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特許拒絶査定不服審判

2023-019608

内視鏡測定の方法および器具

審判番号
2023-019608
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-556260
請求日
2023年11月20日
審決日
2025年04月15日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ブイ.ティー.エム.(バーチャル テープ メジャー)テクノロジーズ リミテッド
  • 【請求人代理人】小林 浩
  • 【請求人代理人】大森 規雄
  • 【請求人代理人】藤 拓也
審判長/審判官
  • 審判長 南 宏輔
  • 審判官 北島 拓馬
  • 審判官 ▲高▼見 重雄
分類
P18 .113-Z (A61B) / P18 .121-Z (A61B) / P18 .57 -Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-556260「内視鏡測定の方法および器具」拒絶査定不服審判事件〔平成30年10月18日国際公開、WO2018/189742、令和2年6月11日国内公表、特表2020-516408〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件出願(以下「本願」という。)は、2018年(平成30年)4月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年(平成29年)4月13日、(US)米国)を国際出願日とする特許出願であって、令和4年3月10日付けの拒絶理由の通知に対し、同年8月15日に意見書及び手続補正書が提出され、同年11月15日付けの拒絶理由の通知に対し、令和5年4月20日に意見書及び手続補正書が提出され、同年7月11日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対して同年11月20日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 令和5年11月20日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年11月20日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1(以下「本件請求項1」という。)の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「 【請求項1】 内視鏡デバイスの作業チャネルを通してまたはトロカールを通して内腔内の部位に導入されて、内視鏡カメラにより撮影された画像内に見える物体の寸法の正確な測定を行う、手動操作される光平面生成モジュールを用いる方法であって、: a)前記光平面生成モジュールは、その先端に識別性のある特徴を含み、前記特徴は、前記光平面生成モジュールの顕著な特徴、または前記先端の表面上に形成された印設もしくは刻設された姿勢パターンの特徴のうちの少なくとも1つであり、 b)前記光平面生成モジュールの前記先端は、前記内視鏡画像において前記識別性のある特徴が可視となるまで、前記内腔に導入されており、 c)光平面生成モジュールによって生成された光平面は、測定されるべき前記物体を横断するように位置合わせされており、 前記方法は、以下のステップを実行するように構成されたソフトウェアを実行するようにプロセッサデバイスを動作させ、 i)前記内視鏡画像において前記識別性のある特徴を特定すること、 ii)3Dカメラ座標系における前記特徴の位置および向きを、ならびにこれにより、3Dカメラ座標系における前記カメラ焦点からの前記光平面のずれ及びその向きとして表される光平面生成モジュールの位置および向きを判定する、カメラ姿勢推定方法を実行すること、 iii)前記光平面と前記物体との交差によって形成された曲線上のピクセルの、前記3Dカメラ座標系における厳密な座標を判定すること、 iv)前記画像における前記ピクセルの既知の3Dカメラ座標を使用して、前記物体の実際の寸法を判定すること、 を含む、方法。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和5年4月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び請求項5(以下、それぞれ「本件補正前請求項1」及び「本件補正前請求項5」という。)の記載は、次のとおりである。 「 【請求項1】 手動操作される内視鏡器具の、カメラ焦点に対する位置および向きを内視鏡画像において判定するための、プロセッサデバイスにより実行される方法であって: a)前記プロセッサデバイスにおいてソフトウェアを動作させることであって、前記手動操作される内視鏡器具の先端上の特徴を前記画像において前記ソフトウェアが識別するように構成され、前記特徴は、前記手動操作される内視鏡器具の前記先端の顕著な特徴、または前記先端の表面上に形成された印設もしくは刻設された姿勢パターンの特徴のうちの少なくとも1つである、動作させることと、 b)3Dカメラ座標系における前記特徴の位置および向きを、ならびにこれにより前記手動操作される内視鏡器具自体の位置および向きをプロセッサデバイスおよびソフトウェアが判定するカメラ姿勢推定方法を実行するように、前記プロセッサデバイスにおいてソフトウェアを動作させることと、を含み、 A) 前記方法は、前記手動操作される内視鏡器具の位置および向きを決定するために、前記手動操作される内視鏡器具の先端上における前記画像の特徴に加えて、前記カメラの視野内の基準面に強固に取り付けられたマーカーを必要とせず、 B) 前記手動操作される内視鏡器具の位置および向きが、3Dカメラ座標系において直接決定される、 方法。 【請求項5】 前記手動操作される器具は、内視鏡デバイスの作業チャネルを通してまたはトロカールを通して体腔内部の部位に導入されるように構成され、および内視鏡カメラにより撮影された画像内に見える物体の寸法の正確な測定を行うために前記プロセッサデバイスを補助するように構成された、手動操作される光平面生成モジュールであり、: a)前記光平面生成モジュールは、その先端に識別性のある特徴を含み、前記特徴は、前記光平面生成モジュールの顕著な特徴、または前記先端の表面上に形成された印設もしくは刻設された姿勢パターンの特徴のうちの少なくとも1つであり、 b)前記光平面生成モジュールの前記先端は、前記内視鏡画像においてその先端が可視であり、 c)光平面は、測定されるべき前記物体を横断するように位置合わせされ、 前記方法は、以下のステップを実行するように構成されたソフトウェアを実行するように前記プロセッサデバイスを動作させ、 i)前記3Dカメラ座標系における前記カメラ焦点からの前記光平面のずれ及びその向きを判定すること、 ii)前記光平面と前記物体との交差によって形成された曲線上のピクセルの、前記3Dカメラ座標系における厳密な座標を判定すること、 iii)前記画像における前記ピクセルの既知の3Dカメラ座標を使用して、前記物体の実際の寸法を判定すること、 を含む、請求項1に記載の方法。」 2 本件補正の適否について (1)補正の目的について 本件請求項1は、下記ウ(ア)での請求人の説示のとおり、本件補正前請求項5に対応し、次のア及びイに係る補正を含むものと認められる。そこで、本件請求項1における補正が、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的とするものであるか、以下、検討する。 ア 「体腔」を「内腔」へ変更する補正 本件請求項1に記載の「内腔」は、本件補正前請求項5に記載の「体腔」から補正されたものである。そして、「体腔」を「内腔」へ変更することは、体内の内腔から、体内の内腔だけではない一般的な「内腔」(例えば、配管の内部など)へ、その対象を広げることであるから、「体腔」を「内腔」へ変更する補正は、「特許請求の範囲の減縮」(2号)に該当しない。また、「体腔」についての記載不備を審査官が拒絶の理由として指摘しておらず「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」(4号)にも該当しない。また、「請求項の削除」(1号)、「誤記の訂正」(3号)に該当しないことも明らかである。 よって、「体腔」を「内腔」へ変更する補正は、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的とするものでない。 イ 「A)」及び「B)」を削除する補正 本件請求項1において、本件補正前請求項5が引用する本件補正前請求項1に記載の「A) 前記方法は、前記手動操作される内視鏡器具の位置および向きを決定するために、前記手動操作される内視鏡器具の先端上における前記画像の特徴に加えて、前記カメラの視野内の基準面に強固に取り付けられたマーカーを必要とせず、B) 前記手動操作される内視鏡器具の位置および向きが、3Dカメラ座標系において直接決定される、」という発明特定事項が削除された。 そして、本件請求項1において、「A)」及び「B)」を削除することは、直列的に記載された発明特定事項の一部を削除することであるから、「特許請求の範囲の減縮」(2号)に該当しない。また、「A)」及び「B)」についての記載不備を審査官が拒絶の理由として指摘しておらず、「A)」及び「B)」を削除する補正は、「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」(4号)にも該当しない。また、「請求項の削除」(1号)、「誤記の訂正」(3号)に該当しないことも明らかである。 