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特許異議申立

2024-700910

デバイス管理装置及びプログラム

審判番号
2024-700910
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2023-096729
登録番号
7457271
請求日
2024年09月20日
審決日
2025年06月02日
公報発行日
2025年09月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社バッファロー
  • 【権利者代理人】竹居 信利
  • 【異議申立人】南 ヒメ子
審判長/審判官
  • 審判長 篠塚 隆
  • 審判官 梅本 章子
  • 審判官 野崎 大進
分類
P1651.537-YAA(H04L) / P1651.113-YAA(H04L) / P1651.121-YAA(H04L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第36条第6項第2号、特許法第44条第1項、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7457271号発明「デバイス管理装置及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7457271号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、6について訂正することを認める。 特許第7457271号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7457271号(以下、「本件特許」という。)の請求項の1-6に係る特許についての出願は、平成31年1月30日を出願日とする特許出願である特願2019-14849号の一部を、特許法第44条第1項の規定により令和5年6月13日に出願したものであって、令和6年3月19日に特許権の設定登録がされ、令和6年3月28日に特許掲載公報が発行された。 本件特許異議の申立ての経緯は、以下のとおりである。 令和6年 9月20日 特許異議申立人 南 ヒメ子(以下、「申立 人」という。)による請求項1-6に係る特 許に対する特許異議申立書(以下、「申立 書」という。)の提出 令和6年12月24日付け 取消理由通知 令和7年 2月21日 特許権者による意見書、訂正請求書の提出 令和7年 3月 5日 手続補正書(方式)の提出 令和7年 3月11日付け 意見書、訂正請求書の副本を申立人に送付し 期間を指定して意見を求めたが、指定された 期間内に申立人からの応答はなかった。 第2 訂正の可否 1 訂正の内容 本件訂正請求の趣旨は、特許第7457271号の特許請求の範囲を、令和7年2月21日に提出した訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1-6について訂正することを求める、というものであり、訂正の内容は、以下の(1)-(2)からなる(下線は、訂正箇所を示す)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「ネットワークデバイスを管理するデバイス管理装置であって、 ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段と、 ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段と、 前記ネットワークデバイスのグループであるデバイスグループを規定する規定情報を、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段と、 管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付ける関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段と、」 と記載されているのを、 「ネットワークデバイスをデバイスグループ単位で管理し、ユーザをユーザグループ単位で管理するデバイス管理装置であって、 ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段と、 ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を含み、ユーザの認証に用いられるアクセス権限情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段と、 前記ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定する規定情報を設定し、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段と、 管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付けて登録し、デバイスグループを規定する情報に登録されたネットワークデバイスを特定するデバイス特定情報を関連付けた関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段と、」 に訂正するものである(請求項1の記載を引用する請求項2から5も同様に訂正するものである。)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項6に 「ネットワークデバイスを管理するデバイス管理装置を、 ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段と、 ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段と、 前記ネットワークデバイスのグループであるデバイスグループを規定する規定情報を、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段と、 管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付ける関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段と、」 と記載されているのを、 「ネットワークデバイスをデバイスグループ単位で管理し、ユーザをユーザグループ単位で管理するデバイス管理装置を、 ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段と、 ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を含み、ユーザの認証に用いられるアクセス権限情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段と、 前記ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定する規定情報を設定し、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段と、 管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付けて登録し、デバイスグループを規定する情報に登録されたネットワークデバイスを特定するデバイス特定情報を関連付けた関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段と、」 に訂正するものである。 2 一群の請求項について 訂正前の請求項1から5について、請求項2から5は請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1から5に対応する訂正後の請求項1から5は、特許法第120条の5第4項に規定される一群の請求項であるといえる。 3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について (ア)訂正事項1-1 訂正事項1のうち、訂正前の請求項1における「ネットワークデバイスを管理するデバイス管理装置」の部分を「ネットワークデバイスをデバイスグループ単位で管理し、ユーザをユーザグループ単位で管理するデバイス管理装置」とする訂正は、「デバイス管理装置」が「ネットワークデバイスを管理する」ことを、「デバイスグループ単位で管理」すること、および、「ユーザ」を「ユーザグループで管理」することに、技術的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定される「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるといえる。 (イ)訂正事項1-2 訂正事項1のうち、訂正前の請求項1における「ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段」の部分を「ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を含み、ユーザの認証に用いられるアクセス権限情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段」とする訂正は、「管理権限特定情報を関連付けて保持する手段」を技術的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定される「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるといえる。 (ウ)訂正事項1-3 訂正事項1のうち、訂正前の請求項1における「前記ネットワークデバイスのグループであるデバイスグループを規定する情報を、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段」の部分を「前記ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定する情報を設定し、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段」とする訂正は、「規定情報保持手段」を技術的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定される「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるといえる。 (エ)訂正事項1-4 訂正事項1のうち、訂正前の請求項1における「管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付ける関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段」の部分を「管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付けて登録し、デバイスグループを規定する情報に登録されたネットワークデバイスを特定するデバイス特定情報を関連付けた関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段」とする訂正は、「デバイスグループ情報保持手段」を技術的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定される「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるといえる。 (オ)小括 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであると認められる。 イ 実質上の拡張・変更の有無 前記アの訂正事項1の目的からみて、訂正後の請求項1は、訂正前の請求項1に係る発明の構成を技術的に限定したものであり、発明のカテゴリーや対象を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものでないといえる。 同様に、訂正後の請求項2ないし5は、訂正後の請求項1を引用することで、訂正前の請求項2ないし5に係る発明をより技術的に限定したものであり、訂正後の請求項2ないし5は、発明のカテゴリーや対象を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものでないといえる。 よって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであると認められる。 ウ 新規事項の追加の有無 (ア)本件特許の明細書(以下、「本件明細書」という。)には、上記アの各訂正事項1-1ないし1-4に関して、以下の記載がある。(下線は当審が付加した。) a 訂正事項1-1 「【0040】 本実施の形態のデバイス管理装置10では、ユーザは、ユーザグループ単位で管理され、ネットワークデバイス30は、デバイスグループ単位で管理される。これは次のような理由に基づく。すなわち、管理組織が業者である場合、その管理組織では、デバイス管理装置10を用いて、複数の顧客組織のネットワークデバイス30を管理することも想定される。この場合、管理の対象となるネットワークデバイス30の数が多くなって、例えばデバイス管理装置10が、あるアカウントの管理画面において、管理の対象となるネットワークデバイス30を区別せずに表示していると、あるネットワークデバイス30に障害が発生していることは理解できても、そのネットワークデバイス30がどの顧客のものかが分かりにくい。また、顧客組織ごとのデバイスの運用状況を参照することも容易でない。 【0041】 つまり、本実施の形態のデバイス管理装置10では、どのネットワークデバイスがどの顧客組織のものかを、機械的に区別可能としておくことが望ましい。管理組織では、顧客組織ごとに別々のアカウントオーナーを設定することはできるが、それでは顧客組織ごとにアカウントを切り替える必要があって、手間となる。 【0042】 そこで本実施の形態のデバイス管理装置10では、ユーザを、ユーザグループ単位で管理し、ネットワークデバイス30を、デバイスグループ単位で管理することとしている。」 b 訂正事項1-2 「【0043】 アクセス管理部110は、後に説明する、ユーザグループのいずれかを識別するユーザグループ識別情報に対して、ユーザ名とパスワードとを互いに関連付けたユーザアクセス権限情報を少なくとも一つ含むアクセス権限情報を関連付けて保持する。このアクセス権限情報は、デバイス管理装置10の管理者により登録・変更・削除が行われる(一般的なウェブサービス等におけるユーザ登録等の方法により、管理者の人為的操作なしに登録・変更・削除が行われてもよい)。」 c 訂正事項1-3 「【0050】 デバイスグループ規定情報保持部112は、ネットワークデバイス30のグループであるデバイスグループを規定する情報を、ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて少なくとも一つ記憶部12に格納する。本実施の形態においてデバイスグループを規定する情報は、デバイスグループごとに固有に発行された、デバイスグループを識別するデバイスグループ識別情報であるものとする。このデバイスグループ識別情報は、デバイスグループごとに固有に設定されるもので、一例としてはユーザグループ識別情報とデバイスグループ名とを連接した文字列のハッシュ値などとしておく。」 d 訂正事項1-4 「【0053】 デバイスグループ情報保持部114は、制御の対象となるネットワークデバイス30のそれぞれを、デバイスグループの少なくとも一つに関連付ける関連付け情報を保持する。具体的に本実施の形態では、このデバイスグループ情報保持部114により、デバイスグループ識別情報に対して、当該デバイスグループ識別情報で識別されるデバイスグループのメンバーとなる、少なくとも一つのネットワークデバイス30を特定するデバイス特定情報が関連付けて記録される。ここでデバイス特定情報は、各ネットワークデバイス30に固有に割り当てられた情報であり、例えば製品のシリアル番号や、製品が備えるネットワークインタフェースのMACアドレスなど、各ネットワークデバイス30を一意に特定できるものであればよい。」 (イ)小括 したがって、訂正事項1は本件明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的について (ア)訂正事項2-1 訂正事項2のうち、訂正前の請求項6における「ネットワークデバイスを管理するデバイス管理装置」の部分を「ネットワークデバイスをデバイスグループ単位で管理し、ユーザをユーザグループ単位で管理するデバイス管理装置」とする訂正は、「デバイス管理装置」が「ネットワークデバイスを管理する」ことを、「デバイスグループ単位で管理」すること、および、「ユーザ」を「ユーザグループで管理」することに、技術的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定される「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるといえる。 (イ)訂正事項2-2 訂正事項2のうち、訂正前の請求項6における「ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段」の部分を「ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を含み、ユーザの認証に用いられるアクセス権限情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段」とする訂正は、「管理権限特定情報を関連付けて保持する手段」を技術的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定される「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるといえる。 (ウ)訂正事項2-3 訂正事項2のうち、訂正前の請求項6における「前記ネットワークデバイスのグループであるデバイスグループを規定する情報を、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段」の部分を「前記ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定する情報を設定し、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段」とする訂正は、「規定情報保持手段」を技術的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定される「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるといえる。 (エ)訂正事項2-4 訂正事項2のうち、訂正前の請求項6における「管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付ける関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段」の部分を「管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付けて登録し、デバイスグループを規定する情報に登録されたネットワークデバイスを特定するデバイス特定情報を関連付けた関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段」とする訂正は、「デバイスグループ情報保持手段」を技術的に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定される「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるといえる。 (オ)小括 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであると認められる。 イ 実質上の拡張・変更の有無 前記アの訂正事項2の目的からみて、訂正後の請求項6は、訂正前の請求項6に係る発明を技術的に限定したものであり、発明のカテゴリーや対象を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものでないといえる。 よって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであると認められる。 ウ 新規事項の追加の有無 (ア)本件特許の明細書(以下、「本件明細書」という。)には、上記アの各訂正事項2-1ないし2-4に関して、以下の記載がある。(下線は当審が付加した。) a 訂正事項2-1 「【0040】 本実施の形態のデバイス管理装置10では、ユーザは、ユーザグループ単位で管理され、ネットワークデバイス30は、デバイスグループ単位で管理される。これは次のような理由に基づく。すなわち、管理組織が業者である場合、その管理組織では、デバイス管理装置10を用いて、複数の顧客組織のネットワークデバイス30を管理することも想定される。この場合、管理の対象となるネットワークデバイス30の数が多くなって、例えばデバイス管理装置10が、あるアカウントの管理画面において、管理の対象となるネットワークデバイス30を区別せずに表示していると、あるネットワークデバイス30に障害が発生していることは理解できても、そのネットワークデバイス30がどの顧客のものかが分かりにくい。また、顧客組織ごとのデバイスの運用状況を参照することも容易でない。 【0041】 つまり、本実施の形態のデバイス管理装置10では、どのネットワークデバイスがどの顧客組織のものかを、機械的に区別可能としておくことが望ましい。管理組織では、顧客組織ごとに別々のアカウントオーナーを設定することはできるが、それでは顧客組織ごとにアカウントを切り替える必要があって、手間となる。 【0042】 そこで本実施の形態のデバイス管理装置10では、ユーザを、ユーザグループ単位で管理し、ネットワークデバイス30を、デバイスグループ単位で管理することとしている。」 b 訂正事項2-2 「【0043】 アクセス管理部110は、後に説明する、ユーザグループのいずれかを識別するユーザグループ識別情報に対して、ユーザ名とパスワードとを互いに関連付けたユーザアクセス権限情報を少なくとも一つ含むアクセス権限情報を関連付けて保持する。このアクセス権限情報は、デバイス管理装置10の管理者により登録・変更・削除が行われる(一般的なウェブサービス等におけるユーザ登録等の方法により、管理者の人為的操作なしに登録・変更・削除が行われてもよい)。」 c 訂正事項2-3 「【0050】 デバイスグループ規定情報保持部112は、ネットワークデバイス30のグループであるデバイスグループを規定する情報を、ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて少なくとも一つ記憶部12に格納する。本実施の形態においてデバイスグループを規定する情報は、デバイスグループごとに固有に発行された、デバイスグループを識別するデバイスグループ識別情報であるものとする。このデバイスグループ識別情報は、デバイスグループごとに固有に設定されるもので、一例としてはユーザグループ識別情報とデバイスグループ名とを連接した文字列のハッシュ値などとしておく。」 d 訂正事項2-4 「【0053】 デバイスグループ情報保持部114は、制御の対象となるネットワークデバイス30のそれぞれを、デバイスグループの少なくとも一つに関連付ける関連付け情報を保持する。具体的に本実施の形態では、このデバイスグループ情報保持部114により、デバイスグループ識別情報に対して、当該デバイスグループ識別情報で識別されるデバイスグループのメンバーとなる、少なくとも一つのネットワークデバイス30を特定するデバイス特定情報が関連付けて記録される。ここでデバイス特定情報は、各ネットワークデバイス30に固有に割り当てられた情報であり、例えば製品のシリアル番号や、製品が備えるネットワークインタフェースのMACアドレスなど、各ネットワークデバイス30を一意に特定できるものであればよい。」 (イ)小括 したがって、訂正事項2は本件明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 4 独立特許要件について 本件は、訂正前の全ての請求項1-6について特許異議の申立てがされているので、訂正事項1および2について、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 5 小括 上記のとおり、訂正事項1および2に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 よって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、請求項6について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件特許発明 訂正後の本件特許の請求項1-6に係る発明(以下、それぞれ、「本件訂正発明1」ないし「本件訂正発明6」という。)は、令和7年2月21日に提出された訂正特許請求の範囲に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。(説明の便宜のため、当審で<A>~<H>と分説した。) 「【請求項1】 <A> ネットワークデバイスをデバイスグループ単位で管理し、ユーザをユーザグループ単位で管理するデバイス管理装置であって、 <B> ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段と、 <C> ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を含み、ユーザの認証に用いられるアクセス権限情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段と、 <D> 前記ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定する規定情報を設定し、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段と、 <E> 管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付けて登録し、デバイスグループを規定する情報に登録されたネットワークデバイスを特定するデバイス特定情報を関連付けた関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段と、 <F> 前記ユーザの管理権限特定情報に基づき、ユーザによるデバイス管理装置の保持する情報の設定を行う設定手段と、 を含み、 <G> 前記ユーザにより設定される、デバイス管理装置が保持する情報は、前記ユーザグループのメンバーとなる少なくとも一名分のユーザを特定するユーザ特定情報を含み、 <H> 前記設定手段は、ユーザが予め定められた管理権限を備えている場合に、その指示に従い、ユーザグループに関連付けて予め定められた管理権限を備えないユーザの設定を行うデバイス管理装置。 【請求項2】 請求項1に記載のデバイス管理装置であって、 前記管理の対象となったネットワークデバイスの状態を示す情報である機器状態情報を受信する手段をさらに含み、 前記機器状態情報を、前記管理の対象となったネットワークデバイスを特定するデバイス特定情報に関連付けて前記管理情報の一部として蓄積するデバイス管理装置。 【請求項3】 請求項1または2に記載のデバイス管理装置であって、 前記管理情報に対する操作には、前記管理情報に対する閲覧操作を含むデバイス管理装置。 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス管理装置であって、 前記ユーザグループには、他のユーザグループに属するユーザの少なくとも一部が属するものとして設定されるサブグループであるユーザグループを含むデバイス管理装置。 【請求項5】 請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス管理装置であって、 前記デバイスグループには、他のデバイスグループに属するネットワークデバイスの少なくとも一部が属するものとして設定されるサブグループであるデバイスグループを含むデバイス管理装置。 【請求項6】 ネットワークデバイスをデバイスグループ単位で管理し、ユーザをユーザグループ単位で管理するデバイス管理装置を、 ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段と、 ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を含み、ユーザの認証に用いられるアクセス権限情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段と、 前記ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定する規定情報を設定し、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段と、 管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付けて登録し、デバイスグループを規定する情報に登録されたネットワークデバイスを特定するデバイス特定情報を関連付けた関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段と、 前記ユーザの管理権限を特定する情報に基づき、ユーザによるデバイス管理装置の保持する情報の設定を行う設定手段と、 として機能させ、 前記ユーザにより設定される、デバイス管理装置が保持する情報は、前記ユーザグループのメンバーとなる少なくとも一名分のユーザを特定するユーザ特定情報を含み、前記設定手段として機能させる際には、コンピュータに、ユーザが予め定められた管理権限を備えている場合に、その指示に従い、ユーザグループに関連付けて予め定められた管理権限を備えないユーザの設定を行わせるプログラム。」 第4 申立理由の概要 申立人は、特許異議申立書(以下、「申立書」という。)において、概略、以下の理由1ないし3により、本件特許発明1-6についての特許を、取り消すべきである旨主張している。 1 理由1(明確性:特許法第36条第6項第2号) (1)「ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段」について 請求項1の「ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段」という記載において、「ユーザのグループ」が単独の人であるのか、必ず2人以上の人を含むものであるのか、役割が異なる複数の人であるのか、また、ユーザグループ情報保持手段が、アドミニストレータグループとして、1人の管理者を設ける場合でもよいのか、アドミニストレータグループとして、2人の管理者を設ける場合でもよいのか、当業者が理解できるように記載されていない。 仮にアドミニストレータグループとして、1人の管理者を設けることが含まれると仮定すると、下記の図1の状態が含まれる。 [図:0001426834000001.jpg] したがって、請求項1に記載の「ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段」は、明細書および図面を参酌したとしても、当業者が理解できるように記載されていない。 (申立書第13頁1行~第14頁4行) (2)「前記ネットワークデバイスのグループであるデバイスグループを規定する規定情報を、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段」について 請求項1の「前記ネットワークデバイスのグループであるデバイスグループを規定する規定情報を、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段」という記載には、以下の図2および図3の状態が含まれることとなり、当業者が理解できるように記載されていない。 [図:0001426834000002.jpg] [図:0001426834000003.jpg] よって、請求項1に係る発明は、不明確であり、請求項1を引用する請求項2~5に係る発明、および、請求項6に係る発明も同様に不明確である。 (申立書第14頁5行~第16頁6行) 2 理由2(新規性:特許法第29条第1項第3号) (1)甲第1号証に基づく新規性 申立人は、主たる証拠として甲第1号証(特表2014-502380号公報)を提出し、以下のように主張している。 