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特許拒絶査定不服審判

2022-018376

遊技機

審判番号
2022-018376
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-006555外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年11月15日
審決日
2023年07月12日
公報発行日
2023年09月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .161-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条の2
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条の2、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021- 6555「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 4月15日出願公開、特開2021- 58764〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年9月20日(以下「遡及日」という。)に出願した特願2017-180159の一部を令和3年1月19日に新たな特許出願(特願2021-6555)としたものであって、同年10月20日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月8日に意見書及び手続補正書が提出され、令和4年3月23日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年7月14日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年10月3日付け(送達日:同月11日)で、同年7月14日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年11月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年11月15日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和3年12月8日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、 (本件補正前の請求項1) 「遊技に関する情報の読み出し及び書き込みが可能とされた記憶手段と、 前記記憶手段の記憶情報を電源遮断前の状態に復帰させるバックアップ復帰処理を実行可能なバックアップ復帰手段と、 遊技実績に基づいて算出された所定情報を表示する表示手段と、 前記表示手段の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、 前記表示制御手段は、 前記バックアップ復帰処理が終了した後に、前記表示手段に当該表示手段の動作確認表示を実行させ、前記動作確認表示後に前記所定情報を表示させる 遊技機。」とあったものを、 (本件補正後の請求項1) 「遊技に関する情報の読み出し及び書き込みが可能とされた記憶手段と、 前記記憶手段の記憶情報を電源遮断前の状態に復帰させるバックアップ復帰処理を実行可能なバックアップ復帰手段と、 遊技実績に基づいて算出された所定情報を表示する所定情報表示手段と、 前記所定情報表示手段を含む、遊技に関する情報表示を行う複数の表示手段について表示制御を行うことが可能な表示制御手段と、を備え、 前記表示制御手段は、 前記バックアップ復帰処理が終了した後に、前記所定情報表示手段に当該所定情報表示手段の動作確認表示を実行させ、前記動作確認表示後に前記所定情報を表示させると共に、 前記所定情報表示手段を除く複数の前記表示手段の表示用データに基づく制御信号について、共通の出力管理を行う 遊技機。」とする補正を含むものである(下線は、補正箇所を示すために合議体が付した。)。 2 本件補正の目的 (1) 本件補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「遊技実績に基づいて算出された所定情報を表示する表示手段」との記載を、実質的に意味するところは変わらない「遊技実績に基づいて算出された所定情報を表示する所定情報表示手段」との記載に変更するものを含むものである。 (2) 本件補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「前記表示手段の表示制御を行う表示制御手段」との記載を「前記所定情報表示手段を含む、遊技に関する情報表示を行う複数の表示手段について表示制御を行うことが可能な表示制御手段」とすることにより、「表示制御手段」は、「遊技に関する情報表示を行う複数の表示手段について表示制御を行うことが可能」であることを限定することを含むものである。 (3) 本件補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「前記表示制御手段は、前記バックアップ復帰処理が終了した後に、前記表示手段に当該表示手段の動作確認表示を実行させ、前記動作確認表示後に前記所定情報を表示させる」との記載を、実質的に意味するところは変わらない「前記表示制御手段は、前記バックアップ復帰処理が終了した後に、前記所定情報表示手段に当該所定情報表示手段の動作確認表示を実行させ、前記動作確認表示後に前記所定情報を表示させる」との記載に変更するものを含むものである。 (4) 本件補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「前記表示制御手段」は、「前記所定情報表示手段を除く複数の前記表示手段の表示用データに基づく制御信号について、共通の出力管理を行う」ことを限定することを含むものである。 (5) 上記(1)~(4)からみて、本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、全体として特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 3 新規事項の追加の有無について 本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)における【0042】、【0043】、【0051】、【0060】、【0203】、図3、図8等の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 4 独立特許要件の判断 上記2で検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について検討する。 (1) 本願補正発明 本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである(符号A等は、分説するため合議体が付した。)。 (本願補正発明) 「【請求項1】 A 遊技に関する情報の読み出し及び書き込みが可能とされた記憶手段と、 B 前記記憶手段の記憶情報を電源遮断前の状態に復帰させるバックアップ復帰処理を実行可能なバックアップ復帰手段と、 C 遊技実績に基づいて算出された所定情報を表示する所定情報表示手段と、 D 前記所定情報表示手段を含む、遊技に関する情報表示を行う複数の表示手段について表示制御を行うことが可能な表示制御手段と、を備え、 E 前記表示制御手段は、 E1 前記バックアップ復帰処理が終了した後に、前記所定情報表示手段に当該所定情報表示手段の動作確認表示を実行させ、前記動作確認表示後に前記所定情報を表示させると共に、 E2 前記所定情報表示手段を除く複数の前記表示手段の表示用データに基づく制御信号について、共通の出力管理を行う F 遊技機。」 (2) 先願明細書等の記載及び先願発明 原査定の拒絶の理由に拡大先願である引用文献等1として引用され、本願の遡及日前の特許出願であって、本願の遡及日後に出願公開がされた特願2017-160660(特開2019-37399)(出願日:平成29年8月23日、公開日:平成31年3月14日、出願人:株式会社三洋物産、発明者:吉田哲也、中村渉、北田昇平、加藤善大)(以下「先願1」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「先願明細書等」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている(下線は合議体が付した。以下同様。)。 ア 記載事項 「【0011】 以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1~図26を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。」 「【0034】 遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。 ・・・ 【0043】 遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81と第2図柄表示装置83とが設けられている。第3図柄表示装置81は、第1始動口64a及び第2始動口64bのいずれかの始動口への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示(変動演出)を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成されたものである。第2図柄表示装置83は、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。」 「【0084】 主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。 【0085】 主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81における変動表示(変動演出)の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。このパチンコ機10の主要な処理は、MPU201により実行され、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファが設けられている。」 「【0171】 RAM203は、図7に図示したカウンタ用バッファの他、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、全てバックアップされる。 ・・・ 【0173】 一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図20参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図19参照)において実行される。」 「【0277】 図10は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。 ・・・ 【0281】 次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S105)。簡単に説明すると、球がスルーゲート67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第2始動口64bに付随する電動役物を所定時間開放する。」 「【0316】 次に、図13を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である変動処理(S109)について説明する。図13は、この変動処理(S109)を示すフローチャートである。変動処理(S109)は、第1図柄表示装置37における変動表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出を制御するものである。」 「【0347】 次に、図16を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図16は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S603)。 ・・・ 【0353】 一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S608)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S609)、S610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。 ・・・ 【0359】 S612の処理の後、割込みを許可する(S613)。そして、後述するメイン処理に移行する。」 「【0575】 次いで、図37~図44を参照して、本発明を適用した第5実施形態のパチンコ機10について説明する。この第5実施形態のパチンコ機10では、第3実施形態又は第4実施形態のパチンコ機10に設けられた役比表示装置400に代えて、4つの7セグメント表示器(7セグメント部の右下側に設けられたドットセグメントを含むもの)401a,401b,401c,401dで構成されたベース表示装置401(図38(a)参照)が設けられている。