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特許拒絶査定不服審判

2022-016608

遊技機

審判番号
2022-016608
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-095063外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年10月18日
審決日
2023年05月09日
公報発行日
2023年08月25日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018- 95063「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年11月21日出願公開、特開2019-198503〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯の概要

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本願は、平成30年5月17日の出願であって、令和3年7月8日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月8日に意見書及び手続補正書が提出され、令和4年2月9日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年4月18日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年7月14日付け(謄本送達日:同月26日)で、同年4月18日付けの手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年10月18日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 令和4年4月18日に提出された手続補正書による補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和4年4月18日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 補正の内容

本件補正は、令和3年9月8日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における

「【請求項1】
演出を制御可能な演出制御手段を備える遊技機において、
前記演出制御手段は、
演出図柄を変動表示を経て停止表示させる変動演出を実行可能であり、
前記変動演出中に前記演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出を実行する度に、背景画像を切替えることを特徴とする遊技機。」を、

審判請求時に提出された手続補正書(令和4年10月18日付け)の特許請求の範囲の請求項1における

「【請求項1】
演出図柄を変動表示を経て停止表示させる変動演出を実行可能な演出制御手段を備える遊技機において、
前記演出図柄は、数字部分と、前記数字部分に付帯した形状を有する付帯形状部分と、を有し、
前記演出制御手段は、
前記変動演出中に前記演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出を実行する度に、背景画像を切替えると共に、前記演出図柄の付帯形状部分の表示態様を切替えることが可能であることを特徴とする遊技機。」にする補正を含むものである(下線は、補正箇所を明示するために当審判合議体にて付した。)。

2 補正の適否

2-1 補正の目的及び新規事項について

本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「演出図柄」に関して、「数字部分と、前記数字部分に付帯した形状を有する付帯形状部分と、を有」すること、「前記変動演出中に前記演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出を実行する度に、背景画像を切替える」ことについて、「背景画像を切替えると共に、前記演出図柄の付帯形状部分の表示態様を切替えることが可能であること」を限定するもの、その他語順を変更する形式的なものを含むものである。

そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。

また、本件補正の補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)の段落【0014】、【0088】、【0090】、【0092】、【0095】、図13の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

2-2 独立特許要件について

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A等は、分説するため当審判合議体にて付した。)。

「【請求項1】
A 演出図柄を変動表示を経て停止表示させる変動演出を実行可能な演出制御手段を備える遊技機において、
B 前記演出図柄は、数字部分と、前記数字部分に付帯した形状を有する付帯形状部分と、を有し、
A 前記演出制御手段は、
C 前記変動演出中に前記演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出を実行する度に、背景画像を切替えると共に、前記演出図柄の付帯形状部分の表示態様を切替えることが可能である
D ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用例1の記載事項、引用発明

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原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-131876号公報(平成28年7月25日公開)(以下「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。

ア「【発明を実施するための形態】

【0010】

以下、図面を用いて、本発明を適用可能なパチンコ機100等の弾球遊技機(封入式のものも含む)について詳細に説明する。なおここにいう封入式のものとは、遊技機内に封入された遊技球を循環使用する封入式遊技機等のことをいう。」

イ「【0074】

図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。ここでの装飾図柄には、「装飾1」~「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当たりを報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに15R大当たりに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1-装飾1-装飾1」や「装飾2-装飾2-装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当たりを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3-装飾3-装飾3」や「装飾7-装飾7-装飾7」等)を停止表示する。」

ウ「【0174】

本発明では、擬似連演出が実行される場合がある。この擬似連演出は、第1副制御部400における実行可否抽選によって「実行する」に当選した場合に実行される。特図の図柄変動表示に応じて装飾図柄表示装置208では装飾図柄が変動表示されるが、擬似連演出では、1回分の特図の図柄変動表示(すなわち、1回の始動入賞)に対して、装飾図柄表示装置208における図柄表示領域208a~208cの一部又は総てにおいて装飾図柄の変動表示を仮停止(装飾図柄の更新を停止しているが確定はしていない状態であって、揺り動かすなどの状態としていてもよい)させた後に、総ての装飾図柄を再度、変動表示させる再変動表示を1又は複数回実行する。

・・・

【0177】

この図14では、特図表示装置212,214における1回の特図の図柄変動表示が行われる間に、擬似連演出として3回の再変動表示が行われ、4回目の再変動表示の開始をもって擬似連演出が終了する。その後、特図表示装置212,214における特図の停止表示に合わせて、装飾図柄表示装置208でも装飾図柄の図柄組合せが停止表示され、確定表示期間の間、停止図柄が維持される。続いて、特図表示装置212,214における次の特図の図柄変動表示が開始される。」

