2021-701105
有料道路のキャッシュレス決済方法、コンピュータ、およびプログラム
- 審判番号
- 2021-701105
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-025576外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6878478
- 請求日
- 2021年11月25日
- 審決日
- 2022年01月06日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】三井住友カード株式会社
- 【権利者代理人】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
- 【権利者】富士通株式会社
- 【権利者代理人】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
- 【異議申立人】笹井 栄治
- 分類
- P1651.121-Y (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
特許6878478号の請求項1~3に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、平成31年2月15日に出願され、令和3年5月6日にその特許権の設定登録がされ、令和3年5月26日に特許公報が発行された。その後、請求項1~3に係る特許に対し、令和3年11月25日に特許異議申立人笹井栄治(以下「異議申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。
第2 本件発明
特許6878478号の請求項1~3の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明3」という。)は、それぞれその特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】コンピュータが、第1の地点における第1の撮影カメラによって撮影された通行車両のナンバープレートの画像を解析し、前記通行車両の第1の車両番号を取得するステップと、前記コンピュータが、前記第1の車両番号に基づいて、クレジットカードデータを取得するステップと、前記コンピュータが、前記取得されたクレジットカードデータに基づいて、クレジットカードが有効であるかどうかを判定するステップであって、前記クレジットカードが有効であるかどうかの判定は、少なくとも、オーソリゼーションデータをクレジットカード会社のコンピュータに送信することによって行われる、ステップと、続きを表示(全22行)前記コンピュータが、前記クレジットカードが有効であると判定されたことに応じて、前記第1の車両番号、および前記取得されたクレジットカードデータを関連付けた精算データを作成するステップと、前記コンピュータが、第2の地点における第2の撮影カメラによって撮影された前記通行車両のナンバープレートの画像を解析し、前記通行車両の第2の車両番号を取得するステップと、前記コンピュータが、前記第2の車両番号に基づいて、前記精算データを取得するステップと、前記コンピュータが、前記精算データに基づいて、前記第1の地点から前記第2の地点の通行料金の決済データを作成するステップと、前記コンピュータが、前記作成された決済データをクレジットカード会社のコンピュータに送信するステップとを備えたことを特徴とする方法。【請求項2】請求項1に記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。【請求項3】第1の地点における第1の撮影カメラによって撮影された通行車両のナンバープレートの画像を解析し、前記通行車両の第1の車両番号を取得し、前記第1の車両番号に基づいて、クレジットカードデータを取得し、前記取得されたクレジットカードデータに基づいて、クレジットカードが有効であるかどうかを判定し、前記クレジットカードが有効であるかどうかの判定は、少なくとも、オーソリゼーションデータをクレジットカード会社のコンピュータに送信することによって行われ、前記クレジットカードが有効であると判定されたことに応じて、前記第1の車両番号、および前記取得されたクレジットカードデータを関連付けた精算データを作成し、第2の地点における第2の撮影カメラによって撮影された前記通行車両のナンバープレートの画像を解析し、前記通行車両の第2の車両番号を取得し、前記第2の車両番号に基づいて、前記精算データを取得し、前記精算データに基づいて、前記第1の地点から前記第2の地点の通行料金の決済データを作成し、前記作成された決済データをクレジットカード会社のコンピュータに送信するように構成されたことを特徴とするコンピュータ。」
第3 申立理由の概要
異議申立人は、甲第1号証として特開2004-280215号公報を提出し、甲第2号証として特開2004-213569号公報を提出し、甲第3号証として特開2001-39499号公報を提出し、本件発明1~3は、甲第1号証と甲第2号証と甲第3号証とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項に違反してされたものであり、同法第113条第2項により取り消されるべきものである旨主張する。
第4 文献の記載
1 甲第1号証の記載事項と甲1発明
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(1)甲第1号証の記載事項
甲第1号証(以下「甲1」という。)には、以下の事項が記載されている。下線は強調のため当審で付与した。
