2022-010892
光学イメージング装置
- 審判番号
- 2022-010892
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-508134外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年07月12日
- 審決日
- 2023年03月22日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】国立大学法人東北大学
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、2017年(平成29年)3月29日(優先権主張 平成28年3月31日(以下「優先日」という。))を国際出願日とする出願であって、令和3年1月13日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月14日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月8日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月12日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和4年4月5日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、同年7月12日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、同年8月5日に手続補正書(方式)が提出されたものである。
第2 令和4年7月12日提出の手続補正書による補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年7月12日提出の手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
(1) 本件補正により、令和3年11月12日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1における、
「【請求項1】光を被検体に照射するための光源と、前記光源からの光を受け取る集光レンズと、前記集光レンズを介して入射した前記光源からの光を被検体に導く複数のファイバの束からなるイメージファイバを備えた内視鏡プローブと、前記被検体から前記イメージングファイバと前記前記集光レンズを介して伝達した戻り光を検出する光検出器と、前記イメージファイバ、前記集光レンズ、又は光検出器に接続され、前記イメージファイバ、前記集光レンズ又は光検出器を振動させる振動素子と、を備え、前記振動素子は、前記光検出器から得られた被検体の画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消すように作動する光学イメージング装置(但し、被観察物体に挿入される挿入部の先端に設けた対物光学系及び/又はイメージガイドの対物側端部、及びイメージガイドの接眼側端部及び/又は結像光学系を、光軸とほぼ直交する方向に同期して相対的に振動させるようにしたものを除く。)。」
は、令和4年7月12日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載の、
「【請求項1】光を被検体に照射するための光源と、前記光源からの光を受け取る集光レンズと、前記集光レンズを介して入射した前記光源からの光を被検体に導く複数のファイバの束からなるイメージファイバを備えた内視鏡プローブと、前記被検体から前記イメージファイバと前記前記集光レンズを介して伝達した戻り光を検出する光検出器と、前記イメージファイバに接続され、前記イメージファイバを振動させる振動素子と、を備え、前記振動素子が、前記イメージファイバの基端に接続された保持部材に直接接続され、前記振動素子は、前記光検出器から得られた被検体の画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消すように作動する光学イメージング装置(但し、被観察物体に挿入される挿入部の先端に設けた対物光学系及び/又はイメージガイドの対物側端部、及びイメージガイドの接眼側端部及び/又は結像光学系を、光軸とほぼ直交する方向に同期して相対的に振動させるようにしたものを除く。)。」
に補正がされた(下線は、補正箇所を明示するために当審で付した。)。
上記補正のうち、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記イメージングファイバ」は、当該記載より前に「前記」されていなかったことから、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1は誤記を含んだ記載であったということができる。そうすると、本件補正前の「前記イメージングファイバ」を「前記」がされている「前記イメージファイバ」と補正することは、特許法第17条の2第5項第3号に掲げる誤記の訂正を目的とするものに該当する。
また、上記補正のうち、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である
