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特許異議申立

2022-700871

空調システム、空調機器、および空調機器の認識方法

審判番号
2022-700871
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-163830
登録番号
7032674
請求日
2022年09月06日
審決日
2023年05月22日
公報発行日
2023年08月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ダイキン工業株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
  • 【異議申立人】佐々木 敬
審判長/審判官
  • 審判長 西村 泰英
  • 審判官 平城 俊雅
  • 審判官 槙原 進
分類
P1651.121-YAA(F24F) / P1651.537-YAA(F24F) / P1651.851-YAA(F24F) / P1651.857-YAA(F24F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第5項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7032674号発明「空調システム、空調機器、および空調機器の認識方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7032674号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~8〕、9、10、11、12、13、14、15、16、17について訂正することを認める。 特許第7032674号の請求項1ないし3、5、7、9ないし17に係る特許を維持する。 特許第7032674号の請求項4、6、8に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許7032674号(以下「本件特許」という。)の請求項1~14に係る特許についての出願は、令和2年9月29日の出願であって、令和4年3月1日にその特許権の設定登録がされ、同年3月9日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和4年 9月 6日 :特許異議申立人 佐々木 敬(以下「申立人」という。)による請求項1~14に係る特許に対する特許異議の申立て 同年11月16日付け:取消理由通知書 令和5年 1月20日 :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出 同年 3月29日 :申立人による意見書の提出 第2 訂正の適否についての判断 令和5年1月20日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~17について訂正することであって、その内容は、以下のとおりである(下線は、訂正箇所を示すために当審で付したものである。)。 1 訂正の内容 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に記載された 「前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器の1つが、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理が行われる、」を、 「前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器の1つが、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理が行われ、前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に記載された 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始される、」を、 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始され、前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に記載された 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われる、」を、 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われ、前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5が引用する請求項を「請求項1から4のいずれか1項」を「請求項1から3のいずれか1項」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6を削除する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7が引用する請求項を「請求項1から6のいずれか1項」を「請求項1,2,3,5のいずれか1項」に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9に記載された 「前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理を行う、」を、 「前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理を行い、前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、」に訂正する。 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項10に記載された 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始される、」を、 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始され、前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、」に訂正する。 (11)訂正事項11 特許請求の範囲の請求項11に記載された 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われる、」を、 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われ、前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、」に訂正する。 (12)訂正事項12 特許請求の範囲の請求項12に記載された 「前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器の1つが、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理を行う、」を、 「前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器の1つが、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理を行い、前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、」に訂正する。 (13)訂正事項13 特許請求の範囲の請求項13に記載された 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始される、」を、 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始され、前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、」に訂正する。 (14)訂正事項14 特許請求の範囲の請求項14に記載された 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われる、」を、 「前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われ、前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、」に訂正する。 (15)訂正事項15 特許請求の範囲の請求項8に記載された 「前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、請求項1から7のいずれか1項に記載の空調システム」のうち、引用する請求項6のうち請求項1を引用する請求項5を引用するものについて独立形式に改め、新たに請求項15として 「同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)において、同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器の1つが、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理が行われ、前記制御処理と前記認識処理とが、周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、空調システム。」に訂正する。 (16)訂正事項16 特許請求の範囲の請求項8に記載された 「前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、請求項1から7のいずれか1項に記載の空調システム」のうち、引用する請求項6のうち請求項2を引用する請求項5を引用するものについて独立形式に改め、新たに請求項16として 「同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)において、同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始され、前記制御処理と前記認識処理とが、周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、空調システム。」に訂正する。 (17)訂正事項17 特許請求の範囲の請求項8に記載された 「前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、請求項1から7のいずれか1項に記載の空調システム」のうち、引用する請求項6のうち請求項3を引用する請求項5を引用するものについて独立形式に改め、新たに請求項17として 「同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)において、同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われ、前記制御処理と前記認識処理とが、周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、空調システム。」に訂正する。 2 訂正の適否について (1)訂正事項1 ア 訂正の目的 訂正事項1は、請求項1の「空調システム」が行う「制御処理」及び「認識処理」に関して、「前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる」という発明特定事項を追加するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項1に関して、特許明細書の段落【0009】には、「第2観点に係る空調システムは、第1観点に係る空調システムにおいて、制御処理と認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われる。」と記載され、段落【0016】には、「第5観点に係る空調システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る空調システムにおいて、少なくとも、認識処理の実行中に未認識の空調機器が確認された後から未認識の空調機器の認識処理が完了するまでの間は、未認識の空調機器が属する冷媒系統における制御処理は実行しない。」と記載され、そして、段落【0027】には「第9観点に係る空調システムは、第1観点から第8観点のいずれかに係る空調システムにおいて、制御処理では、空調機器の能力制御と、空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる。」と記載されている。 したがって、訂正事項1は、特許明細書の段落【0009】、【0016】、【0027】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に添付した明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的 訂正事項2は、請求項2の「空調システム」が行う「制御処理」及び「認識処理」に関して、「前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる」という訂正事項1と同様の発明特定事項を追加するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項2は、特許明細書の段落【0009】、【0016】、【0027】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項2は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (3)訂正事項3 ア 訂正の目的 訂正事項3は、請求項3の「空調システム」が行う「制御処理」及び「認識処理」に関して、「前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる」という訂正事項1と同様の発明特定事項を追加するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項3は、特許明細書の段落【0009】、【0016】、【0027】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項3は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (4)訂正事項4 ア 訂正の目的 訂正事項4は、請求項4を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項4は、請求項4を削除するものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (5)訂正事項5 ア 訂正の目的 訂正事項5は、訂正前の請求項5が請求項1~4を引用する記載であるところ、訂正事項4で請求項4が削除されたことに伴い、請求項1~3を引用するように訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項5は、引用する請求項の数を減少させるものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (6)訂正事項6 ア 訂正の目的 