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特許異議申立

2022-701140

通信システム、通信方法、及びプログラム

審判番号
2022-701140
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-119742
登録番号
7075019
請求日
2022年11月18日
審決日
2023年09月11日
公報発行日
2023年12月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ダイキン工業株式会社
  • 【権利者代理人】伊東 忠重
  • 【異議申立人】角田 朗
審判長/審判官
  • 審判長 土居 仁士
  • 審判官 寺谷 大亮
  • 審判官 衣鳩 文彦
分類
P1651.121-YAA(H04L) / P1651.537-YAA(H04L) / P1651.851-YAA(H04L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条、特許法第120条の5第4項、特許法第36条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7075019号発明「通信システム、通信方法、及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7075019号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~11〕、12、13について訂正することを認める。 特許第7075019号の請求項1~13に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7075019号(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和2年7月13日に出願され、令和4年5月17日にその特許権の設定登録がされ、令和4年5月25日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1~13に係る特許について、特許異議申立人 角田 朗(以下「申立人」という。)により本件特許異議の申立てがされた。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和4年11月18日 :特許異議申立書の提出 令和5年 2月21日付け:取消理由通知書 4月28日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 5月24日付け:訂正請求書に対する手続補正指令書(方式) 5月31日 :特許権者による手続補正書(方式)の提出 7月18日 :申立人による意見書の提出 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次の訂正事項1~3のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置されているものとして対応付ける」とあるのを、「一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置され、前記同一の空間を対象とする電子機器としてペアリングする」に訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2~11も同様に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項12に「一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置されているものとして対応付ける」とあるのを、「一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置され、前記同一の空間を対象とする電子機器としてペアリングする」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項13に「一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置されているものとして対応付ける」とあるのを、「一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置され、前記同一の空間を対象とする電子機器としてペアリングする」に訂正する。 (4)一群の請求項 訂正事項1に係る本件訂正前の請求項1~11のうち、請求項2~11はそれぞれ請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1~11に対応する訂正後の請求項1~11は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 2 本件特許における「ペアリング」の技術的意味 前記1のとおり、訂正事項1~3による訂正は、「ペアリング」との事項を含むものである。 そこで、本件訂正前の本件特許における「ペアリング」の技術的意味について検討する。 (1)明細書等の記載 本件特許の明細書等には、次の記載がある。 ア 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の空間の構成に応じて敷設される複数の電子機器の配線の敷設状況に基づいて 形成される複数のネットワークのうち、一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置されているものとして対応付ける、通信システム。」 