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特許異議申立

2022-700455

浸透圧補助逆浸透工程及びその使用方法

審判番号
2022-700455
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-541215
登録番号
6971992
請求日
2022年05月24日
審決日
2023年03月29日
公報発行日
2023年08月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】トレヴィ システムズ インコーポレイテッド
  • 【権利者代理人】弁理士法人大塚国際特許事務所
  • 【異議申立人】奥村 一正
審判長/審判官
  • 審判長 三崎 仁
  • 審判官 金 公彦
  • 審判官 山田 倍司
分類
P1652.113-YAA(B01D) / P1652.121-YAA(B01D) / P1652.536-YAA(B01D) / P1652.537-YAA(B01D) / P1652.851-YAA(B01D) / P1652.853-YAA(B01D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第9項、特許法第2条第3項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6971992号発明「浸透圧補助逆浸透工程及びその使用方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6971992号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕、〔15~18〕について訂正することを認める。 特許第6971992号の請求項1~7、15~18に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6971992号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~18に係る特許についての出願は、2016年(平成28年)12月15日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2016年2月2日(US)アメリカ合衆国 2016年5月24日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、令和3年11月5日にその特許権の設定登録がされ、同年同月24日に特許掲載公報が発行され、その後、請求項1~7及び15~18に係る特許に対して、令和4年5月24日に特許異議申立人 奥村 一正(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、同年6月28日付で当審より申立人に対して通知書が送付され、同年8月2日に申立人より甲第1号証~甲第5号証の2を添付して手続補正書(方式)が提出され、同年9月8日付けで当審より取消理由が通知され、同年12月13日に特許権者より意見書の提出及び訂正の請求がされ、令和5年2月3日に申立人より意見書(以下、「申立人意見書」という。)が提出されたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和4年12月13日にされた訂正の請求(以下、「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)は、請求の趣旨を「特許第6971992号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~7、15~18について訂正することを求める。」とするものであって、その訂正の内容は、次のとおりである(当審注:下線は訂正箇所であり、当審が付与した。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「前記第二供給溶液源は、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され、」 と記載されていたのを、 「前記第二供給溶液源は、前記半透膜を介して溶媒を前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へと通過させるための前記半透膜の前記第一側面への前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択するために、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され、」 に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~7も同様に訂正する。)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項15に 「前記第二モジュールの前記第二チャンバは、前記第一モジュールの前記第二チャンバと流体連結され、前記第一モジュールの前記第二チャンバは、前記希釈された第二供給溶液を前記第二モジュールの前記第二チャンバから受容するように構成される、」 と記載されていたのを、 「前記第二モジュールの前記第二チャンバは、前記第一モジュールの前記第二チャンバと流体連結され、前記第二モジュールの前記第二チャンバは、前記希釈された第二供給溶液を前記第一モジュールの前記第二チャンバから受容するように構成される、」 に訂正する(請求項15の記載を直接的又は間接的に引用する請求項16~18も同様に訂正する。)。 (3)一群の請求項について 本件訂正前の請求項1の記載を請求項2~7が引用する関係にあるから、本件訂正前の請求項1~7は一群の請求項であり、本件訂正前の請求項15の記載を請求項16~18が引用する関係にあるから、本件訂正前の請求項7~18は一群の請求項であるところ、訂正事項1~2に係る特許請求の範囲の訂正は、特許法第120条の5第4項の規定に従い、この一群の請求項1~7、15~18を訂正の単位として請求されたものである。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、独立特許要件について (1)訂正事項1について 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1において、「第二供給溶液源」を、本件特許明細書の段落【0049】の記載に基づいて、「前記半透膜を介して溶媒を前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へと通過させるための前記半透膜の前記第一側面への前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択するため」のものに限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項2について 本件訂正前の請求項15の「前記第一モジュールの前記第一チャンバは第一供給溶液流を前記第一供給溶液源から受容するように構成され、前記第一モジュールの前記第二チャンバは第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成され、前記第一供給溶液流が第一溶質濃度及び第一浸透圧を有し、前記第二溶液流が第二溶質濃度及び第二浸透圧を有し、前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく、前記第一供給溶液源は前記第一チャンバから前記第二チャンバへ前記半透膜を介して通過する溶媒により、濃縮された第一供給溶液流、及び希釈された第二供給溶液流を生成するために、静水圧を前記第一チャンバへ与えるように構成され」、との発明特定事項によれば、「希釈された第二供給溶液流」は、「第一モジュール」の「第二チャンバ」において生成するものと解される。 一方、本件訂正前の請求項15の「前記第二モジュールの前記第二チャンバは、前記第一モジュールの前記第二チャンバと流体連結され、前記第一モジュールの前記第二チャンバは、前記希釈された第二供給溶液を前記第二モジュールの前記第二チャンバから受容するように構成される」、との発明特定事項によれば、「希釈された第二供給溶液流」は、「第二モジュール」の「第二チャンバ」において生成して、「第一モジュール」の「第二チャンバ」に供給されるものと解される。 すると、本件訂正前の請求項15においては、「希釈された第二供給溶液流」を生成するモジュールが合致していないから、発明特定事項が明確でなかったところ、訂正事項2は、本件特許明細書の段落【0041】~【0046】及び【図2】の記載に基づいて、「前記第二モジュールの前記第二チャンバ」を、「前記希釈された第二供給溶液を前記第一モジュールの前記第二チャンバから受容する」ものとすることで、「希釈された第二供給溶液流」が「第一モジュール」の「第二チャンバ」において生成することを明確にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (4)独立特許要件について 本件特許異議の申立ては本件訂正前の請求項1~7、15~18についてされているので、訂正事項1~2に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 3 小括 したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、同法同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕、〔15~18〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 本件特許の請求項1~18に係る発明(このうち請求項1~7及び15~18に係る発明を、それぞれ「本件発明1」~「本件発明7」、「請求項15」~「請求項18」といい、これらをまとめて「本件発明」ということがある。)は、それぞれ、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1~18に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 第一供給溶液源、 第二供給溶液源、及び 半透膜、 を備え、 前記半透膜が第一供給溶液流を前記第一供給溶液源から受容するように構成される第一側面と、第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成される第二側面とを含み、 前記第一供給溶液流が第一溶質濃度及び第一浸透圧を有し、前記第二供給溶液流が第二溶質濃度及び第二浸透圧を有し、前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく、 前記第一供給溶液源は透過液の形態で、前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へ前記半透膜を介して通過する溶媒により、濃縮された第一供給溶液流、及び希釈された第二供給溶液流を生成するために、静水圧を前記半透膜の前記第一側面へ与えるように構成され、 前記第二供給溶液源は、前記半透膜を介して溶媒を前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へと通過させるための前記半透膜の前記第一側面への前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択するために、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され、 前記透過液は、第三浸透圧を有し、前記第二浸透圧が前記第三浸透圧より高い、装置。 【請求項2】 前記第一供給溶液源は、前記第一溶液流を前記半透膜の前記第一側面へ第一静水圧で供給するように構成され、前記第二供給溶液源は、前記第二溶液流を前記半透膜の前記第二側面へ第二静水圧で供給するように構成され、前記第一静水圧は、前記第二静水圧より高く、前記第一静水圧は、50psiから5,000psiであり、前記第二静水圧は、0psiから500psiである、請求項1に記載の装置。 【請求項3】 前記第一供給溶液源及び前記第二供給溶液源は、溶媒を前記半透膜の前記第一側面から前記第二側面へ通過させるのに十分な前記第一静水圧と前記第二静水圧との間の圧力差を生成するように構成され、前記第一供給溶液源及び前記第二供給溶液源は、前記圧力差を前記第二浸透圧の関数として変えるようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。 【請求項4】 前記第一供給溶液流は、汚染された溶液を含み、前記第二供給溶液流が前記汚染された溶液の少なくとも一部を含む、請求項1に記載の装置。 【請求項5】 前記第一供給溶液源及び前記第二供給溶液源は、同一の汚染された溶液の部分を前記半透膜の前記第一及び第二側面のうちのそれぞれの1つへ提供するように各々構成される、請求項1に記載の装置。 