特許異議申立
2022-700182
電子レシートサーバ及びそのプログラムと、電子レシートシステム
- 審判番号
- 2022-700182
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-113668
- 登録番号
- 6927757
- 請求日
- 2022年03月01日
- 審決日
- 2023年06月27日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】東芝テック株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
- 【権利者代理人】蔵田 昌俊
- 【権利者代理人】峰 隆司
- 【権利者代理人】井上 正
- 【権利者代理人】矢頭 尚之
- 【権利者代理人】堂前 俊介
- 【異議申立人】佐々木 敬
- 審判長/審判官
- 審判長 渡邊 聡
- 審判官 古川 哲也
- 審判官 小田 浩
- 分類
- P1651.113-YAA(G06Q) / P1651.121-YAA(G06Q) / P1651.537-YAA(G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6927757号発明「電子レシートサーバ及びそのプログラムと、電子レシートシステム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6927757号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕、5、6について訂正することを認める。
特許第6927757号の請求項1~6に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6927757号の請求項1~6に係る特許についての出願は、平成29年6月8日に出願され、令和3年8月10日にその特許権の設定登録がされ、同年9月1日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和 4年 3月 1日 :特許異議申立人佐々木敬(以下、「申立人」という。)による請求項1~6に係る特許に対する特許異議の申立て
令和 4年 5月26日付け:取消理由通知書
令和 4年 7月26日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和 4年11月 1日 :申立人による意見書の提出
令和 4年11月30日付け:取消理由通知書(決定の予告)
令和 5年 1月31日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和 5年 4月14日 :申立人による意見書の提出
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータを前記取引者コードに関連づけて記憶デバイスに保存する保存手段と、前記受信手段により前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記受信された」と記載されているのを、「成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを取引登録装置から受信する受信手段と、前記受信手段により前記取引登録装置から受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータを前記取引者コードに関連づけて記憶デバイスに保存する保存手段と、前記受信手段により前記取引登録装置から前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記取引登録装置から受信された」(下線は、当審で付した。(2)~(10)についても同様。)に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~4も同様に訂正する。)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項5に「前記受信手段により前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記受信された」と記載されているのを、「前記受信手段により前記取引登録装置から前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記取引登録装置から受信された」に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項6に「成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを受信する受信手段を備えた電子レシートサーバを制御するコンピュータを、前記受信手段により受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータを前記取引者コードに関連づけて記憶デバイスに保存する保存手段と、前記受信手段により前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記受信された」と記載されているのを、「成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを取引登録装置から受信する受信手段を備えた電子レシートサーバを制御するコンピュータを、前記受信手段により前記取引登録装置から受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータを前記取引者コードに関連づけて記憶デバイスに保存する保存手段と、前記受信手段により前記取引登録装置から取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記取引登録装置から受信された」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1に「取引データに関して成立するならば」と記載されているのを、「取引データに関する取引に対して成立するならば」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~4も同様に訂正する。)。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項4に「前記付与手段は、前記受信手段により前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が、前記受信された取引データと過去の取引に関する取引データとに関して成立するならば前記付与者に前記特典を付与する」と記載されているのを、「前記付与手段は、前記受信手段により前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が、前記受信された取引データに関する取引と過去の取引に関する取引データに関する取引とに関して成立するならば前記付与者に前記特典を付与する」に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項5に「取引データに関して成立するならば」と記載されているのを、「取引データに関する取引に対して成立するならば」に訂正する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項6に「取引データに関して成立するならば」と記載されているのを、「取引データに関する取引に対して成立するならば」に訂正する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項1に「前記付与手段により前記特典が付与された時に、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段と」と記載されているのを、「前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段と」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~4も同様に訂正する。)。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項5に「前記付与手段により前記特典が付与された時に、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段と」と記載されているのを、「前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段と」に訂正する。
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項6に「前記付与手段により前記特典が付与された時に、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段と」と記載されているのを、「前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段と」に訂正する。
なお、訂正前の請求項2~4は、訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接又は間接的に引用する関係にあり、訂正事項1、4、5、8によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正事項1、4、5、8に係る訂正は、一群の請求項1~4について請求されたものである。
訂正事項2、6、9に係る訂正前の請求項5、訂正事項3、7、10に係る請求項6は、他の請求項と引用関係を有しない請求項である。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
訂正事項1に係る請求項1についての訂正は、いずれも訂正前の「受信手段」によって受信される「取引データ」について、「取引登録装置から」受信されたものである旨を追加することにより、「取引データ」の送信元を具体的に特定し、更に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、当該事項は本件明細書に、
「【0011】
POS端末200は、物品の販売、飲食物の提供、あるいはサービスの提供などの任意の取引の内容を登録し、さらには決済するための処理を行う。POS端末200は、取引を行った取引者が電子レシートサービスの会員である場合に、取引の内容を電子レシートサーバ100に通知する。つまりPOS端末200は、取引登録装置の一例である。」(下線は、当審で付した。以下、同様。)、
「【0050】
プロセッサ11は、Act15又はAct16にて取引データを生成したならば、いずれの場合もAct17へと進む。
Act17としてプロセッサ11は、Act15又はAct16にて生成した取引データを電子レシートサーバ100に宛てて通信ネットワーク400へと通信インタフェース18から送信させる。そしてプロセッサ11はこののち、Act1及びAct2の待受状態に戻る。かくして通信インタフェース18は、取引データを電子レシートサーバ100へと送信する送信手段として機能する。
POS端末200から送信された取引データが、通信ネットワーク400を伝送されて電子レシートサーバ100へと到達すると、当該取引データが通信インタフェース4により受信される。かくして通信インタフェース4は、取引データを受信する受信手段として機能する。」
という記載があるから、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(2)訂正事項2、3
訂正事項2に係る請求項5についての訂正、及び訂正事項3に係る請求項6についての訂正は、特許請求の範囲の請求項5及び6について、上記1(1)で示した訂正事項1に係る請求項1についての訂正と同様の訂正を行うものであり、上記(1)で示したのと同様に、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項2に係る請求項5についての訂正、及び訂正事項3に係る請求項6についての訂正により、特許請求の範囲の請求項5及び6について追加した事項は、本件明細書の段落【0011】、【0050】に記載されているから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3)訂正事項4
訂正事項4に係る請求項1についての訂正は、訂正前の「予め定められた条件が前記受信された取引データに関して成立するならば、予め定められた特典を前記取引者コードに関連づけられた付与者に付与する」という事項について、「前記受信された取引データ」に対し、「前記受信された取引データに関する取引」と訂正することにより、「予め定められた条件」が「取引データ」の何に関して成立することを意味するものであるかについてより具体的に特定し、更に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、当該事項は本件明細書に、