よって、「A)」及び「B)」を削除する補正は、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的とするものでない。 ウ 審判請求書における説示 (ア)請求人の説示 請求人は、審判請求書の【本願発明が特許されるべき理由】の欄において、補正に関し、以下の説示をする。 「2 補正について (1)補正事項1 もとの請求項5を新たな請求項1とし、もとの請求項1~5の記載に基づいて、新たな請求項1に係る方法が、「内視鏡デバイスの作業チャネルを通してまたはトロカールを通して内腔内の部位に導入されて、内視鏡カメラにより撮影された画像内に見える物体の寸法の正確な測定を行う、手動操作される光平面生成モジュールを用いる方法」であること、ステップa)~c)が、特にステップb)及びc)が現在完了形で記載されることにより、ステップi)~iv)の前に実行されることを明確にする補正を行いました。この補正に伴い、もとの請求項1~4を削除しました。 (2)補正事項2 もとの請求項6~10を新たな請求項2~6とし、新たな請求項2~6において、補正事項1と平仄を揃えるべく補正を行いました。 (3)小括 以上述べたとおり、補正事項1及び2は新たな技術的事項を導入する補正ではありません。よって、本補正は17条の2第3項の要件を満たします。よって、本補正は適法です。」 (イ)当審の見解 (イ-1)請求人は、上記(ア)の説示において、上記ア及びイに係る補正を含め本件請求項1に係る補正が、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的とするものかについて、一切説明していない。そして、少なくとも上記(2)ア及びイに係る補正が、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的とするものかを省略してもよいほどに補正の目的が明確であるとはいえない。 (イ-2)上記(2)アに係る補正については、本願明細書【0022】の「本明細書では本発明を医療用の内視鏡および処置の観点から記載するが、本明細書において与えられる全ての記載および例は非医療用の内視鏡デバイスおよび処置にも準用されることを理解されたい。」との記載を踏まえると、「体腔」を「内腔」へ変更することは、新たな技術的事項を導入する補正ではないので特許法第17条の2第3項の要件は満たすといえるものの、「腔」の対象を広げることであるから、審判の請求と同時に行える適法な補正ではない。 また、上記(2)イに係る補正については、下記における第3の4(エ-2)での説示を踏まえると、本件補正前請求項5は、引用文献1を新規性及び進歩性に係る原査定の理由にしていないから、引用文献1との差異を明らかにする必要がないため、「A)」及び「B)」の構成を削除したものと思われる。しかし、「A)」及び「B)」の構成を削除することは、新たな技術的事項を導入する補正ではないので特許法第17条の2第3項の要件は満たすといえるものの、その結果、手動操作される内視鏡器具の位置および向きを決定するために、カメラの視野内の基準面に強固に取り付けられたマーカーを必要するものや、手動操作される内視鏡器具の位置および向きが、3Dカメラ座標系において直接決定されないものを排除しないものとなることから、審判の請求と同時に行える適法な補正ではない。 エ 補正の目的のまとめ 以上のとおり、本件補正は、上記ア及びイに係る補正を含むことから、特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 (2)独立特許要件について 本件請求項1に係る補正が、目的外補正を伴う不適法なものであることは、上記(1)で説示したとおりである。しかしながら、本件請求項1に係る補正が、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当すると仮定のうえで、本件請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、念のため以下に検討する。 ア 本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 イ 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。 「●理由3(特許法第29条第1項第3号)について ・請求項 1~2 ・引用文献等 1 ・請求項 1、3、5、9~10 ・引用文献等 2 ・請求項 1、4 ・引用文献等 6 ●理由4(特許法第29条第2項)について ・請求項 1~2 ・引用文献等 1 ・請求項 1、3、5、7、9~10/2/6 ・引用文献等 2/2、1、5/2、5 ・請求項 1、4/2 ・引用文献等 6/6、1」 <引用文献等一覧> 1.国際公開第2016/154557号 2.特開2017-23562号公報 3.特開2008-194156号公報 4.特開平3-128043号公報(周知技術を示す文献) 5.特表2017-508529号公報(周知技術を示す文献) 6.米国特許出願公開第2015/0161802号明細書 要するに、本件補正前請求項5に係る発明は、引用文献2に記載された発明である、又は、引用文献2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、同法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない、というものである。 ウ 引用文献2の記載等 (ア)引用文献2に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された公報であって、本願の優先権主張の日前に公開(公開日:平成29年2月2日)された引用文献2には、図面とともに次の記載がある(下線は当審において付与した。)。 (ア-1)「【技術分野】 【0001】 本発明は、3次元形状計測装置、診断システム及び3次元形状計測方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、体腔内の管腔に長尺状の内視鏡挿入部を挿入し、観察部位の診断や処理を行うことができる内視鏡が用いられている(例えば、特許文献1参照)。内視鏡による診断では、観察部位である腫瘍などの病変の形状や大きさを計測することが重要である。観察部位の形状と大きさを計測するために、アクティブステレオ法に基づいた3次元内視鏡システムが開発されている(例えば、非特許文献1参照)。この3次元内視鏡システムは、生体組織に計測用パターンの投影像を投影するパターンプロジェクタを有しており、パターンプロジェクタによって観察部位に投影された計測用パターンを撮像し、三角測量の原理に基づくアクティブステレオ法を用いて、観察部位の三次元形状を計測している。 ・・・ 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記非特許文献1に開示された3次元内視鏡システムでは、内視鏡の先端の外にパターンプロジェクタが取り付けられている。これにより、内視鏡全体の直径が大きくなる。また、内視鏡の外側に異物が付加されている形になる。診断時の患者の負荷とリスクを考慮すれば、内視鏡全体の直径は小さいほどよく、また内視鏡外部への器具の付加は避けた方がよい。 【0006】 また、アクティブステレオ法を用いて3次元形状を計測するには、内視鏡のカメラとパターンプロジェクタとの視差を正確に求める必要がある。 【0007】 本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、患者の負荷及びリスクを低減しつつ、観察部位の3次元形状、あるいはその大きさを正確に計測することができる3次元形状計測装置、診断システム及び3次元形状計測方法を提供することを目的とする。 ・・・ 【発明の効果】 【0020】 本発明によれば、観察部位に計測用パターンの投影像を投影するパターンプロジェクタが、内視鏡の鉗子孔の内部に挿入されている。これにより、内視鏡全体の径を小さくすることができる。また、パターンプロジェクタに形成されたマークを内視鏡のカメラで撮像可能で、マークの位置情報に基づいて、パターンプロジェクタとカメラの相対位置情報を校正することができる。この結果、患者の負荷及びリスクを低減しつつ、パターンプロジェクタが内視鏡に対して固定されていなくても観察部位の3次元形状、あるいはその大きさを正確に計測することができる。」 (ア-2)「【図面の簡単な説明】 【0021】 【図1】本発明の実施の形態1に係る内視鏡に取り付けられるレーザ光源及びパターンプロジェクタの構成を示す模式図である。 【図2】内視鏡の挿入端の鉗子孔周辺の拡大断面図である。 【図3】計測用パターンの一例を示す図である。 【図4】観察部位に計測用パターンの投影像が投影される様子を示す図である。 【図5】3次元形状計測装置の全体構成を示すブロック図である。 【図6】アクティブステレオ法の計測原理を模式的に示す図である。 【図7】キャリブレーションの対象となるパターンプロジェクタの移動方向を示す図である。 【図8】図8(A)は事前キャリブレーションを示す模式図である。図8(B)は、自己キャリブレーションを示す模式図である。 【図9】図9(A)は、事前キャリブレーションで求められる情報を示す図である。図9(B)は、自己キャリブレーションで求められる情報を示す図である。 【図10】カメラ座標系と、プロジェクタ座標系とを示す図である。 【図11】事前キャリブレーションで用いられるベクトルを示す図である。 【図12】本発明の実施の形態1に係る3次元形状計測装置を用いた診断動作のフローチャートである。」 (ア-3)「【0023】 実施の形態1. まず、本発明の実施の形態1について説明する。 【0024】 図1に示すように、本実施の形態に係る3次元形状計測装置100は、レーザ光源10とパターンプロジェクタ20と、を備える。