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特許拒絶査定不服審判

2022-019228

遊技機

審判番号
2022-019228
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-227550外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年11月29日
審決日
2023年12月20日
公報発行日
2024年03月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A63F) / P18 .113-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-227550「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 6月20日出願公開、特開2019- 93057〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯の概要 本願は、平成29年11月28日の特許出願であって、令和2年11月26日に上申書及び手続補正書が提出され、令和3年10月25日付けで拒絶の理由が通知され、令和4年1月6日に意見書及び手続補正書が提出され、さらに、同年3月8日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年5月10日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年8月10日付け(送達日:同年同月30日)で、同年5月10日にされた手続補正が却下されるとともに拒絶査定がされ、これに対して、同年11月29日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、これに対し、当審において、令和5年8月30日付けで拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年10月30日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和5年10月30日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(記号A~Gは、本願発明を分説するために合議体にて付した。以下、A等が付された事項を「構成A」等という。)。 「A 遊技者が操作可能な操作手段と、 B 複数種類の画像を表示可能な表示手段と、を備えた遊技機であって、 C 前記複数種類の画像のうちの一つは、特定の対象を表す第1の画像であり、 D 前記複数種類の画像のうちの一つは、前記特定の対象を表す第2の画像であり、 E 前記複数種類の画像のうちの一つは、前記表示手段の所定位置に表示され、前記操作手段の外観を表す操作手段画像であり、 F 前記操作手段画像に隣接する前記表示手段の第1の位置に前記第1の画像が停止表示され、前記第2の画像が表示されていない第1の演出と、前記第1の演出の後、前記第2の画像が前記表示手段に表示されていない状態から、新たに表示されるとともに第1の方向に移動して、前記第1の演出において前記第1の画像が表示されていた前記表示手段の前記第1の位置に新たに停止表示されることにともなって、前記第1の画像が前記操作手段画像に隣接した状態を維持しながら前記第1の方向に移動して前記第1の位置から前記操作手段画像に隣接する第2の位置に移動し、前記第2の位置で停止表示する第2の演出と、を実行可能な G ことを特徴とする遊技機。」 3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由は、概略、次のとおりである。 (理由1)(進歩性) 本願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 1.特開2017-192713号公報 4 引用文献等 (1)引用文献1(特開2017-192713号公報)の記載事項、引用発明について ア 引用文献1の記載事項 当審拒絶理由において引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は合議体にて付した。以下同じ。)。 (ア) 「【0011】 <全体構成> まず、図1を用いて、パチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。 ・・・ 【0016】 球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる不図示の開放レバーを押すことによって開く。なお、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサを設けてもよい。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる扉側球通路ユニットが設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図3参照)の演出態様に変化を与える演出ボタン136(チャンスボタン136)と、演出ボタン136(チャンスボタン136)に内蔵され、その演出ボタン136(チャンスボタン136)を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部(不図示)と、を備える。・・・」 (イ) 「【0050】 次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」という)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660とを備えて構成されている。」 (ウ) 「【0076】 以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様を停止表示するまでの表示を装飾図柄の変動表示と称することがある。装飾図柄の変動表示は、第1副制御部400が制御することによって行われる。」 (エ) 「【0306】 図21(b1)は、タイマ予告演出が開始した後の様子が示されている。この演出例でのタイマ予告演出では、タイマ予告表示TM1に表示されるタイマ表示が「30:00」となって開始されており、すなわち、カウントダウンが開始されてから30秒が経過するとある予告演出が開始されることを示唆するものである。なお、図21(b1)に示すタイミングでは、タイマ予告表示TM1における表示は「29:69」となっている。このように、タイマ予告演出で行うカウントダウンの時間が複数種類用意されていてもよく、例えば、カウントダウンの時間が長いほど、大当りの信頼度が高いように構成されてもよいし、カウントダウンの時間が短いほど、大当りの信頼度が高いように構成されてもよいし、カウントダウンの時間に拘らず、大当りの信頼度は変わらないように構成されてもよい。 ・・・ 【0310】 図21(b4´-2)は、図21(b4)に続く別の演出例を示している。図21(b4´-2)に示す装飾図柄表示装置208では、決闘シーンのアニメーション表示が開始された後、タイマ予告表示TM1におけるタイマ表示が「02:37」となっている様子が示されている。すなわち、タイマ予告演出によるカウントダウンが開始されてから、約27秒が経過したときの様子が示されている。また、図21(b4´-2)にしめす装飾図柄表示装置208では、ボタン画像136aと残時間表示メータMTが表示され、ボタン演出が開始されている様子が示されている。なお、このボタン演出は、タイマ予告演出によって予告された演出とは異なる演出である。その後、図21(b5´)に示すように、タイマ予告表示TM1におけるタイマ表示が「00:00」となると、図21(b6´)に示すように、タイマ予告表示TM1では、タイマ表示に換えて予告への注目を促す旨の「注目」の文字が表示される。すると、図21(b7´)に示すように、装飾図柄表示装置208では、変動アイコンh0に「熱」の文字が付加された予告表示が行われる。このように、この演出例では、タイマ予告演出においてカウントダウンした結果行われた予告表示(あるいは、演出)がボタン演出の実行中に行われている様子が示されている。」 (オ) 「【図21】 [図:0001407355000001.jpg] 」 (カ) 「【0317】 図22は、タイマ予告演出の他の例を段階的に示す図である。 【0318】 図22(1)に示す装飾図柄表示装置208では、装飾図柄の変動表示が行われている様子が示されている。また、図22(1)に示すタイミングでは、特図1の保留数が1となっており、第一の保留アイコンh11が表示されるとともに、第2保留数表示では、特図1の保留数が1であることを示す「1」が表示されている。また、変動アイコンh0及びナビキャラクタYMも表示されている。また、図22(1)では、上述したタイマ予告演出が開始されており、タイマ予告表示TM1が表示画面の中央右側に表示されている。