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商標異議申立

2024-900181

サーブプロ、セルブプロ

審判番号
2024-900181
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-048275
登録番号
6819878
請求日
2024年09月09日
審決日
2025年07月23日
公報発行日
2025年08月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社Warranty technology
  • 【異議申立人】サーブプロ インテレクチュアル プロパティー インコーポレイテッド
  • 【異議申立人代理人】▲吉▼田 和彦
  • 【異議申立人代理人】中村 稔
  • 【異議申立人代理人】田中 伸一郎
  • 【異議申立人代理人】藤倉 大作
  • 【異議申立人代理人】相良 由里子
  • 【異議申立人代理人】石戸 孝
審判長/審判官
  • 審判長 大島 勉
  • 審判官 真鍋 伸行
  • 審判官 大島 康浩
分類
T1651.261-Y (W093536374245) / T1651.262-Y (W093536374245) / T1651.263-Y (W093536374245) / T1651.264-Y (W093536374245) / T1651.222-Y (W093536374245)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第19号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6819878号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6819878号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6819878号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和5年5月2日に登録出願、「建築物の窓ガラスの修理又は取付工事,錠前・シリンダー錠の交換,錠前の取り付け工事・交換・取り替え・修理,給排水管の修理又は保守,ガス湯沸かし器の出張修理又は出張保守,家庭用ワインセラーの出張修理又は出張保守,加熱器の出張修理又は出張保守,調理台の出張修理又は出張保守,流し台の出張修理又は出張保守,家庭用給湯器の出張修理又は出張保守」を含む第37類、第9類、第35類、第36類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同6年6月12日に登録査定され、同年7月2日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標について引用する商標は、以下のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 国際登録第1359737号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:SERVPRO 国際商標登録出願日:2017年(平成29年)6月2日 設定登録日:平成30年7月13日 指定役務:第37類及び第40類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務 なお、引用商標1の指定役務は、令和4年5月2日になされた指定役務の一部について、同5年11月7日に商標登録を取り消すべき旨の審決が確定され、同月30日にその確定審決の登録により、最終的に別掲2のとおりの指定役務になったものである。 2 国際登録第1365610号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:別掲3のとおり 国際商標登録出願日:2017年(平成29年)6月2日 設定登録日:平成30年9月7日 指定役務:第37類及び第40類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務 なお、引用商標2の指定役務は、令和4年5月2日になされた指定役務の一部について、同5年11月7日に商標登録を取り消すべき旨の審決が確定され、同月30日にその確定審決の登録により、最終的に別掲2のとおりの指定役務になったものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第40号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、申立人の引用商標1及び引用商標2に類似し、かつ、本件商標の第37類の指定役務は、引用商標の第40類の指定役務と抵触するから、本件商標の登録は、第37類の指定役務について取り消されるべきである。 (1)本件商標と引用商標の類似 本件商標は、図形と「SERVPRO」の英文字の結合からなるが、「SERVPRO」の英文字が、前記図形とは別個に、本件商標の独立の要部として認識されることは明らかである。 他方、引用商標1は、本件商標中の上記英文字と全く同じ「SERVPRO」(のみ)からなる。したがって、本件商標と引用商標1の称呼は、両商標中の英文字「SERVPRO」より生じる称呼「サーブプロ」で、全く同一である。 そうすると、両商標は、称呼において類似する商標である。また、引用商標2も、その構成中の図形の中に顕著に表示された、本件商標中の同一の英文字「SERVPRO」より「サーブプロ」と称呼され、本件商標と全く同一の称呼が生じる。 