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特許拒絶査定不服審判

2022-008068

遊技機

審判番号
2022-008068
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-252688外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年05月30日
審決日
2022年12月21日
公報発行日
2023年03月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .161-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条の2
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条の2、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-252688「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 7月18日出願公開、特開2019-115623〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年12月27日の出願であって、令和3年5月17日に手続補正書が提出され、同年11月1日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月16日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和4年3月24日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、同年5月30日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。 第2 本件補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 (1)本件補正は、令和3年12月16日に提出された手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、 「【請求項1】 遊技球が入球可能な主遊技始動口と、 閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口と、 主遊技識別情報を表示可能な主遊技識別情報表示部と、 主遊技始動口への入球に基づき、主遊技情報を取得する取得手段と、 変動表示開始条件が充足した場合に、取得手段が取得した主遊技情報に基づいて、可変入賞口開放遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、 遊技球を発射する発射手段と、 遊技に係る情報を報知する報知手段と、 設定値を設定可能な設定値設定状態と を有し、 設定値として1つの設定値のみを有しており、 設定値設定状態では、前記1つの設定値のみが設定可能であり、 設定値設定状態では、設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であり、 設定値設定状態以外の所定タイミングにおいても設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能である ことを特徴とするぱちんこ遊技機。」 とあったものを 「【請求項1】 遊技球が入球可能な主遊技始動口と、 閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口と、 主遊技識別情報を表示可能な主遊技識別情報表示部と、 主遊技始動口への入球に基づき、主遊技情報を取得する取得手段と、 変動表示開始条件が充足した場合に、取得手段が取得した主遊技情報に基づいて、可変入賞口開放遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、 遊技が行われていない状況で所定時間が経過した場合に遊技待機演出を行う演出制御手段と、 遊技球を発射する発射手段と、 遊技に係る情報を報知する報知手段と、 設定値を設定可能な設定値設定状態と を有し、 設定値として1つの設定値のみを有しており、 設定値設定状態では、前記1つの設定値のみが設定可能であり、 設定値設定状態では、設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であり、 設定値設定状態以外の所定タイミングにおいても設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であり、 設定値設定状態では、前記所定時間が経過した場合においても、前記遊技待機演出を行わないよう構成されている ことを特徴とするぱちんこ遊技機。」 とする補正を含むものである(下線は、補正箇所を明示するために合議体が付した。)。 2 補正の目的について 本件補正は、請求項1において、「遊技が行われていない状況で所定時間が経過した場合に遊技待機演出を行う演出制御手段」を有すること、及び「設定値設定状態では、前記所定時間が経過した場合においても、前記遊技待機演出を行わないよう構成されている」ことを限定することにより、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「設定値設定状態」について、「遊技が行われていない状況で所定時間が経過した場合に遊技待機演出を行う演出制御手段」が、「前記所定時間が経過した場合においても、前記遊技待機演出を行わないよう構成されている」ことを限定することを含むものである。 そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 3 新規事項の追加の有無について 本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書における【0474】、【0524】及び【0313】等の記載に基づくものであり、新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 4 独立特許要件について 本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるので、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである(なお、符号A等は、分説するため合議体が付した。)。 (本願補正発明) 「A 遊技球が入球可能な主遊技始動口と、 B 閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口と、 C 主遊技識別情報を表示可能な主遊技識別情報表示部と、 D 主遊技始動口への入球に基づき、主遊技情報を取得する取得手段と、 E 変動表示開始条件が充足した場合に、取得手段が取得した主遊技情報に基づいて、可変入賞口開放遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、 F 遊技が行われていない状況で所定時間が経過した場合に遊技待機演出を行う演出制御手段と、 G 遊技球を発射する発射手段と、 H 遊技に係る情報を報知する報知手段と、 I 設定値を設定可能な設定値設定状態と を有し、 J 設定値として1つの設定値のみを有しており、 K 設定値設定状態では、前記1つの設定値のみが設定可能であり、 L 設定値設定状態では、設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であり、 M 設定値設定状態以外の所定タイミングにおいても設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であり、 N 設定値設定状態では、前記所定時間が経過した場合においても、前記遊技待機演出を行わないよう構成されている O ことを特徴とするぱちんこ遊技機。」 (2)先願 ア 記載事項 原査定の拒絶の理由に引用文献等1として引用され、本願の出願日前の特許出願であって、本願の出願後に出願公開がされた特願2017-164750号(特開2019-41803号)(出願日:平成29年8月29日、出願公開日:平成31年3月22日、出願人:株式会社三洋物産、発明者:倉田 豪)(以下「先願1」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「先願明細書等」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は合議体が付した。)。 「【0010】 <第1の実施形態> 以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PA内の構成を省略している。」 「【0018】 遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。」 「【0021】 スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への1個の遊技球の入球が発生した場合又は第2作動口34への1個の遊技球の入球が発生した場合には、1個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への1個の遊技球の入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への1個の遊技球の入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。」 「【0031】 特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には特図表示部37aが設けられている。特図表示部37aの表示領域は図柄表示装置41の表示面41aよりも狭い。特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。なお、特図表示部37aは、LEDによる複数の表示用セグメントが所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部37aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。」 「【0034】 図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づき特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。例えば、図柄表示装置41の表示面41aには、複数の表示領域として上段・中段・下段の3つの図柄列が設定され、各図柄列において「1」~「9」の数字が付された主図柄が昇順又は降順で配列された状態でスクロール表示される。このスクロール表示においては、最初に全図柄列におけるスクロール表示が開始され、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順にスクロール表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。そして、遊技結果が大当たり結果となる遊技回では、図柄表示装置41の表示面41aにおいて予め設定されている有効ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示される。具体的には、後述する最有利大当たり結果となる場合には同一の奇数図柄の組み合わせが停止表示され、後述する低確大当たり結果となる場合には同一の偶数図柄の組み合わせが停止表示され、後述する低入賞高確大当たり結果となる場合には同一の図柄の組み合わせではないものの低入賞高確大当たり結果ではない場合には停止表示されない図柄の組み合わせが停止表示される。」 「【0036】 第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉32aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。」 「【0063】 主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板67と、を具備している。主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である主側CPU63の他に、主側ROM64、主側RAM65及び管理用IC66が内蔵されている。なお、MPU62には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。」 「【0078】 音声発光制御装置81は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示発光部53及びスピーカ部54を駆動制御するとともに、表示制御装置82を制御するものである。表示制御装置82は、音声発光制御装置81から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。」 「【0080】 主側CPU63は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部37aの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部37a及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを普電開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、主側RAM65の各種カウンタエリア65bに設けられている。」 「【0093】 次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで主側RAM65の保留格納エリア65aに格納される。 … 【0098】 大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア65aに格納される。」 「【0122】 <主側CPU63の処理構成について> 次に、主側CPU63にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側CPU63の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。 … 【0129】 なお、主側CPU63はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、メイン処理が開始された段階においてはタイマ割込み処理の発生が禁止されている。