審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2022-700909

光照射ユニット及び光照射装置

審判番号
2022-700909
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-045422
登録番号
7037771
請求日
2022年09月15日
審決日
2023年08月04日
公報発行日
2023年11月24日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ウシオ電機株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
  • 【異議申立人】杉山 賢哉
  • 【異議申立人代理人】石川 徹
審判長/審判官
  • 審判長 波多江 進
  • 審判官 金高 敏康
  • 審判官 松川 直樹
分類
P1651.113-YAA(H01L) / P1651.121-YAA(H01L) / P1651.161-YAA(H01L) / P1651.536-YAA(H01L) / P1651.537-YAA(H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第29条第1項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第29条の2
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7037771号発明「光照射ユニット及び光照射装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7037771号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕、7、8、9について訂正することを認める。 特許第7037771号の請求項1~9に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7037771号(以下「本件特許」という。)の請求項1~9に係る特許についての出願は、令和2年3月16日に出願され、令和4年3月9日にその特許権の設定登録がされ、令和4年3月17日に特許掲載公報が発行された。 本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和4年 9月15日 :特許異議申立人杉山賢哉(以下「申立人」 という。)による請求項1~9に係る特許 に対する特許異議の申立て 同年11月30日付け:取消理由通知書 令和5年 2月 2日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の 提出 同年 4月13日 :申立人による意見書の提出 第2 本件訂正の適否 1 本件訂正の内容 令和5年2月2日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、特許請求の範囲の請求項1~9を訂正するものであって、本件訂正により請求項1~9を訂正する事項(以下「訂正事項1」などという。)は次のとおりである(下線部が訂正箇所である)。 なお、本件訂正は、一群の請求項である訂正後の請求項1~6、一群の請求項である訂正後の請求項7、8及び訂正後の請求項9について請求されており、訂正後の請求項8については別の訂正単位とする求めがなされている。 (1)訂正事項1 請求項1に「前記端面は、前記筐体から露出しているか、又は、取り外し可能な保護部材で覆われていて、前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の少なくとも一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有する」と記載されているのを、「前記基板の端面及び前記放熱部材の端面は、取り外し可能な保護部材で覆われていて、前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有する」に訂正する。 請求項1の記載を直接的に又は間接的に引用する請求項2~6においても同様に訂正する。 (2)訂正事項2 請求項2に「前記端面は、前記基板の第一軸の方向に係る両端にそれぞれ設けられ、前記両端にそれぞれ設けられた前記端面は、前記筐体から露出しているか、又は、取り外し可能な保護部材で覆われている」と記載されているのを、「前記基板の端面は、前記基板の第一軸の方向に係る両端にそれぞれ設けられ、前記放熱部材の端面は、前記放熱部材の第一軸の方向に係る両端面にそれぞれ設けられ、前記基板の前記両端にそれぞれ設けられた端面及び前記放熱部材の両端に設けられた端面は、取り外し可能な保護部材で覆われている」に訂正する。 請求項2の記載を直接的に又は間接的に引用する請求項3~6においても同様に訂正する。 (3)訂正事項3 請求項3に「前記第二側面は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の少なくとも一部分を挟むように二つ有する」と記載されているのを、「前記第二側面は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の前記一部分を挟むように二つ有する」に訂正する。 請求項3の記載を直接的に又は間接的に引用する請求項4~6においても同様に訂正する。 (4)訂正事項4 請求項4に「露出している、又は取り外し可能な保護部材で覆われている前記端面と、前記複数の光源のうち前記端面から最も近い光源の中心と、の前記第一軸の方向における間隔が、b(mm)であるとき、b=a/2の関係を満たす」と記載されているのを、「取り外し可能な前記保護部材で覆われている前記基板の端面と、前記複数の光源のうち前記基板の端面から最も近い光源の中心と、の前記第一軸の方向における間隔が、b(mm)であるとき、b=a/2の関係を満たす」に訂正する。 請求項4の記載を直接的に又は間接的に引用する請求項5及び6においても同様に訂正する。 (5)訂正事項5 請求項6に「隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、露出した状態、又は、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接している」と記載されているのを、「隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接している」に訂正する。 (6)訂正事項6 請求項7に「前記端面は、前記筐体から露出しているか、又は、取り外し可能な保護部材で覆われている光照射ユニット」と記載されているのを、「取り外し可能な保護部材が前記放熱部材に固定されることにより、前記基板の端面及び前記放熱部材の端面が前記保護部材で覆われている光照射ユニット」と訂正し、 同請求項に「隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、露出した状態、又は、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接しており、」と記載されているのを、「隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接しており、」と訂正し、 同請求項の「前記基板は、前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面を有し、前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり、」との記載の後に「前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の少なくとも一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有し、」を追加する。 (7)訂正事項7 訂正前の請求項8において、訂正前の請求項7に記載された事項を訂正前の請求項8に書き下して独立形式に変更した上で、 訂正前の請求項7において「前記端面は、前記筐体から露出しているか、又は、取り外し可能な保護部材で覆われている光照射ユニット」と記載されているのを、「前記基板の端面及び前記放熱部材の端面が前記保護部材で覆われている光照射ユニット」と訂正し、 訂正前の請求項7において「隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、露出した状態、又は、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接しており、」と記載されているのを、「隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接しており、」と訂正し、 訂正前の請求項7の「前記基板は、前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面を有し、前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり、」との記載の後に「前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の少なくとも一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有し、」を追加する。 (8)訂正事項8 請求項9に「前記端面は、前記筐体から露出しているか、又は、取り外し可能な保護部材で覆われている光照射ユニットを、前記第一軸の方向に連接させた光照射装置であって、隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、露出した状態、又は、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接しており、」と記載されているのを、「前記端面は、取り外し可能な保護部材で覆われている光照射ユニットを、前記第一軸の方向に連接させた光照射装置であって、隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接しており、」と訂正する。 2 訂正要件の判断 (1)一群の請求項〔1~6〕に係る訂正について ア 訂正事項1について (ア)訂正の目的 a 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に対する次の内容からなるものである。 (a)本件訂正前の請求項1における「取り外し可能な保護部材で覆われてい」る「端面」について、「基板の端面及び放熱部材の端面」に限定すること。