商標拒絶査定不服審判
2023-022258
アオモノブレード、アオモノ、ブレード
- 審判番号
- 2023-022258
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-000342
- 請求日
- 2023年12月28日
- 審決日
- 2024年12月25日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社シマノ
- 【請求人代理人】弁理士法人藤本パートナーズ
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .13 -Z (W28) / T18 .272-Z (W28)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 342拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年1月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年6月9日付け :拒絶理由通知書
令和5年7月26日 :意見書の提出
令和5年9月27日付け :拒絶査定
令和5年12月28日 :審判請求書の提出
令和6年10月7日付け :証拠調べ通知書
令和6年11月19日付け:意見書
2 本願商標
本願商標は、「AOMONO BLADE」の文字を標準文字で表してなり、第28類「釣り具,釣り用疑似餌,ルアー,釣り用ルアー,浮き(釣具),電子浮き(釣具),釣り用やな(わな),釣り用浮き,釣り用てぐす,釣り糸,リール,釣り用リール,釣りざお」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は「AOMONO BLADE」を標準文字で表してなるところ、その構成中「AOMONO」の文字は、指定商品との関係においては「皮が青色の魚。イワシ・サバの類。」の意味を有する「青物」の欧文字表記として理解され、「BLADE」は「光の乱反射により魚を誘うための金属製で葉っぱのような形をした釣り用具」を意味する「ブレード」を欧文字にて表記したものとして理解されるものである。さらに、青物用のブレードが付いた釣り具が取引されている実情が見受けられるから、本願商標は、その指定商品との関係において「青物用のブレード」ほどの意味合いを理解させるものであり、その指定商品に使用しても、これに接する需要者は、単に「青物用のブレードを用いた商品」であることを認識するにすぎず、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、「青物用のブレードを用いた商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1ないし別掲4の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、上記1のとおり、証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定してこれに対する意見を求めた。
5 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)
(1)証拠調べの使用態様に接する需要者、取引者は、「AOMONO」の文字部分を抽出してこれを「青物」の欧文字表記であると認識し、「BLADE」の文字部分を抽出してこれを「ブレード」の欧文字表記であると認識するというより、該文字全体をひとまとまりの自他商品識別標識として看取するものであり、また、本願商標は、その構成全体をもって一体不可分のものと認識、把握され、辞書等に載録されているものではなく、特定の意味合いを有する語として一般に知られたものともいえない。
(2)証拠調べ通知書で提示されたいずれの事実からしても、商品「青物用のブレード」が単独の商品として取引されている事実は見当たらず、「青物用の釣り具」あるいは「青物用のブレードが付いた釣り具」を表示する語として「AOMONO BLADE」が使用されている取引実情も存在せず、釣り具の業界において、「AOMONO BLADE」又はそれに類する文字が、商品の具体的な品質等を表示するものとして一般に使用されている事実も見当たらない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者、需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年10月21日判決(平成27年(行ケ)第10107号))。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「AOMONO BLADE」の文字を標準文字で表してなるところ、「青物」の語が「皮が青色の魚。イワシ・サバの類。」の意味(「広辞苑 第七版」岩波書店)を有するものであり、別掲1のとおり、本願の指定商品の分野において、「AOMONO」の文字が「青物」の欧文字表記として使用されている実情があることからすれば、その構成中「AOMONO」の文字は、指定商品との関係において、「皮が青色の魚。イワシ・サバの類。」を意味する「青物」の語の欧文字表記として理解されるものである。
また、別掲2のとおり、本願の指定商品の分野においては、スピナー等についている光の乱反射により魚を誘うための金属製の釣り用具のことを「ブレード」と称している実情があり、別掲3のとおり、本願の指定商品の分野において、「BLADE(Blade)」の文字が「ブレード」の欧文字表記として使用されている実情が見受けられることから、本願商標の構成中の「BLADE」は、指定商品の取引者、需要者に、スピナー等についている光の乱反射により魚を誘うための金属製の釣り用具を意味する「ブレード」の欧文字表記として理解されるものである。
さらに、別掲4のとおり、本願の指定商品の分野において、「青物用のブレード」が取引されている実情が多数見受けられる。
以上に鑑みると、本願商標は、その指定商品の分野の取引者、需要者に「青物用のブレード」ほどの意味合いを容易に理解させるものであり、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に「青物用のブレードを用いた商品」であることを認識するにすぎないから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「青物用のブレードを用いた商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、証拠調べの使用態様に接する需要者、取引者は、「AOMONO」の文字部分を抽出してこれを「青物」の欧文字表記であると認識し、「BLADE」の文字部分を抽出してこれを「ブレード」の欧文字表記であると認識するというより、該文字全体をひとまとまりの自他商品識別標識として看取するものであり、また、本願商標は、その構成全体をもって一体不可分のものと認識、把握され、辞書等に載録されているものではなく、特定の意味合いを有する語として一般に知られたものともいえない旨主張する。
しかしながら、上記(2)のとおり、別掲1ないし別掲4の各語の語義及び取引の実情に鑑みれば、「AOMONO」の文字は「青物」の意味を、「BLADE」の文字は金属製の釣り用具である「ブレード」の意味を認識させるものであり、本願商標「AOMONO BLADE」は、「青物用のブレード」ほどの意味合いを容易に認識させるというのが相当である。
イ 請求人は、証拠調べ通知書で提示されたいずれの事実からも、商品「青物用のブレード」が単独の商品として取引されている事実は見当たらず、「青物用の釣り具」あるいは「青物用のブレードが付いた釣り具」を表示する語として「AOMONO BLADE」が使用されている取引実情も存在せず、釣り具の業界において、「AOMONO BLADE」又はそれに類する文字が、商品の具体的な品質等を表示するものとして一般に使用されている事実も見当たらない旨主張する。
しかしながら、別掲2ないし別掲4のとおり、本願の指定商品の分野において、各種の「ブレード」が存在し、取引されている実情があり、上記(1)のとおり、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、当該表示態様が、商品の品質等を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解されることからすれば、本願商標は、その指定商品との関係においては、「青物用のブレード」ほどの意味合いが一般に認識されるというべきであって、「AOMONO BLADE」の文字が使用されている事実がないことをもって、本願商標が同号に該当しないとはいえない。
ウ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や、その商品及び役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成文字が異なるものであり、取引の実情も異なる点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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