訂正事項6は、請求項6を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項6は、請求項6を削除するものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (7)訂正事項7 ア 訂正の目的 訂正事項7は、訂正前の請求項7が請求項1~6を引用する記載であるところ、訂正事項4で請求項4が削除され、訂正事項6で請求項6が削除されたことに伴い、請求項1,2,3,5を引用するように訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項7は、引用する請求項の数を減少させるものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (8)訂正事項8 ア 訂正の目的 訂正事項8は、請求項8を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項8は、請求項8を削除するものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項8は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (9)訂正事項9 ア 訂正の目的 訂正事項9は、請求項9の「空調システム」が行う「制御処理」及び「認識処理」に関して、「前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる」という発明特定事項を追加するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項9に関して、特許明細書の段落【0009】には、「第2観点に係る空調システムは、第1観点に係る空調システムにおいて、制御処理と認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われる。」と記載され、段落【0011】には、「第3観点に係る空調システムは、第1観点または第2観点に係る空調システムにおいて、制御処理と認識処理とが、周波数分割多重化の伝送により行われる。」と記載され、段落【0016】には、「第5観点に係る空調システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る空調システムにおいて、少なくとも、認識処理の実行中に未認識の空調機器が確認された後から未認識の空調機器の認識処理が完了するまでの間は、未認識の空調機器が属する冷媒系統における制御処理は実行しない。」と記載され、そして、段落【0027】には「第9観点に係る空調システムは、第1観点から第8観点のいずれかに係る空調システムにおいて、制御処理では、空調機器の能力制御と、空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる。」と記載されている。 したがって、訂正事項9は、特許明細書の段落【0009】、【0011】、【0016】、【0027】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項9は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項9は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (10)訂正事項10 ア 訂正の目的 訂正事項10は、請求項10の「空調システム」が行う「制御処理」及び「認識処理」に関して、「前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる」という訂正事項9と同様の発明特定事項を追加するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項10は、特許明細書の段落【0009】、【0011】、【0016】、【0027】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項10は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項10は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (11)訂正事項11 ア 訂正の目的 訂正事項11は、請求項11の「空調システム」が行う「制御処理」及び「認識処理」に関して、「前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる」という訂正事項9と同様の発明特定事項を追加するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項11は、特許明細書の段落【0009】、【0011】、【0016】、【0027】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項11は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項11は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (12)訂正事項12 ア 訂正の目的 訂正事項12は、請求項12の「空調システム」が行う「制御処理」及び「認識処理」に関して、「前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる」という訂正事項9と同様の発明特定事項を追加するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項12は、特許明細書の段落【0009】、【0011】、【0016】、【0027】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項12は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項12は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (13)訂正事項13 ア 訂正の目的 訂正事項13は、請求項13の「空調システム」が行う「制御処理」及び「認識処理」に関して、「前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる」という訂正事項9と同様の発明特定事項を追加するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項13は、特許明細書の段落【0009】、【0011】、【0016】、【0027】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項13は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項13は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (14)訂正事項14 ア 訂正の目的 訂正事項14は、請求項14の「空調システム」が行う「制御処理」及び「認識処理」に関して、「前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる」という訂正事項9と同様の発明特定事項を追加するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項14は、特許明細書の段落【0009】、【0011】、【0016】、【0027】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項14は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項14は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (15)訂正事項15 