このベース表示装置401には、役物比率に関する情報の1つとして、パチンコ機10のベース値が表示される。 【0576】 ベース値とは、大当たり時、高確率(確変)時、時短時を除く通常時において、100発の球に対して払い出される(賞球される)球の数(割合)である。第5実施形態のパチンコ機10では、遊技領域から球排出路へ案内されたアウト球の数(即ち、遊技領域に打ち出された球の数、換言すれば、遊技で使用された球の数。以下「総アウト個数」と称す。)が60000個となる毎に、その60000個の球に対するベース値を計測し、保存する。」 「【0629】 次いで、図40を参照して、第5実施形態において、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図40は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。ここでは、この立ち上げ処理について、第1実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理(図16参照)と相違する点を中心に説明する。なお、上述した通り、第1実施形態の立ち上げ処理と同一の処理が実行されるところについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。 ・・・ 【0632】 S604の処理により、RAM消去スイッチ122がオンされていないと判断された場合は(S604)、次いで、RAM全消去スイッチがオンされたか否かを判断する(S3003)。そして、RAM全消去スイッチがオンされていなければ(S3003:No)、S605の処理へ移行する。」 「【0635】 S609,S3002,S3006のいずれかの処理が実行されると、次いで、ベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器401a~401dの全てのセグメント(ドットセグメントを含む)を点灯し(S3007)、その状態で、5秒間ウエイト処理を実行する(S3008)。これにより、パチンコ機10に電源が投入される度に、ベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器401a~401dの全てのセグメント(ドットセグメントを含む)が少なくとも5秒間継続して点灯される。 【0636】 ベース表示装置401において、一部セグメントが断線等の故障により点灯しない状態にあると、ベース値等が正しく表示できなくなり、不正行為の有無の判断において誤った判断をしてしまうおそれがある。電源が投入される度にベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器401a~401dの全てのセグメントを少なくとも5秒間点灯することで、全てのセグメントが正常に点灯できるかを確認でき、ベース表示装置401の表示が正常に行われるか否かを容易に判断できる。」 「【0639】 立ち上げ処理では、S3008の処理の後、S613の処理へ移行する。」 「【0640】 次いで、図41を参照して、第5実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるベース値処理について説明する。図41は、そのベース値処理を示すフローチャートである。このベース値処理は、第3実施形態にて示した、主制御装置110内のMPU201により定期的(例えば4ミリ秒毎)に実行されるタイマ割込処理(図32参照)の、役比処理(S2002)の一処理として実行されもので、ベース値の算出(計測)と、ベース値の表示とを行うものである。 ・・・ 【0660】 次いで、図43及び図44を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるベース値処理の一処理であり、1秒間隔で実行される上述のベース値表示処理(S3103)の詳細について説明する。図43及び図44は、そのベース値算出処理(S3103)を示すフローチャートである。 ・・・ 【0665】 図44を参照して、S3305の処理では、表示種別カウンタ203qの値を判断する(S3305)。そして、表示種別カウンタ203qが0の場合は(S3305:「0」)、ベース表示装置401にリアルタイムベース値を表示する期間である。そこで、リアルタイムベース値データ203lの有効データフラグが1であるかを判断し(S3306)、その有効データフラグが1である場合は(S3306:Yes)、ベース表示装置401の識別セグに「bL.」を点灯表示し、比率セグにリアルタイムベース値データ203lのベース値を点灯表示するように、ベース表示装置制御回路402に対して制御信号を送信する(S3307)。上述した通り、リアルタイムベース値データ203lのベース値が、総アウト個数300以上に対して計測されたものである場合に、そのベース値が有効なものとしてリアルタイムベース値データ203lの有効データフラグが1に設定される。よって、有効なベース値として計測されたリアルタイムベース値を、ベース表示装置401に表示して、示すことができる。」 「【0769】 上記第5実施形態において、パチンコ機10に電源が投入された直後にベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器401a~401dの全てのセグメント(ドットセグメントを含む)を所定期間(本実施形態では5秒)点灯(又は点滅)する制御を、立ち上げ処理(図40参照)の所定の箇所(S3007)で実行する場合について説明したが、その点灯(又は点滅)の制御は、立ち上げ処理の中の任意の箇所で行われてもよい。例えば、立ち上げ処理の実行が開始されて最初に当該制御を実行してもよいし、初期設定(S601)の後に当該制御を実行してもよい。また、割込み許可の設定(S613)を行った後に当該制御を実行してもよい。また、当該制御を立ち上げ処理以外のところで実行してもよい。例えば、立ち上げ処理終了後の実行されるメイン処理(図17参照)において、ループ処理(S701~S703)が実行される前に当該制御を実行してもよい。また、タイマ割込み処理の中で、例えば、タイマ割込み処理の一処理であるベース値処理(図41参照)において、このタイマ割込み処理又はベース値処理が、電源が投入された後初めて実行されたものであるか否かを判断し、電源が投入された後初めて実行されたものである場合に、当該制御を実行してもよい。つまり、電源投入後に一度ベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器401a~401dの全てのセグメント(ドットセグメントを含む)を所定期間(本実施形態では5秒)点灯(又は点滅)させるようにできれば、どのタイミングでこの制御を行ってもよい。」 