特許拒絶査定不服審判
2024-012076
表示装置
- 審判番号
- 2024-012076
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-066024
- 請求日
- 2024年07月23日
- 審決日
- 2026年02月12日
- 公報発行日
- 2026年07月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】Tianma Japan株式会社
- 【請求人代理人】木村 満
- 【請求人代理人】齋藤 悟郎
- 【請求人代理人】森川 泰司
- 【請求人代理人】佐藤 浩義
- 【請求人代理人】湯浅 夏樹
- 【請求人代理人】中村 成美
- 【請求人】武漢天馬微電子有限公司
- 【請求人代理人】木村 満
- 【請求人代理人】齋藤 悟郎
- 【請求人代理人】森川 泰司
- 【請求人代理人】佐藤 浩義
- 【請求人代理人】湯浅 夏樹
- 【請求人代理人】中村 成美
- 審判長/審判官
- 審判長 濱野 隆
- 審判官 関口 英樹
- 審判官 井海田 隆
- 分類
- P18 .121-Z (G09F) / P18 .57 -Z (G09F) / P18 .575-Z (G09F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第29条、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020- 66024「表示装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 2月18日出願公開、特開2021- 21931〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年4月1日(優先権主張 令和元年7月24日(以下「優先日」という。))の特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和5年12月13日付け:拒絶理由通知書
令和6年 2月28日 :意見書、手続補正書の提出
同年 4月22日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月30日 :原査定の謄本の送達)
同年 7月23日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年10月 3日付け:前置報告書
同年11月21日 :上申書の提出
第2 令和6年7月23日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年7月23日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
令和6年7月23日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正を含むものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和6年2月28日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。
(1) 本件補正前
「【請求項1】
外光を透過する透過領域と発光素子が配置される発光領域とを有する、複数の画素が配列された透光性基板と、
前記発光領域に配置され、前記外光を遮光する第1遮光層と、
前記第1遮光層の上に配置され、前記発光素子の発光を制御する薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタの活性層を覆う第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層と、
前記第1遮光層と前記第2遮光層とに接続し、前記外光を遮光する第1遮光壁と、を備え、
前記第2遮光層は、前記第1絶縁層の上に配置される第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に配置され前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層との少なくとも一方から構成され、
前記発光素子の一方の電極が、前記発光層と前記定義層の上に形成され、前記透過領域に配置されない、
表示装置。」
(2) 本件補正後
「【請求項1】
外光を透過する透過領域と発光素子が配置される発光領域とを有する、複数の画素が配列された透光性基板と、
前記発光領域に配置され、前記外光を遮光する第1遮光層と、
前記第1遮光層の上に配置され、前記発光素子の発光を制御する薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタの活性層を覆う第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層として機能する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に配置され、前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層と、
前記第1遮光層と前記第2遮光層とに接続し、前記外光を遮光する第1遮光壁と、を備え、
前記発光素子の一方の電極が、前記発光層と前記定義層の上に形成され、前記透過領域に配置されない、
表示装置。」
2 補正の目的
(1) 補正事項について
本件補正が適法といえるためには、当該補正が、特許法17条の2第5項各号に掲げる事項のいずれかを目的とするものでなければならないところ、本件補正のうち請求項1についてする補正は、次の補正事項ア及びイからなるものである。
<補正事項ア>
「第2遮光層」について、本件補正前は
「前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層」
としていたものを、本件補正後は
「前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層として機能する第2絶縁層」
に補正すること。
<補正事項イ>
「定義層」について、本件補正前は
「前記第2遮光層は、前記第1絶縁層の上に配置される第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に配置され前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層との少なくとも一方から構成され、」
としていたものを、本件補正後は
「前記第2絶縁層の上に配置され、前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層と、」に補正すること。
(2) 特許請求の範囲の限定的減縮に該当しないことについて
ア 補正前の「第2遮光層」の構成と「定義層」の関係について
本件補正前の請求項1においては、「第2遮光層」について、「第2絶縁層」と「定義層」との「少なくとも一方から構成され」ると特定されていた。
この記載によれば、本件補正前の「第2遮光層」としては、次の三つの態様が想定されている。
(ア) 「第2遮光層」が「第2絶縁層」のみから構成される態様
(イ) 「第2遮光層」が「定義層」のみから構成される態様
(ウ) 「第2遮光層」が「第2絶縁層」と「定義層」とから構成される態様
ここで、本件補正前の「第2遮光層」とは、「外光を遮光する」という機能に着目して規定されたものであるところ、「定義層」とは、「発光素子の発光層」が「開口に設けられる」ようにするためのものであれば足り、「外光を遮光する」機能まで有しなくても「定義層」であるといえるから、前記(ア)の態様は、「第2遮光層」を構成する要素としての「定義層」がそもそも存在しないことを前提とする態様である。
これに対して、前記(イ)及び(ウ)の態様においては、「定義層」は、「第2遮光層」を構成する部材の一つとして存在し、すなわち「第2遮光層」という概念を規定するための要素として位置づけられていたものと認められる。
イ 補正後の「第2遮光層」の構成と「定義層」の関係について
本件補正後の「第2遮光層」については、「第2遮光層として機能する第2絶縁層」であると特定されているから、補正事項アについてのみ着目すると、本件補正後の「第2遮光層」は、前記アの(ア)に示した態様に限定されたものと考えることもできる。
しかしながら、前記アにおいて述べたとおり、前記(ア)の態様は、「第2遮光層」を構成する要素としての「定義層」がそもそも存在しないことを前提とする態様であるから、補正事項イにより補正された「前記第2絶縁層の上に配置され、前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層」は、もはや「第2遮光層」を構成する要素としての属性を有するものではなくなってしまう。
すなわち、補正事項アにより、「第2遮光層」の実体が「第2絶縁層」のみに限定されたとしても、補正事項イにより、「定義層」は、「第2遮光層(=第2絶縁層)」とは別個独立の構成要素として切り出されることになるから、本件補正後の「定義層」については、補正前のものと比べて、その概念範囲が拡張されたものであると言わざるを得ない。
ウ 「特許請求の範囲の減縮」目的の該当性について
特許法17条の2第5項2号にいう「特許請求の範囲の減縮」とは、一般に、発明を特定する事項を限定してその範囲を狭くすることをいうが、これは、発明の技術的同一性を保持しつつ、その構成要件の概念を直列的に下位概念化する場合等を指すものであると解される。
これを本件補正についてみるに、上記ア及びイで検討したとおり、本件補正は、形式的には、補正事項アにより「第2遮光層」の選択肢を「第2絶縁層」のみに限定したように見えるものの、補正事項イまで含めて検討すると、実質的には、「定義層」を「第2遮光層」の構成要素(内部要素)とすることを廃止し、これを「第2遮光層」の外部に配置される別個の積層物とする構成に変更するものである。
