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特許拒絶査定不服審判

2022-008143

基板処理装置

審判番号
2022-008143
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-002682
請求日
2022年05月31日
審決日
2023年06月05日
公報発行日
2023年08月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社SCREENホールディングス
  • 【請求人代理人】振角 正一
  • 【請求人代理人】大西 一正
審判長/審判官
  • 審判長 瀬川 勝久
  • 審判官 松川 直樹
  • 審判官 野村 伸雄
分類
P18 .121-Z (H01L) / P18 .575-Z (H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-2682号「基板処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年7月19日出願公開、特開2018-113327号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年1月11日を出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和2年10月 6日付け:拒絶理由通知書 令和2年12月10日 :意見書、手続補正書の提出 令和3年 3月16日付け:拒絶理由通知書 令和3年 5月18日 :意見書、手続補正書の提出 令和3年 9月 9日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 令和3年11月 5日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年 3月 1日付け:令和3年11月5日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定 令和4年 5月31日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和4年5月31日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年5月31日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「基板を部分的に保持して所定の搬送方向に搬送する搬送部と、 搬送される前記基板に下方から浮力を与えて前記基板を水平姿勢に制御するとともに、前記基板の搬送経路のうち前記搬送方向における一部を位置制御領域として前記基板のうち前記位置制御領域に位置する部分の鉛直方向位置を制御する浮上部と、 処理液を吐出する吐出口をそれぞれ有する第1ノズルおよび第2ノズルと、 第1ノズルと前記第2ノズルとを互いに独立して、かつ前記搬送方向と鉛直方向とのそれぞれに移動可能であり、前記第1ノズルを前記搬送方向および前記鉛直方向に移動させて第1処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする一方、前記第2ノズルを前記第1ノズルとは独立に前記搬送方向および前記鉛直方向に移動させて第2処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする位置決め機構と、 前記第1処理位置よりも前記搬送方向の上流側の第1予備吐出位置に位置決めされた前記第1ノズルから吐出される処理液を上面に受ける第1予備吐出ローラ、該吐出された処理液を回収する第1回収部、および、前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1洗浄位置に位置決めされた前記第1ノズルを洗浄する第1洗浄部を有する第1メンテナンスユニットと、 前記第2処理位置よりも前記搬送方向の下流側の第2予備吐出位置に位置決めされた前記第2ノズルから吐出される処理液を上面に受ける第2予備吐出ローラ、該吐出された処理液を回収する第2回収部、および、前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2洗浄位置に位置決めされた前記第2ノズルを洗浄する第2洗浄部を有する第2メンテナンスユニットと を備え、 前記第1処理位置は、前記位置制御領域に位置する前記基板の上面に前記第1ノズルの前記吐出口が近接配置される位置であり、 前記第2処理位置は、前記位置制御領域に位置する前記基板の上面に前記第2ノズルの前記吐出口が近接配置される位置であり、 前記第1処理位置に位置決めされたときに前記第1ノズルが占める空間と、前記第2処理位置に位置決めされたときに前記第2ノズルが占める空間とが、少なくとも一部において互いに重なり合い、 前記第1予備吐出位置および前記第1洗浄位置は、前記第1ノズルが前記第2処理位置に位置決めされる前記第2ノズルと干渉しない位置であり、 前記第2予備吐出位置および前記第2洗浄位置は、前記第2ノズルが前記第1処理位置に位置決めされる前記第1ノズルと干渉しない位置であり、 前記位置決め機構は、前記第1ノズルの前記第1処理位置への位置決めと、前記第2ノズルの前記第2処理位置への位置決めとを選択的に行い、 前記第1ノズルを前記第1処理位置に位置決めするときには前記第2ノズルを、前記第2予備吐出位置、前記第2洗浄位置、および、前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2待機位置のいずれかに位置決めし、 前記第2ノズルを前記第2処理位置に位置決めするときには前記第1ノズルを、前記第1予備吐出位置、前記第1洗浄位置、および、前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1待機位置のいずれかに位置決めし、 前記第1メンテナンスユニットでは、前記第1洗浄部が前記第1予備吐出ローラよりも前記搬送方向における上流側に配置されて前記第1予備吐出ローラが前記第1処理位置側に配置され、前記第2メンテナンスユニットでは、前記第2洗浄部が前記第2予備吐出ローラよりも前記搬送方向における下流側に配置されて前記第2予備吐出ローラが前記第2処理位置側に配置され、前記第1処理位置に対する前記第1メンテナンスユニットの配置と、前記第2処理位置に対する前記第2メンテナンスユニットの配置とが、互いに対称な関係にある基板処理装置。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和3年5月18日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「基板を部分的に保持して所定の搬送方向に搬送する搬送部と、 搬送される前記基板に下方から浮力を与えて前記基板を水平姿勢に制御するとともに、前記基板の搬送経路のうち前記搬送方向における一部を位置制御領域として前記基板のうち前記位置制御領域に位置する部分の鉛直方向位置を制御する浮上部と、 処理液を吐出する吐出口をそれぞれ有する第1ノズルおよび第2ノズルと、 前記第1ノズルと前記第2ノズルとを互いに独立して前記搬送方向に移動可能であり、前記第1ノズルを移動させて第1処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする一方、前記第2ノズルを前記第1ノズルとは独立に移動させて第2処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする位置決め機構と、 前記第1処理位置よりも前記搬送方向の上流側の第1予備吐出位置に位置決めされた前記第1ノズルから吐出される処理液を上面に受ける第1予備吐出ローラ、該吐出された処理液を回収する第1回収部、および、前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1洗浄位置に位置決めされた前記第1ノズルを洗浄する第1洗浄部を有する第1メンテナンスユニットと、 前記第2処理位置よりも前記搬送方向の下流側の第2予備吐出位置に位置決めされた前記第2ノズルから吐出される処理液を上面に受ける第2予備吐出ローラ、該吐出された処理液を回収する第2回収部、および、前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2洗浄位置に位置決めされた前記第2ノズルを洗浄する第2洗浄部を有する第2メンテナンスユニットと を備え、 前記第1処理位置は、前記位置制御領域に位置する前記基板の上面に前記第1ノズルの前記吐出口が近接配置される位置であり、 前記第2処理位置は、前記位置制御領域に位置する前記基板の上面に前記第2ノズルの前記吐出口が近接配置される位置であり、 前記第1処理位置に位置決めされたときに前記第1ノズルが占める空間と、前記第2処理位置に位置決めされたときに前記第2ノズルが占める空間とが、少なくとも一部において互いに重なり合い、 前記位置決め機構は、前記第1ノズルの前記第1処理位置への位置決めと、前記第2ノズルの前記第2処理位置への位置決めとを選択的に行い、前記第1ノズルを前記第1処理位置に位置決めするときには前記第2ノズルを前記第2処理位置よりも前記搬送方向の下流側位置であって前記第2ノズルが前記第1処理位置に位置決めされる前記第1ノズルと干渉しない位置に位置決めし、前記第2ノズルを前記第2処理位置に位置決めするときには前記第1ノズルを前記第1処理位置よりも前記搬送方向の上流側位置であって前記第1ノズルが前記第2処理位置に位置決めされる前記第2ノズルと干渉しない位置に位置決めし、 前記第1処理位置に対する前記第1メンテナンスユニットの配置と、前記第2処理位置に対する前記第2メンテナンスユニットの配置とが、互いに対称な関係にある基板処理装置。」 