2022-701234
積層体
- 審判番号
- 2022-701234
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-003498外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7084143
- 請求日
- 2022年12月13日
- 審決日
- 2023年02月20日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】積水化学工業株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人WisePlus
- 【異議申立人】合同会社 SAS
- 分類
- P1651.121-Y (C08L) / P1651.537-Y (C08L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第113条第4号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 手続の経緯
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特許第7084143号の請求項1ないし7に係る特許についての出願は、平成30年1月12日(優先日 平成29年1月12日)を出願日とする特願2018-3498号であって、令和4年6月6日にその特許権の設定登録(請求項の数7)がされ、同年同月14日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、同年12月13日に特許異議申立人 合同会社SAS(以下、「申立人」という。)が、特許異議の申立て(対象請求項:請求項1ないし7)を行ったものである。
第2 本件特許発明
特許第7084143号の請求項1ないし7の特許に係る発明は、それぞれ、願書に添付した特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、「本件特許発明1」ないし「本件特許発明7」といい、これらをあわせて「本件特許発明」という。)。
「【請求項1】樹脂組成物を介して発熱体と放熱体とが積層された積層体であって、前記樹脂組成物は、ダイヤモンド粒子、及び、バインダー樹脂を含有し、前記ダイヤモンド粒子は、面数が10~18の多面体形状であり、前記ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径が、前記樹脂組成物の膜厚に対して70%以下である、積層体。続きを表示(全17行)【請求項2】前記ダイヤモンド粒子は、六八面体形状であることを特徴とする請求項1記載の積層体。【請求項3】前記樹脂組成物は、薄膜状にして用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。【請求項4】前記樹脂組成物における前記ダイヤモンド粒子の含有量が20~80体積%であることを特徴とする請求項1、2、又は3記載の積層体。【請求項5】前記樹脂組成物における前記バインダー樹脂の含有量が20~80体積%であることを特徴とする請求項1、2、3、又は4記載の積層体。【請求項6】前記ダイヤモンド粒子は、体積平均粒子径のCV値が25%以下である、請求項1、2、3、4、又は5記載の積層体。【請求項7】前記樹脂組成物は、他の熱伝導性フィラーを更に含み、前記ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径と前記他の熱伝導性フィラーの体積平均粒子径の比は、1/20以上50/1以下である、請求項1、2、3、4、5、又は6記載の積層体。」
第3 特許異議申立理由
1 特許異議申立理由の要旨
申立人が提出した特許異議申立書(以下、「申立書」という。)において主張する特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。
(1)申立理由1(甲第1号証を主引用例とする進歩性欠如)
本件特許発明1ないし7は、甲第1号証に記載された発明及び甲2ないし8号証に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
(2)申立理由2(サポート要件違反)
本件特許の請求項1ないし7についての特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願についてされたものであるから、特許法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
具体的理由は、以下の通り。
主張ア)「請求項1には、樹脂組成物の膜厚に対するダイヤモンド粒子の体積平均粒子径の「下限」が特定されていない。・・・
甲第9号証には、「平均粒子サイズが大きいフィラーをマイクロエレクトロニクスパッケージに使用すると、通常、マイクロエレクトロニクスパッケージのボンドラインの厚さ(BLT)が大きくなる」(甲第9号証、段落0015)こと、「パーコレーションモデリングの形での実験では、一定量のフィラーについて、フィラー内の粒子の直径がBLTと等しいか、ほぼ等しい場合に最高の熱伝導率が達成されることが実証されている」(甲第9号証、段落0015))ことが記載されており、本件発明1における「樹脂組成物の膜厚」が「ダイヤモンド粒子の粒子径」にほぼ等しいとき(即ち、ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径が、樹脂組成物の膜厚に対して上限の70%付近である場合)に、熱伝導率がより高まることは当業者の技術常識であると言える。
即ち、甲第9号証の記載に照らせば、請求項1において、「樹脂組成物の膜厚」が「ダイヤモンド粒子の粒子径」に対して、本件明細書で好ましい下限として記載された「20%」(本件明細書、段落0016)を大きく下回る場合(例えば、平均粒子径10μmのダイヤモンド粒子を用い、樹脂組成物の膜厚が100μm以上となるような場合)は、ダイヤモンド粒子の含有量によっては「ダイヤモンド粒子の充填量を充分なものとすることができる」(本件明細書、段落0016)場合が含まれない可能性があり、実施例に開示されているような本件発明の効果を奏しない蓋然性が高いと言える。
よって、樹脂組成物の膜厚の下限が特定されていない請求項1の全範囲について、請求項1及び請求項1に従属する請求項2~7に係る発明は、本件明細書に記載されていない。」(申立書第38~39ページ)
主張イ)「請求項1には、樹脂組成物が、「バインダー樹脂」を含有する旨が記載されている。また、請求項7には、樹脂組成物が、「他の熱伝導性フィラー」を更に含む旨が記載されている。
・・・本件明細書の実施例には、「樹脂」として「エポキシ樹脂」のみしか記載されていない(本件明細書、段落0051)。
また、本件明細書・・・の実施例には、「熱伝導性フィラー」として「アルミナ」及び「窒化ホウ素」のみしか記載されていない(本件明細書、段落0088)。
ここで、樹脂組成物中の樹脂の種類や熱伝導性フィラーの種類が異なれば、樹脂組成物中の各成分(樹脂、ダイヤモンド及び熱伝導性フィラー)との相互作用性等も異なることは当業者の技術常識であると言えるから、「熱伝導性フィラーとしてダイヤモンド粒子を用い、ダイヤモンド粒子を特定の形状とすることによって、熱伝導の効率の低下を抑制して、優れた熱伝導性を発揮させることができる」(本件明細書、段落0009)との本件発明の所定の効果を奏するとは当業者が認識することができない。
