかに傾いた状態で配向する配向膜とする。このため、この視野角制御素子の液晶層150は液晶分子が第1の透明基板側では基板面に対し、垂直、もしくは垂直に近い角度で配向し、第2の透明基板側では基板面に対して平行、もしくはわずかに傾いた状態で配向することで配向角度が厚み方向で連続的に変化するハイブリッド配向とする。 【0184】 偏光状態切り替え部1200の第1の透明基板側には光学的に負の一軸異方性媒体からなる位相差板70を備える。位相差板70としては偏光板の保護フィルムに使用されるトリアセチルセルロースのフィルムを使用することができる。 【0185】 位相差板70の光学的性質は式(1)で定義される厚み方向の位相差値Rthで特徴付けられる。 【0186】 Rth=(nz-(nx+ny)/2)d …(1) ここで、nzは厚み方向の屈折率、nx及びnyは面内方向の主屈折率、dは厚みである。一般に偏光板の保護フィルムとして用いられるトリアセチルセルロースフィルムはRth=-40nm程度であるが、これの2~3倍、つまり、Rth=-80~-120nmといったトリアセチルセルロースフィルムもある。位相差板70に必要とされるRthの値は視野角制御素子に要求される特性により異なる。絶対値がより大きなRthを実現するにはトリアセチルセルロースフィルムの厚みを増大する、或いは複数のフィルムを積層する、或いは、トリアセチルセルロース以外でRthの絶対値が大きな高分子材料から成るフィルムを用いる、或いはコレステリック液晶層を用いる。 【0187】 コレステリック液晶層を用いる場合は、コレステリック液晶層により発現する選択反射の波長域が可視波長域に存在しないようにピッチを調整すると良い。尚、斜め方向から光が入射すると、選択反射の波長域は短波長側にシフトするため、選択反射の波長域が紫外域となるようにして、斜めから光が入射しても可視波長域の光が反射することがないようにすることが望ましい。 【0188】 位相差板70及び第2の透明基板51の外側にはそれぞれ第1の偏光板2000と第2の偏光板2100を備える。偏光板は上述の偏光板を用いることができる。 【0189】 尚、第1の透明基板50と位相差板70,位相差板70と第1の偏光板2000,第2の透明基板51と第2の偏光板2100はアクリル系などの透明な粘着剤を介して粘着するとよい。 【0190】 図26は本実施例の視野角制御素子に係る偏光板の吸収軸や、液晶層の配向軸などの光学軸の一例を示す図である。 【0191】 ここでは以下、図示の通り、第1の偏光板2000の吸収軸2000Aと、偏光状態切り替え手段1200の液晶層150の第2の透明基板51側における配向軸1200Aと、第2の偏光板2100の吸収軸2100Aがともに便宜上の上下方向と平行な方向とする。この場合、液晶層150に0~3V程度のいずれかの電圧を印加すると、液晶層150の配向軸1200Aと直交する方位およびその近傍の領域では斜め方向、つまり極角が大きな範囲では透過率が低下し、視野角が狭くなる。これに対し、液晶層に7V以上の電圧を印加すると、同方位での斜め方向、つまり極角が大きな範囲での透過率は高くなり、視野角が広くなる。 【0192】 この際、液晶層150の配向軸と平行な方向では液晶層150に印加する電圧の変化に関わらず、斜め方向においても透過率は変化しない。 【0193】 例えば、液晶層150を構成するネマチック液晶として屈折率異方性Δnが0.095 、誘電率異方性Δεが5.2 のものを用い、液晶層膜厚を8μm、位相差板70のRthを-500nmとすると、図27、及び図28に例示する視野角特性の視野角制御素子を実現できる。」 「【0303】 次に本発明の表示装置の他の実施例を図面を参照しながら説明する。図41は本発明の表示装置の一実施例の概略構成を示す一部断面図である。 【0304】 この表示装置は(実施例10)で説明した表示装置において、視野角制御素子36,37と液晶表示パネル10の位置関係を変更するものであり、上記実施例と同じ機能を果たす部材には同じ符号を付け、詳細な説明は省略する。 【0305】 この表示装置は照明装置20側から順に、視野角制御素子37と視野角制御素子36と液晶表示パネル10とを配置するものである。 【0306】 視野角制御素子37の裏面側には偏光板2400を配置し、視野角制御素子36を構成する第2の偏光板2100は視野角制御素子37の表面側の偏光板と兼用する。また、視野角制御素子36を構成する第1の偏光板2000は液晶表示パネル10の裏面側に配置する偏光板と兼用し、液晶表示パネル10の表面側には第3の偏光板2300を配置する。 【0307】 ここでは、第1の偏光板2000は液晶表示パネル10を構成する透明基板12に粘着剤により粘着し、第2の偏光板2100は視野角制御素子36を構成する透明基板51に粘着剤により粘着する。また、第3の偏光板2300は液晶表示パネル10を構成する透明基板11に粘着剤により粘着し、偏光板2400は視野角制御素子37を構成する透明基板53に粘着剤により粘着するが本発明は偏光板を粘着する透明基板を限定するものではない。 ・・・略・・・ 【0322】 また、本実施例の表示装置では視野角制御素子36と視野角制御素子37を液晶表示パネル10の裏面側に配置している。この場合、液晶表示パネル10として半透過反射型の表示パネルを適用する場合は、液晶表示パネルの表面側に光を損失する部材が存在しないため反射表示モードにおいてより明るい表示が得られるようになる。また、表示装置の最表面に液晶表示パネル10を配置することで映像が表示される位置の奥行きがより小さな表示装置が実現できる。」 図25及び図41は、以下のとおりである。 「【図25】 [図:0001423031000007.jpg] 【図41】 [図:0001423031000008.jpg] 」 (イ) 引用文献2に記載された技術的事項の認定 前記(ア)で摘記した引用文献2の記載事項から、引用文献2には、次の技術的事項(以下「引用文献2に記載された技術的事項1」及び「引用文献2に記載された技術的事項2」という。)が記載されていると認められる。 <引用文献2に記載された技術的事項1> 「表示装置は照明装置20側から順に、視野角制御素子37と視野角制御素子36と液晶表示パネル10とを配置する(【0305】)ことにより、表示装置の最表面に液晶表示パネル10を配置することで映像が表示される位置の奥行きがより小さな表示装置が実現できること。(【0322】)」 <引用文献2に記載された技術的事項2> 「視野角制御素子35は平坦かつ透明で光学的に等方なガラス、或いはプラスチックからなる第1の透明基板50及び第2の透明基板51と、液晶層150を備える偏光状態切り替え手段1200と、光学的に負の一軸異方性媒体からなる位相差板70と、第1の偏光板2000及び第2の偏光板2100とから構成され、(【0177】) 第1の透明基板50には透明電極61、及び配向膜551が積層形成され、(【0178】) 偏光状態切り替え部1200の第1の透明基板側には光学的に負の一軸異方性媒体からなる位相差板70を備え、(【0184】) 位相差板70の光学的性質は厚み方向の位相差値Rthで特徴付けられ、(【0185】) 位相差板70に必要とされるRthの値は視野角制御素子に要求される特性により異なり、(【0186】) 第1の透明基板50と位相差板70,位相差板70と第1の偏光板2000は透明な粘着剤を介して粘着すること。(【0189】)」 ウ 引用文献1の記載事項及び引用文献1に記載された技術的事項の認定 (ア) 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に発行された特開2006-330164号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある。 「【0026】 図1に示した電子機器は、電話機本体1と、基端を前記電話機本体1の先端に枢支され、図のように電話機本体1の外方に張出された開状態と前記電話機本体1の上に重ねられた閉状態とに開閉回動される蓋体2とからなり、電話機本体1の前面(蓋体2の重なり面)に、キーボード部3及びマイク部4が設けられ、前記蓋体2の前面(折りたたみ時に電話機本体1の前面に対向する面)に、表示部5及びスピーカ部6が設けられた折りたたみ型携帯電話機であり、前記蓋体2内に前記表示部5に対向させて液晶表示装置10が配置され、その後側に面光源(図示せず)が配置されている。 