エ「【0256】

図20は、擬似連回数が増加するにつれて変化する表示演出を示す図である」

オ「【0261】

図20(A)は、擬似連回数1回目(最初の図柄変動表示)における装飾図柄表示装置208を示す図であり、この装飾図柄表示装置208の背景画像は、白地に枯れた木が表示された画像である。

【0262】

図20(B)は、擬似連回数2回目(一回目の再変動表示)における装飾図柄表示装置208を示す図であり、この装飾図柄表示装置208の背景画像は、薄い灰色の地に枯れた木が表示された画像である。

【0263】

図20(C)は、擬似連回数3回目(二回目の再変動表示)における装飾図柄表示装置208を示す図であり、この装飾図柄表示装置208の背景画像は、濃い灰色の地に枯れた木が表示された画像である。

【0264】

以上説明した例は、擬似連回数が増加するにつれて、背景画像の地の色が濃くなっていくステップアップ演出に相当する。なお、擬似連回数が多くなればなるほど、期待度(大当りの信頼度)が上昇する。すなわち、「×2」という擬似連回数を表す文字表示よりも、「×3」という擬似連回数を表す文字表示の方が、期待度が高い。

【0265】

ここで、擬似連回数が増加するにつれて背景画像が変化する例では、変動アイコンや保留アイコンの背景まで変化する場合があってもよい。この場合に、背景画像が変化することで、変動アイコンまたは/および保留アイコンの見栄えが変化してもよい。例えば、擬似連回数が増加するにつれて、変動アイコンまたは/および保留アイコンが背景と混同して見えにくくなっていってもよい。また、擬似連回数が第一の回数の場合に限って、変動アイコンまたは/および保留アイコンが見えにくくなってもよい。さらに、背景画像に限らず、エフェクト画像によっても同様なことが言える。」

カ「【0357】

図30は、擬似連回数が増加するにつれて変化する表示演出の他の例を示す図である。

【0358】

図30の左側に示す例では、擬似連回数3回のうち、1回目となる最初の図柄変動表示における仮停止(1回目の仮停止)を挟んで、ストーリ予告が進行する例である。すなわち、仮停止後に、続きが開始される。

【0359】

図30の中央に示す例では、擬似連回数3回のうち、1回目となる最初の図柄変動表示における仮停止(1回目の仮停止)を挟んで、チュートリアル予告が進行する例である。なお、この例では、仮停止中にも、チュートリアル予告(ステップ2)が継続して実行され、仮停止前(ステップ1)よりも1ステップ進行している。

【0360】

図30の右側に示す例では、擬似連回数3回のうち、1回目となる最初の図柄変動表示における仮停止(1回目の仮停止)を挟んで、装飾図柄の表示態様が変化する例である。すなわち、擬似連回数1回目の装飾図柄の変動表示中(図30(あ))や、揺れ表示中(図30(い))や、1回目の仮停止中(図30(う))では、装飾図柄の表示態様は青色であるが、2回目となる一回目の再変動表示中(図30(え))や、揺れ表示中(図30(お))や、2回目の仮停止中では、装飾図柄の表示態様は緑色になる。」

キ「【0625】

なお、以上説明した、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等に適用してもよい。」

ク「【図5】

[図:0001400276000001.jpg]

上記イの【0074】の記載及び上記図5から、装飾図柄の装飾1~装飾10は、それぞれ1~0の数字部分からなっていることが看取できる。」

ケ「【図20】

[図:0001400276000002.jpg]

」

コ 引用発明

上記ア~ケに摘記した引用例1に記載された事項より、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める(記号a等は、本件補正発明の記号A等に対応させて当審判合議体にて付した。)。

「a 1回分の特図の図柄変動表示に対して、装飾図柄表示装置208における図柄表示領域208a~208cの一部又は総てにおいて装飾図柄の変動表示を仮停止させた後に、総ての装飾図柄を再度、変動表示させる再変動表示を1又は複数回実行する擬似連演出を実行可否抽選によって「実行する」に当選した場合に実行し(【0174】)、特図表示装置212,214における特図の停止表示に合わせて、装飾図柄表示装置208でも装飾図柄の図柄組合せが停止表示される(【0177】)第1副制御部400(【0174】)を備えるパチンコ機100(【0010】)において、
b 装飾図柄は、数字部分からなっており(【0074】、図5)、
c 第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行い(【0074】)、擬似連回数1回目の背景画像は、白地に枯れた木が表示された画像であり(【0261】)、擬似連回数2回目の背景画像は、薄い灰色の地に枯れた木が表示された画像であり(【0262】)、擬似連回数3回目の背景画像は、濃い灰色の地に枯れた木が表示された画像であり(【0263】)、擬似連回数が増加するにつれて背景画像が変化する(【0265】)
d パチンコ機100(【0010】)。」

