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特許拒絶査定不服審判

2023-002041

撮像装置

審判番号
2023-002041
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-204566外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年02月07日
審決日
2024年05月02日
公報発行日
2024年07月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .561-Z (G03B) / P18 .121-Z (G03B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-204566「撮像装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 6月20日出願公開、特開2019- 95782〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年10月31日の出願(優先権主張 平成29年11月24日、以下のこの日付を「優先日」という。)であって、その手続の経緯の概要は、以下のとおりである。 令和 4年 6月23日付け:拒絶理由通知書 同年 8月17日 :意見書、手続補正書の提出 同年11月29日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同年12月 6日 :原査定の謄本の送達) 令和 5年 2月 7日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和5年2月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年2月7日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1) 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。 「【請求項1】 第1表示面を含む可動式の第1の表示装置と、 第2表示面を含む可動式の第2の表示装置と、 接眼検知領域を有し、当該接眼検知領域内に前記第1の表示装置に物体が接近したことを検出し、前記第1の表示装置に設けられた接眼センサと、 前記第1表示面が基準面に対して傾いていることを検出する第1の傾きセンサと、 前記第2表示面が前記基準面に対して傾いていることを検出する第2の傾きセンサと、 前記接眼センサの機能の有効および無効を切り替える制御部とを備え、 前記接眼センサは、前記第1表示面が前記基準面と平行であり、かつ前記第2表示面が前記基準面に対して傾いているときに、前記第2の表示装置の一部が前記接眼検知領域に含まれないように構成されており、 前記制御部は、 前記第1の傾きセンサおよび前記第2の傾きセンサの検出結果に応じて前記接眼センサの前記機能の有効および無効を切り替え、 前記第1表示面が前記基準面と平行であり、かつ前記第2表示面が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを無効に設定し、 前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを有効に設定するように構成された、撮像装置。」 (2) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載 本件補正前の、令和4年8月17日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 第1表示面を含む可動式の第1の表示装置と、 第2表示面を含む可動式の第2の表示装置と、 前記第1の表示装置に物体が接近したことを検出する接眼センサと、 前記第1表示面が基準面に対して傾いていることを検出する第1の傾きセンサと、 前記第2表示面が前記基準面に対して傾いていることを検出する第2の傾きセンサと、 前記接眼センサの機能の有効および無効を切り替える制御部とを備え、 前記制御部は、 前記第1の傾きセンサおよび前記第2の傾きセンサの検出結果に応じて前記接眼センサの前記機能の有効および無効を切り替え、 前記第1表示面が前記基準面と平行であり、かつ前記第2表示面が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを無効に設定し、 前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを有効に設定するように構成された、撮像装置。」 2 本件補正の適否 (1) 本件補正の内容 本件補正は、本件補正前の請求項1の「接眼センサ」との発明特定事項を、「前記接眼センサは、前記第1表示面が前記基準面と平行であり、かつ前記第2表示面が前記基準面に対して傾いているときに、前記第2の表示装置の一部が前記接眼検知領域に含まれないように構成されており、」と補正する補正事項(以下、「本件補正事項」という。)を含むものである。 そこで、本件補正が、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「出願当初の明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものか、以下検討する。 (2) 出願当初の明細書等の記載 出願当初の明細書等には、第1表示面が基準面と平行であり、かつ、第2表示面が基準面に対して傾いているときの撮像装置に関する記載として、以下の記載がある(下線は、特に関連する記載について当合議体が付した。以下同様。)。 ア 特許請求の範囲 「【請求項1】 第1表示面を含む第1の表示装置と、 第2表示面を含む第2の表示装置と、 前記第1の表示装置に物体が接近したことを検出する接眼センサと、 前記接眼センサの機能の有効および無効を切り替える制御部とを備え、 前記制御部は、 前記第1表示面が基準面と平行であり、かつ前記第2表示面が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを無効に設定し、 前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いているときに、 前記接眼センサを有効に設定するように構成された、撮像装置。 【請求項2】 前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いている状態で、前記接眼センサが前記物体の接近を検出したときに、前記制御部は、前記第1の表示装置に画像を表示させる、請求項1に記載の撮像装置。 【請求項3】 前記制御部は、前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いている場合であって、 前記第2の表示面の傾き角度から前記第1の表示面の傾き角度を引いた値が所定値より小さい場合は前記接眼センサを有効に設定し、前記値が前記所定値以上の場合は、前記接眼センサを無効に設定する、請求項1に記載の撮像装置。 【請求項4】 前記第1の表示装置は前記撮像装置の上面に配置され、前記第2の表示装置は前記撮像装置の背面に配置される、請求項1に記載の撮像装置。 【請求項5】 前記第1表示面が前記基準面に対して傾いていることを検出する第1の傾きセンサと、 前記第2表示面が前記基準面に対して傾いていることを検出する第2の傾きセンサと、をさらに備え、 前記制御部は、前記第1の傾きセンサおよび前記第2の傾きセンサの検出結果に応じて前記接眼センサの前記機能の有効および無効を切り替える、請求項1に記載の撮像装置。 【請求項6】 前記撮像装置を背面から見た場合に、前記第1の表示装置は、前記第1表示面と対向する位置に窓を備え、前記接眼センサは、前記窓よりも内側および下側のいずれかに配置される、請求項1に記載の撮像装置。 【請求項7】 前記基準面は、前記撮像装置の光軸に対して垂直な面である、請求項1に記載の撮像装置。」 イ 実施の形態1 「【0010】 (実施の形態1) 以下、本開示の思想をレンズ交換式のカメラシステムに適用した場合の実施の形態について図面を用いて説明する。以下の実施形態では、2つの表示装置を備えたデジタルカメラにおいて、表示装置の切替えに関してユーザの使い勝手の良いデジタルカメラを説明する。 ・・・略・・・ 【0025】 EVF300は、図1、図2に示すようなカメラボディ200に収納された状態をとり得る。ここで、交換レンズ100の光軸Lに対して垂直な面を、基準面とする。EVF300は可動であり、図1、図2に示すような収納状態から、図5、図6に示すように、基準面に対して回転移動して傾いた状態(以下「チルト状態」と称す)に変化し得る。なお、EVF300の表示面320Aが基準面に対してある角度回動するとき、EVF300自体は、カメラボディ200の上面に対して同じ角度回動する。本実施の形態では、EVF300は、カメラボディ200の上面に対して上下方向に0°以上かつ90°以下の角度で回転(チルト)させることができるように、ヒンジ(図示せず)を介してカメラボディ200に取り付けられている。つまり、図5の(A)、図6の(A)の方向を用いて定義すれば、EVF300の表示面320Aは、光軸Lに垂直な状態と、この状態から反時計回りに90度回転した状態との間で回動する。図1、2に示す収納状態にあるときのEVF300の位置をEVF300の基準位置とする。 ・・・略・・・ 【0033】 図2、図3に示すような、LCD230がカメラボディ200内に収納された状態を、LCD230の「収納状態」という。また、図5、図6に示すような、LCD230の表示面230Aがカメラボディ200に対して傾けられた状態を、LCD230の「チルト状態」という。 ・・・略・・・ 【0038】 図7は、本実施の形態のデジタルカメラ10における、EVF300とLCD230の可動状態(つまり収納状態およびチルト状態)と、接眼センサ310の有効および無効との関係を示した図である。