このタイマ割込み処理の発生が禁止された状態はステップS112の処理が完了してステップS113の処理が実行される前のタイミングで解除され、タイマ割込み処理の実行が許可される。これにより、主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合にはステップS112のデータ出力用処理が終了して、ステップS113の処理が開始される前の段階までタイマ割込み処理は実行されない。よって、当該状況となるまでは主側CPU63にて遊技を進行させるための処理が開始されないこととなる。 … 【0131】 残余処理では、まずステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS114では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS115にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM65の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値を超えた際にそれぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS116にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS116の処理を実行した場合、ステップS113に戻り、ステップS113~ステップS116の処理を繰り返す。 【0132】 一方、設定キー挿入部68aがON操作されている場合(ステップS103:YES)、主側RAM65においてパチンコ機10の設定状態を示す設定値の情報が設定されたエリアも含めて、主側RAM65の全てのエリアを「0」クリアするとともにその「0」クリアしたエリアに対して初期設定を行う(ステップS117)。つまり、パチンコ機10の設定状態を変更するための操作が行われている場合にはリセットボタン68cが押圧操作されていなくても主側RAM65の全てのエリアが「0」クリアされるとともにそのクリア処理が実行された記憶エリアに対して初期設定が行われる。また、ステップS117では主側CPU63の各種レジスタも「0」クリアした後に初期設定を行う。なお、これに限定されることはなく、パチンコ機10の設定状態を変更するための操作が行われている場合であってもリセットボタン68cが押圧操作されていない場合には主側RAM65の全部クリア処理が実行されずに、パチンコ機10の設定状態を変更するための操作が行われているとともにリセットボタン68cが押圧操作されている場合に全部クリア処理が実行される構成としてもよい。 【0133】 その後、ステップS118にて設定値更新処理を実行し、ステップS119にて設定値更新信号の出力処理を実行した後に、ステップS110の処理に移行する。以下、設定値更新処理について説明する。なお、設定値更新信号の出力処理については後に詳細に説明する。図10は設定値更新処理を示すフローチャートである。」 「【0140】 <タイマ割込み処理> 次に、図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4ミリ秒周期)に実行される。 … 【0149】 その後、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する(ステップS313)。特図特電制御処理については後に詳細に説明する。」 「【0153】 次に、ステップS313の特図特電制御処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。 … 【0156】 ステップS406では特図変動開始処理を実行する。図13は特図変動開始処理を示すフローチャートである。 【0157】 特図変動開始処理では保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が1以上であることを条件として(ステップS501:YES)、データ設定処理を実行する(ステップS502)。データ設定処理では、まず保留数を1減算するとともに、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1~RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1~第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であり、詳細には、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータをシフトさせた後に第4保留エリアRE4を「0」クリアする。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを認識させるためのシフト時コマンドを音声発光制御装置81に送信する。音声発光制御装置81は当該コマンドを受信した場合、図柄表示装置41における保留情報の個数を示す画像の表示を保留情報の減少に対応する表示内容に更新させる。 【0158】 データ設定処理を実行した後は当否テーブルを主側ROM64から読み出す(ステップS503)。具体的には、まず主側RAM65の当否抽選モードを示す情報を読み出すことにより現状の当否抽選モードを把握する。高確率モードである場合には主側ROM64から高確当否テーブル64gを読み出す。一方、低確率モードである場合には主側RAM65の設定値カウンタの値を読み出すことによりパチンコ機10の設定状態を把握する。そして、その把握した設定値に対応する低確当否テーブル64a~64fを主側ROM64から読み出す。 【0159】 その後、ステップS503にて読み出した当否テーブル64a~64gを参照して当否判定処理を実行する(ステップS504)。当否判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が、ステップS503にて読み出した当否テーブル64a~64gに設定された大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。 … 【0173】 ステップS409では特電開始処理を実行する。特電開始処理では今回の開閉実行モードにおけるオープニング期間を開始させるための処理を未だ実行していない場合、オープニング期間のセット処理を実行する。また、オープニングコマンドを音声発光制御装置81に送信する。音声発光制御装置81はオープニングコマンドを受信することにより、表示発光部53、スピーカ部54及び図柄表示装置41にてオープニング演出が実行されるようにする。オープニング期間が経過している場合、最初のラウンド遊技を開始させるための開始用処理を実行する。当該開始用処理では、特電入賞装置32を開放状態とするとともにラウンド遊技の終了条件を設定する。この終了条件の設定に際しては、今回の最初のラウンド遊技において特電入賞装置32を開放状態に継続させる場合の上限継続時間をセットするとともに、今回の最初のラウンド遊技において特電入賞装置32に入賞可能な遊技球の上限個数を主側RAM65に設けられた入賞個数カウンタにセットする。」 「【1300】 <第33の実施形態> 本実施形態では主側CPU63にて実行される処理構成が上記第15の実施形態と相違している。