【0027】 前記液晶表示装置10は、図2に示したように、光の透過を制御する複数の画素をマトリックス状に配列した画面領域を有する広視野角の画像表示用液晶表示素子11と、前記画像表示用液晶表示素子11の一方の面に重ねて配置された第1の視野角制限素子12と、前記画像表示用液晶表示素子11と第1の視野角制限素子12との積層体の一方の面に重ねて配置された第2の視野角制限素子13とを備えている。 【0028】 この実施例の液晶表示装置10は、前記画像表示用液晶表示素子11の後側(観察側とは反対側)に前記第1の視野角制限素子12を配置し、この第1の視野角制限素子12の後側に第2の視野角制限素子13を配置したものであり、画像表示用液晶セル14と、前記画像表示用液晶セル14の後側に配置された第1の視野角制限用液晶セル21と、前記第1の視野角制限用液晶セル21の後側に配置された第2の視野角制限用液晶セル27と、前記画像表示用液晶セル14の前側(観察側)に配置された第1の偏光板33と、前記画像表示用液晶セル14と第1の視野角制限用液晶セル21との間に配置された第2の偏光板34と、前記第1の視野角制限用液晶セル21と第2の視野角制限用液晶セル27との間に配置された第3の偏光板35と、前記第2の視野角制限用液晶セル27の後側に配置された第4の偏光板36とからなっている。」 (イ) 引用文献1に記載された技術的事項の認定 前記(ア)で摘記した引用文献1の記載事項から、引用文献1には、次の技術的事項(以下「引用文献1に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 <引用文献1に記載された技術的事項> 「液晶表示装置10の後側に面光源が配置され、(【0026】) 前記液晶表示装置10は、光の透過を制御する複数の画素をマトリックス状に配列した画面領域を有する広視野角の画像表示用液晶表示素子11と、前記画像表示用液晶表示素子11の一方の面に重ねて配置された第1の視野角制限素子12と、前記画像表示用液晶表示素子11と第1の視野角制限素子12との積層体の一方の面に重ねて配置された第2の視野角制限素子13とを備え、(【0027】) 液晶表示装置10は、前記画像表示用液晶表示素子11の後側に前記第1の視野角制限素子12を配置し、この第1の視野角制限素子12の後側に第2の視野角制限素子13を配置したものであること。(【0028】)」 (3) 本件補正発明と引用発明との対比・判断 ア 対比分析 (ア) 基本的な事項について 引用発明の「第1の液晶表示部2」は、本件補正発明の「表示モジュール」に、 引用発明の「液晶表示装置」は、本件補正発明の「表示装置」に、 引用発明の「バックライト」は、本件補正発明の「バックライトモジュール」に、 引用発明の「第2の液晶表示部4」及び「第3の液晶表示部9」は、本件補正発明の「出光視角制御装置」に、 引用発明の「第3の配向膜52」は、本件補正発明の「第一配向層」に、 引用発明の「第4の配向膜54」は、本件補正発明の「第二配向層」に、 引用発明の「第3の偏光板46」は、本件補正発明の「第二偏光板」に、 引用発明の「第5の配向膜92」は、本件補正発明の「第三配向層」に、 引用発明の「第6の配向膜94」は、本件補正発明の「第四配向層」に、 引用発明の「第1の偏光板10」は、本件補正発明の「第四偏光板」に、 引用発明の「第2の偏光板12」は、本件補正発明の「第五偏光板」に、 それぞれ相当する。 (イ) 本件補正発明の「光源モジュール及び表示モジュールを含む表示装置であって、前記光源モジュールは、バックライトモジュール及び出光視角制御装置を含み、」の発明特定事項について 前記(ア)で説示したとおり、引用発明の「バックライト」、「第2の液晶表示部4」及び「第3の液晶表示部9」はそれぞれ、本件補正発明の「バックライトモジュール」、「出光視角制御装置」に相当するところ、引用発明の「バックライト」、「第2の液晶表示部4」及び「第3の液晶表示部9」からなる構成は、本件補正発明の「バックライトモジュール及び出光視角制御装置を含[む]」「光源モジュール」に、相当する。 そして、引用発明の「液晶表示装置」は、「第2の液晶表示部4」、「第3の液晶表示部9」及び「第1の液晶表示部2」から構成され、「バックライト」が設けられていることから、本件補正発明の「光源モジュール及び表示モジュールを含む表示装置」に相当する。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を備えている。 (ウ) 本件補正発明の「前記バックライトモジュールは、照明光束を発し、」の発明特定事項について 引用発明の「バックライト光線」は、本件補正発明の「照明光束」に相当する。そして、引用発明の「バックライト」は、「バックライトからのバックライト光線が第1の基板6から第2の基板8上に向けられ[る]」ものであるから、本件補正発明でいう、「照明光束を発」するものといえる。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を備えている。 (エ) 本件補正発明の「前記出光視角制御装置は、前記照明光束の伝播方向に沿って前記バックライトモジュールの上に配置され、且つ第一偏光板、第二偏光板、第一液晶層、第一配向層及び第二配向層を含み、」の発明特定事項について 引用発明の「第2の液晶表示部4」は、「第3の偏光板46」、「第3及び第4の配向膜52,54」及び「第2の液晶56」を含んでいる。 そして、引用発明の「第2の液晶56」が層状であることは明らかであるから、引用発明の「第2の液晶56」は、本件補正発明の「第一液晶層」に相当する。 また、本願の明細書の【0011】の「なお、以下の実施例に言及されている方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前、後などは、添付した図面の方向に過ぎない。」との記載からみて、前記発明特定事項における「上」は方向にすぎない、すなわち、「出光視角制御装置は、前記照明光束の伝播方向に沿って前記バックライトモジュールの上に配置され」との発明特定事項は、出光視角制御装置が、前記照明光束の伝播方向に沿ってバックライトモジュールの上の方向に配置されていれば足り、バックライトモジュールと出光視角制御装置の間に別の部材を含んでもよいと解するのが相当である。そして、引用発明は、「第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されない場合には、第1の液晶表示部2からの光線を制限せずに透過してそのまま通過させて広い視野で第1の液晶表示部2に表示された画像を外部から観察することができ、制御信号に応じて表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されると、第2の液晶表示部4の第2の液晶56の配向特性が変化されて光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出され」ること及び「第3の液晶表示部9は、第2の液晶表示部4と同様に第1の液晶表示部2で表示される画像の視認範囲を制限する視野制限モード及び第1の液晶表示部2で表示される画像を装置で定まる広い視野角に亘って表示する広視野モードに切り替えられる構造を備え」ることから、引用発明の「第2の液晶表示部4」及び「第3の液晶表示部9」は、バックライト光線の伝播経路に沿ってバックライト上に配置されていることは明らかである。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記出光視角制御装置は、前記照明光束の伝播方向に沿って前記バックライトモジュールの上に配置され、且つ」「第二偏光板、第一液晶層、第一配向層及び第二配向層を含」む点で共通する。 (オ) 本件補正発明の「前記第一偏光板及び前記第二偏光板は、前記照明光束の伝播路径に順次配置され、」の発明特定事項について 前記(エ)で説示したとおり、引用発明の「第2の液晶表示部4」は、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかであるところ、「第2の液晶表示部4」の「第3の偏光板46」もまた、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかである。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記第二偏光板は、前記照明光束の伝播路径に」「配置され」る点で共通する。 (カ) 本件補正発明の「前記第一液晶層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第一偏光板と前記第二偏光板との間に位置し、前記第一液晶層における複数の液晶分子は、第一印加電圧に基づいて配列方向が変わり、」の発明特定事項について a 前記(エ)で説示したとおり、引用発明の「第2の液晶表示部4」は、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかであるところ、「第2の液晶表示部4」の「第2の液晶56」もまた、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかである。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記第一液晶層は、前記照明光束の伝播路径に配置され」る点で一致する。 b 引用発明の「第3及び第4電極48,50間に」「印加される」「電圧」は、本件補正発明の「第一印加電圧」に相当する。そして、引用発明は、「制御信号に応じて表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されると、第2の液晶表示部4の第2の液晶56の配向特性が変化されて光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出され」るから、引用発明は、「第2の液晶表示部4」の「第3及び第4電極48,50間に電圧が印加される」と、「第2の液晶56の配向特性が変化」するもの、すなわち、複数の液晶分子の配列方向が変わるものといえる。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記第一液晶層における複数の液晶分子は、第一印加電圧に基づいて配列方向が変わ」る点で一致する。 c 前記a及びbから、本件補正発明と引用発明は、「前記第一液晶層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、」「前記第一液晶層における複数の液晶分子は、第一印加電圧に基づいて配列方向が変わ」る点で共通する。 (キ) 本件補正発明の「前記第一配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第一偏光板と前記第一液晶層との間に位置し、前記第二配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第一液晶層との間に位置し、前記第一配向層と前記第二配向層との配向方向が互いに垂直であり、」の発明特定事項について a 前記(エ)で説示したとおり、引用発明の「第2の液晶表示部4」は、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかであるところ、「第2の液晶表示部4」の「第3の配向膜52」及び「第4の配向膜54」もまた、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかである。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記第一配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、」「前記第二配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され」る点で一致する。 b 引用発明は、「第3及び第4の配向膜52,54間の間隙には、第2の液晶56が充填され」、「第4の配向膜」は、「第4の基板」の「内面上」に形成された「第4の電極」上に形成され、「第3の偏光板46」は、「第4の基板44の外面」に形成されていることから、「第4の配向膜」は、「第2の液晶56」と「第3の偏光板46」との間に形成されている。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記第二配向層は、」「前記第二偏光板と前記第一液晶層との間に位置」する点で一致する。 c 引用発明は、「第2の液晶表示部4は、」「第3及び第4の配向膜52,54の配向(ラビング)方向を直交させたTN方式」である。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記第一配向層と前記第二配向層との配向方向が互いに垂直であ」る点で一致する。 d 前記a~cから、本件補正発明と引用発明は、「前記第一配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、」「前記第二配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第一液晶層との間に位置し、前記第一配向層と前記第二配向層との配向方向が互いに垂直であ」る点で共通する。 (ク) 本件補正発明の「前記第一印加電圧が0Vに等しいときに、前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角範囲が、第一視角であり、前記第一印加電圧が0Vよりも大きいときに、前記出光視角範囲は、第二視角であり、前記第二視角は、前記第一視角とは異なり、」の発明特定事項について 引用発明の「第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されない場合には、第1の液晶表示部2からの光線を制限せずに透過してそのまま通過させて広い視野で第1の液晶表示部2に表示された画像を外部から観察することができ」る範囲は、「第2の液晶表示部4」の「第1の液晶表示部2で表示される画像を装置で定まる広い視野角に亘って表示する広視野モード」に対応することからみて、第2の液晶表示部4を透過した後の出光視角範囲を意味するから、本件補正発明の「前記第一印加電圧が0Vに等しいとき」の「前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角範囲」である「第一視角」に相当する。 また、引用発明の「制御信号に応じて表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されると、第2の液晶表示部4の第2の液晶56の配向特性が変化されて光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出され」る範囲は、「第2の液晶表示部4」の「第1の液晶表示部2で表示される画像の視認範囲を制限する視野制限モード」に対応することからみて、同様に第2の液晶表示部4を透過した後の出光視角範囲を意味するから、本件補正発明の「前記第一印加電圧が0Vよりも大きいとき」の「前記出光視角範囲」である「第二視角」に相当する。 そして、引用発明の前記「広い視野で第1の液晶表示部2に表示された画像を外部から観察することができ」る範囲と、前記「光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出され」る範囲は、異なっているから、引用発明は、本件補正発明でいう「前記第二視角は、前記第一視角とは異な[る]」ものであるといえる。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を備えている。 (ケ) 本件補正発明の「前記表示モジュールは、前記照明光束の伝播方向に沿って前記光源モジュールの上に配置され、前記照明光束を表示光束に変換するために用いられ、」の発明特定事項について 引用発明の「第1の液晶表示部2」は、「第1の液晶層24内の各画素電極14によって規定される各液晶セルの配向特性が変化され、液晶セル毎にバックライト光線の透過が制御されて第2基板8を介して画像信号に対応した画像が観察され」るものであるから、バックライト光線の伝播経路に配置され、バックライト光線を画像信号に対応した画像が観察されるように変換しているといえる。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記表示モジュールは、前記照明光束の伝播方向に沿って」「配置され、前記照明光束を表示光束に変換するために用いられ」る点で共通する。 (コ) 本件補正発明の「前記表示モジュールは、前記照明光束の伝播路径に順次配置される第四偏光板及び第五偏光板;及び前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第五偏光板との間に位置する表示層を含み、」の発明特定事項について 前記(ア)で説示したとおり、引用発明の「第1の偏光板10」、「第2の偏光板12」はそれぞれ、本件補正発明の「第四偏光板」、「第五偏光板」に相当するところ、引用発明は、「第1及び第2の透明な基板6,8が互いに対向して配置され、その外面側には、第1及び第2の透過軸を有する第1及び第2の偏光板10,12が形成され」、「バックライトからのバックライト光線が第1の基板6から第2の基板8上に向けられ」ていることから、「第1の偏光板10」、「第2の偏光板12」は、バックライト光線の伝播経路に沿って、順次配置されるものといえる。また、引用発明は、「第1の液晶表示部2には、第1及び第2の透明な基板6,8が互いに対向して配置され、その外面側には、第1及び第2の透過軸を有する第1及び第2の偏光板10,12が形成さ」れているものであることから、引用発明の「第1の液晶表示部2」は、「第1及び第2の偏光板10,12」を含むものといえる。そうすると、本件補正発明と引用発明は、「前記表示モジュールは、前記照明光束の伝播路径に順次配置される第四偏光板及び第五偏光板」を含む点で一致する。 また、引用発明は、「第1の液晶層24内の各画素電極14によって規定される各液晶セルの配向特性が変化され、液晶セル毎にバックライト光線の透過が制御されて第2基板8を介して画像信号に対応した画像が観察され」るものであり、「第1の液晶層24」により「画像信号に対応した画像」が表示されているといえるから、引用発明の「第1の液晶層24」は、本件補正発明の「表示層」に相当する。そして、引用発明では、「第1及び第2の透明な基板6,8が互いに対向して配置され、その外面側には、第1及び第2の透過軸を有する第1及び第2の偏光板10,12が形成され」、「第1の基板6の内面には」「画素電極14が」「形成され」、「画素電極14上には、第1の配向膜16が形成され」、「第2の基板8の内面には」「共通電極18が」「形成され」、「共通電極18上には、第2の配向膜20が形成され」、「第1及び第2の配向膜16,20間には、第1の液晶層24が充填され」ることから、引用発明では、「第1の液晶層24」が「第1及び第2の偏光板10,12」の間に位置しているといえる。更に、引用発明では、「第1の液晶層24内の各画素電極14によって規定される各液晶セルの配向特性が変化され、液晶セル毎にバックライト光線の透過が制御されて第2基板8を介して画像信号に対応した画像が観察され」ることから、引用発明の「第1の液晶層24」が、バックライト光線の伝播経路に沿って配置されていることは明らかである。そうすると、本件補正発明と引用発明は、「前記表示モジュールは、」「前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第五偏光板との間に位置する表示層」を含む点で一致する。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を備えている。 (サ) 本件補正発明の「前記出光視角制御装置は、さらに、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第二偏光板との間に位置する第二液晶層であって、前記第二液晶層における複数の液晶分子は、第二印加電圧に基づいて配列方向が変わる、第二液晶層;前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第二液晶層との間に位置する第三配向層;及び前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第二液晶層との間に位置する第四配向層であって、前記第三配向層と前記第四配向層との配向方向が互いに垂直である、第四配向層を含み、」の発明特定事項について a 引用発明は、「第3の液晶表示部9」を有し、「第3の液晶表示部9」の「第5及び第6の配向膜92,94間の間隙には、第3の液晶が充填され」ているところ、引用発明の「第3の液晶表示部9」は「第3の液晶」を含むものであるといえ、引用発明の「第3の液晶」が層状であることは明らかであるから、引用発明の「第3の液晶」は、本件補正発明の「前記出向視角制御装置」が含む「第二液晶層」に相当する。 そして、前記(エ)で説示したとおり、引用発明の「第3の液晶表示部9」は、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかであることから、「第3の液晶表示部9」に含まれる「第3の液晶」もまた、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかである。 ここで、第3の液晶と各部材の位置関係を整理すると、引用発明は、「第2の液晶表示部4の第3の偏光板46上に透明な第5の基板が設けられ、この第5の基板に対向して同様に透明な第6の基板が配置され、この第6の基板の外面には、第4の偏光板96が形成され、互いに対向する第5及び第6の基板の内面上には、夫々透明な第5及び第6電極が形成され、この第5及び第6の電極上には、第5及び第6の配向膜92,94が形成され、第5及び第6の基板によって規定される第5及び第6の配向膜92,94間の間隙には、第3の液晶が充填され」ていることから、第3の液晶は第4の偏光板96と第3の偏光板46の間に位置するものである。 また、引用発明は、「第3の液晶表示部9は、第2の液晶表示部4と同様に第1の液晶表示部2で表示される画像の視認範囲を制限する視野制限モード及び第1の液晶表示部2で表示される画像を装置で定まる広い視野角に亘って表示する広視野モードに切り替えられる構造を備え[る]」ものであるから、前記(カ)bも踏まえると、引用発明の「第3の液晶表示部9」は、第5及び第6電極間に印加される電圧によって、「第3の液晶」の液晶分子の配向方向が変化するものといえ、第5及び第6電極間に印加される電圧が、本件補正発明の「第二印加電圧」に相当する。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記出光視角制御装置は、さらに、前記照明光束の伝播路径に配置され」「る第二液晶層であって、前記第二液晶層における複数の液晶分子は、第二印加電圧に基づいて配列方向が変わる、第二液晶層」を含む点で共通する。 b 前記(エ)で説示したとおり、引用発明の「第3の液晶表示部9」は、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかであることから、「第3の液晶表示部9」に含まれる「第5の配向膜92」もまた、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかである。 また、引用発明は、「第3の偏光板46上に透明な第5の基板が設けられ、この第5の基板に対向して同様に透明な第6の基板が配置され、」「互いに対向する第5及び第6の基板の内面上には、夫々透明な第5及び第6電極が形成され、この第5及び第6の電極上には、第5及び第6の配向膜92,94が形成され、第5及び第6の基板によって規定される第5及び第6の配向膜92,94間の間隙には、第3の液晶が充填され」ていることから、「第5」「の配向膜92」は、「第3の偏光板46」と「第3の液晶」の間に位置する。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記出光視角制御装置は、さらに、」「前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第二液晶層との間に位置する第三配向層」を含む点で一致する。 c 前記(エ)で説示したとおり、引用発明の「第3の液晶表示部9」は、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかであることから、「第3の液晶表示部9」に含まれる「第6の配向膜94」もまた、バックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかである。 ここで、第6の配向膜94と各部材の位置関係を整理すると、前記aの検討を踏まえれば、第6の配向膜94は第4の偏光板96と第3の液晶の間に位置するものである。 