2022-700754
導電性ペースト
- 審判番号
- 2022-700754
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-219020外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7018295
- 請求日
- 2022年08月02日
- 審決日
- 2022年10月26日
- 公報発行日
- 2022年11月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】住友ベークライト株式会社
- 【権利者代理人】速水 進治
- 【異議申立人】佐伯 圭佑
- 分類
- P1651.121-Y (H01B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 35項目
第1 手続の経緯
特許第7018295号の請求項1~13に係る特許についての出願は、平成29年11月14日(優先権主張 同年3月31日)に出願され、令和4年2月2日にその特許権の設定登録がされ、同年同月10日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、同年8月2日に特許異議申立人 佐伯 圭佑(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。
第2 本件発明
特許第7018295号の請求項1~13の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1~13」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】シリカ粒子(C)を含有するエラストマー組成物と、導電性フィラーと、溶剤と、を含む導電性ペーストであって、続きを表示(全46行)前記導電性フィラーは、リン片状の金属粉(G)を含み、前記導電性フィラーの含有量が、前記導電性ペースト全体に対して、40質量%以上85質量%以下であり、前記エラストマー組成物の含有量が、前記導電性ペースト全体に対して、1質量%以上25質量%以下であり、前記シリカ粒子(C)の含有量が、前記導電性ペースト全体に対して、1質量%以上15質量%以下であり、かつ、前記シリカ粒子(C)および前記導電性フィラーの合計量100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であり、室温25℃における、せん断速度20〔1/s〕で測定した時の当該導電性ペーストの粘度が、1Pa・s以上100Pa・s以下である、導電性ペースト。【請求項2】請求項1に記載の導電性ペーストであって、前記エラストマー組成物が、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムからなる群から選択される一種以上のエラストマーを形成するための熱硬化性エラストマー組成物を含む、導電性ペースト。【請求項3】請求項1または2に記載の導電性ペーストであって、伸縮性配線基板を構成する配線を形成するために用いられる、導電性ペースト。【請求項4】請求項1から3のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、前記溶剤が、沸点が100℃以上300℃以下である高沸点溶剤を含む、導電性ペースト。【請求項5】請求項1から4のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、前記溶剤が、炭素数5以上20以下の脂肪族炭化水素を含む、導電性ペースト。【請求項6】請求項1から5のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、前記溶剤が、ハンセン溶解度パラメータの極性項(δp)が10MPa1/2以下である第1溶剤を含む、導電性ペースト。【請求項7】請求項1から6のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、当該導電性ペーストについて、室温25℃において、せん断速度1〔1/s〕で測定した時の粘度をη1とし、せん断速度5〔1/s〕で測定した時の粘度をη5としたとき、粘度比(η1/η5)であるチキソ指数が、1.0以上3.0以下である、導電性ペースト。【請求項8】請求項1から7のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、前記エラストマー組成物が、シリコーンゴム系硬化性組成物を含む、導電性ペースト。【請求項9】請求項8に記載の導電性ペーストであって、前記シリコーンゴム系硬化性組成物が、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を含む、導電性ペースト。【請求項10】請求項8または9に記載の導電性ペーストであって、前記シリコーンゴム系硬化性組成物が、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)をさらに含む、導電性ペースト。【請求項11】請求項8から10のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、前記シリコーンゴム系硬化性組成物が、白金又は白金化合物(E)をさらに含む、導電性ペースト。【請求項12】請求項1から11のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、印刷用の導電性ペースト。【請求項13】請求項1から12のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、前記金属粉(G)の平均粒径D50が、0.001μm以上1、000μm以下である、導電性ペースト。」
第3 申立理由の概要
申立人は、証拠として甲第1号証~甲第24号証を提出し、以下の理由により、請求項1~13に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。
1 申立理由1-1(甲第1号証を主たる引用文献とした場合の進歩性)
本件発明1、3、5、12、13は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術(甲第2号証~甲第4号証)に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものである。
本件発明2、8は、甲第1号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)及び周知技術(甲第2号証、甲第3号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明4は、甲第1号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)及び参考文献(甲第12号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明6は、甲第1号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)及び参考文献(甲第12号証)に基いて、又は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された事項及び周知技術(甲第2号証~甲第4号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明7は、甲第1号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)及び周知技術(甲第4号証~甲第6号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明9~11は、甲第1号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)及び周知技術(甲第2号証、甲第5号証~甲第7号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、請求項1~13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
2 申立理由1-2(甲第8号証を主たる引用文献とした場合の進歩性)
本件発明1、2、8は、甲第8号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)のいずれか又は両方」に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明3は、甲第8号証に記載された発明、甲第2号証に記載された事項、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)のいずれか又は両方」に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明4は、甲第8号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)、参考文献(甲第11号証、甲第24号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)のいずれか又は両方」に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明5は、甲第8号証に記載された発明、甲第18号証に記載された事項又は甲第2号証に記載された事項、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)又はこれらの両方」に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明6は、甲第8号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)、「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)又はこれらの両方」及び「参考文献(甲第19号証、甲第20号証)、参考文献(甲第21号証~甲第23号証)又はこれらの両方」に基いて、又は、甲第8号証に記載された発明、甲第2号証に記載された記載事項、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)、「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)又はこれらの両方」に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明7は、甲第8号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)、周知技術(甲第4号証~甲第6号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)又はこれらの両方」に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明9~11は、甲第8号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)、周知技術(甲第2号証、甲第5号証~甲第7号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)またはこれらの両方」に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明12、13は、甲第8号証に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)またはこれらの両方」に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、請求項1~13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