【請求項6】 前記第一供給溶液源は、前記濃縮された第一供給溶液流、またはその一部を前記半透膜の前記第一側面へ再循環させるようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。 【請求項7】 前記濃縮された第一供給溶液は、正浸透(FO)構成要素により駆動溶液として使用されるために前記FO構成要素へと提供される、請求項1に記載の装置。 【請求項8】 溶媒及び溶質を含む、汚染された溶液内に溶質を濃縮する工程であって、 第一供給溶液流を半透膜の第一側面上に導入し、前記第一供給溶液流が第一溶質濃度及び第一浸透圧を有し、 第二供給溶液流を前記半透膜の第二側面上に導入し、前記第二供給溶液流が第二溶質濃度及び第二浸透圧を有し、前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく、 透過液の形態で、前記半透膜の前記第一側面から前記半透膜の前記第二側面へ溶媒が通過することにより、濃縮された第一供給溶液流、及び希釈された第二供給溶液流を生成するように、静水圧を前記半透膜の前記第一側面上に用い、 正浸透(FO)構成要素により駆動溶液として使用される、前記濃縮された第一供給溶液を前記FO構成要素へ供給し、 前記静水圧を低下させるために前記第二浸透圧を選択する、 ことを含み、 前記第二浸透圧は、前記溶媒を前記半透膜の前記第一側面から前記第二側面へ通過させるために必要な前記静水圧を低下させるために選択される、所定の浸透圧である、 前記工程。 【請求項9】 前記透過液は、第三浸透圧を有し、前記第二浸透圧が前記第三浸透圧より高い、請求項8に記載の工程。 【請求項10】 前記第一供給溶液流及び前記第二供給溶液流の両方は、同一の前記汚染された溶液の少なくとも一部を含む、請求項8に記載の工程。 【請求項11】 前記半透膜の前記第一側面上に用いられる前記静水圧は、50psiから5,000psiであり、前記半透膜の前記第二側面上に用いられる前記静水圧は、0psiから500psiである、請求項8に記載の工程。 【請求項12】 前記第一供給溶液流は、第一溶質及び第一溶媒を含み、前記第二供給溶液流は、第二溶質及び第二溶媒を含み、前記第二溶媒は、水、有機溶媒、またはそれらの任意の組み合わせであり、前記第二溶質は、無機塩溶質、有機化合物溶質、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項8に記載の工程。 【請求項13】 前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を、前記半透膜の前記第二側面へと供給することをさらに含む、請求項8に記載の工程。 【請求項14】 前記第一供給溶液流または前記第二供給溶液流は、前記正浸透(FO)構成要素からの希釈された駆動溶液の少なくとも一部を含む、請求項8に記載の工程。 【請求項15】 第一供給溶液源、 第二供給溶液源、及び 少なくとも第一モジュール及び第二モジュール、 を備え、各第一モジュール及び第二モジュールが、 第一チャンバ及び第二チャンバ、 前記第一チャンバと前記第二チャンバとの間の界面に配置され、前記第一チャンバと流体連通する第一側面、及び前記第二チャンバと流体連通する第二側面を含む半透膜、 を含み、 前記第一モジュールの前記第一チャンバは第一供給溶液流を前記第一供給溶液源から受容するように構成され、前記第一モジュールの前記第二チャンバは第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成され、 前記第一供給溶液流が第一溶質濃度及び第一浸透圧を有し、前記第二溶液流が第二溶質濃度及び第二浸透圧を有し、前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく、 前記第一供給溶液源は前記第一チャンバから前記第二チャンバへ前記半透膜を介して通過する溶媒により、濃縮された第一供給溶液流、及び希釈された第二供給溶液流を生成するために、静水圧を前記第一チャンバへ与えるように構成され、 前記第一モジュールの前記第一チャンバが前記第二モジュールの前記第一チャンバと流体連結され、前記第一モジュールの前記第一チャンバは、前記第一供給溶液流を前記第一供給溶液源から受容するように構成される第一流入ポート、及び第一流出ポートを備え、前記第二モジュールの前記第一チャンバは前記濃縮された第一供給溶液流を前記第一モジュールの前記第一チャンバから受容するように構成され、前記第二モジュールの前記第一チャンバは前記第一流出ポートに流体連結される第二流入ポートを備え、前記第二流入ポートが前記濃縮された第一供給溶液流を前記第一モジュールの前記第一チャンバから受容するように構成され、前記第二モジュールの前記第二チャンバは、前記第一モジュールの前記第二チャンバと流体連結され、前記第二モジュールの前記第二チャンバは、前記希釈された第二供給溶液を前記第一モジュールの前記第二チャンバから受容するように構成される、 システム。 【請求項16】 前記第二モジュールの前記第一チャンバと流体連結される正浸透(FO)構成要素を備え、前記FO構成要素が希釈された駆動溶液、及び濃縮された供給溶液を駆動溶液及びFO供給溶液流から生成するように構成され、前記第二モジュールの前記第一チャンバは駆動溶液を前記FO構成要素へ送達するように、及び前記希釈された駆動溶液を前記第一供給溶液または前記第二供給溶液の少なくとも一部として使用するように構成される、請求項15に記載のシステム。 【請求項17】 前記第一供給溶液源は、逆浸透(RO)構成要素を含み、前記RO構成要素が透過溶液、及び濃縮されたRO供給溶液流をRO供給溶液流から生成し、前記第一供給溶液流は、前記濃縮されたRO供給溶液流の少なくとも一部を含み、前記RO供給溶液流の少なくとも一部は、前記希釈された第二供給溶液流を含む、請求項15に記載のシステム。 【請求項18】 前記第一モジュールの前記第二チャンバは、前記希釈された第二供給溶液流の少なくとも一部を前記RO構成要素へ移送するように構成され、前記RO構成要素が前記希釈された第二供給溶液流の前記少なくとも一部を前記第一モジュールの前記第二チャンバから受容するように構成され、前記RO供給溶液流が前記希釈された第二供給溶液流を少なくとも部分的に含み、前記システムが前記RO構成要素及び前記第一モジュールと流体連結される正浸透(FO)構成要素をさらに備え、前記FO構成要素が希釈された駆動溶液流、及び濃縮された供給溶液流を駆動溶液及びFO供給溶液流から生成するように構成され、前記第一モジュールの前記第一チャンバは前記生成され濃縮された第一供給溶液流を前記FO構成要素へ移送するように構成され、前記FO構成要素が前記濃縮された第一供給溶液流を前記第一モジュールの前記第一チャンバから受容するように、及び前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記駆動溶液として使用するように構成され、前記FO構成要素は、前記希釈された駆動溶液流を前記RO構成要素へ移送するように構成され、前記RO構成要素が前記希釈された駆動溶液流を前記FO構成要素から受容するように、及び前記希釈された駆動溶液流の少なくとも一部を前記RO供給溶液流として使用するように構成される、請求項17に記載のシステム。」 第4 特許異議申立理由の概要 1 特許法第36条第6項第2号所定の規定違反(明確性要件違反)について (1)本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明について ア 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明の「前記第二供給溶液源は、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項が、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、直接的に(ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介さずに)「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことをいうのか、間接的に(ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して)「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ものも含むのかが明らかでないので、前記請求項1に係る発明は明確でない(4ページ5行~6ページ最終行)。 イ 前記請求項1に係る発明における「前記第二供給溶液源は、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項が、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を直接的に(ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介さずに)「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことをいう場合、供給された「第二供給溶液流」は「濃縮された第一供給溶液流」なのであるから、「第一供給溶液流」の浸透圧である「第一浸透圧」は、「第二供給溶液流」の浸透圧である「第二浸透圧」よりも低くなるので、前記請求項1に係る発明の「前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく」、との発明特定事項を満たさない。 また、本件特許明細書には、「前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく」なるように、「第二供給溶液流」に希釈用液を供給することが記載されるものでもないから、前記請求項1に係る発明の発明特定事項が整合していないので、前記請求項1に係る発明は明確でない(7ページ1行~下から2行)。 (2)本件訂正前の特許請求の範囲の請求項15に係る発明について ア 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項15に係る発明の「前記第一モジュールの前記第二チャンバは、前記希釈された第二供給溶液を前記第二モジュールの前記第二チャンバから受容する」との発明特定事項によれば、前記請求項15に係る発明においては、まず、「第二供給溶液」が「第二モジュール」の「第二チャンバ」に供給され、そこで希釈された「第二供給溶液」を「第一モジュール」の「第二チャンバ」が受容する構成を特定するものと解されるが、前記請求項15に係る発明には、「前記第一モジュールの前記第二チャンバは第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成され、」と特定されており、「第二供給溶液」の供給源について発明特定事項が合致していないので、前記請求項15に係る発明は明確でない。 イ 仮に、前記請求項15に係る発明の「前記第一モジュールの前記第二チャンバは第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成され」、との発明特定事項が、「前記第二モジュールの前記第二チャンバは第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成され、」の誤記であれば、前記の不整合は解消するが、この場合、本件特許明細書には、前記請求項15に係る発明の「前記第一供給溶液流が第一溶質濃度及び第一浸透圧を有し、前記第二溶液流が第二溶質濃度及び第二浸透圧を有し、前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく」、との発明特定事項を満たす開示がないことになるので、前記請求項15の記載はサポート要件及び実施可能要件を満たさないものとなる(7ページ最終行~9ページ19行)。 2 特許法第36条第6項第1号所定の規定違反(サポート要件違反)、同条第4項第1号所定の規定違反(実施可能要件違反)について 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明において、「前記第二供給溶液源は、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項が、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を直接的に(ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介さずに)「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことをいう場合、そのような発明特定事項に合致する本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は段落【0103】のいわゆる一行記載のみであり、それ以外の記載はなされていないから、前記請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明の記載に開示された内容を超えるものであり、サポート要件を満たしておらず、また、発明の詳細な説明は、当業者が前記請求項1に係る発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものでないから、実施可能要件を満たさない。 