(3)引用例2

ア 記載事項

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本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-167706号公報(平成27年9月28日公開)(以下「引用例2」という。)には、以下の事項が記載されている。

(ア)「【0017】
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。」
(イ)「【0392】
図48は、擬似連続リーチ変動パターンのうち、同一特定表示パターンの変動演出の一例を説明する図である。本実施形態においては、擬似連続リーチ変動パターンが、同一特定表示パターンと、切替特定表示パターンとに大別される。同一特定表示パターンの変動演出においては、図48(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始された後、図48(b)に示すように、まず、演出図柄210aが仮停止表示されるとともに、演出図柄210aと異なる演出図柄210cが仮停止表示される。その後、図柄構成群210Bが、擬似専用図柄210dをメイン演出表示部200aに表示させた状態で、スクロール速度を徐々に低下させるとともに、擬似専用図柄210dがメイン演出表示部200aの中央に仮停止表示される。なお、以下では、図柄構成群210A、210Cが、互いに異なる演出図柄210a、210cをメイン演出表示部200aに仮停止表示させ、図柄構成群210Bが、擬似専用図柄210dをメイン演出表示部200aに仮停止表示させた表示態様を特定態様と呼ぶ。
【0393】
擬似専用図柄210dは、通常時には図柄構成群210Bに含まれておらず、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出においてのみ図柄構成群210Bに含まれるもので、本実施形態では、「継続」、「昆虫」、「動物」と記された3種類の擬似専用図柄210dが設けられている。擬似連続リーチ変動パターンの変動演出では、1回の変動演出中に、必ず、複数回、特定態様となるが、最初に特定態様となる場合には、図48(b)に示すように、必ず、「継続」と記された擬似専用図柄210dがメイン演出表示部200aに仮停止表示される。
続きを表示(全38行)
【0394】
そして、メイン演出表示部200aの表示態様が特定態様となると、図48(c)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開される。つまり、特定態様は、演出図柄210a、210b、210cの再変動表示を示すものと言える。その後、図48(d)に示すように、図柄構成群210Bが変動表示を継続した状態で、互いに異なる演出図柄210a、210cがメイン演出表示部200aに仮停止表示される。
【0395】
そして、図48(e)に示すように、演出図柄210a、210cがメイン演出表示部200aの下部両端にそれぞれ移動して小さく表示されるとともに、メイン演出表示部200aに示唆演出画像が表示される示唆演出が行われる。示唆演出では、3種類の擬似専用図柄210dのいずれが選択されるのかを示唆するべく、擬似専用図柄210dがメイン演出表示部200aにおいて回転表示される。その後、図48(f)に示すように、「継続」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示されるとともに、演出図柄210a、210cが、それぞれ元の大きさ、元の位置に復帰して表示されることで、メイン演出表示部200aにおける表示態様が、再度、特定態様となる。
【0396】
メイン演出表示部200aの表示態様が特定態様となると、図48(g)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開され、図48(h)に示すように、図柄構成群210Bが変動表示を継続した状態で、同一の演出図柄210a、210cが仮停止表示されてリーチ態様となる。こうして演出図柄210a、210cがリーチ態様となると、以後は、図48(i)、(j)に示すように、上記の発展リーチ変動パターンと同様に、発展演出画像が表示されるリーチ発展演出が実行されて、大役抽選の結果が遊技者に報知される。
【0397】
ここで、擬似連続リーチ変動パターンのうち、同一特定表示パターンの変動演出では、図48(e)の示唆演出において、必ず、「継続」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示される。これに対して、擬似連続リーチ変動パターンのうち、切替特定表示パターンの変動演出では、示唆演出において、「継続」以外の文字が記された擬似専用図柄210dが、少なくとも1回仮停止表示される。
【0398】
図49は、擬似連続リーチ変動パターンのうち、切替特定表示パターンの変動演出の一例を説明する図である。なお、切替特定表示パターンの変動演出は、最初に示唆演出が実行されるまでは、上記した同一特定表示パターンの変動演出と演出の流れが同じである。つまり、切替特定表示パターンの変動演出においても、図48(a)、(b)に示すように、まず、「継続」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示されて特定態様となり、その後、図48(c)、(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの2回目の変動表示がなされると、図49(a)に示すように示唆演出が行われる。
【0399】
そして、切替特定表示パターンの変動演出では、図49(a)に示す示唆演出が行われると、図49(b)に示すように、「昆虫」または「動物」と記された擬似専用図柄210dが最終的にメイン演出表示部200aに仮停止表示される。なお、ここでは、1回目の示唆演出で(演出図柄210a、210b、210cの2回目の変動表示時に)、「昆虫」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示された場合について説明する。図49(b)に示すように、「昆虫」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示されて特定態様となると、図49(c)に示すように、メイン演出表示部200aに「昇格」と表示される。
【0400】
