2024-017525
遊技機
- 審判番号
- 2024-017525
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-083254外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年11月01日
- 審決日
- 2025年10月21日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .57 -Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F) / P18 .161-Z (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第29条の2、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和4年5月20日の出願であって、令和5年10月26日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月27日に意見書及び手続補正書が提出され、令和6年3月7日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年5月13日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年7月24日付け(送達日:同年8月6日)で同年5月13日に提出された手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年11月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、令和7年4月4日に上申書が提出されたものである。
第2 令和6年11月1日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1 本件補正について
本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
(補正前:令和5年12月27日に提出された手続補正書でした手続補正)
「【請求項1】A 変動ゲームを実行可能であり、変動ゲームにおいて大当り結果が導出された後に大当り遊技を付与する遊技機において、B 遊技球が入球可能な特定入賞口と、C 前記特定入賞口に入球した遊技球を検知可能な特定入賞球検知部と、続きを表示(全14行)D 前記特定入賞球検知部による検知に応じて変動ゲームの実行を保留するゲーム保留制御を実行可能なゲーム保留制御手段と、E エラー制御を実行可能なエラー制御手段と、F 特定条件が成立した場合に、遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御可能な不能状態制御手段と、G 演出を実行可能な演出実行部と、G1 前記演出実行部を制御可能な演出制御手段と、を備え、G2 前記特定条件が成立して前記進行不能状態に制御された場合には、実行が保留された変動ゲームが実行されず、G3 前記演出実行部は、実行が保留されている変動ゲームに対応する保留画像を表示可能であり、G4 前記保留画像が表示されているときに前記特定条件が成立して前記進行不能状態に制御された場合には、前記保留画像の表示が終了し、F4 前記進行不能状態に制御されていないときには不正に関するエラー制御が実行される場合があり、前記進行不能状態に制御されているときには前記不正に関するエラー制御が実行されないA ことを特徴とする遊技機。」
から、
(補正後:令和6年11月1日に提出された手続補正書でした手続補正)
「【請求項1】A 変動ゲームを実行可能であり、変動ゲームにおいて大当り結果が導出された後に大当り遊技を付与する遊技機において、B 遊技球が入球可能な特定入賞口と、C 前記特定入賞口に入球した遊技球を検知可能な特定入賞球検知部と、続きを表示(全19行)D 前記特定入賞球検知部による検知に応じて変動ゲームの実行を保留するゲーム保留制御を実行可能なゲーム保留制御手段と、E エラー制御を実行可能なエラー制御手段と、F 特定条件が成立した場合に、遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御可能な不能状態制御手段と、G 演出を実行可能な演出実行部と、G1 前記演出実行部を制御可能な演出制御手段と、を備え、F1 前記特定条件は、所定期間内に付与された賞球の数と、前記所定期間において遊技領域に発射された有効球の数とに基づく差数が所定数に達したことで成立し、G2 前記特定条件が成立して前記進行不能状態に制御された場合には、実行が保留された変動ゲームが実行されず、G3 前記演出実行部は、実行が保留されている変動ゲームに対応する保留画像を表示可能であり、G4 前記保留画像が表示されているときに前記特定条件が成立して前記進行不能状態に制御された場合には、前記保留画像の表示が終了し、F11 前記遊技機では、前記差数が前記所定数に達しておらず前記進行不能状態ではないときには前記エラー制御が実行される場合があり、F12 前記遊技機には、前記差数が前記所定数に達して前記進行不能状態であるとき前記エラー制御が実行されない第1エラーと、前記差数が前記所定数に達して前記進行不能状態であるときでも前記エラー制御が実行される第2エラーと、があり、F13 前記第1エラーは、エラーの報知が実行されているときに前記進行不能状態に制御されるとエラーの報知が終了し、F14 前記第2エラーは、エラーの報知が実行されているときに前記進行不能状態に制御されてもエラーの報知が継続するようになっており、F15 前記第2エラーは、遊技球の発射が停止されるエラーであるA ことを特徴とする遊技機。」
へと補正された(下線は補正箇所を示す。なお、符号A等は分説のため当審において付し、分説されたそれぞれの発明を特定するために必要な事項を、以下「特定A」等という。)。
2 補正の適否について(補正目的)
(1)補正事項
本件補正のうち、上記1の補正は、以下の補正事項からなる。
ア 補正事項1
本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「特定条件」について、「前記特定条件は、所定期間内に付与された賞球の数と、前記所定期間において遊技領域に発射された有効球の数とに基づく差数が所定数に達したことで成立」(特定F1)することを限定する補正事項。
イ 補正事項2
本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記進行不能状態に制御されていないときには不正に関するエラー制御が実行される場合があり、前記進行不能状態に制御されているときには前記不正に関するエラー制御が実行されない」(特定F4)に関し、次の(ア)~(ウ)に示した補正事項。
(ア)補正事項2-1
本件補正前の「前記進行不能状態に制御されていないときには」「実行される場合があり、前記進行不能状態に制御されているときには」「実行されない」「エラー制御」について、本件補正前は、「不正に関するエラー」と特定されていたものから、「不正に関する」という特定を削除して「第1エラー」という別の用語に改めるとともに、本件補正前の「不正に関するエラー制御」を「前記エラー制御」と記載を改め(特定F12)、「前記第1エラーは、エラーの報知が実行されているときに前記進行不能状態に制御されるとエラーの報知が終了」(特定F13)することを限定する補正事項。
(イ)補正事項2-2
「前記差数が前記所定数に達して前記進行不能状態であるときでも前記エラー制御が実行される第2エラーと、があり、」(特定F12)、「前記第2エラーは、エラーの報知が実行されているときに前記進行不能状態に制御されてもエラーの報知が継続するようになっており、」(特定F14)、「前記第2エラーは、遊技球の発射が停止されるエラーである」(特定F15)ことを限定する補正事項。
(ウ)補正事項2-3
本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「進行不能状態に制御されていないとき」を「進行不能状態ではないとき」と記載を改めることに併せ、「進行不能状態に制御されていないとき」について、「前記遊技機では、前記差数が前記所定数に達しておらず」(特定F11)という状態であることを限定し、
本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「進行不能状態に制御されているとき」を「進行不能状態であるとき」と記載を改めることに併せ、「進行不能状態に制御されているとき」について、「前記遊技機には、前記差数が前記所定数に達して」(特定F12)いることを限定する補正事項。
(2)補正目的
ア 特許請求の範囲の減縮
(ア)補正事項2-1について
上記(1)イ(ア)に示した補正事項2-1は、本件補正前の「前記進行不能状態に制御されていないときには」「実行される場合があり、前記進行不能状態に制御されているときには」「実行されない」「エラー制御」について、本件補正前は、「不正に関するエラー」とエラーの種類を含む特定がなされていたものから、「不正に関する」というエラーの種類に係る特定を削除して「第1エラー」という別の用語に改める補正を含んでいる。