図22(1)に示すタイミングでは、タイマ予告表示TM1におけるタイマ表示は「09:69」となっている。」 (キ) 「【図22】 [図:0001407355000002.jpg] 」 (ク) 「【0336】 図23は、タイマ予告演出の他の例を段階的に示す図である。 ・・・ 【0340】 図23(1f)~同図(6f)に示す演出例は、タイマ上乗せ演出の別の例であって、上乗せされた時間のカウントダウンが、タイマ予告表示TM1とは別の表示によって行われる様子を示している。図23(1f)は、図22(3)に続く演出例であり、ナビキャラクタYMの吹き出しによる上乗せ時間の報知が行われた後、上乗せタイマ表示TM2がタイマ予告表示TM1の下方において表示画面の右端からフレームインしている様子が示されている。この上乗せタイマ表示TM2では、上乗せされる時間を示す「10:00」が表示されている。ここで、タイマ予告表示TM1におけるタイマ表示のカウントダウンは、上乗せタイマ表示TM2のフレームインのアニメーションが行われている間も行われているが、カウントダウンが中断してもよい。なお、上乗せタイマ表示TM2は、ナビキャラクタYMの吹き出しにオーバーラップしており、オーバーラップしていない状態である場合よりも視認困難とされている。また、上乗せタイマ表示TM2がナビキャラクタYMの吹き出しにオーバーラップされてもよい。 【0341】 図23(2f)は、上乗せタイマ表示TM2のフレームインのアニメーションが完了した様子が示されている。このとき、ナビキャラクタYMの吹き出しが消去されている。ここで、上乗せタイマ表示TM2のフレームインのアニメーションが完了した後で、ナビキャラクタYMの吹き出しが消去されてもよいし、ナビキャラクタYMの吹き出しが消去された後で、上乗せタイマ表示TM2のフレームインのアニメーションが完了してもよいし、上乗せタイマ表示TM2のフレームインのアニメーションが完了するタイミングと、ナビキャラクタYMの吹き出しが消去されるタイミングとが同じであってもよい。なお、図23(2f)では、タイマ予告表示TM1の下方に上乗せタイマ表示TM2を配置するようにしたが、タイマ予告表示TM1と上乗せタイマ表示TM2とを重ねて配置するようにしてもよく、例えば、図23(2f´)に示すように、上乗せタイマ表示TM2がタイマ予告表示TM1にオーバーラップされるようにしてもよいし、図23(2f´´)に示すように、タイマ予告表示TM1が上乗せタイマ表示TM2にオーバーラップされるようにしてもよい。」 (ケ) 「【図23】 [図:0001407355000003.jpg] 」 イ 認定事項 (ア)認定事項ア 引用文献1には、【0050】に「パチンコ機100」は、「主に演出の制御を行う第1副制御部400」「を備えて構成されている。」ことが記載され、【0317】、【0318】に「タイマ予告演出」を示す「図22(1)では、」「タイマ予告演出が開始されており、タイマ予告表示TM1が表示画面の中央右側に表示されている」ことが記載されている。 また、【図22】(1)~(3)に「表示画面にタイマ予告表示TM1が表示されるが、上乗せタイマ表示TM2が表示されていない状態で演出が行われること」が図示されている。 したがって、引用文献1には、「第1副制御部400は、タイマ予告演出が開始されると、表示画面の中央右側にタイマ予告表示TM1が表示され、上乗せタイマ表示TM2が表示されていない状態で、演出を行うこと」(以下「認定事項ア」という。)が記載されていると認められる。 (イ)認定事項イ 引用文献1には、上記(ア)の【0050】の記載に加えて【0340】、【0341】に「図23(1f)は、図22(3)に続く演出例であり、・・・上乗せタイマ表示TM2がタイマ予告表示TM1の下方において表示画面の右端からフレームインしている様子が示されている。・・・なお、図23(2f)では、タイマ予告表示TM1の下方に上乗せタイマ表示TM2を配置するようにした・・・」ことが記載され、【0341】に「図23(2f)は、上乗せタイマ表示TM2のフレームインのアニメーションが完了した様子が示されている」ことが記載されている。 また、【図23】の(1f)に「タイマ予告表示TM1の下半分の部分に、上乗せタイマ表示TM2の上半分の部分がオーバーラップするように、表示画面の右端から左方向にフレームインすること」が図示され、【図23】の(2f)に「上乗せタイマ表示TM2のフレームインのアニメーションの完了に伴い、上乗せタイマ表示TM2を停止表示させると共に、タイマ予告表示TM1を表示画面の中央右側の位置から、その高さ方向のおよそ半分の長さだけ高い位置となるように上方向に移動させて、タイマ予告表示TM1の下方に上乗せタイマ表示TM2を配置させること」が図示されている。 