その後、図49(d)に示すように、メイン演出表示部200aの背景画像が渦巻き画像に変更されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開される。ここで、切替特定表示パターンの変動演出においては、背景画像が切り替わるのと同時に、図柄構成群210A、210B、210Cの構成パターンも切り替わる。上記したように、低確率遊技状態で表示される図柄構成群210A、210B、210Cの構成パターンは3種類用意されており、「昆虫」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示された場合には、デフォルト用の構成パターンから、昆虫のキャラクタ画像が記された演出図柄210a、210b、210cからなる構成パターンに図柄構成群210A、210B、210Cが切り替わる。
【0401】
そして、図49(e)に示すように、図柄構成群210Bが変動表示を継続した状態で、互いに異なる演出図柄210a、210cが仮停止表示されると、図49(f)に示すように、再度、示唆演出が実行される。この示唆演出において、今度は、図49(g)に示すように、「動物」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示されて特定態様になったとすると、図49(h)に示すように、再度、メイン演出表示部200aに「昇格」と表示される。その後、図49(i)に示すように、メイン演出表示部200aの背景画像が亀裂画像に変更されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開される。
【0402】
なお、「動物」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示された場合には、図柄構成群210A、210B、210Cが、動物のキャラクタ画像が記された演出図柄210a、210b、210cからなる構成パターンに切り替わる。そして、図49(j)に示すように、演出図柄210a、210cがリーチ態様となると、以後は、上記の発展リーチ変動パターンと同様に、発展演出画像が表示されるリーチ発展演出が実行されて、大役抽選の結果が遊技者に報知される(図48(i)、(j)参照)。
【0403】
ここで、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出において、メイン演出表示部200aに表示される画像のうち、図柄構成群210A、210B、210Cが変動表示(再変動表示)を開始してから、特定態様もしくはリーチ態様となるまでの画像を特定演出画像とする。この場合、特定演出画像は、メイン演出表示部200aにおける表示態様を異にして複数種類設けられることとなり、各特定演出画像は、表示態様に応じて複数の演出分類のいずれかに分類される。
【0404】
本実施形態では、低確率遊技状態におけるデフォルト仕様の背景画像、および、デフォルト仕様の図柄構成群210A、210B、210Cが表示される特定演出画像が分類される演出分類を通常演出分類とする。また、渦巻きの背景画像、および、昆虫キャラクタが記された演出図柄210a、210b、210cからなる図柄構成群210A、210B、210Cが表示される特定演出画像が分類される演出分類を第1演出分類とする。さらに、亀裂の背景画像、および、動物キャラクタが記された演出図柄210a、210b、210cからなる図柄構成群210A、210B、210Cが表示される特定演出画像が分類される演出分類を第2演出分類とする。
【0405】
擬似連続リーチ変動パターンの変動演出では、特定演出画像が複数回繰り返して表示されることとなるが、同一特定表示パターンでは、複数回繰り返して表示される特定演出画像が、同一の演出分類(通常演出分類)に分類されており、切替特定表示パターンでは、複数回繰り返して表示される特定演出画像が、異なる演出分類に分類されている。そして、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出では、リーチ態様となったとき、すなわち、複数回繰り返して表示される特定演出画像のうち、最後に表示される特定演出画像が分類される演出分類に対応する発展演出画像が、リーチ発展演出において表示される。
【0406】
例えば、擬似連続リーチ変動パターンのうち、同一特定表示パターンの変動演出では、リーチ態様となったときの特定演出画像(背景画像および図柄構成群210A、210B、210Cのパターン)は、通常演出分類に分類された特定演出画像(デフォルト仕様の画像)となっている。したがって、この場合には、通常演出分類に対応する発展演出画像が選択されることとなる。
【0407】
これに対して、擬似連続リーチ変動パターンのうち、切替特定表示パターンの変動演出では、リーチ態様となったときの特定演出画像は、通常演出分類とは異なる、第1演出分類または第2演出分類に分類されている。したがって、この場合には、第1演出分類または第2演出分類に対応する発展演出画像が選択されることとなる。これにより、擬似連続リーチ変動パターンにおいて、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様となるまでの間の演出は、以後のリーチ発展演出においていずれの発展演出画像が選択されるのかについて、遊技者に期待感を付与するものとなる。
【0408】
以上のように、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出では、演出図柄210a、210b、210cの変動表示および仮停止表示、換言すれば、メイン演出表示部200aにおける特定演出画像の表示が複数回繰り返して行われた後にリーチ態様となり、メイン演出表示部200aに発展演出画像が表示される。
【0409】
そして、擬似連続リーチ変動パターンのうち、同一特定表示パターンの変動演出では、特定態様となる際に、必ず、「継続」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示され、特定演出画像の演出分類が途中で切り替わることはない。一方、擬似連続リーチ変動パターンのうち、切替特定表示パターンの変動演出では、特定態様となる際に、「昆虫」、「動物」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示され、特定演出画像の演出分類が途中で切り替わる。
【0410】
このように、擬似連続リーチ変動パターンとして、同一特定表示パターンおよび切替特定表示パターンを設けることで、演出図柄210a、210b、210cの変動表示および仮停止表示の回数(以下、「擬似回数」という)のみならず、その表示内容に対しても遊技者の意識を惹きつけることができ、演出効果の向上を図ることができる。」
(ウ)「【図48】
[図:0001400276000003.jpg]
」
(エ)「【図49】
[図:0001400276000004.jpg]
」

