特許拒絶査定不服審判
2022-004700
表示装置
- 審判番号
- 2022-004700
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-115120外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月30日
- 審決日
- 2022年12月19日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三星ディスプレイ株式會社
- 【請求人代理人】弁理士法人共生国際特許事務所
- 分類
- P18 .575-Z (G09F) / P18 .121-Z (G09F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-115120「表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年12月21日出願公開、特開2017-223949〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年6月12日(パリ条約による優先権主張 2016年6月16日 韓国)に出願された特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和3年 4月19日付け:拒絶理由通知書
同年 7月27日 :意見書、手続補正書の提出
同年11月22日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月30日 :原査定の謄本の送達)
令和4年 3月30日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年 6月 1日付け:前置報告書
同年 8月12日 :上申書の提出
第2 令和4年3月30日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年3月30日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 本件補正の内容
令和4年3月30日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について補正するものであり、次の(1)に示す本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載を、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正するものである。下線は補正箇所を示す。
(1) 本件補正前の請求項1
「 【請求項1】
ベース層、前記ベース層の上に配置された回路層、前記回路層の上に配置された発光素子層、及び前記発光素子層の上に配置された薄膜封止層を含む有機発光表示パネルと、
前記薄膜封止層の上に配置され、それぞれが列方向に並べられたセンサブロックを含み、前記列方向と交差する行方向に沿って並べられた第1及び第2センサ列、及び前記センサブロックに連結されたタッチ信号ラインを含むタッチ感知ユニット(touch sensing unit)と、を含み、
前記センサブロックそれぞれは、
第1センサと、
前記列方向に並べられたi個(ここで、iは2以上の自然数)の第2センサと、を含み、
前記タッチ信号ラインは、
前記センサブロックの第1センサにそれぞれ連結された第1タッチ信号ラインと、
前記センサブロックのうちn番目のセンサブロックの前記i個の第2センサのうちj番目(ここで、jは1以上でi以下の自然数)の第2センサと、前記センサブロックのうちn+1番目のセンサブロックの前記i個の第2センサのうちi-j+1番目の第2センサを連結する第2タッチ信号ラインと、
前記第2タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサに連結された一つの第2タッチ信号ラインと前記第2タッチ信号ラインのうち第2センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサとに連結された他の一つの第2タッチ信号ラインに連結されるか、又は、前記第1タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記第1センサに連結された一つの第1タッチ信号ラインと前記第1タッチ信号ラインのうち前記第2センサ列の第1センサブロックの前記第1センサとに連結された他の一つの第1タッチ信号ラインに連結される、第3タッチ信号ラインと、を含み、
前記回路層は、前記ベース層の上に配置された第1信号ライン、前記第1信号ラインの上に配置された第1層間絶縁層、前記第1層間絶縁層の上に配置された第2信号ライン、及び前記第1信号ラインまたは前記第2信号ラインと同じ層に直接配置されたダミー導電ラインを含み、
前記ダミー導電ラインは非表示領域に配置され、
前記一つの第1タッチ信号ライン、前記他の一つの第1タッチ信号ライン、前記一つの第2タッチ信号ライン、及び前記他の一つの第2タッチ信号ラインのうち前記第3タッチ信号ラインに連結されていない信号ラインは前記第3タッチ信号ラインと同じ層の上に配置され、
前記第3タッチ信号ラインに連結されていない前記信号ラインと前記第3タッチ信号ラインのうちいずれか一つは前記ダミー導電ラインに連結されたことを特徴とする表示装置。」
(2) 本件補正後の請求項1
「 【請求項1】
ベース層、前記ベース層の上に配置された回路層、前記回路層の上に配置された発光素子層、及び前記発光素子層の上に配置された薄膜封止層を含む有機発光表示パネルと、
前記薄膜封止層の上に配置され、それぞれが列方向に並べられたセンサブロックを含み、前記列方向と交差する行方向に沿って並べられた第1及び第2センサ列、及び前記センサブロックに連結されたタッチ信号ラインを含むタッチ感知ユニット(touch sensing unit)と、を含み、
前記センサブロックそれぞれは、
第1センサと、
前記列方向に並べられたi個(ここで、iは2以上の自然数)の第2センサと、を含み、
前記タッチ信号ラインは、
前記センサブロックの第1センサにそれぞれ連結された第1タッチ信号ラインと、
前記センサブロックのうちn番目のセンサブロックの前記i個の第2センサのうちj番目(ここで、jは1以上でi以下の自然数)の第2センサと、前記センサブロックのうちn+1番目のセンサブロックの前記i個の第2センサのうちi-j+1番目の第2センサを連結する第2タッチ信号ラインと、
前記第2タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサに連結された一つの第2タッチ信号ラインと前記第2タッチ信号ラインのうち第2センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサとに連結された他の一つの第2タッチ信号ラインに連結されるか、又は、前記第1タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記第1センサに連結された一つの第1タッチ信号ラインと前記第1タッチ信号ラインのうち前記第2センサ列の第1センサブロックの前記第1センサとに連結された他の一つの第1タッチ信号ラインに連結される、第3タッチ信号ラインと、
前記第3タッチ信号ラインに連結されて、前記列方向に延長された第4タッチ信号ラインと、を含み、
前記回路層は、前記ベース層の上に配置された第1信号ライン、前記第1信号ラインの上に配置された第1層間絶縁層、前記第1層間絶縁層の上に配置された第2信号ライン、及び前記第1信号ラインまたは前記第2信号ラインと同じ層に直接配置されたダミー導電ラインを含み、
前記ダミー導電ラインは非表示領域に配置され、
前記一つの第1タッチ信号ライン、前記他の一つの第1タッチ信号ライン、前記一つの第2タッチ信号ライン、及び前記他の一つの第2タッチ信号ラインのうち前記第3タッチ信号ラインに連結されていない信号ラインは前記第3タッチ信号ラインと同じ層の上に配置され、
前記第3タッチ信号ラインに連結されていない前記信号ラインと前記第3タッチ信号ラインのうちいずれか一つは前記ダミー導電ラインに連結され、
前記第4タッチ信号ラインは、
一端が前記第3タッチ信号ラインに連結されたタッチ配線部と、前記タッチ配線部の他端に連結されたタッチパッド部と、を含み、前記タッチパッド部は前記有機発光表示パネルの信号パッド部と整列されたことを特徴とする表示装置。」
2 本件補正の目的
本件補正は、本件補正前の請求項1の発明特定事項である「タッチ信号ライン」について、「前記第3タッチ信号ラインに連結されて、前記列方向に延長された第4タッチ信号ライン」を含み、かつ、「前記第4タッチ信号ラインは、一端が第3タッチ信号ラインに連結されたタッチ配線部と、該タッチ配線部の他端に連結されたタッチパッド部と、を含み、前記タッチパッド部が有機発光表示パネルの信号パッド部と整列されたこと」を限定するものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
よって、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
3 独立特許要件についての当審の判断
本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するから、本件補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下検討を行う。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。
(2) 引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
ア 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定
(ア) 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された文献である特開2015-176602号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。下線は合議体が付した。以下同様である。
a 段落【0001】~【0028】
「【技術分野】
【0001】
本発明はタッチセンサを含むタッチパネル及びこれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置(organic light emitting diode display、OLED)、液晶表示装置(liquid crystal displayay、LCD)、電気泳動表示装置(electrophoretic display、EPD)などの平板表示装置(flat panel display、FPD)は電界生成電極と電気光学活性層(electro optical active layer)を含む表示パネル(display panel)を含む。電気光学活性層として、有機発光表示装置、液晶表示装置及び電気泳動表示装置のパネルはそれぞれ有機発光層、液晶層及び電荷を帯びた粒子を含む。電界生成電極は薄膜トランジスタなどのスイッチング素子に接続されてデータ信号を受信することができ、電気光学活性層はこのようなデータ信号を光学信号に変換することによって画像を表示する。
【0003】
最近、このような表示装置は、表示パネル(display panel)による映像を表示する機能以外に、使用者との相互作用の可能なタッチ感知機能を含むことができる。タッチ感知機能は、使用者の指やタッチペン(touch pen)などが画面に接触または近接すると、画面に加えた圧力、電荷、光などの変化を感知することによって物体が画面にタッチされたかどうか及びそのタッチ位置などのタッチ情報を生成することである。表示装置はこのようなタッチ情報に基づいて映像信号を受信することができる。
【0004】
タッチ感知機能は、タッチ電極を含む静電容量方式のタッチセンサによって実現できる。例えば、静電容量方式のタッチセンサで、多数のタッチ電極は互いに接続されて、互いに絶縁されている複数のタッチ電極行と複数のタッチ電極列を成すことができ、それぞれのタッチ電極行とタッチ電極列にはタッチ信号線を通じて駆動信号が印加される。タッチセンサはタッチ電極行とタッチ電極列をタッチ電極行とタッチ電極列間に形成される相互静電容量(mutual capacitance)を利用する方式で駆動することができ、タッチ電極行とタッチ電極列それぞれが独自に形成される自己静電容量(self-capacitance)を利用する方式で駆動することができる。しかし、タッチ電極が接続されてタッチ電極行とタッチ電極列を形成するタッチセンサを自己静電容量方式で駆動する場合、電極単位でない電極行及び電極列単位で駆動するため、ゴーストタッチ(ghost touch)によってマルチタッチを感知しない。ゴーストタッチは、実際に
タッチされないタッチパネル上の位置がタッチされたとタッチセンサによって認識されることと理解できる。
【0005】
一方、タッチ電極行とタッチ電極列は単一層または複数の層で形成されてもよい。単一層で形成される場合、通常タッチ電極の個数だけタッチ信号線が形成され、このようなタッチ信号線が占める領域によってタッチ電極の面積が制限されるので、タッチ感度も制限されることがある。
【0006】
タッチセンサが形成されているパネルをタッチパネル(または、タッチセンサパネル、タッチスクリーンパネルなどとも呼ばれる)と言い、タッチセンサ機能を有する表示パネルもタッチパネルと呼ぶ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、相互静電容量方式及び自己静電容量方式で駆動でき、両方式で全てマルチタッチが感知できる電極パターンを有するタッチセンサを含むタッチパネル、そしてこのようなタッチパネルを含む表示装置を提供することである。
【0008】
本発明の目的はまた、タッチ信号線の本数を減すことができるタッチセンサを含むタッチパネル、そしてこのようなタッチパネルを含む表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態による表示装置は、第1方向に配列され、物理的に分離されている複数の第1電極セルをそれぞれ含む複数の第1電極パターンと、第1方向と交差する第2方向に配列され、物理的に分離されている複数の第2電極セルをそれぞれ含む複数の第2電極パターンと、前記複数の第1電極セルに接続されている複数の第1タッチ信号線と、前記複数の第2電極セルに接続されている複数の第2タッチ信号線とを含む。前記第1及び第2電極パターン及び第1及び第2タッチ信号線は全て基板上に同一層に位置し、それぞれの第1電極セルに第1タッチ信号線が独立的に接続されている。
【0010】
第1方向に隣接する第1電極セルと第2電極セルは相互静電容量方式のタッチセンサを形成し、それぞれの第1電極セルは自己静電容量方式のタッチセンサを形成することができる。
【0011】
それぞれの第1電極パターンはm個(ここで、mは1より大きい整数)の第1電極セルを含み、前記m個の第1電極セルはm本の第1タッチ信号線に一対一対応関係で接続されていてもよい。
【0012】
互いに異なる第2電極パターンに属する複数の第2電極セルが第2タッチ信号線によって第2方向に接続されていてもよい。
【0013】
それぞれの第1電極セルは、隣接するn個(ここで、nは1より大きい整数)の第2電極セルと対を成してもよく、いずれか一つの第1電極セルと対を成す第1グループの第2電極セルは前記いずれか一つの第1電極セルと第2方向に隣接する第1電極セルと対を成す第2グループの第2電極セルとn本の第2タッチ信号線によって一対一対応関係で接続されていてもよい。
【0014】
前記第1グループの第2電極セルは前記第2グループの第2電極セルと互いに近い順に対を成して接続されていてもよい。
【0015】
それぞれの第2電極パターンに含まれる複数の第2電極セルは電気的に接続されていてもよい。
【0016】
それぞれの第2電極パターンに含まれる複数の第2電極セルは電気的に分離可能に接続されていてもよい。
【0017】
前記第1及び第2電極パターン及び第1及び第2タッチ信号線は透明な導電物質、導電性ナノワイヤー、またはメタルメッシュから形成されていてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態による表示装置は、複数の画素を含む表示パネル;複数のタッチセンサを含むタッチパネル;前記表示パネルを制御する表示制御部;及び前記タッチパネルを制御するタッチセンサ制御部;を含む。前記タッチパネルは、第1方向に配列され、物理的に分離されている複数の第1電極セルをそれぞれ含む複数の第1電極パターン;第1方向と交差する第2方向に配列され、物理的に分離されている複数の第2電極セルをそれぞれ含む複数の第2電極パターン;前記複数の第1電極セルに接続されている複数の第1タッチ信号線;及び前記複数の第2電極セルに接続されている複数の第2タッチ信号線;を含む。前記第1及び第2電極パターン及び第1及び第2タッチ信号線は全て基板上に同一層に位置し、それぞれの第1電極セルに第1タッチ信号線が独立的に接続されている。
【0019】
第1方向に隣接する第1電極セルと第2電極セルは相互静電容量方式のタッチセンサを形成し、それぞれの第1電極セルは自己静電容量方式のタッチセンサを形成することができ
る。
【0020】
それぞれの第1電極パターンはm個(ここで、mは1より大きい整数)の第1電極セルを含み、前記第1電極セルはm本の第1タッチ信号線に一対一対応関係で接続されていてもよい。
【0021】
互いに異なる第2電極パターンに属する複数の第2電極セルが第2タッチ信号線によって第2方向に接続されていてもよい。
【0022】
それぞれの第1電極セルは隣接するn個(ここで、nは1より大きい整数)の第2電極セルと対を成してもよく、いずれか一つの第1電極セルと対を成す第1グループの第2電極セルは前記いずれか一つの第1電極セルと第2方向に隣接する第1電極セルと対を成す第2グループの第2電極セルとn本の第2タッチ信号線によって一対一対応関係で接続されていてもよい。
【0023】
前記第1グループの第2電極セルは前記第2グループの第2電極セルと互いに近い順に対を成して接続されていてもよい。
【0024】
それぞれの第2電極パターンに含まれる複数の第2電極セルは電気的に互いに接続されていてもよい。