したがって、「エポキシ樹脂」の具体的な態様の記載をもって、「樹脂」の全範囲について、本件発明の課題を解決するとは推認することができないと言える。同様にして、「アルミナ」及び「窒化ホウ素」の具体的な態様の記載をもって、「熱伝導性フィラー」の全範囲について、本件発明の課題を解決するとは推認することができないと言える。
よって、「樹脂」として、「エポキシ樹脂」以外の樹脂組成物の全範囲について、請求項1及び請求項1に従属する請求項2~7に係る発明は、本件明細書に記載されていない。同様に、「他の熱伝導性フィラー」として、「アルミナ」及び「窒化ホウ素」以外の樹脂組成物の全範囲について、請求項7に係る発明は、本件明細書に記載されていない。」(申立書第40~41ページ)
2 証拠方法
申立人は、証拠として、以下の文献等を提出する。
なお、各甲号証の番号に応じて、甲第1号証を「甲1」などという。
第4 当審の判断
当審は、申立人がした申立ての理由によっては、本件特許発明1ないし7に係る特許を取り消すことはできないと判断する。
その理由は以下のとおりである。
1 申立理由1(甲1を主引用例とする進歩性欠如)について
(1)証拠等の記載等
ア 甲1の記載事項等
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(ア)甲1の記載事項
甲1には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審により付与した。
「【特許請求の範囲】【請求項1】 (A):液状シリコーン100重量部に対して、(B):熱伝導率が100W/mK以上の熱伝導性無機充填剤と(C)熱伝導率が20W/mK以上の熱伝導性無機充填剤との合計量が500~1,000重量部含有されてなり、前記(B)成分と(C)成分の混合割合[(C)成分/((B)成分+(C)成分)]が、重量比で0.05~0.5である熱伝導性シリコーン組成物であって、(B)成分と(C)成分の組み合わせが、(B)窒化アルミニウム粉末、炭化ケイ素粉末及びダイヤモンド粉末の中から選択される少なくとも1種と(C)窒化ホウ素粉末の組み合わせ、及び/又は、(B)炭化ケイ素粉末及びダイヤモンド粉末から選択される少なくとも1種と(C)酸化亜鉛粉末の組み合わせであることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。」
「【0003】一般に、斯かる電子部品は集積回路素子とそれを保護するキャップ部分から成っているが、熱伝導性材料は斯かる集積回路素子と放熱部分との間に、それらの両素子と直接接触するか又はある種の材料を通して間接的に接触して付着されている。従って、使用中に集積回路チップに生じた熱は斯かる熱伝導性材料を伝わって、直接又は間接的に放熱部分に伝達され放熱される。かかる熱伝導性材料が用いられている電子部品の概略断面図は図1に示された通りである。」
「【0011】【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は、ディスペンス性及び熱伝導率を更に向上させるために種々検討した結果、液状シリコーンと、熱伝導率が100W/mK以上の硬度の高い熱伝導性無機充填剤、及び、熱伝導率が20W/mK以上の硬度の低い熱伝導性無機充填剤を組み合わせて使用することにより、熱伝導性に優れると共にディスペンス性にも優れた熱伝導性材料とすることができることを見出し、本発明に到達した。【0012】従って本発明の第1の目的は、発熱性電子部品からの除熱のために好適な、熱伝導性シリコーン組成物を提供することにある。本発明の第2の目的は、発熱性電子部品からの除熱に有用な熱伝導性材料を提供することにある。本発明の第3の目的は、発熱性電子部品からの除熱に有用な、ディスペンス性及び熱伝導性に優れた、シリコーングリースを提供することにある。」
「【0042】本発明における、熱伝導性を付与する充填剤であるダイヤモンド粉末としては、一般的に工業的に生産される合成ダイヤモンド粉末が用いられる。合成ダイヤモンド粉末は、比重が約3. 5で六面体又は八面体のダイヤモンド形の結晶構造を有する。かかる合成ダイヤモンドは、黒鉛を出発原料とする超高圧合成法又は低圧合成法により製造される。」
「【0071】【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。【0072】実施例1~14.下記表1に示した粘度及び化4で表される(A)成分100部をベースオイルとした。【化4】続きを表示(全12行)[図:0001395274000001.jpg]【表1】[図:0001395274000002.jpg]【0073】上記ベースオイルに、下記表2に示す平均粒径を有する(B)成分及び(C)成分を、同表に示す量だけ計量し添加した。次いで、プラネタリーミキサーで20分間上記の3成分を良く混合した後、三本ロールによる混練りを3回実施して、本発明の熱伝導性グリース組成物を調製した。得られた熱伝導性シリコーン組成物について、グリースとしての稠度及び離油度の物性を、JIS?K?2220に準じてそれぞれ測定し、真空理工株式会社製のTCW?1000型の熱線放熱伝導率計を用いて測定した熱伝導率の結果と共に、表2に示した。【0074】【表2】[図:0001395274000003.jpg]」
「【図1】[図:0001395274000004.jpg]」
(イ)甲1に記載された発明
甲1には、実施例11の熱伝導性シリコーン組成物が記載され、段落【0003】に「一般に、斯かる電子部品は・・・熱伝導性材料は斯かる集積回路素子と放熱部分との間に、それらの両素子と直接接触するか又はある種の材料を通して間接的に接触して付着されている」との記載を考慮すると、以下の発明が記載されているといえる。
「(A):下記【化4】で表される25℃における粘度が500(CS)である液状シリコーンA-3 100重量部に対して、(B)平均粒径が3.0μmである合成ダイヤモンド粉末B-2を280重量部、(C)平均粒径が0.2μmである酸化亜鉛C-1を280重量部配合した、熱伝導性シリコーン組成物が、集積回路素子と放熱部材との間に、それらの両素子と直接接触するか又はある種の材料を通して間接的に接触して付着されている電子部品。【化4】[図:0001395274000005.jpg](平均重合度 m’=0、q’=0、r’=240)」(以下、「甲1発明」という。)
イ 甲2の記載事項
甲2の第2ページには、以下の事項が記載されている。
「・・・IMS-15・・・が6/8面体を主体とした単結晶からなる砥粒で、IMSの中で破砕強度が強く、熱安定性が有る砥粒のシリーズです。ワイヤーソー、大口径ブレードやコアドリルとして鉄筋コンクリート、アスファルトや花崗岩の切断や穴開けに最適です。」
「[図:0001395274000006.jpg]」
ウ 甲3の記載事項
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甲3には、以下の事項が記載されている。
「【0039】実施例1本実施例においては、図1に示すような高圧合成による六八面体のIb型ダイヤモンド単結晶1を用意した。」
「【0046】実施例2本実施例においては、図5に示すような高圧合成による六八面体のIb型ダイヤモンド単結晶5を用意した。」
