商標拒絶査定不服審判
2023-006254
エス、サンコー
- 審判番号
- 2023-006254
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-054880
- 請求日
- 2023年04月17日
- 審決日
- 2023年12月26日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三弘ホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】木村 満
- 【請求人代理人】榊原 靖
- 【請求人代理人】山野 有希子
- 【請求人代理人】堀部 峰雄
- 【請求人代理人】竹中 一宣
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .261-Z (W0935363742) / T18 .262-Z (W0935363742) / T18 .263-Z (W0935363742)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-54880拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおり、薄い青色で着色された半円様の図形とそれよりもやや濃い青色で着色された半円様の図形を組み合わせた図形部分とその右側にややデザイン化し、やや濃い青色で着色された「sanko」の文字を配してなり、第9類、第35類、第36類、第37類及び第42類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和4年5月16日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年11月2日付けで拒絶理由の通知がされ、同年12月27日に意見書及び手続補正書が提出され、指定商品及び指定役務については、別掲2のとおりに補正されたが、同5年2月8日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和5年4月17日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
なお、下線は本願商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品及び役務であることを示している。
(1)引用商標1(登録第2252418号)
商標 別掲3(1)のとおり
指定商品 第16類「印刷物,書画,写真,写真立て」
登録出願日 昭和62年 5月28日
設定登録日 平成 2年 7月30日
(2)引用商標2(登録第3000760号)
商標 別掲3(2)のとおり
指定役務 第35類「雑誌による広告の代理,新聞による広告の代理,テレビジョンによる広告の代理,ラジオによる広告の代理,車両の内外における広告の代理,アドバル―ンによる広告,看板による広告,はり紙による広告,街頭及び店頭における広告物の配布,商品の実演による広告,郵便による広告物の配布,広告文の作成,ショ―ウインド―の装飾」
登録出願日 平成 4年 9月18日
設定登録日 平成 6年 7月29日
(3)引用商標3(登録第3086283号)
商標 別掲3(3)のとおり
指定役務 第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」
登録出願日 平成 4年 9月28日
設定登録日 平成 7年10月31日
(4)引用商標4(登録第3086979号)
商標 別掲3(4)のとおり
指定役務 第36類「建物の管理,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」
登録出願日 平成 4年 9月18日
設定登録日 平成 7年10月31日
(5)引用商標5(登録第3093088号)
商標 別掲3(5)のとおり
指定役務 第36類「建物の売買,土地の売買」
登録出願日 平成 4年 9月29日
設定登録日 平成 7年11月30日
(6)引用商標6(登録第3098356号)
商標 別掲3(6)のとおり
指定役務 第36類「建物の管理,建物の貸与」
登録出願日 平成 4年 9月24日
設定登録日 平成 7年11月30日
(7)引用商標7(登録第3150681号)
商標 別掲3(7)のとおり
指定役務 第37類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守」
登録出願日 平成 4年 9月28日
設定登録日 平成 8年 4月30日
(8)引用商標8(登録第3166945号)
商標 別掲3(8)のとおり
指定役務 第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
登録出願日 平成 4年 9月30日
設定登録日 平成 8年 6月28日
(9)引用商標9(登録第3335818号)
商標 別掲3(9)のとおり
指定役務 第35類「新商品発表のための展示会の企画・運営又は開催」
登録出願日 平成4年 9月30日
設定登録日 平成9年 8月 1日
(10)引用商標10(登録第4166652号)
商標 別掲3(10)のとおり
指定役務 第42類「計装の基本設計及び詳細設計,計装の基本設計及び詳細設計の助言,計装の基本設計及び詳細設計の操作マニュアルの作成」
登録出願日 平成 7年 7月14日
設定登録日 平成10年 7月17日
(11)引用商標11(登録第4294381号)
