商標取消審判
2024-300848
インサイトマネジメント、インサイトマネージメント、インサイト
- 審判番号
- 2024-300848
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2010-028108
- 登録番号
- 5342903
- 請求日
- 2024年11月14日
- 審決日
- 2026年03月11日
- 公報発行日
- 2026年05月29日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】株式会社 alma
- 【請求人代理人】小笠原 匡隆
- 【被請求人】株式会社 アクティブ アンド カンパニー
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大島 康浩
- 分類
- T131 .1 -Z (X3541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5342903号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5342903号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5342903号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成22年3月29日に登録出願、第35類「企業の人事・労務管理及び求人活動に関する指導及び助言,経営の診断及び指導,事業の管理及び組織に関する指導及び助言,広告・市場調査に関する企画・相談・助言及び情報の提供,市場調査,人材又は職業の紹介及びあっせん,一般事務の代行,広告,広告スペースの貸与,求人情報の提供」及び第41類「経済・経営・人事・労務管理・就職に関する知識の教授,その他の知識の教授,経済・経営・人事・労務管理・就職に関する講演会及び研修会の企画・運営又は開催,就職・転職に関する企業説明会の企画・運営又は開催,広告・市場調査に関する講習会の企画・運営又は開催,その他のセミナー・シンポジウム・講習会の企画・運営又は開催」に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同年8月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年(2024年)12月2日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和3年(2021年)12月2日から同6年(2024年)12月1日までを、以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判請求書、令和7年1月10日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年2月26日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)及び同年8月29日付け回答書に対する同年12月4日付け意見書において、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証(以下、証拠の記載にあたっては、甲第○号証を甲○、乙第○号証を乙○のように記載する。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 弁駁書における主張
(1)被請求人は、令和7年1月10日付け提出の答弁書において、乙1及び乙2を提出して、登録第5342903号商標「インサイトマネジメント/Insight Manegement」(以下「本件商標」という。)を用いて人事制度構築の手法として使用を行っていたと主張する。
しかし、当該答弁書において、第35類「企業の人事・労務管理及び求人活動に関する指導及び助言,経営の診断及び指導,事業の管理及び組織に関する指導及び助言,広告・市場調査に関する企画・相談・助言及び情報の提供,市場調査,人材又は職業の紹介及びあっせん,一般事務の代行,広告,広告スペースの貸与,求人情報の提供」及び第41類「経済・経営・人事・労務管理・就職に関する知識の教授,その他の知識の教授,経済・経営・人事・労務管理・就職に関する講演会及び研修会の企画・運営又は開催,就職・転職に関する企業説明会の企画・運営又は開催,広告・市場調査に関する講習会の企画・運営又は開催,その他のセミナー・シンポジウム・講習会の企画・運営又は開催」(以下「請求に係る指定役務」という。)に対して、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標を使用した事実は一切証明されておらず、本件商標は請求に係る指定役務について取り消されるべきである。
ア 各証拠について
(ア)乙1について、被請求人は、2023年8月31日にA社へ人事制度導入への提案の一環として提出し、乙1の14ページに「インサイトマネジメント手法を活用し、直観的にわかりやすい資料作成を図ります」と記していると主張している。
しかし、その主張を裏付ける客観的な証拠は一切添付されていないため、要証期間にA社に実際に当該提案書を提示したという客観的な事実は確認できず、ただ本件商標の不使用取消を免れるために作成した資料に過ぎない可能性も否めず、証拠としての信憑性が疑わしい。
(イ)乙2について、被請求人は、2024年5月15日にB社へ人事制度導入への提案の一環として提出し、乙2の11ページに「人事制度関連資料のグローバル化は、インサイトマネジメント手法を活用し、直観的にわかりやすい資料作成を図ります」と記していると主張している。