「前記イメージファイバ、前記集光レンズ、又は光検出器に接続され、前記イメージファイバ、前記集光レンズ又は光検出器を振動させる振動素子」を、「前記イメージファイバに接続され、前記イメージファイバを振動させる振動素子」と補正することは、「振動素子」「が接続」される対象を「イメージファイバ」に限定するとともに、「振動素子」が「振動させる」対象を「イメージファイバ」に限定するものである。
さらに、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるので、上記補正は特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、上記補正のうち、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「振動素子」について、「前記振動素子が、前記イメージファイバの基端に接続された保持部材に直接接続され」と補正することは、「振動素子」の「接続」の態様を限定するものである。
さらに、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるので、上記補正は特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書の【0031】、【0032】、図4(A)、同(B)等に基づいたものであり、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
2 独立特許要件について
本件補正における請求項1に係る補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を有することから、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について検討する。
(1) 本願補正発明
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、令和4年7月12日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、上記「1 補正の内容」においても示した次のとおりのものである(A~Hは、当審で分説して付与した。)。
(本願補正発明)
「【請求項1】A 光を被検体に照射するための光源と、B 前記光源からの光を受け取る集光レンズと、C 前記集光レンズを介して入射した前記光源からの光を被検体に導く複数のファイバの束からなるイメージファイバを備えた内視鏡プローブと、D 前記被検体から前記イメージファイバと前記前記(当審注:「前記前記」は「前記」の明らかな誤記である)集光レンズを介して伝達した戻り光を検出する光検出器と、E 前記イメージファイバに接続され、前記イメージファイバを振動させる振動素子と、を備え、F 前記振動素子が、前記イメージファイバの基端に接続された保持部材に直接接続され、G 前記振動素子は、前記光検出器から得られた被検体の画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消すように作動する光学イメージング装置H(但し、被観察物体に挿入される挿入部の先端に設けた対物光学系及び/又はイメージガイドの対物側端部、及びイメージガイドの接眼側端部及び/又は結像光学系を、光軸とほぼ直交する方向に同期して相対的に振動させるようにしたものを除く。)。」
(2) 引用例に記載された事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用文献4として引用され、本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である、特開昭64-21413号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。
ア 1ページ右下欄14行~2ページ左上欄4行
「このようなモアレを消去するために、第5図に示すように、従来の内視鏡装置では撮像素子の前方に複屈折フィルタのようなローパスフィルタを挿入することが行なわれている。第5図において、内視鏡挿入部1の内部にはファイバーハンドルより成るイメージガイド2を延在させるとともに先端の入射端と対向して対物レンズ3を配置し、イメージガイド2の出射端と対向して接眼レンズ4を配置する。したがって、目視観察する場合には、この接眼レンズ4を介して被観察物体5の像を観察することができる。」
イ 2ページ右下欄9行~16行
「〔実施例〕第1図は本発明による内視鏡装置の一実施例の構成を示すものであり、第5図に示した部分と同じ部分には同じ符号を付けて示した。挿入部1の内部にはイメージガイド2を延在させるが、他に照明光を導くライトガイド、鉗子チャンネル、送気・送水チャンネル等も設けてあるが、図面には示していない。」
ウ 2ページ右下欄19行~3ページ左上欄6行
「イメージガイド2の接眼側端部に設けた口金20の先端にバイモルフ21の一端を連結し、このバイモルフの他端は観察部6を構成する固定部材6aに連結する。バイモルフ21の電極は導線22a、22bを介してパルス発生器23に接続する。したがって、パルス発生器23からバイモルフ21に電圧を印加するとイメージガイド2の接眼側端部は第1図において上下方向に振動することになる。」
エ 3ページ左上欄6行~15行
