2022-007086
患者走査設定のための方法およびシステム
- 審判番号
- 2022-007086
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-527407外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年05月11日
- 審決日
- 2022年12月07日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
- 【請求人代理人】小倉 博
- 【請求人代理人】澤木 亮一
- 分類
- P18 .575-Z (A61B) / P18 .113-Z (A61B) / P18 .121-Z (A61B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)10月30日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年11月22日(以下「優先日」という。) 米国)を国際出願日とする出願であって、令和3年5月12日付けで拒絶理由が通知され、期間を指定して意見書を提出する機会が与えられたが、指定した期間内に応答はなく、令和4年1月5日付けで拒絶査定されたところ、同年5月11日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書(これによる補正を以下「本件補正」という。)が提出されたものである。
第2 本件補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
以下の理由により、本件補正を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。ここで、各構成単位冒頭の「A」、「1A」などは分説のために当審で付した分説番号であり、以下該各構成単位を該分説番号をもとに「構成A」、「構成1A」などという。また、下線部は請求人が本件補正による補正箇所を示すために付したものに対応する。
本件補正後請求項1には「医用撮像装置のための方法」についての発明が記載されている。
「【請求項1】A 撮像プロトコルの選択を受信するステップと、B 前記撮像プロトコルに基づいて、テーブル高さ、解剖学的基準、および走査開始場所のうちの1つまたは複数を決定するステップと、C 前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所のうちの1つまたは複数に基づいて、決定された位置にテーブル(115)の位置を調整するステップであって、前記テーブル(115)は被検体のコロナル中間面が医用撮像装置のボアのコロナル中心面に整列するように位置決めされる、ステップとD を含む、医用撮像装置のための方法(300)。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和元年7月19日に国際出願翻訳文提出書とともに提出された特許請求の範囲の請求項1~20の記載は次のとおりである。
本件補正前請求項1~10、17~20には「医用撮像装置のための方法」についての発明が記載され、うち、本件補正前請求項1、17は独立形式で記載されている。
本件補正前請求項11~16には「システム」についての発明が記載され、うち、本件補正前請求項11は独立形式で記載されている。
「【請求項1】1A 撮像プロトコルの選択を受信するステップと、1B 前記撮像プロトコルに基づいて、テーブル高さ、解剖学的基準、および走査開始場所のうちの1つまたは複数を決定するステップと、1C 前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所のうちの1つまたは複数に基づいて、決定された位置にテーブル(115)の位置を調整するステップであって、前記テーブル(115)は医用撮像装置のボア内に位置決めされるように構成される、ステップと続きを表示(全59行)1D を含む、医用撮像装置のための方法(300)。【請求項2】2A 前記テーブル(115)が前記決定された位置に達するのに応答して前記医用撮像装置を用いて医用撮像データを取得するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法(300)。【請求項3】3A 前記撮像プロトコルが臨床意図識別子を含み、前記撮像プロトコルに基づいて前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所のうちの1つまたは複数を決定するステップが、前記臨床意図識別子に基づいて前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所のうちの1つまたは複数を決定するステップを含み、前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所のうちの1つまたは複数に基づいて、前記決定された位置に前記テーブル(115)の位置を調整するステップは、前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所のうちの1つまたは複数に基づいて、および受信した患者情報にさらに基づいて、前記決定された位置に前記テーブル(115)の位置を調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法(300)。