「【0057】
Act26としてプロセッサ1は、今回受信された取引データに関する取引に対して付与すべき特典を、特典データベース33から検索する。プロセッサ1がここで検索する特典は、当然ながらAct24にて付与する特典とは別の条件に基づき付与される特典である。プロセッサ1は具体的には、特典レコード33aのそれぞれのフィールドF23の付与条件データが表す付与条件のそれぞれについて、今回受信された取引が合致するか否かを確認する。・・・」
という記載があるから、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項4は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(4)訂正事項5
訂正事項5に係る請求項4についての訂正は、訂正前の「予め定められた条件が、前記受信された取引データと過去の取引に関する取引データとに関して成立するならば前記付与者に前記特典を付与する」という事項について、「前記受信された取引データ」及び「過去の取引に関する取引データ」に対し、それぞれ「前記受信された取引データに関する取引」、「過去の取引に関する取引データに関する取引」という事項を追加することにより、「予め定められた条件」が「取引データ」の何に関して成立することを意味するものであるかについてより具体的に特定し、更に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、当該事項は本件明細書に、上記(3)に加え、
「【0057】
・・・なお、プロセッサ1は、付与条件によっては、レシートデータベース31に含まれる過去の取引に関する情報も加味して当該確認を行ってもよい。そしてプロセッサ1は、合致する付与条件をフィールドF23の付与条件データが表す特典レコード33aが有ったならば、その特典レコード33aのフィールドF21に表された特典コードを、付与対象の特典の特典コードとして設定する。」
という記載があるから、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項5は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(5)訂正事項6、7
訂正事項6に係る請求項5についての訂正、及び訂正事項7に係る請求項6についての訂正は、特許請求の範囲の請求項5及び6について、上記1(4)で示した訂正事項4に係る請求項1についての訂正と同様の訂正を行うものであり、上記(3)で示したのと同様に、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項6に係る請求項5についての訂正、及び訂正事項7に係る請求項6についての訂正により、特許請求の範囲の請求項5及び6について追加した事項は、本件明細書の段落【0057】に記載されているから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(6)訂正事項8
訂正事項8に係る請求項1についての訂正は、訂正前の「前記付与手段により前記特典が付与された時に、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段」について、「前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように」という事項を追加することにより、特典が付与された旨の通知をどのようにするかについてより具体的に特定し、更に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、当該事項は本件明細書に、
「【0061】
Act31としてプロセッサ1は、特典が新たに付与された旨の通知を行う。プロセッサ1は具体的には、Act23又はAct28で選び出した会員レコード32aのフィールドF13のデータが端末コードを表すならば、当該端末コードで識別される情報端末300に対してプッシュ通知を行う。またプロセッサ1は具体的には、Act23で選び出した会員レコード32aのフィールドF13のデータがメールアドレスを表すならば、当該メールアドレスに宛てて通知メールを送信する。このプッシュ通知及び通知メールは例えば、Act24及びAct28の少なくとも一方で付与した特典の内容を、例えば文字メッセージ及び画像データなどにより示すとともに、その利用が可能であることを利用者に対して知らせるものである。またプッシュ通知及び通知メールは、特典がどの取引に関して付与されたのかを利用者が認識できるように、取引日時及び店舗名など、取引情報の一部の情報を表すようにすることが好ましい。なお、通知先は利用者により任意により定められてよいが、プッシュ通知及び通知メールの着信を利用者が速やかに認識できるように定めることを原則とする。かくしてアプリケーションプログラムに基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは通知手段として機能する。」
という記載があるから、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項8は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(7)訂正事項9、10
訂正事項9に係る請求項5についての訂正、及び訂正事項10に係る請求項6についての訂正は、特許請求の範囲の請求項5及び6について、上記1(8)で示した訂正事項8に係る請求項1についての訂正と同様の訂正を行うものであり、上記(6)で示したのと同様に、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項9に係る請求項5についての訂正、及び訂正事項10に係る請求項6についての訂正により、特許請求の範囲の請求項5及び6について追加した事項は、本件明細書の段落【0061】に記載されているから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
3 小括
上記のとおり、訂正事項1~10に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕、5、6について訂正することを認める。
第3 訂正後の本件発明
上記のとおり、本件訂正は認められるので、本件請求項1~6に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1」~「本件発明6」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~6に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを取引登録装置から受信する受信手段と、
前記受信手段により前記取引登録装置から受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータを前記取引者コードに関連づけて記憶デバイスに保存する保存手段と、
前記受信手段により前記取引登録装置から前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記取引登録装置から受信された取引データに関する取引に対して成立するならば、予め定められた特典を前記取引者コードに関連づけられた付与者に付与する付与手段と、
前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段と、
を具備する電子レシートサーバ。
【請求項2】
前記保存手段は、
複数の第1の会員コードのそれぞれを複数の第2の会員コードのいずれかと関連付けて管理し、
前記取引者コードとして前記取引データに含まれた前記第1の会員コードに関連づけられた前記第2の会員コードに関連づけて、前記記憶デバイスに前記保存すべきデータを保存し、
前記取引データに前記取引者コードとしての前記第1の会員コードの他に、この第1の会員コードに関連づけるべき第2の会員コードが含まれる場合に、当該第1の会員コードと当該第2の会員コードとの関連づけを上記の管理の対象に追加し、
前記付与手段は、前記第1の会員コードに関連づけるべき前記第2の会員コードが前記取引データに含まれる場合に、前記第2の会員コードで識別される前記取引者を前記付与者として前記特典を付与する、
請求項1に記載の電子レシートサーバ。
【請求項3】
前記付与手段は、前記特典の付与として、前記取引者が使用権限を有するクーポンを表すデータを、前記条件が成立した前記取引データが表す取引が行われた施設での新たな取引に使用可能なクーポンを含むように更新する、
請求項1又は請求項2に記載の電子レシートサーバ。
【請求項4】
前記付与手段は、前記受信手段により前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が、前記受信された取引データに関する取引と過去の取引に関する取引データに関する取引とに関して成立するならば前記付与者に前記特典を付与する、
請求項1-請求項3のいずれか一項に記載の電子レシートサーバ。
【請求項5】
取引登録装置と、電子レシートサーバとを具備し、
前記取引登録装置は、
取引の内容を登録して当該取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを生成する生成手段と、
当該取引が成立した時に、前記生成手段により生成された前記取引データを前記電子レシートサーバへと送信する送信手段と、
を具備し、
前記電子レシートサーバは、
前記送信手段により送信された前記取引データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータを前記取引者コードに関連づけて記憶デバイスに保存する保存手段と、
前記受信手段により前記取引登録装置から前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記取引登録装置から受信された取引データに関する取引に対して成立するならば、予め定められた特典を前記取引者コードに関連づけられた付与者に付与する付与手段と、
前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段と、
を具備する、
電子レシートシステム。
【請求項6】
成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを取引登録装置から受信する受信手段を備えた電子レシートサーバを制御するコンピュータを、
前記受信手段により前記取引登録装置から受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータを前記取引者コードに関連づけて記憶デバイスに保存する保存手段と、
前記受信手段により前記取引登録装置から取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記取引登録装置から受信された取引データに関する取引に対して成立するならば、予め定められた特典を前記取引者コードに関連づけられた付与者に付与する付与手段と、
前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段と、
して機能させるためのプログラム。」
第4 取消理由(決定の予告)に記載した取消理由について
1 取消理由(決定の予告)の概要
請求項1~6に係る特許に対して、当審が令和4年11月30日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。
(理由1)
請求項1、5、6に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項2~4に係る発明は、引用文献1に記載された発明に、引用文献2に記載された技術を組み合わせることにより、当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、請求項1~6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
引用文献1:特開2014-38443号公報(甲第2号証に対応する公開特許公報)
引用文献2:特許5738938号公報(甲第3号証)
(以下、「甲第2号証」、「甲第3号証」を、それぞれ「甲2」、「甲3」という。他の甲号証についても同様。)
2 引用文献の記載、引用発明
(1)引用文献1(特開2014-38443号公報)
ア 引用文献1に記載された事項
取消理由で通知した引用文献1には、以下の事項が記載されている。
「【0017】
本発明の実施形態に係る電子レシートシステム1について説明する。電子レシートシステム1は、店舗で商品を購入した顧客(ユーザ)の携帯端末30に電子レシートを送信するとともに、クーポンの配信や広告の表示等の種々のサービスを提供する。なお、携帯端末30は、一般的なスマートフォンや携帯電話等である。また、携帯端末30は、非接触通信機能を備える。
【0018】