2 補正の適否 (1)本件補正の内容 ア 本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「位置決め機構」につき、第1ノズルと第2ノズルの移動可能な方向を、「搬送方向」から「搬送方向と鉛直方向とのそれぞれに」と限定し、第1ノズルと第2ノズルの移動を「搬送方向および鉛直方向」と限定するもの。 イ 「前記第1予備吐出位置および前記第1洗浄位置は、前記第1ノズルが前記第2処理位置に位置決めされる前記第2ノズルと干渉しない位置であり」、「前記第2予備吐出位置および前記第2洗浄位置は、前記第2ノズルが前記第1処理位置に位置決めされる前記第1ノズルと干渉しない位置であり」との限定を付加するもの。 ウ 第1ノズルを第1処理位置に位置決めするときの第2ノズルの位置決めにつき、「前記第2予備吐出位置、前記第2洗浄位置、および、前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2待機位置のいずれかに」と限定するとともに、第2ノズルを第2処理位置に位置決めするときの第1ノズルにつき、「前記第1予備吐出位置、前記第1洗浄位置、および、前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1待機位置のいずれかに」と限定するもの。 エ 「前記第1メンテナンスユニットでは、前記第1洗浄部が前記第1予備吐出ローラよりも前記搬送方向における上流側に配置されて前記第1予備吐出ローラが前記第1処理位置側に配置され」、「前記第2メンテナンスユニットでは、前記第2洗浄部が前記第2予備吐出ローラよりも前記搬送方向における下流側に配置されて前記第2予備吐出ローラが前記第2処理位置側に配置され」との限定を付加するもの。 (2)上記、(1)ア~エによれば、本件補正は構成を限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献1 (ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2009-158984号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審で付した。以下同じ。)。 a 「【請求項1】 被処理基板の表面に処理液を塗布し、該処理液の膜を形成する基板処理装置において、 前記被処理基板を搬送路上で仰向けの姿勢とし、所定方向に搬送する搬送手段と、前記搬送路の途中に設けられ、前記基板に対し前記処理液の塗布処理を行うための処理ステージと、前記搬送手段により前記処理ステージ上を移動する基板に対し、前記処理液を塗布する第1のノズル及び第2のノズルと、前記搬送手段及び前記ノズルの動作制御を行う制御手段と、前記第1のノズル及び第2のノズルの吐出口に対しメンテナンス処理を実施するノズル待機部と、前記ノズル待機部と前記基板への塗布処理位置との間において前記第1のノズル及び第2のノズルを夫々移動させるノズル移動手段と、を備え、 前記制御手段がノズル移動手段を制御することにより、前記第1のノズルと第2のノズルとを夫々制御し、 前記第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記ノズル移動手段により塗布処理に用いる一方のノズルを前記塗布処理位置に移動させると共に、塗布処理を行わない他方のノズルを前記ノズル待機部に移動させ、 基板への塗布処理を、第1のノズルと第2のノズルとに交互に実施させることを特徴とする基板処理装置。・・・ 【請求項3】 前記ノズル待機部は、前記第1のノズルに対応する第1のノズル待機部と、前記第2のノズルに対応する第2のノズル待機部とからなることを特徴とする請求項1に記載された基板処理装置。 【請求項4】 前記ノズル移動手段により移動制御がなされる前記第1のノズル及び第2のノズルの移動経路は夫々、前記ノズル待機部と前記塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載された基板処理装置。 【請求項5】 前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であって、 前記第1のノズル及び第2のノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型であることを特徴とする請求項4に記載された基板処理装置。」(特許請求の範囲) b 「【技術分野】 【0001】 本発明は、フォトリソグラフィ工程において被処理基板に所定の膜を成膜する基板処理装置及び基板処理方法に関する。・・・ 【0007】 また、スリット状の吐出口201aは、微小な隙間により形成されているため、待機中においてノズル先端のメンテナンス処理を施さなければ、レジスト液の乾燥等により目詰まりが生じ、吐出口201aから均一にレジスト液Rを吐出できない虞がある。このため、ステージ200に隣接して、ノズル201の待機時に、ノズル先端に付着したレジスト液Rを均一化する(プライミング処理と呼ぶ)ための回転自在なプライミングローラ206を備えた待機部207が設けられている。」 c 「【0044】 図3に示すように、レジスト塗布ユニット(CT)44は、水平方向(X方向)に延びる第2の平流し搬送路45に沿って、上流側から順に第1のサブユニット101A、第2のサブユニット101Bが設けられている。 各サブユニット101A、101Bには、基板Gにレジスト液を吐出し供給するためのレジスト供給ノズル104(第1のノズル)、111(第2のノズル)が搬送路45の上方に配設されている。各ノズル104、111は、基板Gの幅方向に延びるスリット状の吐出口104a、111aと、これら吐出口104a、111aに連通するレジスト液収容室(図示せず)とを有しており、このレジスト液収容室に接続するレジスト液供給チューブ105、112を介してレジスト液供給源135が接続されている。 【0045】 また、ノズル吐出口104a、111aの長手方向の両側には、この吐出口から吐出されるレジスト液Rの吐出圧を低減する膜厚制御手段106、113が夫々設けられている。 この膜厚制御手段106、113は、吐出口104a、111aの長手方向の両側に連通する連通路107、114に夫々接続する吸引管108、115と、吸引管108、115に設けられた例えばダイヤフラムポンプのような吸引ポンプ109、116とで構成されており、吸引ポンプ109、116の駆動によって吐出口104a、111aの両側の吐出圧が低減されるようになされている。 尚、吸引管108、115における吸引ポンプ109、116の吸引側、即ちノズル104、111側には、開閉弁110、117が夫々介設されている。 【0046】 また、レジスト塗布ユニット(CT)44における搬送路45は、基板Gを仰向けの状態で搬送方向Aに沿って搬送する例えば搬送ベルト45a、45b、45c(搬送手段)が順に敷設されている。搬送ベルト45a、45bの間にはサブユニット101Aに対応する高精度ステージ102(第1のステージ)が設けられ、搬送ベルト45b、45cの間にはサブユニット101Bに対応する高精度ステージ103(第2のステージ)が設けられている。即ち、搬送路45の途中に高精度ステージ102、103が所定間隔を空けて設けられている。 尚、図示するように高精度ステージ102、103の搬送方向の長さ寸法L1は、基板長さ寸法L2よりも短く形成されている。 【0047】 したがって、第1の熱的処理部26からレジスト塗布ユニット(CT)44に搬送されてきた基板Gは、搬送ベルト45a、45bによる搬送により高精度ステージ102上を通過し、搬送ベルト45b、45cによる搬送により高精度ステージ103上を通過するようになされている。 高精度ステージ102、103は、その上面が平坦精度において高精度を要している。また、この高精度ステージ上で塗布される基板がステージから20~100μmの設定距離と±20μm内の精度で、数ミリ反った1.1mm厚以下の基板も矯正保持される。そのために、一例として、基板を浮上させるためのエアー噴出し孔と、基板を吸着させるための真空引き孔をステージ内に有し、この両者の噴出しと吸引バランスの調整で、上記精度を達成する構造である。 【0048】 基板Gへの塗布処理は、これら高精度ステージ102、103上で行われる。即ち、ノズル104により基板Gへの塗布処理を行う際には、ノズル104はステージ102の直上部に配置され、ノズル111により基板Gへの塗布処理を行う際には、ノズル111はステージ103の直上部に配置される。そして、各ノズルにおいては、ステージ上に搬送されてきた基板Gに対し着液し、塗布処理を行うように構成されている。 【0049】 より具体的には、第2の搬送路45およびノズルの動作制御を行う制御手段としてのコントローラ(図示せず)が、順次搬送される複数の基板Gをステージ102とステージ103とに交互に割り当て、ノズル104、111により夫々対応する基板Gへの塗布処理を実行させるようになされている。 【0050】 また、各サブユニット101A、101Bにおいて、搬送路45の上方には、各レジスト供給ノズル104、111に対し吐出口のメンテナンス処理を行うノズル待機部120(第1のノズル待機部)、ノズル待機部125(第2のノズル待機部)が設けられている。これらノズル待機部120、125は、待機時にノズル104、111の先端に付着したレジスト液Rを均一化するための回転自在なプライミングローラ121、126と、これらローラ121、126を洗浄するためシンナーに浸漬する容器127、128とを備える。