図7に示すように、デジタルカメラ10において接眼センサ310は、EVF300の可動状態とLCD230の可動状態の組み合わせに応じて有効または無効に設定される。 【0039】 具体的には、EVF300及びLCD230の双方が収納状態にある場合(可動状態1)、接眼センサ310は有効に設定される。このとき、画像を表示する表示装置として、LCD230が設定され、ユーザはLCD230に表示された画像に対してタッチ操作が可能となる。接眼センサ310が物体の接近を検知したときは、画像を表示する表示装置がLCD230からEVF300に切り替えられる。 【0040】 EVF300が収納状態にあり、かつLCD230がチルト状態にある場合(可動状態2)、接眼センサ310は無効に設定される。このとき、画像を表示する表示装置として、LCD230が設定され、ユーザはLCD230に表示された画像に対してタッチ操作が可能となる。特にLCD230がチルト状態にある場合、ユーザがLCD230に重畳して配置されているタッチパネルを操作する可能性が高いと考えられる。よって、接眼センサ310を無効にすることで、ユーザが接眼センサ310近くでタッチパネルを操作した場合に、接眼センサ310が、タッチ操作をユーザの顔の接近として誤検出することを低減できる。 【0041】 EVF300がチルト状態にある場合(可動状態3、4)、LCD230の状態に依らず、接眼センサ310は有効に設定される。EVF300がチルト状態にある場合、ユーザがEVF300を利用することが期待される。このため、接眼センサ310を有効に設定することで、EVF300への自動切り替えが可能となり、ユーザの利便性を向上できる。例えば、可動状態2から可動状態4に移行した後、接眼センサ310が物体(例えば、ユーザの顔)の接近を検出すると、コントローラ220は、画像を表示させる表示装置をLCD230からEVF300に切り替える。」 「 【図2】 [図:0001411850000001.jpg] 」 「【図3】 [図:0001411850000002.jpg] 」 「【図5】 [図:0001411850000003.jpg] 」 「【図6】 [図:0001411850000004.jpg] 」 ウ 実施の形態2 「【0054】 (実施の形態2) 実施の形態1のデジタルカメラ10は、EVF300が外部に露出した状態でカメラボディ200に取り付けられていた。これに対して、本実施の形態2では、EVF300は、不使用時にはカメラボディ200内に収納されている。以下、カメラボディ200内に収納可能なEVF300を備えたデジタルカメラにおける、接眼センサの有効および無効の設定について説明する。以下では、実施の形態1のデジタルカメラ10と異なる構成および動作について説明する。 ・・・略・・・ 【0059】 EVF300がポップアップした状態でかつチルト状態ではなく、かつ、LCD230がチルト状態である場合(可動状態2)、コントローラ220は、接眼センサ310を無効にする。この場合、LCD230すなわちタッチパネル255がカメラボディ200の背面と平行ではなくなるため、タッチパネル255の上部でユーザ操作があった場合、その操作が接眼センサ310において誤検出される場合がある。そこで、接眼センサ310における誤検出の低減を優先し、接眼センサ310を無効に設定する。」 エ 実施の形態3 「【0068】 (実施の形態3) 実施の形態1では、EVF300及びLCD230がともにチルト状態である場合(図7,図10に示す可動状態4)、接眼センサ310を有効に設定した。これに対して、本実施の形態のデジタルカメラ10では、EVF300及びLCD230がともにチルト状態であっても、EVF300と比べてLCD230が大きく傾けられているときは、接眼センサ310を無効に設定する。たとえば、EVF300にと比べてLCD230が大きく傾けられている場合、接眼センサ310により、LCD230に対するタッチ操作、またはLCD230自体が、ユーザの顔の接近として誤検出される可能性が高くなる。このため、接眼センサ310を無効に設定することで、そのような誤検出を低減する。以下、本実施の形態のデジタルカメラ10の構成、動作について、実施の形態1のデジタルカメラ10と異なる構成および動作について説明する。 【0069】 図12に示すように、本実施の形態のデジタルカメラ10のカメラボディ200は、実施の形態1の構成において、第1の傾きセンサ340に代えて、EVF300の傾き角度θEを検出する第1の角度センサ291を備える。 【0070】 さらに、カメラボディ200は、第2の傾きセンサ290に代えて、カメラボディ200と連結部材234間の角度を検出する第2の角度センサ292と、連結部材234とLCD230間の角度を検出する第3の角度センサ293とを備える。第1~第3の角度センサ291~293は、例えば加速度センサ、ホール素子または磁気抵抗(MR)センサで構成される。第1の角度センサ291を加速度センサで構成する場合、第1の角度センサ291は、例えばEVF300の内部に配置される。EVF300の傾斜角度に応じて加速度センサの重力の方向が異なることから当該傾斜角度に応じた出力が加速度センサからなされる。第2の角度センサ292をホール素子で構成する場合、磁石292Mは、例えば連結部材234の内部に配置され、ホール素子本体292Hは、例えばLCD230が収納状態のときの磁石292Mの配置場所と対向するカメラボディ200の背面側の内部に配置される。同様に第3の角度センサ293をホール素子で構成する場合、磁石293Mは、例えばLCD230の右端上端の内部に配置され、ホール素子本体293Hは、例えばLCD230が収納状態のときの磁石293Mの配置場所と対向するカメラボディ200の背面側の内部に配置される。 【0071】 第2の角度センサ292及び第3の角度センサ293から出力されるアナログ出力値と、当該アナログ出力値と傾斜角度の関係を示すテーブルを用いて傾斜角度が求められる。コントローラ220は、第2の角度センサ292及び第3の角度センサ293からの角度情報に基づき、LCD230の基準面に対する傾き角度θLを算出する。 【0072】 EVF300の傾き角度θEは、EVF300の光軸とカメラボディ200の上面とのなす角度となる。つまり、角度θEは、EVF300の表示面230Aと、光軸L(図4参照)に垂直な基準面との成す角度である。本実施の形態では、角度θEは、0度以上90度以下である。 【0073】 LCD230の傾き角度θLは、LCD230の表示面230Aとカメラボディ200の背面とのなす角度となる。つまり、角度θLは、LCD230の表示面230Aと、光軸Lに垂直な基準面との成す角度である。さらに、表示面230Aが上向きになるようにLCD230が傾けられた場合、LCD230の傾き角度θLは図12に示すように、カメラボディ200の背面(または基準面)から上方に反時計回りに回転する角度と定義される。一方、表示面230Aが下向きになるようにLCD230が傾けられた場合、LCD230の角度θLは図13に示すように、カメラボディ200の背面(または基準面)から下方に時計回りに回転する角度と定義される。 【0074】 図14Aは、本実施の形態のデジタルカメラ10の接眼センサ310の有効および無効の設定動作を示すフローチャートである。図14Aのフローチャートを参照し、本実施の形態のデジタルカメラ10における表示装置の切換動作について説明する。 【0075】 図14Aに示す処理は、図8のフローチャートに示す処理に加えてさらにステップS15a、S16a、S17a、S18aを備える。以下、図14Aのフローチャートの処理に関して、実施の形態1で説明した処理と異なる点について説明する。 【0076】 コントローラ220は、EVF300が収納状態にない場合(S11でNO)、LCD230が収納状態であるか否かを判断する(S15a)。LCD230が収納状態である場合(S15aでYES)、コントローラ220は、接眼センサ310を有効に設定する(S14)。 【0077】 一方、LCD230が収納状態でない場合(S15aでNO)、すなわち、チルト状態である場合、コントローラ220は、LCD230の傾き角度θLからEVF300の傾き角度θEを引いた角度差Δθが所定値以上か否かを判断する(S16a)。所定値は例えば10°以上60°以下であり、望ましくは30°である。このため、コントローラ220は、第1の角度センサ291からの検出信号に基づきEVF300の傾き角度θEの情報を取得し、第2の角度センサ292及び第3の角度センサ293からの検出信号に基づき、LCD230の傾き角度θLの情報を取得する。コントローラ220は、取得した角度情報から、EVF300の傾き角度θEとLCDの傾き角度θLの角度差Δθを算出する。 【0078】 Δθ = θL - θE 角度差Δθが所定値以上である場合(S16aでYES)、コントローラ220は接眼センサ310を無効に設定する(S17a)。無効にする理由を以下に説明する。 【0079】 すなわち、図12のようにLCD230が上向きに傾いている場合であって、角度差Δθが大きい場合、表示面230AがEVF300に接近する。したがって、接眼センサ310が、LCD230に対するユーザのタッチ操作をユーザの顔の接近として誤検出する可能性が高くなるからである。 【0080】 一方で、図13のようにLCD230が下向きに傾いている場合であって、角度差Δθが大きい場合、接眼センサ310を無効にする理由は、接眼センサ310が、LCD230自体をユーザの顔の接近として誤検出する可能性が高くなるからである。 【0081】 ステップS16aの説明に戻り、角度差Δθが所定値未満である場合(S16aでNO)、コントローラ220は接眼センサ310を有効に設定する(S14)。この場合、接眼センサ310において誤検出する可能性は低いと考えられるからである。 【0082】 また、EVF300が収納状態で、かつLCD230がチルト状態である場合(S12でYES)、コントローラ220は、角度差Δθが所定値以上か否かを判断する(S18a)。コントローラ220は、角度差Δθが所定値以上である場合(S18aでYES)、接眼センサ310を無効に設定する(S13)。角度差Δθが所定値未満であれば(S18aでNO)、コントローラ220は接眼センサ310を有効に設定する(S14)。