商標拒絶査定不服審判
2025-002443
ゼン、ゼットイイエヌ
- 審判番号
- 2025-002443
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-105516
- 請求日
- 2025年02月17日
- 審決日
- 2025年08月12日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ゼンウェル・オーダード株式会社
- 【請求人代理人】居藤 洋之
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 深田 彩紀子
- 分類
- T18 .261-Z (W070912374042) / T18 .262-Z (W070912374042) / T18 .263-Z (W070912374042)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-105516拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第7類、第9類、第12類、第37類、第40類及び第42類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和5年9月21日に登録出願されたものである。
本願は、令和6年5月14日付けで拒絶理由の通知がされ、同年9月6日に意見書が提出されたが、同年11月18日付けで拒絶査定がされ、これに対して、令和7年2月17日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の1ないし6のとおりであり(まとめていう場合には、以下「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 登録第5035808号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「ZEN」の文字を標準文字で表してなる商標
指定商品:第9類「デジタルオーディオプレイヤー及びレコーダー,その他の音声周波機械器具,映像周波機械器具,その他の電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」
登録出願日:平成16年6月16日
設定登録日:平成19年3月30日
2 登録第5082074号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
指定商品:第9類「プログラム調節機械器具,開閉器,継電器,遮断機,制御器,自動タイムスイッチ」
登録出願日:平成19年 1月15日
設定登録日:平成19年10月 5日
3 登録第5227028号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
指定役務:第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事」
登録出願日:平成20年 7月23日
設定登録日:平成21年 5月 1日
4 登録第5301126号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「ZEN」の文字を標準文字で表してなる商標
指定役務:第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守並びにこれらに関する情報の提供又は助言,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供並びにこれに関する情報の提供又は助言,コンピュータサーバの記憶領域の貸与,コンピュータによる情報処理に関する助言又は情報の提供,コンピュータシステムにおけるデータのバックアップ処理,電子計算機を用いた情報処理,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」を含む第36類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
登録出願日:平成21年 8月13日
設定登録日:平成22年 2月12日
5 登録第5330453号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:「zen」の文字を書してなる商標
指定商品:第7類「荷役機械器具」
登録出願日:平成21年 1月19日
設定登録日:平成22年 6月18日
6 登録第5557831号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:「ZEN」の文字を標準文字で表してなる商標
指定商品:第7類「半導体ウエハ処理装置,半導体ウエハのエッチング装置,半導体ウエハの洗浄装置,半導体製造装置」
登録出願日:平成24年 8月30日
設定登録日:平成25年 2月15日
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、グラデーションが施された青色の大小2つの円を右斜め上部に伴う、やや左に傾けて灰色で表された「e」の文字を中央に配し、その左に青色で表された「z」の文字を、右に青色で表された「n」の文字をそれぞれ配した構成からなるものであり、全体として「zen」の文字をデザイン化して表したものと容易に認識されるものである。
そして、「zen」の文字は、一般に知られている語とは認められず、特定の意味合いを有する語として知られているとの事情も見いだせない。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「ゼットイーエヌ」又は「ゼン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1、引用商標4及び引用商標6について