してみると、補正事項2-1において、「不正に関する」というエラーの種類に係る特定を削除して「第1エラー」という別の用語に改めた結果、「前記進行不能状態に制御されていないときには」「実行される場合があり、前記進行不能状態に制御されているときには」「実行されない」「エラー制御」を実行する対象が、エラーの種類を問わないもの、すなわち、「不正に関するエラー」であるか否かに関わらず、任意のエラーを含むものとなった点において、当該エラー制御の対象となるエラーの種類を拡張するものとなり、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の「前記進行不能状態に制御されていないときには不正に関するエラー制御が実行される場合があり、前記進行不能状態に制御されているときには前記不正に関するエラー制御が実行されない」という事項の下位概念でなく減縮には当たらない。
したがって、補正事項2-1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当しない。
(イ)補正事項2-2について
上記(1)イ(イ)に示した補正事項2-2も、上記(ア)で検討した補正事項2-1と同様、「エラー制御」を実行する対象が、エラーの種類を問わないもの、すなわち、「不正に関するエラー」であるか否かに関わらず、任意のエラーを含むものとなった点において、エラー制御の対象となるエラーの種類を拡張するものとなり、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の「前記進行不能状態に制御されていないときには不正に関するエラー制御が実行される場合があり、前記進行不能状態に制御されているときには前記不正に関するエラー制御が実行されない」という事項の下位概念でなく減縮には当たらない。
したがって、補正事項2-2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当しない。
(ウ)補正事項1、補正事項2-3について
上記(1)アに示した補正事項1は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「特定条件」について、「前記特定条件は、所定期間内に付与された賞球の数と、前記所定期間において遊技領域に発射された有効球の数とに基づく差数が所定数に達したことで成立」(特定F1)するという特定を加えて、発明特定事項を限定したものであり、また、上記(1)イ(ウ)に示した補正事項2-3も、上記(1)イ(ウ)に示したとおり、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したといえる。
また、補正事項1及び補正事項2-3についてみれば、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
イ 明瞭でない記載の釈明
また、上記ア(ア)、(イ)で、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当しないと判断を示した補正事項2-1及び補正事項2-2について、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の「前記進行不能状態に制御されていないときには不正に関するエラー制御が実行される場合があり、前記進行不能状態に制御されているときには前記不正に関するエラー制御が実行されない」という記載は明確に理解できるため、上記記載は、それ自体意味の不明瞭な記載ではなく、また、拒絶理由通知で上記記載が不明瞭な記載である旨の指摘もなされていない。
したがって、補正事項2-1及び補正事項2-2は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものには該当しない。
ウ 請求項の削除及び誤記の訂正
さらに、本件補正のうち、上記1の補正が、請求項の削除及び誤記の訂正を目的とするものに該当しないことは明らかである。
エ 小括
そうすると、本件補正による特許請求の範囲の請求項1についての補正は、前記ア(ウ)の点で、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当するものの、前記ア(ア)、(イ)の点では、特許請求の範囲の減縮、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものにも該当せず、特許法17条の2第5項各号のいずれを目的とするものでもないことになる。
(3)まとめ
したがって、補正事項2-1及び補正事項2-2を含む本件補正の目的は、特許法17条の2第5項各号に掲げる目的に該当しないから、本件補正は同項の規定に規定する要件に違反するものであり、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
3 独立特許要件についての検討(予備的判断)
上記2(3)で述べたとおり本件補正は却下されるべきものであるが、上記2(2)ア(ウ)で述べたように、請求項1についての補正事項の一部は、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とした補正を含むものであるから、事案に鑑み、予備的判断として、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか)について以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、本件補正により補正された前記1に「補正後」として示したとおりのものである。
(2)各引用文献等
ア 先願1の記載事項
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原査定の拒絶理由において引用され、本願の出願の日前の他の特許出願であって、その出願後に出願公開がなされた特願2022-53317(特開2023-146233)(以下「先願1」という。)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「先願明細書等」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
「【技術分野】【0001】本発明は、遊技機に関するものである。・・・【発明が解決しようとする課題】【0004】しかしながら、従来の上記遊技機では、遊技を強制的に終了させる場合に、強制終了させる前後の制御処理や報知演出に関して十分な方策がとられていなかった。【0005】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、遊技者が獲得した賞球数が一定数を超え、強制的に遊技を終了させる際の制御処理や報知演出に関して、従来よりも改善された遊技機を提供することを目的とする。」
「【0006】上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。図柄抽選(例:大当り抽選処理)に基づく図柄変動(例:特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示)を実行する図柄変動実行手段(例:特別図柄1変動表示用LED76a、特別図柄2変動表示用LED76b、主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、前記図柄変動の結果が特定態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技(例:大当り遊技、小当り遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(例:主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、遊技実績に基づく所定情報(例:賞球数とアウト数の差数)を計数する計数処理を行う計数手段(例:主制御部520、安全装置計数処理(S1528、S1512)、差玉カウンタ計数処理(S1531、S1541))と、前記所定情報が所定値となった場合に、遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段(主制御部520、遊技停止処理(S1520、S1509~S1511))と、を備え、前記遊技停止手段は、前記特別遊技中に前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合、前記特別遊技の終了後に停止処理を実行するよう構成されたことを特徴とする遊技機。」
「【0048】主制御基板52は、遊技に関する制御を統括的に行う基板であり、CPUコア(主制御CPU520)と内蔵メモリ(内臓ROM、内蔵RWM)を有するワンチップマイクロコントローラの主制御部520(主制御手段)、性能表示LED521、RWMクリアスイッチ522、設定キースイッチ523が搭載されている。RWMクリアスイッチ522及び設定キースイッチ523は、主基板ケース26の外側から操作可能な状態で設けられており、主制御部520及び性能表示LED521は主基板ケース26の外側から視認可能な状態で配置されている。」