【請求項4】4A オペレータ入力および電子医療記録のうちの1つまたは複数から前記患者情報を受信するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法(300)。【請求項5】5A 前記患者情報が、患者の性別、患者の年齢、患者の身長、および患者の体重のうちの1つまたは複数を含む、請求項4に記載の方法(300)。【請求項6】6A 画像センサから深度情報および可視光情報のうちの1つまたは複数を受信するステップと、前記深度情報および可視光情報のうちの1つまたは複数から前記患者情報を得るステップとをさらに含む、請求項3に記載の方法(300)。【請求項7】7A 前記患者情報は、前記テーブル(115)に対する、および前記医用撮像装置の前記ボアに対する、患者の身長、患者の体重、患者の性別、患者の年齢、および患者の場所パラメータのうちの1つまたは複数を含む、請求項6に記載の方法(300)。【請求項8】8A 前記テーブル高さは、前記テーブル(115)上に位置決めされた患者の指定走査面を画定し、前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所のうちの1つまたは複数に基づいて、および受信した患者情報にさらに基づいて、前記決定された位置に前記テーブル(115)の位置を調整するステップは、8B 前記患者情報に基づいて前記患者の前記指定走査面の現在の場所を決定するステップと、8C 前記指定走査面を前記医用撮像装置の走査面と整列させるために前記テーブル(115)の位置を調整するステップとを含む、請求項3に記載の方法(300)。【請求項9】9A 前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所のうちの1つまたは複数に基づいて、および受信した患者情報にさらに基づいて、前記決定された位置に前記テーブル(115)の位置を調整するステップは、9B 前記患者情報に基づいて前記解剖学的基準に対応する前記テーブル(115)上に位置決めされた患者の解剖学的特徴を識別するステップと、9C 前記患者の前記解剖学的特徴を前記医用撮像装置の前記ボアに対して指定位置に配置するために前記テーブル(115)の位置を調整するステップとを含む、請求項3に記載の方法(300)。【請求項10】10A 前記走査開始場所は、前記解剖学的基準と前記医用撮像装置の撮像源との間のオフセットを規定し、前記患者の前記解剖学的特徴を前記指定位置に配置するために前記テーブル(115)の位置を調整するステップは、前記患者の前記解剖学的特徴を前記走査開始場所によって規定された前記オフセットで配置するために前記テーブル(115)の位置を調整するステップを含む、請求項9に記載の方法(300)。【請求項11】11A 中心に配設されたボア(502)を有する回転式ガントリ(102)と、11B 前記ボア(502)内で移動可能であり、画像データ取得のために前記ボア(502)内に被検体(112、204)を位置決めするように構成されたテーブル(115)と、11C 前記回転式ガントリ(102)内に位置決めされ、前記被検体(112、204)に向かってエネルギーを投射するように構成された撮像源と、11D 前記回転式ガントリ(102)内に配設され、前記撮像源によって投射されかつ前記被検体(112、204)に衝突したエネルギーを受け取るように構成された検出器アレイ(108)と、11E 臨床意図識別子を含む撮像プロトコルの選択を受信し、11F 前記臨床意図識別子に基づいて、テーブル高さ、解剖学的基準、および走査開始場所を決定し、11G 前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所に基づいて、前記テーブル(115)の位置を走査位置に調整し、11H 前記走査位置にある前記テーブル(115)に応答して前記撮像源を作動させることにより、前記検出器アレイ(108)を介して医用撮像データを取得する11J ように構成されたコントローラと、11K を含むシステム(100)。【請求項12】12A 前記ボア(502)の外側に位置決めされ、深度情報および可視光情報のうちの1つまたは複数を収集するように構成された撮像センサ(114)をさらに備える、請求項11に記載のシステム(100)。【請求項13】13A 前記テーブル高さは前記被検体(112、204)の指定走査面を画定し、前記解剖学的基準は前記被検体(112、204)の解剖学的特徴を定義し、前記走査開始場所は前記撮像源に対する前記解剖学的基準の位置を規定する、請求項12に記載のシステム(100)。【請求項14】14A 前記テーブル(115)の位置を前記走査位置に調整するために、前記コントローラは、前記深度および可視光情報のうちの1つまたは複数に基づいて前記被検体(112、204)の前記指定走査面の現在位置を決定し、前記被検体(112、204)の前記指定走査面を前記撮像源の走査面と整列させるために前記テーブル(115)の高さを調整するように構成されている、請求項13に記載のシステム(100)。