引用商標1、引用商標4及び引用商標6は、上記第2の1、4及び6のとおり、「ZEN」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、上記(1)のとおり、当該文字は一般に知られている語とは認められず、特定の意味合いを有する語として知られているとの事情も見いだせない。
したがって、引用商標1、引用商標4及び引用商標6は、「ゼットイーエヌ」又は「ゼン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲3のとおり、上辺を円弧状とした3つの縦長長方形内に「z」、「e」及び「n」の各文字をそれぞれ内包し、「z」と「n」の文字は白地に黒色で、「e」の文字は黒地に白抜きで表された構成からなるものであり、全体として「zen」の文字をデザイン化して表したものと容易に認識されるものである。
そして、「zen」の文字は、上記(1)のとおり、一般に知られている語とは認められず、特定の意味合いを有する語として知られているとの事情も見いだせない。
したがって、引用商標2は、「ゼットイーエヌ」又は「ゼン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標3及び引用商標5について
引用商標3は、別掲4のとおり、「ZEN」の文字を毛筆風の書体で横書きしてなるものであり、また、引用商標5は、上記第2の5のとおり、「zen」の文字を書してなるものであるところ、上記(1)のとおり、当該文字は一般に知られている語とは認められず、特定の意味合いを有する語として知られているとの事情も見いだせない。
したがって、引用商標3及び引用商標5は、「ゼットイーエヌ」又は「ゼン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記(1)及び(2)において認定したとおりの構成からなるところ、外観について、両者は、小文字か大文字かの差異、色彩、書体及び文字のデザイン化の有無について相違するものの、「zen」(ZEN)のつづりを共通にするものであるから、近似した印象を与えるものといえる。
また、両者はいずれも「ゼットイーエヌ」又は「ゼン」の称呼を共通にし、特定の観念を生じないものであるから、称呼を共通にし、観念においては比較することができない。
以上からすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において近似した印象を与えるものであり、称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願の指定商品及び指定役務と、引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
ア 本願の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具並びにその部品及び附属品,遠隔制御装置並びにその部品及び附属品,搬送及び生産工程の自動制御用自動調節機械器具及び遠隔監視装置並びにその部品及び附属品,画像処理装置並びにその部品及び附属品,電子応用機械器具並びにその部品及び附属品,電子計算機用プログラム,電子制御装置並びにその部品及び附属品,荷役機械器具用バイブレーターの単体としての電子制御装置並びにその部品及び附属品(電子応用機械器具に属するもの。),モーター用電子制御装置並びにその部品及び附属品,画像処理用のコンピュータソフトウェア」は、引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品である。
イ 本願の指定商品及び指定役務中、第7類「機械用電動機並びにその部品及び附属品」及び第9類「測定機械器具並びにその部品及び附属品,プリント回路基板の検査装置並びにその部品及び附属品,部品実装基板検査装置並びにその部品及び附属品,配電用又は制御用の機械器具並びにその部品及び附属品,電気制御用機械器具並びにその部品及び附属品,荷役機械器具用バイブレーターの単体としての電気制御装置並びにその部品及び附属品(配電用又は制御用の機械器具に属するもの。),搬送及び生産工程の自動制御用自動調節機械器具及び遠隔監視装置並びにその部品及び附属品」は、引用商標2の指定商品と同一又は類似の商品である。
ウ 本願の指定商品及び指定役務中、第37類「荷役機械器具の設置工事,部品整列供給装置の設置工事,パレタイザー(荷役機械器具)の設置工事,パレットチェンジャー(荷役機械器具)の設置工事,部品整列供給装置用バイブレーターの設置工事,部品整列供給装置用バイブレーター制御装置の設置工事,金属加工機械器具の設置工事,塗装機械器具の設置工事,包装用機械器具の設置工事,プラスチック加工機械器具の設置工事,半導体製造装置の設置工事,部品自動組立及び検査装置の設置工事,機械部品供給装置の設置工事,バネ等の機械部品をほぐし整列・選別し供給するための装置の設置工事,搬送用ロボットの設置工事,機械部品及び自動車用部品製造のための金属加工用ロボットの設置工事,工業用ロボットの設置工事,電動機の設置工事,配電用又は制御用の機械器具の設置工事,理化学機械器具の設置工事,測定機械器具の設置工事,プリント回路基板の検査装置の設置工事,部品実装基板検査装置の設置工事,電気制御用機械器具の設置工事,荷役機械器具用バイブレーターの単体としての電気制御装置(配電用又は制御用の機械器具に属するもの。)の設置工事,電気通信機械器具の設置工事,遠隔制御装置の設置工事,搬送及び生産工程の自動制御用自動調節機械器具及び遠隔監視装置の設置工事,画像処理装置の設置工事,電子応用機械器具の設置工事,電子制御装置の設置工事」は、引用商標3の指定役務と同一又は類似の役務である。