3次元形状計測装置100は、内視鏡1とともに用いられる。内視鏡1には、鉗子孔2が形成されている。通常、鉗子孔2には、観察部位を採取する鉗子が挿通されるが、本実施の形態では、この鉗子に代えて、パターンプロジェクタ20が、鉗子孔2に挿通されて用いられる。 【0025】 パターンプロジェクタ20は、レーザ光源10と接続されている。レーザ光源10は、レーザモジュール10Aと、拡散板10Bと、照明絞り10Cと、コリメータレンズ10Dと、を備える。 ・・・ 【0027】 図2に示すように、パターンプロジェクタ20は、光ファイバ20Aと、パターンチップ20Bと、投影レンズ20Cと、円筒部20Dと、を備える。 【0028】 光ファイバ20Aは、プラスチック製であり、光ファイバ20Aは、コリメータレンズ10Dから出射された緑色のレーザ光ILを、一端から入射して他端から出射する。 【0029】 パターンチップ20Bは、図3に示すように、計測用パターン21として、波線の2次元格子パターンが印刷されたマイクロパターンチップである。パターンチップ20Bは、光ファイバ20Aから出射されたレーザ光ILの光路上に設置される。このため、パターンチップ20Bと通過したレーザ光ILは、計測用パターン21の投影像を含む投影光となる。投影レンズ20Cは、計測用パターン21の投影像を含む投影光を外部に投影する。 【0030】 円筒部20Dは、円筒状の部材である。図2に示すように、円筒部20Dは内視鏡1の挿入端3から突出している。円筒部20Dの外径は、鉗子孔2に嵌まる大きさとなっている。円筒部20Dの内径は、光ファイバ20A、パターンチップ20B及び投影レンズ20Cを実装できる径となっている。 【0031】 投影レンズ20Cから出射されたレーザ光ILは、円筒部20Dの開口端から外部に出射される。また、円筒部20Dの外側面には、マークMが形成されている。本実施の形態では、このマークMを用いて、アクティブステレオ法におけるパターンプロジェクタ20と内視鏡1のカメラ(後述する撮像光学系30)との相対位置情報を校正するキャリブレーションが行われる。 【0032】 このように、円筒部20Dは、内視鏡1の挿入端3から突き出している。円筒部20Dの開口端から緑色のレーザ光ILが出射される。このレーザ光ILは、パターンチップ20Bに形成された計測用パターン21の投影像を含むため、レーザ光ILが照射される観察部位(ターゲットT)には、図3に示すように、計測用パターン21の投影像が投影される。 【0033】 内視鏡1の挿入端3には、鉗子孔2の他に、対物レンズ30A及び照明レンズ40Aが取り付けられている。対物レンズ30Aは、ターゲットTを撮像する撮像光学系30(図5参照)を構成するレンズであり、照明レンズ40Aは、ターゲットTへ照明光を照射する照明光学系40(図5参照)のレンズである。内視鏡1は、照明レンズ40Aを介してターゲットTに照明光を照射し、照射されたターゲットTを、対物レンズ30Aを介して撮像する機能を有している。 【0034】 図5には、3次元形状計測装置100全体の構成が示されている。図5に示すように、3次元形状計測装置100は、上述したレーザ光源10及びパターンプロジェクタ20の他に、コントローラ50をさらに備えている。コントローラ50は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、入出力装置、ポインティングデバイス又はディスプレイ等のマンマシンインターフェイスを備えるコンピュータである。CPUが、マンマシンインターフェイスから入力される操作者の操作情報に従って、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、コントローラ50の機能が実現される。すなわち、実行されるプログラムに従って、コントローラ50は、入出力装置を介してレーザ光源10を制御したり、内視鏡1の照明光学系40を制御したり、入出力装置を介して内視鏡1の撮像光学系30から入力される撮像データを入力したりする。 【0035】 また、内視鏡1は、観察部位を撮像するための撮像光学系30と、観察部位を照明する照明光学系40と、を備える。図4に示す対物レンズ30Aは、内視鏡1の撮像光学系30を構成するレンズであり、照明レンズ40Aは、内視鏡1の照明光学系40を構成し、その照明光を外部(観察部位)に出射するレンズである。 【0036】 コントローラ50は、操作部50Aと、画像処理部50Bと、表示部50Cと、を備える。操作部50Aは、操作者の操作に応じた操作信号を、画像処理部50Bに出力する。 【0037】 画像処理部50Bは、操作部50Aからの操作信号に従って、内視鏡1の撮像光学系30から得られた観察部位の撮像データを入力し、入力した撮像データに対する画像処理を行って、観察部位の3次元形状を計測する。画像処理部50Bは、校正部51と、算出部52と、を備える。校正部51は、内視鏡1の挿入端に設けられた撮像光学系30によって撮像された撮像データにおけるマークMの位置情報に基づいて、パターンプロジェクタ20と撮像光学系30の相対位置情報を校正する。算出部52は、校正された相対位置情報を利用して、観察部位に投影された計測用パターン21の投影像の撮像結果に基づいて、観察部位の3次元形状を算出する。 【0038】 表示部50Cは、内視鏡1の撮像光学系30から得られた観察部位の撮像データ等の各種画像を表示する。 【0039】 画像処理部50Bにおいて行われる3次元形状の計測処理について説明する。図6に示すように、本実施の形態では、アクティブステレオ法に基づいて、観察部位の3次元形状を計測する。アクティブステレオ法では、パターンプロジェクタ20による観察部位の投影中心と、観察部位を撮像するカメラ(撮像光学系30)の撮像中心との視差Lに基づいて、観察部位の3次元形状が計測される。 【0040】 例えば、パターンプロジェクタ20の投影中心の位置をP1とし、撮像光学系30の撮像中心をP2とする。計測用パターン21の投影像を含む投影光は、位置P1からターゲットT(観察部位)に投影され、ターゲットT上にも計測用パターン21の投影像が投影される。 【0041】 ここで、計測用パターン21の投影像が投影されたターゲットT上の特定の点Pに着目する。ターゲットT上の点Pが、投影像の投影方向に沿った奥行きd1からdだけ奥の奥行きd2に変化した場合には、位置P2にある撮像光学系30には、点P上のパターンがずれるように見える。アクティブステレオ法は、このパターンの位置ずれに基づいて、三角測量の原理を利用して、ターゲットTの各点の奥行きdを計測する。 【0042】 ターゲットTの奥行きがdだけ変化した場合の撮像光学系30の撮像結果における点Pのずれ量は、パターンプロジェクタ20と撮像光学系30との視差Lに応じて変化する。したがって、点Pの奥行きを正確に求めるには、視差Lを予め求めておく必要がある。 【0043】 本実施の形態に係る3次元形状計測装置100では、パターンプロジェクタ20は、内視鏡1の鉗子孔2に挿入されて用いられる。パターンプロジェクタ20は、内視鏡1に固定されておらず、内視鏡1の挿入端3は自在に曲がる。このため、パターンプロジェクタ20と、内視鏡1の撮像光学系30との位置関係は絶えず変化する。すなわち、本実施の形態では、視差Lは絶えず変化する。このため、実際に観察部位の3次元形状を計測するには、3次元形状の計測に先だって、パターンプロジェクタ20と、撮像光学系30との位置関係のキャリブレーションを行う必要がある。 【0044】 図7に示すように、パターンプロジェクタ20は、内視鏡1に対して並進方向(鉗子孔2の軸心の方向への並進)及び回転方向(鉗子孔2の軸心を中心とする回転方向)の2つの自由度を有している。本実施の形態では、観察部位の3次元形状の計測に先立って、この2つの自由度のキャリブレーションを行う。 【0045】 このキャリブレーションは、円筒部20Dに設けられたマークMを用いて行われる。マークMは、撮像光学系30によって撮像可能な位置に設けられている。撮像光学系30による撮像データにおけるマークMの撮像位置に基づいて、パターンプロジェクタ20のキャリブレーションを行う。上述のように、内視鏡1に対するパターンプロジェクタ20の自由度は、2自由度であるため、単一のマークMだけをマーカとしてキャリブレーションを行うことができる。 【0046】 キャリブレーションは以下の2段階で行われる。 (1)内視鏡1の鉗子孔2にパターンプロジェクタ20を挿通し、まだ、観察部位を観察可能な状態となる前の段階 (2)上記(1)の段階を経て、内視鏡1が被検者の体内に挿入され、観察部位を観察可能となっている段階 本実施の形態では、(1)の段階で行われるキャリブレーションを事前キャリブレーションといい、(2)の段階で行われるキャリブレーションを自己キャリブレーションという。事前キャリブレーションは、例えば、図8(A)に示すように、球体オブジェクト22に計測用パターン21の投影像を投影した状態で行われるようにしてもよい。また、図8(B)に示すように、自己キャリブレーションは、実際に観察部位(ターゲットT)に計測用パターン21の投影像が投影された状態で行われる。 【0047】 事前キャリブレーションも、自己キャリブレーションも、前述の通り、マークMの位置を撮像光学系30で観察することにより行われる。本実施の形態では、図9(A)に示すように、まず、事前キャリブレーションにおいて、並進方向に関するマークMの位置を示す情報tbと、回転方向に関するマークMの位置を示す情報Rbとを、マークMの位置情報として求める。そして、図9(B)に示すように、自己キャリブレーションにおいて、並進方向に関するマークMの位置を示す情報taと、回転方向に関するマークMの位置を示す情報Raを求め、並進の変化(ta-tb)、回転の変化(Ra-Rb)を、マークMの位置情報の変化量として求める。 