【請求項15】15A 前記テーブル(115)の位置を前記走査位置に調整するために、前記コントローラは、前記深度および可視光情報のうちの1つまたは複数に基づいて前記解剖学的基準に対応する前記被検体(112、204)の前記解剖学的特徴を識別し、前記解剖学的特徴を前記走査開始場所に配置するために前記テーブル(115)の横方向位置を調整するように構成されている、請求項13に記載のシステム(100)。【請求項16】16A 前記コントローラに動作可能に結合された表示装置をさらに含み、前記コントローラは、前記深度情報および前記可視光情報のうちの1つまたは複数を前記表示装置に送信するように構成されている、請求項12に記載のシステム(100)。【請求項17】17A 選択された臨床意図識別子に応答して、撮像センサ(114)から受信した撮像情報に従ってテーブル(115)を自動的に予備位置決めするステップを含み、前記テーブル(115)は、前記医用撮像装置のボア内に位置決めされるように構成されている、17B 医用撮像装置のための方法(300)。【請求項18】18A 前記撮像センサ(114)から受信した撮像情報に従って前記テーブル(115)を自動的に予備位置決めするステップは、前記撮像センサ(114)から受信した深度情報および可視光情報の1つまたは複数に従って前記テーブル(115)を自動的に予備位置決めするステップを含む、請求項17に記載の方法(300)。【請求項19】19A 前記テーブル(115)を自動的に予備位置決めするステップの後、前記テーブル(115)が前記決定された位置に達するのに応答して前記医用撮像装置の画像源を用いて医用撮像データを取得するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法(300)。【請求項20】20A 前記選択された臨床意図識別子から目標テーブル高さ、基準解剖学的構造、および目標走査開始場所を決定するステップと、前記目標テーブル高さ、前記基準解剖学的構造、および目標走査開始場所に従って、および前記テーブル(115)を予備位置決めするために前記撮像情報からのフィードバックにさらに基づいて、前記テーブル(115)の位置を調整するステップとをさらに含む、請求項17に記載の方法(300)。」
2 補正の適否
(1)本件補正に含まれる補正事項
本件補正は、特許請求の範囲について、以下に挙げる補正事項を含むものである。
ア 補正事項1
本件補正前請求項1の構成1Cで特定される「決定された位置にテーブル(115)の位置を調整するステップ」について、構成1Cで「医用撮像装置のボア内に位置決めされる」としていたものを、本件補正後請求項1の構成Cで「被検体のコロナル中間面が医用撮像装置のボアのコロナル中心面に整列するように位置決めされる」とする補正。
イ 補正事項2
本件補正前請求項2~20を削除する補正。
(2)新規事項の有無についての検討
ア 補正事項1について
本件出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲及び図面(以下「当初明細書等」という。)の【0042】には「テーブル高さ( 縦方向の高さV によって示される) は、例えば被検体の指定走査面( 例えばコロナル中間面)がガントリボアのコロナル中心面と整列するように、図5のy軸に沿って調整され得る。」なる記載がある。
よって、補正事項1は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
イ 補正事項2について
補正事項2が当初明細書等の記載に対しいわゆる新規事項を追加するものでないことは明らかである。
(3)補正の目的要件違反についての検討
ア 補正事項1について
本件補正前請求項1の構成1Cにおける「医用撮像装置のボア内に位置決めされる」について、「ボア内」はボアの内側を示すものと解される。
一方、本件補正後請求項1の構成Cにおける「被検体のコロナル中間面が医用撮像装置のボアのコロナル中心面に整列するように位置決めされる」について、明細書の【0015】に、撮像センサ114は、被検体がガントリ102の外側にあるときに被検体112を撮像すること、【0031】及び【0032】に、撮像センサ114で現在の被検体位置をテーブル位置調整用に決定・追跡すること、【0043】に、撮像センサ等で高さ調整が終わった後工程として、横方向(Z方向)移動してガントリ内に被検査位置を配置する工程が記載されていること、【図3】においても、指定された患者走査面を撮像装置の走査面と整列させる走査面(高さ)の一致工程(312)のあとに、走査開始場所(Z方向)への位置合わせを行う手順となっていること、「ボアのコロナル中心面」は平面であるからボア外にも定義される面であること、仮にボア内に局限される面であるとしても、本件補正後請求項1の構成Cでは「整列」と特定するから、該ボア内の面と同じレベル(高さ)に並べば足りること、などから、本件補正後請求項1の構成Cにおける「ボアのコロナル中心面に整列」なる技術事項には、ボア外で該中心面と共通の平面内に被検体の指定走査面が位置することを少なくとも含む。
よって、本件補正後請求項1の構成Cにおける「被検体のコロナル中間面が医用撮像装置のボアのコロナル中心面に整列するように位置決めされる」ことは、テーブルがボアの内側に位置決めされることに限られると解する理由はない。