イ 「【技術分野】 【0001】 本開示は、通信システム、通信方法、及びプログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、制御または監視等の対象となる外部機器の情報を機器に設定しておき、当該機器から、設定されている外部機器の制御等を行う技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。」 ウ 「【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、従来技術では、例えば、制御等の対象となる外部機器の情報を機器に設定することが困難な場合がある。 【0005】 本開示は、機器の情報を適切に設定することができる技術を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本開示の第1の態様による通信システムは、複数の空間の構成に応じて敷設される複数の電子機器の配線の敷設状況に基づいて形成される複数のネットワークのうち、一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置されているものとして対応付ける。これにより、機器の情報を適切に設定することができる。」 エ 「【0021】 <システム構成> はじめに、通信システム1のシステム構成について説明する。図1は、実施形態に係る通信システム1のシステム構成の一例を示す図である。実施形態に係る通信システム1は、複数の機器の配線が敷設された状況に基づいて、当該複数の機器のうち、同一空間を対象とする第1電子機器及び第2電子機器を対応付ける。」 オ 「【0046】 続いて、室外機20Aは、当該各装置のIDを用いて、室外機20AのIDを当該各装置に送信する(ステップS4)。なお、室外機20AのIDは、通信配線60A、及び冷媒配管50Aによる冷媒系統の識別情報(系統ID)としても用いられる。なお、室外機20のIDは、例えば、当該室外機20の工場出荷時等に、予め当該室外機20に設定されていてもよい。」 カ 「【0049】 続いて、換気装置10Aの取得部112は、ブロードキャスト通信により、室外機20AのIDと、換気装置10AのIDとを含む第2返信要求を送信する(ステップS7)。ここで、第2返信要求には、返信を要求する電子機器の種別を指定する情報が含まれてもよい。電子機器の種別には、例えば、電子機器の機種、電子機器により測定される項目、及び電子機器が実行できるコマンド等の種別が含まれてもよい。」 キ 「【0055】 続いて、室内機30A-1等は、それぞれ、換気装置10Aから受信した第2返信要求に含まれる系統IDと、室外機20Aから設定された系統IDとが一致するか否かを判定し、一致する場合のみ、自装置のIDを換気装置10Aに返信する(ステップS8)。ここで、当該第2返信要求を受信した室内機30A-1等は、当該第2返信要求に含まれる系統IDと、ステップS5の処理で記憶した系統IDとが一致する場合にのみ、当該第2返信要求に対して返信を行う。また、室内機30A-1等は、受信した第2返信要求に、返信を要求する電子機器の種別を指定する情報が含まれている場合、指定された当該種別と、自装置の種別とが一致するか否かを判定し、一致する場合のみ、自装置のIDを換気装置10Aに返信してもよい。」 ク 「【0057】 続いて、換気装置10Aの記憶部111は、第2返信要求に対して返信された各装置のID等を記憶する(ステップS9)。ここで、第2返信要求に対し、複数の電子機器のIDが返信された場合、当該複数の電子機器を関連付けて記憶する。図4の例では、換気装置10Aは、室内機30A-1、室内機30A-2、及び室内機30A-3を関連付けて記憶する。これにより、同一空間を空気調和等の対象とする各機器が対応付けられる。 【0058】 続いて、換気装置10Aの制御部114は、当該各装置のIDを用いて、室内機30A-1等に、所定の要求等をそれぞれ送信する(ステップS10)。ここで、換気装置10Aは、換気装置10Aが運転を行う際に、室内機30A-1等を制御するコマンドを室内機30A-1等に送信する。また、換気装置10Aは、換気装置10Aが運転を行う際に、室内機30A-1等からデータを受信する。」 ケ 「【0062】 <開示の実施形態の効果> 上述した開示の実施形態によれば、外部機器の情報を機器に適切に設定することができる。例えば、各室内機30A-1等と換気装置10Aとを連携させる場合、当該各室内機30A-1等と当該換気装置10Aとを同一室外機20Aの配下となるように通信配線60Aを敷設して接続すれば、自動で当該各室内機30A-1等と当該換気装置10Aとがペアリングされるため、工事作業員のペアリング設定の手間を削減できる。また、開示の実施形態によれば、工事作業員が手動で換気装置10Aに室内機30A-1等の情報を設定する場合と比較して、設定ミスを防止できる。また、ペアリング設定を行う作業員を不要とすることができる。また、比較的高価なコントローラ500を設置しない場合でも、室内機30と換気装置10とを連携させて運転させることができる。」 (2)解決すべき課題及び課題解決手段 本件特許は、従来、制御等の対象となる外部機器の情報を機器に設定することが困難な場合があるとの問題(【0004】)に鑑み、機器の情報を適切に設定することができる(【0005】)ようにすることを課題とするものである。 そして、複数の空間の構成に応じて敷設される複数の電子機器の配線の敷設状況に基づいて形成される複数のネットワークにおいて、一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置されているものとして対応付ける、ことを課題解決手段とする(【請求項1】、【0006】)ものと解される。 (3)実施形態 実施形態の一つは、換気装置10Aの取得部112が、ブロードキャスト通信により、室外機20AのID(系統ID)と、換気装置10AのIDとを含む第2返信要求を送信し(【0046】、【0049】)、室内機30A-1等が、それぞれ、換気装置10Aから受信した第2返信要求に含まれる系統IDと、室外機20Aから設定された系統IDとが一致するか否かを判定し、一致する場合、自装置のIDを換気装置10Aに返信し(【0055】)、換気装置10Aの記憶部111は、第2返信要求に対して返信された各装置のID等を記憶し、これにより同一空間を空気調和等の対象とする各機器が対応付けられ(【0057】)、換気装置10Aの制御部114が、当該各装置のIDを用いて、室内機30A-1等に、所定の要求等をそれぞれ送信する(【0058】)ものである。 (4)「ペアリング」について ア 【0062】には、「例えば、各室内機30A-1等と換気装置10Aとを連携させる場合、当該各室内機30A-1等と当該換気装置10Aとを同一室外機20Aの配下となるように通信配線60Aを敷設して接続すれば、自動で当該各室内機30A-1等と当該換気装置10Aとがペアリングされる」との記載がある。 上記「当該各室内機30A-1等と当該換気装置10Aとがペアリングされる」の「ペアリング」は、同段落冒頭の「上述した開示の実施形態によれば」との記載を踏まえると、前記(3)の実施形態における、「換気装置10A」が、要求等を送信する対象である「室内機30A-1等」の各装置のID等を記憶することで、「換気装置10A」と「室内機30A-1等」を対応付けることを指していると解釈することができる。 イ 「ペアリング」について、例えば、「ペアリングとは、ペアにする、対になる、などの意味を持つ英単語。ITの分野では、一組の機器が互いに登録や認証などを行い、通信や機能の呼び出しなどができる状態にする処理や手順のことをこのように呼ぶ。特に、Bluetoothにおける機器の相互登録を指すことが多い。」(IT用語辞典 e-Words[2023年9月6日検索]、インターネット<https://e-words.jp/w/%E3%83%9A%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0.html>)とあるように、情報通信分野では、概ね、機器同士の対応付けを行うことにより該機器の間の通信を可能にすることを意味するものと広く認識されている。 そして、【0062】に記載された「ペアリング」は、前記(2)の課題及び課題解決手段等も踏まえると、「換気装置10A」と「室内機30A-1等」とを対応付けて、「換気装置10A」と「室内機30A-1等」とで制御等のための通信を可能にすることであると理解することができ、これは、情報通信分野における「ペアリング」の上記意味と整合する。 すなわち、【0062】に記載された「ペアリング」は、機器同士を対応付けて、該機器の間で通信ができるようにすることを意味するもの解釈し得る。 ウ 他方、明細書等には、前記イの解釈を否定するような記載は存在しない。 エ したがって、本件特許における「ペアリング」は、機器同士を対応付けて、該機器の間で通信ができるようにすることを意味すると認められる。 3 訂正の適否の検討 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1による訂正は、訂正前の請求項1の「一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置されているものとして対応付ける」の「第1電子機器及び第2電子機器」の「対応付け」を、「ペアリング」、すなわち、前記2のとおり、「第1電子機器及び第2電子機器」の間で通信ができるようにする「対応付け」に限定するものである。さらに、訂正事項1による訂正は、上記「対応付け」を、「第1電子機器及び第2電子機器」を「同一の空間に対して設定されているもの」とする態様から、「同一の空間に対して設定され」かつ「前記同一の空間を対象とする電子機器」とする態様に限定するものといえる。 したがって、訂正事項1は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の限縮」と目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 (ア)訂正事項1は、前記2(1)に示した【0062】の「ペアリング」の記載及び【0021】の「複数の機器の配線が敷設された状況に基づいて、当該複数の機器のうち、同一空間を対象とする第1電子機器及び第2電子機器を対応付ける。」等の記載に基づくものといえる。 したがって、訂正事項1は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の有無 訂正事項1は、前記アのとおり、特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は、変更するものではない。 したがって、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。 エ 独立特許要件 訂正事項1に係る請求項1~11は、いずれも、本件特許異議の申立てがされているので、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の適用はない。 オ 小括 前記ア~エのとおりであるから、訂正事項1による訂正は、適法なものと認められる。 (2)訂正事項2 訂正事項2は、請求項12について、訂正事項1と同様の訂正を行うものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の限縮」を目的とするものである。 また、訂正事項1と同様、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項及び6項に適合する。 なお、訂正事項2に係る請求項12も、本件特許異議の申立てがされているので、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の適用はない。 (3)訂正事項3 訂正事項3は、請求項13について、訂正事項1と同様の訂正を行うものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の限縮」を目的とするものである。 また、訂正事項1と同様、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項及び6項に適合する。 なお、訂正事項3に係る請求項13も、本件特許異議の申立てがされているので、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の適用はない。 (4)本件訂正についてのまとめ 以上のとおり、本件訂正は適法なものと認められる。 したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~11〕、12、13について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1~13に係る発明(以下「本件発明1」等という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~13に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。なお、下線は、訂正箇所を示す。 【請求項1】 複数の空間の構成に応じて敷設される複数の電子機器の配線の敷設状況に基づいて形成される複数のネットワークのうち、一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置され、前記同一の空間を対象とする電子機器としてペアリングする、通信システム。 【請求項2】 前記複数のネットワークは、中継装置を介してそれぞれ接続される、請求項1に記載の通信システム。 【請求項3】 前記第1電子機器は、前記第2電子機器の種別を指定する情報を含む返信要求を送信し、 前記第2電子機器は、 設定されている前記第2電子機器の種別と、前記第1電子機器から受信した前記第2電子機器の種別とが一致する場合、前記第2電子機器の識別情報を返信する、 請求項1または2に記載の通信システム。 【請求項4】 前記第2電子機器の種別には、前記第2電子機器の機種、前記第2電子機器により測定される項目、及び前記第2電子機器が実行できるコマンドの少なくとも一つが含まれる、 請求項3に記載の通信システム。 【請求項5】 前記第1電子機器は、前記第2電子機器の種別に応じた転送範囲を指定する情報を含む返信要求を送信し、 前記通信システムは、 前記転送範囲を指定する情報に応じて、外部ネットワークに返信要求を転送するか否かを判定する、 請求項1から4のいずれか一項に記載の通信システム。 【請求項6】 前記第1電子機器は、第1ネットワークの識別情報を含む返信要求を前記第2電子機器に送信し、 前記第2電子機器は、 前記第1ネットワークと、第2ネットワークとの通信を接続させる中継装置から受信した前記第1ネットワークの識別情報と、前記第1電子機器から受信した前記第1ネットワークの識別情報とが一致する場合、前記第2電子機器の識別情報を前記第1電子機器に返信する、 請求項1から5のいずれか一項に記載の通信システム。 【請求項7】 前記中継装置は、 前記第1ネットワークに対して、ブロードキャスト通信により前記第1ネットワークの識別情報を通知する、 請求項6に記載の通信システム。 【請求項8】 前記中継装置は、 前記第1ネットワークと、前記第2ネットワークとを、閾値以下の周波数の信号を遮断するハイパスフィルタを介して電気的に接続させ、前記第1ネットワークに対して、前記閾値以下の周波数の信号により第1返信要求を送信し、 前記第1返信要求に対して前記第1電子機器から返信されると、前記第1電子機器に前記第1ネットワークの識別情報を通知し、 前記第1返信要求に対して前記第2電子機器から返信されると、前記第2電子機器に前記第1ネットワークの識別情報を通知する、 請求項6または7に記載の通信システム。 【請求項9】 前記第1電子機器は、前記第1ネットワークの識別情報を含む前記返信要求に対し、複数の第2電子機器の識別情報が返信された場合、当該複数の第2電子機器を関連付ける、 請求項6から8のいずれか一項に記載の通信システム。 【請求項10】 前記第1電子機器及び前記第2電子機器は、同一の室内空間に対し、空気調和、及び環境情報の測定の少なくとも一方を行う電子機器であり、 前記第1電子機器は、前記第1電子機器が運転を行う際に、前記第2電子機器を制御するコマンドを送信する、または、前記第2電子機器からデータを受信する、 請求項6から9のいずれか一項に記載の通信システム。 【請求項11】 前記第1電子機器は換気装置であり、 前記第2電子機器は空気調和装置の室内機であり、 前記中継装置は前記空気調和装置の室外機である、 請求項6から10のいずれか一項に記載の通信システム。 【請求項12】 通信システムが、 複数の空間の構成に応じて敷設される複数の電子機器の配線の敷設状況に基づいて形成される複数のネットワークのうち、一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置され、前記同一の空間を対象とする電子機器としてペアリングする処理を実行する通信方法。 