そして、引用発明は、「第5の配向膜92は、第3の偏光板46の透過軸P3に直交する方向R5に沿ってラビング処理され、このラビング方向R5に直交する方向R6に沿って第6の配向膜94は、ラビング処理され[る]」から、「第5の配向膜92」がラビング処理される「方向R5」と「第6の配向膜94」がラビング処理される「方向R6」は「直交」している。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記出光視角制御装置は、さらに、」「前記照明光束の伝播路径に配置され」「る第四配向層であって、前記第三配向層と前記第四配向層との配向方向が互いに垂直である、第四配向層を含」む点で共通する。 d 前記a~cから、本件補正発明と引用発明は、「前記出光視角制御装置は、さらに、前記照明光束の伝播路径に配置され」「る第二液晶層であって、第二液晶層であって、前記第二液晶層における複数の液晶分子は、第二印加電圧に基づいて配列方向が変わる、第二液晶層;前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第二液晶層との間に位置する第三配向層;及び前記照明光束の伝播路径に配置され」「る第四配向層であって、前記第三配向層と前記第四配向層との配向方向が互いに垂直である、第四配向層を含」む点で共通する。 (シ) 本件補正発明の「前記第一印加電圧及び前記第二印加電圧がともに0Vに等しいときに、前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角が、前記第一視角であり、前記第一印加電圧及び前記第二印加電圧がともに0Vよりも大きいときに、前記出光視角は、第三視角であり、前記第一視角、前記第二視角及び前記第三視角は、互いに異なり、」の発明特定事項について a 引用発明は、「第2及び第3の液晶表示部4,9を電圧無印加にしておくと、第1の液晶表示部2の特性は特に変化することはな」いものであることから、「第2及び第3の液晶表示部4,9を電圧無印加にし」たときの画像を外部から観察することができる範囲と、前記(ク)で検討した「第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されない場合には、第1の液晶表示部2からの光線を制限せずに透過してそのまま通過させて広い視野で第1の液晶表示部2に表示された画像を外部から観察することができ」る範囲は、同じ範囲である。 したがって、前記(ク)における検討も踏まえると、引用発明の「第2及び第3の液晶表示部4,9を電圧無印加にし」たときの画像を外部から観察することができる範囲は、本件補正発明の「前記第一印加電圧及び前記第二印加電圧がともに0Vに等しいときに、前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角」である「第一視角」に相当する。 b 引用発明は、「第2及び第3の液晶表示部4,9に同時に電圧を印加すると透過率が第1の表示部2の輝度を100とした時、正面からの傾き角30°~60°の範囲で0.1以下とすることができ」るものであるところ、引用発明の当該「第2及び第3の液晶表示部4,9に同時に電圧を印加する」ときの画像を外部から観察することができる範囲は、前記(ク)における検討も踏まえると、本件補正発明の「前記第一印加電圧及び前記第二印加電圧がともに0Vよりも大きいとき」の「前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角」である「第三視角」に相当する。 c 前記(ク)で説示したように、引用発明の前記aの「第2及び第3の液晶表示部4,9を電圧無印加にし」たときの画像を外部から観察することができる範囲、すなわち、本件補正発明でいう第一視角と、前記(ク)の「光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出され」る範囲、すなわち、本件補正発明でいう第二視角は、異なっている。 また、前記(ク)の「光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出され」る範囲は、具体的には、「第2の液晶表示部4」のみの場合の「30°で1%程度まで減少しても50-60°では4%程度まで上昇」するものであり、前記bの「第2及び第3の液晶表示部4,9に同時に電圧を印加する」ときの画像を外部から観察することができる範囲は、具体的には、「正面からの傾き角30°~60°の範囲で0.1以下」である。したがって、引用発明の前記(ク)の「光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出され」る範囲、すなわち、本件補正発明でいう第二視角と、前記bの「第2及び第3の液晶表示部4,9に同時に電圧を印加する」ときの画像を外部から観察することができる範囲、すなわち、本件補正発明でいう第三視角もまた、異なっている。 さらに、前記bの「第2及び第3の液晶表示部4,9に同時に電圧を印加する」ときの画像を外部から観察することができる範囲は、具体的には、「正面からの傾き角30°~60°の範囲で0.1以下」であり、引用発明の前記aの「第2及び第3の液晶表示部4,9を電圧無印加にし」たときの画像を外部から観察することができる範囲と異なっているから、引用発明の前記aの「第2及び第3の液晶表示部4,9を電圧無印加にし」たときの画像を外部から観察することができる範囲、すなわち、本件補正発明でいう第一視角と、前記bの「第2及び第3の液晶表示部4,9に同時に電圧を印加する」ときの画像を外部から観察することができる範囲、すなわち、本件補正発明でいう第三視角もまた、異なっている。 そうすると、本件補正発明と引用発明は、「前記第一視角、前記第二視角及び前記第三視角は、互いに異なる」点で一致する。 d 前記a~cから、引用発明は、上記発明特定事項を備えている。 (ス) 本件補正発明の「前記第一液晶層又は前記第二液晶層の液晶分子がねじれネマティック液晶であり、」の発明特定事項について 引用発明の「第2の液晶表示部4」は、「TN方式」であるから、「第2の液晶表示部4」の「第2の液晶56」の液晶分子は、TN液晶であり、このことは、本件補正発明の「前記第一液晶層」「の液晶分子がねじれネマティック液晶であ[る]」ことに相当する。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を備えている。 (セ) 本件補正発明の「前記第二配向層と前記第三配向層との配向方向の差が180度であり、前記第一配向層と前記第四配向層との配向方向の差が180度であり、」の発明特定事項について 引用発明は、「偏光板46の透過軸P3に対してこれに近接する配向膜54のラビング方向R4が略直交するように設定されており、」「第5の配向膜92は、第3の偏光板46の透過軸P3に直交する方向R5に沿ってラビング処理されて」いることから、第4の配向膜54のラビング方向R4と第5の配向膜92のラビング方向R5は平行である。そして、引用発明は、「第4の配向膜54のラビング方向R4と第5の配向膜92のラビング方向R5は異な」ることも勘案すれば、第4の配向膜54のラビング方向R4と第5の配向膜92のラビング方向R5は反対向き、すなわち、両者の配向方向の差は180°であることが理解できる。 また、引用発明は、「第3及び第4の配向膜52,54の配向(ラビング)方向を直交させた」ものであり、「ラビング方向R5に直交する方向R6に沿って第6の配向膜94は、ラビング処理され」たものであり、前段落で説示したように、第4の配向膜54のラビング方向R4と第5の配向膜92のラビング方向R5は平行であるので、第3の配向膜52のラビング方向R3と第6の配向膜94のラビング方向R6は平行である。そして、引用発明は、「第3の配向膜52のラビング方向R3と第6の配向膜94のラビング方向R6は異な」ることも勘案すれば、第4の配向膜54のラビング方向R4と第5の配向膜92のラビング方向R5は反対向き、すなわち、両者の配向方向の差は180°であることが理解できる。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を備えている。 (ソ) 本件補正発明の「前記第一印加電圧が0Vよりも大きいときに、前記出光視角範囲が前記第一視角から前記第二視角に変わる偏移方向と、前記第二配向層の配向方向との夾角が45度であり、」の発明特定事項について まず、引用発明は、「第2の液晶表示部4における透過率の視野角依存性は、液晶に電圧Vが印加されない状態は、視野角0°で透過率最大であり、液晶に電圧2.6Vが印加される場合には、視野角-30°で透過率最大であ」るところ、当該「視野角の方向」は、「表示装置の左右方向」であるから、前記(ク)で説示した、「第3及び第4電極48,50間に電圧が印加されない場合」に「広い視野で第1の液晶表示部2に表示された画像を外部から観察することができ」る範囲、すなわち、本件補正発明でいう「第一視角」から、「制御信号に応じて表示切換回路60から第3及び第4電極48,50間に電圧が印加され」、「光線の透過分布が制限され、特定方向に向けた分布で第1の液晶表示部2からの光線が射出され」る範囲、すなわち、本件補正発明でいう「第二視角」に変化する方向は、「表示装置の左右方向」であることになる。そして、引用発明の当該変化する方向は、本件補正発明の「前記出光視角範囲が前記第一視角から前記第二視角に変わる偏移方向」に相当し、その方向は、「表示装置の左右方向」である。 また、引用発明は、「第4の配向膜54のラビング方向R4は、第2の液晶表示部4の右方向に対して45度の方向であ」るところ、「第2の液晶表示部4」は「表示装置」の一部であって「第2の液晶表示部4」の左右方向と「表示装置」の左右方向とが同じであることは自明であるから、「第4の配向膜54のラビング方向R4」は、表示装置の「右方向に対して45度の方向であ」ると言い換えることができる。 以上を総合すると、引用発明は、第4の配向膜54のラビング方向R4が、前記変化する方向、すなわち、本件補正発明でいう「前記出光視角範囲が前記第一視角から前記第二視角に変わる偏移方向」に対して45度の方向であることになり、このことは、第4の配向膜54のラビング方向R4と視野角の方向との夾角が45度であることを意味する。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を備えている。 イ 一致点及び相違点 以上のことから、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。 (ア) 一致点 「光源モジュール及び表示モジュールを含む表示装置であって、 前記光源モジュールは、バックライトモジュール及び出光視角制御装置を含み、 前記バックライトモジュールは、照明光束を発し、 前記出光視角制御装置は、前記照明光束の伝播方向に沿って前記バックライトモジュールの上に配置され、且つ、第二偏光板、第一液晶層、第一配向層及び第二配向層を含み、 前記第二偏光板は、前記照明光束の伝播路径に配置され、 前記第一液晶層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、前記第一液晶層における複数の液晶分子は、第一印加電圧に基づいて配列方向が変わり、 前記第一配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、 前記第二配向層は、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第一液晶層との間に位置し、 前記第一配向層と前記第二配向層との配向方向が互いに垂直であり、 前記第一印加電圧が0Vに等しいときに、前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角範囲が、第一視角であり、前記第一印加電圧が0Vよりも大きいときに、前記出光視角範囲は、第二視角であり、 前記第二視角は、前記第一視角とは異なり、 前記表示モジュールは、前記照明光束の伝播方向に沿って配置され、前記照明光束を表示光束に変換するために用いられ、 前記表示モジュールは、 前記照明光束の伝播路径に順次配置される第四偏光板及び第五偏光板;及び 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第四偏光板と前記第五偏光板との間に位置する表示層を含み、 前記出光視角制御装置は、さらに、 前記照明光束の伝播路径に配置される第二液晶層であって、前記第二液晶層における複数の液晶分子は、第二印加電圧に基づいて配列方向が変わる、第二液晶層; 前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記第二偏光板と前記第二液晶層との間に位置する第三配向層;及び 前記照明光束の伝播路径に配置される第四配向層であって、前記第三配向層と前記第四配向層との配向方向が互いに垂直である、第四配向層を含み、 前記第一印加電圧及び前記第二印加電圧がともに0Vに等しいときに、前記照明光束が前記出光視角制御装置を通過した後の出光視角が、前記第一視角であり、前記第一印加電圧及び前記第二印加電圧がともに0Vよりも大きいときに、前記出光視角は、第三視角であり、前記第一視角、前記第二視角及び前記第三視角は、互いに異なり、 前記第一液晶層又は前記第二液晶層の液晶分子がねじれネマティック液晶であり、 前記第二配向層と前記第三配向層との配向方向の差が180度であり、前記第一配向層と前記第四配向層との配向方向の差が180度であり、 前記第一印加電圧が0Vよりも大きいときに、前記出光視角範囲が前記第一視角から前記第二視角に変わる偏移方向と、前記第二配向層の配向方向との夾角が45度である、表示装置。」 (イ) 相違点 【相違点1】 出光視角制御装置について、本件補正発明は、「第一偏光板」を含み、「前記第一偏光板」及び前記第二偏光板は、前記照明光束の伝播路径に「順次」配置され、第一液晶層は、「前記第一偏光板と前記第二偏光板との間に位置し」、第一配向層は、「前記第一偏光板と前記第一液晶層との間に位置し」ているのに対し、引用発明は、第2の液晶表示部4が「第一偏光板」に相当する構成を含まない点。 【相違点2】 表示モジュールについて、本件補正発明は、「前記光源モジュールの上に配置され」ているのに対して、引用発明は、第2の液晶表示部4が第1の液晶表示部2の上に設けられ、第3の液晶表示部9が第2の液晶表示部4上に配置固定される点。 【相違点3】 第二液晶層について、本件補正発明では、「前記第四偏光板と前記第二偏光板との間に位置する」ものであるのに対し、引用発明では、第3の液晶は第4の偏光板96と第3の偏光板46の間に位置する点。 【相違点4】 第四配向層について、本件補正発明では、「前記第四偏光板と前記第二液晶層との間に位置する」ものであるのに対し、引用発明では、第6の配向膜94は第4の偏光板96と第3の液晶の間に位置する点。 【相違点5】 本件補正発明は、「前記表示装置は、さらに、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記出光視角制御装置と前記表示モジュールとの間に位置する光学位相遅延層を含む」のに対し、引用発明は、当該光学位相遅延層を備えていない点。 ウ 相違点に対する判断 以下、上記相違点について検討する。 (ア) 相違点1~4について 相違点1~4について併せて検討する。 a 引用発明は、「表示装置は、通常の画像を表示可能な第1の液晶表示部2及びこの表示装置の表示を切り替て表示をコントロールする第2の液晶表示部4を含んで構成され、」「第2の液晶表示部4上に第2の液晶表示部4と略同様の構造を有する第3の液晶表示部9が配置固定され」るものであるところ、引用文献2に記載された技術的事項1及び引用文献1に記載された技術的事項に見られるように、液晶表示装置において、照明装置の側から、視野角制御素子(視野角制限素子)、液晶表示パネルの順に配置することが公知の技術的事項である。 b 引用発明の第2の液晶表示部4及び第3の液晶表示部9と、引用文献2に記載された技術的事項1の視野角制御素子や引用文献1に記載された技術的事項の視野角制限素子はいずれも、視野角を制御する点でその作用が共通するものであるから、引用発明において、引用文献2に記載された技術的事項1又は引用文献1に記載された技術的事項に開示される前記公知の技術的事項を採用して、バックライトの側から、第2の液晶表示部4、第3の液晶表示部9、第1の液晶表示部2の順に配置することは当業者が適宜なし得る設計事項である。 