2023-001103
遊技機
- 審判番号
- 2023-001103
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-208916外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年01月23日
- 審決日
- 2023年08月21日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社サンセイアールアンドディ
- 【請求人代理人】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
- 分類
- P18 .161-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条の2
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条の2、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
本願は、令和元年11月19日の出願であって、令和4年4月22日付けで拒絶の理由が通知され、同年6月27日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年10月21日付け(謄本送達日:同年11月1日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、令和5年1月23日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和5年1月23日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和5年1月23日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、令和4年6月27日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における
「遊技領域に配置されている入球口と、持ち球数を表示可能な表示手段と、前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段と、当たりであるかの判定結果を示す識別図柄を変動表示を経て停止表示可能な識別図柄表示手段と、当たりと判定されていることを示す当たり図柄が停止表示することに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能である一方、当たりと判定されていないことを示す特定のハズレ図柄が停止表示しても前記特別遊技状態に制御しない遊技状態制御手段と、を備え、前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない一方、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数が加算される特別ゲーム状態に設定される場合があり、前記特定のハズレ図柄が停止表示することに基づいて、前記特別遊技状態に制御されることなく前記特別ゲーム状態に移行することを特徴とする遊技機。」を、
審判請求時に提出された手続補正書(令和5年1月23日)の特許請求の範囲の請求項1における
「遊技領域に配置されている入球口と、第1状態又は前記第1状態よりも遊技球が入球し易い第2状態になることが可能な特別入賞口と、持ち球数を表示可能な表示手段と、前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口又は前記特別入賞口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段と、当たりであるかの判定結果を示す識別図柄を変動表示を経て停止表示可能な識別図柄表示手段と、当たりと判定されていることを示す当たり図柄が停止表示することに基づいて前記特別入賞口が前記第1状態から前記第2状態になることが可能な特別遊技状態に制御可能である一方、当たりと判定されていないことを示す特定のハズレ図柄が停止表示しても前記特別遊技状態に制御しない遊技状態制御手段と、を備え、前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない一方、遊技球が前記入球口又は前記特別入賞口に入球する場合に前記持ち球数が加算される特別ゲーム状態に設定される場合があり、前記特定のハズレ図柄が停止表示することに基づいて、前記特別入賞口が前記第1状態から前記第2状態になることがなく前記特別ゲーム状態に移行することを特徴とする遊技機。」にする補正を含むものである(下線は補正箇所を明示するために合議体が付した。)。
2 補正の目的について
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項であって「遊技機」が「備え」るものについて、「第1状態又は前記第1状態よりも遊技球が入球し易い第2状態になることが可能な特別入賞口」を備えることを限定し、これに伴い、「持ち球数制御手段」が「前記特別入賞口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能」であることを限定し、同「前記特定のハズレ図柄が停止表示することに基づいて、前記特別遊技状態に制御されることなく前記特別ゲーム状態に移行する」ことに関して、「前記特別遊技状態に制御されることなく」の特定を「前記特別入賞口が前記第1状態から前記第2状態になることがなく」に限定することを含むものである。
そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
3 新規事項の追加の有無について
請求項1の補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)の段落【0026】、【0056】、【0100】、【0103】、【0285】、【0287】、【0288】の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであって、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものである。
4 独立特許要件について
請求項1の補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるので、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(符号A等は分説するため合議体が付した。また、それぞれの符号により分説された事項を、以下では「構成A」等という。)。
(本件補正発明)
「【請求項1】A 遊技領域に配置されている入球口と、B 第1状態又は前記第1状態よりも遊技球が入球し易い第2状態になることが可能な特別入賞口と、C 持ち球数を表示可能な表示手段と、D 前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口又は前記特別入賞口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段と、E 当たりであるかの判定結果を示す識別図柄を変動表示を経て停止表示可能な識別図柄表示手段と、F 当たりと判定されていることを示す当たり図柄が停止表示することに基づいて前記特別入賞口が前記第1状態から前記第2状態になることが可能な特別遊技状態に制御可能である一方、当たりと判定されていないことを示す特定のハズレ図柄が停止表示しても前記特別遊技状態に制御しない遊技状態制御手段と、を備え、G 前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない一方、遊技球が前記入球口又は前記特別入賞口に入球する場合に前記持ち球数が加算される特別ゲーム状態に設定される場合があり、H 前記特定のハズレ図柄が停止表示することに基づいて、前記特別入賞口が前記第1状態から前記第2状態になることがなく前記特別ゲーム状態に移行するI ことを特徴とする遊技機。」
(2)先願
ア 記載事項
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原査定の拒絶の理由に引用文献等2として引用され、本願の出願日前の特許出願であって、本願の出願後に出願公開がされた特願2019-124861(特開2021-10418)(出願日:令和元年7月3日、出願公開日:令和3年2月4日、出願人:株式会社藤商事、発明者:矢次 譲)(以下「先願1」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「先願明細書等」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は合議体が付した。)。