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1は、甲第1号証(特表2014-502380号公報)に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第16頁下から8行~第54頁下から9行) イ 本件特許発明2について 本件特許発明2は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第133頁下から4行~第137頁4行) ウ 本件特許発明3について 本件特許発明3は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第139頁19行~第142頁1行) エ 本件特許発明4について 本件特許発明4は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第148頁16行~第150頁下から4行) オ 本件特許発明5について 本件特許発明5は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第165頁13行~第167頁10行) カ 本件特許発明6について 本件特許発明6は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第180頁下から4行~第181頁4行) (2)甲第2号証に基づく新規性 申立人は、主たる証拠として甲第2号証(「HITACHI IT Operations Director’s 導入・設計ガイド 解説・手引・操作書」)を提出し、以下のように主張している。 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1は、甲第2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第54頁下から3行~第80頁下から10行) イ 本件特許発明3について 本件特許発明3は、甲第2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第142頁7行~第144頁16行) ウ 本件特許発明4について 本件特許発明4は、甲第2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第151頁3行~第158頁下から2行) エ 本件特許発明5について 本件特許発明5は、甲第2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第167頁16行~第170頁下から4行) オ 本件特許発明6について 本件特許発明6は、甲第2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第180頁下から4行~第181頁4行) (3)甲第3号証に基づく新規性 申立人は、主たる証拠として甲第3号証(米国特許出願公開第2012/0304189号明細書)を提出し、以下のように主張している。 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1は、甲第3号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第80頁下から4行~第104頁下から5行) イ 本件特許発明2について 本件特許発明2は、甲第3号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第137頁10行~第139頁13行) ウ 本件特許発明4について 本件特許発明4は、甲第3号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第159頁5行~第160頁最終行) エ 本件特許発明5について 本件特許発明5は、甲第3号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第171頁3行~第175頁最終行) オ 本件特許発明6について 本件特許発明6は、甲第3号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第180頁下から4行~第181頁4行) (4)甲第4号証に基づく新規性 申立人は、主たる証拠として甲第4号証(特開2006-185386号公報)を提出し、以下のように主張している。 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1は、甲第4号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第105頁2行~第119頁下から7行) イ 本件特許発明3について 本件特許発明3は、甲第4号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第144頁22行~第148頁10行) ウ 本件特許発明4について 本件特許発明4は、甲第4号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第161頁6行~第165頁7行) エ 本件特許発明5について 本件特許発明5は、甲第4号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第176頁6行~第180頁下から10行) オ 本件特許発明6について 本件特許発明6は、甲第4号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第180頁下から4行~第181頁4行) 3 理由3(進歩性:特許法第29条第2項) (1)甲第1号証および周知技術に基づく進歩性 申立人は、主たる証拠として甲第1号証を提出し、周知技術を例示する従たる証拠として甲第2号証~甲第5号証(甲第5号証:特開2002-196996号公報)を提出して、以下のように主張している。 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第54頁下から9行~下から4行) イ 本件特許発明2について 本件特許発明2は、甲第1号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第137頁4~9行) ウ 本件特許発明3について 本件特許発明3は、甲第1号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第142頁1~6行) エ 本件特許発明4について 本件特許発明4は、甲第1号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第150頁下から4行~第151頁2行) オ 本件特許発明5について 本件特許発明5は、甲第1号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第167頁10~15行) カ 本件特許発明6について 本件特許発明6は、甲第1号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第181頁4~9行) (2)甲第2号証および周知技術に基づく進歩性 申立人は、主たる証拠として甲第2号証を提出し、周知技術を例示する従たる証拠として甲第1号証、甲第3号証~甲7号証を提出して、以下のように主張している。 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1は、甲第2号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第80頁下から5~10行) イ 本件特許発明3について 本件特許発明3は、甲第2号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第144頁16~21行) ウ 本件特許発明4について 本件特許発明4は、甲第2号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第158頁下から2行~第159頁4行) エ 本件特許発明5について 本件特許発明5は、甲第2号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第170頁下から4~第171頁2行) オ 本件特許発明6について 本件特許発明6は、甲第2号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第181頁4~9行) (3)甲第3号証および周知技術に基づく進歩性 申立人は、主たる証拠として甲第3号証を提出し、周知技術を例示する従たる証拠として甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証~甲7号証を提出して、以下のように主張している。 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1は、甲第3号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第104頁下から5行~第105頁1行) イ 本件特許発明2について 本件特許発明2は、甲第3号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第139頁13~18行) ウ 本件特許発明4について 本件特許発明4は、甲第3号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第160頁最終行~161頁5行) エ 本件特許発明5について 本件特許発明5は、甲第3号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第175頁最終行~176頁5行) オ 本件特許発明6について 本件特許発明6は、甲第3号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第181頁4~9行) (4)甲第4号証および周知技術に基づく進歩性 申立人は、主たる証拠として甲第4号証を提出し、周知技術を例示する従たる証拠として甲第1号証~甲第3号証、甲第5号証を提出して、以下のように主張している。 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1は、甲第4号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第119頁下から7行~下から2行) イ 本件特許発明3について 本件特許発明3は、甲第4号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第148頁10~15行) ウ 本件特許発明4について 本件特許発明4は、甲第4号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第165頁7~12行) エ 本件特許発明5について 本件特許発明5は、甲第4号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第180頁下から10行~下から5行) オ 本件特許発明6について 本件特許発明6は、甲第4号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書第181頁4~9行) (5)甲第5号証および周知技術に基づく進歩性 申立人は、主たる証拠として甲第5号証(特開2002-196996号公報)を提出し、周知技術を例示する従たる証拠として甲第1号証~甲第4号証を提出して、以下のように主張している。 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1は、甲第5号証に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (申立書119頁下から1行~133頁下から5行) 第5 取消理由の概要 訂正前の請求項1-6に係る特許に対して、当審が令和6年12月24日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 (進歩性)本件特許の請求項1-6に係る発明は、下記の引用文献1に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、当該請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 <引用文献等一覧> 1.「Hitachi IT Operations Director 導入・設計ガイド」,日立ソフトウェアマニュアル[CD-ROM],2016年3月30日(甲第2号証) 第6 引用文献および甲号証 1 引用文献1(甲第2号証) (1)引用文献1(甲第2号証)の記載 申立人が主たる証拠として提出し、当審が取消理由通知で引用した引用文献1(甲第2号証)には、以下の記載がある(下線は、注目箇所に当審が付した。以下、同様。)。 ア (22ページ) 「1.1 製品概要 社会の情報化が進む昨今では、組織を効率良く運営したり、運営コストを削減したりするために、IT機器の必要性が高まっています。しかし、社会の情報化が高度になるにつれて、多大な導入機器の状態把握や詳細なセキュリティ設定・対策方法の理解が必要になるなど、IT機器の管理の難易度も高くなってきています。 このような状況で、どのようにしてIT機器を効率良く、正確に管理するかが重要な課題となっています。 Hitachi IT Operations Directorは、業務に沿ったわかりやすい操作性、シンプルな設定項目やスケジューリングによる自動化機能を備え、セキュリティ管理や資産管理の観点からIT機器の管理を支援します。 Hitachi IT Operations Directorを導入することで、難易度の高いIT機器の管理業務に対する管理者の負荷を軽減し、組織のスムーズな運用を実現できます。」 イ (28ページ) 「1.2 システム構成要素の紹介 このマニュアルでは、Hitachi IT Operations Directorで管理するシステムを説明するに当たり、Hitachi IT Operations Directorがインストールされたサーバやコンピュータ、ネットワーク機器などの、システムを構成する各要素の呼び方を定義しています。 Hitachi IT Operations Directorの基本的なシステム構成要素の定義を次の表に示します。 [図:0001426834000004.jpg] 」 ウ (32ページ) 「1.3 操作画面の紹介 Hitachi IT Operations Directorでは、上部のボタンで画面を切り替えて各機能を使用します。目的に応じて操作画面を選択してください。 [図:0001426834000005.jpg] 各画面でできることを次に示します。 ホーム画面 ホーム画面では、Hitachi IT Operations Directorで管理している情報の概況を各パネルで確認できます。また、各パネルからほかの画面に移動して、管理作業を始められます。 セキュリティ画面 セキュリティ画面では、セキュリティポリシーをコンピュータに割り当ててセキュリティ状況を管理したり、セキュリティ状況に問題があるコンピュータに対策を実行したりできます。また、操作ログを管理して不審な操作について調査することもできます。 資産画面 資産画面では、ハードウェア資産、ソフトウェアライセンスの状態や棚卸日を管理したり、契約情報と関連づけてコストを管理したりできます。組織内の資産を一覧で把握して、効率的な資産運用を実現できます。 機器画面 機器画面では、管理対象の機器の機器情報やソフトウェア情報を確認したり、機器に対する操作を実行したりできます。 配布画面 配布画面では、コンピュータに必要なソフトウェアを配布してインストールしたり、不要なソフトウェアをアンインストールしたりできます。また、ソフトウェアだけではなく必要なファイルを配布することもできます。 イベント画面 イベント画面では、Hitachi IT Operations Directorの運用中に発生したイベントを確認できます。 レポート画面 レポート画面では、ダイジェストレポート、セキュリティ診断レポート、セキュリティ詳細レポート、機器詳細レポート、および資産詳細レポートを確認できます。 設定画面 設定画面では、ユーザーアカウントやエージェント設定などHitachi IT Operations Directorの各種設定をカスタマイズできます。また、機器の探索やエージェントの配信なども、この画面から実行できます。」 エ (39ページ) 「1.3.4 資産画面でできること 資産画面では、組織内で管理している機器、ソフトウェアライセンス、契約などの資産情報をまとめて管理できます。各資産を一覧化して台帳のように管理できるほか、資産情報同士の関係を定義することで、機器に対して結んでいる契約を即座に把握したり、ソフトウェアライセンスの利用状況を把握したりできるため、資産管理業務の効率化を図れます。 資産画面には次に示す画面があります。 ・[サマリ]画面 ・[ハードウェア資産]画面 ・[ソフトウェアライセンス]画面 ・[管理ソフトウェア]画面 ・[ソフトウェアライセンス状況]画面 ・[契約]画面」 オ (40ページ) 「[ハードウェア資産]画面 組織内のコンピュータやプリンタ、ネットワーク装置などのハードウェア資産の情報を管理できます。 また、ハードウェア資産に契約情報を関連づけることもできます。契約情報を関連づけると、ハードウェア資産の契約費用や契約期間などを把握できます。 [図:0001426834000006.jpg] インフォメーションエリアの上部で選択したハードウェア資産の詳細情報が、下部のタブに表示されます。ハードウェア資産に対応する契約、関連する資産、対応する機器などを確認できます。 なお、ハードウェア資産情報が機器情報と関連づいている場合、ハードウェア資産情報のうちの[機器情報]は、収集された機器情報で自動的に更新されます。」 カ (51-53ページ) 「1.3.9 設定画面でできること 設定画面では、ユーザーアカウントやエージェント設定などHitachi IT Operations Directorの各種設定をカスタマイズできます。また、機器の探索やエージェントの配信なども、この画面から実行できます。 各画面について以降で説明します。 [設定一覧]画面 設定画面でできることを一覧で確認できます。この画面から、各設定画面に移動して環境をカスタマイズできます。 [図:0001426834000007.jpg] [サイトマップ]画面 Hitachi IT Operations Directorの主な画面を一覧で確認できます。各リンクをクリックすると、直接その画面を表示できます。目的の画面の場所がわからなくなってしまった場合に、この画面から探して表示すると便利です。 [図:0001426834000008.jpg] 各設定画面 [ユーザー管理]画面 Hitachi IT Operations Directorのユーザーアカウントを追加、編集、および削除できます。 [エージェント]画面 エージェント設定の作成と編集、およびインストールセットの作成ができます。また、エージェントを配信したり、各エージェントにエージェント設定を割り当てたりできます。 [機器の探索]画面 機器の探索条件を設定したり、探索を即時実行したりできます。また、機器を管理対象にして、Hitachi IT Operations Directorでの機器の管理を始められます。 [ネットワーク制御]画面 新規に発見した機器をネットワークに接続するかどうかを、ネットワークセグメントごとに設定できます。また、ネットワーク制御リストに関する設定もできます。 [セキュリティ管理]画面 管理対象のコンピュータのセキュリティ状況を判定するスケジュールを設定できます。また、操作ログの自動取り込みとエクスポートに関する設定もできます。 [資産管理]画面 資産情報の管理項目を設定できます。また、契約会社一覧の情報を追加、編集、および削除できます。 なお、資産情報をCSVファイルからインポートした場合は、資産情報のインポート状況および結果を確認できます。 [機器]画面 Windowsの[プログラムと機能]に表示されないソフトウェアの検索条件を追加、編集、および削除できます。また、Hitachi IT Operations DirectorでAMTを使用するための設定や、変更履歴を取得するための設定もできます。 [レポート]画面 レポートの保存期間および開始日を設定できます。また、ダイジェストレポートを送付するユーザーを設定できます。 [イベント]画面 イベント発生時に通知するユーザー、通知対象にするイベントの重大度や種類、通知対象から外すイベントを設定できます。 [他システムとの接続]画面 メールサーバ、Active Directory、サポートサービス、Hitachi IT Operations Analyzer、および MDMシステムとの接続を設定できます。 [製品ライセンス]画面 Hitachi IT Operations Directorのライセンス情報の確認やライセンスの追加ができます。」 キ (62-63ページ) 「2.3 ユーザーアカウントの管理 複数の管理者がHitachi IT Operations Directorを使用する場合、管理者ごとにHitachi IT Operations Directorのユーザーアカウントを作成できます。 ユーザーアカウントには、ユーザーの操作範囲や管理情報の開示範囲に応じて次の設定ができます。これらの設定を組み合わせたユーザーアカウントを作成すれば、複数の管理者での業務分担や内部統制を意識した運用ができます。 権限 情報を参照するだけの経営者、機器や資産を管理するシステム管理者、ユーザーアカウントを管理するシステム管理者など、ユーザーの操作範囲に応じて権限を設定できます。 業務分掌 セキュリティ管理、資産管理、機器管理などの業務単位で、権限をさらに限定できます。 管轄範囲 総務部、営業部、開発部などの部門単位で、管理情報の開示範囲を限定できます。 管理者ごとにユーザーアカウントを作成する例を、次の図に示します。 [図:0001426834000009.jpg] 権限の設定でユーザーアカウント管理権限が付与されているユーザーは、ユーザーアカウントを追加、編集、削除できます。 組織内でHitachi IT Operations Directorを利用するユーザーが変更になった場合は、ユーザーアカウントを追加、削除します。管理体制の変更に伴って、ユーザーアカウントのパスワードや権限を変更する場合は、ユーザーアカウントを編集します。なお、ユーザーアカウントのパスワードは定期的に変更する必要があります。パスワードの有効期限が迫ったら、ユーザーアカウントを割り当てられている管理者自身か、ユーザーアカウント管理権限を持つ管理者がパスワードを変更してください。」 ク (63ページ) 「2.3.2 ユーザーアカウントの権限 Hitachi IT Operations Directorのユーザーアカウントに設定できる権限には、次の3種類があります。 ・システム管理権限 ユーザーアカウントの管理を除いて、Hitachi IT Operations Directorのすべての機能が利用できる権限です。ユーザーアカウントの追加、編集、および削除以外のすべての操作を実行できます。 ・ユーザーアカウント管理権限 Hitachi IT Operations Directorのユーザーアカウントを管理できる権限です。 ユーザーアカウントを追加、編集、および削除できます。 ・参照権限 Hitachi IT Operations Directorが管理する情報を参照できる権限です。参照権限はデフォルトで付与されます。」 ケ (76ページ) 「2.3.6 ユーザーアカウントの管轄範囲 Hitachi IT Operations Directorのユーザーアカウントには、管理者が担当する部門に合わせて管轄範囲を設定できます。社内全体の機器数が多く、管理者1人ではすべての機器の管理が行き届かない場合、部門ごとに管理者を割り当てます。そうすると、部門ごとに割り当てられた管理者は、部門管理者として、部門に限定した機器、ハードウェア資産などを表示して管理できます。 ユーザーアカウントに管轄範囲を設定してそれぞれの管理者に割り当てる例を、次の図に示します。 [図:0001426834000010.jpg] 管理者 社内全体のシステムを管理します。管轄範囲を限定しないユーザーアカウントを割り当てることで、すべての部門の情報を表示できます。」 コ (77ページ) 「2.3.7 管轄範囲が限定されている場合の操作画面の差異 管轄範囲が限定されているユーザーアカウントでログインすると、その管轄範囲内の情報だけが表示され、実行できる操作を制限できます。管轄範囲が限定されている場合の操作画面の差異を次の表に示します。」 サ (161-162ページ) 「(21) 部署・設置場所の定義およびグループの仕組み 機器の利用者情報のうち、部署および設置場所の定義は、設定画面から編集できます。設定画面で追加した定義は、資産画面や機器画面のメニューエリアに自動でグループとして追加されます。職制変更や部署統合に伴い削除した定義は、資産画面と機器画面のメニューエリアから表示できる[旧体制で使われていた階層の削除]ダイアログで一覧表示し、一括で削除できます。 また、部署および設置場所のグループはメニューエリアで編集できます。 設定画面で定義を編集する場合と、メニューエリアでグループを編集する場合に実施できる操作とその結果を、それぞれ説明します。 設定画面で定義を編集する場合 設定画面では、次の編集を実施できます。 ・定義の追加 ・定義の削除 ・定義の名称変更 ・構成の変更(階層定義の場合だけ) 設定画面で編集する場合は、定義だけが更新の対象となり、機器の利用者情報は更新されません。定義の追加、定義の名称変更、構成の変更を実施した場合、定義を編集する前のグループがメニューエリアに残ったまま、編集した定義に対応するグループが新たに追加されます。また、定義を削除した場合も、削除前の定義に対応するグループは残ったままとなります。 設定画面で定義の名称変更および定義の削除を実施した場合に、メニューエリアおよび機器の利用者情報へ反映される結果を次の図に示します。 [図:0001426834000011.jpg] メニューエリアでグループを編集する場合 メニューエリアでは、次の編集を実施できます。 ・グループの名称変更 ・グループの削除 メニューエリアでグループを編集する場合、そのグループに登録されている機器の利用者情報もあわせて更新されます。また、グループに対応する定義も更新されます。 メニューエリアでグループの名称変更を実施した場合に、定義および機器の利用者情報へ反映される結果を次の図に示します。 [図:0001426834000012.jpg] 」 シ (401ページ) 「2.11.2 ハードウェア資産情報の管理 資産画面の[ハードウェア資産]画面で、ハードウェア資産情報を登録して管理できます。 機器を管理対象にすると、機器から収集された情報が機器画面の[機器情報]画面に表示されます。さらに、機器の情報は資産画面の[ハードウェア資産]画面にも新規のハードウェア資産情報として自動的に登録されます。ハードウェア資産情報が登録される流れを次の図に示します。 [図:0001426834000013.jpg] 自動的に登録されたハードウェア資産情報は、[資産状態]が「未確認」となっています。また、機器から収集できた情報だけが登録されています。このため、機器から自動的には収集されない[資産管理番号]、[資産状態](運用中、在庫など)、利用者情報などを、ハードウェア資産情報にあとから登録する必要があります。」 ス (402ページ) 「(1) 機器とハードウェア資産の関連づけ ハードウェア資産管理では、機器情報とハードウェア資産情報を関連づけて管理します。機器が管理対象になると、自動的にハードウェア資産情報が登録されて機器情報と関連づきますが、機器が管理対象になっていなかったり、ハードウェア資産情報だけを登録していたりすると、機器情報とハードウェア資産情報が関連づかない場合があります。 各契機に対応する、機器とハードウェア資産の関連づけの詳細を次の表に示します。 [図:0001426834000014.jpg] 」 セ (544ページ) 「4.4.1 最小構成 Hitachi IT Operations Directorで構築する最小構成のシステムについて説明します。最小構成のシステムは、1台の管理用サーバおよび管理対象となる機器で構成されます。最小構成を次の図に示します。 [図:0001426834000015.jpg] 設定したセキュリティポリシーに従って、管理用サーバはコンピュータのセキュリティ状況を診断します。セキュリティポリシーの設定やセキュリティ診断結果の確認には操作画面を使用します。操作画面はWebブラウザを使用して表示し、操作します。また、Webブラウザで管理用サーバにアクセスできる環境であれば、ログインして操作画面を操作できます。」 ソ (568-569ページ) 「4.6.2 内部統制を意識したユーザーアカウントの作成 内部統制を意識する場合、Hitachi IT Operations Directorの利用者の用途別に、利用できる機能を限定してユーザーアカウントを登録する必要があります。内部統制を意識して運用する場合の管理体制の例を次の表に示します。 [図:0001426834000016.jpg] この例に示す体制では、最初からHitachi IT Operations Directorを使用できるのはユーザーアカウント管理者だけです。システム管理者と経営者がHitachi IT Operations Directorを利用するためには、システムオーナーに利用申請をする必要があります。システムオーナーによって利用申請が承認されたら、ユーザーアカウント管理者が必要な権限を設定したユーザーアカウントを登録します。 ユーザーアカウントを登録する際の基本的な流れは次のとおりです。この流れでユーザーアカウントを登録することで、ユーザーの業務に則してシステムを運用できているかを客観的に判断できます。 1. Hitachi IT Operations Directorを利用したいユーザーが、システムオーナーに利用申請をする。 Hitachi IT Operations Directorで管理業務を実施したいシステム管理者や、管理している情報を参照したい経営者は、システムオーナーに利用申請をします。 2. システムオーナーが利用を承認する。 3. システムオーナーがユーザーアカウント管理者にユーザーアカウントの作成を依頼する。 4. ユーザーアカウント管理者が、ユーザーアカウントを作成する。 システム管理者にはシステム管理権限を設定します。また、経営者は参照だけできるように、権限は特に設定しません。 5. ユーザーアカウント管理者が、ユーザーアカウントの作成結果をシステムオーナーに報告する。 6. ユーザーアカウント管理者が、ユーザーアカウントを利用者に連絡する。 システム管理者および経営者は、機能を限定された状態でHitachi IT Operations Directorを利用できるようになります。 7. 定期監査でユーザーアカウントの登録状況をチェックする。 申請の証跡とユーザーアカウントの登録状況からシステムが正しく運用されているかを監査します。」 タ (575ページ) 「4.6.4 グループの検討 管理対象の機器やハードウェア資産情報をグループに分けて管理できます。どのようなグループに分けて管理するか、およびどのようにグループを作成するかを検討します。 グループを設定しておくと、次の内容をグループ単位に設定できます。 ・セキュリティポリシーの割り当て ・配布を実行するコンピュータの設定 ・レポートの集計範囲(ユーザー定義のグループを除く) ・エージェント設定の割り当て(ユーザー定義のグループを除く) グループの種類と管理方法を次の表に示します。 [図:0001426834000017.jpg] ここでは、次の内容を検討します。 1. グループの種類の検討 次のような場合は、ユーザー定義のグループで管理してください。ユーザー定義のグループで管理する場合は、グループの構成を検討してください。 ・追加管理項目の値を振り分け条件にして、グループを管理したい場合 ・追加管理項目の値とシステム分類のグループ(機器種別、ネットワーク、部署、設置場所)を振り分け条件にして、グループを管理したい場合 部署および設置場所のグループで管理する場合は、デフォルトでは自動でグループが作成されないため、グループの構成を検討してください。 機器種別およびネットワークのグループで管理する場合は、収集した情報を基に自動でグループが作成されるため、グループの構成の検討は不要です。 2. グループの構成の検討 ユーザー定義のグループは、どのような条件で機器を振り分けるかを検討してください。 部署および設置場所のグループは、ツリー構造で管理できます。どのような構造でグループを作成するか、組織内の部署の構成または機器の設置場所とあわせて検討してください。また、Active Directoryと連携している場合は、Active Directoryで管理しているグループ構成を部署情報として取り込むかどうかを検討してください。」 