【0025】
それぞれの第2電極パターンに含まれる複数の第2電極セルを電気的に分離させることができるスイッチング部をさらに含んでもよい。
【0026】
前記第1及び第2電極パターン及び第1及び第2タッチ信号線は透明な導電物質、導電性ナノワイヤー、またはメタルメッシュから形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によるタッチパネルは、相互静電容量方式及び自己静電容量方式で駆動することができ、二つの方式で全てマルチタッチを感知することができる。
【0028】
また、タッチ電極とタッチ信号線が全て一つの層で形成される構造でタッチ信号線の本数を減すことができるので、タッチ電極の領域を増加させることができ、その結果、タッチ感度を向上させることができる。」
b 段落【0047】~【0060】、【図2】
「【0047】
以下、タッチ信号線の結線に関連して、図2乃至図5を参照して詳細に説明する。
【0048】
図2乃至図5は本発明の数個の実施形態によるタッチパネルの一部を示す図である。
【0049】
まず、図2に示すように、第1電極セルと第2電極セル、そしてこれに接続される第1タッチ信号線と第2タッチ信号線をそれぞれ含むカラムC1、C2、...が示される。タッチパネル10で、このようなカラムC1、C2、...は同一なパターンで横方向に所定個数存在する。第1及び第2電極パターンA、Bの配置は図1に示されたものと実質的に同一であるが、第1電極セルa11、a12、...、a1n;a21、a22、...、a2nが縦方
向にn個配置される形式に示した。
【0050】
第1カラムC1には、一つの第1電極パターンAの第1電極セルa11、a12、...、a1n、そして互いに異なる第2電極パターンBの第2電極セルb111、b112、...、b1n3が配置されている。また、第1カラムC1で、第1電極セルa11、a12、...、a1nには第1タッチ信号線la11、la12、...、la1nが接続されており、第2電極セルb111、b112、...、b1n3には第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13が接続されている。このような配置及び接続は第2カラムC2、...でも同一に適用される。即ち、第2カラムC2には一つの第1電極パターンAの第1電極セルa21、a22、...、a2n、互いに異なる第2電極パターンBの第2電極セルb211、b212、...、b2n3、第1タッチ信号線la21、la22、...、la2n及び第2タッチ信号線lb21、lb22、lb23が配置されており、第1電極セルには第1タッチ信号線が接続されており、第2電極セルには第2タッチ信号線が接続されている。以下には第1カラムC1を中心にタッチ信号線の結線について説明することにし、特別な言及がなければ他のカラムC2、...にも同一な説明が適用される。
【0051】
第1電極セルa11、a12、...、a1nには第1タッチ信号線la11、la12、...、lalnが独立的に接続されている。したがって、第1カラムC1内の第1電極セルの個数だけ、即ち、n本の第1タッチ信号線が存在する。第1タッチ信号線la11、la12、...、lalnはタッチ領域内に配置されてもよく、実質的に縦方向に延長する。図面では、第1タッチ信号線la11、la12、...、lalnは全て下方に延長するように示されているが、実施形態によっては上方に延長してもよく、一部は下方に延長し一部は上方に延長してもよい。
【0052】
第1タッチ信号線la11、la12、...、lalnはセンサ回路を通じてタッチセンサ制御部700に個別的に接続されてもよい。したがって、それぞれの第1電極セルa11、a12、...、a1nはこれを駆動する感知入力信号Txをタッチセンサ制御部700から個別的に受信することができ、第1電極セルa11、a12、...、a1nが位置するタッチ領域に対するタッチ有無によって変わる感知出力信号Rxを個別的に出力することができる。これはそれぞれの第1電極セルa11、a12、...、a1nが自己静電容量方式のタッチセンサとして機能できることを意味する。また、第1電極セルa11、a12、...、a1nが独立的に駆動され、タッチセンサ制御部700がそれぞれの第1電極セルa11、a12、...、a1nから感知出力信号Rxを受信することができるので、複数の地点でタッチ、即ち、マルチタッチがある場合、該当地点のタッチを感知する第1電極セルの位置(座標)を計算することによってマルチタッチを感知することができる。
【0053】
それぞれの第1電極セルに隣接してn個の第2電極セルが配置されてもよく、図面では3個の第2電極セルが配置される例が示される。例えば、1番目の第1電極セルa11に隣接して第1グループの第2電極セルb111、b112、b113が配置され、2番目の第1電極セルa12に隣接して第2グループの第2電極セルb121、b122、b123が配置され、n番目の第1電極セルa1nに隣接して第nグループの第2電極セルbln1、bln2、bln3が配置される。
【0054】
各グループが3個の第2電極セルを含む場合、各グループの第2電極セルには3本の第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13が接続される。しかし、第1電極セルの場合とは異なり、第2タッチ信号線が個別に接続されず縦方向に隣接するグループの第2電極セル間と対を成して接続される。即ち、第1グループの1番目の第2電極セルb111は第2タッチ信号線lb11を通じて第2グループの3番目の第2電極セルb123と接続され、第2グループの3番目の第2電極セルb123は第3グループの1番目の第2電極セルb131と接続され、このような接続は第nグループの1番目の第2電極セルbln1または3番目の第2電極セルbln3まで続く。第1グループの2番目の第2電極セルb112は第2タッチ信号線lb12を通じて第2乃至第nグループの2番目の電極セルb122-b1n2に接続される。第1グループの3番目の第2電極セルb113は第2タッチ信号線lb13を通じて第2グループの1番目の第2電極セルb121及び第3グループの3番目の第2電極セルb133と接続され、このような接続は第nグループの3番目の電極セルbln3または1番目の電極セルbln1まで続く。結果的に第1カラムC1で3本の第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13のみがタッチ領域に配置され、センサ回路を通じてタッチセンサ制御部700と接続される。
【0055】
各グループがn個の第2電極セルを含む場合、n本の第2タッチ信号線が配置されて接続される。したがって、各カラムにn個の第1電極セル(したがって、n個のグループ)が配置され、各グループにm個の第2電極セルが配置される場合、各カラムにはn+m本のタッチ信号線が配置され、n×m個のノードが生成される。これは各カラムに位置する第2電極セルの個数と同一である。
【0056】
各グループで同じ順序にある第2電極セルb111、b121、...、b1n1;b112、b122、...、b1n2;...同士では接続されず、隣接するグループで互いに近い順に対b113、b121;b112、b122;b113、b121を成して接続されることは、第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13が互いに交差しないようにして、これらの間に短絡(short)が起こらないようにするためである。したがって、各グループがn個の第2電極セルを含む場合、例えば、第1グループの1番目、2番目、3番目及びn番目の第2電極セルは第2グループのn番目、n-1番目、n-2番目及び1番目の第2電極セルとそれぞれ接続される。
【0057】
第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13は互いに隣接するグループの第2電極セルを接続することにおいて電極セルの左側と右側に交互に位置する。例えば、図示されているように、第1グループの第2電極セルb111、b112、b113と第2グループの第2電極セルb121、b122、b123を接続する時は第2電極セルの左側に位置し、第2グループの第2電極セルb121、b122、b123と第3グループの第2電極セルb131、b132、b133を接続する時は第2電極セルの右側に位置し、このようにして第nグループの第2電極セルに接続されるまで繰り返される。一方、第2タッチ信号線は隣接するグループの間の最も近い第2電極セル(例:b113、b121)を接続する時は最短距離(即ち、第2電極セルの左側や右側に位置せず、二つの第2電極セルの間に直線に位置)で接続してもよい。
【0058】
第1カラムC1で第1電極セル及びこれと隣接する第2電極セルは相互静電容量方式のタッチセンサを形成する。このために第2電極セルは第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13を通じて感知入力信号Txを受信することができ、第1電極セルは第1タッチ信号線la11、la12、...、la1nを通じて感知出力信号Rxを出力することができる。互いに異なるグループに属する第2電極セルが第2タッチ信号線によって接続されているので、例えば、第2タッチ信号線lb11を通じて感知入力信号Txを入力すると、各グループの第2電極セルb111、b123、b131、...に同時に感知入力信号Txが入力される。しかし、各グループの第2電極セルと対を成すn個の第1電極セルが配置されており、第1電極セルごとに第1タッチ信号線が個別的に接続されているので、タッチによって変化がある感知出力信号Rxを出力する第1電極セル及びこれと対を成す第2電極セルを特定することによってx軸上の位置を感知することができ、マルチタッチも感知することができる。
【0059】
第2カラムC2内の第1及び第2電極セル、そして第1及び第2タッチ信号線の配置及び接続関係は前述の第1カラムC1の場合と同一である。但し、第1カラムC1との関係において、第2カラムC2内の第2タッチ信号線lb21、lb22、lb23は第1カラムC1内の第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13と感知回路内の3本のバスラインBL(但し、第2タッチ信号線がm本である場合、m本のバスライン)を通じてそれぞれ接続されてもよい。図示しなかったが、他のカラム内の第2タッチ信号線も同様である。これによって、同じ行に位置する第2電極セルb111、b211、...;b112、b212、...;...が電気的に接続されて一つの第2電極パターンBをなすようになる。したがって、いずれか一つの第2タッチ信号線に感知入力信号Txを印加すると、該当第2タッチ信号線に接続されている全ての第2電極セルに感知入力信号Txが入力される。言い換えると、特定第2電極パターンBのいずれか一つの第2電極セルに感知入力信号Txが入力される時、該当第2電極パターンBの他の全ての第2電極セルにも感知入力信号Txが入力される。
【0060】
一方、実施形態によっては、第2電極セルは自己静電容量方式のタッチセンサを形成するように駆動されてもよい。この場合、第2タッチ信号線は自己静電容量方式の駆動のための感知入力信号Txと感知出力信号Rxを伝送することに使用されてもよい。
「【図2】
[図:0001397799000001.jpg]
」
c 段落【0070】~【0082】、【図7】
「【0070】
図7は本発明の一実施形態によるタッチパネルを含む表示装置の配置図である。
【0071】
図7に示すように、本発明の一実施形態によるタッチパネルを含む表示装置は表示パネル300、これに接続されたゲート駆動部400とデータ駆動部500、そしてゲート駆動部400とデータ駆動部500を制御する信号制御部600を含む。表示装置はまた、タッチパネル10及びこれを制御するタッチセンサ制御部700を含む。タッチパネル10は表示パネル300の外面に形成されるか付着されていてもよく、表示パネル300の内部に形成されていてもよい。
【0072】
表示パネル300は、複数のゲート線G1-Gn及び複数のデータ線D1-Dm、そしてこれに接続されておりほぼ行列形態に配列された複数の画素PXを含む。タッチパネル10は、複数のタッチ信号線T1-Tp及びこれに接続されておりほぼ行列形態に配列された複数のタッチセンサTSを含む。タッチセンサTSは、前述の第1及び第2電極パターンA、Bによって実現される。
【0073】
ゲート線G1-Gnは、ほぼ横方向に延長されており、各画素PXに接続されている薄膜トランジスタ(TFT)のようなスイッチング素子をターン-オンさせることができるゲートオン電圧とターン-オフさせることができるゲートオフ電圧の組み合わせからなるゲート信号を伝達することができる。データ線D1-Dmは、ほぼ縦方向に延長されており、各画素PXに接続されているスイッチ素子のターン-オン時にデータ電圧を伝達する。
【0074】
画素PXは画像を表示する単位であって、一つの画素が基本色(primary color)のうちの一つを固有に表示するか、複数個の画素が時間によって交互に基本色を表示することによって、これら基本色の空間的または時間的合計で所望の色を表示することができる。それぞれの画素PXには共通電圧とデータ電圧が印加されてもよい。
【0075】
タッチ信号線T1-Tpは、ほぼ縦方向に延長されており、タッチセンサTSに接続されて感知入力信号Txと感知出力信号Rxを伝達する。
【0076】
タッチセンサTSは、相互静電容量方式と自己静電容量方式でタッチによる感知出力信号を生成することができる。タッチセンサTSは、タッチ信号線T1-Tpから感知入力信号を受信し、指、ペンなどの外部物体のタッチによる静電容量変化を感知出力信号としてタッチ信号線T1-Tpを通じて出力することができる。
【0077】
信号制御部600は、外部のグラフィック処理部(図示せず)から入力映像信号R、G、B及びその制御信号CONT、即ち、水平同期信号Hsync、垂直同期信号Vsync、クロック信号CLK、データイネーブル信号DEなどを受信する。信号制御部600は、映像信号R、G、Bと制御信号CONTに基づいて映像信号R、G、Bを表示パネル300の動作条件に適するように処理した後、映像データDAT、ゲート制御信号CONT1、データ制御信号CONT2及びクロック信号を生成して出力する。信号制御部600はまた、タッチセンサ制御部700に同期信号Syncを出力することができ、タッチセンサ制御部700からタッチ情報を受信することができる。
【0078】
ゲート制御信号CONT1は、ゲート信号の開始を指示する垂直開示信号(startpulse vertical signal)STVと、ゲートオン電圧の生成の基準になるクロック信号(clock pulse vertical signal)CPVを含む。垂直開始信号STVの出力周期は1フレーム(またはリフレッシュレート(refresh rate))と一致する。ゲート制御信号CONT1はまた、ゲートオン電圧の持続時間を限定する出力イネーブル信号(output enable signal)OEをさらに含んでもよい。
【0079】
データ制御信号CONT2は、一行の画素に対する映像データDATの伝送開始を指示する水平開始信号(start pulse horizontal signal)STHと、データ線D1-Dmに該当データ電圧を印加することを指示するロード信号TPなどを含む。表示パネル300が液晶表示パネルである場合、データ制御信号CONT2は共通電圧に対するデータ電圧の極性を反転させる反転信号RVSをさらに含んでもよい。
【0080】
ゲート駆動部400は、ゲート制御信号CONT1によってゲートオン電圧とゲートオフ電圧であるゲート信号をゲート線G1-Gnに印加する。
【0081】
データ駆動部500は、信号制御部600からデータ制御信号CONT2及び映像データDATを受信し、階調電圧生成部(図示せず)で生成された階調電圧を用いて映像データDATをデータ電圧に変換してこれをデータ線D1-Dmに印加する。
【0082】
タッチセンサ制御部700は、タッチセンサTSに感知入力信号Txを送信し、タッチセンサTSから感知出力信号Rxを受信してタッチ情報を生成する。」
「【図7】
[図:0001397799000002.jpg]
」
(イ) 図2の記載から認定した事項
a 引用文献1の【0059】、【図2】から、実施形態のタッチパネルの構成において、複数のカラムの第2タッチ信号線がバスラインBLを通じて接続されて(下記参考図の破線の円で囲った部分)、バスラインBLから縦方向下方のタッチセンサ制御部へと接続する配線(下記参考図の実線の楕円で囲った部分。以下「BL配線」という。)を有することが読み取れる。
b また、引用文献1の【図2】から、実施形態のタッチパネルの構成において、第2カラムC2の下方タッチ領域外、すなわち表示領域外において、バスラインBLと第1タッチ信号線が交差していること(下記参考図の実線の角丸四角形で囲った部分。)が読み取れる。
<参考図>
(【図2】を基に合議体で作成)
[図:0001397799000003.jpg]
(ウ) 引用発明の認定
前記(ア)において摘記した事項及び前記(イ)において認定した事項を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「 タッチセンサを含むタッチパネルを含む表示装置であって、(【0001】)
有機発光表示装置(organic light emitting diode display、OLED)の平板表示装置(flat panel display、FPD)であって、電界生成電極と電気光学活性層(electro optical active layer)を含む表示パネル(display panel)を含み、(【0002】)
該表示装置は、複数の画素を含む表示パネル;複数のタッチセンサを含むタッチパネル;前記表示パネルを制御する表示制御部;及び前記タッチパネルを制御するタッチセンサ制御部;を含み、
前記タッチパネルは、第1方向に配列され、物理的に分離されている複数の第1電極セルをそれぞれ含む複数の第1電極パターン;第1方向と交差する第2方向に配列され、物理的に分離されている複数の第2電極セルをそれぞれ含む複数の第2電極パターン;前記複数の第1電極セルに接続されている複数の第1タッチ信号線;及び前記複数の第2電極セルに接続されている複数の第2タッチ信号線;を含み、