このような変更は、単なる構成要件の限定にとどまらず、発明を構成する部材間の結合関係及びその技術的な位置づけを質的に変更するものであって、技術的構成の組み換えにほかならない。
したがって、本件補正の目的は、特許法17条の2第5項2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」に該当するものとは認められない。
また、本件補正は、同項1号、3号及び4号のいずれを目的とするものとも認められない。
(3) 小括
以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項に規定する要件を満たさないものであるから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により、却下すべきものである。
3 独立特許要件の判断
本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しないが、仮に、本件補正が、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するとした場合、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。
(1) 本件補正発明
ア 本件補正発明の認定と分説
本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。
ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のように構成Xと構成Aから構成Hまでに分説する。また、参考図として、本願の【図7】を掲載する。
<本件補正発明の分説>
A 外光を透過する透過領域と発光素子が配置される発光領域とを有する、複数の画素が配列された透光性基板と、
B 前記発光領域に配置され、前記外光を遮光する第1遮光層と、
C 前記第1遮光層の上に配置され、前記発光素子の発光を制御する薄膜トランジスタと、
D 前記薄膜トランジスタの活性層を覆う第1絶縁層と、
E 前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層として機能する第2絶縁層と、
F 前記第2絶縁層の上に配置され、前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層と、
G 前記第1遮光層と前記第2遮光層とに接続し、前記外光を遮光する第1遮光壁と、を備え、
H 前記発光素子の一方の電極が、前記発光層と前記定義層の上に形成され、前記透過領域に配置されない、
X 表示装置。
<参考図>
【図7】
[図:0001436663000001.jpg]
110 透光性基板、124 透過領域、126 発光領域、140 画素回路、145 アノード電極、146 発光層、147 カソード電極、150 画素TFT、150a 活性層、150g ゲート電極、156,157 電極、161 第1遮光層、163 第1絶縁層、163c 側面、164 第2絶縁層(第2遮光層)、165 定義層(第2遮光層)、165a 第2開口、167 第1遮光壁、E1 発光素子
イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載
本願の明細書(以下「本願明細書」という。)には、次の記載がある。(なお、以下において、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。)
「【0005】
……(中略)……。背面側から発光領域に入射した外光は、画素を駆動するTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)のしきい値電圧のシフトを引き起こす。さらに、特許文献1のOLED表示装置では、正面側から開口部を通って入射した外光がTFTに入射することを防ぐために、開口部とTFTとの間隔を広くしなければならない。開口部とTFTとの間隔を広くすると、OLED表示装置の高精細化が困難になる。」
「【0006】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、外光を透過する透過領域を有し、薄膜トランジスタへの外光の入射を抑制できる表示装置を提供することを目的とする。」
「【0008】
本開示によれば、薄膜トランジスタへの外光の入射を抑制できる。」
「【0028】
第1遮光壁167は、発光領域126の第1遮光層161の上に設けられて、画素TFT150に入射する外光を遮光する。第1遮光壁167は、画素122の内において、第1絶縁層163の透過領域124の側に位置する側面163aと第2絶縁層164の透過領域124の側に位置する側面164aとを覆う。さらに、第1遮光壁167は第1遮光層161と定義層(第2遮光層)165に接続している。これらにより、第1遮光壁167は、表示装置10にZ方向に対して傾いて入射して、透過領域124から画素TFT150に入射する外光502を、遮ることができる。」
「【0029】
第1遮光壁167は、……(中略)……黒色顔料を含む感光性樹脂から構成される。第1遮光壁167は、画素TFT150のしきい値電圧のシフトを抑制する観点から、第1遮光壁167の光学濃度(OD:Optical Density)と第1遮光壁167の厚さ(μm)との積が0.02以上であることが好ましい。……(中略)……。」
「【0038】
以上のように、発光領域126の第1遮光層161と定義層(第2遮光層)165と第1遮光壁167が外光を遮るので、表示装置10は画素TFT150への外光の入射を抑制できる。……(中略)……。さらに、供給配線135、136、137が第1遮光層161の上に配置され、定義層(第2遮光層)165が供給配線135、136、137を覆うので、表示装置10は供給配線135、136、137による外光の反射を抑制できる。」
(2) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定
ア 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である米国特許出願公開第2016/0013260号明細書(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、括弧内に当合議体が作成した日本語訳を示した。また、当合議体により、後記ウの引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。
(ア) BACKGROUND、[0002]、[0003]
「BACKGROUND
[0002] 1. Field
[0003] Exemplary embodiments of the present disclosure relate to organic light emitting display devices and methods of manufacturing organic light emitting display devices.
More particularly, exemplary embodiments of the disclosure relate to organic light emitting display devices including a plurality of transparent regions arranged in an asymmetrical configuration and methods of manufacturing the organic light emitting display devices.」
(背景技術
[0002] 1.分野
[0003] 本開示の例示的な実施形態は、有機発光表示装置及び有機発光表示装置の製造方法に関する。より詳細には、本開示の例示的な実施形態は、非対称な構成で配置された複数の透過領域を含む有機発光表示装置及び当該有機発光表示装置の製造方法に関する。)
(イ) [0024]、[0025]、FIG.1、FIG.2
「[0024] FIG. 1 is a plan view illustrating an organic light emitting display device in accordance with exemplary embodiments. FIG.
2 is a cross sectional view taken along a line A-A′ of FIG. 1.
[0025] Referring to FIGS.1 and 2, an organic light emitting display device 100 may include a substrate 110, thin film transistors, an insulation layer 170, first electrodes 175, a pixel defining layer 180, organic light emitting structures 185, a second electrode 190, etc.」
「FIG.1
[図:0001436663000002.jpg]
」
「
FIG.2
[図:0001436663000003.jpg]
」
([0024]図1は、例示的な実施形態に従った有機発光表示装置を示す平面図である。図2は、図1の線A-A’に沿った断面図である。
[0025] 図1及び図2を参照すると、有機発光表示装置100は、基板110、薄膜トランジスタ、絶縁層170、第1電極175、画素定義層180、有機発光構造体185、第2電極190等を含み得る。)
(ウ) [0026]
「[0026] The substrate 110 may include a transparent insulation substrate.