更に、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項2~7に係る発明について検討しても事情は同じである(9ページ20行~10ページ3行)。 3 特許法第29条第1項、第2項所定の規定違反(新規性、進歩性欠如)について 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明における「前記第二供給溶液源は、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項は、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を間接的に(ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して)「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ものを含むと解されるべきであり、その場合、前記請求項1に係る発明は、本件特許の審査過程において提出された刊行物等提出書に記載された先行技術文献1~5(後記4の甲第1~5号証)により新規性及び進歩性を有しない。 更に、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項2~7に係る発明について検討しても事情は同じである(10ページ4行~最終行)。 4 証拠方法 甲第1号証:特開昭56-7608号公報 甲第2号証:米国特許第9206060号明細書 甲第2号証の2:特許第6822689号公報 甲第3号証:特開2002-1068号公報 甲第4号証:米国特許出願公開第2010/0032377号明細書 甲第4号証の2:甲第4号証の段落[0148]~[0181]の翻訳文 甲第5号証:米国特許出願公開第2015/0136699号明細書 甲第5号証の2:甲第5号証の段落[0102]~[0149]の翻訳文 なお、前記甲各号証は本件特許異議申立書に添付されたものではなく、令和4年8月2日に申立人が提出した手続補正書(方式)に添付されたものである。 第5 取消理由の概要 1 特許法第29条第1項、第2項所定の規定違反(新規性、進歩性欠如)について 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1~7に係る発明は、甲第3号証に記載された発明であるか、甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 取消理由及び特許異議申立理由について 事案に鑑み、取消理由及び特許異議の申立て理由についてまとめて検討する。 1 特許法第36条第6項第2号所定の規定違反(明確性要件違反)について (1)明確性要件の判断手法 特許請求の範囲の記載が、明確性要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載だけでなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきであるから、以下、この観点に立って検討する。 (2)本件発明1について ア まず、前記第4の1(1)アの特許異議の申立て理由について検討すると、「濃縮された第一供給溶液流」が、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供される」場合、当該「濃縮された第一供給溶液流」は、前記ほかのモジュールにおいて更に希釈あるいは濃縮されることが強く推認され、そのようにして更に希釈あるいは濃縮された溶液流は、もはや本件発明1における「濃縮された第一供給溶液流」とはいえない。 すると、「濃縮された第一供給溶液流」が、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供される」ものは、「前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ものとはいえないから、本件発明1の「前記第二供給溶液源は、」「前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項が、「濃縮された第一供給溶液流」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ものも含むと解することはできないので、前記発明特定事項は、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介さずに「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ものと解するのが妥当である。 イ また、本件発明1の前記発明特定事項について、本件特許明細書等の記載をみると、本件特許明細書等には、以下の(ア)~(イ)の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。また、「・・・」は記載の省略を表す。以下、同様である。)。 (ア)「【0026】 図1は、本開示の例示的実施形態に従う装置100を示す。図1に描写されるように、装置100は、半透膜115を使用して、第一供給溶液141を濃縮し、第二供給溶液142を希釈するために単一のOsAROモジュール150を含む。OsAROモジュールは、第一チャンバ131、及びこの第一チャンバ131に対向する第二チャンバ132を含む。半透膜115は、第一チャンバ131と第二チャンバ132との間の界面に配置される。半透膜115は、第一チャンバ131と流体連通する第一側面121、及び第二チャンバ132と流体連通する第二側面122を含む。 【0027】 動作中に、OsAROモジュール150は、溶質濃度C1及び浸透圧π(C1)を有する第一供給溶液流141を受容するように構成される。第一供給溶液流141は、第一チャンバ131、及び半透膜115の第一側面121へ導入され、静水圧P1を受ける。少なくともいくつかの例において、第一供給溶液流141は、図1に示される流入ポート181などの、流入ポートを介して第一チャンバ131に入る。 【0028】 OsAROモジュール150は、第二供給溶液流142を第二チャンバ132内へ、及び半透膜115の第二側面122上に受容するようにさらに構成される。第二供給溶液流142は、溶質濃度C2と、半透膜115の対向する第一側面121上に供給される第一供給溶液流141の浸透圧π(C1)より低い、またはこれに等しい浸透圧π(C2)とを有する。第二供給溶液流142は、第二チャンバ132内へ、及び半透膜115の第二側面122上に、第一供給溶液流141の水圧P1より低い水圧P2で供給される。いくつかの例において、第一供給溶液流141の溶質濃度C1は、第二供給溶液流142の溶質濃度C2より高い。他の例において、溶質濃度C1及びC2は、同一であることが可能である。少なくともいくつかの例において、第二供給溶液流142は、図1に示される流入ポート182などの、流入ポートを介して第二チャンバ132に入る。 【0029】 水圧及び浸透圧の均衡の結果として、溶媒は、透過液112の形態で、第一チャンバ131から第二チャンバ132へ半透膜115を介して通過することにより、第一供給溶液流141(C1out>C1in)を濃縮して、濃縮された第一供給溶液流171を形成し、第二供給溶液流142(C2_in>C2_out)を希釈して、希釈された第二供給溶液流172を形成する。本開示の技術に従い、逆浸透(RO)工程は、第二供給溶液流142により提供される浸透圧で部分的に駆動され、さらにエネルギー的に効率のよい浸透圧補助逆浸透(OsARO)工程をもたらす。 【0030】 本開示の少なくとも1つの態様に従い、OsAROモジュール150の第一チャンバ131は、第一供給溶液流141を第一チャンバ131へ、及び半透膜115の第一側面121上に流すように構成される第一供給溶液源161と流体連結されることができる。第一供給溶液源161は、図1に描写されるような、高圧ポンプであることができる、または少なくともいくつかの例において、別のOsAROモジュールの第一若しくは第二チャンバであることができる。少なくともいくつかの例において、第一供給溶液源161は、逆浸透構成要素、または正浸透構成要素であることができる。 【0031】 同様に、少なくともいくつかの例において、OsAROモジュール150の第二チャンバ132は、第二供給溶液流142を第二チャンバ132へ、及び半透膜115の第二側面122上に流すように構成される第二供給溶液源162と流体連結されることができる。第二供給溶液源162は、図1に描写されるような、高圧ポンプであることができる、または少なくともいくつかの例において、別のOsAROモジュールの第一若しくは第二チャンバ、逆浸透構成要素、若しくは正浸透構成要素であることができる。 【0032】 本開示の少なくとも1つの態様に従い、第二供給溶液流142の浸透圧は、透過液112の浸透圧より高い可能性がある。少なくともいくつかの例において、第一供給溶液源161及び第二供給溶液源162は、半透膜115の第一側面121から半透膜115の第二側面122へ、透過液112の形態で溶媒を通過させるのに十分な、第一供給溶液流141及び第二供給溶液流142の静水圧間の圧力差を生成するように構成されることができる。いくつかの事例において、第一供給溶液源161及び第二供給溶液源162は、第二供給溶液流142の浸透圧の関数として圧力差を変えるように構成されることができる。 ・・・ 【0034】 本開示の少なくとも1つの態様に従い、濃縮された第一供給溶液流171、及び/または希釈された第二供給溶液流172は、別のOsAROモジュールへ、または逆浸透構成要素若しくは正浸透構成要素へ供給されることができる。少なくともいくつかの例において、第一供給溶液源161は、濃縮された第一供給溶液流171、またはその一部を、半透膜115の第一側面121へ再循環させるように構成されることができる。いくつかの事例において、第二供給溶液源162は、濃縮された第一供給溶液流171の少なくとも一部を半透膜115の第二側面122へ提供するように構成されることができる。 【0035】 本開示の少なくとも1つの態様に従い、第一供給溶液流141は、汚染された溶液であることができる。いくつかの事例において、汚染された溶液は、少なくとも2つの部分に分割されることができ、一方の部分が第一供給溶液流141を形成し、他方の部分が第二供給溶液流142を形成する。これらのような例において、第一供給溶液源161及び第二供給溶液源162は、同一の汚染された溶液の部分を、それぞれ半透膜115の第一側面121及び第二側面122へ提供するように各々構成される。 ・・・ 【0038】 第一供給溶液流の水圧P1は、50から5,000psi、代替に100から3,000psi、代替に200から1,500psi、または代替に250から1,000psiにわたる任意の所定の圧力で加えられることが可能である。第二供給溶液流の水圧P2は、0から500psi、代替に2から200psi、代替に5から100psi、代替に10から50psi、または代替に14から30psiにわたる任意の所定の圧力で加えられることが可能である。」 (イ)「【図1】 [図:0001400441000001.jpg] 」 ウ 前記イ(ア)~(イ)の記載によれば、本件特許明細書等には、半透膜を使用して、第一供給溶液を濃縮し、第二供給溶液を希釈する、OsAROモジュールを含む装置(以下、「実施例装置」という。)が記載されており、前記OsAROモジュールは、第一チャンバ、及びこの第一チャンバに対向する第二チャンバを含むものであり、半透膜は、前記第一チャンバと第二チャンバとの間の界面に配置され、第一チャンバと流体連通する第一側面、及び第二チャンバと流体連通する第二側面を含むものである。 そして、前記実施例装置の動作中に、前記OsAROモジュールは、溶質濃度C1及び浸透圧π(C1)を有する第一供給溶液流を受容するように構成され、第一供給溶液流は、第一チャンバ、及び半透膜の第一側面へ導入され、静水圧P1を受けるものであり、OsAROモジュールは、第二供給溶液流を第二チャンバ内へ、及び半透膜の第二側面上に受容するようにさらに構成され、第二供給溶液流は、溶質濃度C2と、半透膜の対向する第一側面上に供給される第一供給溶液流の浸透圧π(C1)より低い、またはこれに等しい浸透圧π(C2)とを有し、第二チャンバ内へ、及び半透膜の第二側面上に、第一供給溶液流の水圧P1より低い水圧P2で供給されるものであり、水圧及び浸透圧の均衡の結果として、溶媒は、透過液の形態で、第一チャンバから第二チャンバへ半透膜を介して通過することにより、第一供給溶液流(C1out>C1in)を濃縮して、濃縮された第一供給溶液流を形成し、第二供給溶液流(C2_in>C2_out)を希釈して、希釈された第二供給溶液流を形成するものであり、OsAROモジュールの第一チャンバは、第一供給溶液流を第一チャンバへ、及び半透膜の第一側面上に流すように構成される第一供給溶液源と流体連結されることができ、OsAROモジュールの第二チャンバは、第二供給溶液流を第二チャンバへ、及び半透膜の第二側面上に流すように構成される第二供給溶液源と流体連結されることができるものであり、第二供給溶液流の浸透圧は、透過液の浸透圧より高い可能性があるものである。 