前記第1及び第2電極パターン及び第1及び第2タッチ信号線は全て基板上に同一層に位置し、それぞれの第1電極セルに第1タッチ信号線が独立的に接続されており、(【0018】)
それぞれの第1電極パターンはm個(ここで、mは1より大きい整数)の第1電極セルを含み、前記第1電極セルはm本の第1タッチ信号線に一対一対応関係で接続されており、(【0020】)
互いに異なる第2電極パターンに属する複数の第2電極セルが第2タッチ信号線によって第2方向に接続されてもよく、(【0021】)
それぞれの第1電極セルは隣接するn個(ここで、nは1より大きい整数)の第2電極セルと対を成しており、いずれか一つの第1電極セルと対を成す第1グループの第2電極セルは前記いずれか一つの第1電極セルと第2方向に隣接する第1電極セルと対を成す第2グループの第2電極セルとn本の第2タッチ信号線によって一対一対応関係で接続されており、(【0022】)
前記第1グループの第2電極セルは前記第2グループの第2電極セルと互いに近い順に対を成して接続されており、(【0023】)
第1電極セルと第2電極セル、そしてこれに接続される第1タッチ信号線と第2タッチ信号線をそれぞれ含むカラムC1、C2、...を配置し、
タッチパネル10で、このようなカラムC1、C2、...は同一なパターンで横方向に所定個数存在し、第1電極セルa11、a12、...、a1n;a21、a22、...、a2nが縦方向にn個配置されており、(【0049】)
第1カラムC1には、一つの第1電極パターンAの第1電極セルa11、a12、...、a1n、そして互いに異なる第2電極パターンBの第2電極セルb111、b112、...、b1n3が配置され、
第1カラムC1で、第1電極セルa11、a12、...、a1nには第1タッチ信号線la11、la12、...、la1nが接続されており、
第2電極セルb111、b112、...、b1n3には第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13が接続され、
第2カラムC2には一つの第1電極パターンAの第1電極セルa21、a22、...、a2n、互いに異なる第2電極パターンBの第2電極セルb211、b212、...、b2n3、第1タッチ信号線la21、la22、...、la2n及び第2タッチ信号線lb21、lb22、lb23が配置されており、
第1電極セルには第1タッチ信号線が接続されており、第2電極セルには第2タッチ信号線が接続されており、(【0050】)
第1タッチ信号線la11、la12、...、lalnはセンサ回路を通じてタッチセンサ制御部700に個別的に接続されており、(【0052】)
それぞれの第1電極セルに隣接して3個の第2電極セルが配置されており、1番目の第1電極セルa11に隣接して第1グループの第2電極セルb111、b112、b113が配置され、2番目の第1電極セルa12に隣接して第2グループの第2電極セルb121、b122、b123が配置され、n番目の第1電極セルa1nに隣接して第nグループの第2電極セルbln1、bln2、bln3が配置されており、(【0053】、【図2】)
各グループの第2電極セルには3本の第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13が接続されており、
第1グループの1番目の第2電極セルb111は第2タッチ信号線lb11を通じて第2グループの3番目の第2電極セルb123と接続され、
第2グループの3番目の第2電極セルb123は第3グループの1番目の第2電極セルb131と接続され、
このような接続は第nグループの1番目の第2電極セルbln1または3番目の第2電極セルbln3まで続いており、
第1グループの2番目の第2電極セルb112は第2タッチ信号線lb12を通じて第2乃至第nグループの2番目の電極セルb122-b1n2に接続され、
第1グループの3番目の第2電極セルb113は第2タッチ信号線lb13を通じて第2グループの1番目の第2電極セルb121及び第3グループの3番目の第2電極セルb133と接続され、
このような接続は第nグループの3番目の電極セルbln3または1番目の電極セルbln1まで続き、結果的に第1カラムC1で3本の第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13のみがタッチ領域に配置され、センサ回路を通じてタッチセンサ制御部700と接続されており、(【0054】、【図2】)
第2カラムC2内の第2タッチ信号線lb21、lb22、lb23は第1カラムC1内の第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13と感知回路内の3本のバスラインBL(但し、第2タッチ信号線がm本である場合、m本のバスライン)を通じてそれぞれ接続されており、他のカラム内の第2タッチ信号線も同様であり、これによって、同じ行に位置する第2電極セルb111、b211、...;b112、b212、...;...が電気的に接続されて一つの第2電極パターンBをなしており、(【0059】)
さらに、バスラインBLから縦方向下方のタッチセンサ制御部へと接続するBL配線を有し、(前記(イ)aの認定事項)
また、表示領域外において、バスラインBLと第1タッチ信号線が交差しており、(前記(イ)bの認定事項)
前記表示装置は、表示パネル300、これに接続されたゲート駆動部400とデータ駆動部500、そしてゲート駆動部400とデータ駆動部500を制御する信号制御部600を含み、タッチパネル10及びこれを制御するタッチセンサ制御部700を含み、
タッチパネル10は、表示パネル300の外面に形成されるか付着されており、(【0071】)
表示パネル300は、複数のゲート線G1-Gn及び複数のデータ線D1-Dm、そしてこれに接続されておりほぼ行列形態に配列された複数の画素PXを含む、(【0072】)
表示装置。」
イ 引用文献2、3に記載された事項、周知技術等の認定
(ア) 引用文献2に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された文献である米国特許出願公開第2016/0103537号明細書(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。日本語訳は合議体において作成した。以下同様である。
「[0049] As shown in FIGS. 1 to 3, a display device according to an exemplary embodiment includes a substrate SUB, a display member DM, an encapsulation or encapsulation layer EN, a touch member or touch sensor TM, and bridge lines BR.」
(図1~図3に示すように、本発明の一実施形態による表示装置は、基板SUB、表示部材DM、封止又は封止層EN、タッチ部材又はタッチセンサーTM、及びブリッジラインBRを含む。)
「[0052] The display member DM is positioned on the display area DA of the substrate SUB and displays the image via a plurality of pixels. Here, the term pixel generally refers a minimum unit for displaying the image. The display member DM includes an OLED that can emit light and a thin film transistor TFT connected to the OLED, as shown in detail in FIG. 3. Although an embodiment in which the display member DM includes the OLED and the thin film transistor TFT has been described as an exemplary embodiment for convenience of explanation, the described technology is not limited thereto. That is, in some embodiments the display member DM further includes at least one scan wiring, at least one data wiring, a plurality of thin film transistors, and at least one capacitor, which may have various known structures.」
(表示部材DMは、基板SUBの表示領域DAに位置し、複数の画素を介して画像を表示する。ここで、用語の画素は、一般に、画像を表示する最小単位を指す。表示部材DMは、図3に詳細に示すように、発光可能な有機発光ダイオードOLEDと、有機発光ダイオードOLEDに接続された薄膜トランジスターTFTを含む。説明の便宜のための実施形態として、表示部材DMが有機発光ダイオードOLED及び薄膜トランジスターTFTを含む実施形態を例示的に説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、表示部材DMは、少なくとも一つの走査配線、少なくとも一つのデータ配線、複数の薄膜トランジスター及び少なくとも一つのコンデンサーを更に含む。)
「[0053] The thin film transistor TFT includes an active layer AL, a gate electrode GE, a source electrode SE, and a drain electrode DE.」
(薄膜トランジスターTFTは、活性層AL、ゲート電極GE、ソース電極SE及びドレイン電極DEを含む。)
「[0056] The gate electrode GE is positioned above the active layer AL with one insulating layer interposed therebetween and the source electrode SE and the drain electrode DE are positioned on another insulating layer covering the gate electrode GE and are respectively connected to the source region and the drain region of the active layer AL through contact holes. The drain electrode DE is connected to a first electrode E1 of the OLED through a contact hole.」
(ゲート電極GEは、絶縁層を介して活性層ALの上に配置され、ソース電極SE及びドレイン電極DEは、ゲート電極GEを覆う別の絶縁層上に配置されており、コンタクトホールを介して活性層ALのソース領域及びドレイン領域に接続されている。ドレイン電極DEは、コンタクトホールを介して有機発光ダイオードOLEDの第1電極E1に接続されている。)
「[0062] The encapsulation EN is positioned above the substrate SUB with the display member DM interposed therebetween. The encapsulation EN is positioned above the substrate SUB over the entirety of the display area DA and the non-display area NDA of the substrate SUB and encapsulates the display member DM together with the substrate SUB. The encapsulation EN may be formed of a thin film encapsulation layer. The encapsulation EN includes an organic layer OL positioned over the display member DM and an inorganic layer IL positioned on the organic layer OL. Meanwhile, in another exemplary embodiment, the encapsulation EN may include at least one organic layer and at least one inorganic layer that are alternately stacked. In more detail, there may be a plurality of each of the inorganic and organic layers and the inorganic and organic layers may be alternately stacked. For example, the encapsulation EN may include at least one sandwich structure in which at least one organic layer is inserted between at least two inorganic layers.」
(封止ENは、表示部材DMを挟んで基板SUBの上方に位置している。封止ENは、基板SUBの表示領域DA及び非表示領域NDAの全体に渡って基板SUBの上方に位置し、基板SUBと共に表示部材DMを封止している。封止ENは、薄膜封止層で形成することができる。封止ENは、表示部材DM上に位置する有機膜OL及び有機膜OL上に位置する無機膜ILを含む。一方、他の実施形態において、封止ENは、交互に積層された少なくとも一つの有機膜及び少なくとも一つの無機膜を含むことができる。より具体的には、無機層及び有機層はそれぞれ複数であってもよく、無機層及び有機層は交互に積層されてもよい。例えば、封止ENは、少なくとも二つの無機膜の間に少なくとも一つの有機膜が挿入された少なくとも一つのサンドイッチ構造を含むことができる。)
「[0065] The inorganic layer IL positioned on the uppermost layer of the encapsulation EN is stacked at an area wider than that of the organic layer OL so as to cover end portions of the organic layer OL, which is another layer. In detail, the inorganic layer IL of the encapsulation EN covers the end portion of the organic layer OL in the non-display area NDA of the substrate SUB. That is, an upper inorganic layer is stacked at an area wider than that of other layers and is positioned on the uppermost layer of the encapsulation EN so as to cover end portions of other layers. Therefore, permeation of moisture into the OLED from the environment is suppressed by the inorganic layer IL.」
(封止ENの最上層に位置する無機層ILは、他の層である有機層OLの端部を覆うように、有機層OLよりも広い面積で積層されている。詳細には、封止ENの無機層ILは、基板SUBの非表示領域NDAにおいて、有機層OLの端部を覆っている。すなわち、上部無機膜は、他の層より広い面積で積層され、他の層の端部を覆うように封止ENの最上層に位置する。したがって、環境からOLEDへの水分の浸透は、無機層ILによって抑制される。)
「[0066] As shown in FIGS. 2 and 3, the inorganic layer IL, which is the upper inorganic layer positioned on the uppermost layer of the encapsulation EN, includes first bridge contact holes BC1 and second bridge contact holes BC2.」
(図2及び図3に示すように、無機膜ILは、封止ENの最上層に位置する上部無機膜であり、第1ブリッジコンタクトホールBC1及び第2ブリッジコンタクトホールBC2を含む。)
「[0067] The first bridge contact holes BC1 are formed at end portions of the inorganic layer IL that does not overlap the organic layer OL in the non-display area NDA of the substrate SUB and expose one end portion of each of the bridge lines BR.」
(第1ブリッジコンタクトホールBC1は、基板SUBの非表示領域NDAで有機膜OLと重畳しない無機膜ILの端部に形成され、ブリッジラインBRの一端部を露出させる。)