「【図1】[図:0001395274000007.jpg]」
「【図5】[図:0001395274000008.jpg]」
エ 甲4の記載事項
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甲4には、以下の事項が記載されている。
「【請求項8】無機粉末と、樹脂とを含んで構成した熱伝導性接着剤であって、前記無機粉末は、平均粒径が5~17μmの粗粒を40~90wt%と、平均粒径が前記粗粒の1/3~1/40である微粒を10~60wt%と、を組み合わせた混合粉末を用い、前記混合粉末40~90容量%に対して、界面活性剤を0.2~2.0wt%添加して、前記樹脂を10~60容量%混合して構成され、前記混合粉末の粗粒と微粒のそれぞれは、粒子形状として多面体形状を含むことを特徴とする熱伝導性接着剤。【請求項9】請求項7記載の熱伝導性接着剤において、前記樹脂は、エポキシ、フェノール、シリコン、ポリスチレン、フッ素樹脂から選択された、少なくとも1種以上からなることを特徴とする熱伝導性接着剤。」
「【技術分野】【0001】本発明は、発熱部と冷却部との間に使用される熱伝導材料や接触材料の技術に関する。特に、電気・電子機器などの部品の放熱性の向上に好適な、基油と熱伝導性無機粉末とから主に構成される熱伝導性グリース、樹脂と熱伝導性無機粉末とから主に構成される接着剤やエラストマー組成物、並びに、それらを用いて構成される冷却装置などの技術に関する。」
「【0021】本実施の形態の熱伝導性グリースは、基油、熱伝導性の無機粉末、及び添加される界面活性剤からなる。本グリース等で用いる無機粉末は、電気絶縁性無機粉末であり、酸化亜鉛、酸化マグネシュウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、金属シリコン、ダイヤモンド等が挙げられるが、これに限定されるものではない。本実施例のグリース等に使用される電気絶縁性無機粉末は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。【0022】本発明者は、熱伝導性グリース等の熱伝導率は、熱伝導性無機粉末自身の熱伝導率よりも、無機粉末における粒子と粒子の接触状態の影響が大きいことを見出した。接触状態は、粒子同士の接触面積や、接触面数などである。特に、混合粉末の粒子形状において、接触面を持つ多面形状などにすることで、接触面の面積や数を増やす。これにより、グリース等における熱伝導率を高めることができる。」
「【0024】図6において、無機粉末の混合粉末における、粗粒6と微粒7の形状を示している。粗粒6と微粒7のそれぞれの粒子形状は、例えば図6に示すように、ある程度の規律性を持つ多面形状である。本粒子形状において、いくつかの接触面となる概略平面を持つ。」
「【0036】以下に、製造した各熱伝導性グリース等について、ちょう度、熱伝導率の試験を行い評価した。以下に示す条件の上で、図1(表1)~図4(表4)及び表5,表6のように各要素、特性を変えた各実施例を示している。【0037】<1.ちょう度の測定方法>: 熱伝導性グリース等のちょう度は、JIS K 2220.5.3.4に規定された方法により測定した。製造後3時間放置したグリース等をかきまぜないように規定の容器に移し25℃に保持した後、ちょう度を測定した。続きを表示(全13行)【0038】<2.熱伝導率の測定方法>: 熱伝導性グリース等の熱伝導率は、定常法で測定した。試料を銅製円柱状の加熱部と銅製円柱状の冷却部の間隙面に挟んで、加熱部及び冷却部の温度を測定する。間隙部に挟んだ試料の熱伝導率は、加熱部と冷却部に埋め込んだ熱電対で温度測定し、温度勾配から求める。なお、通過熱量は銅製円柱の温度勾配と断面積とから求めた。加熱部温度の高温端TH、冷却部温度の低温端TLとして、下記式(1)から試料の熱伝導率λで求めた。【0039】λ={(QH+QL)/2×L}/A×(TH-TL) ・・・(1)上記式(1)において、QH:高温側熱流速測定ブロック熱流量、QL:低温側熱流速測定ブロック熱流速、A:試料の接触部の断面積、L:試料の厚さ、TH:高温側熱流速測定ブロック接触部の温度、TL:低温側熱流速測定ブロック接触部の温度である。【0040】<各熱伝導性グリース等の製造方法>: 無機粉末の充填率を変更させ、原材料は以下のものを用いて熱伝導性グリース等を調整し、熱伝導率、ちょう度を測定した。評価に使用した、各熱伝導性グリース等の組成は以下(1)~(3)である。【0041】(1)無機粉末:酸化亜鉛(ZnO)他。粒子形状:多面形状、粉砕形状、球状。粗粒:平均粒径0~20μm。微粒:粗粒の平均粒径の1/2~1/17(0.76~6μm)。粗粒比率:40~100wt%。無機粉末充填率:40~90vol%。(2)非イオン系界面活性剤:デカグリセリン脂肪酸エステルのデカグリセルペンタイソステアレート他。無機粉末に対して0~2.5wt%。(3)基油(樹脂):ポリオレフィン。」
【0042】
(実施例1~15)
表1,図1は実施例1~15を示す。無機粉末の種類を3種(ZnO,Al2O3,AlN)、粒子形状の異なる種類(多面形状、粉砕形状、球状)でみると4種の粗粉単体を用い、その平均粒子径を0.5~14μmと変化させた無機粉末充填率40vol%と非イオン系界面活性剤(デカグリセルペンタイソステアレート)が2.0wt%、基油60vol%によりグリースを調整して、熱伝導率を評価した。
【0043】
測定結果を表1,図1に示す。なお表中の上向き矢印は同上であることを示す。この測定結果に示すように、どの粉末種においても、平均粒子径を増加させれば、グリースの熱伝導率を向上でき、更に粒子形状を多面体形状(多角形状)にすることにより大幅に向上する。
【0044】
【表1】
[図:0001395274000009.jpg]
【0045】
(実施例16~22)
表2,図2は実施例16~22を示す。無機粉末は多面形状の酸化亜鉛を用い、平均粒径が12.7μmの粗粒を40~100%と平均粒径0.6μmである微粒0~60%とを組み合わせた混合粉末70容量%に対して、非イオン系界面活性剤(デカグリセルペンタイソステアレート)を2.0wt%、基油30容量%を混合したグリースを調整して、熱伝導率及びちょう度を評価した。
【0046】
測定結果を表2,図2に示すが、粗粉の含有比率が、グリースの熱伝導率を大幅に左右している。粗粒含有率を70wt%前後にすると、高い熱伝導率を得られる。
【0047】
【表2】
[図:0001395274000010.jpg]
」
「【図6】[図:0001395274000011.jpg]」
オ 甲5の記載事項
甲5の第4ページには、シリコーングリースについて以下の事項が記載されている。
「[図:0001395274000012.jpg]」
カ 甲6の記載事項
甲6の第16ページには、シリコーングリースについて以下の事項が記載されている。
「[図:0001395274000013.jpg]」
キ 甲7の記載事項
甲7の第2ページには、シリコーン フルード KF-96について以下の事項が記載されている。
「[図:0001395274000014.jpg]」
「[図:0001395274000015.jpg]」
ク 甲8の記載事項
甲8の第5~6ページには、酸化亜鉛について以下の事項が記載されている。