したがって、引用文献1には、「第1副制御部400が、タイマ予告演出において、上乗せタイマ表示TM2をその上半分の部分をタイマ予告表示TM1の下半分の部分にオーバーラップするように、表示画面の右端から左方向にフレームインさせ、上乗せタイマ表示TM2のフレームインのアニメーションの完了に伴い、上乗せタイマ表示TM2を停止表示させると共に、タイマ予告表示TM1を表示画面の中央右側の位置から、その高さ方向のおよそ半分の長さだけ高い位置となるように上方向に移動させることで、タイマ予告表示TM1の下方に上乗せタイマ表示TM2を配置させる演出を行うこと」(以下「認定事項イ」という。)が記載されているものと認められる。 (ウ)認定事項ウ 引用文献1の【図21】の(b4´-2)から(b7´´)にかけて、「装飾図柄表示装置208の表示画面の中央にボタン画像136aが表示され、表示画面の中央右側にタイマ予告表示TM1が、ボタン画像136aに隣接する状態で表示されていること」(以下「認定事項ウ」という。)が図示されているものと認められる。 ウ 引用発明について 上記アの記載事項及び上記イ(ア)~(イ)の認定事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与える演出ボタン136と、主に演出の制御を行う第1副制御部400とを備えたパチンコ機100(【0016】、【0050】)であって、 第1副制御部400(【0050】)は、 装飾図柄表示装置208の表示画面において、装飾図柄の変動表示を行い(【0076】)、 タイマ予告表示TM1に表示されるタイマ表示を「30:00」とした状態でタイマ予告演出を開始し(【0306】)、 タイマ予告演出が開始されると、上乗せタイマ表示TM2が表示されていない状態で表示画面の中央右側にタイマ予告表示TM1を表示する演出を行い(認定事項ア)、 当該演出に続いて、上乗せタイマ表示TM2をその上半分の部分をタイマ予告表示TM1の下半分の部分にオーバーラップするように表示画面の右端から左方向にフレームインさせ、フレームインのアニメーションの完了に伴い、上乗せタイマ表示TM2を停止表示させると共に、タイマ予告表示TM1を表示画面の中央右側の位置から、その高さ方向のおよそ半分の長さだけ高い位置となるように上方向に移動させることで、タイマ予告表示TM1の下方に上乗せタイマ表示TM2を配置させる演出を行う(認定事項イ) パチンコ機100(【0050】)。」 (2)引用文献1に記載された技術事項 上記アの記載事項及び上記イ(ウ)の認定事項を総合すると、引用文献1には、次の技術事項(以下「引用文献1記載の技術事項」という。)が記載されていると認められる。 「タイマ予告演出が、タイマ予告表示TM1に表示されるタイマ表示が「30:00」となって開始され(【0306】)、 タイマ予告演出におけるタイマ予告表示TM1のカウントダウンが開始されてから、約27秒が経過したとき、ボタン画像136aと残時間表示メータMTが表示されるボタン演出が開始され(【0310】)、 ボタン画像136aは、装飾図柄表示装置208の表示画面の中央に表示され、タイマ予告表示TM1は、ボタン画像136aに隣接する状態で、装飾図柄表示装置208の表示画面の中央右側に表示されており(認定事項ウ)、 続いて、タイマ予告演出においてカウントダウンした結果行われる予告演出がボタン演出の実行中に行われる(【0310】)こと。」 5 対比 本願発明と引用発明とを分説に従い対比する。 (1)本願発明の構成Aについて 引用発明の「遊技者の操作によ」ること、「演出ボタン136」は、それぞれ、本願発明の「遊技者が操作可能な」こと、「操作手段」に相当する。 したがって、引用発明は、本願発明の構成Aに相当する構成を備える。 (2)本願発明の構成B、Gについて 引用発明の「装飾図柄表示装置208」は、その「表示画面」に「タイマ予告表示TM1」や「上乗せタイマ表示TM2」を表示させるものであるから、本願発明の「複数種類の画像を表示可能な表示手段」に相当する。 そして、引用発明の「パチンコ機100」は、本願発明の「遊技機」に相当する。 したがって、引用発明は、本願発明の構成B、Gに相当する構成を備える。 (3)本願発明の構成C、Dについて 引用発明の「タイマ予告表示TM1」及び「上乗せタイマ表示TM2」は、いずれも「タイマ」表示という特定の対象に関するものであり、本願発明の「特定の対象を表す」「画像」に対応するから、上記(2)の検討も踏まえると、引用発明の「タイマ予告表示TM1」、「上乗せタイマ表示TM2」は、それぞれ、本願発明の「複数種類の画像のうちの一つ」である「特定の対象を表す第1の画像」、「複数種類の画像のうちの一つ」である「特定の対象を表す第2の画像」に相当する。 したがって、引用発明は、本願発明の構成C、Dに相当する構成を備える。 (4)本願発明の構成Fについて 引用発明の「装飾図柄表示装置208」にける「表示画面の中央右側」は、本願発明の「表示手段の第1の位置」に相当するから、上記(3)の検討も踏まえると、引用発明の「上乗せタイマ表示TM2が表示されていない状態で表示画面の中央右側にタイマ予告表示TM1を表示する演出」と、本願発明の「操作手段画像に隣接する表示手段の第1の位置に第1の画像が停止表示され、第2の画像が表示されていない第1の演出」とは、「表示手段の第1の位置に第1の画像が停止表示され、第2の画像が表示されていない第1の演出」である点で共通する。 そして、引用発明の「上乗せタイマ表示TM2をその上半分の部分をタイマ予告表示TM1の下半分の部分にオーバーラップするように表示画面の右端からフレームイン」させる演出は、「上乗せタイマ表示TM2」の左方向への移動を伴う演出であって、「上乗せタイマ表示TM2が表示されていない状態」での演出に続く演出であることから、本願発明の「第1の演出の後、第2の画像が表示手段に表示されていない状態から、新たに表示されるとともに第1の方向に移動」する「演出」とは、「第1の演出の後、第2の画像が表示手段に表示されていない状態から、新たに表示されるとともに所定方向に移動」する「演出」である点で共通する。 また、引用発明の「上乗せタイマ表示TM2をその上半分の部分をタイマ予告表示TM1の下半分の部分にオーバーラップするように表示画面の右端からフレームインさせ、フレームインのアニメーションの完了に伴い、上乗せタイマ表示TM2を停止表示させる」ことと、本願発明の「第2の画像が」「第1の演出において第1の画像が表示されていた表示手段の第1の位置に新たに停止表示される」こととは、前者において「上乗せタイマ表示TM2」は、「その上半分の部分」が「タイマ予告表示TM1の下半分の部分にオーバーラップ」することからみて、両者は、「第2の画像が、第1の演出において第1の画像が表示されていた表示手段の第1の位置近傍に新たに停止表示される」ことで共通する。 さらに、上記において検討したように引用発明の「表示画面の中央右側」、「上乗せタイマ表示TM2を停止表示させると共に」は、それぞれ、本願発明の「第1の位置」、「第2の画像が停止表示されることにともな」うことに相当する。 また、引用発明の「上方向に移動させることで、タイマ予告表示TM1の下方に上乗せタイマ表示TM2を配置させる」ことは、本願発明の「第1の方向に移動して」「第2の位置に移動し、第2の位置で停止表示する」ことに相当する。 そうすると、引用発明の「上乗せタイマ表示TM2を停止表示させる共に、タイマ予告表示TM1を表示画面の中央右側の位置から、その高さ方向のおよそ半分の長さだけ高い位置となるように上方向に移動させることで、タイマ予告表示TM1の下方に上乗せタイマ表示TM2を配置させる演出」と、本願発明の「第2の画像が」「停止表示されることにともなって、」「第1の画像が」「第1の画像が操作手段画像に隣接した状態を維持しながら第1の方向に移動して第1の位置から操作手段画像に隣接する第2の位置に移動し、第2の位置で停止表示する第2の演出」とは、「第2の画像が停止表示されることにともなって、第1の画像が、第1の方向に移動して第1の位置から第2の位置に移動し、第2の位置で停止表示する第2の演出」である点で共通する。 これらのことからみて、引用発明と本願発明の構成Fとは、「表示手段の第1の位置に第1の画像が停止表示され、第2の画像が表示されていない第1の演出と、第1の演出の後、第2の画像が表示手段に表示されていない状態から、新たに表示されるとともに所定方向に移動して、第1の演出において第1の画像が表示されていた表示手段の第1の位置近傍に新たに停止表示されることにともなって、第1の画像が第1の方向に移動して第1の位置から第2の位置に移動し、第2の位置で停止表示する第2の演出と、を実行可能な」ことで共通する。 