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特許異議申立

2025-700795

CM枠の割当装置、割当方法及び割当プログラム

審判番号
2025-700795
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-147383
登録番号
7628481
請求日
2025年08月04日
審決日
2026年03月09日
公報発行日
2026年07月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社電通
  • 【権利者代理人】インフォート弁理士法人
  • 【権利者代理人】青木 宏義
  • 【権利者代理人】天田 昌行
  • 【権利者代理人】木村 晋朗
  • 【異議申立人】山本 美智子
審判長/審判官
  • 審判長 野崎 大進
  • 審判官 古川 哲也
  • 審判官 佐藤 智康
分類
P1651.113-YAA(G06Q) / P1651.121-YAA(G06Q) / P1651.537-YAA(G06Q)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7628481号発明「CM枠の割当装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7628481号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕、7、8について訂正することを認める。 特許第7628481号の請求項2~6に係る特許を維持する。 特許第7628481号の請求項1、7、8に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7628481号の請求項1~8に係る特許についての出願は、令和3年9月10日に出願され、令和7年1月31日にその特許権の設定登録がされ、同年2月10日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和 7年 8月 4日 :特許異議申立人 山本美智子(以下、「申立人」という。)による請求項1~8に係る特許に対する特許異議の申立て 令和 7年11月20日付け:取消理由通知書 令和 8年 1月16日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和8年1月16日に特許権者が行った訂正請求は、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~8について訂正するとともに、本件特許の明細書を、訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであり(以下、本訂正請求書でする訂正を「本件訂正」という。)、その訂正の内容は、次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「前記CM枠の割当要求は、前記スポットCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記スポットCM枠の割当候補に加えて、前記スポットCM枠に前記タイムCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する、ことを特徴とする請求項1に記載のCM枠の割当装置。」と記載されているうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「CM枠の割当要求が入力される入力部と、前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部と、を有し、前記CM枠の割当要求は、前記スポットCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記スポットCM枠の割当候補に加えて、前記スポットCM枠に前記タイムCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する、ことを特徴とするCM枠の割当装置。」に訂正する。(請求項2の記載を引用する請求項3も同様に訂正する。) (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項4に「前記CM枠の割当要求は、前記タイムCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記タイムCM枠の割当候補に加えて、前記タイムCM枠に前記スポットCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する、ことを特徴とする請求項1に記載のCM枠の割当装置。」と記載されているうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「CM枠の割当要求が入力される入力部と、前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部と、を有し、前記CM枠の割当要求は、前記タイムCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記タイムCM枠の割当候補に加えて、前記タイムCM枠に前記スポットCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する、ことを特徴とするCM枠の割当装置。」に訂正する。(請求項4の記載を引用する請求項5も同様に訂正する。) (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項6に「前記タイムCM枠における単位CMあたりの割当時間は、前記スポットCM枠における単位CMあたりの割当時間よりも長い、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のCM枠の割当装置。」と記載されているうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「CM枠の割当要求が入力される入力部と、前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部と、を有し、前記タイムCM枠における単位CMあたりの割当時間は、前記スポットCM枠における単位CMあたりの割当時間よりも長い、ことを特徴とするCM枠の割当装置。」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (7)訂正事項7 願書に添付した明細書の【発明の名称】に記載された「CM枠の割当装置、割当方法及び割当プログラム」を「CM枠の割当装置」に訂正する。 (8)訂正事項8 願書に添付した明細書の段落【0001】に記載された「本開示は、CM枠の割当装置、割当方法及び割当プログラムに関する。」を「本開示は、CM枠の割当装置に関する。」に訂正する。 (9)訂正事項9 願書に添付した明細書の段落【0005】に記載された「そこで本開示は、クライアントニーズにマッチした柔軟で効果的なCMプランニングを行うことができるCM枠の割当装置、割当方法及び割当プログラムを提供することを目的の1つとする。」を「そこで本開示は、クライアントニーズにマッチした柔軟で効果的なCMプランニングを行うことができるCM枠の割当装置を提供することを目的の1つとする。」に訂正する。 (10)訂正事項10 願書に添付した明細書の段落【0006】に記載された「本開示の一態様に係るCM枠の割当装置は、CM枠の割当要求が入力する入力部と、前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部と、を有することを特徴とする。」を「本開示の一態様に係るCM枠の割当装置は、CM枠の割当要求が入力される入力部と、前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部と、を有し、前記CM枠の割当要求は、前記スポットCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記スポットCM枠の割当候補に加えて、前記スポットCM枠に前記タイムCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する、ことを特徴とする。本開示の一態様に係る予測装置は、CM枠の割当要求が入力される入力部と、前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部と、を有し、前記CM枠の割当要求は、前記タイムCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記タイムCM枠の割当候補に加えて、前記タイムCM枠に前記スポットCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する、ことを特徴とする。