「9.物理的及び化学的性質・・・比重(密度):5.671)、5.607(20℃)9)・・・16.その他の情報引用文献 1)GHS Classification(2006) “National Institute of Technology and Evaluation”・・・9)PATTY(5th, 2001)」
(2)対比・判断
ア 本件特許発明1について
本件特許発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「(B)平均粒径が3.0μmである合成ダイヤモンド粉末B-2」、「(A):下記【化4】(当審注:化学式は省略する。)で表される25℃における粘度が500(CS)である液状シリコーンA-3」、「熱伝導性シリコーン組成物」は、それぞれ本件特許発明1の「ダイヤモンド粒子」、「バインダー樹脂」、「樹脂組成物」に相当する。
甲1発明の「集積回路素子」、「放熱部材」、「電子部品」は、それぞれ本件特許発明1の「集積回路素子」、「放熱部材」、「積層体」に相当する。
してみると、両発明は、以下の<一致点>で一致し、以下の相違点で相違する。
<一致点>
樹脂組成物を介して発熱体と放熱体とが積層された積層体であって、
前記樹脂組成物は、ダイヤモンド粒子、及び、バインダー樹脂を含有する、積層体。
<相違点1>
ダイヤモンド粒子の形状が、本件特許発明1は「面数が10~18の多面体形状」であるのに対して、甲1発明ではそのような形状か不明な点
<相違点2>
ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径が、本件特許発明1は「樹脂組成物の膜厚に対して70%以下」であるのに対して、甲1発明ではそのような特定がされていない点
そこで、上記<相違点1>について検討する。
甲1には、「本発明における、熱伝導性を付与する充填剤であるダイヤモンド粉末としては、一般的に工業的に生産される合成ダイヤモンド粉末が用いられる。合成ダイヤモンド粉末は、比重が約3. 5で六面体又は八面体のダイヤモンド形の結晶構造を有する。かかる合成ダイヤモンドは、黒鉛を出発原料とする超高圧合成法又は低圧合成法により製造される。」(段落【0042】)と記載されており、ダイヤモンド粉末の結晶構造として、「六面体又は八面体」であることが記載されているものの、面数が10~18の多面体形状とすることは記載されていない。
一方、甲4には、「発熱部と冷却部との間に使用される熱伝導材料や接触材料の技術に関する。」(段落【0001】)ものについて、「無機粉末と、樹脂とを含んで構成した熱伝導性接着剤であって、
前記無機粉末は、平均粒径が5~17μmの粗粒を40~90wt%と、平均粒径が前記粗粒の1/3~1/40である微粒を10~60wt%と、を組み合わせた混合粉末を用い、
前記混合粉末40~90容量%に対して、界面活性剤を0.2~2.0wt%添加して、前記樹脂を10~60容量%混合して構成され、
前記混合粉末の粗粒と微粒のそれぞれは、粒子形状として多面体形状を含むことを特徴とする熱伝導性接着剤。」(【請求項8】)について記載され、また、その段落【0022】に、「本発明者は、熱伝導性グリース等の熱伝導率は、熱伝導性無機粉末自身の熱伝導率よりも、無機粉末における粒子と粒子の接触状態の影響が大きいことを見出した。接触状態は、粒子同士の接触面積や、接触面数などである。特に、混合粉末の粒子形状において、接触面を持つ多面形状などにすることで、接触面の面積や数を増やす。これにより、グリース等における熱伝導率を高めることができる。」と記載されている。
すなわち、甲4から、「無機粉末と、樹脂とを含んで構成した熱伝導性の熱伝導性接着剤樹脂組成物において、無機粉末の粒子形状として多面体形状を含むこと、そして、接触面を持つ多面形状などにすることで、接触面の面積や数が増え、熱伝導率を高めることができる。」という技術的事項について把握することができる。
また、甲4には、使用される無機粉末について、ダイヤモンドが一応例示されている(段落【0021】)。しかしながら、甲4の実施例で使用される多面体形状の無機粉末は、ZnOとAlNであり、しかも、図6に示される多面体形状は「八面体」であり、それ以外に具体的な多面体の面数に関する情報はない。
そうすると、甲1発明において、上記甲4に記載されている上記技術的事項を参酌しても、甲1には、ダイヤモンド粉末の結晶構造として、「六面体又は八面体」としか記載されていないのであるから、ダイヤモンドとして、当該「六面体又は八面体」のものを使用すれば済むものである。そして、甲2及び甲3に、「六八面体」のダイヤモンドが記載されていたとしても、六面体又は八面体に比べて、六八面体の方が熱伝導率が高まる等との有利な効果について、甲2ないし甲8に記載も示唆もされていない以上、「六面体又は八面体のダイヤモンド」ではなく、六八面体を含む「10~18の多面体形状」を採用する動機付けは乏しいといわざるを得ない。
そうすると、甲1発明において、甲2ないし甲8を参照しても、<相違点1>に係る事項を当業者は容易に導き出すことはできない。
そして、本件特許発明1は、「高い熱伝導性と優れた接着性とを両立させることができる樹脂組成物を含む積層体を提供することができる。」(段落【0048】)という効果を奏するものである。
よって、本件特許発明1は、<相違点2>を検討するまでもなく、甲1発明及び甲2ないし甲8に記載された事項に基いて当業者が容易になし得たものではない。
イ 本件特許発明2ないし7について
本件特許発明2ないし7は、本件特許発明1を引用するものであるから、上記アで検討したのと同様、本件特許発明2ないし7は、甲1発明及び甲2ないし甲8に記載された事項に基いて当業者が容易になし得たものではない。
(3)申立理由1についてのむすび
したがって、本件特許発明1ないし7は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、申立理由1によっては取り消すことはできない。
2 申立理由2(サポート要件違反)について
(1)サポート要件の判断基準
特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
(2)特許請求の範囲の記載
本件特許の特許請求の範囲の記載は、上記第2のとおりである。
(3)発明の詳細な説明の記載
本件特許の発明の詳細には次の記載がある。
「【背景技術】【0002】CPU等の大規模集積回路(LSI)と言ったパワーデバイスに用いられる半導体素子や、液晶、LED、有機EL素子等の発光素子を有する電子部品、及び、それを備えた電子機器では、小型化や電子回路の高集積化により素子からの発熱量が増加しており、発熱による素子の劣化や性能の低下、更には電子機器の機能障害の発生が問題となっている。そこで、電子機器においては、半導体素子や電子回路において生じた熱を放熱し、電子機器等の温度上昇を抑えるために、半導体素子をセラミック等からなる基材等の放熱体と接合する技術が知られている。また、半導体素子と放熱体との接合材料としては、熱伝導性と絶縁性とを確保するため、樹脂材料中に熱伝導性を有し、且つ、絶縁性を有するフィラーを分散させた樹脂組成物が用いられる。【0003】続きを表示(全19行)このような樹脂組成物として、特許文献1には、オルガノポリシロキサンの基材に、特定量の熱伝導性フィラーを含有してなる絶縁シートが開示されている。このような接合材料では、樹脂中で熱伝導性を有するフィラー同士が接触する構造をとっており、これらのフィラー間の接触を通じて発熱体から放熱体への熱伝導性が確保されている。