尚、図示しないが、この他に、ノズル先端の乾燥を抑制するための保湿部を設けるのがより好ましい。 【0051】 また、レジスト供給ノズル104、111には、夫々ノズル移動手段136、137が接続されており、基板GへのレジストRの吐出位置とノズル待機部120、125との間で移動制御がなされるよう構成されている。」 d 「【0060】 また、前記実施の形態において図3乃至図6を用いて説明したレジスト塗布ユニット(CT)44の構成においては、2つのノズルと、各ノズルに対応する高精度ステージを夫々設けた構成例を示したが、本発明にあっては、その構成に限定されるものではない。 例えば、図7の斜視図に示すように、2つのノズルに対し、1つの高精度ステージを対応させる構成としてもよい。 【0061】 この場合、図8に示すように、一方のノズル(第1のノズル)が高精度ステージ103上で塗布処理を行っているとき(図示ではノズル111)、他方のノズル(第2のノズル)はノズル待機部120で待機している状態となる(図示ではノズル104)。即ち、2つのノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型となる。 このように構成することによって、図3の構成の場合と同様の効果を得ることができ、さらには、図3に示した構成よりも装置構成、フットプリント等を縮小し、さらにコストを低減することができる。」 e 図3、7及び8は以下のとおりである。 【図3】 [図:0001400068000001.jpg] 【図7】 [図:0001400068000002.jpg] 【図8】 [図:0001400068000003.jpg] (イ)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 a 引用文献1の「高精度ステージ102、103は、・・・この高精度ステージ上で塗布される基板がステージから20~100μmの設定距離と±20μm内の精度で、数ミリ反った1.1mm厚以下の基板も矯正保持され・・・基板を浮上させるためのエアー噴出し孔と、基板を吸着させるための真空引き孔をステージ内に有し、この両者の噴出しと吸引バランスの調整で、上記精度を達成する構造である。」(【0047】)及び「基板Gへの塗布処理は、これら高精度ステージ102、103上で行われる。」(【0048】) との記載によれば、「高精度ステージ102、103」は、「基板を浮上させるためのエアー噴出し孔と、基板を吸着させるための真空引き孔をステージ内に有し、この両者の噴出しと吸引バランスの調整で、」「塗布される基板がステージから20~100μmの設定距離と±20μm内の精度で」「保持され」る「精度を達成する構造である」、「基板Gへの塗布処理」を行う「ステージ」であるといえる。 b 引用文献1の「高精度ステージ102、103の搬送方向の長さ寸法L1は、基板長さ寸法L2よりも短く形成されている」(【0046】)との記載によれば、「高精度ステージ102、103」は、「搬送方向の長さ寸法L1」が、「基板長さ寸法L2よりも短く形成されている」といえる。 c 引用文献1の「各サブユニット101A、101Bにおいて、搬送路45の上方には、各レジスト供給ノズル104、111に対し吐出口のメンテナンス処理を行うノズル待機部120(第1のノズル待機部)、ノズル待機部125(第2のノズル待機部)が設けられている。これらノズル待機部120、125は、待機時にノズル104、111の先端に付着したレジスト液Rを均一化するための回転自在なプライミングローラ121、126と、これらローラ121、126を洗浄するためシンナーに浸漬する容器127、128とを備える。」(【0050】)との記載によれば、「ノズル104、111に対し吐出口のメンテナンス処理を行う」「第1のノズル待機部」及び「第2のノズル待機部」は、「搬送路45の上方に」設けられるものであって、「待機時にノズル104、111の先端に付着したレジスト液Rを均一化するための回転自在なプライミングローラ121、126と、これらローラ121、126を洗浄するためシンナーに浸漬する容器127、128とを備える」といえる。 d 引用文献1の「レジスト塗布ユニット(CT)44の構成においては、2つのノズルと、各ノズルに対応する高精度ステージを夫々設けた構成例を示したが、・・・2つのノズルに対し、1つの高精度ステージを対応させる構成としてもよい。」(【0060】)との記載を踏まえると、「基板Gへの塗布処理は、これら高精度ステージ102、103上で行われる。即ち、ノズル104により基板Gへの塗布処理を行う際には、ノズル104はステージ102の直上部に配置され、ノズル111により基板Gへの塗布処理を行う際には、ノズル111はステージ103の直上部に配置される。」(【0048】)との構成は、前記「2つのノズルに対し、1つの高精度ステージを対応させる構成」では、ノズル104により基板Gへの塗布処理を行う際には、ノズル104は高精度ステージ103の直上部に配置され、ノズル111により基板Gへの塗布処理を行う際には、ノズル111は高精度ステージ103の直上部に配置される構成となるものと解される。 e 上記(ア)c及びdの記載を踏まえて、上記(ア)eの図3、7及び8を見ると、ノズル待機部120(第1のノズル待機部)は、高精度ステージ103よりも搬送方向Aの上流側の位置にあること、及び、ノズル待機部125(第2のノズル待機部)は、高精度ステージ103よりも搬送方向Aの下流側の位置にあることが見てとれる。 (ウ)上記(ア)及び(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(なお、認定の根拠となる段落等を参考までに括弧内に付してある。)。 「被処理基板の表面に処理液を塗布し、該処理液の膜を形成する基板処理装置において、 前記被処理基板を搬送路上で仰向けの姿勢とし、所定方向に搬送する搬送手段と、前記搬送路の途中に設けられ、前記基板に対し前記処理液の塗布処理を行うための処理ステージと、前記搬送手段により前記処理ステージ上を移動する基板に対し、前記処理液を塗布する第1のノズル及び第2のノズルと、前記搬送手段及び前記ノズルの動作制御を行う制御手段と、前記第1のノズル及び第2のノズルの吐出口に対しメンテナンス処理を実施するノズル待機部と、前記ノズル待機部と前記基板への塗布処理位置との間において前記第1のノズル及び第2のノズルを夫々移動させるノズル移動手段と、を備え、 前記制御手段がノズル移動手段を制御することにより、前記第1のノズルと第2のノズルとを夫々制御し、 前記第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記ノズル移動手段により塗布処理に用いる一方のノズルを前記塗布処理位置に移動させると共に、塗布処理を行わない他方のノズルを前記ノズル待機部に移動させ、 基板への塗布処理を、第1のノズルと第2のノズルとに交互に実施させ(ここまで【請求項1】)、 前記ノズル待機部は、前記第1のノズルに対応する第1のノズル待機部と、前記第2のノズルに対応する第2のノズル待機部とからなり(【請求項3】)、 前記ノズル移動手段により移動制御がなされる前記第1のノズル及び第2のノズルの移動経路は夫々、前記ノズル待機部と前記塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成され(【請求項4】)、 前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であって、前記第1のノズル及び第2のノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型である基板処理装置において(【請求項5】)、 前記第1のノズル及び前記第2のノズルは、前記基板の幅方向に延びるスリット状の吐出口を有しており(【0044】)、 前記基板に対し前記処理液の塗布処理を行うための処理ステージは、前記基板を浮上させるためのエアー噴出し孔と、基板を吸着させるための真空引き孔をステージ内に有し、この両者の噴出しと吸引バランスの調整で、塗布される基板がステージから20~100μmの設定距離と±20μm内の精度で保持される精度を達成する構造である、前記基板への塗布処理を行う高精度ステージであり(上記(イ)a)、 前記第1のノズルにより基板への塗布処理を行う際には、前記第1のノズルは前記高精度ステージの直上部に配置され、前記第2のノズルにより基板への塗布処理を行う際には、前記第2のノズルは前記高精度ステージの直上部に配置され(上記(イ)d)、 前記高精度ステージは、搬送方向の長さ寸法が、基板長さ寸法よりも短く形成され(上記(イ)b)、 前記第1のノズル及び第2のノズルに対し吐出口のメンテナンス処理を行う前記第1のノズル待機部及び前記第2のノズル待機部は、前記搬送路の上方に設けられるものであって、待機時に前記第1のノズル及び前記第2のノズルの先端に付着したレジスト液を均一化するための回転自在なプライミングローラ121、126と、これらプライミングローラ121、126を洗浄するためシンナーに浸漬する容器127、128とを備え(上記(イ)c)、 前記第1のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の上流側の位置にあるとともに、前記第2のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の下流側の位置にある(上記(イ)e)、 基板処理装置。」 イ 引用文献2 (ア)同じく原査定に引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-13804号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。 