本発明の実施形態に係る電子レシートシステムは、図1に示すように、各店舗に配置された店舗端末10と、該店舗端末10とネットワーク40を介して接続する管理サーバ20とを備える。なお、この図において店舗は1つしか示されていないが、実際には店舗は複数あり、各店舗毎に店舗端末10が配置されている。また、1つの店舗に複数の店舗端末10が配置されていてもよい。また、ネットワーク40は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)である。
【0019】
店舗端末10は、例えば、POS(Point of Sale)端末であり、顧客であるユーザが商品を購入した際の会計処理を行うとともに、購入時に近接されたユーザの携帯端末30に電子レシートやクーポンを配信する。店舗端末10は、図2に示すように、非接触通信部11と、通信部12と、操作部13と、表示部14と、記憶部15と、コード読取部16と、制御部17と、を備える。」
「【0026】
図1に戻り、管理サーバ20は、ネットワーク40を介して各店舗の店舗端末10やユーザの携帯端末30と接続され、電子レシートやクーポンの配信等の処理を行う。管理サーバ20は、図3に示すように、通信部21と、操作部22と、表示部23と、記憶部24と、制御部25と、を備える。
【0027】
通信部21は、NIC等の通信インターフェースによって構成される。通信部21は、制御部25の制御のもと、ネットワーク30を介して各店舗端末10と通信を行う。」
「【0029】
記憶部24は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、RAM、及び、ROM等によって構成される。記憶部24は、制御部25が動作するためのメインメモリ及びワークメモリとして機能する。また、記憶部24は、制御部25によって実行される動作プログラムを記憶する。また、記憶部は、ユーザDB241と店舗DB242とクーポンDB243とを備える。
【0030】
ユーザDB241は、電子レシートシステム1に会員登録したユーザ毎に、ユーザに関する情報(ユーザ情報)が格納されるデータベースである。ユーザ情報は、具体的には、図4に示すような、ユーザの識別情報であるユーザID、氏名、住所、年齢、性別、誕生日、メールアドレス、保有クーポン、購入履歴等から構成される。
なお、メールアドレスは、このユーザの携帯端末30のメールアドレスである。また、保有クーポンは、ユーザが所有しているクーポンのクーポンIDのリストを示す。また、購入履歴は、図5に示すような、この顧客による各店舗での商品購入の履歴を記録した情報(購入日時、店舗名、商品名、金額等を示した情報)である。」
「【0032】
クーポンDB243は、電子レシートシステム1で利用可能なクーポン毎に、クーポンを定義する情報(クーポン情報)が格納されるデータベースである。クーポン情報は、具体的には、図7に示すような、クーポンの識別情報であるクーポンID、クーポン名、使用期限、配信タイミング、配信条件、値引情報等で構成される情報である。
なお、使用期限は、クーポンが使用できる期限を示す。なお、使用期限が切れたクーポンのクーポン情報をクーポンDB243から削除してもよい。
また、配信タイミングは、クーポンを配信する契機(タイミング)を規定する情報である。配信タイミングは、例えば、「店舗Aでの購入時に配信」や、「商品aの購入時に配信」や、「クリスマスイブ(12月24日)に配信」や、「過去に店舗Aで購入した顧客の誕生日に配信」等と定義される。
また、配信条件は、どのような顧客に対してクーポンを配信するかを示す条件である。配信条件は、例えば、「男性顧客」、「過去に店舗Aで購入したことがある顧客」、「過去に○×県で購入したことがある顧客」等と定義される。
また、値引情報は、クーポンを使用することによる割引率や値下額を示す。値引情報は、例えば、「10%割引」、「100円値下」等と定義される。」
「【0034】
(商品を購入する際の動作)
続いて、電子レシートシステム1により顧客(ユーザ)が商品を購入する際の動作について、図8、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、予め、処理の対象となるユーザと店舗とは、それぞれ、ユーザDB241と店舗DB242とに会員として登録されているものとする。また、適切なクーポンがクーポンDB243に登録されているものとする。
【0035】
まず、顧客(ユーザ)は、商品を店員に渡し、自身の携帯端末30からクーポンを利用してこの商品を購入する旨を伝える。なお、この際、顧客は、使用したいクーポンを選択するための操作を行う必要はない。
クーポンを利用して商品を購入する旨を伝えられた店員は、店舗端末10のコード読取部16に携帯端末30を近接させることを顧客に告げる。顧客は、店舗端末10のコード読取部16に携帯端末30を近接させ、店舗端末10と携帯端末30との間で非接触通信が開始される。そして、携帯端末30は、所有者である顧客(ユーザ)のユーザIDを含んだ搬送波を送信する(ステップS11)。
【0036】
店舗端末10の非接触通信部11は、携帯端末30から送信されている搬送波を受信し、受信した搬送波を復調してユーザIDを取得する(ステップS21)。店舗端末10の制御部17は、通信部12を制御して、受信したユーザIDと店舗端末10に予め設定されている店舗IDとを含んだクーポン取得要求を管理サーバ20に送信する(ステップS22)。」
「【0040】
店舗端末10が管理サーバ20からクーポン情報を受信すると、その旨が表示部14に表示される。店員は、この表示を確認した後、顧客が購入した商品のバーコードを店舗端末10のコード読取部16に読み取らせる。コード読取部16が商品のバーコードを読み取ると、店舗端末10の制御部17は、会計処理を行う(ステップS23)。具体的には、店舗端末10の制御部17は、コード読取部16がバーコードから読み取った商品コードで特定される商品について、商品データ(商品名や単価)を商品マスタファイルから読み出す。そして、制御部17は、読み出した商品データと、取得したクーポン情報が示す値引情報とに基づいて、クーポンを使用して商品を購入した場合の購入内容を示す売上データを生成して記憶部15に記憶する。なお、バッチ処理などにより、制御部17は、蓄積した売上データを外部の図示せぬ集計サーバ等に定期的に送信してもよい。
【0041】
続いて、店舗端末10の制御部17は、通信部12を制御して、ステップS23の会計処理で作成した売上データと、自身の店舗IDと、ステップS21で取得したユーザIDとを含んだレシート要求を管理サーバ20に送信する(ステップS24)。
【0042】
レシート要求を受信すると、管理サーバ20の制御部25は、当該レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報をユーザDB241から検出し、検出したユーザ情報の購入履歴に売上データの内容を記録(追記)する(図9、ステップS33)。」
「【0044】
続いて、制御部25は、クーポンDB243から配信条件に合致するクーポンを検出して購入者の保有クーポンとして登録する(ステップS35)。
【0045】
具体的には、まず、制御部25は、受信したレシート要求に含まれる売上データの内容に合致する配信タイミングが設定されているクーポンをクーポンDB243から検出する。例えば、レシート要求に含まれる売上データが、店舗Aで商品aを1000円で購入したことを示している場合、制御部25は、「店舗Aでの購入時に配信」、「商品aの購入時に配信」、「1000円以上の購入時に配信」等の配信タイミングが設定されているクーポンをクーポンDB243から検出する。
続いて、制御部25は、レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報をユーザDB241から検出し、検出したユーザ情報が示すユーザの属性(性別・年齢等)や購入履歴に基づいて、さきほど検出したクーポンのなかから配信条件を満たすものを絞り込む。そして、制御部25は、絞り込んだクーポンのクーポンIDを、検出したユーザ情報の保有クーポンに登録すればよい。
【0046】
続いて、制御部25は、通信部21を制御して、ステップS34で取得したレシートテンプレートデータと広告情報、受信したレシート要求に含まれる売上データ、および、ステップS35で登録したクーポンのクーポン情報を購入者であるユーザの携帯端末30宛に送信する(ステップS36)。なお、携帯端末30への宛先は、レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報に含まれるメールアドレスから取得すればよい。また、ステップS36による携帯端末30への送信処理を、プッシュ型情報配信を行う図示せぬ別のサーバに行わせてもよい。
【0047】
続いて、携帯端末30は、受信したクーポン情報を自身のハードディスク等に記憶する(ステップS12)。
【0048】
続いて、携帯端末30は、受信したレシートテンプレートデータと広告情報と売上データとに基づいて、レシート表示用の画像データ(レシート画像データ)を作成する(ステップS13)。そして、携帯端末30は、作成したレシート画像データに基づいて、液晶ディスプレイにレシート画像を表示する(ステップS14)。ユーザは、この表示を確認することで、紙のレシートを確認すること無しに、何を購入したかを確認することができる。また、このレシート画像には、その購入店舗に対応した広告が表示されているため、ユーザに対する宣伝効果を期待することができる。以上で商品購入時の処理は終了する。」
「【0064】
また、上記実施形態では、管理サーバ20が電子クーポン表示用の情報を携帯端末30に送信し(図9、ステップS36)、携帯端末30がこの情報からレシート画像データを作成した(ステップS13)。しかし、管理サーバ20がレシート画像データを作成して、作成したレシート画像データを携帯端末30に送信してもよい。」
「【図1】
[図:0001401605000001.jpg]
」
「【図3】
[図:0001401605000002.jpg]
」
「【図8】
[図:0001401605000003.jpg]
」
「【図9】
[図:0001401605000004.jpg]
」
イ 引用文献1に記載された発明
上記アの摘記事項から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「店舗で商品を購入した顧客(ユーザ)の携帯端末に電子レシートを送信するとともに、クーポンの配信や広告の表示等の種々のサービスを提供する電子レシートシステムであって、(【0017】)
電子レシートシステムは、各店舗に配置された店舗端末と、該店舗端末とネットワークを介して接続する管理サーバとを備え、(【0018】)
店舗端末は、POS(Point of Sale)端末であり、顧客であるユーザが商品を購入した際の会計処理を行い、(【0019】)
管理サーバは、ネットワークを介して各店舗の店舗端末やユーザの携帯端末と接続され、電子レシートやクーポンの配信等の処理を行い、通信部と、記憶部と、制御部と、を備え、(【0026】)
通信部は、制御部の制御のもと、ネットワークを介して各店舗端末と通信を行い、(【0027】)
記憶部は、ユーザDBと店舗DBとクーポンDBとを備え、(【0029】)
ユーザDBは、電子レシートシステム1に会員登録したユーザ毎に、ユーザに関する情報(ユーザ情報)が格納されるデータベースであって、ユーザ情報は、ユーザの識別情報であるユーザID、氏名、住所、年齢、性別、誕生日、ユーザの携帯端末のメールアドレス、ユーザが所有しているクーポンのクーポンIDのリストを示す保有クーポン、この顧客による各店舗での商品購入の履歴を記録した情報(購入日時、店舗名、商品名、金額等を示した情報)である購入履歴等から構成され、(【0030】)
クーポンDBは、電子レシートシステムで利用可能なクーポン毎に、クーポンを定義する情報(クーポン情報)が格納されるデータベースであって、クーポン情報は、クーポンの識別情報であるクーポンID、クーポン名、使用期限、配信タイミング、配信条件、値引情報等で構成され、配信タイミングは、クーポンを配信する契機(タイミング)を規定する情報であって、例えば、「店舗Aでの購入時に配信」や、「商品aの購入時に配信」や、「クリスマスイブ(12月24日)に配信」や、「過去に店舗Aで購入した顧客の誕生日に配信」等と定義され、配信条件は、どのような顧客に対してクーポンを配信するかを示す条件であって、例えば、「男性顧客」、「過去に店舗Aで購入したことがある顧客」、「過去に○×県で購入したことがある顧客」等と定義され、(【0032】)
電子レシートシステムにより顧客(ユーザ)が商品を購入する際の動作として、顧客が店舗端末のコード読取部に携帯端末を近接させることにより、携帯端末は、非接触通信によって、店舗端末に所有者である顧客(ユーザ)のユーザIDを含んだ搬送波を送信し、店舗端末の非接触通信部は、受信した搬送波を復調してユーザIDを取得し、(【0034】~【0036】)