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、有料道路や有料駐車場を利用した時の利用料金を、利用者の負担を増加させることなく、自動的に決済できる料金決済システム及び料金決済方法に関する。」
「【0018】【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の説明図であり、1は有料道路事業者や駐車場運営事業者等の事業者のサーバ、2はクレジット会社のサーバ、3は公衆網やインターネット等のネットワーク、4は車両7を所有する利用者、5はナンバープレートを撮像するカメラと撮像画像を基に車番を認識して通知する車番通知手段とを備えている料金所、6は料金所と同様のカメラと車番通知手段とを備えている駐車場を示す。【0019】続きを表示(全11行)利用者4は、車両7に乗車して高速道路等の有料道路を走行する前又は駐車場6を利用する前に、固定電話機,携帯電話機,パソコン等から、ネットワーク3を介して事業者のサーバ1にアクセスし、利用者4は、このサーバ1に、車両の車種,車番,有料道路又は駐車場の利用予定日時,利用予定経路等を含む車両情報と、クレジットカード番号等を含む利用者情報とを登録する。このようにサーバ1にアクセスして各種のデータの送受信を行う手段は、既に知られている各種の手段を適用することができる。【0020】事業者のサーバ1は、利用者4からのクレジットカード番号等を基に、クレジット会社のサーバ2にアクセスして、利用可能のクレジットカード番号であるか否かを確認し、利用可能の場合は、利用者4に対して登録応答を送出する。なお、クレジット会社のサーバ2は、適宜、図示を省略した信用調査機関に対して、クレジットカードの信用調査を依頼し、ブラックリストに登録されているか否か等の信用情報を基に、利用者情報を格納したデータベースの更新処理等を行うものである。【0021】又料金所5及び駐車場6は、車両の前方と後方とのナンバープレート位置を撮像する少なくとも2台のカメラを備え、撮像画像情報を処理して車番を認識し、認識した車番を、ネットワーク3を介して事業者のサーバ1へ通知する車番通知手段を備えている。画像処理により車番を認識する手段は、既に知られている手段を適用することができる。このような車番通知手段のカメラ配置により、オートバイ等の後方のみにナンバープレートを取付けた車両に対しても、その車番を認識することができる。【0022】この料金所5又は駐車場6の車番通知手段から認識した車番を事業者のサーバ1に通知すると、事業者のサーバ1は、認識された車番と、予め登録された車番とを照合し、照合一致した場合に、利用者情報を基に料金計算処理を行い、その計算結果を利用者情報と共にクレジットカード会社のサーバ2に通知する。この場合、車両7の利用個所としては、有料道路と駐車場とを想定すると、それらの入口に於いて認識した車番により利用者4に対する課金を開始し、出口に於いて認識した車番により利用者4に対する課金を確定する料金処理を行って、クレジット会社のサーバ2に通知することになる。」
「【0031】図3及び図4は、本発明の実施の形態の有料道路利用の場合のフローチャートを示し、個人や、バス会社,運送会社,タクシー会社等の法人の有料道路利用者(A1)は、先ず、携帯電話機やパソコン等の情報端末機器を用いるもので(A2)、この情報端末機器を起動し(A3)、この情報端末機器で有料道路事業者の所定のサーバにネットワークを介してアクセスして接続し(A4)、有料道路利用者の各種情報の入力/登録を行う(A5)。通行車両の車番(ナンバープレート)、車両の種別、通行日、通行区間、クレジットカード情報等を入力して、サーバに登録する。サーバは登録完了により、有料道路利用者の情報端末機器に対して登録完了通知を行い、又通行区間に対応した通行料金も同時に通知することができる。【0032】車番や利用予定について登録した後、入口料金所を通過して有料道路の通行を開始すると(A7)、入口料金所に於いて車両のナンバープレートをカメラで撮像し、その撮像画像を処理して車番を認識し、有料道路事業者のサーバへ通知する。サーバは、登録された車番と認識して通知された車番とを照合し、照合一致により、登録された車両が有料道路の利用を開始したと判定し、又入口料金所の表示器に認識結果を表示する(A8)。【0033】又車両が出口料金所に到着すると、有料道路の通行終了とし(A9)、入口料金所と同様にカメラによりナンバープレートを撮像し、撮像画像を処理して車番を認識し、認識した車番を有料道路事業者のサーバへ通知する。それにより、そのサーバに於いて登録した車番と通知された認識車番とを照合し(A10)、照合一致の場合は、正常照合として例えば出口料金所の表示器の緑ランプを点灯し(A11)、通行料金の計算を行う(A13)。又出口料金所の開閉バーを開状態とし(A14)、出口料金所を通過させる(A18)。【0034】又照合不一致の場合は、予め登録した車両ではないから、照合非合致として例えば表示器の赤ランプを点灯し(A12)、出口料金所の開閉バーを閉とし(A15)、例えば、車両を停止させて料金決済を行わせるか、又は別の料金所レーンへ移動させて料金決済を行わせる(A19)。【0035】又通行料金の計算結果に基づいてクレジット会社との間で通行料金を決済処理を行い(A16)、クレジット会社は、有料道路の通行料金について決済処理後、有料道路利用者からの要求により、例えば、インターネットを介して領収書を発行する(A17)。そして、再び有料道路を利用する場合は、ステップ(A4)へ移行する。」
「[図:0001384261000001.jpg]」(図3、図4)