The substrate 110 may include a plurality of pixel regions I and a plurality of transparent regions II adjacent to the pixel regions I.」
([0026] 基板110は、透明絶縁基板を含み得る。基板110は、複数の画素領域Iと、画素領域Iに隣接する複数の透過領域IIとを含み得る。)
(エ) [0028]
「[0028] Referring to FIG. 2, a light blocking member 120 may be disposed on the buffer layer 115 in the pixel region I. Incident light may be substantially blocked by the light blocking member 120. For example, the light blocking member 120 may be disposed on a portion of the pixel region I of the substrate 110. Thus, when the organic light emitting display device 100 is in an ON state, images may be uniformly displayed in the pixel region I of the organic light emitting display device 100, because the light blocking member 120 may substantially block external incident light. …(中略)…」
([0028] 図2を参照すると、画素領域Iにおいてバッファ層115の上に遮光部材120が配置され得る。入射光は、遮光部材120によって実質的に遮断され得る。例えば、遮光部材120は、基板110の画素領域Iの一部の上に配置され得る。したがって、有機発光表示装置100がオン状態であるとき、遮光部材120が外部からの入射光を実質的に遮断し得るので、有機発光表示装置100の画素領域Iにおいて画像が均一に表示され得る。 …(中略)…)
(オ) [0029]
「[0029] Each of the thin film transistors may be disposed on the light blocking member 120. Each thin film transistor may include an active pattern 125 containing silicon or an oxide semiconductor.
For example, each thin film transistor may include the active pattern 125, a first gate insulation layer 130, a gate electrode 135, a second gate insulation layer 140, a first insulating interlayer 145, a source electrode 150, a drain electrode 155, etc.」
([0029] 各薄膜トランジスタは、遮光部材120の上に配置され得る。各薄膜トランジスタは、シリコン又は酸化物半導体を含有する活性パターン125を含み得る。例えば、各薄膜トランジスタは、活性パターン125、第1ゲート絶縁層130、ゲート電極135、第2ゲート絶縁層140、第1層間絶縁膜145、ソース電極150、ドレイン電極155等を含み得る。)
(カ) [0031]
「[0031] The first gate insulation layer 130 may be disposed on the buffer layer 115 to substantially cover the active pattern 125. For example, the first gate insulation layer 130 may include a silicon oxide, a metal oxide, etc.」
([0031] 第1ゲート絶縁層130は、活性パターン125を実質的に覆うようにバッファ層115の上に配置され得る。例えば、第1ゲート絶縁層130は、酸化シリコン、金属酸化物等を含み得る。)
(キ) [0033]
「[0033] The second gate insulation layer 140 may be disposed on the first gate insulation layer 130 to cover the gate electrode 135. The second gate insulation layer 140 may include a material substantially the same as that of the first gate insulation layer 130. Alternatively, the second gate insulation layer 140 may include a material different from that of the first gate insulation layer 130.」
([0033] 第2ゲート絶縁層140は、ゲート電極135を覆うように第1ゲート絶縁層130の上に配置され得る。第2ゲート絶縁層140は、第1ゲート絶縁層130の材料と実質的に同一の材料を含み得る。あるいは、第2ゲート絶縁層140は、第1ゲート絶縁層130の材料とは異なる材料を含み得る。)
(ク) [0034]
「[0034] The first insulating interlayer 145 may be positioned on the second gate insulation layer 140. The first insulating interlayer 145 may electrically insulate the source and the drain electrodes 150 and 155 from the gate electrode 135. The insulating interlayer 145 having a substantially uniform thickness may be provided on the second gate insulation layer 140 along a profile of the gate electrode 135. The insulating interlayer 145 may include a silicon compound.」
([0034] 第1層間絶縁膜145は、第2ゲート絶縁層140の上に位置し得る。第1層間絶縁膜145は、ソース及びドレイン電極150及び155をゲート電極135から電気的に絶縁し得る。…(途中の日本語訳は省略)… 層間絶縁膜145は、シリコン化合物を含み得る。)
(ケ) [0035]
「[0035] As illustrated in FIG. 2, the source electrode 150 and the drain electrode 155 may be disposed on the first insulating interlayer 145. The source and the drain electrodes 150 and 155 may pass through the first insulating interlayer 145, the second gate insulation layer 140 and the first gate insulation layer 130 to thereby contact the source and the drain regions 126 and 127, respectively.
Each of the source and the drain electrodes 150 and 155 may include metal, alloy, metal nitride, conductive metal oxide, a transparent conductive material, etc.」
([0035] 図2に示されるように、ソース電極150及びドレイン電極155は、第1層間絶縁膜145の上に配置され得る。ソース及びドレイン電極150及び155は、第1層間絶縁膜145、第2ゲート絶縁層140、及び第1ゲート絶縁層130を貫通し、それによりソース及びドレイン領域126及び127にそれぞれ接触し得る。 …(以下の日本語訳は省略)…)
(コ) [0036]
「[0036] The second insulating interlayer 160 may be disposed on the first insulating interlayer 145 to cover the source and the drain electrodes 150 and 155. For example, the second insulating interlayer 160 may include a material substantially the same as that of the first insulating interlayer 145.」
([0036] 第2層間絶縁膜160は、ソース電極150及びドレイン電極155を覆うように第1層間絶縁膜145の上に配置され得る。 …(以下の日本語訳は省略)…)
(サ) [0037]
「[0037] The third insulating interlayer 165 may be located on the second insulating interlayer 160. For example, the third insulating interlayer 165 may include a material substantially the same as those of the first and the second insulating interlayers 145 and 160.」
([0037] 第3層間絶縁膜165は、第2層間絶縁膜160の上に位置し得る。 …(以下の日本語訳は省略)…)
(シ) [0038]
「[0038] The insulation layer 170 may be disposed on the third insulating interlayer 165. The insulation layer 170 may include a black material.
…(中略)… Thus, as illustrated in FIG. 1, the transparent regions II may be at least partially defined by the insulation layer 170. …(中略)…」
([0038] 絶縁層170は、第3層間絶縁膜165の上に配置され得る。絶縁層170は、黒色材料を含み得る。 …(中略)… したがって、図1に示されるように、透過領域IIは、少なくとも部分的に絶縁層170によって画定され得る。 …(中略)…)
(ス) [0040]
「[0040] Referring now to FIG. 2, the first electrode 175 may be disposed in the insulation layer 170. The first electrode 175 may contact the drain electrode 155 through the second insulating interlayer 160, the third insulating interlayer 165, and the insulation layer 170. For example, the first electrode 175 may include a reflective material or a transmittance material.」
([0040] 図2を参照すると、第1電極175が絶縁層170内に配置され得る。第1電極175は、第2層間絶縁膜160、第3層間絶縁膜165、及び絶縁層170を介してドレイン電極155と接触し得る。例えば、第1電極175は、反射部材又は透過部材を含み得る。)
(セ) [0041]
「[0041] The pixel defining layer 180 may be positioned on the first electrode 175. The pixel defining layer 180 may have a pixel opening 182 partially exposing the first electrode 170(当審注:「170」は「175」の誤記と認められるため、日本語訳では誤記を訂正して「175」とした。).