「イメージガイド2の接眼側端面から射出される光を、接眼レンズ4、アダプタとして観察部6に着脱自在に装着されるテレビカメラユニット7の撮影レンズ8および1枚の水晶板より成るローパスフィルタ9を経てCCDより成る固体撮像素子10で受光するように構成する。この固体撮像素子10の出力信号をカメラコントロールユニット11で処理してテレビジョン信号を作成し、これをモニタ12に供給して被観察物体5の像を表示する。」
オ 3ページ左上欄16行~同左下欄3行
「パルス発生器23から、テレビジョン信号のフィールド周波数よりも相当高い周波数の駆動信号をバイモルフ21に印加すると、イメージガイド2の接眼側端部は第2図において矢印Aで示す方向に上下に振動することになる。このイメージガイド2の振動方向Aを水晶板より成るローパスフィルタ9の複屈折方向Bに対して、例えば直交させることによりAおよびB方向におけるモアレ成分を消去することができる。なお、振動方向Aと複屈折方向Bとは必ずしも直交させる必要はなく、モアレが最も少なくなる方向とすればよい。また、本例ではテレビカメラユニット7はアタッチメントとして観察部6に装着できるようになっているので、テレビカメラユニットを外し、第3図に示すようなレクチヤスコープ30を装着することもできる。このレクチヤスコープ30にはリレーレンズ31、光路分割プリズム32、第1の接眼レンズ33、ローパスフィルタ34、イメージガイド35および第2の接眼レンズ36を具えており、同時に二人の人間が観察できるようになっている。この場合、イメージガイド35を通して観察すると、このイメージガイドのファイバーバンドルも固定のパターンを有しているので上述したようにモアレが発生する恐れがあるが、上述したようにイメージガイド2の接眼側端部を振動させるとともにこの振動方向とは異なる方向でのモアレを消去するローパスフィルタ34を設けることによりモアレを有効に除去することができる。」
カ 第1図より、接眼レンズ4が凸型形状のレンズであることが看取される。
「[図:0001407141000001.jpg]」
キ 第1図より、イメージガイド2の先端の入射端、及び同先端の入射端と対向して設けられた対物レンズ3にバイモルフ等の振動機構を有しないことが看取される。
ク 認定事項1
引用例1において、「内視鏡挿入部1」と「挿入部1」は、いずれも同じ図番が振られていることからみて同じものを指していることが明らかであり、「内視鏡挿入部1」と「挿入部1」は「挿入部1」に統一する。
そして、上記記載事項ア~オ、及び図面に記載された事項カ~キ、記載事項から認定される事項クを総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~hは、本願補正発明のA~Hに概ね対応させて当審にて付与した。また、括弧内に示された段落番号等は、引用例1における引用箇所を示す。)。
(引用発明)
「a 挿入部1の内部に、照明光を導くライトガイドを設け(2ページ右下欄9行~16行)、bc 挿入部1の内部にはファイバーハンドルより成るイメージガイド2を延在させるとともに先端の入射端と対向して対物レンズ3を配置し、イメージガイド2の出射端と対向して凸型形状の接眼レンズ4を配置し(1ページ右下欄14行~2ページ左上欄4行、第1図)、d イメージガイド2の接眼側端面から射出される光を、接眼レンズ4、アダプタとして観察部6に着脱自在に装着されるテレビカメラユニット7の撮影レンズ8および1枚の水晶板より成るローパスフィルタ9を経てCCDより成る固体撮像素子10で受光するように構成し、この固体撮像素子10の出力信号をカメラコントロールユニット11で処理してテレビジョン信号を作成し、これをモニタ12に供給して被観察物体5の像を表示し(3ページ左上欄6行~15行)、ef イメージガイド2の接眼側端部に設けた口金20の先端にバイモルフ21の一端を連結し、このバイモルフの他端は観察部6を構成する固定部材6aに連結し、バイモルフ21の電極は導線22a、22bを介してパルス発生器23に接続し、パルス発生器23からバイモルフ21に電圧を印加しイメージガイド2の接眼側端部を振動させ(2ページ右下欄19行~3ページ左上欄6行)、h イメージガイド2の先端の入射端、及び同先端の入射端と対向して設けられた対物レンズ3にバイモルフ等の振動機構を有さず(第1図)、g パルス発生器23から、テレビジョン信号のフィールド周波数よりも相当高い周波数の駆動信号をバイモルフ21に印加し、イメージガイド2の振動方向Aを水晶板より成るローパスフィルタ9の複屈折方向Bに対して、直交させることによりAおよびB方向におけるモアレ成分を消去する(3ページ左上欄16行~同左下欄3行)、内視鏡装置(2ページ右下欄9行~16行)。」
(3) 対比
本願補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する(対比における下線は当審で付した。)。
ア (構成A)
引用発明は構成gのとおり「内視鏡装置」であることから、引用発明が「被検体」に対して用いられるものであることが明らかである。そうすると、引用発明の構成aの「ライトガイド」により「導く」「照明光」は、「被検体に照射する」「光」であることが明らかである。
そして、引用発明の構成aでは、「照明光を」「ライトガイド」に「導く」のだから、「照明光」を発生させる「光源」が存在することは技術常識より明らかである。