更に、前記実施例装置においては、少なくとも1つの態様に従い、濃縮された第一供給溶液流、及び/または希釈された第二供給溶液流は、別のOsAROモジュールへ、または逆浸透構成要素若しくは正浸透構成要素へ供給されることができるものであり、少なくともいくつかの例において、第一供給溶液源は、濃縮された第一供給溶液流、またはその一部を、半透膜の第一側面へ再循環させるように構成されることができるものであり、いくつかの事例において、第二供給溶液源は、濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を半透膜の第二側面へ提供するように構成されることができるものである。 エ 前記ウによれば、前記実施例装置の態様は、いずれも、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ものではないし、本件特許明細書等に、そのほかに、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことが記載されるものでもない。 このことからみれば、本件発明においては、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことは想定されていないと解されるから、本件特許明細書等の記載に接した当業者は、本件発明1の「前記第二供給溶液源は、」「前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項は、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ものを含むものではなく、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介さずに「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ものと理解するので、前記アの事項は、本件特許明細書等の記載からも裏付けられるものである。 オ 前記ア及びエによれば、本件発明1の「前記第二供給溶液源は、」「前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項は、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ものを含むものではなく、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介さずに「前記半透膜の第二側面へ提供する」ものと解されるから、特許請求の範囲の請求項1の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 そして、このことを前記(1)の判断手法に当てはめてみれば、特許請求の範囲の請求項1の記載は明確性要件に適合するといえるので、前記第4の1(1)アの特許異議の申立て理由は理由がない。 カ 次に、前記第4の1(1)イの特許異議の申立て理由について検討すると、本件発明1においては、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」のみを「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことが特定されているわけではないから、「前記第二供給溶液源は、」「前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項により、直ちに、「前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく」、との発明特定事項を満たさなくなるものではない。 また、前記イ(ア)(段落【0028】、【0029】)の記載によれば、本件特許明細書等には、実施例装置のOsAROモジュールが、第二供給溶液流を第二チャンバ内へ、及び半透膜の第二側面上に受容するようにさらに構成され、第二供給溶液流は、溶質濃度C2と、半透膜の対向する第一側面上に供給される第一供給溶液流の浸透圧π(C1)より低い、またはこれに等しい浸透圧π(C2)とを有することで、第二供給溶液流により提供される浸透圧で部分的に駆動され、エネルギー的に効率のよい浸透圧補助逆浸透(OsARO)工程をもたらすことが記載されている。 すると、本件発明は、第二供給溶液流により提供される浸透圧で部分的に駆動され、エネルギー的に効率のよい浸透圧補助逆浸透(OsARO)工程をもたらすように、第二供給溶液流が、半透膜の対向する第一側面上に供給される第一供給溶液流の浸透圧π(C1)より低い、またはこれに等しい浸透圧π(C2)を有することを前提としたものといえるから、本件特許明細書等の記載に接した当業者は、本件発明1が、「前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく」、との発明特定事項を満たすことを前提としたものと理解するので、「前記第二供給溶液源は、」「前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項により、「前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく」、との発明特定事項を満たさなくなるものとは理解しない。 キ 前記カによれば、当業者は、本件発明1における「前記第二供給溶液源は、」「前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項が、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」をほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介さずに「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことをいうものであっても、また、本件特許明細書等に、「前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく」なるように、「第二供給溶液流」に希釈用液を供給することが記載されていなくても、「前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく」、との発明特定事項を満たすものと理解する。 すると、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえないのであり、このことを前記(1)の判断手法に当てはめてみれば、特許請求の範囲の記載は明確性要件に適合するといえるから、前記第4の1(1)イの特許異議の申立て理由も理由がない。 ク よって、前記第4の1(1)の特許異議の申立て理由はいずれも理由がない。 (3)本件発明15について ア 以下、前記第4の1(2)ア及びイの特許異議の申立て理由について検討すると、前記特許異議の申立て理由は、本件発明15における「第二供給溶液」が「第二モジュール」の「第二チャンバ」に供給されると解されることを前提としたものといえる。 ところが、本件発明15の、「前記第一モジュールの前記第二チャンバは第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成され」、との発明特定事項、「前記第一供給溶液源は前記第一チャンバから前記第二チャンバへ前記半透膜を介して通過する溶媒により、濃縮された第一供給溶液流、及び希釈された第二供給溶液流を生成するために、静水圧を前記第一チャンバへ与えるように構成され」、との発明特定事項、及び、「前記第二モジュールの前記第二チャンバは、前記第一モジュールの前記第二チャンバと流体連結され、前記第二モジュールの前記第二チャンバは、前記希釈された第二供給溶液を前記第一モジュールの前記第二チャンバから受容する」、との発明特定事項によれば、本件発明15においては、「第二供給溶液源」からの「第二供給溶液流」は、「第一モジュール」の「第二チャンバ」に受容され、希釈されて、「希釈された第二供給溶液流」を生成し、「第二モジュール」の「第二チャンバ」は、「第一モジュール」の「第二チャンバ」と流体連結されて、「第一モジュール」の「第二チャンバ」において生成した「希釈された第二供給溶液流」が供給されるものであるから、「第二供給溶液」が「第二モジュール」の「第二チャンバ」に供給されるものではない。 そうすると、前記前提に基づく前記第4の1(2)ア及びイの特許異議の申立て理由は、前提において誤っている。 イ そして、前記アによれば、本件発明15の「前記第一モジュールの前記第二チャンバは第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成され」、との発明特定事項と、「前記第二モジュールの前記第二チャンバは、前記希釈された第二供給溶液を前記第一モジュールの前記第二チャンバから受容する」、との発明特定事項とは何ら矛盾しないから、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえないのであり、このことを前記(1)の判断手法に当てはめてみれば、特許請求の範囲の記載は明確性要件に適合するといえるし、前記「前記第一モジュールの前記第二チャンバは第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成され」、が誤記であるとも認められないので、本件発明15はサポート要件及び実施可能要件にも適合するものである。 ウ 前記ア及びイによれば、前記第4の1(2)の特許異議の申立て理由もいずれも理由がない。 (4)申立人意見書における申立人の主張について ア 明確性要件違反についての申立人意見書における申立人の主張は、概略、以下のとおりである。 本件発明1の「前記第二供給溶液源は、前記半透膜を介して溶媒を前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へと通過させるための前記半透膜の前記第一側面への前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択するために、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項における「前記静水圧」は、「前記半透膜の前記第一側面へ与え」られる「静水圧」と意味すると解されるが、「前記第二供給溶液源」を、「前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二浸透圧を選択するために、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成」するとは、「第二供給溶液源」を具体的にどのように構成することを意味するのかが不明である(3ページ8行~4ページ16行)。 イ 以下、前記アの主張について検討すると、前記(2)カに記載したのと同様の理由により、本件特許明細書等の記載に接した当業者は、「前記第二供給溶液源」が、逆浸透(RO)工程を第二供給溶液流により提供される浸透圧で部分的に駆動することで、半透膜の第一側面への静水圧を減らすように、第二供給溶液流の第二浸透圧を選択するために、「前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成」されるものであることを理解することができる。 してみれば、本件発明1の前記発明特定事項は明確であるので、申立人の前記アの主張は採用できない。 (5)小括 したがって、特許法第36条第6項第2号所定の規定違反(明確性要件違反)についての特許異議の申立て理由はいずれも理由がない。 2 特許法第36条第6項第1号所定の規定違反(サポート要件違反)、同法同条第4項第1号所定の規定違反(実施可能要件違反)について (1)サポート要件及び実施可能要件の判断手法 ア サポート要件の判断手法 特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が本件特許の出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 イ 実施可能要件の判断手法 明細書の発明の詳細な説明の記載が、実施可能要件に適合するか否かは、明細書の発明の詳細な説明に、当業者が、明細書の発明の詳細な説明の記載及び出願当時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その発明を実施することができる程度に発明の構成等の記載があるか否かという観点から判断されるべきである。 