(訂正事項1-1) (b)本件訂正前の請求項1における「筐体」の「第二側面」が「放熱部材」を「覆」うことについて、「放熱部材の一部分」に限定すること。(訂正事項1-2) (c)本件訂正前の請求項1における「前記筐体から露出しているか、又は、取り外し可能な保護部材で覆われて」いる「端面」において、「前記筐体から露出している」との選択肢を削除し、「取り外し可能な保護部材で覆われてい」るものに限定すること。(訂正事項1-3) b 上記aから、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 (イ)新規事項追加の有無 a 訂正事項1-1について 本件特許の願書に添付した特許登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)の【0036】には、「光照射ユニット100を単体で使用又は運搬するとき、基板10の端面10cと、放熱部材30の端面31cとを覆い保護するための保護部材を、任意に設けてもよい」こと、が記載されている。 よって、訂正事項1-1は、新規事項を追加するものではない。 b 訂正事項1-2について 本件特許明細書等の【0036】には、筐体の一部である「第二側面42」は、「放熱部材30の少なくとも一部分であるフィン32を覆い、放熱部材30の端面31c及び基板10の端面10cを覆っていない」こと、すなわち、「筐体」が放熱部材の一部分である「フィン」を覆っているが、放熱部材の一部分である本体の「端面」を覆わないことが記載されている。 よって、訂正事項1-2は、新規事項を追加するものではない。 c 訂正事項1-3について 訂正事項1-3は、選択的に記載された2つの事項の一方を削除するものであり、新規事項を追加するものではない。 (ウ)特許請求の範囲の実質的拡張変更の有無 訂正事項1-1~1-3は、上記(ア)及び(イ)にも照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (エ)訂正事項1の小括 よって、訂正事項1は、訂正要件を満たす。 イ 訂正事項2について (ア)訂正の目的 a 訂正事項2は、本件訂正前の請求項2に対する次の内容からなるものである。 (a)本件訂正前の請求項2における「前記基板の第一軸の方向に係る両端にそれぞれ設けられ」る「端面」を、「基板の端面」とすること。(訂正事項2-1) (b)本件訂正前の請求項1に追加された「放熱部材の端面」について、当該請求項1の記載を引用する本件訂正前の請求項2において「前記放熱部材の第一軸の方向に係る両端面にそれぞれ設けられ」ることを限定すること。(訂正事項2-2) (c)上記訂正事項2-1の「基板の端面」及び本件訂正前の請求項1に追加された「放熱部材の端面」について、本件訂正前の請求項2の「前記筐体から露出しているか、又は、取り外し可能な保護部材で覆われて」いることから、「前記筐体から露出している」との選択肢を削除し、「取り外し可能な保護部材で覆われてい」るものに限定すること。(訂正事項2-3) b(a) 訂正事項2-1は、訂正事項1により「基板の端面」及び「放熱部材の端面」の2つの端面が特許請求の範囲に記載されるようになったところ、訂正前の請求項2に記載された「端面」が「基板の端面」であることを明確とするものである。 よって、訂正事項2-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。 (b)上記a(b)及び(c)から、訂正事項2-2及び2-3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 (イ)新規事項追加の有無 a 訂正事項2-1について 本件訂正前の請求項2には「端面」が「前記基板の第一軸の方向に係る両端にそれぞれ設けられ」たものであることが記載されていることから、訂正事項2-1は新規事項を追加するものではない。 b 訂正事項2-2について 本件特許明細書等の図3から、放熱部材30の片側の端面31cが見て取れるところ、【0043】には「図3では、基板10の-Y側の端面10cについて説明したが、上述の説明は、端面10cと対になる+Y側の端面についても同様のことがいえる。」と記載されていることから、訂正事項2-2は新規事項を追加するものではない。 c 訂正事項2-3について 訂正事項2-3は、訂正事項1-3と同じ訂正であることから、上記ア(イ)cで説示したとおり新規事項を追加するものではない。 (ウ)特許請求の範囲の実質的拡張変更の有無 訂正事項2-1~2-3に係る訂正は、上記(ア)及び(イ)にも照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (エ)訂正事項2の小括 よって、訂正事項2は、訂正要件を満たす。 ウ 訂正事項3について (ア)訂正の目的 訂正事項3は、本件訂正前の請求項3における「第二側面」が「放熱部材」を「挟む」態様において、「放熱部材の少なくとも一部分」から「放熱部材の一部分」に限定するものである。 訂正事項3による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 (イ)新規事項追加の有無 本件特許明細書等の図1及び図3から、筐体の第二側面42が、放熱部材の全部を覆わずに放熱部材の一部分である放熱フィン32を覆うことが見て取れることから、訂正事項3は、新規事項を追加するものではない。 (ウ)特許請求の範囲の実質的拡張変更の有無 訂正事項3に係る訂正は、上記(ア)及び(イ)にも照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (エ)訂正事項3の小括 よって、訂正事項3は、訂正要件を満たす。 エ 訂正事項4について 訂正事項4は、本件訂正前の請求項4に対して、訂正事項1-3及び2-1と同じ訂正をするものであり、訂正事項1-3及び2-1と同様に、訂正事項4は、訂正要件を満たす。 オ 訂正事項5について 訂正事項5は、本件訂正前の請求項6に対して、訂正事項1-3と同じ訂正をするものであり、訂正事項1-3と同様に、訂正事項5は、訂正要件を満たす。 カ 一群の請求項〔1~6〕に係る訂正のまとめ よって、請求項〔1~6〕に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (2)請求項7に係る訂正について ア 訂正事項6について (ア)訂正の目的 a 訂正事項6は、本件訂正前の請求項7に対する次の内容からなるものである。 (a)本件訂正前の請求項7における「筐体」において、「前記第一軸の方向に、前記放熱部材の少なくとも一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有」することを限定をすること。(訂正事項6-1) (b)本件訂正前の請求項7における「取り外し可能な保護部材」が、「前記基板の端面及び前記放熱部材の端面」を覆う際に、「前記放熱部材に固定されること」を限定すること。(訂正事項6-2) (c)本件訂正前の請求項7における「隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面」において、「露出した状態」との選択肢を削除し、「保護部材を取り外した状態」に限定すること。(訂正事項6-3) b 上記a(a)~(c)から、訂正事項6-1~6-3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 (イ)新規事項追加の有無 a 訂正事項6-1について 訂正事項6-1は、上記ア(イ)bで説示した訂正事項1-2で摘記した本件特許明細書等の【0036】に記載された事項であり、新規事項を追加するものではない。 b 訂正事項6-2について 本件特許明細書等の【0045】には「保護部材50を取り外し可能に固定する方法として、本実施形態では、図1に示されるように、放熱部材30の本体31にねじ孔35を設け、ねじ51を使用して保護部材50を放熱部材30に固定している」ことが記載されている。 よって、訂正事項6-2は、新規事項を追加するものではない。 c 訂正事項6-3について 本件特許明細書等の【0039】には「光照射ユニット100aと光照射ユニット100bとが連接」したものにおいて「保護部材50を有するときは保護部材50を取り外して互いの端面10cを接触又は近接して配置できる」ことが記載されている。 よって、訂正事項6-3は、新規事項を追加するものではない。 (ウ)特許請求の範囲の実質的拡張変更の有無 訂正事項6に係る訂正は、上記(ア)及び(イ)にも照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (エ)訂正事項6の小括 よって、訂正事項6は、訂正要件を満たす。 イ 請求項7に係る訂正のまとめ よって、請求項7に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (3)請求項8に係る訂正について ア 訂正事項7について 訂正事項7は、本件訂正前の請求項7を引用する本件訂正前の請求項8において、前記請求項7の記載事項を書き下し独立形式とし、訂正事項6-1及び6-3と同じ訂正をし、かつ、訂正事項6-2から「取り外し可能な保護部材が前記放熱部材に固定されることにより、」との事項を除いた事項による訂正を行うものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び、第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮、のそれぞれを目的とする訂正である。 訂正事項7は、訂正事項6と同様に、新規事項を追加するものではなく、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 イ 請求項8に係る訂正のまとめ よって、請求項8の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (4)請求項9に係る訂正について ア 訂正事項8について 訂正事項8は、本件訂正前の請求項9に対して、訂正事項1-3及び6-3と同じ訂正を行うものであり、訂正事項1-3及び6-3と同様に訂正要件を満たす。 イ 請求項9の訂正についてのまとめ よって、請求項9の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (5)独立特許要件について 訂正後の請求項1~9は、特許異議の申立てがなされた請求項であるから、当該請求項についての訂正には、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する第126条第7項の独立特許要件は課されない。 