してみると、引用発明の構成aは、本願補正発明の構成Aに相当する構成を備えるものである。
イ (構成B)
引用発明の構成bの「接眼レンズ4」は、凸型形状であることから、集光レンズであることが技術常識より明らかである。
してみると、引用発明の構成bは、本願補正発明の構成Bと、「集光レンズと、を備え」る点で共通する。
ウ (構成C)
引用発明の構成cの「ファイバーバンドル」、「イメージガイド2」及び「挿入部1」は、それぞれ本願補正発明の構成Cの「複数のファイバの束」、「イメージファイバ」及び「内視鏡プローブ」に相当する。
してみると、引用発明の構成cは、本願補正発明の構成Cと、「複数のファイバの束からなるイメージファイバを備えた内視鏡プローブと、を備え」る点で共通する。
エ (構成D)
引用発明の構成dの「被観察物体5」、「CCDより成る固体撮像素子10」はそれぞれ本願補正発明の構成Dの「被験体」、「光検出器」に相当する。
また、引用発明の構成dの「イメージガイド2」(イメージファイバ)「の接眼側端面から射出される光を、」「接眼レンズ4」(集光レンズ)「を経て」「受光する」「CCDより成る固体撮像素子10」は、本願補正発明の構成Dの「イメージファイバと前記集光レンズを介して伝達した戻り光を検出する光検出器」に相当する。
そして、引用発明の構成dによれば、「固体撮像素子10」(光検出器)「の出力信号をカメラコントロールユニット11で処理してテレビジョン信号を作成し、これをモニタ12に供給して」「被観察物体5」(被検体)「の像を表示する」ことから、引用発明の構成dの「CCDより成る固体撮像素子10」(光検出器)は「被観察物体5」(被検体)からの「戻り光を検出」しているものといえる。
してみると、引用発明の構成dは、本願補正発明の構成Dに相当する構成を備えるものである。
オ (構成E)
引用発明の構成efの「バイモルフ21」は本願補正発明の構成Eの「振動素子」に相当するとともに、引用発明の構成efの「パルス発生器23からバイモルフ21に電圧を印加するとイメージガイド2の接眼側端部」が「振動」することは、本願補正発明の構成Eの「イメージファイバを振動させる」ことに相当する。
また、引用発明の構成efの「イメージガイド2」(イメージファイバ)「の接眼側端部に設けた口金20の先端に」「一端を連結し」た「バイモルフ21」(振動素子)は、本願補正発明の構成Eの「前記イメージファイバに接続され」る「振動素子」に相当する。
してみると、引用発明の構成efは、本願補正発明の構成Eに相当する構成を備えるものである。
カ (構成F)
本願補正発明の構成Fにおける「前記振動素子が・・・保持部材に直接接続され」とは、「前記振動素子が」「保持部材」に対して間接的ではなく「直接」に「接続され」ていればよいと解するのが相当であって、本願の図4(B)に、振動素子50が保持部材52に搭載されている態様が記載されているからといって、本願補正発明の構成Fを、「振動素子」が「保持部材」のみに「接続され」なければならないなどと解する理由はないというべきである。当該理解に基づいて以下に対比する。
引用発明の構成efの「イメージガイド2の接眼側端部に設けた口金20」は、本願補正発明の構成Fの「イメージファイバの基端に接続された保持部材」に相当する。
そして、引用発明の構成efの「イメージガイド2の接眼側端部に設けた口金20」(イメージファイバの基端に接続された保持部材)「の先端にバイモルフ21の一端を連結」することは、本願補正発明の構成Fの「振動素子が、前記イメージファイバの基端に接続された保持部材に直接接続され」ることに相当する。
してみると、引用発明の構成efは、本願補正発明の構成Fに相当する構成を備えるものである。
キ (構成G) 引用発明の構成efによれば、「パルス発生器23からバイモルフ21に電圧を印加するとイメージガイド2の接眼側端部は第1図において上下方向に振動する」のだから、「バイモルフ21」は「作動する」ものといえる。
また、引用発明の構成gの「内視鏡装置」は、同構成dによれば「固体撮像素子10の出力信号をカメラコントロールユニット11で処理してテレビジョン信号を作成し、これをモニタ12に供給して被観察物体5の像を表示」することから、本願補正発明の構成Gの「光学イメージング装置」に相当する。
してみると、引用発明の構成d、構成ef及び構成gは、本願補正発明の構成Gと、「前記振動素子は作動する光学イメージング装置」である点で共通する。
ク (構成H)
引用発明の構成hの「イメージガイド2の先端の入射端」、「同先端の入射端と対向して設けられた対物レンズ3」は、それぞれ本願補正発明の構成Hの「イメージガイドの対物側端部」、「被観察物体に挿入される挿入部の先端に設けた対物光学系」に相当する。
そして、引用発明の構成hでは「メージガイド2の先端の入射端」(メージガイドの対物側端部)及び「先端の入射端と対向して設けられた対物レンズ3」(観察物体に挿入される挿入部の先端に設けた対物光学系)は、「バイモルフ等の振動機構を有しない」のだから、引用発明は、「被観察物体に挿入される挿入部の先端に設けた対物光学系及び/又はイメージガイドの対物側端部、及びイメージガイドの接眼側端部及び/又は結像光学系を、光軸とほぼ直交する方向に同期して相対的に振動させるようにしたもの」でないことは明らかである。
してみると、引用発明の構成hは、本願補正発明の構成Hに相当する構成を備えるものである。