ア 訂正の目的 訂正事項15に係る訂正前の請求項8は、直接又は間接的に引用する請求項の組み合わせが多数含まれるものであるところ、訂正事項15により、訂正後の請求項15は、請求項1、5及び6を引用する請求項8に対応するものに減縮するとともに、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」、及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項15は、請求項間の引用関係を解消して引用する請求項の数を減少させて、独立形式請求項へ改める訂正であり、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項15は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (16)訂正事項16 ア 訂正の目的 訂正事項16に係る訂正前の請求項8は、直接又は間接的に引用する請求項の組み合わせが多数含まれるものであるところ、訂正事項16により、訂正後の請求項16は、請求項2、5及び6を引用する請求項8に対応するものに減縮するとともに、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」、及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項16は、請求項間の引用関係を解消して引用する請求項の数を減少させて、独立形式請求項へ改める訂正であり、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項16は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (17)訂正事項17 ア 訂正の目的 訂正事項17に係る訂正前の請求項8は、直接又は間接的に引用する請求項の組み合わせが多数含まれるものであるところ、訂正事項16により、訂正後の請求項16は、請求項3、5及び6を引用する請求項8に対応するものに減縮するとともに、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」、及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項17は、請求項間の引用関係を解消して引用する請求項の数を減少させて、独立形式請求項へ改める訂正であり、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項17は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (18)一群の請求項について 訂正前の請求項1~8について、請求項4~8は、請求項1を引用するものであるから、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 また、訂正前の請求項1~8について、請求項4~8は、請求項2を引用するものであるから、訂正事項2によって訂正される請求項2に連動して訂正されるものである。 そして、訂正前の請求項1~8について、請求項4~8は、請求項3を引用するものであるから、訂正事項3によって訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。 したがって、これらの一群の請求項は組み合わされることになるから、訂正前の請求項1~8に対応する訂正後の請求項1~8、15~17は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 (19)別の訂正単位とする求めについて 訂正後の請求項1~3、5、7、15~17について、特許権者は、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めている。 訂正後の請求項15~17については、引用関係を解消する訂正であるため一群の請求項である訂正後の請求項1~8とは別の訂正単位として扱う。 なお、特許権者の求めは、冒頭に示したとおりであるが、一群の請求項となる関係が上記(18)に示したとおりであるから、このように扱った。 4 小活 したがって、本件訂正の訂正事項は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するから、訂正後の請求項〔1~8〕、9、10、11、12、13、14、15、16、17について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正により訂正された請求項1~17に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明17」ということがある。)は、次のとおりのものである。 「【請求項1】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)において、 同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、 前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器の1つが、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理が行われ、 前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調システム。 【請求項2】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)において、 同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、 前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始され、 前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調システム。 【請求項3】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)において、 同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、 前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われ、 前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調システム 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 前記制御処理と前記認識処理とが、周波数分割多重化の伝送により行われる、 請求項1から3のいずれか1項に記載の空調システム。 【請求項6】 (削除) 【請求項7】 前記空調機器は、前記空調機器に固有の識別子に基づいたIDが割り振られている、 請求項1,2,3,5のいずれか1項に記載の空調システム。 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)における空調機器であって、 同一の前記冷媒系統に属する他の前記空調機器との間で、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、 前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理を行い、 前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調機器。 