以下、上記第15の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第15の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。 … 【1331】 図116は設定値更新処理を示すフローチャートである。なお、設定値更新処理におけるステップS8101~ステップS8107の処理は、主側CPU63における特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。 … 【1333】 その後、特定制御用のワークエリア221に設けられた設定値カウンタの値が「設定1」に対応する1以上であって「設定6」に対応する6以下であるか否かを判定する(ステップS8102)。設定値カウンタの値が「0」である場合又は7以上である場合、ステップS8102にて否定判定をして、設定値カウンタに「1」をセットする(ステップS8103)。これにより、パチンコ機10の設定値が「設定1」となる。 … 【1357】 ここで、設定値が異常であるか否かの監視処理が定期的に起動される第1タイマ割込み処理(図117)にて実行される。これにより、設定値が異常であるか否かの監視を遊技が行われている状況であっても行うことが可能となる。よって、設定値が異常であるにも関わらず遊技が継続されてしまわないようにすることが可能となる。また、設定値が異常であるか否かの監視は監視契機が発生する度に実行される。これにより、設定値が異常であるか否かを監視する頻度を高めることが可能となる。」 「【1689】 <第39の実施形態> 本実施形態では設定値に関する構成が上記第33の実施形態と相違している。以下、上記第33の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第33の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。 【1690】 図142(a)~図142(d)は主側ROM64に設けられた設定対応記憶エリア325を説明するための説明図である。 … 【1708】 ここで、第1形態のパチンコ機10においては当該パチンコ機10の設定値として「設定1」~「設定6」の6段階の設定値が設定されていたが、パチンコ機10の機種や型式によっては6段階よりも少ない設定値が利用される場合がある。具体的には、図142(b)の説明図に示す第2形態のパチンコ機10では「設定1」、「設定3」及び「設定6」の3段階の設定値が設定されており、図142(c)の説明図に示す第3形態のパチンコ機10では「設定1」、「設定2」、「設定3」及び「設定4」の4段階の設定値が設定されており、図142(d)の説明図に示す第4形態のパチンコ機10では「設定1」の1段階の設定値のみが設定されている。この場合に、第2~第4形態のいずれのパチンコ機10であっても第1形態のパチンコ機10と同様に、6段階の設定値の設定を可能とする第1~第6設定情報記憶エリア325a~325fを有する設定対応記憶エリア325が利用される。 … 【1728】 第4形態のパチンコ機10において設定対応記憶エリア325が利用される場合について詳細には、図142(d)の説明図に示すように、第1~第6設定情報記憶エリア325a~325fの全てに「設定1」に対応する各種情報が記憶されている。つまり、第1~第6設定情報記憶エリア325a~325fには、低確率モードの当否テーブルを記憶するための記憶エリアに「設定1」に対応する第1低確当否テーブルLT(1)が記憶されており、高確率モードの当否テーブルを記憶するための記憶エリアに「設定1」~「設定6」で共通となる共通高確当否テーブルHTが記憶されており、設定値の表示データを記憶するための記憶エリアに「1」を表示するための表示データが記憶されている。 【1729】 上記第4形態の構成の場合、第1~第6設定情報記憶エリア325a~325fを有する設定対応記憶エリア325が利用される構成であっても、1種類の設定値のみが設定されている。このように1種類の設定値のみが設定されている構成であっても、当否テーブルの読み出し処理(図143)では設定値カウンタの値に対応する設定情報記憶エリア325から当否テーブルを読み出す構成である。これにより、1種類の設定値のみが設定されている場合であっても、当否テーブルの読み出し処理(図143)の処理構成を6段階の設定値が設定されている場合と同一の処理構成とすることが可能となる。 【1730】 上記第4形態の構成の場合、設定値を設定する必要がないため基本的には設定値更新処理(図116)を実行する必要がないが、設定値の異常が発生した場合には設定値更新処理(図116)が実行され得る。この場合、第1~第6設定情報記憶エリア325a~325fの全てに対して「設定1」が割り当てられている。したがって、設定値更新処理(図116)において設定値カウンタの値が「1」である状況からリセットボタン68cが繰り返し操作された場合には、第1~第4報知用表示装置201~204にて表示される設定値は、「1」→「1」→「1」→「1」→「1」→「1」→「1」→・・・というように「1」の表示が継続されることとなる。 【1731】 設定更新中における第5表示データバッファ275への設定処理(図144)では、設定値の段階数がいずれであったとしても設定値カウンタの値に対応する設定情報記憶エリア325から設定値の表示データを読み出す構成である。これにより、1種類の設定値のみが設定されている場合であっても、当該設定処理(図144)の処理構成を6段階の設定値が設定されている場合と同一の処理構成とすることが可能となる。」 「【1851】 (62)上記第1~第42の実施形態の特徴的な構成を任意の組合せで相互に適用してもよい。例えば上記第1の実施形態の特徴的な構成と、上記第6の実施形態の特徴的な構成と、上記第10の実施形態の特徴的な構成と、上記第30の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよく、上記第2の実施形態の特徴的な構成と、上記第4の実施形態の特徴的な構成と、上記第8の実施形態の特徴的な構成と、上記第11の実施形態の特徴的な構成と、上記第33の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよく、上記第1の実施形態の特徴的な構成と、上記第15の実施形態の特徴的な構成と、上記第21の実施形態の特徴的な構成と、上記第29の実施形態の特徴的な構成と、上記第34の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよく、上記第2の実施形態の特徴的な構成と、上記第16の実施形態の特徴的な構成と、上記第22の実施形態の特徴的な構成と、上記第35の実施形態の特徴的な構成と、上記第39の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよい。また、上記第1~第42の実施形態の特徴的な構成を所定の組合せで適用した構成に対して、上記別形態の構成を任意の組合せで適用してもよい。」 「【図9】 [図:0001395030000001.jpg] 」 「【図116】 [図:0001395030000002.jpg] 」 「【図142】 [図:0001395030000003.jpg] 」 イ 認定事項 (ア)認定事項1 【0131】には、「ステップS116にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う」ことが記載されていることから、ステップS116において、「割込み許可の設定」が行われることにより、「タイマ割込み処理」が行われるものと認められる。 