また、物の発明の実施とは、その物の生産、使用等をする行為であるから(特許法第2条第3項第1号)、物の発明について前記実施可能要件を充足するためには、明細書の発明の詳細な説明において、当業者が、明細書の発明の詳細な記載及び出願時の技術常識に基づき、過度の試行錯誤を要することなく、その物を生産し、かつ、使用することができる程度の記載があることを要する。 ウ 以下、サポート要件違反及び実施可能要件違反について、前記ア及びイの判断手法にのっとって検討する。 (2)サポート要件違反及び実施可能要件違反について ア 本件特許明細書には、更に、以下の記載がある。 「【0002】 [技術分野] 本開示は、浸透圧補助逆浸透工程を使用して、海水、汽水、排水、工業用水、随伴水及び/または汚染水の精製、除染または脱塩を対象とする。本開示は、浸透圧補助逆浸透工程を使用して濃縮された供給原料溶液を形成すること、及び精製水を副産物として生成することをさらに対象とする。 ・・・ 【0005】 また逆浸透工程は、水精製技術に適用されている。特に、逆浸透を使用し、この水から塩類を除去することにより海水、汽水またはその他の汚染水を脱塩し、飲むことができる、または工業的に利用可能である、水を作る。・・・したがって、エネルギーコストを下げる、または逆浸透システムの効率を上げることが可能である、システム、方法及び技術、ならびに他の水精製システムは、望ましい。」 前記記載によれば、本件発明は、エネルギーコストを下げる、または逆浸透システムの効率を上げることが可能である、システム、方法及び技術、ならびに他の水精製システムを得ることを課題(以下、「本件課題」という。)とするものである。 イ そして、前記1(2)イ(ア)(段落【0026】~【0029】)の記載によれば、本件特許明細書等の記載に接した当業者は、前記1(2)ウの実施例装置の構成により、第二供給溶液流により提供される浸透圧で部分的に駆動され、更にエネルギー的に効率のよい浸透圧補助逆浸透(OsARO)工程をもたらして、本件課題を解決できることを理解することができる。 ウ ここで、前記実施例装置におけるOsAROモジュールの半透膜、半透膜の第一側面、半透膜の第二側面、第一供給溶液流、第二供給溶液流、第一供給溶液源、第二供給溶液源及び透過液は、それぞれ、本件発明1における「半透膜」、「第一側面」、「第二側面」、「第一供給溶液流」、「第二供給溶液流」、「第一供給溶液源」、「第二供給溶液源」及び「透過液」に相当するから、前記1(2)ウの実施例装置の構成により、第二供給溶液流により提供される浸透圧で部分的に駆動され、更にエネルギー的に効率のよい浸透圧補助逆浸透(OsARO)工程をもたらすことは、本件発明1における、「前記半透膜が第一供給溶液流を前記第一供給溶液源から受容するように構成される第一側面と、第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成される第二側面とを含み、前記第一供給溶液流が第一溶質濃度及び第一浸透圧を有し、前記第二供給溶液流が第二溶質濃度及び第二浸透圧を有し、前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく、前記第一供給溶液源は透過液の形態で、前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へ前記半透膜を介して通過する溶媒により、濃縮された第一供給溶液流、及び希釈された第二供給溶液流を生成するために、静水圧を前記半透膜の前記第一側面へ与えるように構成され、前記第二供給溶液源は、前記半透膜を介して溶媒を前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へと通過させるための前記半透膜の前記第一側面への前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択するために、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され、前記透過液は、第三浸透圧を有し、前記第二浸透圧が前記第三浸透圧より高い」、との発明特定事項にほかならない。 エ 前記イ及びウによれば、本件特許明細書等の記載に接した当業者は、本件発明1が、発明の詳細な説明に記載された発明で、本件発明1の発明特定事項により本件課題を解決できることを理解することができるのであり、本件発明2~7について検討しても事情は同じである。 そして、このことを前記(1)アの判断手法に当てはめれば、本件特許請求の範囲の記載はサポート要件に適合する。 オ また、前記イ及びウによれば、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、本件発明1について、当業者が、明細書の発明の詳細な記載及び出願時の技術常識に基づき、過度の試行錯誤を要することなく、その物を生産し、かつ、使用することができる程度の記載があるといえ、本件発明2~7について検討しても事情は同じである。 そして、このことを前記(1)イの判断手法に当てはめれば、前記発明の詳細な説明の記載は実施可能要件に適合する。 (3)特許異議申立書における申立人の主張について 本件発明1が、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」をほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介さずに「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことをいう場合であっても、前記(2)イ及びウに記載したのと同様の理由により、本件発明1の発明特定事項に合致する本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載が、段落【0103】のいわゆる一行記載のみであるとはいえない。 そして、本件特許請求の範囲の記載はサポート要件に適合するものであり、前記発明の詳細な説明の記載は実施可能要件に適合するものであることは、それぞれ前記(2)エ及びオに記載したとおりであるから、特許異議申立書における申立人の主張は採用できない。 (4)小括 したがって、特許法第36条第6項第1号所定の規定違反(サポート要件違反)、同法同条第4項第1号所定の規定違反(実施可能要件違反)についての特許異議の申立て理由はいずれも理由がない。 3 特許法第29条第1項、第2項所定の規定違反(新規性、進歩性欠如)について (1)取消理由について ア 甲第3号証に記載された事項及び甲第3号証に記載された発明 (ア)甲第3号証には、以下のa~cの記載がある。 a「【特許請求の範囲】 ・・・ 【請求項6】 半透膜の片側に形成される濃縮室および反対側に形成される透過室と、 濃縮室に被処理液を供給する被処理液路と、 透過室に被処理液を含む浸透圧液を供給する浸透圧液路と、 濃縮室の圧力を透過室の圧力よりも高くする差圧形成手段と、 濃縮室から濃縮液を取り出す濃縮液路と、 透過室から透過液を取り出す透過液路とを含む膜分離装置。」 b「【0020】図1において、1は膜分離モジュールであり、半透膜1aによって片側に濃縮室1b、反対側に透過室1cが区画されている。2は被処理液槽であって、加圧ポンプP1を有する被処理液路L1が濃縮室1bに連絡し、これから分流する浸透圧液路L2が弁V1を介して透過室1cに連絡している。透過室1cからポンプP2を有する透過液路L3が後膜分離モジュール3の濃縮室3bに連絡している。濃縮室1bには濃縮液路L4が連絡し、循環式の場合には循環路L5が被処理液槽2に連絡する。後膜分離モジュール3は半透膜3aにより濃縮室3bと透過室3cに区画されており、濃縮室3bから濃縮液路L6が被処理液槽2に連絡し、透過室3cから透過液路L7が系外に連絡している。4は前処理装置であって、原液路L8から供給される原液を前処理した前処理原液を供給する前処理原液路L9が被処理液槽2に連絡している。 【0021】上記の膜分離装置においては、原液路L8から供給される原液を前処理装置4で前処理し、前処理原液を前処理原液路L9から被処理液槽2に送る。被処理液槽2の被処理液5は加圧ポンプP1により加圧して被処理液路L1から膜分離モジュール1の濃縮室1bに供給して膜分離を行う。このとき一部の被処理液を浸透圧液として弁V1で流量を調整しながら浸透圧液路L2から透過室1cに供給する。これにより半透膜1aの両側の浸透圧の差は小さくなり、加圧ポンプP1の加圧力が小さい場合でも溶媒が濃縮室1bから半透膜1aを透過して膜分離が行われ、被処理液は高濃度に濃縮される。濃縮室1bの濃縮液は濃縮液路L4が取り出され、一過式で濃縮液として系外に排出される場合と、循環路L5から被処理液槽2に循環して濃縮度をさらに高める場合とがあり、いずれの方式での運転も可能である。」 c「【図1】 [図:0001400441000002.jpg] 」 (イ)前記(ア)a~cの記載によれば、甲第3号証には、 「半透膜の片側に形成される濃縮室および反対側に形成される透過室と、濃縮室に被処理液を供給する被処理液路と、透過室に被処理液を含む浸透圧液を供給する浸透圧液路と、濃縮室の圧力を透過室の圧力よりも高くする差圧形成手段と、濃縮室から濃縮液を取り出す濃縮液路と、透過室から透過液を取り出す透過液路とを含む膜分離装置であって、 前記膜分離装置は、膜分離モジュールを有し、前記膜分離モジュールは、半透膜によって片側に濃縮室、反対側に透過室が区画されているものであり、 前記膜分離装置は、被処理液槽を有し、前記被処理液槽からは、加圧ポンプを有する被処理液路が濃縮室に連絡し、これから分流する浸透圧液路が弁を介して透過室に連絡しているものであり、透過室からポンプを有する透過液路が後膜分離モジュールの濃縮室に連絡しているものであり、濃縮室には濃縮液路が連絡し、循環式の場合には循環路が被処理液槽に連絡するものであり、 前記膜分離装置は、前処理装置を有し、前記前処理槽値は、原液路から供給される原液を前処理した前処理原液を供給する前処理原液路が被処理液槽に連絡しているものであり、 前記膜分離装置においては、原液路から供給される原液を前処理装置で前処理し、前処理原液を前処理原液路から被処理液槽に送るものであり、被処理液槽の被処理液は加圧ポンプにより加圧して被処理液路から膜分離モジュールの濃縮室に供給して膜分離を行うものであり、このとき一部の被処理液を浸透圧液として弁で流量を調整しながら浸透圧液路から透過室に供給するものであり、これにより半透膜の両側の浸透圧の差は小さくなり、加圧ポンプの加圧力が小さい場合でも溶媒が濃縮室から半透膜を透過して膜分離が行われ、被処理液は高濃度に濃縮されるものであり、濃縮室の濃縮液は濃縮液路から取り出され、一過式で濃縮液として系外に排出される場合と、循環路から被処理液槽に循環して濃縮度をさらに高める場合とがあり、いずれの方式での運転も可能である、膜分離装置。」の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されているといえる。 イ 対比・判断 (ア)本件発明1と甲3発明とを対比すると、甲3発明における「浸透圧液路」が分流した後の「被処理液路」、「浸透圧液路」、「半透膜」及び「膜分離装置」は、それぞれ、本件発明1における「第一供給溶液源」、「第二供給溶液源」、「半透膜」及び「装置」に相当する。 また、甲3発明において「濃縮室」に供給される「被処理液」、「透過室」に供給される「浸透圧液」、「濃縮室から半透膜を透過」する「溶媒」、「濃縮液」及び「透過液」は、それぞれ、本件発明1における「第一供給溶液流」、「第二供給溶液流」、「透過液」、「濃縮された第一供給溶液流」及び「希釈された第二供給溶液流」に相当し、甲3発明において、「被処理液槽の被処理液」を「加圧ポンプにより加圧して被処理液路から膜分離モジュールの濃縮室に供給して膜分離を行う」とき、「一部の被処理液を浸透圧液として弁で流量を調整しながら浸透圧液路から透過室に供給」し、「これにより半透膜の両側の浸透圧の差は小さくなり、加圧ポンプの加圧力が小さい場合でも溶媒が濃縮室から半透膜を透過して膜分離が行われ、被処理液は高濃度に濃縮される」ことは、前記「弁」が「濃縮室の圧力を透過室の圧力よりも高くする差圧形成手段」であることと、前記「被処理液」と「浸透圧液」は同じ濃度で、浸透圧が等しいことからみれば、本件発明1において、「前記半透膜が第一供給溶液流を前記第一供給溶液源から受容するように構成される第一側面と、第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成される第二側面とを含み、前記第一供給溶液流が第一溶質濃度及び第一浸透圧を有し、前記第二供給溶液流が第二溶質濃度及び第二浸透圧を有し、前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく、前記第一供給溶液源は透過液の形態で、前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へ前記半透膜を介して通過する溶媒により、濃縮された第一供給溶液流、及び希釈された第二供給溶液流を生成するために、静水圧を前記半透膜の前記第一側面へ与えるように構成され」ることに相当する。 