商標 別掲3(11)のとおり
指定商品 第6類、第7類、第9類及び第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
登録出願日 平成 4年 3月31日
設定登録日 平成11年 7月16日
(12)引用商標12(登録第5755390号)
商標 別掲3(12)のとおり
指定商品・役務 第35類「金属製金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,その他の手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,カーテン金具・金属代用のプラスチック製締め金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む、第6類、第20類及び第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品・役務
登録出願日 平成26年 7月31日
設定登録日 平成27年 4月 3日
(13)引用商標13(登録第6089554号)
商標 別掲3(13)のとおり
指定役務 第35類、第40類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
登録出願日 平成29年10月25日
設定登録日 平成30年10月19日
(14)引用商標14(登録第6225278号)
商標 別掲3(14)のとおり
指定商品 第21類「台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),掃除用具(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,くまで,洗濯板,洗濯挟み,洗濯ブラシ,洗浄用ブラシ,洗面器,雑巾,たらい,たわし,ちりかご,ちり取り,バケツ,はたき,張り板,ほうき,モップ,物干しざお,物干し用ハンガー,スポンジタワシ,台所用スポンジ,掃除用スポンジ,その他の洗浄用・洗顔用又は入浴用のスポンジ,清浄用パッド,台所用の磨きパッド,ボトル用水切りスタンド,トイレ用清掃具,ほ乳瓶洗浄用具,テーブルマット(紙製又は織物製のものを除く。),食卓マット(紙製又は織物製のものを除く。)」及び第24類「織物製テーブルナプキン,ふきん,織物製のテーブルマット,織物製の食卓マット」を含む、第11類、第21類、第24類、第25類及び第27類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
登録出願日 平成29年12月19日
設定登録日 令和 2年 2月13日
(15)引用商標15(登録第6225279号)
商標 別掲3(15)のとおり
指定商品 第21類「台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),掃除用具(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,くまで,洗濯板,洗濯挟み,洗濯ブラシ,洗浄用ブラシ,洗面器,雑巾,たらい,たわし,ちりかご,ちり取り,バケツ,はたき,張り板,ほうき,モップ,物干しざお,物干し用ハンガー,スポンジタワシ,台所用スポンジ,掃除用スポンジ,その他の洗浄用・洗顔用又は入浴用のスポンジ,清浄用パッド,台所用の磨きパッド,ボトル用水切りスタンド,トイレ用清掃具,ほ乳瓶洗浄用具,テーブルマット(紙製又は織物製のものを除く。),食卓マット(紙製又は織物製のものを除く。)」及び第24類「織物製テーブルナプキン,ふきん,織物製のテーブルマット,織物製の食卓マット」を含む、第11類、第21類、第24類、第25類及び第27類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
登録出願日 平成29年12月19日
設定登録日 令和 2年 2月13日
(16)引用商標17(登録第6497103号)
商標 別掲3(16)のとおり
指定商品・役務 第6類「テルハー用ケーブル」、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機」、第9類全ての指定商品、第37類「空調機械器具の設置工事及び修理,コンピュータハードウェアの保守及び修理,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,業務用冷凍機械器具の修理又は保守,電子応用機械器具の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守」を含み、第42類「建築物の設計,測量,計装設備の操作マニュアルの作成」を除く全ての指定役務を含む、第6類、第7類、第9類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品・役務
登録出願日 令和3年 3月23日
設定登録日 令和4年 1月11日
(17)引用商標18(登録第6508956号)
商標 別掲3(17)のとおり
