商標異議申立
2020-900149
トムトップ
- 審判番号
- 2020-900149
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2019-084589
- 登録番号
- 6235975
- 請求日
- 2020年05月28日
- 審決日
- 2021年11月22日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】深▲せん▼市至輝堂実業有限公司
- 【異議申立人】トムトム インターナショナル ベースローテン フェンノート シャップ
- 【異議申立人代理人】田中 伸一郎
- 【異議申立人代理人】中村 稔
- 【異議申立人代理人】松尾 和子
- 【異議申立人代理人】井滝 裕敬
- 【異議申立人代理人】▲吉▼田 和彦
- 【異議申立人代理人】藤倉 大作
- 【異議申立人代理人】角谷 健郎
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 榎本 政実
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T1651.1 -Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6235975号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6235975号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6235975号商標(以下「本件商標」という。)は、「TOMTOP」の文字を標準文字で表してなり、令和元年6月15日に登録出願、第9類「盗難防止警報装置,変圧器(電気用のもの),バッテリーチャージャー,蓄電池,電線用接続具,送電線用材料,スピーカー用筐体,マイクロホン,録音装置,遠隔制御装置,ビデオレコーダー,ビデオカメラ,ヘッドホーン,全地球測位装置(GPS),スマートフォン,ベビーモニター,スマートフォン用のケース,自撮り棒(手持用一脚),スマートフォン用保護フィルム,腕時計型携帯情報端末,コンピュータ,タブレット型コンピュータ,コンピュータ用キーボード,ICチップ,コンピュータ周辺機器,マウス(コンピュータ周辺機器),マウスパッド,USBフラッシュドライブ,発光ダイオード(LED),ラップトップ型コンピューター専用バッグ,サングラス,眼鏡」を指定商品として、同2年2月19日に登録査定、同年3月13日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、引用する国際登録第969888号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、2007年(平成19年)2月28日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、同年8月21日に国際商標登録出願、第9類、第38類、第39類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年2月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の3の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標は、「TOMTOP」の文字を標準文字で表してなるものに対して、引用商標は、「TOMTOM」の文字からなるロゴである。
そして、本件商標は、称呼上及び外観上、引用商標と類似する。
特許庁類似商品・役務審査基準に照らして判断すると、本件商標に係る指定商品は引用商標に係る第9類の指定商品と類似する。
したがって、本件商標は、引用商標と類似し、かつ、本件商標に係る指定商品は引用商標に係る指定商品と類似するので、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性
申立人は、1991年(平成3年)に設立されたオランダのナビゲーションシステムメーカーであり、現在では、ナビゲーション技術を軸としてカーナビゲーション・地図情報サービス・GPS付きランニング用ウォッチなどの様々な商品・サービスを提供している。
申立人の技術は、自動車の自動運転において重要な役割を占めていて、そのため、日本でも積極的に活動し、2020年(令和2年)3月には、トヨタ自動車のグループ会社と協業することが発表された(甲1)。
このような現状からすると、申立人のコーポレートマークである引用商標は、日本でも、広く知れ渡っており、著名であることが分かる。
申立人の著名商標である「TOMTOM」と本件商標を比較すると、末尾の「M」と「P」の違いしかなく、両商標は類似している。
また、本件商標は、申立人の業務に関連する商品「全地球測位装置(GpS)」及び「腕時計型携帯情報端末」等を指定商品としているので、仮に本件商標をその指定商品に使用した場合には、需要者間において、申立人の業務に係る商品と混同が生じるおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同のおそれがあるので、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)引用商標及び「TOMTOM」の文字の周知・著名性について
申立人は、上記3のとおり、引用商標は著名である、また、申立人の著名商標は「TOMTOM」であると主張しているから、引用商標及び「TOMTOM」の文字について、以下検討する。
ア 申立人の主張及び提出した証拠によれば、以下のとおりである。
令和2年(2020年)3月11日付けのインターネットニュース「TechCrunch Japan」において、「地図サービスのTomTomとTRI-AD、デンソーの3社が自動運転向け高精度地図作成で協議」の見出しの下、「オランダを拠点とする地図サービスなどを運営するTomTom(トムトム)は3月11日、トヨタ自動車のグループ会社で自動運転などを研究するトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)とデンソーとの協議を発表した。・・・TomTomは、アップルの『マップ』アプリに地図データが採用された企業で、最近では中国ファーウェイが同社とナビゲーションマッピング、交通情報へのアクセスの提供について契約合意している。」との記事のほか、記事と同時に「TomTom」及び「TomTom HD Map」の文字が記載されている(甲1)。