しかし、その主張を裏付ける客観的な証拠は一切添付されていないため、要証期間にB社に実際に当該提案書を提示したという客観的な事実は確認できず、ただ本件商標登録の不使用取消を免れるために作成した資料に過ぎない可能性も否めず、証拠としての信憑性が疑わしい。
(2)被請求人の主張について
請求に係る指定役務については、被請求人は答弁書において、「本件において、被請求人が顧客へ人事制度を提案するにあたり、導入した制度を浸透させるための手法として「インサイトマネジメント」を使用しています。」と主張する。実際に本件商標が使われていたか否かについては置くとして、そもそも被請求人の主張する手法と請求に係る指定役務との関係が答弁書において何ら主張立証されていない。
そのため、本件商標が請求に係る指定役務において使用されていた事実は認められない。
(3)結語
以上のとおり、被請求人の提出の答弁書によっては、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標を請求に係る指定役務について使用した事実は一切証明されていない。よって、本件商標登録については、取り消されるべきものである。
3 令和7年8月29日付け回答書に対する意見書
(1)被請求人の主張について
ア 請求に係る指定役務との関係について
被請求人は、「インサイトマネジメント」なる手法を用いて人事制度を提案していたと主張するが、その手法と請求に係る指定役務との具体的な関係性については、答弁書・回答書のいずれにおいても一切主張、立証していない。
よって、被請求人の主張する手法は、請求に係る指定役務に係る商標の使用とは到底認められない。
イ 乙8ないし乙10について
被請求人は、乙8ないし乙10の各発注書が「人事制度設計」に関する研修の実施を示す証拠であると主張する。
しかし、乙8ないし乙10に記載されているのは「評価者研修」「被評価者研修」「研修」等の一般的文言のみで、「人事制度設計」なる記載は一切存在しない。加えて、当該発注書の発注者(C社、D社)は、本件手続の経緯上、突如提出された企業であり、その研修内容の実体も明らかではない。
したがって、これらの各発注書から、当該研修が「インサイトマネジメント」なる人事制度に関連するものであること、及び、本件商標が使用された事実を認めることは到底できない。
すなわち、乙8ないし乙10は、被請求人の主張する本件商標の使用を裏付ける客観的証拠とはならない。
ウ 乙1について
乙1において、被請求人は2023年8月31日にA社へ提案を行ったと主張する。しかし、回答書において、当該主張に関する言及は一切なく、発注書その他の裏付資料は提出されていない。
したがって、当該提案が実際に行われたか否か自体が確認できず、むしろ、乙1は、本件不使用取消を免れる目的で作成した資料である可能性が極めて高く、証拠価値は著しく疑わしい。
エ 乙2及び乙7について
被請求人は、乙2において、B社へ人事制度導入への提案の一環として、2024年5月15日に提案書を提示したと主張している。
一方、被請求人が回答書に添付した乙7(B社の発注申込書)は、日付が2023年11月24日であり、乙2の提案(2024年5月15日)より半年以上前という異常な時系列となっている。
つまり、提案より前に発注が行われているという不合理な状況が生じており、提出資料の信憑性に重大な疑義がある。
また、乙7の「人事制度導入支援」が、半年以上後の提案書に記載された「インサイトマネジメント」である蓋然性は極めて低い。
これらの矛盾から、乙2及び乙7は、いずれも本件商標の使用を裏付ける証拠とは言えず、信頼性に欠ける。
(2)結語
以上のとおり、被請求人の提出の回答書によっては、依然として、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標を請求に係る指定役務について使用した事実は一切証明されていない。よって、本件商標登録については、取り消されるべきものである。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を令和7年1月10日付け答弁書、同年6月23日付け回答書(以下「回答書(1)」という。)、同年8月29日付け回答書(以下「回答書(2)」という。)及び同8年2月3日付け回答書(以下「回答書(3)」という。)において、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。
1 答弁書における主張
本件において、被請求人が顧客へ人事制度を提案するにあたり、導入した制度を浸透させるための手法として「インサイトマネジメント」を使用している。例えば、2023年8月31日に、被請求人はA社へ人事制度導入への提案の一環として、乙1の14ページに「インサイトマネジメント手法を活用し、直観的にわかりやすい資料作成を図ります」と記している。具体的には、評価マニュアルを直観的にわかりやすい資料として作成する手法として定義している。
また、2024年5月15日に、B社へ同様に人事制度の提案に際して本件商標の名称を用いて提案を行っている。具体的には、乙2の11ページに「人事制度関連資料のグローバル化は、インサイトマネジメント手法を活用し、直観的にわかりやすい資料作成を図ります」と記している。具体的には、顧客へ提供する人事制度関連資料を直観的にわかりやすいものにすることで、顧客の従業員へ相互理解ができるようにする手法として定義している。
以上のことから、被請求人は本件商標を継続的に使用しており、今後も人事制度構築の手法として使用していくことから請求人が主張する取消事由に該当しない。