「[0068] The second bridge contact holes BC2 are formed at end portions of the inorganic layer IL that is not overlapped with the organic layer OL in the non-display area NDA of the substrate SUB and expose the opposite end portion of each of the bridge lines BR.」
(第2ブリッジコンタクトホールBC2は、基板SUBの非表示領域NDAで有機膜OLと重畳しない無機膜ILの端部に形成され、ブリッジラインBRの他端部を露出させる。)
「[0071] The first touch lines TL1 are positioned on the encapsulation EN so as to correspond to the display area DA of the substrate SUB and extend in a first direction. The first touch lines TL1 are directly formed on a surface of the inorganic layer IL of the encapsulation EN. A plurality of first touch lines TL1 are formed and the first touch lines TL1 are arranged in a second direction crossing the first direction and are spaced apart from each other. Here, the first and second directions may be perpendicular to each other, but are not limited thereto. That is, the first and second directions may be directions extending in various directions as long as they intersect with each other.」
(第1タッチラインTL1は、基板SUBの表示領域DAに対応して封止EN上に位置し、第1方向に延長される。第1タッチラインTL1は、封止ENの無機膜ILの表面に直接形成される。複数の第1タッチラインTL1が形成され、複数の第1タッチラインTL1は、第1方向と交差する第2方向に配列され、互いに離隔される。ここで、第1方向と第2方向は互いに直交することができるが、これに限定されるものではない。すなわち、第1方向及び第2方向は、互いに交差する方向であれば、様々な方向に延びる方向であってもよい。)
「[0072] End portions of the first touch lines TL1 are bent and extended once or more and neighbor end portions of the second touch lines TL2. A plurality of the first touch lines TL1 are spaced apart from the remaining first touch lines TL1 in the second direction with the second touch lines TL2 interposed therebetween.」
(第1タッチラインTL1の端部は一回以上折り曲げられて延長され、第2タッチラインTL2の端部と隣接する。複数の第1タッチラインTL1は、残りの第1タッチラインTL1と第2方向に第2タッチラインTL2を介して離隔される。)
「[0073] The first touch lines TL1 are extended from the display area DA of the substrate SUB to the non-display area NDA thereof and the first touch lines TL1 positioned in the non-display area NDA are connected to the bridge lines BR through the first bridge contact holes BC1 of the encapsulation EN. A plurality of first touch lines TL1 selected among the first touch lines TL1 are connected to one bridge line BR selected among a plurality of bridge lines BR. That is, a subset of the first touch lines TL1 spaced apart from each other can be electrically connected to one of the bridge lines BR.」
(第1タッチラインTL1は、基板SUBの表示領域DAから非表示領域NDAに延長され、非表示領域NDAに位置する第1タッチラインTL1は、封止ENの第1ブリッジコンタクトホールBC1を介してブリッジラインBRに接続される。複数の第1タッチラインTL1のうち選択された複数の第1タッチラインTL1は、複数のブリッジラインBRのうち選択された一つのブリッジラインBRに接続される。すなわち、互いに離隔された第1タッチラインTL1のサブセットは、ブリッジラインBRのうちの一つと電気的に接続可能である。)
「[0074] The first touch lines TL1 can be formed using the same material as that of the second touch lines TL2 and the connection lines CL on the same layer as a layer on which the second touch lines TL2 and the connection lines CL are formed. The first touch lines TL1 can be formed on a surface of the encapsulation EN simultaneously with formation of the second touch lines TL2 and the connection lines CL via the same process as forming the second touch lines TL2 and the connection lines CL.」
(第1タッチラインTL1は、第2タッチラインTL2及び接続ラインCLと同じ層に、第2タッチラインTL2及び接続ラインCLと同じ材料を用いて形成することができる。第1タッチラインTL1は、第2タッチラインTL2及び接続ラインCLの形成と同一の工程を通じて、第2タッチラインTL2及び接続ラインCLの形成と同時に封止ENの表面に形成される。)
「[0075] The second touch lines TL2 are positioned on the encapsulation EN so as to correspond to the display area DA of the substrate SUB, extend in the first direction and are spaced apart from the first touch lines TL1. The second touch lines TL2 are directly formed on the surface of the inorganic layer IL of the encapsulation EN. A plurality of second touch lines TL2 are formed and the second touch lines TL2 are arranged in the second direction between the first touch lines TL1 neighboring thereto and are spaced apart from each other.」
(第2タッチラインTL2は、基板SUBの表示領域DAに対応して封止EN上に位置し、第1方向に延びて第1タッチラインTL1と離隔される。第2タッチラインTL2は、封止ENの無機膜ILの表面に直接形成される。複数の第2タッチラインTL2が形成され、第2タッチラインTL2は、隣接する第1タッチラインTL1の間に第2方向に沿って互いに離隔して配置される。)
「[0076] The second touch lines TL2 include main lines ML extending in the first direction and a plurality of branch lines BL extending from the main lines ML and respectively neighboring the first touch lines TL1. End portions of the branch lines BL, which are end portions of the second touch lines TL2, are bent and extend once or more and respectively neighbor the end portions of the first touch lines TL1. That is, the end portions of the first touch lines TL1 and the end portions of the second touch lines TL2 corresponding to the display area DA of the substrate SUB are bent and extend once or more and respectively neighbor each other. The second touch lines TL2 are arranged between the first touch lines TL1 which are spaced apart from each other in the second direction.」
(第2タッチラインTL2は、第1方向に延長されるメインラインMLと、メインラインMLから延長され、第1タッチラインTL1と隣接する複数のブランチラインBLを含む。ブランチラインBLの端部は、第2タッチラインTL2の端部であり、第1タッチラインTL1の端部と隣接するように一回以上折り曲げられて延長される。すなわち、基板SUBの表示領域DAに対応する、第1タッチラインTL1の端部及び第2タッチラインTL2の端部は、一回以上折り曲げられて延び、互いに隣接する。第2タッチラインTL2は、第2方向に互いに離隔された第1タッチラインTL1の間に配置される。)
「[0077] The second touch lines TL2 extend from the display area DA of the substrate SUB to the non-display area NDA thereof and the second touch lines TL2 positioned in the non-display area NDA are electrically insulated from and intersect the bridge lines BR positioned between the encapsulation EN and the substrate SUB. The second touch lines TL2 traversing the bridge lines BR can be connected to a pad positioned at an end portion of the substrate SUB, and a flexible printed circuit board (FPCB), or the like, can be connected to the pad.」
(第2タッチラインTL2は、基板SUBの表示領域DAから非表示領域NDAに延び、非表示領域NDAに位置する第2タッチラインTL2は、封止ENと基板SUBの間に位置するブリッジラインBRと電気的に絶縁されて交差する。ブリッジラインBRを横切る第2タッチラインTL2は、基板SUBの端部に位置するパッドに接続され、パッドにはフレキシブルプリント回路基板(FPCB)などが接続可能である。)
「[0078] The second touch lines TL2 can be formed using the same material as that of the first touch lines TL1 and the connection lines CL on the same layer as a layer on which the first touch lines TL1 and the connection lines CL are formed. The second touch lines TL2 can be formed on the surface of the encapsulation EN simultaneously with formation of the first touch lines TL1 and the connection lines CL by the same process as forming the first touch lines TL1 and the connection lines CL.」
(第2タッチラインTL2は、第1タッチラインTL1及び接続ラインCLと同じ層に、第1タッチラインTL1及び接続ラインCLと同じ材料を用いて形成することができる。第2タッチラインTL2は、第1タッチラインTL1及び接続ラインCLの形成と同一の工程で第1タッチラインTL1及び接続ラインCLの形成と同時に封止ENの表面に形成することができる。)
「[0079] The connection lines CL are connected to the bridge lines BR through the second bridge contact holes BC2 formed in the inorganic layer IL of the encapsulation EN so as to correspond to the non-display area NDA of the substrate SUB and extend together with the second touch lines TL2 toward the end portion of the substrate SUB. The connection lines CL extending toward the end portion of the substrate SUB can be connected to the pad positioned at the end portion of the substrate SUB, and the flexible printed circuit board (FPCB), or the like, can be connected to the pad.」
(接続ラインCLは、基板SUBの非表示領域NDAに対応して封止ENの無機膜ILに形成された第2ブリッジコンタクトホールBC2を介してブリッジラインBRに接続され、第2タッチラインTL2と共に基板SUBの端部に向かって延びている。基板SUBの端部に向かって延びる接続ラインCLは、基板SUBの端部に位置するパッドに接続することができ、フレキシブルプリント基板(FPCB)などはパッドに接続可能である。)
「[0080] A plurality of connection lines CL are formed and the connection lines CL are each electrically connected to a different bridge line BR to which the first touch lines TL1 are connected. That is, one connection line CL can be connected to one bridge line BR to which the first touch lines TL1 are connected. Therefore, the first touch lines TL1 can be connected to the pad positioned at the end portion of the substrate SUB via the bridge line BR and the connection line CL.」
(複数の接続ラインCLが形成され、各接続ラインCLは、第1タッチラインTL1が接続された異なるブリッジラインBRに電気的に接続されている。すなわち、第1タッチラインTL1が接続された一つのブリッジラインBRに一つの接続ラインCLを接続することができる。したがって、第1タッチラインTL1は、ブリッジラインBR及び接続ラインCLを介して、基板SUBの端部に位置するパッドに接続することができる。)
「[0081] The connection lines CL can be formed using the same material as that of the first touch lines TL1 and the second touch lines TL2 on the same layer as a layer on which the first touch lines TL1 and the second touch lines TL2 are formed. The connection lines CL can be formed on the surface of the encapsulation EN simultaneously with formation of the first touch lines TL1 and the second touch lines TL2 by the same process as a process of forming the first touch lines TL1 and the second touch lines TL2.」