「【0010】[第1の実施形態]<1.構成の概要:図1および図2>図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。【0011】図1に示すパチンコ遊技機1(以下、「遊技機1」と略す)は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。また遊技盤3の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(図3参照)が配設されている。」
「【0018】(遊技盤:図2)次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3a、四隅は非遊技領域となっている。【0019】続きを表示(全22行)この遊技領域3aの略中央部には、液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、所定の表示領域(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄の3つの装飾図柄(図5参照))の変動表示動作(変動表示および停止表示)を含む、種々の演出を画像により表示する。【0020】また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り体48が設けられている。センター飾り体48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り体48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えており、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として働く。本実施形態では、センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間に遊技球が通過可能な遊動領域が形成されており、発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り体48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。・・・【0026】センター飾り体48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。【0027】第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口を開放または拡大可能にする‘始動口開閉手段’を有しない「入賞率固定型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り体48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。【0028】普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な「入賞率変動型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として左右一対の可動翼片(可動部材)47を備え、この可動翼片47が開閉動作を行うことで、第2の特別図柄始動口である下始動口35を開放または拡大可能となっている。【0029】また、普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。【0030】また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に4つ(43a~43d)、右側に1つ(43e)、計5つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43h(各一般入賞口43a~43eの個々に対応)が形成されている。【0031】また、普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲートからなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていないが、これに限らず、両流下経路に形成してもよい。【0032】右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。」
「【0044】(2-1.主制御部20)主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM202(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。」
「【0081】ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、大当り抽選結果が「小当り」の場合には所定の「小当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。【0082】なお、本明細書中では説明の便宜のために、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する場合がある。また、特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称する(場合により「特図」と略す)し、「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを区別せずに「特別図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。【0083】また上述の特別図柄変動表示、ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、また液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。【0084】したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果(大当り抽選の結果)が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(当り図柄:たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示態様)で停止表示される。【0085】この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bによる大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口50への入賞球数が最大入賞数(役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、10個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される(ラウンド遊技終了条件(閉鎖条件)の成立)、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定のラウンド数(たとえば、最大10ラウンド)繰り返される。」
「【0178】(7-1B.前兆モードについて)また上記「前兆モード」とは、後述の「天井(ハマリ救済機能)」の到達間近に移行される遊技モードであり、たとえば、天井到達が間近であることを報知する「前兆演出」を実行させるための遊技モードとして設けられている。この前兆モードは、通常モード(通常状態)中、大当りに当選せずに、所定のゲーム数(所定の変動回数)に到達した場合に移行される。本実施形態の場合、一般モード中に989ゲームハマると、990ゲーム目から前兆モードに移行されるようになっている(図7の「前兆モード」のブロック枠(α)参照)。「天井」についての詳細は後述するが、本実施形態では、通常モード中(少なくとも内部遊技状態が通常状態中)に1000ゲーム(1000回転)ハマる(ハズレ続ける)と、天井機能が発動して、特別利益(天井特典)が付与されるようになっている(図7の備考2の天井特典の例の欄参照)。」