そうすると、補正事項1は、本件補正前請求項1の構成1Cにおける「医用撮像装置のボア内に位置決めされる」を限定的減縮したものとはいえない。
よって、補正事項1は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の限定的減縮を目的としたものはいえない。また、補正事項1は同項に掲げる他の何れの事項を目的としたものともいえない。
イ 補正事項2について
補正事項2は特許法第17条の2第5項第1号に掲げる請求項の削除を目的とするものに該当する。ウ 小括以上ア、イのとおりであるから、本件補正のうち補正事項1は特許法第17条の2第5項の各号に掲げる事項を目的とするものではない。
よって、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
3 本件発明の独立特許要件についての検討
仮に、補正事項1が、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものということができたとして、本件補正後の本件補正請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。
(1)本件補正発明について
本件補正発明は、上記1の(1)に分説番号と共に記載した請求項1のとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
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ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶理由において引用文献1として提示された、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平7-31609号公報には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ。)。
(ア)明細書の記載事項
「【0011】【作用】本願第1の発明の集団検診用CT装置装置は、記憶手段に被検体に係るデータに対応させて複数の撮影条件を例えば制御値テーブルとして記憶させておき、この記憶手段に記憶される複数の撮影条件の内から入力される被検体に係る身長或いは体重等のデータに応じて演算処理部が最適な撮影条件を選択し、この撮影条件に基づく制御信号を出力する。この制御信号に基づいて被検体の撮像に係る寝台の駆動制御及びCT装置の制御が行われる。・・・【0013】続きを表示(全17行)【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る集団検診用CT装置の第1の実施例の構成を示すブロック図である。身長、体重自動測定装置1では被検体Tの身長及び体重を自動的に測定し、測定データを演算処理部3に入力している。記憶部11中の制御値テーブル記憶部15には、予めCT装置の撮影条件を記憶させてあり、演算処理部3では入力された身長及び体重の測定データに応じた最適撮影条件を制御値テーブル記憶部15から読み出して制御信号を出力する。・・・【0015】寝台駆動制御装置21は演算処理部3から入力される制御信号により駆動信号を出力し寝台駆動部29aに入力して、寝台29を駆動して被検体Tを所定の位置に移動する。・・・【0017】図2(A)及び(B)は、図1の集団検診用CT装置の動作を説明する概念図である。・・・【0019】図2(A)に示すように、寝台29には寝台駆動部29aと寝台駆動部29aにより駆動される天板43とが備えられており、被検体Tが寝台29の天板43上に寝た状態で例えば基準点Pとして寝台29に対する頭部の位置等を、コンソール5中の入力部9を用いて演算処理部3にデータ入力すれば、演算処理部3でデータ入力を演算処理して制御信号を出力し寝台駆動制御装置21に入力し、寝台駆動制御装置21は駆動信号を寝台駆動部29aに入力して、寝台駆動部29aは寝台29の高さの調整を行い、天板43をスライドさせて架台25のドーム内の所定の位置に被検体Tを移動してCTができるようにしている。・・・【0024】図4(A)及び(B)は、制御値テーブルの撮影条件のパラメータの説明図である。例えば、図1の制御値テーブル記憶部15に図4(A)に示すような体重データの区分表を記憶させておき、演算処理部3に自動的に、あるいは入力部9を操作することにより被検体Tの体重データを入力し、演算処理部3で図4(A)に示す体重データの区分表を参照して、図4(B)に示すように、体重データの区分に応じて予め設定された撮影条件のパラメータ、管電圧、管電流、領域、スライス厚等を読み出して、標準テーブルを更新すると共に表示部7に表示し、演算処理部3から制御信号を出力しX線制御装置17及び寝台駆動制御装置21を制御する。・・・【0027】図6(A)及び(B)は、制御値テーブルの撮影条件のパラメータの説明図である。例えば、図1の制御値テーブル記憶部15に図6(A)のような身長データの区分表を記憶させておき、演算処理部3に自動的に、あるいは入力部9を操作することにより被検体Tの身長データを入力し、演算処理部3で図6(A)に示す身長データの区分表を参照して、図6(B)に示すように、身長データの区分に応じて予め設定された撮影条件のパラメータ、撮影区間の所定基準点よりの撮影開始位置、撮影距離、寝台送り等を読み出して、標準テーブルを更新すると共に表示部7に表示し、演算処理部3から制御信号を出力しX線制御装置17及び寝台駆動制御装置21を制御する。・・・【0030】上述したように、予め撮影条件を記憶させた制御値テーブル記憶部と、被検体Tの身長及び体重データを入力するデータ入力手段とを設け、同データ入力手段よりのデータに基づき制御値テーブルから最適撮影条件を読み出し、自動的にCT装置と被検体Tの寝台29とを駆動することができるようにしており、撮影条件の設定や、撮影位置の調整にかかっていた時間及び労力が不要となり、操作者の負担の軽減、操作時間の短縮、及びスループットの向上等が可能となる。」