「【0044】車番認識部としてのカメラ51,52は、入口料金所のカメラ41,42と同様に、それぞれ前方のナンバープレート57と後方のナンバープレート58とを撮像し、車番認識装置53に於いて画像処理により車番を認識する。この認識結果の車番情報と複数の出口料金所が有料道路に設置されている場合、その出口料金所の位置情報とを事業者のサーバに送出し、予め予定を登録した車番と照合し、照合一致の場合は、開閉バー56を開の状態に維持し、車両はノンストップで通過させる。又出口料金所と入口料金所との位置情報を基に有料道路の区間を求めて、料金を算出することができる。又登録した車番と認識した車番との照合不一致の場合は、予め予定を登録した車両ではないから、開閉バー56を閉状態とし、車両を停止させて料金決済を行うか、又は他の料金支払いのレーンに移動させて料金決済を行うことになる。」
「【0053】又有料道路事業者のサーバに登録した通行日を所定期間経過しても、有料道路を利用しない場合は、データベースに登録された車番等を含む情報を削除する。又有料道路に沿って複数の入口料金所と出口料金所とが配置されて、或る入口料金所と出口料金所との間の通行区間を登録した場合に、それ以外の入口料金所から有料道路に入り、又他の出口料金所から出ても、登録した車番と認識した車番との照合一致と、入口料金所の位置情報と出口料金所の位置情報とにより、利用した通行区間を割り出すことができるから、料金決済処理を行うことができる。即ち、予め登録した通行日と通行区間とに拘束されることなく、予定登録内容が変更された場合に於いても柔軟に対処することができる。又割引料金の設定や無料設定を車番対応にデータベースに登録して、有料道路料金算出を行うこともできる。例えば、公共車両に対しては、予め車番を登録しておくことにより、車番対応に無料設定を行うことも可能である。この無料設定された車番を認識できた時は、出口料金所の開閉バーは開状態に維持することになる。」
(2)甲1発明
上記記載からみて、甲1には、「有料道路を利用した時の利用料金を、自動的に決済できる料金決済システム及び料金決済方法」(【0001】)について記載されており、段落【0031】-【0035】、図3、図4の記載からみて、有料道路利用者(以下「利用者」という。)の各種情報を登録する処理(A1~A6)、利用者の車両が入口料金所を通過する際の処理(A7、A8)及び利用者の車両が出口料金所を通過する際の処理(A9~A17)を時系列で行うものといえ、各処理において、有料道路事業者のサーバ(以下「サーバ」という。)は、以下のステップを実行するものといえる。
ア 利用者の各種情報を登録する処理について
甲1には、「利用者4は、車両7に乗車して高速道路等の有料道路を走行する前又は駐車場6を利用する前に、固定電話機,携帯電話機,パソコン等から、ネットワーク3を介して事業者のサーバ1にアクセスし、利用者4は、このサーバ1に、車両の車種,車番,有料道路又は駐車場の利用予定日時,利用予定経路等を含む車両情報と、クレジットカード番号等を含む利用者情報とを登録する」(【0019】)ことが記載されており、サーバは、「利用者が入力した車両の車種,車番,有料道路の利用予定日時,利用予定経路等を含む車両情報と、クレジットカード番号等を含む利用者情報を登録するステップ」を実行するものといえる。
その際、「事業者のサーバ1は、利用者4からのクレジットカード番号等を基に、クレジット会社のサーバ2にアクセスして、利用可能のクレジットカード番号であるか否かを確認し、利用可能の場合は、利用者4に対して登録応答を送出する」(【0020】)から、サーバは、「利用者からのクレジットカード番号等を基に、クレジット会社のサーバにアクセスして、利用可能のクレジットカード番号であるか否かを確認し、利用可能の場合は、利用者に対して登録応答を送出する」ものといえる。
イ 利用者の車両が入口料金所を通過する際の処理について
また、甲1には、「料金所5は、車両の前方と後方とのナンバープレート位置を撮像する少なくとも2台のカメラを備え、撮像画像情報を処理して車番を認識し、認識した車番を、ネットワーク3を介して事業者のサーバ1へ通知する車番通知手段を備えて」(【0021】)いることが記載され、利用者が「車番や利用予定について登録した後、入口料金所を通過して有料道路の通行を開始すると(A7)、入口料金所に於いて車両のナンバープレートをカメラで撮像し、その撮像画像を処理して車番を認識し、有料道路事業者のサーバへ通知する。サーバは、登録された車番と認識して通知された車番とを照合し、照合一致により、登録された車両が有料道路の利用を開始したと判定し、又入口料金所の表示器に認識結果を表示する(A8)」(【0032】)ものである。
そうすると、サーバは、「入口料金所に於いて車両のナンバープレートをカメラで撮影し、その撮影画像を処理して認識した車番の通知を受けるステップ」と、「登録された車番と認識して通知された車番とを照合し、照合一致により、登録された車両が有料道路の利用を開始したと判定するステップ」を実行するものといえる。
ウ 利用者の車両が出口料金所を通過する際の処理について
また、甲1には、「車両が出口料金所に到着すると、有料道路の通行終了とし(A9)、入口料金所と同様にカメラによりナンバープレートを撮像し、撮像画像を処理して車番を認識し、認識した車番を有料道路事業者のサーバへ通知する。それにより、そのサーバに於いて登録した車番と通知された認識車番とを照合し(A10)、照合一致の場合は、正常照合として例えば出口料金所の表示器の緑ランプを点灯し(A11)、通行料金の計算を行う(A13)。又出口料金所の開閉バーを開状態とし(A14)、出口料金所を通過させる(A18)。」(【0033】)、及び、「通行料金の計算結果に基づいてクレジット会社との間で通行料金を決済処理を行い(A19)」(【0035】)と記載され、さらに、「出口料金所と入口料金所との位置情報を基に有料道路の区間を求めて、料金を算出することができ」(【0044】)ること、「その計算結果を利用者情報と共にクレジットカード会社のサーバ2に通知する(【0022】)ことが記載されている。