[証拠方法]
第4 甲号証の記載事項、甲号証に記載された発明等
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1 甲第1号証(国際公開第2016/114298号)
(1)本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第1号証には、以下の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。以下、同様である。)。
「[0027] 伸縮性導体層を形成する導電性フィラーは、金属粉であることが好ましい。また、必要に応じて、金属粉以外の導電材料や金属ナノ粒子を導電性フィラーとすることもできる。[0028] 金属粉としては、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉等の貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉、真鍮粉等の卑金属粉のほか、卑金属やシリカ等の無機物からなる異種粒子を銀等の貴金属でめっきしためっき粉、銀等の貴金属で合金化した卑金属粉等が挙げられる。・・・」
「[0048] ニトリル基を含有するゴムとしては、ニトリル基を含有するゴムやエラストマーであれば特に限定されないが、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体であるアクリロニトリルブタジエン共重合体ゴムが好ましく挙げられる。・・・」
「[0060] 本発明における有機溶剤としては、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、イソホロン、・・・などが挙げられる。・・・」
「[0106][製造例]<合成ゴム材料の重合>攪拌機、水冷ジャケットを備えたステンレス鋼製の反応容器にブタジエン 54質量部続きを表示(全33行)アクリロニトリル 46質量部脱イオン水 270質量部ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5質量部ナフタレンスルホン酸ナトリウム縮合物 2.5質量部t-ドデシルメルカプタン 0.3質量部トリエタノールアミン 0.2質量部炭酸ナトリウム 0.1質量部を仕込み、窒素を流しながら浴温度を15℃に保ち、静かに攪拌した。次いで 過硫酸カリウム0.3質量部を脱イオン水19.7質量部に溶解した水溶液を30分間かけて滴下し、さらに20時間反応を継続した後、ハイドロキノン0.5質量部を脱イオン水19.5質量部に溶解した水溶液を加えて重合停止操作を行った。[0107] 次いで、未反応モノマーを留去させるために、まず反応容器内を減圧し、さらにスチームを導入して未反応モノマーを回収し、NBRからなる合成ゴムラテックス(L1)を得た。得られたラテックスに食塩と希硫酸を加えて凝集・濾過し、樹脂に対する体積比20倍量の脱イオン水を5回に分けて樹脂を脱イオン水に再分散、濾過を繰り返すことで洗浄し、空気中にて乾燥して合成ゴム樹脂R1を得た。[0108]得られた合成ゴム樹脂R1の評価結果を表1に示す。以下仕込み原料、重合条件、洗浄条件などを変えて同様に操作を行い、表2に示す樹脂材料R2~R6を得た。なお、表中の略号は以下の通りである。NBR:アクロニトリルブタジエンゴムNBIR:アクリロニトリル-イソプレンゴム(イソプレン10質量%)SBR:スチレンブタジエンゴム(スチレン/ブタジエン=50/50質量%)[0109][表2][図:0001390620000001.jpg][0110]硫酸バリウム粒子の調製(A)吸込口径40mm、吐出口径25mm、内容積850mL、インペラー回転数2380rpmのワーマンポンプを反応槽として用い、このポンプに濃度110g/L(1.1mol/L)、温度30℃の硫酸水溶液を700L/hの一定流量にて吸い込ませると共に、120g/L(0.71mol/L)、温度50℃の硫化バリウム水溶液を600L/hの一定流量にて吸い込ませることで調製した水スラリー(固形分95g/L)1000mLを60℃に昇温した。SiO2として4.0g相当量の珪酸ナトリウムを純水100mLで希釈して20分で滴下し、次いで、Al2O3として2.0g相当量のアルミン酸ソーダを純水100mLで希釈し、20分で滴下した。さらに反応系を70℃に昇温し、30分撹拌後、希硫酸を用いて30分かけてpH8に中和した。10分撹拌してから、ろ過し、充分に水洗してから乾燥して、乾燥チップを得て、粗砕した後、気流式粉砕機で粉砕した。得られた粉体は、基材となる超微粒子硫酸バリウムと被着物の合計質量に対して、SiO2として3.5質量%、Al2O3として1.7質量%被着され、動的光散乱法によって測定される平均粒子径が0.3μmであった。・・・[0114]表3.[図:0001390620000002.jpg][0115][導電ペーストの調整]エポキシ当量175~195の液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂1.5質量部、製造例にて得られた伸縮性樹脂(R1)10質量部、潜在性硬化剤[味の素ファインケミカル株式会社製 商品名アミキュアPN23] 0.5質量部、をイソホロン30質量部と混合攪拌して溶解させバインダー樹脂組成物A1を得た。次いでバインダー樹脂組成物A1に、平均粒子径6μmの微細フレーク状銀粉[福田金属箔粉工業社製 商品名Ag-XF301]58.0質量部を加えて均一に混合し、三本ロールミルにて分散することにより導電ペーストC1を得た。得られた導電ペーストC1の評価結果を表4-1に示す。[0116] 以下、材料を変えて配合を行い、表4-1、表4-2に示す導電ペーストC2~C16を得た。評価結果を同様に表4-1、表4-2に示す。なお、表4-1、表4-1において無定型銀粉1はDOWAエレクトロニクス社製の凝集銀粉G-35、平均粒子径5.9μm、無定型銀粉2はDOWAエレクトロニクス社製の凝集銀粉G-35を湿式分級して得た平均粒子径2.1μmの凝集銀粉である。[0117][表4-1][図:0001390620000003.jpg]」
(2)甲第1号証に記載された発明
ア 上記(1)の特に実施例12の記載に注目すると、甲第1号証には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「エポキシ樹脂1.5質量部、伸縮性樹脂(R1)10.0質量部、硬化剤0.5質量部、イソホロン30.0質量部、鱗片状銀粉52.0質量部、硫酸バリウムA6.0質量部を含む導電性ペーストであって、伸縮性樹脂(R1)は、NBR:アクロニトリルブタジエンゴムからなる合成ゴムラテックス(L1)から得られたものであり、硫酸バリウムAはSiO2で被覆されている硫酸バリウム粒子である、導電性ペースト。」
2 甲第2号証(特開2017-12674号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第2号証には、以下の記載がある。
「【課題を解決するための手段】【0008】本開示は、伸縮性を有する基材と、前記基材上に設けられた2つ以上の電子部品と、伸縮性を有するとともに、前記2つ以上の電子部品を接続する配線を備えるウェアラブルセンサーデバイスに関する。」
「【0012】本開示の一実施形態にかかる耐久性に優れたウェアラブルセンサーデバイスは、伸縮性を有する基材と、前記基材上に設けられた2つ以上の電子部品と、伸縮性を有するとともに、前記2つ以上の電子部品を接続する配線を備える。」
「【0022】また、上記ウェアラブルセンサーデバイスにおいて、前記配線には、シリコーンゴムと導電物質との複合体が用いられていることが好ましい。」
「【0038】(基材の構成例)基材2には、伸縮性を有する素材、例えばシリコーンゴムが用いられている。より具体的にいえば、基材2には、例えば国際公開第2012/133639号パンフレットに開示されたシリコーンゴム系硬化性組成物からなるシリコーンゴムを好適に用いることができる。すなわち、基材2には、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と、シリカ粒子(C)と、シランカップリング剤(D)と、白金または白金化合物(E)とを含有するシリコーンゴム系硬化性組成物からなるシリコーンゴムが用いられており、基材2は、伸縮性を有するとともに、生体に接触した場合でも、体組織に対する反応が少ない、つまり生体適合性を有し、かつ、耐久性を有する素材にて構成されている。」
「【0126】以下、シリコーンゴム系硬化性組成物を調製し、その後、このシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化させることによりシリコーンゴムを製造する場合について説明する。<シリコーンゴムの製造方法>シリコーンゴムは、上述した各成分を、任意の混練装置により、均一に混合してシリコーンゴム系硬化性組成物を調製し、その後、このシリコーンゴム系硬化性組成物を加熱して硬化させることによって得ることができるが、以下に示すような工程により製造することで、強度により優れたシリコーンゴムを得ることができる。」
「【0147】(配線の構成例)配線6a及び6bには、伸縮性を有する素材、例えばシリコーンゴムと導電物質との複合体が用いられている。より具体的にいえば、配線6a及び6bには、例えば基材2と同じシリコーンゴムと、例えば銀や銅などの導電フィラー、イオン液体、導電高分子、導電有機化合物、カーボン材料、または導電ワイヤー等の導電物質との複合体が使用されている。そして、配線6a及び6bは、例えば印刷法により、基材2の表面2a上に設けられるようになっている。また、このように、印刷法により、配線6a及び6bが設けられて、センサー部3、電源部4、及び通信部5を接続するので、構造簡単で製造容易な生体適合性センサーデバイス1を容易に構成することができる。【0148】続きを表示(全11行)また、配線6a及び6bを構成する化合物は、下記のように、製造される。【0149】まず、シリコーンゴムをテトラデカンに溶解させて、テトラデカンが70wt%、及びシリコーンゴムが30wt%となるようにして、シリコーンゴムのテトラデカン溶液を作成する。【0150】次に、上記テトラデカン溶液に、例えば銀フィラーを加えて、テトラデカンが完全に揮発したときに、銀フィラーが85wt%、及び溶質のシリコーンゴムが15wt%となるようにする。その後、自転公転ミキサー、三本ロール等により、分散、撹拌して、導電ペーストを完成する。また、この導電ペーストの粘度は、例えば54Pa・s程度であり、印刷法によって基材2上に容易に塗布して形成できるようになっている。また、この導電ペーストは基材2上に設けた後、例えば170℃で1時間加熱することで熱硬化して、基材2上で配線6a及び6bとして設けられる。【0151】以上のように、配線6a及び6bでは、高い引裂き強度を有するシリコーンゴムを用いることにより、優れた伸縮性が確保されている。」