The pixel defining layer 180 may extend on a sidewall of the opening 174. The pixel defining layer 180 may include a black material.
…(中略)…」
([0041] 画素定義層180は、第1電極175の上に位置し得る。画素定義層180は、第1電極175を部分的に露出させる画素開口182を有し得る。画素定義層180は、開口174の側壁上に延在し得る。画素定義層180は、黒色材料を含み得る。 …(中略)…)
(ソ) [0043]
「[0043] The organic light emitting structure 185 may be disposed on the first electrode 175 exposed by the pixel opening 182 of the pixel defining layer 180. The organic light emitting structure 185 may extend onto the sidewall of the pixel opening 182 of the pixel defining layer 180. For example, a plurality of organic light emitting layers may be stacked on the first electrode 170(当審注:「170」は「175」の誤記と認められるため、日本語訳では誤記を訂正して「175」とした。) using light emitting materials for generating different colors of light, such as a red light (R), green light (G), and blue light (B), in accordance with the colors pixels of the organic light emitting
display device 100. In some exemplary embodiments, the organic light emitting layer of the of the organic light emitting structure 185 may include a plurality of stacked light emitting materials for generating red, green, and blue light, to thereby emit white light.」
([0043] 有機発光構造体185は、画素定義層180の画素開口182によって露出された第1電極175の上に配置され得る。有機発光構造体185は、画素定義層180の画素開口182の側壁の上に延在し得る。例えば、有機発光表示装置100の画素の色に合わせて、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)のような異なる色の光を発生させるための発光材料を用いて、複数の有機発光層が第1電極175の上に積層され得る。いくつかの例示的な実施形態において、有機発光構造体185の有機発光層は、赤色、緑色及び青色光を発生させて、それにより白色光を放出するために、複数の積層された発光材料を含み得る。)
(タ) [0044]
「[0044] The second electrode 190 may be positioned on the pixel defining layer 180 and the organic light emitting structure 185. The second electrode 190 may include a material substantially the same as that of the first electrode 170(当審注:「170」は「175」の誤記と認められるため、日本語訳では誤記を訂正して「175」とした。).」
([0044] 第2電極190は、画素定義層180及び有機発光構造体185の上に位置し得る。第2電極190は、第1電極175の材料と実質的に同一の材料を含み得る。)
イ 引用文献1の記載から読み取れる事項の認定
前記アの記載事項及び図面(特に図2)によれば、以下の事項が認められる。
[図:0001436663000004.jpg]
(ア) 図2から、画素定義層180と遮光部材120は、最接近部(当審において付加した丸印に囲まれた領域)においても、間に第1ゲート絶縁層130が存在するため、互いに接続(接触)していないことが読み取れる。
(イ) 図2から、絶縁層170の上に画素定義層180が配置されており、画素定義層180と絶縁層170とは、互いに接続(接触)していることが読み取れる。
(ウ) [0041]、図2から、画素定義層180は、開口174の側壁上に延在しており、その一部が壁状に形成されていることが読み取れる。
(エ) 図2から、第2電極190は、画素領域Iにおいて有機発光構造体185及び画素定義層180を覆うように配置されているだけでなく、透過領域II(開口174)の内壁面及び底面(バッファ層115の表面)を覆うように形成されており、透過領域IIの上にも形成されていることが読み取れる。
ウ 引用発明の認定
前記アの摘記事項及びイの認定事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
<引用発明>
「透明絶縁基板を含み、複数の画素領域Iと画素領域Iに隣接する複数の透過領域IIとを含む基板110と、([0026])
前記画素領域Iにおいてバッファ層115の上に配置され、外部からの入射光を実質的に遮断する遮光部材120と、([0028])
前記遮光部材120の上に配置された、活性パターン125を含む薄膜トランジスタと、([0029])
前記活性パターン125を実質的に覆うようにバッファ層115の上に配置される第1ゲート絶縁層130、([0031])
第1ゲート絶縁層130の上に配置される第2ゲート絶縁層140、([0033])
第2ゲート絶縁層140の上に位置する第1層間絶縁膜145、([0034])第1層間絶縁膜145の上に配置される第2層間絶縁膜160、([0036])第2層間絶縁膜160の上に配置される第3層間絶縁膜165、([0037])と、
前記第3層間絶縁膜165の上に配置され、黒色材料を含み、透過領域IIを少なくとも部分的に画定する絶縁層170と、([0038])
黒色材料を含み、開口174の側壁上に延在し、第1電極175の上に位置し、第1電極175を部分的に露出させる画素開口182を有する画素定義層180と、([0041])
画素定義層180の画素開口182によって露出された第1電極175の上に配置され、画素定義層180の画素開口182の側壁の上に延在して、例えば、有機発光表示装置100の画素の色に合わせて、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)のような異なる色の光を発生させるための発光材料を用いて、複数の有機発光層が第1電極175の上に積層された有機発光構造体185と、([0043])
画素定義層180及び有機発光構造体185の上に位置し、第1電極175の材料と実質的に同一の材料を含む第2電極190と、([0044])と、
を備える、
有機発光表示装置100であって、([0003]、[0025])
画素定義層180と遮光部材120は、最接近部においても、間に第1ゲート絶縁層130が存在するため、互いに接続(接触)しておらず、(認定事項(ア))
絶縁層170の上に画素定義層180が配置されており、画素定義層180と絶縁層170とは、互いに接続(接触)しており、(認定事項(イ))
画素定義層180は、開口174の側壁上に延在しており、その一部が壁状に形成されており、(認定事項(ウ))