「【0085】(主制御基板)主制御基板52は、電源基板50から電源供給を受けることで、スイッチ類(特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a、アウトスイッチ47a)、駆動源(大入賞口開閉ソレノイド70、71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72)、各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)、各種基板(電源基板50、払出発射制御基板51、演出IF基板53 )、表示装置(図柄表示装置76)と、必要に応じて中継基板(図示せず)を介して電気的に接続される。【0086】これにより、主制御部520は、特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)の検出信号を受信可能となることで、いずれかの入賞口38、39、40、41、42、43、44、45に遊技球が入球したと判定することができる。この判定後、賞球を行う必要がある場合に主制御部520は払出制御部510に対して賞球信号を送信することで、遊技者に対して所定個数の遊技球(賞球)が払い出される。」
「【0112】(演出制御部)演出制御部540は、32ビットマイクロプロセッサの演出制御CPUと、遊技演出に関するプログラム及びデータを記憶するROM542と、遊技演出に関する情報を記憶するワークエリア及びスタックポインタを記憶するスタック領域を有するRWMとを有して構成されている。」
「【0147】この遊技領域8aには、センター飾り82、特別図柄1始動口38(特図1始動手段)、特別図柄2始動口39(特図2始動手段)、その他の入賞口(左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43)、大入賞口(上大入賞口44、下大入賞口45)、右ゲート46(普通図柄作動装置)、アウト口47、多数の遊技釘96、風車83等が配置されている。また、遊技領域8aの外側(非遊技領域)の下部には、図柄表示装置76が配置されている。」
「【0235】(装飾図柄変動遊技、保留表示)画像表示手段31では、図柄表示装置76を用いた特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示と並行して、複数の装飾図柄100、101、102による変動表示を実行する装飾図柄変動遊技が行われる。装飾図柄100、101、102は、主にキャラクタ部100a、101a、102aと数字部100b、101b、102bとで構成されており、1~9の数字部100b、101b、102bの数字に対応して、夫々異なる9種類のキャラクタがキャラクタ部100a、101a、102aに表示される。・・・【0237】特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の結果が、大当り停止発光パターンであった場合には、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102が全て同じ図柄で揃う大当り表示態様となり、ハズレ停止発光パターンであった場合には、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102の少なくとも1つまたは全部が異なる図柄となるハズレ表示態様で停止表示される。また、最終的に大当り表示態様となる装飾図柄変動遊技のことを大当り変動パターン、最終的にハズレ表示態様となる装飾図柄変動遊技のことをハズレ変動パターンと称する。」
「【0264】(主制御システム処理)図2ー2では、電源投入時に主制御部520により実行されるシステム処理のフローチャートを示している。このシステム処理は使用領域内プログラムによって実行される処理となっている。・・・続きを表示(全18行)【0327】(タイマ割込み処理)メインループ処理(S1017~S1023)の実行中に、割込みタイミングが到来すると、図2-4に示すタイマ割込み処理(S1024~S1045)を実行する。タイマ割込み処理(S1024~S1045)では、以下の(1)~(18)の順に遊技に関する各処理(遊技処理)を実行する。(1)電源異常をチェックして、有事の際には電断時処理を行う電源異常チェック処理(S1024)(2)遊技処理に用いる各種タイマの更新を行うタイマ管理処理(S1025)(3)スイッチ類(特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a、アウトスイッチ47a等)の入力情報に基づき入力データの作成や管理を行う入力管理処理(S1026)(4)乱数回路の異常を確認する乱数回路処理(S1027)(5)入賞カウンタの情報を参照し、入賞があった場合には、払出制御部510に賞球数を指定する払出制御コマンド(賞球コマンド)の送信を行う賞球管理処理(S1028)(6)右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)への入球監視、普通図柄保留記憶情報の更新、当り抽選処理、普通図柄抽選処理、普通図柄変動パターン抽選処理、普通図柄変動表示の開始処理及び停止処理を行う普通図柄管理処理(S1029)(7)特別図柄2始動口39の可動片39bの開閉動作など、電チューサポートの実行に必要な処理を行う普通電動役物管理処理(S1030)(8)特別図柄1始動口スイッチ38a及び特別図柄2始動口スイッチ39aへの入球監視、特別図柄保留記憶情報の更新、先読み予告の実行判定、大当り抽選処理、特別図柄抽選処理、特別図柄変動パターン抽選処理、特別図柄変動表示の開始処理及び停止処理、遊技状態の移行に関する設定処理を行う特別図柄管理処理(S1031)(9)当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)に関する実行処理や大当り遊技後の遊技状態の設定処理を行う特別電動役物管理処理(S1032)(10)各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)やスイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)の検出情報に基づき、遊技動作にエラー(異常)が生じたかを監視する監視処理を行い、演出制御部540にエラーの種別を特定可能なエラーコマンドの送信を行うエラー管理処理(S1033)・・・」
「【0382】((8)特別図柄管理処理)特別図柄管理処理(S1031)では、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の実行中か否かにかかわらず、特別図柄1始動口スイッチ38aまたは特別図柄2始動口スイッチ39aが遊技球を検出したか否かを監視する。なお、以降の処理は、特別図柄1に関する内容か、特別図柄2に関する内容かに関する違いだけであり、実質的に同じ内容なので、重複記載を避けるために、特別図柄1に関する内容を中心に記載する。【0383】特別図柄1始動口スイッチ38aが遊技球を検出したと判断した場合には、特別図柄1保留記憶を加算(+1)するとともに、特別図柄1変動表示を実行するのに必要な複数種類の乱数情報(大当り判定用乱数、特別図柄用乱数、特別図柄用変動パターン乱数)の取得処理を実行する。これらの乱数情報を記憶するための領域として、乱数記憶エリア(大当り判定用乱数記憶エリア、特別図柄用乱数記憶エリア、特別図柄用変動パターン乱数記憶エリア)が、特別図柄保留記憶の上限記憶個数(例:4個)分だけ夫々設けられており、取得した乱数情報は、現在の特別図柄保留記憶の数(加算後の特別図柄保留記憶の数)に対応する記憶エリアに格納される。」
「【0534】(安全装置)本発明の遊技機1には、賞球数(≒払出遊技球数)とアウト数(≒発射遊技球数)の差数(≒遊技者の獲得遊技個数)が所定数となった場合、所定条件の成立(大当り遊技中又は小当り遊技中ではないこと、ラウンド遊技中ではないこと等)を条件に、それ以降の遊技(特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示、普通図柄変動表示、大当り遊技、小当り遊技など)を停止/中止させるための安全装置が搭載されている。【0535】この安全装置は主制御部520のプログラムにより実現されており、主制御部520が賞球数とアウト数の差数を計測し、賞球数がアウト数を所定数上回った(賞球過多)と判断した場合には、タイマ割込み処理(S1024~S1045)内の一部の遊技処理を実行しないように構成されることで、それ以降の遊技が行われない遊技停止状態に制御されることを特徴としている。遊技停止状態では、それ以降の遊技が一切行われないので、一度遊技停止状態となると、その後、賞球またはアウトが生じることはない。このように、安全装置を搭載した遊技機1においては、遊技機1の払出個数に一定の基準値を設けることで、払出個数が著しく大きくならないように遊技機1の遊技動作を制限する機能が設けられている。【0536】ここで、安全装置により計数対象となる賞球数とは、各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)に入賞した際に、賞球として払い出された遊技球の合計個数であり、アウト数とは、遊技領域8aに発射された遊技球がアウト口47や入賞口38、39、40、41、42、43、44、45を通過し、最終的に排出される際にアウトスイッチ47aにより検出された個数(≒遊技領域8aに発射された遊技球の個数)である。【0537】また、賞球数とアウト数の差数の計測結果は、主制御部520のRWM領域に設けられた差玉カウンタに記憶され、この差玉カウンタが所定値に到達したと判断した場合に、安全装置が発動(機能)し、遊技停止状態に制御される。この差玉カウンタは、遊技機1の電源投入時に必ず初期化されるように構成されている。これは、ホール営業における1日単位の差玉数を計測し管理し易くするためである(ホール営業においては開店時にのみ1度だけ電源投入が行われる)。」