3 甲第3号証(国際公開第2013/146262号)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第3号証には、以下の記載がある。
「技術分野[0001] 本発明は、高分子材料を用いた柔軟なトランスデューサの電極や配線、電磁波シールド、フレキシブル配線板等に好適な導電膜、およびそれを形成するための導電性組成物に関する。」
「[0012] 塗料の塗布方法としては、スクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、パッド印刷、メタルマスク印刷、リソグラフィー等の印刷法の他、ディップ法、スプレー法、バーコート法等が挙げられる。塗料化した本発明の導電性組成物の粘度は、比較的小さい。このため、印刷法に好適である。印刷法によると、薄膜や大面積の導電膜を、容易に形成することができる。また、塗布する部分と塗布しない部分との塗り分けも、容易である。このため、細線や複雑な形状の導電膜であっても、容易に形成することができる。」
「[0019] 本発明の導電膜から形成される配線は、柔軟で、高い導電性を有し、伸張時にも電気抵抗が増加しにくい。したがって、本発明のフレキシブル配線板によると、基材が伸縮しても性能が低下しにくい。よって、本発明のフレキシブル配線板は、耐久性に優れる。」
「[0054] <導電性組成物の調製および導電膜の製造>[実施例1]・・・[0055] 導電塗料の粘度を、B型粘度計H7ロータにより、温度25℃、回転速度20rpmの条件で測定した。・・・[0056] 次に、導電塗料を、PET製の基材表面にバーコート法により塗布した。その後、150℃下で1時間加熱して、塗膜を乾燥させると共に、架橋反応を進行させた。このようにして、厚さ30μmの導電膜を製造した。」
「[0059] [実施例3]エラストマーの種類を変更して、導電塗料を調製した。まず、シリコーンゴムポリマー(信越化学工業(株)製「X40-3291-1」)100質量部を、溶剤のキシレンに溶解して、ポリマー溶液を調製した。次に、調製したポリマー溶液に、実施例1と同じカーボンナノチューブ20質量部と、導電性カーボンブラック(同上)11質量部と、分散剤(同上)10質量部と、を添加して、三本ロールにて混練りして、導電塗料を調製した。そして、実施例1と同様にして、導電膜を製造した。実施例1と同様に、導電塗料の固形分濃度を算出し、導電塗料の粘度を測定したところ、固形分濃度は28質量%であり、粘度は88Pa・sであった。」
「[0064] 表1に、使用した原料の種類、配合量、導電塗料の固形分濃度および粘度を示す。表1中、原料の配合量は、導電膜の質量(固形分)を100質量%とした場合の質量割合である。[表1][図:0001390620000004.jpg][0065] <導電性組成物および導電膜の評価>製造した導電膜の導電性を、次のようにして評価した。まず、自然状態(伸張前)における導電膜の体積抵抗率を、測定した。体積抵抗率の測定は、JIS K6271(2008)の平行端子電極法に準じて行った。体積抵抗率の測定において、導電膜(試験片)を支持する絶縁樹脂製支持具には、市販のゴムシート(住友スリーエム(株)製「VHB(登録商標)4910」)を用いた。次に、導電膜を一軸方向に伸張率50%で伸張させて、体積抵抗率を測定した。伸張率は、次式(1)により算出した値である。伸張率(%)=(ΔL0/L0)×100・・・(1)[L0:試験片の標線間距離、ΔL0:試験片の標線間距離の伸張による増加分]体積抵抗率の測定結果を、上記表1にまとめて示す。表1に示すように、実施例1~5の導電膜は、いずれも高い導電性を有し、伸張時における体積抵抗率の増加が小さいことが確認された。具体的には、実施例1~5の導電膜を一軸方向に50%伸張した場合の体積抵抗率は、いずれも0.5Ω・cm以下であった。[0066] また、実施例1~5の導電塗料については、固形分濃度が20質量%以上であるにも関わらず、粘度が200Pa・s以下であった。導電塗料の粘度が小さいため、実施例1~5の導電塗料によると、スクリーン印刷等の印刷法により、導電膜を容易に形成することができる。一方、繊維径が30nm未満の小径のカーボンナノチューブを配合した比較例1、2の導電塗料については、固形分濃度が20質量%未満であるにも関わらず、粘度が200Pa・sを大きく超えていた。したがって、導電膜を形成するために、スクリーン印刷法を用いることはできない。」
4 甲第4号証(特開2015-81269号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第4号証には、以下の記載がある。
「【技術分野】【0001】本発明は、半導体素子を接着するのに好適なスクリーン印刷用導電性樹脂組成物に関する。詳細には、薄膜印刷性に優れ、安定なBステージ状態を形成し、かつダイシングテープの貼付性及びシリコンウエハーを個片化する際のダイシング性に優れた硬化物を与える導電性樹脂組成物、及び該導電性樹脂組成物を用いた半導体装置に関する。」
「【0006】即ち、本発明は、次の樹脂組成物、それを用いたダイアタッチ方法及び該組成物の硬化物を有する半導体装置を提供するものである。【0007】<1>続きを表示(全19行)(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂(B)1分子中に2個以上のエポキシ基と反応性を有する基を含む硬化剤成分(A)中のエポキシ基1当量に対し、該成分(B)中の、エポキシ基と反応性を有する基が0.8~1.25当量となる量(C)硬化促進剤成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して0.05~10質量部(D)質量平均粒径が2~15μmである導電性フィラー成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して300~1200質量部(E)希釈剤 成分(A)~(D)の合計100質量部に対して10~300質量部及び(F)一般式(1)【化1】[図:0001390620000005.jpg](上記式中、nは0~2000の整数を示す)で表されるジメチルシリコーン成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して0.01~2質量部を含むエポキシ樹脂剤組成物であって、成分(A)及び成分(B)の一方又は両方がシリコーン変性され、そのシリコーン変性成分が成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して0.1~5質量部であり、チクソトロピー指数が0.8~1.5、体積抵抗率が1x10-2Ω・cm以下であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。」
「【0042】[(D)質量平均粒径が2~15μmである導電性フィラー]・・・質量平均粒径が前記下限値未満であると、樹脂組成物のチキソトロピー指数が上昇し、スクリーン印刷後の樹脂組成物表面に印刷版のメッシュ跡が残り、Bステージ状態での表面粗さが大きくなる。・・・」
「【0074】<粘度>各組成物について、ブルックフィールド社製 コーン/プレート型粘度計で直径12mm 1.565 °コーンを用いて、測定温度25℃、回転数1.00(min-1)で、回転開始後5分における粘度を測定した。・・・」
「【0083】【表1】[図:0001390620000006.jpg]」
5 甲第5号証(特開2008-156579号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第5号証には、以下の記載がある。
「【0008】すなわち、本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、(A)25℃における粘度が0.1~100Pa・sであるポリオルガノシロキサン100重量部、(B)平均粒径50μm以下の球状炭素微粒子 10~200重量部、及び(C)硬化剤 硬化有効量を含有する導電性シリコーンゴム組成物であって、チキソトロピー指数が1.03~1.50、25℃における粘度が1~100Pa・sであることを特徴とする。」
「【発明の効果】【0010】上記構成により、流動性に優れた導電性シリコーンゴム組成物を提供できる。」
「【0018】付加反応硬化型の場合には、(A)成分は(A2)ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するポリオルガノシロキサンである。その分子構造は、直鎖状、環状、分岐鎖状のいずれでもよいが、硬化後のゴム物性の点から、直鎖状が好ましく、1種単独または2種以上を組み合わせてもよい。【0019】ケイ素原子に結合したアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、ブテニル基、ペテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、好ましくはビニル基である。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、得られる組成物の硬化速度、硬化後の物性の点から、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子、特に、分子鎖両末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。」
「【0035】付加反応を利用する場合は、(C3)ポリオルガノハイドロジェンシロキサンと(C4)白金系触媒を使用する。」
「【0047】また、本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、組成物に高流動性を付与する点から、そのチキソトロピー指数が1.03~1.50、好ましくは1.03~1.40である。チキソトロピー指数とは、本発明では2倍異なる2つの回転数の粘度比(25℃)を意味し、回転数α[rpm]の粘度と回転数2×α[rpm]の粘度をB型回転粘度計によりそれぞれ25℃で測定し、これらの粘度比(α[rpm]/2×α[rpm])を規定したものである。通常、チキソ性のあるものはこの粘度比が大きくなり、流動性の高いものほど1に近くなる。導電性シリコーンゴム組成物の粘度(25℃で1~100Pa・s)に応じて、B型回転粘度計の回転数を適宜選択できる。【0048】本発明の導電性シリコーンゴム組成物の硬化方法は、組成物が付加反応硬化型の場合には、室温もしくは50~200℃で60~120分の加熱により硬化が進行するが、迅速に硬化させるためには加熱することが好ましい。組成物が縮合反応硬化型の場合には、空気中の水分(湿気)と接触(例えば、23℃、50%RH下で7日間放置)させることにより硬化が進行する。」
6 甲第6号証(特開2013-100464号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第6号証には、以下の記載がある。
「【背景技術】【0002】導電性シリコーンゴム組成物は、硬化した後、導電性に優れたシリコーンゴムとなり、特にシリコーンの特長を発揮できる耐熱性が要求される分野等で使用されている。・・・」
