商標拒絶査定不服審判
2022-019605
クレドアセットマネージメント、クレド、アセットマネージメント
- 審判番号
- 2022-019605
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-048056
- 請求日
- 2022年12月04日
- 審決日
- 2023年02月22日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】クレド・アセットマネジメント株式会社
- 【請求人代理人】石渡 広一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .261-Z (W3639) / T18 .262-Z (W3639) / T18 .263-Z (W3639)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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商願2022-48056拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年4月25日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年6月16日付け:拒絶理由通知書
令和4年7月14日付け:意見書
令和4年10月25日付け:拒絶査定
令和4年12月4日受付:審判請求書
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第36類及び第39類に属する別掲2のとおりの役務を指定役務として、登録出願されたものである。
第3 引用商標
本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5061121号商標(以下「引用商標」という。)は、「CRED」及び「クレド」の各文字を上下二段に書してなり、平成18年10月27日に登録出願、別掲3のとおりの役務を指定役務として、同19年7月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第4 当審の判断
1 本願商標について
(1)本願商標は、別掲1のとおり、左側に、3つの同じ略三角形状の図形(それぞれグラデーションを用いて紫系、青系又は緑系で塗色されている。)を、角度を変えて、等間隔でバランスよく配置し、組み合わせた図形(以下「図形部分」という場合がある。)、右側の上段に大きく「CREDO」の黒色文字(以下「上段文字部分」という場合がある。)及び、右側の下段にごく小さく「ASSET MANAGEMENT」の灰色文字(以下「下段文字部分」という場合がある。)を二段に配してなる図形と文字との結合商標である。
(2)本願商標を構成する文字部分のうち、上段の「CREDO」の文字は、「《我は信ず、の意》ミサ典礼の式文の一。」(大辞泉第二版(株式会社小学館)クレド【(ラテン)Credo】の項)や「信条」(広辞苑第七版(株式会社岩波書店)クレド【credoラテン】)などの意味を有するラテン語であることが一部の辞書に載録されているものであり、一部の事業者において「信条」等のような意味合いにて、企業活動の価値観などを示す語として使用されている場合があるとしても(審判請求書の提出物件)、我が国においては、馴染みの無い語であって、外来語として一般に広く親しまれているものではなく、特定の意味合いを直ちに想起させるものと認めるべき事情もないから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
また、下段の「ASSET MANAGEMENT」の文字は、「投資家から委託された金融資産を効率的に管理・運用すること。資産運用。」の意味を有するものであり(大辞泉第二版(株式会社小学館)アセットマネージメント【asset management】の項)、金融関連の業界において、顧客の資産を管理・運用するなど、提供する役務の内容を表す語として使用されているものであり、金融関連の役務との関係では、自他役務の識別標識としての機能が高いとはいえないものとみるのが相当である。
(3)本願商標を構成する各文字部分(「CREDO」及び「ASSET MANAGEMENT」)から生じる全体の称呼は「クレドアセットマネジメント」と13音からなり、冗長である。そして、各文字部分は、観念的な関連性を見いだすことができないものであり、文字部分全体として直ちに何らかの意味合いを理解させるものではないから、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
(4)本願商標の構成中、図形部分は、上記(1)のとおり、略三角形状の図形を組み合わせた図形であるが、これは、特定の事物を表すものとして認識されているというような事情は見いだせないものであり、当該図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものとみるのが相当である。
(5)本願商標の構成中、図形部分、上段文字部分及び下段文字部分は、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、観念的な関連性も見いだすことはできないものであり、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難いものである。
(6)本願商標の文字部分のうち、上段の「CREDO」の黒色文字は、下段の「ASSET MANAGEMENT」の灰色文字に比して、10倍以上大きく、かつ、本願商標全体の大部分を占め、ひときわ目立つように太字で顕著に表されているから、当該文字部分は、本願商標を見る者に強い印象を与えるとともに、その注意を強く引くものであると認めるのが相当である。
(7)これらの事情を総合すると、本願商標の構成中、下段文字部分は、金融関連の役務との関係では、自他役務の識別標識としての機能が高いとはいえないものであり、また、図形部分、上段文字部分及び下段文字部分は、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認めることはできないから、本願商標はその構成中、本願商標全体の大部分を占め、ひときわ目立つように太字で顕著に表されている上段文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
(8)したがって、本願商標は、その要部である「CREDO」の文字部分に相応して「クレド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