そうすると、本願補正発明と引用発明は以下の点で一致するとともに、以下の点で一応相違する。
(一致点)
A 光を被検体に照射するための光源と、
B′集光レンズと、
C′複数のファイバの束からなるイメージファイバを備えた内視鏡プローブと、
D 前記被検体から前記イメージファイバと前記集光レンズを介して伝達した戻り光を検出する光検出器と、
E 前記イメージファイバに接続され、前記イメージファイバを振動させる振動素子と、
を備え、
F 前記振動素子が、前記イメージファイバの基端に接続された保持部材に直接接続され、
G′前記振動素子は作動する光学イメージング装置
H(但し、被観察物体に挿入される挿入部の先端に設けた対物光学系及び/又はイメージガイドの対物側端部、及びイメージガイドの接眼側端部及び/又は結像光学系を、光軸とほぼ直交する方向に同期して相対的に振動させるようにしたものを除く。)。
(相違点1)(構成B)
本願補正発明の「集光レンズ」は、「前記光源からの光を受け取る」ものであるのに対し、引用発明は「照明光」はライトガイド」に「導」かれ、「接眼レンズ4」(集光レンズ)は光源からの光を受け取るものでない点。
(相違点2)(構成C)
本願補正発明は「集光レンズを介して入射した前記光源からの光を被検体に導く」のが「複数のファイバの束からなるイメージファイバ」であるのに対し、引用発明では、「照明光」(光源からの光)は「ライトガイド」に「導」かれるものであって、「接眼レンズ4」(集光レンズ)「を介して入射」するものではなく、また、引用発明の「イメージガイド2」(イメージファイバ)は、「光源からの光を被検体に導く」ものでない点。
(相違点3)(構成G)
本願補正発明の「振動素子」は、「前記光検出器から得られた被検体の画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消すように作動する」のに対し、引用発明の「バイモルフ21」(振動素子)は「イメージガイド2の振動方向Aを水晶板より成るローパスフィルタ9の複屈折方向Bに対して、直交させることによりAおよびB方向におけるモアレ成分を消去する」ように作動する点。
(4)相違点の検討
上記相違点について検討する。
ア 相違点1及び2について(構成B及びC)
事案に鑑み、相違点1及び2については、まとめて検討する。
内視鏡装置において、
「被検体からイメージファイバと集光レンズを介して伝達した戻り光を検出する光検出器」(構成D)を備えつつ、さらに、
光源からの光を集光レンズで受け取り(構成B)、
集光レンズを介して入射した光源からの光を複数のファイバの束からなるイメージファイバで被検体に導く(構成C)ようにすることが、例えば以下の引用例2、引用例3にみられるように優先日の前より周知の事項である。
(原査定における、周知技術を示す引用文献2。引用例3については特に、
「【0008】・・・光プローブ3は、可撓性を有するプローブ内に細径の光ファイババンドル7が挿通されている。・・・【0009】この光プローブ3は、可撓性を有する細長に形成されているので、例えば内視鏡の処置具用チャンネル内に挿通することができ、・・・本体4の内部には、半導体レーザ等の光源10が設けられており、この光源10からの光はコリメータレンズ11により平行な光束にされた後、光分離手段としてのハーフミラー12に入射される。このハーフミラー12は、その一部が透過し、その透過光は、集光レンズ13に入射され、この集光レンズ13により集光される。【0010】・・・集光レンズ13による集光する途中の光路上には、光走査手段となるスキャンミラー14が配置されており、このスキャンミラー14は、スキャナ駆動装置15による駆動信号により電気的に駆動される。そして、駆動信号が印加されることにより、スキャンミラー14は、集光レンズ13から集光されて入射される光を集光レンズ13の光軸と直交する方向に直線状に走査して、光プローブ3のコネクタ8に固定された光ファイババンドル7の手元側端面20を走査し、光の照射位置を変化させる。本実施例における光プローブ3は、光ファイババンドル7が先端側端面21においてはファイバコア22を束ねて円柱形状にしてあるが、手元側端面20においてはファイバコア23を直線状に配列させた形状にしている。」
「【0012】そして、このスキャンにより手元側端面20における光が入射されたファイバコア23を有する光ファイバによって、入射された光は、先端側に導光(伝送)され、この光ファイバの(先端側端面21における)ファイバコア22から2次元的に出射される。」
「【0016】この場合、対物レンズ17は、光ファイババンドル7の先端側端面21から出射される光を集光して、それと共焦点関係となる観察範囲19に集光し、またその集光された集光点で発生した反射光あるいは散乱光の一部が、対物レンズ17により光を出射した先端側端面21のファイバコア23に入射される。光ファイバに入射された光は、往路を逆にたどり、光部ローブ3の手元側端面20から出射され、スキャンミラー14および集光レンズ13を経て平行な光束となり、ハーフミラー12に入射され、その一部が反射されて集光レンズ24に集光されて、光検出器25にて受光される。」
「【図1】[図:0001407141000002.jpg]」
等の記載を参照。)
(原査定におけ周知技術を示す引用文献3)
(引用例3については特に、