(イ)図面の記載事項
図面は次のとおりである。
・図1
[図:0001396937000001.jpg]
・図2(A)
[図:0001396937000002.jpg]
・図6(A)
[図:0001396937000003.jpg]
・図6(B)
[図:0001396937000004.jpg]
(ウ)看取・認定事項
(看取事項1)
「集団検診用CT装置の構成を示すブロック図」(【0013】参照)である図1から、身長、体重自動測定装置1から演算処理部3にデータ入力が行われ、演算処理部3から寝台駆動制御装置21にデータ入力が行われ、演算処理部3と表示部7及び入力部9を備えるコンソール5との間はデータの入出力が行われることが見て取れる。
(看取事項2)
「集団検診用CT装置の動作を説明する概念図」(【0017】参照)である図2(A)から、寝台29の上面に天板43が横方向にスライド可能に備えられることが見て取れる。
(看取事項3)
図6(A)及び図6(B)は、【0027】の記載事項によれば、制御値テーブル記憶部15に記憶された撮影条件のパラメータの説明図であり、図6(A)からは、撮影条件として、身長~140cmの場合に撮影範囲190mm,140を超え180cm以下の場合に撮影範囲200mm、180cmを超える場合に撮影範囲が210mmであることが見て取れ、図6(B)からは、撮影開始位置、撮影距離(撮影範囲)の各パラメータが、身長データの区分に対応して記憶されること、身長~140cmの場合の撮影開始位置が400mmであることが見て取れる。
(認定事項1)
看取事項1の、「演算処理部3と表示部7及び入力部9を備えるコンソール5との間はデータの入出力が行われる」こと、【0024】の「演算処理部3に自動的に、あるいは入力部9を操作することにより被検体Tの体重データを入力し、演算処理部3で図4(A)に示す体重データの区分表を参照して、図4(B)に示すように、体重データの区分に応じて予め設定された撮影条件のパラメータ、管電圧、管電流、領域、スライス厚等を読み出して、標準テーブルを更新すると共に表示部7に表示し、」なる記載、及び【0027】の「演算処理部3に自動的に、あるいは入力部9を操作することにより被検体Tの身長データを入力し、演算処理部3で図6(A)に示す身長データの区分表を参照して、図6(B)に示すように、身長データの区分に応じて予め設定された撮影条件のパラメータ、撮影区間の所定基準点よりの撮影開始位置、撮影距離、寝台送り等を読み出して、標準テーブルを更新すると共に表示部7に表示し、」なる記載から、「コンソール5は、身長及び体重データに応じて選択された撮影条件の選択に関するデータを演算処理部3から受信している」との事項が導かれる。
(認定事項2)
看取事項2の「寝台29の上面に天板43が横方向にスライド可能に備えられること」から、寝台29の高さ方向の移動に伴って天板43も高さ方向に移動すると解されること、【0013】に「演算処理部3では入力された身長及び体重の測定データに応じた最適撮影条件を制御値テーブル記憶部15から読み出して制御信号を出力する。」なる記載があり、【0015】に「寝台駆動制御装置21は演算処理部3から入力される制御信号により駆動信号を出力し寝台駆動部29aに入力して、寝台29を駆動して被検体Tを所定の位置に移動する。」なる記載があり、【0019】に「寝台駆動制御装置21は駆動信号を寝台駆動部29aに入力して、寝台駆動部29aは寝台29の高さの調整を行い、」なる記載があることから、「身長及び体重データに応じた最適撮影条件を制御値テーブル記憶部から読み出して出力される制御信号により天板の高さに関する駆動信号の出力が決定され、その駆動信号に基づいて天板は高さ調整される」との事項が導かれる。
(認定事項3)
看取事項3の、制御値テーブル記憶部15に記憶された撮影条件のパラメータが、「撮影条件として、身長~140cmの場合に撮影範囲190mm,140を超え180cm以下の場合に撮影範囲200mm、180cmを超える場合に撮影範囲が210mmであること」及び「撮影開始位置、撮影距離(撮影範囲)の各パラメータが、身長データの区分に対応して記憶されること、身長~140cmの場合の撮影開始位置が400mmであること」、であることから、「被検体に係る身長データに応じて、複数の撮影条件として、撮影開始位置、撮影距離を含む各パラメータが制御値テーブル記憶部15に記憶されている」との事項が導かれる。
(認定事項4)