「【0253】ここで、天井到達時(天井ゲーム時)は、後述の「天井演出」の演出時間幅を確保するため、比較的長い変動時間の変動パターン(天井用変動パターン)が選択されるようになっている。本実施形態では、全遊技モード中(全変動パターン選択モード中)で、最長の変動パターンが選択されるようになっている(図26の「天井変動」の欄参照)。なお、天井用変動パターンは、「天井演出」の演出時間幅を確保できれば特に制限はないが、少なくとも通常モード中のSPリーチ以上(少なくとも疑似連無しSPリーチ以上)の変動時間を有する変動パターンを選択可能に構成することが好ましい。【0254】なお、1000ゲーム目(天井ゲーム)も通常通り、大当り抽選は実行されるため、1000ゲーム目に大当りに当選した場合は、1000ゲーム目の終了後、通常通り、大当り遊技が開始されることになる。続きを表示(全16行)詳細は後述するが、本実施形態では、天井ゲームに大当りに偶々当選した場合には、天井機能の発動を制限(禁止)するようになっており(後述の図13の天井発動管理処理を参照)、天井特典が付与される場合は、1000ゲーム目が「ハズレ」の場合となる。小当りを設けている場合は、1000ゲーム目に小当りに当選しても、ハズレと同様に天井特典が付与される。この点は、天井特典が有限時短の場合に限らず、無限時短、無限確変、有限確変、無限潜確、または有限潜確の場合も同様である。しかし、天井特典が「強制当り」の場合は、強制的に大当り当選状態に制御されるため、1000ゲーム目の大当り抽選自体を実行しないか、または、大当り抽選を実行してもその結果を無効扱いとし、天井用の大当りが当選したものとして処理すればよい。したがって、天井特典が「強制当り」の場合は、1000ゲーム目の終了後、通常の大当りが当選したときと同じように、天井用の大当りに係る大当り遊技(強制大当り遊技)が開始されることとなる。なお、強制大当り遊技中の当り中演出は、通常の大当りと同じ(時短大当り1および確変大当り1~7のいずれかと同じ)であってもよいし、強制大当り専用の当り中演出を現出させてもよい。【0255】(7-4-1.天井モード中の演出について)天井モード中は、天井到達を報知するための演出(天井演出)が現出される「天井演出モード」に移行される。この天井演出モードは、天井(1000ゲーム目)専用の演出モードであり、本実施形態の場合、1ゲーム限り(1回転限り)の演出モードである。天井演出モードにおける演出例としては、たとえば、天井時の装飾図柄(天井用装飾図柄)が、少なくとも通常モード(1~9の数字図柄)とは異なる装飾図柄が現出される。「少なくとも通常モードとは異なる装飾図柄」とした理由は、天井到達となるのは通常モードで大ハマリに遭遇した場合であり、長らく通常モードで現出されていた装飾図柄とは異なる装飾図柄を現出させ、天井到達を報知することが適切だからである。【0256】天井用装飾図柄は、具体的には、特別なキャラクタやアイテムや文字を表示した専用図柄(天井用装飾図柄)であり、天井用装飾図柄は、演出的に、インパクトの強い図柄であることが好ましく、たとえば、図7の備考1に示す装飾図柄778(「天」「☆」「井」の装飾図柄)である。通常の装飾図柄列は、右図柄、中図柄、左図柄の3つであるが(図5参照)、天井用装飾図柄列は、必ずしも3つの図柄列でなくてもよい。たとえば、「天」「井」「到」「達」の4つの図柄列や、「天」「井」の2つの図柄列とすることができる。また、天井到達であることを強調するために、通常の装飾図柄より表示面積の大きい巨大装飾図柄、或いは、所定のエフェクト画像を付したものを用いてもよい。また、天井ゲームに係る装飾図柄について、変動表示時は通常の装飾図柄を用い(全部または一部が同じ装飾図柄)、最終的に停止させる装飾図柄(装飾停止図柄)だけを天井用装飾図柄としてもよい。【0257】また、装飾図柄の背景表示として、専用のキャラクタ画像777が現出される。このキャラクタ画像777は、天井ゲームに限り現出される特別な演出である。また、特徴的演出の一つとして、図柄変動表示ゲームの開始を契機に、発射誘導報知演出として、右打ちを促す「右打ち指示画像(右打ち報知画像779)」が現出されている点である。【0258】右打ち指示画像779を現出する理由は、次の理由による。天井特典として有限時短が付与される場合(無限時短、有限確変、または無限確変が付与される場合も同様)、1000ゲーム目の開始を契機に「電サポ有り状態」が生起する。このため、右打ちが有利である旨を直ちに報知し、遊技者に不利益を与えないようにするためである。本実施形態では、図柄変動表示ゲームの開始と同時または略同時に、右打ち指示画像779が現出される。なお、天井時(1000ゲーム目)に「電サポ有り状態」が生起する点を考慮して、前兆モード中または一部の期間(たとえば、天井ゲーム直前のゲーム(前兆モード最終回目))において、まもなく「右打ち」有利になることを報知する演出(事前発射誘導報知演出)を現出させることが好ましい。」
「【0499】<23.特別電動役物管理処理:図17>次に、図9中の特別電動役物管理処理(ステップS095)について説明する。図17は、ステップS095の特別電動役物管理処理の詳細を示すフローチャートである。【0500】続きを表示(全59行)図17において、CPU201は、まず小当り中フラグの状態を判定する(ステップS501)。上記小当り中フラグがON状態の場合(ステップS501:=5AH)、小当り処理を行い(ステップS504)、この特別電動役物管理処理を抜ける。この小当り処理では、小当り遊技動作を制御するための必要な処理が実行される。【0501】上記小当り中フラグがOFF状態の場合(ステップS501:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS502)。条件装置作動フラグがOFF状態の場合(ステップS502:≠5AH)、この場合は、小当り遊技中ではなく(ステップS501:≠5AH)、大当り遊技中でもないので、何もしないでこの特別電動役物管理処理を抜ける。【0502】条件装置作動フラグがON状態の場合(ステップS502:=5AH)、特別電動役物動作ステータス(00H~04H)に応じた処理を行う(ステップS503:特別電動役物ステータス分岐処理)。なお「特別電動役物動作ステータス」とは、特別変動入賞装置52の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、領域内RAMの特別電動役物動作ステータス格納領域に格納される。特別電動役物動作ステータスには、大当り遊技開始前の待機状態である旨を指定する「開始処理中(00H)」、ラウンド遊技開始前の待機状態である旨を指定する「作動開始処理中(01H)」、ラウンド遊技が実行中である旨を指定する「作動中(02H)」、次回のラウンド遊技を継続させるか否かの判定中である旨を指定する「継続判定中(03H)」、大当り遊技終了時の終了処理中である旨を指定する「大当り終了処理中(04H)」が含まれる。【0503】ステップS503の特別電動役物動作ステータス分岐処理では、特別電動役物動作ステータス値が「開始処理中(00H)」「作動開始処理中(01H)」「作動中(02H)」「継続判定中(03H)」「大当り終了処理中(04H)」のいずれかのステータス値であるかに応じてステップS505~S509のいずれかの処理を実行する。これらの処理は大当り遊技を実行制御する処理であり、ステップS505~S509の処理を経て、各種当りに対応する当り遊技が実現される。以下に、ステップS505~S509の処理内容について説明する。【0504】<大当り遊技制御処理(ステップS505~S509)>(9-1.大当り開始処理)ステップS505の「大当り開始処理」について説明する。大当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが、初期値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって「大当り」となった場合は、まずこの「大当り開始処理」が実行される。【0505】大当り開始処理に入ると、CPU201は、まず、大当り遊技を開始する際に必要な設定処理(開始時の設定処理)として、役物連続作動装置作動フラグをON状態(作動中)に設定する。これにより、特別電動役物の連続作動(ラウンド遊技)が許容状態となる(ラウンド遊技実行許容状態)。そして、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に更新し、ラウンド数をカウントする「連続回数カウンタ」に初回の1R目を指定する01Hを設定する。