そうすると、サーバは、「出口料金所に於いてカメラによりナンバープレートを撮影し、撮像画像を処理して認識した車番の通知を受けるステップ」と、「登録した車番と通知された認識車番とを照合し、照合一致の場合は、出口料金所と入口料金所との位置情報を基に有料道路の区間を求めて、通行料金の計算を行うステップ」と、「通行料金の計算結果を利用者情報と共にクレジットカード会社のサーバに通知するステップ」を実行するものといえる。
上記アないしウより、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。
(甲1発明)
有料道路事業者のサーバが実行する方法であって、
利用者が入力した車両の車種,車番,有料道路の利用予定日時,利用予定経路等を含む車両情報と、クレジットカード番号等を含む利用者情報を登録するステップであって、利用者からのクレジットカード番号等を基に、クレジット会社のサーバにアクセスして、利用可能のクレジットカード番号であるか否かを確認し、利用可能の場合は、利用者に対して登録応答を送出する、ステップと、
入口料金所に於いて車両のナンバープレートをカメラで撮影し、その撮影画像を処理して認識した車番の通知を受けるステップと、
登録された車番と認識して通知された車番とを照合し、照合一致により、登録された車両が有料道路の利用を開始したと判定するステップと、
出口料金所に於いてカメラによりナンバープレートを撮影し、撮像画像を処理して認識した車番の通知を受けるステップと、
登録した車番と通知された認識車番とを照合し、照合一致の場合は、出口料金所と入口料金所との位置情報を基に有料道路の区間を求めて、通行料金の計算を行うステップと、
通行料金の計算結果を利用者情報と共にクレジットカード会社のサーバに通知するステップとを備える方法。
2 甲第2号証の記載事項と甲2発明
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(1)甲第2号証の記載事項
甲第2号証(以下「甲2」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、有料道路の利用をノンストップ・キャッシュレスで行なえる料金支払方法に関する。」
「【0045】利用ジャーナル50の作成過程については、以下の図5の説明において述べる。図5は、本例による有料道路料金支払方法を実現するシステムにおける処理手順を説明する為のフローチャート図である。図5においてサーバ10が実行する処理は、主に、上記キャッシュレス利用制御部14、利用記録部15、支払者変更部16によって実現される。続きを表示(全12行)【0046】同図において、高速道路を利用しようとする車両3が、任意のインターチェンジの入口ゲート1を通過しようとするとき、まず、撮影カメラ5によって当該車両3のナンバープレートを撮影する。尚、撮影カメラ5は、例えばディジタル画像を撮影するカメラである。次に、撮影カメラ5によって撮影されたディジタル画像は、処理装置6に送られて、処理装置6において画像認識処理を実行して、車両ナンバーを識別する(ステップS11)。尚、車両ナンバーの認識技術は、既存技術であるので、特に説明しない。【0047】また、尚、ゲートに処理装置6を設けずに、撮影カメラ5によって撮影されたディジタル画像を直接、サーバ10に送信し、サーバ10において画像認識処理を実行する構成としてもよい。【0048】次に、処理装置6は、識別した車両ナンバー・データを、ネットワーク7を介して、サーバ10に送信する。その際、予め処理装置6に登録されている当該インターチェンジの名称等も一緒に送信する。【0049】サーバ10は、登録車両マスタ30を参照して、この車両ナンバーが登録済みであるか否かを確認する(ステップS12)。そして、登録済みである場合には通過OK、未登録である場合または利用可・不可フラグ36がOFFになっている場合には通過NGと判定して、判定結果を処理装置6に通知する(ステップS13)。」
「【0052】一方、通過OKと判定した場合には、新たな利用ジャーナル50の作成を開始する。すなわち、まず、上記処理装置6から送られてきた車両ナンバー、インターチェンジの名称を、それぞれ、車両ナンバー51、高速利用開始地点55に格納する。また、登録車両マスター30から、上記認識された車両ナンバーに対応する携帯電話番号37を取得して、これを料金支払者携帯番号59に格納する。更に、カレンダー機能、時計機能に基づいて、本日の日付を利用日付52に格納し、現在時刻を高速利用開始時間54に格納する(ステップS15)。」
「【0054】その後、車両3は、高速道路を走行し、目的地のインターチェンジに到着すると、出口ゲート2に設けられる撮影カメラ5と処理装置6によって、ステップS11の処理と同様に、ナンバープレートの撮影、認識を行なって、認識結果と当該出口のインターチェンジの名称等を、サーバ10に通知する(ステップS21)。【0055】この通知を受けたサーバ10は、利用ジャーナル50を検索して、当該車両3が入口ゲート1を通過した際に作成されているはずの利用ジャーナルを探し出す。つまり、通知された車両ナンバーと一致する車両ナンバー51を有するデータが存在するか否かを検索する(ステップS22)。」