したがって、引用商標2も本件商標と、称呼において類似する。 本件商標は、その構成中の「SERVPRO」の英文字が独立の要部として認識され、この英文字は、引用商標1の英文字と全く同一であるから、両商標は、外観においても類似する。また、引用商標2も、その構成中の図形の中に「SERVPRO」の英文字が顕著に表示されて、この英文字が商標中独立の要部として認識されるから、本件商標と引用商標2も、それらの要部「SERVPRO」の英文字について、外観において類似する。 したがって、本件商標は引用商標とは外観においても類似する。 それゆえ、本件商標と引用商標とは称呼及び外観において類似する商標である。 (2)引用商標の指定役務と本件商標の指定役務の類似 ア 引用商標の第40類の指定役務中の「Mold remediation services,namely restoration of mold contaminated real and tangible property to its condition proior to contamination by mold(かびからの救済(措置)に関する役務の提供、すなわちカビで汚染された土地・建物及び有形資産のカビに汚染される以前の状態への修復)」の指定役務が、本件商標の第37類の指定役務に抵触(同一・類似)する。 イ ここで、引用商標の上記指定役務(なお、以下、この指定役務を、便宜上、J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)での和訳の表示、「かびからの救済(措置)に関する役務の提供、すなわちカビで汚染された土地・建物及び有形資産のカビに汚染される以前の状態への修復」に基づいて説明する。)を、(カビで汚染される以前の状態への)修復の対象となる(A)「土地・建物」に関するものと(B)「有形資産」に関するものの2つに分けて、本件商標の第37類の指定役務との抵触関係を主張する。 (A)の「カビで汚染された土地・建物のカビに汚染される以前の状態への修復」は、カビの汚染の程度が重い建物は、カビ汚染で傷んだ箇所の修復、例えば、該当汚染(損傷)箇所の取り壊し、床材の補強・取り換え、壁紙の張替え、壁の塗装等の建物の修復を含む。このような建物の修復は、特許庁編「類似商品・役務審査基準」での「37A01」の類似群の役務に属する。J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)の指定役務検索でも、「建物の修繕及び修理(Renovation and restoration of buildings)」は、37A01の類似群に属する、とされている。また、同検索で、「建築物の火災事故等による損傷の修復・補修工事」も、37A01の類似群に属する、とされている。 これに関し、実際、申立人の事業でも、カビからの救済に関しては、カビ被害(汚染・損傷)程度の段階に応じた救済が行われており、その中には、類似群37A01に属する役務が含まれている(甲18~甲21)。また、日本のカビ対策・救済の同業者も、上記類似群37A01に属する役務を提供している(甲22、甲23)。 他方、本件商標の第37類の指定役務中では、申立人が認識できる範囲では、少なくとも「建築物の窓ガラスの修理又は取付工事」及び「錠前の取り付け工事」が「37A01」の類似群に属する。 したがって、引用商標の上記(A)の指定役務は、本件商標の第37類の指定役務中、上記のような37A01の類似群の指定役務と抵触(同一・類似)する。 (B)の「カビで汚染された有形資産のカビに汚染される以前の状態への修復」は、カビで汚染されて損傷・故障してしまった有形資産をカビで汚染される以前の状態にまでに修復・修理することを意味する。ここで、「有形資産」には、各種機械器具、家具等の各種室内装飾用品等が含まれる。 したがって、修復対象を「有形資産」という包括表示で表される上記(B)の指定役務は、本件商標の第37類の指定役務中の含まれる「具体的に表示されたあらゆる機械器具の出張修理(又は修理)又は出張保守(又は保守)」及び「錠前・シリンダー錠の交換・取り換え、錠前の交換・取り換え・修理」と抵触(同一・類似)する。 なお、引用商標の上記(A)及び(B)の指定役務が第40類に登録されていることは、これらの役務が本件商標の第37類の指定役務に抵触(同一・類似)することを否定するものではない。上記(A)及び(B)の指定役務の(本来)正しい商品区分は第37類であり、この指定役務の類似群は本件商標の第37類の指定役務の類似群に抵触するものである。このことは、申立人が上記引用商標の商品区分・指定商品をそのまま使用(表示)した新出願(商願2023-58300)をしたところ、この新出願で使用表示した第40類の指定役務が全て、審査で発送された拒絶理由通知書で、第37類に属する役務であると判断されたことからも明らかである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 2 商標法第4条第1項第19号について (1)本件商標が、申立人(事業グループ)の業務にかかる役務を表示して外国(米国・カナダ)における需要者に広く認識されている(以下「周知」という。)商標である「SERVPRO」の文字商標とこの英文字を含むロゴ商標について ア 申立人の商標が米国・カナダでの周知商標であることについて 申立人は、甲第34号証の「SERVPRO事業体構成図(2023年1月1日現在)」が示すように、「Common Parent Holdings,LLC」を筆頭親会社とするSERVPRO事業体グループの一員である。