「【0552】遊技停止フラグは、一度ON状態に設定されると、その後、RWMクリア処理(S1011)を伴う電源投入処理が行われない限り、OFF状態に切り替わることがないように構成されている。遊技停止フラグは、主制御部520の領域内RWM領域に設けられており、RWMクリア処理(S1011)が実行されることで、使用領域内RWMのうち、設定値記憶領域を除くRWM領域の全てがクリアされることにより、遊技停止フラグもOFF状態に設定されるように構成されている。このように、遊技停止状態を解除するためには、RWMクリア処理(S1011)を伴う電源投入処理を行う必要があり、それ以外の方法で遊技停止状態を解除することができないように構成されている。ちなみに、安全装置の作動条件を満たした場合のみならず、特定のエラー(磁気エラー、電波エラー等)が発生したと判断した場合にも遊技停止状態に制御するように構成してもよく、この場合には、安全装置の作動条件を満たした場合に設定される遊技停止フラグと、特定のエラーが発生したと判断した場合に設定される遊技停止フラグとを、異なる遊技停止フラグを用いて管理するように構成することが望ましい。・・・・・・【0554】S1510では、主制御部520が駆動制御する各種ソレノイド(大入賞口開閉ソレノイド70、71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72)の駆動信号及び、発射制御信号及び、演出制御部540にコマンドを送信する際に送信するストローブ信号を出力するためのソレノイドポートをクリアする。これにより、遊技停止状態に制御する場合には、駆動中、非駆動中かを問わずに、各種ソレノイド(大入賞口開閉ソレノイド70、71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72)の駆動を停止させるとともに、発射停止制御を行う。なお、発射停止制御に関しては、安全装置作動管理処理(S1512)内の遊技停止処理(S1520)において、遊技停止フラグがON状態に設定される際に発射停止処理(S1527)を行っているため、ここでの発射停止制御は一見不要だが、遊技停止状態となった後、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた場合には、再び遊技停止状態とする必要があり、その際に発射停止制御を行うために必要な処理となっている。」
「【0561】S1511の処理が終わると、次にS1038の処理へと移行する。このように、遊技停止フラグがON状態であると判定され、遊技停止状態に制御すると判断された場合には、一部の遊技処理(S1025~S1037、S1512)の実行が回避される。これにより、遊技停止状態では、以下のような状態に制御されることとなる。・・・【0568】さらに、特別図柄管理処理(S1031)が回避されることで、特別図柄1始動口スイッチ38a及び特別図柄2始動口スイッチ39aへの入球監視、特別図柄保留記憶情報の更新、先読み予告の実行判定、大当り抽選処理、特別図柄抽選処理、特別図柄変動パターン抽選処理、特別図柄変動表示の開始処理及び停止処理、遊技状態の移行に関する設定処理が一切行われない。これにより、遊技停止状態中は、新たな特別図柄保留記憶や、新たな特別図柄変動表示が実行されることはない。また、既に記憶済みの特別図柄保留記憶に基づく特別図柄変動表示が実行されることもない。また、図柄表示装置76を用いた特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示や特別図柄1記憶表示、特別図柄2記憶表示については、S1511の処理に基づき、図柄表示装置76が消灯状態に制御されるため、強制的に中止/中断されることとなる。」
「【0570】さらに、エラー管理処理(S1033)が回避されることで、各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)やスイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)の検出情報に基づき、遊技動作にエラー(異常)が生じたかを監視する監視処理を行われず、演出制御部540にエラーの種別を特定可能なエラーコマンドの送信が行われることがない。これにより、遊技停止状態中は、各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)やスイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)の検出情報に基づく、エラー報知が行われることがない。また、エラー報知の実行中に遊技停止状態に制御すると判断された場合には、。実行中のエラー報知は、強制的に中止/中断されることとなる。ただし、これに限らず、実行中のエラー報知については、所定時間実行を継続するようにしてもよい。また、エラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するようにしてもよい。さらに、エラー報知の内容に応じて、中止/中断するエラー報知と、所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するものとで異ならせるようにしてもよい。」
「【0714】また、演出制御部540により制御される各種機能として、変動表示装置95に関する機能(特別図柄変動LED、普通図柄変動LEDの点灯制御)、画像表示手段31に関する機能(ミニ図柄103a、右打ち表示、エラー表示、保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示、安全装置作動表示、演出表示に関する表示制御)、LED63a、64aに関する機能(安全装置作動報知に関する点灯制御)、可動物30a、30bに関する機能(可動演出の実行制御)、調整機能(音量調整ボタン16、光量調整ボタン17の有効・無効の切替制御)について記載している。」
「【0751】次に、画像表示手段31に表示する保留表示104a、105aは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留画像表示を行うように制御される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、画像表示手段31の保留表示は非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)非表示状態を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、画像表示手段31の保留表示104a、105aが非表示状態に制御されることで、遊技者に対して保留記憶が消滅し次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。」
「【0810】ここでは、特別図柄変動表示用LED76a、76bが変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示を行っている場合に、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値に到達)、その時点で即座に安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されるように構成されている。そのため、安全装置作動フラグがON状態且つ安全装置が発動(ST2)した場合には、特別図柄変動表示用LED76a、76bが変動表示中であったとしても、残りの変動表示時間の経過を待たずして、その時点で変動表示を終了し、即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。」