【0048】 (事前キャリブレーションの詳細) まず、事前キャリブレーションについて説明する。このキャリブレーションを行うにあたり、図10に示すように、2つの直交座標系を設定する。撮像光学系30の撮像中心を原点とするカメラ座標系(x1、y1、z1)と、パターンプロジェクタ20の投影中心を原点とするプロジェクタ座標系(x2、y2、z2)である。プロジェクタ座標系では、パターンプロジェクタ20の軸心を通る軸を、z2軸としている。 【0049】 カメラ座標系からプロジェクタ座標系への剛体変換は、回転行列<Rb>と、並進ベクトル<tb>とで表される。回転行列<Rb>、並進ベクトル<tb>は、事前キャリブレーションで求められる。なお、本実施の形態では、ベクトルを<*>で表すものとする。 【0050】 ここで、内視鏡1の鉗子孔2の軸方向の単位ベクトルは、ベクトル<b>として表される。ベクトル<b>は、プロジェクタ座標系のz2軸の負の方向を示す単位ベクトルである。 【0051】 カメラ座標系の原点Oから見た、プロジェクタ座標系の原点は、ベクトル<tb>で表されるものとする。ベクトル<tb>で示す点は、鉗子孔2の中心軸上にあるものと仮定する。 【0052】 撮像光学系30(対物レンズ30A)からマーカ(マークM)への方向を示す単位ベクトルを、ベクトル<ab>とする。また、撮像光学系30とマーカ(マークM)との距離をsとする。この場合、マーカ(マークM)の3次元位置ベクトル<mb>は、次式のようになる。ベクトル<ab>は、撮像データ内のマークMの位置で決まり、sは未知数である。ベクトルを視線ベクトル<mb>ともいう。 <mb>=s<ab> …(1) 【0053】 また、マーカ(マークM)の3次元位置ベクトル<mb>で表される位置から、鉗子孔2の中心軸へ降ろされる垂線の足の3次元位置ベクトル<hb>は、以下のように表される。uは変数である。 <hb>=<tb>+u<b> …(2) 【0054】 また、ベクトル(<mb>-<hb>)は、ベクトル<b>と垂直であるため、以下の式が得られる。 <hb>=<tb>+{(s<ab>-<tb>)・<b>}<b> …(3) 【0055】 また、次式のように、ベクトル(<mb>-<hb>)の長さ(ノルム)は、次式のように、円筒部20Dの半径rに等しい。 ||<mb>-<hb>||2=r2 …(3) 【0056】 未知の変数sに関する方程式を拡張して以下の式が得られる。 As2+B+C=0 …(4) ただし、 A=(<ab>・<ab>)+(<ab>・<b>)2(<b>・<b>)-2(<ab>・<b>)2 B=-2(<ab>・<b>)(<b>・<b>)(<tb>・<b>)-2(<ab>・<tb>)+4(<ab>・<b>)(<tb>・<b>) C=-2(<tb>・<b>)+(<tb>・<tb>)+(<tb>・<b>)2(<b>・<b>)-r2 【0057】 A、B、Cは、既知の定数であるので、sは、上述の2次元方程式を用いて算出することができる。sの2つの解は、視線ベクトルs<ab>と、パターンプロジェクタ20を示す円筒部20Dとの2交点に対応する。マーカ(マークM)が観測されているので、sの正の解のうち、小さい方からベクトル<mb>を計算すればよい。 【0058】 これにて、事前キャリブレーションが完了する。 【0059】 次に、自己キャリブレーションについて説明する。事前キャリブレーションが完了した後、内視鏡1が体内に挿入されると、パターンプロジェクタ20は、2自由度で鉗子孔2沿いに動く。自己キャリブレーションでは、パターンプロジェクタ20のマークMの位置情報が再び求められる。 【0060】 自己キャリブレーションでは、計測対象に投影された計測用パターン21の投影像を観測すると同時に、マークMを計測すると、以下のように2自由度の移動分(変化量)を推定することができる。 【0061】 自己キャリブレーションでは、事前キャリブレーションにおいてベクトル<ab>、<mb>、<hb>を求めたのと同じ方法で、観測時に得られたマークMの位置から算出されたベクトルを、<aa>、<ma>、<ha>として算出する。 【0062】 事前キャリブレーションのときのパターンプロジェクタ20の位置から観察部位の撮像時のパターンプロジェクタ20の位置への回転は、<mb>-<hb>、<ma>-<ha>間の符号を含めた角度θabとなる。また、事前キャリブレーション時のパターンプロジェクタ20の位置から観察部位の撮像時のパターンプロジェクタ20への位置への並進ベクトルは<ha>-<hb>となる。 【0063】 このとき、観察部位の撮像時のパターンプロジェクタ20の位置のパラメータは、以下の式で計算される。 <ta>=<tb>+(<ha>-<hb>) …(5) <Ra>=<Rb><Rz(θab)> …(6) ここで、Rz(θab)は、z2軸周りの回転ベクトルである。 【0064】 画像処理部50Bは、並進ベクトル<ta>及び回転行列<Ra>に基づく相対位置情報を基準として、撮像光学系30で撮像された画像データにおける波線の2次元格子(計測用パターン21の投影像)の各格子点の位置ずれ量に基づいて、観察部位(ターゲットT)の3次元形状を計測する。 【0065】 次に、本実施の形態に係る3次元形状計測装置100を用いた診断動作について説明する。 【0066】 図12に示すように、まず、鉗子孔2にパターンプロジェクタ20を挿入する(ステップS1)。続いて、コントローラ50(画像処理部50B)は、パターンプロジェクタ20により、計測用パターン21の投影像を投影して、内視鏡1の撮像光学系30を用いて観察部位(ターゲットT)の撮像を行う(ステップS2)。続いて、コントローラ50(校正部51)は、撮像光学系30の撮像データに基づいて、上述のように、事前キャリブレーションを行う(ステップS3)。 【0067】 続いて、被検者の体内における観察部位(ターゲットT)の撮像位置へ内視鏡1を挿入する(ステップS4)。続いて、コントローラ50(画像処理部50B)は、パターンプロジェクタ20により、計測用パターン21の投影像を投影して、撮像を行う(ステップS5)。さらに、コントローラ50(校正部51)は、上述のように、自己キャリブレーションを行う(ステップS6)。続いて、コントローラ50(算出部52)は、アクティブステレオ法を用いて、3次元形状計測を行う(ステップS7)。 ・・・ 【0071】 以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、観察部位に計測用パターン21の投影像を投影するパターンプロジェクタ20が、鉗子孔2の内部に挿入されている。これにより、内視鏡1全体の径を小さくすることができる。また、パターンプロジェクタ20に形成されたマークMを内視鏡1の撮像光学系30で撮像可能であり、マークMの位置情報に基づいて、パターンプロジェクタ20と撮像光学系30の相対位置情報を校正することができる。この結果、患者の負荷及びリスクを低減しつつ、観察部位の3次元形状、あるいはその大きさを正確に計測することができる。」 (ア-4)「【0095】 また、上記実施の形態では、波線の2次元格子の計測用パターン21を使用したが、本発明はこれには限られない。例えば、直線状の2次元格子パターン又は点状の行列パターンを計測用パターンとして用いるようにしてもよい。」 (ア-5)「【図1】 [図:0001427310000001.jpg] 」 (ア-6)「【図2】 [図:0001427310000002.jpg] 」 (ア-7)「【図3】 [図:0001427310000003.jpg] 」 (ア-8)「【図4】 [図:0001427310000004.jpg] 」 (ア-9)「【図5】 [図:0001427310000005.jpg] 」 (ア-10)「【図6】 [図:0001427310000006.jpg] 」 (ア-11)「【図7】 [図:0001427310000007.jpg] 」 (ア-12)「【図8】 [図:0001427310000008.jpg] 」 (ア-13)「【図9】 [図:0001427310000009.jpg] 」 (ア-14)「【図10】 [図:0001427310000010.jpg] 」 (ア-15)「【図11】 [図:0001427310000011.jpg] 」 (ア-16)「【図12】 [図:0001427310000012.jpg] 」 (イ)認定事項 引用文献2には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 (イ-1)認定事項1 【0031】には、「円筒部20Dの外側面には、マークMが形成されている。」と記載され、図2によれば、円筒部20Dの外側面先端にマークMがあることが看て取れることから、引用文献2には、「円筒部20Dの外側面の先端には、マークMが形成されている」という技術的事項が記載されていると認められる。 (イ-2)認定事項2 【0047】の「自己キャリブレーションにおいて、並進方向に関するマークMの位置を示す情報taと、回転方向に関するマークMの位置を示す情報Raを求め」、【0048】の「撮像光学系30の撮像中心を原点とするカメラ座標系(x1、y1、z1)」、【0051】の「カメラ座標系の原点Oから見た」、及び【0061】の「自己キャリブレーションでは、・・・観測時に得られたマークMの位置から算出されたベクトルを、<aa>、<ma>、<ha>として算出する」との記載から、自己キャリブレーションでは、並進方向に関するマークMの位置を示す情報taと、回転方向に関するマークMの位置を示す情報Raを求め、具体的には、撮像光学系30の撮像中心を原点とするカメラ座標系(x1、y1、z1)の原点Oから見た、観測時に得られたマークMの位置から算出されたベクトルを、<aa>、<ma>、<ha>として算出することが理解できる。 