商標拒絶査定不服審判
2022-006854
ウエルネスモットジブンラシクオオーエンスル、ウエルネス、モットジブンラシクオオーエンスル
- 審判番号
- 2022-006854
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-042089
- 請求日
- 2022年05月09日
- 審決日
- 2023年06月27日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ネオファースト生命保険株式会社
- 【請求人代理人】蔵田 昌俊
- 【請求人代理人】小出 俊實
- 【請求人代理人】幡 茂良
- 【請求人代理人】橋本 良樹
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .261-Z (W3641) / T18 .262-Z (W3641) / T18 .263-Z (W3641)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-42089拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年4月7日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年7月2日付け:手続補正書
令和3年9月1日付け:拒絶理由通知書
令和3年10月18日付け:意見書、手続補正書
令和4年2月3日付け:拒絶査定
令和4年5月9日付け:審判請求書、手続補正書
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類、第16類、第28類、第35類、第36類、第41類、第42類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものであり、その後、上記第1の手続補正書により、指定商品は削除され、指定役務については、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」及び第41類「セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与」に補正されたものである。
第3 引用商標
本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、現に有効に存続しているものである。
1 登録第4002045号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「ウェルネス」の片仮名を横書きしてなる商標
登録出願日:平成4年9月28日
設定登録日:平成9年5月23日
指定役務 :第36類「生命保険の引受け,有価証券の売買,有価証券の売出し,有価証券の募集」
2 登録第5164731号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成19年3月28日
設定登録日:平成20年9月5日
指定役務 :第41類「当せん金付証票の発売,技芸・スポーツ又は知識の教授,献体に関する情報の提供,献体の手配,セミナーの企画・運営又は開催,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,運動用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,書画の貸与,写真の撮影,通訳,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具の貸与」
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。
第4 当審の判断
1 本願商標について
(1)本願商標は、別掲1のとおり、上段に、紫色で「Wellness」の欧文字を顕著に横書きし(以下「上段文字部分」という場合がある。)、その周りに同系色にて直線と曲線や円図形などを組み合わせた図形等(以下「上段図形部分」という場合がある。)を配し(以下これら「上段文字部分」と「上段図形部分」をまとめて「上段部分」という場合がある。)、下段に、上段部分の5分の1以下の大きさで、桃色で「~“もっと自分らしく”~」及び黒色で「を応援する。」の平仮名、漢字及び記号(以下「下段文字部分」という場合がある。)を小さく横書きしてなる結合商標である。
(2)本願商標の構成中、下段文字部分は、上段部分に比して、5分の1以下の大きさで小さく表され、「もっと自分らしくする人などを応援する」程度の意味合いを想起させるものである。
(3)本願商標を構成する上段部分のうち、上段図形部分は、具体的に何を描いてなるか明らかではなく、装飾的に表されているものであるから、当該図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものとみるのが相当である。
そして、上段部分のうち、「Wellness」の文字(上段文字部分)は、「健康であること。」(ベーシックジーニアス英和辞典第2版(株式会社大修館書店))や「健康。積極的に心身の健康維持・増進を図ろうとする生活態度・行動。」(大辞泉第二版(株式会社小学館))の意味を有する語であり、本願の指定役務との関係において、当該役務の質(内容)等を表すものであるなど、自他役務を識別する機能を果たし得ないとみるべき事情は見られないものである。
したがって、本願商標の上段部分は、その構成文字に相応して「ウェルネス」の称呼及び「健康であること」程の観念を生じるというのが相当である。
(4)本願商標の構成全体から生じる「ウェルネスモットジブンラシクオオウエンスル」の称呼は極めて冗長である。
そして、本願商標の構成中、下段文字部分は、上記(2)のとおり、「もっと自分らしくする人などを応援する」程の意味合いを想起させるものであり、これと、上段部分とは、観念上又は称呼上のつながりはなく、各段部分は、改行により段を変え、文字等の大きさと色を異にし、重なること無く間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることからすれば、各段部分を分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難いものである。
(5)本願商標の構成においては、上段の「Wellness」の文字が、本願商標全体の8割以上を占めた大きさで、一際大きく表されているものであって、当該文字は、本願商標のほぼ中央部に相当範囲を占め、相応に目立つ態様で、極めて読みとり易く表され、独立して看る者の注意をひくように構成されている。
(6)これらの事情を総合すると、本願商標の構成において、「Wellness」の文字は、本願商標の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、当該文字部分を要部として抽出し、これを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その全体のほか、その要部である「Wellness」の構成文字に相応して、「ウェルネス」の称呼及び「健康であること」程の観念をも生じるものというのが相当である。
2 引用商標1について
引用商標1は、「ウェルネス」の片仮名を横書きしてなるところ、当該文字は、上記1(3)のとおり、「健康であること」等の意味を有する語であり、その構成文字に相応して「ウェルネス」の称呼及び「健康であること」程の観念を生じるものというのが相当である。
3 引用商標2について
(1)引用商標2は、別掲2のとおり、上段に、主として青色で、「WELLNESS」の欧文字を、ややデザイン化した態様で顕著に横書きし(「E」の文字の上部横線のみ赤色。以下「引用上段部分」という場合がある。)、その四隅に同じ青色で曲線を配し、下段に、「近畿大学学園学生健保共済会」の漢字を(以下「引用下段部分」という場合がある。)、黒色で一般的に用いられる書体にて横書きしてなる結合商標である。