3 訂正の適否についての判断の小括 以上のとおり、本件訂正は、訂正要件を満たす。 よって、本件特許の特許請求の範囲及び明細書を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、本件訂正後の請求項〔1~6〕、7、8、9について訂正することを認める。 第3 本件訂正発明 本件訂正後の請求項1~9に係る発明(以下、それぞれ、「本件訂正発明1」~「本件訂正発明9」という。)は、次のとおりのものである。なお、本件訂正後の請求項8には「前記保護部材で覆われている」と記載されているところ、当該記載より前に「保護部材」が記載されていないことに起因して不明瞭なものであるが、「前記保護部材で覆われている」との記載における「前記」は誤記であることが明らかであるから、「前記保護部材で覆われている」との記載は「保護部材で覆われている」と記載されているものと解した上で「本件訂正発明8」を認定した。 【本件訂正発明1】 第一軸を長手方向とする基板と、 前記基板の第一面側に、前記第一軸に沿って並んで配置される複数の光源と、 前記基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置される放熱部材と、 前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向に、前記放熱部材を挟む一対の第一側面を有する筐体と、を備え、 前記基板は、前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面を有し、前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり、 前記基板の端面及び前記放熱部材の端面は、取り外し可能な保護部材で覆われていて、 前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有することを特徴とする、光照射ユニット。 【本件訂正発明2】 前記基板の端面は、前記基板の第一軸の方向に係る両端にそれぞれ設けられ、 前記放熱部材の端面は、前記放熱部材の第一軸の方向に係る両端にそれぞれ設けられ、前記基板の前記両端にそれぞれ設けられた端面及び前記放熱部材の両端に設けられた端面は、取り外し可能な保護部材で覆われていることを特徴とする、請求項1に記載の光照射ユニット。 【本件訂正発明3】 前記第二側面は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の前記一部分を挟むように二つ有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の光照射ユニット。 【本件訂正発明4】 前記複数の光源が、前記第一軸の方向にa(mm)の間隔で配列され、 取り外し可能な前記保護部材で覆われている前記基板の端面と、前記複数の光源のうち前記基板の端面から最も近い光源の中心と、の前記第一軸の方向における間隔が、b(mm)であるとき、b=a/2の関係を満たすことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の光照射ユニット。 【本件訂正発明5】 前記筐体又は前記放熱部材に固定される支持部材により支持され、前記複数の光源から出射する光を透過する、光学部材を備え、 前記光学部材の前記第一軸の方向の長さが、前記基板の前記第一軸の方向の長さと同じであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の光照射ユニット。 【本件訂正発明6】 請求項1~5のいずれか一項に記載の光照射ユニットを、前記第一軸の方向に連接させた光照射装置であって、 隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接していることを特徴とする、光照射装置。 【本件訂正発明7】 第一軸を長手方向とする基板と、 前記基板の第一面側に、前記第一軸に沿って並んで配置される複数の光源と、 前記基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置される放熱部材と、 前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向に、前記放熱部材を挟む一対の第一側面を有する筐体と、を備え、 前記基板は、前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面を有し、前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり、 前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の少なくとも一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有し、 取り外し可能な保護部材が前記放熱部材に固定されることにより、前記基板の端面及び前記放熱部材の端面が前記保護部材で覆われている光照射ユニットを、前記第一軸の方向に連接させた光照射装置であって、 隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接しており、 前記光照射ユニットは、前記筐体又は前記放熱部材に固定される支持部材により支持され、前記複数の光源から出射する光を透過する、光学部材を備え、 隣り合う前記光照射ユニットが有する前記光学部材は、互いに接触していることを特徴とする、光照射装置。 【本件訂正発明8】 第一軸を長手方向とする基板と、 前記基板の第一面側に、前記第一軸に沿って並んで配置される複数の光源と、 前記基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置される放熱部材と、 前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向に、前記放熱部材を挟む一対の第一側面を有する筐体と、を備え、 前記基板は、前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面を有し、前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり、 前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の少なくとも一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有し、 前記基板の端面及び前記放熱部材の端面が保護部材で覆われている光照射ユニットを、前記第一軸の方向に連接させた光照射装置であって、 隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接しており、 前記光照射ユニットは、前記筐体又は前記放熱部材に固定される支持部材により支持され、前記複数の光源から出射する光を透過する、光学部材を備え、 隣り合う前記光照射ユニットが有する前記光学部材は、互いに接触しており、 隣り合う前記光照射ユニットが有する前記放熱部材は、互いに接触していることを特徴とする光照射装置。 【本件訂正発明9】 第一軸を長手方向とする基板と、 前記基板の第一面側に、前記第一軸に沿って並んで配置される複数の光源と、 前記基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置される放熱部材と、 前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向に、前記放熱部材を挟む一対の第一側面を有する筐体と、を備え、 前記基板は、前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面を有し、前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり、 前記端面は、取り外し可能な保護部材で覆われている光照射ユニットを、前記第一軸の方向に連接させた光照射装置であって、 隣り合う前記光照射ユニットにおいて対向配置される前記基板の前記端面は、それぞれ、前記保護部材を取り外した状態で、互いに接触又は近接しており、 隣り合う前記光照射ユニットが有する前記放熱部材は、互いに接触していることを特徴とする、光照射装置。 第4 取消理由通知書で通知した取消理由の概要及び申立人が提出した証拠 1 令和4年11月30日付け取消理由通知書(以下「取消理由通知書」という。)により特許権者に通知した取消理由の要旨は、以下のとおりである。 (1)(新規性欠如)本件訂正前の請求項1~9に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、当該各請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 (2)(進歩性欠如)本件訂正前の請求項1~9に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、当該各請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 (3)(拡大先願)本件訂正前の請求項1~7に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた下記の甲第3号証の特許出願(以下、「先願」という。)の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその先願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記先願の出願人と同一でもないので、当該請求項に係る特許は、特許法第29の2の規定に違反してされたものである。 2 申立人が提出した証拠は、以下のとおりである。 以下、甲第1号証~甲第3号証を、それぞれ甲1~甲3という。 甲1:特開2013-168330号公報 甲2:特開2017-183234号公報 甲3:特願2019-207224号(特開2021-82423号) 第5 当審の判断 1 新規性欠如及び進歩性欠如について (1)甲1 ア 甲1の記載事項 取消理由で引用された甲1には、次の事項が記載されている。なお、下線部は当合議体が付したものであり、以下同じ。 (ア)「【請求項1】 第1の方向に延び冷媒が供給される少なくとも1つの第1流路及び少なくとも1つの第2流路を有する第1の面、及び当該第1の面の反対側に形成された第2の面を有し、熱伝導性を有する冷却部材であって、前記両流路が前記第1の方向の両端部で外部に開放する開口を有するとともに、一端部において前記両流路を連通する連通路を有する、冷却部材と、 前記第2の面側に配置される、複数の発光ダイオードと、 前記第1の方向の一端部に配置され、前記連通路を開放するとともに当該一端部に形成された前記各流路の開口を塞ぐ第1の態様と、前記連通路を塞ぐとともに当該一端部に形成された前記各流路の開口を開放する第2の態様と、をとりうる流路切換機構と、 を備えている、光照射装置。 ・・・(略)・・・ 【請求項4】 前記流路切換機構が前記第1の態様となっている、請求項1に記載の第1の光照射装置と、 前記流路切換機構が前記第2の態様となっている、少なくとも一つの請求項1に記載の第2の光照射装置と、 を備え、 前記第1の光照射装置の前記他端部側の開口と、前記第2の照射装置の前記一端部側の開口とが連通する、光照射モジュール。」 (イ)「【技術分野】 【0001】 本発明は、発光ダイオード(LED)を用いた光照射装置、及び光照射システムに関する。」 (ウ)「【0015】 (1)光照射装置の構造 図1~図4に示すように、この光照射装置1は、直方体状に形成された筐体1を有しており、筐体1の下面から紫外線が照射される。以下では、筐体1の延びる方向を長手方向(第1の方向)、それと直交する方向を幅方向(図4の左右方向)、長手方向における図1の左側を第1端部、右側を第2端部、さらに図4の上下方向を上下方向と称することとするが、この方向の定義は説明の便宜のためであり、発明を限定するものではない。筐体1の内部には、紫外線を照射する複数の紫外線発光ダイオード(紫外線LED)、及びこの紫外線LEDの駆動を制御する制御基板などが配置されている。 【0016】 まず、筐体1の内部構造について説明する。図4に示すように、筐体1の内部は、下方から上方に向かって概ね3つの領域に分かれており、各領域には、下から紫外線照射部3、冷却部4、及び制御部5が配置されている。 【0017】 まず、紫外線照射部3から説明する。この紫外線照射部3は、後述する冷却部4の冷却ブロック41の下面に当接する支持基板31を有し、この支持基板31の下面に複数の紫外線LED32が実装されている。複数の紫外線LED32は、長手方向に延びる4列に分けて配置されるとともに、2列を一組とした2つのLEDユニット33で構成されている。両LEDユニット33は幅方向に所定間隔をおいて配置されており、各LEDユニット33の下方の照射空間Sには、照射された紫外線が下方に向かうように反射するリフレクタが配置されており、このリフレクタは冷却部4の両側から下方に延びる連結部材48によって支持されている。本実施形態のリフレクタは、4つの部品から形成されている。すなわち、上述した連結部材48に固定される一対の第1反射部材61と、両LEDユニット33の間に配置される一対の第2反射部材62とで構成されている。そして、各LEDユニット33から照射される紫外線を幅方向に挟むように各第1及び第2反射部材61,62を配置することで、紫外線が下方に向くように反射される。 ・・・(略)・・・ 【0020】 図4に示すように、紫外線照射部3の最下部、つまり筐体1の底面には、両照射空間Sを覆う汚れ防止板37が設けられている。この汚れ防止板37は、紫外線が透過可能な透明な材料であり、石英ガラス等で形成される。 ・・・(略)・・・ 【0021】 次に、冷却部4について、図5も参照しつつ説明する。図5は、本実施形態に係る光照射装置において制御部を取り外した状態を示す斜視図である。図1~図5に示すように、冷却部4は、アルミニウムなどの熱伝導性の高い材料で形成された扁平状の冷却ブロック41を有している。上述したように、冷却ブロック41の下面(第2の面)には、紫外線LED32の支持基板31が取り付けられているが、熱伝導性を高めるため、冷却ブロック41の下面と支持基板31との間には公知の放熱グリスが塗布されている。これにより、冷却ブロック41及び支持基板31の接触部分の凹凸を埋めることができ、熱伝導効果を向上させている。一方、冷却ブロック41の上面(第1の面)には、水冷用の水が供給される一対の溝、つまり第1溝411及び第2溝412が形成されている。両溝411,412は、幅方向に沿って平行に配置され、長手方向に沿って延びている。両溝411,412は、長手方向の全体に亘って形成されているのではなく、冷却ブロック41の両端部との間に所定の隙間を残している。そして、この部分には、冷却ブロック41の長手方向の端面に開放する円筒状の貫通孔(開口)413が形成されており、各溝411,412の両端部と連通している。また、各端面には、貫通孔413から幅方向の外側に位置決めピン40を取り付けるための取付孔414がそれぞれ形成されている。さらに、両溝411,412の長手方向の一端部には、制御部5を貫通して上方に向かって延びるノズルがそれぞれ設けられている。すなわち、第1溝411には水が供給される供給ノズル(供給部)71が連結され、第2溝412には水を排出する排出ノズル(排出部)72が連結されている。一方、両溝411,412の長手方向の他端部には、これらを幅方向に連通する連通路415が形成されている。そして、上記のように構成された冷却ブロック41の上面には、両溝を覆う蓋部材49配置されている。」 (エ)「【図1】 [図:0001403648000001.jpg] 」 (オ)「【図3】 [図:0001403648000002.jpg] 」 (カ)「【図4】 [図:0001403648000003.jpg] 」 (キ)「【0025】 次に、光照射装置の連結方法について説明する。まず、図9に示すように、2つの光照射装置を準備する。ここでは、説明の便宜上、図9の左側にある光照射装置を第1光照射装置10、右側にある装置を第2光照射装置20と称することとする。はじめに、第1光照射装置10の各ノズル71,72に水が流通するパイプを連結するための連結管9をそれぞれ取り付ける。一方、第2光照射装置20の各ノズル71,72には蓋部材(図示省略)を取り付け、ここから水が流出しないようにする。次に、第1光照射装置10の第1端部側の貫通孔413、及び第2光照射装置20の第2端部の貫通孔413に、それぞれ閉鎖キャップ73を取り付ける。続いて、第1光照射装置10の第2端部の貫通孔413に上述した連結部材8を取り付ける。この点について、図10を参照して説明する。 【0026】 図10に示すように、第1光照射装置10の貫通孔413には、連結部材8の閉鎖部82側を挿入する。このとき、連結部材8の本体部81において閉鎖部側にあるOリング85が貫通孔413の壁面と当接する位置まで連結部材8を貫通孔413に押し込む。このとき、本体部81において、貫通孔413から突出する部分に、もう一方のOリング85が取り付けられている。この状態で、連結部材8を軸周りに回しながら、周方向の位置決めを行う。すなわち、図10に示すように、冷却ブロック41において両溝411、412を連通する連通路415が、連結部材8の閉鎖部82によって塞がれるように、連結部材8を軸周りに回転して位置決めを行う。こうして、両連結部材8の閉鎖部82が連通路415を塞ぐと、第1溝411を流れる水は、連結部材8を介して外部に流れ出るようになる。なお、冷却ブロック41の連通路415には、閉鎖部82の軸方向端部に当接するストッパ419が設けられており(図8参照)、所定の長さ以上に連結部材8が冷却ブロック41に入り込むのを制限している。また、連結部材8の取り付けとともに、冷却ブロック41の端面の取付孔414に位置決めピン40を取り付ける。位置決めピン40は、図8に示すように、一端部が冷却ブロック41に挿入され、他端部は冷却ブロック41から突出した状態となる。これに続いて、第2光照射装置20を第1光照射装置10に連結する。すなわち、第1光照射装置10から突出した連結部材8の端部を、第2光照射装置20の第1端部側の貫通孔413に挿入する。同時に、第1光照射装置10から突出する位置決めピン40を第2光照射装置20の取付孔414に挿入する。こうして、図11に示すように、両光照射装置10,20が連結される。 【0027】 また、図12に示すように、連結された光照射装置の下面では、LEDユニットが長手方向に連続した状態になっており、各光照射装置10,20において隣接する紫外線LED32間の長手方向の間隔(第1の間隔)と、両光照射装置10、20の境界を挟んで配置される紫外線LED32間の間隔(第2の間隔)とが、ほぼ同じ長さになっている。これにより、境界における照度の低下を防止し、紫外線の照射ムラが生じるのを防止している。」 (ク)「【図11】 [図:0001403648000004.jpg] 」 (ケ)「【図12】 [図:0001403648000005.jpg] 」 イ 甲1の図面から読み取れる事項 (ア)図1から、筐体1の長手方向における端部において、供給ノズル(供給部)71及び排出ノズル(排出部)72の基部が、当該筐体1により覆われ、かつ、支持基板31及び冷却ブロック41は、筐体1により覆われていないことが見て取れる。 (イ)図1から、筐体1は、長手方向と直交する幅方向において、冷却ブロック41を挟んでいる面を有することが見て取れる。 (ウ)図1及び図3から、支持基板31の長手方向の端部と、上記(イ)で認定した筐体の冷却ブロック41を挟んでいる面の長手方向の端部と、が近くに位置していることが見て取れる。 (エ)図11及び図12において、2つの光照射装置10,20を連結した際に、それぞれの光照射装置の冷却ブロックが互いに接触していることが見て取れる。 ウ 甲1に記載された発明 上記アで摘記した事項及び上記イで認定した事項から、甲1には、次の光照射装置及び光照射モジュールに係る発明(以下それぞれ「甲1装置発明」及び「甲1モジュール発明」という。)が記載されていると認められる。(なお、参考までに、発明の認定に用いた甲1の記載等に係る段落番号等を括弧内に付してある。以下同じ。) <甲1装置発明> 「発光ダイオード(LED)を用いた光照射装置であって、(【0001】) 直方体状に形成された筐体1を有し、(【0015】) 筐体1の延びる方向を長手方向(第1の方向)、それと直交する方向を幅方向(図4の左右方向)、長手方向における図1の左側を第1端部、右側を第2端部と称し、(【0015】) 筐体1の内部は、下方から上方に向かって概ね3つの領域に分かれており、各領域には、下から紫外線照射部3、冷却部4、及び制御部5が配置され、(【0016】) 紫外線照射部3は、冷却部4の冷却ブロック41の下面に当接する支持基板31を有し、この支持基板31の下面に複数の紫外線LED32が実装され、複数の紫外線LED32は、長手方向に延びる4列に分けて配置され、(【0017】) 紫外線照射部3の最下部、つまり筐体1の底面には、両照射空間Sを覆う汚れ防止板37が設けられ、(【0021】) 冷却部4は、アルミニウムなどの熱伝導性の高い材料で形成された扁平状の冷却ブロック41を有し、制御部5を貫通して上方に向かって延びる供給ノズル(供給部)71及び排出ノズル(排出部)72が設けられたものであり、(【0021】) 筐体1の長手方向における端部において、供給ノズル(供給部)71及び排出ノズル(排出部)72は当該筐体1により覆われ、支持基板31及び冷却ブロック41は筐体1により覆われておらず、(上記(イ)(ア)) 筐体1は、長手方向と直交する幅方向において、冷却ブロック41を挟む面を有しており、(上記(イ)(イ)) 支持基板31の長手方向の端部と、上記冷却ブロック41を挟む面の長手方向の端部と、が近くに位置する(上記(イ)(ウ)) 光照射装置。」 <甲1モジュール発明> 「甲1装置発明に係る光照射装置を連結して構成されたものであり、(【請求項4】、【0025】、【0026】) 連結された光照射装置の下面では、LEDユニットが長手方向に連続した状態になっており、各光照射装置10,20において隣接する紫外線LED32間の長手方向の間隔(第1の間隔)と、両光照射装置10、20の境界を挟んで配置される紫外線LED32間の間隔(第2の間隔)とが、ほぼ同じ長さになっており、(【0027】) 2つの光照射装置10,20を連結した際に、それぞれの光照射装置の冷却ブロックが互いに接触している、(上記(イ)(エ)) 光照射モジュール。」 (2)甲2 ア 甲2の記載事項 甲2には、次の事項が記載されている。 (ア)「【請求項1】 筐体と、 前記筐体内に配置される発光素子とを備え、 前記筐体のうちの前記発光素子からの光が照射される位置に配置されている部分は、前記照射される位置よりも照射される光量が少ない位置に移動可能に配置されている 照射器具。 ・・・(略)・・・ 【請求項4】 前記部分は、前記筐体のうち前記部分を除くベース部から前記部分を脱着可能とする脱着機構、前記ベース部に対して前記部分を折り曲げ可能とする曲げ機構、前記ベース部に対して前記部分をスライドさせるスライド機構、及び、前記部分を伸縮させる伸縮機構の少なくとも1つにより移動可能に配置されている 請求項1~3のいずれか1項に記載の照射器具。」 (イ)「【背景技術】 【0002】 紫外線等の光を照射する照射装置が、印刷、又は、樹脂若しくは接着剤の硬化等の処理に用いられている。照射装置の光源には、LED(Light Emitting Diode)に代表される半導体発光素子が用いられる。LEDは、従来の発光ランプ等と比較すると指向性の高い発光素子であるため、LEDを用いた照射装置においては照射方向により密度の高い光を照射できる。 【0003】 特に、紫外線は、樹脂等の劣化や生物への悪影響を招くので、上記処理の対象物以外に不用意に照射されることは好ましくない。そのため、紫外線を照射する照射装置は、一般に、対象物に紫外線を照射する一方で対象物以外に紫外線を照射しない構造(例えば隔壁)を有している(例えば特許文献1参照)。」 (ウ)「【0027】 図2は、本実施の形態に係る照射器具10の内部構成を示す第一の模式図である。図3は、本実施の形態に係る照射器具10の内部構成を示す第二の模式図である。図2及び図3を参照しながら、照射器具10の内部構成を説明する。 【0028】 照射器具10は、筐体11と、発光部13と、基板15と、ヒートシンク17と、ファン19と、カバー25と、導入口26と、排出口27とを備える。 【0029】 筐体11は、内部に照射器具10の構成要素を収容する筐体である。筐体11の材質は、金属又は合成樹脂などの剛性部材である。筐体11の材質として熱伝導度が比較的高い金属(アルミニウム、銅など)を用いると、筐体11による熱伝導及び放射により照射器具10内部の高温化を防ぐ効果が高められる。筐体11には、導入口26及び排出口27が設けられている。筐体11は、例えば、Z軸方向を軸方向とする柱体であり、導入口26が上面(Z軸正方向側の底面)に配置され、排出口27が側面に配置される。 【0030】 また、筐体11は、筐体11の側面のうちの一の部分であって発光部13からの光5が照射される位置に配置されている部分である可動部分21及び23が、移動可能に配置されている。可動部分21及び23は、筐体11のうちの一部として配置される位置から、その位置よりも照射される光5の光量が少ない位置に移動可能に配置されている。筐体11は、可動部分21及び23を移動させる機構を有する。なお、上記において、「光が照射される位置」とは、発光素子からの直接光が照射される位置、及び、その直接光の光路の延長上の位置である。 【0031】 可動部分21及び23が移動可能に配置されていることで、発光部13が照射する光5の一部が可動部分21及び23により遮られることがなくなり、対象物81に照射される光5の光量を増大させることができる利点がある。筐体11のうち、可動部分21及び23を除く部分をベース部12ともいう。可動部分21及び23を移動させる機構については後で詳しく説明する。なお、上記において「光を遮る」との表現は、照射された光の一部又は全部を、その光路の延長線上に進行させないことの他、反射などにより、その光路とは異なる光路に進行させることも含む。言い換えれば、「光を遮る」との表現は、完全な遮光(不透過)、及び、完全ではない遮光(半透過)を含み、また、完全な反射(全反射)、及び、完全でない反射(半反射)を含む概念である。以降でも同様とする。」 (エ)「【図2】 [図:0001403648000006.jpg] 」 (オ)「【0044】 図5は、本実施の形態に係る照射装置1の内部構成を示す模式図である。 【0045】 図5に示されるように、照射装置1を構成する照射器具10A、10B及び10C(以降、「照射器具10A等」と表記)の筐体11のうち、可動部分21及び23がベース部12から離脱しているところがある。より特定的には、筐体11のうちの発光部13からの光5が照射される可動部分21及び23のうち、隣接する照射器具が存在する可動部分21及び23がベース部12から離脱している。言い換えれば、筐体11のうちの発光部13からの光5が照射される位置に配置されている可動部分21及び23のうち、連結されている照射器具に隣接する可動部分21及び23が、上記照射される位置よりも照射される光5の光量が少ない位置に移動されている。これにより、仮に上記照射される位置に可動部分21及び23が位置しているとすれば遮られるはずの光5が、遮られることなく対象物81に照射される。その結果、対象物81に充分な光5が照射され、言い換えれば、充分に光5が照射されない部分(図4における部分83に相当する部分)が生じることが抑制される。 【0046】 また、筐体11のうちの発光部13からの光5が照射される可動部分21及び23のうち、隣接する照射器具が存在しない可動部分21及び23は、ベース部12に接続されている。上記可動部分21及び23は、発光部13からの光5が、対象物81と異なる方向へ照射されることを防止するための隔壁として機能する。これにより、照射装置1は、紫外線が不用意に外部に照射されることを防止することができる。 以降において、可動部分21及び23を移動させる機構について具体的に説明する。可動部分21及び23を移動させる機構は、具体的には、脱着機構、曲げ機構、スライド機構、及び、伸縮機構の少なくとも1つを含む。」 (カ)「【図5】 [図:0001403648000007.jpg] 」 (キ)「【0047】 図6は、本実施の形態に係る脱着機構の機能を示す模式図である。 【0048】 図6に示される脱着機構41と42とは、それぞれ、可動部分21と、ベース部12とに設けられた脱着機構である。脱着機構41と42とは、係合又は嵌合などにより互いに接続可能かつ離脱可能な形状を有する。」 (ク)「【図6】 [図:0001403648000008.jpg] 」 イ 甲2の図面から読み取れる事項 図5及び図6から、基板の端面及び放熱部材の端面のそれぞれは、筐体の一部である可動部分21、23により覆われること、が見て取れる。 ウ 甲2に記載された技術的事項 上記ア及びイから、甲2には、次の技術的事項が記載されていると認められる。 「筐体と、 前記筐体内に配置される発光素子とを備え、 前記筐体のうちの前記発光素子からの光が照射される位置に配置されている部分は、前記照射される位置よりも照射される光量が少ない位置に移動可能に配置されている照射器具において、(【請求項1】) 筐体11は、内部に照射器具10の構成要素である発光部13、基板15、ヒートシンク17及びファン19を収容し、(【0028】、【0029】、【図2】) 前記部分は、前記筐体のうち前記部分を除くベース部から前記部分を脱着可能とする脱着機構により移動可能に配置され、(【請求項4】、【0047】、【図6】) 筐体11は、筐体11の側面のうちの一の部分であって発光部13からの光5が照射される位置に配置されている部分である可動部分21及び23が、移動可能に配置されており、可動部分21及び23は、筐体11のうちの一部として配置される位置から、その位置よりも照射される光5の光量が少ない位置に移動可能に配置されており、(【0030】) 基板の端面及び放熱部材の端面のそれぞれは、筐体の一部である可動部分21、23により覆われており、(上記イ) 筐体11のうちの発光部13からの光5が照射される位置に配置されている可動部分21及び23のうち、連結されている照射器具に隣接する可動部分21及び23が、上記照射される位置よりも照射される光5の光量が少ない位置に移動されていることで、対象物81に充分に光5が照射されない部分が生じることを抑制すること(【0045】)、及び、 筐体11のうちの発光部13からの光5が照射される可動部分21及び23のうち、隣接する照射器具が存在しない可動部分21及び23は、ベース部12に接続することで、可動部分21及び23が、発光部13からの光5が、対象物81と異なる方向へ照射されることを防止するための隔壁として機能し、紫外線が不用意に外部に照射されることを防止すること(【0046】)。」 (3)本件訂正発明1について ア 対比 本件訂正発明1と甲1装置発明を対比する。 (ア)本件訂正発明1の「第一軸を長手方向とする基板と、」との特定事項について a 甲1装置発明の「支持基板31」は、本件訂正発明1の「基板」に相当する。 b 甲1装置発明の「複数の紫外線LED32」の列が伸びる「長手方向」及び当該「長手方向」の軸は、本件訂正発明1の「長手方向」及び「第一軸」に相当する。 c 上記a及びbから、甲1装置発明は、上記特定事項を満たす。 (イ)本件訂正発明1の「前記基板の第一面側に、前記第一軸に沿って並んで配置される複数の光源と、」との特定事項について a 甲1装置発明の「支持基板31の下面」及び「複数の紫外線LED32」は、それぞれ本件訂正発明1の「前記基板の第一面」及び「複数の光源」に相当する。 b 甲1装置発明において「複数の紫外線LED32は、長手方向に延びる4列に分けて配置」されることは、本件訂正発明1の「複数の光源」が「前記第一軸に沿って並んで配置される」ことに相当する。 