本開示の一態様に係る予測装置は、CM枠の割当要求が入力される入力部と、前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部と、を有し、前記タイムCM枠における単位CMあたりの割当時間は、前記スポットCM枠における単位CMあたりの割当時間よりも長い、ことを特徴とする。」に訂正する。 (11)訂正事項11 願書に添付した明細書の段落【0007】に記載された「本開示の一態様によれば、クライアントニーズにマッチした柔軟で効果的なCMプランニングを行うことができるCM枠の割当装置、割当方法及び割当プログラムを提供することができる。」を「本開示の一態様によれば、クライアントニーズにマッチした柔軟で効果的なCMプランニングを行うことができるCM枠の割当装置を提供することができる。」に訂正する。 2 一群の請求項について 訂正前の請求項1~6について、請求項2~6は、訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接又は間接的に引用する関係にあり、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 よって、訂正前の請求項1~6に対応する訂正後の請求項1~6は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 訂正事項5に係る訂正前の請求項7、訂正事項6に係る訂正前の請求項8は、他の請求項と引用関係を有しない請求項である。 3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)一群の請求項1~6について ア 訂正事項1 訂正事項1は、訂正前の請求項1を削除する訂正である。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 また、訂正事項1は、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 イ 訂正事項2 訂正事項2は、訂正前の請求項1を引用する形式で記載されていた訂正前の請求項2に対し、訂正事項1による訂正に伴って、請求項2を独立形式に改めた訂正であり、訂正事項2に係る訂正により、請求項2の発明特定事項は実質的に変更されないものであるから、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。 また、訂正事項2は、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 さらに、訂正事項2は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 ウ 訂正事項3 訂正事項3は、訂正前の請求項1を引用する形式で記載されていた訂正前の請求項4に対し、訂正事項1による訂正に伴って、請求項4を独立形式に改めた訂正であり、訂正事項3に係る訂正により、請求項4の発明特定事項は実質的に変更されないものであるから、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。 また、訂正事項3は、上記イの説示と同様に、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 エ 訂正事項4 訂正事項4は、訂正前の請求項1から請求項5のいずれかを引用する形式で記載されていた訂正前の請求項6に対し、訂正前の請求項1を引用するものについて、訂正事項1による訂正に伴って、請求項6を独立形式に改めた訂正であり、訂正事項4に係る訂正により、請求項6の発明特定事項は訂正前の請求項1を引用するものに限定するものであるから、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正、又は、同条同項第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。 また、訂正事項4は、上記イの説示と同様に、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (2)請求項7について 訂正事項5による請求項7についての訂正は、訂正前の請求項7を削除する訂正である。 したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 また、訂正事項5は、上記(1)アの説示と同様に、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (3)請求項8について 訂正事項6による請求項8についての訂正は、訂正前の請求項8を削除する訂正である。 したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 また、訂正事項6は、上記(1)アの説示と同様に、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (4)明細書の訂正について ア 訂正事項7 訂正事項7は、訂正事項5及び訂正事項6に係る訂正により、特許請求の範囲における請求項7に係る特許の「CM枠の割当方法」及び請求項8に係る特許の「CM枠の割当プログラム」を削除したことに伴って、明細書の【発明の名称】の記載を整合させる訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項7は、訂正事項5による訂正によって削除された請求項7及び訂正事項6による訂正によって削除された請求項8と【発明の名称】の記載を整合させる訂正であり、新規事項の追加に該当しないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合し、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 イ 訂正事項8 訂正事項8は、上記アで示したのと同様に、特許請求の範囲と明細書の段落【0001】の記載を整合させる訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項8は、上記アで示したのと同様に、特許請求の範囲と明細書の段落【0001】の記載を整合させる訂正であり、新規事項の追加に該当せず、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 ウ 訂正事項9 訂正事項9は、上記アで示したのと同様に、特許請求の範囲と明細書の段落【0005】の記載を整合させる訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項9は、上記アで示したのと同様に、特許請求の範囲と明細書の段落【0005】の記載を整合させる訂正であり、新規事項の追加に該当せず、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 エ 訂正事項10 訂正事項10は、訂正事項1~訂正事項4に係る訂正により、特許請求の範囲における請求項1を削除し、請求項2、4、6のそれぞれを独立形式に改めた訂正に伴って、特許請求の範囲と明細書の段落【0006】の記載を整合させる訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項10は、上記アで示したのと同様に、特許請求の範囲と明細書の段落【0006】の記載を整合させる訂正であり、新規事項の追加に該当せず、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 オ 訂正事項11 訂正事項11は、上記アで示したのと同様に、特許請求の範囲と明細書の段落【0007】の記載を整合させる訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項11は、上記アで示したのと同様に、特許請求の範囲と明細書の段落【0007】の記載を整合させる訂正であり、新規事項の追加に該当せず、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (5)独立特許要件について 本件においては、全ての請求項1~8について特許異議の申立てがなされているので、訂正事項1~6に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 また、訂正事項7~11は、明瞭でない記載の釈明を目的とすることから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 4 小括 上記のとおり、訂正事項1~11に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕、7、8について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 上記のとおり、本件訂正は認められることから、本件特許の特許請求の範囲の記載は、令和8年1月16日に提出された訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲に記載された、次のとおりのものである。