上記検討内容からみて、引用発明は、本願発明と 「A 遊技者が操作可能な操作手段と、 B 複数種類の画像を表示可能な表示手段と、を備えた遊技機であって、 C 前記複数種類の画像のうちの一つは、特定の対象を表す第1の画像であり、 D 前記複数種類の画像のうちの一つは、前記特定の対象を表す第2の画像であり、 F´ 前記表示手段の第1の位置に前記第1の画像が停止表示され、前記第2の画像が表示されていない第1の演出と、前記第1の演出の後、前記第2の画像が前記表示手段に表示されていない状態から、新たに表示されるとともに所定方向に移動して、前記第1の演出において前記第1の画像が表示されていた前記表示手段の前記第1の位置近傍に新たに停止表示されることにともなって、前記第1の画像が第1の方向に移動して前記第1の位置から第2の位置に移動し、前記第2の位置で停止表示する第2の演出と、を実行可能な G 遊技機。」 の点で一致し、次の点で相違する。 [相違点1](構成E) 本願発明は、「前記複数種類の画像のうちの一つは、前記表示手段の所定位置に表示され、前記操作手段の外観を表す操作手段画像であ」るのに対して、引用発明は、「複数種類の画像のうちの一つ」として、「表示手段の所定位置に表示され」る「操作手段の外観を表す操作手段画像」を表示可能であるか否か明らかでない点。 [相違点2](構成F) 遊技機が実行可能な「第1の演出」及び「第2の演出」に関して、 本願発明では、「第1の画像が停止表示され」る「第1の位置」が、「操作手段画像に隣接する」位置であり、「第2の画像」が「新たに停止表示される」「位置」が、「第1の画像が表示されていた表示手段の第1の位置」であり、 「第2の画像」の「第1の位置」への「移動」が、「第1の方向」への移動であり、「第1の画像」の「第1の位置から」「第2の位置」への「移動」が、「第1の画像が操作手段画像に隣接した状態を維持しながら「第1の方向」に移動して第1の位置から操作手段画像に隣接する第2の位置」への移動であるのに対して、 引用発明では、「タイマ予告表示TM1(第1の画像)が停止表示され」る「位置」が、「操作手段画像に隣接」しておらず、「上乗せタイマ表示TM2(第2の画像)」が「新たに停止表示される」「位置」が、「第1の演出においてタイマ予告表示TM1(第1の画像)が表示されていた表示手段の第1の位置」でなく、 「上乗せタイマ表示TM2(第2の画像)」の「新たに表示される」「位置」への「移動」が、「第1の方向」への移動でなく、「タイマ予告表示TM1(第1の画像)」の「第1の位置から」「第2の位置」への「移動」が、「第1の画像が操作手段画像に隣接した状態を維持」するものでない点。 4 当審判合議体による判断 (1)相違点についての判断 上記相違点1及び2は、「操作手段画像」に関して互いに関連するのでまとめて検討する。 ここで、上記3(2)で述べた引用文献1記載の技術事項における「ボタン画像136a」は、本願発明の「前記複数種類の画像のうちの一つ」である「前記表示手段の所定位置に表示され、前記操作手段の外観を表す操作手段画像」に相当することは明らかであるから、引用文献1記載の技術事項は、相違点1に係る本願発明の構成に相当する構成を備える。 そして、引用文献1記載の技術事項の「タイマ予告表示TM1」、「装飾図柄表示装置208の表示画面の中央右側」は、それぞれ、本願発明の「第1の画像」、「第1の位置」に相当するから、引用文献1記載の技術事項において、「タイマ予告表示TM1」が「ボタン画像136aに隣接する状態で、装飾図柄表示装置208の表示画面の中央右側に表示されて」いることは、本願発明の「第1の画像が停止表示され」る「位置」が、「操作手段画像に隣接する」位置であるとの相違点2における構成に相当する。 一方、遊技機の技術分野において、表示手段の表示画面に特定の対象を表す第1の画像、及び第2の画像の両方を同時に表示させる際の態様として、それまで表示画面に表示されていなかった第2の画像を新たに表示させるとともに所定方向に移動させて、それまで第1の画像が停止表示されていた位置に停止表示させ、これに伴って、第1の画像を停止表示されていた位置から、前記所定方向と同じ方向に次の停止位置まで移動させて停止表示させることは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、特許第6202651号公報の【1871】、【図150】や、特開2014-45969号公報の【0089】、【図8】や、特開2013-34505号公報の【0229】、【図18】、【図19】を参照のこと。以下「周知技術」という。)。 