(接続ラインCLは、第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2と同じ層に、第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2と同じ材料を用いて形成することができる。接続ラインCLは、第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2の形成と同時に、第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2を形成する工程と同一の工程で封止ENの表面に形成されることができる。)
「[0082] The bridge lines BR are positioned between the substrate SUB and the encapsulation EN so as to correspond to the non-display area NDA of the substrate SUB. In detail, the bridge lines BR do not overlap the organic layer OL of the encapsulation EN and are positioned between the inorganic layer IL of the encapsulation EN and the substrate SUB. That is, the organic layer OL does not overlap the bridge lines BR between the bridge lines BR and the inorganic layer IL, which is an upper inorganic layer.」
(ブリッジラインBRは、基板SUBの非表示領域NDAに対応するように、基板SUBと封止ENの間に位置している。具体的には、ブリッジラインBRは、封止ENの有機膜OLと重畳せず、封止ENの無機膜ILと基板SUBの間に位置する。すなわち、有機膜OLは、ブリッジラインBRと上部無機膜である無機膜ILの間でブリッジラインBRと重畳しない。)
「[0083] That is, the bridge lines BR extend in the second direction crossing the first direction. First portions of the bridge lines BR are connected to the first touch lines TL1 through the first bridge contact holes BC1 of the encapsulation EN and second portions thereof opposing the first portions are connected to the connection lines CL through the second bridge contact holes BC2 of the encapsulation EN.」
(すなわち、ブリッジラインBRは、第1方向と交差する第2方向に延在している。ブリッジラインBRの第1部分は、封止ENの第1ブリッジコンタクトホールBC1を介して第1タッチラインTL1に接続され、第1部分と対向する第2部分は、封止ENの第2ブリッジコンタクトホールBC2を介して接続ラインCLに接続される。)
「[0084] A plurality of bridge lines BR are formed and the bridge lines BR are arranged in the first direction and are spaced apart from each other. The bridge lines BR electrically connect the first touch lines TL1 to the connection lines CL, respectively.」
(複数のブリッジラインBRが形成され、複数のブリッジラインBRは第1方向に配列され、互いに離隔される。各ブリッジラインBRは、それぞれ、第1タッチラインTL1を接続ラインCLを電気的に接続する。)
「[0085] The bridge lines BR are positioned on the same layer as a layer on which the source electrode SE and the drain electrode DE of the thin film transistor TFT and include the same material as that of the source electrode SE and the drain electrode DE. The bridge lines BE can be formed on the substrate SUB simultaneously with the formation of the source electrode SE and the drain electrode DE by a process of forming the source electrode SE and the drain electrode DE.」
(ブリッジラインBRは、薄膜トランジスターTFTのソース電極SE及びドレイン電極DEと同じ層に位置し、ソース電極SE及びドレイン電極DEと同じ材料を含む。ブリッジラインBEは、ソース電極SE及びドレイン電極DEの形成工程により、ソース電極SE及びドレイン電極DEの形成と同時に基板SUB上に形成することができる。)
「[0086] As described above, in the display device according to an exemplary embodiment, the first touch lines TL1 of the touch member TM formed on the surface of the encapsulation EN can be electrically connected to the pad formed at the end portion of the substrate SUB through the bridge lines BR and the connection lines CL formed on the substrate SUB. The second touch lines TL2, formed on the same layer as the layer as the first touch lines TL1, are formed to include the same material as that of the first touch lines TL1 and are electrically insulated from and intersect with the bridge lines BR positioned between the encapsulation EN and the substrate SUB. The second touch lines TL2 are electrically connected to the pad formed at the end portion of the substrate SUB, such that a separate additional component for allowing the first touch lines TL1 and the second touch lines TL2 to be electrically insulated from and intersect with each other is not required on the surface of the encapsulation EN. Therefore, an additional process of forming the separate additional component for allowing the first touch lines TL1 and the second touch lines TL2 to be insulated from and intersect with each other on the surface of the encapsulation EN can be omitted. Therefore, the display device can have a decreased manufacturing time and manufacturing cost.」
(上述したように、本発明の一実施形態による表示装置においては、封止ENの表面に形成されたタッチ部材TMの第1タッチラインTL1が、基板SUBに形成されたブリッジラインBR及び接続ラインCLを通じて、基板SUBの端部に形成されたパッドと電気的に連結可能である。第2タッチラインTL2は、第1タッチラインTL1と同じ層に形成され、第1タッチラインTL1と同じ物質を含んで形成され、封止ENと基板SUBの間に位置するブリッジラインBRと電気的に絶縁されて交差する。第2タッチラインTL2は基板SUBの端部に形成されたパッドと電気的に接続されるので、第1タッチラインTL1と第2タッチラインTL2が互いに電気的に絶縁されて交差するようにするための別途の追加的な構成要素が封止ENの表面に必要ない。したがって、第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2が封止ENの表面で互いに絶縁されて交差するようにするための別途の追加部品を形成する追加工程は省略可能である。したがって、表示装置の製造時間及び製造コストを低減することができる。)
「[0087] That is, in the display device according to an exemplary embodiment, a bridge, which is a component that enables the first touch lines TL1 and the second touch lines TL2 to be electrically insulated from and intersect each other, is not formed on the surface of the encapsulation EN, but is formed as the bridge lines BR between the substrate SUB and the encapsulation EN. Accordingly, the touch member MT including the first touch lines TL1, the second touch lines TL2, and the connection lines CL can be formed using one process. Therefore, the manufacturing time and manufacturing cost of the display device including the touch member TM can be decreased.」
(すなわち、本発明の一実施形態による表示装置においては、第1タッチラインTL1と第2タッチラインTL2が互いに電気的に絶縁されて交差するようにする構成要素であるブリッジが、封止ENの表面には形成されず、基板SUBと封止ENの間にブリッジラインBRとして形成される。これにより、第1タッチラインTL1、第2タッチラインTL2及び接続ラインCLを含むタッチ部材MTを一つの工程で形成することができる。したがって、タッチ部材TMを含む表示装置の製造時間及び製造コストを減少させることができる。)
「[0088] In addition, in the display device according to an exemplary embodiment, since the first touch lines TL1 and the second touch lines TL2 of the touch member TM do not intersect with each other in the display area DA in which the image is displayed, reflection of light on interfaces formed at portions at which the first touch lines TL1 and the second touch lines TL2 intersect with each other is fundamentally prevented. Therefore, reflection of light by an interface formed at a portion at which two touch lines intersect with each other is prevented, thereby suppressing the interface formed at the portion at which the two touch lines intersect with each other in the display area DA from being viewed to the outside. That is, the display quality of the image displayed by the display member DM is improved even though it includes the touch member TM.」
(また、本発明の一実施形態による表示装置においては、映像が表示される表示領域DAでタッチ部材TMの第1タッチラインTL1と第2タッチラインTL2が交差しないため、第1タッチラインTL1と第2タッチラインTL2が交差する部分に形成される界面での光の反射が根本的に防止される。したがって、二つのタッチラインが交差する部分に形成された界面による光の反射が防止され、表示領域DAにおいて二つのタッチラインが交差する部分に形成された界面が外部に視認されることが抑制される。すなわち、タッチ部材TMを備えていても、表示部材DMが表示する画像の表示品質が向上する。)
・・・(中略)・・・
「[0091] As shown in FIG. 4, bridge lines BR of a display device according to another exemplary embodiment can be positioned on the same layer as a layer of a gate electrode GE of a thin film transistor TFT to include the same material as that of the gate electrode GE. The bridge lines BR can be formed on a substrate SUB simultaneously with the formation of the gate electrode GE by a process of forming the gate electrode GE. The bridge lines BR can be electrically connected to first touch lines TL1 and connection lines CL through contact members formed simultaneously via a process of forming a source electrode SE and a drain electrode DE.」
(図4に示したように、本発明の他の実施形態による表示装置のブリッジラインBRは、薄膜トランジスターTFTのゲート電極GEと同じ層に位置し、ゲート電極GEと同じ物質を含むことができる。ブリッジラインBRは、ゲート電極GEの形成工程により、ゲート電極GEの形成と同時に基板SUB上に形成することができる。ブリッジラインBRは、ソース電極SE及びドレイン電極DEを形成する工程で同時に形成されるコンタクト部材を介して第1タッチラインTL1及び接続ラインCLと電気的に接続可能である。)
「図2
[図:0001397799000004.jpg]
」
「図4
[図:0001397799000005.jpg]
」
(イ) 引用文献2の記載から認定した事項
引用文献2の図4から、表示装置は、基板SUB、薄膜トランジスターTFT、有機発光ダイオードOLED、封止EN、タッチ部材TMを構成する第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2がこの順で積層された構成からなることが読み取れる。
(ウ) 引用文献3に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された文献である米国特許出願公開第2011/0073864号明細書(以下「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている。