以下、本件特許の請求項2~6に係る発明(訂正後の特許請求の範囲の請求項2~6に記載された発明)を、それぞれ「本件発明2」~「本件発明6」という。 「【請求項1】 (削除) 【請求項2】 CM枠の割当要求が入力される入力部と、 前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部と、 を有し、 前記CM枠の割当要求は、前記スポットCM枠の割当要求であり、 前記取得部は、前記スポットCM枠の割当候補に加えて、前記スポットCM枠に前記タイムCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する、 ことを特徴とするCM枠の割当装置。 【請求項3】 前記取得部は、前記混合CM枠の割当候補の価格が前記スポットCM枠の割当候補の価格より低くなるように、前記混合CM枠の割当候補を取得する、 ことを特徴とする請求項2に記載のCM枠の割当装置。 【請求項4】 CM枠の割当要求が入力される入力部と、 前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部と、 を有し、 前記CM枠の割当要求は、前記タイムCM枠の割当要求であり、 前記取得部は、前記タイムCM枠の割当候補に加えて、前記タイムCM枠に前記スポットCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する、 ことを特徴とするCM枠の割当装置。 【請求項5】 前記取得部は、前記混合CM枠の割当候補の価格が前記タイムCM枠の割当候補の価格より低くなるように、前記混合CM枠の割当候補を取得する、 ことを特徴とする請求項4に記載のCM枠の割当装置。 【請求項6】 CM枠の割当要求が入力される入力部と、 前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部と、 を有し、 前記タイムCM枠における単位CMあたりの割当時間は、前記スポットCM枠における単位CMあたりの割当時間よりも長い、 ことを特徴とするCM枠の割当装置。 【請求項7】 (削除) 【請求項8】 (削除)」 第4 取消理由の概要及び当該取消理由についての当審の判断 1 取消理由通知の概要 訂正前の請求項1、7、8に係る特許に対して、当審において、令和7年11月20日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 (理由1:新規性) 請求項1、7、8に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、7、8に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 (理由2:進歩性) 請求項1、7、8に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、7、8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 引用文献1:特開2002-150107号公報(甲第1号証) 2 取消理由についての当審の判断 取消理由通知における理由1及び理由2は、本件訂正により請求項1、7、8が削除されたことにより、当該取消理由は存在しないこととなった。 第5 取消理由において採用しなかった特許異議申立理由について 1 特許異議申立理由の概要 申立人は、特許異議申立書において、上記第4で言及した取消理由通知で採用した特許異議申立理由以外に、概略、以下のとおり主張している。 (1)証拠方法 甲第1号証:特開2002-150107号公報(取消理由の引用文献1) 甲第2号証:特開2004-129190号公報 甲第3号証:特開2013-175050号公報 甲第4号証:特開2003-162656号公報 甲第5号証:特開2001-14021号公報 甲第6号証:「広辞苑第六版」、岩波書店、第2118頁 (「甲第1号証」~「甲第6号証」を、以下、「甲1」~「甲6」という。) (2)申立理由の概要 ア 特許法第29条第1項第3号 申立人は、本件発明1、2、4、6~8は、甲1に記載された発明である旨主張する。 なお、本件発明1、7、8に対する当該申立て理由については、取消理由通知で採用した。 イ 特許法第29条第2項 申立人は、本件発明1、2、4、6~8は、甲1発明及び甲2発明の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明3、5は、甲1発明及び甲2発明の記載事項並びに技術常識(甲3~甲5)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張する。 なお、本件発明1、7、8に対する当該申立て理由については、取消理由通知で採用した。 ウ 特許法第36条第6項第1号 申立人は、本件発明1~8は、発明の詳細な説明に記載されていないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、請求項1~8に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。 2 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項の申立理由についての判断 (1)甲号証の記載 ア 甲1(特開2002-150107号公報) (ア)甲1の記載 取消理由で引用文献1として採用した甲1には、以下のとおりの記載がある(下線は当審で付した。以下、同様。)。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数のブランドに対して単一の広告媒体における広告枠を選択するための広告枠選択システム及び広告枠選択方法に関する。 【0002】なお、本明細書においてブランドとは、広告宣伝の対象となる商品を意味し、この用語は、広告業界において広く用いられている。また、接触確率という語における「接触」とは、人間が広告を見たり聞いたりすることを意味し、テレビジョン放送が広告媒体の場合、その接触確率はいわゆる視聴率に相当する。」 「【0018】上記広告枠選択システムでは、各ブランドの広告のために割り当てられた予算及び各ブランドに対する広告枠の選択を最適化するための最適化条件が、各ブランド毎に入力手段を介して入力され、選択手段が、入力された予算、広告枠の獲得費用、枠数及び接触確率に基づいて、入力された最適化条件に従い、各ブランドに対する広告枠を選択する。即ち、選択手段は、予算、広告枠の獲得費用、広告枠の枠数といった条件の下で、入力された最適化条件に従ったときの最適化指標が最も大きくなるように、各ブランドに対する広告枠を自動的に選択していく。そして、出力手段が、選択された各ブランドに対する広告枠の情報を出力する。なお、上記の最適化指標としては、例えば、リーチ、GRP(累積視聴率)、TRP(ターゲット視聴率)などが挙げられる。」 「【0029】また、広告媒体がテレビジョン放送であり、広告枠は、テレビ番組に対応づけて定められた番組枠と、広告枠の一般的商取引の対象とされ予め曜日及び時間帯に対応づけて複数種類定められたゾーン毎及びテレビ局毎に定められたスポット枠とから成るよう構成することができる。この場合、スポット枠が、広告枠の一般的商取引の対象とされる複数のゾーン毎に定められており、このゾーンとしては、例えば、平日朝帯、平日夜帯及び土日終日を抱き合わせたいわゆるコの字型広告枠群(図11に示すように時間を縦軸、曜日を横軸としたタイムテーブルにおいてコの字型になることからそう呼ばれる)、平日夜帯及び土日終日のみを抱き合わせたいわゆる逆L字型広告枠群、コの字型広告枠群に平日昼帯を加えたいわゆるヨの字型広告枠群等が採用されている。」 「【0040】[システム構成]図1に示すように、広告枠選択システム10は、広告枠データベース(広告枠DB)18と、入力部12と、広告枠選択方法の中核を成す選択処理を行う選択部14と、出力部16とを含んで構成されている。 【0041】広告枠DB18には、各広告枠の内容、枠費用、初期枠数等を示す広告枠データと、各広告枠に対する視聴者層毎及び全体の視聴率データとが格納されている。例えば、図2に広告枠DB18のサンプルデータの要部を示すが、番組毎の視聴者層別視聴率(F20視聴率は20才台女性の視聴率を、M20視聴率は20才台男性の視聴率を示す)、獲得費用としての番組単価、初期枠数等のデータが、テーブルデータとして各広告枠(図2では番組)毎に格納される。この広告枠DB18は磁気ディスク装置等の記録媒体上に記憶されている。 【0042】入力部12は、各ブランドについての予算、ターゲット等の各種選択条件(以下、「ブランド条件」という)20等を入力するためのものであり、入力された情報を電気信号によって選択部14に送信可能になっている。この入力部12としては、例えば直接データ入力するためのキーボードや、フロッピー(登録商標)ディスクに格納されたデータを入力するためのフロッピーディスクドライブ等が用いられる。 