a 「【請求項1】 基板に塗布液を塗布する塗布処理装置であって、 基板を所定の高さに浮上させながら、当該基板を水平方向に搬送する基板搬送路と、 前記基板搬送路の上方に設けられ、前記基板搬送路を搬送される基板に対して塗布液を吐出する2つのノズルと、 前記基板搬送路の上方に設けられ、且つ前記各ノズルに対応して設けられ、前記ノズルに対して所定の処理を行う2つのノズル処理部と、を有することを特徴とする、塗布処理装置。」(特許請求の範囲) b 「【技術分野】 【0001】 本発明は、基板に塗布液を塗布する塗布処理装置、当該塗布処理装置を用いた塗布処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。」 c 「【0040】 レジスト塗布処理装置24には、例えば図2及び図3に示すように搬送ラインAに沿ったY方向に延伸する基板搬送路としてのステージ70が設けられている。ステージ70は、搬入ステージ70a、塗布ステージ70b及び搬出ステージ70cを搬送ラインAの上流側(Y方向負方向側)から下流側(Y方向正方向側)に向けて順に備えている。搬入ステージ70aと搬出ステージ70cの上面には、図3に示すように多数のガス噴出口71が形成されている。塗布ステージ70bの上面には、ガス噴出口71と吸引口72が形成されている。ガス噴出口71からガスを噴出することにより、ステージ70全面においてガラス基板Gを浮上させることができる。また、塗布ステージ70bにおいては、ガス噴出口71によるガスの噴出と吸引口72による吸引を調整することにより、ガラス基板Gをより塗布ステージ70bに近づけ安定した高さに浮上させることができる。そして、ステージ70は、ガラス基板Gを搬送ラインAに沿った水平方向に搬送できる。 【0041】 ステージ70の幅方向(X方向)の両側には、Y方向に延伸する一対のレール73が形成されている。各レール73には、ガラス基板Gの幅方向の端部を保持して移動する保持アーム74が設けられている。ステージ70上で浮上したガラス基板Gの両端部を保持アーム74により保持して、そのガラス基板Gをレール73に沿ってY方向に移動させることができる。」 d 「【0047】 図2及び図3に示すように第1のノズル80のY方向負方向側には、第1のノズル80に対して所定の処理を行う第1のノズル処理部100が設けられている。第1のノズル処理部100は、図6に示すように第1のノズル80の先端部に付着したレジスト液を均一化するプライミング処理を行う第1のプライミングローラ101と、プライミング処理中の雰囲気を排気する第1の排気ダクト102と、第1のノズル80の先端部を収容して、当該第1のノズル80を待機させる第1の待機バス103と、第1のノズル80の先端部を洗浄する第1の洗浄機構104とを有している。これら第1のプライミングローラ101、第1の排気ダクト102、第1の待機バス103、第1の洗浄機構104は、Y方向負方向にこの順で第1の容器105に収容されている。 【0048】 図2及び図3に示すように第2のノズル81のY方向正方向側には、第2のノズル81に対して所定の処理を行う第2のノズル処理部110が設けられている。第2のノズル処理部110は、図6に示すように第2のノズル81の先端部に付着したレジスト液を均一化するプライミング処理を行う第2のプライミングローラ111と、プライミング処理中の雰囲気を排気する第2の排気ダクト112と、第2のノズル81の先端部を収容して、当該第2のノズル81を待機させる第2の待機バス113と、第2のノズル81の先端部を洗浄する第2の洗浄機構114とを有している。これら第2の排気ダクト112、第2のプライミングローラ111、第2の待機バス113、第2の洗浄機構114は、Y方向負方向にこの順で第2の容器115に収容されている。 【0049】 プライミングローラ101、111は、それぞれ回転可能に構成されている。そして、プライミングローラ101、111の直上にノズル80、81の吐出口80a、81aを対峙させて、吐出口80a、81aからプライミングローラ101、111に対してレジスト液を吐出する。そして、プライミングローラ101、111を回転させて前記レジスト液を巻き取ることで、吐出口80a、81aにおけるレジスト液の付着状態が整えられ、吐出口80a、81aにおけるレジスト液の吐出状態を安定化させることができる。」 e 図2及び3は以下のとおりである。 【図2】 [図:0001400068000004.jpg] 【図3】 [図:0001400068000005.jpg] f 上記c及びdの記載を踏まえて、上記eの図2を見ると、第1のノズル処理部100では、第1の洗浄機構104及び第1のノズル80を待機させる第1の待機バス103が第1のプライミングローラ101よりも搬送方向(Y方向)における上流側に配置されて第1のプライミングローラ101が塗布ステージ70b側に配置され、第2のノズル処理部110では、第2の洗浄機構114及び第2のノズル81を待機させる第2の待機バス113が第2のプライミングローラ111よりも搬送方向(Y方向)における下流側に配置されて第2のプライミングローラ111が塗布ステージ70b側に配置されていることが見てとれる。 (イ)上記記載から、引用文献2には、次の技術的事項が記載されていると認められる(なお、認定の根拠となる段落等を参考までに括弧内に付してある。)。 「基板に塗布液を塗布する塗布処理装置であって、 基板を所定の高さに浮上させながら、当該基板を水平方向に搬送する基板搬送路と、 前記基板搬送路の上方に設けられ、前記基板搬送路を搬送される基板に対して塗布液を吐出する2つのノズル(第1のノズル及び第2のノズル)と、 前記基板搬送路の上方に設けられ、且つ前記各ノズルに対応して設けられ、前記ノズルに対して所定の処理を行う2つのノズル処理部(第1のノズル処理部及び第2のノズル処理部)と、を有する、塗布処理装置であって(【請求項1】)、 前記基板搬送路としてのステージは、搬入ステージ、塗布ステージ及び搬出ステージを搬送ラインの上流側から下流側に向けて順に備え、搬入ステージと搬出ステージの上面には、多数のガス噴出口が形成され、塗布ステージの上面には、ガス噴出口と吸引口が形成され、前記ガス噴出口からガスを噴出することにより、ステージ全面においてガラス基板を浮上させることができ(【0040】)、前記ステージの幅方向の両側には、一対のレールが形成され、各レールには、ガラス基板の幅方向の端部を保持して移動する保持アームが設けられ、前記ステージ上で浮上したガラス基板の両端部を保持アームにより保持して、そのガラス基板をレールに沿って移動させることができ(【0041】)、 前記第1のノズル処理部では、第1の洗浄機構及び前記第1のノズルを待機させる第1の待機バスが第1のプライミングローラよりも搬送方向における上流側に配置されて前記第1のプライミングローラが前記塗布ステージ側に配置され、前記第2のノズル処理部では、第2の洗浄機構及び前記第2のノズルを待機させる第2の待機バスが第2のプライミングローラよりも搬送方向における下流側に配置されて前記第2のプライミングローラが前記塗布ステージ側に配置されている(上記(ア)f) 塗布処理装置。」 (3)引用発明との対比 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の「前記被処理基板を搬送路上で仰向けの姿勢とし、所定方向に搬送する搬送手段」は、本件補正発明の「基板を部分的に保持して所定の搬送方向に搬送する搬送部」と、「基板を保持して所定の搬送方向に搬送する搬送部」の点で一致する。 (イ)引用発明の「処理ステージ」は、本件補正発明の「位置制御領域」に相当する。また、引用発明の「前記搬送路の途中に設けられ、前記基板に対し前記処理液の塗布処理を行うための処理ステージ」は、「前記基板を浮上させるためのエアー噴出し孔と、基板を吸着させるための真空引き孔をステージ内に有し、この両者の噴出しと吸引バランスの調整で、塗布される基板がステージから20~100μmの設定距離と±20μm内の精度で保持される精度を達成する構造である、前記基板への塗布処理を行う高精度ステージであ」るから、このことは、本件補正発明の「基板の搬送経路のうち前記搬送方向における一部を位置制御領域として前記基板のうち前記位置制御領域に位置する部分」につき、(下方から浮力を与えて水平姿勢に制御するとともに、)「鉛直方向位置を制御する浮上部」に相当するものであるともいえる。 (ウ)引用発明の「処理液を塗布する第1のノズル及び第2のノズル」は、本件補正発明の「処理液を吐出する吐出口をそれぞれ有する第1ノズルおよび第2ノズル」にそれぞれ相当する。 (エ)引用発明の「制御手段」が、「ノズル移動手段を制御することにより、前記第1のノズルと第2のノズルとを夫々制御し、前記第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記ノズル移動手段により塗布処理に用いる一方のノズルを前記塗布処理位置に移動させると共に、塗布処理を行わない他方のノズルを前記ノズル待機部に移動させ」るものであることは、本件補正発明の「第1ノズルと前記第2ノズルとを互いに独立して、かつ前記搬送方向と鉛直方向とのそれぞれに移動可能であ」ることと、「第1ノズルと前記第2ノズルとを互いに独立して、かつ移動可能であ」ることの点で一致する。 また、引用発明の「塗布処理位置」、及び、「ノズル待機部」では、当該第1のノズルまたは第2のノズルは移動せず停止しているといえるから、引用発明の「塗布処理位置」及び「ノズル待機部」は、本件補正発明の「停止位置」にそれぞれ相当する。 