「[0028] Step 300, forming a pixel electrode, a source electrode, a drain electrode and a bridge line on the base substrate after the step 200 through a patterning process, and the pixel electrode and the drain electrode are formed integrally, and the source electrode is connected to the data line through the source electrode via hole and the bridge line connects the adjacent discontinuous sections of the data line or the adjacent discontinuous sections of the gate line through the bridge via holes.」
(ステップ300では、ステップ200の後に、パターニングプロセスを介してベース基板上に画素電極、ソース電極、ドレイン電極及びブリッジラインを形成し、画素電極及びドレイン電極は一体的に形成され、ソース電極はソース電極ビアホールを介してデータラインに接続され、ブリッジラインはブリッジビアホールを介してデータラインの隣接する不連続部又はゲートラインの隣接する不連続部を接続する。)
・・・(中略)・・・
「[0031] In addition, because the data line and the gate line need to be connected to a pad region in a peripheral edge region so as to be connected to a driving circuit, a process for forming the pad region may be included in the manufacture of the array substrate, comprising: when forming the data line, the gate line and the gate electrode by the pattering process, the data line pad region and the gate line pad region are further formed in a peripheral edge region of the array substrate; when forming the active layer, the bridge via hole and the source electrode via hole by the patterning process, a first pad region via hole is further formed in the gate insulating layer to exposure the data line pad region and the gate line pad region; and after forming the protection film layer, a second pad region via hole is further formed in the protection film layer by a patterning process to exposure the data line pad region and the gate line pad region.」
(また、データライン及びゲートラインは、駆動回路と接続するために周縁領域のパッド領域と接続する必要があるので、アレイ基板の製造には、データライン、ゲートライン及びゲート電極をパターニングして形成する際に、アレイ基板の周縁領域にデータラインパッド領域及びゲートラインパッド領域を更に形成し、活性層、ブリッジビアホール及びソース電極ビアホールをパターニングして形成する際に、ゲート絶縁層にデータラインパッド領域及びゲートラインパッド領域を露出させる第1パッド領域ビアホールを更に形成し、保護膜層を形成した後に、その保護層に前記データラインパッド領域及び前記ゲートラインパッド領域を露出させるようにパターニング工程によって第2パッド領域ビアホールを更に形成するパッド領域形成工程を含むことができる。)
「[0079] Step 330, exposing and developing the photoresist layer by employing a normal mask to form patterns for a completely-retained region and a completely-removed region, wherein the completely-retained region corresponds to a pixel electrode 9, a source electrode 10, a drain electrode 1 and a bridge line 12;」
(ステップ330:通常のマスクを使用してフォトレジスト層を露光及び現像して、完全に保持された領域及び完全に除去された領域のためのパターンを形成する。完全に保持された領域は、画素電極9、ソース電極10、ドレイン電極1及びブリッジライン12に対応する。)
「[0080] Step 340, performing an etching process on the pixel electrode thin film to etch away the pixel electrode thin film in the completely-removed region so as to form the pixel electrode 9, the source electrode 10, the drain electrode 11 and the bridge line 12, wherein the pixel electrode 9 is formed integrally with the drain electrode 11, and the source electrode 10 is connected with the data line 2 through the source electrode via hole 8, and the bridge line 12 connects the adjacent sections of the discontinuous gate line 3. The present embodiment is different from the first embodiment in that the bridge via holes 7 in each pixel unit are provided in pair and the bridge line 12 is parallel to the gate line 3 and connects the adjacent sections of the discontinuous gate line 3. At this time, the pixel electrode thin film directly above the data line pad region 14 and the gate line pad region 15 is remained and functions to protect a metal material in the pad region.」
(ステップ340において、画素電極薄膜に対してエッチング処理を行い、完全に除去された領域の画素電極薄膜をエッチングして、画素電極9、ソース電極10、ドレイン電極11及びブリッジライン12を形成し、当該領域のドレイン電極11と一体に画素電極9が形成されたところでは、ソース電極10はソース電極ビアホール8を介してデータライン2に接続され、ブリッジライン12は不連続なゲートライン3の隣接する部分を接続する。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、各画素ユニット内のブリッジビアホール7が一対設けられ、ブリッジライン12がゲートライン3と平行であり、不連続なゲートライン3の隣接する部分を接続している点である。このとき、データラインパッド領域14及びゲートラインパッド領域15の直上の画素電極薄膜は残存し、パッド領域の金属材料を保護する役割を果たす。)
・・・(中略)・・・
「[0089] In the fourth embodiment, the array substrate comprises a base substrate 1, and a data line 2 and a gate line 3 are crossed with each other on the base substrate 1 so as to define a pixel unit, and a pixel electrode 9 and a TFT are arranged in the pixel unit. The TFT comprises a gate electrode 4, an active layer 6, a source electrode 10 and a drain electrode 11, wherein the data line 2 and the gate line 3 are formed with the same material in the same layer and the data line 2 is discontinuously disposed so as to be separated from the gate line 3. A bridge via hole 7 and a source electrode via hole 8 are formed in a gate insulating layer 5 covering the data line 2, the gate line 3 and the gate electrode 4, wherein the bridge via hole 7 is located at positions respectively corresponding to adjacent sections of the discontinuous data lines 2, and the source electrode via hole 8 also corresponds to the data line 2. A source electrode 10, a drain electrode 11 and a pixel electrode 9 are formed of the same material in the same layer, and a bridge line 12 is simultaneously formed, and the drain electrode 11 and the pixel electrode 9 are formed integrally. The source electrode 10 is connected with the data line 2 through the source electrode via hole 8 and the bridge line 12 connects the adjacent sections of the discontinuous data lines 2 through the bridge via hole 7 and the source electrode via hole 8. That is, the source electrode via hole 8 also works another bridge via hole. In order to protect each pattern structure on the array substrate, a protection film layer 13 may cover the source electrode 10, the drain electrode 11, the pixel electrode 9 and the bridge line 12. It is obvious that the bridge via holes can be formed in pair, in which case the source electrode via hole 8 is used only to connect source electrode 10 and the data line 2.」
(第4実施形態において、アレイ基板は、ベース基板1を含み、データライン2とゲートライン3は、ベース基板1上で互いに交差して画素ユニットを定め、画素電極9とTFTは、画素ユニット内に配置される。TFTは、ゲート電極4と、活性層6と、ソース電極10と、ドレイン電極11を備え、データライン2とゲートライン3は同一材料で同一層に形成され、データライン2がゲートライン3から離間して不連続に配置されている。データライン2、ゲートライン3及びゲート電極4を覆うゲート絶縁層5には、ブリッジビアホール7及びソース電極ビアホール8が形成され、ブリッジビアホール7は、不連続なデータライン2の隣接部分にそれぞれ対応する位置に配置され、ソース電極ビアホール8もデータライン2に対応する。ソース電極10、ドレイン電極11及び画素電極9は同一材料で同一層に形成され、ブリッジライン12は同時に形成され、ドレイン電極11と画素電極9は一体に形成される。ソース電極10は、ソース電極ビアホール8を介してデータライン2に接続され、ブリッジライン12は、ブリッジビアホール7及びソース電極ビアホール8を介して不連続なデータライン2の隣接する部分を接続する。すなわち、ソース電極用ビアホール8は、他のブリッジ用ビアホールとしても機能する。アレイ基板上の各パターン構造を保護するために、保護膜層13がソース電極10、ドレイン電極11、画素電極9及びブリッジライン12を覆ってもよい。もちろん、ブリッジビアホールを一対に形成してもよく、この場合、ソース電極ビアホール8は、ソース電極10とデータライン2を接続するためにのみ使用される。)
「図11及び図12
[図:0001397799000006.jpg]
」
(エ) 引用文献2技術事項1の認定
前記(ア)に摘記した事項及び前記(イ)において認定した事項を総合すると、引用文献2には次の技術事項が記載されていると認められる(以下「引用文献2技術事項1」という。)。
[引用文献2技術事項1]
「表示装置であって、該表示装置は、基板SUB、表示部材DM、封止又は封止EN、タッチ部材又はタッチセンサーTM、及びブリッジラインBRを含み、([0049])
表示部材DMは、発光可能な有機発光ダイオードOLEDと、有機発光ダイオードOLEDに接続された薄膜トランジスターTFTを含み、([0052])
前記封止ENは薄膜封止層で形成したものであり、([0062])
前記表示装置は、基板SUB、薄膜トランジスターTFT、有機発光ダイオードOLED、封止EN、タッチ部材TMを構成する第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2がこの順で積層された構成からなる、(前記(イ)の認定事項)
表示装置。」
(オ) 引用文献2技術事項2の認定
前記(ア)に摘記した事項から、引用文献2には次の技術事項が記載されていると認められる(以下「引用文献2技術事項2」という。)。
[引用文献2技術事項2]
「表示部材DMは、発光可能な有機発光ダイオードOLEDと、有機発光ダイオードOLEDに接続された薄膜トランジスターTFTを含み、([0052])
薄膜トランジスターTFTは、活性層AL、ゲート電極GE、ソース電極SE及びドレイン電極DEを含み、([0053])
ゲート電極GEは、絶縁層を介して活性層ALの上に配置され、ソース電極SE及びドレイン電極DEは、ゲート電極GEを覆う別の絶縁層上に配置されており、([0056])
表示装置のタッチ部材TMを構成する第1タッチラインTL1は、基板SUBの表示領域DAから非表示領域NDAに延長され、非表示領域NDAに位置する第1タッチラインTL1は、封止ENの第1ブリッジコンタクトホールBC1を介してブリッジラインBRに接続されており、([0073])
接続ラインCLは、封止ENの無機膜ILに形成された第2ブリッジコンタクトホールBC2を介してブリッジラインBRに接続され、第2タッチラインTL2と共に基板SUBの端部に向かって延びており、([0079])
表示装置のブリッジラインBRは薄膜トランジスターTFTのゲート電極GEと同一の層上に配置されたゲート電極GEと同様の材料を含むようにすることができ、ブリッジラインBRは、ゲート電極GEを形成する工程によりゲート電極GEが形成された基板SUB上に同時に形成することができる、([0091])
タッチラインの構成。」
(カ) 周知技術1の認定
前記(ア)及び(ウ)に摘記した事項によれば、引用文献2の[0086]には、同一層に形成された第1タッチラインTL1、接続ラインCL、第2タッチラインTL2の交差による短絡を回避するように第1タッチラインTL1と接続ラインCLを接続するためのブリッジラインBRが設けられており、また引用文献3の[0028]、[0080]には、ブリッジライン12は不連続なゲートライン3の隣接する部分を接続する構成が記載されており、次の技術事項は当業者にとって周知の技術であったと認められる(以下「周知技術1」という。)。
[周知技術1]
「同一層に形成された配線が交差して短絡することを回避するために前記同一層とは異なる層にブリッジラインを設けること。」
(キ) 周知技術2の認定
前記(ウ)に摘記した事項によれば、引用文献3の[0089]には、ゲートライン3及びゲート電極4は、ゲート絶縁層5に覆われており、図12の記載も参照すると、次の技術事項は当業者にとって周知の技術であったと認められる(以下「周知技術2」という。)。
[周知技術2]
「ゲートラインとゲート電極を同一層上に設けること。」
(ク) 技術常識1の認定
前記(ア)及び(ウ)に摘記した事項によれば、引用文献2の[0077]、[0079]には、第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2は基板の端部においてパッドに接続可能であること、引用文献3の[0031]には、データライン及びゲートラインが周縁領域においてパッド領域に接続することが記載されており、次の技術事項は当業者にとって技術常識であったと認められる(以下「技術常識1」という。)。