「【図40】 [図:0001401449000001.jpg] 」 イ 認定事項 【0011】に「図1~図26を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。」と記載され、さらに、【0347】には、「次に、図16を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。」と、【0353】には、「一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S608)。」と、【0359】には、「S612の処理の後、割込みを許可する(S613)。」と、それぞれ記載されている。 また、【0629】に「次いで、図40を参照して、第5実施形態において、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図40は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。ここでは、この立ち上げ処理について、第1実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理(図16参照)と相違する点を中心に説明する。なお、上述した通り、第1実施形態の立ち上げ処理と同一の処理が実行されるところについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。」と記載され、さらに、【0632】には、「S604の処理により、RAM消去スイッチ122がオンされていないと判断された場合は(S604)、次いで、RAM全消去スイッチがオンされたか否かを判断する(S3003)。そして、RAM全消去スイッチがオンされていなければ(S3003:No)、S605の処理へ移行する。」と、【0639】には、「立ち上げ処理では、S3008の処理の後、S613の処理へ移行する。」と、それぞれ記載されている。 そして、図40には、S605の処理へ移行した後、電源断の発生情報が有り(S605:Yes)、RAM判定値を算出し(S606)、RAM判定値が正常である場合(S607:Yes)には、電源断の発生情報をクリア(S608)した後に、割込み許可を設定する(S613)ことが示されている。 以上のことから、先願明細書等には、第5実施形態のパチンコ機10の主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理において、「RAM消去スイッチ122及びRAM全消去スイッチがオンされておらず、電源断の発生情報が記憶されており、更にRAM判定値が正常であれば、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアした後に、割込み許可を設定する」ことが記載されていると認められる(以下「認定事項」という。)。 ウ 先願発明 上記アに摘記した先願明細書等の記載事項、及び上記イに記載した認定事項から、先願明細書等には、以下の発明(以下「先願発明」という。)が記載されているものと認められる。 なお、a等の符号は、本願補正発明の分説に概ね対応させて合議体が付与した。 (先願発明) 「a パチンコ機10の主要な処理を実行するMPU201に内蔵され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と(【0084】、【0085】)、 b パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、全てバックアップされ(【0171】)、 主制御装置110に電源が投入された場合に実行される立ち上げ処理において、 RAM消去スイッチ122及びRAM全消去スイッチがオンされておらず、電源断の発生情報が記憶されており、更にRAM判定値が正常であれば、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアした後に、割込み許可を設定する主制御装置110内のMPU201(【0629】、認定事項)と、 c 大当たり時、高確率(確変)時、時短時を除く通常時において、100発の球に対して払い出される(賞球される)球の数(割合)であるベース値を表示するベース表示装置401と(【0575】、【0576】)、を備え、 d、e2 パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる第1図柄表示装置37と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられ(【0034】、【0043】)、 主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理において、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行し(【0277】、【0281】)、 主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である変動処理において、第1図柄表示装置37における変動表示を制御し(【0316】)、 主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の、役比処理の一処理として実行される、ベース値の算出(計測)と、ベース値の表示とを行うベース値処理の一処理であるベース値表示処理において、ベース表示装置制御回路402に対して制御信号を送信し、ベース値を、ベース表示装置401に表示するものであり(【0640】、【0660】、【0665】)、 e1 タイマ割込処理の一処理であるベース値処理において、このタイマ割込処理又はベース値処理が、電源が投入された後初めて実行されたものであるか否かを判断し、電源が投入された後初めて実行されたものである場合に、ベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器401a~401dの全てのセグメントを所定期間点灯する制御を実行することで、全てのセグメントが正常に点灯できるかを確認できる(【0635】、【0636】、【0769】) f パチンコ機10(【0011】、【0575】)。」 (3) 周知技術 ア 引用文献2 周知技術の例として引用する、本願出願前に日本国内又は外国において、頒布され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-65750号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。 