「【0851】次に、画像表示手段31に表示する演出表示として、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、装飾図柄100、101、102による通常変動演出(非リーチ状態での変動演出)やリーチ演出(リーチ状態での変動演出)などが実行可能に構成される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技停止状態となった旨を報知可能な遊技停止画面を表示する。遊技停止画面は、画像表示手段31の表示領域全面に黒ベタの背景画像を表示する黒色背景画像と、遊技停止状態に制御されていることを示すメッセージ表示画像(例:「遊技停止状態中です 係員を及びください」など)により構成される。このように、遊技停止状態となった場合には、画像表示手段31に遊技停止画像が表示されることで、遊技者に対して遊技停止状態に制御されていることを報知可能に構成されている。また、遊技停止画面では、所定の遊技情報(獲得した特典情報や履歴情報など)を記憶するための二次元コードを表示するように構成してもよい。これにより、遊技停止前に獲得した特典情報や蓄積した履歴情報を取得することが可能となる。【0852】ここで、図5-2-1に示す実施例では、リーチ演出の実行中に安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されるが、この場合、実行中のリーチ演出は、遊技停止状態となるタイミングで終了し即座に遊技停止画面に切り替えられる。このように、遊技停止状態に制御する場合には、実行中の演出表示(通常変動演出、リーチ演出)については中止/中断するように構成されている。」
イ 先願発明
上記アによれば、先願明細書等には、次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる。なお、先願発明の認定に際し、【0086】及び【0536】における「入賞口38、39、40、41、42、43、44、45」という記載について、【0536】の「各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)」という記載に倣い、「入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)」と用語を揃えて表記し、また、【0048】の「内臓ROM」は、「内蔵ROM」の誤記であると認められるので、「内蔵ROM」という用語を用いて認定する。
先願発明
「大当り抽選処理に基づく図柄変動として特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示を実行する図柄変動実行手段と、前記図柄変動の結果が特定態様となった場合に遊技者に有利な大当り遊技、小当り遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、遊技実績に基づく賞球数とアウト数の差数を計数する計数処理を行う計数手段と、前記差数が所定値となった場合に、遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段と(【0006】)、続きを表示(全19行)演出制御CPUを有し(【0112】)、画像表示手段31に関する機能(ミニ図柄103a、右打ち表示、エラー表示、保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示、安全装置作動表示、演出表示に関する表示制御)を制御する演出制御部540と(【0714】)、を備え、画像表示手段31では、図柄表示装置76を用いた特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示と並行して、複数の装飾図柄100、101、102による変動表示を実行する装飾図柄変動遊技が行われ(【0235】)、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の結果が、大当り停止発光パターンであった場合には、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102が全て同じ図柄で揃う大当り表示態様となり、ハズレ停止発光パターンであった場合には、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102の少なくとも1つまたは全部が異なる図柄となるハズレ表示態様で停止表示され(【0237】)、主制御基板52は、遊技に関する制御を統括的に行う基板であり、CPUコア(主制御CPU520)と内蔵メモリ(内蔵ROM、内蔵RWM)を有するワンチップマイクロコントローラの主制御部520(主制御手段)が搭載され(【0048】)、遊技領域8aには、特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、その他の入賞口(左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43)、大入賞口(上大入賞口44、下大入賞口45)、右ゲート46(普通図柄作動装置)、アウト口47、多数の遊技釘96、風車83等が配置され(【0147】)、主制御基板52は、スイッチ類(特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a、アウトスイッチ47a)と電気的に接続され(【0085】)、主制御部520は、特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)の検出信号を受信可能となることで、いずれかの入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)に遊技球が入球したと判定することができ、この判定後、賞球を行う必要がある場合に主制御部520は払出制御部510に対して賞球信号を送信することで、遊技者に対して所定個数の遊技球(賞球)が払い出され(【0086】)、電源投入時に主制御部520により実行されるシステム処理では(【0264】)、メインループ処理の実行中に、割込みタイミングが到来すると、タイマ割込み処理を実行し、タイマ割込み処理では、スイッチ類(特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a、アウトスイッチ47a等)の入力情報に基づき入力データの作成や管理を行う入力管理処理、入賞カウンタの情報を参照し、入賞があった場合には、払出制御部510に賞球数を指定する払出制御コマンド(賞球コマンド)の送信を行う賞球管理処理、特別図柄1始動口スイッチ38a及び特別図柄2始動口スイッチ39aへの入球監視、特別図柄保留記憶情報の更新、先読み予告の実行判定、大当り抽選処理、特別図柄抽選処理、特別図柄変動パターン抽選処理、特別図柄変動表示の開始処理及び停止処理、遊技状態の移行に関する設定処理を行う特別図柄管理処理、及び、各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)やスイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)の検出情報に基づき、遊技動作にエラー(異常)が生じたかを監視する監視処理を行い、演出制御部540にエラーの種別を特定可能なエラーコマンドの送信を行うエラー管理処理等を実行し(【0327】)、特別図柄管理処理では、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の実行中か否かにかかわらず、特別図柄1始動口スイッチ38aまたは特別図柄2始動口スイッチ39aが遊技球を検出したか否かを監視し(【0382】)、特別図柄1始動口スイッチ38aが遊技球を検出したと判断した場合には、特別図柄1保留記憶を加算(+1)して(【0383】)、遊技機1には、賞球数(≒払出遊技球数)とアウト数(≒発射遊技球数)の差数(≒遊技者の獲得遊技個数)が所定数となった場合、所定条件の成立(大当り遊技中又は小当り遊技中ではないこと、ラウンド遊技中ではないこと等)を条件に、それ以降の遊技(特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示、普通図柄変動表示、大当り遊技、小当り遊技など)を停止/中止させるための安全装置が搭載され(【0534】)、主制御部520が賞球数とアウト数の差数を計測し、賞球数がアウト数を所定数上回った(賞球過多)と判断した場合には、それ以降の遊技が行われない遊技停止状態に制御され、遊技停止状態では、それ以降の遊技が一切行われないので、一度遊技停止状態となると、その後、賞球またはアウトが生じることはなく(【0535】)、安全装置により計数対象となる賞球数とは、各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)に入賞した際に、賞球として払い出された遊技球の合計個数であり、アウト数とは、遊技領域8aに発射された遊技球がアウト口47や入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)を通過し、最終的に排出される際にアウトスイッチ47aにより検出された個数(≒遊技領域8aに発射された遊技球の個数)であり(【0536】)、賞球数とアウト数の差数の計測結果は、主制御部520のRWM領域に設けられた差玉カウンタに記憶され、この差玉カウンタが所定値に到達したと判断した場合に、安全装置が発動(機能)し、遊技停止状態に制御され、差玉カウンタは、遊技機1の電源投入時に必ず初期化されるように構成されることにより、ホール営業における1日単位の差玉数を計測し管理し易くするようになっていて(【0537】)、遊技停止状態に制御すると判断された場合には(【0561】)、特別図柄管理処理が回避されることで、遊技停止状態中は、新たな特別図柄保留記憶や、新たな特別図柄変動表示が実行されることはなく、また、既に記憶済みの特別図柄保留記憶に基づく特別図柄変動表示が実行されることもなく(【0568】)、画像表示手段31に表示する保留表示104a、105aは、大当り遊技の開始から安全装置が発動するまでの間、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留画像表示を行うように制御され、安全装置が発動し、遊技停止状態に制御された場合には、画像表示手段31の保留表示104a、105aは非表示状態に制御され(【0751】)、特別図柄変動表示用LED76a、76bが変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示を行っている場合に、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値に到達)、安全装置が発動して遊技停止状態に制御され、特別図柄変動表示用LED76a、76bが変動表示中であったとしても、残りの変動表示時間の経過を待たずして、その時点で変動表示を終了し、即座に非表示(消灯状態)に制御され(【0810】)、実行中の装飾図柄100、101、102による通常変動演出(非リーチ状態での変動演出)やリーチ演出(リーチ状態での変動演出)は、遊技停止状態に制御する場合には、中止/中断するように構成されており(【0851】、【0852】)、安全装置の作動条件を満たした場合のみならず、特定のエラー(磁気エラー、電波エラー等)が発生したと判断した場合にも遊技停止状態に制御するように構成してもよく(【0552】)、遊技停止状態に制御する場合には、発射停止制御を行い(【0554】)、遊技停止状態中は、各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)やスイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)の検出情報に基づく、エラー報知が行われることがないが、これに限らず、エラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するようにしてもよく、エラー報知の内容に応じて、中止/中断するエラー報知と、所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するものとで異ならせるようにしてもよい(【0570】)遊技機1(【0534】)。」
(3)対比
本件補正発明と先願発明とを対比する。
ア 特定Aについて
先願発明の「特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示」という「図柄変動」、「実行する」こと、「図柄変動の結果が特定態様となった場合」「遊技者に有利な大当り遊技、小当り遊技を実行可能」であること、「遊技機1」はそれぞれ、本件補正発明の「変動ゲーム」、「実行可能であ」ること、「変動ゲームにおいて大当り結果が導出された後」「大当り遊技を付与する」こと、「遊技機」に相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定Aに相当する構成を備える。
イ 特定Bについて
先願発明の「特別図柄1始動口38」「に入賞」すること、「特別図柄1始動口38」はそれぞれ、本件補正発明の「遊技球が入球可能」であること、「特定入賞口」に相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定Bに相当する構成を備える。
ウ 特定Cについて
上記イより、先願発明の「特別図柄1始動口38」は、本件補正発明の「特定入賞口」に相当することを踏まえると、先願発明の「主制御部520は、特別図柄1始動口スイッチ38a」「の検出信号を受信可能となることで」「特別図柄1始動口38」「に遊技球が入球したと判定すること」は、「特別図柄1始動口スイッチ38a」が、「特別図柄1始動口38」「に遊技球が入球した」ことを検出することを表しているから、本件補正発明の「特定入賞口に入球した遊技球を」「検知可能」であることに相当し、先願発明の「特別図柄1始動口スイッチ38a」は、本件補正発明の「特定入賞球検知部」に相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定Cに相当する構成を備える。
エ 特定Dについて
上記ウより、先願発明の「特別図柄1始動口スイッチ38a」は、本件補正発明の「特定入賞球検知部」に相当するから、先願発明の「主制御部520」が実行する「特別図柄管理処理では、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の実行中か否かにかかわらず、特別図柄1始動口スイッチ38aまたは特別図柄2始動口スイッチ39aが遊技球を検出したか否かを監視し・・・特別図柄1始動口スイッチ38aが遊技球を検出したと判断した場合」は、本件補正発明の「特定入賞球検知部による検知に応じて」いることに相当し、先願発明の「特別図柄1保留記憶を加算(+1)」することは、本件補正発明の「変動ゲームの実行を保留する」ことに相当し、先願発明の「特別図柄保留記憶情報の更新」「を行う特別図柄管理処理を実行」する「主制御部520」は、本件補正発明の「ゲーム保留制御手段」に相当する機能を具備する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定Dに相当する構成を備える。
オ 特定Eについて
先願発明の「主制御部520により実行される」「タイマ割込み処理」において、「各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)やスイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)の検出情報に基づき、遊技動作にエラー(異常)が生じたかを監視する監視処理を行い、演出制御部540にエラーの種別を特定可能なエラーコマンドの送信を行うエラー管理処理」が実行されることにより、「特定のエラー(磁気エラー、電波エラー等)が発生したと判断した場合にも遊技停止状態に制御する」こと、及び、「エラー報知を実行する」ことは、本件補正発明の「エラー制御を実行可能」であることに相当し、また、先願発明の「主制御部520」は「エラー制御手段」に相当する機能を具備する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定Eに相当する構成を備える。
カ 特定F、F1について
先願発明の「主制御部520が賞球数とアウト数の差数を計測し、賞球数がアウト数を所定数上回った(賞球過多)と判断した場合」、「それ以降の遊技が行われない遊技停止状態に制御され、遊技停止状態では、それ以降の遊技が一切行われない」ことはそれぞれ、本件補正発明の「特定条件が成立した場合」、「遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御可能」であることに相当し、先願発明の「主制御部520」は、本件補正発明の「不能状態制御手段」に相当する機能を具備する。
また、先願発明の「賞球数がアウト数を所定数上回った(賞球過多)」ことが、本件補正発明の「特定条件」に相当するところ、さらに、先願発明の「ホール営業における1日単位」、「賞球数」、「アウト数」、「差数」、「差数の計測結果は、主制御部520のRWM領域に設けられた差玉カウンタに記憶され、この差玉カウンタが所定値に到達したと判断した場合」であることはそれぞれ、本件補正発明の「所定期間内」、「付与された賞球の数」、「遊技領域に発射された有効球の数」、「差数」、「差数が所定数に達したことで成立」することに相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定F、F1に相当する構成を備える。
キ 特定G、G1について
先願発明の「画像表示手段31に関する機能(ミニ図柄103a、右打ち表示、エラー表示、保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示、安全装置作動表示、演出表示に関する表示制御)を制御する」こと、「演出制御部540」はそれぞれ、本件補正発明の「演出を実行可能な」こと、「演出実行部」に相当する。
また、先願発明の「演出制御部540」が有する「演出制御CPU」は、本件補正発明の「前記演出実行部を制御可能な演出制御手段」に相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定G、G1に相当する構成を備える。
ク 特定G2について
上記カより、先願発明の「主制御部520が賞球数とアウト数の差数を計測し、賞球数がアウト数を所定数上回った(賞球過多)と判断した場合」、「それ以降の遊技が行われない遊技停止状態に制御され」ることはそれぞれ、本件補正発明の「前記特定条件が成立し」たこと、「前記進行不能状態に制御された場合」に相当する。