このようなシートでは、アルミナ等のフィラーを高充填化してフィラー間の接触頻度を高めて熱伝導性を確保している。しかしながら、フィラーの高充填化に伴って、接着力が低下して、発熱体と放熱体との接合が不充分となるという問題があった。【0004】更に、窒化ホウ素のような異方形状を有するフィラーを用いることによってフィラー同士を面接触させて熱伝導性を確保する方法も提案されている。しかしながら、異方形状を有するフィラーを用いた場合、配向状態によって熱伝導性が大きく変化するが、配向状態を制御することは難しく、充分な熱伝導性が得られないという問題があった。【0005】また、例えば、ダイヤモンドの汎用的合成法である爆轟法によって形成されたナノサイズのダイヤモンドをフィラーとして樹脂中に複合化した放熱材料も提案されている。ダイヤモンドは熱伝導性が高いことが知られているが、このような方法では、フィラーが微細であるため、フィラー間の接触回数が非常に多くなり、熱伝導の効率が低下して、充分な熱伝導性を発揮させることが難しいという問題があった。また、フィラーの形状が不定形であり、多数の面を有する球状に近い形状であるため、フィラー同士の接触は点接触となり、接触点における熱伝導のロスが大きく充分な熱伝導性を発揮させることが困難であった。【先行技術文献】【特許文献】【0006】【特許文献1】特開2005-64291号公報【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0007】本発明は、上記現状に鑑み、高い熱伝導性と優れた接着性とを両立させることができる樹脂組成物を提供することを目的とする。また、該樹脂組成物を含む積層体を提供することを目的とする。」
「【0009】本発明者らは、発熱体等の部材と放熱体等の部材との間に挟んで用いられる樹脂組成物において、熱伝導性フィラーとしてダイヤモンド粒子を用い、ダイヤモンド粒子を特定の形状とすることによって、熱伝導の効率の低下を抑制して、優れた熱伝導性を発揮させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。【0010】本発明の樹脂組成物は、ダイヤモンド粒子、及び、バインダー樹脂を含有する。続きを表示(全44行)本発明の樹脂組成物は、熱伝導性及び接着性に優れるため、例えば、発熱体と放熱体との接着に用いられることで、発熱体が発した熱を効率よく放熱体に伝えることができる。本発明の樹脂組成物を介して発熱体と放熱体とを積層した場合の一例を図1に示す。本発明の樹脂組成物1は、発熱体4及び放熱体5との間に薄膜状として配置される。本発明の樹脂組成物1は、ダイヤモンド粒子2及びバインダー樹脂3を含有する。上記ダイヤモンド粒子2は、面数が10~18の多面体形状である。本発明の樹脂組成物1では、ダイヤモンド粒子2が所定の多面体形状を有していることにより、ダイヤモンド粒子の配向を制御しやすく、ダイヤモンド粒子同士が面接触することで、熱伝導効率を向上させることができる。また、本発明の樹脂組成物1は、バインダー樹脂3を含有することで、発熱体と放熱体との接着性を高めることができ、剥離に伴う熱伝導性の低下を抑制することができる。【0011】本発明の樹脂組成物は、熱伝導性フィラーとして多面体形状であるダイヤモンド粒子を含有する。本発明の樹脂組成物は、ダイヤモンド粒子を含有することにより、熱伝導性に優れたものとなる。上記多面体形状は、六面体、八面体、六八面体等が好ましく、六八面体が特に好ましい。なお、本発明において、多面体形状とは、表面を形成する面の半分以上が全て平らな多角形によって構成される立体形状を意味する。【0012】上記多面体形状であるダイヤモンド粒子において、多面体形状を形成する多角形は、三角形~六角形であることが好ましい。【0013】上記多面体形状のダイヤモンド粒子の面数は10~18である。上記ダイヤモンド粒子の面数が10以上であることで、ダイヤモンド粒子の配向制御が容易となり、ダイヤモンド粒子同士を面接触させて、熱伝導効率を向上させることができる。また、上記ダイヤモンド粒子の面数が18以下であることで、ダイヤモンド粒子が充分に大きな面を有するものとなり、ダイヤモンド粒子同士の点接触の回数を減らして、熱伝導効率の低下を抑制することができる。なお、上記ダイヤモンド粒子の面数は、例えば、電子顕微鏡写真を確認し、得られた像における粒子300個の粒子径の平均を算出することにより測定することができる。【0014】本発明の樹脂組成物は、上記面数が10~18であるダイヤモンド粒子以外のダイヤモンド粒子に加えて、破砕状のような規則的な形状を有さない非多面体状ダイヤモンド粒子や、面数が19以上であるダイヤモンド粒子を含んでいてもよい。本明細書中、上記面数が10~18であるダイヤモンド粒子以外のダイヤモンド粒子を「他のダイヤモンド粒子」ともいう。上記他のダイヤモンド粒子を含有することで、樹脂組成物中への細密充填化を図ることができる。本発明の樹脂組成物において、上記面数が10~18であるダイヤモンド粒子と上記他のダイヤモンド粒子との合計に対する上記面数が10~18であるダイヤモンド粒子の割合は、50体積%以上であることが好ましく、100体積%であることが特に好ましい。特に上記多面体形状を有するダイヤモンド粒子の割合を50体積%以上とすることで、熱伝導の効率をより向上させることができる。本発明の樹脂組成物において、特に多面体形状であるダイヤモンド粒子と破砕状であるダイヤモンド粒子を用いた場合、ダイヤモンド粒子中の上記面数が10~18である多面体形状であるダイヤモンド粒子の割合は、20体積%以上であることが好ましく、100体積%であることが特に好ましい。特に上記多面体形状を有するダイヤモンド粒子の割合を20体積%以上とすることで、熱伝導の効率をより向上させることができる 。【0015】本発明の樹脂組成物中の上記ダイヤモンド粒子の含有量は、好ましい下限が20体積%、好ましい上限が80体積%である。上記ダイヤモンド粒子の含有量が20体積%以上であると、充分な熱伝導性を付与することができる。上記ダイヤモンド粒子の含有量が80体積%以下であると、接着性に優れたものとすることができる。上記ダイヤモンド粒子の含有量は、より好ましい下限が25体積%、より好ましい上限が75体積%である。なお、上記ダイヤモンド粒子の含有量は、熱重量測定(TG)などによる加熱時の残渣量測定などにより重量分率を測定し、更に比重より体積分率に換算することで測定することができる。【0016】上記ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径は、本発明の樹脂組成物の膜厚に対して、好ましい上限が75%である。上記ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径が上記樹脂組成物の膜厚に対して75%以下であることで、ダイヤモンド粒子の充填量を充分なものとすることができる。上記ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径は、上記樹脂組成物の膜厚に対して、好ましい下限が20%、より好ましい下限が25%、より好ましい上限が70%である。上記ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径は、上記樹脂組成物の膜厚方向に対してクロスセクションポリッシャーなどを用いて断面を作成し、電子顕微鏡を用いて断面を観察し、得られた像における粒子300個の粒子径、及び体積を算出した後に体積割合での平均を算出することにより測定することができる。