【請求項10】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)における空調機器であって、 同一の前記冷媒系統に属する他の前記空調機器との間で、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、 前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始され、 前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調機器。 【請求項11】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)における空調機器であって、 同一の前記冷媒系統に属する他の前記空調機器との間で、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、 前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われ、 前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調機器。 【請求項12】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)における前記空調機器の認識方法であって、 同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行し、 前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器の1つが、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理を行い、 前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調機器の認識方法。 【請求項13】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)における前記空調機器の認識方法であって、 同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行し、 前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始され、 前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調機器の認識方法。 【請求項14】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)における前記空調機器の認識方法であって、 同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行し、 前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われ、 前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送または周波数分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調機器の認識方法。 【請求項15】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)において、 同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、 前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器の1つが、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理が行われ、 前記制御処理と前記認識処理とが、周波数分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調システム。 【請求項16】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)において、 同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、 前記認識処理は、未認識の前記空調機器が開始要求を送信することにより開始され、 前記制御処理と前記認識処理とが、周波数分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調システム。 【請求項17】 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)において、 同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、 前記認識処理は、未認識の前記空調機器が、自身と同じ前記冷媒系統に属する自身以外の前記空調機器のIDを保持することにより行われ、 前記制御処理と前記認識処理とが、周波数分割多重化の伝送により行われ、 少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行せず、 前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる、 空調システム。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1~14に係る特許に対して、当審が令和4年11月16日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 理由1.(サポート要件)請求項1~14に係る特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、不備があるため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 理由2.(明確性)請求項1~7、9~14に係る特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、不備があるため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 記 ●理由1(サポート要件)について ア 請求項1には、「同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であり、」との記載がある。 上記記載によれば、冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)のすべてが空調制御を実施しながら認識処理を実行可能であることが含まれる。 しかしながら、本件特許明細書の段落【0096】には、「ステップS60では、未認識の室内ユニットの存在が確認された冷媒系統について、室外空調制御部および室内空調制御部が空調制御処理を停止し、室外認識処理部および室内認識処理部が未認識の室内ユニットの系統認識の処理を行う。」と記載され、【0104】には、「(6)実施形態の特徴 本実施形態の空調システム1によれば、未認識の空調機器(室内ユニット30d)が接続され、未認識の空調機器(室内ユニット30d)について系統認識の処理が行われる場合であっても、当該未認識の空調機器(室内ユニット30d)が属しない冷媒系統(冷媒系統B、C、D)の空調制御処理を継続させることが可能になる。」と記載されており、空調機器のすべてが空調制御を実施しながら認識処理を実行可能であることは記載されていない。 したがって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明の記載と整合しておらず、発明の詳細な説明の記載された範囲を超えるものである。 よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではなく、請求項4、5、7、8に係る発明は、請求項1を引用するものであるから、同様に発明の詳細な説明に記載したものではない。 また、請求項2、3、9~14に係る発明には、上記請求項1の記載と同様の記載があるから、同様に発明の詳細な説明に記載したものではない。 以上のことから、請求項1~5、7~14に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。 イ さらに、上記請求項1の記載における「制御処理を実行しながら認識処理を実行可能」という記載では、制御処理用と認識処理用の通信線を別々に設け、2本の通信線を用いて制御を行うことも含まれることになる。 しかしながら、本件特許明細書の段落【0094】には、「系統内の通信線6aを介した通信において時分割多重化の通信方式を用いることにより、すなわち、伝送路の使用タイミングを分けてタイムシェアしながら伝送を行うことで、冷媒系統Aの空調制御処理は継続される。」と記載され、段落【0110】には、「空調制御処理を滞らせないための伝送方法としては、これに限定されるものではなく、衝突回避のための半二重通信、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)の勝ち残り方式、AMI符号化方式等の公知の通信方式を用いることができる。例えば、空調制御処理に用いられる信号の周E波数と、系統認識の処理に用いられる信号の周波数とを異なる周波数帯とすることにより、周波数分割多重化の通信方式を用いるようにしてもよい。」と記載されているのみである。 したがって、請求項1に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化することはできない。 よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではなく、請求項6~8に係る発明は、請求項1を引用するものであるから、同様に発明の詳細な説明に記載したものではない。 また、請求項2、3、9~14に係る発明には、上記請求項1の記載と同様の記載があるから、同様に発明の詳細な説明に記載したものではない。 以上のことから、請求項1~3、6~14に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。 ●理由2(明確性)について 請求項1の「制御処理を実行しながら認識処理を実行可能」における「制御処理」とは、具体的にどのような制御処理を意味するのか不明である。 よって、請求項1に係る発明は明確ではなく、請求項4~7に係る発明は、請求項1を引用するものであり、請求項8のように制御内容を明らかとする記載を伴っていないから、請求項1と同様に明確ではない。 また、請求項2、3、9~14に係る発明には、上記請求項1の記載と同様の記載があるから、同様に明確ではない。 以上のことから、請求項1~7、9~14に係る発明は、明確ではない。 2 当審の判断 (1)理由1について 上記アについては、訂正前の請求項6については、取消理由の対象とされていない。 これに対して、本件訂正により訂正された請求項1~3、9~17は、いずれも取消理由の対象とされていない請求項6に記載の「少なくとも、前記認識処理の実行中に未認識の前記空調機器(30d)が確認された後から前記未認識の前記空調機器の認識処理が完了するまでの間は、前記未認識の前記空調機器が属する前記冷媒系統における前記制御処理は実行しない」との発明特定事項を含むものとなった。 また、上記イについては、訂正前の請求項4、5については、取消理由の対象とされていない。 これに対して、本件訂正により訂正された請求項1~3、9~17は、いずれも取消理由の対象とされていない請求項4に記載の「前記制御処理と前記認識処理とが、時分割多重化の伝送により行われる」との発明特定事項、又は請求項5の「前記制御処理と前記認識処理とが、周波数分割多重化の伝送により行われる」との発明特定事項を含むものとなった。 したがって、本件訂正により訂正された請求項1~3及びこれをさらに限定した請求項5、7、並びに請求項9~17は、発明の詳細な説明に記載したものであり、理由1に係る取消理由を有しない。 (2)理由2について 訂正前の請求項8については、取消理由の対象とされていない。 これに対して、本件訂正により訂正された請求項1~3、9~17は、いずれも取消理由の対象とされていない請求項8に記載の「前記制御処理では、前記空調機器の能力制御と、前記空調機器の制御モードの選択制御と、の少なくともいずれかの制御処理が行われる」との発明特定事項を含むものとなった。 したがって、本件訂正により訂正された請求項1~3及びこれをさらに限定した請求項5、7、並びに請求項9~17は、どのような制御処理であるかが明確となり、理由2に係る取消理由を有しない。 3 小括 よって、本件発明1~3、5、7、9~17は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件、及び特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものである。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 申立人の主張する特許異議申立理由の概要 本件特許の請求項1~14に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1~14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 甲第1号証:特開2000-88321号公報 甲第2号証:特開2007-263404号公報 甲第3号証:特開2007-71428号公報 甲第4号証:特開2015-92127号公報 (以下、甲第1号証~甲第4号証をそれぞれ「甲1」~「甲4」という。) 2 甲各号証の記載 (1) 甲1 甲1には以下の事項が記載されている(下線は当審にて付したものである。また、「・・・」は記載の省略を意味する。)。 ア「【0017】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基いて説明する。図2は、本例に係る空気調和装置(1) の伝送系制御システムを示している。本空気調和装置(1) は複数の冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D) を備えており、該冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D)は、図2においては4系統に構成され、この4系統の冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D) は、夫々1台の室外ユニット(3) に対して4台の室内ユニット(4) が互いに並列状態で接続されて構成されている。 【0018】上記室外ユニット(3) は、図示しない圧縮機と四路切換弁とファンを有する室外熱交換器と室外電動膨張弁とを備えた本発明でいう熱源側ユニットであり、一方、室内ユニット(4) は、室内電動膨張弁とファンを有する室内熱交換器とを備えた本発明でいう利用側ユニットであり、各冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D) は、冷房運転モードと暖房運転モードとに冷媒流通方向が可変に構成されている。 