指定役務 第35類「電気機械器具類(「起動器・交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。)・交流発電機・直流発電機・配電用又は制御用の機械器具・回転変流機・調相機・太陽電池・陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)・電気通信機械器具・携帯情報端末・電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータ―トロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。)・電子管・半導体素子・電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。)・電子計算機用プログラム・ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータ―トロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。)の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
登録出願日 令和2年10月29日
設定登録日 令和4年 2月 4日
(18)引用商標20(国際登録第1319861号)
商標 別掲3(18)のとおり
指定商品・役務 第37類「Maintenance of fire-fighting systems.」(仮訳:消火システムの保守)を含む、第9類及び第37類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品・役務
国際商標登録出願日 平成28(2016)年 7月14日
設定登録日 平成29(2017)年 9月29日
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、薄い青色で着色された半円様の図形とそれよりもやや濃い青色で着色された半円様の図形を組み合わせた図形部分とその右側にややデザイン化し、やや濃い青色で着色された「sanko」の文字を大きく目立つように表示してなるものである。
本願商標の構成中、図形部分と文字部分の間にはスペースが空いており、図形と文字という性質の違いも考慮すると、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものであり、構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
そして、本願商標の構成中、図形部分は、特定の意味を表すものとして看取されるとはいえないから、本願商標の指定商品又は指定役務との関係において、取引者、需要者に商品又は役務の具体的な品質・質等を表すものとして認識させるものではなく、特定の称呼及び観念が生じるものではない。
一方、本願商標の構成中、文字部分は、ややデザイン化しているとしても、「sanko」の欧文字であることが明らかであるから、「sanko」の文字部分から「サンコ」、「サンコー」の称呼が生じ、当該文字は辞書等に記載のない造語であるから、特定の観念は生じない。
そうすると、図形部分と文字部分には、観念上の繋がりも認められないから、図形部分と文字部分が、それぞれ独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
以上から、本願商標は、構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく、それぞれ独立して商品又は役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである中で、文字部分は大きく目立つように表示されていることを考慮すると、本願商標の「sanko」の文字部分だけを取り出して、引用商標と比較し、その類否を判断することが許されるものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、別掲3(1)のとおり、上段に「三晃金属工業株式会社」の文字を、下段に大きく「Sanko」の文字(一部を赤く彩色している。)を表してなるところ、上段の文字と下段の文字は、重なり合うこともなく、漢字と欧文字という異なる文字種で表されていることから、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものであり、構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
そして、下段の文字は上段の文字の4ないし5倍ほどの大きさで記載されていることも考慮すると、下段の「Sanko」の文字は、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
そうすると、引用商標1は、下段の「Sanko」の文字から、「サンコ」、「サンコー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲3(2)のとおり、青い縦長長方形の内部に、白抜きで三角形(内部に目、鼻、口を思わせるように図形を配してなる。)を内包する円(円周に花びら様の装飾がある。)からなる図形を表し、円の下弦部分に「SANKO」の欧文字を配してなるところ、文字部分は図形部分に埋没することなく、明りょうに認識できるものであり、構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
そして、図形部分は、特定の意味を表すものとして看取されるものとはいえず、特定の称呼及び観念が生じるものではなく、図形部分と文字部分には、観念上の繋がりも認められないから、図形部分と文字部分が、それぞれ独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると、引用商標2は、「SANKO」の文字部分から、「サンコ」、「サンコー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