【0030】に「上述したように、予め撮影条件を記憶させた制御値テーブル記憶部と、被検体Tの身長及び体重データを入力するデータ入力手段とを設け、同データ入力手段よりのデータに基づき制御値テーブルから最適撮影条件を読み出し、自動的にCT装置と被検体Tの寝台29とを駆動することができるようにしており、撮影条件の設定や、撮影位置の調整にかかっていた時間及び労力が不要となり、操作者の負担の軽減、操作時間の短縮、及びスループットの向上等が可能となる。」なる記載があることから、被検体Tの身長及び体重データを入力するデータ入力手段を設け、同データ入力手段よりのデータに基づき制御値テーブルから最適撮影条件を読み出すステップ、及び自動的にCT装置と被検体Tの寝台29とを駆動するステップは、CT装置の制御に関する工程として順次実行されるものであると解されるところ、前記各ステップを具備して順次実行することは「CT装置のための制御方法」であるといえる。
(エ)引用発明
上記(ア)~(ウ)によれば、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。分説番号は本件補正発明の分説番号に概ね対応させて当審で付与した。また各構成単位末尾の括弧内には、引用元となった引用文献1の記載箇所を示した。
「a 身長、体重自動測定装置1またはコンソール5から入力される被検体に係る身長及び体重データに応じて複数の撮影条件の内からの撮影条件の選択を受信するステップと(【0011】、【0013】、認定事項1、認定事項2、認定事項3)、b 選択された前記撮影条件に基づいて、制御値テーブル記憶部から天板の高さ、撮影距離、撮影開始位置を読み出すステップと(【0011】、【0027】、認定事項2、認定事項3)、c 前記天板の高さ、前記撮影距離、前記撮影開始位置に基づいて、決定された位置に天板を駆動するステップであって、天板は、高さ調整されてスライドさせることで架台のドーム内の所定の位置に位置決めされるように構成されるステップと(【0011】、【0019】、【0030】、認定事項2)、d を含む、CT装置のための制御方法(認定事項4)。」
イ 周知文献1
本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2014-161392号公報には、図面と共に次の事項が記載されている。
「【0055】ガントリ・テーブル制御部17は、図3に示すように、被検体40のターゲットエリアTAにおける代表的な高さHorepと、クレードル21の載置面の高さHcとから、被検体40のターゲットエリアTAにおける鉛直方向の厚みtを、Δ(Horep?Hc)として特定する。そして、クレードル21の載置面から厚さtの半分t/2だけ高い位置を、被検体40の鉛直方向の中心位置Aと決定し、その中心位置の高さをHaとする。つまり、中心位置Aは、被検体40のターゲットエリアTAにおける代表的な高さHorepと、クレードル21の載置面の高さHcとの中間の高さにある位置である。この被検体40の中心位置Aは、撮影テーブル20の高さを変化させたとき、それに追従する。【0056】ガントリ・テーブル制御部17は、スキャン準備開始のコマンド(command)の入力を受けて、図4に示すように、被検体40の鉛直方向の中心位置Aの高さが、アイソセンタのISOの高さHisoに一致するまで、撮影テーブル20を上昇させる制御を行う。撮影テーブル20の上昇が完了したら、設定されたスキャン条件から、スキャン開始位置となるクレードル21の水平位置を特定する。そして、図5に示すように、クレードル21の水平位置がそのスキャン開始位置に一致するまで、クレードル21を水平移動させる制御を行う。」
ウ 周知文献2
本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2014-147728号公報には、図面と共に次の事項が記載されている。
「【0068】次のステップS53において、患者11がY方向において位置決めされる。患者がZ方向において走査平面まで動いた後、患者の身体プロファイルの識別および位置決めがY方向において自動的に、または医師によって手動で(たとえば、入力手段33を介してコマンドを入力するか、またはボタンを押すことによって)開始する。撮像システム10のボア18の一方の側に配置された送信機が、患者11を実質的に貫通することが不可能なビーム(たとえば、光)を送信するのに使用され、送信された光の少なくとも一部分は患者によって遮断され、従って受信機に達することができない。撮像システム10のボア18の他方の側に配置された受信機が、送信機が送信したビームを受信して、結果としての受信信号を処理手段32に送るのに使用される。処理手段32は、上記で詳述した様式によって、送信機が送信したビームが患者11によって遮断されるか否かを受信機の受信信号に従って判定し、それによって、患者11のY方向位置を求める。処理手段32は、Y方向における患者11の関心ロケーションの中心からボア18の中心までの距離をさらに求める。【0069】次のステップS54において、走査支持テーブル14が自動的に昇降してY方向において患者11の中心をボア18の中心(ISO)と位置合わせする。処理手段32は走査支持テーブルシフト手段22を制御して、Y方向において患者11の中心がボア18の中心と位置合わせされるように、Y方向において走査支持テーブル14を動かす。」
(3)対比
本件補正発明と引用発明を対比する。