【0019】また、室外ユニット(3) は、本発明でいう熱源側制御ユニットとしての室外制御ユニット(5) を備えている一方、室内ユニット(4) は、本発明でいう利用側制御ユニットとしての室内制御ユニット(6) を備えている。そして、同一冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D) にある各制御ユニット(5,6) は、互いに制御信号の授受可能に本発明でいう自系統通信路を構成する内外通信信号線(7) によって接続されて、冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D) に対応した4系統の内外伝送系統としての制御系統(8A,8B,8C,8D) を構成している。これにより、各制御系統(8A,8B,8C,8D) 毎に空調運転が制御されるようになっている。 【0020】また、各室外制御ユニット(5,5, …) は本発明でいう集中制御ユニットとしての集中コントローラ(9) に集中通信路を構成する集中制御信号線(10)によって接続されており、集中コントローラ(9) からの制御信号は、この集中制御信号線(10)及び各内外通信信号線(7,7, …) によって各室外制御ユニット(5,5, …) 及び各室内制御ユニット(6,6, …) に送信されて、各ユニット(3,3, …,4,4, …)が統括的に制御(集中制御)されるようになっている。 【0021】また、上記室内ユニット(4) の夫々には、リモコン(11)が接続されており、このリモコン(11)と室内制御ユニット(6) との間で設定温度などの制御信号が授受されて各室内ユニット(4,4, …) が個別にリモコン(11)により制御されるようになっている。」 イ「【0034】次に、本システムの施工時におけるアドレス設定動作について説明する。このアドレス設定動作においては、複数の室外ユニット(3,3, …) のうちの1台を伝送電源供給用の室外ユニット(以下、電源供給親機という)に決定するための電源供給親機決定動作と、各ユニットに対してアドレス番号を設定するための制御用アドレス設定動作と、自系統におけるアドレス番号を各ユニットに認識させるための系統アドレス認識動作とが順に行われる。以下、各動作について説明する。 ・・・ 【0040】-系統アドレス認識動作- 次に、制御用アドレスを制御系統毎に認識させる系統アドレス認識動作について説明する。この動作では、第2開閉回路(28)のリレースイッチ(28a,28b) をOFF状態として集中制御信号線(10)による各室外制御ユニット(5,5, …) 間での信号の送受信を不能にし、内外通信信号線(7)による室外制御ユニット(5) と室内制御ユニット(6) との間のみにおいて信号の送受信を可能にする。そして、この状態で、内外通信信号線(7) による信号の送受信により、室外制御ユニット(5)及び室内制御ユニット(6) に、自分が接続されている相手側ユニットのアドレス番号を認識させる。 【0041】この動作を図4を用いて具体的に説明すると、アドレス番号が「A」である室外ユニット(3a)からアドレス番号が「1」及び「2」である各室内ユニット(4a,4b) に対し、この内外両者を繋ぐ内外通信信号線(7c)によってアドレス信号が送信され、この各室内ユニット(4a,4b) は、接続されている室外ユニット(3a)のアドレス番号が「A」であることを認識する。これにより、アドレス番号「1」の室内ユニット(4a)は、自己アドレス番号「1」に加えて接続室外アドレス番号「A」を認識する。一方、アドレス番号「2」の室内ユニット(4b)にあっても、自己アドレス番号「2」に加えて接続室外アドレス番号「A」を認識する。その後、アドレス番号「A」の室外ユニット(3a)は内外通信信号線(7c)により接続されている各室内制御ユニット(4a,4b) のアドレスデータを読み込んでアドレス番号が「1」及び「2」である室内ユニット(4a,4a) が接続されていることを認識する。このような動作が、他の制御系統(アドレス番号が「B」である室外ユニット(3b)とアドレス番号が「3」及び「4」である各室内ユニット(4c,4d) とが接続されて成る制御系統)においても行われて、夫々が相手側ユニットのアドレス番号を認識する。 【0042】尚、この系統アドレス認識動作では、制御用アドレスを利用して各制御系統(8A~8D) 毎に相手側ユニットのアドレス番号を認識させるようにしたが、この制御用アドレスとは別に系統用アドレスを設定し、この系統用アドレスによって各制御系統(8A?8D) 毎に相手側ユニットのアドレス番号を認識させるようにしてもよい。 【0043】このような一連の動作によりアドレス設定動作が終了する。そして、空気調和装置の運転開始時には、電源供給親機のみが第1開閉回路(26)のリレースイッチ(26a,26b) をON状態にし、直流重畳回路(25)と各通信線(7,10)とを導通させて、直流電圧が各通信線(7,10)上に重畳される。一方、全ての電源供給子機は第1開閉回路(26)のリレースイッチ(26a,26b) がOFF状態となっている。また、全室外制御ユニット(5,5, …) の第2開閉回路(28)のリレースイッチ(28a,28b) はON状態とされ、集中制御信号線(10)と内外通信信号線(7) とが接続されて、各機器の集中コントローラ(9) による集中制御が行えるようになっている。このようにして、内外通信信号線(7) による自系統内での制御信号の送受信、この内外通信信号線(7) 及び集中制御信号線(10)によるシステム全体の集中制御用信号の送受信が行われながら空気調和装置が運転される。」 ウ「【図1】 [図:0001400469000001.jpg] 以上の事項を総合すると、甲1には以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「複数の冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D)を備え、冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D) は、夫々1台の室外ユニット(3) に対して4台の室内ユニット(4) が互いに並列状態で接続されて構成され、同一冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D) にある各制御ユニット(5,6) は、互いに制御信号の授受可能に内外通信信号線(7)によって接続され、各室外制御ユニット(5,5, …) は、集中制御信号線(10)によって接続された空気調和装置(1) の伝送系制御システムにおいて、 施工時におけるアドレス設定動作において、自系統におけるアドレス番号を各ユニットに認識させるための系統アドレス認識動作が、内外通信信号線(7) による信号の送受信により行われ、 系統アドレス認識動作は、第2開閉回路(28)のリレースイッチ(28a,28b) をOFF 状態として集中制御信号線(10)による各室外制御ユニット(5,5,…) 間での信号の送受信を不能にし、内外通信信号線(7)による室外制御ユニット(5)と室内制御ユニット(6)との間のみにおいて信号の送受信を可能にすることで行われる、 空気調和装置(1) の伝送系制御システム。」 (2) 甲2 甲2には以下の事項が記載されている。 「【0025】 室外機10は、通常運転時において複数の室内機21~24のそれぞれに対してコンプレッサやファン等の動作を制御する制御信号を送信する必要があることから、通常運転に先立って自動的に各室内機に対して通信用のアドレスを付与するオートアドレス設定が行われる。具体的に、室外機10はシリアル番号を要求する要求信号を室内機21~24に送信し、当該要求信号に対する各室内機21~24からの応答信号を受信することで、順にシリアル番号を検出する。