主に、フランチャイズ業務(フランチャイザー)は、米国では、SERVPRO INDUSTRIES LLC,SERVPRO FRANCHISOR,LLC カナダでは、SERVPRO INDUSTRIES(CANADA)ULCによって行われている(以下「SERVPRO事業体」という。)。 SERVPRO事業体は、米国とカナダにおける火災・水害・カビの清掃及び修復のフランチャイズのフランチャイザーである。このフランチャイズの事業システムは、地域に適したサービスと大規模な災害復旧を提供している。本社は、テネシー州ギャラティンにある。SERVPRO事業体が提供するサービスには、「SERVPRO」の文字商標と、オレンジ色の家の抽象図形の中に「SERVPRO」の文字を主体的に表示したロゴ商標(以下「SERVPRO商標」という。)が、ハウスマークとして永年にわたり、米国・カナダで広範に使用されている。 SERVPRO事業体は、住宅用及び商業用の水・火災・カビ(被害)の清掃及び修復サービスを提供している。多くのフランチャイズが、バイオハザード(生物災害)のクリーンアップ、ドキュメントの修復、電子機器の修復、ドライクリーニング、建設などの専門サービスを提供している。 イ 沿革・発展の歴史 1967年、T氏とD氏は、米国カリフォルニア州サクラメントで塗装会社としてServpro Industriesを設立した。清掃と修復のバックグランドを持つ彼らは、会社を清掃と修復のスペシャリストのフランチャイザーに変えた。1969年に最初のフランチャイズを設けた後、SERVPRO事業体は成長を続け、高い評価を得て米国で全国的なフランチャイズを展開した。1988年、本社をサクラメントからテネシー州ギャラティンに移転し、移転当時、647のフランチャイズで構成されており、2000年には1000番目のフランチャイズに達した。 さらに、2005年、Servpro本社は1万3,000平方メートルの施設に移転し、2014年には、20万平方メートルに拡張された。2015年以降、The Tennesseanは、2024年を含む8回、Servproをテネシー州のトップワークプレイスの一つに挙げている。 2024年現在、SERVPRO事業体は、米国とカナダの2,250のフランチャイズで構成されるに至っている。 ウ 事業の内容と規模(大規模な災害復旧) 多数の比較的小規模(フランチャイジーの各個は比較的小規模であるという意味)なフランチャイズ構造にもかかわらず、Servproは、2005年のハリケーン(カトリーナ)と2008年のハリケーン(アイク)後の大規模な企業や政府の契約を含む大規模な災害に対応する能力と組織能力を持っている。2010年のテネシー州の洪水の後、政府、商業団体、および多数の世帯によって排水と修復を請け負った。同様に、SERVPRO事業体は、2012年のハリケーン(サンデイ)の復旧と再建に携わった(甲4、甲5、甲17、甲35~甲40)。 ごく最近では、2024年9、10月に上陸した各ハリケーン(ヘリーンとミルトン)の修復と復旧にも取り組んでいる(甲6)。また、上記各ハリケーンの被害者救済のための災害救援基金を設けている(甲7)。 エ 企業ランキング 2023年のフランチャイズ業界の中から選ぶ「2024フランチャイズ500ランキング」では、Servproは、11位に挙げられ(甲8)、また、「2024トップグローバルフランチャイズランキング」では、31位に挙げられた(甲9)。 上記「2024フランチャイズ500ランキング」では、Servproは、最近、名誉あるフランチャイズ500の殿堂入りを果たし、38年連続でフランチャイズ500ランクインして、2023年には、16位にランクインした(甲12)。また、「8つのベスト水害修復サービス(業者)(2024)」の比較評価では、Servproは、5つ星中5つ星の満点で、最高位の評価を得た(甲10)。さらに、SERVPRO事業体は、「Customer Services Champion2024」の一人に選ばれ、5つ星のうち4つ星半の評価を受け、修復業界では唯一リストに含まれる企業となった(甲11)。 オ スポンサー SERVPRO事業体は、2018年からカレッジフットボールのファーストレスポンダーのタイトルスポンサーであったが、2026年まで延長することを決めた(甲12)。また、SERVPRO事業体は、2024年2月1日から、全米女子プロゴルフ協会のオフィシャアルパートナーとして提携した(甲13)。このようなスポンサーとしても、SERVPRO事業体は、その存在価値を知らしめ、SERVPRO商標の広告効果を高めた。 カ 本人広告 各地域のフランチャイズごとに、地域に対応したホームページを立ち上げ、その事業の紹介・広告を行っている(甲5、甲14~甲16、甲18~甲21、甲24)。また、その事業に常に使う(出張)自動車の全てに、上記ロゴマークを表示・使用して(甲6、甲16及び甲17)、広範かつ頻繁に知らしめている。 したがって、SERVPRO商標が、SERVPRO事業体の事業である、災害からの不動産・有体資産の清掃・修復、および建設の大手フランチャイズ企業の(略称及び)商標として、少なくとも、引用商標の出願日のはるか以前から、米国・カナダで周知であることが明らかである。 キ 本件商標が引用商標に類似することは、前記のとおり、称呼及び外観において類似する商標である。 (2)本件商標権者が本件商標を不正の目的をもって使用するものであることについて 不正の目的とは、図利目的・加害目的をはじめとして取引上の信義則に反するような目的を言う(審査基準・便覧)。ここで、本件商標権者と申立人との関係、本件商標権者の不正の目的について述べると以下のとおりである。 本件商標権者は、本件商標とは「SARVPRO」の文字が異なるのみの構成からなる商願2022-40759号の出願をした(甲30)。