(2)引用商標2の構成中、「WELLNESS」の文字は、上記1(3)のとおり、「健康であること」等の意味を有する語であるのに対し、「近畿大学学園学生健保共済会」の文字からは、「近畿大学に属する学生のための健康保険に関する組織」程の意味合いが想起されるというのが相当である。
(3)引用商標2の構成全体から生じる「ウェルネスキンキダイガクガクエンガクセイケンポキョウサイカイ」の称呼は極めて冗長である。
(4)引用商標2の構成中、引用上段部分と引用下段部分とは、観念上又は称呼上のつながりはなく、改行により段を変え、その構成文字や書体、文字の種類、色、デザイン化の有無、大きさ等を異にし、重なること無く間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることからすれば、各段部分を分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものではなく、他に、それらを常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情は見いだせないものである。
(5)これらの事情を総合すると、引用商標2の構成において、引用上段部分と引用下段部分とがそれぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすというのが相当であり、各文字部分を抽出し、その部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、引用商標2は、その全体のほか、その要部の一である「WELLNESS」の構成文字に相応して、「ウェルネス」の称呼及び「健康であること」程の観念をも生じるというのが相当である。
4 本願商標と引用商標との類否について
(1)本願商標と引用商標1とは、外観において、全体としては相違するものの、本願商標の要部である「Wellness」と引用商標1との比較において、我が国において、商標の構成文字を、同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われていることを考慮すれば、本願商標の「Wellness」の文字部分と引用商標1は、それぞれの文字を置き換えたものとして、取引者、需要者に認識されるものである。
これらを踏まえると、本願商標と引用商標1の外観は、看者に対して別異のものであると思わせるような顕著な差異を有するものとはいえず、むしろ、時と所を異にして接したときには、取引者、需要者に同一の出所を表示したものと認識させるというべきであるから、両商標は、外観において近似した印象を与えるものである。
また、両商標はいずれも「ウェルネス」の称呼及び「健康であること」程の観念を共通にするものである。
(2)本願商標と引用商標2とは、外観において、全体としては相違するものの、本願商標の要部である「Wellness」の文字部分と引用商標2の要部である「WELLNESS」の文字部分は、綴り字を同じくするものであるから、両者は外観上、近似した印象を与えるものといえる。
また、両商標はいずれも「ウェルネス」の称呼及び「健康であること」程の観念を共通にするものである。
(3)以上によれば、本願商標と、引用商標1及び引用商標2との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を共通にする両商標は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
5 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
(1)本願の指定役務中の第36類の指定役務と、引用商標1の指定役務中の第36類「生命保険の引受け」は、同一又は類似の役務と認められる。
(2)本願の指定役務中の第41類の指定役務と、引用商標2の指定役務中の第41類「セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧」は、同一又は類似の役務と認められる。
6 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
7 請求人の主張について
(1)請求人は、「Wellness」の語は、「健康」の意味のみならず、「健康を前向きに捉え、今ある健康を基盤に、より健康、より美しく輝く人生を志向している状態」の意味を表す言葉として注目されているものであり、多岐にわたる分野(飲食業界、美容業界、観光業界、ウェルネス金融、保険、ウェルネス住宅など)が含まれる「ウェルネス産業」が、近年、世界的に急拡大を続けているところ、保険業界においては、健康を前向きに捉え、今ある健康を基盤に、より健康、より美しく輝く人生を志向するという「Wellness」の概念に合致した、定期的な健康診断で一定の基準を満たしている等、健康になるような行動をとると保険料が割り引かれ、還付金を受け取ることができる「健康増進型保険」という保険のカテゴリーが定着しているから、本願の指定役務との関係において、本願商標の構成中、「Wellness」の文字部分は、その役務の質、効能等の役務の内容を端的に表しているものであり、独立して自他役務の識別機能を果たさず、要部とはなり得ないものであって、本願商標において、「Wellness」の文字のみを捉え、その称呼及び観念が生じるようなことはなく、本願商標と引用商標とは非類似である旨主張している。
請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、「ウェルネス」の語が近年、注目を集めてきており、「ウェルネス」の概念や志向を意識した各種の商品や役務の提案がなされ、それらを紹介する際に、ウェルネスビジネス、ウェルネス産業、ウェルネス住宅などの語が使用され、それらがウェルネスの概念や志向を意識したものであることが示されていることがうかがえる。
しかしながら、本願商標の指定役務は、第36類「生命保険の引受け」等や第41類「セミナーの企画・運営又は開催」等であり、その需要者は、幅広い層に及び、生命保険に加入する者や、セミナーに参加する者など、一般の消費者が含まれるところ、請求人が挙げた証拠は、本願役務の需要者全般における「Wellness」の文字に対する一般的な認識を示すものとは言い難いものであるし、当該証拠からは、「Wellness」の文字が、本願役務の質、効能等の役務の内容を端的に表す語として一般的に認識されているものであると見いだすことはできない。
また、仮に、請求人のいう「Wellness」の概念に合致した「健康増進型保険」という保険のカテゴリーが定着しているとしても、当該カテゴリーが定着していることは、「Wellness」の文字が、本願の指定役務との関係において、自他役務を識別する機能を果たし得ないと認めるに足りる事情とはいえない。
(2)請求人は、他の登録例や審決例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張している。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの登録例や審決例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記6においてした判断のとおりであるから、それらの登録例や審決例をもってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
8 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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