ウ 引用商標3及び引用商標7について
引用商標3及び引用商標7は、別掲3(3)及び(7)のとおり、青色の平行線の間に、半円様の図形を組み合わせた図形部分とその右側の上段に「SANKO」の文字を、下段に同じ幅に収まるようにやや小さく「ELECTRONICS」の文字を配してなるところ、その構成中、図形部分は、特定の意味を表すものとして看取されるものとはいえないから、引用商標3及び引用商標7の指定役務との関係において、取引者、需要者に役務の具体的な質等を表すものとして認識させるものではなく、特定の称呼及び観念が生じるものではない。
そして、文字部分は、上段の「SANKO」の文字が大きく明りょうに表されており、当該文字は辞書等に記載のない造語と認められる一方で、下段の「ELECTRONICS」の文字は、「電子機器[装置]」等(英辞郎on the WEB)の意味を有するものであるから、引用商標3及び引用商標7の指定役務との関係において、役務の出所識別標識としての機能が弱いものであり、上段の「SANKO」の文字が役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
そうすると、引用商標3及び引用商標7は、「SANKO」の文字部分から、「サンコ」、「サンコー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
エ 引用商標4、引用商標9、引用商標10、引用商標17及び引用商標20について
引用商標4及び引用商標20は、別掲3(4)及び(18)のとおり、「SANCO」の欧文字を、引用商標9は、別掲3(9)のとおり、「sanko」の欧文字を、引用商標10及び引用商標17は、別掲3(10)及び(16)のとおり、「SANKO」の欧文字を表してなるものである。
引用商標4、引用商標10及び引用商標17の構成文字のうち「A」の文字は、ややデザイン化されており、引用商標17は、「ANK」の文字の上に、左下から右上に薄い青色の斜線図形を配してなるが、それぞれ「SANCO」又は「SANKO」の文字であることは明らかである。
そうすると、「SANCO」、「sanko」又は「SANKO」の文字部分から「サンコ」、「サンコー」の称呼が生じ、当該文字は辞書等に記載のない造語と認められるから、特定の観念は生じない。
オ 引用商標5について
引用商標5は、別掲3(5)のとおり、青い雫様の図形の下に「SANCO」の文字を配してなるところ、図形部分と文字部分の間にはスペースが空いており、図形と文字という性質の違いも考慮すると、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものであり、構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
そして、その構成中、図形部分は、特定の意味を表すものとして看取されるものとはいえないから、引用商標5の指定役務との関係において、取引者、需要者に役務の具体的な質等を表すものとして認識させるものではなく、特定の称呼及び観念が生じるものではない。
そして、図形部分は、特定の称呼及び観念が生じるものではなく、図形部分と文字部分には、観念上の繋がりも認められないから、図形部分と文字部分が、それぞれ独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると、引用商標5は、「SANCO」の文字部分から、「サンコ」、「サンコー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
カ 引用商標6について
引用商標6は、別掲3(6)のとおり、赤い横長の六角形の枠の中に「サンコー」の片仮名を配してなるところ、当該文字は辞書等に記載のない造語と認められるから、特定の観念は生じない。
そして、赤い横長の六角形の枠は、文字部分の装飾や背景として看取、認識されるものである。
そうすると、引用商標6は、「サンコー」の文字部分から、「サンコー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
キ 引用商標8、引用商標11及び引用商標13について
引用商標8、引用商標11及び引用商標13は、別掲3(8)、(11)及び(13)のとおり、「三興」又は「三光」の漢字を表してなるところ、当該文字は辞書等に記載のない造語と認められるから、特定の観念は生じない。
そうすると、引用商標8、引用商標11及び引用商標13は、当該文字から「サンコー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
ク 引用商標12について
引用商標12は、別掲3(12)のとおり、左上の隅に赤色を施した黒い横長長方形の中に、「SUNCO」の文字を配してなるところ、当該文字は辞書等に記載のない造語と認められるから、特定の観念は生じない。
そして、左上の隅に赤色を施した黒い横長長方形は、文字部分の装飾や背景として看取、認識されるものである。
また、引用商標12の構成文字のうち「C」の文字は、ややデザイン化してあるが、「SUNCO」の文字であることは明らかである。
そうすると、引用商標12は、「SUNCO」の文字部分から、「サンコ」、「サンコー」、「スンコ」又は「スンコー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
ケ 引用商標14及び引用商標15について