「【0057】一方、もし当該車両3に対応する利用ジャーナル50が作成されていたならば、ステップS23で「通過OK」と判定し、この利用ジャーナル50の高速利用終了時間56に現在時刻を記録すると共に、上記出口のインターチェンジ名称を、高速利用終了地点57に記録する(ステップS25)。また、出口ゲート2の処理装置6に、通過OKを通知してもよい(通知しなくてもよい)。」
「【0059】そして、利用ジャーナル50の高速利用開始地点55と高速利用終了地点57のデータを用いて、料金マスター40を参照することにより、利用料金を求めて、これを利用ジャーナル50の利用料金58に記録する(ステップS26)。また、更に、登録車両マスター30において割引率34が存在する場合には、上記利用料金に割引を行なうことで、実際の支払金額を求め、これを支払金額53に記録する。割引率34が無い場合には、利用料金がそのまま支払金額となる。以上の処理で、この車両3に関する利用ジャーナル50が完成する。尚、変更支払者携帯番号60及び確認状態61は、後に説明する支払者の変更が行なわれた場合に記録される。」
(2)甲2発明
上記(1)の記載からみて、甲2には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているといえる。
(甲2発明)
有料道路の利用をノンストップ・キャッシュレスで行なえる料金支払方法(【0001】)であって、
高速道路を利用しようとする車両3が、任意のインターチェンジの入口ゲート1を通過しようとするとき、まず、撮影カメラ5によって当該車両3のナンバープレートを撮影し、撮影カメラ5によって撮影されたディジタル画像は、処理装置6に送られて、処理装置6において画像認識処理を実行して、車両ナンバーを識別し(【0046】)、
識別した車両ナンバー・データを、ネットワーク7を介して、サーバ10に送信し、その際、予め処理装置6に登録されている当該インターチェンジの名称等も一緒に送信し(【0048】)、
サーバ10は、登録車両マスタ30を参照して、この車両ナンバーが登録済みであるか否かを確認し、登録済みである場合には通過OK、未登録である場合または利用可・不可フラグ36がOFFになっている場合には通過NGと判定して、判定結果を処理装置6に通知し(【0049】)、
通過OKと判定した場合には、新たな利用ジャーナル50の作成を開始し、ここで、上記処理装置6から送られてきた車両ナンバー、インターチェンジの名称を、それぞれ、車両ナンバー51、高速利用開始地点55に格納し、また、登録車両マスター30から、上記認識された車両ナンバーに対応する携帯電話番号37を取得して、これを料金支払者携帯番号59に格納し、更に、カレンダー機能、時計機能に基づいて、本日の日付を利用日付52に格納し、現在時刻を高速利用開始時間54に格納し(【0052】)、
その後、車両3は、高速道路を走行し、目的地のインターチェンジに到着すると、出口ゲート2に設けられる撮影カメラ5と処理装置6によって、ステップS11の処理と同様に、ナンバープレートの撮影、認識を行なって、認識結果と当該出口のインターチェンジの名称等を、サーバ10に通知し(【0054】)、
この通知を受けたサーバ10は、利用ジャーナル50を検索して、当該車両3が入口ゲート1を通過した際に作成されているはずの利用ジャーナルを探し出し、つまり、通知された車両ナンバーと一致する車両ナンバー51を有するデータが存在するか否かを検索し(【0055】)、
当該車両3に対応する利用ジャーナル50が作成されていたならば、「通過OK」と判定し、この利用ジャーナル50の高速利用終了時間56に現在時刻を記録すると共に、上記出口のインターチェンジ名称を、高速利用終了地点57に記録し(【0057】)、
利用ジャーナル50の高速利用開始地点55と高速利用終了地点57のデータを用いて、料金マスター40を参照することにより、利用料金を求めて、これを利用ジャーナル50の利用料金58に記録すること(【0059】)。
3 甲第3号証の記載と甲3発明
(1)甲第3号証の記載事項
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甲第3号証(以下「甲3」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明はガソリンスタンドに設置されたPOS端末とオーソリ(承認操作)センタを通信回線で接続し、給油売上げ金額の決済を行うPOSシステムに関するものである。」
「【0007】【発明が解決しようとする課題】上記のように従来のPOSシステムでは、給油終了後に承認操作を行なうので、給油終了後に、当該会員カードが使用不能(口座残高不足等のオーソリエラー)だと分かっても一旦給油してしまったものは元へは戻せないので、他の支払方法、例えば現金支払等への変更が必要になり、作業効率が低下するという問題があった。【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上記問題点を除去するために事前にオーソリセンタに問合せ確認することにより、作業効率を向上させることができるPOSシステムを提供することを目的とする。【0009】【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、ガソリンスタンドに設置されたPOS端末とオーソリ(承認操作)センタを通信回線で接続し、給油前にPOS端末では所定の会員カードを読み込むと共に、予定している給油の種類及び給油量を入力し、会員情報及び給油予定金額情報をオーソリセンタへ送信し、オーソリセンタでは会員情報及び給油予定金額情報より当該会員の口座残高をチェックし、該給油予定金額の引き落しが可能か否かの与信確認を行ない、該与信確認結果を前記POS端末へ返信し、POS端末では口座から引き落しが可能であれば給油予定金額までの給油を行ない、給油終了時、オーソリセンタへ通知し決済することを特徴とする。」