【請求項13】 通信システムに、 複数の空間の構成に応じて敷設される複数の電子機器の配線の敷設状況に基づいて形成される複数のネットワークのうち、一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置され、前記同一の空間を対象とする電子機器としてペアリングする処理を実行させるプログラム。 第4 特許異議申立理由の概要 申立人は、証拠方法として、以下2に記載の甲第1号証~甲第10号証(以下「甲1」等という。)を提出し、以下1に記載の理由により、本件特許の請求項1~13に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。 1 申立理由(進歩性) 本件訂正前の請求項1~13に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲1~10に記載された事項に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、同請求項に係る特許は、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。 2 証拠方法 甲1 :国際公開第2014/097443号 甲2 :国際公開第2014/128921号 甲3 :特開2000-283529号公報 甲4 :特開2015-141014号公報 甲5 :特開平11-44447号公報 甲6 :特開2007-324747号公報 甲7 :特開2010-210147号公報 甲8 :特開2016-219983号公報 甲9 :国際公開第2018/220803号 甲10:国際公開第2014/170930号 第5 取消理由通知書で通知した取消理由についての判断 1 取消理由の概要 当審において令和5年2月21日付け取消理由通知書により通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 取消理由1(進歩性) 訂正前の請求項1、2、12及び13に係る発明は、甲1及び甲2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、2、12及び13に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 2 甲号証の記載 (1)甲1の記載事項及び甲1発明 ア 甲1の記載事項 甲1には、次の事項が記載されている。なお、下線は当審で付与したものである(以下、同じ。)。 「[0005] この発明は、上記のような課題を解決することを主な目的としており、コリジョンドメインの分割ができない室外機を含む空調システムであっても、コリジョンドメインを分割し通信帯域を効率的に使用することを主な目的とする。」 「[0009] 実施の形態1. 図1は、本実施の形態に係る空調システムの構成例を示す。 また、図11は、従来の空調システムの構成例を示す。 図11と比較して、図1では、ゲートウェイ装置が追加されている。 なお、本明細書では、空調システムに接続される室外機、室内機、集中制御装置、ゲートウェイ装置などを総称して「機器」と呼ぶ。 また、本明細書では、空調機器として室外機、室内機が存在するシステムを中心に説明を行うが、エアハンドリングユニットや換気機器などその他の空調機器がシステムに登場しても良い。 アドレスは、全機器にユニークに付けられた識別子を意味する。 [0010] 図1において、集中制御装置100は、全ての機器を制御できる装置である。 たとえば、集中制御装置100は、全室内機に運転停止信号を送信することが可能である。 [0011] 室外機101は、一つの通信ポートのみを持ち室内機102とセットで動作する機器である。 一つの室外機101に複数の室内機102が接続できる。 [0012] 室内機102は、一つの通信ポートのみを持ち室外機101とセットで動作する機器である。 一つの室外機101に複数の室内機102が接続できる。 [0013] 部分ネットワーク103は、室外機101と室内機102をつなぐネットワークである。 本実施の形態では、部分ネットワーク103は、バス型ネットワークである。 [0014] 接続ネットワーク104は、集中制御装置100と室外機101をつなぐネットワークである。 換言すれば、接続ネットワーク104は、部分ネットワーク103間を接続し、また、部分ネットワーク103と集中制御装置100とを接続するネットワークである。 接続ネットワーク104は、バス型ネットワークである。 [0015] ゲートウェイ装置105は、ブリッジ機能と、それに付随するアドレステーブルを持つデータ中継装置である。 ブリッジ機能は、コリジョンドメインの分割を実施する際に活用される。 アドレステーブルはデータを透過させるか、せき止めるかの判断をするために活用される。 なお、ゲートウェイ装置105aに接続されている部分ネットワーク103、すなわち、室外機101a、室内機102a及び室内機102bで構成される部分ネットワーク103を部分ネットワーク103aという。 また、ゲートウェイ装置105bに接続されている部分ネットワーク103、すなわち、室外機101b、室内機102c及び室内機102dで構成される部分ネットワーク103を部分ネットワーク103bという。 また、ゲートウェイ装置105cに接続されている部分ネットワーク103、すなわち、室外機101c、室内機102e及び室内機102fで構成される部分ネットワーク103を部分ネットワーク103cという。 