そうすると、図9から、「設定更新処理」が行われるステップS118において、「割込許可」が行われるステップS116が実行されないことは明らかであるから、設定値更新処理ではタイマ割込み処理が実行されないことが理解される(以下「認定事項1」という。)。 (イ)認定事項2 【1300】~【1480】には、「第33の実施形態」が記載されているところ、この「第33の実施形態」について、【1331】、【1333】に、「設定値更新処理」において、「特定制御用のワークエリア221に設けられた設定値カウンタの値が「設定1」に対応する1以上であって「設定6」に対応する6以下であるか否かを判定する(ステップS8102)」ことが記載されており、また、図116には「S8102」として、「設定値は範囲内?」と記載されていることから、【1331】、【1333】の上記記載は、設定値更新処理において、特定制御用のワークエリア221に設けられた設定値カウンタの値が、設定値として取り得る値の範囲内であるか否かを判定するものであり、先願明細書等の【1851】には、「上記第1~第42の実施形態の特徴的な構成を任意の組合せで相互に適用してもよい。」と記載されているところ、上記の第33の実施形態における構成に、【1708】、【1728】~【1731】に「第39の実施形態」の「第4形態」として記載されている「設定1」の1段階の設定値のみが設定されているとの構成を組み合わせた場合においても、同様に、設定値更新処理において、特定制御用のワークエリア221に設けられた設定値カウンタの値が、設定値として取り得る値の範囲内であるか否かを判定するものと認められる(以下「認定事項2」という。)。 ウ 先願発明 上記アの記載事項及びイの認定事項を総合すると、先願明細書等には、以下の発明(以下「先願発明」という。)が記載されている(符号a等は、本願補正発明の分説A等におおむね対応させて、当審が付した。)。 (先願発明) 「a 第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行され(【0021】)、 b 特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備え(【0036】) c 特図ユニット37には特図表示部37aが設けられ、特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われ、抽選結果に対応した結果が表示され(【0031】)、 d 主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61等を具備し、主制御基板61には、MPU62が搭載され、MPU62には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である主側CPU63等が内蔵され(【0063】)、主側CPU63は遊技に際し、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2等を用い、大当たり発生抽選などを行い(【0080】)、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで主側RAM65の保留格納エリア65aに格納され(【0093】、【0098】)、 e 主側CPU63の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に起動されるタイマ割込み処理とがあり(【0122】)、主側CPU63はタイマ割込み処理を定期的に実行し、メイン処理が開始された段階においてはタイマ割込み処理の発生が禁止されており(【0129】)、設定キー挿入部68aがON操作されている場合(【0132】)、設定値更新処理を実行し(【0133】)、その後にタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行い(【0131】、図9)、設定値更新処理ではタイマ割込み処理が実行されず(【0132】、図9、認定事項1)、タイマ割込み処理において、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行し(【0140】、【0149】)、特図特電制御処理において、特図変動開始処理を実行し(【0153】、【0156】)、特図変動開始処理では保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が1以上であることを条件として、データ設定処理を実行し、データ設定処理では、まず保留数を1減算するとともに、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動し、その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1~RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行し(【0157】)、データ設定処理を実行した後は当否テーブルを主側ROM64から読み出し(【0158】)、その後、読み出した当否テーブルを参照して当否判定処理を実行し、当否判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が、読み出した当否テーブルに設定された大当たり数値情報と一致しているか否かを判定し(【0159】)、特電開始処理では、オープニング期間が経過している場合、最初のラウンド遊技を開始させるための開始用処理を実行し、当該開始用処理では、特電入賞装置32を開放状態とし(【0173】)、 f 音声発光制御装置81は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示発光部53及びスピーカ部54を駆動制御するとともに、表示制御装置82を制御するものであり、表示制御装置82は、音声発光制御装置81から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行し(【0078】)、 g 遊技球発射機構27から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっており(【0018】)、 h 図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づき特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われ(【0034】)、 ijk 「設定1」の1段階の設定値のみが設定され(【1708】、図142(d))、設定値の異常が発生した場合には設定値更新処理が実行され得、この場合、第1~第6設定情報記憶エリア325a~325fの全てに対して「設定1」が割り当てられており、設定値更新処理において設定値カウンタの値が「1」である状況からリセットボタン68cが繰り返し操作された場合には、第1~第4報知用表示装置201~204にて表示される設定値は、「1」→「1」→「1」→「1」→「1」→「1」→「1」→・・・というように「1」の表示が継続され(【1730】)、 l 設定値更新処理において、特定制御用のワークエリア221に設けられた設定値カウンタの値が、設定値として取り得る値の範囲内であるか否かを判定し(【1331】、【1333】、【1708】、【1728】~【1731】、【1851】、認定事項2)、 m 設定値が異常であるか否かの監視処理が定期的に起動される第1タイマ割込み処理にて実行され、これにより、設定値が異常であるか否かの監視を遊技が行われている状況であっても行うことが可能となる(【1357】) o パチンコ機10(【0010】)。」 (3)周知例1 本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-189606号公報(以下「周知例1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は合議体が付した。)。 「【0081】 S150では、主制御装置80は、各種割込みの設定を行い、S155に移行する。 S155では、主制御装置80は、設定スイッチ16の操作状態に応じて設定変更を行う設定変更処理を実行し、S160に移行する。 【0082】 S160では、主制御装置80は、設定変更演出を行う期間である演出期間を設定する演出期間設定処理を実行し、メインルーチンに移行する。 (4)設定変更処理について 次に、設定スイッチ16の操作状態に応じて設定変更を行う設定変更処理について説明する(図8)。」 「【0099】 さらに、演出期間を設けず、継続的に設定変更演出を行うようにしても良い。 (6)メインルーチンについて 次に、主制御装置80におけるメインルーチンについて、図10に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。 … 【0102】 そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50),始動口への入賞に起因して特図の当否判定を行う当否判定処理と(S55)、特別遊技を制御する特別遊技処理と(S60)を行う。また、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S65)、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S70)を実行する。」 「【0172】 なお、第2実施形態の先読み判定処理もまた、第1実施形態と同様、様々なタイミングで、様々な保留記憶を対象として実行することができる。 (3)待機画面での設定変更演出について パチンコ機50にて遊技が行われていない状態が予め定められた時間にわたって継続した場合等には、主制御装置80は、待機状態に移行し、サブ統合制御装置83に対し待機画面の表示を指示する。サブ統合制御装置83は、該指示に応じて図柄表示装置6に待機画面を表示するが、待機画面においても設定変更演出が行われる。なお、図22の画面1200は、待機画面の一例を示している。」 「【0180】 (4)待機画面表示処理について 次に、第2実施形態の待機画面表示処理について説明する(図23)。本処理は、メインルーチンからコールされる。 【0181】 S1300では、主制御装置80は、待機状態に移行するか否かを判定する。具体的には、例えば、主制御装置80は、遊技盤のアウト口等に設けられた検出スイッチからの信号に基づき、遊技球の発射の有無を判定しても良い。そして、遊技球が発射されていない状態が予め定められた期間にわたって継続した場合には、待機状態に移行すると判定しても良い。また、例えば、主制御装置80は、タッチ信号に基づき、遊技者が発射ハンドル64に触れているか否かを判定し、発射ハンドル64に触れていない状態が予め定められた期間にわたって継続すると、待機状態に移行すると判定しても良い。主制御装置80は、待機状態に移行する場合には(S1300:Yes)、S1305に移行し、移行しない場合には(S1300:No)、本処理を終了する。 【0182】 S1305では、主制御装置80は、先読み判定処理のS1105と同様にして、最後にRAMクリア処理が実行された時点から演出期間が経過したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S1305:Yes)、S1310に移行し、否定判定が得られた場合には(S1305:No)、S1330に移行する。 【0183】 S1330では、主制御装置80は、変更フラグをクリアすると共に、通常の待機画面の表示を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S1335)、本処理を終了する。」 (4)対比 本願補正発明と先願発明とを対比する。 (a)先願発明の「入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行され」る「第1作動口33及び第2作動口34」は、本願補正発明の「遊技球が入球可能な主遊技始動口」に相当する。 したがって、先願発明の構成aは、本願補正発明の構成Aに相当する構成を備える。 (b)先願発明の「開閉する開閉扉32aを備え」る「大入賞口」は、本願補正発明の「閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口」に相当する。 したがって、先願発明の構成bは、本願補正発明の構成Bに相当する構成を備える。 (c)先願発明の「抽選結果に対応した結果」及び「抽選結果に対応した結果が表示され」る「特図表示部37a」は、それぞれ本願補正発明の「主遊技識別情報」及び「主遊技識別情報を表示可能な主遊技識別情報表示部」に相当する。 したがって、先願発明の構成cは、本願補正発明の構成Cに相当する構成を備える。 (d)先願発明の「遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで主側RAM65の保留格納エリア65aに格納され」る「当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2」の情報は、本願補正発明の「主遊技始動口への入球に基づき」「取得」される「主遊技情報」に相当する。 先願発明の「遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで」「当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2」を「主側RAM65の保留格納エリア65aに格納」する「主側CPU63」は、本願補正発明の「主遊技始動口への入球に基づき、主遊技情報を取得する取得手段」に相当する。 したがって、先願発明の構成dは、本願補正発明の構成Dに相当する構成を備える。 (e)先願発明において、「特図変動開始処理では保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が1以上であることを条件として、データ設定処理を実行し」、「データ設定処理を実行した後は」「当否判定処理を実行する」ことから、「保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が1以上であること」は、「特図変動開始処理」を実行するための条件であるといえ、本願補正発明の「変動表示開始条件」に相当する。 先願発明の構成bによれば、「特電入賞装置32」は「開閉する開閉扉32aを備え」る「大入賞口」(本願補正発明の「可変入賞口」に相当。)を備えることから、先願発明の「特電入賞装置32を開放状態と」する「ラウンド遊技」は、本願補正発明の「可変入賞口開放遊技」に相当する。 