商標拒絶査定不服審判
2022-007679
クレシード
- 審判番号
- 2022-007679
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-116299
- 請求日
- 2022年05月23日
- 審決日
- 2023年07月13日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ナヴィック
- 【請求人代理人】小木 智彦
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .261-Z (W0912) / T18 .262-Z (W0912) / T18 .263-Z (W0912)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-116299拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「CLESEED」の文字を標準文字で表してなり、第9類「インバーター(電気式のもの),発電用光発電装置(太陽光発電装置),自動車用バッテリーの充電器,充電器」及び第12類「自動車用ルーフキャリア,自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、令和2年9月18日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年8月16日付けで拒絶理由の通知がされ、同年11月1日受付で意見書が提出され、同4年2月17日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年5月23日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4398237号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成11年6月22日に登録出願、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機」を含む第7類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同12年7月7日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされており、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「CLESEED」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に載録のない語であり、また、この文字が、特定の意味合いを想起させる語として知られているものとも認められないことから、一種の造語として認識されるものである。
そして、一般的には、特定の意味合いを想起させない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の読み方に倣って称呼されるとみるのが自然である。
そうすると、本願商標の構成文字を、英語風に発音する場合には、その構成中、前半に位置する「CLE」の文字については、英語の「clever」を「クレバー」、「cleanser」を「クレンザー」と発音するのに倣って、「クレ」と発音し、その構成中、後半の「SEED」の文字については、英語の「seed」を「シード」と発音することから、本願商標全体としては「クレシード」の称呼が生じるものである。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して「クレシード」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、「クレシード」の片仮名及び「Creceed」の欧文字を上下二段に書してなるものである。
そして、引用商標の構成中、下段の「Creceed」の欧文字は、辞書等に載録のない語であり、また、この文字が、特定の意味合いを想起させる語として知られているものとも認められないことから、一種の造語として認識されるものである。
さらに、上段の「クレシード」の片仮名は、下段の「Creceed」の欧文字の上部に近接して配置されていることから、その読みを特定したものと容易に認識されるものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「クレシード」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標及び引用商標は、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、本願商標と引用商標は、その全体の外観構成において、片仮名の有無が相違するものの、本願商標と引用商標の欧文字部分との比較においては、共に7文字から構成され、大文字か小文字かの違いはあるとしても「C」、「E(e)」、「E(e)」、「E(e)」及び「D(d)」の5文字を共通にするものであり、その差異は、2文字目の「L」と「r」、4文字目の「S」と「c」のみである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与えるものである。
次に、称呼においては、本願商標と引用商標とは、共に「クレシード」の称呼を生じるから、称呼上、同一である。
そして、観念においては、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
以上からすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において近似した印象を与え、共に同一の称呼が生じるから、それぞれの外観、称呼及び観念等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品中、第9類「インバーター(電気式のもの),発電用光発電装置(太陽光発電装置),自動車用バッテリーの充電器,充電器」は、引用商標の指定商品中、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機」と類似するものである。
オ 小括
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願商標は、引用商標の指定商品と類似の商品について使用するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標及び引用商標が使用されている商品に係る取引の実情を鑑みると、本願商標はカー用品として取り扱われ、引用商標は工業生産のための機械器具として取り扱われることから、本願商標を指定商品に使用した場合に、引用商標との間で商品の出所に誤認混同を生じさせるおそれはない旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではないと判示されている(昭和49年4月25日最高裁昭和47年(行ツ)第33号)。
そして、請求人の主張に係る取引の実情は、本願商標及び引用商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的な取引の実情というべきであるから、両商標の類否の判断に当たり考慮することのできる一般的、恒常的な取引の実情とはいえない。
イ 請求人は、本願商標から「クルシード」、「クリシード」又は「クレシード」の称呼が生ずる旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標のように、特定の意味合いを想起させない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の読み方に倣って称呼されるとみるのが自然であるところ、本願商標からは「クレシード」の称呼が生じるとするのが、最も自然である。
また、仮に、本願商標から「クルシード」、「クリシード」の称呼が生ずる場合があるとしても、なお「クレシード」の称呼が生ずるというべきであり、その場合には、「クレシード」の称呼が最も自然な称呼ということができる。
ウ 請求人は、称呼が類似するとしても、外観が著しく相違し、観念において類似するとはいえず、取引の実情等を考慮して非類似と判断された、過去の判決を挙げて、本願商標と引用商標も非類似と判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、上記(1)ウのとおり、本願商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与えるものであり、上記アのとおり、請求人の主張する取引の実情は、商標の類否判断において考慮することのできる一般的、恒常的な取引の実情ではないから、請求人が挙げる判決例は、本願商標とは事案を異にするものである。
エ 以上のとおり、請求人の上記アないしウの主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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