そして、<aa>、<ma>、<ha>は、【0052】の「撮像光学系30(対物レンズ30A)からマーカ(マークM)への方向を示す単位ベクトルを、ベクトル<ab>とする。・・・マーカ(マークM)の3次元位置ベクトル<mb>」、及び【0053】の「マーカ(マークM)の3次元位置ベクトル<mb>で表される位置から、鉗子孔2の中心軸へ降ろされる垂線の足の3次元位置ベクトル<hb>」との記載を踏まえると、<aa>は撮像光学系30(対物レンズ30A)からマークMへの方向を示す単位ベクトル、<ma>はマークMの3次元位置ベクトル、<ha>はマークMの3次元位置ベクトル<ma>で表される位置から、鉗子孔2の中心軸へ降ろされる垂線の足の3次元位置ベクトルであることが理解できる。 すると、引用文献2には、「自己キャリブレーションでは、並進方向に関するマークMの位置を示す情報taと、回転方向に関するマークMの位置を示す情報Raを求め、具体的には、撮像光学系30の撮像中心を原点とするカメラ座標系(x1、y1、z1)の原点Oから見た、観測時に得られたマークMの位置から算出されたベクトルを、撮像光学系30(対物レンズ30A)からマークMへの方向を示す単位ベクトル<aa>、マークMの3次元位置ベクトル<ma>、マークMの3次元位置ベクトル<ma>で表される位置から、鉗子孔2の中心軸へ降ろされる垂線の足の3次元位置ベクトル<ha>として算出する」という技術的事項が記載されていると認められる。 (イ-3)認定事項3 【0047】の「自己キャリブレーションにおいて、並進方向に関するマークMの位置を示す情報taと、回転方向に関するマークMの位置を示す情報Raを求め、」、【0062】の「<ma>-<ha>間の符号を含めた角度θab」、及び【0063】の「観察部位の撮像時のパターンプロジェクタ20の位置のパラメータは、以下の式で計算される。 <ta>=<tb>+(<ha>-<hb>) …(5) <Ra>=<Rb><Rz(θab)> …(6)」との記載から、引用文献2には、「観察部位の撮像時のパターンプロジェクタ20の位置のパラメータである、並進ベクトル<ta>は<ha>を、回転行列<Ra>は<ma>、<ha>を用いて計算される」という技術的事項が記載されていると認められる。 (ウ)引用文献2に記載された発明 上記(イ)の認定事項を含む上記(ア)の記載及び図面を総合すると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。ここで、各構成単位末尾の括弧内には、主たる認定箇所となる引用文献2の記載箇所等を示す。 「3次元形状計測装置100を用いて、観察部位の3次元形状、あるいはその大きさを正確に計測する3次元形状計測方法であって、(【0065】、【0067】、【0071】) 3次元形状計測装置100は、レーザ光源10とパターンプロジェクタ20と、を備え、3次元形状計測装置100は、内視鏡1とともに用いられ、内視鏡1には、鉗子孔2が形成され、パターンプロジェクタ20が、鉗子孔2に挿通されて用いられ、(【0024】) パターンプロジェクタ20は、光ファイバ20Aと、パターンチップ20Bと、投影レンズ20Cと、円筒部20Dと、を備え、(【0027】) パターンチップ20Bは、計測用パターン21として、波線の2次元格子パターンが印刷されたマイクロパターンチップであり、(【0029】) 投影レンズ20Cから出射されたレーザ光ILは、円筒部20Dの開口端から外部に出射され、円筒部20Dの外側面先端には、マークMが形成され、このマークMを用いて、アクティブステレオ法におけるパターンプロジェクタ20と内視鏡1のカメラ(後述する撮像光学系30)との相対位置情報を校正するキャリブレーションが行われ、(【0031】、認定事項1) このように、円筒部20Dは、内視鏡1の挿入端3から突き出し、円筒部20Dの開口端からレーザ光ILが出射され、このレーザ光ILは、パターンチップ20Bに形成された計測用パターン21の投影像を含むため、レーザ光ILが照射される観察部位(ターゲットT)には、計測用パターン21の投影像が投影され、(【0032】) 内視鏡1の挿入端3には、鉗子孔2の他に、対物レンズ30Aが取り付けられ、対物レンズ30Aは、ターゲットTを撮像する撮像光学系30を構成するレンズであり、(【0033】) 3次元形状計測装置100は、上述したレーザ光源10及びパターンプロジェクタ20の他に、コントローラ50をさらに備え、(【0034】) 内視鏡1は、観察部位を撮像するための撮像光学系30を備え、(【0035】) コントローラ50は、操作部50Aと、画像処理部50Bと、表示部50Cと、を備え、(【0036】) 画像処理部50Bは、校正部51と、算出部52と、を備え、校正部51は、内視鏡1の挿入端に設けられた撮像光学系30によって撮像された撮像データにおけるマークMの位置情報に基づいて、パターンプロジェクタ20と撮像光学系30の相対位置情報を校正し、算出部52は、校正された相対位置情報を利用して、観察部位に投影された計測用パターン21の投影像の撮像結果に基づいて、観察部位の3次元形状を算出し、(【0037】) アクティブステレオ法では、パターンプロジェクタ20による観察部位の投影中心と、観察部位を撮像するカメラ(撮像光学系30)の撮像中心との視差Lに基づいて、観察部位の3次元形状が計測され、(【0039】) 例えば、パターンプロジェクタ20の投影中心の位置をP1とし、撮像光学系30の撮像中心をP2とし、計測用パターン21の投影像を含む投影光は、位置P1からターゲットT(観察部位)に投影され、ターゲットT上にも計測用パターン21の投影像が投影され、(【0040】) ここで、計測用パターン21の投影像が投影されたターゲットT上の特定の点Pに着目すると、ターゲットT上の点Pが、投影像の投影方向に沿った奥行きd1からdだけ奥の奥行きd2に変化した場合には、位置P2にある撮像光学系30には、点P上のパターンがずれるように見え、アクティブステレオ法は、このパターンの位置ずれに基づいて、三角測量の原理を利用して、ターゲットTの各点の奥行きdを計測し、(【0041】) ターゲットTの奥行きがdだけ変化した場合の撮像光学系30の撮像結果における点Pのずれ量は、パターンプロジェクタ20と撮像光学系30との視差Lに応じて変化するので、点Pの奥行きを正確に求めるには、視差Lを予め求めておく必要があり、(【0042】) 3次元形状計測装置100では、パターンプロジェクタ20は、内視鏡1の鉗子孔2に挿入されて用いられ、パターンプロジェクタ20は、内視鏡1に固定されておらず、内視鏡1の挿入端3は自在に曲がるため、パターンプロジェクタ20と、内視鏡1の撮像光学系30との位置関係は絶えず変化する、すなわち、視差Lは絶えず変化するため、実際に観察部位の3次元形状を計測するには、3次元形状の計測に先だって、パターンプロジェクタ20と、撮像光学系30との位置関係のキャリブレーションを行う必要があり、(【0043】) 具体的には、パターンプロジェクタ20は、内視鏡1に対して並進方向(鉗子孔2の軸心の方向への並進)及び回転方向(鉗子孔2の軸心を中心とする回転方向)の2つの自由度を有し、観察部位の3次元形状の計測に先立って、この2つの自由度のキャリブレーションを行う必要があり、(【0044】) 内視鏡1が被検者の体内に挿入され、観察部位を観察可能となっている段階で行われるキャリブレーションを自己キャリブレーションといい、自己キャリブレーションは、実際に観察部位(ターゲットT)に計測用パターン21の投影像が投影された状態で行われ、(【0046】) 自己キャリブレーションは、マークMの位置を撮像光学系30で観察することにより行われ、(【0047】) 自己キャリブレーションでは、並進方向に関するマークMの位置を示す情報taと、回転方向に関するマークMの位置を示す情報Raを求め、具体的には、撮像光学系30の撮像中心を原点とするカメラ座標系(x1、y1、z1)の原点Oから見た、観測時に得られたマークMの位置から算出されたベクトルを、撮像光学系30(対物レンズ30A)からマークMへの方向を示す単位ベクトル<aa>、マークMの3次元位置ベクトル<ma>、マークMの3次元位置ベクトル<ma>で表される位置から、鉗子孔2の中心軸へ降ろされる垂線の足の3次元位置ベクトル<ha>として算出し、(認定事項2) 観察部位の撮像時のパターンプロジェクタ20の位置のパラメータである、並進ベクトル<ta>は<ha>を、回転行列<Ra>は<ma>、<ha>を用いて計算され、(認定事項3) 画像処理部50Bは、並進ベクトル<ta>及び回転行列<Ra>に基づく相対位置情報を基準として、撮像光学系30で撮像された画像データにおける波線の2次元格子(計測用パターン21の投影像)の各格子点の位置ずれ量に基づいて、観察部位(ターゲットT)の3次元形状、あるいはその大きさを正確に計測し、(【0064】、【0071】) 上記では、波線の2次元格子の計測用パターン21を使用したが、例えば、直線状の2次元格子パターンを計測用パターンとして用いるようにしてもよい、(【0095】) 3次元形状計測方法。」 エ 対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)前文について (アー1)引用発明の「内視鏡1」、「鉗子孔2」、「被検者の体内」の「観察部位」、「内視鏡1の」「カメラ(撮像光学系30)」、「ターゲットT」、及び「3次元形状、あるいはその大きさ」は、それぞれ、本件補正発明の「内視鏡デバイス」、「作業チャネル」、「内腔内の部位」、「内視鏡カメラ」、「物体」、及び「寸法」に相当する。 (ア-2)本件補正発明の「光平面」について、本願明細書には、「【0028】米国特許第9,545,220号明細書から取られた図2は、標準的な内視鏡を使用して撮像された人間の喉頭の画像を示す。この画像では、重ね合わされたレチクル(reticle)2によって表されている光平面と、光平面と喉頭4との交差曲線と、声帯6の開口部の測定と、が概略的に示されている。」