このように、LCD230が傾いていても、接眼センサでの誤検出が発生しにくい状況であれば、接眼センサ310を有効に設定する。 ・・・略・・・ 【0085】 上記のような角度差Δθを考慮して接眼センサ310の有効および無効を制御するという本実施の形態の思想は、実施の形態2のポップアップ可能なEVFを備えるデジタルカメラに対しても適用できる。図15Aは、本実施の形態の思想を、実施の形態2のポップアップ可能なEVFを備えるデジタルカメラに適用した場合の、接眼センサ310の有効および無効の設定動作を示すフローチャートである。図15Aに示す処理は、図11のフローチャートに示す処理に加えてさらにステップS27a、S28a、S29a、S30aを備える。以下、図15Aのフローチャートの処理に関して、実施の形態2で説明した処理と異なる点について説明する。なお、この場合、デジタルカメラ10は第1~第3の角度センサ291~293を備えている。」 「【図12】 [図:0001411850000005.jpg] 」 「【図13】 [図:0001411850000006.jpg] 」 (3) 新規事項についての判断 ア 当審の判断 (ア) 本件補正事項は、撮像装置が備える接眼センサが、第1表示面が基準面と平行であり、かつ第2表示面が基準面に対して傾いているときに、第2の表示装置の一部が接眼検知領域に含まれないように構成されているとの技術的事項を明らかにするものであるところ、出願当初の明細書等には、前記(2)で摘記した事項やその他の記載を参酌しても、本件補正事項についての直接的な記載や、これを示唆する記載は存在しない。 (イ) かえって、出願当初の明細書等には実施の形態3として、以下に示すとおり、撮像装置が備える接眼センサが、第1表示面が基準面と平行であり、かつ第2表示面が基準面に対して傾いているときに、第2の表示装置の一部が接眼検知領域に含まれるように構成されることが記載されている。 すなわち、出願当初の明細書等には実施の形態3として、上記(2)エのとおり、LCD230が下向きに傾いている場合であって、角度差Δθが大きい場合、接眼センサ310が、LCD230自体をユーザの顔の接近として誤検出する可能性が高くなることが記載されており、接眼センサ310が、LCD230自体をユーザの顔の接近として誤検出する可能性が高くなることは、LCD230(第2の表示装置)自体が接眼検知センサの検知領域に含まれる状態をとり得ることが前提となっているといえる。さらに、出願当初の明細書等の【0078】には、角度差Δθ = LCD230の傾き角度θL - EVF300の傾き角度θEであること及び【0082】には、EVF300が収納状態で、かつLCD230がチルト状態である場合、コントローラ220は、角度差Δθが所定値以上か否かを判断し、接眼センサ310を無効に設定することが記載されていることから、角度差Δθが大きい場合には、EVF300の傾き角度θEがゼロ度の収納状態、すなわち、EVF300(第1の表示装置)の表示面が基準面と平行であり、LCD230(第2の表示装置)の表示面が前記基準面に対して傾いているときも想定されている。そうすると、実施の形態3は、EVF300(第1の表示装置)の表示面が基準面と平行であり、LCD230(第2の表示装置)の表示面が前記基準面に対して傾いているときに、LCD230(第2の表示装置)自体が接眼検知センサの検知領域に含まれるように構成されていることが前提とされているといえる。 (ウ) さらに、実施の形態1及び2について検討すると、実施の形態1及び2では、本件補正事項で特定されている、撮像装置が備える接眼センサが、第1表示面が基準面と平行であり、かつ第2表示面が基準面に対して傾いている状態で、第2の表示装置の一部が接眼検知領域に含まれるかどうかについて明記されてはいない。しかしながら、以下で検討するとおり、実施の形態1及び2においても、実施の形態3と同様に、EVF300(第1の表示装置)の表示面が基準面と平行であり、LCD230(第2の表示装置)の表示面が前記基準面に対して傾いているときに、LCD230(第2の表示装置)自体が接眼検知センサの検知領域に含まれるように構成されているといえる。 a まず実施の形態1について検討すると、出願当初の明細書等の【0068】の「(実施の形態3)・・・略・・・本実施の形態のデジタルカメラ10の構成、動作について、実施の形態1のデジタルカメラ10と異なる構成および動作について説明する。」の記載からみて、接眼検知センサの検知領域やLCD230の可動範囲が実施の形態1と実施の形態3で異なると解すべき理由はない。よって、実施の形態1においても、実施の形態3と同様に、EVF300(第1の表示装置)の表示面が基準面と平行であり、LCD230(第2の表示装置)の表示面が前記基準面に対して傾いているときに、LCD230(第2の表示装置)自体が接眼検知センサの検知領域に含まれるように構成されていると解するのが相当である。 b 次に実施の形態2について検討すると、出願当初の明細書等の【0085】の「上記のような角度差Δθを考慮して接眼センサ310の有効および無効を制御するという本実施の形態の思想は、実施の形態2のポップアップ可能なEVFを備えるデジタルカメラに対しても適用できる」の記載からして、実施の形態2においても実施の形態3と同様に、EVF300(第1の表示装置)の表示面が基準面と平行であり、LCD230(第2の表示装置)の表示面が前記基準面に対して傾いているときに、LCD230(第2の表示装置)自体が接眼検知センサの検知領域に含まれるように構成されていると解するのが自然である。 (エ) 以上検討のとおり、実施の形態1~3には、EVF300(第1の表示装置)の表示面が基準面と平行であり、LCD230(第2の表示装置)の表示面が前記基準面に対して傾いているときに、LCD230(第2の表示装置)自体が接眼検知センサの検知領域に含まれることが記載されているのであって、本件補正事項に係る技術的事項は記載されていないし、自明な事項とも認められない。さらに、実施の形態1~3以外の他の箇所においても、本件補正事項に係る技術的事項は記載されていないし、自明な事項とも認められない。 (オ) そして、本件補正事項に係る技術的事項によって、実施の形態3のように角度差θを算出することなく、接眼検知領域に第2の表示装置が含まれないという構成によって、接眼センサが、第2の表示装置自体をユーザの顔の接近として誤検出しないという新たな技術的効果を奏することになる。 (カ) よって、本件補正は、出願当初の明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、「前記接眼センサは、前記第1表示面が前記基準面と平行であり、かつ前記第2表示面が前記基準面に対して傾いているときに、前記第2の表示装置の一部が前記接眼検知領域に含まれないように構成されて」いるという新たな技術的事項を導入するもの、すなわち、新規事項を追加するものであるから、出願当初の明細書等に記載した事項の範囲内になされたものとはいえない。 イ 審判請求人の主張について 審判請求人は、本件補正事項に係る補正は、【0040】に基づいており、新規事項を追加するものではない旨主張する。 しかしながら、【0040】には本件補正事項についての直接的な記載や示唆はされていないこと、【0040】を含む実施の形態1を参照しても、本件補正事項が出願当初の明細書等に記載した事項の範囲内になされたものとはいえないことは、上記アで説示したとおりであるから、審判請求人の上記主張は、採用することができない。 (4) 本件補正の適否についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものではないから、同法第159条第1項により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~6に係る発明は、令和4年8月17日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の[理由]1(2)の請求項1の記載により特定されるとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の本願発明に対する拒絶の理由の概略は、以下の理由を含むものである。 (進歩性)本願発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献3に記載された技術的事項に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 1.特開2012-23723号公報 3.特開2010-21621号公報 3 引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 (1) 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定 ア 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に発行された特開2012-23723号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(下線は、当合議体が付した。)。 「【0013】 1-2.構成 図1は実施の形態1に係るカメラシステム1の構成を示すブロック図である。図2は、実施の形態1に係るカメラシステム1を背面から見た様子を示す模式図である。カメラシステム1は、交換レンズ100と、カメラボディ200と、外部ビューファインダー300とを備える。交換レンズ100は、ズームレンズやフォーカスレンズ(図示せず)を有しており、交換レンズ100中を通過した光をカメラボディ200に導く。 【0014】 カメラボディ200は、CCDイメージセンサ210と、マイコン220と、背面モニター230と、DRAM240と、操作部材250と、カードスロット260と、接続コネクタ270とを備える。 【0015】 カメラシステム1は、交換レンズ100を介して入射した被写体像をCCDイメージセンサ210によって撮像し、電気信号に変換し、画像データを生成する。マイコン220は、生成した画像データに各種画像処理や圧縮処理を施して、メモリーカード400に記録する。以下、各構成の詳細について説明する。 