第2電極190は、画素領域Iにおいて有機発光構造体185及び画素定義層180を覆うように配置されているだけでなく、透過領域II(開口174)の内壁面及び底面(バッファ層115の表面)を覆うように形成されており、透過領域IIの上にも形成されている、(認定事項(エ))
有機発光表示装置100。」
(3) 引用文献2の記載事項及び技術常識の認定
ア 引用文献2に記載された事項
当審において新たに引用され、優先日前に発行された文献である特開2017-40876号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものである。
(ア) 【0014】、【図2】
「【0014】
図2は、第1の実施形態にかかる有機EL表示装置における発光部IB,IG,IR,IWと透過領域TPとの配置の一例を示す図である。アレイ基板SB上には図2の縦方向に延び、横方向に並ぶ複数の配線領域XWと、図2の横方向に延び縦方向に並ぶ複数の配線領域YWとが設けられている。配線領域XWのそれぞれには図2の横方向に並ぶ1または複数のデータ線DLと電源線PLとが配置される。配線領域YWのそれぞれには図2の縦方向に並ぶ1または複数のゲート線GLが配置される。また、アレイ基板SB上かつ、配線領域XWと、配線領域YWとにより区切られた領域内には、アレイ基板SBの表示領域に入射する外光を透過する透過領域TPが設けられている。」
「【図2】
[図:0001436663000005.jpg]
」
(イ) 【0020】、【0021】、【図3】、【図4】
「【0020】
図4に示すように、第1の実施形態にかかるアレイ基板SBの上には、半導体層(図4では図示せず)と、第1絶縁層IN1と、第1の導電層(図4では図示せず)と、第2絶縁層IN2と、第2の導電層と、第3絶縁層IN3と、第3の導電層と、バンクBKが形成される有機絶縁層と、発光層OLと、共通電極CEの層と、封止膜SFとが順に積層されている。半導体層には、キャパシタCSの1つの電極や、薄膜トランジスタTFT1,TFT2のチャネルが形成されており、第1の導電層にはキャパシタCSのもう1つの電極や、ゲート線GL1,GL2、薄膜トランジスタTFT1,TFT2のゲートが形成されている。第2の導電層には、電源線PL、データ線DL1,DL2、また画素回路PC1,PC2内の配線が形成されている。第3の導電層には、画素電極PEが形成されている。アレイ基板SBは例えばガラスなどの透明材料からなり、半導体層は例えばポリシリコンや酸化物半導体といった半導体材料からなる。第1から第3の導電層はパターニングされた金属の薄膜であり、共通電極CEは例えばITO、IZOといった透明導電膜である。第1から第3絶縁層IN1,IN2,IN3は、無機絶縁材料からなり、バンクBKや封止膜SFは有機絶縁材料からなる。なお、半導体層とアレイ基板SBとの間に、半導体膜の汚染を防ぐための下地膜が設けられてもよい。
【0021】
バンクBKは、平面的にみて画素電極PEのうち周縁部を覆い、かつ第3絶縁層IN3上の領域のうち、画素電極PEの外縁から外側にある一定の幅の領域も覆っている。画素電極PEと発光層OLとは、画素電極PE上にバンクBKが形成されない領域(バンク開口)にて接しており、このバンク開口において共通電極CEと画素電極PEとの間に電流が流れる。したがって、このバンク開口が発光部IB,IG,IR,IWとなる。一方、図3、4に示すように透過領域TPには金属でできた導電膜、即ち配線や、薄膜トランジスタなどの各種回路が形成されておらず、発光層OLも設けられていない。これにより、透過領域TPはアレイ基板SBの上下からきた光を透過させる。なお、透過領域には共通電極CEが設けられなくてもよい。」
「【図3】
[図:0001436663000006.jpg]
」
「【図4】
[図:0001436663000007.jpg]
」
イ 技術常識の認定
前記(ア)に摘記した引用文献2の記載事項に例示しているように、次の技術事項は、当業者にとって技術常識であったと認められる(以下「技術常識1」という。)。
<技術常識1>
「透過型の有機EL表示装置において、共通電極を透過領域に設けないようにできること。」
(4) 本件補正発明と引用発明の対比
ア 対比分析
本件補正発明と引用発明を対比する。
(ア) 構成Aの観点
a 構成Aは、「外光を透過する透過領域と発光素子が配置される発光領域とを有する、複数の画素が配列された透光性基板」を備えることである。
b 「透光性基板」及び「複数の画素が配列された」点について
引用発明の「基板110」は、「透明絶縁基板を含[む]」ものであるから、本件補正発明の「透光性基板」に相当する。
また、引用発明の「基板110」は「複数の画素領域I」を含むものであるから、複数の画素が配置されているといえる。
そうすると、引用発明の「基板110」は、本件補正発明の「複数の画素が配列された透光性基板」に相当する。
c 「外光を透過する透過領域」について
引用発明の「基板110」は「画素領域Iに隣接する複数の透過領域II」を含むものであるところ、当該「透過領域II」は、その名称のとおり光を透過する領域であると認められるから、本件補正発明にいう「外光を透過する透過領域」に相当する。
d 「発光素子が配置される発光領域」について
引用発明の「有機発光構造体185」は、「有機発光表示装置100の画素の色に合わせて、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)のような異なる色の光を発生させるための発光材料を用いて、複数の有機発光層が第1電極175の上に積層された」ものであるから、本件補正発明の「発光素子」に相当する。
また、引用発明の「有機発光構造体185」は「画素領域I」において配置されていることは明らかであることを踏まえると、引用発明の「画素領域I」は、本件補正発明にいう「発光素子が配置される発光領域」に相当する。
e 小括
したがって、本件補正発明と引用発明は、構成Aの観点について、次の点において一致する。
「外光を透過する透過領域と発光素子が配置される発光領域とを有する、複数の画素が配列された透光性基板」を備える点。
(イ) 構成Bの観点
a 構成Bは、「前記発光領域に配置され、前記外光を遮光する第1遮光層」を備えることである。
b 「外光を遮光する」点及び「第1遮光層」について
引用発明は「画素領域Iにおいてバッファ層115の上に配置され、外部からの入射光を実質的に遮断する遮光部材120」を備えているところ、当該「遮光部材120」は、外部からの入射光、すなわち外光を実質的に遮断するものであるから、本件補正発明の「外光を遮光する第1遮光層」に相当する。
c 「発光領域に配置され」る点について
引用発明の「遮光部材120」は、前記のとおり「画素領域I」において配置されるものであるところ、引用発明の「画素領域I」は、前記(ア)dのとおり本件補正発明の「発光領域」に相当するものであるから、引用発明の遮光部材120が画素領域Iに配置される構成は、本件補正発明の「発光領域に配置され」る構成に相当する。
d 小括
以上を踏まえると、引用発明の「画素領域Iにおいてバッファ層115の上に配置され、外部からの入射光を実質的に遮断する遮光部材120」は、本件補正発明の「前記発光領域に配置され、前記外光を遮光する第1遮光層」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明は、構成Bの観点について、次の点において一致する。
「前記発光領域に配置され、前記外光を遮光する第1遮光層」を備える点。
(ウ) 構成Cの観点
a 構成Cは、「前記第1遮光層の上に配置され、前記発光素子の発光を制御する薄膜トランジスタ」を備えることである。
b 「第1遮光層の上に配置され」る点及び「薄膜トランジスタ」について
引用発明は「前記遮光部材120の上に配置された、活性パターン125を含む薄膜トランジスタ」を備えているところ、前記(イ)において検討したとおり、引用発明の「遮光部材120」は本件補正発明の「第1遮光層」に相当するものであるから、引用発明の「前記遮光部材120の上に配置された」「薄膜トランジスタ」は、本件補正発明の「第1遮光層の上に配置され」た「薄膜トランジスタ」に相当する。