なお、各ゲートウェイ装置105に接続されている部分ネットワーク103を、管理対象部分ネットワークという。 つまり、ゲートウェイ装置105aの管理対象部分ネットワークは、部分ネットワーク103aであり、ゲートウェイ装置105bの管理対象部分ネットワークは、部分ネットワーク103bであり、ゲートウェイ装置105cの管理対象部分ネットワークは、部分ネットワーク103cである。 [0016] 次に、図3を参照して、ゲートウェイ装置105の内部ブロックを説明する。ゲートウェイ装置105は、アドレステーブルを参照して送信の可否を判定しながらデータ中継を行う。」 「[0021] アドレステーブル管理部204は、機器のアドレスを記憶しておくアドレステーブルを管理する。 機器のアドレスをアドレステーブルに記憶する際には、接続ネットワーク104側に存在するアドレスか、部分ネットワーク103側に存在するアドレスかの情報も付加される。 アドレステーブルは事前に作成されてもよいし、通信の中で動的に作成されてもよい。 アドレステーブルを動的に作成する場合は、アドレステーブル管理部204は、受信したデータフレームから送信元アドレスを抜きだし、その送信元アドレスをアドレステーブルに登録していく。 アドレステーブルの例を、図3に示す。」 「[0032] 以上のように、従来構成であればコリジョンドメインが分割されていなかったことにより、無関係な機器に対してもデータフレームを送信することになっていたが、外付けのゲートウェイを設置することによって、従来の機器への設定などは不要なうえに無関係な機器へのデータ送信を防ぐことができ、通信帯域の効率的な使用が実現できる。」 「[図1] [図:0001404778000001.jpg] 」 「[図3] [図:0001404778000002.jpg] 」 イ 甲1発明 前記アによれば、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「空調システムであって([0009])、 空調システムに接続される室外機、室内機、集中制御装置、ゲートウェイ装置などを総称して「機器」と呼び([0009])、 アドレスは、全機器にユニークに付けられた識別子を意味し([0009])、 部分ネットワーク103は、室外機101と室内機102をつなぐネットワークであり、部分ネットワーク103は、バス型ネットワークであり([0013])、 接続ネットワーク104は、部分ネットワーク103間を接続し([0014])、 ゲートウェイ装置105は、ブリッジ機能と、それに付随するアドレステーブルを持つデータ中継装置であり([0015])、 ゲートウェイ装置105aに接続されている室外機101a、室内機102a及び室内機102bで構成される部分ネットワーク103を部分ネットワーク103aといい、ゲートウェイ装置105bに接続されている室外機101b、室内機102c及び室内機102dで構成される部分ネットワーク103を部分ネットワーク103bといい、ゲートウェイ装置105cに接続されている室外機101c、室内機102e及び室内機102fで構成される部分ネットワーク103を部分ネットワーク103cといい([0015])、 ゲートウェイ装置105は、アドレステーブルを参照して送信の可否を判定しながらデータ中継を行い([0016])、 機器のアドレスをアドレステーブルに記憶する際には、接続ネットワーク104側に存在するアドレスか、部分ネットワーク103側に存在するアドレスかの情報も付加される([0021]) 空調システム」 (2)甲2の記載事項及び甲2記載技術 ア 甲2の記載事項 甲2には、次の事項が記載されている。 「[0013](実施形態1) 図1に、本実施形態の空調システム10の構成を示す。空調システム10は、集中制御装置50と、第1空調システム100と、第2空調システム200と、第1空調システム100と第2空調システム200とを中継する中継器300と、を備える。 [0014] 本実施形態の空調システム10には、第1の空間内の空調を制御する空調システム100と、第2の空間内の空調を制御する空調システム200とがある。第1の空間と第2の空間は異なり、例えば、第1の空間がオフィスビルの1階フロア、第2の空間がオフィスビルの2階フロアである。空調システム100と空調システム200との間で、中継器300を介して、互いに通信することが可能である。」 「「0020] 本実施形態の第1空調システム100は、室外機110と室内機120(図1には120A,120Bと記載)とから構成される。室外機110と室内機120は、第1バス60で接続され、第1コマンド150を用いて互いに通信する。ただし、第1空調システム100内に設置される室外機110と室内機120の数は、本発明によって限定されず、任意である。 [0021] 本実施形態の第2空調システム200は、室外機210と室内機220とから構成される。室外機210と室内機220は、第2バス70で接続され、第2コマンド250を用いて互いに通信する。ただし、第2空調システム200内に設置される室外機210と室内機220の数は、本発明によって限定されず、任意である。第1バス60と第2バス70は、有線でもよいし無線でもよい。」 「[図1] [図:0001404778000003.jpg] 」 イ 甲2記載技術 前記アによれば、甲2には、次の技術(以下「甲2記載技術」という。)が記載されていると認められる。 