チ (597-599ページ) 「(3) ユーザーアカウントの設定のパラメーター 設定画面の[ユーザー管理]-[ユーザーアカウントの管理]画面のパラメーターを次に示します。 [図:0001426834000018.jpg] [図:0001426834000019.jpg] 注※1 使用できる文字は、半角英数字、および次に示す記号です。 「!」、「"」、「#」、「$」、「%」、「&」、「'」、「(」、「)」、「*」、「+」、「,」、「-」、「.」(ピリオド)、「/」、「:」、「;」、「<」、「=」、「>」、「?」、「@」、「[」、「]」、「^」、「_」、「`」、「{」、「|」、「}」、「~」、および半角スペース 注※2 ユーザーアカウントに設定するパスワードは、次のルールに沿って設定してください。 ・8文字以上、32文字以下 ・半角英数字、および次に示す記号を使用 「!」、「"」、「#」、「$」、「%」、「&」、「'」、「(」、「)」、「*」、「+」、「,」、「-」、「.」(ピリオド)、「/」、「:」、「;」、「<」、「=」、「>」、「?」、「@」、「[」、「]」、「^」、「_」、「`」、「{」、「|」、「}」、「~」、および半角スペース ・2種類以上の文字の組み合わせ ・ユーザーIDと異なる文字列 ・パスワードを変更する場合は、現在のパスワードと異なる文字列 注※3 システム管理権限とユーザーアカウント管理権限の両方がチェックされていない場合、ユーザーアカウントには参照権限だけが付与されます。」 ツ 上記キの図において、ユーザーアカウントA,B及びCの「管轄範囲」がいずれも「全体」となっており、ユーザーアカウントE及びFの「管轄範囲」がいずれも「開発部」となっていることから、複数の管理者のユーザーアカウントにそれぞれ同一の管轄範囲が設定され得ることが理解できる。 (2)引用発明(甲第2号証記載発明) 上記(1)の記載から、特に下線部に着目すると、引用文献1(甲第2号証)には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「管理用サーバで構成され、 Webブラウザで管理用サーバにアクセスできる環境から、ログインして操作画面を操作でき、 操作画面として資産画面及び設定画面を選択でき、 資産画面には[ハードウェア資産]画面があり、 [ハードウェア資産]画面では、組織内のネットワーク装置などのハードウェア資産の情報を管理でき、 資産画面にハードウェア資産を追加したとき、ハードウェア資産情報が登録され、 利用者情報を、ハードウェア資産情報に登録し、 ハードウェア資産情報をグループに分けて管理でき、 部署のグループは、ツリー構造で管理でき、 部署は、利用者情報の「部署」を基にグルーピングされ、 部署の定義は、設定画面から編集でき、設定画面で追加した定義は、資産画面のメニューエリアにグループとして追加され、 設定画面には、ユーザーアカウントを追加、編集、および削除できる[ユーザー管理]画面があり、 管理者ごとにユーザーアカウントを作成でき、ユーザーアカウントには、操作範囲に応じて権限を設定でき、総務部、営業部、開発部などの部門単位で、管理情報の開示範囲を限定できる管轄範囲の設定ができ、 ユーザーアカウントに設定できる権限には、ユーザーアカウントを追加、編集、および削除できるユーザーアカウント管理権限があり、 ユーザーアカウント管理権限を持っているユーザーアカウント管理者が、ユーザーアカウントを作成し、 ユーザーアカウントの設定のパラメーターとして、管轄範囲の値に部署のグループを設定でき、ユーザーアカウント管理権限の値に、ユーザーアカウント管理権限は付与しない「チェックしない」を設定でき、 管轄範囲が限定されているユーザーアカウントでログインすると、その管轄範囲内の情報だけが表示され、 管轄範囲を限定しないユーザーアカウントを割り当てることで、管理者はすべての部門の情報を表示でき、 複数の管理者のユーザーアカウントにそれぞれ同一の管轄範囲が設定され得る、 システム。」 2 甲第1号証および甲3ないし7号証 (1)甲第1号証の記載 申立人が主たる証拠あるいは従たる証拠(周知例)として提出した甲第1号証(特表2014-502380号公報)には、図面とともに以下の記載がある。 ア 「【請求項1】 ホスト計算機からのストレージデバイスに対するリードアクセス又はライトアクセスを制御するストレージシステムと、前記ストレージシステムの複数のリソースと前記ストレージシステムを共用する複数のユーザとを管理する管理装置と、を備える計算機システムであって、 前記ストレージシステムは、 前記複数のリソースがグループ化されることによって定義される複数のリソースグループと、 当該複数のリソースグループの管理情報と、当該複数のリソースと前記複数のリソースグループとの対応情報と、を格納する記憶領域と、 前記複数のユーザがグループ化されることによって定義され、それぞれ前記複数のリソースグループの少なくとも一つに割り当てられる複数のユーザグループと、を備え、 前記管理装置は、前記複数のユーザの少なくとも一のユーザのログインに基づいて、当該ユーザが属する前記ユーザグループに付与された権限で許容される操作を、前記ストレージシステムに、前記ユーザグループに割り当てられた前記リソースグループに対して実行させる、計算機システム。 【請求項2】 ストレージシステムが複数の仮想ストレージシステムに分割され、 当該複数の仮想ストレージシステムのそれぞれに前記複数のユーザが設定され、 前記各仮想ストレージシステムに前記ストレージシステムから割当てられた複数のリソースが複数のリソースグループに分割されている、請求項1記載の計算機システム。」 イ 「【技術分野】 【0001】 本発明は計算機システムに係り、特に、ストレージシステムのリソースを分割し、そして、ストレージリソースのグループを複数のユーザに割当てるための計算機システム、及び、その制御方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 ストレージシステムに、複数の企業等複数ユーザのデータが混在する環境においては、ユーザ毎にストレージシステムの運用や管理を行うこと、即ち、マルチテナンシーに対するニーズが高まってきている。このマルチテナンシー環境により、ストレージリソースの効率的運用と、その管理の容易化が達成される。」 ウ 「【発明が解決しようとする課題】 【0009】 一つの企業内に複数の管理者ユーザを設けて、企業に属するリソースの管理を複数ユーザで実施させようとした形態では、全体管理のユーザに対する権限、分割管理のユーザに対する権限、そして、複数のユーザに対する、リソースグループの割当てが適切に運用されないと、複数のユーザ間でリソースの割当てに不均衡が生じたり、複数のユーザ間で情報のセキュリティが保たれないといった課題が生じていた。 【0010】 そこで、本発明は、ストレージシステムの管理を複数のユーザに広範に行わせる場合でも、複数のユーザ間でリソースの割当てを均衡して行い、かつ、複数のユーザ間の情報セキュリティを確保できる計算機システム及びその制御方法を提供することを目的とするものである。」 エ 「【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、ストレージシステムの管理を複数のユーザに広範に行わせる場合でも、複数のユーザ間でのリソースの割当てを均衡して行い、かつ、ユーザ間の情報セキュリティを確保できる計算機システム及びその制御方法を提供することができる。」 オ 図1 [図:0001426834000020.jpg] カ 「【0015】 以下、各図を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る計算機システムの全体的なハードウエアを示している。計算機システムは、ストレージシステム10と、複数のホスト計算機12(12A,12B)とを備えている。ストレージシステム10はストレージコントローラ16とストレージ駆動装置18とを備えている。外部接続ストレージ14がストレージシステム10に接続されていてもよい。ストレージコントローラ16とストレージ駆動装置18とは同一筐体にあるものの他、別筐体になっていて、ネットワークによって接続されているものでもよい。 【0016】 ストレージ駆動装置18としては、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、光ディスクドライブなどがある。ストレージコントローラ16は、ホスト計算機12から受信したコマンドに従って、ストレージ駆動装置18に対するデータのリード・ライト処理、そして、ホスト計算機12からのコマンドを受信して、ストレージシステムの構成情報の設定、変更などの各種処理を行う。 【0017】 ホスト計算機12は、CPUやメモリ等を備えたコンピュータ装置である。例えば、サーバ、ワークステーション、或いはメインフレームコンピュータ等の上位装置であり、銀行の自動預金預け払いシステムや、航空機の座席予約システム等の大規模データ管理システムに利用される。異なるユーザが各々のホスト計算機12を利用して、ストレージシステムを運用する。ユーザとは、例えば、企業、又は、企業内の各部署である。」 キ 「【0027】 全体管理のユーザには、ストレージシステムのリソースを全体的に管理できる権限が与えられている。分割管理のユーザには、自身に割り当てられたリソースグループの範囲内でリソースを管理できる権限が与えられている。既述のストレージシステム10は、リソースグループに対する管理を複数のユーザに可能にさせるために、複数のユーザグループが設定される。例えば、ある企業において、全体管理のユーザグループと、企業の各部門における管理のユーザグループである。各ユーザグループにリソースグループが設定されるだけでなく、リソースグループに対する権限が与えられる。ユーザグループの権限の内容と割り当てられているリソースグループのリソースの種類、範囲、容量、そして数等、リソースの特性に応じて、ユーザグループがリソースに対して実行可能な処理内容が定まることにある。例えば、あるユーザグループには、物理リソースのグループと論理リソースのグループとが割当てられている一方、他のユーザグループには論理リソースのグループのみが割り当てられている等である。システムの保守側での管理が期待されるユーザには、システムの保守を実行するための広範な操作を可能にする権限と、物理リソースグループと論理リソースグループとが割り当てられている。一方、システムの運用や利用のための管理が期待されるユーザには、システムの利用・運用を実行する程度の権限と、論理リソースグループとが割り当てられている。」 ク 図2 [図:0001426834000021.jpg] ケ 「【0028】 図2は、計算機システムのユーザグループ・リソースグループ管理機能を実現する機能ブロック図の一例である。SVP108にはストレージ管理ソフトウェア200が実装され、外部管理端末20にはストレージ管理ソフトウェアに対する入出力用のGUIが稼働している。ストレージ管理ソフトウェア200は、ユーザのアクセス権限チェック200Aと、ユーザグループのビットマップによる管理200Bと、ユーザグループの権限管理200Cと、リソースグループIDのビットマップによる管理200Dとを実行する。さらに、ストレージシステム10のプロセッサモジュールのマイクロプログラムは、リソースグループの制御202を実現する。リソースグループ制御202には、リソースグループID管理テーブル202Aとリソースグループ構成情報テーブル202Bが適用される。さらに、ストレージシステム10は、ユーザのログインセッションの管理を実行する。セッション管理204にはセッション管理テーブル2041が適用される。そして、ストレージシステム10はセッションの排他制御206を実行する。 【0029】 計算機システムは、ストレージシステム10のリソースを複数の仮想システムに分割し、さらに、仮想システムのリソースを複数のユーザグループに割当て、ユーザグループの権限にリソースグループを委ねることを特徴とする。この一連の過程を図面に基づいて説明する。」 コ 図3 [図:0001426834000022.jpg] サ 「【0030】 図3は、リソースグループ(RSG)が設定される前のストレージシステムのブロック構成を示すものである。この状態では、全ユーザが全RSGを操作可能であるため、十分なセキュリティや性能を確保できない。ストレージシステムにはダイナミックプロビジョニングが実装されている。即ち、プール306にパリティグループ308から論理ボリューム(LDEV:プールボリューム)307が割り当てられ、プール306から容量仮想化論理ボリューム(LDEV:DPボリューム)304に記憶領域がホスト計算機12から のライトアクセスに応じて割り当てられる。ストレージシステム10は、ホスト計算機12との間のパスが形成される物理ポート300を備え、そして、ポートにはホストグループ302が対応付けられる。一つの論理モジュールを複数サーバから参照する場合、その複数サーバをグループとして定義する。これがホストグループである。物理リソースとしては、ポート300、パリティグループ308がある。一方、論理リソースには、プールボリューム307、プール306、DPボリューム302、そして、ホストグループ304がある。 【0031】 全体管理ユーザが、管理端末にアクセスしてストレージシステムにおけるRSGの設定を有効化すると、図4に示すように、全てのリソース400は、一時的に、特定のリソースグループID(ID=0x0000)を持つリソースグループ(リソースグループ名:RSG0)に所属する。各リソースとリソースグループとの対応関係は、後述の構成情報テーブルにおいて説明する。図4において、UG0は全体管理ユーザが属するユーザグループであり、UG0にはストレージシステムの全体の管理権限が与えられている。 【0032】 ストレージシステム10の全リソースが同一のリソースグループ(RSG0)に属している状態では、複数のユーザが全リソースを参照できる得る状況となり、セキュリティが確保できない。そこで、計算機システム10では、セキュリティを確保する、そして、ストレージシステムの運用を的確に実行させるという観点から、ストレージシステムのリソースの複数のRSGへのグルーピングは、特定の権限(システム権限)を持った全体管理のユーザグループ(UG0)に属するユーザによって実行されるとした。なお、分割管理ユーザの権限には複数あり、後述する。権限は、既述のとおり、ユーザ自体ではなく、ユーザグループ(以下、「UG」と略称することもある。)に与えられ、ユーザがどのUGに属するかによってユーザの権限が定まることになる。」 シ 図10 [図:0001426834000023.jpg] ス 「【0036】 ストレージシステムのリソースがRSG0に設定された後、全体管理ユーザは、図10に示すように、ストレージシステムを複数の仮想ストレージシステムに分割する。例えば、ストレージシステム10をデータセンタ1006の管理ユーザ(UG0に所属)が管理し、ストレージシステム10を複数の仮想(プライベート)ストレージシステムに分割し、それぞれを別々の企業に割り当てる。例えば、RSG2は企業A(1000)に割当てられ、同様に、RSG5は企業B(1002)に割り当てられている。 【0037】 UG0には、ストレージシステム10の全リソースを管理できる権限(セキュリティ権限)が割り当てられていることにより、UG0に属する管理ユーザは、ストレージシステムのRSG0からRSG2,RSG5を切り出し、図10のように、ストレージシステム10に各企業向けの複数の仮想(プライベート)ストレージシステムを定義することができる。RSG2からなる仮想ストレージシステムが企業A向けとなり、RSG5からなる仮想ストレージシステムが企業B向けとなる。UG0には、RSG2,RSG5,RSG0が、RSG2などに対する管理の実現のために、割当てられている。なお、ホストグループ302、仮想ボリューム304、プール306などの論理リソースは、仮想システムの使用者ユーザ(企業Aのユーザ、企業Bのユーザ)によって定義、設定されてもよい。 【0038】 この際、リソース構成情報テーブル(図5A、B~図8A,B)のリソースIDに対する[(リソースが)所属するリソースグループのID]は、図4の形態から図10の形態への変化に合わせて変更されている。すなわち、UG0の管理ユーザが外部管理端末20とSVP108を介して共有メモリ102のリソースグループ構成情報テーブル202Bを変更すると、ストレージシステム10は、テーブルの変化に合わせて、リソースグループの構成を変更する。RSG2とRSG5がRSG0から切り出された残りのリソースは、RSG0に残ることになる。なお、RSG0にリソースがない状態は、一つの管理状態として許容される。ストレージシステムに追加される物理リソースは、一旦RSG0に属し、RSG0から、UG0の権限の管理下で、各仮想ストレージシステムのRSGに移動、或いは、分配される。 【0039】 ストレージシステムから仮想ストレージシステムを分割する、既述の一連の処理は、SVP108のストレージ管理ソフトウェア200とストレージシステム10のマイクロプログラムの協同によって実現される。図11は、ユーザのログインを処理するフローチャートである。 【0040】 全体管理ユーザが外部管理端末20のGUIにユーザIDとパスワードを入力すると(1100)、入力情報はSVP108のストレージ管理ソフトウェア200に送信され、SVPはユーザ認証を行う(1102)。ユーザ認証の判定(1104)がログインユーザを登録済みユーザではないとするものである場合には、SVPは外部管理端末のGUIにエラー報告を行う。この判定が登録済みユーザであるとするものである場合、SVPはログインにセッションIDを設定し、ログイン時刻と、ログイン元情報をセッション管理テーブルに登録する(1105)。セッション管理テーブルについては後述する。ログイン元情報には、ユーザID、パスワード、IPアドレスなどが含まれる。 【0041】 次に、SVPはログインユーザがどのRSGに対してどのような権限を有するかの判定のために必要な情報を取得する。先ず、必要情報として、SVPは、ログインユーザのユーザIDから、当該ユーザが所属する全てのUGを、図12のユーザグループIDビットマップテーブル1200を参照して取得する(1106)。ユーザグループIDビットマッ プテーブル1200は、ユーザグループIDビットマップ管理200B(図2)のために、全体管理ユーザがユーザ登録時に作成し、SVP108のメモリ領域に登録する。ユーザグループIDビットマップテーブルは、ユーザ毎にユーザが属するユーザグループをビットマップによって管理するものであり、ビットマップの各ビットが個々のユーザグループに対応している。ユーザはユーザIDとユーザ名によって特定される。 【0042】 例えば、ユーザ名が[User2]のユーザは、ユーザグループIDビットマップの3番目の位置のビットが[1]であることから、UG2(ユーザグループID=0x02)に所属する。一人のユーザが複数のUGに所属する場合は、複数のユーザグループのIDに対応した複数の位置のビットに[1]が設定される。例えば、User20は、[1]が設定されているビットの位置から、3つのユーザグループ(ユーザグループID=0x0a、0x0b、0x10)に所属する。 【0043】 次に、SVPは、ログインユーザのユーザグループを決定すると、当該ユーザグループに割当てられた権限の情報とリソースグループの情報を取得する(1108)。権限の情報の取得には、図13の権限ビットマップテーブル1300が参照される。権限ビットマップテーブル1300は、ユーザグループ権限管理200C(図1)を実行するためのものであり、ユーザグループ毎に権限を設定し、権限はビットマップ形式にしたがって登録されている。権限ビットマップテーブル1300はSVP108のメモリに記録されている。 【0044】 全体管理ユーザは、ユーザグループ(UG)を定義する際に、権限ビットマップを権限ビットマップテーブル1300に登録する。ビットマップのうち、[1]が設定されているビットに対応する権限がユーザグループに対して設定されている。ユーザが複数のユーザグループに所属する場合は、各ユーザグループに割り当てられた権限ビットを論理和した権限がユーザに与えられることになる。 【0045】 また、権限ビットマップの各ビットに対応する、ストレージシステムに関する諸権限の対応は図14に示すとおりである。さらに、それぞれの権限の下、全体或いは一部管理ユーザがストレージシステムに対して実行可能な操作内容は図15に示すとおりである。例えば、ユーザ名(User0)のユーザは、図12に基づいて、ユーザグループ(UG0)に属する。次いで、このユーザグループに対応する権限は、権限ビットマップテーブル(図13)からその権限ビットマップの3番目のビットが立っていることから、図14により、ユーザ名が[User0]のユーザには[セキュリティ]の権限が与えられている。権限ビットマップのビットマップと権限情報との対応、権限情報に対して許容される操作内容の対応に係る制御情報は、全体管理ユーザ(UG0)によって予めSVP108のメモリに設定されている。インバンド処理の場合は、インバンドからのログイン時にサーバからストレージ装置を介してSVPにアクセスし、ログインユーザに関連するリソースグループ情報や権限情報を取得し、サーバ上で動作するソフトウェア上に一時的に保持する。この情報を元に、構成変更の可否を判定する。 (中略) 【0050】 外部管理端末20はログインユーザが全体管理の権限であるセキュリティ権限があるかを判定する。ログインユーザ(User0)はセキュリティ権限を有し、ストレージシステムの全リソースに対するアクセス権があるためSVP108にストレージシステムに存在するユーザグループ及びストレージグループの一覧を要求する(1808)。SVPがこの要求を受けると、ユーザグループIDビットマップテーブル1200(図12)とリソースグループIDビットマップテーブル1600(図16)とを参照して、ビットが設定されているユーザグループの一覧とビットが設定されているリソースグループの一覧を外部管理端末20に送信する(1810)。ユーザグループの一覧はユーザID、ユーザ名、ユーザグループIDとの対応情報を含むものであり、ユーザグループIDビットマップか或いはこれに相当するものである。リソースグループリストは、各リソースIDと当該リソースが所属するリソースグループIDとの対応情報を含むものであり、既述のリソースIDとリソースグループIDとの関係を表す構成情報テーブルか或いはこれに相当するものである。ログインユーザが、セキュリティ権限以外を有する場合には、ステップ1808以降が行われることなく、セキュリティ権限以外の操作が実行される。 【0051】 外部管理端末のGUIは、ユーザーグループ一覧情報とリソースグループ一覧情報とを表示する。ログインユーザは、目的とする仮想ストレージシステムの形態、即ち、図10に示すように、企業A、企業Bについてそれぞれ仮想ストレージシステムを実現するように、一覧情報について、関係するリソースIDに新たなリソースグループIDを設定入力する(1812)。入力が終了すると、外部管理端末20は、SVP108に入力データを送信する。この入力データを受けたSVPは、仮想ストレージシステムを構成するために設定あるいは更新されたリソースグループが適正なものか否かを判定する。すなわち、これらリソースグループについて、仮想ストレージシステムを構成するための最低限のリソースが存在するか否かを判定する。最低限のリソースとは物理リソースであり、例えば、パリティグループと、ターゲットポートである。これらリソースがリソースグループに存在していないと、ホスト計算機に対するデータ記憶システムを実現できないことになる。 (中略) 【0058】 このようにして、ストレージシステムが仮想ストレージシステムに分割されると、仮想ストレージシステムが割当てられた企業内の複数の管理ユーザに対して、仮想ストレージシステムのリソースはさらに分割されて、企業内での運用、既述の例では、ダイナミックプロビジョニングの運用に供される。図23は、企業Aに割当てられたリソースグループ(RSG2)がさらに分割され、分割されたリソースグループが企業Aの複数の管理ユーザに割当てられていることを示している。 (中略) 【0060】 さらに、UG0は、企業Aの複数の管理ユーザ用のユーザグループを設定する。ユーザグループUG2は、企業A用の全リソースグループに対してアクセス権限を有している。このアクセス権限は、Prov(プロビジョニング権限)とSystem(システム権限)である。この権限の詳細な内容は図15に示されている。プロビジョニング権限とは、ダイナミックプロビジョニングのために必要な操作を実行できる地位であって、LDEVの作成/削除、プール/プールボリュームの作成・削除、DP-VOL(仮想ボリューム)の作成/削除、ホスト計算機がアクセスするLU(論理モジュール)の作成/削除、ホストグループの作成/削除、ホストの追加/削除を含む。 【0061】 システム権限は、ストレージシステムのシステム構成にアクセスできる権限であって、ストレージシステムのシステム構成情報の参照、CLPR(キャッシュメモリの分割された領域)の作成/削除、マイクロプロセッサのオーナ権の設定、ポート属性の変更である。300はターゲットポートを示し、300Aはイニシエータポートを示し、300Bはエクスターナルポートを示す。マイクロプロセッサへのオーナ権の設定とは、LDEVに対する、ホスト計算機からのI/Oの処理を特定のマイクロプロセッサに専有させることである。 (中略) 【0064】 UG2と、UG11及びUG12との権限の相違は、前者はシステム権限を有し、後者はシステム権限を有していないことにある。そして、複数のUGの権限が同じでも、ユーザグループにどのようなリソースが割り当てられているかによって、UGが実行可能な操作が異なって来る。UG2に属するユーザは、パリティグループ308からプールボリューム307を切り出して、これをプールに割当てることができるのに対して、UG11又はUG12に属するユーザは、プロビジョニング権限を有しているためLDEVの作成が許容されていても、RSG2にアクセスできないため、実際には、パリティグループからプールボリュームを切り出すことができない。このようにしたのは、UG11とUG12との間で、パリティグループのリソース確保の競合が生じるのを避けるためである。そこで、既述のように、ストレージシステム10は、RSG2をUG11とUG12に割当てることなく、一方、UG2にRSG2を割当てた。UG2、UG11、UG12がそれぞれ、同じプロビジョニング権限を持つUGであっても、RSG2をUG2のみに割り当てたことによって、UGIIとUG12との間での論理リソースの競合を回避することができる。さらに、ホストグループはポートに割当てられる属性であり、UG11及びUG12にはRSG1が割当てられていないこと、そして、UG11及びUG12はシステム権限を有していないことから、UG11又はUG12に属するユーザは、ホストグループを定義、設定する際に制限を受けることがある。例えば、UG11又はUG12に属するユーザは、ホストグループを定義、設定できないようにしてもよい。あるいは、ポートに対してホストグループが作成・ホストの登録がされる際、ホストグループIDの設定はUG2のみに認められており、UG11やUG12のプロビジョニング権限はこのIDにホストグループ名を付与することができるに過ぎない。このように各ユーザグループに割当てられるリソースグループの種別(物理リソースのグループか、論理リソースのグループか、或いは、両方か)、権限の種類によって、ユーザグループが実行可能な操作の実際の形態が決まって来る。 (中略) 【0068】 仮想ストレージシステム内でリソースグループを作成することは、セキュリティ権限を有する、ストレージシステムの全体管理ユーザグループ(UG0)が実行する(図24)参照)。企業Aのユーザ(UG2)にセキュリティ権限を与え、企業AのRSGを作成させることも可能ではあるが、そうすると、企業A用のリソースに留まらず、企業Bのリソースも参照できることになってしまい、セキュリティの問題が生じる。そこで、各企業向けにリソースを分割した後も、UG0が企業用のRSGの作成、削除、RSGへの物理リソースの追加・削除を行う。したがって、図25に示すように、運用開始前のストレージシステムであって、物理リソースのグループ(RSG1,RSG2)が存在するものの、論理リソースがリソースグループ(RSG3.RSG11,RSG12)に未設定のシステムにおいて、UG0のユーザは、企業Aの運用計画や企業Aに提案した運用に基づいて、リソースグループに論理リソースを定義・設定して、既述の仮想ストレージシステムを完成することができる。なお、外部管理端末20は、ストレージシステムの全体管理ユーザグループ(UG0)が論理リソースのグループにアクセスするのを制限してもよい。なお、企業AあるいはBだけに有効な、つまり「任意のリソースグループ」を対象とするセキュリティ権限が設定されるユーザグループがあってもよい。 【0069】 次に、仮想ストレージシステム内でのリソースグループの設定についての関連する各種処理をフローチャートに基づいて説明する。図26は、ユーザグループに権限を割り当てるためのフローチャートである。この設定はUG0のユーザに許容されている。ユーザがログインしてから、外部管理端末20がSVPからユーザグループの一覧を受け取るのまでの処理(1800~1810)は、既述のフローチャート(図18)と同じである。ログインユーザは、ストレージ管理ソフトのGUI上で、新規にユーザグループを設定・選択して、当該ユーザグループに権限を設定し、また、既存のユーザグループの権限を更新するか、既存のユーザグループに権限を新たに設定しSVPに入力データを送信する(2600)。SVPはGUIで選択或いは設定されたユーザグループを権限ビットマップテーブル(図13)から探して、権限が設定或いは更新されたビットに[1]を設定する(2602)。なお、ユーザグループが新たに設定された時点では、権限ビットマップの各ビットは[0]である。 (中略) 【0071】 SVP108側で最終的に権限情報が更新されると、当該情報が管理端末20に送信されて、GUIに権限の設定情報を表示してユーザの確認を求め、ユーザがこれを確認すると権限が確定する(2604)。ステップ2604において、外部管理端末が表示するGUIの画面を図46に示す。管理ユーザがGUI画面左側でUGを選択すると、そのUG毎に画面右側が切り替わることになる。 【0072】 ユーザログインに対する処理が終了すると、次は、企業の仮想プライベートストレージシステムにRSGを作成し、これをユーザグループへ割り当る処理が必要になる。この処理を図27のフローチャートに示す。RSGの作成であるので、ログインユーザはセキュリティ権限があるユーザグループ(UG0)に属する者でなければならない。ユーザが外部管理端末20にログインした後、ストレージ管理ソフトウェアがSVPからリソースグループ及びユーザグループの一覧を受け取るまでの工程(1800~1810)は、既述の図18の処理と同じである。 (中略) 【0084】 図40のフローチャートにおいて、ユーザログインから、外部管理端末がログインユーザの権限とログインユーザの管理下のリソースグループの情報を受領するまでの処理(ステップ1800~ステップ1806)は図18と同じである。外部管理端末20のストレージ管理ソフトウェアが、論理リソースの作成を可能とするプロビジョニング権限を確認すると、外部管理端末20はSVP108のストレージ管理ソフトウェアにユーザグループとリソースグループの一覧を要求し(4000)、SVPからその返却を受ける。この処理の詳細は、図18のステップ1808とステップ1810と同様である。次いで、ログインユーザは、物理リソースから論理リソースを定義し、これを論理リソースグループに割当てのための入力をGUIに対して行う(4004)。外部管理端末20は入力情報をSVP108に送信する。 【0085】 この送信を受けたSVPは、入力データが適切なものかを、判定D~判定Gを行うことによって確認する。判定D(4006)は、ログインユーザが属するユーザグループの権限と割り当てられたリソースグループによって論理リソースの作成が可能かということに関する判定であり、判定E(4008)は、論理リソースを物理リソースから切り出す上で、物理リソースの使用に偏りがあるかないかの判定であり、判定F(4010)は、論理リソースが物理リソースのリソースグループに割当てられないことの判定であり、判定G(4012)は仮想ストレージシステムの形態が不正なもの(例えば、図29の形態)でないことの判定である。判定後の処理は、図18、図27のフローチャートと同じである。以下、各判定についての詳細を説明する。 (中略) 【0097】 次に、図1に示す計算機システムの動作を図41から図44のフローチャートに基づいて説明する。既述のフローチャートは図23の形態に対応するのに対して、図41から図44は、図23以外の形態にも適用可能な汎用的なフローチャートである。これらのフローチャートは連続する処理を示している。ユーザのログインセッション5000に基づいてSVP108がログインセッションからリクエストを取得する(4100)。