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特許異議申立

2021-700921

半導体製造装置用のゲートシール構造体及びその製造方法

審判番号
2021-700921
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-098245
登録番号
6846983
請求日
2021年09月24日
審決日
2022年01月21日
公報発行日
2022年05月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】三菱電線工業株式会社
  • 【権利者代理人】特許業務法人前田特許事務所
  • 【異議申立人】菖蒲谷 道広
審判長/審判官
  • 審判長 平田 信勝
  • 審判官 中村 大輔
  • 審判官 尾崎 和寛
分類
P1652.121-Y (F16J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6846983号発明「半導体製造装置用のゲートシール構造体及びその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6846983号の請求項1、3、5、6に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6846983号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~6に係る特許についての出願は、平成29年5月17日の出願であって、令和3年3月4日にその特許権の設定登録がされ、令和3年3月24日に特許掲載公報が発行された。その後、令和3年9月24日に特許異議申立人菖蒲谷道広(以下、「申立人」という。)から本件特許の請求項1、3、5、6に係る特許について特許異議の申立てがあったものである。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~6に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明6」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 環状溝が表面に形成された金属製の板状部材と、 上記環状溝の内部に設けられたフッ素ゴム製の環状のシール部材とを備えた半導体製造装置用のゲートシール構造体であって、 上記環状溝の内面の少なくとも一部には、粗さ曲線要素の平均粗さRcが50μm~500μmであり、且つ粗さ曲線のスキューネスRskが-3~0.5である粗面部が設けられ、 上記シール部材は、上記環状溝の上記粗面部に接合され、 上記環状溝の内面のうち、底面、及び該底面に対して傾斜した両側面には、上記粗面部が設けられていることを特徴とする半導体製造装置用のゲートシール構造体。 【請求項2】 環状溝が表面に形成された金属製の板状部材と、 上記環状溝の内部に設けられたフッ素ゴム製の環状のシール部材とを備えた半導体製造装置用のゲートシール構造体であって、 上記環状溝の内面の少なくとも一部には、粗さ曲線要素の平均粗さRcが50μm~500μmであり、且つ粗さ曲線のスキューネスRskが-3~0.5である粗面部が設けられ、 上記シール部材は、上記環状溝の上記粗面部に接合され、 上記環状溝の内面のうち、底面に対して傾斜した両側面には、上記粗面部が設けられ、該底面の少なくとも一部には、非粗面部が設けられていることを特徴とする半導体製造装置用のゲートシール構造体。 【請求項3】 請求項1又は2に記載された半導体製造装置用のゲートシール構造体において、 JIS K6256-2による上記環状溝の上記粗面部と上記シール部材との剥離強さは、上記シール部材の材料破壊強度よりも高くなっていることを特徴とする半導体製造装置用のゲートシール構造体。 【請求項4】 請求項1に記載された半導体製造装置用のゲートシール構造体において、 上記環状溝の両側面の底面側には、非粗面部が設けられていることを特徴とする半導体製造装置用のゲートシール構造体。 