また、引用発明の「薄膜トランジスタ」は、「有機発光表示装置100」における「有機発光構造体185」(本件補正発明の「発光素子」に相当)の発光を制御する機能を有するものであるから、本件補正発明にいう「発光素子の発光を制御する薄膜トランジスタ」に相当する。
c 小括
以上を踏まえると、引用発明の「遮光部材120の上に配置された、活性パターン125を含む薄膜トランジスタ」は、本件補正発明の「前記第1遮光層の上に配置され、前記発光素子の発光を制御する薄膜トランジスタ」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明は、構成Cの観点について、次の点において一致する。
「前記第1遮光層の上に配置され、前記発光素子の発光を制御する薄膜トランジスタ」を備える点。
(エ) 構成Dの観点
a 構成Dは、「前記薄膜トランジスタの活性層を覆う第1絶縁層」を備えることである。
b 「活性層を覆う」点及び「第1絶縁層」について
引用発明においては、「薄膜トランジスタ」は「活性パターン125」を含んでいるところ、引用発明の「活性パターン125」は、本件補正発明の「活性層」に相当する。
また、引用発明においては、「第1ゲート絶縁層130」は、「活性パターン125を実質的に覆うようにバッファ層115の上に配置される」ことを踏まえると、当該「第1ゲート絶縁層130」は、「活性パターン125」を覆う絶縁層であるから、本件補正発明の「薄膜トランジスタの活性層を覆う第1絶縁層」に相当する。
c 小括
以上を踏まえると、引用発明の「第1ゲート絶縁層130」は、本件補正発明の「前記薄膜トランジスタの活性層を覆う第1絶縁層」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明は、構成Dの観点について、次の点において一致する。
「前記薄膜トランジスタの活性層を覆う第1絶縁層」を備える点。
(オ) 構成Eの観点
a 構成Eは、「前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層として機能する第2絶縁層」を備えることである。
b 「第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆う」点について
引用発明においては、「第1ゲート絶縁層130の上に」「第2ゲート絶縁層140」が「配置され」、「第2ゲート絶縁層140の上に」「第1層間絶縁膜145」が「位置」し、「第1層間絶縁膜145の上に」「第2層間絶縁膜160」が「配置され」、「第2層間絶縁膜160の上に」「第3層間絶縁膜165」が「配置され」、「第3層間絶縁膜165の上に」「絶縁層170」が「配置され」ていることを踏まえると、「第1ゲート絶縁層130」(第1絶縁層に相当)の上方には、「絶縁層170」が配置されていることになる。
そうすると、引用発明の「絶縁層170」は、「第1ゲート絶縁層130」の上に配置されて「薄膜トランジスタ」を覆うように配置されているものであるから、本件補正発明の「前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆[う]」「第2絶縁層」に相当する。
c 「第2遮光層として機能する第2絶縁層」について
引用発明の「絶縁層170」は、「黒色材料を含み、透過領域IIを少なくとも部分的に画定する」ものであるところ、当該「絶縁層170」は、黒色材料を含むことにより外光を遮光する機能を有し、かつ絶縁性の材料からなる層であるといえるから、本件補正発明にいう「外光を遮光する第2遮光層として機能する第2絶縁層」に相当する。
d 小括
以上を踏まえると、引用発明の「第3層間絶縁膜165の上に配置され、黒色材料を含み、透過領域IIを少なくとも部分的に画定する絶縁層170」は、本件補正発明の「前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層として機能する第2絶縁層」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明は、構成Eの観点について、次の点において一致する。
「前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層として機能する第2絶縁層」を備える点。
(カ) 構成Fの観点
a 構成Fは、「前記第2絶縁層の上に配置され、前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層」を備えることである。
b 「第2絶縁層の上に配置され」る点及び「定義層」について
引用発明は「画素定義層180」を備えており、当該「画素定義層180」は、「絶縁層170」(第2絶縁層に相当)の上に配置されていることを踏まえると、引用発明の「画素定義層180」は、本件補正発明の「前記第2絶縁層の上に配置され」る「定義層」に相当する。
c 「発光層を開口に設けられる」点について
引用発明の「画素定義層180」は、「第1電極175を部分的に露出させる画素開口182を有する」ものであり、当該「画素開口182によって露出された第1電極175の上に」「有機発光構造体185」の「有機発光層」が「配置される」ことを踏まえると、引用発明の「画素開口182」は、本件補正発明の「前記発光素子の発光層」が「設けられる」「開口」に相当する。
したがって、引用発明の「画素定義層180」は、本件補正発明の「前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層」に相当する。
d 小括
以上を踏まえると、引用発明の「画素定義層180」は、本件補正発明の「前記第2絶縁層の上に配置され、前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明は、構成Fの観点について、次の点において一致する。
「前記第2絶縁層の上に配置され、前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層」を備える点
(キ) 構成Gの観点
a 構成Gは、「前記第1遮光層と前記第2遮光層とに接続し、前記外光を遮光する第1遮光壁」を備えることである。
b 「第1遮光壁」及び「外光を遮光する」点について
引用発明の「画素定義層180」は、「開口174の側壁上に延在しており、その一部が壁状に形成されており」、かつ「黒色材料を含[む]」ことを踏まえると、外光を遮光する機能を有するものであるといえるから、引用発明の「画素定義層180」の「開口174の側壁上に延在」した「壁状」の部分は、本件補正発明の「外光を遮光する第1遮光壁」に相当する。
c 「第1遮光層と前記第2遮光層とに接続」する点について
本件補正発明の「第1遮光壁」が「第1遮光層」(構成B)と「第2遮光層」(構成E)とに「接続」するものであるのに対し、引用発明の「画素定義層180」の「開口174の側壁上に延在」した「壁状」の部分(画素定義層180の一部)は、絶縁層170(第2遮光層に相当)とは接続(接触)しているから、本件補正発明と、「前記第2遮光層に接続」する点において共通するものの、遮光部材120(第1遮光層に相当)とは、その間に第1ゲート絶縁層130が存在するため、接続(接触)していないから、本件補正発明と、「第1遮光層」に「接続」していない点で相違する。
d 小括
以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明において、構成Gの観点についての一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)のとおりである。
(a)一致点
「前記第2遮光層に接続し、前記外光を遮光する第1遮光壁を備える」点。
(b)相違点