そうすると、先願発明の「遊技停止状態中は」、「既に記憶済みの特別図柄保留記憶に基づく特別図柄変動表示が実行されることもな」いことは、本件補正発明の「前記進行不能状態に制御された場合に」、「実行が保留された変動ゲームが実行され」ないことに相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定G2に相当する構成を備える。
ケ 特定G3、G4について
(ア) 上記キでも検討したとおり、先願発明の「演出制御部540」は「画像表示手段31に関する機能」である「保留表示104a、105a」を制御する。そして、先願発明の「特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた」こと、「保留画像」はそれぞれ、本件補正発明の「実行が保留されている変動ゲームに対応する」こと、「保留画像」に相当する。
そうすると、先願発明の「演出制御部540」により「画像表示手段31に表示する保留表示104a、105a」が「特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留画像表示を行うように制御され」ることは、本件補正発明の「前記演出実行部」により「実行が保留されている変動ゲームに対応する保留画像を表示可能であ」ることに相当する。
(イ) また、先願発明では「大当り遊技の開始から安全装置が発動するまでの間、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留画像表示を行うように制御され、安全装置が発動し、遊技停止状態に制御された場合には、画像表示手段31の保留表示104a、105aは非表示状態に制御され」るところ、先願発明において「安全装置が発動」するのは、「差玉カウンタが所定値に到達した」とき、すなわち、「賞球数がアウト数を所定数上回った(賞球過多)」ときであるから、上記カの検討を踏まえると、先願発明において「安全装置が発動」するときは、本件補正発明の「特定条件が成立して」いるときに相当する。
そうすると、先願発明において、「大当り遊技の開始から安全装置が発動するまでの間、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留画像表示を行うように制御され、安全装置が発動し、遊技停止状態に制御された場合」、「画像表示手段31の保留表示104a、105aは非表示状態に制御され」ることはそれぞれ、本件補正発明の「前記保留画像が表示されているときに前記特定条件が成立して前記進行不能状態に制御された場合」、「前記保留画像の表示が終了」することに相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定G3、G4に相当する構成を備える。
コ 特定F11について
先願発明は、「遊技停止状態中は、各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)やスイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)の検出情報に基づく、エラー報知が行われることがないが、これに限らず、エラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するようにしてもよく、エラー報知の内容に応じて、中止/中断するエラー報知と、所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するものとで異ならせるようにしてもよい」から、「遊技停止状態中」でなければ、「各種センサ」「やスイッチ類」「の検出情報に基づく、エラー報知が行われる」ものといえる。
そして、先願発明において「遊技停止状態中」でないときは、本件補正発明の「前記遊技機では、前記差数が前記所定数に達しておらず前記進行不能状態ではないとき」に相当し、上記オの検討と同様に、先願発明の「主制御部520により実行される」「タイマ割込み処理」において、「エラー管理処理」が実行されることは、本件補正発明の「エラー制御が実行される場合があ」ることに相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定F11に相当する構成を備える。
サ 特定F12について
上記カの検討を踏まえると、先願発明において、「主制御部520が賞球数とアウト数の差数を計測し、賞球数がアウト数を所定数上回った(賞球過多)と判断した場合」に制御される「遊技停止状態」であるときは、本件補正発明の「前記差数が前記所定数に達して前記進行不能状態であるとき」に相当する。
そして、先願発明の「遊技停止状態中は」「中止/中断するエラー報知」に該当する「エラー」は、本件補正発明の「進行不能状態であるとき前記エラー制御が実行されない第1エラー」に相当し、「遊技停止状態中」でも「所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行する」「エラー」は、本件補正発明の「進行不能状態であるときでも前記エラー制御が実行される第2エラー」に相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定F12に相当する構成を備える。
シ 特定F13について
上記サに加え、先願発明の「遊技停止状態中は」「エラー報知」が「中止/中断する」ことは、本件補正発明の「エラーの報知が実行されているときに前記進行不能状態に制御されるとエラーの報知が終了」することに相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定F13に相当する構成を備える。
ス 特定F14について
上記サに加え、先願発明の「遊技停止状態中」でも「所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行する」ことは、本件補正発明の「エラーの報知が実行されているときに前記進行不能状態に制御されてもエラーの報知が継続するようになって」いることに相当する。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定F14に相当する構成を備える。
セ 特定F15について
(ア)先願発明は、「安全装置の作動条件を満たした場合のみならず、特定のエラー(磁気エラー、電波エラー等)が発生したと判断した場合にも遊技停止状態に制御するように構成してもよく」、そして、「遊技停止状態に制御する場合には、発射停止制御を行」うものである。
そして、先願明細書等には、主制御システム処理の対象となるエラーの種類として、「各種エラー(球詰まり、補給切れ、計数異常、断線、扉開放、入賞口エラー、電波エラー、磁気エラー等)」(【0302】)が記載されている。
(イ)ここで、先願発明において、「遊技停止状態に制御する」、すなわち、「発射停止制御を行」う契機となる「特定のエラー」の種類について、「磁気エラー、電波エラー等」であると例示されているところ(先願明細書等の【0552】、【0554】も参照。)、先願明細書等において、「発射停止制御を行」う契機となる「特定のエラー」と、「遊技停止状態中」でも「所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行する」エラーとの関係は必ずしも明らかでないが、先願明細書等の記載を総合すると、先願明細書等に記載された「各種エラー(球詰まり、補給切れ、計数異常、断線、扉開放、入賞口エラー、電波エラー、磁気エラー等)」(【0302】)について、「遊技停止状態中は」「エラー報知」が「中止/中断する」エラー(以下「遊技停止状態により中止するエラー」という。)、又は、「遊技停止状態中」でも「所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行する」エラー(以下「遊技停止状態でも中止しないエラー」という。)のいずれかに区分けすると、「遊技停止状態により中止するエラー」又は「遊技停止状態でも中止しないエラー」の種類と、「発射停止制御を行」う契機となる「特定のエラー」の種類との関係について具体的に記載されておらず、また、「特定のエラー」の種類についても、「等」が付され、例示された「磁気エラー、電波エラー」のほかの種類のエラーが含まれることを許容する記載となっている。
(ウ)そうすると、先願明細書等には、「遊技停止状態により中止するエラー」又は「遊技停止状態でも中止しないエラー」の種類と、「発射停止制御を行」う契機となる「特定のエラー」の種類との関係について具体的に記載されていないが、「遊技停止状態でも中止しないエラー」、すなわち、先願発明における「遊技停止状態中」でも「所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行する」「エラー」の一部に、「発射停止制御を行」う契機となる「特定のエラー」に該当するエラーが含まれることを妨げるものではないから、両者の重なりに属するエラーが、本件補正発明の特定F15で特定される「第2エラー」であって、「遊技球の発射が停止されるエラー」に相当するものということができる。