引用商標14は、別掲3(14)のとおり、緑色の茎が付いた3枚の葉の図形の右側に「SANKO」の文字を表してなり、引用商標15は、別掲3(15)のとおり、引用商標14と同じ構成の下に「PRO」の文字をやや小さく付加してなるものであるところ、図形部分と文字部分の間にはスペースが空いており、図形と文字という性質の違いも考慮すると、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものであり、構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
そして、その構成中、図形部分は、緑色の茎が付いた3枚の葉の図形であることは認識させるものの、特定の称呼及び観念が生じるものとまではいえないから、図形部分と文字部分には、観念上の繋がりは認められず、また、引用商標14及び引用商標15の指定商品との関係において、取引者、需要者に商品の具体的な品質等を表すものとして認識させるものではないから、図形部分と文字部分が、それぞれ独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
また、引用商標14及び引用商標15の「SANKO」の構成文字のうち「K」の文字は、ややデザイン化してあるが、「SANKO」の文字であることは明らかである。
さらに、引用商標15の下段の「PRO」の文字は、「プロの」等(英辞郎on the WEB)の意味を有するものであり、引用商標15の指定商品との関係において、それが「プロ向け」、「プロ仕様」であることを表すものと理解されるから、商品の出所識別標識としての機能が弱いものであり、上段の「SANKO」の文字が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
そうすると、引用商標14及び引用商標15は、「SANKO」の文字部分から、「サンコ」、「サンコー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
コ 引用商標18について
引用商標18は、別掲3(17)のとおり、雲を背景にした人物の図形(人物が持つ布様の図形の上部に小さく「FUJINKUN」と表示されている。)の下に、三角図形、その右側に「sanko」の文字(「s」の文字は筆記体である。)を配してなり、上段の人物の図形の両足が、下段の「sanko」の文字の上に乗るかのように看取されるものである。
そして、上段の人物の図形は、その様子が象徴的な態様又は具体的行動を表現したものとは看取できず、また、特定のキャラクター等の主体を表したものとは見受けられないから、当該図形中に配された「FUJINKUN」の文字から、「フジンクン」の称呼が生じるものの、当該図形からは、特定の観念は生じない。
一方で、下段の「sanko」の文字部分は、図形部分が接しているかのように看取されるものの、文字部分が図形部分に埋没することなく、明りょうに認識できるものである。
また、下段の三角図形からは、特定の称呼及び観念は生じない。
そうすると、上段の人物の図形と下段の「sanko」の文字、又は、下段の三角図形と「sanko」の文字には、観念上の繋がりも認められないから、図形部分と文字部分が、それぞれ独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
したがって、引用商標18は、「sanko」の文字部分から、「サンコ」、「サンコー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標と引用商標1ないし3、7、9、10、14、15、17及び18の類否について
本願商標と引用商標1ないし3、7、9、10、14、15、17及び18は、その全体構成において相違があるものの、いずれもその構成文字、要部又は独立して商品・役務の出所識別標識としての機能を果たし得る文字部分が、「Sanko」、「SANKO」又は「sanko」であり、大文字と小文字の相違があるとしても、全ての綴りを同じくするものであるから、外観から受ける印象は近似しており、外観上、類似する。
また、称呼においては、「サンコ」、「サンコー」の称呼を共通にする。
さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じない。
そうすると、本願商標と引用商標1ないし3、7、9、10、14、15、17及び18の構成文字、要部又は独立して商品・役務の出所識別標識としての機能を果たし得る文字部分とは、観念において比較できず、外観において類似し、称呼を共通にするものであるから、これを同一又は類似の商品又は役務に使用した場合、商品又は役務の出所につき混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
イ 本願商標と引用商標4、5、12及び20の類否について
本願商標と引用商標4、5、12及び20は、その全体構成において相違があるものの、いずれもその構成文字又は独立して商品・役務の出所識別標識としての機能を果たし得る文字部分が、「sanko」、「SANCO」又は「SUNCO」であり、大文字と小文字の相違、「k」と「C」の相違、「a」と「U」の相違があるとしても、いずれもローマ字読みすると、「サンコ」、「サンコー」と発音されることを考慮すると、外観から受ける印象は近似しているといえる。
また、称呼においては、「サンコ」、「サンコー」の称呼を共通にする。
さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じない。
そうすると、本願商標と引用商標4、5、12及び20の構成文字又は独立して商品・役務の出所識別標識としての機能を果たし得る文字部分とは、観念において比較できず、外観において近似し、称呼を共通にするものであるから、これを同一又は類似の商品又は役務に使用した場合、商品又は役務の出所につき混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標6の類否について
本願商標と引用商標6は、その全体構成において相違があるものの、商標の使用においては、欧文字と片仮名を相互に変換して表記することも普通に行われていることから、これらの外観上の差異が、看者に対し、強い印象を与えるとまではいえない。
また、本願商標と引用商標6は、「サンコー」の称呼を共通にする。
さらに、本願商標と引用商標6は、いずれも特定の観念を生じない。
そうすると、本願商標と引用商標6とは、観念において比較できず、称呼を共通にするものであり、外観上の差異が、看者に対し、強い印象を与えるとまではいえないから、これを同一又は類似の商品又は役務に使用した場合、商品又は役務の出所につき混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標と引用商標8、11及び13の類否について
本願商標と引用商標8、11及び13は、欧文字と漢字という外観上の相違がある。
また、本願商標と引用商標8、11及び13は、「サンコー」の称呼を共通にする。
さらに、本願商標と引用商標8、11及び13は、いずれも特定の観念を生じない。
そして、商標の使用においては、観念が生じない場合、欧文字は、その音に当たるいかなる漢字にも変換し得ることになり、本願商標の欧文字が、必ずしも引用商標8、11及び13のように変換して表記されるとはいえないから、外観上の相違が強い印象を与えるものである。
そうすると、本願商標と引用商標8、11及び13とは、観念において比較できず、称呼を共通にするものであるものの、外観上の差異が、看者に対し、強い印象を与えるというべきであるから、本願商標と引用商標8、11及び13は、非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願商標の指定商品及び指定役務と各引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定商品及び指定役務は、各引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務を含むものである。
例えば、本願商標の指定商品中、第9類「測定機械器具」は、引用商標17の指定商品中、第9類「測定機械器具,自動調節機械器具,指示計器類」と同一又は類似であり、本願商標の指定商品中、第9類「電子出版物」は、引用商標17の指定商品中、第9類「電子出版物,ダウンロード可能な定期的に発行される電子出版物」と同一又は類似である。
本願商標のその他の商品及び役務についても同様に、各引用商標の指定商品又は指定役務に同一又は類似の商品又は役務が含まれている。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標には、甲第1号証のとおりのコンセプトがあり、甲第2号証に示すように使用されているから、本願商標を構成する図形と文字は一体であり、特定の観念が生じないとはいえない旨主張する。
しかしながら、請求人が本願商標の採択においてコンセプトを設定しているとしても、本願商標の構成中、図形部分は、特定の意味を表すものとして看取されるとはいえず、「sanko」の文字は、辞書等に記載のない造語と認められるから、本願商標からは、特定の観念は生じないと判断するのが相当である。
また、本願商標の構成において、「sanko」の文字部分だけを取り出して、引用商標と比較し、その類否を判断することが許されるものであることは、上記(1)のとおりであり、このことは、甲第2号証に示される使用の状況によっても左右されない。
イ 請求人は、本願商標の図形部分と文字部分が一蓮托生であり、広く使用され、周知性を確保している旨主張する。
しかしながら、甲第3号証によっても、本願商標の図形部分と文字部分が常に一体としてのみ認識されるといえるほど、本願商標が周知であると認めることはできない。
ウ 請求人は、引用商標の中に、併存登録されているものがあるから、拒絶査定の判断に矛盾が生じている旨を主張する。
しかしながら、商標登録の可否は、商標の構成、指定商品・役務、取引の実情等を踏まえて、商標ごとに個別に判断すべきものであって、各引用商標の中に、併存登録されているものがあったとしても、本願商標が当然に登録されるべきものと解することはできない。
なお、引用商標4ないし6は、いずれも商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則5条1項による使用に基づく特例の適用を主張して登録出願され、互いに重複する商標として登録されたものである。
エ したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標は引用商標1ないし7、9、10、12、14、15、17、18、20と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務は、前記各引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-006254