なお、申立人の提出した証拠は甲第1号証のみである。
イ 上記アからすれば、令和2年(2020年)3月11日付けのインターネットニュースにおいて、申立人に関する内容のインターネット記事が掲載されるとともに地図サービスなどを運営する「TomTom」などと紹介されたことが確認できるとしても、その記事は本件商標の登録査定日後の記事であり、また、その内容は申立人と日本の企業との協業に関する内容のものであって、申立人が申立人の業務に係る商品と主張する「カーナビゲーション・地図情報サービス・GPS付きランニング用ウォッチ」などに引用商標又は「TOMTOM」の文字を使用した事実は見いだせない。
その他、引用商標又は「TOMTOM」の文字を付した申立人の商品の販売の事実及び役務の提供の事実、我が国におけるこれらの商品の販売及び役務の提供に関する売上高、市場シェア、広告宣伝の規模等を裏付ける具体的な証拠の提出はない。
そうすると、引用商標及び「TOMTOM」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、「TOMTOP」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字に相応して「トムトップ」の称呼を生じ、観念については、該文字は辞書等に掲載されている単語ではなく一種の造語といえるものであるから、特定の観念を生じないものとするのが相当である。
イ 引用商標
引用商標は、別掲のとおり、「TomTom」の文字(以下「文字部分」という場合がある。)と該文字の右側に茶色の左右の手の形状と左上及び右下に黒の円弧上の幾何図形を環状に組合せた図形(以下「図形部分」という場合がある。)とを横一列に配した構成であるところ、その構成態様からは、「TomTom」の文字部分と図形部分がそれぞれ独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというのが相当であり、「TomTom」の欧文字は、「北米先住民やアフリカの先住民などの胴長の太鼓」の意味を有する英語であるとしても、我が国において、特定の意味を有する語として広く知られているというべき事情は認められないから、一種の造語といえる。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「トムトム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標は、それぞれ、上記ア及びイのとおり構成からなるところ、両者は、全体の外観においては、図形の有無の差異、構成文字及び構成態様において、明らかに相違するものであるから、外観上、明確に区別できるものである。
また、本件商標と引用商標の要部である「TomTom」の文字の外観を比較すると、外観において、本件商標は全て大文字で表されている構成に対し、引用商標の文字部分は大文字と小文字を組み合せた構成である点に差異を有し、さらに、語尾における「P」と「m」の文字に違いがあるところ、両者はともに6文字という比較的短い文字構成からすれば、外観上、明確に区別できるものである。
次に、本件商標から生じる「トムトップ」の称呼と、引用商標の文字部分から生じる「トムトム」の称呼を比較すると、両者は、前半の「トム」の音を共通にするとしても、後半の「トップ」と「トム」の音の差異があるところ、わずか5音と4音という比較的短い音構成からすれば、両者は、称呼上、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、本件商標及び引用商標の文字部分は、共に特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標の文字部分とは、観念において比較できないとしても、外観において明確に区別できるものであって、称呼において明瞭に聴別できるものであるから、本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
エ 小括
上記アないしウのとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が、引用商標の指定商品及び指定役務中、第9類の指定商品と同一又は類似する商品であるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標及び「TOMTOM」の文字は、上記(1)イのとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
そして、本件商標は、上記(2)ウのとおり、引用商標とは非類似の商標であり、また、本件商標と「TOMTOM」の文字とは、いずれの文字も全て大文字で構成されている点が、本件商標と引用商標の文字部分との比較において異なるものの、その他の比較においては引用商標と同様であるから、非類似の商標といえる。
よって、本件商標と引用商標及び「TOMTOM」の文字との類似性の程度は低いものであるといえる。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、需要者において、申立人や引用商標又は「TOMTOM」の文字を連想、想起するということはできず、当該商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じるおそれのある商標ということはできない。
エ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
なお、申立人は、申立人と商標権者との間で交渉をしていることを理由に本件の審理を猶予してほしい旨上申したことから、審判長は、申立人と商標権者に対し、上記交渉に関する具体的な事実が確認できる書面の提出を求める審尋をしたが、本件登録異議の申立てから相当の期間を経過した現在においても、双方から具体的な進展があったこと等を示す書面の提出はなく、また、本件商標に係る商標権の申立人への移転等の事実も見いだせないため、これ以上、本件の審理を遅延させるべき合理的な理由はないものと判断し、本件の審理を進めることとした。
よって、結論のとおり決定する。
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