店員は、顧客が購入した商品のバーコードを店舗端末のコード読取部に読み取らせると、店舗端末の制御部は、コード読取部がバーコードから読み取った商品コードで特定される商品について、商品データ(商品名や単価)を商品マスタファイルから読み出し、読み出した商品データに基づいて、購入内容を示す売上データを生成して記憶部に記憶する会計処理を行い、続いて、通信部を制御して、会計処理で作成した売上データと、自身の店舗IDと、ユーザIDとを含んだレシート要求を管理サーバに送信し、(【0040】、【0041】)
レシート要求を受信すると、管理サーバ20の制御部25は、当該レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報をユーザDBから検出し、検出したユーザ情報の購入履歴に売上データの内容を記録(追記)し、(【0042】)
続いて、管理サーバの制御部は、例えば、レシート要求に含まれる売上データが、店舗Aで商品aを1000円で購入したことを示している場合、「店舗Aでの購入時に配信」、「商品aの購入時に配信」、「1000円以上の購入時に配信」等の配信タイミングが設定されているクーポンをクーポンDBから検出することにより、受信したレシート要求に含まれる売上データの内容に合致する配信タイミングが設定されているクーポンをクーポンDBから検出し、続いて、レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報をユーザDBから検出し、検出したユーザ情報が示すユーザの属性(性別・年齢等)や購入履歴に基づいて、検出したクーポンのなかから配信条件を満たすものを絞り込み、絞り込んだクーポンのクーポンIDを、検出したユーザ情報の保有クーポンに登録することにより、クーポンDBから配信条件に合致するクーポンを検出して購入者の保有クーポンとして登録し、(【0044】~【0045】)
続いて、管理サーバの制御部は、通信部を制御して、電子クーポン表示用の情報として、レシートテンプレートデータと広告情報、受信したレシート要求に含まれる売上データ、および、登録したクーポンのクーポン情報を、購入者であるユーザの携帯端末宛に送信し、携帯端末の宛先は、レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報に含まれるメールアドレスから取得され、(【0046】、【0064】)
携帯端末30は、受信したクーポン情報を自身のハードディスク等に記憶し(【0047】)、受信したレシートテンプレートデータと広告情報と売上データとに基づいて、レシート表示用の画像データ(レシート画像データ)を作成し、作成したレシート画像データに基づいて、液晶ディスプレイにレシート画像を表示する、(【0048】)
電子レシートシステム。」
(2)引用文献2(特許5738938号公報)
ア 引用文献2に記載された事項
取消理由で通知した引用文献2には、以下の事項が記載されている。
「【0013】
かかる構成の電子レシートシステムにおいては、店舗1のPOS端末2で商品販売データ処理が行なわれて生成された決済の内容を示す電子レシート情報が、ネットワーク5を介して電子レシート管理サーバ9に伝送され、この電子レシート管理サーバ9から、会員の携帯端末8に電子レシート情報が送信される。会員は、携帯端末8の表示部に電子レシート情報を表示させ、その内容を確認することができる。また、電子レシート管理サーバ9は、電子レシート情報をWeb上に公開する。Webブラウザを実装してなる携帯端末8は、URL(Uniform Resource Locator)を指定することにより、Web上に公開された電子レシート情報を携帯端末8にダウンロードしてWebブラウザで閲覧することができる。なお、携帯端末8に電子レシート情報を閲覧するためのアプリケーションソフトウェアをインストールして閲覧するようにしても良い。」
「【0021】
1.店舗のPOS端末2における運用例
(1)まず、POS端末2を操作するチェッカーが、商品登録(決済)時に電子レシートサービスを実施するか否かと、ポイントカードの有無を確認する。電子レシートサービスを実施する場合、消費者は、携帯端末8とポイントカードを提示する。
(2)チェッカーは、携帯端末8に記憶されている会員コードとポイントカードの企業会員コードをそれぞれPOS端末2に入力する。ここで、携帯端末8に記憶されている会員コードのPOS端末2への入力は、POS端末2に設けられたI/Oに依存するが、上述のようなバーコード・二次元コード・NFC等が適用される。
(3)POS端末2は、電子レシート管理サーバ9へトランザクションと(3)で読み取った会員コード及びポイントカードの企業会員コードを送信する。
(4)電子レシート管理サーバ9は、(3)で送信された情報を受け取り、店舗1のPOS端末2で商品販売データ処理が行なわれて生成された決済の内容を示す電子レシート情報及び会員コードと、ポイントカードの企業会員コードが同時送信されたことが初回の場合、当該電子レシート管理サーバ9に登録する。
【0022】
以後、消費者は、携帯端末8もしくはポイントカードのみの提示で、電子レシートシステムにおけるサービスとポイント付与のサービスを受けることができる。」
「【0024】
以上のようにして、一意の電子レシートの会員コードで電子レシートシステムにおけるサービスやポイント付与のサービスを管理することにより、従来のポイントカードを所有している店舗ではポイントカードを提示することで、ポイントカードを所有していない店舗では、携帯端末8を提示することで、電子レシートシステムにおけるサービスを受けることが可能になる。その結果、電子レシートの会員コードが各企業の各企業会員カードを関連付けるHUBの役割としての存在となることができる。」
「【0038】
次に、顧客用レシート管理サーバとして機能する電子レシート管理サーバ9の要部構成を、図5のブロック図を用いて説明する。電子レシート管理サーバ9は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)51、データを一時的に記憶しておくためのメモリ52、CPU51からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記憶される記憶部53、ネットワーク5に接続されるネットワークインターフェース54等で構成されている。」
「【0040】
記憶部53には、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に記憶するための領域として電子レシート管理領域53aが確保されている。より詳細には、電子レシート管理領域53aは、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を会員毎に管理する。
【0041】
ここで、電子レシート管理領域53aに記憶される電子レシート情報のデータ構成について説明する。図7は、電子レシート情報のデータ構成を例示的に示す模式図である。図7に示すように、電子レシート情報は、消費者毎に一意に決められた会員コードに対応付けて、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード(CVSやスーパーなどの業種業態のほか、加盟団体や加盟グループを含む)、企業会員カードの企業会員コードなどを含んでいる。
【0042】
また、図7に示すように、電子レシート情報は、会員コードに対応付けて、店舗コード(店舗の識別コード)、レジコード(POS端末2の識別コード)、取引ナンバー(レシートナンバー)、商品販売データ、領収書発行済フラグ、付加情報(クーポン、保証書など)などを含んでいる。」
「【図1】
[図:0001401605000005.jpg]
」
「【図5】
[図:0001401605000006.jpg]
」
イ 引用文献2に記載された技術的事項
上記アの摘記事項から、引用文献2には、次の技術的事項が記載されている。
「店舗のPOS端末で商品販売データ処理が行なわれて生成された決済の内容を示す電子レシート情報が、ネットワークを介して電子レシート管理サーバに伝送され、この電子レシート管理サーバから、会員の携帯端末に電子レシート情報が送信され、会員は、携帯端末の表示部に電子レシート情報を表示させ、その内容を確認することができる電子レシートシステムであって、(【0013】)
POS端末を操作するチェッカーは、商品登録(決済)時に電子レシートサービスを実施するか否かと、ポイントカードの有無を確認し、電子レシートサービスを実施する場合、消費者は、携帯端末とポイントカードを提示し、チェッカーは、携帯端末に記憶されている会員コードとポイントカードの企業会員コードをそれぞれPOS端末に入力し、POS端末は、電子レシート管理サーバへトランザクションと会員コード及びポイントカードの企業会員コードを送信し、送信された情報を受け取った電子レシート管理サーバは、決済の内容を示す電子レシート情報及び会員コードと、ポイントカードの企業会員コードが同時送信されたことが初回の場合、当該電子レシート管理サーバに登録し、(【0021】)
以後、消費者は、携帯端末もしくはポイントカードのみの提示で、電子レシートシステムにおけるサービスとポイント付与のサービスを受けることができ、(【0022】)
一意の電子レシートの会員コードで電子レシートシステムにおけるサービスやポイント付与のサービスを管理することにより、電子レシートの会員コードが各企業の各企業会員カードを関連付けるHUBの役割としての存在となり、従来のポイントカードを所有している店舗ではポイントカードを提示することで、ポイントカードを所有していない店舗では、携帯端末を提示することで、電子レシートシステムにおけるサービスを受けることが可能になり、(【0024】)
電子レシート管理サーバの記憶部には、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に記憶するための領域として電子レシート管理領域が確保されており、電子レシート管理領域に記憶される電子レシート情報は、消費者毎に一意に決められた会員コードに対応付けて、企業コード、業種・業態コード、企業会員カードの企業会員コード、店舗コード、レジコード、取引ナンバー(レシートナンバー)、商品販売データ、領収書発行済フラグ、付加情報(クーポン、保証書など)などを含む、(【0038】、【0040】~【0042】)
電子レシートシステム。」
3 当審の判断
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「電子レシートシステム」は、店舗で商品を購入した顧客(ユーザ)の携帯端末に電子レシートを送信するとともに、クーポンの配信等のサービスを提供するものであり、引用発明の「電子レシートシステム」における「管理サーバ」は、ネットワークを介して各店舗の店舗端末やユーザの携帯端末と接続され、電子レシートやクーポンの配信等の処理を行うものであるから、引用発明の「管理サーバ」は、本件発明1の「電子レシートサーバ」に相当する。
(イ)引用発明の「管理サーバ」の「通信部」は、制御部の制御のもと、ネットワークを介して各店舗端末と通信を行い、店舗端末における会計処理で作成された購入内容を示す売上データと、店舗IDと、商品を購入した顧客(ユーザ)のユーザIDとを含んだレシート要求を、当該店舗端末から受信するものであるから、引用発明の「購入内容を示す売上データ」、「顧客」、「ユーザID」は、本件発明1の「成立した取引の内容」、「取引を行った取引者」、「取引者コード」にそれぞれ相当し、引用発明の当該売上データと顧客のユーザIDを含んだ「レシート要求」は、本件発明1の「成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データ」に相当する。
また、引用発明の「店舗端末」は「POS(Point of Sale)端末」であり、顧客であるユーザが商品を購入した際の会計処理を行うものであるところ、本件明細書には、
「【0011】
POS端末200は、物品の販売、飲食物の提供、あるいはサービスの提供などの任意の取引の内容を登録し、さらには決済するための処理を行う。POS端末200は、取引を行った取引者が電子レシートサービスの会員である場合に、取引の内容を電子レシートサーバ100に通知する。つまりPOS端末200は、取引登録装置の一例である。」
と記載されていることから、引用発明の「店舗端末」は、本件発明1の「取引登録装置」に相当する。
そして、引用発明の「管理サーバ」において、ネットワークを介して各店舗端末と通信を行う「通信部」が店舗端末から「レシート要求」を受信することは明らかであるから、
引用発明の「通信部」は、本件発明1の「成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを取引登録装置から受信する受信手段」に相当する。