【0043】選択部14は、入力部12から送信されたブランド条件20を示す信号を受信すると共に、その情報及び広告枠DB18のデータに基づき各ブランドに対する広告枠を選択する選択処理を行うことが可能となっている。また、選択処理の結果を示す信号を出力部16に送信することが可能になっている。この選択部14としては、例えば、電子計算機を構成するCPUが用いられる。」 「【0048】図19に示すように、広告枠選択処理は、対象の各ブランドについての予算、ターゲット等の各種ブランド条件20(図1参照)を入力するブランド条件入力ステップT1、ブランド条件20及び広告枠DB18のデータに基づき各ブランドに対する広告枠を選択する選択処理ステップT2、及び選択結果を出力する選択結果出力ステップT3から構成される。」 「【0050】[ブランド条件の入力(図19のステップT1)]図19のブランド条件入力ステップT1では、入力部12を介して、対象の各ブランドについての予算、ターゲット等の各種ブランド条件20(図1参照)が入力される。このブランド条件20の主要なものとして、ターゲット、予算、最適化条件が挙げられ、その一例を図3(a)に示す。図3(a)の例では、ブランドとして商品1~6の各々に対し、ターゲット、予算、最適化指標(最大化すべき目標値の種別)が挙げられており、商品1についてはターゲットが20才台女性(F20)で、予算が1200万円で、最適化指標がTRPマックス(そのブランドのターゲットのTRP(Target Rating Point:個人視聴率)を最大化する意)であることを示している。 【0051】本実施形態の広告枠選択システム10は、各ブランド個別にブランド条件20を詳細に設定するための入力画面を備え、詳細なブランド条件設定が可能であるという特徴を有する。そこで、図4~図10を用いて上記入力画面を説明する。」 「【0066】図7~図10には、各ブランドについての広告枠(ここではスポット枠及び番組枠)に関する条件(ここでは上限本数)の設定を行う画面例を示す。 【0067】スポット枠については、まず図7の画面にて、上限本数を設定すべき対象を、テレビ局とゾーンの組合せで指定する。図7では丸で表す5つの組合せが指定されている。ここで対象を指定すれば、次に図8の画面にて、秒数別(15秒/30秒)・UNIT単位別(GRP/金額/本数)に上限本数を指定できる。」 「【0069】一方の番組枠については、図示しない選択画面にて、番組名・局・曜日・番組放送時間・CM秒数・単価の各項目を指定することで特定される番組枠(図9)から、対象の番組枠を選択欄64へのマークにより選択する。図9では丸で表す6つの番組が選択されている。次に図10の画面にて、選択した各番組枠の制限本数欄66に上限本数を設定可能とされている。」 「【0075】次のステップ104では、そのうち最も優先順位の高いブランドを次の処理における対象ブランドとし、次のステップ106では、その時点の対象ブランド(即ち、最も優先順位の高いブランド)に対し広告枠を選択する。」 「【0098】[選択結果の出力(図19のステップT3)]図19のステップT3では、上記選択処理による選択結果が出力部16により出力される。具体的には、ディスプレイに表示され、オペレータの指示によりプリンタからプリント出力される。・・・ 【0099】図15には、ターゲットを「男性」としたブランド2のプランランキング画面を示す。なお、プランとは、選択処理により得られたブランドへの広告枠の割り付け案をいう。・・・なお、選択の結果、複数のプランが算出されたときは、これら複数のプランをランキング形式で表示する。」 「【図1】 [図:0001437396000001.jpg] 」 「【図7】 [図:0001437396000002.jpg] 」 「【図8】 [図:0001437396000003.jpg] 」 「【図9】 [図:0001437396000004.jpg] 」 「【図10】 [図:0001437396000005.jpg] 」 (イ)甲1に記載された技術事項 上記(ア)の摘記事項によると、甲1には、以下の技術事項が記載されている。 a 段落【0001】、【0002】、【0029】の記載によれば、甲1には、「広告宣伝の対象となる商品である複数のブランドに対して、テレビジョン放送における広告枠を選択するための広告枠選択システム」が記載されている。 b 段落【0029】の記載によれば、甲1に記載の「広告枠選択システム」において、「広告枠は、テレビ番組に対応づけて定められた番組枠と、広告枠の一般的商取引の対象とされ予め曜日及び時間帯に対応づけて複数種類定められたゾーン毎及びテレビ局毎に定められたスポット枠とから成るよう構成することができる」ものである。 c 段落【0040】、【図1】の記載によれば、甲1に記載の「広告枠選択システム10」は、「広告枠データベース(広告枠DB)18と、入力部12と、広告枠選択方法の中核を成す選択処理を行う選択部14と、出力部16とを含んで構成され」るものである。 d 段落【0042】の記載によれば、甲1に記載の「入力部12」は、「各ブランドについての予算、ターゲット等の各種選択条件(ブランド条件)20等を入力し、入力された情報を電気信号によって選択部14に送信」するものである。 e 段落【0043】の記載によれば、甲1に記載の「選択部14」は、「入力部12から送信されたブランド条件20を示す信号を受信すると共に、その情報及び広告枠DB18のデータに基づき各ブランドに対する広告枠を選択する選択処理を行う」ものである。 f 段落【0048】、【0050】、【0051】の記載によれば、甲1において、「広告枠選択処理は、対象の各ブランドについての予算、ターゲット等の各種ブランド条件20を入力するブランド条件入力ステップT1、ブランド条件20及び広告枠DB18のデータに基づき各ブランドに対する広告枠を選択する選択処理ステップT2、及び選択結果を出力する選択結果出力ステップT3から構成され」、「ブランド条件入力ステップT1」では、「広告枠選択システム10は、各ブランド個別にブランド条件20を詳細に設定するための入力画面を備え、詳細なブランド条件設定が可能である」ものである。 g 段落【0066】、【0067】、【0069】、【図7】~【図10】の記載によれば、甲1において、「各ブランドについての広告枠に関する条件の設定を行う」場合、「スポット枠については、まず上限本数を設定すべき対象を、テレビ局とゾーンの組合せで指定し、次に秒数別(15秒/30秒)・UNIT単位別(GRP/金額/本数)に上限本数を指定」し、「番組枠については、番組名・局・曜日・番組放送時間・CM秒数・単価の各項目を指定することで特定される番組枠から、対象の番組枠を選択欄64へのマークにより選択し、次に選択した各番組枠の制限本数欄66に上限本数を設定」するものである。 h 段落【0048】、【0098】、【0099】の記載によれば、甲1において、「選択結果出力ステップT3では、選択処理による選択結果が出力部16により出力され」、「選択処理により得られたブランドへの広告枠の割り付け案(プラン)が複数算出されたときは、これら複数のプランをランキング形式で表示する」ものである。 (ウ)甲1に記載された発明 上記(2)の技術事項から、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。 「広告宣伝の対象となる商品である複数のブランドに対して、テレビジョン放送における広告枠を選択するための広告枠選択システムであって、(上記(イ)a) 広告枠は、テレビ番組に対応づけて定められた番組枠と、広告枠の一般的商取引の対象とされ予め曜日及び時間帯に対応づけて複数種類定められたゾーン毎及びテレビ局毎に定められたスポット枠とから成るよう構成することができ、(上記(イ)b) 広告枠選択システム10は、広告枠データベース(広告枠DB)18と、入力部12と、広告枠選択方法の中核を成す選択処理を行う選択部14と、出力部16とを含んで構成され、(上記(イ)c) 入力部12は、各ブランドについての予算、ターゲット等の各種選択条件(ブランド条件)20等を入力し、入力された情報を電気信号によって選択部14に送信し、(上記(イ)d) 選択部14は、入力部12から送信されたブランド条件20を示す信号を受信すると共に、その情報及び広告枠DB18のデータに基づき各ブランドに対する広告枠を選択する選択処理を行い、(上記(イ)e) 広告枠選択処理は、対象の各ブランドについての予算、ターゲット等の各種ブランド条件20を入力するブランド条件入力ステップT1、ブランド条件20及び広告枠DB18のデータに基づき各ブランドに対する広告枠を選択する選択処理ステップT2、及び選択結果を出力する選択結果出力ステップT3から構成され、 ブランド条件入力ステップT1では、広告枠選択システム10は、各ブランド個別にブランド条件20を詳細に設定するための入力画面を備え、詳細なブランド条件設定が可能であり、(上記(イ)f) 各ブランドについての広告枠に関する条件の設定を行う場合、 スポット枠については、まず上限本数を設定すべき対象を、テレビ局とゾーンの組合せで指定し、次に秒数別(15秒/30秒)・UNIT単位別(GRP/金額/本数)に上限本数を指定し、 番組枠については、番組名・局・曜日・番組放送時間・CM秒数・単価の各項目を指定することで特定される番組枠から、対象の番組枠を選択欄64へのマークにより選択し、次に選択した各番組枠の制限本数欄66に上限本数を設定するものであり、(上記(イ)g) 選択結果出力ステップT3では、選択処理による選択結果が出力部16により出力され、選択処理により得られたブランドへの広告枠の割り付け案(プラン)が複数算出されたときは、これら複数のプランをランキング形式で表示する、(上記(イ)h) 広告枠選択システム。」 