(2)甲3発明
上記(1)の記載からみて、甲3には、次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されているといえる。
(甲3発明)
ガソリンスタンドに設置されたPOS端末とオーソリ(承認操作)センタを通信回線で接続し、給油売上げ金額の決済を行うPOSシステム(【0001】)において、
事前にオーソリセンタに問合せ確認することにより、作業効率を向上させることができるように(【0008】)、
ガソリンスタンドに設置されたPOS端末とオーソリ(承認操作)センタを通信回線で接続し、給油前にPOS端末では所定の会員カードを読み込むと共に、予定している給油の種類及び給油量を入力し、会員情報及び給油予定金額情報をオーソリセンタへ送信し、オーソリセンタでは会員情報及び給油予定金額情報より当該会員の口座残高をチェックし、該給油予定金額の引き落しが可能か否かの与信確認を行ない、該与信確認結果を前記POS端末へ返信し、POS端末では口座から引き落しが可能であれば給油予定金額までの給油を行ない、給油終了時、オーソリセンタへ通知し決済すること。
第5 当審の判断
1 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と甲1発明とを対比すると次のことがいえる。
ア 甲1発明の「有料道路事業者のサーバ」は「コンピュータ」といえ、後述の相違点を除き本件発明1の「コンピュータ」に相当する。
イ 甲1発明の「入口料金所」、入口料金所に於ける「カメラ」、「車両」、「ナンバープレート」及び「認識した車番」は、それぞれ本件発明1の「第1の地点」、「第1の撮影カメラ」、「通行車両」、「ナンバープレート」及び「第1の車両番号」に相当するから、甲1発明のサーバが実行する「入口料金所に於いて車両のナンバープレートをカメラで撮影し、その撮影画像を処理して認識した車番の通知を受けるステップ」と、本件発明1の「コンピュータが、第1の地点における第1の撮影カメラによって撮影された通行車両のナンバープレートの画像を解析し、前記通行車両の第1の車両番号を取得するステップ」とは、ナンバープレートの画像を解析する主体は異なるものの、両者は「コンピュータが、第1の地点における第1の撮影カメラによって撮影された通行車両のナンバープレートの第1の車両番号を取得するステップ」である点で共通する。
ウ 甲1発明では、本件発明1の「精算データ」に対応するデータが特定されていない。さらに、甲1発明は、本件発明1の「前記コンピュータが、前記第1の車両番号に基づいて、クレジットカードデータを取得するステップと、/前記コンピュータが、前記取得されたクレジットカードデータに基づいて、クレジットカードが有効であるかどうかを判定するステップであって、前記クレジットカードが有効であるかどうかの判定は、少なくとも、オーソリゼーションデータをクレジットカード会社のコンピュータに送信することによって行われる、ステップと、/前記コンピュータが、前記クレジットカードが有効であると判定されたことに応じて、前記第1の車両番号、および前記取得されたクレジットカードデータを関連付けた精算データを作成するステップ」(「/」は、改行位置を示す。)を備えていない。
エ 甲1発明の「出口料金所」、出口料金所に於ける「カメラ」及び「認識した車番」は、それぞれ本件発明1の「第2の地点」、「第2の撮影カメラ」及び「第2の車両番号」に相当するから、甲1発明のサーバが実行する「出口料金所に於いてカメラによりナンバープレートを撮影し、撮像画像を処理して認識した車番の通知を受けるステップ」と本件発明1の「前記コンピュータが、第2の地点における第2の撮影カメラによって撮影された前記通行車両のナンバープレートの画像を解析し、前記通行車両の第2の車両番号を取得するステップ」とは、ナンバープレートの画像を解析する主体は異なるものの、両者は「前記コンピュータが、第2の地点における第2の撮影カメラによって撮影された前記通行車両のナンバープレートの第2の車両番号を取得するステップ」である点で共通する。
オ 甲1発明は、本件発明1の「前記コンピュータが、前記第2の車両番号に基づいて、前記精算データを取得するステップ」を備えていない。
カ 甲1発明の「通行料金の計算結果」は、本件発明1の「決済データ」に含まれるから、甲1発明のサーバが実行する「登録した車番と通知された認識車番とを照合し、照合一致の場合は、出口料金所と入口料金所との位置情報を基に有料道路の区間を求めて、通行料金の計算を行うステップ」と本件発明1の「前記コンピュータが、前記精算データに基づいて、前記第1の地点から前記第2の地点の通行料金の決済データを作成するステップ」とは、「前記コンピュータが、前記第1の地点から前記第2の地点の通行料金の決済データを作成するステップ」である点で共通する。
キ 甲1発明の「通行料金の計算結果を利用者情報と共にクレジットカード会社のサーバに通知するステップ」は、本件発明1の「前記コンピュータが、前記作成された決済データをクレジットカード会社のコンピュータに送信するステップ」に相当する。
上記アないしキより、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で一致し、また相違する。
<一致点>