【0016】 マイコン220は操作部材250の指示に応じてカメラシステム1全体の動作を制御する。マイコン220は、CCDイメージセンサ210から得た画像データに対してガンマ補正、キズ補正、ホワイトバランス補正等の各種画像処理、JPEG圧縮処理やMPEG圧縮処理等の圧縮処理等を施す。マイコン220は、制御動作や画像処理においてDRAM240をワークメモリとして使用する。 【0017】 DRAM240は制御に用いる以下の3つのフラグ241、242、243を格納する。 ・自動切換フラグ241:「表示モニター自動切換」に関するユーザー設定状態を示すフラグ ・接眼検知動作フラグ242:マイコン220が実際に接眼検知動作を行うか否かを決定するために参照するフラグ ・表示モニターフラグ243:接眼検知動作フラグ242がOFFのときに(すなわち、表示モニターを自動で切換えない場合に)、機能させるべき表示モニターを示すフラグ 【0018】 各フラグの値(ON、OFF)と、それらの値が示す意味は以下のとおりである。 【0019】 【表1】 [図:0001411850000007.jpg] 【0020】 カメラシステム1は、設定メニューを背面モニター230に表示可能であり、使用者は設定メニュー上でカメラシステム1の種々の機能設定を行うことができる。設定メニューは、例えば、接眼検知センサー310の検知結果に基づく表示モニターの自動切替えに関する設定である「表示モニター自動切換」の項目を有する(図3(b)参照)。 【0021】 使用者により設定メニュー上で「表示モニター自動切換」の設定がONに、すなわち自動切換に設定されると、マイコン220は、自動切換フラグ241を「ON」に設定する。また、使用者により「表示モニター自動切換」の設定がOFFに、すなわち手動切換に設定されると、マイコン220は自動切換フラグ241を「OFF」に設定する。このように、自動切換フラグ241は、使用者により設定メニュー上で設定された、表示モニターの自動切換に関する設定の内容を示す。 【0022】 接眼検知動作フラグ242がONのとき、マイコン220は接眼検知センサ310を動作させる。このとき、マイコン220は、接眼検知センサ310による検知結果に基づき、機能させる表示モニターを切り換える。接眼検知動作フラグ242がOFFのとき、マイコン220は接眼検知センサ310の動作を停止させる。このとき、マイコン220は、表示モニターフラグ243の値に基づき、機能させる表示モニター(画像を表示する表示モニター)を決定する。 【0023】 表示モニターフラグ243は、機能させる表示モニターが背面モニター230である場合、「ON」の値をとり、機能させる表示モニターが外部ビューファインダー300(すなわちファインダーモニター320)である場合は、「OFF」の値をとる。マイコン220は、外部ビューファインダー300の接続状態と、自動切換フラグ241の状態と、検出スイッチ340の状態とに基づいて、接眼検知動作フラグ242を設定する。接眼検知動作フラグ242の設定の詳細は後述する。 【0024】 背面モニター230はカメラボディ200の背面に備えられている。ファインダーモニター320は、外部ビューファインダー300内に備えられている。使用者は、外部ビューファインダー300内のファインダーモニター320を覗き込むことによりCCDイメージセンサ210で撮像された画像を確認できる。背面モニター230及びファインダーモニター320は、マイコン220で各種画像処理等を施された画像データが示す画像を表示する。背面モニター230及びファインダーモニター320は、スルー画像やメモリーカード400に記録されている画像データが示す静止画像を表示できる。ここで、スルー画像とは、静止画撮影を行う際に構図を決定するために表示される動画像であり、記録されない画像である。 ・・・略・・・ 【0029】 外部ビューファインダー300は、外部ビューファインダー300すなわち接眼検知センサ310及びファインダーモニター320の向きを可動させるヒンジ330と、外部ビューファインダー300の回転状態(位置)を検出する検出スイッチ340と、使用者がファインダーモニター320を覗き込む接眼窓350とを備える。 【0030】 接眼検知センサ310は、外部ビューファインダー300の後方部で接眼窓350近傍に配置される。接眼検知センサ310は、物体の近接、すなわち、接眼検知センサ310から所定距離内に物体が存在するか否かを検知する。接眼検知センサ310は、物体の存在を検知すると、接眼検知状態であることを示す情報を、接続コネクタ270を介してマイコン220に送信する。また、接眼検知センサ310は、物体の存在を検知しないときは、非接眼検知状態であることを示す情報を接続コネクタ270を介してマイコン220に送信する。使用者が接眼窓350からファインダーモニター320を覗き込んだとき、接眼検知センサ310は、所定距離内に物体(使用者の顔の一部)が存在すると検知し、接眼検知状態を示す情報をマイコン220に送信する。 【0031】 外部ビューファインダー300のファインダーモニター320は、ヒンジ330を回転軸として上下方向に角度(位置)を変化させることができる。ヒンジ330の回転軸は、カメラボディ200の左右方向と平行である。すなわち、外部ビューファインダー300は、図4(a)に示すような、外部ビューファインダー300の下面がカメラボディ200の上面と平行な状態である収納状態(基準状態)と、図4(b)に示すような、収納状態からヒンジ330を回転軸として外部ビューファインダー300を上方に回転させた状態である状態(以下「バリアングル状態」という)とをとり得る。なお、外部ビューファインダー300が収納状態にあるときの位置を、外部ビューファインダー300の基準位置とする。 【0032】 検出スイッチ340は、外部ビューファインダー300の状態が収納状態かバリアングル状態かを検出するスイッチである。外部ビューファインダー300が収納状態のとき、検出スイッチ340はOFFとなり、外部ビューファインダー300がバリアングル状態のとき、検出スイッチ340はONとなる。収納状態のとき、ファインダーモニター320の向きはカメラボディ200の後方へ向く。すなわち、外部ビューファインダー300を収納状態としたとき、ファインダーモニター320の向きは、交換レンズ100の光軸Lの方向と略一致する。 【0033】 図2を参照し、接眼検知センサ310は、接眼窓350の下部近傍に配置されており、使用者がヒンジ330を中心に外部ビューファインダー300を上方に回転させると、接眼検知センサ310は接眼窓350およびファインダーモニター320と一体となって上方に回転する。使用者が接眼窓350を通してファインダーモニター320を覗き込むと、顔の一部が接眼検知センサ310を覆うため、接眼検知センサ310は所定距離内に物体があることを検知して、検知信号を接続コネクタ270を介してマイコン220に送信する。 ・・・略・・・ 【0043】 1-3-2.表示モニターの切換動作 本実施形態のカメラシステム1における表示モニターの切換動作について説明する。本実施形態では、1)外部ビューファインダー300がカメラボディ200に接続されたことを検知したとき、2)使用者がメニューの「表示モニター自動切換」項目の設定を変更することにより自動切換フラグ241が変更されたとき、または、3)検出スイッチ340の状態が変化したときに、機能させる表示モニターが切換えられる。 【0044】 図7は、本実施の形態に係るカメラシステム1の表示モニターの切換動作を説明するためのフローチャートである。 【0045】 マイコン220が上記の設定/状態が変化したことを検知すると、まず、自動切換フラグ241に基づき、表示モニターの切換が自動切換か手動切換のいずれに設定されているかを判断する(S401)。 【0046】 自動切換フラグ241がON、すなわちメニュー上で使用者により「自動切換」に設定されている場合、マイコン220は、接眼検知動作フラグ242をONに設定し、表示モニター自動切換機能を動作させる(S409)。マイコン220は、接眼検知センサ310からの検知結果を受けて、接眼検知状態の確認を行う(S410)。マイコン220は、接眼検知センサ310による検知結果が接眼検知状態を示す場合(S410でYES)、機能させる表示モニターを外部ビューファインダー300に設定し、外部ビューファインダー300内のファインダーモニター320へ画像を表示させる(S411)。接眼検知センサ310による検知結果が接眼非検知状態を示す場合(S410でNO)、マイコン220は、機能させる表示モニターを背面モニター230に設定し、背面モニター230へ画像を表示させる(S408)。 【0047】 一方、ステップS401において自動切換フラグ241がOFF、すなわち「手動切換」に設定されている場合、マイコン220は、現在機能している表示モニターが背面モニター230であるか外部ビューファインダー300であるかを確認する(S402)。現在機能している表示モニターが背面モニター230であるとき、マイコン220は表示モニターフラグ243を「ON」に設定し(S403)、現在機能している表示モニターが外部ビューファインダー300であるとき、マイコン220は表示モニターフラグ243を「OFF」に設定する(S404)。 【0048】 次に、マイコン220は検出スイッチ340の状態に基づき、外部ビューファインダー300の状態を確認する(S405)。具体的には、検出スイッチ340の状態がOFF、もしくはONからOFFに変化した時には、外部ビューファインダー300は“収納状態”にあると判断される。よって、その場合、マイコン220は外部ビューファインダー300が収納状態であると認識し、接眼検知動作フラグ242をOFFに設定し、表示モニター自動切換機能を停止させる(S406)。 【0049】 次に、マイコン220は、表示モニターフラグ243を参照して、表示モニターに関するユーザ設定を確認する(S407)。すなわち、マイコン220は、接眼検知動作フラグ242がOFFであるため、表示モニターフラグ243に基づいて、機能させる表示モニターを決定する。