次いで、今回当選した当り種別(特別図柄判定データ)に応じて、領域内RAMの該当領域に、今回の大当りに対応する「最大ラウンド数」、また特別図柄役物動作タイマに「開始インターバル時間」を設定する。「開始インターバル時間(開始INT)」とは、特別図柄の確定表示時間が経過して(図16AのステップS471参照)大当りが確定した後、特別変動入賞装置52が作動するまで(1R目のラウンド遊技が開始されるまで)のインターバル区間であって、オープニング演出区間を定めた時間幅を指す。【0506】次いで、「大当り開始コマンド」を演出制御部24に送信し、この大当り開始処理を抜ける。なお「大当り開始コマンド」には、オープニング演出の開始を指示する役割の他、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれ、演出制御部24において、大当り遊技中に展開される一連の当り演出(大当り種別ごとに対応するオープニング演出、ラウンド中演出、ラウンド終了演出、およびエンディング演出など)を決定する際にも利用される。かくして、大当り遊技が開始される。【0507】(9-2.特別電動役物作動開始処理)次に、ステップS506の「特別電動役物作動開始処理」について説明する。【0508】特別電動役物作動開始処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、ラウンド開始前インターバル時間が設定されている。このインターバル時間としては、初回のラウンド(1R目)では、上記「大当り開始処理(ステップS505)」で設定された「開始インターバル時間(開始INT)」が監視されるが、2R目以降で本処理(ステップS506)を通過するときは、「開放前インターバル時間」、具体的には、今回のラウンド遊技が終了して次回ラウンド遊技が開始されるまでのラウンド間のインターバル時間(R間INT)が監視される。この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、今回のラウンド遊技が終了していないので、何もしないでこの特別電動役物作動開始処理を抜ける。【0509】一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ、つまり開放前インターバル時間(1R目の場合は、開始インターバル時間)が経過したならば、大当り種別(特別図柄判定データ)と現在のラウンド数(連続回数カウンタ値)とに応じた大入賞口50の開閉動作パターンを設定する(大入賞口開閉動作設定処理)。ここでは、大入賞口開閉動作時間(最大開放時間)を特別図柄役物動作タイマに格納し、大入賞口ソレノイド52cを制御するためのソレノイド用制御データ(ラウンド数に対応して実行される大入賞口開閉動作パターン用データ)を設定する。【0510】また大入賞口開放開始動作に伴い、大入賞口開放コマンドを演出制御部24に送信する。この「大入賞口開放コマンド」には、現在のラウンド数情報が含まれ、演出制御部24において、ラウンド数に対応するラウンド中演出を現出させる際に利用される。そして、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に切り替えて、この特別電動役物管理処理を抜ける。これにより、大入賞口50が上記大入賞口開閉動作時間を上限に開放され、今回のラウンド遊技が開始される。【0511】(9-3.特別電動役物作動中処理)次に、ステップS507の「特別電動役物作動中処理」について説明する。【0512】特別電動役物作動中処理に入ると、CPU201は、まず大入賞口50への入賞球数が最大入賞数に達したか否かを監視し、最大入賞数に達した場合には特別図柄役物動作タイマをゼロクリアする。これにより、上記「特別電動役物作動開始処理(ステップS506)」で設定されたタイマ値が強制的にゼロになり、最大入賞数に達したことを以って、開放中の大入賞口50が閉鎖されることになる。また、ここでは、大入賞口50に入賞があるごとに、「大入賞口入賞コマンド」を演出制御部24に送信する。この大入賞口入賞コマンドには、大入賞口への入賞発生情報と賞球数情報とが含まれ(設定値情報も含ませてもよい)、大入賞口50に入賞した旨を報知する入賞演出に利用される他、入賞演出を利用した設定示唆演出の現出制御にも利用される。たとえば、最大入賞数を超えるオーバー入賞があった場合、設定値に応じて定められた出現率に従い、通常のオーバー入賞演出に替えて、特別なオーバー入賞演出を現出する。【0513】なお、特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間、つまり、大入賞口開放動作時間(最大開放時間)が経過するか、または最大入賞数に達するまでの間は、何もしないで、そのまま特別電動役物作動中処理を抜ける。【0514】最大入賞数に達するか、または最大開放時間が経過して、特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば、今回のラウンド遊技が終了したとして、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に切り替え、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(1980ms)を格納する。この「残存球排出時間」とは、大入賞口が閉鎖された後、大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間を指す。また大入賞口閉鎖(ラウンド遊技終了)に伴い、ラウンド間インターバルコマンドを演出制御部24に送信する。この「ラウンド間インターバルコマンド」は、ラウンド遊技終了情報や現在のラウンド数情報を含み、演出制御部24において、次回ラウンドまでのラウンド間インターバル(R間INT)中の演出(ラウンド間インターバル演出)を現出させる際に利用される。以上により、この特別電動役物作動中処理を抜ける。【0515】(9-4.特別電動役物作動継続判定処理)次に、ステップS508の「特別電動役物作動継続判定処理」について説明する。【0516】特別電動役物作動継続判定処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、大入賞口閉鎖後の残存球排出時間(1980ms)が設定されているので(ステップS507参照)、この残存球排出時間が経過したか否かが判定される。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。【0517】特別図柄役物動作タイマがゼロ(残存球排出時間経過)になったならば、連続回数カウンタの値を取得して、現在のラウンド数が最大ラウンド数に達したか否かを判定する。最大ラウンド数に達していない場合には、ラウンド遊技継続時の処理として、連続回数カウンタに1加算(+1)し、「開放前インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替える。【0518】一方、現在のラウンド数が最大ラウンド数に達した場合には、最終ラウンド終了時の設定処理として、「終了インターバル時間(終了INT)」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に切り替える。上記「終了インターバル時間」とは、最終ラウンド目のラウンド遊技が終了して残存球排出時間経過した後、大当り遊技が終了するまでのインターバル区間であって、エンディング演出区間を定めた時間幅を指す。【0519】そして、エンディング演出の開始を指示する「大当り終了コマンド」を演出制御部24に送信して、特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。これにより、最大ラウンド数目のラウンド遊技が終了される。なお、上記大当り終了コマンドには、今回の大当り種別とその当選時の遊技状態とに関する情報、つまり大当り遊技終了後の遊技状態を特定可能な情報が含まれ、演出制御部24において、大当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。【0520】(9-5.大当り終了処理:図18)次に、ステップS509の「大当り終了処理」について説明する。図18は、大当り終了処理の詳細を示すフローチャートである。【0521】図18において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS591)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記終了インターバル時間(終了INT)が設定されているので、ここでは、この終了インターバル時間が経過したか否かが判定される。