(ウ)引用発明の「管理サーバ」の「制御部」は、「店舗端末」から「レシート要求」を受信した後に、受信した「レシート要求」に含まれるユーザIDを有するユーザ情報をユーザDBから検出し、検出したユーザ情報の購入履歴に売上データの内容を記録(追記)するものであり、当該売上データの内容は、「記憶部」のユーザDBに格納されるユーザ情報の購入履歴に追記されるものであるから、引用発明のユーザ情報の購入履歴に追記される「売上データの内容」は、本件発明1の「前記受信手段により前記取引登録装置から受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータ」に相当し、引用発明の「記憶部」は、本件発明1の「記憶デバイス」に相当する。また、引用発明において、当該「売上データの内容」は、「レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報」の購入履歴に追記されるのであるから、引用発明の当該追記の動作は、本件発明1の「前記受信手段により前記取引登録装置から受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータを前記取引者コードに関連づけて記憶デバイスに保存する」という処理に相当する。
したがって、引用発明において、このような記録(追記)を行う「制御部」は、本件発明1の「前記受信手段により前記取引登録装置から受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータを前記取引者コードに関連づけて記憶デバイスに保存する保存手段」に相当する。
(エ)引用発明の「管理サーバ」の「制御部」は、店舗端末からレシート要求を受信すると、上記(ウ)の記録(追記)を行う処理に続き、受信したレシート要求に含まれる売上データの内容に合致する配信タイミングが設定されているクーポンをクーポンDBから検出した後、レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報をユーザDBから検出し、当該ユーザ情報が示すユーザの属性(性別・年齢等)や購入履歴に基づいて、検出したクーポンのなかから配信条件を満たすものを絞り込み、絞り込んだクーポンのクーポンIDを、検出したユーザ情報の保有クーポンに登録することにより、クーポンDBから配信条件に合致するクーポンを検出して購入者の保有クーポンとして登録するものであり、引用発明の「クーポン」は、本件発明1の「特典」に相当する。ここで、引用発明の「管理サーバ」の「制御部」は、例えば、受信したレシート要求に含まれる売上データが、店舗Aで商品aを1000円で購入したことを示している場合、「店舗Aでの購入時に配信」、「商品aの購入時に配信」、「1000円以上の購入時に配信」等の配信タイミングが設定されているクーポンを検出することにより、受信したレシート要求に含まれる売上データの内容に合致する配信タイミングが設定されているクーポンを検出するものであるところ、この受信したレシート要求に含まれる「売上データ」は、当該「レシート要求」に関する取引に係るデータであることは明らかである。
してみると、引用発明において、「レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報」「が示すユーザの属性(性別・年齢等)や購入履歴に基づいて、検出したクーポンのなかから配信条件を満たす」状態は、本件発明1の「予め定められた条件が前記受信された取引データに関する取引に対して成立する」状態に相当し、引用発明において、「配信条件を満たすものを絞り込」むことにより得られる「絞り込んだクーポン」は、本件発明1の「予め定められた特典」に相当する。
また、引用発明において、「管理サーバ」の「記憶部」が備える「ユーザDB」は、「電子レシートシステム1に会員登録したユーザ毎に、ユーザに関する情報(ユーザ情報)が格納されるデータベース」であり、「ユーザ情報」には「ユーザID」が含まれるところ、管理サーバの制御部は、「レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報をユーザDBから検出」することから、「ユーザDB」に格納される「ユーザID」は「電子レシートシステム1に会員登録したユーザ」の識別情報であり、「レシート要求に含まれるユーザID」によって「ユーザDBから検出」される「ユーザ情報」に対応する「ユーザ」は、本件発明1の「付与者」に相当する。ここで、上記(イ)で示したように、引用発明の「ユーザID」は、本件発明1の「取引者コード」に相当するから、引用発明において、「ユーザDBから検出」され、「レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報」に対応する「ユーザ」は、本件発明1の「前記取引者コードに関連づけられた付与者」に相当するといえる。
そして、引用発明において、「絞り込んだクーポン」のクーポンIDを、「検出したユーザ情報の保有クーポンに登録する」ことにより、「クーポンDBから配信条件に合致するクーポンを検出して購入者の保有クーポンとして登録」する処理は、本件発明1の「予め定められた特典を前記取引者コードに関連づけられた付与者に付与する」処理に相当する。
そして、引用発明の「管理サーバ」の「制御部」は、レシート要求を受信すると、上記(ウ)の記録(追記)を行う処理に続き、上記の「登録」する処理を行うのであるから、この「登録」する処理は、「管理サーバ」が「レシート要求」を受信した後に行われる処理である。そうすると、引用発明は、本件発明1の「前記受信手段により前記取引データが受信された時」に相当する時に、上記「登録」を行っている。
したがって、引用発明において、このようなクーポンを購入者の保有クーポンとして登録する「制御部」は、本件発明1の「前記受信手段により前記取引登録装置から前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記取引登録装置から受信された取引データに関する取引に対して成立するならば、予め定められた特典を前記取引者コードに関連づけられた付与者に付与する付与手段」に相当する。
(オ)引用発明の「管理サーバ」の「制御部」は、上記(エ)の配信条件を満たすクーポンを購入者の保有クーポンとして登録する処理に続き、通信部を制御して、受信したレシート要求に含まれる売上データ、および、「登録したクーポン」のクーポン情報を、購入者であるユーザの携帯端末宛に送信しており、ここでいう「登録したクーポン」とは、上記(エ)で示した事項から、本件発明1の「付与手段」により付与された「特典」に相当する。
そして、引用発明の「管理サーバ」の「制御部」は、「登録したクーポンのクーポン情報を、購入者であるユーザの携帯端末宛に送信」しており、その宛先は「レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報に含まれるメールアドレス」から取得されるものであるから、引用発明の「レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報に含まれるメールアドレス」は、本件発明1の「前記取引者コードに関して定められた通知先」に相当し、引用発明の当該送信処理は、本件発明1の「特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する」処理に相当する。
そして、引用発明の「管理サーバ」の「制御部」は、上記(エ)で示した配信条件を満たすクーポンを購入者の保有クーポンとして登録する処理に続いて、当該送信処理を実行するから、本件発明1の「前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段」と、「前記付与手段により前記特典が付与された時に、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段」である点で共通する。
(カ)上記(ア)~(オ)によれば、本件発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
「成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを取引登録装置から受信する受信手段と、
前記受信手段により前記取引登録装置から受信された前記取引データに含まれるデータのうちの保存すべきものとして定められたデータを前記取引者コードに関連づけて記憶デバイスに保存する保存手段と、
前記受信手段により前記取引登録装置から前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記取引登録装置から受信された取引データに関する取引に対して成立するならば、予め定められた特典を前記取引者コードに関連づけられた付与者に付与する付与手段と、
前記付与手段により前記特典が付与された時に、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する通知手段と、
を具備する電子レシートサーバ。」
[相違点]
「通知手段」に関して、本件発明1は、「前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する」のに対し、引用発明は、「前記付与手段により前記特典が付与された時に、」「特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する」ものの、「前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように」通知するものであるか定かではない点。
イ 相違点に対する当審の判断
(ア)引用発明における「レシート画像」と「クーポン情報」の表示について
引用発明の「管理サーバ20」が「携帯端末30」に送信する「電子クーポン表示用の情報」は「レシートテンプレートデータと広告情報、受信したレシート要求に含まれる売上データ、および、登録したクーポンのクーポン情報」である。また、引用発明における「管理サーバ」から「レシートテンプレートデータと広告情報、受信したレシート要求に含まれる売上データ、および、登録したクーポンのクーポン情報」である「電子クーポン表示用の情報」を受信した「携帯端末」は、受信した「レシートテンプレートデータ」と「広告情報」と「売上データ」とに基づいて作成した「レシート画像データ」に基づいて、液晶ディスプレイに「レシート画像」を表示するものであるところ、「売上データ」は購入内容を示すものであり、一般的にレシートは一の取引に関する購入内容を記したものであるから、「レシート画像」は、そのレシート画像データがどの「取引」に該当するかを特定し得るものであるといえるものの、特許権者の令和5年1月31日提出の意見書における主張の記載を踏まえて再検討したところ、引用文献1の「レシート画像データ」は「登録したクーポンのクーポン情報」に基づいて作成されたものとはいえない。
また、上記のとおり、引用発明の「管理サーバ20」が「携帯端末30」に送信する情報は「電子クーポン表示用の情報」であるから、「携帯端末30」では「クーポン情報」も表示されるといえるものの、引用発明における「携帯端末30」が、「レシート画像」と「クーポン情報」を同時に表示するものであるか定かではない。これに関し、「クーポン情報」を「携帯端末30」のユーザが確認する事項や、クーポンの表示については、引用文献1に、
「【0058】
また、本発明によれば、最適なタイミングで、ユーザの属性等の条件に合致した最適なクーポンをユーザに配信することも可能となる。また、クーポンを配信する際には、管理サーバ20のユーザDB241内のユーザ情報にクーポンを登録するだけでなく、クーポン情報をユーザの携帯端末30に送信する。従って、ユーザは、携帯端末30に記憶されているクーポン情報を確認するだけで、管理サーバ20にアクセスすること無しに保有しているクーポンを確認することができる。」
「【0064】
また、上記実施形態では、管理サーバ20が電子クーポン表示用の情報を携帯端末30に送信し(図9、ステップS36)、携帯端末30がこの情報からレシート画像データを作成した(ステップS13)。しかし、管理サーバ20がレシート画像データを作成して、作成したレシート画像データを携帯端末30に送信してもよい。」
と記載されているものの、これらの記載から、引用発明の「携帯端末30」において、「レシート画像」と「クーポン情報」が同時に表示されるものであるとまではいえず、そのため、特典がどの取引に関して付与されたのかを取引者が認識できるように通知されたものであるとはいえない。
(イ)本件発明1と引用発明の、解決しようとする課題について
本件明細書の記載によれば、本件発明が解決しようとする課題は、「電子レシートサービスを利用しての取引に対する特典の付与についての実感を利用者に強く印象づけることができる電子レシートサーバ及びそのプログラムと、電子レシートシステムを提供する」(【0005】)ことであるところ、この課題認識は、「過去の購買の実績などを考慮して、多数の利用者の中から特典の付与者を絞り込んで、当該付与者に対して特典を付与する」(【0002】)従来の電子レシートサービスにおいて、「このような電子レシートサービスにおける特典付与は、個々の利用者の取引のタイミングとは無関係なタイミングで実施されることになる。このため、特典の付与を受けた利用者が、どの取引に関して特典が付与されたのかを実感し辛く、特典の付与による利用者のモチベーション向上の効果が十分に得られない恐れがあった。」(【0003】)という問題点に起因して想到されたものである。