「【0008】即ち、本発明は、(A)下記平均組成式(1)RaR’bSiO(4-a-b)/2 (1)続きを表示(全12行)(式中、Rはアルケニル基、R’は脂肪族不飽和結合を持たない非置換又は置換の炭素数1~10の一価炭化水素基、a、bは、0<a≦2、0<b<3、0<a+b≦3を満たす数である。)で表される一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中の全ケイ素原子結合アルケニル基に対して(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5~5.0倍モルとなる量、(C)銀粉末又は銀メッキされた微粉末粒子:100~1,500質量部、(D)導電性微粉末(但し、銀・銅及びそれらを含む金属を除く):0.5~30質量部、(E)付加反応触媒:触媒量、及び(F)脂肪酸、脂肪酸誘導体及びそれらの金属塩から選ばれる1種又は2種以上:0.1~20質量部を含有する付加硬化型導電性シリコーン組成物を提供する。」
「【発明の効果】【0010】本発明の導電性シリコーン組成物は、1.0×10-2Ω・cm以下の高導電率を与える硬化物、特にシリコーンゴムを形成することができ、かつ塗布性が可能で、その形状保持性が良好であり、更には保存安定性も良好なものである。」
「【0013】(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、この組成物の主剤(ベースポリマー)であり、一分子中に平均2個以上(通常2~50個)、好ましくは2~20個、より好ましくは2~10個程度のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する。(A)成分のオルガノポリシロキサンのアルケニル基Rとしては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられ、特に、ビニル基であることが好ましい。(A)成分のアルケニル基の結合位置としては、例えば、分子鎖末端及び/又は分子鎖側鎖が挙げられる。」
「【0034】(E)付加反応触媒本発明に用いる付加反応触媒(ヒドロシリル化反応触媒)は、前記の(A)成分のアルケニル基と(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として白金族金属系触媒等の周知の触媒が挙げられる。」
「【0045】本発明において、組成物の粘度とチクソ係数は塗布後の形状安定性においては重要な因子である。E型粘度計を使用したときの回転速度が10rpmの時の23℃における組成物の粘度が10Pa・s以上500Pa・s以下、特に20~200Pa・sであることが好ましい。粘度が低すぎると、ディスペンサー等により塗布した際あるいは加熱硬化時に流れて形状が保持できない場合がある。また、粘度が高すぎると、ディスペンサーで塗布する場合に糸引きを生じたり、スクリーン印刷する場合にはマスクのパターンに十分に追従できず、パターンの欠損を起こすおそれがある。なお、23℃における組成物の10rpmにおける粘度と20rpmにおける粘度との比(10rpm/20rpm)(以下、チクソ係数と示す)は、1.5以上、特に2.0~5.0であることが好ましい。このチクソ係数が1.5未満であると、塗布した形状を安定させることが不十分となる場合があるため、塗布後の形状安定性が重要な場合は、チクソ係数が1.5以上のものを用いることが好ましい。【0046】本発明の組成物の硬化条件としては、100~150℃で1~120分間硬化させることが望ましい。・・・」
7 甲第7号証(特開平10-130508号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第7号証には、以下の記載がある。
「【0026】[実施例1](A)成分として、粘度が500mPa・sであり、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.43重量%)61重量部、粘度が8,000mPa・sであり、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンと(CH3)3SiO1/2単位と(CH2=CH)(CH3)2SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンとの混合物(ビニル基の含有量=0.75重量%)25重量部、(B)成分として、粘度が30mPa・sであり、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.5重量%)4重量部、(C)成分として、平均粒子径が5μmであるフレーク状還元銀微粉末400重量部、(D)成分として、白金の1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体を軟化点80~90℃の熱可塑性シリコーン樹脂に分散してなる微粒子化した触媒(本組成物において、触媒中の白金金属が重量単位で15ppmとなる量である)、その他任意の成分として、式:【化6】[図:0001390620000007.jpg]で表されるオルガノポリシロキサン7重量部、疎水性ヒュームドシリカ3重量部、フェニルブチノール(本組成物において重量単位で200ppmとなる量)を均一に混合した組成物に、上記(A)成分~(D)成分の合計量100重量部に対して(E)成分として、イソパラフィン系混合溶剤(日本石油株式会社製の日石アイソゾール400、bp=200~250℃)2重量部を均一に混合して付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物を調製した。次に、この組成物を減圧下で脱泡し、上記の電極上に塗布し、これを120℃で30分間加熱することにより硬化させた。その後、この導電性シリコーンゴムを250℃で30分間、窒素気流中で加熱することにより、この導電性シリコーンゴム中のイソパラフィン系混合溶剤を除去した。このようにして得られた回路の初期および熱衝撃試験後の電気抵抗値、および導電性シリコーンゴムの初期および熱衝撃試験後の電気抵抗率を測定した。これらの測定結果を表1に示した。【0027】[実施例2]実施例1で調製した付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物を上記の電極上に塗布し、これを120℃で30分間加熱することにより硬化させた。その後、この導電性シリコーンゴムを150℃で1時間、空気中で加熱することにより、この導電性シリコーンゴム中のイソパラフィン系混合溶剤を除去した。このようにして得られた回路の初期および熱衝撃試験後の電気抵抗値、および導電性シリコーンゴムの初期および熱衝撃試験後の電気抵抗率を測定した。これらの測定結果を表1に示した。・・・【0029】[実施例4](A)成分として、粘度が500mPa・sであり、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.43重量%)61重量部、粘度が8,000mPa・sであり、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンと(CH3)3SiO1/2単位と(CH2=CH)(CH3)2SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンとの混合物(ビニル基の含有量=0.75重量%)25重量部、(B)成分として、粘度が30mPa・sであり、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.5重量%)4重量部、(C)成分として、平均粒子径が5μmであるフレーク状還元銀微粉末400重量部、(D)成分として、白金の1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、触媒中の白金金属が重量単位で10ppmとなる量である)、その他任意の成分として、式:【化7】[図:0001390620000008.jpg]で表されるオルガノポリシロキサン7重量部、疎水性ヒュームドシリカ3重量部、フェニルブチノール(本組成物において重量単位で800ppmとなる量)を均一に混合した組成物に、上記(A)成分~(D)成分の合計量100重量部に対して(E)成分として、シクロヘキシルベンゼン(bp=237℃)2重量部を均一に混合して付加反応硬化型導電性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物を実施例1と同様にして硬化させた後、実施例1と同様にしてシクロヘキシルベンゼンを除去して回路を作成した。このようにして得られた回路の初期および熱衝撃試験後の電気抵抗値、および導電性シリコーンゴムの初期および熱衝撃試験後の電気抵抗率を測定した。これらの測定結果を表1に示した。」
8 甲第8号証(特開2014-40536号公報)
(1)本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第8号証には、以下の記載がある。
「【0078】<(E)有機溶剤>本発明組成物には、上記各成分を希釈し均一に混合するために、また、導電性接着剤としての適用に際する作業性を向上させるために、(E)有機溶剤を配合することができる。この(E)成分としては、上記(A)及び(B)成分と相溶性があり、かつ、(B)成分と反応性を有しないものが好ましい。【0079】この(E)成分の公的な具体例としては、・・・n-ブチルカルビトールアセテート、酢酸ブチル、安息香酸メチル、γ-ブチロラクトン等のエステル類・・・が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。上記の中でも、ケトン類、エステル類及びセロソルブ類が好ましく、特にn-ブチルカルビトールアセテート、γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N-メチル-2-ピロリドンが好ましい。」
「【0087】<粘度測定方法>EHD型粘度計を用いて、試料温度25℃にて測定を行った。」
「【0091】[実施例1](A1)上記調製例1で得られたポリイミドシリコーン樹脂(I)100質量部、ジグリシジルトルイジン18質量部、及びn-ブチルカルビトールアセテート230質量部を、乳ばち内に投入して混練し、流動性を有する溶液(25℃における粘度:20Pa・s)を得た。次いで、この溶液に、平均粒径が2.9μm、タップ密度が5.70g/cm3、比表面積(BET法)が0.42m2/gの銀粉体900質量部及びジメチルシロキサンで処理した比表面積130m2/gのシリカ(アエロジルRY200S、日本アエロジル(株)製)40質量部を投入し、n-ブチルカルビトールアセテート120質量部を適宜添加しながら撹拌し均一に分散させ、灰白色ペースト状の組成物(25℃における粘度:100Pa・s)を得た。これを、導電性接着剤Aとする。【0092】[実施例2](A1)上記調製例1で得られたポリイミドシリコーン樹脂(I)100質量部、ジグリシジルトルイジン18質量部、及びn-ブチルカルビトールアセテート230質量部を、乳ばち内に投入して混練し、流動性を有する溶液(25℃における粘度:20Pa・s)を得た。次いで、この溶液に、平均粒径が2.9μm、タップ密度が5.70g/cm3、比表面積(BET法)が0.42m2/gの銀粉体900質量部及びジメチルシランで処理した比表面積130m2/gのシリカ(アエロジルRY200S、日本アエロジル(株)製)40質量部を投入し、n-ブチルカルビトールアセテート110質量部を適宜添加しながら撹拌し均一に分散させ、灰白色ペースト状の組成物(25℃における粘度:100Pa・s)を得た。これを、導電性接着剤Bとする。【0093】[実施例3](A2)上記調製例2で得られたポリイミドシリコーン樹脂(II)100質量部、ジグリシジルトルイジン15質量部、及びn-ブチルカルビトールアセテート230質量部を、乳ばち内に投入して混練し、流動性を有する溶液(25℃における粘度:25Pa・s)を得た。次いで、この溶液に、平均粒径が3.7μm、タップ密度が5.50g/cm3、比表面積(BET法)が0.32m2/gの銀粉体1,900質量部及びジメチルシロキサンで処理した比表面積130m2/gのシリカ(アエロジルRY200S、日本アエロジル(株)製)40質量部を投入し、n-ブチルカルビトールアセテート130質量部を適宜添加しながら撹拌し均一に分散させ、灰白色ペースト状の組成物(25℃における粘度:90Pa・s)を得た。これを、導電性接着剤Cとする。」