なお、本発明において、樹脂組成物の膜厚とは、薄膜状とした樹脂組成物の厚みを意味し、薄膜状とした樹脂組成物とは、基材上に塗工することで得られるシート形状の樹脂組成物のみではなく、部材間に充填されることで得られる層状の樹脂組成物も含む。【0017】上記ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径は、好ましい下限が0.1μm、より好ましい下限が0.5μm、好ましい上限が2000μm、より好ましい上限が1000μmである。【0018】上記ダイヤモンド粒子は、体積平均粒子径のCV値の好ましい上限が25%である。上記CV値が25%以下であると、大きな粒子径を持ったダイヤモンド粒子が存在することがなく、接着性に優れたものとすることができる。また、小さな粒子径を持ったダイヤモンド粒子が存在することがなく、ダイヤモンド粒子同士の接触回数が過剰になりすぎることがなく、熱伝導の効率を向上させることができる。なお、上記ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径のCV値は、ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径と標準偏差から算出することができる。【0019】上記ダイヤモンド粒子はグラファイト等の炭素からなる元素鉱物を原料として、例えば、爆轟法、フラックス法、静的高圧法、化学気相蒸着法、高温高圧法等により製造することができる。なかでも、粒子径の大きなダイヤモンド粒子を得られることから、高温高圧法により製造されたものが好ましく用いられる。」
「【0020】本発明の樹脂組成物は、バインダー樹脂を含有する。上記バインダー樹脂は、ダイヤモンド粒子を樹脂組成物に保持するものであり、樹脂組成物に要求される接着性、機械的強度、耐熱性、電気的特性等の特定に応じて選択される。上記バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂が挙げられ、接着性、機械的強度をより向上させることができることから、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。【0021】続きを表示(全22行)上記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-αオレフィン共重合体(エチレン-プロピレン共重合体等)、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、フッ素系重合体(ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレン-エーテル共重合体(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル類(ポリメタクリル酸メチル等)、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマー等が挙げられる。【0022】上記光硬化性樹脂としては、感光性オニウム塩等の光カチオン触媒を含有するエポキシ樹脂や感光性ビニル基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。【0023】上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル酸メチル又はアクリル酸ブチル等を主なモノマー単位とするポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂等のホットメルト型接着樹脂が挙げられ、なかでもエポキシ樹脂が好ましく用いられる。【0024】上記エポキシ樹脂としては特に限定されないが、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂が好ましい。多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂を用いた場合、剛直となり、接着性や機械的強度が高められる。【0025】上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(以下、「ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂」ともいう)、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂(以下、「ナフタレン型エポキシ樹脂」ともいう)、テトラヒドロキシフェニルエタン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボネート等が挙げられる。上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエンジオキシド、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。上記ナフタレン型エポキシ樹脂としては、例えば、1-グリシジルナフタレン、2-グリシジルナフタレン、1,2-ジグリジジルナフタレン、1,5-ジグリシジルナフタレン、1,6-ジグリシジルナフタレン、1,7-ジグリシジルナフタレン、2,7-ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、1,2,5,6-テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。なかでも、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂やナフタレン型エポキシ樹脂が好適に用いられる。【0026】これらの多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。また、上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いられてもよいし、両者が併用されてもよい。【0027】本発明の樹脂組成物中の上記バインダー樹脂の含有量は、好ましい下限が20体積%、好ましい上限が80体積%である。上記バインダー樹脂の含有量が、20体積%以上であると、得られる樹脂組成物の接着性を向上させることができる。上記バインダー樹脂の含有量が、80体積%以下であると、得られる樹脂組成物の熱伝導性を向上させることができる。上記バインダー樹脂の含有量は、より好ましい下限が25体積%、より好ましい上限が75体積%である。【0028】上記バインダー樹脂の重量平均分子量は、好ましい下限が5000、好ましい上限が1000000である。上記バインダー樹脂の重量平均分子量が、5000以上であると、ダイヤモンド粒子の沈降を抑制することができる。上記バインダー樹脂の重量平均分子量が、1000000以上であると、ダイヤモンド粒子の分散時に均一に分散することができる。なお、上記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定を行い、ポリスチレン換算により算出することができる。」