ここでリクエストとは、権限毎に許容された操作のことである。このリクエストを受けたSVPの管理ソフトウェアはログインユーザの実行権限のチェック(4102)を行い、このチェックを否定するとフローチャートを終了し(4004)、このチェックを許容すると、次の処理に進む。このチェックは次のようにして行われる。SVPは、図15の権限テーブルを参照して、リクエストの操作内容から対応する権限を抽出する(4106)。SVP108はログインユーザに割当てられた権限ビットマップ(図13)を参照して、リクエストに対応権限が含まれているか確認する(4102)。SVPは、含まれていれば実行権限ありと判断してリソースグループアクセスチェックに移行する。なければ、図43のフローチャート(4300)にジャンプする。 【0098】 リソースグループアクセスチェック処理(4108)において、先ず、SVPはリクエストに含まれるリソースを抽出し(4106)、リソースが抽出されると、当該リソースが所属するリソースグループIDを,SVPにキャッシュされている情報から特定する。SVPがこの情報をキャッシュしていない場合には、リソースグループIDの通知をストレージシステムに要求する(4110)。ストレージシステムはこの要求を取得すると(4112)、共有メモリ102Aの構成情報テーブル202Bを参照して、リソースグループIDを取得してこれをSVPに通知する(4114)。SVPはリソースグループIDを取得して(4116)、このリソースグループに対して権限があるか否かを判定し(4118)、これを肯定判定すると、図42排他制御処理に進む。これを否定判定すると処理を終了する(4120)。 【0099】 図42は排他制御処理を説明するフローチャートである。この排他制御処理とは、リソースグループアクセスチェックの際に抽出した、リクエストに含まれるリソースが所属するリソースグループ全てに対して、リクエスト送信者のログインセッションIDをオーナのログインセッションIDとして認識することによってロック状態にする(図9参照)。そこで、SVPは排他制御要求を形成し(4200)、この要求をストレージシステム10に送信する(4202)。ストレージシステムがこの要求を受信すると(4204)、 排他制御要求の対象であるリソースグループに対して排他制御処理を試み(4206)、その結果をSVPに通知する(4208)。SVPは排他制御処理結果を受信すると(4210)、排他制御処理結果が正常化否かを判定する(4212)。排他制御処理すべき複数のリソースグループの全てをロックできなければエラーと判定する。エラー判定があると、SVPはフローチャートを終了する。 【0100】 図43はコミット処理及び排他制御のアンロック処理のフローチャートである。ロック処理が完了すると、SVPは既述のポリシー設定に従ってリクエストに判定ロジックを適用する。この判定を肯定するとリクエストをコミットして(4300)、ストレージシステムにリクエストを送信する。次いで、ストレージシステムがリクエストを受信して(4302)、リクエストに基づいて制御処理を実行し(4304)、実行結果をSVPに通知する(4306)。SVPはこの通知を受信すると(4308)、ロック状態としたリソースグループのアンロックをストレージシステムに要求する(4310)。ストレージシステムはこの要求を受信すると(4312)、アンロック処理を行い(4314)、その結果をSVPに通知する(4316)。SVPはアンロック処理の結果を受信する(4318)。 【0101】 次に、SVPはストレージシステムからの実行結果に含まれる戻り値についてフィルタリング処理を行う。すなわち、SVPは、戻り値に含まれるリソースを抽出し(4400)、リソースがあると判定すると(4402)、当該リソースが所属するリソースグループIDをストレージシステムに要求する(4404)。リソースが無いと判定するとフローチャートを終了する(4403)。ストレージシステムはこの要求を受信すると(4406)、リソース構成情報テーブル202Bを参照してリソースグループIDを通知する(4408)。SVPはリソースグループIDを受信すると(4410)、このリソースに対してアクセス権限があるか否かを判定し(4412)、リソースグループIDがリソースグループIDビットマップ(図16)に含まれているか確認し、含まれていればリソースグループIDを表示リストに加えて(4416)、実行結果を外部管理端末のGUIに通知し、含まれていなければリソースは表示されない(4414)。 【0102】 既述の説明において、ユーザがその権限と割当てられているリソースグループとによってストレージシステムに実行できる操作として、ダイナミックプロビジョニング(LDEVの作成など)、ローカルコピー、リモートコピーについて説明したが、これにかぎられない。例えば、データの最適配置がある。すなわち、例えば、仮想プライベートストレージは、オンラインボリュームのリソースグループ、アーカイブボリュームのリソースグループ、オンラインボリューム用の高品質のハードディスクドライブ(FCドライブ)のリソースグループ、アーカイブ用のハードディスクドライブ(ATAドライブ、SATAドライブなど)のリソースグループを備えていなければならず、また、データの最適配置の権限を有するユーザグループには、アーカイブ用のリソースグループを備えていなければならない。この権限があっても、関連するリソースグループを備えていなければアーカイブ用データをアーカイブ用ボリュームにオンラインボリュームからマイグレーションすることができない。」 (2)甲第3号証の記載 申立人が主たる証拠あるいは従たる証拠(周知例)として提出した甲第3号証(米国特許出願公開第2012/0304189号明細書)には、図面とともに以下の記載がある。 ア 「Abstract It is an object of this invention to provide a computer system and its control method capable of preventing allocation of a resource(s), which is not intended by a superior administrator, to a certain storage administrator even when the superior administrator sets a certain authority to that storage administrator and intends to allocate a resource(s), which is required to enable this authority, to the storage administrator. When the superior administrator sets a certain authority to a certain storage administrator and intends to allocate a resource(s), which is required to enable this authority, to the storage administrator, the computer system prevents allocation of a resource(s), which is not intended by the superior administrator, to that storage administrator by optimizing allocation of resource groups and authorities to the storage administrator.」 (当審訳: 概要 本発明の目的は、上位管理者が特定のストレージ管理者に対して特定の権限を設定し、この権限を有効にするために必要なリソースを当該ストレージ管理者に割り当てようとする場合であっても、当該ストレージ管理者が意図しないリソースが当該ストレージ管理者に割り当てられることを防止することができるコンピュータシステム及びその制御方法を提供することにある。 上位管理者が特定のストレージ管理者に特定の権限を設定し、その権限を有効にするために必要なリソースをそのストレージ管理者に割り当てようとする場合、コンピュータシステムは、ストレージ管理者へのリソースグループと権限の割り当てを最適化することにより、上位管理者が意図しないリソースがそのストレージ管理者に割り当てられることを防止する。) イ 「[0013] An embodiment of this invention is characterized in that a computer system includes a storage system for controlling read access or write access from a host computer to a storage device; and a management device for managing a plurality of resources for the storage system and a plurality of users sharing the storage system; wherein the storage system includes: a plurality of resource groups respectively defined by grouping of the plurality of resources; a storage area for storing management information of the plurality of resource groups and association information between the plurality of resources and the plurality of resource groups; and a plurality of user groups defined by grouping of the plurality of users, each of the user groups being allocated to at least one of the plurality of resource groups; wherein based on login of at least one user from among the plurality of users, the management device has the storage system execute operation permitted by an authority allocated to the user group, to which the relevant user belongs, on the resource group allocated to the user group; and wherein a range of the authority allocated to the user group and a range of the resource group are optimized. [0014] The present invention is designed so that the range of executable operations for the management user is decided based on the authority granted to a user group, to which the user belongs, and a resource group allocated to the user group. So, it is possible to allocate the resources between the pluralities of users in a balanced manner and ensure information security between the users.」 (当審訳: [0013] この発明の一実施形態は、コンピュータシステムが、ホストコンピュータからストレージデバイスへの読み出しアクセスまたは書き込みアクセスを制御するためのストレージシステムと、ストレージシステムおよびストレージシステムを共有する複数のユーザのための複数のリソースを管理するための管理装置とを含み、ストレージシステムが以下を含むことを特徴とする: 複数のリソースをグループ化することによってそれぞれ定義される複数のリソースグループと、複数のリソースグループの管理情報、および複数のリソースと複数のリソースグループとの間の関連付け情報を格納するための記憶領域と、複数のユーザーをグループ化することによって定義される複数のユーザーグループであって、各ユーザーグループは複数のリソースグループの少なくとも1つに割り当てられる、複数のユーザーグループと、を含む、ストレージシステム; 前記複数のユーザのうちの少なくとも1つのユーザのログインに基づいて、前記管理装置は、前記ユーザグループに割り当てられたリソースグループ上で、当該ユーザが属するユーザグループに割り当てられた権限によって許可された操作を前記ストレージシステムに実行させ、前記ユーザグループに割り当てられた権限の範囲と前記リソースグループの範囲とが最適化される、ストレージシステム。 [0014] 本発明は、管理ユーザの実行可能な操作の範囲を、当該ユーザが属するユーザグループに付与された権限と、当該ユーザグループに割り当てられたリソースグループとに基づいて決定するようにしたものである。そのため、複数のユーザ間でリソースをバランスよく割り当てることができ、ユーザ間の情報セキュリティを確保することができる。) ウ 「ESCRIPTION OF EMBODIMENTS [0099] An embodiment of the present invention will be explained with reference to each of the attached drawings. FIG. 1 shows overall hardware of a computer system according to this embodiment. The computer system includes a storage system 10 and a plurality of host computers 12 (12A, 12B). The storage system 10 includes a storage controller 16 and a storage driving device 18. An external connection storage apparatus 14 may be connected to the storage system 10. The storage controller 16 and the storage driving device 18 may be contained in the same chassis or may be placed in separate chassis and connected via a network.」 (当審訳: 実施形態の説明 [0099] 以下、添付の各図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施形態によるコンピュータシステムの全体的なハードウェアを示している。このコンピュータシステムは、ストレージシステム10と、複数のホストコンピュータ12(12A、12B)とを含む。ストレージシステム10は、ストレージコントローラ16とストレージ駆動装置18とを含む。外部接続記憶装置14がストレージシステム10に接続されてもよい。ストレージコントローラ16とストレージ駆動装置18は、同一の筐体に収納されていてもよいし、別々の筐体に配置され、ネットワークを介して接続されていてもよい。) エ 「[0102] The host computer device 12 is connective via, for example a SAN 22, to the storage system 10. The SAN 22 is a network for sending data to, and receiving data from, the host computer 12 in blocks which are data management units for storage resources provided by the storage driving device 18. An example of a communication protocol between the host computers 12 and the storage system 10 via the SAN 22 is Fibre Channel protocol. The host computer 12 and the storage system 10 may be connected via, for example, a LAN or directly without the intermediary of any network. A LAN 140 is used as an intermediary to connect the external storage apparatus 14 and the storage system 10 and to connect the external management terminal 20 and the SVP 108, respectively. [0103] A plurality of hard disk drives 18 as the storage driving device constitute a plurality of parity groups (also called RAID groups) and a logical storage area of each parity group is partitioned to constitute logical volumes (LDEVs).」 (当審訳: [0102] ホストコンピュータ装置12は、例えばSAN22を介してストレージシステム10に接続されている。SAN22は、ストレージ駆動装置18が提供するストレージリソースのデータ管理単位であるブロック単位で、ホストコンピュータ12にデータを送信し、ホストコンピュータ12からデータを受信するためのネットワークである。SAN22を介したホストコンピュータ12とストレージシステム10との間の通信プロトコルの一例は、ファイバチャネルプロトコルである。ホストコンピュータ12とストレージシステム10とは、例えばLANを介して接続されてもよいし、ネットワークを介さずに直接接続されてもよい。LAN140は、外部記憶装置14とストレージシステム10を接続し、外部管理端末20とSVP108をそれぞれ接続するための仲介として用いられる。 [0103] 記憶駆動装置としての複数のハードディスクドライブ18は、複数のパリティグループ(RAIDグループともいう)を構成し、各パリティグループの論理記憶領域がパーティション分割されて論理ボリューム(LDEV)を構成する。) オ 「[0109] The SVP 108 is a control means for maintaining and managing the storage system 10 and is connected to the external management terminal 20 via the LAN 140. An overall management user serving as a superior administrator manages the resources of the entire storage system 10 by accessing a storage management program for the SVP 108 via a GUI of the external management terminal 20. A partitioned management user, that is, a storage administrator who executes an assigned authority on the resources allocated to themselves, also accesses the resources, which are targets to be managed, by accessing the GUI of the external management terminal 20 via its own client computer. The user may manage the resources by an in-band method of accessing the storage system via a management server as a host computer instead of an out-of-band method via the SVP 108. Incidentally, the reference numeral 120 is an internal LAN for connecting the SVP 108 and the switch control module. [0110] The resources include physical resources and logical resources. Furthermore, the resources include storage resources for data storage and resources for control. Examples of the resources are as follows. Examples of the physical resources include ports of the channel control module 100, parity groups (PG) constituted from a plurality of HDDs, the cache memories (CLPR), ownership of the microprocessors, and ports. Examples of the logical resources include attributes of the ports, host groups (HG) belonging to the ports, and logical volumes (LDEV). Management of the resources means to perform various operations on the resources such as to partition resources and set resource groups in accordance with the authority over the user resources, set or change the attributes of the resources, create a new resource, allocate the resource, and change the allocation of the resource. [0111] The overall management user is granted the authority to manage the overall resources of the storage system and is also called a security administrator because the overall management user manages the security of the system. The overall management user can have an operation authority over RSGs. The partitioned management user is granted the authority to be capable of managing the resources within the range of a resource group(s) allocated to themselves. A plurality of user groups are set to the aforementioned storage system 10 so that a plurality of users can manage the resource groups. For example, a company has an overall management user group(s) and user groups for management of each division of the company. Not only a resource group is set to each user group, but also the authority over the resource group is granted to each user group. The content of operations that can be executed by the user group on the resource is decided according to characteristics of the relevant resource such as the content of the authority of the user group, and the type, range, capacity, and quantity of the allocated resource group(s). For example, physical resource groups and logical resource groups are allocated to a user group(s), while only logical resource groups are allocated to another user group. A user who is expected to be in charge of management for the system operation and maintenance is assigned the authority to enable extensive operations to carry out the system operation and maintenance, as well as resource groups including physical resource groups, logical resource groups, physical resources, and logical resources. On the other hand, a user who is expected to take charge of management to use the system is assigned the authority enough to implement the utilization of the system, as well as logical resource groups.」 (当審訳: [0109] SVP108は、ストレージシステム10を維持管理するための制御手段であり、LAN140を介して外部管理端末20に接続されている。上位管理者として機能する全体管理ユーザは、外部管理端末20のGUIを介してSVP108用のストレージ管理プログラムにアクセスすることにより、ストレージシステム10全体のリソースを管理する。また、パーティション管理ユーザ、すなわち、自身に割り当てられたリソースに対して割り当てられた権限を実行するストレージ管理者は、自身のクライアントコンピュータを介して外部管理端末20のGUIにアクセスすることにより、管理対象であるリソースにアクセスする。なお、ユーザは、SVP108を介した帯域外方式ではなく、ホストコンピュータとしての管理サーバを介してストレージシステムにアクセスする帯域内方式でリソースを管理してもよい。ちなみに、参照数字120は、SVP108とスイッチ制御モジュールを接続するための内部LANである。 [0110] リソースには物理リソースと論理リソースがある。さらに、リソースには、データ保存用の記憶リソースと制御用のリソースが含まれる。リソースの例を以下に示す。物理資源の例としては、チャネル制御モジュール100のポート、複数のHDDから構成されるパリティグループ(PG)、キャッシュメモリ(CLPR)、マイクロプロセッサの所有権、ポートなどがある。論理リソースの例としては、ポートの属性、ポートに属するホストグループ(HG)、論理ボリューム(LDEV)などがある。リソースの管理とは、リソースのパーティショニング、ユーザリソースに対する権限に応じたリソースグループの設定、リソースの属性の設定・変更、リソースの新規作成、リソースの割り当て、リソースの割り当て変更など、リソースに対する様々な操作を行うことを意味する。 [0111] 全体管理ユーザはストレージシステム全体のリソースを管理する権限を与えられ、システムのセキュ リティを管理するため、セキュリティ管理者とも呼ばれる。全体管理ユーザは RSG に対する操作権限を持つことができます。パーティション管理ユーザは、自身に割り当てられたリソースグループの範囲内でリソースを管理できる権限を付与される。前述のストレージシステム10には、複数のユーザグループが設定されており、複数のユーザがリソースグループを管理できるようになっている。例えば、企業では、全体を管理するユーザグループと、各部門を管理するユーザグループとが存在する。各ユーザグループには、リソースグループが設定されるだけでなく、リソースグループに対する権限も付与される。 ユーザグループがリソースに対して実行できる操作の内容は、ユーザグループの権限の内容や、割り当てられるリソースグループの種類、範囲、容量、数量などのリソースの特性に応じて決定される。例えば、あるユーザグループには物理資源グループと論理資源グループが割り当てられ、別のユーザグループには論理資源グループのみが割り当てられる。システムの運用・保守の管理を担当することが想定されるユーザには、システムの運用・保守を行うための広範な操作、および物理リソース群、論理リソース群、物理リソース群、論理リソース群を含むリソース群の操作を可能とする権限が割り当てられる。一方、システムを利用するための管理を担当することが期待されるユーザには、論理資源グループと同様に、システムの利用を実施するのに十分な権限が割り当てられる。) カ 「[0117] Next, the configuration information table (FIG. 2: 202B) of each resource group (RSG) will be explained. In this explanation, changes in the table before and after setting an RSG to the storage system 10 will be explained. FIG. 5A shows the correspondence relationship between a logical volume (LDEV) ID and an assigned resource group ID and is a table before the resource group (RSG0) is set to the storage system. FIG. 5B is a table after the resource group (RSG0) is set to the storage system. A validity flag is used to manage the RSG setting status; and if an RSG is set, the validity flag changes from [0 (invalid)] to [1 (valid)]. Since all the resources are set to RSG0 as described above, all the validity flags are set to [1]. When the validity flags in the table are changed, all the resources (LDEV) are made to belong to RSG0 (ID=0x0000). This resource group configuration information table is stored in the shared memory 102A for the storage system 10. The LDEVs include pool volumes and virtual volumes as described earlier.」 (当審訳: [0117] 次に、各リソースグループ(RSG)の設定情報テーブル(図2:202B)について説明する。本説明では、ストレージシステム10にRSGを設定する前後におけるテーブルの変化について説明する。図5Aは、論理ボリューム(LDEV)IDと割り当てられたリソースグループIDとの対応関係を示す図であり、ストレージシステムにリソースグループ(RSG0)を設定する前のテーブルである。図5Bは、リソースグループ(RSG0)がストレージシステムに設定された後の表である。RSGの設定状態を管理するために有効フラグが使用され、RSGが設定されると有効フラグが[0(無効)]から[1(有効)]に変化する。前述のように全てのリソースがRSG0に設定されているので、有効フラグは全て[1]に設定される。テーブルの有効フラグが変更されると、全てのリソース(LDEV)がRSG0(ID=0x0000)に属するようになる。このリソースグループ構成情報テーブルは、ストレージシステム10の共有メモリ102Aに格納される。LDEVには、前述したように、プールボリュームや仮想ボリュームが含まれる。) キ 「[0124] After the overall management user inputs a user ID and a password to the GUI of the external management terminal 20 (1100), the input information is sent to the storage management software 200 for the SVP 108 and the SVP performs user authentication (1102). If it is determined as a result of the user authentication judgment (1104) that the login user is not a registered user, the SVP sends an error report to the GUI of the external management terminal. If it is determined as a result of this judgment that the login user is a registered user, the SVP sets a session ID to the login and registers login time and login source information in a session management table (1105). The session management table will be explained later. The login source information includes, for example, the user ID, password, and IP address. [0125] Next, the SVP obtains necessary information to judge what type of authority on which RSG the login user has. The SVP firstly obtains, as necessary information, all UGs to which the relevant user belongs, based on the user ID of the login user by referring to a user group ID bitmap table 1200 in FIG. 12 (1106). The user group ID bitmap table 1200 is created by the overall management user for the purpose of the user group ID bitmap management 200B (FIG. 2) at the time of registration of each user and is registered in a memory area in the SVP 108. The user group ID bitmap table manages the user groups, to which the relevant user belongs, for each user by using bitmaps and each bit of the bitmaps corresponds to an individual user group. A user is specified by its user ID and user name. [0126] For example, regarding a user whose user name is [User2], a bit at the third position in the user group ID bitmap is [1], which indicates that it belongs to UG2 (the user group ID=0x02). If one user belongs to a plurality of UGs, [1] is set to bits at a plurality of positions corresponding to a plurality of user group IDs. For example, according to the bit positions to which [1] is set, User20 belongs to three user groups (user group IDs=0x0a, 0x0b, 0x10). [0127] Next, after deciding the user group(s) of the login user, the SVP obtains role information and resource group information allocated to that user group (1108). The SVP refers to an authority bitmap table 1300 in FIG. 13 in order to obtain the role information. A role is a collection of a plurality of authorities to deal with a use cases such as provisioning, local backup, or remote backup, and is a logical set of authorities. The authorities are the individual operation content to implement the relevant role. The authority bitmap table 1300 is used to execute the user group authority management 200C (FIG. 2) and a role is set to each user group and registered in a bitmap form. This bitmap is called a role ID bitmap. The authority bitmap table 1300 is recorded in the memory for the SVP 108. [0128] When defining a user group (UG), the overall management user registers a role ID bitmap in the authority bitmap table 1300. A role corresponding to a bit, to which [1] is set, in the bitmap is set to a user group. If the user belongs to a plurality of user groups, the role obtained by OR operation of the role ID bits allocated to each user group are granted to the user. [0129] Also, the correspondence relationship between miscellaneous roles relating to the storage system and corresponding to each bit in the role ID bitmap is as shown in FIG. 14. Furthermore, the content of operation authorities which can be executed by the overall or partial management user with respect to the storage system under each role is as shown in FIG. 15A. For example, a user whose user name is (User0) belongs to the user group (UG0) according to FIG. 12. Then, regarding the role corresponding to this user group, the third bit in its role ID bitmap is set on according to the authority bitmap table (FIG. 13), so the [security] role is granted to the user, whose user name is [User0], according to FIG. 14. The correspondence relationship in the authority bitmap between the bitmap and the role information, as well as control information relating to the correspondence relationship of the operation authorities permitted for the role information are set to the memory for the SVP 108 by the overall management user (UG0) in advance. In a case of in-band processing, the SVP is accessed from the server via the storage apparatus at the time of login from the in-band and resource group information and authority information relating to the login user are obtained and temporarily retained in the software operating on the server. Whether the configuration can be changed or not is judged based on such information. [0130] The correspondence relationship between roles and operation authorities in FIG. 15A is summarized in a role information table (FIG. 15B). A role ID, a role name, and an authority bitmap correspond to each other in the role information table. Each bit of the authority bitmap corresponds to an operation authority as shown in FIG. 15C. For example, the first bit corresponds to LDEV creation and the second bit corresponds to LDEV deletion. A set of operation authorities for which a flag is set to the authority bitmap constitutes a role. [0131] An RSG information table (FIG. 15D) summarizes each piece of information shown in FIGS. 5A, 5B to FIGS. 8A, 8B, using resource groups as a key. An RSG ID, an RSG name, and a resource ID bitmap correspond to each other in the RSG information table. Each bit in the resource ID bitmap also corresponds to each resource ID. Each table shown in FIG. 15B to FIG. 15E is also recorded in the shared memory 102A for the storage controller 16. [0132] Reference is made to a resource group ID bitmap table 1600 in FIG. 16 in order to obtain information about RSGs allocated to the user groups (UG). This resource group ID bitmap table 1600 is used to manage allocation of the resource group(s) to each user group for the purpose of the resource group ID bitmap management 200D (FIG. 2). If a user belongs to a plurality of user groups, resource groups corresponding to a bit string obtained by OR operation of bits in the resource group ID bitmap allocated to each user group are resource groups regarding which access by the login user is permitted. For example, if the login user belongs to a plurality of user groups (UG11, UG12), resource groups (RSGs) allocated to each user group are specified by [0001 0000 0000 0000 0100 . . . ] and [0001 0000 0000 0000 0010 . . . ] as shown in FIG. 16, so that the login user can access RSGs corresponding to a bit string [0000000 0000 0000 00 . . . ] obtained by OR operation of the above bitmaps, that is, three RSGs (RSG ID=0x03, 0x11, 0x12) and operate these RSGs. The resource group ID bitmap table 1600 is also set by the overall management user to the memory for the SVP 108 at the time of user registration. [0133] After completing the acquisition of the authority information (authority bitmap) and the RSG information (resource group ID bitmap) allocated to the login user, the SVP 108 updates and registers such information, together with the session ID generated at the time of the user login, in a session management table 1700 (FIG. 17) for the purpose of the session management 204 (FIG. 11: 1107, 1110). For example, a session whose session ID is [0101] is based on login of User0. The resource group ID bitmap and the authority bitmap, which are allocated to the login user to whom the relevant session ID is set, are registered for each session ID in the session management table 1700. The SVP 108 sends the session management table 1700 to the storage system 10 and the storage system 10 updates and registers the session management table in the shared memory 102A. After receiving completion notice from the processor 104 for the storage system, the SVP 108 completes the login (1112). The SVP 108 registers the authority of the relevant user and the information about the RSG(s) which is a management target(s), together with the session ID generated at the time of the user login, in the session management table 1700 and notifies the storage system of such registration, thereby enabling the storage system to check various resources for the login user, whether it is possible to operate those resources, and the authority. [0134] An integrated management user who manages all resources of the storage system even after the resources of the storage system are partitioned into a plurality of virtual storage systems is required. So, the SVP makes UG0, who has the security authority even after setting the plurality of virtual storage systems continue to have the access authority over all the resources. The SVP keeps the bits [1] for the existing resource groups; and even when a new resource group is set or added to the storage system, the SVP automatically sets [1] to the new resource group. As a result, the integrated management user does not have to add every new RSG to UG0 every time an RSG is created or set. The ability of UG0 to access all the resource groups can be explained by the fact that all bits in the resource group ID bitmap for UG0 are [1] in FIG. 16. [0135] Next, after the resource groups are validated in the storage system 10, the overall management user logically partitions the storage system into a plurality of systems for different companies as shown in FIG. 10 described earlier. This processing will be explained with reference to a flowchart in FIG. 18. When User0 (UG0) succeeds in login to the storage management software, the session management table is registered in the SVP 108 (FIG. 17). In response to a request from the external management terminal 20, the SVP 108 obtains the authority bitmap and the resource group ID bitmap of the login user from the session management table and sends them to the external management terminal 20 (1806). [0136] The external management terminal 20 judges whether or not the login user has the security authority which is the authority for overall management. Since the login user (User0) has the security authority and has the right to access all the resources of the storage system, the external management terminal 20 requests lists of user groups and storage groups existing in the storage system from the SVP 108 (1808). After receiving this request, the SVP refers to the user group ID bitmap table 1200 (FIG. 12) and the resource group ID bitmap table 1600 (FIG. 16) and sends a user group list, to which bits are set, and a resource group list, to which bits are set, to the external management terminal 20 (1810). The user group list includes information about the correspondence relationship the user ID, the user name, and the user group ID and is or corresponds to a user group ID bitmap. The resource group list includes information about the correspondence relationship each resource ID and the resource group ID of a resource group, to which the relevant resource belongs, and is or corresponds to a configuration information table showing the relationship between the aforementioned resource ID and the resource group ID. If the login user has the authority other than the security authority, processing in and after step 1808 will not be executed and the operation other than the security authority will be performed. [0137] The GUI of the external management terminal displays the user group list information and the resource group list information. The login user inputs the setting of a new resource group(s) ID to the related resource ID with respect to the list information in order to realize the form of target virtual storage systems, that is, virtual storage systems for company A and company B respectively as shown in FIG. 10 (1812). After finishing inputting the data, the external management terminal 20 sends the input data to the SVP 108. The SVP which has received the input data judges whether the resource group(s), which have been set or updated in order to configure the virtual storage system, is appropriate or not. In other words, the SVP judges whether or not the minimum resources required to configure the virtual storage system exist with respect to these resource groups. The minimum resources are physical resources, for example, parity groups and target ports. If these resources do not exist in the resource group, a data storage system for the host computer cannot be realized. [0138] The above-mentioned judgment includes, for example, judgment (1) and judgment (2) described below. If an affirmative judgment is returned for either judgment (1) or judgment (2) with respect to the resource group allocated to the virtual storage system, it is determined that the resource group is appropriate. [0139] Judgment (1): the resource group should include at least one of each of resources which are target ports, host groups, LDEVs, and parity groups. This judgment (1) is the basis assuming a case where the virtual storage system is already operated. [0140] Judgment (2): the resource group should include at least one of each of resources which are target ports and parity groups. This judgment (2) is the basis assuming a case before the operation of the virtual storage system. Incidentally, in the case shown in FIG. 10, both RSG2 and RSG5 have the physical resources, so it is determined that RSG(s) is appropriate. [0141] If the SVP 108 determines that the RSG(s) is not appropriate, it sends an error message to the GUI of the external management terminal 20. The GUI provides an error display and prompts the login user to input data again. The error display includes, for example, displaying the type(s) of resources lacking in the resource group. The GUI may identify and display resources, which have not been set to the resource group, or resources which are recommended to be set to the resource group. [0142] If an affirmative judgment is returned, the SVP sends the input information to the switch control module 110 for the storage system (1812). The processor module 104 updates and registers the resource group configuration information tables (FIGS. 5A, 5B to FIGS. 8A, 8B) and the resource group ID management table (FIG. 9) in the shared memory 102A based on the input information so that the content of these tables become the content of the RSG settings (1814); and the processor module 104 then sends the updated information to the SVP 108 via the switch control module 110 (1816). The SVP 108 configures the resource group ID bitmap (FIG. 16) based on the received information of the updated resource group configuration information tables (1816). The GUI of the external management terminal displays the relationship (the resource group ID bitmap table) between the resource group ID and its corresponding user group(s) based on the update information of the resource group ID bitmap (1820). If no user group is allocated to the resource group, the user group ID and the user group name are left blank. FIG. 45 shows a GUI screen displayed by the external management terminal in step 1820. If the management user selects a UG on the left side of the GUI screen, the right side of the screen will be switched to each relevant UG.」 (当審訳: [0124] 全体管理ユーザが外部管理端末20のGUIにユーザIDとパスワードを入力した後(1100)、入力情報をSVP108用ストレージ管理ソフトウェア200に送信し、SVPはユーザ認証を行う(1102)。ユーザ認証判定(1104)の結果、ログインユーザが登録ユーザでないと判定された場合、SVPは外部管理端末のGUIにエラー報告を送信する。この判定の結果、ログインユーザが登録ユーザであると判定された場合、SVPは、ログインにセッションIDを設定し、セッション管理テーブルにログイン時刻とログイン元情報を登録する(1105)。セッション管理テーブルについては後述する。ログイン元情報には、例えば、ユーザID、パスワード、IPアドレスなどが含まれる。 [0125] 次に、SVP は、ログインユーザがどの RSG に対してどのような権限を持つかを判断するた めに必要な情報を取得する。SVP は、まず必要な情報として、図 12 のユーザグループ ID ビットマップテーブル 1200 を参照し、ログインユーザのユーザ ID に基づいて、当該ユーザが所属する全ての UG を取得する(1106)。ユーザグループIDビットマップテーブル1200は、ユーザグループIDビットマップ管理200B(図2)を目的として、各ユーザの登録時に全体管理ユーザによって作成され、SVP108内のメモリ領域に登録される。ユーザグループIDビットマップテーブルは、ビットマップを用いてユーザ毎に当該ユーザが属するユーザグループを管理するものであり、ビットマップの各ビットが個々のユーザグループに対応している。ユーザは、ユーザIDとユーザ名によって特定される。 [0126] 例えば、ユーザ名が[User2]のユーザは、ユーザグループIDビットマップの3番目の位置のビットが[1]となり、UG2(ユーザグループID=0x02)に所属していることを示す。また、1人のユーザが複数のUGに属している場合には、複数のユーザグループIDに対応する複数の位置のビットに[1]が設定される。例えば、[1]が設定されるビット位置によれば、User20 は 3つのユーザグループ(ユーザグループ ID=0x0a、0x0b、0x10)に属している。 [0127] 次に、ログインユーザのユーザグループを決定した後、SVP は、そのユーザグループに割 り当てられた役割情報とリソースグループ情報を取得する(1108)。SVPは、ロール情報を取得するために、図13の権限ビットマップテーブル1300を参照する。ロールとは、プロビジョニング、ローカルバックアップ、リモートバックアップなどのユースケースに対処するための複数の権限の集まりであり、権限の論理セットである。権限は、関連する役割を実装するための個々の操作内容である。権限ビットマップテーブル1300は、ユーザグループ権限管理200C(図2)を実行するために使用され、各ユーザグループに役割が設定され、ビットマップ形式で登録される。このビットマップを役割IDビットマップと呼ぶ。権限ビットマップテーブル1300は、SVP用メモリ108に記録される。 [0128] ユーザグループ(UG)を定義する場合、全体管理ユーザは、権限ビットマップテーブル1300に役割IDビットマップを登録する。ビットマップの[1]がセットされたビットに対応するロールがユーザグループに設定される。ユーザが複数のユーザグループに所属している場合には、各ユーザグループに割り当てられた役割IDビットのOR演算により得られた役割がユーザに付与される。 [0129] また、ストレージシステムに関する雑多な役割と、役割IDビットマップの各ビットとの対応関係は、図14に示す通りである。さらに、各役割の下で、全体管理ユーザまたは部分管理ユーザがストレージシステムに関して実行可能な操作権限の内容は、図15Aに示す通りである。例えば、ユーザ名が(User0)のユーザは、図12によるユーザグループ(UG0)に属する。 そして、このユーザグループに対応する役割については、権限ビットマップテーブル(図13)に従って、その役割IDビットマップの第3ビットがオンに設定されるので、図14に従って、ユーザ名が[User0]のユーザに[security]役割が付与される。なお、権限ビットマップにおける役割情報との対応関係や、役割情報に対して許可される操作権限の対応関係に関する制御情報は、予め全体管理ユーザ(UG0)によってSVP108用のメモリに設定されている。インバンド処理の場合、インバンドからのログイン時に、記憶装置を介してサーバからSVPにアクセスし、ログインユーザに関連するリソースグループ情報や権限情報を取得し、サーバ上で動作するソフトウェアに一時的に保持する。これらの情報をもとに設定変更の可否を判断する。 [0130] 図15Aにおける役割と操作権限の対応関係は、役割情報テーブル(図15B)にまとめられている。役割情報テーブルでは、役割ID、役割名、権限ビットマップが互いに対応している。権限ビットマップの各ビットは,図15Cに示すように,操作権限に対応する.例えば、第1ビットはLDEV作成に対応し、第2ビットはLDEV削除に対応する。権限ビットマップにフラグが設定された操作権限の集合がロールを構成する。 [0131] RSG情報テーブル(図15D)は、リソースグループをキーとして、図5A、図5Bから図8A、図8Bに示した各情報をまとめたものである。RSG情報テーブルでは、RSG ID、RSG名、リソースIDビットマップが互いに対応している。また、リソースIDビットマップの各ビットも各リソースIDに対応している。図15B~図15Eに示す各テーブルは、ストレージコントローラ16の共有メモリ102Aにも記録されている。 [0132] ユーザグループ(UG)に割り当てられたRSGに関する情報を得るために、図16のリソースグループIDビットマップテーブル1600を参照する。) このリソースグループIDビットマップテーブル1600は、リソースグループIDビットマップ管理200D(図2)の目的で、各ユーザグループへのリソースグループの割り当てを管理するために使用される。ユーザが複数のユーザグループに属している場合、各ユーザグループに割り当てられたリソースグループIDビットマップのビットをOR演算して得られるビット列に対応するリソースグループが、ログインユーザによるアクセスが許可されるリソースグループとなる。例えば、ログインユーザが複数のユーザグループ(UG11、UG12)に所属する場合、各ユーザグループに割り当てられたリソースグループ(RSG)は、図16に示すように、[0001 0000 0000 0100 ... ]と[0001 0000 0000 0010 ... ]で指定される。ログインユーザは、図16に示すように、上記ビットマップのOR演算により得られるビット列[0000000 0000 0000 00 . . . ]に対応するRSG、すなわち3つのRSG(RSG ID=0x03, 0x11, 0x12)にアクセスし、これらのRSGを操作することができる。また、リソースグループIDビットマップテーブル1600は、ユーザ登録時に全体管理ユーザがSVP108用メモリに設定する。 [0133] ログインユーザに割り当てられた権限情報(権限ビットマップ)およびRSG情報(リソースグループIDビットマップ)の取得が完了すると、SVP108は、セッション管理204(図11:1107、1110)のために、ユーザログイン時に生成されたセッションIDとともに、これらの情報を更新してセッション管理テーブル1700(図17)に登録する。) 例えば、セッションIDが[0101]のセッションは、User0のログインに基づくものである。セッション管理テーブル1700には、セッションID毎に、当該セッションIDが設定されたログインユーザに割り当てられた資源グループIDビットマップと権限ビットマップが登録される。 SVP108はセッション管理テーブル1700をストレージシステム10に送信し、ストレージシステム10は共有メモリ102Aにセッション管理テーブルを更新登録する。ストレージシステム用プロセッサ104から完了通知を受信した後、SVP108はログインを完了する(1112)。SVP108は、当該ユーザの権限と、管理対象であるRSG(複数可)の情報を、ユーザログイン時に生成されたセッションIDとともにセッション管理テーブル1700に登録し、ストレージシステムにその旨を通知することで、ストレージシステムは、ログインユーザの各種リソースの確認、そのリソースの操作の可否、権限の確認を行うことができる。 [0134] ストレージシステムのリソースが複数の仮想ストレージシステムに分割された後も、ストレージシステムの全リソースを管理する統合管理ユーザが必要である。そこで、SVP は、複数の仮想記憶システムを設定した後も、セキュリティ権限を持つ UG0 に、全てのリソースに対するアクセス権限を持たせる。また、SVP は、既存のリソースグループのビット[1]を保持し、新たなリソースグループが設定されたり、ストレージシステムに追加された場合でも、自動的に新しいリソースグループに[1]を設定する。その結果、統合管理ユーザは、RSGが作成または設定されるたびに、すべての新しいRSGをUG0に追加する必要がない。UG0がすべてのリソースグループにアクセスできることは、図16のUG0のリソースグループIDビットマップのすべてのビットが[1]であることで説明できる。 [0135] 次に、ストレージシステム10においてリソースグループが検証された後、全体管理ユーザは、先に説明した図10に示すように、ストレージシステムを論理的に企業ごとに複数のシステムに分割する。この処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。User0(UG0)がストレージ管理ソフトウェアへのログインに成功すると、SVP108にセッション管理テーブルが登録される(図17)。外部管理端末20からの要求に応じて、SVP108はセッション管理テーブルからログインユーザの権限ビットマップとリソースグループIDビットマップを取得し、外部管理端末20に送信する(1806)。 [0136] 外部管理端末20は、ログインユーザが全体管理の権限であるセキュリティ権限を有しているか否かを判定する。ログインユーザ(User0)はセキュリティ権限を有し、ストレージシステムの全てのリソースにアクセスする権利を有するので、外部管理端末20は、SVP108にストレージシステム内に存在するユーザグループとストレージグループのリストを要求する(1808)。この要求を受けたSVPは、ユーザグループIDビットマップテーブル1200(図12)とリソースグループIDビットマップテーブル1600(図16)を参照し、ビットが設定されているユーザグループリストとビットが設定されているリソースグループリストを外部管理端末20に送信する(1810)。 ユーザグループリストは、ユーザIDと、ユーザ名と、ユーザグループIDとの対応関係に関する情報を含み、ユーザグループIDビットマップであるか、またはユーザグループIDビットマップに対応する。リソースグループリストは、各リソースIDと、当該リソースが属するリソースグループのリソースグループIDとの対応関係に関する情報を含み、前述のリソースIDとリソースグループIDとの対応関係を示す設定情報テーブルであるか、またはこれに対応する。なお、ログインユーザがセキュリティ権限以外の権限を有する場合は、ステップ1808以降の処理は実行されず、セキュリティ権限以外の操作が行われる。 [0137] 外部管理端末の GUI には、ユーザグループ一覧情報とリソースグループ一覧情報が表示される。ログインユーザは、図10(1812)に示すように、対象となる仮想記憶システムの形態、すなわちA社用とB社用の仮想記憶システムをそれぞれ実現するために、リスト情報に関して、関連するリソースIDに新たなリソースグループ(複数可)のIDの設定を入力する。入力を終えた外部管理端末20は、入力データをSVP108に送信する。入力データを受信したSVPは、仮想記憶システムを構成するために設定または更新されたリソースグループが適切か否かを判断する。すなわち、SVPは、これらのリソースグループに関して、仮想記憶システムを構成するために必要な最低限のリソースが存在するか否かを判断する。最低限必要なリソースとは、例えばパリティグループやターゲットポートなどの物理リソースである。これらのリソースがリソースグループに存在しない場合、ホストコンピュータのデータストレージシステムは実現できない。 [0138] 上記判断には、例えば、後述する判断(1)および判断(2)が含まれる。判断(1)または判断(2)において、仮想記憶装置に割り当てられているリソースグループに対して肯定判断が返された場合、そのリソースグループは適切であると判定される。 [0139] 判断(1):リソースグループは、ターゲットポート、ホストグループ、LDEV、パリティグループの各リソースを少なくとも1つずつ含むべきである。この判断(1)は、仮想記憶システムが既に運用されている場合を想定したものである。 [0140] 判断(2):リソースグループには、対象ポート、パリティグループであるリソースをそれぞれ少なくとも1つ含める。この判断(2)は、仮想記憶システムが運用される前の場合を想定したものである。ちなみに、図10に示すケースでは、RSG2とRSG5の両方が物理リソースを持つので、RSG(s)が適切と判断される。 [0141] SVP108 は、RSG が適切でないと判断した場合、外部管理端末 20 の GUI にエラーメッセージを送信する。GUI はエラー表示を行い、ログインユーザに再度データ入力を促す。エラー表示には、例えば、リソースグループに不足しているリソースの種類を表示することなどが含まれる。GUIは、リソースグループに設定されていないリソースや、リソースグループに設定することが推奨されるリソースを識別して表示することができる。 [0142] 肯定的判断が返された場合、SVPは、入力情報をストレージシステム用スイッチ制御モジュール110に送信する(1812)。プロセッサモジュール104は、これらのテーブルの内容がRSG設定の内容となるように、入力情報に基づいて共有メモリ102A内のリソースグループ設定情報テーブル(図5A、図5B~図8A、図8B)およびリソースグループID管理テーブル(図9)を更新して登録し(1814)、プロセッサモジュール104は、次に、更新された情報をスイッチ制御モジュール110を介してSVP108に送信する(1816)。SVP108は、更新されたリソースグループ設定情報テーブルの受信情報に基づいて、リソースグループIDビットマップ(図16)を設定する(1816)。 外部管理端末のGUIは、リソースグループIDビットマップの更新情報に基づいて、リソースグループIDと対応するユーザグループとの関係(リソースグループIDビットマップテーブル)を表示する(1820)。なお、リソースグループにユーザグループが割り当てられていない場合は、ユーザグループIDとユーザグループ名は空欄となる。図45は、ステップ1820で外部管理端末が表示するGUI画面を示す。管理ユーザがGUI画面の左側でUGを選択すると、画面の右側が該当する各UGに切り替わる。) ク 「[0198] Next, the operation of the computer system shown in FIG. 1 will be explained with reference to flowcharts in FIG. 41 to FIG. 44. While the aforementioned flowcharts correspond to the form in FIG. 23, FIG. 41 to FIG. 44 show general purpose flowcharts that can be applied to forms other than that in FIG. 23. These flowcharts show continuous processing. The SVP 108 obtains a request from a login session based on a login session 5000 of the user (4100). The request herein means operation permitted for each authority. The management software which has received this request checks the execution authority of the login user (4102); and if this check is negated, the processing of the flowchart terminates (4004); and if this check is permitted, the processing proceeds to the next step. This check is performed in the following manner. The SVP refers to the authority table in FIG. 15 and extracts the corresponding authority from the operation content of the request (4106). The SVP 108 refers to the authority bitmap (FIG. 13) allocated to the login user and checks if the corresponding authority is included in the request (4102). If the corresponding authority is included in the request, the SVP determines that the execution authority exists, and then proceeds to a resource group access check. If the corresponding authority is not included in the request, the SVP jumps to the flowchart in FIG. 43 (4300). [0199] During the resource group access check processing (4108), the SVP firstly extracts a resource included in the request (4106). After the resource is extracted, the SVP identifies the resource group ID of a resource group to which the relevant resource belongs, according to information cached in the SVP. If the SVP has not cached this information, it requests that the storage system should report the resource group ID (4110). After obtaining this request (4112), the storage system refers to the configuration information table 202B for the shared memory 102A, obtains the resource group ID, and notifies the SVP of the resource group ID (4114). The SVP obtains the resource group ID (4116) and judges whether the authority over this resource group exists or not (4118). If an affirmative judgment is returned, the processing proceeds to the exclusive control processing in FIG. 42. If a negative judgment is returned, this processing terminates (4120) [0200] FIG. 42 is a flowchart explaining exclusive control processing. This exclusive control processing makes all resource groups, to which the resource included in the relevant request and extracted upon the resource group access check belongs, enter a locked state by recognizing the login session ID of a request sender as that of an owner (see FIG. 9). Then, the SVP forms an exclusive control request (4200) and sends this request to the storage system 10 (4202). After receiving this request (4204), the storage system tries executing the exclusive control processing on the resource group, which is a target of the exclusive control request (4206), and notifies the SVP of the result (4208). After receiving the result of the exclusive control processing (4210), the SVP judges whether the result of the exclusive control processing is normal or not (4212). If all the resource groups on which the exclusive control processing should be executed cannot be locked, the SVP determines the result to be an error. If the error judgment is returned, the SVP terminates the flowchart.」 (当審訳: [0198] 次に、図1に示すコンピュータシステムの動作について、図41~図44のフローチャートを参照して説明する。前述のフローチャートは、図23の形態に対応するものであるが、図41~図44は、図23以外の形態にも適用可能な汎用的なフローチャートを示している。これらのフローチャートは、連続的な処理を示している。SVP108は、ユーザのログインセッション5000に基づくログインセッションから要求を取得する(4100)。ここでいう要求とは、権限毎に許可された操作を意味する。この要求を受けた管理ソフトウェアは、ログインユーザの実行権限をチェックし(4102)、このチェックが否定された場合はフローチャートの処理を終了し(4004)、このチェックが許可された場合は次のステップに処理を進める。このチェックは以下の手順で行われる。SVP は、図 15 の権限テーブルを参照し、リクエストの操作内容から対応する権限を抽出する(4106)。SVP108 は、ログインユーザに割り当てられている権限ビットマップ(図 13)を参照し、対応する 権限がリクエストに含まれているかを確認する(4102)。対応する権限がリクエストに含まれている場合、SVPは実行権限が存在すると判断し、リソースグループアクセスチェックに進みます。対応する権限がリクエストに含まれていない場合、SVP は図 43 のフローチャートにジャンプする(4300)。 [0199] リソースグループアクセスチェック処理(4108)において、SVPはまず、リクエストに含まれるリソースを抽出する(4106)。リソースの抽出後、SVPは、SVPにキャッシュされた情報に従い、当該リソースが属するリソースグループのリソースグループIDを特定する。SVPがこの情報をキャッシュしていない場合、ストレージシステムにリソースグループIDを報告するよう要求する(4110)。この要求を取得した後(4112)、ストレージシステムは、共有メモリ102Aの構成情報テーブル202Bを参照し、リソースグループIDを取得し、SVPに通知する(4114)。SVPは、リソースグループIDを取得し(4116)、このリソースグループに対する権限の有無を判定する(4118)。肯定判定が返ってきた場合は、図42の排他制御処理に進む。否定判定が返された場合、本処理を終了する(4120)。 [0200] 図42は、排他制御処理を説明するフローチャートである。この排他制御処理は、要求送信者のログインセッションIDを所有者と認識することで、当該要求に含まれリソースグループアクセスチェックにより抽出されたリソースが属する全てのリソースグループをロック状態にする(図9参照)。次に、SVPは排他制御要求を形成し(4200)、この要求をストレージシステム10に送信する(4202)。この要求を受信したストレージシステムは(4204)、排他制御要求の対象であるリソースグループに対して排他制御処理の実行を試み(4206)、その結果をSVPに通知する(4208)。排他制御処理の結果を受信したSVPは(4210)、排他制御処理の結果が正常であるか否かを判定する(4212)。排他制御処理を実行すべきリソースグループが全てロックできない場合、SVPはエラーと判定する。エラー判定が返された場合、SVPはフローチャートを終了する。) (3)甲第4号証の記載 申立人が主たる証拠あるいは従たる証拠(周知例)として提出した甲第4号証(特開2006-185386号公報)には、図面とともに以下の記載がある。 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明はストレージシステム及びストレージ管理方法に関し、特に、記憶資源が分割管理されるストレージシステムの改良技術に関する。 (中略) 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかし、従来のストレージシステムにおいては、ストレージシステム全体を管理するシステム管理者(以下、全体管理者と称する。)は、ストレージシステムの構成情報等に対して、各分割管理者がいつどのような設定を行ったのかを把握することができなかった。これは、分割管理者の操作ログが各々独立した管理モジュールに蓄積されてしまい、システム開発者でなければ、各管理モジュールから操作ログを取り出すことが出来なかったためである。ストレージシステムの運用を安全且つ円滑に行うには、各分割管理者がいつどのような設定を行ったのかを全体管理者が把握し、更に、不正な操作が行われた場合には、システム障害が生じる前にこれを検出できるシステムの構築が求められている。 【0004】 そこで、本発明は、ストレージシステムの全体管理者が各分割管理者の来歴情報を容易に収集できるストレージシステム及びストレージ管理方法を提案することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記の課題を解決するため、本発明のストレージシステムは、複数のチャネル制御部と、複数のディスク制御部と、共有メモリと、キャッシュメモリと、ディスク制御部に接続される物理ディスクと、複数のチャネル制御部、複数のディスク制御部、共有メモリ、及びキャッシュメモリを接続する接続部とを備えるストレージシステム内の記憶資源が全体管理者によって管理されると共に、記憶資源の分割単位毎に分割管理者が割り当てられて分割管理されるストレージシステムであって、全体管理者又は分割管理者による設定内容に従って、記憶資源の構成変更を行う管理モジュールと、記憶資源の構成変更が行われた分割単位の識別子、設定内容、及び管理者の識別情報を関連付けた来歴情報を生成する来歴情報管理モジュールと、来歴情報を格納する来歴情報格納部と、を備える。」 イ 図1 [図:0001426834000024.jpg] ウ 「【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、各図を参照して本発明の実施形態について説明する。 図1は本実施形態に係るストレージシステム600の全体的なシステム構成を示している。ストレージシステム600は、主に、ストレージ制御装置100と、ストレージ駆動装置300とから構成される。ストレージ制御装置100は、例えば、情報処理装置200から受信したコマンドに従ってストレージ駆動装置300に対する入出力制御を行う。例えば、情報処理装置1乃至5(200)からのデータ入出力要求を受信して、物理ディスクドライブ330へのデータの読み書きを行う。またストレージ制御装置100は、例えば、情報処理装置6乃至8(200)からストレージシステム600を管理するための各種コマンドを受信して、ストレージシステム600の構成情報の設定・変更等の各種の処理を行う。 【0009】 情報処理装置200は、CPUやメモリ等を備えたコンピュータ装置である。情報処理装置1乃至5(200)は、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、或いはメインフレームコンピュータ等の上位装置であり、銀行の自動預金預け払いシステムや、航空機の座席予約システム等に利用される。