表示モニターフラグ243が「OFF」であるとき、すなわち、機能させる表示モニターが外部ビューファインダー300に設定されているときは、マイコン220は、外部ビューファインダー300内のファインダーモニター320へ画像を表示させる(S411)。また、表示モニターフラグ243が「ON」であるとき、すなわち、機能させる表示モニターが背面モニター230に設定されているときは、マイコン220は、背面モニター230へ画像を表示させる(S408)。 【0050】 一方、ステップS405において、検出スイッチ340の状態がON、もしくはOFFからONに変化した時には、外部ビューファインダー300は“バリアングル状態”にあると判断される。よって、その場合、マイコン220は、外部ビューファインダー300がバリアングル状態であると認識し、接眼検知動作フラグ242をONに設定し、表示モニター自動切換機能を動作させる(S409)。以降、同様にして、各フラグや接眼検知動作の結果に応じて、機能させる表示モニターを切り換える。 【0051】 1-4.まとめ 以上のように、本実施形態のカメラシステム1は、被写体像を撮像し画像データを生成するCCDイメージセンサ210と、CCDイメージセンサ210により生成された画像データを表示し、基準位置(収納状態)及び基準位置と異なる位置(バリアングル状態)をとり得る外部ビューファインダー300と、物体が外部ビューファインダー300へ近接していることを検知する接眼検知センサ310と、外部ビューファインダー300が基準位置にあるか否かを検知する検出スイッチ340と、CCDイメージセンサ210により生成された画像データを表示する背面モニター230と、外部ビューファインダー300が基準位置にないことを検出スイッチ340が検知したときは、接眼検知センサ310を動作させ、かつ、接眼検知センサ310が物体の近接を検知したときに外部ビューファインダー300を動作させ、接眼検知センサ310が物体の近接を検知していないときは背面モニター230を動作させるように制御を行うマイコン220と、を備える。 【0052】 以上の構成により、表示モニターの切換設定が「手動切換」に設定されている場合であっても、使用者が外部ビューファインダー300を上方へ回転させバリアングル状態としたときは、表示モニター自動切換機能を動作させる。これにより、表示モニターの自動切換え機能を無効としている場合でも、使用者が外部ビューファインダー300を使用するために、外部ビューファインダー300を回転させたときには、表示モニター自動切換機能が有効になる。このため、使用者が外部ビューファインダー300に接眼すれば、外部ビューファインダー300内のファインダーモニター320に画像が表示され、使用者は外部ビューファインダー300を介して画像の確認等を行うことが可能となる。したがって、使用者は、背面モニター230を視ながらの撮影から外部ビューファインダー300を覗きながらの撮影に撮影スタイルを変更した場合であっても、表示モニターの設定の変更を手動で行う必要がなく、カメラシステム1の使い勝手が向上する。 【0053】 2.他の実施の形態 上記実施の形態に限定されず、他の種々の実施形態が考えられる。以下、他の実施の形態についてまとめて記載する。 ・・・略・・・ 【0057】 上記実施の形態では背面モニター230はカメラボディ200の背面に固定して設けられているものとしたが、背面モニター230はかならずしも背面に固定して設けられていなくともよい。例えば、カメラボディ側面に回転軸を設けて、その回転軸を中心として回転可能なように背面モニターをカメラボディに設けてもよい。」 「【図1】 [図:0001411850000008.jpg] 」 「【図2】 [図:0001411850000009.jpg] 」 「【図4】 [図:0001411850000010.jpg] 」 「【図7】 [図:0001411850000011.jpg] 」 イ 引用発明の認定 前記アで摘記した引用文献1の記載事項から、引用文献1には、実施の形態1において背面モニター230を回転可能なようにカメラボディに設けた形態(【0057】)について、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(以下、引用発明の認定に用いた箇所の段落番号等を参考までに括弧内に付した。)。 <引用発明> 「カメラシステム1であって、交換レンズ100と、カメラボディ200と、外部ビューファインダー300とを備え、(【0013】) カメラボディ200は、CCDイメージセンサ210と、マイコン220と、背面モニター230と、DRAM240と、操作部材250と、カードスロット260と、接続コネクタ270とを備え、(【0014】) DRAM240は制御に用いる接眼検知動作フラグ242を格納し、接眼検知動作フラグ242は、マイコン220が実際に接眼検知動作を行うか否かを決定するために参照するフラグであり、(【0017】) マイコン220は、接眼検知動作フラグ242がONのとき、接眼検知センサ310を動作させ、接眼検知動作フラグ242がOFFのとき、接眼検知センサ310の動作を停止させ、(【0022】) 背面モニター230はカメラボディ200の背面に備えられ、ファインダーモニター320は、外部ビューファインダー300内に備えられ、背面モニター230及びファインダーモニター320は、マイコン220で各種画像処理等を施された画像データが示す画像を表示し、 (【0024】) 外部ビューファインダー300は、外部ビューファインダー300すなわち接眼検知センサ310及びファインダーモニター320の向きを可動させるヒンジ330と、外部ビューファインダー300の回転状態(位置)を検出する検出スイッチ340と、使用者がファインダーモニター320を覗き込む接眼窓350とを備え、(【0029】) 接眼検知センサ310は、外部ビューファインダー300の後方部で接眼窓350近傍に配置され、接眼検知センサ310から所定距離内に物体が存在するか否かを検知し、(【0030】) 外部ビューファインダー300は、外部ビューファインダー300の下面がカメラボディ200の上面と平行な状態である収納状態(基準状態)と、収納状態からヒンジ330を回転軸として外部ビューファインダー300を上方に回転させた状態である状態(以下「バリアングル状態」という)とをとり得、(【0031】) 外部ビューファインダー300を収納状態としたとき、ファインダーモニター320の向きは、交換レンズ100の光軸Lの方向と略一致し、(【0032】) マイコン220は、検出スイッチ340の状態に基づき、外部ビューファインダー300の状態を確認し、検出スイッチ340の状態がOFF、もしくはONからOFFに変化した時には、外部ビューファインダー300は“収納状態”にあると判断され、マイコン220は外部ビューファインダー300が収納状態であると認識し、接眼検知動作フラグ242をOFFに設定し、表示モニター自動切換機能を停止させ、(【0048】) 検出スイッチ340の状態がON、もしくはOFFからONに変化した時には、外部ビューファインダー300は“バリアングル状態”にあると判断され、マイコン220は、外部ビューファインダー300がバリアングル状態であると認識し、接眼検知動作フラグ242をONに設定し、表示モニター自動切換機能を動作させ、(【0050】) 背面モニター230は、カメラボディ側面に回転軸を設けて、その回転軸を中心として回転可能なようにカメラボディに設けられる(【0057】) カメラシステム1。」 (2) 引用文献2に記載された事項及び引用文献2に記載された技術的事項の認定 ア 引用文献2の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に発行された特開2010-21621号公報(以下「引用文献2」という。原査定の引用文献3。)には、次の記載がある。 「【0012】 <1.第1実施形態> <構成> 図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aの外観構成を示す図である。図3は、撮像装置1Aをローポジションに構えた撮影姿勢を示す図である。なお、図1は、撮像装置1Aの正面外観図であり、図2は、撮像装置1Aの背面外観図であり、以下の説明では、便宜的に+Y方向を上方向、-Y方向を下方向とする。 【0013】 図1に示されるように、本実施形態に係る撮像装置1Aは、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルカメラとして構成されている。具体的には、撮像装置1Aは、撮像装置本体(カメラ本体部)2を備え、このカメラ本体部2に対して、交換式の撮影レンズユニット(以下では、「交換レンズ」とも称する)3が着脱可能となっている。」 「【0019】 図2において、カメラ本体部2の背面略中央には、表示部としてモニタ12が設けられている。モニタ12は、例えばカラー液晶ディスプレイ(LCD)として構成される。モニタ12は、撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示したり、再生モードにおいてメモリカード90に記録された撮影画像を再生表示したりすることができる。 【0020】 また、モニタ12は、可動機構MKに据え付けられ、チルト可動式の表示部として構成されている(図4参照)。可動機構MKは、軸PX1を中心に矢印YG1の向きに回動可能に構成されるとともに、軸PX2を中心に矢印YG2の向きにも回動可能に構成されている。 【0021】 これにより、撮影者は、当該可動機構MKに据え付けられたモニタ12を撮像装置1Aの背面から引き出してモニタ12の画面を傾けることができるので、撮影者は撮像装置1Aの位置に依らず、モニタ12を正対して視認することが容易になる。例えば、図3に示されるように、撮像装置1Aをローポジションに構えた場合でも、モニタ12を背面から引き出してモニタ12の画面を傾けることによれば、モニタ12を正対して視認することができる。 【0022】 また、可動機構MKの各軸部(「ヒンジ部」とも称する)HR1,HR2には、角度検出器DA(図4中不図示)がそれぞれ設けられ、各軸部HR1,HR2における開き角度θ1,θ2がそれぞれ検出可能となっている。 【0023】 カメラ本体部2の背面略中央上部には、ファインダ窓10が設けられている。