エ 本願の指定商品及び指定役務中、第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電気通信機械器具の設計,電子応用機械器具の設計,電子制御装置の設計,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」は、引用商標4の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守並びにこれらに関する情報の提供又は助言,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供並びにこれに関する情報の提供又は助言,コンピュータサーバの記憶領域の貸与,コンピュータによる情報処理に関する助言又は情報の提供,コンピュータシステムにおけるデータのバックアップ処理,電子計算機を用いた情報処理,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」と同一又は類似の役務である。
オ 本願の指定商品及び指定役務中、第7類「荷降ろし用ホッパー並びにその部品及び附属品,部品整列供給装置並びにその部品及び附属品,パレタイザー(荷役機械器具)並びにその部品及び附属品,パレットチェンジャー(荷役機械器具)並びにその部品及び附属品,部品整列供給装置用バイブレーター並びにその部品及び附属品,部品整列供給装置用バイブレーター制御装置並びにその部品及び附属品,荷役機械器具並びにその部品及び附属品,機械部品供給装置並びにその部品及び附属品,バネ等の機械部品をほぐし整列・選別し供給するための装置並びにその部品及び附属品,工場・倉庫等屋内で使用する物品搬送用自走式ロボット並びにその部品又は附属品,工場・倉庫等屋内で使用する物品搬送用ロボット(自走式を除く)並びにその部品又は附属品,工業用ロボット並びにその部品及び附属品」は、引用商標5の指定商品と同一又は類似の商品である。
カ 本願の指定商品及び指定役務中、第7類「半導体製造装置並びにその部品及び附属品,半導体製造装置用電子部品供給装置並びにその部品及び附属品,工業用ロボット並びにその部品及び附属品」は、引用商標6の指定商品と同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上により、本願商標は、引用商標に類似する商標であって、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似する商品及び役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、要旨、以下のとおり主張している。
ア 拒絶査定では、商標全体の一体感や看者が受ける印象などのロゴ化の要素については何ら考慮されていない。
イ 請求人は、1989年から35年以上「ゼンウェル・オーダード株式会社」の商号で供給装置等の設計、製造、販売及び保守点検を主たる業務として継続的に営んでおり、本願商標と実質的に同一視できる標章を主要な構成として含む4つの登録商標を取得しかつ継続的に使用しているが、各登録商標と引用商標との間で類否の指摘等を受けた事実は存在せず、現実に出所の混同も生じていない。
ウ 請求人は、「ジュビロ磐田」のオフィシャルスポンサーとして本願商標を顕著に大きな大きさで「well-ordered」の上に表示した商標を少なくとも2016年から継続的に使用しており、また、2016年3月ごろから実質的に本願商標と同一視できる商標を本社社屋の屋上看板等に継続的に使用しているが、これらの商標と引用商標との間で類否の指摘等を受けた事実は存在せず、現実に出所の混同も生じていない。
(2) ア しかしながら、商標の使用においては、これを構成する文字をデザイン化して表示することが一般的に行われている取引の実情があること、また、商標の類否判断は、対比する両商標を時と所を異にして離隔的に観察する場合に混同を生じるかどうかを考慮して行うべきであることに鑑みれば、たとえ書体等の相違やデザイン化の有無といった相違があるとしても、構成文字及び称呼を共通にする本願商標と引用商標とは、外観上の差異が出所識別標識として強い印象を与えるとはいえない。
イ また、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品及び指定役務全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に該商標が現在使用されている商品及び役務についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではないところ(最高裁判所昭和47年(行ツ)第33号同49年4月25日判決)、請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、請求人は、本願商標とほぼ同様の構成の標章の下部に「Well-Ordered」の文字を配した構成からなる商標等を登録商標として所有していること、「ジュビロ磐田」のオフィシャルサポーターとして当該商標を使用していること、本願商標とほぼ同様の構成からなる標章の右に「ゼン ウェル オーダード」の片仮名を配した構成からなる商標を本社社屋の屋上看板に使用していること、請求人の社有車、作業者用ヘルメット及び従業員用衣服に本願商標を使用していることが認められる。
しかしながら、これらによって、本願商標が請求人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとは認められず、また、本願商標が本願の指定商品及び指定役務との具体的な関係で使用されているとも認められないから、請求人の主張に係る取引の実情は、本願商標が現在使用されている商品及び役務についてのみの特殊的、限定的な取引の実情を挙げるにとどまるものであって、両商標の類否の判断に当たり考慮すべき一般的、恒常的な取引の実情とはいえない。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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