c 上記a及びbから、甲1装置発明は、上記特定事項を満たす。 (ウ)本件訂正発明1の「前記基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置される放熱部材と、」との特定事項について a 甲1装置発明の「冷却部4」は、本件訂正発明1の「放熱部材」に相当する。 b 甲1装置発明1は「支持基板31」が「冷却部4の冷却ブロック41の下面に当接する」ところ、「支持基盤31」の「冷却ブロック41の下面に当接する」面は、「支持基板31の下面」(本件訂正発明1の「前記基板の第一面」に相当。)と反対の面であるといえる。そうすると、甲1装置発明1は、本件訂正発明1の「放熱部材」が「前記基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置される」ことを満たす。 c 上記a及びbから、甲1装置発明は、上記特定事項を満たす。 (エ)本件訂正発明1の「前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向に、前記放熱部材を挟む一対の第一側面を有する筐体と、」との特定事項について a 甲1装置発明の「筐体1」は本件発明の「筐体」に相当する。 b 甲1装置発明の「筐体1」における「長手方向と直交する幅方向」は、本件訂正発明1における「前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向」に相当する。 c 甲1装置発明における「筐体1」の「長手方向と直交する幅方向において、冷却ブロック41を挟む面」は、本件訂正発明1の「前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向に、前記放熱部材を挟む一対の第一側面」に相当する。 d 上記a~cから、甲1装置発明は、上記特定事項を満たす。 (オ)本件訂正発明1の「前記基板は、前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面を有し、前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり、」との特定事項について a 甲1装置発明の「支持基板31」の長手方向の端部における面は、本件訂正発明1の「前記第一軸の方向に係る端部に」有する「前記第一軸と交差する端面」に相当する。 b 甲1装置発明の「支持基板31の長手方向の端部と、上記冷却ブロック41を挟む面の長手方向の端部と、が近くに位置する」ことは、本件発明の「前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあ[る]」ことに相当する。 c 上記a及びbから、甲1装置発明は、上記特定事項を満たす。 (カ)本件訂正発明1の「前記基板の端面及び前記放熱部材の端面は、取り外し可能な保護部材で覆われていて、」との特定事項について a 甲1装置発明の「冷却ブロック41」の長手方向の端部の面は、本件訂正発明1の「放熱部材の端面」に相当する。 b 甲1装置発明は、「取り外し可能な保護部材」を有しておらず、上記特定事項を満たさない。 (キ)本件訂正発明1の「前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有する」との特定事項について a 甲1装置発明の「供給ノズル(供給部)71及び排出ノズル(排出部)72」は、「冷却ブロック41」とともに「冷却部4」をなすものであることから当該「冷却部4」の一部分といえ、本件訂正発明1の「前記放熱部材の一部分」に相当する。 b 上記aを踏まえると、甲1装置発明において、当該「供給ノズル(供給部)71及び排出ノズル(排出部)72」が「筐体1の長手方向における端部において、」「筐体1により覆われ」ていることは、本件訂正発明1の「前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の少なくとも一部分を覆[う]」ことに相当する。また、甲1装置発明1において、「筐体1」が「供給ノズル(供給部)71及び排出ノズル(排出部)72」を「筐体1の長手方向における端部において」覆う箇所は、本件訂正発明1における「第二側面」に相当する。 c 甲1装置発明において、「筐体1の長手方向における端部において、」「支持基板31」「は筐体1により覆われて[いない]」ことは、本件訂正発明1の「前記筐体は、」「前記基板を覆わずに配置される第二側面を有する」ことに相当する。 d 上記a~cから、甲1装置発明は、上記特定事項を満たす。 (ク)本件訂正発明1の「光照射ユニット」との特定事項について 甲1装置発明の「光照射装置」は、本件訂正発明1の「光照射ユニット」に相当する。 よって、甲1装置発明は、上記特定事項を満たす。 イ 以上のことから、本件訂正発明1と甲1装置発明とは、次の点で一致し、また、相違する。 <一致点> 「第一軸を長手方向とする基板と、 前記基板の第一面側に、前記第一軸に沿って並んで配置される複数の光源と、 前記基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置される放熱部材と、 前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向に、前記放熱部材を挟む一対の第一側面を有する筐体と、を備え、 前記基板は、前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面を有し、前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり、 前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有することを特徴とする、光照射ユニット。」 <相違点1> 基板の端面及び放熱部材の端面について、本件訂正発明1は「取り外し可能な保護部材で覆われてい」るのに対して、甲1装置発明は、「取り外し可能な保護部材」を有さず、露出している点。 ウ 判断 (ア)相違点1について検討するにあたり、甲1装置発明をどのように変更すれば、相違点1に係る構成に至るかについて検討する。 甲1装置発明において相違点1に係る本件訂正発明1の構成に至るためには、「基板の端面及び放熱部材の端面」は露出しているものであるところ、「取り外し可能な保護部材」を追加して「基板の端面及び放熱部材の端面」を覆うことを少なくとも要する。 (イ)そこで検討すると、甲1には、「支持基板31」及び「冷却ブロック41」のそれぞれの端面を覆う「取り外し可能な保護部材」を追加することは記載も示唆もなく、甲1装置発明において相違点に1に係る本件訂正発明の構成をなすことの動機付けは見いだせない。 (ウ)この点、申立人は、相違点1に係る本件訂正発明1の構成は、甲2に記載された構成であるから、本件訂正発明1は、甲1及び甲2のそれぞれに記載された発明から当業者が容易に発明しうるものである旨主張する。 上記主張について検討する。 a 甲2に記載された技術的事項(上記(2)ウ)から、隣接する照射器具と連結する部分において対象物に光が照射されない部分が生じることを抑制し、隣接する照射器具が存在しない端部において紫外線が不用意に外部に照射されることを防止する課題が認識されるところ、引用発明も当該課題を有しているといえる。しかし、甲2における前記課題の解決手段は、筐体の一部を可動部材とすることであるところ、甲1装置発明は、支持基板31及び冷却ブロック41は筐体1により覆われていない、すなわち、支持基板31及び冷却ブロック41を覆う筐体が設けられていないものであることから、そのような甲1装置発明において、上記課題を解決するために、甲2に記載された解決手段を採用することはできない。 b さらに、甲2に記載された技術的事項(上記(2)ウ)は、筐体により基板15及びヒートシンク17を収容し、当該筐体の発光素子からの光が照射される位置に配置されている部分を脱着可能とすることであるところ、当該技術的事項を甲1装置発明に適用するためには「筐体1」が「支持基板31」及び「冷却ブロック41」を収容する態様への変更を要するといえ、そのような変更をした場合には甲1装置発明の「支持基板31」及び「冷却ブロック41」のそれぞれの端面が「筐体1」の内側に存在する形態となる。甲1装置発明に係る光照射装置は、複数を連結して「連結された光照射装置の下面では、LEDユニットが長手方向に連続した状態」及び「それぞれの光照射装置の冷却ブロックが互いに接触している」状態の甲1モジュール発明に係る光照射モジュールをなすものであるところ、変更後に得られる前記形態では、連結部分の筐体の一部を可動部分としても前記の状態が得られないことから、甲1装置発明に甲2に記載された技術的事項を適用することに阻害要因が存在する。 c 上記a及びbの理由により、上記主張は採用できない。 (エ)小括 よって、本件訂正発明1は、甲1に記載された発明ではないし、また、甲1に記載された発明及び甲2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 (4)本件訂正発明2~6について 本件訂正発明2~6は、本件訂正発明1をさらに減縮したものであるから、本件訂正発明1についての上記判断と同様の理由により、甲1に記載された発明ではないし、また、甲1に記載された発明及び甲2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 (5)本件訂正発明7~9について 本件訂正発明7~9の「光照射装置」は、上記相違点1に係る本件訂正発明1の構成を備えた光照射ユニットを用いたものであるから、本件訂正発明1についての上記判断と同様の理由により、甲1に記載された発明ではないし、また、甲1に記載された発明及び甲2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 (6)新規性欠如及び進歩性欠如のまとめ 上記(1)~(5)から、本件訂正発明1~9は、甲1に記載された発明ではないし、また、甲1に記載された発明及び甲2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、特許法第29条第1項の規定及び同法同条第2項の規定に違反してされたものとはいえない。 2 拡大先願について (1)先願 ア 先願の記載事項 先願の願書に最初に添付した明細書又は図面には次の記載がある。 (ア)「【0015】 前記光源ユニット1は、図1、図2及び図3に示すように、例えば、紫外線を射出する表面実装型のLED11を複数搭載した基板12と、前記基板12を内部に収容する筐体13とを備えるものである。 