「【0102】【表1】[図:0001390620000009.jpg]」
(2)上記(1)の記載によれば、甲第8号証には以下の発明(以下、「甲8発明」という。)が記載されていると認められる。
「ポリイミドシリコーン樹脂(I)100質量部、ジグリシジルトルイジン18質量部、n-ブチルカルビトールアセテート230質量部、平均粒径が2.9μm、タップ密度が5.70g/cm3、比表面積(BET法)が0.42m2/gの銀粉体900質量部、ジメチルシロキサンで処理した比表面積130m2/gのシリカ(アエロジルRY200S、日本アエロジル(株)製)40質量部、n-ブチルカルビトールアセテート120質量部を含み、25℃における粘度が100Pa・sである、灰白色ペースト状の組成物である導電性接着剤A。」
9 甲第9号証(国際公開第2015/119217号)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第9号証には、以下の記載がある。
「技術分野[0001]本発明は、伸縮性導電体およびその製造方法と伸縮性導電体形成用ペーストに関する。・・・」
「[0024] 導電粒子42は、銀フレークなどの良導電性金属材料製の鱗片状の微粒子あるいはカーボンナノチューブやグラフェン等の導電粒子からなることが好ましい。なお、導電粒子42は、銀の他に金や白金などの貴金属の鱗片状の微粒子、あるいはアルミニウムや銅などからなる鱗片状の良伝導性金属微粒子であっても良い。これら粒子の形状は鱗片状に限らず、薄片状、偏平状などのいずれの形状であっても良い。鱗片状の導電粒子42は伸縮性導電体40の表層部においてそれらの面方向を揃えて密に重なるように多孔質体の形状をなして分散され、良好な導電性を発揮する。導電粒子42として、好ましくは、粒径10μm以下、より好ましくは、1~5μm程度の粒径の銀薄片などの金属薄片微粒子が好ましい。導電粒子42は、前記エラストマーとしてのフッ素ゴムの質量に対し400質量%以下、望ましくは400質量%未満の添加量であることが好ましい。添加量が多すぎると伸縮により伸縮性導電体40が脆くなるおそれがある。」
10 甲第10号証(特開2003-68139号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第10号証には、以下の記載がある。
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は電気回路形成用の導電ペーストに関する。」
「【0012】本発明で用いられる鱗片状の複合導電粉は、鱗片状の銀粉と併用して用いることが必要とされ、このようにすることにより良好な導電性が得られると共に両導電粉の形状が鱗片状であるので、これらをペースト状にして印刷、乾燥、硬化させると、導電ペーストの含有する溶剤の乾燥に伴う体積減少で、鱗片状の両導電粉が配向して、色調を銀色又は銀白色にすることができ、また、導電粉同士の接触が良好になるため導電体の伸縮又はバインダーの吸湿による膨潤が起きても、鱗片状の銀粉が導電粉同士の接触を良好に維持することができ、これによって回路抵抗の変化率を低く抑えることができる。いずれか片方の導電粉だけを用いた場合は、上記のような効果は得られない。」
11 甲第11号証(特開2002-332472号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第11号証には、以下の記載がある。
「【0055】(実施例5)・接着剤の調製ガラス転移温度72℃のメタクリル酸エステル共重合体(積水化成品社製、商品名:IBM-2)20重量部、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(積水化学社製、商品名:DOP、沸点386℃) 40重量部、及び、ブチルカルビトールアセテート(沸点247℃) 40量部をポリビン中に入れ、振盪機にかけて溶解させ接着剤を調製した。」
12 甲第12号証(特開2011-140598号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第12号証には、以下の記載がある。
「【0047】[実施例2]・・・置換分散媒としてイソホロン(沸点:213℃)60gを用いたこと以外は実施例1と同様にして分散媒置換・濃縮を行った。・・・イソホロンのハンセン溶解度パラメータにおける水素結合項は7.4MPa1/2、極性項は8.2MPa1/2であり、極性項が要求範囲(11MPa1/2以上)を下回っているためペースト化した。」
13 甲第13号証(特開2005-129921号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第13号証には、以下の記載がある。
「【0009】なお、粘着層は、シロキサンオリゴマーの少ないシリコーンゴムであれば、何でも良い。粘着層を、ポリイミドシリコーン樹脂とすることができる。・・・【0010】・・・粘着層は、シリコーンゴムであれば、特に限定されるものではないが、特にはポリイミドシリコーン樹脂が好適である。・・・」
「【0026】シロキサン原料としては、式(2)に示す一般式で表されるジアミノシロキサンを用いることが好ましい。【化1】[図:0001390620000010.jpg]続きを表示(全33行)【0027】式(2)において、nは0~120の整数、R1,R2は炭化数1~8のアルキル基又はフェニル基である。このジアミノシロキサン中の環状シロキサンオリゴマーの含有量を減らす方法としては、公知の方法、例えば高温でのストリッピング法等があげられる。【0028】ポリイミドシリコーン樹脂としては、式(a)で表される繰り返し単位、及び式(b)で表される繰り返し単位を有するポリイミドシリコーン樹脂を使用することが好ましい。【化2】[図:0001390620000011.jpg]【0029】式中、Xは式(3)、式(4)、式(5)【化3】[図:0001390620000012.jpg]で表される4価の有機基から選択される少なくとも1種の有機基である。【0030】式中、Yは式(6)【化4】[図:0001390620000013.jpg]で表される2価の有機基(式中、Bは式(7)、式(8)、式(9)【化5】[図:0001390620000014.jpg]で表される有機基から選択される少なくとも1種の有機基である)及び式(10)【化6】[図:0001390620000015.jpg]で表される2価の有機基(Dは単結合、‐CH2‐.‐(CH3)2C‐.‐SO2‐.及び‐(CF3)2C‐から選択される少なくとも1種の有機基である)から選ばれる2価の有機基である。【0031】式中、Zは式(11)【化7】[図:0001390620000016.jpg]で表される2価のシロキサン残基(Rはメチル基又はフェニル基、bは0~120の整数である)である。【0032】ポリイミドシリコーン樹脂は、公知の方法でテトラカルボン酸二無水物と式(2)で表されるジアミノシロキサンを含有するジアミンとにより製造される。式(2)で表されるジアミノシロキサンは、ジアミン全体の5~75モル%、好ましくは10~50モル%が用いられる。」
14 甲第14号証(特開2006-80212号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第14号証には、以下の記載がある。
「【0015】粘着層2は、所定のエラストマーを使用して表裏面がそれぞれ平坦に形成され、5~60Hs(JIS A)のゴム硬度とされており、ベースボード1上に積層される。この粘着層2の材料としては、例えばポリイミドシリコーンゴム、フッ素系ゴム、ウレタン系エラストマー、天然ゴム、シクロペンタジエン系ゴム等があげられる。」
「【0018】なお、粘着層2は、電子部品実装時のハンダリフロー温度に耐え得ることが要求されるので、例えば材料がシリコーンゴムの場合には、ポリイミドシリコーン樹脂、硬化性官能基を有するフッ素化ポリエーテル骨格を有するフッ素系エラストマーが良い。」
15 甲第15号証(特開2009-59874号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第15号証には、以下の記載がある。
「【0017】粘着層3は、所定の弾性エラストマーを使用して表裏両面が平坦な断面略板形に成形され、5~60Hs(JIS A)のゴム硬度を有している。この弾性の粘着層3の材料としては、例えばシリコーンゴム、フッ素系ゴム、ウレタン系エラストマー、天然ゴム、シクロペンタジエン系ゴム等があげられる。粘着層3は、電子部品実装時のハンダリフロー温度に耐え得ることが要求されるので、材料がシリコーンゴムの場合にはポリイミドシリコーンゴムが良く、又硬化性官能基を有するフッ素化ポリエーテル骨格のフッ素系エラストマーでも良い。」
16 甲第16号証(国際公開第2016/140204号)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第16号証には、以下の記載がある。
「[0043] ・・・導電性粒子としては、電気伝導性を発現すれば良く粒子の材質、粒子の形状は限定されない。導電性粒子の材質としては、銀粉、ニッケル粉、パラジウム粉、カーボン粉、タングステン粉、メッキ粉など挙げられ、特に銀粉が好ましい。また、導電性粒子の形状としては、球状、不定形、フレーク状(鱗片状)、フィラメント状(針状)および樹枝状など挙げられ、特にフレーク状が好ましい。・・・」
17 甲第17号証(特開2000-133043号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第17号証には、以下の記載がある。
「【0012】また、上記導電フィラーの形状としては鱗片状(フレーク状)、粒状(球形が好ましい)、薄片状、樹枝状、不規則形のいずれを使用しても良いが、導電性組成物そのものの抵抗値(体積固有抵抗値)を低くさせるためと、塗布性を良くするためには、鱗片状と粒状を組み合わせて使用するのが好ましい。特に銀粉は鱗片状を使用するのが好ましい。ニッケル粉は、銀粉より小さい平均粒径の粒状が好ましい。」
18 甲第18号証(特開平11-228825号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第18号証には、以下の記載がある。