更に、甲3発明においては、「濃縮液」が「循環路から被処理液槽に循環」することにより、前記「濃縮液」の少なくとも一部が、「被処理液槽」から「浸透圧液路」を介して「透過室」に供給されることから、甲3発明は、本件発明1における「前記第二供給溶液源は、」「前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」る、との発明特定事項を満たすものといえ、甲3発明における「浸透圧液」の浸透圧は、「濃縮室から半透膜を透過」する「溶媒」の浸透圧よりも高いといえるから、甲3発明は、本件発明1における「前記透過液は、第三浸透圧を有し、前記第二浸透圧が前記第三浸透圧より高い」、との発明特定事項を満たすものといえる。 (イ)前記(ア)によれば、本件発明1と甲3発明とは、 「第一供給溶液源、 第二供給溶液源、及び 半透膜、 を備え、 前記半透膜が第一供給溶液流を前記第一供給溶液源から受容するように構成される第一側面と、第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成される第二側面とを含み、 前記第一供給溶液流が第一溶質濃度及び第一浸透圧を有し、前記第二供給溶液流が第二溶質濃度及び第二浸透圧を有し、前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく、 前記第一供給溶液源は透過液の形態で、前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へ前記半透膜を介して通過する溶媒により、濃縮された第一供給溶液流、及び希釈された第二供給溶液流を生成するために、静水圧を前記半透膜の前記第一側面へ与えるように構成され、 前記第二供給溶液源は、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され、 前記透過液は、第三浸透圧を有し、前記第二浸透圧が前記第三浸透圧より高い、装置。」の点で一致し、以下の点で相違する。 ・相違点1:本件発明1は、「第二供給溶液源」が、「前記半透膜を介して溶媒を前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へと通過させるための前記半透膜の前記第一側面への前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択するため」のものである、との発明特定事項を有するのに対して、甲3発明は、「一部の被処理液を第二供給溶液流として弁で流量を調整しながら第二供給溶液源から透過室に供給する」ものである点。 (ウ)まず、前記(イ)の相違点1が実質的な相違点であるか否かについて検討すると、甲3発明における「第一供給溶液流」及び「第二供給溶液流」は、もともと同じ「被処理液」を分流したものであるから、「第二供給溶液流」の「第二浸透圧」は、「第一の供給溶液流」の「第一の浸透圧」と必然的に合致するので、甲3発明の「第二供給溶液源」は、そもそも、「前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択する」ものとはいえない。 したがって、前記相違点1は実質的な相違点であるから、本件発明1が甲3発明であるとはいえない。 次に、前記相違点1の容易想到性について検討すると、同様の理由により、甲3発明において「前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択する」ことはもとより想定されないから、甲3発明を、前記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることは、当業者が容易になし得ることではない。 したがって、本件発明1は、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 更に、本件発明2~7について検討しても事情は同じである。 ウ 小括 よって、本件発明1~7は、甲第3号証に記載された発明とはいえないし、甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもないから、前記第5の1の取消理由は理由がない。 (2)取消理由通知書で通知しなかった特許異議申立理由について 当審は、令和4年6月28日付の通知書において、申立人に対して、前記甲各号証の位置づけ(主引例か副引例かなど)、本件発明と甲各号証に記載された発明との一致点や相違点を明らかにするように通知したが、同年8月2日に提出された手続補正書(方式)によっても、これらの点は明らかにされていない。このため、特許法第29条第1項、第2項所定の規定違反(新規性、進歩性欠如)についての特許異議の申立て理由については精緻に判断することはできない。 加えて、前記第4の3の論拠は、前記1(2)オの判断を踏まえると、その前提において既に誤りが認められるため採用することができないが、ここでは、一応、引用発明等をしかるべく認定した上で、新規性及び進歩性欠如の存否について検討しておく。 なお、甲第3号証については、前記(1)ウに記載したとおり理由がないので、そのほかの甲各号証について検討する。 ア 甲各号証の記載事項等 (ア)甲第1号証の記載事項及び甲第1号証に記載された発明 a 甲第1号証には、以下の(a)~(c)の記載がある。 (a)「(1)溶液中における溶質対溶媒の相対的濃度を変更するシステムにおいて、 (a) 半透膜によって分離されたチャンバーを有する少くとも一つのセル(ただし、前記チャンバーは、溶液の向流的な還流を生じ、かつ、一つのチャンバーが他のチャンバーよりも高い圧力を有するように連通し、しかも逆混合を回避する幾何学的構造を有するものとし、また前記の膜は、混合物に含まれる成分の少くとも2種に対して異なる透過係数を有するものとする)、 (b) 膜をへだてて差圧を生じさせるための手段、 (c) システム内に混合物を供給するために設けた少くとも一つの入口手段、および (d) 溶媒と溶質との相対的濃度が変更された後、システムから溶液を回収するために設けた少くとも一つの出口手段を包含することを特徴とするシステム。」(特許請求の範囲) (b)「セル15をモジュラーユニット16で組立てる。ユニット16の各々は、膜19によって分離された高圧チャンバー17と低圧チャンバー18とによって構成される。膜の表面積と構造とが第2図に示したものに近似し、その結果、セル15のすべての部分における流速が実質的に一定となるように、ユニット16の相互連結を行なう。 入口20において、溶液はセル15に導入される。第1図におけると同様に、溶液はチャンバー17および18ならびに膜19を通って移動する。第3図の態様においては、モジュラーユニット16の先細り構造に起因し、溶液がシステムを通じて実質的に均一な速度で移動する。変更された濃度の溶質および溶媒を含有する溶液は、出口21(溶媒の濃度が低下した混合物について)において、または出口22(溶媒の濃度が高められた混合物について)において除去することが可能である。圧力低下装置23および圧縮機24は、第1図における圧力低下装置25および圧縮機5のごとく機能する。」(4ページ左上欄5行~右上欄5行) (c)「 [図:0001400441000003.jpg] 」 b 前記a(a)~(c)の記載によれば、甲第1号証には、 「溶液中における溶質対溶媒の相対的濃度を変更するシステムにおいて、 (a) 半透膜によって分離されたチャンバーを有する少くとも一つのセル(ただし、前記チャンバーは、溶液の向流的な還流を生じ、かつ、一つのチャンバーが他のチャンバーよりも高い圧力を有するように連通し、しかも逆混合を回避する幾何学的構造を有するものとし、また前記の膜は、混合物に含まれる成分の少くとも2種に対して異なる透過係数を有するものとする)、 (b) 膜をへだてて差圧を生じさせるための手段、 (c) システム内に混合物を供給するために設けた少くとも一つの入口手段、および (d) 溶媒と溶質との相対的濃度が変更された後、システムから溶液を回収するために設けた少くとも一つの出口手段を包含する、システムであり、 当該システムは、 セルをモジュラーユニットで組立てるものであり、ユニットの各々は、膜によって分離された高圧チャンバーと低圧チャンバーとによって構成されるものであり、セルのすべての部分における流速が実質的に一定となるように、ユニットの相互連結を行なうものであり、 入口において、溶液はセルに導入され、チヤンバー及びならびに膜を通って移動し、変更された濃度の溶質および溶媒を含有する溶液は、出口(溶媒の濃度が低下した混合物について)において、または出口(溶媒の濃度が高められた混合物について)において除去することが可能である、システム。」の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 (イ)甲第2号証の記載事項及び甲第2号証に記載された発明 a 甲第2号証の3欄3行~53行及びFig.1によれば、甲第2号証には、以下の(a)~(b)の記載があるといえる(原文の摘記は省略し、当審訳のみ記載する。以下、同様である。)。 (a)「図面の図1は、液体の浄化方法の第一実施形態の概略図である。第一実施形態の方法は、第一段階液体浄化と最終段階液体浄化を実行することを含む。第一段階液体浄化は、第一逆浸透ユニット100a、第二逆浸透ユニット100b及び最終逆浸透ユニット100nとして指定された直列の第一段階逆浸透(RO)ユニットを用いて実行される。必要に応じて、任意の適用可能な数の逆浸透ユニットを提供できることが分かる。最終段階液体浄化は、少なくとも一つの最終段階逆浸透ユニット101を用いて実行される。第一段階逆浸透ユニット100a、100b、…100nは各々、濃縮側102aから102n、透過側104aから104n、及び各逆浸透ユニットの濃縮側と透過側を分離するRO膜106aから106nを含む。最終段階逆浸透ユニット101は、濃縮側103a、透過側103b及びRO膜103cを含む。第一段階逆浸透ユニット100a-100nの各々の濃縮側102a-102nは、連続的に次の逆浸透ユニットの濃縮側と連絡関係にある。第一段階逆浸透ユニット100a-100nの各々の透過側104a-104nは、連続的に前の逆浸透ユニットの透過側と連絡する。最終段階逆浸透ユニット101の濃縮側103aは、第一段階逆浸透ユニットの直列の第一逆浸透ユニット100aの透過側104aと連絡関係にある。 第一段階液体浄化は、第一段階逆浸透ユニット100a-100nの濃縮側102a-102n内の含塩液体の供給流を連続的に受け取ることを含む。第一段階逆浸透ユニット100a-100nの各々では、水は逆浸透によって濃縮側から透過側に押し出される。最終逆浸透ユニット100nの濃縮側102nからの濃縮物の少なくとも一部は、最終逆浸透ユニット100nの透過側104nに送られ、混合透過物を形成する。最終逆浸透ユニット100nからの混合透過物は、最終逆浸透ユニットの直前の逆浸透ユニット100n-1の透過側104n-1に供給され、混合透過物が第一段階逆浸透ユニットの各々に形成されるまで、逆浸透ユニット100n-1からの混合透過物は前の逆浸透ユニット100b等に送られる。第一段階逆浸透ユニットの各々の透過物は次の逆浸透ユニットから再循環させた濃縮物によって濃縮されるので、第一段階逆浸透ユニットの各々の透過物と濃縮物の間の濃度差はより小さくなる。これは、第一段階逆浸透ユニットの各々にかかる圧力差、従って必要な電力を低減できる。」 (b)「 [図:0001400441000004.jpg] 」 b 前記a(a)~(b)の記載によれば、甲第2号証には、 「第一段階液体浄化と最終段階液体浄化を実行する液体浄化装置であって、 第一段階液体浄化は、第一逆浸透ユニット、第二逆浸透ユニット及び最終逆浸透ユニットとして指定された直列の第一段階逆浸透(RO)ユニットを用いて実行されるものであり、第一段階逆浸透ユニットは各々、濃縮側、透過側、及び各逆浸透ユニットの濃縮側と透過側を分離するRO膜を含み、第一段階逆浸透ユニットの各々の濃縮側は、連続的に次の逆浸透ユニットの濃縮側と連絡関係にあり、第一段階逆浸透ユニットの各々の透過側は、連続的に前の逆浸透ユニットの透過側と連絡するものであり、 第一段階液体浄化は、第一段階逆浸透ユニットの濃縮側内の含塩液体の供給流を連続的に受け取ることを含み、第一段階逆浸透ユニットの各々では、水は逆浸透によって濃縮側から透過側に押し出され、最終逆浸透ユニットの濃縮側からの濃縮物の少なくとも一部は、最終逆浸透ユニットの透過側に送られ、混合透過物を形成し、最終逆浸透ユニットからの混合透過物は、最終逆浸透ユニットの直前の逆浸透ユニットの透過側に供給され、混合透過物が第一段階逆浸透ユニットの各々に形成されるまで、逆浸透ユニットからの混合透過物は前の逆浸透ユニットに送られる、液体浄化装置。」の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されているといえる。 (ウ)甲第4号証の記載事項及び甲第4号証に記載された発明 a 甲第4号証の段落[0148]~[0158]及びFIG.4によれば、甲第4号証には、以下の(a)~(b)の記載があるといえる。 (a)「C.別の例示的なシステム、図4 [0148] ここで、別の例示的なシステム200が示されている図4に注目する。