商標拒絶査定不服審判
2023-004617
ビタル、バイタル
- 審判番号
- 2023-004617
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-061011
- 請求日
- 2023年03月17日
- 審決日
- 2024年02月20日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 MTG
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T18 .261-Z (W25) / T18 .262-Z (W25) / T18 .263-Z (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-61011拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「VITAL」の文字を標準文字で表してなり、第25類「被服,ヨガ用トップ,ヨガ用ボトム(下衣),ウィンドブレーカー,姿勢矯正機能付き補正下着,男性用下着,スポーツブラジャー,バスローブ,パジャマ,靴下,パンティストッキング,アイマスク,ナイトキャップ,姿勢矯正機能付きベルト,姿勢矯正機能付きバンド」を指定商品として、令和4年5月30日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年10月21日付けで拒絶理由の通知がされ、同年11月22日受付の意見書が提出されたが、同年12月16日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同5年3月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 引用商標
本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5292840号商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成21年4月10日に登録出願、第9類、第14類、第18類、第24類ないし第26類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務(別掲2)を指定商品及び指定役務として、同22年1月8日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標と引用商標とは全体の外観は異なるものの、需要者の目を引く「VITAL」の文字のつづりを共通にし、「バイタル」の称呼及び「生き生きしていること」の観念を共通にすることから、これらを総合的に考察すると、外観における相違の程度が称呼及び観念の共通性を凌駕するほどのものとはいえず、本願商標と引用商標は相紛らわしく、類似する商標であるというべきであり、本願の指定商品と引用商標に係る指定商品は同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定、判断したものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、「VITAL」の文字を標準文字で表してなるものであり、当該文字に相応して「バイタル」の称呼が生じ、これは、「(「生命の」の意)生き生きしていること。活力にあふれていること。」(出典:広辞苑第7版(株式会社岩波書店))を意味するよく知られた英語である。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して、「バイタル」の称呼が生じ、「生き生きしていること。」等の観念が生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲1のとおり、黒地正方形図形(以下「黒正方形」という。)内に、緑かかった黄色で描かれた四角形の枠(以下「枠」という。)を配し、枠内に大きく「vital」の欧文字を横書きし、その下に「monsieur nicole」の欧文字を横書きし、その下に「SINCE 1974」の文字を横書きしてなるところ、「vital」の欧文字、「monsieur nicole」の欧文字及び「SINCE 1974」の文字は、黒正方形内に描かれた枠内に記載されているとしても、これらは、重なることなく配置されていることからすると、各文字はそれぞれが、視覚上、分離して看取、把握され得るものであって、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえないものであり、その構成中の「vital」の欧文字は、視覚上、特に、看者の注意を引く部分であるといえる。
また、本願商標の構成文字全体から生じると認められる「バイタルムッシュニコルシンスイチキュウナナヨン」の称呼は、よどみなく一連で称呼し難いものである。
そして、引用商標の構成中の「SINCE 1974」の文字は、「1974年に創業したこと」のような意味合いを看取させるすぎないことから、当該文字は自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を有さないものであるとしても、その構成中の「vital」の欧文字は、上記(1)のとおり、「(「生命の」の意)生き生きしていること。活力にあふれていること。」を意味する英語であり、その構成中の「monsieur nicole」の欧文字は、「ニコルさん」のような意味合いを看取させることから、引用商標に係る指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質や役務の質等を表示すると判断すべき特別な事情はなく、これらの文字は自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を有するものである。
そうすると、引用商標は、その構成中の「vital」の欧文字及び「monsieur nicole」の欧文字が、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有すると判断し得るものの、その構成態様において、視覚上、看者の注意を引くように大きく顕著に表された「vital」の欧文字を捨象して、「monsieur nicole」の欧文字に着目するとはいい難いことからすると、引用商標は、本願商標との類否を判断するに当たって、「vital」の欧文字を要部として抽出し、この部分のみを本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標は、その構成文字全体に相応して「バイタルムッシュニコルシンスイチキュウナナヨン」の称呼を生じるほか、その構成中の「vital」の欧文字に相応して「バイタル」の称呼が生じ、「生き生きしていること。」等の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、黒正方形の有無等の明らかな差異があることから、これらは外観において相違するが、本願商標を構成する「VITAL」の文字と引用商標の要部と認められる「vital」の欧文字は、いずれも、「V(v)」、「I(i)」、「T(t)」、「A(a)」及び「L(l)」のつづりを共通にすることから、これらは、外観上類似するものである。
次に、称呼においては、本願商標より生じる「バイタル」の称呼と引用商標の構成中の「vital」の欧文字より生じる「バイタル」の称呼は同一であり、称呼を共通にするものである。
そして、観念においては、本願商標及び引用商標の構成中の「vital」より生じる「生き生きしていること。」等の観念は同一であり、観念を共通にするものである。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観において類似し、称呼及び観念を共通にするから、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標に係る指定商品及び指定役務との類否について
本願の指定商品と引用商標に係る指定商品及び指定役務中、第25類「被服」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、同一又は類似の商品及び役務である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似するものを含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張に対する反論
(1)請求人は、審判請求書において、引用商標の構成中の「monsieur nicole」の欧文字は、我が国における被服のブランドとして著名なものであり、取引者、需要者をして商品の出所表示として強く支配的な印象を与えるものであるから、「monsieur nicole」の部分を省略して「vital」の文字部分を独立して看取することはない旨主張する。
しかしながら、引用商標は、その構成中の「vital」の欧文字及び「monsieur nicole」の欧文字が、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有すると判断し得るとしても、その構成態様において、視覚上、看者の注意を引くように大きく顕著に表された「vital」の欧文字を捨象して、「monsieur nicole」の欧文字に着目するとはいい難いことからすると、引用商標は、本願商標との類否を判断するに当たって、「vital」の欧文字を要部として抽出し、この部分のみを本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
(2)請求人は、審判請求書において、「monsieur nicole」は本願商標と同一又は類似する指定商品の取引者、需要者において著名なものであるため、「vital」単体ではなく、「vital monsieur nicole」もしくは「vital monsieur nicole since1974」という形で自他商品の識別標識として機能を果たす旨主張する。
しかしながら、仮に、引用商標の構成中の「monsieur nicole」が、引用商標の権利者が使用する商標であるとしても、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有し、かつ、引用商標において、大きく顕著に表された「vital」の欧文字を捨象する、あるいは、「vital」の欧文字と、「monsieur nicole」の欧文字を常に一体のものと把握しなければならない事情はないと判断するのが相当である。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他の請求人の主張も採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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