「【0011】励起光3は、光伝送媒体11の接眼側(図1の左側)に設けられた励起光源2から光伝送媒体11に入射されて対物側(図1の右側)へ伝送される。・・・対象物5から放射された画像光6が、・・・対物光学系12に向けて反射する。画像光6は、対物光学系12により結像されて光伝送媒体11に入射し、接眼側に向けて伝送される。」
「【0013】励起光3と画像光6を同一の光伝送媒体11で伝送することにより、画像伝送用ファイバと照明用ファイバを分けた場合と比較して、照明構造10の細径化が容易である。・・・【0014】光伝送媒体11としては、イメージファイバ等のマルチコアファイバやファイババンドル等の可撓性を有する媒体が好適であるが、・・・」
「【0016】励起光源2としては、ランプ、レーザ、LED等が挙げられる。」
「【0023】接眼側の光学系は、励起光源2と光伝送媒体11の間に波長フィルタ20を備え、励起光源2からの励起光3を透過して光伝送媒体11に入射させるとともに、光伝送媒体11により伝送された画像光6を反射して、CCD等のカメラ7に送ることができる。【0024】カメラ7は、前記画像光から変換した電気信号を、配線9を介してモニタ8に送り、画像をモニタ8にて観察可能とする。図1において、符号21~23はレンズである。レンズ21,22により、励起光源2から出射した励起光3を結像して光伝送媒体11に入射させることができる。また、レンズ22,23により、光伝送媒体11から出射した画像光6を結像してカメラ7に入射させることができる。」
「【図1】[図:0001407141000003.jpg]」
等の記載を参照。)
そうすると、引用発明において、「照明光」(光源からの光)が「ライトガイド」に「導」かれる態様に代えて、周知の手法を採用することは、当業者が容易に想到することである。
イ 相違点3について(構成G)
(ア) 引用発明において、ファイバの束によりモアレが発生する原因が、光を伝達する各ファイバの間のファイバが充填されない微小な暗部による配列の規則性と、固体撮像素子の規則性とによって固体撮像素子に結像される光学像にあることは技術常識である。
このことは、例えば原査定において提示された特開昭59-137919号公報(原査定における引用文献5)の2ページ右上欄10行~同左下欄2行に、
「上記軟性内視鏡の接眼部に撮影装置としてのカメラを装着してカメラ内に装填されたフィルムに目的部位(被写体)の光学像を結像すると、フィルムは薄いポリエステルベースの上に、赤、緑、青の3原色のストライプ(線条)フィルタを繰り返し配列したもの・・・であるため、光を伝達するファイバの部分及び各ファイバとの間で、ファイバが充填されない微小な暗部とによる配列の規則性と、フィルムのストライプの配列の規則性とによってフィルムに結像される被写体の光学像にモアレ縞が生じることになる。」と記載されていることからも明らかである。
そうすると、引用発明の構成ef及び構成gにおいて、
「イメージガイド2の接眼側端部に設けた口金20の先端にバイモルフ21の一端を連結し、このバイモルフの他端は観察部6を構成する固定部材6aに連結し、バイモルフ21の電極は導線22a、22bを介してパルス発生器23に接続し、パルス発生器23からバイモルフ21に電圧を印加しイメージガイド2の接眼側端部を振動させ」、
「パルス発生器23から、テレビジョン信号のフィールド周波数よりも相当高い周波数の駆動信号をバイモルフ21に印加し、イメージガイド2の振動方向Aを水晶板より成るローパスフィルタ9の複屈折方向Bに対して、直交させることによりAおよびB方向におけるモアレ成分を消去」
することは、「バイモルフ21」(振動素子)の振動が、「固体撮像素子」から得られる画像におけるイメージガイド2(イメージファイバ)のファイバ束の格子模様を打ち消すことで、モアレ成分を消去することであることは明らかである。
(イ) 次に、上記(ア)にて検討したように、引用発明において、「モアレ成分が消去」される程度に「バイモルフ21」(振動素子)が、「固体撮像素子」から得られる画像におけるイメージガイド2(イメージファイバ)のファイバ束の格子模様を打ち消すことが、本願補正発明の構成Gの「画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消す」ことに相当するといえるか否かについて検討する。
ここで、本願補正発明の構成Gの「前記光検出器から得られた被検体の画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消す」との構成が、いかなる程度までに格子模様を打ち消すことを指しているのか必ずしも定かでないことから、本願の発明の詳細な説明を参照する。
すると、本願の発明の詳細な説明の【0034】には、「なお、「ファイバ素線の格子模様を打ち消す」とは、振動素子50を用いない場合の画像に比べて、格子模様が低減されていることを指し、観察者に視認できない程度に格子模様が低減されることを含む。」と記載されている。そうすると、本願補正発明における「ファイバ素線の格子模様を打ち消す」とは、格子模様が認識できなくなるまで打ち消すことを指しているわけではなく、振動素子50を用いない場合の画像に比べて格子模様が低減されてさえいればよいと解するのが相当である。