「【0024】 以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。 図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。」 「【0196】 ステップS208:主制御CPU72は、特別遊技管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別遊技管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。 【0197】 ステップS209:また主制御CPU72は、普通遊技管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置26の作動を制御したりする。普通遊技管理処理の詳細についても、さらに別のフローチャートを用いて後述する。 ・・・ 【0204】 ステップS216:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a、各種状態表示ランプ36,37,38等の点灯状態を制御する。具体的には、各LEDに対して印加する駆動信号(バイトデータ)をポート出力する。なお駆動信号は、先の特別遊技管理処理(ステップS208)や普通遊技管理処理(ステップS209)において各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。」 以上の記載から、引用文献2には、以下の事項が記載されていると認められる。 「主制御CPU72は、 特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御する特別遊技管理処理や、普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御する普通遊技管理処理を実行し(【0196】、【0197】)、 特別遊技管理処理や普通遊技管理処理において、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに駆動信号を格納し、 表示出力管理処理において、各LEDに対して印加する駆動信号をポート出力することによって、普通図柄表示装置33、特別図柄表示装置34の点灯状態を制御する(【0204】)パチンコ機1(【0024】)。」 イ 引用文献3 周知技術の例として引用する、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-144672号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。 「【0009】 以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。なお、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMは、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)との両立を実現している。」 「【0158】 《主制御側タイマ割込み処理》 次に、メイン制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図18は、メイン制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、CTC回路101Fからの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物642を連続して複数回作動させることができるものである。 ・・・ 【0170】 次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物622に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。 ・・・ 【0173】 次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。 ・・・ 【0181】 次に、LED出力処理を実行する(S73)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、メイン制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。」 「【0223】 (特別図柄変動中処理) 次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図25は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。 【0224】 まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。」 以上の記載から、引用文献3には、以下の事項が記載されていると認められる。 「主制御側タイマ割込み処理において(【0158】) 普通図柄表示装置75に係る一連の処理を行う普通図柄制御処理を実行し、普通図柄の表示パターン番号データを作成し(【0170】)、 特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理を実行する特別図柄制御処理を実行し(【0173】)、特別図柄変動中処理では、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される特別図柄の表示パターン番号データを生成し(【0223】、【0224】)、 特別図柄および普通図柄の表示を行うべく、特別図柄制御処理等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75に出力するLED出力処理を実行する(【0181】)ぱちんこ遊技機PM(【0009】)。」 ウ 引用文献4 周知技術の例として引用する、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-16063号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。 「【0016】 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。」 「【0106】 次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。 ・・・ 【0114】 また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。」 以上の記載から、引用文献4には、以下の事項が記載されていると認められる。 