このように個々に検出したシリアル番号毎に通信用のアドレスを設定する。なお、以下の説明で上記応答信号をアドレス設定用の応答信号と呼ぶ。 【0026】 そして、通常運転時において、室外機10は各アドレスに基づいてファンやコンプレッサ等の動作を制御する制御信号を各室内機21~24に送信し、室内機21~24が当該制御信号に基づいてファンやコンプレッサを動作させ、室外機10に応答信号を送信する。室外機10は当該応答信号を受信して、室内機21~24の運転が正常に行われていることを認識する。なお、以下の説明で上記応答信号を通常運転用の応答信号と呼ぶ。」 3 当審の判断 (1)本件発明1について 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「複数の冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D)を備え、冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D) は、夫々1台の室外ユニット(3) に対して4台の室内ユニット(4) が互いに並列状態で接続されて構成され、同一冷媒循環ユニット(2A,2B,2C,2D) にある各制御ユニット(5,6) は、互いに制御信号の授受可能に内外通信信号線(7)によって接続され、各室外制御ユニット(5,5, …) は、集中制御信号線(10)によって接続された空気調和装置(1) の伝送系制御システム」は、本件発明1の「同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)」に相当する。 イ 甲1発明の「系統アドレス認識動作」、「内外通信信号線(7)」は、それぞれ、本件発明1の「認識処理」、「通信線」に相当する。 よって、甲1発明の「施工時におけるアドレス設定動作において、自系統におけるアドレス番号を各ユニットに認識させるための系統アドレス認識動作が内外通信信号線(7) による信号の送受信により行われ」る点と、本件発明1の「同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であ」る点とは、「同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により認識処理を実行可能であ」るという限りにおいて一致する。 ウ 甲1発明の「系統アドレス認識動作は、第2開閉回路(28)のリレースイッチ(28a,28b) をOFF状態として集中制御信号線(10)による各室外制御ユニット(5,5,…) 間での信号の送受信を不能にし、内外通信信号線(7)による室外制御ユニット(5)と室内制御ユニット(6)との間のみにおいて信号の送受信を可能にすることで行われ」る点は、本件発明1の「前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器の1つが、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理が行われ」る点に相当する。 そうすると、本件発明1と甲1発明とは、 「 同一の冷媒系統(A、B、C、D)に属する複数の空調機器(10a、10b、10c、10d、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c、30d)が系統内の通信線(6a、6b、6c、6d)を介して接続され、異なる前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器(10a、10b、10c、10d)が系統外の通信線(5)を介して接続された空調システム(1)において、 同一の前記冷媒系統に属する複数の前記空調機器について、少なくとも前記系統内の通信線を介した伝送により、認識処理を実行可能であり、 前記認識処理では、互いに異なる前記冷媒系統に属する前記空調機器同士の前記系統外の通信線を介した伝送が遮断される状態で、前記空調機器の1つが、自身と同じ前記冷媒系統内に属する他の前記空調機器の存在を前記系統内の通信線を介した伝送により認識する処理が行われる、 空調システム。」 である点で一致し、少なくとも、以下の点で相違する。 [相違点] 「認識処理」に関して、本件発明1は、「制御処理を実行しながら認識処理を実行可能であ」るのに対し、甲1発明は、「施工時におけるアドレス設定動作において、自系統におけるアドレス番号を各ユニットに認識させるための系統アドレス認識動作」が行われる点。 上記相違点について検討する。 甲1発明は、「施工時におけるアドレス設定動作において、自系統におけるアドレス番号を各ユニットに認識させるための系統アドレス認識動作が、内外通信信号線(7)による信号の送受信により行われ」、「アドレス設定動作が終了すると、空気調和装置が運転され」るものである。 そうすると、甲1発明において、「系統アドレス認識動作」は、施工時に行うものであるから、空気調和装置の運転の制御処理をしながら「系統アドレス認識動作」を行うことは、当業者であったとしても想定することができない。 また、甲2には、通常運転に先立って自動的に各室内機に対して通信用のアドレスを付与するオートアドレス設定が行われる点、及び、通常運転時において、室外機10は各アドレスに基づいてファンやコンプレッサ等の動作を制御する制御信号を各室内機21~24に送信し、室内機21~24が当該制御信号に基づいてファンやコンプレッサを動作させ、室外機10に応答信号を送信する点が記載されているものの、(空調機器の)「制御処理を実行しながら認識処理を実行」する点は記載されていない。 さらに、甲3、甲4においても、上記の点について記載されていない。 よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲2~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2~14について 本件発明2~14は、いずれも、請求項1に係る発明と同様の「制御処理を実行しながら認識処理を実行」するという発明特定事項を含むものであるから、同様の理由により、甲1発明及び甲2~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4 申立人の主張について 申立人は、令和5年3月29日付けの意見書において、本件訂正により訂正された本件発明1~3、5、7、9~17は、甲1~4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、取り消されるべきものであると主張する。 しかしながら、本件発明1~3、5、7、9~17は、「制御処理を実行しながら認識処理を実行」するという発明特定事項を含むものであるから、上記3で検討したとおり、甲1発明及び甲2~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 よって、申立人の主張は採用できない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1~3、5、7、9~17に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1~3、5、7、9~17に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、請求項4、6、8に係る特許は、上記のとおり、本件訂正により削除された。これにより、請求項4、6及び8に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700871

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