そうすると、引用発明において、「バイモルフ21」(振動素子)が、「固体撮像素子」から得られる画像におけるイメージガイド2(イメージファイバ)のファイバ束の格子模様を打ち消」すことは、それが「モアレ成分が消去」される程度の「打ち消し」であったとしても、本願補正発明の構成Gの「画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消す」ことに相当するといえる。
(ウ) してみれば、引用発明は、本願補正発明の構成Gの「画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消す」ことに相当する構成を有し、上記相違点3は、実質的な相違点ではない。
また、本願補正発明の作用効果は、引用発明、周知の技術及び技術常識から予測できるものであって、格別のものということができない。
(5) 審判請求人の主張について
審判請求人の、令和4年8月5日提出の手続補正書(方式)の「3.本願発明が特許されるべき理由」における主張について検討する。
ア 審判請求人は「(d)本願発明と引用発明との対比」(1)において、
「このように、引用文献4,5では、いずれもイメージガイドの側面に振動素子が取り付けられている構成となっております。振動素子をイメージガイドの側面に配置し、光軸全体を光軸と垂直方向に振動させるためには、振動素子とそれを配置するための構造が必要となり、構成部品が増え、構造が複雑になります。一方、補正後請求項1,3に係る発明においては、振動素子がイメージファイバの保持部材に直接接続されている旨が特定されております。・・・このような構成は、イメージガイドの側面に振動素子を取り付ける構成が開示されている引用文献4,5からは容易想到ではありません。」
と主張する。
しかし、引用発明の構成efが、本願補正発明の構成Fの「振動素子が、前記イメージファイバの基端に接続された保持部材に直接接続され」るとの構成を備えることは、「(3) 対比」「カ (構成F)」にて説示のとおりである。
イ 審判請求人は「(d)本願発明と引用発明との対比」(2)において、
「 本願発明の課題は、ファイバ素線の格子模様が補正された明瞭な画像をリアルタイムに取得することです([0018])。一方、引用文献4,5に記載の発明の課題はモアレの除去です。ファイバ素線の格子模様の打消しに必要な振幅は、例えば参考資料1(Neuroscience Research 75 (2013) 46-52、47頁『3.1 Fabricating the micro-imaging probe』の8~9行目、本願実施例で使用したイメージファイバとGRINレンズの構成について記載されている)に記載の画面直径325μm程度で10,000本のファイバ素線が入っているイメージファイバを使用した場合、約1.63μmと計算できるのに対し、引用文献4に記載のモアレの除去には17μm程度を要し(引用文献4の2ページ目右下欄2~8行目)、引用文献5に記載のモアレの除去には8ミクロンより大きい程度での振幅を要します(引用文献5の2ページ右上欄15~16行目等)。審査官殿は、拒絶査定書の理由2(1)において、「引用文献4又は引用文献5に記載されているような、本願明細書実施例と比較して大きい振幅させた場合にも、ファイバ素線の格子模様を打ち消す作用が得られることは明らかである」とご指摘されておりますが、振幅を大きくすればするほど、観察画像の明瞭性が低下することは自明です。ファイバ素線の格子模様の打消しに必要な最低限の振幅で振動させると、細胞の観察画像に影響がありませんが、引用文献4や引用文献5に記載のモアレの除去に必要な振幅では、細胞の観察画像がぼやけてしまうことは明らかであり、「ファイバ素線の格子模様が補正された明瞭な画像をリアルタイムに取得する」という本願発明の課題が解決されません。よって、引用文献4や引用文献5に記載の発明を基に、本願発明の想到する動機付けがありません。」
と主張する。
しかし、そもそも本願補正発明の「振動素子」は、「前記光検出器から得られた被検体の画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消すように作動」(構成G)すればよいものであり、当該構成は、その振幅等を何ら規定するものではない。
また、本願補正発明の「ファイバ素線の格子模様」の「打ち消し」(補正)とは、本願の発明の詳細な説明の【0034】を参酌すれば、「観察者に視認できない程度に格子模様が低減されることを含む」ものであり、本願補正発明は、ファイバ素線の格子模様がどの程度打ち消されるか(補正されるか)、その程度を規定するものではない。
そして、引用発明が、本願補正発明の構成Gの「画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消す」ことに相当する構成を有することは、上記「(4) 相違点の検討」「イ 相違点3について(構成G)」(ウ)にて説示のとおりである。
ウ 審判請求人は「(d)本願発明と引用発明との対比」(3)において、
「また、ファイバ素線の格子模様とモアレは、そもそもその発生原理が異なります。・・・このように、ファイバ素線の格子模様とモアレは発生原理が異なります。よって、本願発明と引用文献4,5に記載の発明とは、課題が異なるうえに、ファイバ素線の格子模様とモアレは発生原理が異なることから、引用文献4,5に記載を基に、本願発明の課題に思い至ることは困難です。引用文献4,5の記載のモアレ防止技術を基に、発生原理の異なるファイバ素線の格子模様を抑制する本願発明に想到することは、たとえ当業者であっても容易想到ではないものと思料いたします。」