イ 甲2(特開2004-129190号公報) 甲2には、以下のとおりの記載がある。 「【0011】 この場合、ユーザは特定の番組中に自己の広告情報を放映することが可能となる。例えば、ペット関連の商品やサービスについて宣伝する場合、これと関係の深い番組中でCMを流す方が無関係の番組中で流すよりも高い効果が期待できる。 しかもユーザは、目的や予算に応じて2種類の放送枠を使い分けることが可能となる。すなわち、「スポット枠」を選択した場合には特定の日付において単発的に広告を打つことが可能となり、「スポンサ枠」を選択した場合には特定の番組において継続的に広告を打つことが可能となる。」 「【0051】 広告データベース59内に格納された広告情報は、広告情報配信部57によってユーザが指定したCATV局の広告関連情報管理サーバ14に順次送信される。 これを受けたCATV用広告関連情報管理サーバ14は、広告情報を放送可能な形式に変換処理した後、ユーザが予約した時間帯(放送枠)において放送を行う。 なお、放送前に広告情報の内容をCATV局のスタッフが視聴し、放送コードに抵触しないことをチェックすることが望ましい。」 「【0060】 図19は、あるCSTV局における特定チャンネルの放送スケジュールを示すものであり、ある曜日の11:00~12:00の時間帯には「テレビ個展」という番組が設定されている。 また、このテレビ個展の番組枠80には、番組本編枠の他に、番組オーナや番組スポンサのための継続的な放送枠、及び一般ユーザのためのスポット的な放送枠が予め確保されている。」 「【0062】 ここで「テレビ個展」にチェックを入れて「OK」ボタンをクリックすると(S64)、図20(d)に示すように、放送枠の種別選択用フォームが送信され(S65)、パソコン18のWebブラウザ上に表示される。 これに対し、ユーザが「スポットユーザ登録」をクリックしてスポット枠の予約を求めると(S66)、図22に示すように、スポットユーザ登録用のフォーム81が予約処理部55からパソコン18に送信され(S67)、画面表示される。 このフォーム81においてユーザが希望日を選択入力すると(S68)、当日における空き情報が予約処理部55から送信され(S69)、フォーム81上に表示される。因みに、図22においては「スポット枠▲2▼」に空きがあるため、そこにチェックを入れることができる。 希望日に空きがない場合には、他の日を選択し直して空きを探せばよい。」 「【0065】 ユーザが、上記した単発的な放送枠の確保では満足できない場合には、希望の番組に関して継続的な放送枠である「番組スポンサ枠」を確保することができる。 この場合、ユーザは図21の(d)において、「番組スポンサ登録」をクリックする。この結果、図23に示すように、センターサーバからパソコン18に番組スポンサ登録用のフォーム83が送信され、画面表示される。 ここでは、番組スポンサ枠▲1▼及び番組スポンサ枠▲3▼に空きがあるため、ユーザは何れかのチェックボックスにチェックを入れて放送枠を選択する。」 「【図19】 [図:0001437396000006.jpg] 」 「【図22】 [図:0001437396000007.jpg] 」 ウ 甲3(特開2013-175050号公報) 甲3には、以下のとおりの記載がある。 「【0006】 ・・・そこで、メーカ側では、当初の顧客要求仕様になるべく沿いつつ、その一部(仕様項目・仕様値など)を代替(類似)のものに変更(修正)した見積り案(以下「代替案」ともいう)を検討・作成・提示することにより、総コストや納期などの値を改善することができ、顧客に受注につながりやすくなる。・・・」 「【0029】 <概要等> 本システム(図1等)では、メーカ側のユーザ(受注見積り案作成担当者など)による対象の製品(仕様)の見積り案の作成の際、コンピュータ画面(GUI)でのユーザ操作に応じて、顧客要求仕様(仕様項目・仕様値の組合せ)及びルール情報などの入力に従い、顧客要求仕様に対しなるべく仕様項目などの変更(修正)の部分(差異)が少なく、コストや納期(LT)などの点(評価指標)でも有利になるような、好適な見積り案(代替案)を作成する支援の処理を行う機能を有する(図2等)。・・・」 「【0048】 ・・・そして、案表示処理(S6)の際には、上記抽出された類似案(変更仕様項目で表す形式)を抽出の優先順で画面に表示する。また例えば案ごとの評価指標値(例えば総コスト)が小さい順で並べ替えて画面に表示する。・・・」 「 [図:0001437396000008.jpg] 」 エ 甲4(特開2003-162656号公報) 甲4には、以下のとおりの記載がある。 「【0077】・・・この見積回答画面ページの一例を図11(b)に示す。この図示例では最上段に顧客の購買希望の品番の仕様内容(例えば洗面台での場合にはその品種、幅サイズ、カウンタ色、扉色など)とともに定価、見積価格、納期が提示されるとともに、この購買希望の品番の下方には代替品番に対応する仕様内容、定価、見積価格、納期が提示される。・・・」 「【0090】 【発明の効果】・・・且つ製造メーカー側にとっても販売促進したい代替商品があればその代替商品の見積をも顧客側へ提示することができ、そのため顧客が代替商品の存在を知って当初購買希望していた商品から代替商品へ購買希望を変更する可能性を生み出すことができる。・・・」 「【図11】 [図:0001437396000009.jpg] 」 オ 甲5(特開2001-14021号公報) 甲5には、以下のとおりの記載がある。 「【0041】次に、以上のような方法で求めた複数の推奨部品表についての顧客満足度について、その値が予め定めた基準値以上の推奨部品表を抽出し、各推奨仕様の内容とともに、図6に示すような推奨仕様テーブルに記録する(S27)。図6に、記録された推奨仕様テーブルの一例を示す。図6において、推奨仕様テーブルは、抽出された各推奨仕様ごとに、すべての部品名、価格、納期、類似度、顧客満足度(CS)、工場側満足度(WS)が示される。前述した顧客満足度の式を使用した場合、それぞれ100点を基準値にする方法が考えられる。図6において、推奨仕様no.1は顧客の要求仕様に準じた部品構成(顧客要求仕様部品表)の製品だが、この仕様では標準部品をあまり使用していなかったため、工場満足度(WS)が負の値になってしまっている。それに対し、no.2の推奨仕様は、メモリを標準部品である64MBのDIMMに代替したので、納期、価格とも低下し、類似度は微妙に減少したものの結果として顧客満足度(CS)が向上している。同時に、工場満足度も向上している。推奨仕様no.5の製品は、工場内で余っている旧部品で代替した場合である。それによって、類似度は下がるが価格は安く、納期とも短くなり、またWSの値が高いので特典としてさらに価格が安く設定されている例である。」 「 [図:0001437396000010.jpg] 」 (2)当審の判断 ア 本件発明2について (ア)対比 本件発明2と甲1発明とを対比する。 a 「CM枠の割当要求が入力される入力部」について 甲1発明の「広告枠」は、本件発明2の「CM枠」に相当する。 また、甲1発明の「入力部12」は、「各ブランドについての予算、ターゲット等の各種選択条件(ブランド条件)20等を入力」するものであり、「ブランド条件入力ステップT1では、広告枠選択システム10は、各ブランド個別にブランド条件20を詳細に設定するための入力画面を備え、詳細なブランド条件設定が可能」であるところ、当該ブランド条件20の設定は、「各ブランドについての広告枠に関する条件の設定を行う」ものであって、「スポット枠については、まず上限本数を設定すべき対象を、テレビ局とゾーンの組合せで指定」し、「番組枠については、番組名・局・曜日・番組放送時間・CM秒数・単価の各項目を指定することで特定される番組枠から、対象の番組枠を選択欄64へのマークにより選択」するものである。 してみると、甲1発明の「入力部12」において、「ブランド条件20」を入力することは、(広告宣伝の対象となる商品である)各ブランドについて、「スポット枠」の場合はテレビ局とゾーンの組合せで「広告枠」を指定し、「番組枠」の場合は「対象の番組枠」を選択することで、それぞれ広告枠の割当を要求するものであるといえる。 したがって、甲1発明において、ブランド条件20を入力する「入力部12」は、本件発明2の「CM枠の割当要求が入力される入力部」に相当する。 