特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS591:NO)、何もしないでこの大当り終了処理を抜ける。【0522】一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ(終了インターバル時間経過)になったならば(ステップS591:YES)、状態フラグ設定処理を実行する(ステップS592)。ここでは、既に説明した「遊技状態移行準備処理(図12のステップS412)」において設定された状態バッファの各々の値を、状態バッファに対応するフラグ領域やカウンタにそれぞれ設定する。これにより、大当り遊技後の遊技状態が指定される。【0523】次いで、大当り終了時の各種設定処理を実行する(ステップS593)。ここでは、大当り遊技制御処理中に利用した各種のデータ(たとえば、ステップS505~S509で利用したフラグやカウンタ値)をクリアし、遊技状態報知LED出力番号を更新し、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に切り替える。【0524】上記大当り終了処理を終えると、大当り遊技に関する一連の制御処理が終了して、今回の大当り遊技が終了される。なお、以上に説明した大当り遊技に関する一連の制御処理は、天井特典による「強制当り」が付与される場合も同様である。」
「【0668】[第2の実施形態]次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、一般的な弾球遊技機について説明した。この第2実施形態では、内部に封入された遊技球を循環的に使用して遊技を行うタイプの遊技機、いわゆる「封入式遊技機」或いは「管理式遊技機」と称されるタイプの遊技機に関するものである。以下、第2実施形態に係る遊技機を「管理遊技機」または「遊技機1a」と称して説明する。【0669】続きを表示(全13行)管理遊技機とは、従来から知られているように、遊技機内部で複数(所定数)の遊技球(遊技媒体)を循環させ、遊技に用いる遊技球や遊技者に遊技球を直接払い出すことを不要とした遊技機である。たとえば、内部に複数(所定数)の遊技球を封入し、発射装置32により発射された遊技球を回収して、再度、発射装置32に供給することにより遊技球を循環させることで、外部から遊技球を供給することなく遊技が可能な遊技機である(たとえば、特開2002-272914、特開2006-81599号公報、特開2010-142475号公報、特開2013-106760号公報)。【0670】上記のように管理遊技機は、遊技機内部に封入された遊技球を用いて遊技を行う「循環式」の遊技機である点で、第1実施形態に係る遊技機のように、遊技機内部に遊技球を封入せずに、外部から供給される遊技媒体を用いて遊技を行う「非循環式」の遊技機とは異なる。このため、上受け皿9や球抜きボタン14などは設けられていない。その替りに、持ち球数(差玉)が、電磁的方式により記録・管理され、その結果(現在の持ち球数)が、所定の表示器(LED表示器)により表示されるようになっている。本実施形態では、持ち球数を表示可能な遊技球数表示装置77(図35参照)が設けられており、遊技者に視認し易いように、遊技機1aの適宜な位置、たとえば、図1の上受け皿ユニット8に相当する位置などに形成されている(図1、図35(イ)参照)。【0671】遊技者の持ち球数(加減算した遊技球数)は、基本的には、発射装置32から発射された遊技球(アウト球:打ち込み数)を「X個」、賞球数(セーフ球:入賞による賞球)を「Y個」、球貸出装置による供給された貸遊技球を「Z個」とした場合、「(Y+Z)-X」個で算出される。たとえば、アウト球数が4000個、セーフ球が3000個、貸遊技球が2000個であれば、+1000個となり、遊技者の持ち球が1000個のプラスの状態となり、この持ち球数が遊技球数表示装置77に表示されるようになっている。【0672】本実施形態の遊技機1aには、アウト球数やセーフ球数をそれぞれカウント可能なカウント手段(アウト球カウント手段、セーフ球カウント手段)を備え、持ち球数を算出可能な持球数算出手段を備えている。なお、詳細は後述するが、遊技機1aには、後述のファール球をカウントするファール球数カウント手段、発射数をカウントする発射球数カウント手段などを含んで構成されている。なお、持ち球数がゼロの状態では発射動作が停止されるため、実際には、持ち球数はマイナス状態にはならず、持ち球がゼロになれば、球貸出装置から遊技球を供給する必要がある。【0673】なお、本実施形態は「管理遊技機」を対象とするが、遊技性に関しては、第1実施形態で述べたものを等しく適用することが可能である。すなわち、図柄変動表示ゲームや演出や天井機能を含む種々の遊技性(たとえば、図4~図7、図21~34など)は、本実施形態において特に制限されるものではない。」
「【0684】また枠制御部22には、入球通路カウントセンサ66と、非入球通路カウントセンサ67と、減算機構カウントセンサ68とが接続されている。この入球通路カウントセンサ66は、アウト球を検出する検出手段であり、その機能はOUT監視スイッチ49aと同じである。非入球通路カウントセンサ67は、いわゆる「ファール球(戻り球)」を検出する検出手段であり、本実施形態では、発射装置32から発射された遊技球が、遊技領域3aに到達しなかった場合、非入球通路(不図示)を通じて発射装置32へと再供給されるようになっており、非入球通路カウントセンサ67は、非入球通路に通過する遊技球を検出可能となっている。減算機機カウントセンサ68は、発射装置32から発射される遊技球を検出する(ファール球を考慮しない実射数を検出する)。枠制御部22は、減算機構センサカウント68からの検出信号に基づき、遊技球1個が発射されるたことを把握し(合議体注:「発射されるたこと」は「発射されたこと」の誤記と認める。)、持ち球数から遊技球1個を減算処理する減算機能部を有している。【0685】枠制御部22は、入球通路カウントセンサ66と、非入球通路カウントセンサ67と、減算機構センサカウント68とからの検出情報、後述の賞球数情報を含む遊技機情報通知電文(図52、図53A~図53C参照)に基づき、持ち球数の加減算処理を行い、現在の持ち球数をリアルタイムに算出し、その結果を、遊技球数表示装置77に表示する。枠制御部22は、アウト球数、セーフ球数、発射装置32からの発射球数(ファール球を考慮した実射数)のそれぞれを算出する機能部(アウト球数計数手段、セーフ球数計数手段、発射球数計数手段)を有する。なお、ファール球は遊技領域3aに到達していなため、持ち球数についてはノーカウントとして処理される。また、玉貸要求スイッチ87が操作されて、貸出装置(外部ユニットSC)から所定数の遊技球が供給された場合には、この貸出球数も持ち球数に反映される。」
「【0896】管理遊技機では、内部に封入した遊技球を循環させ、遊技に利用する持ち球数を電磁的方法により管理するという特徴を持つ遊技機である点に着目し、「遊技球を発射しても持ち球を減算しないゲーム(フリーゲーム)」を実行可能に構成することができる。【0897】このフリーゲーム中は、持ち球が減らない状況、換言すれば、発射数1個に対して最低1個の賞球があるという遊技状況下に置かれ、フリーゲーム中のベースは「1以上」となる。したがって、フリーゲーム中は、少なくとも通常状態よりも有利な利益状態となる。続きを表示(全22行)【0898】(77.フリーゲームの開始条件(開始契機)、終了条件(終了契機)について)上記フリーゲームの開始条件と終了条件の以下に例示する。なお、以下に述べる開始条件と終了条件は、任意の組合せが可能である。【0899】(77-1.開始条件について)先ず、フリーゲームの開始条件(開始契機)について説明する。開始条件については、下記(Α)~(Ν)のような条件を定めることができる。(Α)電源投入後の最初のゲームの開始または終了。その遊技機で最初にプレイする遊技者に特典を与えることができる。(Β)設定変更があった場合の最初のゲームの開始または終了。設定変更(同一設定値の打ち替えを含む)があったことを遊技者に知得させることができる。(Γ)大当り抽選で、特定の当りに当選。この場合、当選ゲームの開始または終了を開始条件とすることができる。また「特定の当り」は、1または複数種類設けることができる(後述の(Δ)も同様)。また「特定の当り」は、特定の小当りであってもよいし、特定の大当りであってもよい(後述の(Δ)も同様)。また、特定の当りに限定せず、全大当りまたは全小当りであってもよい(後述の(Δ)も同様)。