コンピュータが、第1の地点における第1の撮影カメラによって撮影された通行車両のナンバープレートの第1の車両番号を取得するステップと、
前記コンピュータが、第2の地点における第2の撮影カメラによって撮影された前記通行車両のナンバープレートの第2の車両番号を取得するステップと、
前記コンピュータが、前記第1の地点から前記第2の地点の通行料金の決済データを作成するステップと、
前記コンピュータが、前記作成された決済データをクレジットカード会社のコンピュータに送信するステップと
を備える方法。
(相違点1)
本件発明1では、コンピュータが「通行車両のナンバープレートの画像を解析」することで「通行車両の第1の車両番号」を取得するのに対し、甲1発明では、サーバが、入口料金所において撮影画像を処理して認識した車番の通知を受ける点。
(相違点2)
本件発明1では、「前記コンピュータが、前記第1の車両番号に基づいて、クレジットカードデータを取得するステップと、/前記コンピュータが、前記取得されたクレジットカードデータに基づいて、クレジットカードが有効であるかどうかを判定するステップであって、前記クレジットカードが有効であるかどうかの判定は、少なくとも、オーソリゼーションデータをクレジットカード会社のコンピュータに送信することによって行われる、ステップと、/前記コンピュータが、前記クレジットカードが有効であると判定されたことに応じて、前記第1の車両番号、および前記取得されたクレジットカードデータを関連付けた精算データを作成するステップ」(「/」は、改行位置を示す。)を備えるのに対し、甲1発明には、これらのステップが特定されていない点。
(相違点3)
本件発明1では、コンピュータが「通行車両のナンバープレートの画像を解析」することで「通行車両の第2の車両番号」を取得するのに対し、甲1発明では、サーバが、出口料金所において撮影画像を処理して認識した車番の通知を受ける点。
(相違点4)
本件発明1では、「前記コンピュータが、前記第2の車両番号に基づいて、前記精算データを取得するステップ」を備えるのに対し、甲1発明には、このステップが特定されていない点。
(相違点5)
本件発明1では、「前記コンピュータが、前記精算データに基づいて、前記第1の地点から前記第2の地点の通行料金の決済データを作成するステップ」を備えるのに対し、甲1発明では、精算データに基づくことが特定されていない点。
(2)判断
事案に鑑み、まず相違点2について検討する。
本件発明1は、相違点2に係る構成により、第1の車両番号に基づいてクレジットカードデータを取得し、取得されたクレジットカードデータに基づいてクレジットカードが有効であるかどうかが判定され、前記クレジットカードが有効であると判定されたことに応じて前記第1の車両番号、および前記取得されたクレジットカードデータを関連づけた精算データが作成されるものであって、精算データの作成は、第1の車両番号の車両のクレジットカード決済による有料道路の利用が開始されたことを示す。
一方、甲1発明は、利用者が事前に車番とクレジットカード番号を登録し、登録時にクレジットカード番号を基に、クレジット会社のサーバにアクセスして、利用可能のクレジットカード番号であるか否かの確認が行われるものであり、登録された車番と認識して通知された車番とを照合し、照合一致により登録された車両が有料道路の利用を開始したと判定されるものであって、本件発明1のように、クレジットカードが有効であると判定されたことに応じて利用開始の判定がなされるものではない。
また、甲2発明は、高速道路を利用しようとする車両3が、任意のインターチェンジの入口ゲート1を通過しようとするとき、まず、撮影カメラ5によって当該車両3のナンバープレートを撮影し、撮影カメラ5によって撮影されたディジタル画像は、処理装置6に送られて、処理装置6において画像認識処理を実行して、車両ナンバーを識別し、識別した車両ナンバー・データを、ネットワーク7を介して、サーバ10に送信し、サーバ10は、登録車両マスタ30を参照して、この車両ナンバーが登録済みであるか否かを確認し、登録済みである場合には通過OKと判定し、通過OKと判定した場合には、新たな利用ジャーナル50の作成を開始するものである。ここで、「利用ジャーナル」が本件発明1の「精算データ」といえるとしても、「利用ジャーナル」は、クレジットカードが有効であると判定されたことに応じて作成されるものではない。
また、甲3発明は、ガソリンスタンドに設置されたPOS端末とオーソリ(承認操作)センタを通信回線で接続し、給油売上げ金額の決済を行うPOSシステムにおいて、事前にオーソリセンタに問合せ確認することにより、作業効率を向上させることができるようにするものであって、相違点2に係る本件発明の構成は記載されていない。
そして、本件発明1は、相違点2に係る構成を備えることで、「カード限度額内での支払いか否かなど、より細かい有効性の確認をリアルタイムに行うことができる」(本願明細書段落【0036】)という効果を奏するものである。
したがって、甲1発明、甲2発明及び甲3発明に基づいて、相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものとはいえない。
(3)異議申立ての理由について
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異議申立人は、上記相違点に関連して異議申立書21頁の「・相違点2(構成要件C)の容易想到性」の項において、