そして、本件発明1は、「特典の付与を受けた利用者が、どの取引に関して特典が付与されたのかを実感」できるようにするために、「前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する」という発明特定事項を備えたものであって、これにより、「電子レシートサービスを利用しての取引に対する特典の付与についての実感を利用者に強く印象づけること」という課題を解決し得るものであるといえる。
これに対し、引用文献1には、
「【0002】
商品購入時に電子クーポンを記憶させた携帯電話をPOS(Point of Sale)端末に読み取らせることで、割引サービスの提供を可能にしたシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、サーバからユーザの携帯電話にクーポンをダウンロードし、商品を購入する際に、携帯電話にダウンロードされているクーポンをPOS端末に出力するシステムについて記載されている。
・・・
【0005】
上述のシステムでは、クーポンを利用する場合、顧客が携帯電話を操作して利用したいクーポンを選択する等の操作が必要がある。従って、多数のクーポンを携帯電話に記憶させている場合、ユーザは、対応するクーポンを探すのが面倒であった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、商品購入時に、ユーザが容易にクーポンを使用することができる電子レシートシステム、サーバ、および、プログラムを提供することを目的とする。」
と記載されているように、引用発明が解決しようとする課題は、ユーザの携帯電話にダウンロードしたクーポンを使用して商品を購入する際に、多数のクーポンを携帯電話に記憶させている場合であっても、対応するクーポンを容易に使用できるようにする点にあり、本件発明のように、「特典の付与を受けた利用者が、どの取引に関して特典が付与されたのかを実感」できるようにするものではない。
してみると、引用発明においては、「管理サーバ20」が「登録したクーポンのクーポン情報」を含む「電子クーポン表示用の情報」を「携帯端末30」に送信し、「携帯端末30」が受信した「レシート画像」と「クーポン情報」を表示するものではあるものの、本件発明1のように、「特典の付与を受けた利用者が、どの取引に関して特典が付与されたのかを実感」できるようにするという課題認識はなく、そのために、これら「レシート画像」と「クーポン情報」を同時に表示することにより、上記[相違点]に係る「前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する」構成を採用することを、当業者が容易に想到し得たとはいえない。
また、上記相違点に係る構成については、引用文献2にも記載されておらず、また、本件出願時に周知技術であったともいえない。
したがって、本件発明1は、引用発明と同一であるとはいえず、また引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ 申立人の主張に対する検討
申立人は、上記[相違点]に対する判断に関して、令和5年4月14日提出の意見書において、次のように主張している。
「一方で、「電子クーポン表示用の情報」は、引用文献1の発明を実施するための形態の段落0064に記載されている。
よって、段落0046に記載の「レシートテンプレートデータと広告情報、受信したレシート要求に含まれる売上データ、および、ステップS35で登録したクーポンのクーポン情報」が、段落0064の「電子クーポン表示用の情報」であると解するのが妥当である。
また、特許権者は、引用文献1には、「クーポン情報」を表示するは記載されていないと主張しているが、引用文献1に記載の発明では、段落0058に記載されているように「ユーザは、携帯端末30に記憶されているクーポン情報を確認するだけで、管理サーバ20にアクセスすること無しに保有しているクーポンを確認することができる。」のであるから、携帯端末30にクーポン情報が表示される。
そして、このクーポン情報は、「電子クーポン表示用の情報」に基づいて表示されると解するのが妥当であり、また、段落0064に記載のように、「この情報からレシート画像データを作成」するので、引用文献1の発明を実施するための形態に基づいて、「レシート画像」と「クーポン情報」を同時に表示するようにすることは当業者であれば容易である。
よって、取消理由通知書において審判合議体がご認定のように、「レシート画像」と「クーポン情報」を同時に表示することにより、特典がどの取引に関して付与されたかを取引者が認識できるようにすることは、当業者であれば容易に発明をすることができたものである。」
しかしながら、上記イ(イ)で示したように、引用文献1には、本件発明1のように、「特典の付与を受けた利用者が、どの取引に関して特典が付与されたのかを実感」できるようにするという課題認識はなく、そのために、「前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する」ことを、当業者が容易に想到し得たとはいえない。
(2)本件発明2~4について
本件発明2~4は、本件発明1の構成に限定を加えて減縮したものであり、これらの請求項に係る発明は、いずれも、上記(1)ア(カ)に示した上記[相違点]に係る構成を有しているから、上記(1)に示した理由と同様の理由により、本件発明3~4は、引用発明と同一であるとはいえず、また、本件発明2~4は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)本件発明5について
本件発明5は、本件発明1の「電子レシートサーバ」と、「取引の内容を登録して当該取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを生成する生成手段と、当該取引が成立した時に、前記生成手段により生成された前記取引データを前記電子レシートサーバへと送信する送信手段と、を具備」する「取引登録装置」とを具備する「電子レシートシステム」に関するものであって、上記[相違点]に係る構成を有しているから、上記(1)に示した理由と同様の理由により、引用発明と同一であるとはいえず、また引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4)本件発明6について
本件発明6は、本件発明1で特定された「受信手段」を備えた「電子レシートサーバ」を制御するコンピュータを、本件発明1で特定された「保存手段」、「付与手段」、「通知手段」として機能させるための「プログラム」としたものであり、上記[相違点]に係る構成を有しているから、上記(1)に示した理由と同様の理由により、引用発明と同一であるとはいえず、また引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第5 取消理由(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立理由の概要
申立人は、概略、以下のとおり主張している。
(1)証拠方法
甲1:特表2014-527252号公報
甲2:特許第6259558号公報(取消理由の引用文献1に対応する特許公報)
甲3:特許第5738938号公報(取消理由の引用文献2)
甲4:特開2017-59100号公報
甲5:特許第5562500号公報
甲6:「ロケーションバリュー、「スーツのはるやま公式アプリ」のリニューアルを開発支援」
(2)申立理由の概要
ア 特許法第29条第1項第3号
申立人は、本件発明1、3~6は、甲1に記載された発明である、又は、甲2に記載された発明である旨主張する。
イ 特許法第29条第2項
申立人は、本件発明1、3~6は、甲1発明、甲2発明及び甲6に示される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明2は、甲1発明、甲2発明、上記周知技術及び甲3発明~甲5発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張する。
ウ 特許法第36条第6項第1号
申立人は、本件発明1~6は、発明の詳細な説明に記載されていないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、請求項1~6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。
エ 特許法第36条第6項第2号
本件発明1~6は、発明が明確に記載されていないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、請求項1~6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。
2 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項の申立理由についての判断
(1)甲号証の記載
ア 甲1(特表2014-527252号公報)
甲1には、以下のとおりの記載がある。
「【請求項1】
・・・
前記取引集約構成要素は、前記複数の異なる小売データセンタから受領した前記取引データに基づいて、特定の取引ログを前記ユーザデータベースの中の特定のユーザエンティティに関連付けて、前記取引データベースを更新するように構成され、・・・」
「【0027】
クーポン情報151~152は品目リスト140の中に織り交ぜられている。具体的には、クーポンオファのリンク151は品目142の後に表示され、クーポンオファのリンク152は品目145の後に表示されている。図のように、リンク151と152に関連するクーポンオファはランダムに選択される。しかしながら、他の実施形態では、クーポン情報151~152に関連するオファは、それぞれ品目142と145に基づいて電子メール100に含めるように選択されていてもよい。クーポン情報153は、支払情報190に関連して表示され、それに関連するオファは電子メールを介して提供されるすべてのレシートの中に含めるように選択されていてもよい。あるいは、ある実施形態において、クーポン情報153は、顧客が選択した支払方法を理由としてその電子メール100の中に含めるように選択されていてもよい。クーポン情報154は電子メールの末尾に表示され、これに対応するオファは、上述の複数の理由の何れかのために選択されていてもよい。他の実施形態では、クーポン情報151~154はすべて電子レシート130に織り交ぜられても、またはすべて電子レシート130とは別に表示されてもよい。」
「【0061】
3.2 レシートに関連付けたクーポン情報の電子的手段による提供
図4は、ある実施形態により実店舗で行われる取引に関するレシートに関連付けてクーポン情報を電子的に提供するための方法の流れ400を示す。流れ400は、実施形態に応じて様々な実体によって実行されてもよく、これには小売店、小売サーバ、支払サーバ、クーポンサーバ、および/または他の適当なコンピュータデバイスが含まれる。
【0062】
ブロック410は、ある小売店とある顧客の間の取引、たとえば図3のブロック320に従って行われる取引に関する取引情報を受信するステップを含む。この取引情報はアカウント識別情報を含む。この取引情報はまた、様々な取引詳細、たとえば総額、購入した品目のリスト、その取引に適用されるクーポンまたはその他の割引に関する情報、およびその他を含んでいてもよい。実施形態に応じて、取引情報は端末、小売サーバ、決算プロバイダ、または時にはクーポンサーバのいずれから受信されてもよい。
【0063】
取引情報の粒度は小売店ごとに異なっていてもよい。たとえば、ある小売店は総額だけを提供することも、他の小売店は購入品目ごとの詳細な項目別の説明を提供することもある。ある実施形態において、取引情報は事前フォーマットされたレシートデータまたはテンプレートを含んでいてもよく、そこにクーポン情報が追加されてもよい。ある実施形態において、取引情報はこのようなフォーマッティングを含まない。アカウント識別情報は、たとえば図3のブロック330によって受信される顧客識別子または、その顧客識別子を使って読み出されたアカウント番号であってもよい。
・・・
【0065】
ブロック430は、任意選択で実行され、顧客が獲得できる1つ以上のクーポンオファを選択するステップを含む。ブロック430では、クーポンデータにクーポンオファを読み出すためのクエリを直接、またはクーポンサーバを介して行ってもよい。ある実施形態において、様々な行動をターゲットとしない機構を使って1つ以上のクーポンオファを選択してもよく、これはたとえば、ランダムアルゴリズム、タイムスタンプ、キャンペーンターゲット等である。ある実施形態において、クーポン選択に使用される基準は、取引情報の様々な局面に関連付けられていてもよく、これはたとえば、品目の内容や品目の識別子から選択されたキーワード等である。ある実施形態において、1つ以上のクーポンオファは、取引に関わる1つ以上の品目、取引の日付および/または時刻、使われた金額、顧客の選好、小売店の選好、顧客の購入履歴、小売店の名称、店舗所在地、または顧客のクーポン利用履歴のうちの1つ以上に基づいて選択されてもよい。ある実施形態において、クーポンオファのうちの特定の数だけが選択されてもよい。そのために、ブロック430は、上述のような基準に従って、クーポンオファをランク付けするステップまたは、クーポンサーバにクーポンオファをランク付けするように要求するステップを含んでいてもよい。ある実施形態において、選択されたクーポンは、ランク付け機能で特定の得点が付けられたものに限定されてもよい。クーポンオファを選択し、ランク付けするのに適したどのような技術でも利用できる。
・・・
【0067】
ブロック450は、そのアカウントに関連する電子アドレスを介して、電子レシートをクーポン情報と共に提供するステップを含む。ブロック450はたとえば、アカウントに関連付けて保存された電子アドレスにクーポン情報が記載された電子メールを送信するステップが関わっていてもよい。ブロック450はあるいは、特定のURLに向けられたクライアント要求を受信するステップと、その要求に対して電子レシートで応答するステップを含んでいてもよい。特定のURLは、顧客に電子メールまたはテレックスで伝えられたURL、顧客がウェブアプリケーションにログインすると、クーポンウェブアプリケーションによって表示されるページのURL、その顧客の取引リレイの中の取引に対応するURL、または顧客が利用するモバイルアプリケーションに供給されるXMLベースのデータに対応するURLであってもよく、これらに限定されない。電子レシートは、クライアントから要求を受ける前に生成されていてもよい。あるいは、取引データはデータベースに記憶されてもよい。ユーザが特定のURLをサーバに要求したことに応答して、サーバは記憶された取引データを使い、ブロック440に従って電子レシートを動的に生成する。ブロック430はまた、特定のURLに対する要求の前に、またはそれに応答して実行されてもよい。
【0068】
ある実施形態において、クーポン情報は、顧客がそれによって1つ以上のクーポンオファのための1つ以上のクーポンを印刷すること、または1つ以上のクーポンオファのための1つ以上のデジタルクーポンをその顧客識別子に関連付けられたアカウントに保存することの一方または両方を引き起こすことのできる1つ以上の機構の識別情報を含み、またはそれを含むその他の情報にリンクしている。この機構はたとえば、クーポンサーバが選択されたクーポンオファのためのクーポンの生成を要求する1つ以上のURLを含んでいてもよい。ある実施形態おいて、クーポン情報は1つ以上のクーポンオファのための印刷可能なコピーを含む。ある実施形態において、1つ以上のデジタルクーポンがブロック430で生成されて、顧客のアカウントに保存される。ブロック450は次に、顧客のアカウントにデジタルクーポンがあることを顧客に知らせるステップを含む。」
「【0070】
4.0 システムアーキテクチャの例
図5は、ある実施形態により、本明細書に記載される技術を実施できる例示的なシステム500を示すブロック図である。システム500は、クーポン配布者515により操作されるクーポンサーバ510と、顧客535により操作されるクライアント520と、小売店545が操作する小売サーバ540と端末542と、を含む。」
「【0074】
4.2 端末
端末542は、小売店が店内(すなわち、「店頭」または「実店舗」)での取引を実行するために操作するコンピュータデバイスである。端末542はたとえば、店員が操作するレジスタ、または顧客535が操作する「無人レジ」スタンドでもよい。・・・」
「【0088】
4.5 クーポンサーバ
クーポンサーバ510は、クーポン配布者515によって、様々な目的の中でも特にクーポンをユーザ535等のユーザが獲得できるようにするために操作される。クーポンサーバ510は1つ以上のサーバアプリケーションであってもよく、クーポン配布者515によって操作される1つ以上のコンピュータデバイス上で動作する。ある実施形態において、クーポンサーバ510は、動作中に本明細書に記載された動作を実行できるロジックで構成された特定用途コンピュータである。ある実施形態において、クーポンサーバ510は、1つ以上のプロセッサと、ロードされ、実行されたときに1つ以上のプロセッサに本明細書に詳しく説明される動作を実行させる命令を記憶したメモリ、大量記憶装置、またはその他の非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体と、を含む汎用コンピュータである。」
「【0123】
5.0 実施例
5.1 調整コンピュータの使用例
図6と図7は、ある実施形態にしたがってクーポン情報を含む電子レシートを提供するための流れ600と700を説明する。流れ600と700は、システムの複数の異なる構成要素によって実行され、これには顧客、店舗販売時点情報管理システム、調整コンピュータ、およびクーポンサーバが含まれる。顧客はたとえば、ユーザ535に対応してもよい。店舗販売時点情報管理システムは、たとえば端末542に対応してもよい。実施形態に応じて、調整コンピュータは小売サーバ540および/またはクーポンサーバ510に対応してもよい。調整コンピュータはまた、またはその代わりに、さらに別の当事者により運営される1つ以上の小売店のために電子レシートを配布するためのサーバに対応してもよい。クーポンサーバはたとえば、クーポンサーバ510または、クーポンサーバ510と一緒に動作する小売サーバ540に対応してもよい。」
「【0129】
流れ700は、ブロック620/612が発生すると実行される。流れ700は、ブロック702から始まり、ここで店舗販売時点情報管理システムは、顧客の取引の中で購入された品目のSKUまたはその他の識別子を含むデータをスプールし、このデータを顧客本人特定情報(または、スプールされたデータを過去に判断された顧客本人特定情報に紐付けるために使用可能なセッションデータ)と共に調整コンピュータに送信する。ブロック704で、調整コンピュータはSKUに基づいてメッセージを作成し、フォーマットする。メッセージは、ユーザへのレシートデータおよび/またはレシートデータを取得するために使用可能なURLへのリンクを提供する。」
「【図1】
[図:0001401605000007.jpg]
」
「【図2】
[図:0001401605000008.jpg]
」
「【図4】
[図:0001401605000009.jpg]
」
「【図5】
[図:0001401605000010.jpg]
」
イ 甲4(特開2017-59100号公報)
甲4には、以下のとおりの記載がある。
「【請求項1】
店舗において発行される会員カードのカード番号と、当該カード番号に対して付与されたポイント数とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記会員カードの所有者が電子商取引を行うための会員登録により発行された会員識別情報を、前記カード番号と関連付けて前記記憶手段に記憶させる関連付け手段と、
前記カード番号を指定したポイントの蓄積要求があった場合に、当該カード番号に対して所定のポイントを付与するポイント蓄積手段と、を備え、
前記ポイント蓄積手段は、前記会員識別情報と関連付けられていないカード番号を指定したポイントの蓄積要求があった場合に、前記会員識別情報と関連付けられたカード番号を指定したポイントの蓄積要求があった場合よりも、指定された前記ポイントの蓄積を制限することを特徴とするポイント管理装置。」
「【請求項5】
前記関連付け手段が前記会員識別情報を前記カード番号と関連付けて前記記憶手段に記憶させた場合に、当該カード番号の会員カードの所有者に特典を付与する特典付与手段をさらに有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のポイント管理装置。」
「【0019】
[ポイント管理システムの構成]
図1は、本実施形態に係るポイント管理システム100の構成を示す。ポイント管理システム100は、電子商取引による商品購入及び店舗での商品購入に基づき発生するポイントを一元管理するシステムであって、サーバ装置1の管理者が運営する電子商取引サービスへのユーザ登録(「ウェブ会員登録」とも呼ぶ。)を好適に促進する。ポイント管理システム100は、主に、各ユーザのポイントを管理するサーバ装置1と、ユーザが使用する利用者端末3と、店舗に存在するPOSレジスタ端末4と、を有する。サーバ装置1と利用者端末3、サーバ装置1とPOSレジスタ端末4とは、それぞれ、インターネットなどの通信網2を介してデータ通信を行う。
【0020】
サーバ装置1は、書籍などの商品の販売者が管理するウェブサーバであり、利用者端末3と通信を行うことで、ウェブ会員登録に関する処理を行ったり、利用者端末3からの要求に基づき、販売対象となる商品の情報を表示するための表示情報を利用者端末3に送信したりする。また、サーバ装置1は、ウェブ会員登録を行ったユーザや会員カード5を所持するユーザのポイントを管理し、これらのユーザが商品を購入する際にポイントを付与したり、ポイントの利用を受け付けて支払い金額に反映させたりする。サーバ装置1は、ウェブ会員登録を行ったユーザに対し、電子商取引等に使用する会員ID(会員識別情報)を付与する。サーバ装置1は、本発明における「ポイント管理装置」の一例である。」
ウ 甲5(特許第5562500号公報)
甲5には、以下のとおりの記載がある。
「【0028】
ポイントシステム1はポイント管理サーバ10(ポイント管理装置)及びデータベース15を含む。図2はポイント管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示す。図2に示すように、ポイント管理サーバ10は制御部11、記憶部12、光ディスクドライブ部13、及び通信部14を含む。」
「【0054】
図3に示すように、ステップS101,S102の手続きが完了した後に、ユーザは、電子商取引サービス(仮想商店街)におけるユーザIDと、実店舗で発行された会員証と、を関連付けるための手続きを行う(S103)。例えば、ユーザは、ポイント管理サーバ10によって提供されるウェブページにユーザ端末4からアクセスする。この場合、例えば図6に示すようなログイン画面50がユーザ端末4の表示部に表示される。」
「【0058】
図8に示す登録画面70は、会員証IDを入力するための入力欄72と、セキュリティコードを入力するための入力欄74と、を含んでいる。ユーザは、実店舗で発行されたポイントカード40に印刷された会員証ID44A及びセキュリティコード48を入力欄72,74に入力し、登録ボタン76をクリックする。登録ボタン76がクリックされると、電子商取引サービス(仮想商店街)におけるユーザIDと、実店舗で発行された会員証と、の関連付けがデータベース15に登録される。なお、キャンセルボタン78は本手続きを中止するためのボタンである。」
「【0091】
例えば、ポイント記憶部80及び関連付け情報記憶部86はデータベース15によって実現される。また例えば、関連付け要求受付部82、関連付け情報登録部84、利用要求受付部88、及び利用許可部90はポイント管理サーバ10の制御部11によって実現される。例えば、制御部11がプログラムに従って処理を実行することによって、制御部11がこれらの機能ブロックとして機能するようになる。
・・・
【0094】
関連付け要求受付部82は、ユーザIDと会員証IDとを関連付けるための関連付け要求を受け付ける。そして、関連付け要求が受け付けられた場合に、関連付け情報登録部84は、ユーザIDと会員証IDとの関連付けを示す関連付け情報を関連付け情報記憶部86に登録する。」
「【0262】
[5]例えば、ユーザがステップS103の手続きを完了した場合に、特典として、ユーザにポイントを付与するようにしてもよい。なお、1枚目の会員証がユーザIDに関連付けられた場合に限って、上記のような特典をユーザに付与するようにしてもよい。」
エ 甲6(「ロケーションバリュー、「スーツのはるやま公式アプリ」のリニューアルを開発支援」)
甲6には、以下のとおりの記載がある。
「「クーポン」とは、全店共通で利用できるクーポン機能です。クーポンを発行するとアプリをダウンロードしたユーザーのスマートフォンに、クーポンが発行された内容のプッシュ通知が配信されます。ユーザーは店頭でクーポンを提示し、店員はクーポン内のバーコードを読み込んだあとクーポンの消し込みができるので、クーポンの不正利用を防止することができます。」
(2)特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項についての当審の判断
ア 本件発明1について
上記第4の3(1)ア(カ)で示したとおり、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明は、本件発明1と上記[相違点]を有するから、本件発明1は引用文献1に記載された発明ではない。なお、甲2は引用文献1に係る特許出願の特許公報に対応するが、甲2の発行日は、本件発明に係る特許出願の出願日である平成29年6月8日よりも後の平成30年1月10日であるから、甲2は本件発明の出願前に頒布された刊行物ではない。