イ 認定事項

上記ア(イ)の【0400】~【0402】で、「昆虫のキャラクタ画像が記された演出図柄210a、210b、210c」又は「動物のキャラクタ画像が記された演出図柄210a、210b、210c」に「図柄構成群210A、210B、210Cが切り替わる」状態は、上記ア(エ)の図49から「デフォルト用の構成パターン」の「演出図柄210a、210b、210c」で、数字に対して四角い箱状部の中が無地である表示態様から、四角い箱状部の中が無地の部分に昆虫のキャラクタ画像又は動物のキャラクタ画像が追加されていることを看取できる。

よって、引用例2の【0400】で「昆虫のキャラクタ画像が記された演出図柄210a、210b、210cからなる構成パターンに図柄構成群210A、210B、210Cが切り替わる」場合には、「数字に付帯されている四角い箱状部の中が無地の表示態様から四角い箱状部の中が無地の部分に昆虫のキャラクタ画像が追加されている表示態様に切り替えられる」(以下「認定事項1」という。)ことが記載されていると認められ、【0402】で「動物のキャラクタ画像が記された演出図柄210a、210b、210cからなる構成パターンに図柄構成群210A、210B、210Cが切り替わる」場合には、「四角い箱状部の中が無地の部分に昆虫のキャラクタ画像が追加されている表示態様から四角い箱状部の中が無地の部分に動物のキャラクタ画像が追加されている表示態様に切り替えられる」(以下「認定事項2」という。)ことが記載されていると認められる。

ウ 引用例2記載の事項

上記ア及びイより、引用例2には、以下の事項(以下「引用例2記載事項」という。)が記載されているものと認める。

「通常時には図柄構成群210Bに含まれておらず、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出においてのみ図柄構成群210Bに含まれる「継続」、「昆虫」、「動物」と記された3種類の擬似専用図柄210dが設けられ、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出では、1回の変動演出中に、必ず、複数回、特定態様となるが、最初に特定態様となる場合には、必ず、「継続」と記された擬似専用図柄210dがメイン演出表示部200aに仮停止表示され(【0393】)、特定態様は、演出図柄210a、210b、210cの再変動表示を示すものと言え(【0394】)、
擬似連続リーチ変動パターンのうち、切替特定表示パターンの変動演出では、示唆演出において、「継続」以外の文字が記された擬似専用図柄210dが、少なくとも1回仮停止表示され(【0397】、
切替特定表示パターンの変動演出において、まず、「継続」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示されて特定態様となり、その後、演出図柄210a、210b、210cの2回目の変動表示がなされると、示唆演出が行われ(【0398】)、1回目の示唆演出で(演出図柄210a、210b、210cの2回目の変動表示時に)、「昆虫」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示されて特定態様となると、メイン演出表示部200aに「昇格」と表示され(【0399】)、その後、背景画像が渦巻き画像に変更されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開され、背景画像が切り替わるのと同時に、図柄構成群210A、210B、210Cの構成パターンも切り替わり、「昆虫」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示された場合には、デフォルト用の構成パターンから、数字に付帯されている四角い箱状部の中が無地の表示態様から四角い箱状部の中が無地の部分に昆虫のキャラクタ画像が追加されている表示態様に切り替えられ(【0400】、認定事項1)、図柄構成群210Bが変動表示を継続した状態で、互いに異なる演出図柄210a、210cが仮停止表示されると、再度、示唆演出が実行され、この示唆演出において、今度は、「動物」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示されて特定態様になったとすると、再度、「昇格」と表示され、背景画像が亀裂画像に変更されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開され、背景画像が切り替わるのと同時に、四角い箱状部の中が無地の部分に昆虫のキャラクタ画像が追加されている表示態様から四角い箱状部の中が無地の部分に動物のキャラクタ画像が追加されている表示態様に切り替えられる(【0400】、~【0402】、認定事項2)遊技機100(【0010】)。」