「CPU56は、 特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行い、 普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行い(【0114】)、 特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、特別図柄表示制御処理および普通図柄表示制御処理で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行することにより特別図柄表示器8、普通図柄表示器10の表示制御を行う表示制御処理を実行する(【0106】)パチンコ遊技機1(【0016】)。」 エ 上記ア~ウから、遊技機の技術分野において、「特別図柄に関する処理において特別図柄表示用のデータを生成し、普通図柄に関する処理において普通図柄表示用のデータを生成し、特別図柄表示用のデータ及び普通図柄表示用のデータを、表示装置の種類に応じた個別の処理ではなく、表示装置の種類に関わらず実行される共通の処理を実行することにより、特別図柄表示装置及び普通図柄表示装置に出力すること」は周知技術であると認められる(以下「周知技術」という。)。 (4) 対比 本願補正発明と先願発明とを対比する。なお、見出しは(a)等とし、本願補正発明の分説に対応させている。 (a) 先願発明の「パチンコ機10の主要な処理を実行する」「MPU201により実行される各種の制御プログラムの実行に際して各種のデータ」は、本願補正発明の「遊技に関する情報」に相当する。 そして、先願発明の「各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203」が、「情報の読み出し及び書き込みが可能とされ」ていることは自明である。 したがって、先願発明の「RAM203」は、本願補正発明の「記憶手段」に相当する。 よって、先願発明は、本願補正発明の特定事項Aを備える。 (b) 先願発明の「RAM203に記憶されるデータ」は、本願補正発明の「前記記憶手段の記憶情報」に相当する。 そして、先願発明の「主制御装置110に電源が投入された場合に実行される立ち上げ処理において」、「パチンコ機10の電源の遮断後においても」「バックアップされ」る「RAM203に記憶されるデータ」「を保持したまま、電源断の発生情報をクリア」することは、本願補正発明の「前記記憶手段の記憶情報を電源遮断前の状態に復帰させるバックアップ復帰処理を実行」することに相当する。 してみると、先願発明の「立ち上げ処理」を実行する「MPU201」は、本願補正発明の「バックアップ復帰手段」の機能を備える。 よって、先願発明は、本願補正発明の特定事項Bを備える。 (c) 先願発明の「大当たり時、高確率(確変)時、時短時を除く通常時において、100発の球に対して払い出される(賞球される)球の数(割合)であるベース値」、「ベース表示装置401」は、本願補正発明の「遊技実績に基づいて算出された所定情報」、「所定情報表示手段」に、それぞれ相当する。 よって、先願発明は、本願補正発明の特定事項Cを備える。 (d)ア 上記(c)より、先願発明のd、e2の「ベース表示装置401」は、本願補正発明の「所定情報表示手段」に相当する。 また、先願発明のcの「大当たり時、高確率(確変)時、時短時を除く通常時において、100発の球に対して払い出される(賞球される)球の数(割合)であるベース値」は、本願補正発明の「遊技に関する情報」に相当するから、「ベース値を」「表示する」「ベース表示装置401」は、本願補正発明の「遊技に関する情報表示を行う」「表示手段」にも相当する。 そうすると、先願発明のd、e2の「ベース表示装置制御回路402に対して制御信号を送信し、ベース値を、ベース表示装置401に表示する」「ベース値表示処理」を実行することは、本願補正発明の「遊技に関する情報常時を行う」「表示手段」でもある「前記所定情報表示手段」「について表示制御を行うこと」に相当する。 よって、先願発明のd、e2の「ベース値表示処理」を実行する「MPU201」は、本願補正発明の「遊技に関する情報表示を行う」「表示手段」でもある「前記所定情報表示手段」「について表示制御を行うことが可能な表示制御手段」の機能を備える。 イ 先願発明のd、e2の「第1図柄表示装置37」は、「パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる」ものであるから、本願補正発明の「遊技に関する情報表示を行う」「表示手段」といえる。 そして、先願発明のd、e2の「第1図柄表示装置37における変動表示を制御」する「変動処理」を実行することは、本願補正発明の「遊技に関する情報表示を行う」「表示手段について表示制御を行うこと」に相当する。 してみると、先願発明のd、e2の「変動処理」を実行する「MPU201」は、本願補正発明の「遊技に関する情報表示を行う」「表示手段について表示制御を行うことが可能な表示制御手段」の機能を備える。 ウ 先願発明のd、e2の「第2図柄表示装置38」も、「スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される」ものであるから、本願補正発明の「遊技に関する情報表示を行う」「表示手段」といえる。 してみると、先願発明のd、e2の「第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行」する「MPU201」は、本願補正発明の「遊技に関する情報表示を行う」「表示手段について表示制御を行うことが可能な表示制御手段」の機能を備える。 エ 上記ア~ウからみて、先願発明のd、e2の「ベース表示装置401」、「第1図柄表示装置37」及び「第2図柄表示装置38」は、本願補正発明の「前記所定情報表示手段を含む、遊技に関する情報表示を行う複数の表示手段」に相当する。 オ 以上のことから、先願発明の「ベース表示装置401」、「第1図柄表示装置37」及び「第2図柄表示装置38」の表示を行う「MPU201」は、本願補正発明の「前記所定情報表示手段を含む、遊技に関する情報表示を行う複数の表示手段について表示制御を行うことが可能な表示制御手段」の機能を備えているといえる。 よって、先願発明は、本願補正発明の特定事項Dを備える。 (e、e1) 上記(b)より、先願発明の「主制御装置110に電源が投入された場合に実行される立ち上げ処理において」、「パチンコ機10の電源の遮断後においても」「バックアップされ」る「RAM203に記憶されるデータ」「を保持したまま、電源断の発生情報をクリア」することは、本願補正発明の「前記記憶手段の記憶情報を電源遮断前の状態に復帰させるバックアップ復帰処理を実行」することに相当する。 