商標異議申立
2021-900078
ソロマーク、ソロ
- 審判番号
- 2021-900078
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-065938
- 登録番号
- 6327706
- 請求日
- 2021年03月04日
- 審決日
- 2021年12月28日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】余姚市騰致貿易有限公司
- 【異議申立人】シェルタード ウィングス, インコーポレイテッド
- 【異議申立人代理人】長谷川 芳樹
- 【異議申立人代理人】黒川 朋也
- 【異議申立人代理人】魚路 将央
- 【異議申立人代理人】森川 邦子
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T1651.1 -Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6327706号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6327706号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6327706号商標(以下「本件商標」という。)は、「solomark」の文字を標準文字で表してなり、令和2年5月28日に登録出願、第9類「接眼レンズ,顕微鏡,映写機用光源ランプ,光学レンズ,拡大鏡(光学用のもの),光学用機器,天文用測定機械器具、天体望遠鏡,屈折望遠鏡,双眼鏡,望遠鏡,火器用照準望遠鏡」を指定商品として、同年11月27日に登録査定、同年12月10日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件の登録異議の申し立ての理由において引用する登録第5847274号商標(以下「引用商標」という。)は、「SOLO」の文字を標準文字で表してなり、平成27年12月15日に登録出願、第9類「単眼鏡,写真機械器具及びその部品並びに付属品,光学機械器具及びその部品並びに付属品」を指定商品として、同28年4月28日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第36号証を提出した。
(1)本件商標
ア 本件商標は、「solomark」の文字を標準文字で表してなるが、当該商標の構成中「solo」は「独唱(曲)、独奏(曲)、ソロ、(一般に)独演、(空)単独飛行」などを、また、「mark」は「しるし、記号、商標、(学業成績の)評価、目印」などを意味する平易な英語である(甲3)。そのため、本件商標は、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と容易に認識され得る。
イ 欧文字「solo」について
欧文字「solo」は、「独唱(曲)、独奏(曲)、ソロ、(一般に)独演、(空)単独飛行」などを意味する英語であるが(甲3)、日本語の辞書でも、「ソロ(solo)」は、「歌唱・楽器演奏・舞踏などを一人で演じること。協奏曲において、トゥッティ(総奏)に対する独奏部分。」などを意味する語として載録されている(甲4)。
しかしながら、たとえ、「solo」及び「ソロ」の文字が、「一人で」といった意味を有する語として一般に認識、使用されるものであるとしても、本件商標の指定商品の品質等を表示するものとして使用されているといった実情は認められない。むしろ「solo」は、その使用例(甲5~甲10)から、本件商標の指定商品の取引者、需要者に、その指定商品との関係において、出所識別標識として認識されているものということができる。
ウ 欧文字「mark」について
欧文字「mark」は、「しるし、記号、商標、評価、目印」などを意味する平易な英語であるが(甲3)、日本語の辞書でも、「マーク(mark)」は、「しるし、記号、標章」を意味する語として載録されており(甲4)、該語は、日本語化するほどに一般社会の人たちに馴じまれ知られている語であるといえる。
そして、「マーク(mark)」の文字は、商取引の実情に照らし一般に、「○○(の)マーク」のように、他と区別するための印であることを表わす語として用いられている(甲11~甲14)。
そのため、「mark」の文字部分は、自他商品の識別標識として機能が極めて弱い部分ということができる。
エ 本件商標の構成部分の一部による類否判断の可否について
商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用される商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであるが、複数の構成部分の組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部(以下、「特定構成部分」という。)が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な引用を与えるもの認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識として称呼、観念が生じないと認められる場合などには、特定構成部分を抽出し、特定構成部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断されるものと解される(平成19年(行ヒ)第223号:甲15)。
上記アによれば、本件商標を構成する「solo」と「mark」は、日本語化するほどに一般社会の人たちに馴染まれ知られている語であり、本件商標は、「solo」と「mark」を組み合わせたものと容易に認識される。
そして、欧文字「solo」は、本件商標の指定商品の取引者、需要者に、出所識別標識として認識されるものであるのに対し、欧文字「mark」は、「他と区別するための印」を意味する表示であると認識される出所識別標識として極めて弱い語である。
それゆえ、本件商標は、その構成前半部分「solo」が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える。
また、たとえ、本件商標の全体が一体に表されていることや、「ソロマーク」の称呼が一連に称呼し得ることを考慮しても、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどの実情も認めることはできない。
したがって、本件商標の要部は、「solo」の文字部分にあり、これより「一人で」といった観念と、「ソロ」の称呼が生じるというべきである。