したがって、引用発明の「制御手段」が、「ノズル移動手段を制御することにより、前記第1のノズルと第2のノズルとを夫々制御し、前記第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記ノズル移動手段により塗布処理に用いる一方のノズルを前記塗布処理位置に移動させると共に、塗布処理を行わない他方のノズルを前記ノズル待機部に移動させ」ることは、本件補正発明の「位置決め機構」が、「前記第1ノズルを前記搬送方向および前記鉛直方向に移動させて第1処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする一方、前記第2ノズルを前記第1ノズルとは独立に前記搬送方向および前記鉛直方向に移動させて第2処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする」ことと、「前記第1ノズルを移動させて第1処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする一方、前記第2ノズルを前記第1ノズルとは独立に移動させて第2処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする」点で一致する。 以上によれば、引用発明の「制御手段」は、本件補正発明の「位置決め機構」が「第1ノズルと前記第2ノズルとを互いに独立して、かつ前記搬送方向と鉛直方向とのそれぞれに移動可能であり、前記第1ノズルを前記搬送方向および前記鉛直方向に移動させて第1処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする一方、前記第2ノズルを前記第1ノズルとは独立に前記搬送方向および前記鉛直方向に移動させて第2処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする」ことと、「第1ノズルと前記第2ノズルとを互いに独立して、かつ移動可能であり、前記第1ノズルを移動させて第1処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする一方、前記第2ノズルを前記第1ノズルとは独立に移動させて第2処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする」点で一致する。 (オ)引用発明の「プライミングローラ121」及び「プライミングローラ126」、並びに、「容器127」及び「容器128」は、本件補正発明の「第1予備吐出ローラ」及び「第2予備吐出ローラ」、並びに、「第1回収部」及び「第2回収部」にそれぞれ相当する。 また、引用発明の「前記第1のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の上流側の位置にある」こと、及び、「前記第2のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の下流側の位置にある」ことは、本件補正発明の「第1メンテナンスユニット」は「前記第1処理位置よりも前記搬送方向の上流側の第1予備吐出位置に位置決めされた」こと、及び、「第2メンテナンスユニット」は「前記第2処理位置よりも前記搬送方向の下流側の第2予備吐出位置に位置決めされた」ことに相当する。 したがって、引用発明の「前記搬送路の上方に設けられるものであって、待機時に前記第1のノズル及び前記第2のノズルの先端に付着したレジスト液を均一化するための回転自在なプライミングローラ121、126と、これらプライミングローラ121、126を洗浄するためシンナーに浸漬する容器127、128とを備える」「前記高精度ステージよりも搬送方向の上流側の位置にある」「第1のノズル待機部」及び「前記高精度ステージよりも搬送方向の下流側の位置にある」「第2のノズル待機部」は、本件補正発明の「前記第1処理位置よりも前記搬送方向の上流側の第1予備吐出位置に位置決めされた前記第1ノズルから吐出される処理液を上面に受ける第1予備吐出ローラ、該吐出された処理液を回収する第1回収部、および、前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1洗浄位置に位置決めされた前記第1ノズルを洗浄する第1洗浄部を有する第1メンテナンスユニット」及び「前記第2処理位置よりも前記搬送方向の下流側の第2予備吐出位置に位置決めされた前記第2ノズルから吐出される処理液を上面に受ける第2予備吐出ローラ、該吐出された処理液を回収する第2回収部、および、前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2洗浄位置に位置決めされた前記第2ノズルを洗浄する第2洗浄部を有する第2メンテナンスユニット」と、「前記第1処理位置よりも前記搬送方向の上流側の第1予備吐出位置に位置決めされた前記第1ノズルから吐出される処理液を上面に受ける第1予備吐出ローラ、該吐出された処理液を回収する第1回収部を有する第1メンテナンスユニット」及び「前記第2処理位置よりも前記搬送方向の下流側の第2予備吐出位置に位置決めされた前記第2ノズルから吐出される処理液を上面に受ける第2予備吐出ローラ、該吐出された処理液を回収する第2回収部を有する第2メンテナンスユニット」の点で一致する。 (カ)引用発明の「第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記ノズル移動手段により塗布処理に用いる一方のノズルを」「移動させる」「塗布処理位置」であって、「前記第1のノズルにより基板への塗布処理を行う際には、前記第1のノズルは前記高精度ステージの直上部に配置され」る「塗布処理位置」は、本件補正発明の「前記位置制御領域に位置する前記基板の上面に前記第1ノズルの前記吐出口が近接配置される位置であ」る「第1処理位置」に相当する。 同様に、引用発明の「第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記ノズル移動手段により塗布処理に用いる一方のノズルを」「移動させる」「塗布処理位置」であって、「前記第2のノズルにより基板への塗布処理を行う際には、前記第2のノズルは前記高精度ステージの直上部に配置され」る「塗布処理位置」は、本件補正発明の「前記位置制御領域に位置する前記基板の上面に前記第2ノズルの前記吐出口が近接配置される位置であ」る「第2処理位置」に相当する。 (キ)引用発明の「前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であ」るので、第1のノズルの塗布処理位置に位置決めされたときに第1のノズルが占める空間と、第2のノズルの塗布処理位置に位置決めされたときに第2のノズルが占める空間とが、互いに重なり合うといえるから、引用発明の「前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であ」ることは、本件補正発明の「前記第1処理位置に位置決めされたときに前記第1ノズルが占める空間と、前記第2処理位置に位置決めされたときに前記第2ノズルが占める空間とが、少なくとも一部において互いに重なり合」うことに相当する。 (ク)引用発明の「前記ノズル移動手段により移動制御がなされる前記第1のノズル及び第2のノズルの移動経路は夫々、前記ノズル待機部と前記塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成され、前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であって、前記第1のノズル及び第2のノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型であ」って、「前記第1のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の上流側の位置にあるとともに、前記第2のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の下流側の位置にある」ことが、第1のノズル待機部に位置する第1のノズルが、塗布処理位置に位置する第2のノズルと干渉しない位置であること、及び、第2のノズル待機部に位置する第2のノズルが、塗布処理位置に位置する第の1ノズルと干渉しない位置であることは明らかである。 したがって、引用発明の「前記ノズル移動手段により移動制御がなされる前記第1のノズル及び第2のノズルの移動経路は夫々、前記ノズル待機部と前記塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成され、前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であって、前記第1のノズル及び第2のノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型であ」って、「前記第1のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の上流側の位置にあるとともに、前記第2のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の下流側の位置にある」ことは、本件補正発明の「前記第1予備吐出位置および前記第1洗浄位置は、前記第1ノズルが前記第2処理位置に位置決めされる前記第2ノズルと干渉しない位置であり、前記第2予備吐出位置および前記第2洗浄位置は、前記第2ノズルが前記第1処理位置に位置決めされる前記第1ノズルと干渉しない位置であ」ることと、「前記第1予備吐出位置および前記第1洗浄位置は、前記第1ノズルが前記第2処理位置に位置決めされる前記第2ノズルと干渉しない位置であり、前記第2予備吐出位置および前記第2洗浄位置は、前記第2ノズルが前記第1処理位置に位置決めされる前記第1ノズルと干渉しない位置であ」ることに相当する。 (ケ)引用発明の「制御手段」が「ノズル移動手段を制御することにより、前記第1のノズルと第2のノズルとを夫々制御し、前記第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記ノズル移動手段により塗布処理に用いる一方のノズルを前記塗布処理位置に移動させ」、「基板への塗布処理を、第1のノズルと第2のノズルとに交互に実施させ」ることは、本件補正発明の「位置決め機構」が「前記第1ノズルの前記第1処理位置への位置決めと、前記第2ノズルの前記第2処理位置への位置決めとを選択的に行」うことに相当する。 また、引用発明の「制御手段」が、「ノズル移動手段を制御することにより、前記第1のノズルと第2のノズルとを夫々制御し、前記第1のノズルと第2のノズルのうち」、「塗布処理を行わない他方のノズルを前記ノズル待機部に移動させ」、「前記ノズル待機部は、前記第1のノズルに対応する第1のノズル待機部と、前記第2のノズルに対応する第2のノズル待機部とからなり」、「前記第1のノズル及び第2のノズルに対し吐出口のメンテナンス処理を行う前記第1のノズル待機部及び前記第2のノズル待機部は、前記搬送路の上方に設けられるものであって、待機時に前記第1のノズル及び前記第2のノズルの先端に付着したレジスト液を均一化するための回転自在なプライミングローラ121、126」「を備え」ることは、制御手段が、第1のノズルを第1のノズル待機部のプライミングローラ121で吐出口のメンテナンス処理を行う位置に位置決めするとともに、第2のノズルを第2のノズル待機部のプライミングローラ126で吐出口のメンテナンス処理を行う位置に位置決めすることであるから、本件補正発明の「位置決め機構」が、「前記第1ノズルの前記第1処理位置への位置決めと、前記第2ノズルの前記第2処理位置への位置決めとを選択的に行い、前記第1ノズルを前記第1処理位置に位置決めするときには前記第2ノズルを、前記第2予備吐出位置、前記第2洗浄位置、および、前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2待機位置のいずれかに位置決めし、前記第2ノズルを前記第2処理位置に位置決めするときには前記第1ノズルを、前記第1予備吐出位置、前記第1洗浄位置、および、前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1待機位置のいずれかに位置決め」することと、「前記第1ノズルの前記第1処理位置への位置決めと、前記第2ノズルの前記第2処理位置への位置決めとを選択的に行い、前記第1ノズルを前記第1処理位置に位置決めするときには前記第2ノズルを、前記第2予備吐出位置に位置決めし、前記第2ノズルを前記第2処理位置に位置決めするときには前記第1ノズルを、前記第1予備吐出位置に位置決め」する点で一致する。 (コ)引用発明では、「前記第1のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の上流側の位置にあるとともに、前記第2のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の下流側の位置にあ」り、「前記ノズル移動手段により移動制御がなされる前記第1のノズル及び第2のノズルの移動経路は夫々、前記ノズル待機部と前記塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成され、前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であって、前記第1のノズル及び第2のノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型である」から、第1のノズル待機部と第2のノズル待機部は、高精度ステージを間に挟んで配置されているといえ、第1のノズル待機部と第2のノズル待機部は、高精度ステージ上の「第1のノズルにより基板への塗布処理を行う際に」「前記第1のノズル」が配置される「高精度ステージの直上部」の位置、及び、「第2のノズルにより基板への塗布処理を行う際に」「前記第2のノズル」が配置される「高精度ステージの直上部」の位置を間に挟んで配置されているといえる。 したがって、引用発明の「前記第1のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の上流側の位置にあるとともに、前記第2のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の下流側の位置にあ」り、「前記ノズル移動手段により移動制御がなされる前記第1のノズル及び第2のノズルの移動経路は夫々、前記ノズル待機部と前記塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成され、前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であって、前記第1のノズル及び第2のノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型である」ことは、本件補正発明の「前記第1処理位置に対する前記第1メンテナンスユニットの配置と、前記第2処理位置に対する前記第2メンテナンスユニットの配置とが、互いに対称な関係にある」ことと、「前記第1処理位置に対する前記第1メンテナンスユニットの配置と、前記第2処理位置に対する前記第2メンテナンスユニットの配置とが、前記第1処理位置及び前記第2処理位置を間に挟んで配置される関係にある」ことの点で一致する。 (サ)引用発明の「基板処理装置」は、本件補正発明の「基板処理装置」に相当する。 イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 【一致点】 「基板を保持して所定の搬送方向に搬送する搬送部と、 前記基板の搬送経路のうち前記搬送方向における一部を位置制御領域として前記基板のうち前記位置制御領域に位置する部分につき、下方から浮力を与えて水平姿勢に制御するとともに、鉛直方向位置を制御する浮上部と、 処理液を吐出する吐出口をそれぞれ有する第1ノズルおよび第2ノズルと、 第1ノズルと前記第2ノズルとを互いに独立して、かつ移動可能であり、前記第1ノズルを移動させて第1処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする一方、前記第2ノズルを前記第1ノズルとは独立に移動させて第2処理位置を含む複数の停止位置に位置決めする位置決め機構と、 前記第1処理位置よりも前記搬送方向の上流側の第1予備吐出位置に位置決めされた前記第1ノズルから吐出される処理液を上面に受ける第1予備吐出ローラ及び該吐出された処理液を回収する第1回収部を有する第1メンテナンスユニットと、 前記第2処理位置よりも前記搬送方向の下流側の第2予備吐出位置に位置決めされた前記第2ノズルから吐出される処理液を上面に受ける第2予備吐出ローラ及び該吐出された処理液を回収する第2回収部を有する第2メンテナンスユニットと を備え、 前記第1処理位置は、前記位置制御領域に位置する前記基板の上面に前記第1ノズルの前記吐出口が近接配置される位置であり、 前記第2処理位置は、前記位置制御領域に位置する前記基板の上面に前記第2ノズルの前記吐出口が近接配置される位置であり、 前記第1処理位置に位置決めされたときに前記第1ノズルが占める空間と、前記第2処理位置に位置決めされたときに前記第2ノズルが占める空間とが、少なくとも一部において互いに重なり合い、 前記第1予備吐出位置および前記第1洗浄位置は、前記第1ノズルが前記第2処理位置に位置決めされる前記第2ノズルと干渉しない位置であり、 前記第2予備吐出位置および前記第2洗浄位置は、前記第2ノズルが前記第1処理位置に位置決めされる前記第1ノズルと干渉しない位置であり、 前記位置決め機構は、前記第1ノズルの前記第1処理位置への位置決めと、前記第2ノズルの前記第2処理位置への位置決めとを選択的に行い、 前記第1ノズルを前記第1処理位置に位置決めするときには前記第2ノズルを、前記第2予備吐出位置に位置決めし、 前記第2ノズルを前記第2処理位置に位置決めするときには前記第1ノズルを、前記第1予備吐出位置に位置決めし、 前記第1メンテナンスユニットでは、前記第1洗浄部が前記第1予備吐出ローラよりも前記搬送方向における上流側に配置されて前記第1予備吐出ローラが前記第1処理位置側に配置され、前記第2メンテナンスユニットでは、前記第2洗浄部が前記第2予備吐出ローラよりも前記搬送方向における下流側に配置されて前記第2予備吐出ローラが前記第2処理位置側に配置され、前記第1処理位置に対する前記第1メンテナンスユニットの配置と、前記第2処理位置に対する前記第2メンテナンスユニットの配置とが、前記第1処理位置及び前記第2処理位置を間に挟んで配置される関係にある基板処理装置。」 【相違点1】 「搬送部」について、本件補正発明は、基板を「部分的に」保持して所定の搬送方向に搬送するのに対し、引用発明は、そのような構成を採用していない点。 【相違点2】 「浮上部」につき、本件補正発明は、位置制御領域以外の領域においても、搬送される基板に下方から浮力を与えて前記基板を水平姿勢に制御するのに対し、引用発明は、そのような構成を採用していない点。 【相違点3】 「位置決め機構」が、本件補正発明は、第1ノズルと前記第2ノズルを「搬送方向と鉛直方向とのそれぞれに移動可能であ」るのに対し、引用発明は、第1ノズルと前記第2ノズルをそのように移動可能であると特定しない点。 