ファインダ窓10には、交換レンズ3からの被写体像が導かれ、ユーザは、ファインダ窓10を覗くことによって、主撮像素子5によって取得される被写体像と等価な像を視認することができる。具体的には、撮影光学系に入射された被写体像は、ミラー機構6(図4参照)で上方に反射され、接眼レンズ67を介して視認される。このように、ユーザは、ファインダ窓10を覗くことによって構図決めを行うことが可能である。なお、レリーズボタン11のS2状態の検出によって本撮影動作が開始されると、ミラー機構6は被写体像を形成する光(被写体光)の光路から待避し、交換レンズ3からの光(被写体像を形成する光)が主撮像素子5に到達し、被写体に係る撮影画像(画像データ)が得られる。 【0024】 ファインダ窓10の下部には、接眼検知センサ13が設けられている。 【0025】 接眼検知センサ13は、近接物体の有無を検知するセンサであり、ファインダ窓10への物体の接近を検知する接近検知手段として機能する。具体的には、接眼検知センサ13は、赤外光を発する投光素子と、撮影者の顔における当該赤外光の反射光を受光する受光素子とを備えており、反射光の有無を検出することによって、ユーザによる光学ファインダ使用の有無を検知する。」 「【0071】 図7に示されるように、撮像装置1Aは、位相差AFモジュール20、操作部80、全体制御部100、ミラー機構6、シャッター4、主撮像素子5、A/D変換回路52、デジタル信号処理回路50、および画像メモリ56等を備える。」 「【0081】 全体制御部100は、上述のプログラムの実行によって、位相差AF制御部121、駆動制御部122、姿勢検出部123、判定部124、動作制御部125、および表示制御部126等を機能的に実現する。」 「【0085】 姿勢検出部123は、角度検出器によって取得された各軸部HR1,HR2の角度情報に基づいて、モニタ12の現在位置を演算により算出することによって、モニタ12の姿勢を検出する機能を有している。 【0086】 判定部124は、姿勢検出部123によって検出されたモニタ12の姿勢に関する姿勢情報(「位置情報」とも称する)に基づいて、モニタ12が接眼検知センサ13によって検知されるか否かを判定する。具体的には、判定部124は、モニタ12の現在位置と接眼検知センサ13の検知可能領域(または「接眼検知領域」とも称する)RM(図6参照)とに基づいて、モニタ12の一部が検知可能領域RMに含まれるか否かを判定する。【0087】 接眼検知センサ13の検知可能領域RMは、接眼検知センサ13によって近接物体を検知することが可能な領域であり、予めROM120Bに記憶されている。」 「【0105】 <2.第2実施形態> 次に、本発明の第2実施形態について説明する。 【0106】 第2実施形態に係る撮像装置1Bは、接眼検知領域RMにモニタ12が存在する場合は、接眼検知機能を無効化して、接眼検知に応答した動作を実行しないように(不実行に)する。図10は、第2実施形態に係る撮像装置1Bの機能構成を示すブロック図である。 【0107】 なお、第2実施形態に係る撮像装置1Bは、全体制御部100における機能構成以外は、第1実施形態に係る撮像装置1Aとほぼ同様の構成および機能(図1,2および図4~図6参照)を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。 【0108】 図10に示されるように、撮像装置1Bの全体制御部100では、ROM120Bに格納されたプログラムの実行によって、接眼検知無効化部127がさらに実現される。 【0109】 接眼検知無効化部127は、判定部124における判定結果に応じて、接眼検知センサ13による接眼検知を無効化する。具体的には、判定部124によってモニタ12が接眼検知領域RMに存在しないと判定された場合は、接眼検知無効化部127は、接眼検知センサ13によって取得された接眼情報を無効にする。 【0110】 ここで、第2実施形態の撮像装置1Bにおいて、モニタ12の姿勢に応じて実行される動作について説明する。図11は、第2実施形態において、モニタ12の姿勢に応じて実行される動作のフローチャートである。 【0111】 図11に示されるように、ステップSP1,SP2では、撮像装置1Aと同様の処理(図8参照)が実行される。 【0112】 簡単には、ステップSP1では、姿勢検出部123によってモニタ12の姿勢が検出される。 【0113】 ステップSP2では、判定部124によって、接眼検知領域RMにモニタ12が存在するか否かが判定される。接眼検知領域RMにモニタ12が存在すると判定された場合は、ステップSP11に移行する。 【0114】 ステップSP11では、接眼検知無効化部127によって、接眼情報を無効にする処理が実行される。このように、ステップSP11では、接眼検知センサ13からの接眼情報を無効にして、接眼検知機能を無効化するので、モニタ12の一部を接眼検知センサ13に検知されてしまう誤検知を防ぐことができる。 【0115】 一方、ステップSP2で、接眼検知領域RMにモニタ12が存在しないと判定された場合は、ステップSP11を経ずに、ステップSP5へ移行される。 【0116】 ステップSP5では、撮像装置1Aと同様に、撮影モードが継続されているか否かが判定される。撮影モードが継続されていた場合は、ステップSP1に戻り、ステップSP1,SP2,SP11,SP5の処理が繰り返し実行される。すなわち、撮影モード中は、ステップSP1,SP2,SP11,SP5の処理が繰り返し実行される。一方、撮影モードが終了すると(例えば、再生モードに変更された場合)は、モニタ12の姿勢に応じて実行される動作が終了される。 【0117】 以上のように、撮像装置1Bは、モニタ12の姿勢に応じて、接眼検知センサ13からの接眼情報を無効にすることによって、接眼検知機能を無効化する。これによれば、モニタ12の姿勢変更によって、モニタ12の一部が接眼検知センサ13に検知されてしまう誤検知の可能性を低減することができるので、誤検知に応答した誤動作を防止することができる。」 「【図2】 [図:0001411850000012.jpg] 」 「【図7】 [図:0001411850000013.jpg] 」 「【図10】 [図:0001411850000014.jpg] 」 「【図11】 [図:0001411850000015.jpg] 」 イ 引用文献2の記載事項から読み取れる事項の認定 【0106】には「第2実施形態に係る撮像装置1Bは、接眼検知領域RMにモニタ12が存在する場合は、接眼検知機能を無効化して、接眼検知に応答した動作を実行しないように(不実行に)する。」及び【0107】には「第2実施形態に係る撮像装置1Bは、全体制御部100における機能構成以外は、第1実施形態に係る撮像装置1Aとほぼ同様の構成および機能(図1,2および図4~図6参照)を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。」と記載されていることから、第2実施形態に係る撮像装置1Bは、全体制御部における、接眼検知領域RMにモニタ12が存在する場合は、接眼検知機能を無効化して、接眼検知に応答した動作を実行しないようにする機能以外は、第1実施形態に係る撮像装置1Aと、同様の構成および機能を有していることが理解できる。 そうすると、第2実施形態に係る撮像装置1Bも、第1の実施形態に係る構成である、カメラ本体部2を備え(【0013】)、カメラ本体部2の背面略中央には、表示部としてモニタ12が設けられ(【0019】)、モニタ12は、可動機構MKに据え付けられ(【0020】)、可動機構MKの各軸部HR1,HR2には、角度検出器DAがそれぞれ設けられ(【0022】)、カメラ本体部の背面略中央上部には、ファインダ窓10が設けられ(【0023】)、ファインダ窓10の下部には、接眼検知センサ13が設けられ(【0024】)、接眼検知センサ13は、近接物体の有無を検知するセンサであり、ファインダ窓10への物体の接近を検知する接近検知手段として機能し(【0025】)、全体制御部100を備え(【0071】)、全体制御部100は、プログラムの実行によって、姿勢検出部123、判定部124を機能的に実現し(【0081】)、姿勢検出部123は、角度検出器によって取得された各軸部HR1,HR2の角度情報に基づいて、モニタ12の現在位置を演算により算出することによって、モニタ12の姿勢を検出する機能を有し(【0085】)、判定部124は、姿勢検出部123によって検出されたモニタ12の現在位置と接眼検知センサ13の接眼検知領域RMとに基づいて、モニタ12の一部が検知可能領域RMに含まれるか否かを判定する(【0086】)との構成を備えることが理解できる。 ウ 引用文献2に記載された技術的事項の認定 前記アで摘記した引用文献2の記載事項及び前記イで認定した引用文献2の記載事項から読み取れる事項から、引用文献2には、第2実施形態に係る撮像装置1Bについて、次の技術的事項(以下「引用文献2に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる(以下、引用文献2に記載された技術的事項の認定に用いた箇所の段落番号等を参考までに括弧内に付した。)。 <引用文献2に記載された技術的事項> 「撮像装置1Bにおいて、 撮像装置1Bは、カメラ本体部2を備え、 カメラ本体部2の背面略中央には、表示部としてモニタ12が設けられ、 モニタ12は、可動機構MKに据え付けられ、 可動機構MKの各軸部HR1,HR2には、角度検出器DAがそれぞれ設けられ、 カメラ本体部の背面略中央上部には、ファインダ窓10が設けられ、 ファインダ窓10の下部には、接眼検知センサ13が設けられ、 接眼検知センサ13は、近接物体の有無を検知するセンサであり、ファインダ窓10への物体の接近を検知する接近検知手段として機能し、 撮像装置1Bは、全体制御部100を備え、 全体制御部100は、プログラムの実行によって、姿勢検出部123、判定部124を機能的に実現し、 姿勢検出部123は、角度検出器によって取得された各軸部HR1,HR2の角度情報に基づいて、モニタ12の現在位置を演算により算出することによって、モニタ12の姿勢を検出する機能を有し、 判定部124は、姿勢検出部123によって検出されたモニタ12の現在位置と接眼検知センサ13の接眼検知領域RMとに基づいて、モニタ12の一部が検知可能領域RMに含まれるか否かを判定し、(上記イ) 全体制御部100では、接眼検知無効化部127がさらに実現され、(【0108】) 判定部124によって、接眼検知領域RMにモニタ12が存在するか否かが判定され、接眼検知領域RMにモニタ12が存在すると判定された場合は、接眼検知無効化部127によって、接眼情報を無効にする処理が実行され、接眼検知機能を無効化するので、モニタ12の一部を接眼検知センサ13に検知されてしまう誤検知を防ぐことができること。