[技術常識1]
「画像表示装置の周辺領域において、タッチパネルの配線及び駆動回路の配線を接続するパッド部を設けること。」
ウ 引用文献5に記載された事項と引用文献5技術事項の認定
(ア) 引用文献5に記載された事項
当審において新たに引用され、本願の優先日前に発行された文献である特開2012-99083号公報(以下「引用文献5」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0035】
本発明の第1の実施形態は、タッチスクリーンパネルが一体化された平板表示装置に係るものである。図1~図3を参照すると、本発明の第1の実施形態に係るタッチスクリーンパネルは、平板表示装置の上部基板200の一面に直接形成されることを特徴とする。【0036】 ここで、上部基板200の一面は、上部基板200に対応する下部基板100に対向する面であって、以下、これを上部基板200の内側面という。すなわち、図1は、本発明の第1の実施形態に係る平板表示装置の上部基板200の内側面の平面図である。」
「【0039】
また、本発明の第1の実施形態に係る平板表示装置は、有機電界発光表示装置または液晶表示装置でありうる。ここでは、有機電界発光表示装置をその例として説明する。この場合、上部基板200は有機電界発光表示装置の封止基板であり、透明な材質で構成されることが好ましい。」
「【0044】
また、本発明の第1の実施形態に係るタッチスクリーンパネルは、図1に示すように、上部基板200(すなわち、ウィンドウおよび封止基板としての役割を果たす透明基板)の背面に形成されたセンシングパターン220と、第1ボンディングパッド部20aを通じてセンシングパターン220を外部の駆動回路(図示せず)に連結するためのセンシングライン230とを含む。
【0045】
このとき、複数のセンシングパターン220が形成される領域は、画像が表示されてタッチの位置を検出する表示領域500であり、センシングパターン220と電気的に連結されるセンシングライン230および第1ボンディングパッド部20aが形成される領域は、表示領域500の外縁部に位置する非表示領域510である。
【0046】
また、本発明の第1の実施形態において、非表示領域510は、センシングライン230が形成される第1非表示領域510aと、第1非表示領域510aの外縁部に位置し、各センシングライン230と連結される複数の第1ボンディングパッド21で構成される第1ボンディングパッド部20aが形成される第2非表示領域510bとに分けられる。
【0047】
ここで、第2非表示領域510bは、有機電界発光表示装置の上部基板200と下部基板100とを貼り合わせるために、上部基板200と下部基板100との間に形成されたシーリング材400が塗布される領域である。第2非表示領域510bにレーザが照射されてシーリング材400が硬化することにより、上部基板200と下部基板100が貼り合わされる。
【0048】
また、第2非表示領域510bには、図示されているように、第1ボンディングパッド部20aに隣接して第2ボンディングパッド部20bがさらに設けられる。第2ボンディングパッド部20bに設けられる複数の第2ボンディングパッド22は、それぞれ金属パターン232と接続され、金属パターン232は、下部基板100上に配列された複数の信号線(データ線および走査線)(図示せず)とシーリング材400内に設けられた複数の導電媒体(図示せず)を通じて電気的に接続される。なお、これについては、後に図4~6を通じてさらに具体的に説明する。
【0049】
第1ボンディングパッド部20aおよび第2ボンディングパッド部20bは、上部基板200の内側端部に取り付けられる軟性印刷回路基板(FPCB)300と電気的に連結される。
【0050】
このとき、軟性印刷回路基板300は、下部基板100の画素領域に備えられた複数の画素(図示せず)を駆動する駆動IC(図示せず)とも電気的に連結される。本発明の第1の実施形態は、このように、タッチスクリーンパネルと平板表示装置の表示パネルとが1つの軟性印刷回路基板を用いることを特徴とする。」
「【図1】
[図:0001397799000007.jpg]
」
(イ) 引用文献5技術事項の認定
前記(ア)に摘記した事項から、引用文献5には次の技術事項が記載されていると認められる(以下「引用文献5技術事項」という。)。
[引用文献5技術事項]
「タッチスクリーンパネルが一体化された平板表示装置であって、(【0035】)
該平板表示装置は、有機電界発光表示装置であり、(【0039】)
タッチスクリーンパネルは、上部基板200の背面に形成されたセンシングパターン220と、第1ボンディングパッド部20aを通じてセンシングパターン220を外部の駆動回路に連結するためのセンシングライン230とを含み、(【0044】)
第1ボンディングパッド部20aに隣接して第2ボンディングパッド部20bがさらに設けられており、第2ボンディングパッド部20bに設けられる複数の第2ボンディングパッド22は、それぞれ金属パターン232と接続され、金属パターン232は、下部基板100上に配列された複数の信号線(データ線および走査線)とシーリング材400内に設けられた複数の導電媒体を通じて電気的に接続されている(【0048】)
構成。」
(3) 対比・判断
ア 対比
(ア) 対比分析
本件補正発明と引用発明を対比する。
a(a) 引用発明の「表示装置」は「有機発光表示装置」であるから、引用発明における「表示パネル」は、本件補正発明の「有機発光表示パネル」に相当する。
(b) 引用発明の「表示装置」は、「表示パネル300、これに接続されたゲート駆動部400とデータ駆動部500、そしてゲート駆動部400とデータ駆動部500を制御する信号制御部600を含み、タッチパネル10及びこれを制御するタッチセンサ制御部700を含み」、「タッチパネル10は表示パネル300の外面に形成されるか付着されており」(【0071】)、「表示パネル300は、複数のゲート線G1-Gn及び複数のデータ線D1-Dm、そしてこれに接続されておりほぼ行列形態に配列された複数の画素PXを含む」もの(【0072】)であるから、本件補正発明における「回路層」に相当する構成を有することは明らかである。
(c) また、引用発明の「表示装置」は「有機発光表示装置」であるから、本件補正発明における「発光素子層」に相当する構成を有することは明らかである。
(d) したがって、本件補正発明と引用発明は、「回路層、発光素子層を含む有機発光表示パネル」を含む「表示装置」の発明である点で共通する。
b(a) 引用発明の「タッチパネル10」は「タッチ感知ユニット」に相当する。
ここで、本件補正発明における「有機発光表示パネル」の「発光素子層」「の上に配置された」「薄膜封止層の上に配置され[た]」「タッチ感知ユニット」と引用発明の「表示パネル300の外面に形成されるか付着されて[いる]」「タッチパネル10」(【0071】)は、「有機発光表示パネルの上に配置されたタッチ感知ユニット」の点で共通する。
(b) 引用発明の「第1電極セル」及び「第2電極セル」はそれぞれ、本件補正発明の「第1センサ」及び「第2センサ」に相当する。
ここで、引用発明においては、「それぞれの第1電極セルは隣接するn個(ここで、nは1より大きい整数)の第2電極セルと対を成して[いる]」から(【0022】)、第1電極セル及びこれに隣接するn個の第2電極セルは、一つのまとまり(以下「電極セルユニット」という。)を構成していると認められる。そして、当該「電極セルユニット」は、本件補正発明の「センサブロック」に相当すると認められる。
また、引用発明においては、「第1電極セルa11、a12、...、a1n;a21、a22、...、a2nが縦方向にn個配置されている」(【0049】)構成を有し、引用発明の「縦方向」は本件補正発明の「列方向」に相当することから、第1電極セルと対をなす第2電極セルも含めた一つのまとまりとして列方向に並べて配置されていると認められる。したがって、引用発明は、本件補正発明における「それぞれが列方向に並べられたセンサブロックを含[む]」ことに相当する構成を有すると認められる。
(c) 引用発明の「カラムC1」及び「カラムC2」は、それぞれ、本件補正発明の「第1センサ列」及び「第2センサ列」に相当する。
ここで、引用発明においては、「タッチパネル10で、このようなカラムC1、C2、...は同一なパターンで横方向に所定個数存在[する]」(【0049】)から、カラムC1及びカラムC2は、「横方向」、すなわち、本件補正発明の「行方向」に所定個数存在する。したがって、引用発明は、本件補正発明の「前記列方向と交差する行方向に沿って並べられた第1及び第2センサ列」に相当する構成を有すると認められる。
(d) 引用発明の「第1タッチ信号線」及び「第2タッチ信号線」は、それぞれ、本件補正発明の「第1タッチ信号ライン」及び「第2タッチ信号ライン」に相当する。
ここで、引用発明においては、「前記第1電極セルはm本の第1タッチ信号線に一対一対応関係で接続されており」(【0020】)、「第2電極セルが第2タッチ信号線によって第2方向に接続されている」(【0021】)ことから、引用発明は、本件補正発明の「前記センサブロックに連結されたタッチ信号ラインを含む」ことに相当する構成を有すると認められる。
(e) 以上を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、次の点で共通する。
「有機発光表示パネルの上に配置され、それぞれが列方向に並べられたセンサブロックを含み、前記列方向と交差する行方向に沿って並べられた第1及び第2センサ列、及び前記センサブロックに連結されたタッチ信号ラインを含むタッチ感知ユニット(touch sensing unit)」を含む点。
c 前記b(b)から、本件補正発明と引用発明は、「前記センサブロックそれぞれは、第1センサと、前記列方向に並べられたi個(ここで、iは2以上の自然数)の第2センサと、を含[む]」点で一致する。
d(a) 前記b(d)で検討したように、引用発明の「第1タッチ信号線」は「第1電極セル」に接続されているから、本件補正発明と引用発明は、次の点で一致する。 「タッチ信号ラインは、前記センサブロックの第1センサにそれぞれ連結された第1タッチ信号ライン」を含む点。
(b) 引用発明においては、「第1電極セルに隣接して3個の第2電極セルが配置されており、1番目の第1電極セルa11に隣接して第1グループの第2電極セルb111、b112、b113が配置され、2番目の第1電極セルa12に隣接して第2グループの第2電極セルb121、b122、b123が配置され、n番目の第1電極セルa1nに隣接して第nグループの第2電極セルbln1、bln2、bln3が配置されている」(【0053】、【図2】)。
ここで、引用発明の「1番目の第1電極セルa11」と「第1グループの第2電極セルb111、b112、b113」からなる「第1電極セルユニット」、引用発明の「2番目の第1電極セルa12」と「第2グループの第2電極セルb121、b122、b123」からなる「第2電極セルユニット」、「n番目の第1電極セルa1n」と「第nグループの第2電極セルbln1、bln2、bln3」からなる「第n電極セルユニット」は、それぞれ、本件補正発明の「n番目のセンサブロック」のn=1、2、nの場合に相当する。
そして、引用発明においては、「各グループの第2電極セルには3本の第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13が接続されており、第1グループの1番目の第2電極セルb111は第2タッチ信号線lb11を通じて第2グループの3番目の第2電極セルb123と接続され、第2グループの3番目の第2電極セルb123は第3グループの1番目の第2電極セルb131と接続され、このような接続は第nグループの1番目の第2電極セルbln1または3番目の第2電極セルbln3まで続いており、第1グループの2番目の第2電極セルb112は第2タッチ信号線lb12を通じて第2乃至第nグループの2番目の電極セルb122-b1n2に接続され、第1グループの3番目の第2電極セルb113は第2タッチ信号線lb13を通じて第2グループの1番目の第2電極セルb121及び第3グループの3番目の第2電極セルb133と接続され、このような接続は第nグループの3番目の電極セルbln3または1番目の電極セルbln1まで続[く]」構成を有している(【0054】、【図2】)。
以上を踏まえると、引用発明においては、「第1グループの1番目の第2電極セルb111は第2タッチ信号線lb11を通じて第2グループの3番目の第2電極セルb123と接続され[ている]」ところ、この構成は、本件補正発明の「センサブロックのうちn(=1)番目のセンサブロックの前記i(=3)個の第2センサのうちj(=1)番目の第2センサと、前記センサブロックのうちn+1(=2)番目のセンサブロックの前記i(=3)個の第2センサのうちi-j+1(=3)番目の第2センサを連結する第2タッチ信号ライン」に相当する。
また、引用発明においては、「第2グループの3番目の第2電極セルb123は第3グループの1番目の第2電極セルb131と接続され[ている]」ところ、この構成は、本件補正発明の「センサブロックのうちn(=1)番目のセンサブロックの前記i(=3)個の第2センサのうちj(=2)番目の第2センサと、前記センサブロックのうちn+1(=2)番目のセンサブロックの前記i(=3)個の第2センサのうちi-j+1(=2)番目の第2センサを連結する第2タッチ信号ライン」に相当する。
さらに、引用発明においては、「第2グループの3番目の第2電極セルb123は第3グループの1番目の第2電極セルb131と接続され[ている]」ところ、この構成は、本件補正発明の「センサブロックのうちn(=1)番目のセンサブロックの前記i(=3)個の第2センサのうちj(=3)番目の第2センサと、前記センサブロックのうちn+1(=2)番目のセンサブロックの前記i(=3)個の第2センサのうちi-j+1(=1)番目の第2センサを連結する第2タッチ信号ライン」に相当する。
そして、これらの構成は、n番目の構成まで続いている。
以上から、本件補正発明と引用発明は、次の点で一致する。
タッチ信号ラインは、「前記センサブロックのうちn番目のセンサブロックの前記i個の第2センサのうちj番目(ここで、jは1以上でi以下の自然数)の第2センサと、前記センサブロックのうちn+1番目のセンサブロックの前記i個の第2センサのうちi-j+1番目の第2センサを連結する第2タッチ信号ライン」を含む点。
(c) 引用発明の「バスラインBL」は、本件補正発明の「第3タッチ信号ライン」に相当する。
引用発明においては、「第2カラムC2内の第2タッチ信号線lb21、lb22、lb23は第1カラムC1内の第2タッチ信号線lb11、lb12、lb13と感知回路内の3本のバスラインBL(但し、第2タッチ信号線がm本である場合、m本のバスライン)を通じてそれぞれ接続されており、他のカラム内の第2タッチ信号線も同様であり、これによって、同じ行に位置する第2電極セルb111、b211、...;b112、b212、...;...が電気的に接続されて一つの第2電極パターンBをなして[いる]」構成を有している(【0059】)。
そうすると、第1カラムC1の第1電極セルユニットの1番目の第2電極セルb111に連結された第2タッチ信号線lb11と、第2カラムC2の第1電極セルユニットの第2電極セルb211に連結された第2タッチ信号線lb21が、バスラインBLと接続し、これらが電気的に接続され、同様に、第1カラムC1のlb12、lb13と第2カラムC2のlb22、lb23もバスラインBLにそれぞれ接続していると認められる。
したがって、引用発明は、本件補正発明の「前記第2タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサに連結された一つの第2タッチ信号ラインと前記第2タッチ信号ラインのうち第2センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサとに連結された他の一つの第2タッチ信号ラインに連結される第3タッチ信号ライン」に相当する構成を有すると認められる。
したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点で一致する。
タッチ信号ラインは、「前記第2タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサに連結された一つの第2タッチ信号ラインと前記第2タッチ信号ラインのうち第2センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサとに連結された他の一つの第2タッチ信号ラインに連結されるか、又は、前記第1タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記第1センサに連結された一つの第1タッチ信号ラインと前記第1タッチ信号ラインのうち前記第2センサ列の第1センサブロックの前記第1センサとに連結された他の一つの第1タッチ信号ラインに連結される、第3タッチ信号ライン」を備える点。
(d) 引用発明の「BL配線」は、本件補正発明の「第4タッチ信号ライン」に相当する。
ここで、引用発明においては、「BL配線」は、バスラインBLから縦方向下方のタッチセンサ制御部へと接続する構成を有している(前記(2)(イ)aの認定事項参照)。
したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点で一致する。
タッチ信号ラインは、「前記第3タッチ信号ラインに連結されて、前記列方向に延長された第4タッチ信号ライン」を備える点。
(e) 以上を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、次の構成を備える点で一致する。
「前記タッチ信号ラインは、
前記センサブロックの第1センサにそれぞれ連結された第1タッチ信号ラインと、
前記センサブロックのうちn番目のセンサブロックの前記i個の第2センサのうちj番目(ここで、jは1以上でi以下の自然数)の第2センサと、前記センサブロックのうちn+1番目のセンサブロックの前記i個の第2センサのうちi-j+1番目の第2センサを連結する第2タッチ信号ラインと、