と記載されている(下線は当審にて付与)。 [図:0001427310000013.jpg] 本願明細書の当該記載における「レチクル(reticle)2によって表されている光平面」は、図2によれば、2次元格子パターンとして図示されているから、本件補正発明の「光平面生成モジュールによって生成された光平面」は、2次元格子パターンを含む。一方、引用発明(【0024】、【0029】、【0046】、【0095】)の「3次元形状計測装置100」は、「パターンプロジェクタ20」「を備え」、「パターンプロジェクタ20」は、「ターゲットT上に」「波線の2次元格子パターン」又は「直線状の2次元格子パターン」を「投影像」として「投影」させる。すると、引用発明の「波線の2次元格子パターン」又は「直線状の2次元格子パターン」の「投影像」は、本件補正発明の「光平面」に相当し、引用発明の「パターンプロジェクタ20」「を備え」る「3次元形状計測装置100」は、本件補正発明の「光平面生成モジュール」に相当する。 (ア-3)引用発明の「3次元形状計測装置100」が「備え」る「パターンプロジェクタ20」が、「内視鏡1」の「鉗子孔2に挿通」して手動操作されることは明らかである。すると、引用発明の「内視鏡1」の「鉗子孔2に挿通」して手動操作される「パターンプロジェクタ20」「を備え」る「3次元形状計測装置100」は、本件補正発明の「内視鏡デバイスの作業チャネルを通して」「手動操作される光平面生成モジュール」に相当する。 (ア-4)上記(ア-1)~(ア-3)を踏まえると、 引用発明の「内視鏡1」の「鉗子孔2に挿通」して「被検者の体内」の「観察部位」「に挿入され」、「内視鏡1の」「カメラ(撮像光学系30)」により「撮像された画像データ」「に基づいて、観察部位(ターゲットT)の3次元形状、あるいはその大きさを正確に計測」する、手動操作される「パターンプロジェクタ20」「を備え」る「3次元形状計測装置100を用い」る「3次元形状計測方法」は、 本件補正発明の「内視鏡デバイスの作業チャネルを通してまたはトロカールを通して内腔内の部位に導入されて、内視鏡カメラにより撮影された画像内に見える物体の寸法の正確な測定を行う、手動操作される光平面生成モジュールを用いる方法」に相当する。 (イ)「a)」について (イ-1)引用発明の「マークM」は、本件補正発明の「特徴」に相当する。また、引用発明(【0031】、認定事項1)では、「パターンプロジェクタ20」の「円筒部20Dの外側面先端には、マークMが形成され、このマークMを用いて、アクティブステレオ法におけるパターンプロジェクタ20と内視鏡1のカメラ(後述する撮像光学系30)との相対位置情報を校正するキャリブレーションが行われ」るから、引用発明の「3次元形状計測装置100」は、「パターンプロジェクタ20」の「先端」に識別性のある「マークM」を含み、この「マークM」は、「3次元形状計測装置100」の顕著な「マークM」であるといえる。 (イ-2)上記(イ-1)を踏まえると、 引用発明の「3次元形状計測装置100」は、「パターンプロジェクタ20」の「先端」に識別性のある「マークM」を含み、この「マークM」は、「3次元形状計測装置100」の顕著な「マークM」であることは、 本件補正発明の「a)前記光平面生成モジュールは、その先端に識別性のある特徴を含み、前記特徴は、前記光平面生成モジュールの顕著な特徴、または前記先端の表面上に形成された印設もしくは刻設された姿勢パターンの特徴のうちの少なくとも1つであ」ることに相当する。 (ウ)「b)」について (ウ-1)引用発明(【0046】)では、「内視鏡1が被検者の体内に挿入され、観察部位を観察可能となっている段階で行われるキャリブレーションを自己キャリブレーションといい、自己キャリブレーションは、実際に観察部位(ターゲットT)に計測用パターン21の投影像が投影された状態で行われ、自己キャリブレーションは、マークMの位置を撮像光学系30で観察することにより行われ」ることから、引用発明の「自己キャリブレーションは」、「3次元形状計測装置100」が「備え」る「パターンプロジェクタ20」の「先端」が、識別性のある「マークM」が「撮像光学系30で観察」「可能とな」るまで、「被検者の体内に挿入され」ている「状態で行われ」ているといえる。 (ウ-2)上記(ウ-1)を踏まえると、 引用発明の「3次元形状計測装置100」が「備え」る「パターンプロジェクタ20」の「先端」は、識別性のある「マークM」が「撮像光学系30で観察」「可能とな」るまで、「被検者の体内に挿入され」ていることは、 本件補正発明の「b)前記光平面生成モジュールの前記先端は、前記内視鏡画像において前記識別性のある特徴が可視となるまで、前記内腔に導入されて」いることに相当する。 (エ)「c)」について (エ-1)引用発明(【0046】)では、「内視鏡1が被検者の体内に挿入され、観察部位を観察可能となっている段階で行われるキャリブレーションを自己キャリブレーションといい、自己キャリブレーションは、実際に観察部位(ターゲットT)に計測用パターン21の投影像が投影された状態で行われ、自己キャリブレーションは、マークMの位置を撮像光学系30で観察することにより行われ」ることから、引用発明の「自己キャリブレーションは」、「波線の2次元格子パターン」又は「直線状の2次元格子パターン」の「計測用パターン21の投影像が」、「観察部位(ターゲットT)に」「投影された状態」すなわち「観察部位(ターゲットT)」を横断及び縦断するように位置合わせされた「状態で行われ」ているといえる。 (エ-2)上記(エ-1)を踏まえると、 引用発明の「3次元形状計測装置100」が「備え」る「パターンプロジェクタ20」によって「投影」された「波線の2次元格子パターン」又は「直線状の2次元格子パターン」の「計測用パターン21の投影像」は、「観察部位(ターゲットT)」を横断及び縦断するように位置合わせされた「状態」にあることは、 本件補正発明の「c)光平面生成モジュールによって生成された光平面は、測定されるべき前記物体を横断するように位置合わせされて」いることに相当する。 (オ)「i)」~「iv)」の前文について (オ-1)引用発明(【0036】)の「コントローラ50」が「備え」る「画像処理部50B」は、本件補正発明の「プロセッサデバイス」に相当する。また、引用発明(【0037】)の「画像処理部50Bは、校正部51と、算出部52と、を備え、校正部51は、内視鏡1の挿入端に設けられた撮像光学系30によって撮像された撮像データにおけるマークMの位置情報に基づいて、パターンプロジェクタ20と撮像光学系30の相対位置情報を校正し、算出部52は、校正された相対位置情報を利用して、観察部位に投影された計測用パターン21の投影像の撮像結果に基づいて、観察部位の3次元形状を算出」するから、引用発明の「画像処理部50B」は、「校正」ステップと「算出」ステップを実行するように構成されたソフトウェアを実行するように動作させることは明らかである。また、引用発明は、下記(カ)~(ケ)での対比のとおり、本件補正発明の「i)」~「iv)」に相当するステップを実行するものである。 (オ-2)上記(オ-1)を踏まえると、 引用発明の「3次元形状計測方法」は、「校正」ステップと「算出」ステップを実行するように構成されたソフトウェアを実行するように「画像処理部50B」を動作させることは、 本件補正発明の「前記方法は、以下のステップを実行するように構成されたソフトウェアを実行するようにプロセッサデバイスを動作させ」ることに相当する。 (カ)「i)」について (カ-1)引用発明(【0037】)の「校正部51は、内視鏡1の挿入端に設けられた撮像光学系30によって撮像された撮像データにおけるマークMの位置情報に基づいて、パターンプロジェクタ20と撮像光学系30の相対位置情報を校正」することは、「撮像光学系30によって撮像された撮像データにおけるマークMの位置情報」を特定し、特定された「マークMの位置情報に基づいて、パターンプロジェクタ20と撮像光学系30の相対位置情報を校正」することである。すると、引用発明の「校正部51」が、「撮像光学系30によって撮像された撮像データにおけるマークMの位置情報」を特定することは、「撮像光学系30によって撮像された撮像」において識別性のある「マークM」を特定することといえる。 (カ-2)上記(カ-1)を踏まえると、 引用発明の「撮像光学系30によって撮像された撮像」において識別性のある「マークM」を特定することは、 本件補正発明の「i)前記内視鏡画像において前記識別性のある特徴を特定すること」に相当する。 (キ)「ii)」について (キ-1)引用発明(認定事項2)の「自己キャリブレーションでは、並進方向に関するマークMの位置を示す情報taと、回転方向に関するマークMの位置を示す情報Raを求め、具体的には、撮像光学系30の撮像中心を原点とするカメラ座標系(x1、y1、z1)の原点Oから見た、観測時に得られたマークMの位置から算出されたベクトルを撮像光学系30(対物レンズ30A)からマークMへの方向を示す単位ベクトル<aa>、マークMの3次元位置ベクトル<ma>、マークMの3次元位置ベクトル<ma>で表される位置から、鉗子孔2の中心軸へ降ろされる垂線の足の3次元位置ベクトル<ha>として算出」するから、引用発明の「校正部51」は、「カメラ座標系(x1、y1、z1)の原点Oから見た」「観測時に得られたマークMの位置から算出されたベクトル」である「マークMの3次元位置ベクトル<ma>」を「算出」するものである。すなわち引用発明の「校正部51」は、「カメラ座標系(x1、y1、z1)」における「マークM」の位置と向きを「算出」するといえる。すると、引用発明の「カメラ座標系(x1、y1、z1)」における「マークM」の位置と向きを「算出」することは、本件補正発明の「ii)3Dカメラ座標系における前記特徴の位置および向きを」「判定する」ことに相当する。 (キ-2)引用発明(認定事項2、認定事項3)の「校正部51」では、「マークMの位置から算出されたベクトル」である「マークMの3次元位置ベクトル<ma>、マークMの3次元位置ベクトル<ma>で表される位置から、鉗子孔2の中心軸へ降ろされる垂線の足の3次元位置ベクトル<ha>」「を用いて」、「観察部位の撮像時のパターンプロジェクタ20の位置のパラメータである、並進ベクトル<ta>」及び「回転行列<Ra>」が「計算され」るから、引用発明の「校正部51」は、「算出」された「マークM」の位置と向き「を用いて」、「パターンプロジェクタ20」の位置と向きを「算出」するといえる。そして、「パターンプロジェクタ20」の位置と向きは、「カメラ座標系(x1、y1、z1)の原点Oから見た」「波線の2次元格子パターン」又は「直線状の2次元格子パターン」の「計測用パターン21の投影像」のずれ及びその向きとして表されることは明らかである。また、引用発明の「カメラ座標系(x1、y1、z1)の原点O」は、本件補正発明の「3Dカメラ座標系における前記カメラ焦点」に相当する。すると、引用発明の「算出」された「マークM」の位置と向き「を用いて」、「カメラ座標系(x1、y1、z1)の原点Oから見た」「波線の2次元格子パターン」又は「直線状の2次元格子パターン」の「計測用パターン21の投影像」のずれ及びその向きとして表される「パターンプロジェクタ20」の位置と向きを「算出」することは、本件補正発明の「ならびにこれにより、3Dカメラ座標系における前記カメラ焦点からの前記光平面のずれ及びその向きとして表される光平面生成モジュールの位置および向きを判定する」ことに相当する。 (キ-3)引用発明の「校正部51」において、「自己キャリブレーション」を「行」うことは、「パターンプロジェクタ20と撮像光学系30の相対位置情報を校正」すること、すなわちカメラの姿勢を推定することに他ならないから、本件補正発明の「カメラ姿勢推定方法を実行すること」に相当する。 (キ-4)上記(キ-1)~(キ-3)を踏まえると、 引用発明の「カメラ座標系(x1、y1、z1)」における「マークM」の位置と向きを「算出」し、「算出」された「マークM」の位置と向き「を用いて」、「カメラ座標系(x1、y1、z1)の原点Oから見た」「波線の2次元格子パターン」又は「直線状の2次元格子パターン」の「計測用パターン21の投影像」のずれ及びその向きとして表される「パターンプロジェクタ20」の位置と向きを「算出」する、「自己キャリブレーション」を「行」うことは、 本件補正発明の「ii)3Dカメラ座標系における前記特徴の位置および向きを、ならびにこれにより、3Dカメラ座標系における前記カメラ焦点からの前記光平面のずれ及びその向きとして表される光平面生成モジュールの位置および向きを判定する、カメラ姿勢推定方法を実行すること」に相当する。 (ク)「iii)」について (ク-1)引用発明(【0040】、【0041】)は、「例えば、パターンプロジェクタ20の投影中心の位置をP1とし、撮像光学系30の撮像中心をP2とし、計測用パターン21の投影像を含む投影光は、位置P1からターゲットT(観察部位)に投影され、ターゲットT上にも計測用パターン21の投影像が投影され、ここで、計測用パターン21の投影像が投影されたターゲットT上の特定の点Pに着目すると、ターゲットT上の点Pが、投影像の投影方向に沿った奥行きd1からdだけ奥の奥行きd2に変化した場合には、位置P2にある撮像光学系30には、点P上のパターンがずれるように見え、アクティブステレオ法は、このパターンの位置ずれに基づいて、三角測量の原理を利用して、ターゲットTの各点の奥行きdを計測」するものであるから、引用発明の「算出部52」は、「撮像光学系30で撮像された画像データにおける」「2次元格子(計測用パターン21の投影像)の各格子点の位置ずれ量」を「算出」するものである。すなわち引用発明の「算出部52」は、「計測用パターン21の投影像が投影されたターゲットT上の」「各格子点」の、「カメラ座標系(x1、y1、z1)」における「位置ずれ」後の座標を「算出」するものといえる。また、引用発明の「計測用パターン21の投影像が投影されたターゲットT上の」「各格子点」及び「『位置ずれ』後の座標」は、それぞれ、本件補正発明の「前記光平面と前記物体との交差によって形成された曲線上のピクセル」及び「厳密な座標」に相当する。 (ク-2)上記(ク-1)を踏まえると、 引用発明の「計測用パターン21の投影像が投影されたターゲットT上の」「各格子点」の、「カメラ座標系(x1、y1、z1)」における「位置ずれ」後の座標を「算出」することは、 本件補正発明の「iii)前記光平面と前記物体との交差によって形成された曲線上のピクセルの、前記3Dカメラ座標系における厳密な座標を判定すること」に相当する。 (ケ)「iv)」について (ケ-1)引用発明(【0064】、【0071】)の「算出部52」は、「撮像光学系30で撮像された画像データにおける」「2次元格子(計測用パターン21の投影像)の各格子点の位置ずれ量に基づいて、観察部位(ターゲットT)の3次元形状、あるいはその大きさを正確に計測」することから、引用発明の「算出部52」は、「計測用パターン21の投影像が投影されたターゲットT上の」「各格子点」の、「算出」された「カメラ座標系(x1、y1、z1)」における「位置ずれ」後の座標を使用して、「観察部位(ターゲットT)の3次元形状、あるいはその大きさを正確に計測」するといえる。 (ケ-2)上記(ケ-1)を踏まえると、 引用発明の「計測用パターン21の投影像が投影されたターゲットT上の」「各格子点」の、「算出」された「カメラ座標系(x1、y1、z1)」における「位置ずれ」後の座標を使用して、「観察部位(ターゲットT)の3次元形状、あるいはその大きさを正確に計測」することは、 本件補正発明の「iv)前記画像における前記ピクセルの既知の3Dカメラ座標を使用して、前記物体の実際の寸法を判定すること」に相当する。 オ 小括 以上のとおり、上記エでの対比からすると、本件補正発明と引用発明との間に実質的な相違点はない。 したがって、本件補正発明は、引用発明である、又は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 カ 審判請求書における主張 (ア)請求人の主張 請求人は、審判請求書の【本願発明が特許されるべき理由】の欄において、以下の主張をする。 「(2)本願発明1は、引用文献に記載の発明に対し新規性を有すること 補正前の請求項5は、引用文献2(特願2017-023562号公報)に対して新規性を欠くと認定されております。引用文献2は、本願発明1に係る光平面生成モジュールの使用、その先端に識別性のある特徴を有する光平面生成モジュールの使用、又は内視鏡カメラにより撮影された画像内に見える物体の寸法の正確な測定を行うための光平面生成モジュールの使用を開示しておりません。したがって、引用文献2は、補正後の請求項1が備える、前文、a)、b)、c)、i)、ii)、iii)に係る構成を開示しておりません。よって、本願発明1は、新規性を有します。 (3)本願発明1は、引用文献に記載の発明に対し進歩性を奏すること 引用文献1は、本願発明1に係る光平面生成モジュール、その先端に識別性のある特徴を有する光平面生成モジュール、又は内視鏡カメラにより撮影された画像内に見える物体の寸法の正確な測定を行うための光平面モジュールの使用を開示しておりません。したがって、引用文献1は、補正後の請求項1が備える、前文、a)、b)、c)、i)、ii)、iii)に係る構成を開示しておりません。 示しておりません。したがって、引用文献1は、補正後の請求項1が備える、前 前述のとおり、引用文献2は、補正後の請求項1が備える、前文、a)、b)、c)、i)、ii)、iii)に係る構成を開示しておりません。 引用文献5は、本願と同一の発明者及び出願人を有する特許出願に係る公報である。引用文献5と、本願発明1との主な相違点は、光平面生成モジュールの先端の特徴です。引用文献5は、本願発明1の特徴である、a)、b)、i)を開示しておりません。 引用文献5に記載された発明に対する本願発明1の進歩性は、光平面発生モジュールの先端で可視となる識別性のある特徴により、以下のことが可能になることにより示されます。 a) 引用文献5で要求されるような事前の較正ステップなしに正確な測定が提供されること、及び b) 引用文献5のように内視鏡カメラに対して先端の位置と向きが固定されないこと さらに、引用文献1、2、及び5は、これら個々に又はこれらを組み合わせて、内視鏡カメラにより撮影された画像に見える物体の寸法の正確な測定を行う方法において、その先端に識別性のある特徴を有する光平面生成モジュールを使用することを開示及び示唆しておりません。すなわち、引用文献のいずれもが、本願発明1の特徴a)、b)及びi)を開示及び示唆しておりません。 このように、本願発明1は、全ての引用文献に開示されない構成を備えるとともに、これによる有利な効果を備えます。つまり、本願発明1は全ての引用文献に対して新規性及び進歩性を有します。」 (イ)当審の見解 上記(ア)の主張について検討する。 上記ウ~オで説示したとおり、補正後の請求項1に係る発明(本件補正発明)は、引用文献2に記載された発明(引用発明)である、又は、引用文献2に記載された発明(引用発明)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記(ア)についての請求人の主張は採用できない。 