(Δ)特定の当りに係る当り遊技の開始または終了:特定の当りに係る当り遊技は、1または複数種類設けることができる(以下同様)。(Ε)特定のラウンド目に係るラウンド遊技の開始または終了:特定のラウンド数は、1または複数種類設けることができる。なお、全大当りまたは特定の大当りに係る大当り遊技中のみとしてもよい。また「特定の大当り」は、1または複数種類設けることができる。(Ζ)特定の内部遊技状態の開始または終了:特定の内部遊技状態は、1または複数種類設けることができる(後述の(Θ)も同様)。(Η)特定の遊技モード(特定のTcode)の開始または終了:特定の遊技モード(特定のTcode)は、1または複数種類設けることができる(後述の(Θ)も同様)。(Θ)特定の内部遊技状態中および/または特定の遊技モード(特定のTcode)中に、特図の変動回数が所定回数実行された場合。特図の変動回数は、特図1および特図2の合計変動回数であってもよいし、特図1または特図2の変動回数であってもよい。(Ι)特定の内部遊技状態中および/または特定の遊技モード(特定のTcode)中に、普図の変動回数が所定回数実行された場合。(Κ)特定の内部遊技状態中に、特別電動役物の作動回数が所定回数に達した場合。(Λ)天井発動契機:第1実施形態(特典付与形態の変形例1、変形例2(図33、図34、付与形態(α)~(ξ))などの各変形例のすべてを含む)で説明した「天井特典」の付与契機をフリーゲームの開始条件としてもよい。換言すれば、「天井特典」を「フリーゲーム」に置き換えた構成としてもよい。(Ν)特定の時刻が到来した場合。RTCを利用して、特定の時刻の到来を監視し、特定の時刻が到来した場合に、フリーゲームを開始させることができる。」
「【0902】上記(I)、(II)のケースのいずれも、主制御部20側は「遊技機情報通知電文」によりフリーゲームの開始タイミングおよび終了タイミング(開始条件を満たした旨および終了条件を満たした旨)を枠制御部22に通知することができる。詳述するに、フリーゲーム中である旨を「遊技機情報通知電文」で枠制御部22に送信する場合には、たとえば、フリーゲームの開始および終了の情報を、遊技情報に係る性能情報状態通知(図53F(ホ)および(例13)参照)により送信することができる。たとえば、性能情報状態通知のカウント情報のBit3(未使用のビット)を利用し、「Bit3=1」であればフリーゲーム中を指定し、「Bit3=0」であれば非フリーゲーム中を指定することができる。なお、枠制御部22側において、このBit3の値の変化を監視すれば、フリーゲームの開始および終了を把握することができる。たとえば、Bit3の値が「0→1」に変化した場合は“フリーゲーム開始”、Bit3の値が「1→0」に変化した場合は“フリーゲーム終了”であることを把握することができる。これにより、枠制御部22側に対して、持ち球数の減算処理の中断(中止)および再開のタイミングを通知し、枠制御部22側は、当該遊技機情報通知電文を受けた場合、フリーゲームの開始タイミングおよび終了タイミングを把握し、持ち球数の減算処理を中断(減算処理停止状態に制御)および再開(減算処理停止状態を解除(減算処理許容状態に制御))し、フリーゲームを実現することができる。」
「【0915】また、主制御部20は、現在の累積発射球数に基づき、終了規定個数までの「残り発射球数」を特定可能なコマンド(残余発射球数コマンド)を演出制御部24に送信可能に構成され、当該コマンドを受けた演出制御部24は、フリーゲーム終了までの残り発射球数を報知する「残余発射球数報知演出」を現出させるようになっている。また、主制御部20は、フリーゲーム中の各入賞口への入賞情報(賞球数情報)を特定可能な賞球数コマンドを演出制御部24に送信可能に構成され、当該コマンドを受けた演出制御部24は、フリーゲーム中の獲得球数に関連する情報を報知する「獲得球数報知演出」を現出させるようになっている。なお「獲得球数に関連する情報」は、「純増個数」または「賞球数」或いは「賞球数の累積情報(累積賞球数)」のいずれであってもよい。また、これらの情報を同時的に表示(重複的に表示)してもよい。また賞球数を報知する場合は、入賞がある毎に「+10獲得!」や「+3獲得!」のように、入賞口に対応した賞球数に関連する情報を表示してもよい。」
イ 先願発明
上記アの記載事項を総合すると、先願明細書等には、以下の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる(符号a等は本件補正発明の符号A等に対応させて合議体が付した。)。
(先願発明)
「a 遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り体48が設けられ(【0020】)、センター飾り体48の下方には、上始動口34と、下始動口35を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ(【0026】)、また、右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲートからなる普通図柄始動口37が設けられ(【0031】)、b 右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており(【0032】)、c、d 遊技者の持ち球数は、発射装置32から発射された遊技球を「X個」、賞球数を「Y個」、球貸出装置による供給された貸遊技球を「Z個」とした場合、「(Y+Z)-X」個で算出され、この持ち球数が遊技球数表示装置77に表示されるようになっており(【0671】)、遊技球1個が発射されたことを把握し、持ち球数から遊技球1個を減算処理し(【0684】)、賞球数情報を含む遊技機情報通知電文に基づき、持ち球数の加減算処理を行い、現在の持ち球数をリアルタイムに算出し、その結果を、遊技球数表示装置77に表示する枠制御部22(【0685】)を備え、e、f、h 特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、大当り抽選結果が「小当り」の場合には所定の「小当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38b(【0081】)と、特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開され、特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、また液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっており(【0083】)、f 「大当り」となった場合、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52cが作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生し(【0085】)、CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載する主制御部20は、大当り遊技を開始する際に設定処理として、役物連続作動装置作動フラグをON状態に設定し、特別電動役物の連続作動が許容状態となり(【0044】、【0505】)、d、g 遊技球を発射しても持ち球を減算しないゲーム(以下「フリーゲーム」という。)を実行可能に構成しており(【0896】)、フリーゲームの開始タイミングおよび終了タイミングを把握し、持ち球数の減算処理を中断および再開し(【0902】)、フリーゲーム中の各入賞口への入賞情報(賞球数情報)を特定可能な賞球数コマンドを演出制御部24に送信可能に構成され、当該コマンドを受けた演出制御部24は、フリーゲーム中の獲得球数に関連する情報を報知し(【0915】)、f、h フリーゲームの開始条件(【0898】)は、特定の小当りに当選すること、「天井特典」が付与されることであり(【0899】)、通常モード中に1000ゲームハズレ続けると、天井機能が発動して、特別利益(天井特典)が付与されるようになっており(【0178】)、1000ゲーム目が「ハズレ」の場合、天井特典が付与され(【0254】)、「天」「☆」「井」の装飾図柄である天井用装飾図柄を現出させ、天井到達を報知する(【0255】、【0256】)i 遊技機1(【0011】)。」」
(3)対比・判断
本件補正発明と先願発明とを対比する。
ア 構成Aについて