2 回答書(1)における主張
乙1の追加書面については、取引先であることからの同意が得られないため提出が困難である。
乙2については、追加書類としてセミナーの資料を提出する(乙3)。なお、乙3については、人事制度の手法として社内で用いたため、請求書や領収書内では「貴社人事制度のご提案」などと記載するため本件商標は通常記載していない。
また、本件において、被請求人が顧客へ人事制度を提案するにあたり、導入した制度を浸透させるための手法の名称として「インサイトマネジメント」を使用している。そのため、お客様へ納品する資料などでは明確に本件商標を使用していない。
当社では、「インサイトマネジメントにのっとった人事制度を設計する」と社内で使用しているが、顧客への案内では「人事制度設計」などとして納品している。乙3、乙4、乙5及び乙6はいずれも本件商標の手法により顧客へ納品した資料となる。
以上のことから、被請求人は本件商標を継続的に使用しており、今後も人事制度構築の手法として使用していくことから請求人が主張する取消事由に該当しない。
3 回答書(2)における主張
追加の証拠書類については、メール本文は内容の一部に個人情報が含まれており、取引先の同意が得られないため代替として取引先から提出された発注書を提出する。なお、各取引先と当社との間の契約では発注書の提出をもって当該研修を実施することとしている。
また、被請求人は、「インサイトマネジメントにのっとった人事制度を設計する」と社内で使用するが、顧客への案内では「人事制度設計」などとして納品している。この設計方法がいずれも第35類の「経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供」(35B01)に該当する。
また、第41類「セミナーの企画・運営又は開催」(41A03)では、具体的に文化または教育のものとなっているが、提出書類はいずれも人事制度のセミナーであり、セミナー内で言及する評価の手法が本件であり、第41類に該当する。
以上のことから、被請求人は本件商標を継続的に使用しており、今後も人事制度構築の手法として使用していくことから請求人が主張する取消事由に該当しない。
4 回答書(3)における主張
本件において、被請求人が顧客へ人事制度を提案するにあたり、導入した制度を浸透させるための手法として「インサイトマネジメント」を使用している。あくまで手法の名称として使用しており、資料や請求書等書面内では「インサイトマネジメント手法」などと記載を行うものではなく、システム体系全体を指す表現である。
被請求人では、人事体系の相談のうち、人事部門が抱える規程やルールなどを社員へ浸透しないという課題に、図解や漫画等、わかりやすく体系化して納品する方法として「インサイトマネジメント」と示している。提案書等顧客への案内資料では「インサイトマネジメント」と示すのではなく、「人事制度課題への対応」などと示し、説明時に「この手法をインサイトマネジメントといいます。」などとして説明している。
なお、乙第11号証としてインサイトマネジメント手法の社内向け説明資料を合わせて提出する。
第4 当審の判断
1 被請求人は、顧客へ人事制度を提案するにあたり、導入した制度を浸透させるための手法として「インサイトマネジメント」を使用している旨主張するので、以下検討する。
(1)被請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。
ア 商標権者は、2023年8月31日付けの「人事制度構築」と題する人事制度導入支援の提案書をA社向けに作成した。当該提案書の14頁目には「規程・評価マニュアルは、「インサイトマネジメント」手法を活用、直観的にわかりやすい資料作成を図ります。」の記載がある(乙1)。
イ 商標権者は、2024年5月15日付けの「グローバル社員への浸透を図る人事制度のグローバル対応」等と題する人事制度の提案書をB社向けに作成した。当該提案書の11頁目には「人事制度関連資料のグローバル化は、「インサイトマネジメント」手法を活用、直観的にわかりやすい資料作成を図ります。」の記載がある(乙2)。
ウ 乙3は、「評価者研修」と題する研修資料であり、1頁目の右上にB社の名称があり、資料右下には「2024年4月」の記載がある。なお、当該研修資料中には、商標権者の名称及び本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められる商標の記載は見当たらない。
また、被請求人は、回答書(1)によれば、乙3は、人事制度の手法として社内で用いたため、請求書や領収書内では本件商標は記載しない。そして、本件商標は人事制度を提案するにあたり、導入した制度を浸透させるための手法であるから、顧客へ納品する資料には明確に本件商標を使用していない旨主張している。
エ 乙7は、商標権者宛ての「発注申込書」であり、日付は、2023年11月24日、発注元は、B社である。また、「サービス内容・仕様」欄には、「◆人事制度導入支援 SA002-001-0009」、「◆評価者研修 SA002-001-0010」等の記載がある。なお、当該発注申込書中には、本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められる商標の記載は見当たらない。