2 引用商標について
引用商標は、「CRED」の欧文字と「クレド」の片仮名とを、いずれも標準的な書体で、上下二段に書してなる商標であるところ、その上段と下段とは、欧文字と片仮名という文字の種類を異にするため、視覚的に分離して観察されるものである。
そして、引用商標の構成中、上段の「CRED」の欧文字(語)は、我が国において一般的に使用されている辞書等に載録されているような既成の語ではなく、特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情も見いだせないものである。
また、引用商標の構成中、下段の「クレド」の片仮名は、上段の「CRED」の欧文字の読みを記載したものと無理なく理解されるものである。
そうすると、「CRED」及び「クレド」の文字からなる引用商標は、その構成文字に照応して、「クレド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
3 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とは、外観において、全体としては相違し、本願商標の要部である「CREDO」の文字部分と引用商標の要部である「CRED」の文字部分とは、「O」の有無で相違するとしても、両者は、いずれも平易な書体、かつ、欧文字の大文字からなるものであり、1文字目から4文字目の「CRED」のつづり、すなわち、本願商標の要部である「CREDO」の5文字中4文字を共通にするものであるから、両者は近似した印象を与えるものである。
また、両者はいずれも「クレド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものであるから、称呼を共通にし、観念においては比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、たとえ観念において比較することができないとしても、外観において近似した印象を与え、称呼を共通にする両商標は、役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
4 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
引用商標の指定役務は、本願商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものである。
5 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
6 請求人の主張について
(1)請求人は、「CREDO(クレド)」は、「信条」「志」「約束」を意味するラテン語として認識されているものであり、国内外を問わず、近年、企業経営において、「企業活動の拠り所となる価値観や行動規範を簡潔に表現した文言」を意味する語として使用されている実情が存在するから、「CREDO(クレド)」を特定の観念が生じない一種の造語として理解される」とした原査定の認定には誤りがある旨主張している。
しかしながら、本願商標の指定役務は、第36類「預金の受入れ」等や第39類「鉄道による輸送」等であり、その需要者には、金融機関に金を預ける者や、鉄道に乗車する者など、一般の消費者が含まれ、幅広い層に及ぶものであるところ、請求人が挙げた例は、僅か6例にすぎないものであり、本願役務の需要者全般における「CREDO」の文字に対する一般的な認識を示すものとは言い難いものである。そして、当該文字は、上記1(2)のとおり、我が国においては、馴染みの無い語であって、外来語として一般に広く親しまれているものではなく、特定の意味合いを直ちに想起させるものと認めるべき事情もないから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
(2)請求人は、(a)本願商標は、請求人が法人ロゴとして使用しており、これに接する需要者は、「CREDO」部分のみに着目することはなく、本願商標全体を「クレド・アセットマネジメント株式会社」の法人ロゴとして捉えるものであること、(b)本願商標の構成中、「ASSET MANAGEMENT」は、「株式・債券・不動産などの運用資産の管理を行う業務」ほどの意味合いを有する語であり、かかる業務を取り扱う業界において、会社名の一部として使用されているとの取引の実情を鑑みれば、本願商標に接する需要者は、本願商標全体を一つの会社名として「CREDO ASSET MANAGEMENT」と一体的に認識するものであること、(c)「CREDO」の文字が、企業経営において、価値観や行動規範等を表す語として使用されているから、本願商標に接する需要者は、本願商標から「顧客等との約束を守ることを信条とする、株式・債券・不動産などの運用資産の管理を行う会社」ほどの全体から生じる意味合いを想起すること等を述べ、本願商標は、その構成全体をもって一体不可分の造語として認識し、把握されるものであり、本願商標に接する需要者が、あえて本願商標の構成中、「CREDO」の文字部分を捨象し、「CREDO」部分のみをもって取引に資するものとはいい難い旨を主張する。
しかしながら、上記1(1)ないし(6)の事情を総合すると、本願商標の構成中、「ASSET MANAGEMENT」の文字部分は、金融関連の役務との関係では、自他役務の識別標識としての機能が高いとはいえないものであり、また、図形部分と各段文字部分は、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認めることはできないから、本願商標はその構成中、本願商標全体の大部分を占め、ひときわ目立つように太字で顕著に表されている「CREDO」の文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
(3)請求人は、他の審決例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張している。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの審決例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記5においてした判断のとおりであるから、それらの登録例をもってその判断が左右されることはない。
(4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
7 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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