(【0113】及び【0114】)」 4 本願発明と引用発明との対比・判断 (1) 対比 ア 対比分析 (ア) 本願発明の「撮像装置」の発明特定事項について 引用発明の「カメラシステム1」は、本願発明の「撮像装置」に相当する。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を満たす。 (イ) 本願発明の「第1表示面を含む可動式の第1の表示装置と、」「を備え、」の発明特定事項について 引用発明の「ファインダーモニター320」は、本願発明の「第1の表示装置」に相当する。 また、引用発明の「ファインダーモニター320」は、「画像を表示」するものであることから、表示面を含むことは明らかである。 そして、引用発明が、「画像を表示」する表示面を含む「ファインダーモニター320」を備えることは、本願発明が、「第1表示面を含む」「第1の表示装置」「を備え」ることに相当し、引用発明が「ファインダーモニター320の向きを可動させる」ことができることは、本願発明の「第1の表示装置」が「可動式」であることに相当する。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を満たす。 (ウ) 本願発明の「第2表示面を含む可動式の第2の表示装置と、」「を備え、」の発明特定事項について 引用発明の「背面モニター230」は、本願発明の「第2の表示装置」に相当する。 そして、引用発明の「背面モニター230」が「画像を表示」することは、本願発明の「第2の表示装置」が「第2表示面を含む」ことに相当し、引用発明の「背面モニター230」が「カメラボディ側面に回転軸を設けて、その回転軸を中心として回転可能なようにカメラボディに設けられ」ることは、本願発明の「第2の表示装置」が「可動式」であることに相当する。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を満たす。 (エ) 本願発明の「前記第1の表示装置に物体が接近したことを検出する接眼センサと、」「を備え、」の発明特定事項について 引用発明の「接眼検知センサ310」は、本願発明の「接眼センサ」に相当する。 そして、引用発明が「ファインダーモニター320は、外部ビューファインダー300内に備えられ、」「接眼検知センサ310は、外部ビューファインダー300の後方部で接眼窓350近傍に配置され、接眼検知センサ310から所定距離内に物体が存在するか否かを検知」することは、接眼検知センサ310は、ファインダーモニター320から所定距離内に物体が存在するか否かを検知するものともいえるから、本願発明でいう、「前記第1の表示装置に物体が接近したことを検出する」ものであるといえる。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を満たす。 (オ) 本願発明の「前記第1表示面が基準面に対して傾いていることを検出する第1の傾きセンサと、」「を備え、」の発明特定事項について 引用発明の「外部ビューファインダー300の回転状態(位置)を検出す検出スイッチ340」は、本願発明の「第1の傾きセンサ」に相当する。 ところで、本願発明の「基準面」は、本願明細書の【0025】の「交換レンズ100の光軸Lに対して垂直な面を、基準面とする。」及び【0047】には「コントローラ220は、EVF300の表示面320Aが基準面(たとえば光軸L1に垂直な面)に対して平行であり、かつLCD230の表示面230Aが前述の基準面に対して傾いているとき、つまりEVF300が収納状態であり、LCD230がチルト状態のとき(すなわち図7の可動状態2のとき)、接眼センサ310を無効に設定する。」との記載から、少なくとも交換レンズ100の光軸Lに対して垂直な面である場合を含んでいる。 そして、引用発明の「検出スイッチ340」は、「外部ビューファインダー300の回転状態(位置)を検出する」ものであって、検出スイッチの状態に応じて、外部ビューファインダー300が“収納状態”であるか、“バリアングル状態”であるかを判断するものであるところ、「外部ビューファインダー300を収納状態としたとき、ファインダーモニター320の向きは、交換レンズ100の光軸Lの方向と略一致」することから、ファインダーモニター320の向きが、交換レンズ100の光軸Lの方向と略一致するか、一致しないかを判断してるといえ、換言すれば、ファインダーモニター320の表示面が、交換レンズ100の光軸Lに垂直な面、すなわち、基準面と平行であるか否か、すなわち、基準面に対して傾いているか否かを判断しているといえる。 そうすると、引用発明の「検出スイッチ340」が「ファインダーモニター320」を「備え」た「外部ビューファインダー300の回転状態(位置)を検出する」ことは、本願発明の「第1の傾きセンサ」が「前記第1表示面が基準面に対して傾いていることを検出する」ことに相当する。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を満たす。 (カ) 本願発明の「前記第2表示面が前記基準面に対して傾いていることを検出する第2の傾きセンサと、」「を備え、」の発明特定事項について 引用発明は、上記発明特定事項を備えているか明らかでない。 (キ) 本願発明の「前記接眼センサの機能の有効および無効を切り替える制御部とを備え、」の発明特定事項について 引用発明の「マイコン220」は、本願発明の「制御部」に相当する。 そして、引用発明の「マイコン220は、接眼検知動作フラグ242がONのとき、接眼検知センサ310を動作させ、接眼検知動作フラグ242がOFFのとき、接眼検知センサ310の動作を停止させ」ることは、本願発明の「制御部」が「前記接眼センサの機能の有効および無効を切り替える」ことに相当する。 したがって、引用発明は、上記発明特定事項を満たす。 (ク) 本願発明の「前記制御部は、前記第1の傾きセンサおよび前記第2の傾きセンサの検出結果に応じて前記接眼センサの前記機能の有効および無効を切り替え、前記第1表示面が前記基準面と平行であり、かつ前記第2表示面が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを無効に設定し、前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを有効に設定するように構成された」の発明特定事項について a 引用発明の「マイコン220」は、「外部ビューファインダー300の回転状態(位置)を検出する検出スイッチ340」の「状態がOFF、もしくはONからOFFに変化した時には、」「接眼検知動作フラグ242をOFFに設定し」、「接眼検知センサ310の動作を停止させ」、前記「検出スイッチ340の状態がON、もしくはOFFからONに変化した時には、接眼検知動作フラグ242をONに設定し、」「接眼検知センサ310を動作させ」ることは、本願発明の「前記制御部は、前記第1の傾きセンサ」「の検出結果に応じて前記接眼センサの前記機能の有効および無効を切り替え」ることと共通する。 b 引用発明の「マイコン」は、「外部ビューファインダー300の回転状態(位置)を検出する検出スイッチ340」の「状態がOFF、もしくはONからOFFに変化した時には、外部ビューファインダー300は“収納状態”にあると判断され、マイコン220は外部ビューファインダー300が収納状態であると認識し、接眼検知動作フラグ242をOFFに設定し」、「接眼検知センサ310の動作を停止させ」るものであり、外部ビューファインダー300が収納状態であるとき、接眼検知センサ310の動作を停止させており、これは、前記(オ)も勘案すれば、ファインダーモニター320の表示面が基準面と平行であるとき、接眼検知センサ310の動作を停止させているということもできる。 そして、引用発明は、「背面モニター230は、カメラボディ側面に回転軸を設けて、その回転軸を中心として回転可能なようにカメラボディに設けられ」るものであるところ、引用発明は、背面モニター230が回転しているか否かに関わらず、ファインダーモニター320の表示面が基準面と平行であるとき、接眼検知センサ310の動作を停止させているといえる。 したがって、本願発明と引用発明は、「前記第1表示面が前記基準面と平行であり、かつ前記第2表示面が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを無効に設定」する点で一致する。 c 引用発明の「マイコン」は、「外部ビューファインダー300の回転状態(位置)を検出する検出スイッチ340」の「状態がON、もしくはOFFからONに変化した時には、外部ビューファインダー300は“バリアングル状態”にあると判断され、マイコン220は、外部ビューファインダー300がバリアングル状態であると認識し、接眼検知動作フラグ242をONに設定し、」「接眼検知センサ310を動作させ」るものであり、外部ビューファインダー300がバリアングル状態であるとき、すなわち、基準面に対して傾いているとき、接眼検知センサ310を動作させており、これは、前記(オ)も勘案すれば、ファインダーモニター320の表示面が基準面に対して傾いているとき、接眼検知センサ310を動作させているということもできる。 そして、引用発明の「背面モニター230は、カメラボディ側面に回転軸を設けて、その回転軸を中心として回転可能なようにカメラボディに設けられ」るものであるところ、引用発明は、背面モニター230が回転しているか否かに関わらず、ファインダーモニター320の表示面が基準面に対して傾いているとき、接眼検知センサ310を動作させているものといえる。 