【請求項5】 半導体製造装置用のゲートシール構造体の製造方法であって、 環状溝が表面に形成された金属板の該環状溝の内面の少なくとも一部にレーザー光を照射することにより、粗さ曲線要素の平均粗さRcが50μm~500μmであり、且つ粗さ曲線のスキューネスRskが-3~0.5である粗面部を形成して、板状部材を作製する板状部材作製工程と、 成形用組成物として含フッ素エラストマー組成物を調製する成形用組成物調製工程と、 上記板状部材の環状溝の内部に上記成形用組成物を配置した後に、該成形用組成物を上記板状部材と成形型との間で加熱及び加圧することにより、上記板状部材の環状溝の内部にシール部材を形成する成形工程とを備え、 上記環状溝の内面は、底面と、底面に対して傾斜した両側面とを有していることを特徴とする半導体製造装置用のゲートシール構造体の製造方法。 【請求項6】 請求項5に記載された半導体製造装置用のゲートシール構造体の製造方法において、 上記成形工程の後に、上記シール部材を再加熱する再加熱工程を備えることを特徴とする半導体製造装置用のゲートシール構造体の製造方法。」 第3 特許異議の申立ての理由及び証拠方法 1.特許異議の申立ての理由 申立人は、主たる証拠として甲第1号証及び従たる証拠として甲第2号証~甲第13号証を提出し、請求項1、3、5、6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1、3、5、6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。 2.証拠方法 申立人が提出した証拠方法は、以下に示す甲第1号証~甲第13号証である。 甲第1号証 :特表2001-512897号公報 甲第2号証 :特開2015-148011号公報 甲第3号証 :特開2017-1317号公報 甲第4号証 :特開2012-215215号公報 甲第5号証 :特開2012-177472号公報 甲第6号証 :特開平11-336905号公報 甲第7号証 :実願平3-40983号(実開平4-111962号) のマイクロフィルム 甲第8号証 :特開2011-231908号公報 甲第9号証 :特開2013-71312号公報 甲第10号証:「化学的粗面化技術による金属/樹脂・ゴムの接合強度 の向上」永井太一:表面技術、67巻、12号、654 -657ページ、平成28年12月1日発行 甲第11号証:特開2012-62464号公報 甲第12号証:特開2015-224658号公報 甲第13号証:特開2015-174988号公報 第4 甲各号証の記載事項 1.甲第1号証に記載された事項及び甲1発明 甲第1号証には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。以下同様。)。 (1)「 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、一般的に、シリコンウェハのようなウェハ上に集積回路を製作するための真空システムに関するものである。特に、本発明は、真空処理システムにおける2つのチャンバ間のスリットバルブ開口をシールするバルブドアに関するものである。」 (2)「 【0017】 図2は、中央の真空式搬送チャンバ12に取り付けられた一連の真空室14を総括的に示す真空処理システム10の上面概略図である。1対の真空ロードロック室16はミニエンバイロメント18への通路を提供するように示されている。ポッドローダ20はミニエンバイロメント18に取り付けて示されている。このシステムはクラスターツールの例である。」 (3)「 【0019】 真空室14は、ウェハ上に集積回路を製作するための一連のプロセスにおいてウェハに対しある種の処理を行う、化学気相堆積(CVD)室,物理気相堆積(PVD)室,エッチング室等のような数種のプロセス室のうちの1つである。真空室の製造者にとって、各真空室がある共通の特徴を有するが、ウェハに対して異なる処理を行う20種を超えるかかるプロセス室を有することは、異常なことではない。 【0020】 図3は、搬送チャンバ12の内部が見られるように蓋体を除去した具体的搬送チャンバ12の斜視図である。開口24を有する数個のスリットバルブ及びスリットバルブインサート28,30,32,34の例が示されている。円形の開口36は、ウェハを搬送チャンバ12の内側で移動させるためのアームを有するロボットを通常支持するが、ロボットは、搬送チャンバ内部の他の詳細が観察できるように、ここには図示していない。開口38は、図4に示すもののようなスリットバルブドアを操作するための作動シリンダに対してアクセスを与える。作動シリンダ及びスリットバルブドアは図示していないので、搬送チャンバ12における他の特徴が観察できる。作動シリンダ及びスリットバルブドアの一例は、1993年7月13日に発行された米国特許第5,226,632号に示され記載されている。