本件補正発明は、「第1遮光壁」が「第1遮光層と第2遮光層とに接続」しているのに対し、
引用発明は、第1遮光壁に相当する画素定義層180の一部が、第1遮光層に相当する遮光部材120とは接続していない点。
(ク) 構成Hの観点
a 構成Hは、「前記発光素子の一方の電極が、前記発光層と前記定義層の上に形成され、前記透過領域に配置されない」ことである。
b 「発光層と前記定義層の上に形成され」る点について
引用発明の「第2電極190」は、本件補正発明の「前記発光素子の一方の電極」に相当するところ、「画素定義層180及び有機発光構造体185の上に位置[する]」ものであるから、本件補正発明と引用発明は、「前記発光素子の一方の電極が、前記発光層と前記定義層の上に形成され[る]」点において共通する。
c 「透過領域に配置されない」点について
本件補正発明の「前記発光素子の一方の電極」が「透過領域に配置されない」ものであるのに対し、引用発明の「第2電極190」は、「透過領域II(開口174)の内壁面及び底面を覆うように形成されており、透過領域IIの上にも形成されている」ものである点において相違する。
d 小括
以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明において、構成Hの観点についての一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)のとおりである。
(a)一致点
「前記発光素子の一方の電極」が、「前記発光層と前記定義層の上に形成され」る点。
(b)相違点
本件補正発明は、「前記発光素子の一方の電極」が「前記透過領域に配置されない」ものであるのに対し、
引用発明の「第2電極190」は、「透過領域II(開口174)の内壁面及び底面を覆うように形成されており、透過領域IIの上にも形成されている」点。
(ケ) 構成Xの観点
a 構成Xは、「表示装置」であることである。
b 引用発明は、「有機発光表示装置100」であり、本件補正発明の「表示装置」に相当する。
c したがって、本件補正発明と引用発明は、構成Xの観点について、次の点において一致する。
「表示装置」である点。
イ 一致点及び相違点の認定
上記対比分析の結果に基づき、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点をまとめると、以下のとおりである。
(ア)一致点
「外光を透過する透過領域と発光素子が配置される発光領域とを有する、複数の画素が配列された透光性基板と、
前記発光領域に配置され、前記外光を遮光する第1遮光層と、
前記第1遮光層の上に配置され、前記発光素子の発光を制御する薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタの活性層を覆う第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層として機能する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に配置され、前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層と、
前記第2遮光層に接続し、前記外光を遮光する第1遮光壁と、を備え、
前記発光素子の一方の電極が、前記発光層と前記定義層の上に形成されている、表示装置」である点。
(イ)相違点
a 相違点1
第1遮光壁の接続箇所に関し、
本件補正発明は、第1遮光壁が「第1遮光層と第2遮光層とに接続」しているのに対し、
引用発明は、第1遮光壁に相当する画素定義層180の一部が、第2遮光層に相当する絶縁層170には接続しているものの、第1遮光層に相当する遮光部材120とは接続(接触)しておらず、その間に第1ゲート絶縁層130が存在している点。
b 相違点2
電極の配置に関し、
本件補正発明は、「前記発光素子の一方の電極」が「前記透過領域に配置されない」ものであるのに対し、
引用発明の「第2電極190」は、「透過領域II(開口174)の内壁面及び底面を覆うように形成されており、透過領域IIの上にも形成されている」点。
(5) 判断
ア 相違点1について
引用発明において、「遮光部材120」及び「絶縁層170」は、いずれも外部からの入射光を遮断・遮光する役割を有するものであり(前記(4)ア(イ)及び(オ)を参照)また、「画素定義層180」の一部(壁状部分)も黒色材料を含み遮光機能を有している(前記(4)ア(キ)を参照)。
ここで、このように複数の遮光部材を配置する場合において、遮光性能をより高める(光の漏れを抑制する)ことが好ましいことは当業者にとって自明な設計指針であるから、上方の遮光部材(絶縁層170及びこれに接続された画素定義層180)と下方の遮光部材(遮光部材120)とを接続し、遮光構造を連続的なものとすることは、上記自明な設計指針に沿って、当業者が適宜なし得た設計変更にすぎない。
そして、引用発明の画素定義層180を形成する際に、下方の遮光部材120に接触可能なように、第1ゲート絶縁層130が形成される領域を調整することは、表示装置の層間接続における通常の処理技術に照らせば、特段の困難を伴うものではない。
したがって、引用発明において、「画素定義層180」の一部(壁状部分)が遮光部材120と接続(接触)するようにして、前記相違点1に係る本件補正発明の構成を備えることは、当業者にとって容易に想到し得たことである。
イ 相違点2について
透過型の有機EL表示装置において、共通電極を透過領域に設けないようにできることは、当業者にとって技術常識である(前記技術常識1を参照)。
ここで、引用発明の「有機発光表示装置100」も、「画素領域Iに隣接する複数の透過領域II」があることから、透過型の有機EL表示装置であるといえるところ、透過領域IIの透過率をより向上させたほうが良いことは当業者にとって自明な設計指針であり、また、引用発明において、隣接する画素の画素領域I間を接続するように第2電極190(共通電極)を設けることが可能であることも図1より看取できるから、上記自明な設計指針に沿って、前記技術常識1に鑑みて、第2電極190を透過領域II(開口174)に配置しないようにすることは、当業者が適宜なし得た設計変更にすぎない。
したがって、引用発明において、前記相違点2に係る本件補正発明の構成を備えることは、当業者にとって容易に想到し得たことである。
ウ 総合評価
前記ア及びイにおいて検討したとおり、引用発明において、前記相違点1~2に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、引用発明及び技術常識1に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。
そして、相違点1~2を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本件補正発明は、引用発明及び技術常識1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
エ 請求人の主張について
請求人が、審判請求書及び令和6年11月21日に提出された上申書において述べる主張の要旨、およびそれに対する当審の判断は、以下のとおりである。
(ア) 審判請求書における主張について
a 請求人の主張の要旨
請求人は、本件補正発明が、第1遮光層と第2遮光層とに接続する第1遮光壁を備えること、及び、第1遮光壁が第1絶縁層を貫通することを備える点において、引用文献1に記載された発明とは異なり、引用文献1にはこれらを示唆する記載もなく、当業者が適宜なし得る設計事項でもない旨主張する。
また、これらの構成により、薄膜トランジスタへの外光の入射抑制や、表示装置の容易な製造、透過領域の拡大といった顕著な効果を奏する旨主張する 。
b 当審の判断
しかしながら、引用発明において、遮光部材120(第1遮光層に相当)により入射光を実質的に阻止するために、同じく遮光機能を有する画素定義層180(第1遮光壁を含む)をこれに接続させることは、遮光構造の信頼性を高めるための設計事項にすぎない(前記アを参照)。