したがって、本願発明と引用発明は、「前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを有効に設定するように構成された」点で一致する。 d 上記a~cより、本願発明と引用発明は、「前記制御部は、前記第1の傾きセンサ」「の検出結果に応じて前記接眼センサの前記機能の有効および無効を切り替え、前記第1表示面が前記基準面と平行であり、かつ前記第2表示面が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを無効に設定し、前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを有効に設定するように構成された」点で共通する。 イ 一致点及び相違点 以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 (ア) 一致点 【一致点】 「第1表示面を含む可動式の第1の表示装置と、 第2表示面を含む可動式の第2の表示装置と、 前記第1の表示装置に物体が接近したことを検出する接眼センサと、 前記第1表示面が基準面に対して傾いていることを検出する第1の傾きセンサと、 前記接眼センサの機能の有効および無効を切り替える制御部とを備え、 前記制御部は、 前記第1の傾きセンサの検出結果に応じて前記接眼センサの前記機能の有効および無効を切り替え、 前記第1表示面が前記基準面と平行であり、かつ前記第2表示面が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを無効に設定し、 前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを有効に設定するように構成された、撮像装置。」 (イ) 相違点 【相違点1】 本願発明では、「第2表示面が前記基準面に対して傾いていることを検出する第2の傾きセンサ」を備えているのに対し、引用発明では、背面モニター230は、カメラボディ側面に回転軸を設けて、その回転軸を中心として回転可能であるものの、背面モニター230が傾いていることを検出する傾きセンサを備えていない点 【相違点2】 接眼センサの機能の有効および無効を切り替えについて、本願発明では、第1の傾きセンサの検出結果だけでなく第2の傾きセンサの検出結果に応じて切り替えているのに対し、引用発明では、検出スイッチ340の状態がONまたはOFFに応じて判断してるものの、相違点1のように背面モニター230が傾いていることを検出する傾きセンサを備えておらず、その検出結果に応じて切り替えを行うものではない点 (2) 上記相違点に対する判断 ア 相違点1及び相違点2について (ア) 引用発明と引用文献2に記載された技術的事項は、いずれも、接眼検知手段を動作させるか、動作を停止するかを制御する技術に関するものであるところ、引用文献2に記載された技術的事項に接した当業者であれば、「背面モニター230は、カメラボディ側面に回転軸を設けて、その回転軸を中心として回転可能なようにカメラボディに設けられ」ている引用発明においても、引用発明の「接眼検知センサ310」の「所定距離内」に背面モニター230が回転し存在する場合に、誤動作に対応しなければならないという課題を認識する。 そして、当業者は、引用発明において、接眼検知センサ310の所定距離内に背面モニター230が回転し存在する場合の誤動作に対応するために、引用文献2に記載された技術的事項を採用して、背面モニター230の姿勢(回転しているか否か)を検出する機能を有する姿勢検出部を設け、姿勢検出部によって検出された背面モニター230の現在位置と接眼検知センサ310の接眼検知領域とに基づいて、背面モニター230の一部が接眼検知センサ310の接眼検知領域に含まれるか否かをマイコン200で判定し、接眼検知領域に背面モニター230が存在すると判定された場合は、接眼検知動作フラグ242をOFFに設定して、接眼検知センサ310の動作を停止させるよう構成することは当業者が容易に想到し得たことであり、このとき、「背面モニター230の姿勢(回転しているか否か)を検出する機能を有する姿勢検出部」は、本願発明の「前記第2表示面が前記基準面に対して傾いていることを検出する第2の傾きセンサ」に相当するから、相違点1に係る本願発明の構成に至ることとなる(以下、引用発明に引用文献2に記載された技術的事項を採用した構成を「容易想到構成」という。)。 (イ) この容易想到構成における接眼検知動作について検討すると、まず、引用発明の技術思想から見て、外部ビューファインダー300が収納状態であるときには、背面モニター230の姿勢(回転しているか否か)に関わらず、接眼検知動作フラグ242はOFFに設定され、接眼検知センサ310の動作を停止させることとなる。また、外部ビューファインダー300がバリアングル状態であるときには、引用発明の技術思想から見て、接眼検知動作フラグ242はONに設定され、接眼検知センサ310を動作させるが、接眼検知センサ310の所定距離内に背面モニター230が回転し存在する場合の誤動作に対応するために、外部ビューファインダー300がバリアングル状態であるときのうち、接眼検知センサ310の所定距離内に背面モニター230が回転し存在する場合には、接眼検知動作フラグ242はOFFに設定され、接眼検知センサ310の動作を停止させることとなる。 そうすると、容易想到構成は、検出スイッチ340及び姿勢検出部の検出結果に応じて接眼検知動作フラグ242のONとOFFを切り替えて、接眼検知センサ310の動作をさせるか停止するかを切り替えることとなるから、相違点2に係る本願発明の構成に至ることとなる。 (ウ) ところで、容易想到構成においては前記(イ)で検討したとおり、外部ビューファインダー300がバリアングル状態であるとき、接眼検知センサ310の所定距離内に背面モニター230が回転し存在するか否かによって、接眼検知センサ310の動作を停止又は動作させることとなるが、このような容易想到構成が、本願発明と引用発明の「前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを有効に設定するように構成された」との一致点を維持しているといえるかについて検討する。 本願発明の従属項の請求項3には「前記制御部は、前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いている場合であって、前記第2表示面の傾き角度から前記第1表示面の傾き角度を引いた値が所定値より小さい場合は前記接眼センサを有効に設定し、前記値が前記所定値以上の場合は、前記接眼センサを無効に設定する」と記載されていることから、本願発明は、第1表示面および第2表示面の両方が基準面に対して傾いているときに、「常に」接眼センサを有効に設定することを要せず、所定の条件によって接眼センサを有効に設定するときと無効に設定するときがある構成を包含しているといえる。したがって、容易想到構成の外部ビューファインダー300がバリアングル状態であるとき、接眼検知センサ310の所定距離内に背面モニター230が回転し存在するか否かによって、接眼検知センサ310の動作を停止又は動作させることは、本願発明と引用発明の「前記第1表示面および前記第2表示面の両方が前記基準面に対して傾いているときに、前記接眼センサを有効に設定するように構成された」との一致点を維持しているといえる。 (エ) したがって、引用発明に、引用文献2に記載された技術的事項を採用し、相違点1及び相違点2に係る本願発明の構成にすることは、当業者が容易に想到し得た事項である。 イ 総合検討 そして、上記相違点1及び相違点2を総合的に検討しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 ウ 小括 したがって、本願発明は引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易になしえたものであるともいえる。 (3) 審判請求人の主張について ア 審判請求人は、引用文献2(原査定の引用文献3。以下も同様。)は、モニタ12の一部が接眼検知領域RMに含まれている場合は、接眼検知センサ13による接近検知を無効にする(段落0096、0097)が、本発明の接眼センサは、第2の表示装置が傾いたときは、第2の表示装置の一部が接眼検知領域に含まれないように構成しつつ、可動状態2の場合は、接眼センサを無効に設定しているので、両者の動作や考え方は異なると主張する。 しかしながら、当該主張は第2で却下された本件補正後の請求項1の記載に基づくものであり、第2の表示装置が傾いたときは、第2の表示装置の一部が接眼検知領域に含まれないようにする構成は、本願発明の特定事項ではない。 イ 審判請求人はまた、引用文献2に可動式の光学ファインダ手段を適用した場合、モニタ12の傾いた時点で、接眼検知センサ13がモニタ12の一部を検出することになり、可動状態4の場合は、接眼センサを無効に設定することが妥当と考えられ、本願発明の可動状態4の場合とは逆の設定になると主張する。 しかしながら、上記(2)アで容易想到構成しているのは、引用文献2に可動式の光学ファインダ手段を適用することではなく、引用発明に引用文献2に記載された技術事項を採用することであるから、審判請求人の主張は審決の説示を正解するものではない。そして、容易想到構成においては、外部ビューファインダー300がバリアングル状態であるときには、接眼検知動作フラグ242はONに設定され、接眼検知センサ310を動作させるが、外部ビューファインダー300がバリアングル状態であるときのうち、接眼検知センサ310の所定距離内に背面モニター230が回転し存在する場合には、接眼検知動作フラグ242はOFFに設定され、接眼検知センサ310の動作を停止させることとなること、及びこの構成が本願発明と引用発明の一致点を維持していることは、前記(2)ア(イ)及び(ウ)で説示したとおりである。 したがって、審判請求人の上記主張は、採用することができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-002041

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