そして、第1の液晶表示部2を第3の液晶表示部9の上に配置変更する際に、引用発明では液晶表示部間の偏光板は共用されることも考慮すれば、当該配置変更に伴って重なることとなる第4の偏光板96と第1の偏光板10のうち、第4の偏光板96を取り除く一方で、第1の偏光板10を第1の液晶表示部2と第3の液晶表示部9で共用するようにし、第1の偏光板10の透過軸P1の方向を前記配置変更前の第4の偏光板96の透過軸P4の方向と一致させ、さらに、第1の偏光板10の透過軸P1の方向に対する第1の配向膜16、第2の配向膜20の配向方向R1、R2及び第2の偏光板12の透過軸P2の方向を維持するように、前記透過軸P1の方向の変更に対応して第1の配向膜16、第2の配向膜20の配向方向R1、R2及び第2の偏光板12の透過軸P2の方向を変更することは、当然の設計事項に過ぎない。 さらに、第2の液晶表示部4を機能させるためにはその下に偏光板が必要であることは当業者には自明であるから、第2の液晶表示部4の下に、新たに前記配置変更前の第2の偏光板12と同様の偏光板(以下「最下部偏光板」という。)を配置する構成(以下「配置順変更構成」という。)とすることは、前記配置変更に伴って当業者が自然になし得たことである。 c 次に、本件補正発明の構成と配置順変更構成を対比する。 (a) 配置順変更構成の「最下部偏光板」は、「第2の液晶表示部4」を機能させるために使用されることになるから、相違点1に係る本件補正発明の「第一偏光板」に相当し、配置順変更構成の「最下部偏光板」及び「第3の偏光板46」は、バックライト光線の伝播経路に順次配置されることになるから、相違点1に係る本件補正発明の、視野角制御装置が「第一偏光板」を含み、「前記第一偏光板及び前記第二偏光板は、前記照明光束の伝播路径に順次配置され」るとの構成を備えることとなる。 また、配置順変更構成の「第2の液晶56」は、「最下部偏光板」と「第3の偏光板46」の間に位置するから、相違点1に係る本件補正発明の、第一液晶層は、「前記第一偏光板と前記第二偏光板との間に位置」するとの構成を備えることとなる。 さらに、配置順変更構成の「第3の配向層52」は、「最下部偏光板」と「第2の液晶56」の間に位置するから、相違点1に係る本件補正発明の、第一配向層は、「前記第一偏光板と前記第一液晶層との間に位置」するとの構成を備えることとなる。 したがって、配置順変更構成は、相違点1に係る本件補正発明の構成を満たすこととなる。 (b) 配置順変更構成では、バックライトの側から、第2の液晶表示部4、第3の液晶表示部9、第1の液晶表示部2の順に配置することになり、第1の液晶表示部2が、バックライト、第2の液晶表示部4及び第3の液晶表示部9、すなわち、本件補正発明でいう光源モジュールの上に配置されるので、相違点2に係る本件補正発明の構成を満たすこととなる。 (c) 引用発明は、第3の液晶は第4の偏光板96と第3の偏光板46の間に位置するものであるところ、配置順変更構成では、引用発明の「第4の偏光板96」の位置にこれに代えて「第1の偏光板10」が位置することになるから、「第3の液晶」は、「第1の偏光板10」と「第3の偏光板46」の間に位置するものとなる。 したがって、配置順変更構成は、相違点3に係る本件補正発明の構成を満たすこととなる。 (d) 引用発明は、第6の配向膜94は第4の偏光板96と第3の液晶の間に位置するものであるところ、配置順変更構成では、引用発明の「第4の偏光板96」の位置にこれに代えて「第1の偏光板10」が位置することになるから、「第6の配向膜94」は、「第1の偏光板10」と「第3の液晶」の間に位置するものとなる。 したがって、配置順変更構成は、相違点4に係る本件補正発明の構成を満たすこととなる。 d 以上のとおり、当業者は、引用発明に引用文献2に記載された技術的事項1又は引用文献1に記載された技術的事項を適用することにより、相違点1~4に係る本件補正発明の構成に容易に至ることとなる。 (イ) 相違点5について 以下a又はbで説示するとおり、相違点5に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 a 引用発明に周知技術を採用する場合について (a) 引用発明は、「第2及び第3の液晶表示部4,9を電圧無印加にしておくと、第1の液晶表示部2の特性は特に変化することはな」いものであるから、第3の液晶表示部9は、第2の液晶表示部4と同様に、中間調表示状態に対応する電圧を印加した際に視野制限モードに設定されるノーマリーホワイトのタイプであることが理解できる。そして、ノーマリーホワイトのタイプにおいては、電圧無印加時にできるだけ多くのバックライト光線を透過する必要があるところ、電圧無印加時に「第3の液晶」を透過した直線偏光である透過光の偏光方向と「第4の偏光板96」の透過軸が不一致の場合には、「第3の液晶」を透過したバックライト光線が「第4の偏光板96」を透過しなくなることを、当業者は認識するといえ、前記の場合においても電圧無印加時に「第3の液晶」を透過したバックライト光線が、「第4の偏光板96」を透過させようとする動機を有する。このことは、前記(ア)で説示した配置順変更構成において、第1の偏光板10を第1の液晶表示部2と第3の液晶表示部9で共用する場合も同様である。 (b) そして、液晶表示装置において、視野角制御用液晶パネルと表示用パネルの間に、視野角制御用液晶パネルの偏光板の透過軸と表示用パネルの偏光板の透過軸をそろえるために、位相差板を設けることは、周知技術(必要ならば、特開2006-208605号公報(特に、【0041】)を参照されたい。)である。 (c) 前記(a)で説示した動機を有する当業者は、配置順変更構成において、前記(b)で認定した周知技術の透過軸をそろえるための位相差板を、「第3の液晶」を透過したバックライト光線の偏光方向と第1の偏光板10の透過軸の不一致をなくすために、第6の配向層94と第1の偏光板10の間に採用して、前記の場合においても「第3の液晶」を透過したバックライト光線を、第1の偏光板10を透過させる構成(以下「容易想到構成1」という。)とすることは、当業者が容易になし得たことである。 そして、容易想到構成1における「位相差板」は、本件補正発明の「光学位相遅延層」に相当する。また、容易想到構成1では、当該「位相差板」は第2の液晶表示部4及び第3の液晶表示部9と第1の液晶表示部2の間に配置される、すなわち、本件補正発明でいう「出光視角制御装置と前記表示モジュールとの間に位置する」こととなる。さらに、前記(3)ア(エ)及び(ケ)で説示したとおり、第2の液晶表示部4、第3の液晶表示部9及び第1の液晶表示部2はバックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかであることから、第2の液晶表示部4及び第3の液晶表示部9と第1の液晶表示部2との間に配置された「位相差板」も、バックライト光線の伝播経路に配置される、すなわち、本件補正発明でいう「照明光束の伝播路径に配置され」ることとなる。 したがって、引用発明に引用文献2に記載された技術的事項1又は引用文献1に記載された技術的事項及び周知技術を採用して、相違点5に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 b 引用発明に引用文献2に記載された技術的事項2を採用する場合について (a) 引用発明の「第3の液晶表示部9」は、「第2の液晶表示部4と同様に第1の液晶表示部2で表示される画像の視認範囲を制限する視野制限モード及び第1の液晶表示部2で表示される画像を装置で定まる広い視野角に亘って表示する広視野モードに切り替えられる構造を備え」るものであることから、視野角特性を制御しており、また、引用発明は、「液晶表示部4,9において、液晶セルの厚み或いは液晶材料などの構成を変えても視野角を狭くし、表示情報を保護する範囲を広くする効果を期待することができる」ものであることから、当業者は、引用発明の「第3の液晶表示部9」において、視野角特性を調整し、適切な視野角特性の範囲にしようとする動機を有するといえる。 (b) そして、引用文献2に記載された技術的事項2に見られるように、視野角制御素子35を位相差板70を含んで構成し、位相差板70に必要とされる厚み方向の位相差値Rthの値は視野角制御素子に要求される特性により異なること、すなわち、位相差板70により視野角制御素子の視野角特性を調整することが公知であるし、引用文献2に記載された技術的事項2の「第1の透明基板50には透明電極61、及び配向膜551が積層形成され」、「第1の透明基板50と位相差板70,位相差板70と第1の偏光板2000は透明な粘着剤を介して粘着すること」に見られるように、視野角制御素子35を構成する位相差板70を、配向膜551と第1の偏光板2000の間に配置することも公知である。 (c) 前記(a)の動機を有する当業者であれば、配置順変更構成において、前記(b)の引用文献2に記載された技術的事項2の位相差板を採用して、引用文献2に記載された技術的事項2の位相差板を配向膜551と第1の偏光板2000の間に配置する配置関係と同様に、位相差板を第6の配向層94と第1の偏光板10の間に配置する構成(以下「容易想到構成2」という。)とすることは容易になし得たことである。そして、容易想到構成2における「位相差板」は、本件補正発明の「光学位相遅延層」に相当する。また、容易想到構成2では、当該「位相差板」は第2の液晶表示部4及び第3の液晶表示部9と第1の液晶表示部2との間に配置される、すなわち、本件補正発明でいう「出光視角制御装置と前記表示モジュールとの間に位置する」こととなる。さらに、前記(3)ア(エ)及び(ケ)で説示したとおり、第2の液晶表示部4、第3の液晶表示部9及び第1の液晶表示部2はバックライト光線の伝播経路に配置されていることは明らかであることから、第2の液晶表示部4及び第3の液晶表示部9と第1の液晶表示部2との間に配置された「位相差板」も、バックライト光線の伝播経路に配置される、すなわち、本件補正発明でいう「照明光束の伝播路径に配置され」ることとなる。 したがって、引用発明に引用文献2に記載された技術的事項1又は引用文献1に記載された技術的事項及び引用文献2に記載された技術的事項2を採用して、相違点5に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ) 総合検討 そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の作用効果は、本件補正発明の構成が奏するものとして、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項1又は引用文献1に記載された技術的事項、及び周知技術又は引用文献2に記載された技術的事項2の奏する作用効果から予測される範囲のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 エ 審判請求人の主張について (ア) 審判請求人の主張内容 審判請求人は、本件補正発明の光学位相遅延層は、表示モジュールの第四偏光板の偏光方向が光源モジュールからの照明光束と不一致する場合に、照明光束の偏光方向を修正して、それがスムーズに表示モジュールに進入するようにさせるためのものであるのに対して、引用文献2に記載された技術的事項2の位相差板70は厚み方向の位相差Rthを補償するためのものであるから、本件補正発明の光学位相遅延層とは、配置位置が全く異なるだけでなく、機能も全く異なる旨を主張している。 (イ) 審判請求人の主張についての検討 上記主張は、以下に説示するとおり、前記ウ(イ)a及びbの判断を左右するものではない。 a まず、光学位相遅延層の配置位置について検討すると、次のとおりである。 (a) 容易想到構成1では、前記ウ(イ)aで説示したように、位相差板を「第3の液晶」を透過したバックライト光線の偏光方向と「第4の偏光板96」の透過軸の不一致をなくすために、配置順変更構成の第6の配向層94と第1の偏光板10の間に採用することになる。 (b) 容易想到構成2では、前記ウ(イ)bで説示したように、引用文献2に記載された技術的事項2の位相差板を配向膜551と第1の偏光板2000の間に配置する配置関係と同様に、配置順変更構成の第6の配向層94と第1の偏光板10の間に採用することになる。 (c) したがって、容易想到構成1、2のいずれの場合においても、位相差板は、第6の配向層94と第1の偏光板10の間に配置されること、すなわち、第2の液晶表示部4及び第3の液晶表示部9と第1の液晶表示部2の間に位相差板を配置することとなるから、本件補正発明の光学位相遅延層と配置位置に差異はなく、請求人の主張は失当である。 b 続いて、光学位相遅延層の機能について検討すると、本件補正発明の光学位相差遅延層が、表示モジュールの第四偏光板の偏光方向が光源モジュールからの照明光束と不一致する場合に、照明光束の偏光方向を修正して、それがスムーズに表示モジュールに進入するようにさせるものであることは、本件補正後の請求項1に記載されておらず、本件補正後の請求項1の記載に基づくものではない。また、前記ウ(ウ)aで説示した周知技術における位相差板は、視野角制御用液晶パネルの偏光板の透過軸と表示用パネルの偏光板の透過軸をそろえる機能を有しており、容易想到構成1においては、「第3の液晶表示部9」の「第3の液晶」を透過した透過光の偏光方向と第1の液晶表示部2に共用された第1の偏光板10の透過軸をそろえることとなるから、その機能は、照明光束の偏光方向を修正して、それがスムーズに表示モジュールに進入するとの審判請求人の主張する機能と異なるところはない。 したがって、審判請求人の上記主張は、採用することができない。 オ 小括 以上によれば、本件補正発明は、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項1又は引用文献1に記載された技術的事項、及び周知技術又は引用文献2に記載された技術的事項2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正の却下の決定についてのむすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~10に係る発明は、令和5年5月12日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであり、当該請求項1の記載は前記第2の[理由]1(2)に示したとおりである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の本願発明に対する拒絶の理由は、次に概略を示す理由を含むものである。 理由2(進歩性)本願発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である下記の引用文献3に記載された発明、及び引用文献2に記載された技術的事項又は引用文献1に記載された技術的事項に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.特開2006-330164号公報 引用文献2.特開2006-139160号公報 引用文献3.特開2006-171333号公報 3 引用文献の記載事項及び引用発明等の認定 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1~3の記載事項並びに、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項1、2及び引用文献1に記載された技術的事項の認定は、前記第2の[理由]2(2)で記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2[理由]1(1)に記載した本件補正発明から、「表示装置」について「前記表示装置は、さらに、前記照明光束の伝播路径に配置され、且つ前記出光視角制御装置と前記表示モジュールとの間に位置する光学位相遅延層を含む」との限定を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]2(3)ウ及びオに記載したとおり、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項1又は引用文献1に記載された技術的事項、及び周知技術又は引用文献2に記載された技術的事項2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、さらに、本願発明は、上記削除に伴い、前記相違点5が相違点でなくなるから、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項1又は引用文献1に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-018488

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