また、第1遮光壁が第1絶縁層を「貫通する」構成は、本件補正発明の構成として明示されておらず、その点は措くとしても、「貫通する」構成は、上下の遮光層間を接続する際の具体的な態様として当業者が適宜選択し得るものにすぎない。
効果についても、遮光性の向上は構成から当然に予測される範囲内であり、製造の容易性や透過領域の拡大についても、具体的な配置の最適化に伴う予測の範囲内のものであって、格別顕著なものとは認められない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(イ) 令和6年11月21日に提出された上申書における主張について
a 請求人の主張の要旨
請求人は、上申書において補正案を提示し、第1遮光層を「薄膜トランジスタが配置される位置に対応して設ける」こと及び「第1遮光壁と第4遮光壁が第1絶縁層を貫通して、活性層の全周を囲む」ことを特徴とする発明に補正する用意がある旨主張する。
そして、引用文献1の遮光部材120は画素領域の全領域を覆うものであり、また絶縁層等を貫通する構成も有さないことから、上記特徴は容易に想到できるものではない旨主張する。
b 当審の判断
しかしながら、引用発明において、遮光部材120(第1遮光層)を遮光すべき対象である薄膜トランジスタの配置位置に合わせて設けることは、当該技術分野における設計上の常識にすぎない。
また、遮光壁(第1遮光壁および第4遮光壁)により活性層の全周を囲む構成についても、外部からの光を遮断するという遮光の目的に照らせば、遮光対象の周囲を遮光部材で囲むことを想到することが格別困難とはいえない。
そうすると、引用発明において一部に存在している壁状の遮光要素を、全周にわたって延在させることは、所望する遮光性能に照らして当業者がなし得る設計的事項というべきものである。
したがって、上申書における請求人の主張及び提示された補正案の内容を考慮しても、本願の請求項1に係る発明の進歩性が認められるものではない。
(6) 独立特許要件の判断のまとめ
以上検討のとおり、本件補正発明は、引用発明及び技術常識1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。
4 本件補正の却下の決定の理由のむすび
前記2において説示したとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、仮に、本件補正が、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものに該当するとして検討しても、前記3において説示したとおり、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、いずれにしても本件補正は、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明について
本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。
ここで、本願発明の構成を分説すると、次のとおりである。
なお、本件補正発明の構成と同じ構成については、本件補正発明の構成に付した符号と同じものを用いている。
<本願発明の分説>
A 外光を透過する透過領域と発光素子が配置される発光領域とを有する、複数の画素が配列された透光性基板と、
B 前記発光領域に配置され、前記外光を遮光する第1遮光層と、
C 前記第1遮光層の上に配置され、前記発光素子の発光を制御する薄膜トランジスタと、
D 前記薄膜トランジスタの活性層を覆う第1絶縁層と、
E’前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層と、
F’前記第2遮光層は、前記第1絶縁層の上に配置される第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に配置され前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層との少なくとも一方から構成され、
G 前記第1遮光層と前記第2遮光層とに接続し、前記外光を遮光する第1遮光壁と、を備え、
H 前記発光素子の一方の電極が、前記発光層と前記定義層の上に形成され、前記透過領域に配置されない、
X 表示装置。
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定の本願発明に対する拒絶の理由のうち理由1(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。
理由1(進歩性の欠如)
本願発明は、優先日前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.米国特許出願公開第2016/0013260号明細書(主たる引用文献)
3 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定等
引用文献1に記載された事項及び引用発明並びに技術常識1は、前記第2の3(2)ア及びウ並びに(3)イにおいて示したとおりである。
4 対比・判断
(1) 対比
前記第2の3(4)アにおいて検討した本件補正発明と引用発明の対比分析の結果を踏まえつつ、本願発明と引用発明を対比すると、その一致点及び相違点は以下のとおりである。
ア 一致点
「外光を透過する透過領域と発光素子が配置される発光領域とを有する、複数の画素が配列された透光性基板と、
前記発光領域に配置され、前記外光を遮光する第1遮光層と、
前記第1遮光層の上に配置され、前記発光素子の発光を制御する薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタの活性層を覆う第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置されて前記薄膜トランジスタを覆い、前記外光を遮光する第2遮光層と、
前記第2遮光層に接続し、前記外光を遮光する第1遮光壁と、を備え、
前記第2遮光層は、前記第1絶縁層の上に配置される第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に配置され前記発光素子の発光層を開口に設けられる定義層との少なくとも一方から構成され、
前記発光素子の一方の電極が、前記発光層と前記定義層の上に形成されている、表示装置」である点。
イ 相違点
(ア) 相違点1
第1遮光壁の接続構造に関し、
本願発明は、第1遮光壁が「第1遮光層と第2遮光層とに接続」しているのに対し、
引用発明は、第1遮光壁に相当する画素定義層180の一部が、第2遮光層に相当する絶縁層170には接続しているものの、第1遮光層に相当する遮光部材120とは接続(接触)しておらず、その間には第1ゲート絶縁層130が存在している点。
(イ) 相違点2
電極の配置に関し、
本願発明は、「前記発光素子の一方の電極」が「前記透過領域に配置されない」ものであるのに対し、
引用発明の「第2電極190」は、「透過領域II(開口174)の内壁面及び底面を覆うように形成されており、透過領域IIの上にも形成されている」点。
(2) 判断
ア 相違点についての判断
相違点1および相違点2は、第2の3(4)イ(イ)において示したものと同一であるから、第2の3(5)において説示した判断と同様の判断により、引用発明及び技術常識1に基づいて、当業者が容易になし得たものである。
イ 本願発明の効果について
本願発明の奏する効果は、上記の構成の採用に伴って当業者が予測し得る範囲内のものにとどまり、格別顕著な効果を認めることはできない。
ウ 小括
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び技術常識1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2024-012076