先願発明の「主側CPU63」は、「保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が1以上であることを条件として」(変動表示開始条件が充足した場合に)、「実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が、読み出した当否テーブルに設定された大当たり数値情報と一致しているか否かを判定し」(取得手段が取得した主遊技情報に基づいて)、「最初のラウンド遊技を開始させるための開始用処理を実行し、当該開始用処理では、特電入賞装置32を開放状態と」するものであるから、先願発明の「主側CPU63」は、本願補正発明の「変動表示開始条件が充足した場合に、取得手段が取得した主遊技情報に基づいて、可変入賞口開放遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段」に相当する。 したがって、先願発明の構成eは、本願補正発明の構成Eに相当する構成を備える。 (f)先願発明の「音声発光制御装置81」は、「前扉枠14に設けられた表示発光部53及びスピーカ部54を駆動制御するとともに」、「音声発光制御装置81から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行」する「表示制御装置82を制御する」ものであるから、演出制御を行う手段であるといえる。 したがって、先願発明の構成fと、本願補正発明の構成Fとは、「演出制御手段」を有する点で共通する。 (g)先願発明の「遊技球発射機構27」は、本願補正発明の「遊技球を発射する発射手段」に相当する。 したがって、先願発明の構成gは、本願補正発明の構成Gに相当する構成を備える。 (h)先願発明の「第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づき特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて」行われる「図柄の変動表示又は所定の表示」において報知される情報は、本願補正発明の「遊技に係る情報」に相当する。 先願発明の「第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づき特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われ」る「図柄表示装置41」は、本願補正発明の「遊技に係る情報を報知する報知手段」に相当する。 したがって、先願発明の構成hは、本願補正発明の構成Hに相当する構成を備える。 (i)先願発明の「設定値更新処理が実行され」る状態は、本願補正発明の「設定値を設定可能な設定値設定状態」に相当する。 したがって、先願発明の構成ijkは、本願補正発明の構成Iに相当する構成を備える。 (j)先願発明の「「設定1」の1段階の設定値のみが設定され」ることは、本願補正発明の「設定値として1つの設定値のみを有して」いることに相当する。 したがって、先願発明の構成ijkは、本願補正発明の構成Jに相当する構成を備える。 (k)先願発明の「設定値更新処理が実行され」た場合に、「第1~第6設定情報記憶エリア325a~325fの全てに対して「設定1」が割り当てられており、設定値更新処理において設定値カウンタの値が「1」である状況からリセットボタン68cが繰り返し操作された場合には、第1~第4報知用表示装置201~204にて表示される設定値は、「1」→「1」→「1」→「1」→「1」→「1」→「1」→・・・というように「1」の表示が継続され」ることは、本願補正発明の「設定値設定状態では、前記1つの設定値のみが設定可能であ」ることに相当する。 したがって、先願発明の構成ijkは、本願補正発明の構成Kに相当する構成を備える。 (l)先願発明の「設定値更新処理において、特定制御用のワークエリア221に設けられた設定値カウンタの値が、設定値として取り得る値の範囲内であるか否かを判定」することは、本願補正発明の「設定値設定状態では、設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であ」ることに相当する。 したがって、先願発明の構成lは、本願補正発明の構成Lに相当する構成を備える。 (m)先願発明の「定期的に起動される第1タイマ割込み処理」は、「遊技が行われている状況」で行われるものであるから、「設定値更新処理」が行われる状態以外のタイミングで行われるものであることは明らかである。 そうすると、先願発明の「設定値が異常であるか否かの監視処理が定期的に起動される第1タイマ割込み処理にて実行され」ることは、本願補正発明の「設定値設定状態以外の所定タイミングにおいても設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であ」ることに相当する。 したがって、先願発明の構成mは、本願補正発明の構成Mに相当する構成を備える。 (o)先願発明の「パチンコ機10」は、本願補正発明の「ぱちんこ遊技機」に相当する。 したがって、先願発明の構成oは、本願補正発明の構成Oに相当する構成を備える。 以上によれば、本願補正発明と先願発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点1及び相違点2で一応相違する。 (一致点) 「A 遊技球が入球可能な主遊技始動口と、 B 閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口と、 C 主遊技識別情報を表示可能な主遊技識別情報表示部と、 D 主遊技始動口への入球に基づき、主遊技情報を取得する取得手段と、 E 変動表示開始条件が充足した場合に、取得手段が取得した主遊技情報に基づいて、可変入賞口開放遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、 F’ 演出制御手段と、 G 遊技球を発射する発射手段と、 H 遊技に係る情報を報知する報知手段と、 I 設定値を設定可能な設定値設定状態と を有し、 J 設定値として1つの設定値のみを有しており、 K 設定値設定状態では、前記1つの設定値のみが設定可能であり、 L 設定値設定状態では、設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であり、 M 設定値設定状態以外の所定タイミングにおいても設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能である O ぱちんこ遊技機。」 (相違点1)[構成F] 本願補正発明の「演出制御手段」は、「遊技が行われていない状況で所定時間が経過した場合に遊技待機演出を行う」のに対して、先願発明の「音声発光制御装置81」(演出制御手段)は、「遊技が行われていない状況で所定時間が経過した場合に遊技待機演出を行う」ことが特定されていない点。 (相違点2)[構成N] 本願補正発明は、「設定値設定状態では、前記所定時間が経過した場合においても、前記遊技待機演出を行わないよう構成されている」のに対して、先願発明は、このような特定がなされていない点。 (5)当審の判断 ア 相違点1について パチンコ機の技術分野において、設定変更処理を実行した後に移行し、タイマ割り込み処理として起動される、遊技に関する処理を行うメインルーチンからコールされる待機画面表示処理において、遊技が行われていない状態が予め定められた時間にわたって継続した場合に、サブ統合制御装置が、図柄表示装置に待機画面を表示することは、例えば、上記(3)の周知例1に記載されているように、本願の出願時において周知技術である(以下「周知技術1」という。)