これは、参照によって、以下に十分に記載されているかのようにここに組み込まれる。 【0021】 図4は、シールプレート42及び装着部材44を有する2ピース式スリットバルブドアの側面図である。シールプレート42及び装着部材44はアルミニウム又はステンレス鋼のような金属で製作するのが典型的である。シールプレート42及び装着部材44間にあるのは2ピース42,44間をシールするためのO-リング46である。シールプレート42の前面48上にあるのは、スリットバルブインサート28,30,32,34と接触、或いはその上に形成された座部と接触するための現場込めシール50である。シールプレート42は、一連のネジを含む適当な手段により装着部材44に取り付けうる。この手段は、シールプレート42を装着部材44から取り外すことを許容する。シールプレート42の取外しはプレート42のサービス或いは交換を容易にする。従って、連続使用のためシールプレート42が摩耗したときには、シールプレート42全体を交換し得る。また、装着部材44と、スリットバルブドア40を動かしてスリットバルブインサート28にあてる作動シリンダとは非常に切り離すことが難しいので、シールプレート42を取り外し可能とする方が、ドア40及び/又は関連のドアアセンブリの全体を取り外し可能とするよりも、容易で且つ安価である。 【0022】 現場込めシール50は、ウェハ処理の要件に適合する多種のフルオロカーボン及び過フルオロエラストマーのような、シール50が経験する動的荷重下で粒子が発生しても、多くは発生させない任意の適当な材料から製作することができる。適当な材料は、Viton(ヴァイトン・登録商標)731,HPV75又はHP-1のようなフルオロカーボンエラストマーであり、これらはそれぞれ、ペンシルバニア州クルプスヴィル所在のグリーン-トウィード社(Greene-Tweed Co. at Kulpsville, PA),デラウエア州ウイルミントン所在のイー・アイ・デュポン,デュポンポリマー事業部(E. I. DuPont, DuPont Polymers Division at Wilmington, DE) 又はカリフォルニア州サンディエゴ所在のパーカーハナフィン社の子会社であるパーカーシール(Parker Seal, subsidiary of Parker Hanafin Corp. at San Diego, CA)から入手可能である。しかし、ここに記載する動的荷重下で些少の量の粒子を発生させるに過ぎない他の材料を使用してもよい。」 (4)「 【0024】 図5は、シールプレート42の前面48の平面図である。現場込めシール50は、前面48の周りに形成された溝58の中に成形される。このシールはシールプレート42に対して加硫される。従って、シールプレート42の製作の際に、シール50はシールプレート42に恒久的に取り付けられる。シール50は接着剤により溝58の金属表面に接合しうる。適当な接着剤の例は、ペンシルバニア州エリーにあるロード社,エラストマープロダクツ(Lord Corporation, Elastomer Products of Erie, Pennsylvania) から入手しうる Chemlok Y1520A 接着剤である。現場込めシールは、前述したような溝内におけるO-リングの擦れ及び磨耗に関連した問題を排除する。装着部材44の外周の概略寸法はシールプレート42の外周に適合する。シール50と同じ断面を有する、現場成形ではないが、シールプレート42を取り外し可能とする必要がないように、どちらかと言えば取り外し可能であるシールリング(後述する)が、本発明によって企図されている。」 (5)「 【0026】 スリットバルブドア40は、その前面48が保持されている平面に対して垂直な方向に、開口38外に突出する作動シリンダによって作動される。シール50はインサート28の内側部分31の斜め後面54と本質的に適合する。開口38外に突出する作動シリンダはスリットバルブドア40を押し上げてスリットバルブインサート28に当てるので、現場込めシール50が後面54に係合し、開口56の周り全体に気密シールを形成する。従って、スリットバルブ開口24がそのスリットバルブドア40によって閉じられているときには、搬送チャンバ12か或いはプロセス室14の圧力は、2つの室もしくはチャンバ間の漏れなしに、必要に応じて変えることができる。 