【相違点4】 本件補正発明は、「第1メンテナンスユニット」が、第1予備吐出ローラ及び第1回収部に加えて「前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1洗浄位置に位置決めされた前記第1ノズルを洗浄する第1洗浄部」を備え、「第2メンテナンスユニット」が、第2予備吐出ローラ及び第2回収部に加えて「前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2洗浄位置に位置決めされた前記第2ノズルを洗浄する第2洗浄部」を有するのに対して、引用発明の第1のノズル待機部及び第2のノズル待機部は、このように特定される「洗浄部」をそれぞれ有しない点。 【相違点5】 本件補正発明は、第1ノズルを第1処理位置に位置決めするときには「第2ノズル」が、第2予備吐出位置に加えて、「前記第2洗浄位置、および、前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2待機位置のいずれかに位置決め」され、第2ノズルを第2処理位置に位置決めするときには「第1ノズル」が、第1予備吐出位置に加えて、「前記第1洗浄位置、および、前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1待機位置のいずれかに位置決め」されるのに対して、引用発明の第1のノズル及び第2のノズルは、このような洗浄位置及び待機位置には位置決めされない点。 【相違点6】 第1処理位置に対する前記第1メンテナンスユニットの配置と、第2処理位置に対する前記第2メンテナンスユニットの配置とが、本件補正発明は、「互いに対称な」関係にあるのに対して、引用発明は、「前記第1のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の上流側の位置にあるとともに、前記第2のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の下流側の位置にある」とされるにとどまる点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 ア 相違点1及び2について 引用発明の搬送路は、引用文献1に「基板Gは、搬送ベルト45a、45bによる搬送により高精度ステージ102上を通過し、搬送ベルト45b、45cによる搬送により高精度ステージ103上を通過するようになされている。」(【0047】)と記載され、具体的には、基板に直接接触する手段である搬送ベルトによる搬送が想定されている。 しかしながら、当該「基板」として、引用文献1には、「本発明における被処理基板はLCD基板に限るものではなく、フラットパネルディスプレイ用の各種基板や、半導体ウエハ、CD基板、ガラス基板、フォトマスク、プリント基板等も可能である。」(【0062】)とされ、半導体ウエハ、ガラス基板やフォトマスクのように薄く脆弱なものも想定されており、当該薄く脆弱な基板に負荷を与えないために、「高精度ステージ」の前後の搬送路も非接触である搬送手段を採用して基板を浮上させて搬送することがさらに望ましいことは明らかであるところ、引用文献2には、上記(2)イ(イ)のとおり、「基板に塗布液を塗布する塗布処理装置」における「基板を所定の高さに浮上させながら、当該基板を水平方向に搬送する基板搬送路」として、「前記基板搬送路としてのステージは、搬入ステージ、塗布ステージ及び搬出ステージを搬送ラインの上流側から下流側に向けて順に備え、搬入ステージと搬出ステージの上面には、多数のガス噴出口が形成され、塗布ステージの上面には、ガス噴出口と吸引口が形成され、前記ガス噴出口からガスを噴出することにより、ステージ全面においてガラス基板を浮上させることができ、前記ステージの幅方向の両側には、一対のレールが形成され、各レールには、ガラス基板の幅方向の端部を保持して移動する保持アームが設けられ、前記ステージ上で浮上したガラス基板の両端部を保持アームにより保持して、そのガラス基板をレールに沿って移動させることができ」る構成が記載されている。 したがって、引用発明の「基板」として、薄く脆弱な基板である場合にも負荷を与えないために、引用発明の「搬送手段」として、引用文献2に記載された上記「基板を所定の高さに浮上させながら、当該基板を水平方向に搬送する基板搬送路」の構成を適用するとともに、単に基板を浮上させただけでは基板は移動しないので、「ステージの幅方向の両側には、一対のレールが形成され、各レールには、ガラス基板の幅方向の端部を保持して移動する保持アームが設けられ、前記ステージ上で浮上したガラス基板の両端部を保持アームにより保持して、そのガラス基板をレールに沿って移動させる」構成もあわせて採用して、上記相違点1及び2に係る本件補正発明の構成となすことは当業者が容易に想到し得たことである。 イ 相違点3について 引用発明の「第1のノズル及び第2のノズル」の「移動経路は夫々、前記ノズル待機部と前記塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成され、前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であって、前記第1のノズル及び第2のノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型である」ところ、「前記第1のノズル待機部及び前記第2のノズル待機部は、前記搬送路の上方に設けられるものであって、」「前記第1のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の上流側の位置にあるとともに、前記第2のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の下流側の位置にある」から、「第1のノズル及び第2のノズル」は、「搬送路の上方に」移動するとともに、「搬送方向の上流」または「下流」にも移動することで、「直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型」となるといえる。 したがって、引用発明の「第1のノズル及び第2のノズル」が、搬送方向と鉛直方向とのそれぞれに個別に移動可能な構成は例を挙げるまでもなく従来周知の構成であって、このような構成となすことは当業者が容易になし得たことである。 ウ 相違点4ないし6について 引用発明の「第1のノズル及び第2のノズル」に関して、引用文献1には「スリット状の吐出口201aは、微小な隙間により形成されているため、待機中においてノズル先端のメンテナンス処理を施さなければ、レジスト液の乾燥等により目詰まりが生じ、吐出口201aから均一にレジスト液Rを吐出できない虞がある。」(【0007】)と記載されているように、待機中の「第1のノズル及び第2のノズル」は、「レジスト液の乾燥等により目詰まりが生じ」得るものであるところ、「目詰まり」を防ぐプライミング処理以外に、「目詰まり」を防ぐ「洗浄処理」が本願出願日当時周知の技術的手段であった。 そして、メンテナンス処理を施す装置を充実して、「目詰まり」を防ぐことは、均一にレジスト液を吐出することを可能として、引用発明の装置全体の性能向上に資するといえるところ、引用文献2には、上記(2)イ(イ)のとおり、さらに洗浄機構を備えた、「第1のノズル処理部」が、「第1の洗浄機構及び前記第1のノズルを待機させる第1の待機バスが第1のプライミングローラよりも搬送方向における上流側に配置されて前記第1のプライミングローラが前記塗布ステージ側に配置され」、「第2のノズル処理部」が、「第2の洗浄機構及び前記第2のノズルを待機させる第2の待機バスが第2のプライミングローラよりも搬送方向における下流側に配置されて前記第2のプライミングローラが前記塗布ステージ側に配置されている」構成が記載されている。 ここで、引用文献2における、「第1の洗浄機構」で処理する際の第1のノズルの位置及び「第2の洗浄機構」で処理する際の第2のノズルの位置は、本件補正発明の「第1洗浄位置」及び「第2洗浄位置」に相当するといえる。 また、引用文献2における「第1のプライミングローラよりも搬送方向における上流側に配置されて」いる「第1のノズルを待機させる第1の待機バス」で待機させる際の第1のノズルの位置及び「第2のプライミングローラよりも搬送方向における下流側に配置されて」いる「第2のノズルを待機させる第2の待機バス」で待機させる際の第2のノズルの位置は、本件補正発明の「前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1待機位置」及び「前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2待機位置」に相当するといえる。 そして、「第1の洗浄機構」で処理する際の第1のノズルの位置及び「第2の洗浄機構」で処理する際の第2のノズルの位置、「第1の待機バス」で待機させる際の第1のノズルの位置及び「第2の待機バス」で待機させる際の第2のノズルの位置、並びに、「第1のプライミングローラ」で処理する際の第1のノズルの位置及び「第2のプライミングローラ」で処理する際の第2のノズルの位置は、当該「第1のノズル待機部」及び「第2のノズル待機部」における「第1のノズル」ないし「第2のノズル」を位置決めすべき位置であるといえる。 