(4)対比

本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。

ア 構成Aについて

引用発明の構成aの「装飾図柄」、(装飾図柄の)「停止表示」、「擬似連演出」、「第1副制御部400」、「パチンコ機100」は、それぞれ本件補正発明の「演出図柄」、「停止表示」、「変動演出」、「演出制御手段」、「遊技機」に相当する。

よって、引用発明の構成aは、本件補正発明の構成Aに相当する構成を有する。

イ 構成Bについて

引用発明の構成bでは、「装飾図柄は、数字部分からなって」いるから、本件補正発明と引用発明とは「前記演出図柄は、数字部分を有」する点で共通する。

ウ 構成Cについて

引用発明の構成cでは、「擬似連回数1回目の背景画像は、白地に枯れた木が表示された画像であり、擬似連回数2回目の背景画像は、薄い灰色の地に枯れた木が表示された画像であり、擬似連回数3回目の背景画像は、濃い灰色の地に枯れた木が表示された画像であり、擬似連回数が増加するにつれて背景画像が変化する」から、本件補正発明と引用発明とは「前記変動演出中に前記演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出を実行する度に、背景画像を切替えることが可能である」点で共通する。

エ 構成Dについて

引用発明の構成dの「パチンコ機100」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。

よって、引用発明の構成dは、本件補正発明の構成Dに相当する構成を有する。

上記ア~エによれば、本件補正発明と引用発明は、以下の一致点で一致し、相違点1及び相違点2で相違する。

<一致点>

「A 演出図柄を変動表示を経て停止表示させる変動演出を実行可能な演出制御手段を備える遊技機において、
B’前記演出図柄は、数字部分を有し、
A 前記演出制御手段は、
C’前記変動演出中に前記演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出を実行する度に、背景画像を切替えることが可能である
D 遊技機。」

<相違点1>(構成B)

「演出図柄」について、

本件補正発明では、「数字部分と、前記数字部分に付帯した形状を有する付帯形状部分と、を有し」ているのに対して、

引用発明では、「数字部分からなっており」、数字部分に付帯した形状を有する付帯形状部分を有していない点。

<相違点2>(構成C)

「演出制御手段」について、

本件補正発明では、「前記変動演出中に前記演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出を実行する度に、背景画像を切替えると共に、前記演出図柄の付帯形状部分の表示態様を切替えることが可能である」のに対して、

引用発明では、「擬似連回数が増加するにつれて背景画像が変化する」ものの、数字部分に付帯した形状を有する付帯形状部分を有していないことに伴い、擬似連回数が増加するにつれて付帯形状部分の表示態様を切替えることが可能ではない点。

(5)判断

ア 相違点1及び相違点2は、密接に関連するため併せて検討する。

引用例2記載事項の「中が無地」の「数字に付帯されている四角い箱状部」は、本件補正発明の「付帯形状部分」に相当するから、引用例2記載事項の「背景画像が渦巻き画像に変更される」こと又は「背景画像が亀裂画像に変更される」こと、「四角い箱状部の中が無地に昆虫のキャラクタ画像が追加されている表示態様に切り替えられ」ること又は「四角い箱状部の中が無地に動物のキャラクタ画像が追加されている表示態様に切り替えられる」ことは、本件補正発明の「背景画像を切替える」こと、「前記演出図柄の付帯形状部分の表示態様を切替えること」に相当する。