してみれば、先願発明は、本件補正発明の特定F15に相当する構成を備える。
ソ 一致点及び相違点
上記ア~セより、本件補正発明と先願発明とは、全ての構成において一致し、相違する点はない。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は、審判請求書において次の主張をしている。
「(4)本願発明と引用文献の対比上記したように、先願1には「エラー報知の内容に応じて、中止/中断するエラー報知と、所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するものとで異ならせるようにしてもよい。」と記載されているものの、具体的にどのようなエラーについてエラー報知を中止/中断し、またどのようなエラーについて所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するのかについては何ら記載されていない。したがって、先願1は、本願発明1における、各種のエラーのうち特に遊技球の発射が停止される第2エラーについて、当該エラーの報知が実行されているときに進行不能状態に制御されてもエラーの報知が継続するという構成を備えていない。そして、先願1は、本願発明1のような、遊技球の発射が停止されているのが進行不能状態に制御されたことによるものであると誤認させてしまうことを抑制できるという効果を奏するものでもない。以上のように、本願発明1は、先願1に記載された発明と同一ではない。」
イ 上記主張について検討する。
先願明細書等には、「発射停止制御を行」う契機となる「特定のエラー」の種類との関係において、具体的にどのようなエラーについてエラー報知を中止/中断し、またどのようなエラーについて所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するのかについては記載がない。
しかし、前記第2の[理由]2(2)ア(ア)、(イ)において、補正目的について検討したとおり、本件補正発明では、「不正に関する」というエラーの種類に係る特定が削除された結果、「エラー制御」の対象となるエラーは、エラーの種類を問わないもの、すなわち、「不正に関するエラー」であるか否かに関わらず、任意のエラーを含むものとなった点において、当該エラー制御の対象となるエラーの種類を拡張するものとなった。そして、本件補正発明において「第1エラー」及び「第2エラー」の具体的な種類の特定はなされておらず、先願発明が、本件補正発明の特定F15に相当する構成を備えることは、上記(3)セに判断を示したとおりである。
よって、上記主張を採用することはできない。
(5)以上のとおり、本件補正発明は、先願発明と同一の発明であり、また、本願の発明者が先願1の発明者と同一ではなく、本願の出願の時において、その出願人が先願1の出願人と同一であるともいえないので、特許法29条の2の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第5項各号に掲げる目的に該当しないから、本件補正は同項の規定に規定する要件に違反するものであり、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
また、予備的判断として、本件補正が、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とした補正であるとした場合でも、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和6年11月1日に提出された手続補正書でした手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和5年12月27日に提出された手続補正書でした手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1に「補正前」として記載のとおりのものであり、以下に再掲する。
本願発明
「A 変動ゲームを実行可能であり、変動ゲームにおいて大当り結果が導出された後に大当り遊技を付与する遊技機において、B 遊技球が入球可能な特定入賞口と、C 前記特定入賞口に入球した遊技球を検知可能な特定入賞球検知部と、D 前記特定入賞球検知部による検知に応じて変動ゲームの実行を保留するゲーム保留制御を実行可能なゲーム保留制御手段と、続きを表示(全13行)E エラー制御を実行可能なエラー制御手段と、F 特定条件が成立した場合に、遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御可能な不能状態制御手段と、G 演出を実行可能な演出実行部と、G1 前記演出実行部を制御可能な演出制御手段と、を備え、G2 前記特定条件が成立して前記進行不能状態に制御された場合には、実行が保留された変動ゲームが実行されず、G3 前記演出実行部は、実行が保留されている変動ゲームに対応する保留画像を表示可能であり、G4 前記保留画像が表示されているときに前記特定条件が成立して前記進行不能状態に制御された場合には、前記保留画像の表示が終了し、F4 前記進行不能状態に制御されていないときには不正に関するエラー制御が実行される場合があり、前記進行不能状態に制御されているときには前記不正に関するエラー制御が実行されないA ことを特徴とする遊技機。」
2 原査定の拒絶の理由
この出願の請求項1に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた以下の特許出願(先願1)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法29条の2の規定により、特許を受けることができない。
3 各引用文献等
原査定の拒絶の理由で引用された先願1の記載事項及び先願発明は、前記第2の[理由]3(2)ア、イに記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明と先願発明を対比する。
(1)本願発明の特定A~F、G~G4について
本願発明の特定A~F、G~G4は、本件補正発明の特定A~F、G~G4と同じであるから、前記第2の[理由]3(3)ア~ケの検討と同様に、先願発明は、本願発明の特定A~F、G~G4に相当する構成を備える。
(2)本願発明の特定F4について
ア 先願明細書等の【0570】の記載によれば、先願発明の「これに限らず、エラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するようにしてもよく、エラー報知の内容に応じて、中止/中断するエラー報知と、所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するものとで異ならせるようにしてもよい」という構成は、先願明細書等に記載された実施例の変形例であるから、ここでは、先願発明が、この変形例を採用しないものとして対比を行う。
イ 先願発明の前記第2の[理由]3(3)コの検討を踏まえると、先願発明において、「遊技停止状態中」でなければ、「各種センサ」「やスイッチ類」「の検出情報に基づく、エラー報知が行われる」ものといえるから、先願発明において「遊技停止状態中」でないときは、本願発明の「前記進行不能状態に制御されていないとき」に相当し、先願発明の「各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)」「の検出情報に基づ」いて「エラー報知」されるエラーは、遊技機が磁気や電波、振動を検知することは、遊技機に対し不正がなされた可能性を示していることは技術常識であることを考慮すると、本願発明の「不正に関するエラー」に相当し、先願発明の「主制御部520により実行される」「タイマ割込み処理」において、「エラー管理処理」が実行されることは、本願発明の「不正に関するエラー制御が実行される場合があ」ることに相当する。
ウ 次に、先願発明の「遊技停止状態に制御する場合」、「各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)」「の検出情報に基づく、エラー報知が行われることがない」ことはそれぞれ、本願発明の「進行不能状態に制御されているとき」、「不正に関するエラー制御が実行されない」ことに相当する。
エ 以上より、先願発明は、本件補正発明の特定F4に相当する構成を備える。
(3)一致点及び相違点
上記(1)、(2)より、本願発明と先願発明とは、全ての構成において一致し、相違する点はない。
5 まとめ
以上のとおり、本願発明は、先願発明と同一の発明であり、また、本願の発明者が先願1の発明者と同一ではなく、本願の出願の時において、その出願人が先願1の出願人と同一であるともいえないので、特許法29条の2の規定により、特許を受けることができないものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条の2の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-017525