キ 独立特許要件のまとめ 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明である、又は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、同法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件に違反するものであり、同法159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3 本件補正についてのむすび 上記2(1)及び(2)で検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第5項及び同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。 第3 本件補正前請求項1に係る発明について 1 本件補正前請求項1に係る発明 令和5年11月20日にされた手続補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~10に係る発明は、令和5年4月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1(本件補正前請求項1)に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前請求項1に記載された事項により特定される、上記第2の1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶理由 本願発明に関する原査定の拒絶の理由については、第2の2(2)イのとおり、本願発明は、引用文献2に記載された発明である、又は、引用文献2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、第29条第2項の規定により、特許を受けることができない、という理由を含むものである。 3 引用文献2 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2の記載等は、上記第2の2(2)ウに記載したとおりである。 4 対比 本願発明と引用発明とを対比する。なお、本件補正発明との対比において説明した事項については省略する。 (ア)前文について 引用発明の「3次元形状計測装置100」において手動操作される「パターンプロジェクタ20」の、「カメラ座標系(x1、y1、z1)の原点Oから見た」位置と向きを「撮像光学系30によって撮像された画像」において「算出」するための、「コントローラ50」が「備え」る「画像処理部50B」により実行される「3次元形状計測方法」は、 本願発明の「手動操作される内視鏡器具の、カメラ焦点に対する位置および向きを内視鏡画像において判定するための、プロセッサデバイスにより実行される方法」に相当する。 (イ)「a)」について 引用発明の「コントローラ50」が「備え」る「画像処理部50B」においてソフトウェアを動作させることであって、「3次元形状計測装置100」において手動操作される「パターンプロジェクタ20」の「先端」に「形成され」た識別性のある「マークM」を、「撮像光学系30によって撮像された画像」においてソフトウェアが特定するように構成され、この「マークM」は、「3次元形状計測装置100」において手動操作される「パターンプロジェクタ20」の顕著な「マークM」であることは、 本願発明の「a)前記プロセッサデバイスにおいてソフトウェアを動作させることであって、前記手動操作される内視鏡器具の先端上の特徴を前記画像において前記ソフトウェアが識別するように構成され、前記特徴は、前記手動操作される内視鏡器具の前記先端の顕著な特徴、または前記先端の表面上に形成された印設もしくは刻設された姿勢パターンの特徴のうちの少なくとも1つである、動作させること」に相当する。 (ウ)「b)」について 引用発明の「カメラ座標系(x1、y1、z1)」における「マークM」の位置と向きを「算出」し、「算出」された「マークM」の位置と向き「を用いて」、「3次元形状計測装置100」において手動操作される「パターンプロジェクタ20」の位置と向きを、「コントローラ50」が「備え」る「画像処理部50B」及びソフトウェアが「算出」する「自己キャリブレーション」を「行」うように、「コントローラ50」が「備え」る「画像処理部50B」においてソフトウェアを動作させることは、 本願発明の「b)3Dカメラ座標系における前記特徴の位置および向きを、ならびにこれにより前記手動操作される内視鏡器具自体の位置および向きをプロセッサデバイスおよびソフトウェアが判定するカメラ姿勢推定方法を実行するように、前記プロセッサデバイスにおいてソフトウェアを動作させること」に相当する。 (エ)「A)」及び「B)」について (エ-1)引用発明の「3次元形状計測方法」は、「3次元形状計測装置100」において手動操作される「パターンプロジェクタ20」の位置と向きを「算出」するために、「3次元形状計測装置100」において手動操作される「パターンプロジェクタ20」の「先端」に「形成され」た識別性のある「マークM」を用い、「3次元形状計測装置100」において手動操作される「パターンプロジェクタ20」の位置と向きが、「カメラ座標系(x1、y1、z1)」において直接「算出」されるものである。そして、引用発明の「3次元形状計測方法」は、「3次元形状計測装置100」において「パターンプロジェクタ20」の位置と向きを「算出」するために、カメラの視野内の基準面に強固に取り付けられたマーカーは必要としない。 よって、引用発明は、本願発明の「A) 前記方法は、前記手動操作される内視鏡器具の位置および向きを決定するために、前記手動操作される内視鏡器具の先端上における前記画像の特徴に加えて、前記カメラの視野内の基準面に強固に取り付けられたマーカーを必要とせず、B) 前記手動操作される内視鏡器具の位置および向きが、3Dカメラ座標系において直接決定される」ことに相当する構成を備えているといえる。 (エ-2)請求人の主張 請求人は、令和5年4月20日提出の意見書の「(3)本願発明と引用発明との対比」の欄において、以下の主張をする。 「ア 引用文献1を主引例としたときに、本願発明1は進歩性を有すること 引用文献1による方法を実行するためには、WMとTMが画像内で同時に見えている必要があります。このことは、引用文献1の多くの箇所に開示されており、例えば、段落[0063]~[0064]には、以下の3段階のプロセスが記載されています。始めに、ワールド座標をカメラ座標に変換する4x4行列が求められ、2番目に、TM座標をカメラ座標に変換する4x4行列が求められ、そして最後に、「WMとTMの両方が画像内で同時に見える場合、カメラフレーム内のワールドマーカーとツールマーカーの3Dポーズを推定し、ワールド座標系におけるツールまたは器具の位置をわかりやすく求め」られます。 以上から、本願発明1と引用文献1は、以下の点において相違します。 相違点1-1 引用文献1は、基準面に強固に取り付けられたWMと、手術用具に固く取り付けられたTMの2つのマーカーを使用することを必要とする一方で、本願発明1の方法は、手動操作される内視鏡器具の先端のみを必要とする点。 相違点1-2 引用文献1では、関心対象に対するツールの位置は、世界座標系、例えばWMの座標系で決定される一方で、本願発明1では、ツールの位置と向きがカメラの座標系で与えられる点。 そして、これらの相違点により、本願発明1は、以下の効果を奏します。 i. 引用文献1の方法では、WMを設置するという追加の作業が作業者に必要です。しかしながら、本願発明1は、この追加の作業を必要としません。 ii. 引用文献1の方法では、カメラの視野内に、WMを取り付け可能な剛体の構造物を必要とします。しかしながら、本願発明1は、視野内にそのような剛体の構造物を必要としません。そのため、測定対象物に関する制約が少なくなると共に、測定が容易になります。 iii. 引用文献1の方法では、WMと工具上のマーカーの両方がカメラ画像内で見えることが必要です。しかしながら、本願発明1では、2つのマーカーがカメラ画像内で見える必要がなく、測定が容易になります。 iv. 本願発明1が意図する非外科的用途、例えばジェットエンジンのタービンブレードの検査に引用文献1の方法を適用することを考える場合、ブレードにアクセスしてWMを取り付けることができないため、引用文献1の方法はこのような用途に対して実行不能です。 v. 引用文献1の方法は、異なる3D座標系間で数値を変換するために、多くの計算ステップを必要とするのに対し、本願発明1は、単一の座標系で全ての計算を行います。これにより、本願発明1は、引用文献1の方法と比較して非常に少ない計算ステップで実行可能です。 以上から、引用文献1は、本願発明1に係る2つの本質的な特徴、すなわち、画像中の手動操作される内視鏡器具の先端という特徴と、カメラ座標系で決定される位置と向きの特徴のどちらも開示しておらず、本願発明1は、これによる前述した有利な効果を奏します。よって、本願発明1は、新規性及び進歩性を有します。」 この主張を踏まえると、本願発明の「A)」及び「B)」については、引用文献1に記載された発明との構成上の差異を明らかにするために追加された構成であると考えられる。しかしながら、引用発明は、引用文献1ではなく引用文献2の記載事項から認定した発明であり、引用発明が本願発明の「A)」及び「B)」の構成を備えていることは、上記(エ-1)で説示したとおりである。 5 小括 以上のとおり、上記4での対比からすると、本願発明と引用発明との間に実質的な相違点はない。 したがって、本願発明は、引用発明である、又は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明及び原査定における他の拒絶の理由について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-019608

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