先願発明の構成aの「遊技領域3a」、「設けられ」ていること、並びに「上始動口34」、「下始動口35」及び「普通図柄始動口37」のいずれか一つは、それぞれ本件補正発明の「遊技領域」、「配置されている」こと、及び「入球口」に相当する。
よって、先願発明の構成aは、本件補正発明の構成Aに相当する構成を有する。
イ 構成Bについて
先願発明の構成bの「突没式の開放扉52b」が「開放または拡大」されていない状態、「突没式の開放扉52b」が「開放または拡大」された状態、「可能に構成され」ていること、及び「特別変動入賞装置52(特別電動役物)」は、それぞれ本件補正発明の「第1状態」、「前記第1状態よりも遊技球が入球し易い第2状態」、「なることが可能」であること、及び「特別入賞口」に相当する。
よって、先願発明の構成bは、本件補正発明の構成Bに相当する構成を有する。
ウ 構成Cについて
先願発明の構成c、dの「持ち球数」、「表示する」こと、及び「遊技球数表示装置77」は、それぞれ本件補正発明の「持ち球数」、「表示可能」であること、及び「表示手段」に相当する。
よって、先願発明の構成c、dは、本件補正発明の構成Cに相当する構成を有する。
エ 構成Dについて
先願発明の構成c、dの「遊技球1個が発射されたことを把握し」た場合に「持ち球数から遊技球1個を減算処理」すること、及び「枠制御部22」は、それぞれ本件補正発明の「前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であ」ること、及び「持ち球数制御手段」に相当する。
また、先願発明の構成c、dでは「賞球数情報を含む遊技機情報通知電文に基づき、持ち球数の加減算処理を行」っており、構成c、dで「賞球数」は、構成aの「上始動口34と、下始動口35」(入球口)や構成bの「特別変動入賞装置52(特別電動役物)」(特別入賞口)に「遊技球」が入球した場合に発生することは明らかであって、構成c、dで「発射装置32から発射された遊技球を「X個」、賞球数を「Y個」、球貸出装置による供給された貸遊技球を「Z個」とした場合、「(Y+Z)-X」個で算出され」ることから、「賞球数」は、「持ち球数」に加算されているといえる。
よって、先願発明の構成c、dは、本件補正発明の構成Dに相当する構成を有する。
オ 構成Eについて
先願発明の構成e、f、hの「大当り抽選結果」、「装飾図柄」、「変動表示」、「導出表示される」こと、及び「液晶表示装置36」は、それぞれ本件補正発明の「当たりであるかの判定結果」、「識別図柄」、「変動表示」、「停止表示可能」であること、及び「識別図柄表示手段」に相当する。
よって、先願発明の構成e、f、hは、本件補正発明の構成Eに相当する構成を有する。
カ 構成Fについて
先願発明の構成e、f、hの「大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で」「変動表示中の特別図柄が停止表示され」ること、構成fの「特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52cが作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)」、同「発生」すること、構成f、hの「通常モード中に1000ゲームハズレ続け」「「天」「☆」「井」の装飾図柄である天井用装飾図柄を現出させ」ること、及び「CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載する主制御部20」は、それぞれ本件補正発明の「当たりと判定されていることを示す当たり図柄が停止表示すること」、「前記特別入賞口が前記第1状態から前記第2状態になることが可能な特別遊技状態」、「制御可能である」こと、「当たりと判定されていないことを示す特定のハズレ図柄が停止表示」すること、及び「遊技状態制御手段」に相当する。
また、先願発明の構成fでは「「大当り」となった場合、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52cが作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生」することから、「1000ゲーム目が「ハズレ」の場合」には、「特別遊技状態(大当り遊技)が発生」しないこと(本件補正発明の「前記特別遊技状態に制御しない」ことに相当)は明らかである。
よって、先願発明は、本件補正発明の構成Fに相当する構成を有する。
キ 構成Gについて
先願発明の構成d、gの「遊技球を発射しても持ち球を減算しない」こと、及び「フリーゲーム」は、それぞれ本件補正発明の「前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない」こと、及び「特別ゲーム状態」に相当する。
また、先願発明の構成d、gでは「フリーゲーム中の各入賞口への入賞情報(賞球数情報)を特定可能な賞球数コマンドを演出制御部24に送信可能に構成され、当該コマンドを受けた演出制御部24は、フリーゲーム中の獲得球数に関連する情報を報知し」ていることから、「各入賞口」(前記入球口又は前記特別入賞口)に入賞(入球)した場合に、「賞球数」としての「獲得球数」が発生し、構成c、dで「遊技者の持ち球数は、発射装置32から発射された遊技球を「X個」、賞球数を「Y個」、球貸出装置による供給された貸遊技球を「Z個」とした場合、「(Y+Z)-X」個で算出され」ている。
そうすると、「各入賞口」(前記入球口又は前記特別入賞口)に入賞(入球)した場合には、「遊技者の持ち球数」(持ち球数)が加算されているといえる。
よって、先願発明の構成d、gは、本件補正発明の構成Gに相当する構成を有する。
ク 構成Hについて
先願発明の構成f、hの「フリーゲーム」が「開始」することは、本件補正発明の「前記特別ゲーム状態に移行する」ことに相当する。
また、先願発明の構成f、hでは「フリーゲームの開始条件は」「「天井特典」が付与されることであ」って、「通常モード中に1000ゲームハズレ続けると、天井機能が発動して、特別利益(天井特典)が付与されるようになって」いることから、「特別遊技状態(大当り遊技)が発生」しておらず、また「小当り」も発生していないから「特別変動入賞装置52(特別電動役物)」(特別入賞口)の「突没式の開放扉52b」が「開放または拡大」された状態(第2状態)とならないことは明らかである。
よって、先願発明は、本件補正発明の構成Hに相当する構成を有する。
ケ 構成Iについて
先願発明の構成iの「遊技機1」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。
よって、先願発明の構成iは、本件補正発明の構成Iに相当する構成を有する。
以上により、本件補正発明と先願発明は、一致し相違する点はない。
(3)請求人の主張について
審判請求人は、令和5年1月23日提出の審判請求書において、以下のように主張する。
「[本願発明が特許されるべき理由]・・・3.拡大先願本願発明では、上記した構成(H)により、特定のハズレ図柄(特別ハズレ図柄)が停止表示すると、特別入賞口(大入賞口14)が第1状態から当該第1状態よりも遊技球が入球し易い第2状態になることがなく、特別ゲーム状態(フリーゲーム状態)に移行します。これにより、特別入賞口の開閉動作とは無関係に、持ち球数が加算されるだけの状態に移行するという意外な興趣性があります。これに対して、引用文献2には、段落[0899]において、特定の小当りに当選すると、フリーゲーム(特別ゲーム状態)が開始されることが示されています。しかしながら、特定の小当りに当選した場合、大入賞口(特別入賞口)が第1状態から当該第1状態よりも遊技球が入球し易い第2状態になります。従って、引用文献2では、大入賞口(特別入賞口)が第1状態から当該第1状態よりも遊技球が入球し易い第2状態になることがなく、フリーゲーム(特別ゲーム状態)が開始されるわけではないと思料致します。そして、引用文献2の全体を見ても、特定のハズレ図柄が停止表示すると、大入賞口が第1状態から当該第1状態よりも遊技球が入球し易い第2状態になることがなく、フリーゲーム(特別ゲーム状態)が開始されることについて、記載も示唆もなされていません。従って、引用文献2には、上記した構成(H)が示されておりません。従いまして、本願発明は、引用文献2の願書に最初に添付された明細書等に記載された発明と同一ではなく、特許法第29条の2規定に該当しないことと思料致します。」
しかしながら、上記(2)で説示したとおり、本件補正発明と先願発明は、一致し相違する点はない。
よって、審判請求人の上記主張は採用できない。
(4)独立特許要件についてのまとめ