。 周知技術1における「図柄表示装置に待機画面を表示すること」は、相違点1に係る本願補正発明の構成Fの「遊技待機演出を行う」ことに相当し、周知技術1における「遊技が行われていない状態が予め定められた時間にわたって継続した場合に」、「図柄表示装置に待機画面を表示する」「サブ統合制御装置」は、相違点1に係る本願補正発明の構成Fの「遊技が行われていない状況で所定時間が経過した場合に遊技待機演出を行う演出制御手段」に相当する。 先願発明の構成eにおける「設定値更新処理を実行し、その後に」「発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定」が行われ、「遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行」する「タイマ割込み処理」と、周知技術1の「設定変更処理を実行した後に移行し、タイマ割り込み処理として起動される、遊技に関する処理を行うメインルーチン」は、いずれも「設定値更新処理」(設定変更処理)を実行した後に遊技に関する処理を行う「タイマ割り込み処理」であり、先願発明における「タイマ割込み処理」においても、遊技が行われていない状態が予め定められた時間にわたって継続した場合に、音声発光制御装置81が、図柄表示装置41に待機画面を表示するように表示制御装置82を制御することとして、相違点1に係る本願補正発明の構成Fとすることは、周知技術の付加にすぎず、新たな効果を奏するものでもない。 したがって、相違点1は、実質的な相違点とはいえない。 イ 相違点2について 上記アで検討したように、先願発明に、周知技術1を付加し、「タイマ割込み処理」において、遊技が行われていない状態が予め定められた時間にわたって継続した場合に、音声発光制御装置81が、図柄表示装置41に待機画面を表示するように表示制御装置82を制御することとしたものにおいて、先願発明の構成eによれば、「設定値更新処理ではタイマ割込み処理が実行されない」ことから、「設定値更新処理」が実行されている状態では、「タイマ割込み処理」において実行される「待機画面」の表示も行われないことは明らかであり、このことは、相違点2に係る本願補正発明の構成N、すなわち「設定値設定状態では、前記所定時間が経過した場合においても、前記遊技待機演出を行わないよう構成されている」ことに相当する。 したがって、相違点2は、周知技術1を付加することとした先願発明が当然に備えることとなるものにすぎず、実質的な相違点とはいえない。 ウ 小括 上記ア及びイによれば、相違点1及び相違点2は、実質的な相違点ではなく、本願補正発明は、先願発明と実質的に同一である。 (6)請求人の主張について 審判請求人は、令和4年5月30日提出の審判請求書において、以下の旨を主張する。 「4.本願発明と引用文献発明との対比 (4-1)本願発明と引用文献発明との対比 今回補正後の請求項1に係る発明(以下、本願発明という)は、主引用発明である引用文献1に係る発明と比較し、 <相違点>「設定値設定状態では、前記所定時間が経過した場合においても、前記遊技待機演出を行わないよう構成されている」との点、 で少なくとも相違する。 (4-2)本願発明の特徴 まず、本願発明では、<相違点>となる構成によって、「設定値設定状態において必要な表示を、遊技待機演出に阻害されることなく演出表示装置に表示し続けることができるとともに、設定値設定状態であることを明確に報知することができる。」との効果を奏する。 (4-3)引用文献1の非同一性 他方、引用文献1に係る発明においては、段落1344にデモ表示に関する記載があるが、『デモ表示を図柄表示装置41にて開始すべきコマンドを受信した場合に復帰コマンドに基づく図柄の変動表示を終了させてその新たに受信したコマンドに対応する表示を開始させ』ることが記載されているのみであり、設定値設定状態におけるデモ表示の作用については何ら記載されていない。 このように、本願発明は、上述した新たな効果を有する<相違点>となる構成を備えているため、本願発明は引用文献1発明と同一又は実質同一であるとは言えない。」 上記主張について検討する。 本願補正発明の「設定値設定状態では、前記所定時間が経過した場合においても、前記遊技待機演出を行わないよう構成されている」ことは、上記(5)イにおいて、相違点2について検討したように、周知技術1が付加された先願発明が当然に備えているものにすぎず、実質的な相違点とはいえない。 また、請求人の主張する「設定値設定状態において必要な表示を、遊技待機演出に阻害されることなく演出表示装置に表示し続けることができるとともに、設定値設定状態であることを明確に報知することができる。」との効果は、周知技術1が付加された先願発明においても得られることは明らかである。 したがって、請求人の上記主張を採用することができない。 (7)独立特許要件についてのまとめ したがって、本願補正発明は、先願発明と同一の発明であり、先願明細書等に記載された発明である。また、本件出願の発明者が先願の発明者と同一ではなく、また本件の出願の時に、本件の出願人と先願の出願人とが同一でもない。 よって、本願補正発明は、特許法第29条の2の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 5 補正の却下の決定についてのむすび 上記4より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和3年12月16日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由の概要は、本願発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないというものである。 <引用文献等一覧> 1.特願2017-164750号(特開2019-41803号) 3 先願発明 原査定において、引用文献等1として引用された特許出願は、上記第2[理由]4(2)アに記載した先願1であり、その願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明は、上記第2[理由]4(2)ウに先願発明として示したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、上記第2[理由]4で独立特許要件を充足するかについて検討した本願補正発明から、「遊技が行われていない状況で所定時間が経過した場合に遊技待機演出を行う演出制御手段」を有すること、及び「設定値設定状態では、前記所定時間が経過した場合においても、前記遊技待機演出を行わないよう構成されている」ことの限定を省くものである。 そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに限定を付加したものである本願補正発明が先願発明と同一であるから、本願発明も先願発明と同一である。 5 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶すべきである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-008068

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