また、上記第4の3(1)ア(カ)で示した上記[相違点]に関しては、甲1にも記載されていないから、本件発明1は、甲1に記載された発明ではない。
さらに、上記[相違点]に係る構成に関しては、甲6にも記載されていない。
したがって、本件発明1は、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明ではなく、甲1に記載された発明でもない。
また、本件発明1は、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明、甲1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の構成に限定を加えて減縮したものであり、上記[相違点]に係る構成を有しているから、上記アと同様の理由により、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明ではなく、甲1に記載された発明でもない。
また、上記[相違点]に係る構成については、引用文献2(甲3)、甲4、甲5のいずれにも記載されていない。
したがって、本件発明2は、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明、甲1に記載された発明、周知技術、甲3~甲5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ 本件発明3、本件発明4について
本件発明3、本件発明4は、本件発明1又は本件発明2の構成に限定を加えて減縮したものであり、これらの請求項に係る発明は、いずれも、上記[相違点]に係る構成を有しているから、上記アと同様の理由により、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明ではなく、甲1に記載された発明でもない。
また、本件発明3、本件発明4は、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明、甲1に記載された発明、周知技術、甲3~甲5に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
エ 本件発明5について
本件発明5は、本件発明1の「電子レシートサーバ」と、「取引の内容を登録して当該取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを生成する生成手段と、当該取引が成立した時に、前記生成手段により生成された前記取引データを前記電子レシートサーバへと送信する送信手段と、を具備」する「取引登録装置」とを具備する「電子レシートシステム」に関するものであって、上記[相違点]に係る構成を有しているから、上記アと同様の理由により、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明ではなく、甲1に記載された発明でもない。
また、本件発明5は、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明、甲1に記載された発明、周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
オ 本件発明6について
本件発明6は、本件発明1で特定された「受信手段」を備えた「電子レシートサーバ」を制御するコンピュータを、本件発明1で特定された「保存手段」、「付与手段」、「通知手段」として機能させるための「プログラム」としたものであり、上記[相違点]に係る構成を有しているから、上記アと同様の理由により、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明ではなく、甲1に記載された発明でもない。
また、本件発明3、本件発明4は、甲2に対応する公開特許公報である引用文献1に記載された発明、甲1に記載された発明、周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)特許法第36条第6項第1号についての当審の判断
ア 申立人の主張する理由
申立人は、特許異議申立書(第51~52頁)において、以下のとおり主張する。
「本件請求項1~6に係る発明は、電子レシートサーバ、電子レシートシステム、及び、コンピュータを請求項1に係る電子レシートサーバの各手段として機能させるプログラムに係る発明であるが、電子レシートを生成、発行、送信、配布等する構成が特定されておらず、電子レシートに係る処理をせずに、取引データに基づいて特典を付与する電子商取引用のサーバ、システム、プログラムを含み得る。しかしながら、そのようなサーバ、システム、プログラムは、発明の詳細な説明に記載も示唆もされていない。また、本件発明は段落0005に記載のように、「電子レシートサービスを利用しての取引に対する特典の付与についての実感を利用者に強く印象づけることができる電子レシートサーバ及びそのプログラムと、電子レシートシステムを提供する」ことを課題としているが、請求項において、この課題を解決するための手段(例えば、電子レシートサービスを利用するための手段)が反映されていないため、本件特許発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えたものとなっている。
従って、本件請求項1~6に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものでない。」
イ 当審の判断
発明の詳細な説明の記載によれば、申立人が指摘するように、本件発明が解決しようとする課題は、「電子レシートサービスを利用しての取引に対する特典の付与についての実感を利用者に強く印象づけることができる電子レシートサーバ及びそのプログラムと、電子レシートシステムを提供する」(【0005】)であるところ、上記第4の3(1)イ(イ)で示したとおり、この課題認識は、従来の電子レシートサービスにおいて、「このような電子レシートサービスにおける特典付与は、個々の利用者の取引のタイミングとは無関係なタイミングで実施されることになる。このため、特典の付与を受けた利用者が、どの取引に関して特典が付与されたのかを実感し辛く、特典の付与による利用者のモチベーション向上の効果が十分に得られない恐れがあった。」(【0003】)という問題点に起因して想到されたものである。
これに対し、本件発明1は、「受信手段」において「成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを取引登録装置から受信する」と、「付与手段」において、「前記受信手段により前記取引登録装置から前記取引データが受信された時に、予め定められた条件が前記取引登録装置から受信された取引データに関する取引に対して成立するならば、予め定められた特典を前記取引者コードに関連づけられた付与者に付与」し、さらに、「通知手段」において、「前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する」のであるから、「受信手段」によって取引データが受信されてから、「通知手段」によって特典が付与された旨を通知するまでの処理は、一連の処理として行われるものである。
してみると、本件発明1の発明特定事項により、取引のタイミングで当該取引に係る特典付与が行われ、当該タイミングで当該取引に係る特典付与が通知されることが特定されているといえるから、発明の詳細な説明の段落【0003】で従来の電子レシートサービスの問題点として指摘されている、「特典付与は、個々の利用者の取引のタイミングとは無関係なタイミングで実施される」ことによる「特典の付与を受けた利用者が、どの取引に関して特典が付与されたのかを実感し辛」いという問題点を、「取引データ」を受信したタイミングで「特典が付与された旨」の通知までの一連の処理を実行することにより、解決し得るものであるといえる。
そして、本件発明1は、「通知手段」において、「前記付与手段により前記特典が付与された時に、前記特典がどの取引に関して付与されたのかを前記取引者が認識できるように、特典が付与された旨を、前記取引者コードに関して定められた通知先へと通知する」ことが特定されているところ、この「前記特典」は、「付与手段」によって「予め定められた条件が前記取引登録装置から受信された取引データに関する取引に対して成立する」場合に付与されるものであり、当該取引の内容を表す「取引データ」を受信したタイミングで実行される一連の処理において、特典が付与された旨を通知するのであるから、発明の詳細な説明の段落【0005】に記載の「電子レシートサービスを利用しての取引に対する特典の付与についての実感を利用者に強く印象づけること」という課題を解決し得るものである。
そのため、本件発明1の発明特定事項により、発明の詳細な説明に記載された上記の課題を解決するための手段が反映されているといえ、本件発明1が、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えたものであるとはいえない。
また、本件発明1の構成に限定を加えて減縮した本件発明2~4、本件発明1の「電子レシートサーバ」と、「取引の内容を登録して当該取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを生成する生成手段と、当該取引が成立した時に、前記生成手段により生成された前記取引データを前記電子レシートサーバへと送信する送信手段と、を具備」する「取引登録装置」とを具備する「電子レシートシステム」に関する本件発明5、本件発明1で特定された「受信手段」を備えた「電子レシートサーバ」を制御するコンピュータを、本件発明1で特定された「保存手段」、「付与手段」、「通知手段」として機能させるための「プログラム」に関する本件発明6に関しても、同様の理由により、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えたものであるとはいえない。
したがって、申立人が主張する特許法第36条第6項第1号の申立理由には、理由がない。
(4)特許法第36条第6項第2号についての当審の判断
ア 申立人の主張する理由
申立人は、特許異議申立書(第52頁)において、以下のとおり主張する。
「本件請求項1~6に係る発明は、電子レシートサーバ、電子レシートシステム、及び、コンピュータを請求項1に係る電子レシートサーバの各手段として機能させるプログラムに係る発明であるが、電子レシートを生成、発行、送信、配布等する構成が特定されておらず、どのように電子レシートサーバ等として機能するかが不明であり、発明特定事項に技術的な欠陥がある。また、発明の名称と発明特定事項の関係が整合していない。(特許・実用新案審査基準の明確性要件違反の類型2.2(2)a、c)
従って、本件請求項1~6に係る発明は明確でない。」
イ 当審の判断
本件発明1に係る請求項1には、「電子レシートサーバ」以外に「電子レシート」という用語は用いられていないものの、「成立した取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データ」が「電子レシート」に係るデータであることは明確であり、「電子レシートを生成、発行、送信、配布等する構成が特定されておらず、どのように電子レシートサーバ等として機能するかが不明であり、発明特定事項に技術的な欠陥がある」との申立人の主張には理由がない。
また、本件発明1の構成に限定を加えて減縮した本件発明2~4、本件発明1の「電子レシートサーバ」と、「取引の内容を登録して当該取引の内容を表すとともに、当該取引を行った取引者を識別する取引者コードを含んだ取引データを生成する生成手段と、当該取引が成立した時に、前記生成手段により生成された前記取引データを前記電子レシートサーバへと送信する送信手段と、を具備」する「取引登録装置」とを具備する「電子レシートシステム」に関する本件発明5、本件発明1で特定された「受信手段」を備えた「電子レシートサーバ」を制御するコンピュータを、本件発明1で特定された「保存手段」、「付与手段」、「通知手段」として機能させるための「プログラム」に関する本件発明6に関しても、同様の理由により、申立人の主張には理由がない。
なお、本件発明1~4は「電子レシートサーバ」に関する発明であり、本件発明5は「電子レシートシステム」に関する発明であり、本件発明6は「電子レシートサーバ」を制御するコンピュータを機能させるための「プログラム」に関する発明であるところ、本件特許の発明の名称である「電子レシートサーバ及びそのプログラムと、電子レシートシステム」と、発明特定事項の関係が整合していないとする申立人の主張も理由がない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠によっては、本件請求項1~6に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-700182