その登録について申立人との交渉が進んでおり(甲31)、しかも、その交渉は契約書に両当事者が署名する段階にまで至っていた。 しかしながら、その時に至って、突如、本件商標権者は申立人に対して、上記「SARVPRO」を「SERVPRO」に変更した商標も登録したい、という申し出をしてきた。申立人は、上記変更される「SERVPRO」は、申立人の商標と全く同一の文字構成の商標であり、このような申し出は受け入れられず、上記交渉はついに終了することとなった。その際、申立人は、本件商標権者の申し出は、通常、到底納得できるものではないし、申し出に疑問・不審を覚えたので、出願人に「なぜ「SERVPRO」の商標も登録することにしたのか」を問うたが明瞭な返事は得られなかった。 その後、本件商標権者がすぐに本件商標の登録出願を提出して登録に至ったのである。これに関し、本件商標権者は、上記先願商標の拒絶査定(2023年8月30日発送)を見送ることにより先願商標を放棄して(甲32)、本件商標のみの出願を遂行して登録を得ている。このことは、本件商標権者が、先の出願の商標(「SARVPRO」のもの)から本件商標(「SERVPRO」のものに)に意図的に乗り換えたことを意味する。特に、上記当事者間の交渉があったことからすれば、本件商標権者が、申立人の商標「SERVPRO」に起因・着眼して、本件商標を出願したことが明らかである。 本件商標権者のこの商標の乗り換えには、本件商標権者の申立人の商標にあやかろうとした意図がうかがい知れ、これが、先述した申立人との交渉のほぼ最終段階で、すなわち、申立人との交渉による相当程度の信頼関係が形成され実行されていた段階の直後にされた出願であることを考慮すると、本件商標は、取引上の信義則に反する目的のもとに出願されたといえるものである。 また、本件商標権者のその商標の乗り換えは、本件商標権者の上記先出願商標の文字「SARVPRO」よりも、申立人の文字商標と同一の文字「SERVPRO」の方が提供役務の識別標識(商標)としては優れているからだと考えられる。さらに、申立人の商標「SERVPRO」の語は、提供役務(特に出張提供役務)を暗示するに優れた造語であり、この語が申立人グループの商標・略称以外に使用されている事実も見いだせないから(甲33)、商標としての機能は強く発揮する優れた商標といえるものだからと考えられる。 したがって、本件商標は不正の目的をもって使用するものに該当するから、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標と引用商標の類否について 本件商標は、別掲1のとおり、青色を基調とした濃淡のある略円形状の図形の下部に「SERVPRO」の欧文字を横書きした構成からなるところ、文字部分と図形部分の両者をあわせた構成全体で特定の称呼及び観念を生ずるなど両者を常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情を見いだすことはできないことからすれば、文字部分及び図形部分は独立して自他商品及び自他役務の識別標識の機能を果たすべきとみるのが相当である。 そうすると、本件商標は、その文字部分に相応して「サーブプロ」の称呼が生じ、当該文字は、辞書等に掲載が認められないものであるから、特定の観念は生じない。 他方、引用商標1は、「SERVPRO」の欧文字を表してなるものであり、また、引用商標2は、別掲3のとおりの黒塗りの家の抽象的な図形内に「SERVPRO」の欧文字を白抜きで表してなるところ、その文字部分は図形内に顕著に表され、また、図形部分は家を表す抽象的な図形であるため、当該文字部分が、取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められることからすると、引用商標の構成文字に相応して「サーブプロ」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に掲載が認められないものであるから、特定の観念は生じない。 したがって、本件商標と引用商標は、ともに特定の観念が生じないものの、同一の構成文字からなり、「サーブプロ」の称呼を生じるから、両者は、その外観及び称呼において相紛れるおそれのある類似の商標である。 (2)本件商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について ア 本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は、前記第1及び第2のとおりであるところ、申立人は、引用商標の指定役務中、第40類「Mold remediation services,namely restoration of mold contaminated real and tangible property to its condition proior to contamination by mold(かびからの救済(措置)に関する役務の提供、すなわちカビで汚染された土地・建物及び有形資産のカビに汚染される以前の状態への修復)」と本件商標の第37類の指定役務とは、同一又は類似する役務である旨主張している。 イ しかしながら、本件商標の第37類の指定役務(以下「本件指定役務」という。)は、建築工事サービスをはじめ、機械器具等の修理又は保守に関するサービスを含むものであり、一般的に、修理及び保守の対象商品は、電気通信機械器具、民生用電気機械器具等の機械器具であり、それら商品の修理・保守は当該商品に関する高度な専門的知識、技術又は経験を有する者によって提供される役務である。 