「空調システム10には、第1の空間内の空調を制御する空調システム100と、第2の空間内の空調を制御する空調システム200とがあり、第1の空間と第2の空間は異なり([0014])、 第1空調システム100は、室外機110と室内機120とから構成され、室外機110と室内機120は、第1バス60で接続され、互いに通信し([0020])、 第2空調システム200は、室外機210と室内機220とから構成され、室外機210と室内機220は、第2バス70で接続され、互いに通信する」技術 3 当審の判断 3-1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比すると、以下のことがいえる。 ア 「複数の空間の構成に応じて敷設される複数の電子機器の配線の敷設状況に基づいて形成される複数のネットワークのうち」について (ア)甲1発明の「室外機」、「室内機」、「集中制御装置」、「ゲートウェイ装置」は、本件発明1の「電子機器」に相当し、「部分ネットワーク103」は、本件発明1の「ネットワーク」に相当する。 (イ)甲1発明の「部分ネットワーク103a」は「バス型ネットワーク」であって、「室外機101a」、「室内機102a」及び「室内機102b」をつなぐ「バス」は、本件発明1の「複数の電子機器の配線」に相当する。「部分ネットワーク103b」及び「部分ネットワーク103c」も同様に「バス型ネットワーク」であるから、甲1発明の「部分ネットワーク103a」~「部分ネットワーク103c」は、3つの「バス」が敷設されたという状況によって形成されたものといえる。 (ウ)したがって、本件発明1と甲1発明は、「複数の電子機器の配線の敷設状況に基づいて形成される複数のネットワーク」を備える点で共通する。 イ 「一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を、同一の空間に対して設置され、前記同一の空間を対象とする電子機器としてペアリングする」について (ア)甲1発明の「ゲートウェイ装置103a」は、「部分ネットワーク103a」に接続される一方、他の「部分ネットワーク103b」及び「部分ネットワーク103c」とは「接続ネットワーク104」を介して接続される。そのため、「ゲートウェイ装置103a」から見ると、自身が接続する「部分ネットワーク103a」を構成する「室外機101a」等は、「部分ネットワーク103a」側に存在する「機器」であり、他の「部分ネットワーク103b」または「部分ネットワーク103c」を構成する「機器」は、「接続ネットワーク104」側に存在するものといえる。これは、「ゲートウェイ装置103b」及び「ゲートウェイ装置103c」についても同様である。 (イ)前記(ア)を踏まえると、甲1発明の「ゲートウェイ装置103」が有する「アドレステーブル」に、「部分ネットワーク103側に存在するアドレス」との「情報」が「付加」されて「アドレス」が記憶される「機器」は、当該「ゲートウェイ装置103」が接続される一の「部分ネットワーク103」に接続される「機器」であることは明らかである。 そうすると、該「アドレステーブル」に、「部分ネットワーク103側に存在するアドレス」との情報とともに一以上の「機器」の「アドレス」を記憶することは、一の「部分ネットワーク103」に接続された前記一以上の「機器」を、同一の「部分ネットワーク103」に接続されているものとして対応付けることといえる。また、前記一以上の「機器」を、第1の「機器」、第2の「機器」と称することは任意である。 (ウ)他方、甲1発明は、前記(イ)の「アドレステーブル」による対応付けについて、「機器」を「同一の空間に対して設置され、前記同一の空間を対象とする」ものとして対応付けることは特定されていない。 (エ)また、甲1発明の「アドレステーブル」は、「ブリッジ機能」に「付随」するものであり、「ゲートウェイ装置105」が「部分ネットワーク103」と「接続ネットワーク104」との間の「データ中継」を行う際に「送信の可否を判定」するのに用いられるものである。そのため、前記(イ)の該「アドレステーブル」による対応付けは、「機器」を「ペアリングする」ものではない。 (オ)前記(ア)~(エ)によれば、本件発明1と甲1発明は、「一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を対応付ける」点で共通するといえる。 ウ 「通信システム」について 甲1発明の「空調システム」の「部分ネットワーク103」及び「接続ネットワーク104」が通信のためのものであることは明らかであるから、甲1発明の「空調システム」は、「通信システム」といえる。 したがって、本件発明1と甲1発明は、「通信システム」である点で共通する。 エ 前記ア~ウによれば、本件発明1と甲1発明とは、次の一致点、相違点があるといえる。 <一致点> 「複数の電子機器の配線の敷設状況に基づいて形成される複数のネットワークのうち、一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器を対応付ける、通信システム。」 <相違点> [相違点1] 「複数の電子機器の配線」が、本件発明1は、「複数の空間の構成に応じて敷設される」ものであるのに対し、甲1発明は、「部分ネットワーク103」の「バス」が、複数の空間の構成に応じて敷設されたものか明らかでない点。 [相違点2] 「一のネットワークに接続された第1電子機器及び第2電子機器」を、本件発明1は、「同一の空間に設置され、前記同一の空間を対象とする電子機器」として対応付けるのに対し、甲1発明は、同一の「部分ネットワーク103」に接続されているものとして対応付ける点。 [相違点3] 「第1電子機器及び第2電子機器」の「対応付け」が、本件発明1は、「第1電子機器及び第2電子機器」を「ペアリングする」ものであるのに対し、甲1発明は、「部分ネットワーク103」と「接続ネットワーク104」と間の「データ中継」の際に「送信の可否を判定」するためのものである点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み、相違点3について検討する。 