一方、情報処理装置6乃至8(200)は、ストレージシステム600を保守・管理するための管理コンピュータとして利用される。 【0010】 ここで、異なるユーザが各々の情報処理装置200を所有して、システムを運用することもできる。例えば、ユーザAが情報処理装置1,2,6(200)を所有し、ユーザBが情報処理装置3,4,5,7(200)を所有し、全体管理者が情報処理装置8(200)を所有して、システムを運用してもよい。ここで、ユーザとは、例えば、企業、企業内各部署、或いは個人等である。 【0011】 情報処理装置1乃至5(200)は、SAN500を介してストレージ制御装置100と通信可能に接続されている。SAN500は、ストレージ駆動装置300が提供する記憶資源におけるデータの管理単位であるブロックを単位として、情報処理装置1乃至5(200)との間でデータの授受を行うためのネットワークである。SAN500を介して情報処理装置1乃至5(200)とストレージ制御装置100との間で行われる通信プロトコルは、例えば、ファイバチャネルプロトコルである。 【0012】 もとより、情報処理装置1乃至5(200)とストレージ制御装置100との間は、必ずしも、SAN500を介して接続されている必要はなく、例えば、LAN(Local Area Network)を介して接続されていてもよく、或いはネットワークを介さずに直接に接続されていてもよい。LANを介して接続される場合には、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルに従って通信を行うこともできる。情報処理装置1乃至5(200)とストレージ制御装置100との間をネットワークを介さずに直接に接続する場合には、例えば、FICON(Fibre Connection)(登録商標)、ESCON(Enterprise System Connection) (登録商標)、ACONARC(Advanced Connection Architecture)(登録商標)、FIBARC(Fibre Connection Architecture)(登録商標)等の通信プロトコルに従って、通信を行ってもよい。 【0013】 また、情報処理装置6乃至8(200)は、LAN400を介してストレージ制御装置100と接続されている。LAN400は、例えば、インターネット、或いは専用線等で構成してもよい。LAN400を介して行われる情報処理装置6乃至8(200)とストレージ制御装置100との間の通信は、例えば、TCP/IPプロトコルに従って行うように構成してもよい。 【0014】 ストレージ駆動装置300は、複数の物理ディスクドライブ330を備えている。物理ディスクドライブ330は、ハードディスクドライブなどのデータ記憶媒体、或いはRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)を構成する複数のハードディスクドライブによって構成してもよい。(以下、一つのRAIDを構成する複数のハードディスクドライブをRAIDグループ又はECCグループと称する場合がある。)。また、物理ディスクドライブ300により提供される物理的な記憶領域である物理ボリュームには、論理的な記憶領域である論理ボリューム(以下、LUと称する場合がある。)を設定することができる(以下、物理ボリュームと論理ボリュームとを含む、データを記憶するための記憶領域を記憶ボリューム310と称する場合がある。)。 【0015】 ストレージ制御装置100とストレージ駆動装置300との間は、ネットワークを介さずに直接に接続してもよく、或いはネットワークを介して接続してもよい。或いは、ストレージ駆動装置300は、ストレージ制御装置100と一体的に構成してもよい。 【0016】 ストレージ制御装置100は、チャネル制御部110、共有メモリ120、キャッシュメモリ130、ディスク制御部140、管理端末160、及び接続部150を備える。 エ 図2 [図:0001426834000025.jpg] オ 「【0031】 図2は管理端末160のシステム構成を示している。管理端末160は、CPU161、メモリ162、ポート163、記録媒体読取装置164、入力装置165、出力装置166、及び記憶装置168を備える。 【0032】 CPU161は、管理端末160の全体の制御を司るもので、メモリ162に記憶された各種の動作を行うためのコードから構成されるストレージ管理プログラム162Cを実行することにより、ストレージシステム600の保守・管理機能を提供できる。また、例えば、CPU161は、ストレージ管理プログラム162Cを実行することにより、上述したWebサーバとしての機能等を実現することができる。メモリ162には、物理ディスクドライブ管理テーブル162A、LU管理テーブル162B、ストレージ管理プログラム162C、ユーザ管理テーブル162D、ユーザ対応テーブル162E、SLPR管理テーブル162F、CLPR管理テーブル162G、及びポート管理テーブル162Hが記憶されている。」 カ 「【0045】 ストレージシステム600は、複数のユーザによって共用されて、システム運用が行われる。即ち、ストレージシステム600が提供する通信ポート、物理ディスクドライブ330、キャッシュメモリ130等の記憶資源は、各ユーザによって共用される。各ユーザは、自身に割り当てられた範囲内で各記憶資源を運用する。分割管理者は、各ユーザに割り当てられた記憶資源の範囲内でストレージシステム600を運用するための各種設定を行う。例えば、各ユーザに割り当てられた物理ディスクドライブ330に対する論理ボリュームの設定や、各ユーザの情報処理装置200から論理ボリュームにアクセスするための通信路であるパスの設定等を行う。全体管理者は、ストレージシステム600全体のシステム運用を管理する。全体管理者は、例えば、ストレージサービスプロバイダの従業員等である。 【0046】 図8はストレージシステム600における記憶資源の分割の概要を示している。ストレージシステム600においては、各ユーザは、SLPRと称されるグループ毎に記憶資源が割り当てられる。例えば、SLPR0はユーザAに、SLPR1はユーザBに、SLPR2はユーザCに、それぞれ割り当てることができる。また、全SLPRは、全体管理者に割り当てられる。 【0047】 図14は各記憶資源を上記のように割り当てたときのユーザ対応テーブル162Eを示している。各SLPRには、通信ポートとCLPRとが対応付けられる。図8に示した例では、SLPR0には、PORT0(通信ポート0)と、CLPR0とが割り当てられ、SLPR1には、PORT1(通信ポート1)と、CLPR1と、CLPR2とが割り当てられ、SLPR2には、PORT2(通信ポート2)と、PORT3(通信ポート3)と、CLPR3とが割り当てられている。各CLPRには、ECCグループ320と、ECCグループ320に記憶されるデータのうちのキャッシュメモリ130に記憶可能な記憶容量とが対応付けられる。図8に示した例では、CLPR0には、ECCグループ0と、100GBのキャッシュメモリ130の記憶容量とが割り当てられ、CLPR1には、ECCグループ1と、100GBのキャッシュメモリ130の記憶容量とが割り当てられ、CLPR2には、ECCグループ2と、100GBのキャッシュメモリ130の記憶容量とが割り当てられ、CLPR3には、ECCグループ3と、100GBのキャッシュメモリ130の記憶容量とが割り当てられている。 【0048】 上述した割り当てにより、A社は、PORT0を使用して、ECCグループ0の物理ディスクドライブ330と、100GBのキャッシュメモリ130とを使用することができる。B社は、PORT1を使用して、ECCグループ1の物理ディスクドライブ330と、ECCグループ2の物理ディスクドライブ330と、各物理ディスクドライブ330のそれぞれに対して割り当てられた100GBのキャッシュメモリ130とを使用することができる。C社は、PORT2と、PORT3とを使用して、ECCグループ3の物理ディスクドライブ330と、100GBのキャッシュメモリ130を使用することができる。 【0049】 図9はCLPR管理テーブル162Gを示している。同テーブル162Gは、各CLPRに割り当てられるECCグループ320と、キャッシュメモリ130の記憶容量とを対応付けるテーブルである。同テーブル162Gには、"識別子"欄、"キャッシュ容量"欄、"ECCGroup"欄、及び"所属SLPR識別子"欄が定義される。"識別子"欄には、CLPRグループの識別子が設定される。"キャッシュ容量"欄には、各CLPRに割り当てられたキャッシュメモリ130の記憶容量が設定される。"ECCGroup"欄には、各CLPRに割り当てられたECCグループ320の識別子が設定される。"所属SLPR識別子"欄には、CLPRが割り当てられているSLPRの識別子が設定される。 【0050】 尚、図3に示した物理ディスクドライブ管理テーブル162Aには、"ECCグループ"欄が定義されている。そのため、物理ディスクドライブ管理テーブル162Aと、CLPR管理テーブル162Gとを参照することにより、各物理ディスクドライブ330がどのCLPRグループに属するのか、更には、どのSLPRグループに属するのかを対応付けえることができる。 【0051】 また、図4に示したLU管理テーブル162Bには、"所属CLPR"欄が定義されている。これにより、各CLPRグループと、そのCLPRグループに割り当てられるECCグループ320に論理的に設定される論理ボリュームとを対応付けることができる。ここで、論理ボリュームの設定は、自身に割り当てられたストレージシステム600の記憶資源を管理する分割管理者により行うことができる。 【0052】 ストレージシステム600においては、各CLPRにはキャッシュメモリ130の記憶容量が割り当てられる。各CLPRにキャッシュメモリ130の記憶容量を割り当てることにより、ストレージシステム600を共用する各ユーザは、他のユーザによるストレージシステム600の使用の影響を受けずに、自身に割り当てられた範囲内でキャッシュメモリ130を使用することが可能となる。即ち、ストレージシステム600においては、 キャッシュメモリ130についてもユーザ毎に分割して提供することが可能である。このため、複数のユーザがストレージシステム600を共用したとしても、各ユーザのキャッシュヒット率が他ユーザのストレージシステム600の利用により影響を受けることがなくなるので、ユーザ間に依存関係の無い、独立した記憶資源を提供可能なストレージコンソリデーションを実現することが可能となる。 【0053】 各CLPRにキャッシュメモリ130の記憶容量を割り当てるようにするため、図10に示すように、キャッシュメモリ130は制御領域とデータ領域とを有して構成される。データ領域は、データ(例えば、物理ディスクドライブ330に書き込まれるライトデータ、或いは物理ディスクドライブ330から読み出したリードデータ等)を記憶するための領域である。データ領域は、通常のキャッシュメモリと同様に、所定のブロックデータ長毎にアドレス付けされている。一方、制御領域には、使用中のデータブロックの番号がCLPR毎に書き込まれる。各CLPRに割り当てられるデータブロックの数は、各CLPRに割り当てられたキャッシュメモリ130の記憶容量に応じて調整される。ここでは、CLPR0乃至3は、何れも100GBの記憶容量が割り当てられているので、図10に示す例では、何れも同一数のデータブロックが割り当てられている。各CLPRに割り当てられるデータブロック数は、例えば、管理端末160からの指示により変更することも可能である。 【0054】 図11はSLPR管理テーブル162Fを示している。同テーブル162Fは、各SLPRグループの割り当てを示すテーブルであり、"使用可能CU番号"欄、及び"使用可能SSID"欄が定義される。"使用可能CU番号"欄には、各SLPRに割り当てられるCU(Control Unit)の番号が設定される。CUとは、ストレージシステム600に設定される論理的なストレージシステム600をいい、情報処理装置200に対しては、あたかも各CUが独立したストレージシステム600であるかのように振舞う。"使用可能SSID"欄には、各SLPRに割り当てられるSSID(Storage Subsystem Identification)の番号が設定される。SSIDとは、各ECCグループ320に論理的に設定されるLDEV(Logical DEVice)の番号を一定数の区切り毎に1つずつ設定される識別子をいう。 【0055】 尚、SLPR管理テーブル162Fにおいて、"使用可能CU番号"欄と、"使用可能SSID"欄とは、何れか一方のみとすることもできる。例えば、情報処理装置1乃至5(200)がメインフレーム系コンピュータである場合には、"使用可能SSID"欄のみとすることができる。また、情報処理装置1乃至5(200)がオープン系コンピュータである場合には、"使用可能CU番号"欄のみとすることができる。 【0056】 図12はポート管理テーブル162Hを示している。同テーブルは、各SLPRの通信ポートの割り当てを示すテーブルであり、"PORT番号"欄、及び"所属SLPR識別子"欄が定義される。"PORT番号"欄には、通信ポートの識別子が設定される。"所属SLPR識別子"欄には、その通信ポートが割り当てられるSLPRの識別子が設定される。 【0057】 上述した各テーブルを用いることにより、ストレージシステム600が備える記憶資源の分割と、この分割された各記憶資源のユーザへの割り当てを行うことができる。 【0058】 各分割管理者は、情報処理装置6乃至7(200)を操作することにより、LAN400経由で管理端末160にアクセスし、ストレージシステム600内の記憶資源の構成変更(例えば、上述した各種テーブルの変更等)を行うことができる。全体管理者は、情報処理装置8(200)を操作することにより、LAN400経由で管理端末160にアクセスし、ストレージシステム600内の記憶資源の構成変更を行うことができる。 【0059】 図15は各分割管理者又は全体管理者が記憶資源の各種設定内容を構成変更する概要を示している。管理端末160は、RMI(リモートメソッド呼び出し)901、LU管理モジュール902、SLPR管理モジュール903、CLPR管理モジュール904、ポート管理モジュール905、ログインユーザ管理モジュール906、来歴情報管理モジュール907、来歴情報格納部908、及び通信・共通関数909を備える。これらの各モジュールの機能は、CPU161がストレージ管理プログラム162Cを実行することにより、実現されている。LU管理モジュール902は、LUの構成情報を管理するためのモジュールであり、例えば、LU管理テーブル162Bの設定又は変更等を行う。SLPR管理モジュール903は、SLPRの構成情報を管理するためのモジュールであり、例えば、SLPR管理テーブル162Fの設定又は変更等を行う。CLPR管理モジュール904は、CLPRの構成情報を管理するためのモジュールであり、例えば、CLPR管理テーブル162Gの設定又は変更等を行う。ポート管理モジュール905は、ポートの構成情報を管理するためのモジュールであり、例えば、ポート管理テーブル162Hの設定又は変更等を行う。 【0060】 管理端末160には、複数のユーザが同時にログイン可能である。例えば、ユーザA、ユーザB、及び全体管理者がそれぞれ情報処理装置6乃至8(200)を操作して、管理端末160に同時にログインすることができる。但し、複数のユーザがログインしている場合は、最先にModify Mode(構成変更許可)を取得したユーザのみが記憶資源の構成変更を行うことが許可され、その他のユーザはログ情報の参照を行うことが許可される。ログインユーザ管理モジュール906は、図16に示すように、各ログインユーザに対して、ログインした順番にID(識別情報)を付与し、"ID"、"ユーザ名"、及び"SLPR番号(分割管理者番号)"を対応付けて保持する。RMI901はログインユーザからの構成変更指示に従って、各モジュール902~905を呼び出す。各モジュール902~905は、IDと変更内容(設定内容)を渡されると、受け取った変更内容に従って、構成変更を行い、ログイン情報、及び設定情報を来歴情報管理モジュール907に渡す。来歴情報管理モジュール907は、ID、ユーザ名、及びSLPR番号の対応関係をログインユーザ管理モジュール906から受け取るとともに、各モジュール902~905からログイン情報、及び設定情報を受け取り、これらの情報から来歴情報を生成して、これを来歴情報格納部908に格納する。各モジュール902~905の構成変更は、通信・共通関数909を介してストレージ制御装置100に伝達され、共有メモリ120内のLU管理テーブル162B、SLPR管理テーブル162F、CLPR管理テーブル162G、及びポート管理テーブル162Hが更新される。 【0061】 図17は各ログインユーザのログイン情報を示している。ログイン情報は"ID"、"ログイン日"、"時間"、"タイムゾーン"、"機能"、"IP Address"、及び"結果"から成る。"ID"は、ログインユーザを識別する識別番号である。"ログイン日"は、ログインした日を示し、"時間"は、ログイン時刻を示す。"タイムゾーン"は、グリニッジ標準時刻等を示す。"機能"は、ログイン(Login)、ログアウト(Logout)、構成変更(Modify)の何れかを示す。"IP Address"は、情報処理装置6乃至8(200)等のログイン端末のIPアドレスである。"結果"は、ログ操作が正常に行われたか否かを示す。Nomalは正常なログ操作による終了を示し、Errorは不正なログ操作による異常終了を示している。 【0062】 図18は各ログインユーザの設定情報を示している。設定情報は"ID"、"変更日"、"変更時間"、"タイムゾーン"、"機能"、"操作"、及び"結果"から成る。"変更日"は、構成変更を行った日を示し、"変更時間"は、構成変更を行った時刻を示す。"機能"は、構成変更の内容(設定内容又は操作内容)を示す。 【0063】 図19は全ログインユーザの来歴情報を示している。来歴情報は各モジュール902~905からログイン情報と設定情報を収集し、これらの情報について、IDをユーザ名と SLPR番号の組み合わせに変換した情報である。全ログインユーザの来歴情報はログファイルとして、来歴情報格納部908に格納される。 【0064】 図20は全体管理者が記憶資源の構成変更を行う手順を記述したフローチャートを示している。まず、情報処理装置8(200)は、ユーザインタフェースを通じて入力される全体管理者のユーザIDとパスワードを受け付ける(S1000)。すると、ユーザIDとパスワードはLAN400を経由して管理端末160に送信される(S1001)。管理端末160は、図13に示すユーザ管理テーブル162Dを参照し、ユーザ認証を行う(S1002)。ユーザ管理テーブル162Dは、メモリ162に記憶されている。ユーザ管理テーブル1620Dには、"ユーザID"欄、"ユーザ名"欄、"パスワード"欄、及び"備考"欄が定義される。"ユーザID"欄には、分割管理者又は全体管理者の識別子が設定される。"ユーザ名"欄には、分割管理者名又は全体管理者名が設定される。"パスワード"欄には、分割管理者又は全体管理者のパスワードが設定される。"備考"には、必要に応じて注記事項等が設定される。このように分割管理者又は全体管理者の認証を行うことにより、分割管理者又は全体管理者になりすました第三者がストレージシステム600の不正な構成変更を行うことを防止できる。 【0065】 管理端末160は、情報処理装置8(200)に認証結果を返送する(S1003)。情報処理装置8(200)は、管理端末160から全体管理者としての認証を受けると(S1004;Yes)、分割定義画面を表示する(S1005)。分割定義画面の表示は、管理端末160から送信されるWebページを表示することにより行ってもよい。図21は分割定義画面の一例を示している。上述したように、全体管理者には、全てのSLPRが割り当てられており、全ての記憶資源の割り当て情報を参照及び更新することができる。全体管理者は、分割定義画面からSLPR、及びCLPRの設定入力を行う。分割定義画面において"OK"欄をクリックすると、全体管理者が入力した設定内容が情報処理装置8(200)に受け付けられる(S1006)。すると、情報処理装置8(200)は、その内容を管理端末160に送信する(S1007)。 【0066】 すると、管理端末160は、各モジュール902~905の構成変更を行い(S1008)、共有メモリ120に格納されているLU管理テーブル162B、SLPR管理テーブル162F、CLPR管理テーブル162G、及びポート管理テーブル162Hの内容を更新する(S1009)。そして、共有メモリ120からLU管理テーブル162B、SLPR管理テーブル162F、CLPR管理テーブル162G、及びポート管理テーブル162Hを読み出して、管理端末160のメモリ162に記憶されたこれらのテーブルの内容を更新する(S1010)。その後、管理端末160は情報処理装置8(200)に対して、設定終了通知を送信する(S1011)。以上の処理により、全体管理者は、ストレージシステム600の記憶資源の分割と、その割り当てを行うことができる。 【0067】 尚、ここでは、情報処理装置8(200)を用いてSLPR及びCLPRの設定を行う場合を例示したが、管理端末160から構成変更の設定を行ってもよい。 【0068】 図22は分割管理者が自身に割り当てられた記憶資源の構成変更を行う手順を記述したフローチャートを示している。ここでは、分割管理者として、ユーザAを例にして説明する。まず、情報処理装置6(200)は、ユーザインタフェースを通じてユーザIDとパスワードの入力を受け付ける(S2000)。すると、情報処理装置6(200)は、ユーザIDとパスワードをLAN400経由で管理端末160に送信する(S2001)。管理端末160は、メモリ162に記憶されているユーザ管理テーブル162Dを参照し、ユーザ認証を行う(S1002)。すると、管理端末160は認証結果を情報処理装置6(200)に送信する(S2003)。情報処理装置6(200)は、管理端末160から分割管理者としての認証を受けると(S2004;Yes)、構成情報取得要求を管理端末160に送信する( S2005)。構成情報取得要求は、各ユーザに割り当てられている記憶資源の管理情報を取得するためのコマンドである。構成情報取得要求を受信すると、管理端末160は、メモリ162に記憶されているユーザ対応テーブル162E、LU管理テーブル162B、SLPR管理テーブル162F、CLPR管理テーブル162G、及びポート管理テーブル162Hを参照して、当該ユーザに割り当てられている通信ポートの識別子、物理ディスクドライブ330の識別子、及びキャッシュメモリ130の記憶容量を含む記憶資源の割り当て情報を抽出し(S2006)、情報処理装置6(200)に返送する(S2007)。 【0069】 すると、情報処理装置6(200)は、ユーザインタフェースに構成情報画面を表示する(S2008)。構成情報画面の表示は、例えば、管理端末160から送信されるWebページを表示することにより行うこともできる。図23に構成情報画面の一例を示す。同図はユーザAに割り当てられたSLPR0の記憶資源割り当て情報が表示されている。分割管理者は、ストレージシステム600が備える記憶資源のうち、自身に割り当てられた記憶資源の割り当て情報を参照及び更新することができる。構成情報画面には、自身に割り当てられていない記憶資源の割り当て情報は表示されない。分割管理者は、構成情報画面に表示された記憶資源割り当て情報に基づいて、自身に割り当てられたSLPR、及びCLPRの設定を行うことができる。また、ストレージ管理プログラム162Cにこれらの情報が取り込まれることにより、分割管理者は自身に割り当てられた記憶資源の範囲内で、物理ディスクドライブ330に対する論理ボリューム310の設定や、自社の情報処理装置200からアクセス可能な論理ボリュームの設定、或いは自社の情報処理装置200からストレージ制御装置100への通信路であるパスの設定などの各種設定作業を行うことができる。構成情報画面において、"OK"欄をクリックすると、分割管理者が入力した設定内容が情報処理装置6(200)に受け付けられる(S2009)。そして、情報処理装置6(200)は、その設定内容を管理端末160に送信する(S2010)。 【0070】 すると、管理端末160は、各モジュール902~905の構成変更を行い(S2011)、共有メモリ120に格納されているLU管理テーブル162B、SLPR管理テーブル162F、CLPR管理テーブル162G、及びポート管理テーブル162Hの内容を更新する(S2012)。そして、共有メモリ120からLU管理テーブル162B、SLPR管理テーブル162F、CLPR管理テーブル162G、及びポート管理テーブル162Hを読み出して、管理端末160のメモリ162に記憶されたこれらのテーブルの内容を更新する(S2013)。その後、管理端末160は情報処理装置6(200)に対して、設定終了通知を送信する(S2014)。以上の処理により、分割管理者は、自身に割り当てられた記憶資源の範囲内で構成変更を行うことができる。」 (4)甲第5号証の記載 申立人が主たる証拠あるいは従たる証拠(周知例)として提出した甲第5号証(特開2002-196996号公報)には、図面とともに以下の記載がある。 ア 「【特許請求の範囲】 (中略) 【請求項26】 複数のデバイスをネットワークを介して複数のユーザが使用するためのデバイス管理方法であって、 上記ネットワーク上のサーバが実行する処理ステップは、 上記複数のデバイスのそれぞれの機能、性能、及び所在の少なくとも何れかの情報を記憶するデバイス情報記憶ステップと、 上記複数のユーザのアクセス権、各デバイスの使用権、及びパスワードの少なくとも何れかのユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶ステップと、 上記デバイス情報記億ステップにより記憶されているデバイス情報を任意の条件でグループ化して整理するデバイス情報グループ化ステップと、 上記ユーザ情報記憶ステップにより記憶されているユーザ情報を任意の条件でグループ化して整理するためのユーザ情報グループ化ステップと、 上記デバイス情報グループ化ステップ及び上記ユーザ情報グループ化ステップにより正規化された情報を、上記ネットワークを介した要求元へ提供する提供ステップとを含み、 上記ユーザ情報記憶ステップにより記憶されたユーザ情報に対応する登録ユーザが、上記ネットワーク上の任意のデバイスを使用する場合の処理ステップは、 上記登録ユーザ側が、上記サーバへユーザ情報を送信するユーザ情報送信ステップと、 上記サーバが、上記デバイス情報グループ化ステップでのグループ化情報及び上記ユーザ情報グループ化ステップでのグループ化情報に基づいて、上記登録ユーザ側から送信されてきたユーザ情報が登録されているユーザグループが使用可能なデバイスグループに関する情報を、上記登録ユーザ側へ送信する送信ステップと、 上記登録ユーザ側が、上記サーバから送信されてきた情報に基づいて、当該情報により示されるデバイスのメタファーを、実際のデバイスの存在する物理空間に模して配置した地図情報を作成するマップ作成ステップと、 上記登録ユーザ側が、上記マップ作成ステップにより作成された地図情報を画面表示する表示ステップとを含むことを特徴とするデバイス管理方法。 (中略) 【請求項40】 複数のデバイスをネットワークを介して複数のユーザが使用するためのデバイス管理方法であって、 上記ネットワーク上のサーバが実行する処理ステップは、 上記複数のデバイスのそれぞれの機能、性能、及び所在の少なくとも何れかの情報を記憶するデバイス情報記憶ステップと、 上記複数のユーザのアクセス権、各デバイスの使用権、及びパスワードの少なくとも何れかのユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶ステップと、 上記デバイス情報記億ステップにより記憶されているデバイス情報を任意の条件でグループ化して整理するプリンタ情報グループ化ステップと、 上記ユーザ情報記憶ステップにより記憶されているユーザ情報を任意の条件でグループ化して整理するためのユーザ情報グループ化ステップと、 上記デバイス情報グループ化ステップ及び上記ユーザ情報グループ化ステップにより正規化された情報を、上記ネットワークを介した要求元へ提供する提供ステップとを含むことを特徴とするデバイス管理方法。 (中略) 【請求項43】 上記ネットワーク上のデバイスが、機能情報、ステータス情報、及び状態変化情報の少なくとも何れかの情報を逐次上記サーバへ通知するデバイス側通知ステップを含むことを特徴とする請求項40記載のデバイス管理方法。 【請求項44】 上記サーバが、上記デバイス側通知ステップによる通知に基づいて、記憶情報の更新を行なう更新ステップを含むことを特徴とする請求項40記載のデバイス管理方法。 (中略) 【請求項48】 上記ユーザ側が、上記ネットワークを介して、上記サーバでの記憶情報を閲覧及び/又は変更可能とするアクセスステップを含むことを特徴とする請求項40記載のデバイス管理方法。 【請求項49】 上記アクセスステップは、上記サーバが、ユーザ毎に閲覧の許可/不許可を閲覧許可記憶領域へ記憶し、記憶情報の変更権の許可/不許可を変更許可記憶領域へ記憶し、閲覧要求元のユーザ情報から、当該ユーザに該当する上記閲覧許可記憶領域に従って閲覧が許可されているか否かを検索し、その検索結果に従って閲覧の許可又は不許可を実行し、また、変更要求元のユーザ情報から、当該ユーザに該当する上記変更許可記憶領域に従って閲覧が許可されているか否かを検索し、その検索結果に従って変更の許可又は拒否を実行するステップを含むことを特徴とする請求項48記載のデバイス管理方法。」 イ 「【0068】(1)複数のデバイス(複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の出力装置)、及びユーザ側(ユーザが利用するワークステーション、パーソナルコンピュータ、端末装置等)がネットワークを介して接続された環境下において、ネットワーク上のサーバは、ネットワーク上のデバイスの情報を収集し、任意の条件(機能毎、性能毎、所在毎等のパラメータ)でグループ化する。また、ネットワーク上からデバイスを利用する複数のユーザのユーザ情報を任意の条件(アクセス権毎、デバイスヘの出力権毎等)でグループ化する。そして、当該グループ化により正規化されたユーザ情報又はデバイス情報を、ネットワークを介しての要求(デバイス、ユーザ、管理者等からの要求)に対して、上記の各種情報を提供する。」 ウ 「【0078】また、サーバは、デバイス情報及びデバイスグループ情報の検索や、照会、或いは変更の要求があった場合、要求元であるユーザ側が、デバイス情報及びデバイスグループ情報の検索や、照会、或いは変更が許可されているか否かを判断し、その判断結果に従って、要求元のユーザ側に対して、デバイス情報及びデバイスグループ情報の閲覧や、変更、許可、或いは拒否を行う。」 エ 「【0094】システム管理部308は、出力装置113,114,121~123,131~133,141,142や、ユーザ側の端末装置111,112からの各種要求(情報の検索、照会、更新等の要求)を、ネットワーク180を介して受け付けて処理する。また、システム管理部308は、必要に応じて、情報更新部306或は情報検索部307、及びDB管理部305を介して、DB302~304で管理されている情報をアクセスする。また、これらサーバ151内で管理されている情報は、やはりネットワークを通じて閲覧および変更可能な構成となっている(請求項48の構成に相当)。」 オ 「【0122】図9は、サーバ151において、ネットワーク180上のデバイスを分類してグループ化して管理するためのレコードフォーマット800(X)の一例を示したものである。このレコードフォーマット800(X)に従った情報が、デバイスグループ情報として、サーバ151のデバイスグループ情報用のDB304へ蓄積される。 【0123】レコードフォーマット800(X)は、上記図9に示すように、デバイスグループIDが記憶される領域801と、デバイスグループ名称が記憶される領域802と、対象デバイスグループに属するデバイスIDが記憶される領域803とを含んでいる。領域801へ記憶されるデバイスグループIDは、対象デバイスグループに属するデバイスが共通して有する機能を示す固有のIDである。領域802へ記憶されるデバイスグループ名称は、対象デバイスグループの名称であり、対象デバイスグループIDに対して固有に定義される。 【0124】ここでは一例として、ネットワーク180へ接続された出力装置113,114,121~123,131~133,141,142をプリンタとし、その機能毎(ステイプルパンチ機能、製本機能、カラープリント機能、シフトソート機能)に分類した結果を、レコードフォーマット800(1)~800(4)へ記憶している。 【0125】上述のようなデバイスグループ情報は、クライアント装置111,112において、参照可能なようになされており、これにより、ユーザは、所望する機能を有するデバイスをすばやく検索することが可能となる。 