ア(ア1)構成Aの「撮像プロトコルの選択」の「撮像プロトコル」に関し、「プロトコル」は一般にコンピュータ同士の通信規格等を意味するものとして用いられる用語であるが、本願の発明の詳細な説明をみても、通信規格等に関する記載は一切ないことを踏まえた上で、「撮像プロトコル」が含むものについて本願の発明の詳細な説明を参酌することとする。
本願の発明の詳細な説明の記載を参酌すると、例えば【0005】に「撮像プロトコルは、例えば、オペレータによって選択されてもよく、臨床意図識別子を含んでもよく、臨床意図識別子は走査されるべき患者の解剖学的構造、走査の意図、および/または医用撮像装置によって撮像が行われる走査セッションを定義する他の情報を指定することができる。」と記載されるので、「撮像プロトコル」には「臨床意図識別子」が含まれ、「臨床意図識別子」には「患者の解剖学的構造」が含まれるといえる。
また、【0028】によれば「臨床意図識別子」は「CID」とも呼ばれ、「臨床タスク/意図」を含み、「処置の目的(・・・対象の解剖学的構造、重要な質(CTQ)パラメータ)」・「走査中の望ましい被検体の位置と配向」が含まれるといえる。
さらに、【0034】によれば「CID」には「対応する患者の配向(例えば、仰臥位または腹臥位、頭からまたは足から)」・「目標とする病変サイズ」が含まれるといえる。
加えて、【0029】に「選択された撮像プロトコルに関連するCIDは、テーブル高さ、走査の解剖学的基準、ならびに走査の開始場所および/または終了場所を含む様々な被検体位置決めパラメータにマッピングされ得る。」なる記載があるところ、「CID」には少なくとも「テーブル高さ」、「走査の開始場所および/または終了場所」に関するパラメータが含まれるといえる。
(ア2)一方、構成aの「撮影条件」に関し、認定事項2及び認定事項3によれば、少なくとも「天板の高さ」、「撮影開始位置」及び「撮影距離」は、「撮影条件」として身長及び体重データに応じて制御値テーブル記憶部から読み出されるものであるところ、「撮影条件」には、「天板の高さ」、「撮影開始位置」及び「撮影距離」に関するパラメータが含まれるといえる。
そして、上記(ア1)で説示したとおり構成Aの「撮影プロトコル」に含まれる「テーブル高さ」及び「走査の開始場所および/または終了場所」と、構成aの「撮影条件」に含まれる「天板の高さ」及び「撮影開始位置及び撮影距離」がそれぞれ同等のものを示すことは当業者にとって明らかである。
(ア3)以上、(ア1)・(ア2)から、構成aの「撮影条件」は、構成Aの「撮像プロトコル」に相当するといえる。
(イ)(イ1)構成Aの「撮像プロトコルの選択」の「選択」に関し、本願の発明の詳細な説明の記載を参酌すると、例えば【0028】の、「撮像プロトコルは、コンピューティングデバイス216および/またはリモートコンピューティングデバイス上のメモリに格納された複数の撮像プロトコルの中からオペレータによって選択されてもよく、または例えば受信した患者情報に従ってコンピューティングデバイス216によって自動的に選択されてもよい。」なる記載、【0030】の、「テーブルの位置は、以下で記載するように、患者情報/人口統計(例えば、患者の性別、身長、および体重)および/または2Dもしくは3Dの患者包絡線画像に基づいてさらに調整され得る。」なる記載によれば、前記「選択」には、患者情報である患者の身長及び体重に基づく自動的な選択も含まれると解される。
(イ2)一方、構成aの「撮影条件の選択」の「選択」は、身長、体重自動測定装置1またはコンソール5から入力される被検体に係る身長及び体重データに応じて選択されるものである。
(イ3)以上、(イ1)・(イ2)から、構成aの「選択」は、構成Aの「選択」に相当するといえる。
(ウ)以上(ア)・(イ)より、構成aの「身長、体重自動測定装置1またはコンソール5から入力される被検体に係る身長データに応じて複数の撮影条件の内からの撮影条件の選択を受信するステップ」は、構成Aの「撮像プロトコルの選択を受信するステップ」に相当する。
イ 構成bの「天板の高さ」及び「撮影開始位置」は、それぞれ構成Bの「テーブル高さ」及び「走査開始場所」に相当する。
そして、構成bにおいて、制御値テーブル記憶部から天板の高さ、撮影開始位置を読み出すことで、天板の高さ、撮影開始位置が決定することになることから、該構成bの「制御値テーブル記憶部から天板の高さ、撮影開始位置を読み出すステップ」は、構成Bの「テーブル高さ、解剖学的基準、および走査開始場所のうちの1つまたは複数を決定するステップ」に相当する。
ウ 構成cにおける「決定された位置に天板を駆動するステップ」の「決定された位置」は構成cの「前記天板の高さ」及び「前記撮影開始位置」に基づくものである。また、構成cにおける「天板を駆動するステップ」は、天板の高さ調整等を行って、天板を架台のドーム内の所定の位置に位置決めするものである。
すると、構成cにおける「前記天板の高さ、前記撮影距離、前記撮影開始位置に基づいて、決定された位置に天板を駆動するステップ」は、構成Cにおける「前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所のうちの1つまたは複数に基づいて、決定された位置にテーブル(115)の位置を調整するステップ」に相当する。
エ 構成dの「CT装置のための制御方法」は、構成Dの「医用画像装置のための方法(300)」に相当する。
オ 上記ア~エによれば、本件補正発明と引用発明とは、下記(ア)の点で一致し、下記(イ)の点で相違する。