したがって、本件補正発明は、先願発明と同一の発明であり、先願明細書等に記載された発明である。また、本件出願の発明者が先願の発明者と同一ではなく、また本件の出願の時に、本件の出願人と先願の出願人とが同一でもない。
よって、本件補正発明は、特許法第29条の2の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
5 補正の却下の決定についてのむすび
上記4より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和4年6月27日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものであり、再掲すると次のとおりである。
「A 遊技領域に配置されている入球口と、C 持ち球数を表示可能な表示手段と、D’前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であり、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数を加算可能な持ち球数制御手段と、E 当たりであるかの判定結果を示す識別図柄を変動表示を経て停止表示可能な識別図柄表示手段と、F’当たりと判定されていることを示す当たり図柄が停止表示することに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能である一方、当たりと判定されていないことを示す特定のハズレ図柄が停止表示しても前記特別遊技状態に制御しない遊技状態制御手段と、を備え、G’前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない一方、遊技球が前記入球口に入球する場合に前記持ち球数が加算される特別ゲーム状態に設定される場合があり、H’前記特定のハズレ図柄が停止表示することに基づいて、前記特別遊技状態に制御されることなく前記特別ゲーム状態に移行するI ことを特徴とする遊技機。」
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、概略、次のものを含むものである。
3.(拡大先願)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。
●理由3について
・請求項1
・引用文献等2
<引用文献等一覧>
2.特願2019-124861号(特開2021-10418号)
3 先願発明
原査定において、引用文献等2として引用された特許出願は、上記第2[理由]4(2)アに記載した先願1であり、その願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明は、上記第2[理由]4(2)イに先願発明として示したとおりである。
4 対比・判断
(1)本願発明の構成A、C、E及びIは、本件補正発明の構成A、C、E及びIと同一であるため、「令和5年1月23日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の「3.独立特許要件」の「(2)本件補正発明と先願発明との対比・判断」のア、ウ、オ及びケで説示したとおり、先願発明は、本願発明の構成A、C、E及びIに相当する構成を有する。
(2)先願発明の構成c、dの「遊技球1個が発射されたことを把握し」た場合に「持ち球数から遊技球1個を減算処理」すること、及び「枠制御部22」は、それぞれ本願発明の「前記遊技領域に遊技球が発射される場合に前記持ち球数を減算可能であ」ること、及び「持ち球数制御手段」に相当する。
また、先願発明の構成c、dでは「賞球数情報を含む遊技機情報通知電文に基づき、持ち球数の加減算処理を行」っており、構成c、dで「賞球数」は、構成aの「上始動口34と、下始動口35」や構成bの「特別変動入賞装置52(特別電動役物)」(入球口)に「遊技球」が入球した場合に発生することは明らかであって、構成c、dで「発射装置32から発射された遊技球を「X個」、賞球数を「Y個」、球貸出装置による供給された貸遊技球を「Z個」とした場合、「(Y+Z)-X」個で算出され」ることから、「賞球数」は、「持ち球数」に加算されているといえる。
よって、先願発明の構成c、dは、本願発明の構成D’に相当する構成を有する。
(3)先願発明の構成f、hによれば、「フリーゲームの開始条件」として「天井特典が付与されること」と「特定の小当りに当選すること」とがあるところ、「天井特典が付与される」場合についてみれば、上記「第2[理由]4(3)カ」で検討したのと同様の理由により、先願発明は、本願発明の構成F’に相当する構成を有する。
先願発明における「フリーゲームの開始条件」として「小当りに当選する」場合についてみても、以下のとおり、先願発明は、本願発明の構成F’に相当する構成を有する。
すなわち、先願発明の構成e、f、hの「大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で」「変動表示中の特別図柄が停止表示され」ること、構成fの「通常状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)」、同「発生」すること、構成f、hで「特定の小当りに当選」し構成e、f、hで「大当り抽選結果が「小当り」の場合に」「所定の「小当り」態様で」「変動表示中の特別図柄が停止表示され」ること、及び「CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載する主制御部20」は、それぞれ本願発明の「当たりと判定されていることを示す当たり図柄が停止表示すること」、「遊技者に有利な特別遊技状態」、「制御可能である」こと、「当たりと判定されていないことを示す特定のハズレ図柄が停止表示」すること、及び「遊技状態制御手段」に相当する。
また、先願発明の構成fでは「「大当り」となった場合、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52cが作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生」することから、「大当り抽選結果が「小当り」の場合に」「所定の「小当り」態様で」「変動表示中の特別図柄が停止表示され」た場合には、「特別遊技状態(大当り遊技)が発生」しないこと(本願発明の「前記特別遊技状態に制御しない」ことに相当)は明らかである。
よって、先願発明は、本願発明の構成F’に相当する構成を有する。
(4)先願発明の構成d、gの「遊技球を発射しても持ち球を減算しない」こと、及び「フリーゲーム」は、それぞれ本願発明の「前記遊技領域に遊技球が発射される際に前記持ち球数が減算されない」こと、及び「特別ゲーム状態」に相当する。
また、先願発明の構成d、gでは「フリーゲーム中の各入賞口への入賞情報(賞球数情報)を特定可能な賞球数コマンドを演出制御部24に送信可能に構成され、当該コマンドを受けた演出制御部24は、フリーゲーム中の獲得球数に関連する情報を報知し」ていることから、「各入賞口」(前記入球口)に入賞(入球)した場合に、「賞球数」としての「獲得球数」が発生し、構成c、dで「遊技者の持ち球数は、発射装置32から発射された遊技球を「X個」、賞球数を「Y個」、球貸出装置による供給された貸遊技球を「Z個」とした場合、「(Y+Z)-X」個で算出され」ることを考慮すると、「遊技者の持ち球数」(持ち球数)が加算されているといえる。
よって、先願発明の構成d、gは、本願発明の構成G’に相当する構成を有する。
(5)先願発明の構成f、hの「フリーゲーム」が「開始」することは、本願発明の「前記特別ゲーム状態に移行する」ことに相当する。
また、先願発明の構成f、hでは「フリーゲームの開始条件は」「天井特典が付与されること」又は「特定の小当りに当選すること」であることから、上記(3)で検討したとおり、「特別遊技状態(大当り遊技)が発生」(前記特別遊技状態に制御)しないことは明らかである。
よって、先願発明は、本願発明の構成H’に相当する構成を有する。
(6)以上により、本願発明と先願発明は一致し、相違する点はない。
5 むすび
以上のとおり、本願発明は、先願発明と同一の発明であり、しかも、本件出願の発明者が先願の発明者と同一ではなく、また、本件の出願の時に、本件の出願人と先願の出願人とが同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本願は拒絶すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-001103