【0126】具体的には例えば、クライアント装置111,112において、CPU501の制御により、CRT510には、図10に示すような、サーバ151で管理されているデバイスグループ情報から得られる画面(デバイスグループ情報画面)910が表示される。 【0127】上記図10において、“911”は、所望するグループ分類を選択するためのメニューバーである。ここでは、機能によって分類されたグループに関する情報を表示することが選択されているため、画面910上には、「製本」、「ステイプルパンチ」、「カラープリント」、及び「シフトソート」の各機能について、該当するデバイスが何台存在するかの情報等が表示される(上記図10の“912”参照)。 (中略) 【0131】上記図11において、“921”は、上記図10のメニューバー911で選択されたグループ分類を示す情報が表示される領域である。“922”は、上記グループ分類に対応するデバイスグループに属するデバイスのうち、さらにエリア(所在)を限定して選択するためのメニューバーである。“923”は、メニューバー922による選択に該当するデバイスの中から所望するデバイスを選択するためのボタンである。 (中略) 【0145】上記図14において、“1021”は、所望するグループ分類を選択するためのメニューバーである。ここでは、デバイスの所在(エリア)によって分類されたグループに関する情報を表示することが選択されているため、画面1021上には、「Block-1」、「Block-2」、「Block-3」、及び「Block-3」について、該当するデバイスが何台存在するかの情報等が表示される(上記図14の“1022”参照)。 (中略) 【0169】図19は、本実施の形態の特徴である、デバイス情報をグループ化する作業の概念を示したものである。ここでは一例として、出力装置1201,1202,1301,1401,1501,1601を、出力装置が有する機能毎に分類してグループ化する。 【0170】上記図19に示すように、製本機能を有する出力装置は、出力装置1201のみであり、ステイプル・パンチ機能を有する出力装置は、出力装置1201及び1601であり、カラー出力機能を有する出力装置は、出力装置1301のみであり、シフトソート機能を有する出力装置は、出力装置1201、1202、及び1601である。 【0171】したがって、サーバ1151は、出力装置1201,1202,1301,1401,1501,1601を、上記図19で示されるような機能毎のグループ化に限らず、性能毎、所在毎、出力権毎等でグループ化して、この結果をデバイスグループ情報として、上記図3に示したDB304で管理している。このとき、DB304でデバイスグループ情報を管理するために用いるレコードフォーマットとしては、上記図9に示したようなフォーマットを適用可能である。 【0172】図20は、本実施の形態の特徴である、ユーザ情報をグループ化する作業の概念を示したものである。ここでは一例として、ユーザとして、ネットワーク管理者1251、設計チーフ1351、設計者1352,…、企画チーフ1451、企画者1452,…、営業チーフ1551、営業者1552,…が存在し、これらのユーザを、所属毎に分類してグループ化する。 【0173】上記図20に示すように、システム管理グループには、ネットワーク管理者1251、及び設計チーフ1351が属している。チーフグループには、設計チーフ1351、企画チーフ1451、及び営業チーフ1551が属している。設計グループには、設計チーフ1351、及び設計者1352,…が属している。企画グループには、企画チーフ1451、及び企画1452,…が属している。営業グループには、営業チーフ1551、及び営業1552,…が属している。 【0174】したがって、サーバ1151は、上記図20で示されるようにして、様々なユーザを所属毎等でグループ化して、この結果を後述するデータベースで管理している。 【0175】図21は、サーバ1151において、上記図20に示したようなユーザ情報を所属毎で分類してグループ化して、データベースで管理するためのレコードフォーマット1710(X)の一例を示したものである。 【0176】レコードフォーマット1710(X)は、上記図21に示すように、ユーザグループIDが記憶される領域1714と、ユーザグループ名称が記憶される領域1715と、対象ユーザグループに属するユーザIDが記憶される領域1716とを含んでいる。 【0177】領域1714へ記憶されるユーザグループIDは、対象ユーザグループ(システム営業グループ等)を示す固有のIDである。領域1715へ記憶されるユーザグループ名称は、対象ユーザグループの名称であり、“システム営業グループ”等がこれに相当する。領域1716へ記憶されるユーザIDは、対象ユーザグループに属するユーザに付加された固有のIDである。 【0178】上述のようなユーザ情報により、あるグループに属しているユーザをすばやく検索することが可能となる。 【0179】また、サーバ151は、例えば、図22に示すようなデバイス使用権情報1720を、後述するデータベースで管理する。デバイス使用権情報1720は、上記図22に示すように、ユーザグループID1722により示される各ユーザグループに対して、デバイスID1721により示される各出力装置の使用権(使用権の有無)が定義されたテーブル情報である。 【0180】例えば、上記図22において、ユーザグループID“01-0001”で示されるグループ(システム管理グループ)は、全ての出力装置が使用可能であり、ユーザグループID“03-0003”で示されるグループ(企画グループ)は、デバイスID“1201”、“1202”、“1401”、及び“1602”で示される出力装置のみが使用可能となるように定義されている。したがって、ユーザは、自分が属しているユーザグループで使用許可された出力装置にのみ使用可能となる。これにより、それぞれのユーザが無秩序に出力装置に対して出力要求を出すこと等によるジョブの集中を防ぐことが可能となる。 【0181】図23は、本実施の形態でのサーバ1151の内部構成を示したものである。サーバ1151は、上記図3に示した構成に対して、ユーザグループ情報用のデータベース(DB)310を更に備えた構成としている。したがって、DB310に対して、上記図21のレコードフォーマット1710(X)に従ったユーザグループ情報が蓄積管理される。 (中略) 【0194】上述のような本実施の形態によれば、ネットワーク1180へ接続された出力装置1201,1202,1301,1401,1501,1601と共に、これらの出力装置を使用する複数のユーザを、サーバ1151でグループ化して管理することができるため、それぞれのユーザが無秩序に出力装置に対して出力要求を出すこと等によるジョブの集中を防ぐことが可能となる。 (中略) 【0214】上記の構成において、ユーザが、サーバに対して、デバイス情報や、デバイスグループ情報、ユーザ情報、或いはユーザグループ情報を、検索や、照会、或いは変更等を可能なように構成した場合、ユーザは、自側の端末装置等により、ユーザ自身が使用許可されているデバイスや、その性能、機能等を認識することができる。このとき、サーバは、ユーザからの検索や、照会、或いは変更等の要求を受けた場合、当該要求を許可するか或いは拒否するかを判断して実行するようにしてもよい。また、ユーザは、使用許可されているデバイスが複数ある場合、それらのデバイスの機能や性能等で絞込みを、自側の端末装置等により、知ることができる。」 第7 当審の判断 1 理由1(明確性:特許法第36条第6項第2号) 申立人は、明確性要件違反を主張しているので、以下検討する。 (1) 明確性要件違反の判断枠組み 特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。 以下、この観点に立って、判断する。 (2) 不明確とされた特許請求の範囲の記載 申立人が不明確であると主張した特許請求の範囲の各記載について上記(1)の判断枠組みに基づいて検討する。 ア 「ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段」 (ア)本件明細書の記載 申立人が不明確であると主張した特許請求の範囲の「ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段」という記載について、本件明細書には以下の記載がある。(下線は当審が付加した。以下同様。) 「【0047】 ユーザグループ情報保持部111は、ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ記憶部12に格納する。本実施の形態においてユーザグループを規定する情報は、ユーザグループを識別するユーザグループ識別情報(グループ名でよい)に対して、このユーザグループのメンバーとなる、少なくとも一名分のユーザを特定するユーザ特定情報(ユーザ名でよい)を関連付けたものである。また、このユーザ特定情報にはさらに、ユーザの管理権限(標準ユーザ、パワーユーザ、管理者の別)を特定する情報が関連付けられてもよい。 【0048】 また、業者である管理組織は、顧客組織ごとに異なる契約となることも考えられるが、顧客組織の秘密保持ポリシーはさまざまであるので、必ずしも管理の対象とするネットワークデバイス30について管理組織のユーザすべてが同じ管理権限を有することができるとは限らない。例えば一つの顧客組織に属する複数のネットワークデバイス30のそれぞれについても、ユーザの管理権限を異ならせたい場合も存在する。 【0049】 そこで本実施の形態の一例では、上述のようにユーザグループを設定するとともに、このユーザグループに、このユーザグループの下位のユーザグループ(サブユーザグループ)として、他のユーザグループのユーザグループ識別情報をさらに関連付け可能としておく。」 (イ)判断 上記(ア)の本件明細書の記載から、特許請求の範囲の「ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段」とは、「ユーザグループを識別するユーザグループ識別情報(グループ名でよい)に対して、このユーザグループのメンバーとなる、少なくとも一名分のユーザを特定するユーザ特定情報(ユーザ名でよい)を関連付けたもの」「を、少なくとも一つ記憶部12に格納する」ものであると理解できる。 したがって、特許請求の範囲の「ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持するユーザグループ情報保持手段」に関して、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるということはできない。 イ 「前記ネットワークデバイスのグループであるデバイスグループを規定する規定情報を、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段」 (ア)本件明細書の記載 申立人が不明確であると主張した特許請求の範囲の「前記ネットワークデバイスのグループであるデバイスグループを規定する規定情報を、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段」という記載は、訂正請求書により「前記ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定する規定情報を設定し、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段」と訂正されており、当該記載について、本件明細書には以下の記載がある。 「【0050】 デバイスグループ規定情報保持部112は、ネットワークデバイス30のグループであるデバイスグループを規定する情報を、ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて少なくとも一つ記憶部12に格納する。本実施の形態においてデバイスグループを規定する情報は、デバイスグループごとに固有に発行された、デバイスグループを識別するデバイスグループ識別情報であるものとする。このデバイスグループ識別情報は、デバイスグループごとに固有に設定されるもので、一例としてはユーザグループ識別情報とデバイスグループ名とを連接した文字列のハッシュ値などとしておく。」 (イ)判断 上記(ア)の本件明細書の記載から、特許請求の範囲の「規定情報保持手段」とは、「ネットワークデバイス30のグループであるデバイスグループを規定する情報を、ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて少なくとも一つ記憶部12に格納」した「デバイスグループ規定情報保持部112」であって、「デバイスグループを規定する情報は、デバイスグループごとに固有に発行された、デバイスグループを識別するデバイスグループ識別情報であ」り、「デバイスグループ識別情報は、デバイスグループごとに固有に設定されるもので、一例としてはユーザグループ識別情報とデバイスグループ名とを連接した文字列のハッシュ値など」であると理解できる。 したがって、訂正後の特許請求の範囲の「前記ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定する規定情報を設定し、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段」に関して、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるということはできない。 (3)小括 以上から、申立人が主張する特許異議の申立ての理由1(明確性:特許法第36条第6項第2号)によって、請求項1ないし6に係る特許を取り消すことはできない。 2 理由2(新規性:特許法第29条第1項第3号) 申立人は、主たる証拠として甲1ないし4号証を提出し、本件特許の請求項1-6に係る発明は、甲第1ないし4号証に記載された発明であるから、請求項1-6に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである旨主張している。 事案に鑑みて、先に、甲第2号証に基づく新規性について検討する。 (1)甲第2号証に基づく新規性 ア 本件訂正発明1について (ア)対比 以下では、本件訂正発明1と引用発明(甲第2号証記載発明)とを、上記第3で分説した<A>-<H>ごとに対比する。 a <A> 引用発明の「ネットワーク装置などのハードウェア資産」は、本件訂正発明1の「ネットワークデバイス」に相当する。 引用発明において、「ハードウェア資産情報をグループに分けて管理でき」るとされているから、引用発明も、本件訂正発明1と同様に、「ネットワークデバイスをデバイスグループ単位で管理し」ているといえる。 また、引用発明において、「部署は、利用者情報の「部署」を基にグルーピングされ」るとされており、ここで、引用発明の「利用者」および「部署」は、それぞれ、本件訂正発明1の「ユーザ」および「ユーザグループ単位」に相当するから、引用発明も、本件訂正発明1と同様に、「ユーザをユーザグループ単位で管理」しているといえる。 さらに、引用発明の「管理用サーバ」は、「ネットワーク装置などのハードウェア資産の情報を管理」できる「[ハードウェア資産]画面があ」る「資産画面」を「操作画面として」「Webブラウザで管理用サーバにアクセスできる環境から」操作させるものであるから、本件訂正発明1と同様に、「デバイス管理装置」であるといえる。 したがって、本件訂正発明1と引用発明とは、「ネットワークデバイスをデバイスグループ単位で管理し、ユーザをユーザグループ単位で管理するデバイス管理装置」である点で一致する。 b <B> 引用発明において、「ユーザーアカウントには、総務部、営業部、開発部などの部門単位で、管理情報の開示範囲を限定できる管轄範囲の設定ができ」るから、「総務部、営業部、開発部などの部門単位」は、当該部門に所属する利用者(ユーザ)のグループであり、本件訂正発明1の「ユーザのグループであるユーザグループ」に相当するといえる。 そして、「ユーザーアカウントの設定のパラメーター」に「管轄範囲の値」として「設定」される「総務部、営業部、開発部などの部門」は、本件訂正発明1の「ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報」に対応するといえるから、引用発明も本件訂正発明1と同様に、「ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持」しているといえる。 c <C> 引用発明の「ユーザーアカウント」は、「管理者ごとに」「作成」されるものであるから、上記bを踏まえると、本件特許発明1の「ユーザを特定する情報」に相当する。 引用発明における「ユーザーアカウントの設定のパラメーターとして、管轄範囲の値」「を設定」することは、上記bを踏まえると、本件特許発明1における「ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を関連付ける」ことに相当する。 引用発明の「ユーザーアカウント管理権限」は、本件特許発明1の「予め定められた管理権限」に相当する。 引用発明における「ユーザーアカウントの設定のパラメーターとして」「ユーザーアカウント管理権限の値」「を設定」することは、本件特許発明1の「当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付け」ることに相当する。 してみれば、引用発明における「ユーザーアカウントの設定のパラメーターとして、管轄範囲の値」及び「ユーザーアカウント管理権限の値」「を設定」する手段は、本件特許発明1の「デバイス管理装置」が有する「ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を含み、ユーザの認証に用いられるアクセス権限情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段」と、「ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を」「関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段」である点で一致する。 d <D> 引用発明において、「ハードウェア資産情報をグループに分けて管理でき、」「ハードウェア資産を追加したとき」に「ネットワーク装置などのハードウェア資産」が「登録され」るものであることから、引用発明も、本件訂正発明1と同様に、「ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定」しているといえる。 e <E> 引用発明の「資産画面に」「追加した」「ハードウェア資産」は、「資産画面」の「[ハードウェア資産]画面」において「情報を管理」されることが明らかであるから、上記aを踏まえると、本件訂正発明1の「管理の対象となる前記ネットワークデバイス」に相当する。 引用発明の「資産画面にハードウェア資産を追加したとき」に「登録され」た「ハードウェア資産情報に登録し」た「利用者情報」は、「部署は、利用者情報の「部署」を基にグルーピングされ」ることから、上記cを踏まえると引用発明も、本件訂正発明1といえる「管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付け」ているといえる。 f <F> 引用発明における「ユーザーアカウント管理権限を持っているユーザーアカウント管理者が、ユーザーアカウントを作成」する手段は、「管理者」であるユーザーアカウント管理者が「Webブラウザで管理用サーバにアクセスできる環境から、ログインして操作画面」として「設定画面を選択」して「[ユーザー管理]画面」から「ユーザーアカウントを追加」するものであるから、上記a-cを踏まえると、本件特許発明1における「デバイス管理装置」が含む「前記ユーザの管理権限特定情報に基づき、ユーザによるデバイス管理装置の保持する情報の設定を行う設定手段」と、「デバイス管理装置」が含む「前記ユーザの管理権限特定情報に基づき、ユーザによる」「情報の設定を行う設定手段」である点で一致する。 g <G> 引用発明の「管轄範囲の設定」がされた「ユーザーアカウント」は、上記cを踏まえると、本件特許発明1の「前記ユーザグループのメンバーとなる少なくとも一名分のユーザを特定するユーザ特定情報」に相当する。 してみれば、「ユーザーアカウント管理者が、ユーザーアカウントを作成し、ユーザーアカウントの設定のパラメーターとして、管轄範囲の値」「を設定」することは、「ユーザーアカウント管理者」が「管理者」であることから、上記bを踏まえると、本件特許発明1における「前記ユーザにより設定される、デバイス管理装置が保持する情報は、前記ユーザグループのメンバーとなる少なくとも一名分のユーザを特定するユーザ特定情報を含」むことと、「前記ユーザにより設定される」「情報は、前記ユーザグループのメンバーとなる少なくとも一名分のユーザを特定するユーザ特定情報を含」む点で一致する。 h <H> 引用発明における「ユーザーアカウント管理権限」を有しない「ユーザーアカウント」の「管理者」は、上記b、cを踏まえると、本件特許発明1の「予め定められた管理権限を備えないユーザ」に相当する。 したがって、引用発明における「ユーザーアカウント管理者が、ユーザーアカウントを作成し、ユーザーアカウントの設定のパラメーターとして、管轄範囲の値」「を設定」し、「ユーザーアカウント管理権限の値に、ユーザーアカウント管理権限は付与しない「チェックしない」を設定」することは、本件特許発明1における「前記設定手段は、ユーザが予め定められた管理権限を備えている場合に、その指示に従い、ユーザグループに関連付けて予め定められた管理権限を備えないユーザの設定を行う」ことに相当する。 (イ) 一致点、相違点 以上から、本件訂正発明1と引用発明とは、下記aの一致点、および、下記bの相違点があるといえる。 a 一致点 「<A> ネットワークデバイスをデバイスグループ単位で管理し、ユーザをユーザグループ単位で管理するデバイス管理装置であって、 <B’> ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報を、少なくとも一つ保持しており、 <C’> ユーザグループを識別する情報に対して、当該ユーザグループのメンバーとなるユーザを特定する情報を関連付けるとともに、当該ユーザを特定する情報に、当該ユーザが予め定められた管理権限を備えているかを区別する管理権限特定情報を関連付けて保持する手段と、 <D’> 前記ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定しており、 <E’> 管理の対象となる前記ネットワークデバイスのそれぞれを、前記デバイスグループの少なくとも一つに関連付けており、 <F> 前記ユーザの管理権限特定情報に基づき、ユーザによるデバイス管理装置の保持する情報の設定を行う設定手段と を含み、 <G> 前記ユーザにより設定される、デバイス管理装置が保持する情報は、前記ユーザグループのメンバーとなる少なくとも一名分のユーザを特定するユーザ特定情報を含み、 <H> 前記設定手段は、ユーザが予め定められた管理権限を備えている場合に、その指示に従い、ユーザグループに関連付けて予め定められた管理権限を備えないユーザの設定を行うデバイス管理装置。」 b 相違点 (a) <相違点1> 本件訂正発明1では、(<B>)ユーザのグループであるユーザグループを規定する情報をユーザグループ情報保持手段に保持しているのに対し、引用発明では、ユーザーアカウントに、管理情報の開示範囲を限定できる管轄範囲として、総務部、営業部、開発部などの部門単位を、ユーザグループを規定する情報として設定している点。 (b) <相違点2> 本件訂正発明1では、(<C>)ユーザグループを識別する情報に対して、ユーザの認証に用いられるアクセス権限情報を関連付けているのに対し、引用発明では、ユーザグループを識別する情報に対して、ユーザの認証に用いられるアクセス権限情報を関連付けていない点。 (c) <相違点3> 本件訂正発明1では、(<D>)ネットワークデバイスを登録可能なデバイスグループを規定する規定情報を設定し、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持する規定情報保持手段を含んでいるのに対し、引用発明では、そのような手段を有していない点。 (d) <相違点4> 本件訂正発明1では、(<E>)デバイスグループを規定する情報に登録されたネットワークデバイスを特定するデバイス特定情報を関連付けた関連付け情報を保持するデバイスグループ情報保持手段を含んでいるのに対し、引用発明では、そのような情報を保持していない点。 (ウ) <相違点>についての検討 上記<相違点1>ないし<相違点4>に係る構成は、本願出願日当時の技術常識を参酌しても、甲第2号証に実質的に記載されているとはいえないから、当該<相違点1>ないし<相違点4>は、実質的相違点であり、本件訂正発明1は、引用発明と同一ではなく、甲第2号証に記載された発明とはいえない。 イ 本件訂正発明2-5について また、本件訂正発明2-5は、本件訂正発明1の上記<相違点1>ないし<相違点4>に係る構成を備えており、当該構成は、実質的相違点であり、本件訂正発明2-5は、引用発明と同一ではなく、甲第2号証に記載された発明とはいえない。 ウ 本件訂正発明6について また、本件訂正発明6は、本件訂正発明1の発明のカテゴリのみを、「デバイス管理装置」の発明から、「プログラム」の発明へと変更したものであり、本件訂正発明1の上記<相違点1>ないし<相違点4>に係る構成と、同様の構成を備えており、当該構成は、実質的相違点であり、本件訂正発明6は、引用発明と同一ではなく、甲第2号証に記載された発明とはいえない。 エ 小括 したがって、請求項1-6に係る特許を申立人主張の理由2(新規性)甲第2号証に基づく新規性欠如により取り消すことはできない。 (2)甲第1号証、甲第3号証および甲第4号証に基づく新規性 申立人は、主たる証拠として、甲第1号証、甲第3号証および甲第4号証を提出し、本件特許の請求項1ないし6に係る発明は、甲第1号証、甲第3号証および甲第4号証に記載された発明であるから、本件特許の請求項1ないし6に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである旨主張している。 しかし、上記<相違点1>ないし<相違点4>に係る構成は、甲第1号証、甲第3号証および甲第4号証のいずれにも記載も示唆もなく、本願出願日当時の技術常識を参酌しても、甲第1号証、甲第3号証および甲第4号証に実質的に記載されているとはいえないから、当該<相違点1>ないし<相違点4>は、実質的相違点であり、本件訂正発明1は、甲第1号証、甲第3号証および甲第4号証に記載された発明とはいえない。 (3)小括 以上から、申立人が主張する特許異議の申立ての理由2(新規性:特許法第29条第1項第3号)によって、請求項1ないし6に係る特許を取り消すことはできない。 3 理由3(進歩性:特許法第29条第2項)及び取消理由 申立人は、甲第1号証ないし甲第5号証に基づく進歩性欠如を主張しており、さらに、当審も、甲第2号証に基づく進歩性欠如を理由とする取消理由を通知しているので、先に、甲第2号証に基づく進歩性について検討する。 (1)甲第2号証に基づく進歩性 ア 本件訂正発明1 上記2(1)ア(イ)bで述べたように、本件訂正発明1と甲第2号証記載の引用発明を対比すると、<相違点1>ないし<相違点4>が存在しているといえる。 上記<相違点1>ないし<相違点4>について、甲第1号証ないし甲第5号証のいずれにも、記載も示唆もなく、本願出願日当時の技術常識を参酌しても、甲第1号証ないし甲第5号証に実質的に記載されているとはいえず、また、当該構成が本願出願日に周知であったとも認められない。 さらに、上記<相違点1>ないし<相違点4>に係る構成により、例えば管理組織が業者である場合など、複数の顧客組織のネットワークデバイスを管理することも想定して、ネットワークデバイスを、デバイスグループを単位として管理し、デバイスグループを規定する情報を設定し、前記ユーザグループの少なくとも一つに関連付けて保持することで、アカウントを切り替えることなく、一つのアカウントの管理画面において、管理の対象となるネットワークデバイスを、どの顧客組織のものかを区別して表示等することを可能とするものであるから、上記<相違点1>ないし<相違点4>に係る構成が設計的事項であるともいえない。 したがって、本件特許発明1は、申立人提出の甲第2号証(当審が取消理由通知において引用した引用文献1)記載の発明、および、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に記載の技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 イ 本件訂正発明2-5 本件訂正発明2-5は、本件訂正発明1の上記<相違点1>ないし<相違点4>に係る構成を備えているから、本件訂正発明2-5は、本件訂正発明1と同様に、申立人提出の甲第2号証(当審が取消理由通知において引用した引用文献1)記載の発明、および、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に記載の技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 ウ 本件訂正発明6 本件訂正発明6は、本件訂正発明1の発明のカテゴリのみを、「デバイス管理装置」の発明から、「プログラム」の発明へと変更したものであり、本件訂正発明1の上記<相違点1>ないし<相違点4>に係る構成と、同様の構成を備えているから、本件訂正発明1と同様に、申立人提出の甲第2号証(当審が取消理由通知において引用した引用文献1)記載の発明、および、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に記載の技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 エ 小括 したがって、請求項1-6に係る特許を申立人主張の理由3(進歩性)甲第2号証に基づく進歩性欠如により取り消すことはできない。 また、当審が取消理由通知において通知した取消理由(進歩性:特許法第29条第2項)によって、請求項1-6に係る特許を取り消すことはできない。 (2)甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に基づく進歩性 申立人は、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証を提出し、本件特許の請求項1ないし6に係る発明は、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものであるから、本件特許の請求項1ないし6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張している。 しかし、上記<相違点1>ないし<相違点4>に係る構成は、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証のいずれにも記載も示唆もなく、本願出願日当時の技術常識を参酌しても、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に実質的に記載されているとはいえず、また当該構成が本願出願日前に周知であったともいえないから、本件訂正発明1は、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に基づいて、当業者が容易に想到し得たものではない。 したがって、本件訂正発明1は、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に基づく進歩性欠如により取り消すことはできない。 同様に、本件訂正発明2ないし6も、上記<相違点1>ないし<相違点4>と同じ構成、あるいは、同様の構成を備えているから、本件訂正発明1と同様に、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に基づく進歩性欠如により取り消すことはできない。 (3)小括 以上から、申立人が主張する特許異議の申立ての理由3(進歩性:特許法第29条第2項)によって、請求項1ないし6に係る特許を取り消すことはできない。 (4)申立人の主張について 申立人に対して、特許権者による意見書と訂正請求書の副本を送付する際に、期間を指定して意見を求めたが、指定された期間内に意見を提出しなかった。 第8 むすび 以上のとおり、特許異議の申立ての理由によっては、訂正請求後の請求項1-6に係る特許を取り消すことはできない。他に訂正請求後の請求項1-6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700910

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