b 「前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部」について 甲1発明の「広告枠」は、「テレビ番組に対応づけて定められた番組枠」と「予め曜日及び時間帯に対応づけて複数種類定められたゾーン毎及びテレビ局毎に定められたスポット枠」とから成るよう構成することができるものであり、甲1発明の「番組枠」及び「スポット枠」は、それぞれ本件発明2の「タイムCM枠」及び「スポットCM枠」に相当する。 また、甲1発明の「選択部14」は、「入力部12から送信されたブランド条件20を示す信号を受信すると共に、その情報及び広告枠DB18のデータに基づき各ブランドに対する広告枠を選択する選択処理を行」うものであり、選択処理による選択結果は「ブランドへの広告枠の割り付け案(プラン)」として複数出力し得るものであるところ、甲1発明において、選択処理による選択結果である「ブランドへの広告枠の割り付け案(プラン)」は、本件発明2の「(CM枠の)割当候補」に相当する。 そして、上記aを踏まえると、甲1発明の「入力部12」において入力された「ブランド条件20」は、「番組枠」と「スポット枠」のいずれの場合も広告枠の割当を要求する際の条件であるといえるから、甲1発明の「選択部14」が、入力部12から送信されたブランド条件20に基づいて広告枠を選択する選択処理を行う場合、「番組枠」の割当要求に対しては「番組枠の割当候補」を、「スポット枠」の割当要求に対しては「スポット枠の割当候補」を、それぞれ選択することは自明である。 したがって、甲1発明において、ブランド条件20に基づいて広告枠を選択する選択処理を行う「選択部14」は、本件発明2の「前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部」と、「前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠の割当候補を取得する取得部」である点で共通する。 c 「CM枠の割当装置」について 上記a、bを踏まえると、甲1発明の上記の入力部12と選択部14を含んで構成される「広告枠選択システム10」は、本件発明2の「CM枠の割当装置」に相当する。 d 上記a~cによれば、本件発明2と甲1発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 [一致点] 「CM枠の割当要求が入力される入力部と、 前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠の割当候補を取得する取得部と、 を有することを特徴とするCM枠の割当装置。」 [相違点1] 本件発明2は、CM枠の割当要求に応じて取得部が取得するCM枠の割当候補として、「タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠」の割当候補を取得するものであるのに対し、甲1発明は、CM枠の割当要求(「ブランド条件20」の入力)に応じて「タイムCM枠」と「スポットCM枠」の割当候補を取得するものの、「混合CM枠」の割当候補を取得するものであるか定かではない点 [相違点2] 本件発明2は、「前記CM枠の割当要求は、前記スポットCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記スポットCM枠の割当候補に加えて、前記スポットCM枠に前記タイムCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する」ものであるのに対し、甲1発明は、そのようなものであるか定かではない点 (イ)相違点についての判断 a 相違点1について 甲1発明において、「広告枠は、テレビ番組に対応づけて定められた番組枠と、広告枠の一般的商取引の対象とされ予め曜日及び時間帯に対応づけて複数種類定められたゾーン毎及びテレビ局毎に定められたスポット枠とから成るよう構成することができ」るものであるところ、甲1の図7~図10には、各ブランドについての広告枠に関する条件の設定を行う画面例が示されており、図7、図8にはスポット枠についての条件を設定する際の画面例が、図9、図10にはスポット枠についての条件を設定する際の画面例が、それぞれ示されている。また、図7、図8の画面例において、テレビ局とゾーンの組み合わせを指定するための表の上、及び図9、図10の画面例において、複数の番組枠の情報が示された表の上には、それぞれ「スポット」又は「番組」を選択するためのラジオボタンが表示されており、図7、図8の画面例では「スポット」が選択され、図9、図10の画面例では「番組」が選択されている。 そうすると、甲1の図7~図10に示された広告枠に関する条件の設定画面は、ラジオボタンによって「スポット」又は「番組」を選択することにより、スポット枠又は番組枠の条件を設定するためのものであり、甲1発明において、番組枠とスポット枠とから成るよう構成することができる広告枠についての「ブランド条件20」を入力する際は、このような条件の設定画面において、「スポット」を選択してスポット枠についての条件を設定するとともに「番組」を選択して番組枠についての条件を設定することで、選択処理の結果としてスポット枠の割当候補と番組枠の割当候補の両方が出力されることを前提としたものといえる。 以上を踏まえると、甲1において、番組枠とスポット枠とから成るよう構成することができる広告枠についての「ブランド条件20」の入力であるCM枠の割当要求に応じた選択処理の結果のようにスポット枠の割当候補と番組枠の割当候補の両方を含むものは、本件発明2の「タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補」に相当するものであり、甲1発明は、CM枠の割当要求に応じてこれを取得するものといえ、当該相違点1は、実質的な相違ではない。 また、当該相違点1が実質的な相違点であるとしても、本件発明2の当該相違点1に係る構成は、甲1発明に基づいて当業者が容易に想到することができたものにすぎない。 b 相違点2について 本件発明2の「前記CM枠の割当要求は、前記スポットCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記スポットCM枠の割当候補に加えて、前記スポットCM枠に前記タイムCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する」という発明特定事項は、「前記取得部」が「前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する取得部」であることから、「取得部」はCM枠の割当要求として「スポットCM枠の割当要求」が入力された場合に、「前記スポットCM枠の割当候補に加えて、前記スポットCM枠に前記タイムCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補」を取得することを意図したものである。 これに対し、上記アにおいてした検討を踏まえると、甲1の図7~図10に示された広告枠に関する条件の設定画面において、ラジオボタンによって「スポット」を選択し、スポット枠についての条件を設定することは、本件発明2の「スポットCM枠の割当要求」に相当する。 しかしながら、甲1の当該設定画面において、本件発明2の「タイムCM枠」に相当する「番組枠」の割当候補を取得するためには、当該設定画面において、別途ラジオボタンによって「番組」を選択し、番組枠についての条件を設定する操作を行う必要がある。 そうすると、甲1発明において、上記の「スポット」を選択してスポット枠についての条件を設定する「スポットCM枠の割当要求」に応じて、「スポット枠の割当候補」に加えて「番組枠の割当候補」も取得し、両者を混合した「混合CM枠の割当候補」を取得することは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 また、上記[相違点2]に係る構成については、甲2~甲5のいずれにも記載されておらず、また、当該構成が、本件特許の出願時に周知技術であったともいえない。 c 本件発明2と甲1発明の、解決しようとする課題について 本件明細書の記載によれば、本件発明が解決しようとする課題は、「混合CM枠の割当候補をクライアントに採用(選択)して貰うことで、タイムCM枠とスポットCM枠の売れ残りを削減するとともに、タイムCM枠とスポットCM枠を有効活用すること」(【0016】)であり、この課題認識は、「タイムCMは、一部の大手企業を除いてほとんど経験がなく、コストの面でも、取引慣行の面でも、広告媒体として初めて利用しようとする者に対する障壁が非常に高い」(【0013】)のに対し、「スポットCMは、タイムCMよりも比較的コストの面で有利であるため、利用の障壁が低い」(【0014】)ことにより生じる、「タイムCMとスポットCMの性質の違いから、タイムCMを利用するクライアントとスポットCMを利用するクライアントが明確に区分される傾向がある。そして、タイムCMとスポットCMのそれぞれに売れ残りの媒体枠が発生した場合、広告会社の売上という観点でも、媒体枠の有効利用という観点でも、不十分な事態となってしまう。」