そして、引用例2記載事項では、「切替特定表示パターンの変動演出では、示唆演出において、「継続」以外の文字が記された擬似専用図柄210dが、少なくとも1回仮停止表示され」「その後、演出図柄210a、210b、210cの2回目の変動表示がなされると、示唆演出が行われ」「その後、背景画像が渦巻き画像に変更されるとともに、この背景画像に重畳して、」「「昆虫」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示された場合には、デフォルト用の構成パターンから、数字に付帯されている四角い箱状部の中が無地の表示態様から四角い箱状部の中が無地に昆虫のキャラクタ画像が追加されている表示態様に切り替えられ」「今度は、「動物」と記された擬似専用図柄210dが仮停止表示されて特定態様になったとすると、」「背景画像が亀裂画像に変更されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開され、背景画像が切り替わるのと同時に、四角い箱状部の中が無地の部分に昆虫のキャラクタ画像が追加されている表示態様から四角い箱状部の中が無地に動物のキャラクタ画像が追加されている表示態様に切り替えられ」ており、「擬似連続リーチ変動パターンの変動演出」(本件補正発明の「擬似連演出」に相当)の「演出図柄210a、210b、210cの2回目の変動表示時に」、「背景画像が切り替わるのと同時に」、「四角い箱状部の中が無地の表示態様から四角い箱状部の中が無地に昆虫のキャラクタ画像が追加されている表示態様に切り替えられ」(前記演出図柄の付帯形状部分の表示態様を切替え)、「互いに異なる演出図柄210a、210cが仮停止表示されると」、「演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開され」、「背景画像が切り替わるのと同時に」、「四角い箱状部の中が無地に動物のキャラクタ画像が追加されている表示態様に切り替えられる」。

そうすると、引用例2記載事項では、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出(擬似連演出)の演出図柄210a、210b、210cは、1回目の仮停止後の変動表示の再開時には切り替えないものの、2回目と3回目については、仮停止表示と変動表示の再開毎に背景画像(背景画像)と中が無地の四角い箱状部(付帯形状部分)の表示態様を切り替えているといえる。

よって、引用例2記載事項は、1回目の仮停止後の変動表示の再開時には背景画像及び図柄構成群210A、210B、210Cの構成パターンを切り替えないものの、2回目と3回目については「前記演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出を実行する度に、背景画像を切替えると共に、前記演出図柄の付帯形状部分の表示態様を切替えることが可能である」ことに相当する構成を有している。

ここで、引用発明及び引用例2記載事項は、ともに遊技機の擬似連演出に関する発明であって、ともに擬似連回数が増加するにつれて演出の内容を変更するものであり、ともに擬似連演出を改良することにより演出効果を向上して遊技の興趣向上を図るという自明な課題を有しているといえる。

さらに、上記(2)カのとおり引用例1の【0357】には「擬似連回数が増加するにつれて変化する表示演出の他の例を示す」として、同【0360】には「1回目の仮停止中(図30(う))では、装飾図柄の表示態様は青色であるが、2回目となる一回目の再変動表示中(図30(え))や、揺れ表示中(図30(お))や、2回目の仮停止中では、装飾図柄の表示態様は緑色になる。」と記載され、上記(2)キの【0625】には「以上説明した、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等に適用してもよい。」と記載されている。

そうすると、引用例1では、背景画像や、装飾図柄の表示色といった擬似連回数が増加するにつれて変化する表示対象を複数とすることが示唆されているといえる。

以上により、引用例2記載事項を引用発明に適用して、擬似連回数が増加するにつれて背景画像を変化させるとともに、装飾図柄を四角い箱状部の中を無地に数字部分を有するものとし、擬似連回数が増加するにつれて、該無地部分に昆虫や動物のキャラクタ画像を表示することを可能として、上記相違点1及び2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ そして、本件補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び引用例2記載事項の奏する効果から、当業者が予測することができる程度のものである。