と主張する。
しかし、技術常識からみて、引用発明の「バイモルフ21」(振動素子)の振動が、「固体撮像素子」から得られる画像におけるイメージガイド2(イメージファイバ)のファイバ束の格子模様を打ち消して、モアレ成分を消去したことは明らかであり、引用発明において、「モアレ成分が消去」される程度に「バイモルフ21」(振動素子)が、「固体撮像素子」から得られる画像におけるイメージガイド2(イメージファイバ)のファイバ束の格子模様を打ち消すことが、本願補正発明の構成Gの「画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消す」ことに相当するものであることは、上記「(4) 相違点の検討」「イ 相違点3について(構成G)」(ウ)にて説示のとおりである。
エ そうすると、審判請求人の上記主張を採用し、本願を特許すべきものとすることはできない。
(6) まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知の技術から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。
3 補正の却下の決定についてのむすび
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和3年11月12日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A~Hは、本願補正発明の分説を踏まえ、本願発明を分説するために当審で付した)。
「【請求項1】A 光を被検体に照射するための光源と、B 前記光源からの光を受け取る集光レンズと、C 前記集光レンズを介して入射した前記光源からの光を被検体に導く複数のファイバの束からなるイメージファイバを備えた内視鏡プローブと、D 前記被検体から前記イメージングファイバと前記前記(当審注:「前記前記」は「前記」の明らかな誤記である)集光レンズを介して伝達した戻り光を検出する光検出器と、E 前記イメージファイバ、前記集光レンズ、又は光検出器に接続され、前記イメージファイバ、前記集光レンズ又は光検出器を振動させる振動素子と、を備え、G 前記振動素子は、前記光検出器から得られた被検体の画像における前記イメージファイバのファイバ素線の格子模様を打ち消すように作動する光学イメージング装置H (但し、被観察物体に挿入される挿入部の先端に設けた対物光学系及び/又はイメージガイドの対物側端部、及びイメージガイドの接眼側端部及び/又は結像光学系を、光軸とほぼ直交する方向に同期して相対的に振動させるようにしたものを除く。)。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略以下のとおりである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項 1~4
・引用文献 4、1~3又は5、1~3
引用文献1.特開昭63-265215号公報(周知技術を示す文献)
引用文献2.特開2006-3747号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3.特開2005-160815号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4.特開昭64-21413号公報
引用文献5.特開昭59-137919号公報
3 引用例に記載された事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(上記引用例1)の記載事項及び引用発明については、上記「第2 令和4年7月12日提出の手続補正書による補正の却下の決定」「3 独立特許要件について」「(2) 引用例に記載された事項」に示したとおりである。
4 対比
本願発明は、本願補正発明の構成Dの「前記イメージファイバ」を、誤記を含む「前記イメージングファイバ」とし、
本願補正発明の構成Eの「前記イメージファイバに接続され、前記イメージファイバを振動させる振動素子」から、「振動素子」「が接続」される対象を特定する「前記イメージファイバ」との限定を外すとともに、「振動素子」が「振動させる」対象を特定する「前記イメージファイバ」との限定を外し、
本願補正発明の構成Fの「前記振動素子が、前記イメージファイバの基端に接続された保持部材に直接接続され」との限定を外したものである。
一方、本願発明の「イメージングファイバ」が「イメージファイバ」の誤記であることは明らかなことであり、本願補正発明の構成をすべて含みさらに他の構成を含む本願補正発明が引用発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるのだから、本願補正発明から構成の一部を外した本願発明もまた、同様の理由により当業者が引用発明及び周知の技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は当業者が引用発明及び周知の技術に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願の他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-010892