前記第2タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサに連結された一つの第2タッチ信号ラインと前記第2タッチ信号ラインのうち第2センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサとに連結された他の一つの第2タッチ信号ラインに連結されるか、又は、前記第1タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記第1センサに連結された一つの第1タッチ信号ラインと前記第1タッチ信号ラインのうち前記第2センサ列の第1センサブロックの前記第1センサとに連結された他の一つの第1タッチ信号ラインに連結される、第3タッチ信号ラインと、
前記第3タッチ信号ラインに連結されて、前記列方向に延長された第4タッチ信号ライン」を含む点。
e 引用発明の「表示装置」は、「表示パネル300」を有し、該表示パネル300は、「複数のゲート線G1-Gn及び複数のデータ線D1-Dm」を有している(【0072】)。
ここで、本件補正発明の「第1信号ライン」及び「第2信号ライン」の意味を理解するために本願明細書の【0075】を参酌すると、次のように記載されている。
「ゲートラインGL、データラインDL、電源ラインPL、及び制御信号ラインCSLのうち一部は同じ層に配置され、一部は他の層に配置される。ゲートラインGL、データラインDL、電源ラインPL、及び制御信号ラインCSLのうちいずれか一つの層に配置された信号ラインが第1信号ラインと定義される際、他の一つの層に配置された信号ラインは第2信号ラインと定義される。またさらに他の一つの層に配置された信号ラインは第3信号ラインと定義される。」
本願明細書の前記【0075】の記載を参酌すると、本件補正発明の「第1信号ライン」及び「第2信号ライン」は、「ゲートラインGL」、「データラインDL」、「電源ラインPL」及び「制御信号ラインCSL」のいずれかに該当する。
以上を踏まえると、引用発明の「ゲート線」及び「データ線」は、それぞれ、本件補正発明の「第1信号ライン」又は「第2信号ライン」のいずれかに相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点で共通する。
「前記回路層は、第1信号ライン及び第2信号ラインを含[む]」点。
f 引用発明の「BL配線」は、「バスラインBL」と接続しており、本件補正発明の「タッチ配線部」に相当する構成を備えることは自明である。
したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点で共通する。
「前記第4タッチ信号ラインは、一端が前記第3タッチ信号ラインに連結されたタッチ配線部を含む」点。
(イ) 一致点及び相違点の認定
前記(ア)の対比分析の検討結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の一致点において一致し、以下の相違点において相違する。
a 一致点
「 回路層、発光素子層を含む有機発光表示パネルと、
有機発光表示パネルの上に配置され、それぞれが列方向に並べられたセンサブロックを含み、前記列方向と交差する行方向に沿って並べられた第1及び第2センサ列、及び前記センサブロックに連結されたタッチ信号ラインを含むタッチ感知ユニット(touch sensing unit)と、を含み、
前記センサブロックそれぞれは、
第1センサと、
前記列方向に並べられたi個(ここで、iは2以上の自然数)の第2センサと、を含み、
前記タッチ信号ラインは、
前記センサブロックの第1センサにそれぞれ連結された第1タッチ信号ラインと、
前記センサブロックのうちn番目のセンサブロックの前記i個の第2センサのうちj番目(ここで、jは1以上でi以下の自然数)の第2センサと、前記センサブロックのうちn+1番目のセンサブロックの前記i個の第2センサのうちi-j+1番目の第2センサを連結する第2タッチ信号ラインと、
前記第2タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサに連結された一つの第2タッチ信号ラインと前記第2タッチ信号ラインのうち第2センサ列の第1センサブロックの前記j番目の第2センサとに連結された他の一つの第2タッチ信号ラインに連結されるか、又は、前記第1タッチ信号ラインのうち前記第1センサ列の第1センサブロックの前記第1センサに連結された一つの第1タッチ信号ラインと前記第1タッチ信号ラインのうち前記第2センサ列の第1センサブロックの前記第1センサとに連結された他の一つの第1タッチ信号ラインに連結される、第3タッチ信号ラインと、
前記第3タッチ信号ラインに連結されて、前記列方向に延長された第4タッチ信号ラインと、を含み、
前記回路層は、第1信号ライン及び第2信号ラインを含み、
前記第4タッチ信号ラインは、
一端が前記第3タッチ信号ラインに連結されたタッチ配線部を含む、
ことを特徴とする表示装置」
である点。
b 相違点
(a) 相違点1
本件補正発明においては、
表示装置が、「ベース層、前記ベース層の上に配置された回路層、前記回路層の上に配置された発光素子層、及び前記発光素子層の上に配置された薄膜封止層を含む有機発光表示パネル」と、「前記薄膜封止層の上に配置されたタッチ感知ユニット」を含むのに対し、
引用発明においては、
回路層、発光層、有機発光表示パネル、タッチ感知ユニットを備えるものの、ベース層、薄膜封止層を有するか否かについては不明であり、また、上記順序の層構成を有しているか不明である点。
(b) 相違点2
本件補正発明においては、
「回路層は、前記ベース層の上に配置された第1信号ライン、前記第1信号ラインの上に配置された第1層間絶縁層、前記第1層間絶縁層の上に配置された第2信号ライン、及び前記第1信号ラインまたは前記第2信号ラインと同じ層に直接配置されたダミー導電ラインを含み、」
「前記ダミー導電ラインは非表示領域に配置され、前記一つの第1タッチ信号ライン、前記他の一つの第1タッチ信号ライン、前記一つの第2タッチ信号ライン、及び前記他の一つの第2タッチ信号ラインのうち前記第3タッチ信号ラインに連結されていない信号ラインは前記第3タッチ信号ラインと同じ層の上に配置され[ている]」のに対し、
引用発明においては、
回路層が第1信号ライン及び第2信号ラインを含むものの、ベース層、第1層間絶縁層、ダミー導電ラインの構成について不明であり、
表示領域外において、バスラインBLと第1タッチ信号線は交差しているものの、具体的にどのように交差しているか定かではなく、上記構成を有するか否かについて定かではない点。
(c) 相違点3
本件補正発明においては、
「前記第4タッチ信号ラインは、一端が前記第3タッチ信号ラインに連結されたタッチ配線部と、前記タッチ配線部の他端に連結されたタッチパッド部と、を含み、前記タッチパッド部は前記有機発光表示パネルの信号パッド部と整列された[ものである]」のに対し、
引用発明においては、
タッチ配線部を有しているものの、タッチパッド部の構成、及び、タッチパッド部が有機発光表示パネルの信号パッド部と整列された点について不明である点。
イ 判断
(ア) 相違点1について
a 引用文献2においては、基板SUB、薄膜トランジスターTFT、有機発光ダイオードOLED、薄膜封止層で形成した封止EN、タッチ部材TMを構成する第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2がこの順で積層された表示装置が記載されている(引用文献2技術事項1を参照)。
ここで、「薄膜トランジスターTFT」はゲート電極等を有しており画素の回路部を構成することから、本件補正発明の回路層を構成していることは自明である。
また、次の「引用文献2技術事項1」の欄に記載した引用文献2技術事項1の技術事項は、それぞれ、対応する本件補正発明の欄に記載した次の本件補正発明の構成に相当する。
<引用文献2技術事項1> <本件補正発明>
基板SUB ベース層
有機発光ダイオードOLED 発光素子層
薄膜封止層で形成した封止EN 薄膜封止層
タッチ部材TM タッチ感知ユニット
b 引用発明における表示装置を具体化するにあたり、引用文献2技術事項1を選択して相違点1に係る構成を備えるようにすることは、当業者にとっては、設計上の事項にすぎない。
(イ) 相違点2について
a 一般にディスプレイの配線に関する技術分野において、同一層に形成された配線が交差して短絡することを回避するために前記同一層とは異なる層にブリッジラインを設けることは、周知技術である(周知技術1を参照)。そして、当該ブリッジラインは、本件補正発明の「ダミー導電ライン」に相当する(なお、本件補正発明の「ダミー導電ライン」は、第3タッチ信号ラインと第1又は第2タッチ信号ラインとが短絡しないようにしつつ当該第1又は第2タッチ信号ラインの第1タッチ配線部及び第2タッチ配線部が電気的に連結するために必要な構成であって(本願明細書等の【0144】、【図25】参照)、決して「ダミー」の部材ではない。)。
引用発明においても、表示領域外において、バスラインBLと第1タッチ信号線は交差しているところ、前記周知技術1を採用し、当該交差の構成を有する表示領域外においてブリッジラインを配置し、バスラインBLと第1タッチ信号線を同一層に配置し、かつ、異なる層に設けられた前記ブリッジラインによってこれらが短絡することを回避する構成とすることは当業者であれば適宜なし得ることである。
b 引用文献2において、[0073]、[0079]及び[0091]によれば、第1タッチラインTL1と接続ラインCLを接続するこれらと異なる層に形成されたブリッジラインBRは、薄膜トランジスターTFTのゲート電極と同一の層上に配置されており、基板SUBの上に絶縁層を介してゲート電極GEが設けられ、さらに別の絶縁層を介してその上にソース電極SE及びドレイン電極DEが配置されている(引用文献2技術事項2を参照)。
また、ゲート電極とゲートラインを同一層上に設けることは周知技術である(周知技術2を参照)。
さらに、前記ア(ア)eにおいて説示したように、本件補正発明の「第1信号ライン」、「第2信号ライン」は、ゲートラインGL、データラインDL、電源ラインPL、及び制御信号ラインCSLのいずれかに該当する。
したがって、上記引用文献2技術事項2を参照し、引用発明の回路層の構成として、基板、絶縁層、ゲート電極、絶縁層、ソース電極及びドレイン電極からなるものを採用し、ゲート電極及びブリッジラインを同一層に設け、かつ、周知技術2を参照して、ゲート電極とゲートラインを同一層に設け、その結果としてゲートラインとブリッジラインを同一層に設けるように構成することは当業者であれば適宜なし得ることである。
c 以上検討のとおり、相違点2は、引用発明、引用文献2技術事項2、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に想到し得ることであると認められる。
(ウ) 相違点3について
a 一般に、画像表示装置の周辺領域において、タッチパネルの配線及び駆動回路の配線を接続するパッド部を設けることは技術常識であって(技術常識1を参照)、引用発明においても当然備える構成であると認められる。
b 引用文献5には、表示装置を構成するタッチスクリーンパネルの配線に接続する第1ボンディングパッドと、有機電界発光表示装置に信号を送るデータ線、走査線に接続する第2ボンディングパッドとが隣接して配置される構成が記載されている(引用文献5技術事項を参照)。
そして、引用文献5技術事項に記載された発明の「第1ボンディングパッド」及び「第2ボンディングパッド」はそれぞれ、本件補正発明の「タッチ配線部の他端に連結されたタッチパッド部」及び「有機発光表示パネルの信号パッド部」に相当する。
c 引用発明におけるパッド部を具体化するに当たって、引用文献5技術事項を選択して相違点3に係る構成を備えるようにすることは、当業者にとっては、設計上の事項にすぎない。
(エ) 総合評価
前記相違点1から3を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する効果としては、引用発明、引用文献2技術事項1、引用文献2技術事項2、周知技術1、周知技術2、技術常識1及び引用文献5技術事項から当業者が予測困難で、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本件補正発明は、引用発明、引用文献2技術事項1、引用文献2技術事項2、周知技術1、周知技術2、技術常識1及び引用文献5技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 請求人の主張等について
(ア) 審判請求書の主張内容
請求人の主張は、概略次のとおりである。
本発明を更に限定する追加の発明特定事項として「第4タッチ信号ライン」を加えた上、第4タッチ信号ラインのタッチパッド部が有機発光表示パネルの信号パッド部と整列されることを特定する文言を付加する補正を行ったことで、引用文献1~3に記載の発明には開示されていない構成を備え、これにより、表示装置のパッド領域と回路基板PCBとのボンディングの信頼性が向上されるという効果を奏しており、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1~3に記載された発明から当業者が容易に想到し得ないものである。
(イ) 請求人の主張についての検討
「第4タッチ信号ライン」については、前記(3)ア(ア)d(d)において説示したように、引用発明の「BL配線」が対応する構成であると認められる。
また、「第4タッチ信号ラインのタッチパッド部が有機発光表示パネルの信号パッド部と整列されること」は、前記イ(ウ)において説示したように、引用発明、引用文献5技術事項及び技術常識1を参照して、当業者が容易に想到し得る設計上の事項である。
さらに、出願人の主張する「表示装置のパッド領域と回路基板PCBとのボンディングの信頼性が向上されるという効果」については、本願明細書の【0140】を参照すると、「タッチ感知ユニットTSのパッド領域と有機発光パネルDPのパッド領域が類似した積層構造を有すること」によって奏する効果であって、単に「第4タッチ信号ラインのタッチパッド部が有機発光表示パネルの信号パッド部と整列されること」のみによって達成される効果ではないから、上記主張は、本願請求項1の記載に基づくものではない。
したがって、請求人の上記主張は採用できず、前記イ(エ)の結論を左右するものではない。
(4) 小括
以上検討のとおり、本件補正発明は、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 本件補正の適否のまとめ
よって、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
したがって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
5 上申書補正案について
請求人は、令和4年8月12日付けで上申書を提出して、補正案を示し、理由が解消されるものと思料するので、補正の機会を与えることを要請している。
しかしながら、上申書では、当該補正が限定的減縮であること(補正前と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であること)の説明がなく、また、審理のためには新たな先行技術調査を必要とするものであるから、直ちに適法であると評価できるものではない。
以上を勘案して、上申書の補正案については、当合議体は検討しない。
第3 本願発明について
1 本願発明について
本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~9に係る発明は、令和3年7月27日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は前記第2の1(1)に摘記した事項により特定されるとおりである。
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由のうち、本願発明についての進歩性欠如の理由は、次のとおりである。
理由2(進歩性の欠如)
本願発明は、下記の引用文献1~3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1:特開2015-176602号公報
引用文献2:米国特許出願公開第2016/0103537号明細書
引用文献3:米国特許出願公開第2011/0073864号明細書(周知技術を示す文献)
3 引用文献に記載された事項
上記引用文献1には、前記第2の3(2)ア(ウ)において認定したとおりの引用発明が記載されていると認められる。
また、引用文献2技術事項1、引用文献2技術事項2、周知技術1及び周知技術2は、前記第2の3(2)イ(エ)~(キ)において認定したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、本件補正発明の「前記第3タッチ信号ラインに連結されて、前記列方向に延長された第4タッチ信号ライン」を含み、「前記第4タッチ信号ラインは、一端が前記第3タッチ信号ラインに連結されたタッチ配線部と、前記タッチ配線部の他端に連結されたタッチパッド部と、を含み、前記タッチパッド部は前記有機発光表示パネルの信号パッド部と整列された」という限定を省いたものである(前記第2の2参照)。
そうすると、前記第2の3(3)アにおいて検討した事項を踏まえると、本願発明と引用発明の相違点は、前記相違点1及び2である。
そして、前記相違点1及び2に係る構成は、前記第2の3(3)イ(ア)及び(イ)において示したとおり、当業者にとって容易に導き出すことのできた構成にすぎず、格別のものではないから、本願発明は、引用発明、引用文献2技術事項1、引用文献2技術事項2、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。
そして、本願発明の奏する作用効果としては、引用発明、引用文献2技術事項1、引用文献2技術事項2、周知技術1及び周知技術2からは予測困難で、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2技術事項1、引用文献2技術事項2、周知技術1及び周知技術2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上検討のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-004700