したがって、引用発明の「第1のノズル待機部」及び「第2のノズル待機部」に、引用文献2に記載された、「第1の洗浄機構及び前記第1のノズルを待機させる第1の待機バスが第1のプライミングローラよりも搬送方向における上流側に配置されて前記第1のプライミングローラが前記塗布ステージ側に配置され」る「第1のノズル処理部」、及び、「第2の洗浄機構及び前記第2のノズルを待機させる第2の待機バスが第2のプライミングローラよりも搬送方向における下流側に配置されて前記第2のプライミングローラが前記塗布ステージ側に配置されている」「第2のノズル処理部」の構成を適用した際に、引用発明の「塗布処理を行わない他方のノズルを前記ノズル待機部に移動させ」る構成も、第1のノズルを、「第1の洗浄機構」で処理する際の第1のノズルの位置、「第1の待機バス」で待機させる際の第1のノズルの位置、及び、「第1のプライミングローラ」で処理する際の第1のノズルの位置のいずれかに位置決めするとともに、第2のノズルを「第2の洗浄機構」で処理する際の第2のノズルの位置、「第2の待機バス」で待機させる際の第2のノズルの位置、及び、「第2のプライミングローラ」で処理する際の第2のノズルの位置のいずれかに位置決めすることとなり、本件補正発明の「前記第1ノズルを前記第1処理位置に位置決めするときには前記第2ノズルを、前記第2予備吐出位置、前記第2洗浄位置、および、前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2待機位置のいずれかに位置決めし、前記第2ノズルを前記第2処理位置に位置決めするときには前記第1ノズルを、前記第1予備吐出位置、前記第1洗浄位置、および、前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1待機位置のいずれかに位置決め」する構成を満たすこととなると認められる。 また、上記(3)ア(コ)で検討したような、引用発明の第1のノズル待機部と第2のノズル待機部とが、「前記第1のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の上流側の位置にあるとともに、前記第2のノズル待機部は、前記高精度ステージよりも搬送方向の下流側の位置にある」構成に、引用文献2に記載された、第1のノズル処理部及び第2のノズル処理部の構成を適用すると、「前記ノズル移動手段により移動制御がなされる前記第1のノズル及び第2のノズルの移動経路は夫々、前記ノズル待機部と前記塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成され」ること、及び、「前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であって、前記第1のノズル及び第2のノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型である」ことを踏まえると、第1のノズル待機部における第1の洗浄機構、第1の待機バス及び第1のプライミングローラの位置と、第2のノズル待機部における第2の洗浄機構、第2の待機バス及び第2のプライミングローラとの位置の関係が、塗布処理位置を間に挟んで対称に配置される位置関係となるといえるから、第1のノズル待機部と第2のノズル待機部は、塗布処理位置を間に挟んで対称に配置されるといえる。またそうでないとしても、第1のノズル待機部における「第1の洗浄機構及び前記第1のノズルを待機させる第1の待機バスが第1のプライミングローラよりも搬送方向における上流側に配置されて前記第1のプライミングローラが前記塗布ステージ側に配置され」る構成と、第2のノズル待機部における「第2の洗浄機構及び前記第2のノズルを待機させる第2の待機バスが第2のプライミングローラよりも搬送方向における下流側に配置されて前記第2のプライミングローラが前記塗布ステージ側に配置され」る構成とを、塗布処理位置を間に挟んで対称に配置することは当業者が容易になし得たことである。 以上によれば、引用発明の「第1のノズル待機部」及び「第2のノズル待機部」として、引用文献2に記載された上記「第1のノズル処理部」及び「第2のノズル処理部」の構成を適用して、上記相違点4ないし6に係る本件補正発明の構成となすことは当業者が容易に想到し得たことである。 エ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 オ したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5)請求人の主張について ア 本願請求人は、審判請求書の【請求の理由】、「5.本願発明の説明および引用発明との対比」、「(3)本願発明と引用発明との対比」において、概略下記のように主張する。 (ア)特開2009-158984号公報に記載された発明では斜め方向の一直線上の移動のみが可能となっています。また、特開2014-13804号公報に記載された発明では2つのノズルは鉛直方向には独立して移動可能であるものの、水平方向(搬送方向)には両ノズルが一体的に移動します。このように、いずれの引用発明も本願発明1の「各ノズルが搬送方向の移動と、鉛直方向の移動とが可能」という構成の要件を満たしません。 (イ)特開2014-13804号公報に記載された発明は「処理位置でのノズルの干渉」という課題自体が生じません。また、特開2014-13804号公報に記載された発明では、ノズルのメンテナンスを実行するのに際しては、ノズル処理部が移動する必要があります。 (ウ)特開2014-13804号公報に記載された発明のような構成では、2つのノズル間の水平距離を、一方のノズル処理部が動作する際にも他方のノズルと干渉しない程度に離す必要があります。 イ(ア)しかしながら、上記ア(ア)の点は、上記(4)イで検討したとおりであって、引用発明の「第1のノズル及び第2のノズル」を、搬送方向と鉛直方向とのそれぞれに個別に移動可能な構成となすことは、当業者が容易になし得たことであるから採用できない。 したがって、上記ア(ア)の請求人の主張は採用できない。 (イ)また、上記ア(イ)及び(ウ)の点について検討すると、上記(4)ウで検討したとおり、引用文献2に記載された技術的事項の「第1のノズル処理部」及び「第2のノズル処理部」の構成を、引用発明の「第1のノズル待機部」及び「第2のノズル待機部」に適用することを論じているのであって、引用文献2に記載されているノズルの構成までを引用発明に適用することを論じているのではない。 そして、上記(4)ウで検討したように、引用文献2に記載された技術的事項の「第1のノズル処理部」及び「第2のノズル処理部」の構成を引用発明の「第1のノズル待機部」及び「第2のノズル待機部」に適用した引用発明においては、引用文献2に記載された発明が有する上記ア(イ)及び(ウ)の問題点が生じることはない。 したがって、上記ア(イ)及び(ウ)の請求人の主張は採用できない。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和4年5月31日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年5月18日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1~3に係る発明は、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2009-158984号公報 引用文献2:特開2014-13804号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし2及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「第1ノズル」と「第2ノズル」の「位置決め機構」に関して、搬送方向に加えて「鉛直方向」に移動可能であり、「第1ノズル」と「第2ノズル」を「前記搬送方向および前記鉛直方向」に移動させるとの限定事項、「前記第1ノズルが前記第2処理位置に位置決めされる前記第2ノズルと干渉しない位置であ」るとともに、「前記第2ノズルが前記第1処理位置に位置決めされる前記第1ノズルと干渉しない位置であ」るとの限定事項、「前記第2予備吐出位置、前記第2洗浄位置、および、前記第2予備吐出位置よりも前記搬送方向の下流側の第2待機位置のいずれかに位置決め」するとともに、「前記第1予備吐出位置、前記第1洗浄位置、および、前記第1予備吐出位置よりも前記搬送方向の上流側の第1待機位置のいずれかに位置決め」するとの限定事項、及び、「前記第1メンテナンスユニットでは、前記第1洗浄部が前記第1予備吐出ローラよりも前記搬送方向における上流側に配置されて前記第1予備吐出ローラが前記第1処理位置側に配置され、前記第2メンテナンスユニットでは、前記第2洗浄部が前記第2予備吐出ローラよりも前記搬送方向における下流側に配置されて前記第2予備吐出ローラが前記第2処理位置側に配置され」るとの限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-008143

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    同じ当事者: 株式会社SCREENホールディングス
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    同じ当事者: 株式会社SCREENホールディングス
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    同じ当事者: 株式会社SCREENホールディングス
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    同じ当事者: 株式会社SCREENホールディングス
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