そうすると、引用発明において、同じ文献に記載されている引用文献1記載の技術事項と同様に、引用発明の「タイマ予告演出」における「タイマ予告表示TM1(第1の画像)」や「上乗せタイマ表示TM2(第2の画像)」を「ボタン画像(操作手段画像)」に隣接した状態で表示することは当業者が適宜になし得ることであり、引用発明の「表示画面の中央右側にタイマ予告表示TM1を表示する演出(第1の演出)」において、「タイマ予告表示TM1(第1の画像)」を「操作手段画像」に隣接する位置とするとともに、「タイマ予告表示TM1(第1の画像)」の「表示画面の中央右側(第1の位置)」から「下方に上乗せタイマ表示TM2を配置させた位置(第2の位置)」への「移動」を、本願発明のように「第1の画像が操作手段画像に隣接した状態を維持しながら第1の位置から操作手段画像に隣接する第2の位置」への移動とすることとし、その際に、上記周知技術に基づいて、「上乗せタイマ表示TM2(第2の画像)」を「フレームインさせ」る際の移動方向としての「左方向」を「上方向」(本願発明の「第1の方向」に相当する。)に換えるとともに、停止位置を「タイマ予告表示TM1(第1の画像)」が表示されていた「表示画面の中央右側(第1の位置)」とし、あわせて、「タイマ予告表示TM1(第1の画像)」について、移動方向を上方向(本願発明の「第1の方向」に相当する。)のままで停止位置を「タイマ予告表示TM1の下方に上乗せタイマ表示TM2を配置させる」位置とすることで相違点1及び2に係る本願発明の構成とする程度のことは、当業者が容易になし得たものである。 そして、本願発明の奏する効果は、引用発明、引用文献1記載の技術事項、及び周知技術から予測される効果の範囲内のものである。 したがって、本願発明は、引用発明、引用文献1記載の技術事項、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)請求人の主張について 令和5年10月30日提出の意見書において、請求人は、構成Fに関して、次のように主張する(「4 本願発明が特許されるべき理由」、「(1)理由1(進歩性)について」を参照)。 「引用文献1の図23(1f)~(2f)のように、引用発明では、上乗せタイマ表示TM2が表示画面の右端からフレームインによって新たに表示されるとともに左方向に移動して、装飾図柄表示装置208の表示画面の中央右側に表示され、これにともなって、タイマ予告表示TM1が上方向に移動し、上乗せタイマ表示TM2の上方に表示されます。 一方、本願発明では、第2の画像が表示手段に表示されていない状態から、新たに表示されるとともに第1の方向に移動して、第1の演出において第1の画像が表示されていた表示手段の第1の位置に新たに停止表示されることにともなって、第1の画像が操作手段画像に隣接した状態を維持しながら第1の方向に移動して第1の位置から操作手段画像に隣接する第2の位置に移動し、第2の位置で停止表示します。 従って、引用文献1には、本願発明の構成[5](合議体注:構成Fに対応する。)について、開示も示唆もされていないといえます。 引用発明では、タイマ予告表示TM1や上乗せタイマ表示TM2などのタイマ表示は、それぞれ、表示画面の右端から左方向に移動しつつフレームインして表示画面の右側に表示されます。また、引用発明では、タイマ予告表示TM1や上乗せタイマ表示TM2などのタイ表示が複数表示される場合には、表示画面の右側に縦に並んで表示されます。従って、引用発明では、1つ目のタイマ表示(タイマ予告表示TM1)が表示されている状態で、2つ目のタイマ表示(上乗せタイマ表示TM2)が新たに表示される場合には、2つ目のタイマ表示が表示画面の右端から左方向に移動しながらフレームインし、これにともなって、1つ目のタイマ表示が表示画面の右側において上方向に移動し、表示画面の右側において2つのタイマ表示が上下に並んで表示されます。このような構成から、当業者は、引用発明から構成[5]を備える本願発明を想到し得ません。」(下線は、請求人による。) そこで、請求人の上記主張について検討する。 令和5年10月30日提出の手続補正書において、請求人は、「第1の画像」及び「第2の画像」についての移動方向を構成Fで限定する補正を行った。 しかしながら、当該限定された構成は、上記「(1)相違点についての判断」において検討したように、周知技術から導かれる構成である。 したがって、請求人の上記主張を採用することができない。 5 結論 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-019228

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