図4を参照して、原溶液は201からシステムに入ることが示されており、このシステムは、202から出ていく濃縮液ラインと、203から出ていく(希釈溶液)溶媒出口ラインとを有する。図4のシステムは、それぞれH,I,J,K,L,MおよびNで示される7つの逆浸透ユニットとともに動作する。・・・ ・・・ [0150] 逆浸透ユニットJは、高圧側220xと低圧側220yとを有する逆浸透膜機構または膜機構220を備える。 [0151] 低圧側220yからの希釈溶液出口ライン225が示されており、希釈溶液出口ライン225は、逆浸透ポンプ226を通るように向けられて、逆浸透ユニットJからの低圧側出口流れ(希釈溶液)の高圧ライン227を提供する。ライン227の流れは、接合部228に向けられ、次いでライン229を通って接合部230に向けられ、接合部230において、それは逆浸透ユニットIに向けられながら2つのライン231と232とに分割される。 [0152] 逆浸透ユニットIは、高圧側240xと低圧側240yとを有する逆浸透膜または膜機構240を含む。ライン231は、高圧側240xへの入口として向けられている。ライン232は、減圧弁241を通るように向けられて、逆浸透ユニットIの低圧側240yへの入口ライン242を提供する。・・・ ・・・ [0155] 依然として図4を参照して、システム200において、逆浸透ユニットIからの高圧側(濃縮液)出口ラインが250で示されている。ライン250は、濃縮液を逆浸透ユニットIから接合部251に向け、接合部251において、それはライン251xと251yとに分割される。ライン251xは、高圧側入口ストリームとして逆浸透ユニットKに向けられる。逆浸透ユニットKは、高圧側255xと低圧側255yとを有する逆浸透膜または膜機構255を備える。 [0156] ライン251yは、濃縮液ライン250の一部を接合部251から減圧弁256を通ってライン257に至るように向け、ライン257は、逆浸透ユニットKへの低圧側入口液体流れとして動作する。 ・・・ [0158] ライン270は、逆浸透ユニットKからの低圧側出口ラインである。それは、逆浸透ポンプ271を通ってライン272に至るように向けられる。接合部218において、ライン272は、濃縮液ライン215と合流して、接合部219に向けられ、接合部219において、結合されたラインは、分割されて、逆浸透ユニットJに向けられる。したがって、ユニットJにおいて行われる逆浸透プロセスは、膜220の両側の液体が(溶質濃度の点で)同じである状態で行われ、当該液体は、逆浸透ユニットHからの濃縮液と逆浸透ユニットKからの低圧側希釈出口流れとの組み合わせを備える。」 (b)「 [図:0001400441000005.jpg] 」 b 前記a(a)~(b)の記載によれば、甲第4号証には、 「システムであって、 当該システムは、それぞれH,I,J,K,L,MおよびNで示される7つの逆浸透ユニットとともに動作するものであり、 逆浸透ユニットJは、高圧側220xと低圧側220yとを有する逆浸透膜機構または膜機構220を備えるものであり、低圧側220yからの希釈溶液出口ライン225が示されており、希釈溶液出口ライン225は、逆浸透ポンプ226を通るように向けられて、逆浸透ユニットJからの低圧側出口流れ(希釈溶液)の高圧ライン227を提供するものであり、ライン227の流れは、接合部228に向けられ、次いでライン229を通って接合部230に向けられ、接合部230において、それは逆浸透ユニットIに向けられながら2つのライン231と232とに分割されるものであり、 逆浸透ユニットIは、高圧側240xと低圧側240yとを有する逆浸透膜または膜機構240を含み、ライン231は、高圧側240xへの入口として向けられているものであり、ライン232は、減圧弁241を通るように向けられて、逆浸透ユニットIの低圧側240yへの入口ライン242を提供するものであり、 更に、システムにおいて、逆浸透ユニットIからの高圧側(濃縮液)出口ラインが250で示されており、ライン250は、濃縮液を逆浸透ユニットIから接合部251に向け、接合部251において、それはライン251xと251yとに分割され、ライン251xは、高圧側入口ストリームとして逆浸透ユニットKに向けられ、 逆浸透ユニットKは、高圧側255xと低圧側255yとを有する逆浸透膜または膜機構255を備えるものであり、ライン251yは、濃縮液ライン250の一部を接合部251から減圧弁256を通ってライン257に至るように向け、ライン257は、逆浸透ユニットKへの低圧側入口液体流れとして動作するものであり、ライン270は、逆浸透ユニットKからの低圧側出口ラインであり、それは、逆浸透ポンプ271を通ってライン272に至るように向けられ、接合部218において、ライン272は、濃縮液ライン215と合流して、接合部219に向けられ、接合部219において、結合されたラインは、分割されて、逆浸透ユニットJに向けられるものである、システム。」の発明(以下、「甲4発明」という。)が記載されているといえる。 (エ)甲第5号証の記載事項及び甲第5号証に記載された発明 a 甲第5号証の段落[0102]~[0134]及びFIG.3によれば、甲第5号証には、以下の(a)~(b)の記載があるといえる。 (a)「B.例示的なシステム、図3 [0102] 図3に、40で、例示的なカスケード型逆浸透システム40が概略的に図示される。・・・ ・・・ [0104]・・・図示された例示的なシステム40は、それぞれA,B,C,D,E,F,およびGと標示された7つの逆浸透ユニット47を含む。 ・・・ [0114] 引き続き図3を参照して、67で、逆浸透膜ユニットBからの、比較的濃縮された溶質を含む高圧側流出ストリームが示される。システム40については、逆浸透ユニットBからの比較的濃縮された溶液または濃縮物(ライン67)は、ライン68を介して、逆浸透ユニットCのための高圧側流入ライン69へ向けられることが示される。典型的には、図3に従ったプロセスについては、逆浸透ユニットCへのライン69内の供給物は、ライン68の中身から修正されてから、逆浸透ユニットCへ導入されるであろう。これは以下にさらに説明される。 [0115] 引き続き図3を参照して、逆浸透ユニットCは、高圧側75xおよび低圧側75yを有する逆浸透膜構成または膜75を含む。ライン69を介して膜ユニットCへ向けられた溶液は、低圧側希釈溶液が低圧側流出ライン76を介して低圧側75yを出る状態で処理される。・・・ ・・・ [0132] 図3に図示される特定のプロセスについては、最終の濃縮ステップが、逆浸透ユニットCからの濃縮物の一部に対しても行なわれる。ユニットCからの濃縮物は、ライン77を介してユニットCを出ることが図示される。この濃縮物は、接合部130で、逆浸透ユニットFのための第1の加圧流入ライン130xと、ライン77からの濃縮物の一部を減圧弁131へ、最終的には逆浸透ユニットFのための流入ライン133(低圧側流入ライン)へ向けることが示された第2のライン130yとに分割されることが示される。 [0133] 逆浸透ユニットFは、高圧側140xおよび低圧側140yを有する逆浸透膜または膜構成140を含む。濃縮物は、高圧側流出ライン150を介して高圧側逆浸透ユニットFを出ることが示される。この濃縮物は圧力が減少ユニット151で減少され、ライン42を介してプロセス40から出る濃縮物を含む。 [0134] 155で、逆浸透ユニットFからの低圧側流出ラインが図示される。ライン155内には、逆浸透ユニットFからの低圧側フロー(希釈溶液)があるであろう。このフロー(希釈溶液)は、ポンプ156で加圧され、次に、接合部158への加圧ライン157へ向けられることが示される。接合部158では、逆浸透ユニットFからの低圧側流出フローは第1のライン158xへと分割され、それは、フローの一部を逆浸透ユニットCのための高圧側流入ライン69へ向ける。接合部158からの第2のライン158yは、ライン157からのフローの一部を減圧弁159へ、最終的には逆浸透膜ユニットCのための低圧側流入ライン160へ向ける。このため、ユニットCで行なわれる逆浸透動作は、ユニットFからの低圧側流出フローとユニットBからの濃縮物との混合物を含む高圧側液体と、ユニットFからの低圧側流出フローを含む低圧側液体との間で行なわれる。」 (b)「 [図:0001400441000006.jpg] 」 b 前記a(a)~(b)の記載によれば、甲第5号証には、 「カスケード型逆浸透システムであって、 当該カスケード型逆浸透システムは、それぞれA,B,C,D,E,F,およびGと標示された7つの逆浸透ユニット47を含むものであり、 逆浸透ユニットBからの比較的濃縮された溶液または濃縮物(ライン67)は、ライン68を介して、逆浸透ユニットCのための高圧側流入ライン69へ向けられるものであり、逆浸透ユニットCは、高圧側75xおよび低圧側75yを有する逆浸透膜構成または膜75を含み、ライン69を介して膜ユニットCへ向けられた溶液は、低圧側希釈溶液が低圧側流出ライン76を介して低圧側75yを出る状態で処理されるものであり、 ユニットCからの濃縮物は、ライン77を介してユニットCを出るものであり、この濃縮物は、接合部130で、逆浸透ユニットFのための第1の加圧流入ライン130xと、ライン77からの濃縮物の一部を減圧弁131へ、最終的には逆浸透ユニットFのための流入ライン133(低圧側流入ライン)へ向けることが示された第2のライン130yとに分割されるものであり、 逆浸透ユニットFは、高圧側140xおよび低圧側140yを有する逆浸透膜または膜構成140を含み、濃縮物は、高圧側流出ライン150を介して高圧側逆浸透ユニットFを出るものであり、この濃縮物は圧力が減少ユニット151で減少され、ライン42を介してプロセス40から出る濃縮物を含み、ライン155内には、逆浸透ユニットFからの低圧側フロー(希釈溶液)があり、このフロー(希釈溶液)は、ポンプ156で加圧され、次に、接合部158への加圧ライン157へ向けられるものであり、 接合部158では、逆浸透ユニットFからの低圧側流出フローは第1のライン158xへと分割され、それは、フローの一部を逆浸透ユニットCのための高圧側流入ライン69へ向けられ、接合部158からの第2のライン158yは、ライン157からのフローの一部を減圧弁159へ、最終的には逆浸透膜ユニットCのための低圧側流入ライン160へ向けるものでり、このため、ユニットCで行なわれる逆浸透動作は、ユニットFからの低圧側流出フローとユニットBからの濃縮物との混合物を含む高圧側液体と、ユニットFからの低圧側流出フローを含む低圧側液体との間で行なわれるものである、カスケード型逆浸透システム。」の発明(以下、「甲5発明」という。)が記載されているといえる。 イ 甲第1号証について (ア)本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明における「膜」及び「システム」は、それぞれ、本件発明1における「半透膜」及び「装置」に相当し、甲1発明において、「セル」の「高圧チャンバー」に流入する流路及び流体は、それぞれ、本件発明1における「第一供給溶液源」及び「第一供給溶液流」に相当し、甲1発明における「膜」の「高圧チャンバー」側の面は、本件発明1における「半透膜」の「第一側面」に相当し、甲1発明において、「セル」の「高圧チャンバー」を通った流体は、本件発明1における「濃縮された第一供給溶液流」に相当する。 また、甲1発明において、「セル」の「低圧チャンバー」に流入する流路及び流体は、それぞれ、本件発明1における「第二供給溶液源」及び「第二供給溶液流」に相当し、甲1発明の「膜」の「低圧チャンバー」側の面は、本件発明1における「半透膜」の「第二側面」に相当し、甲1発明において、「セル」の「低圧チャンバー」を通った流体は、本件発明1における「希釈された第二供給溶液流」に相当し、甲1発明において「膜」を通った「溶液」は、本件発明1における「透過液」に相当する。 更に、甲1発明において、「入口において、溶液はセルに導入され、チヤンバー及びならびに膜を通って移動し、変更された濃度の溶質および溶媒を含有する溶液は、出口(溶媒の濃度が低下した混合物について)において、または出口(溶媒の濃度が高められた混合物について)において除去することが可能である」ことは、本件発明1において、「前記第一供給溶液流が第一溶質濃度及び第一浸透圧を有し、前記第二供給溶液流が第二溶質濃度及び第二浸透圧を有し、前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく、前記第一供給溶液源は透過液の形態で、前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へ前記半透膜を介して通過する溶媒により、濃縮された第一供給溶液流、及び希釈された第二供給溶液流を生成するために、静水圧を前記半透膜の前記第一側面へ与えるように構成され」、「前記透過液は、第三浸透圧を有し、前記第二浸透圧が前記第三浸透圧より高い」ことに相当する。 