すなわち、建築工事サービス及び機械器具等の性能を回復、修理を行う役務を提供することが目的である。 また、当該役務は、建築工事又はそれら機械器具等の性能の回復、修理を必要とする企業や一般の需要者が対象となる。 他方、引用商標の第40類の指定役務(以下「引用指定役務」という。)は、主に、カビを取り除く専門業者が請け負うサービスであり、作業内容等により、カビを取り除くことに適した薬剤を使用など、カビの除去に関する専門的な知識や技術を有する事業者により提供される役務である。 すなわち、カビの繁殖により汚れた建物の外壁や内装、調度品等のカビの除去又は防カビ処理を提供することが目的である。 また、当該役務は、建物の外壁、内装及び調度品等に繁殖したカビを除去又は防カビ処理を必要とする企業や一般の需要者が対象となる。 ウ 上記イからすれば、申立人主張の両者の指定役務は、需要者が一致する場合があるとしても、両者の目的は、本件指定役務が建築工事及び機械器具等の性能を回復、修理を行う役務を提供することであるのに対し、引用指定役務は、カビの除去又は防カビ処理に関する役務であるから、これらは本質的に異なる役務であるということができ、また、両者の役務において必要となる専門的な知識や技術も異なることから、役務の提供の手段、業種、提供する事業者という観点からも両者は異にするものである。 エ 小括 したがって、本件商標と引用商標が類似するものであるとしても、本件商標の本件指定役務は、引用商標の引用指定役務とは同一又は類似の役務とはいえないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第19号該当性について (1)引用商標の周知著名性について 申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。 ア 申立人は、米国テネシー州に本部を置き、米国とカナダにおける火災・水のクリーンアップ・カビの清掃及び修復等のフランチャイズのフランチャイザーである(甲4)。 イ SERVPROの歴史(甲5、掲載日不明)には、本社は、2005年にテネシー州ギャラティンに移転し、ビルの壁面には、色彩において異なるが、引用商標2と同一の構成からなるオレンジ色の家の抽象的な図形の中に「SERVPRO」の文字を白抜きしたものが表示されている。また、1967年に、米国カリフォルニア州サクラメントで塗装事業としてスタートし、短期間のうちに清掃と修復のバックグランドを活用し、清掃と修復業界でフランチャイズを提供することで会社を成長させた旨記載されている。 ウ 2024年10月28日出力の各種ウェブサイトにおけるSERVPROに関する記事は、本件商標の登録査定後のもの(甲6、甲7、甲10、甲11、甲14)及び本件商標の登録出願後のもの(甲12、甲13、甲18、甲19、甲21)、掲載日が確認できないもの(甲5、甲16、甲17、甲20、甲24)であって、本件商標の登録出願前の記事は、「イーストン、ベツレヘム、ホワイトホールのSERVPRO」(2018年9月11日:甲15)のみである。また、これらのウェブサイトには、色彩は異なるものの、引用商標2と同一の構成からなるオレンジ色の図形の中に「SERVPRO」の文字を白抜きしたものが表示されている。 エ Entrepreneur.comのウェブサイト(掲載日不明)の「2024フランチャイズ500ランキング」には、ランク11に、引用商標2と同一の構成からなるオレンジ色の図形の中に「SERVPRO」の文字を白抜きしたものが表示され(甲8)、同ウェブサイトの「2024年トップグローバルフランチャイズランキング」には、ランク31に同様の商標が表示されている(甲9)。 オ 以上アないしエによれば、申立人は、1967年に、米国カリフォルニア州で塗装事業としてスタートし、清掃と修復業界でフランチャイズを提供してきている。そして、申立人は、2024年の「フランチャイズ500ランキング」及び「トップグローバルフランチャイズランキング」において、上位に位置しており、米国において、フランチャイズとしては、一定程度知られているといえるものの、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標を使用した役務についての売上高・市場シェア、広告の方法・範囲等の具体的な証拠がないことから、申立人の主張及び同人提出の証拠によっては、引用商標が申立人の業務に係る役務について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国、米国及びカナダの取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができない。 (2)本件商標と引用商標とは、類似の商標であったとしても、上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国、米国及びカナダの需要者等の間に広く認識されているものとはいえない。 さらに、申立人の提出に係る証拠からは、本件商標が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものであると認めるに足りる具体的事実は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 3 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第19号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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