「【0006】すなわち、本発明は、芳香族テトラカルボン酸二無水物とシロキサンジアミンと他の芳香族ジアミン成分とを重縮合させてなるシロキサン変性ポリイミド系樹脂100重量部と、エポキシ樹脂1~50重量部と、下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物0.1~10重量部とを有機溶媒に溶解してなるシロキサン変性ポリイミド系樹脂溶液組成物である。【化4】[図:0001390620000017.jpg](式中、Xは水酸基、カルボキシル基又は水素原子を示し、R1、R2及びR3は同一又は異なってもよい炭化水素基を示す)【0007】また、本発明は、芳香族テトラカルボン酸二無水物とシロキサンジアミンとを重縮合させてなるイミド部位及び芳香族テトラカルボン酸二無水物と他の芳香族ジアミン成分とを重付加させてなるアミック酸部位を有するシロキサン変性ポリイミドアミック酸樹脂100重量部と、エポキシ樹脂1~50重量部と、上記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物0.1~10重量部とを有機溶媒に溶解してなるシロキサン変性ポリイミド系樹脂溶液組成物である。」
「【0025】本発明のポリイミド樹脂系溶液組成物に用いられる有機溶媒は、特に限定されるものではないが、本樹脂組成物を均一溶解可能なものならば単独でもよいし、2種類以上を併用した混合溶媒であっても差し支えない。このような有機溶媒としては、例えばフェノール系溶媒や、ピロリドン系溶媒、アセトアミド系溶媒等のアミド系溶媒や、ジオキサン、トリオキサン等のオキサン系溶媒や、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒や、メチルジグライム、メチルトリグライム等のグライム系溶媒などが挙げられる。また必要に応じて、これらの溶媒にベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒やヘキサン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒を均一に溶解できる範囲で混合し使用することもできる。」
19 甲第19号証(特開2010-18675号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第19号証には、以下の記載がある。
「【0031】また、本発明においてアクリル樹脂を溶解させる有機溶媒としては、αテレピネオールとブチルカルビトールアセテート(BCA、別名ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)の混合溶媒を用いるのが好ましい。・・・」
20 甲第20号証(国際公開第2016/190080号)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第20号証には、以下の記載がある。
「[0016] 本発明の水性ウレタン樹脂組成物は、ウレタン樹脂(A)、沸点が150~350℃の範囲である有機溶剤(B)及び水性媒体(C)を含有する水性ウレタン樹脂組成物であって、前記有機溶剤(B)ハンセン溶解度パラメータにおける分散項(δd)が15.5MPa0.5以上20MPa0.5未満、極性項(δp)が4.5MPa0.5以上12MPa0.5未満、水素結合項(δh)が3MPa0.5以上10.5MPa0.5未満のものであることを特徴とする。」
「[0071] 前記有機溶剤(B)としては、例えば、・・・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(δd:16、δp:4.1、δh:8.2)・・・などが挙げられる。これらの中でも、優れた造膜性を付与できることから、イソホロンを用いることが好ましい。」
21 甲第21号証(国際公開第2012/074115号)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第21号証には、以下の記載がある。
「[0047] ・・・δd、δpおよびδhは、それぞれ、有機溶媒のハンセン溶解度パラメータにおける分散項、極性項および水素結合項[(MPa)1/2]である。」
「[0050][表1][図:0001390620000018.jpg][0051]続きを表示(全11行)[表2][図:0001390620000019.jpg]・・・[0059][表8][図:0001390620000020.jpg]」
22 甲第22号証(国際公開第2011/129406号)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第22号証には、以下の記載がある。
「[0034] ・・・δd、δpおよびδhは、ハンセン溶解度パラメータにおける、分散項、極性項および水素結合項をそれぞれ示し、単位はいずれも(MPa)1/2である。)」
「[0148][表1][図:0001390620000021.jpg][0149]続きを表示(全13行)[表2][図:0001390620000022.jpg][0150][表3][図:0001390620000023.jpg][0151][表4][図:0001390620000024.jpg]」
23 甲第23号証(特表2014-528448号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第23号証には、以下の記載がある。
「【0028】・・・ハンセンの経験的及び理論的に導かれる3つの溶解度パラメータには、分散力項(δD)、極性又は双極子間力項(δP)、及び水素結合項(δH)がある。3つのパラメータ(すなわち、分散、極性、及び水素結合)はそれぞれ溶解性、又は溶媒性能に関係する異なる特性を表す。組み合わせることで、この3つのパラメータは、溶媒の全体的な強度及び選択性の尺度となる。これまでに記載の3つのパラメータの二乗和の平方根である、合計ハンセン溶解度パラメータは、溶媒の溶解能についてのより一般的な説明を提供する。個々の及び合計溶解度パラメータ単位はMPa0.5で与えられる。」
「【0032】【表1】[図:0001390620000025.jpg]」
24 甲第24号証(特開昭56-18416号公報)
本件特許出願の優先権主張の日前に公知となった甲第24号証には、以下の記載がある。
「例えばn・ブチルカルビートールアセテートは沸点246.7℃,蒸気圧0.05/20℃であり・・・」(2ページ左上欄16~18行)
「[図:0001390620000026.jpg]」(2ページ左下欄)
「[図:0001390620000027.jpg][図:0001390620000028.jpg]」(2ページ右下欄~3ページ左上欄)
第5 申立理由1-1、申立理由1-2について
1 甲1発明を主引用発明とする進歩性について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)甲1発明の「SiO2で被覆されている硫酸バリウム粒子」と、本件発明1の「シリカ粒子」は、いずれも無機物であるから、両者は、無機粒子である点で共通する。
(イ)甲1発明の「伸縮性樹脂(R1)」は、「NBR:アクロニトリルブタジエンゴムからなる合成ゴムラテックス(L1)から得られたもの」であるところ、甲第1号証の[0048]には、「ニトリル基を含有するゴムとしては、ニトリル基を含有するゴムやエラストマーであれば特に限定されないが、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体であるアクリロニトリルブタジエン共重合体ゴムが好ましく挙げられる」と記載されているから、「伸縮性樹脂(R1)」は、エラストマー組成物であるといえる。
そして、甲1発明において、「伸縮性樹脂(R1)」は、「SiO2で被覆されている硫酸バリウム粒子」を含有しているといえる。
そうすると、甲1発明の「伸縮性樹脂(R1)」と、本件発明1の「シリカ粒子(C)を含有するエラストマー組成物」とは、無機粒子を含有するエラストマー組成物である点で共通する。
(ウ)甲第1号証の[0027]には、導電性フィラーは、金属粉であることが好ましいことが記載され、同[0028]には、金属粉として銀粉が挙げられているから、甲1発明の「鱗片状銀粉」は、導電性フィラーであるといえる。
したがって、甲1発明の「鱗片状銀粉」は、本件発明1の「導電性フィラー」に相当する。
(エ)甲第1号証の[0060]には、有機溶剤としてイソホロンが挙げられているから、甲1発明の「イソホロン」は、溶剤であるといえる。
したがって、甲1発明の「イソホロン」は、本件発明1の「溶剤」に相当する。
(オ)上記(ウ)の検討を参酌すると、甲1発明の「鱗片状銀粉」は、鱗片状の金属粉であるといえるから、本件発明1の「リン片状の金属粉(G)」に相当する。
したがって、甲1発明と本件発明1とは、「前記導電性フィラー」が、「リン片状の金属粉(G)を含」んでいる点で一致する。
(カ)甲1発明の「導電性ペースト」は、本件発明1の「導電性ペースト」に対応する。
(キ)甲1発明の「導電性ペースト」は、「エポキシ樹脂1.5質量部、伸縮性樹脂(R1)10.0質量部、硬化剤0.5質量部、イソホロン30.0質量部、鱗片状銀粉52.0質量部、硫酸バリウムA6.0質量部を含む」ものであるところ、各成分の合計は、1.5質量部+10.0質量部+0.5質量部+30.0質量部+52.0質量部+6.0質量部=100.0質量部であるから、「鱗片状銀粉」の含有量は、「導電性ペースト」全体に対して、52.0質量部/100.0質量部×100=52.0質量%である。
そして、上記(ウ)及び(カ)の検討を参酌すると、甲1発明と本件発明1とは、導電性フィラーの含有量が、導電性ペースト全体に対して、52.0質量%である点で共通する。
(ク)本件発明1の「前記エラストマー組成物」は、「シリカ粒子を含有するエラストマー組成物」であるところ、甲1発明の「SiO2で被覆されている硫酸バリウム粒子」を含有する「伸縮性樹脂(R1)」の含有量は、「導電性ペースト」全体に対して、(6.0質量部+10.0質量部)/100.0質量部×100=16.0質量%であり、上記(ア)、(イ)及び(カ)の検討を参酌すると、甲1発明と本件発明1とは、無機粒子を含有するエラストマー組成物の含有量が、導電性ペースト全体に対して、16.0質量%である点で共通する。
(ケ)甲1発明の「SiO2で被覆されている硫酸バリウム粒子」の含有量は、「導電性ペースト」全体に対して、6.0質量部/100.0質量部×100=6.0質量%であり、また、「SiO2で被覆されている硫酸バリウム粒子」の含有量は、「SiO2で被覆されている硫酸バリウム粒子」及び「鱗片状銀粉」の合計量100質量%に対して、6.0質量部/(6.0質量部+52.0質量部)×100=10.3質量%であり、上記(ア)、(ウ)及び(カ)の検討を参酌すると、甲1発明と本件発明1とは、無機粒子の含有量が、導電性ペースト全体に対して、6.0質量%であり、かつ、無機粒子および導電性フィラーの合計量100質量%に対して、10.3質量%である点で共通する。
(コ)以上から、本件発明1と甲1発明との一致点と相違点は以下のとおりとなる。
<一致点>
「無機粒子を含有するエラストマー組成物と、導電性フィラーと、溶剤と、を含む導電性ペーストであって、前記導電性フィラーは、リン片状の金属粉(G)を含み、前記導電性フィラーの含有量が、前記導電性ペースト全体に対して、52.0質量%であり、前記エラストマー組成物の含有量が、前記導電性ペースト全体に対して、16.0質量%であり、前記無機粒子の含有量が、前記導電性ペースト全体に対して、6.0質量%であり、かつ、前記無機粒子および前記導電性フィラーの合計量100質量%に対して、10.3質量%以下である、導電性ペースト。」
<相違点>
イ 相違点についての判断
事案に鑑み相違点1-2から検討する。