(2)引用商標
引用商標は、「SOLO」の文字を標準文字で表してなるが、上記(1)イのとおり、「SOLO」は「独唱(曲)、独奏(曲)、ソロ、(一般に)独演、単独飛行」など意味する平易な英語であり(甲3)、また、日本語の辞書でも、「歌唱・楽器演奏・舞踏などを一人で演じること。協奏曲において、トゥッティ(総奏)に対する独奏部分。」などを意味する語として載録されている(甲4)。
したがって、引用商標は、「一人で」といった観念と、「ソロ」の称呼が生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
そこで、本件商標の要部「solo」と引用商標とを比較すると、両者は同一の文字構成よりなり、これより「一人で」といった観念と「ソロ」の称呼が生じるものであるから、これらは互いに類似する商標である。
(4)指定商品の類似について
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品の一部と共通しており、本件商標の指定商品が引用商標のそれと同一又は類似の関係にあることは明らかである。
(5)市場における混同のおそれについて
引用商標は、ボルテックスオプティクス(VortexOptics)の商号で事業を行っている申立人により(甲20)、現在グローバルに販売する単眼鏡に2003年より使用され、また、指定商品「単眼鏡」について、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)の居所である中国を含む多数の国で商標登録されている(甲21~甲29)。
単眼鏡は、測距機能の有無、「倍率」及び明るさの目安となる「対物レンズ有効径」を用途に合わせて選択できるよう、複数のスペックを一つのブランドのもとに製品化されることが一般的で、これらの光学性能がひと目でわかるように、製品名にはそれらの値等が表記されているものが多い。申立人も、「SOLO」ブランドのもと、倍率8倍、対物レンズ36mm、測距機能のある「SOLO TACTICAL RT8×36」、倍率8倍又は10倍、対物レンズ36mm、測距機能のない「SOLO 8×36」、「SOLO 10×36」、倍率8倍又は10倍、対物レンズ25mm、測距機能のない「SOLO 8×25」及び「SOLO 10×25」を展開している(甲31~甲34)。
他方、本件商標は、本件商標権者が製造する「単眼鏡、双眼鏡」に、「OLO」の文字部分に下線を付し、「SOLO」の文字部分を視覚的に強調した態様で変更使用されている(甲35、甲36)。
本件商標と引用商標は、ともに片手サイズのコンパクトな単眼鏡に、小さくワンポイントマークとして使用されていることを考慮すると(甲6~甲10、甲30~甲36)、本件商標に接した需要者がこれを引用商標のほか、申立人の「SOLO」ブランドと混同することが明らかである。
(6)結論
以上のとおり、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても引用商標と類似し、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する。
また、商品の取引の実情に照らしても、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあることは明らかであることから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「solomark」の文字を標準文字で表してなるところ、これらの文字は同書、同大、等間隔でまとまりよく一体に表してなり、構成文字に相応した「ソロマーク」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、構成中の「mark」の文字が「印(しるし)、記号」などの意味を有する英語として親しまれているとしても、これに接する取引者、需要者は、かかる構成にあって「mark」の文字が「他と区別するための印」を意味する表示であり、出所識別標識として極めて弱い語として、直ちに認識し理解するものとは認められないものである。
さらに、本件商標の指定商品との関係において、本件商標の構成中「solo」の文字部分が取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認め得る事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、構成全体をもって、不可分一体の造語と認識されるとみるのが相当であり、構成文字全体から「ソロマーク」の称呼を生じるものであり、また、「solomark」の文字は、辞書等に載録されていないものであるから、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、上記2のとおり、「SOLO」の文字を標準文字で表してなものであるから、構成文字に相応して「ソロ」の称呼を生じ、「独唱、独奏」などの観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標は、欧文字を小文字で表し、引用商標は、欧文字を大文字で表し、かつ、本件商標の語尾における「mark」の文字の有無に差異を有するものであるから、外観上、判然と区別できるものである。
また、本件商標から生じる「ソロマーク」の称呼と引用商標から生じる「ソロ」の称呼とは、本件商標の語尾における「マーク」の音の有無に差異を有し、この差異音は5音と2音という比較的短い構成音数においては、これらを一連に称呼しても語調、語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはなく明瞭に聴別できるものである。
さらに、本件商標は、特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、「独唱、独奏」などの観念を生じるから、両者は、観念において互いに紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき事情も見いだせない。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が類似するとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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