(ア)一致点
「A 撮像プロトコルの選択を受信するステップと、B 前記撮像プロトコルに基づいて、テーブル高さ、解剖学的基準、および走査開始場所のうちの1つまたは複数を決定するステップと、C’ 前記テーブル高さ、前記解剖学的基準、および前記走査開始場所のうちの1つまたは複数に基づいて、決定された位置にテーブル(115)の位置を調整するステップとD を含む、医用撮像装置のための方法(300)。」
(イ)相違点
相違点1(構成C)
テーブル(115)の位置を調整するステップについて、本件補正発明は、「前記テーブル(115)は被検体のコロナル中間面が医用撮像装置のボアのコロナル中心面に整列するように位置決めされるステップ」を含むの対し、引用発明は、天板の位置決めに関する具体的な特定がない点。
(4)相違点の検討
ア 相違点1について
引用発明は、天板を高さ調整してスライドすることでドーム内の所定の位置に位置決めするものである。
そして、CT装置において、テーブルを自動的に昇降制御して、被検体のコロナル中間面がボアのコロナル中心面に整列するよう位置決めすることは、例えば、周知文献1、2にも記載されたとおりの周知技術である。
よって、引用発明に周知技術を適用して相違点1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 本件補正発明の効果について
上記のとおり、相違点1については周知技術を適用したものに過ぎないから、引用発明において上記相違点1の構成とすることによる作用効果は、前記周知技術から予測可能であり、本件補正発明は引用発明及び周知技術と比較して格別な作用効果を奏するものとはいえない。
(5)小括
したがって、上記において検討したように、本件補正発明は、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 中括
上記2(3)で説示したとおり、本件補正のうち補正事項1は特許法第17条の2第5項の各号に掲げる事項を目的とするものではないから、本件補正は同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
また、上記3において検討したことからみて、仮に、補正事項1が、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものということができたとしても、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和元年7月19日に提出された特許請求の範囲の請求項1~20に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1(2)において請求項1として記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、概略次のとおりである。
(1)理由1.(新規性):この出願の請求項1,3~5,8~10に係る発明は引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
(2)理由2.(進歩性):この出願の請求項1~20に係る発明は、引用文献1及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
ア 引用文献等一覧
1.特開平7-31609号公報
2.特開昭56-54796号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2014-161392号公報(周知技術を示す文献)
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、前記第2の3(2)アに示したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、上記相違点1に係る本件補正発明の構成Cについて、「テーブル(115)」が「位置決めされる」のが、「被検体のコロナル中間面が医用撮像装置のボアのコロナル中心面に整列するように」であるとの特定事項1を、構成1Cの「医用撮像装置のボア内に」との特定事項2に置き換えたものである。
前記特定事項2について検討するに、引用発明の構成cにおける、「天板」が「架台のドーム内の所定の位置に位置決めされる」ことは、上記構成1Cの「テーブル(115)は医用撮像装置のボア内に」位置決めされることに相当する。
そうすると、上記第2の3(3)で検討した事項をふまえると、構成cは構成1Cに相当し、本願発明と引用発明との間には上記相違点1を含め、相違点は存在しない。したがって、本願発明は、引用発明であるか、または引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるといえる。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、同法第29条第1項の規定により特許を受けることができないものである。
また、本願発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、同法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-007086