「一方、甲第3号証には、ガソリンスタンドに設置されたPOS端末とオーソリ(承認操作)センタを通信回線で接続し、給油前にPOS端末で、会員カードの与信確認を行い、決済作業の効率を向上させることができるPOSシステムの発明が記載されている。また、甲第1号証の段落【0053】(前記、記載事項3)には、「或る入口料金所と出口料金所との間の通行区間を登録した場合に、それ以外の入口料金所から有料道路に入り、又他の出口料金所から出ても、登録した車番と認識した車番との照合一致と、入口料金所の位置情報と出口料金所の位置情報とにより、利用した通行区間を割り出すことができるから、料金決済処理を行うことができる。即ち、予め登録した通行日と通行区間とに拘束されることなく、予定登録内容が変更された場合に於いても柔軟に対処することができる。」と記載されるから、甲1発明においても、予め登録した通行日と通行区間が変更された場合が想定されており、予め登録した通行日を前提に有効とされたクレジットカードが変更された通行日においても同様に有効であるかどうかの判定を変更された通行区間の入口料金所において再度行う必要があることが示唆されている。以上のことから、甲第3号証に記載される発明を甲1発明に適用して、構成要件Cの「前記コンピュータが、前記取得されたクレジットカードデータに基づいて、クレジットカードが有効であるかどうかを判定するステップであって、」とすることは、容易想到である。」(21~39行)
と主張するので、以下検討する。
甲1発明において、異議申立人が主張するとおり、予め登録した通行日と通行区間が変更された場合が想定されているとしても、甲第1号証の上記段落【0053】には、さらに「又有料道路事業者のサーバに登録した通行日を所定期間経過しても、有料道路を利用しない場合は、データベースに登録された車番等を含む情報を削除する。」と記載されているように、甲第1号証では、通行日の変更は限定的であり、クレジットカードの登録日に与信確認したうえで、さらに通行日にも与信確認することまでは、想定していないから、甲1発明に甲3発明を適用することの動機付けはない。
仮に、甲1発明に甲3発明を適用したとしても、甲3発明は、与信確認のため、ユーザが、「給油前にPOS端末では所定の会員カードを読み込むと共に、予定している給油の種類及び給油量を入力し、会員情報及び給油予定金額情報をオーソリセンタへ送信」する必要があるが、「予定している給油の種類及び給油量」に対応する甲1発明の「有料道路の利用予定日時,利用予定経路等を含む車両情報」は、甲1発明では車両情報を含む利用者情報の登録時に利用者が入力する情報であるから、甲1発明の「利用者が入力した車両の車種,車番,有料道路の利用予定日時,利用予定経路等を含む車両情報と、クレジットカード番号等を含む利用者情報を登録するステップであって、利用者からのクレジットカード番号等を基に、クレジット会社のサーバにアクセスして、利用可能のクレジットカード番号であるか否かを確認し、利用可能の場合は、利用者に対して登録応答を送出する、ステップ」と同じタイミングでクレジットカードが有効であるかの確認がなされることとなり、相違点2に係る本件発明1の構成とはならない。
また、異議申立人は、異議申立書22頁の「・相違点1、3~5(構成要件B、D、F、G)の容易想到性」の項において、「甲第2号証に記載される上記発明の「利用ジャーナル」は、構成要件D、F、Gの「精算データ」に相当し、また、上記発明の「料金支払者携帯番号」は、構成要件Bの「クレジットカードデータ」に相当する」(29~31行)旨主張しているが、仮に、甲2発明の「料金支払者携帯番号」が「クレジットカードデータ」に相当するとしても、甲2発明は、「サーバ10は、登録車両マスタ30を参照して、この車両ナンバーが登録済みであるか否かを確認し、」「通過OKと判定した場合には、新たな利用ジャーナル50の作成を開始し、ここで、上記処理装置6から送られてきた車両ナンバー、インターチェンジの名称を、それぞれ、車両ナンバー51、高速利用開始地点55に格納し、また、登録車両マスター30から、上記認識された車両ナンバーに対応する携帯電話番号37を取得して、これを料金支払者携帯番号59に格納」するもの、すなわち、車両ナンバーが登録済みであれば、クレジットカードの有効性を判断することなく利用ジャーナルの作成を開始するものであるから、甲2発明(さらに甲3発明)を考慮しても、本件発明1の相違点2に係る構成を導出できないことは明らかである。
したがって、異議申立ての理由を採用できない。
(4)小括
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明、甲2発明及び甲3発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものではない。
2 本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとしたものであって、本件発明1とカテゴリ表現が異なるのみの発明であるから、本件発明1と同様の理由により、甲1発明、甲2発明及び甲3発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものではない。
3 本件発明3について
本件発明3は、本件発明1の方法をコンピュータの発明としたものであって、本件発明1とカテゴリ表現が異なるのみの発明であるから、本件発明1と同様の理由により、甲1発明、甲2発明及び甲3発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものではない。
第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1~3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2021-701105