(6)審判請求人の主張について

審判請求人は、令和4年10月18日付けの審判請求書において、次の点について主に主張をする(下線は当審判合議体で付した。)。

「3.新規性について
引用文献2には、図20(A)~(C)において、擬似連回数が増加する度に、背景画像が変化することが示されています。また図30(あ)~(え)において、演出図柄は数字と色とから構成されていて、擬似連回数が増加する度に、演出図柄の色が変化することが示されています。しかしながら、擬似連回数が増加する度に、演出図柄(装飾図柄)の付帯形状部分(図5(b)参照)の表示態様が切替わることについて、記載も示唆もなされていません。従って、引用文献1に係る発明は、上記した構成(C)を備えていない点で、本願発明と相違します。
よって、本願発明は、特許法第29条第1項第3号の規定には該当せず、進歩性を有するものと思料致します。
4.進歩性
本願発明では、上記した構成(C)により、変動演出中に、演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出が実行される(擬似連回数が増加する)度に、背景画像(自然背景画像Ha⇒街背景画像Hb⇒宇宙背景画像Hc(図13参照))が切替わると共に、演出図柄の付帯形状部分の表示態様(幼少用演出図柄EZaにおいて主人公キャラの幼少時代とライバルキャラの幼少時代とお姉さんキャラの幼少時代⇒高校用演出図柄EZbにおいて主人公キャラの高校時代とライバルキャラの高校時代とお姉さんキャラの高校時代⇒プロ用演出図柄EZcにおいて主人公キャラのプロ時代とライバルキャラのプロ時代とお姉さんキャラが成人している姿(図13参照))が切替わります。つまり、擬似連回数と、背景画像及び演出図柄の付帯形状部分の表示態様とが関係付けられています。こうして、擬似連演出において、背景画像が切替わるだけでなく、演出図柄の付帯形状部分の表示態様も切替わることで、擬似連回数の増加による高揚感を高めることができます。
これに対して、引用文献2では、上述したように、擬似連回数が増加する度に、演出図柄(装飾図柄)の付帯形状部分(図5(b)参照)の表示態様が切替わることについて、記載も示唆もなされていません。
一方、引用文献3には、擬似連回数が増加する度に、演出図柄の仮停止出目の表示態様が変化することが示されています(図20参照)。しかしながら、図20(2)(4)(6)に示すように、演出図柄の数字部分の表示態様が切替わっていて、演出図柄の付帯形状部分の表示態様が切替わっているわけではありません。従って、引用文献3を見ても、擬似連演出が実行される度に、演出図柄の付帯形状部分の表示態様を切替えることの動機付けがないと思料致します。
また、引用文献1でも、擬似連演出が実行される度に、演出図柄の付帯形状部分の表示態様を切替えることについて、記載も示唆もなされていません。
以上により、引用文献1~3を如何に組み合わせても、擬似連回数と、背景画像及び演出図柄の付帯形状部分の表示態様とを関係付けることを容易に想像できないと思料致します。即ち、擬似連演出において、背景画像を切替えるだけでなく、演出図柄の付帯形状部分の表示態様も切替えることで、擬似連回数の増加による高揚感を高めるという本願発明の作用効果を容易に想像できないと思料致します。従いまして、当業者が引用文献1~3に係る発明に基づいて、本願発明の構成(特に上記した構成(C))を容易に導き出すことはできず、本願発明に容易に想到することの論理付けは困難であると考えます。よって、本願発明は特許法第29条第2項の規定には該当せず進歩性を有するものと思料致します。」

そこで、審判請求人の上記主張について検討する。

上記(5)アで示したとおり、引用文献2記載事項を引用発明に適用して、擬似連回数が増加するにつれて背景画像を変化させるとともに、装飾図柄を四角い箱状部の中を無地に数字部分を有するものとし、擬似連回数が増加するにつれて、昆虫や動物を表示することを可能として、上記相違点1及び2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるから、審判請求人の上記主張を採用することはできない。

(7)まとめ

上記(1)~(6)より、本件補正発明は、当業者が、引用発明及び引用例2記載事項から容易に発明できたものである。

したがって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 むすび

よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~3に係る発明は、令和3年9月8日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「【請求項1】
演出を制御可能な演出制御手段を備える遊技機において、
前記演出制御手段は、
演出図柄を変動表示を経て停止表示させる変動演出を実行可能であり、
前記変動演出中に前記演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出を実行する度に、背景画像を切替えることを特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由(令和4年2月9日付け)

原査定の拒絶の理由は、次の理由を含んでいる。

1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記(引用文献等については引用文献等一覧参照)

●理由1(新規性)、理由2(進歩性)について

・請求項 1

・引用文献等 2

<引用文献等一覧>

2.特開2016-131876号公報

3 引用文献2の記載事項、引用発明

原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された特開2016-131876号公報(上記第2〔理由〕2-2(2)の引用例1)の記載事項及び引用発明の認定については、前記「第2 2〔理由〕2-2(2)引用例1の記載事項、引用発明」に記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明(上記第2〔理由〕1)は、本件補正発明(上記第2〔理由〕2 2-2(1))から、上記「第2〔理由〕2 2-1」において検討したとおり、本件補正発明において、「演出図柄」に関して、「数字部分と、前記数字部分に付帯した形状を有する付帯形状部分と、を有」するという限定、「前記変動演出中に前記演出図柄の変動表示を伴う擬似連演出を実行する度に、背景画像を切替える」ことについて、「背景画像を切替えると共に、前記演出図柄の付帯形状部分の表示態様を切替えることが可能であること」という限定を省き、その他語順を形式的に変更したものを戻したものであり、本願発明は、上記相違点1及び相違点2に係る構成を削除したものである。

そうすると、本願発明と引用発明とは、上記「第2〔理由〕2 2-2(4)対比」において相違する点はなくなるから、本願発明は引用発明である。

5 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

したがって、本願は、他の請求項については検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-016608

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