(ア)甲第1号証には、相違点1-2に係る本件発明1の構成である「室温25℃における、せん断速度20〔1/s〕で測定した時の当該導電性ペーストの粘度が、1Pa・s以上100Pa・s以下である」ことについては、何ら記載されていない。
また、甲1発明において、相違点1-2に係る本件発明1の構成を備えることが技術常識であるともいえない。
(イ)本件発明1の「導電性ペーストの粘度」の測定条件は、「室温25℃における、せん断速度20〔1/s〕」(以下、「本件測定条件」という。)である。
一方、甲第2号証の【0150】には、導電ペーストの粘度が、例えば54Pa・s程度であることは記載されているものの、甲第2号証には、粘度の測定条件は記載されていないから、甲第2号証の粘度の測定条件は不明であり、本件測定条件と同じであるとはいえない。
また、甲第3号証の[0054]、[0055]には、実施例1において、導電塗料の粘度を、B型粘度計H7ロータにより、温度25℃、回転速度20rpmの条件で測定することが記載され、[0059]には、実施例1と同様に、導電塗料の粘度を測定したところ、粘度は88Pa・sであったことが記載されているものの、甲第3号証の粘度の測定条件は、本件測定条件と同じであるとはいえない。
さらに、甲第4号証の【0074】には、「各組成物について、ブルックフィールド社製 コーン/プレート型粘度計で直径12mm 1.565 °コーンを用いて、測定温度25℃、回転数1.00(min-1)で、回転開始後5分における粘度を測定した」と記載されており、【0083】の【表1】には、実施例のエポキシ組成物の粘度は13~25Pa・sであることが記載されているものの、甲第4号証の粘度の測定条件は、本件測定条件と同じであるとはいえない。
そして、甲第2号証~甲第4号証において、本件測定条件で測定した時の粘度が、「1Pa・s以上100Pa・s以下」の範囲に入ることを立証する証拠は提示されていない。
したがって、甲第2号証~甲第4号証に記載されている粘度の値は、本件発明1の「粘度」である「1Pa・s以上100Pa・s以下」の範囲に入っているとはいえない。
そうすると、甲1発明に、甲第2号証~甲第4号証に記載の粘度を採用したとしても、相違点1-2に係る本件発明1の構成が得られるとはいえない。
(ウ)以上から、甲1発明及び周知技術(甲第2号証~甲第4号証)に基づいて、相違点1-2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
ウ 申立人の主張
(ア)申立人は、特許異議申立書98ページ下から7行~102ページ下から5行において、導電性を有する組成物において、塗布、印刷可能な組成物を達成するために、粘度を所定の範囲内とすること、例えば、甲第2号証に記載の54Pa・s、甲第3号証に記載の88Pa・s、甲第4号証に記載の13~25Pa・sなどとすることは周知な技術であり、そして、甲第1号証と、甲第2号証~甲第4号証とは、「塗布、印刷可能な、導電性を有する組成物」との技術分野で共通しており、また、甲第1号証に、かような周知技術を適用することは、甲第1号証の[0058]の「本発明における伸縮性導体層は、上記各成分を適当な有機溶剤に溶解ないし分散させた組成物(導電性ペースト)を第一絶緑層上に直接、所望のバターンに塗布または印刷して塗膜を形成し、次いで塗膜に含まれる有機溶剤を揮散させ乾燥させることにより、形成することができる」等の記載から示唆されるといえ、かような周知技術を甲第1号証の発明に適用する動機づけが存在していたといえるから、「導電性を有する組成物」の塗布性、印刷性を向上させることを目的として、甲第1号証の実施例12の導電ペーストCの粘度を、甲第2号証~甲第4号証に代表される周知技術の粘度とすること、及び、室温25℃、せん断速度20〔1/s〕で測定した時の導電ペーストの粘度を、甲第2号証に記載の54Pa・s、甲第3号証に記載の88Pa・S、甲第4号証に記載の13~25Pa・sなどの周知技術の粘度と同程度とすることは、当業者であれば容易になし得ることである旨主張している。
しかし、上記イ(イ)で検討したとおり、甲第2号証~甲第4号証に記載されている粘度の値は、本件発明1の「粘度」である「1Pa・s以上100Pa・s以下」の範囲に入っているとはいえないから、甲1発明に、甲第2号証~甲第4号証に記載の粘度の値を採用したとしても、相違点1-2に係る本件発明1の構成が得られるとはいえない。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。
(イ)申立人は、特許異議申立書87ページ下から6行~98ページ5行において、甲第1号証の実施例13、14、19に記載された発明についても、実施例12に記載された発明である甲1発明と同様の主張をしている。
しかし、甲第1号証の実施例13、14、19に記載された発明については、いずれも、上記相違点1-2と同じ相違点(以下、まとめて「相違点1-2’」という。)を有するものであるから、上記イで検討したのと同様の理由により、甲第1号証の実施例13、14、19に記載された発明及び周知技術(甲第2号証~甲第4号証)に基づいて、相違点1-2’に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。
エ 小括
以上のとおりであるから、相違点1-1について判断するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び周知技術(甲第2号証~甲第4号証)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2~13について
本件発明2~13は、いずれも本件発明1の全ての構成を有するものであるから、上記(1)で検討したのと同様の理由により、本件発明3、5、12、13は、甲1発明及び周知技術(甲第2号証~甲第4号証)に基づいて、当業者が容易に発明できたものではないし、本件発明2、8は、甲1発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)及び周知技術(甲第2号証、甲第3号証)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明4は、甲1発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)及び参考文献(甲第12号証)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明6は、甲1発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)及び参考文献(甲第12号証)に基づいて、又は、甲1発明、甲第2号証に記載された事項及び周知技術(甲第2号証~甲第4号証)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明7は、甲1発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)及び周知技術(甲第4号証~甲第6号証)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明9~11は、甲1発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)及び周知技術(甲第2号証、甲第5号証~甲第7号証)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 甲8発明を主引用発明とする進歩性について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲8発明とを対比する。
(ア)甲8発明の「シリカ(アエロジルRY200S、日本アエロジル(株)製)」は、本件発明1の「シリカ粒子(C)」に相当する。
(イ) 甲8発明の「ポリイミドシリコーン樹脂(I)」は、甲第13号証の【0010】(上記第4 13参照)の「粘着層は、シリコーンゴムであれば、特に限定されるものではないが、特にはポリイミドシリコーン樹脂が好適である。」との記載、甲第14号証の【0018】(上記第4 14参照)の「粘着層2は、電子部品実装時のハンダリフロー温度に耐え得ることが要求されるので、例えば材料がシリコーンゴムの場合には、ポリイミドシリコーン樹脂、硬化性官能基を有するフッ素化ポリエーテル骨格を有するフッ素系エラストマーが良い」との記載から、シリコーンゴムであるといえる。
一方、本件発明1の「エラストマー組成物」は、本件明細書の【0015】には、「エラストマー組成物は、上記エラストマーを形成するために用いるものであり、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムからなる群から選択される一種以上の熱硬化性エラストマーを形成するために用いる熱硬化性エラストマー組成物を含むことができ、好ましくは、シリコーンゴム系硬化性組成物を含むことができる。」との記載から、シリコーンゴムを含むものである。
したがって、甲8発明の「ポリイミドシリコーン樹脂(I)」は、本件発明1の「エラストマー組成物」に相当する。
そして、甲8発明において、「ポリイミドシリコーン樹脂(I)」は、「シリカ(アエロジルRY200S、日本アエロジル(株)製)」を含有しているといえるから、甲8発明の「ポリイミドシリコーン樹脂(I)」は、本件発明1の「シリカ粒子(C)を含有するエラストマー組成物」に相当する。
(ウ)本件発明1の「導電性フィラー」について、本件明細書の【0099】には、「導電性フィラーとしては、公知の導電材料を用いてもよいが、以下のような金属粉(G)を含むことができる。」と記載されているから、本件発明1の「導電性フィラー」は、金属粉を含むものである。
一方、甲8発明の「銀粉体」は、金属粉であるといえる。
したがって、甲8発明の「銀粉体」は、本件発明1の「導電性フィラー」に相当する。
(エ)甲第8号証の【0078】、【0079】、有機溶剤としてn-ブチルカルビトールアセテートが挙げられているから、甲8発明の「n-ブチルカルビトールアセテート」は、溶剤であるといえる。
したがって、甲8発明の「n-ブチルカルビトールアセテート」は、本件発明1の「溶剤」に相当する。
(オ)甲8発明の「導電性接着剤A」は、「灰白色ペースト状の組成物である」であるから、導電性ペーストであるといえる。
したがって、甲8発明の「導電性接着剤A」は、本件発明1の「導電性ペースト」に対応する。
(カ)甲8発明の「導電性接着剤A」は、「ポリイミドシリコーン樹脂(I)100質量部、ジグリシジルトルイジン18質量部、n-ブチルカルビトールアセテート230質量部、平均粒径が2.9μm、タップ密度が5.70g/cm3、比表面積(BET法)が0.42m2/gの銀粉体900質量部、ジメチルシロキサンで処理した比表面積130m2/gのシリカ(アエロジルRY200S、日本アエロジル(株)製)40質量部、n-ブチルカルビトールアセテート120質量部を含む」ものであるところ、各成分の合計は、100質量部+18質量部+230質量部+900質量部+40質量部+120質量部=1408質量部であるから、「銀粉体」の含有量は、「導電性接着剤A」全体に対して、900質量部/1408質量部×100=63.9質量%である。
そして、上記(ウ)及び(オ)の検討を参酌すると、甲8発明と本件発明1とは、導電性フィラーの含有量が、導電性ペースト全体に対して、63.9質量%である点で共通する。