「【0043】本発明の樹脂組成物と発熱体とが積層された積層体も本発明の1つである。本発明の積層体では、発熱体と本発明の樹脂組成物とが積層されていることにより、発熱体が発する熱を効率よく放熱することができる。【0044】上記発熱体は特に限定されないが、例えば、CPU、画像処理チップ、メモリー等、大規模集積回路(LSI)等のパワーデバイスの半導体素子基板、液晶、プラズマディスプレイ(PDP)、LED、有機EL表示装置等の表示装置に用いられる半導体素子基板、太陽電池セル、太陽電池モジュール等が挙げられる。【0045】本発明の積層体は、更に、放熱体を有し、本発明の樹脂組成物を介して上記発熱体と上記放熱体とが積層されたものであってもよい。本発明の積層体が、放熱体を有することにより、発熱体が発する熱を放熱体に効率よく伝達して、放熱機能を向上させることができる。」
「【発明を実施するための形態】【0050】以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。【0051】続きを表示(全59行)(実施例1)体積平均粒子径70μm(CV値13.2%)のダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、TMSグレード、六八面体形状)、エポキシ樹脂及び熱硬化剤を、表1に示す割合となるように溶媒中でホモディスパー型撹拌機を用いて30分間攪拌して混合し、その後、溶媒を揮発させ、更に、真空脱泡を行うことによって樹脂組成物を調製した。なお、エポキシ樹脂としてエピコート828US(三菱化学社製)、熱硬化剤としてジシアンジアミド(東京化成工業社製)、溶媒としてメチルエチルケトン(和光純薬工業社製、試薬特級グレード)を用いた。得られた樹脂組成物を離型PETシート上に塗工し、90℃のオーブン内にて10分間乾燥させることでPETシート上に薄膜状の樹脂組成物が積層された積層シートを得た。その後、離型PETシートを剥離して、薄膜状の樹脂組成物を銅箔及びアルミニウム板によって挟み、温度140℃、圧力4MPaの条件で真空プレス成型を行うことで積層体を得た。なお、薄膜状の樹脂組成物の厚み(樹脂組成物層の厚み)が100μmとなるように塗工厚みを調整した。また、ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径は、電子顕微鏡により観察して測定した。なお、ダイヤモンド粒子の含有量は、熱重量測定を用いて測定した。【0052】(実施例2)体積平均粒子径55μm(CV値15.0%)のダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、TMSグレード、六八面体形状)を用いた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。【0053】(実施例3)体積平均粒子径38μm(CV値17.4%)のダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、TMSグレード、六八面体形状)を用いた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。【0054】(実施例4)体積平均粒子径70μm(CV値13.2%)のダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、TMSグレード、六八面体形状)を表1に示す割合となるように配合した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。【0055】(実施例5)体積平均粒子径70μm(CV値13.2%)のダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、TMSグレード、六八面体形状)を表1に示す割合となるように配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。【0056】(実施例6)体積平均粒子径70μm(CV値13.2%)のダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、TMSグレード、六八面体形状)及び体積平均粒子径72μmの窒化ホウ素粒子(MOMENTIVE社製、アスペクト比4.2、熱伝導性40W/m・K)を表1に示す割合となるように配合した以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。なお、窒化ホウ素粒子の体積平均粒子径は、長軸方向のサイズを測定することで算出した。ダイヤモンド粒子及び得られた積層体中の樹脂組成物層を撮影した電子顕微鏡写真を図2及び図3に示す。【0057】(実施例7)体積平均粒子径70μm(CV値13.2%)のダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、TMSグレード、六八面体形状)に加えて、非多面体状ダイヤモンド粒子を表1に示す割合となるように配合した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。なお、非多面体状ダイヤモンド粒子としては、体積平均粒子径25μm(CV値17.4%)の粒子(トーメイダイヤ社製、CMMグレード、破砕形状)を用いた。【0058】(実施例8)体積平均粒子径70μm(CV値13.2%)のダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、TMSグレード、六八面体形状)に加えて、非多面体状ダイヤモンド粒子を表1に示す割合となるように配合した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。なお、非多面体状ダイヤモンド粒子としては、体積平均粒子径25μm(CV値17.4%)の粒子(トーメイダイヤ社製、CMMグレード、破砕形状)及び体積平均粒子径10μm(CV値19.8%)の粒子(トーメイダイヤ社製、CMMグレード、破砕形状)を用いた。【0059】(実施例9)体積平均粒子径70μm(CV値13.2%)のダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、TMSグレード、六八面体形状)に加えて、非多面体状ダイヤモンド粒子及びアルミナ粒子を表1に示す割合となるように配合した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。なお、非多面体状ダイヤモンド粒子としては、体積平均粒子径25μm(CV値17.4%)の粒子(トーメイダイヤ社製、CMMグレード、破砕形状)を用い、アルミナ粒子としては、体積平均粒子径10μmのアルミナ粒子(昭和電工社製、ASグレード、球状)を用いた。【0060】(比較例1)体積平均粒子径70μmの非多面体状ダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、IMMグレード、破砕粉末状)を表1に示す割合となるように配合した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。【0061】(比較例2)体積平均粒子径0.1μmの非多面体状ダイヤモンド粒子(エアブラウン社製、不定形状)を表1に示す割合となるように配合した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。