商標拒絶査定不服審判
2022-007040
ウエルネスコーチング、ウエルネス
- 審判番号
- 2022-007040
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-106720
- 請求日
- 2022年05月11日
- 審決日
- 2024年02月28日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社Think The Wellness
- 【請求人代理人】原田 貴史
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .13 -Z (W41) / T18 .272-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-106720拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ウェルネスコーチング」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,コーチング(訓練),個人に対する知識の教授,ノウハウの伝授(訓練),研修会の手配及び管理,セミナーの手配及び運営,セミナーの企画・運営又は開催,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,インターネットを利用して行う音楽の提供,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,教育上の試験の実施」を指定役務として、令和3年8月27日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年10月26日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月3日に意見書が提出されたが、同4年2月14日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年5月11日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標の構成中の「ウェルネス」の文字は「心身ともに良好な状態。」の意味を、「コーチング」の文字は「コーチすること。指導・助言すること。」の意味をそれぞれ有する語であり、「ウェルネスコーチング」と称して、心身ともに良好な状態を目指して行うサポート、支援及び指導が一般に行われている実情があることを踏まえると、本願商標は全体として「心身ともに良好な状態を目指して行う指導」ほどの意味合いを容易に理解させ、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該指導に関する役務であることを認識するにとどまり、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、当該指導に関するもの以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」について商標登録の要件を欠くと規定しているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、商標が、指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、商標が指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標が当該指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであれば足りるものであって、必ずしも当該商標が現実に当該指定役務に使用されていることを要しないと解される(知財高裁令和3年(行ケ)第10100号同4年5月19日判決)。
そして、当該商標が当該指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、役務の質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10113号同4年1月25日判決、知財高裁令和4年(行ケ)第10002号同年6月16日判決)。
2 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「ウェルネスコーチング」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字及び意味合いからして、「心身ともに良好な状態。」(広辞苑第7版)を意味する「ウェルネス」の文字(語)と「(1)コーチすること。指導・助言すること。(2)本人が自ら考え行動する能力を、コーチが対話を通して引き出す指導術。」(前掲書)を意味する「コーチング」の文字(語)からなると容易に認識されるものである。
そして、別掲1のとおり、インターネット上のウェブサイトにおいて、「ウェルネスコーチング」の語が「心身ともに健康でイキイキといきるためのコーチング」、「病気の方は病気を創り出している信じ込みが多くあることが分かっています。この信じ込みを逆手にとって、心の健康に活かしていくのが、ウェルネスコーチング」、「ライフスタイル、食習慣、生活習慣、ストレスなど、ヒトの生物生理学的機能に影響をおよぼす全ての要因に焦点を当て、ウェルビーイングな状態に導くサポート」、「「心と身体の健康」を扱うウェルネスコーチング」のように紹介されていることが認められる。
また、別掲2のとおり、「ウェルネスコーチング」の語がセミナーのテーマや会社の事業内容として使用されていることも認められる。
以上のとおり、本願商標を構成する各文字(語)の意味及び取引の実情からすると、「ウェルネスコーチング」の語は、明確な定義はないものの、「心身ともに健康になるためのコーチング」といった意味合いを表す語として事業者に使用され、かつ、需要者にも当該意味合いの語として認識されているとみるのが相当である。
そうすると、「ウェルネスコーチング」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務中、当該コーチング、又は当該コーチングに関する役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者によって、「心身ともに健康になるためのコーチング」といった意味合いを認識され、当該コーチング、又は当該コーチングを内容とする役務であるという役務の質を表示したものと一般に認識されるというべきである。
また、本願商標は、標準文字からなるものであるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、当該コーチング、又は当該コーチングに関する役務以外の指定役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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