そうすると、本件発明1と甲1発明とは、 「第一供給溶液源、 第二供給溶液源、及び 半透膜、 を備え、 前記半透膜が第一供給溶液流を前記第一供給溶液源から受容するように構成される第一側面と、第二供給溶液流を前記第二供給溶液源から受容するように構成される第二側面とを含み、 前記第一供給溶液流が第一溶質濃度及び第一浸透圧を有し、前記第二供給溶液流が第二溶質濃度及び第二浸透圧を有し、前記第一浸透圧は前記第二浸透圧より高い、またはこれに等しく、 前記第一供給溶液源は透過液の形態で、前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へ前記半透膜を介して通過する溶媒により、濃縮された第一供給溶液流、及び希釈された第二供給溶液流を生成するために、静水圧を前記半透膜の前記第一側面へ与えるように構成され、 前記透過液は、第三浸透圧を有し、前記第二浸透圧が前記第三浸透圧より高い、装置。」の点で一致し、以下の点で相違する。 ・相違点2:本件発明1が、「前記第二供給溶液源は、前記半透膜を介して溶媒を前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へと通過させるための前記半透膜の前記第一側面への前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択するために、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」る、との発明特定事項を有するのに対して、甲1発明は、「セルをモジュラーユニットで組立てるものであり、ユニットの各々は、膜によって分離された高圧チャンバーと低圧チャンバーとによって構成されるものであり、セルのすべての部分における流速が実質的に一定となるように、ユニットの相互連結を行なう」ものである点。 (イ)以下、前記アの相違点2が実質的な相違点であるか否かについて検討すると、甲1発明において、「セルをモジュラーユニットで組立てるものであり、ユニットの各々は、膜によって分離された高圧チャンバーと低圧チャンバーとによって構成されるものであり、セルのすべての部分における流速が実質的に一定となるように、ユニットの相互連結を行なう」ことは、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面」へ提供することにほかならない。 ところが、本件発明1の「前記第二供給溶液源は、」「前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」、との発明特定事項は、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ものを含むものではなく、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介さずに「前記半透膜の第二側面へ提供する」ものと解されることは、前記1(2)オに記載したとおりであるから、甲1発明は、前記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとはいえない。 したがって、本件発明1と甲1発明とは、前記相違点2の点で実質的に相違するから、本件発明1が甲1発明であるとはいえないのであり、本件発明2~7について検討しても事情は同じである。 (ウ)次に、前記相違点2の容易想到性について検討すると、「セルをモジュラーユニットで組立てるものであり、ユニットの各々は、膜によって分離された高圧チャンバーと低圧チャンバーとによって構成されるものであり、セルのすべての部分における流速が実質的に一定となるように、ユニットの相互連結を行なう」ものである甲1発明は、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことを前提としたものといえる。 そして、そのような甲1発明において、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介さずに「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことはそもそも想定されないから、甲1発明において、前記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとする動機付けは存在しないので、そうすることは、当業者が容易になし得ることではない。 したがって、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないのであり、本件発明2~7について検討しても事情は同じである。 (エ)前記(イ)、(ウ)によれば、本件発明1~7は、甲第1号証に記載された発明であるとはいえないし、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 ウ 甲第2号証、甲第4号証、甲第5号証について (ア)前記イ(ア)に記載したのと同様にして本件発明1と甲2発明とを対比すると、本件発明1と甲2発明とは、少なくとも、以下の点で相違する。 ・相違点2’:本件発明1が、「前記第二供給溶液源は、前記半透膜を介して溶媒を前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へと通過させるための前記半透膜の前記第一側面への前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択するために、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」る、との発明特定事項を有するのに対して、甲2発明は、「第一段階液体浄化は、第一逆浸透ユニット、第二逆浸透ユニット及び最終逆浸透ユニットとして指定された直列の第一段階逆浸透(RO)ユニットを用いて実行される」ものである点。 そして、甲2発明が、「第一逆浸透ユニット、第二逆浸透ユニット及び最終逆浸透ユニットとして指定された直列の第一段階逆浸透(RO)ユニットを用いて実行される」ものであることからみれば、甲1発明と同様に、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことを前提としたものといえる。 そうすると、前記イ(イ)及び(ウ)に記載したのと同様の理由により、甲2発明が、前記相違点2’に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとはいえないし、甲2発明を、前記相違点2’に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることは、当業者が容易になし得ることではないから、そのほかの相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明であるとはいえないし、甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでものともいえないのであって、本件発明2~7について検討しても事情は同じである。 (イ)前記イ(ア)に記載したのと同様にして本件発明1と甲4発明とを対比すると、本件発明1と甲4発明とは、少なくとも、以下の点で相違する。 ・相違点2'':本件発明1が、「前記第二供給溶液源は、前記半透膜を介して溶媒を前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へと通過させるための前記半透膜の前記第一側面への前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択するために、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」る、との発明特定事項を有するのに対して、甲4発明は、「それぞれH,I,J,K,L,MおよびNで示される7つの逆浸透ユニットとともに動作するもの」である点。 そして、甲4発明が、「7つの逆浸透ユニットとともに動作するもの」であることからみれば、甲1発明と同様に、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことを前提としたものといえる。 そうすると、前記イ(イ)及び(ウ)に記載したのと同様の理由により、甲4発明が、前記相違点2''に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとはいえないし、甲4発明を、前記相違点2''に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることは、当業者が容易になし得ることではないから、そのほかの相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲4発明であるとはいえないし、甲4発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでものともいえないのであって、本件発明2~7について検討しても事情は同じである。 (ウ)前記イ(ア)に記載したのと同様にして本件発明1と甲5発明とを対比すると、本件発明1と甲5発明とは、少なくとも、以下の点で相違する。 ・相違点2''':本件発明1が、「前記第二供給溶液源は、前記半透膜を介して溶媒を前記第一供給溶液流から前記第二供給溶液流へと通過させるための前記半透膜の前記第一側面への前記静水圧を減らすように、前記第二供給溶液流の前記第二の浸透圧を選択するために、前記濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を前記半透膜の前記第二側面へ提供するように構成され」る、との発明特定事項を有するのに対して、甲5発明は、「それぞれA,B,C,D,E,FおよびGで示される7つの逆浸透ユニットとともに動作するもの」である点。 そして、甲5発明が、「7つの逆浸透ユニットとともに動作するもの」であることからみれば、甲1発明と同様に、「濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部」を、ほかのOsARO、RO、FO等のモジュールを介して「前記半透膜の前記第二側面へ提供する」ことを前提としたものといえる。 そうすると、前記イ(イ)及び(ウ)に記載したのと同様の理由により、甲5発明が、前記相違点2'''に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとはいえないし、甲5発明を、前記相違点2'''に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることは、当業者が容易になし得ることではないから、そのほかの相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲5発明であるとはいえないし、甲5発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでものともいえないのであって、本件発明2~7について検討しても事情は同じである。 エ 申立人意見書について (ア)新規性、進歩性欠如についての申立人意見書における申立人の主張は、概略、以下のとおりである。 本件発明は、濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を間接的に半透膜の第二側面に提供する場合が含まれると解されるものであり、その場合、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された発明から、新規性及び進歩性を有しない(4ページ17行~7ページ下から6行)。 (イ)ところが、前記1(2)オに記載したとおり、本件発明が、濃縮された第一供給溶液流の少なくとも一部を間接的に半透膜の第二側面に提供する場合が含まれるとは解されないから、申立人の前記(ア)の主張は採用できない。 オ 小括 したがって、本件発明1~7が、甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証及び甲第5号証に記載された発明であるとはいえないし、甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証及び甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえないから、前記第4の3の特許異議の申立て理由はいずれも理由がない。 (3)まとめ よって、特許法第29条第1項、第2項所定の規定違反(新規性、進歩性欠如)についての取消理由及び特許異議の申立て理由はいずれも理由がない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立て理由によっては、本件発明1~7及び15~18に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1~7及び15~18に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700455

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