(【0015】)という問題点に起因して想到されたものである。 そして、本件発明2は、「前記スポットCM枠の割当要求」である「前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する」という発明特定事項を備えたものであって、これにより、「タイムCM枠とスポットCM枠の売れ残りを削減するとともに、タイムCM枠とスポットCM枠を有効活用する」という課題を解決し得るものであるといえる。 これに対し、甲1には、「本発明は、上述したような従来の人手作業では、人的資源、時間、費用など限られた環境下で多くのブランドや多くの媒体枠を対象として複雑な配分作業を実行することが極めて困難であるといった従来の問題点を解消するために成されたものであり、複数のブランドの各々に対する広告枠を簡易且つ迅速に選択することができる広告枠選択システム及び広告枠選択方法を提供することを目的とする。」(【0014】)と記載されているように、甲1発明が解決しようとする課題は、「複数のブランドの各々に対する広告枠を簡易且つ迅速に選択する」点にあり、本件発明のように、「タイムCM枠とスポットCM枠の売れ残りを削減するとともに、タイムCM枠とスポットCM枠を有効活用する」ものではない。 してみると、甲1発明においては、本件発明2のように、「タイムCM枠とスポットCM枠の売れ残りを削減する」という課題認識はなく、そのために、「前記スポットCM枠の割当要求」である「前記CM枠の割当要求に応じて、前記CM枠として、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する」という構成を採用することを、当業者が容易に想到し得たとはいえない。 d 申立人の主張に対する検討 申立人は、特許異議申立書の第19頁において、本件発明2の「スポットCM枠の割当要求」は、「スポットCM枠を含むCM枠の割当要求」との解釈が可能であり、その場合、甲1の図7~10のブランド条件20を詳細に設定するための入力画面において、スポット枠及び番組枠の双方に設定を行うことにより、選択部14がスポット枠と番組枠から成るように構成された広告枠を選択し得ることは、本件発明2の「前記CM枠の割当要求は、前記スポットCM枠の割当要求であり」(構成D)、「前記取得部は、前記スポットCM枠の割当候補に加えて、前記スポットCM枠に前記タイムCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する」(構成E)に相当する旨を主張している。 しかしながら、本件明細書の段落【0035】には、「より具体的に、取得部42は、スポットCM枠の割当要求が入力部41に入力した場合、スポットCM枠の割当候補に加えて、スポットCM枠にタイムCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する。」と記載されているように、本件発明2は、「スポットCM枠の割当要求」に応じて「タイムCM枠」の割当候補も取得するものであるところ、甲1発明が「スポットCM枠の割当要求」に応じて「番組枠の割当候補」を取得するものではないことは、上記bで示したとおりであって、申立人の上記主張は採用できない。 e 小括 したがって、本件発明2は、甲1発明と同一であるとはいえず、また甲1発明及び甲2~甲5に記載の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明3について 本件発明3は、本件発明2の構成に限定を加えて減縮したものであり、上記ア(ア)dに示した上記[相違点1]~[相違点2]に係る構成を有しているから、上記ア(イ)に示した理由と同様の理由により、本件発明3は、甲1発明及び甲2~甲5に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 本件発明4について 本件発明4は、本件発明2の「CM枠の割当装置」に関し、本件発明2の特定事項である「前記CM枠の割当要求は、前記スポットCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記スポットCM枠の割当候補に加えて、前記スポットCM枠に前記タイムCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する」に代えて、「前記CM枠の割当要求は、前記タイムCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記タイムCM枠の割当候補に加えて、前記タイムCM枠に前記スポットCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する」としたものである。 そうすると、本件発明4と甲1発明との間には、上記ア(ア)dに示した上記[相違点1]、及び次に示す[相違点2’]があるといえる。 [相違点2’] 本件発明4は、「前記CM枠の割当要求は、前記タイムCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記タイムCM枠の割当候補に加えて、前記タイムCM枠に前記スポットCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する」ものであるのに対し、甲1発明は、そのようなものであるか定かではない点 上記[相違点2’]について検討すると、甲1発明において、甲1の図7~図10に示された広告枠に関する条件の設定画面において、「番組」を選択し、番組枠についての条件を設定することは、本件発明4の「タイムCM枠の割当要求」に相当する。 しかしながら、上記ア(イ)bの説示と同様に、甲1発明において、上記の「番組」を選択して番組枠についての条件を設定する「タイムCM枠の割当要求」に応じて、「番組枠の割当候補」に加えて「スポット枠の割当候補」も取得し、両者を混合した「混合CM枠の割当候補」を取得することは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 また、上記[相違点2’]に係る構成については、甲2~甲5のいずれにも記載されておらず、本件特許の出願時に周知技術であったともいえない。 したがって、本件発明4は、甲1発明と同一であるとはいえず、また甲1発明及び甲2~甲5に記載の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 エ 本件発明5について 本件発明5は、本件発明4の構成に限定を加えて減縮したものであり、上記[相違点1]、[相違点2’]に係る構成を有しているから、上記ア(イ)に示した理由と同様の理由により、本件発明5は、甲1発明及び甲2~甲5に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 オ 本件発明6について 本件発明6は、本件発明2の「CM枠の割当装置」に関し、本件発明2の特定事項である「前記CM枠の割当要求は、前記スポットCM枠の割当要求であり、前記取得部は、前記スポットCM枠の割当候補に加えて、前記スポットCM枠に前記タイムCM枠を混合した前記混合CM枠の割当候補を取得する」に代えて、「前記タイムCM枠における単位CMあたりの割当時間は、前記スポットCM枠における単位CMあたりの割当時間よりも長い」ことを発明特定事項としたものである。 そうすると、本件発明6と甲1発明との間には、上記ア(ア)dに示した上記[相違点1]、及び次に示す[相違点3]があるといえる。 [相違点3] 「単位CMあたりの割当時間」に関し、本件発明6は「前記タイムCM枠における単位CMあたりの割当時間は、前記スポットCM枠における単位CMあたりの割当時間よりも長い」であるのに対し、甲1発明はそのような特定がない点 上記[相違点3]について検討すると、タイムCM枠における単位CMあたりの割当時間を、スポットCM枠における単位CMあたりの割当時間よりも長くすることについては、甲2~甲5のいずれにも記載されていない。この点に関し、甲2には、ユーザが目的や予算に応じて「スポット枠」と「スポンサ枠」の2種類の放送枠を使い分けることが可能であることが記載されているものの、「スポット枠」と「スポンサ枠」の「単位CMあたりの割当時間」については記載されていない。また、甲3~甲5に記載の技術事項は、そもそもCM枠の割当に関するものでもない。 申立人は、特許異議申立書の第12~13、24頁において、甲1の図7~8には、スポット枠のCM秒数が15秒に設定されており、図9~10には、番組枠のCM秒数が30秒に設定されていることから、甲1発明は「番組枠におけるCM秒数は、スポット枠におけるCM秒数よりも長い」ものであり、本件発明6は甲1発明と同一の発明であり、仮に相違点が存在するとしてもそれは微差であり、当業者が適宜なし得る設計事項にすぎない旨を主張する。 