オ 被請求人は、回答書(2)によれば、本件商標を指定役務中のいずれに使用したかについて、被請求人は、「インサイトマネジメントにのっとった人事制度を設計する」と社内で使用し、顧客への案内では「人事制度設計」として納品していることから、この設計方法がいずれも第35類の「経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供」に該当すること、また、第41類「セミナーの企画・運営又は開催」では、具体的に文化または教育のものとなっているが、提出書類はいずれも人事制度のセミナーであり、セミナー内で言及する評価の手法が本件であるから、第41類に該当する旨主張している。
カ 乙11は、「会社ルールのビジュアル化・マンガ化『インサイトマネジメント』のご提案」と題する、商標権者の社内向け説明資料であり、当該資料によれば、企業における人事部門(管理部門)等が作成する社員に関する規程・通達等は、社員が規程・通達等を理解し、それらにのっとった行動を実現することが十分でないため、そのような諸問題を解決する方策として「インサイトマネジメント」がある。また、被請求人は、社員に規程・通達等を理解してもらうために、わかりやすい形で提供し、直感的な理解や組織への浸透を図ることが「インサイトマネジメント」の目的と効果である旨主張している。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用役務について
上記1(1)によれば、「インサイトマネジメント」とは、企業における人事部門(管理部門)等が作成する規程・通達等を、社員にわかりやすい形で提供し、直感的な理解や組織への浸透を図る手法(乙11)と主張するものであるが、乙1及び乙2は、商標権者が顧客に対し、「人事制度に関する提案書」を作成した事実はうかがえるものの、商標権者が前記提案書をA社及びB社に提示して、いずれの請求に係る指定役務に使用したか明確な説明はなく、その証拠の提出もない。
また、商標権者は、「インサイトマネジメントにのっとった人事制度を設計する」と社内で使用し、顧客への案内では「人事制度設計」として納品していることから、この設計方法がいずれも第35類の「経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供」、第41類「セミナーの企画・運営又は開催」に該当する旨主張するものであるが、そもそも、「インサイトマネジメント」の文字が自社内においてのみ使用されている以上、「インサイトマネジメント」を請求に係る指定役務に使用した事実が具体的に示されたということはできない。
そうすると、被請求人の提出した証拠からは、本件商標が請求に係る指定役務について使用されていると認めることができない。
(2)使用商標について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、「インサイトマネジメント」及び「Insight Management」の各文字を上下2段に表してなるものである。
イ 本件使用商標について
本件使用商標は、上記1のとおり、「インサイトマネジメント」の文字からなるものである(以下「本件使用商標」という。)。
ウ 本件商標と本件使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標と本件使用商標を比較すると、本件使用商標は、本件商標の「インサイトマネジメント」の片仮名とつづりが同一であり、本件商標の構成中「Insight Management」の欧文字の読みを片仮名で表したものと理解されるものであるから、本件商標と本件使用商標とは、社会通念上同一の商標と認められる。
(3)使用行為について
商標権者が、B社に対し、「グローバル社員への浸透を図る人事制度のグローバル対応」等と題する人事制度の提案書を作成し、当該提案書に本件使用商標を付していたとしても(乙2)、その提案書をB社に対し頒布したといえる証拠の提出はないから、商標権者が請求に係る指定役務を行っているものとはいえない。
その他、B社が商標権者に対し提出した「人事制度導入支援、評価者研修」等を内容とする「発注申込書」(乙7)及びB社の社名が付された「評価者研修」資料(乙3)を提出しているが、それらの証拠には本件使用商標は使用されておらず、乙3及び乙7の関連性も不明確である。
さらに、商標権者の提出に係る回答書(1)ないし回答書(3)のいずれにおいても、商標権者は、顧客への提案書等の資料には、本件使用商標は使用せず、「人事制度のご提案」、「人事制度設計」などを使用し、商標権者の社内資料において使用している旨主張していることから、商標権者が請求に係る指定役務を行っているものとはいえない。
(4)小括
以上のことからすれば、被請求人が、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件商標を使用していることを証明したと認めることはできない。
そして、その他、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において、本件商標を請求に係る指定役務について使用をしていることを認めるに足りる証拠の提出はない。
3 むすび
以上のとおり、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定役務について、本件商標を使用していることを証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定役務について、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定役務中、「結論掲記の指定役務」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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