ア 甲1発明において、一の「部分ネットワーク103」に接続された一以上の「機器」を対応付ける「アドレステーブル」は、前記(1)イ(エ)のとおり、「機器」をペアリングするためのものではない。 また、甲2記載技術も、「空調システム10」を構成する「室外機110」、「室内機120」等の機器をペアリングするものではない。 したがって、甲1発明に甲2記載技術を適用しても、相違点3に係る本件発明1の構成には至らない。 イ 前記(1)イ(エ)のとおり、甲1発明の「アドレステーブル」は、「部分ネットワーク103」と「接続ネットワーク104」との間の「データ中継」に用いられるものであり、ネットワーク間の「データ中継」は、機器の「ペアリング」とは技術的に類似ないし関連するものではないから、甲1発明の「アドレステーブル」を機器の「ペアリング」に転用することは、当業者が容易に想到し得るものではない。 さらに、甲1発明の「アドレステーブル」は、「コリジョンドメインの分割を実施する」([0015])ための「ブリッジ機能」に付随するものであって、該「ブリッジ機能」は、「コリジョンドメインの分割ができない室外機を含む空調システムであっても、コリジョンドメインを分割し通信帯域を効率的に使用する」([0005])との課題を解決する手段である。そのため、甲1発明において、該「ブリッジ機能」のための「アドレステーブル」を、機器の「ペアリング」に転用することは、阻害事由があるといえる。 上記の点は、その他の証拠の存在によっても左右されない。 ウ 前記ア及びイのとおり、相違点3に係る本件発明1の構成は、甲1発明及び甲2記載技術とに基づいて当業者が容易に想到し得たものではない。 (3)小括 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲2記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3-2 本件発明2、12及び13について 本件発明2も、相違点3に係る本件発明1の構成と同一の構成を備えるから、甲1発明及び甲2記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 また、本件発明12は、本件発明1に対応する方法の発明であり、本件発明13は、本件発明1に対応するプログラムの発明であり、両者とも、相違点3に係る本件発明1の構成に対応する構成を備えるものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲1発明及び甲2記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 3-3 申立人の主張について 申立人は、令和5年7月18日に提出した意見書において、本件発明1、12及び13の「ペアリングする」を、(a)訂正前の「対応付ける」と同様の内容を言い換えたものである、または、(b)二つの電子機器を組み合わせることを意味する、と解釈した上で、本件発明1、12及び13は、甲1発明及び甲2記載技術から当業者が容易に発明をすることができたものであると主張する。 しかしながら、本件発明1、12及び13の「ペアリングする」は、前記第2、2に示したとおり、機器同士で通信をすることができるように、該機器同士を対応付けることを意味し、前記第2、3のとおり、本件訂正前の「対応付ける」の内容を限定したものと認められ、訂正前の「対応付ける」と同義ではなく、また、二つの電子機器を組み合わせることを意味するものでもない。 したがって、上記(a)または(b)の解釈を前提とする申立人の主張は採用することができない。 4 まとめ 以上のとおりであるから、本件発明1~13に係る特許は、取消理由通知書で通知した取消理由によって、取り消すことはできない。 第6 取消理由通知において採用しなかった申立理由、申立人の主張について 1 取消理由通知において採用しなかった申立理由について 取消理由通知において採用しなかった申立理由は、請求項3~11についてのものである。 前記申立理由について検討すると、本件発明3~11は、相違点3に係る本件発明1の構成と同一の構成を備えるから、本件発明1と同様の理由により、甲1発明及び甲1~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 したがって、前記申立理由により請求項3~11に係る特許を取り消すことはできない。 2 申立人の主張について 申立人は、意見書において、本件発明1~13の「ペアリングする」の意味が不明であるから、本件発明1~13は明確でなく、特許法36条6項2号に規定する要件を満たさないと主張する。(意見書3~4頁) しかしながら、前記第2、2に示したとおり、本件発明1~13の「ペアリングする」とは、機器同士を対応付けて、該機器の間で通信ができるようにすることと把握される。 したがって、本件発明1~13は明確でないとはいえないから、申立人の上記主張を採用することはできない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知書で通知した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1~13に係る特許を取り消すことはできない。さらに、他に請求項1~13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-701140

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