しかしながら、甲1発明は、「各ブランドについての広告枠に関する条件の設定を行う場合、スポット枠については、まず上限本数を設定すべき対象を、テレビ局とゾーンの組合せで指定し、次に秒数別(15秒/30秒)・UNIT単位別(GRP/金額/本数)に上限本数を指定し、番組枠については、番組名・局・曜日・番組放送時間・CM秒数・単価の各項目を指定することで特定される番組枠から、対象の番組枠を選択欄64へのマークにより選択し、次に選択した各番組枠の制限本数欄66に上限本数を設定するもの」であって、スポット枠についての「秒数別(15秒/30秒)」についても、番組枠についての「CM秒数」についても、それぞれの枠における「上限本数」をCMの秒数ごとに設定することを特定しているにすぎず、本件発明6の発明特定事項のような「単位CMあたりの割当時間」が、「スポット枠」と「番組枠」のそれぞれに設けられる事項について、甲1に記載されているとはいえない。 また、本件明細書の段落【0017】に記載された、「広告会社の媒体枠のセールスパーソンにとって、媒体枠としてのタイムCM枠を売り切るための負担が大きく、どうしても、タイムCM枠の一部に売れ残りの媒体枠が発生してしまう場合がある。この点、本開示によれば、スポットCM枠に混合したタイムCM枠を利用することで、タイムCM枠の売れ残りを防止して、タイムCM枠を有効利用することができる。」との効果は、本件発明6の特定事項によっても奏し得るものであるところ、そのような効果は、甲1発明から当業者が予想し得ないものである。 したがって、本件発明6は、甲1発明と同一であるとはいえず、また甲1発明及び甲2~甲5に記載の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 特許法第36条第6項第1号についての当審の判断 (1)申立人の主張する理由 申立人は、特許異議申立書において、概略、以下のとおり主張する。 (主張3-1) 本件明細書の発明の詳細な説明に記載されている本件特許発明の課題は、「クライアントニーズにマッチした柔軟で効果的なCMプランニングを行うことができるCM枠の割当装置、割当方法及び割当プログラムを提供すること」(【0005】)であるのに対し、請求項1における「CM枠の割当要求」は、「スポットCM枠のみの割当要求」及び「タイムCM枠のみの割当要求」を包含するものであるところ、スポットCM枠のみの割当要求(クライアントニーズ)に対し、スポットCM枠以外の割当候補を取得したり、タイムCM枠のみの割当要求(クライアントニーズ)に対し、タイムCM枠以外の割当候補を取得したりすることは、クライアントニーズに反しており、クライアントニーズにマッチしているとはいえないから、請求項1~8に係る発明は、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えたものであり、いわゆるサポート要件違反に該当する。(特許異議申立書第24~26頁) (主張3-2) 「CM枠」には、タイムCM枠及びスポットCM枠に限らず、商品やサービス等を長時間(例えば5~30分程度)に渡って宣伝するインフォマーシャルや、15秒CMを1本単位で購入可能なSmart Ad Sales(SAS)等のCM枠があることが知られているから、請求項1における「CM枠の割当要求」は、インフォマーシャルやSAS等の割当要求も含んだものであるところ、本件明細書の発明の詳細な説明には、CM枠の割当要求の具体例として、スポットCM枠の割当要求及びタイムCM枠の割当要求が記載されているのみであり(段落【0033】)、スポットCM枠及びタイムCM枠のいずれでもないCM枠の割当要求については記載も示唆もないから、出願時の技術常識に照らしても、請求項1、6~8に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえず、請求項1、6~8の記載は、いわゆるサポート要件違反に該当する。(特許異議申立書第26~27頁)。 (2)当審の判断 ア 主張3-1について 本件明細書の発明の詳細な説明には、「CM枠の割当要求」に関し、「より具体的に、取得部42は、スポットCM枠の割当要求が入力部41に入力した場合、スポットCM枠の割当候補に加えて、スポットCM枠にタイムCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する。」(【0035】)、「一方、取得部42は、タイムCM枠の割当要求が入力部41に入力した場合、タイムCM枠の割当候補に加えて、タイムCM枠にスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当候補を取得する。」(【0037】)と記載されているように、「スポットCM枠の割当要求」に対しては「スポットCM枠の割当候補」を取得し、「タイムCM枠の割当要求」に対しては「タイムCM枠の割当候補」を取得した上で、他方のCM枠の割当候補も取得しているから、割当要求を行ったCM枠に対する割当候補を取得しており、上記主張3-1のように、クライアントニーズに反して割当候補を取得したものとはいえない。 また、上記2(2)ア(イ)cで示したように、本件明細書の発明の詳細な説明の記載によれば、本件発明が解決しようとする課題は、「混合CM枠の割当候補をクライアントに採用(選択)して貰うことで、タイムCM枠とスポットCM枠の売れ残りを削減するとともに、タイムCM枠とスポットCM枠を有効活用すること」(【0016】)であり、この課題認識は、「タイムCMとスポットCMの性質の違いから、タイムCMを利用するクライアントとスポットCMを利用するクライアントが明確に区分される傾向がある。そして、タイムCMとスポットCMのそれぞれに売れ残りの媒体枠が発生した場合、広告会社の売上という観点でも、媒体枠の有効利用という観点でも、不十分な事態となってしまう。」(【0015】)という問題点に起因して想到されたものである。 そして、本件明細書の発明の詳細な説明には、 「【0057】 CM枠の割当装置40の取得部42は、例えば、スポットCM枠の割当要求が入力部41に入力したとき、図3に示したようなスポットCM枠の割当候補(見積もり)に加えて、図4、図5に示したような、スポットCM枠にタイムCM枠を混合した混合CM枠の割当候補(見積もり)を取得する。このとき、CM枠の割当装置40の取得部42は、混合CM枠の割当候補の価格(見積もり)(例えば図4、図5)が、スポットCM枠の割当候補の価格(見積もり)(例えば図3)より低くなるように、混合CM枠の割当候補を取得する。」 と記載されているように、「スポットCM枠の割当要求」に対して、「スポットCM枠の割当候補(見積もり)」を取得した上で、「混合CM枠の割当候補(見積もり)」も取得しており、「これにより、クライアントニーズにマッチした柔軟で効果的なCMプランニングを行うことができる。」(【0059】)ものであるから、上記主張3-1のように、請求項1~8に係る発明は、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えたものでもない。 したがって、申立人の上記主張3-1は採用できない。 イ 主張3-2について 本件明細書の発明の詳細な説明には、「クライアント端末10は、CM枠、とりわけ、後述するタイムCM枠、スポットCM枠、及び、タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠の割当、選択、購入などに関する各種の入力操作を行うためのものである。」(【0022】)、「入力部41は、例えば、クライアント端末10からのCM枠の割当要求が入力する。CM枠の割当要求は、例えば、タイムCM枠の割当要求、及び、スポットCM枠の割当要求の少なくとも一方であってもよい。」(【0033】)等の記載があるように、本件発明の実施形態における「CM枠」として、本件発明1、6~8に特定された「タイムCM枠」及び「スポットCM枠」、並びに「タイムCM枠とスポットCM枠を混合した混合CM枠」の3種類のCM枠に関しては、いずれも具体例として記載されており、また、本件発明1、6~8に係る発明において、当該3種類のCM枠以外について特定されたものでもない。 したがって、申立人の上記主張3-2は採用できない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、本件特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、本件訂正後の請求項1~8について訂正することを認める。 本件請求項2~6に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された申立理由によっては、取り消すことができない。また、他に本件請求項2~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、本件訂正前の請求項1、7、8は、上記のとおり削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項1、7、8に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700795

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