してみると、先願発明のbより、先願発明は、「RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアした後に、割込み許可を設定する」ものであるから、先願発明の「タイマ割込処理の一処理であるベース値処理」が実行されるのは、「RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアした後(本願補正発明の「前記バックアップ復帰処理が終了した後」に相当。)」といえる。 また、先願発明の「ベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器401a~401dの全てのセグメントを所定期間点灯する制御を実行することで、全てのセグメントが正常に点灯できるかを確認」することは、本願補正発明の「前記所定情報表示手段に当該所定情報表示手段の動作確認表示を実行」することに相当する。 そして、先願発明は、「このタイマ割込処理又はベース値処理が、電源が投入された後初めて実行されたものであるか否かを判断し、電源が投入された後初めて実行されたものである場合に、ベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器401a~401dの全てのセグメントを所定期間点灯する制御を実行することで、全てのセグメントが正常に点灯できるかを確認できる」のであるから、先願発明の「ベース表示装置401」にベース値が表示されるのは、「ベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器401a~401dの全てのセグメントを所定期間点灯する制御を実行」した後であることは明らかである。 また、先願発明のd、e2より、先願発明において「ベース値処理」を実行する「MPU201」は、上記(d)より、本願補正発明の「表示制御手段」の機能を備えるものである。 以上のことから、先願発明は、本願補正発明の特定事項E、E1を備える。 (e、e2) 上記(c)より、先願発明のd、e2の「ベース表示装置401」は、本願補正発明の「所定表示手段」に相当する。 また、上記(d)イより、先願発明のd、e2の「第1図柄表示装置37」は、本願補正発明の「表示手段」に相当し、上記(d)ウより、先願発明のd、e2の「第2図柄表示装置38」も、本願補正発明の「表示手段」に相当する。 したがって、先願発明のd、e2の「第1図柄表示装置37」及び「第2図柄表示装置38」は、本願補正発明の「前記所定情報表示手段を除く複数の前記表示手段」に相当する。 そして、先願発明は「主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理において、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行し、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である変動処理において、第1図柄表示装置37における変動表示を制御」するものであるから、先願発明において、「第1図柄表示装置37における変動表示」の「制御」、及び「第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御」は、共通の「主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理」においてなされるものといえる。 ここで、先願発明のd、e2の「第1図柄表示装置37における変動表示」の「制御」、及び「第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御」は、いずれも図柄表示装置(本願補正発明の「表示手段」に相当。)の表示制御に係るものであり、それぞれの表示装置の表示用データに基づく制御信号の出力にてなされることは明らかである。 また、上記(d)より、先願発明のd、e2の「MPU201」は、本願補正発明の「表示制御手段」の機能を備えるものである。 してみると、先願発明のd、e2の「主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理において、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行し、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である変動処理において、第1図柄表示装置37における変動表示を制御」することは、本願補正発明の「前記表示制御手段は」、「前記所定情報表示手段を除く複数の前記表示手段の表示用データに基づく制御信号について、共通の出力管理を行う」ことに相当する。 よって、先願発明は、本願補正発明の特定事項E、E2を備える。 (f) 先願発明の「パチンコ機10」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。 よって、先願発明は、本願補正発明の特定事項Fを備える。 以上のことから、本願補正発明と先願発明は、 「A 遊技に関する情報の読み出し及び書き込みが可能とされた記憶手段と、 B 前記記憶手段の記憶情報を電源遮断前の状態に復帰させるバックアップ復帰処理を実行可能なバックアップ復帰手段と、 C 遊技実績に基づいて算出された所定情報を表示する所定情報表示手段と、 D 前記所定情報表示手段を含む、遊技に関する情報表示を行う複数の表示手段について表示制御を行うことが可能な表示制御手段と、を備え、 E 前記表示制御手段は、 E1 前記バックアップ復帰処理が終了した後に、前記所定情報表示手段に当該所定情報表示手段の動作確認表示を実行させ、前記動作確認表示後に前記所定情報を表示させると共に、 E2 前記所定情報表示手段を除く複数の前記表示手段の表示用データに基づく制御信号について、共通の出力管理を行う F 遊技機。」 の点で一致し、相違点はない。 仮に、本願補正発明と先願発明が以下の点で一応相違し、その余の点で一致するものとして、さらに検討する。 [相違点](特定事項E2) 「前記所定情報表示手段を除く複数の前記表示手段」の表示に関して、 本願補正発明では、「前記表示手段の表示用データに基づく制御信号について、共通の出力管理を行う」のに対し、 先願発明では、「主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である変動処理において、第1図柄表示装置37における変動表示を制御し」、「主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理において、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行」する点。 (5) 判断 上記相違点について検討する。 上記(3)エより、遊技機の技術分野において、特別図柄に関する処理において特別図柄表示用のデータを生成し、普通図柄に関する処理において普通図柄表示用のデータを生成し、特別図柄表示用のデータ及び普通図柄表示用のデータを、表示装置の種類に応じた個別の処理ではなく、表示装置の種類に関わらず実行される共通の処理を実行することにより、特別図柄表示装置及び普通図柄表示装置に出力することは周知技術である。 ここで上記周知技術の「特別図柄表示装置及び普通図柄表示装置」は、本願補正発明の「複数の前記表示手段」に相当し、上記周知技術の「特別図柄表示用のデータ及び普通図柄表示用のデータを」「表示装置の種類に関わらず実行される共通の処理を実行することにより、特別図柄表示装置及び普通図柄表示装置に出力する」ことは、本願補正発明の「前記表示手段の表示用データに基づく制御信号について、共通の出力管理を行う」ことに相当するから、上記周知技術は、本願補正発明の特定事項E2に相当する。 してみると、先願発明の「変動処理において」、「第1図柄表示装置37における変動表示を制御し」、「表示制御処理」において「第2図柄表示装置83による第2図柄」「の表示」を制御する遊技機において、上記周知技術を参照して、第1図柄表示装置37における表示制御と、第2図柄表示装置83における表示制御を、共通の処理を行うことにより実行するようにすることは、単なる周知技術の付加であり、新たな効果を奏するものではない。 したがって、上記相違点は、課題解決のための具体化手段における微差であるといえる。 よって、上記相違点を有するとしても、本願補正発明は、先願発明と実質的に同一である。 (6) 審判請求人の主張について 審判請求人は、令和4年11月15日付け審判請求書の3.(c)において、以下の旨を主張する。 「補正後の本願発明は、「表示制御手段」が、「所定情報表示手段(本願実施形態では性能表示器99が相当)」を除く「複数の表示手段」の「表示用データに基づく制御信号」について、「共通の出力管理」を行うことを限定したものです。 このように表示制御手段が複数の表示手段の制御信号について共通の出力管理を行うという構成を具備することで、それら複数の表示手段について、個別に制御信号の出力管理処理を行う必要がなくなり、共通のプログラムの使用を可能として、プログラム容量の削減を図ることができるという優れた効果を奏します。 引用文献1には、本願発明のように表示制御手段が複数の表示手段の制御信号について共通の出力管理を行うということについては一切の記載も示唆も為されておりません。」 しかしながら、上記(4)(e、e2)にて説示のとおり、先願発明も「表示制御手段が複数の表示手段の制御信号について共通の出力管理を行う」ものであり、請求人の上記主張は採用できない。 また、先願発明が「表示制御手段が複数の表示手段の制御信号について共通の出力管理を行う」という構成を備えていないとしても、上記(5)にて説示のとおり、これらの効果は、先願発明に上記周知技術を付加したものによっても得られるものであり、本願補正発明に特有のものとすることはできない。 (7) 補正の却下の決定についてのむすび 以上のとおり、本願補正発明は、先願発明と同一の発明であり、先願明細書等に記載された発明である。また、本件出願の発明者が先願1の発明者と同一ではなく、また本件の出願の時に、本件の出願人と先願1の出願人とが同一でもない。 よって、本願補正発明は、特許法第29条の2の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和3年12月8日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2[理由]1」に本件補正前の請求項1として記載した次のとおりのものである(符号A等は、合議体が付した。)。 「A 遊技に関する情報の読み出し及び書き込みが可能とされた記憶手段と、 B 前記記憶手段の記憶情報を電源遮断前の状態に復帰させるバックアップ復帰処理を実行可能なバックアップ復帰手段と、 C’遊技実績に基づいて算出された所定情報を表示する表示手段と、 D’前記表示手段の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、 E 前記表示制御手段は、 E1’前記バックアップ復帰処理が終了した後に、前記表示手段に当該表示手段の動作確認表示を実行させ、前記動作確認表示後に前記所定情報を表示させる F 遊技機。」 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、概略、次の理由を含むものである。 (拡大先願)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特願2017-160660号(特開2019-037399号) 3 先願発明 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(先願1)に記載された発明は、上記第2の4(2)ウにおいて認定したとおりである。 4 対比・判断 上記第2の2でみたように、本願発明は、上記第2の4で検討した本願補正発明のうち、「遊技実績に基づいて算出された所定情報を表示する所定情報表示手段」を「遊技実績に基づいて算出された所定情報を表示する表示手段」と、また、「前記表示制御手段は、前記バックアップ復帰処理が終了した後に、前記所定情報表示手段に当該所定情報表示手段の動作確認表示を実行させ、前記動作確認表示後に前記所定情報を表示させる」を「前記表示制御手段は、前記バックアップ復帰処理が終了した後に、前記表示手段に当該表示手段の動作確認表示を実行させ、前記動作確認表示後に前記所定情報を表示させる」と、実質的に意味するところの変わらない表現の変更をするとともに、「表示制御手段」について「遊技に関する情報表示を行う複数の表示手段について表示制御を行うことが可能」であることの限定(特定事項D)を削除し、同じく「表示制御手段」について「前記所定情報表示手段を除く複数の前記表示手段の表示用データに基づく制御信号について、共通の出力管理を行う」ことの限定(特定事項E2)を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を実質的に全て含み、さらに「表示制御手段」についての限定(特定事項D及びE2)を加えたものである本願補正発明が、上記第2の4に検討したとおり、先願発明と同一であるから、本願発明も先願発明と同一である。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-018376

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