【0016】 前記基板12は、平板状をなし、例えば、図4に示すように、前記LED11を搭載するLED搭載部分121と、前記LED以外の他部品を搭載する他部品搭載部分122との二部分から構成されている。以下では、前記LED搭載部分121をLED搭載板121といい、前記他部品搭載部分122を他部品搭載板122という。 【0017】 前記LED搭載板121は、長方形状をなすものである。 このLED搭載板121には、図4に示すように、前記LED搭載板121の長辺に沿って等ピッチで一列に並べられた前記LED11からなるLED列11Aが設けられている。この実施形態では、前記LED列11Aが、前記ピッチと同じ又は異なるピッチで平行に複数並べられている。」 (イ)「【0020】 前記筐体13は、図示しない底板と、一対の側板131と、背板132と、前板133とを備えた直方体状をなす金属製のものであり、前記底板に対向する面は開口している。前記基板12は、該開口から光を射出できるように該筐体13の内部に収容されている。この開口には、前記LED搭載板121以外の部分を覆う遮光カバー134が取り付けられているとともに、前記LED搭載板121に対応する部分、すなわち光射出面135には、光を透過する透明板136が設けられている。 【0021】 また、前記基板12の前記LED搭載板121と前記他部品搭載板122とを区切る区切部材137がさらに設けられている。 前記区切部材137は、図6及び図7に示すように、前記基板12の前記LED搭載板121と前記他部品搭載板122との間に配置された細長い帯状の部材である。該区切部材137は、前記LED搭載板121の両側端にわたる部分から起立して前記遮光カバー134の裏面に密着するようにしてある。この区切部材137は、例えば、紫外線を遮蔽するものであり、金属板などで形成されている。 【0022】 しかして、この実施形態では、前記LED搭載板121の側端面を外部に露出させる切り欠き15が形成されている。該切り欠き15は、前記側板131に前記光射出面135側から形成されたものである。 【0023】 前記切り欠き15は、例えば、図1及び図2に示すように、側板131を形成する長方形状の板の前記LED搭載板121に近い角の部分を長方形状に切り取るように形成したものである。なお、この実施形態では、前記側板131は、前述した切り欠き15の部分を除いて、前記光源ユニット1の側面全体を覆うようにしてある。 【0024】 さらに、前記LED搭載板121の側端部は、前記光射出面135側から見たときに、前記切り欠き15の底面15a上に位置するように設定されている。」 (ウ)「【0025】 次に、前述したような光源ユニット1を複数並べて構成した光照射装置100について説明する。 【0026】 前記光源ユニット1は、前記背板132の側面132aを連結の基準面として該背板132の側面132a同士が当接するように前記光源ユニット1を並べた状態で、前記連結板2を各光源ユニット1の背板132に固定することによって連結される。 【0027】 このように光源ユニット1を連結することによって、前記基板12がこれら光源ユニット1の連結方向に沿ってその側端面同士が対向して並ぶように構成されており、これら基板12上の前記LED列11Aが複数の基板12を跨いで一列につながるようにしてある。 【0028】 本実施形態では、さらに、図5に示すように、隣り合う基板12を跨ぐLED11の配設ピッチ11aが、前記LED列11Aにおける連結方向のLED11の配設ピッチ11bと等しくなるように構成されている。」 (エ)「【0042】 前記切り欠きが形成された光源ユニットを連結させずに1つだけで使用する場合には、前記側板の外側から前記光源ユニットの側面全体を覆う外側板をさらに重ねて使用することが考えられる。 この場合にも、前記外側板を前記背板の側面に固定するので、前記LED搭載板が、前記背板の側面よりも側方に突出しないようにしておくことによって前記背板の側面に前記外側板をガタなく当接させることができる。 なお、前記外側板は、必ずしも前記光源ユニットの側面全体を覆うものである必要はなく、少なくとも前記切り欠きの部分を覆うものであればよい。」 (オ)図1~3,5及び7は、次のとおりである。 「【図1】 [図:0001403648000009.jpg] 【図2】 [図:0001403648000010.jpg] 【図3】 [図:0001403648000011.jpg] 【図5】 [図:0001403648000012.jpg] 【図7】 [図:0001403648000013.jpg] 」 (カ)先願の図面から読み取れる事項 a 図3から、LED搭載板121のLED11を設けた面と反対側の面に接する部材があること、及び、図1、2において当該部材が筐体13の外部から見えないことから、当該部材は筐体13の内部にあること、がそれぞれ見て取れる。 b 図7から、LED搭載板121の長手方向の端部と、筐体13の背板132及び前板133のそれぞれの長手方向の端部と、が近くに位置することが見て取れる。 イ 先願に記載された発明 上記ア(ア)~(カ)から、先願には、次の光源ユニット及び光照射装置に係る発明(以下、それぞれ「先願ユニット発明」及び「先願装置発明」という。)が記載されていると認められる。 <先願ユニット発明> 「紫外線を射出する表面実装型のLED11を複数搭載した基板12と、前記基板12を内部に収容する筐体13とを備え、(【0015】) 前記基板12は、LED搭載板121を有し、(【0016】) 前記LED搭載板121は、長方形状をなし、(【0017】) 前記LED搭載板121の長辺に沿って等ピッチで一列に並べられた前記LED11からなるLED列11Aが設けられ、(【0017】) 前記筐体13は、底板と、一対の側板131と、背板132と、前板133とを備えた直方体状をなす金属製のものであり、前記底板に対向する面は開口し、前記基板12は、該開口から光を射出できるように該筐体13の内部に収容されて、この開口には、前記LED搭載板121に対応する部分、すなわち光射出面135には、光を透過する透明板136が設けられ、(【0020】) 前記LED搭載板121の側端面を外部に露出させる切り欠き15が形成され、該切り欠き15は、前記側板131に前記光射出面135側から形成されたものであり、(【0023】) 前記LED搭載板121の側端部は、前記光射出面135側から見たときに、前記切り欠き15の底面15a上に位置するように設定され、(【0024】) LED搭載板121のLED11を設けた面と反対側の面に接する部材があり、(上記(カ)a) LED搭載板121の長手方向の端部と、筐体13の背板132及び前板133のそれぞれの長手方向の端部と、が近くに位置し、(上記(カ)b) 前記基板12がこれら光源ユニット1の連結方向に沿ってその側端面同士が対向して並ぶように構成されており、これら基板12上の前記LED列11Aが複数の基板12を跨いで一列につながるようにしてあり、(【0027】) 前記切り欠きが形成された光源ユニットを連結させずに1つだけで使用する場合には、前記側板の外側から前記光源ユニットの側面全体を覆う外側板をさらに重ねて使用する、(【0042】) 光源ユニット、(【0015】)」 <先願装置発明> 「先願ユニット発明に係る光源ユニット1を複数並べて構成したものであって、(【0025】) 前記光源ユニット1は、該背板132の側面132a同士が当接するように前記光源ユニット1を並べた状態で連結され、(【0026】) 隣り合う基板12を跨ぐLED11の配設ピッチ11aが、前記LED列11Aにおける連結方向のLED11の配設ピッチ11bと等しくなるように構成されている、(【0028】) 光照射装置100。(【0025】)」 (2)本件訂正発明1について ア 本件訂正発明1と先願ユニット発明を対比する。 (ア)本件訂正発明1の「第一軸を長手方向とする基板と、」との特定事項について a 先願ユニット発明の「LED搭載板121」は、本件訂正発明1の「基板」に相当する。 b 先願ユニット発明の「LED搭載板121」は「長方形状」であるところ、その長辺に沿った方向及び当該方向の軸は、それぞれ本件訂正発明1の「長手方向」及び「第一軸」に相当する。 c 上記a及びbから、先願ユニット発明は、上記特定事項を満たす。 (イ)本件訂正発明1の「前記基板の第一面側に、前記第一軸に沿って並んで配置される複数の光源と、」との特定事項について a 先願ユニット発明において「LED搭載板121」の「LED11」が設けられた面は、本件訂正発明1の「第一面」に相当する。 b 先願ユニット発明の「前記LED搭載板121の長辺に沿って等ピッチで一列に並べられた前記LED11」は、「前記第一軸に沿って並んで配置される複数の光源」に相当する。 c 上記a及びbから、先願ユニット発明は、上記特定事項を満たす。 (ウ)本件訂正発明1の「前記基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置される放熱部材と、」との特定事項について a 先願ユニット発明は「LED搭載板121のLED11を設けた面と反対側の面に接する部材」を有しているところ、「LED搭載板121のLED11を設けた面と反対側の面」は、本件発明の「第二面」に相当する。 b 先願ユニット発明の「部材」は、本件訂正発明1の「放熱部材」と、「部材」である点で一致するが、「放熱部材」といえるのか明らかではない。 c 上記a及びbから、先願ユニット発明と本件訂正発明1は「前記基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置される」「部材」を有することで一致するが、一方で、先願ユニット発明の「部材」が「放熱部材」といえるのか明らかではないことで、一応相違する。 (エ)本件訂正発明1の「前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向に、前記放熱部材を挟む一対の第一側面を有する筐体と、」との特定事項について a 先願ユニット発明の「筐体13」及び「背板132と、前板133」は、それぞれ本件訂正発明1の「筐体」及び「一対の第一側面」に相当する。さらに、先願ユニット発明の「背板132と、前板133」が位置する方向の軸は、本件発明の「第二軸」に相当する。 b 先願ユニット発明の「部材」は、「筐体13」の内部に位置することから、「筐体13」の「背板132と、前板133」に挟まれたものといえる。そうすると、先願ユニット発明と甲1装置発明1は、「筐体」が部材を「挟む一対の第一側面を有する」ことで共通する。 c 上記a及びbから、先願ユニット発明と本件訂正発明1は「前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向に、」「部材を挟む一対の第一側面を有する筐体と、」を有することで一致するが、一方で、上記(ウ)cと同様に先願ユニット発明の「部材」が「放熱部材」といえるのか明らかではないことで、一応相違する。 (オ)本件訂正発明1の「前記基板は、前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面を有し、前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり、」との特定事項について a 先願ユニット発明の「切り欠き15」により露出される「前記LED搭載板121の側端面」は、本件訂正発明1の「前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面」に相当する。 b 先願ユニット発明の「LED搭載板121の側端部と、筐体13の背板132及び前板133のそれぞれの長手方向の端部と、が近くに位置する」ことは、本件訂正発明1の「前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり」に相当する。 c 上記a及びbから、先願ユニット発明は、上記特定事項を満たす。 (カ)本件訂正発明1の「前記基板の端面及び前記放熱部材の端面は、取り外し可能な保護部材で覆われていて、」との特定事項について a 先願ユニット発明の「光源ユニットを連結させずに1つだけで使用する場合」に使用される「前記側板の外側から前記光源ユニットの側面全体を覆う外側板」は、本件訂正発明1の「取り外し可能な保護部材」に相当する。 b 一方で、先願ユニット発明の「外側板」について、それが覆うものは「前記側板の外側から前記光源ユニットの側面全体」であるところ、先願ユニット発明と本件訂正発明1は「前記基板の端面」を覆うことで共通するといえるが、一方で、先願ユニット発明は「前記放熱部材の端面」を覆っていないことで相違する。 (キ)本件訂正発明1の「前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記放熱部材の一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有すること」との特定事項について a 先願ユニット発明において、「筐体13」の「一対の側板131」は、本件発明の「第二側面」に相当する。 b 先願ユニット発明の「筐体13」の内部に「部材」があることから、当該「筐体13」の「一対の側板131」は当該「部材」を覆っているといえる。また、先願ユニット発明と甲1装置発明1は「前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記」「部材の一部分を覆い」において共通する。 c 先願ユニット発明の「一対の側板131」に「前記LED搭載板121の側端面を外部に露出させる切り欠き15が形成され」ることは、本件訂正発明1の「第二側面」が「前記基板を覆わずに配置される」ことに相当する。 d 上記a~cから、先願ユニット発明と本件訂正発明1は「前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記」「部材の少なくとも一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有すること」で一致するが、上記(ウ)cと同様に先願ユニット発明の「部材」が「放熱部材」といえるのか明らかではないことで、一応相違する。 (ク)本件訂正発明1の「光照射ユニット」との特定事項について 先願ユニット発明の「光源ユニット1」は、本件訂正発明1の「光照射ユニット」に相当する。 よって、先願ユニット発明は、上記特定事項を満たす。 イ 以上のことから、本件訂正発明1と先願ユニット発明とは、次の点で、一致点し、また、相違する。 <一致点> 「第一軸を長手方向とする基板と、 前記基板の第一面側に、前記第一軸に沿って並んで配置される複数の光源と、 前記基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置される部材と、 前記第一面に沿って前記第一軸に直交する第二軸の方向に、前記部材を挟む一対の第一側面を有する筐体と、を備え、 前記基板は、前記第一軸の方向に係る端部に前記第一軸と交差する端面を有し、前記端面の前記第一軸の方向における位置は、前記第一側面の前記第一軸の方向に係る端縁の近傍にあり、 前記端面は、前記筐体から露出しているか、又は、取り外し可能な保護部材で覆われていて、 前記筐体は、前記第一軸の方向に、前記部材の少なくとも一部分を覆い、且つ、前記基板を覆わずに配置される第二側面を有する、光照射ユニット。」 <相違点2> 「取り外し可能な保護部材」が覆う対象について、本件訂正発明1は「前記基板の端面及び前記放熱部材の端面」であるのに対して、先願ユニット発明は支持基板の端面のみである点。 <相違点3> 「基板の前記第一面に反対の第二面側に、配置され」、「筐体」の「一対の第一側面」に挟まれ、かつ、「筐体」の「第二側面」により「少なくとも一部分」が覆われる、「部材」について、本件訂正発明1は、「放熱部材」であるのに対して、先願ユニット発明は、そのことが明らかではない点。 ウ 判断 相違点2について、先願には、「取り外し可能な保護部材」が「放熱部材の端面」を覆うことに関する記載は全くなく、記載されているに等しい事項ともいえない。 したがって、相違点2は実質的な相違点である。 よって、本件訂正発明1は、相違点3について検討するまでもなく、先願装置発明と同一であるとはいえない。 (3)本件訂正発明2~6について 本件訂正発明2~6は、本件訂正発明1をさらに減縮したものであるから、本件訂正発明1についての上記判断と同様の理由により、先願に記載された発明と同一であるとはいえない。 (4)本件訂正発明7について 本件訂正発明7に係る「光照射装置」は、上記相違点2に係る本件訂正発明1の構成を備えた光照射ユニットを用いたものであるから、本件訂正発明1についての上記判断と同様の理由により、先願に記載された発明と同一であるとはいえない。 (5)本件訂正発明8,9について 本件訂正発明8,9は、拡大先願に係る異議理由は申し立てられていない。 (6)小括 上記(1)~(5)から、本件訂正発明は、先願に記載された発明と同一ではなく、特許法第29の2の規定に違反してされたものとはいえない。 なお、申立人が令和5年4月13日に提出した意見書では、本件補正発明1~9が特許法第29条の2の規定に違反してなされたものである旨の主張はなされていない。 第6 取消理由通知書で取り上げられていない取消理由 申立人は、令和5年4月13日付け意見書において、本件訂正発明7及び8には「第二側面」が「放熱部材の少なくとも一部分を覆い」と記載されているところ、当該記載は、第二側面が放熱部材の全部が覆うことを含んでおり、筐体の第二側面が放熱部材の全部を覆っている場合に、どのような態様で「取り外し可能な保護部材が前記放熱部材に固定され」、どのように「前記基板の端面及び前記放熱部材の端面が前記保護部材で覆われ」るのか不明確である点で、実施可能要件、サポート要件及び明確性要件を満たしていない旨を主張している。 申立人の主張について検討すると、本件特許明細書等には、筐体の第二側面が放熱部材の全部を覆っている場合に、前記放熱部材の端面は前記第二側面を介して保護部材で覆われていること(【0047】、【0048】、【図6】及び【図7】)、及び、放熱部材にねじ孔を設け、ねじを使用して保護部材を放熱部材に固定すること(【0045】)、が記載されている。前記記載を踏まえれば、本件訂正発明7及び8において、「前記基板の端面及び前記放熱部材の端面」が「保護部材で覆われている」構成及び本件訂正発明7において、「取り外し可能な保護部材が前記放熱部材に固定される」構成、が不明確であるとはいえず、明確性要件を満たす。そして、そのような形態は、本件特許明細書等に記載されたものであるから、実施可能要件及びサポート要件を満たす。 よって、上記主張は採用できない。 第7 むすび 以上によれば、本件訂正発明1~9に係る特許は、取消理由通知書に係る取消理由及び特許異議申立理由並びに申立人が意見書で主張する取消理由のいずれによっても取り消すことはできない。 そして、他に本件訂正発明1~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-700909

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決53件(ウシオ電機株式会社、杉山 賢哉)
  • 2024-700268異議申立 / 2025-11-27 / 訂正認容照明装置
    同じ当事者: 杉山 賢哉
  • 2024-700050異議申立 / 2024-07-04 / 訂正認容光照射装置
    同じ当事者: 杉山 賢哉
  • 2023-700063異議申立 / 2023-04-04 / 維持活性エネルギ照射装置及びインクジェットプリンタ
    同じ当事者: 杉山 賢哉
  • 2019-700892異議申立 / 2021-01-08 / 請求成立(取消)偏光ガラス板の製造方法
    同じ当事者: 杉山 賢哉
  • 2019-701011異議申立 / 2020-09-30 / 訂正認容光照射装置及び露光装置
    同じ当事者: ウシオ電機株式会社
同じ論点・分野の審決(審決分類)2,696件(113・H01L、121・H01L、161・H01L ほか)
  • 2022-700072異議申立 / 2024-01-05 / 請求成立(取消)静電チャック
    共通の審決分類: 113・H01L、121・H01L、161・H01L、536・H01L ほか1件
  • 2022-700073異議申立 / 2024-01-05 / 請求成立(取消)静電チャック
    共通の審決分類: 113・H01L、121・H01L、161・H01L、536・H01L ほか1件
  • 2022-700274異議申立 / 2023-08-09 / 訂正認容樹脂組成物、半導体用配線層積層体及び半導体装置
    共通の審決分類: 113・H01L、121・H01L、161・H01L、536・H01L ほか1件
  • 2022-700574異議申立 / 2023-03-29 / 訂正認容熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
    共通の審決分類: 113・H01L、121・H01L、161・H01L、536・H01L ほか1件
  • 2018-700256異議申立 / 2018-12-05 / 訂正認容洗浄液組成物
    共通の審決分類: 113・H01L、121・H01L、161・H01L、536・H01L ほか1件

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存