(キ)本件発明1の「前記エラストマー組成物」は、「シリカ粒子を含有するエラストマー組成物」であるところ、甲8発明の「シリカ」を含有する「ポリイミドシリコーン樹脂(I)」の含有量は、「導電性接着剤A」全体に対して、(40質量部+100質量部)/1408質量部×100=9.9質量%であり、上記(ア)、(イ)及び(オ)の検討を参酌すると、甲8発明と本件発明1とは、シリカ粒子を含有するエラストマー組成物の含有量が、導電性ペースト全体に対して、9.9質量%である点で共通する。
(ク)甲8発明の「シリカ」の含有量は、「導電性接着剤A」全体に対して、40質量部/1408質量部×100=2.8質量%であり、また、「シリカ」の含有量は、「シリカ」及び「銀粉体」の合計量100質量%に対して、40質量部/(40質量部+900質量部)×100=4.3質量%であり、上記(ア)、(ウ)及び(オ)の検討を参酌すると、甲8発明と本件発明1とは、シリカ粒子の含有量が、導電性ペースト全体に対して、2.8質量%であり、かつ、シリカ粒子および導電性フィラーの合計量100質量%に対して、4.3質量%である点で共通する。
(ケ)以上から、本件発明1と甲8発明との一致点と相違点は以下のとおりとなる。
<一致点>
「シリカ粒子(C)を含有するエラストマー組成物と、導電性フィラーと、溶剤と、を含む導電性ペーストであって、前記導電性フィラーの含有量が、前記導電性ペースト全体に対して、63.9質量%以下であり、前記エラストマー組成物の含有量が、前記導電性ペースト全体に対して、9.9質量%であり、前記シリカ粒子(C)の含有量が、前記導電性ペースト全体に対して、2.8質量%であり、かつ、前記シリカ粒子(C)および前記導電性フィラーの合計量100質量%に対して、4.3質量%以下である、導電性ペースト。」
<相違点>
イ 相違点についての判断
事案に鑑み相違点2-2から検討する。
(ア)甲8発明は、「25℃における粘度が100Pa・sである」ものの、甲第8号証の【0087】には、粘度測定方法として、「EHD型粘度計を用いて、試料温度25℃にて測定を行った」としか記載されておらず、粘度測定時の温度は、本件測定条件と同じであるものの、粘度測定時のせん断速度については不明である。
そして、甲8発明の粘度測定時のせん断速度が、20〔1/s〕であることを立証する証拠は提示されていないから、甲8発明の粘度の測定条件は、本件測定条件と同じであるとはいえない。
また、甲8発明において、本件測定条件で測定した時の粘度が、「1Pa・s以上100Pa・s以下」の範囲に入ることを立証する証拠も提示されていない。
したがって、甲8発明の「粘度」である「100Pa・s」は、本件発明1の「粘度」である「1Pa・s以上100Pa・s以下」の範囲に入っているとはいえない。
(イ)上記1(1)イ(イ)で検討したとおり、甲第2号証~甲第4号証に記載されている粘度の値は、本件発明1の「粘度」である「1Pa・s以上100Pa・s以下」の範囲に入っているとはいえない。
また、甲第8号証の【0091】~【0093】には、導電性接着剤の粘度は90Pa・s~100Pa・sであることが記載されていものの、上記(ア)で検討したのと同様に、甲第8号証に記載されている粘度の値は、本件発明1の「粘度」である「1Pa・s以上100Pa・s以下」の範囲に入っているとはいえない。
そうすると、甲8発明に、甲第2号証~甲第4号証及び甲第8号証に記載の粘度の値を採用したとしても、相違点2-2に係る本件発明1の構成が得られるとはいえない。
(ウ)さらに、甲第9号証、甲第10号証、甲第13号証~甲第17号証のいずれにも、「室温25℃における、せん断速度20〔1/s〕で測定した時の」「導電性ペーストの粘度」を、「1Pa・s以上100Pa・s以下」とすることは記載も示唆もされていない。
(エ)以上から、甲8発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)のいずれか又は両方」に基づいて、相違点2-2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
ウ 申立人の主張
(ア)申立人は、特許異議申立書145ページ15行~149ページ3行において、相違点2-2に係る本件発明1の構成である構成要件1Fについて、導電性を有する組成物において、「塗布、印刷可能な組成物」を達成するために、粘度を所定の範囲内とすること、例えば、甲第2号証に記載の54Pa・s、甲第3号証に記載の88Pa・s、甲第4号証に記載の13~25Pa・s、甲第8号証に記載の90Pa・s~100Pa・sなどとすることは周知な技術であり、そして、甲第8号証と、甲第2号証~甲第4号証とは、「塗布、印刷可能な、導電性を有する組成物」との技術分野で共通しており、また、甲第8号証に、かような周知技術を適用することは、甲第8号証の【0082】の「導電性接着剤としては、通常、ペースト状、高粘度液状、スクリーン印刷法が適用できる程度の液状等の形態とするのがよい」等の記載から示唆されるといえ、かような周知技術を甲第8号証の発明に適用する動機づけが存在していたといえるから、「導電性を有する組成物」の塗布性、印刷性を向上させることを目的として、甲第8号証の実施例1のペースト状の組成物である導電性接着剤Aの粘度を、甲第2号証~甲第4号証に代表される周知技術の粘度とすること、及び、室温25℃、せん断速度20〔1/s〕で測定した時の導電ペーストの粘度を、甲第2号証に記載の54Pa・s、甲第3号証に記載の88Pa・S、甲第4号証に記載の13~25Pa・s、甲8号証に記載の90Pa・s~100Pa・sなどの周知技術の粘度と同程度とすることは、当業者であれば容易になし得ることである旨主張している。
しかし、上記イ(イ)で検討したとおり、甲第2号証~甲第4号証、甲第8号証に記載されている粘度の値は、本件発明1の「粘度」である「1Pa・s以上100Pa・s以下」の範囲に入っているとはいえないから、甲8発明に、甲第2号証~甲第4号証及び甲第8号証に記載の粘度の値を採用したとしても、相違点2-2に係る本件発明1の構成が得られるとはいえない。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。
(イ)申立人は、甲第8号証の実施例2、3に記載された発明について、実施例1に記載された発明である甲8発明と同様の主張をしている。
しかし、実施例2、3に記載された発明については、いずれも、上記相違点2-2と同じ内容の相違点(以下、まとめて「相違点2-2’」という。)を有するものであるから、上記イで検討したのと同様の理由により、甲第8号証の実施例2、3に記載された発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)のいずれか又は両方」に基づいて、相違点2-2’に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものとはいえない
したがって、申立人の上記主張は採用できない。
エ 小括
以上のとおりであるから、相違点2-1について判断するまでもなく、本件発明1は、甲8発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)のいずれか又は両方」に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2~13について
本件発明2~13は、いずれも本件発明1の全ての構成を有するものであるから、上記(1)で検討したのと同様の理由により、本件発明2、8は、甲8発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)のいずれか又は両方」に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明3は、甲8発明、甲第2号証に記載された事項、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)のいずれか又は両方」に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明4は、甲8発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)、参考文献(甲第11号証、甲第24号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)のいずれか又は両方」に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明5は、甲8発明、甲第18号証に記載された事項又は甲第2号証に記載された事項、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)又はこれらの両方」に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明6は、甲8発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)、「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)又はこれらの両方」及び「参考文献(甲第19号証、甲第20号証)、参考文献(甲第21号証~甲第23号証)又はこれらの両方」に基づいて、又は、甲8発明、甲第2号証に記載された記載事項、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)、「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)又はこれらの両方」に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明7は、甲8発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)、周知技術(甲第4号証~甲第6号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)又はこれらの両方」に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明9~11は、甲8発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)、周知技術(甲第2号証、甲第5号証~甲第7号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)またはこれらの両方」に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、本件発明12、13は、甲8発明、周知技術(甲第2号証~甲第4号証)、参考文献(甲第13号証~甲第15号証)及び「参考文献(甲第9号証、甲第16号証、甲第17号証)、周知技術(甲第9号証、甲第10号証)またはこれらの両方」に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 まとめ
以上のとおり、請求項1~13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとはいえないから、申立理由1-1、申立理由1-2は、いずれも理由がない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~13に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1~13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-700754