【0062】(比較例3)体積平均粒子径68μmのアルミナ粒子(アズワン社製)を表1に示す割合となるように配合した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。【0063】(比較例4)体積平均粒子径72μmの窒化ホウ素粒子(MOMENTIVE社製、アスペクト比4.2)を表1に示す割合となるように配合した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。なお、窒化ホウ素の体積平均粒子径は、長軸方向のサイズを測定することで算出した。【0064】(評価)実施例及び比較例で得られた積層体について、下記の評価を行った。結果を表1に示した。【0065】(1)熱伝導性の評価得られた積層体を10mm×10mmにカットした後、両面にカーボンブラックをスプレーして測定サンプルを作製した。得られた測定サンプルについて、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(アルバック理工社製、「TC-9000」)を用いて熱伝導率を測定した。なお、熱伝導率としては、積層体を3つ用意し、それぞれの積層体内の3箇所から切り出して得られた測定サンプル合計9つの平均値を用いた。また、熱伝導性としては、比較例1における熱伝導率を1.00とした際の相対値により評価した。【0066】(2)接着性評価得られた積層体を20mm×50mmにカットし、85℃でアルミニウム板面から90°の方向に50gの荷重を掛け、アルミニウム板より剥離しきるまでの剥離時間を測定した。得られた剥離時間をもとに、比較例1における剥離時間を1.00とした際の相対値により評価した。【0067】【表1】[図:0001395274000016.jpg]」
(4) サポート要件の判断
本件特許発明1の解決しようとする課題は、本件特許明細書の段落【0007】より、「高い熱伝導性と優れた接着性とを両立させることができる樹脂組成物樹脂組成物を含む積層体を提供すること」である。
そして、本件特許明細書の段落【0010】には、「本発明の樹脂組成物1では、ダイヤモンド粒子2が所定の多面体形状を有していることにより、ダイヤモンド粒子の配向を制御しやすく、ダイヤモンド粒子同士が面接触することで、熱伝導効率を向上させることができる。
また、本発明の樹脂組成物1は、バインダー樹脂3を含有することで、発熱体と放熱体との接着性を高めることができ、剥離に伴う熱伝導性の低下を抑制することができる。」と記載されている。
そして、同段落【0013】には、「上記多面体形状のダイヤモンド粒子の面数は10~18である。上記ダイヤモンド粒子の面数が10以上であることで、ダイヤモンド粒子の配向制御が容易となり、ダイヤモンド粒子同士を面接触させて、熱伝導効率を向上させることができる。また、上記ダイヤモンド粒子の面数が18以下であることで、ダイヤモンド粒子が充分に大きな面を有するものとなり、ダイヤモンド粒子同士の点接触の回数を減らして、熱伝導効率の低下を抑制することができる。」と記載されていることから、「多面体形状のダイヤモンド粒子の面数を10~18とすることにより、ダイヤモンド粒子の配向制御が容易となり、ダイヤモンド粒子同士が面接触することで、樹脂組成物の熱伝導性を向上できる」との作用機序について理解することができる。
そして、本件特許明細書の【実施例】には、9つの実施例と4つの比較例が示されている。実施例は、いずれも六八面体形状(面数14面)のダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製(TMSグレード))を使用した樹脂組成物で、比較例1である非多面体状ダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ社製、IMMグレード、破砕粉末状)を使用した樹脂組成物に比べて熱伝導性、接着性が良好なものとなっている。
してみると、実施例の結果と「多面体形状のダイヤモンド粒子の面数を10~18とすることにより、ダイヤモンド粒子の配向制御が容易となり、ダイヤモンド粒子同士が面接触することで、樹脂組成物の熱伝導性を向上できる」との作用機序を考慮すると、当業者は、「ダイヤモンド粒子、及び、バインダー樹脂を含有し、前記ダイヤモンド粒子は、面数が10~18の多面体形状である、樹脂組成物」という特定事項により、「多数の面を有する球状に近い形状であるため、フィラー同士の接触は点接触とな」る場合(本件特許明細書の段落【0005】)と比べて、熱伝導効率を向上させることができ、本件特許発明の課題を解決できると認識するものである。
そして、本件件特許発明1は、上記特定事項を有するものであるから、発明の詳細な説明に記載された発明であって、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件発明の課題を解決できると認識するものである。
したがって、本件特許発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件特許発明の課題を解決できると認識できる範囲のものである。
また、本件特許発明1を引用する本件特許発明2ないし7についても同様である。
よって、本件特許発明1ないし7に関して、特許請求の範囲の記載はサポート要件に適合する。
(5)申立人の主張について
申立人の第3 1(2)の主張ア)、イ)について検討する。
主張ア)について
上記(4)で検討したように、当業者は、「ダイヤモンド粒子、及び、バインダー樹脂を含有し、前記ダイヤモンド粒子は、面数が10~18の多面体形状である、樹脂組成物」という特定事項により、本件特許発明の課題を解決できると認識するものであるから、「ダイヤモンド粒子の体積平均粒子径が、樹脂組成物の膜厚に対して70%以下」であっても、球状に近い形状のものを用いる場合と比べて、熱伝導効率が向上することは理解できる。
そして、申立人は、一般的な事項を述べるにとどまり、具体的な実験でもって、本件特許発明の課題が解決できないことを立証するものではない。
よって、申立人の主張アは首肯することができない。
主張イ)について
上記(4)で検討したように、当業者は、「ダイヤモンド粒子、及び、バインダー樹脂を含有し、前記ダイヤモンド粒子は、面数が10~18の多面体形状である、樹脂組成物」という特定事項により、本件特許発明の課題を解決できると認識するものである。
ところで、申立人は、「樹脂組成物中の樹脂の種類や熱伝導性フィラーの種類が異なれば、樹脂組成物中の各成分(樹脂、ダイヤモンド及び熱伝導性フィラー)との相互作用性等も異なることは当業者の技術常識であると」述べるものの、各成分の相互作用と熱伝導性との関係は不明であるし、また、具体的な実験でもって、本件特許発明の課題が解決できないことを立証するものではない。
よって、申立人の主張イは首肯することができない。
(6)申立理由2についてのむすび
したがって、本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえないから、申立理由2によっては取り消すことはできない。
第5 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1ないし7に係る特許を取り消すことはできない。
また、ほかに本件特許の請求項1ないし7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-701234