【0027】 図7は、図5の7-7線に沿った断面であり、前面48の周囲近くに溝58が形成されたシールプレート42の縁部を示している。現場込めシール50は溝58内に示されている。シール50の底部輪郭は溝58の表面に合っている。図8は同じ断面であるが、溝58をもっと良く示すように、シール50は存在しない。溝58は上向きに湾曲する縁部もしくは側部を有し、その端部は前面48に対して殆ど垂直、即ち直角である。溝58のこれらの側部が、後述するようにシール50のために付加的な圧縮上の利点を提供する。溝の内側の面は、シール50の材料と溝58との間の接着を強くするために、60-グリットブラスト仕上げから得られる粗面である必要がある。」 (6)「【図5】 [図:0001384206000001.jpg] 」 (7)摘記事項(4)の段落【0024】には、シールプレート42の前面48の周りに形成された溝58の中に現場込めシール50を成形する方法が記載されているから、甲第1号証には、スリットバルブドア40の製造方法が記載されていると認められる。 (8)摘記事項(6)の【図5】より、前面48の周りに形成された溝58が環状であることが看取できる。 摘記事項(1)~(6)及び認定事項(7)~(8)から、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明1」、「甲1発明2」という。)が記載されている。 【甲1発明1】 「前面48の周りに環状に形成された溝58を有し、アルミニウム又はステンレス鋼のような金属で製作されるシールプレート42と、 環状に形成された溝58の中に成形されるフルオロカーボン及び過フルオロエラストマーの現場込めシール50とを備えた、ウェハ上に集積回路を製作するための一連のプロセスにおいてウェハに対しある種の処理を行う真空室14を含む真空処理システム10のスリットバルブドア40であって、 溝58の内側の面は粗面であり、 現場込めシール50は溝58の金属表面に接合し、 溝58は上向きに湾曲する縁部もしくは側部を有し、その端部は前面48に対して殆ど垂直である真空処理システム10のスリットバルブドア40。」 【甲1発明2】 「ウェハ上に集積回路を製作するための一連のプロセスにおいてウェハに対しある種の処理を行う真空室14を含む真空処理システム10のスリットバルブドア40の製造方法であって、 前面48の周りに環状に形成された溝58を有するアルミニウム又はステンレス鋼のような金属で製作されるシールプレート42の溝58の内側の面を、60-グリットブラスト仕上げから得られる粗面とし、 現場込めシール50は、フルオロカーボン及び過フルオロエラストマーのような材料から製作することができ、 現場込めシール50は、前面48の周りに形成された溝58の中に成形され、シールプレート42に対して加硫され、 溝58は上向きに湾曲する縁部もしくは側部を有し、その端部は前面48に対して殆ど垂直である真空処理システム10のスリットバルブドア40の製造方法。」 2.甲第2号証に記載された事項 甲第2号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0001】 本発明は、表面処理銅箔及びそれを用いた積層板、プリント配線板、電子機器、並びに、プリント配線板の製造方法に関し、特に、銅箔をエッチングした後の残部の樹脂の透明性が要求される分野に好適な表面処理銅箔及びそれを用いた積層板、プリント配線板、電子機器、並びに、プリント配線板の製造方法に関する。」 (2)「【0008】 特許文献1において、黒化処理又はめっき処理後の有機処理剤により接着性が改良処理されて得られる低粗度銅箔は、銅張積層板に屈曲性が要求される用途では、疲労によって断線することがあり、樹脂透視性に劣る場合がある。 また、特許文献2では、粗化処理がなされておらず、COF用フレキシブルプリント配線板以外の用途においては銅箔と樹脂との密着強度が低く不十分である。 さらに、特許文献3に記載の処理方法では、銅箔へのCu-Co-Niによる微細処理は可能であったが、当該銅箔を樹脂と接着させてエッチングで除去した後の樹脂について、優れた透明性を実現できていない。 また、特許文献1~3においては伝送損失の低減について実現できていない。 特許文献4において、当該銅箔を樹脂と接着させてエッチングで除去した後の樹脂について、優れた透明性を実現できていない。 本発明は、樹脂と良好に接着し、且つ、銅箔をエッチングで除去した後の樹脂の透明性に優れた表面処理銅箔及びそれを用いた積層板を提供する。」 (3)「【0072】 銅箔表面のスキューネスRskは、銅箔表面の凹凸面の平均面を中心としたときの、銅箔表面の凹凸の対象性を示す指標である。図1に示すように、Rsk<0であれば高さ分布が平均面に対して上側に偏っており、Rsk>0であれば高さ分布が平均面に対して下側に偏っているといえる。上側への偏りが大きいとき、銅箔をポリイミド(PI)に貼り付けた後にエッチング除去した場合、PI表面が凹形態となっており、光源から光を照射するとPI内部での乱反射が大きくなる。下側への偏りが大きいとき、銅箔をポリイミド(PI)に貼り付けた後にエッチング除去した場合、PI表面が凸形態となっており、光源から光を照射するとPI表面での乱反射が大きくなる。また、発明者らはRskが所定の範囲に制御されている場合、信号の伝送損失が小さくなることを見出した。原因は明らかではないが、原因の一つとして表面の凹凸の形状が信号の伝送損失に影響を及ぼすことが推定される。 本発明の表面処理銅箔は、表面処理面SのスキューネスRskが-0.35~0.53に制御されている。このような構成により、ピール強度が高くなって樹脂と良好に接着し、且つ、銅箔をエッチングで除去した後の樹脂の透明性が高くなる。この結果、当該樹脂を透過して視認される位置決めパターンを介して行うICチップ搭載時の位置合わせ等が容易となる。また、信号の伝送損失が小さくなる。スキューネスRskが-0.35未満であると、銅箔表面の粗化処理等の表面処理が不十分となり、樹脂と十分に接着できないという問題が生じる。また、信号の伝送損失が大きくなる場合がある。一方、スキューネスRskが0.53超であると、銅箔をエッチングで除去した後の樹脂表面の凹凸が大きくなり、その結果樹脂の透明性が不良となる問題が生じる。また、信号の伝送損失が大きくなる場合がある。表面処理面SのスキューネスRskは、-0.30以上が好ましく、-0.20以上が好ましく、-0.10以下が好ましい。また、表面処理面SのスキューネスRskは、0.15以上が好ましく、0.20以上が好ましく、0.50以下が好ましく、0.45以下が好ましく、0.40以下が好ましく、0.39以下が更により好ましい。また、表面処理面SのスキューネスRskは、-0.30以上が好ましく、0.50以下が好ましく、0.39以下がより好ましい。 【0073】 〔表面処理銅箔表面の十点平均粗さRz〕 本発明の表面処理銅箔は、無粗化処理銅箔でも、粗化粒子が形成された粗化処理銅箔でもよく、表面処理表面Sの接触式粗さ計で測定したTD(圧延方向に垂直の方向(銅箔の幅方向)、電解銅箔にあっては電解銅箔製造装置における銅箔の通箔方向に垂直の方向)の十点平均粗さRz(JIS B0601 1994)が0.20~0.64μmであるのが好ましい。このような構成により、よりピール強度が高くなって樹脂と良好に接着し、且つ、銅箔をエッチングで除去した後の樹脂の透明性がより高くなる。この結果、当該樹脂を透過して視認される位置決めパターンを介して行うICチップ搭載時の位置合わせ等がより容易となる。また、表面の凹凸が非常に小さいため、電子が流れる長さに相当する表面処理銅箔表面の長さが短くなり、伝送損失が小さくなる。TDの十点平均粗さRzが0.20μm未満であると、銅箔表面の粗化処理が不十分であるおそれがあり、樹脂と十分に接着できないという問題が生じるおそれがある。一方、TDの十点平均粗さRzが0.64μm超であると、銅箔をエッチングで除去した後の樹脂表面の凹凸が大きくなるおそれがあり、その結果樹脂の透明性が不良となる問題が生じるおそれがある。表面処理表面Sの接触式粗さ計で測定したTDの十点平均粗さRzは、0.26~0.62μmがより好ましく、0.40~0.55μmが更により好ましい。」 3.甲第3号証に記載された事項 甲第3号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0001】 本発明は複合体の製造方法に関し、特に金属と樹脂とが接合された複合体を製造する方法に関する。」 (2)「【0004】 しかしながら、溝形状パラメータの少なくとも一つの値が加工条件においてその取れる値の範囲に制約を受ける場合、金属と樹脂の間の接合強度が低下した複合体が発生する可能性がある。 本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、接合強度が低下した複合体の発生を抑制することができる複合体の製造方法を提供することを目的とする。」 (3)「【0005】 本発明による複合体の製造方法は、金属と樹脂とが接合された複合体の製造方法であって、接合強度と複数の溝形状パラメータとの予め設定された関係に対して前記複数の溝形状パラメータのうちの一部のパラメータの値を適用することで、前記複数の溝形状パラメータのうちの残りのパラメータの値を決定する設計工程と、前記残りのパラメータの前記値に基づいて、金属部材の表面に複数の溝を形成する溝加工を実施する加工工程と、前記複数の溝に樹脂が充填されるように、前記金属部材に接合した樹脂部材を成形する又は前記金属部材と予め成形された樹脂部材とを接合する接合工程と、を備える。」 (4)「【0010】 図2を参照して、実施の形態1にかかる複合体の製造方法を説明する。複合体の製造方法は、設計工程S10、加工工程S20、及び接合工程S30を備える。設計工程S10において、接合強度と複数の溝形状パラメータとの予め設定された関係に対して複数の溝形状パラメータのうちの一部のパラメータの値を適用することで、複数の溝形状パラメータのうちの残りのパラメータの値を決定する。 【0011】 加工工程S20において、設計工程S10で決定した値に基づいて、金属部材30の表面に複数の溝40を形成する溝加工を実施する。接合工程S30において、複数の溝40に樹脂が充填されるように、金属部材30に接合した樹脂部材80を成形する又は金属部材30と予め成形された樹脂部材80とを接合する。すなわち、金属部材30に接合した樹脂部材80を金属板インサート成形により成形してもよく、予め成形された樹脂部材80を熱圧着、振動溶着などで金属部材30に接合してもよい。」 (5)「【0014】 図3を参照して、実施の形態2にかかる設計工程S10は、工程S11~S15を備える。工程S11において、アンカー形状としての複数の溝の形状要素を抽出及び規定する。形状要素は、溝形状パラメータと称される場合がある。形状要素は、例えば、粗さRz、幅W、深さD、角度θ、及び間隔Cの5つである。粗さRz、幅W、深さD、及び角度θは、それぞれ、複数の溝の各溝41の粗さ、幅、深さ、及び角度である。間隔Cは、複数の溝において隣り合う溝どうしの間隔である。工程S11では、金属と樹脂との間の接合に影響を及ぼす形状要素を全て抽出及び規定することが好ましい。 【0015】 図4を参照して、複数の溝の各溝は、奥が広い溝42であってもよく、奥が狭い溝43であってもよい。奥が広い溝42では、角度θの符号が負である。奥が狭い溝43では、角度θの符号が正である。奥が広い溝42と奥が狭い溝43とが混在していてもよい。」 4.甲第4号証に記載された事項 甲第4号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0001】 本発明は、カバープレートと、ベースプレートと、カバープレート及びベースプレートの間を封止するガスケットを備えるハードディスク収納ケースに関する。」 (2)「【0013】 以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。 第4図(a)は、本発明の実施の形態を示す溝の断面図である。本実施の形態においては、溝14がカバープレート11に設けられている。ガスケット13は、この溝14に沿って延在し、カバープレート11とベースプレート12とに狭持され両者の間をシールする。本実施の形態においては、溝の深さ(d)に対して溝の幅(w)が大きくなっているが、溝の幅(w)に対して溝の深さ(d)を大きくしてもよい。ただし、溝の幅に比べて溝の深さが大き過ぎると、カバープレートとベースプレートとの間に挟まれたガスケットの面圧が高くなり、各プレートの変形を招くおそれがあることから、溝の深さ(d)と溝の幅(w)との比(d/w)は、0.01~0.5が好ましく、0.23~0.5がより好ましい。なお、本発明において、溝の深さとは、溝の底部からプレートの平坦部までの長さを指し、溝の幅とは、溝の延在方向に対して直交方向の溝の長さを指す。 このように、ガスケット13を設ける位置に曲面形状の溝を延設することにより、カバープレート11とガスケット13との接着面積を広くすることが可能である。これにより、ガスケットのカバープレート11側の接着力が、ベースプレート12側の接着力よりも大きくなり、結果として、リワーク時にガスケットのベースプレート側の接着面のみが、きれいに剥がれるようになる。また、溝を設けることにより、ガスケット13をカバープレート11、ベースプレート12の所望の位置に確実に固定することができるため、ガスケットが取り付けの際にズレてしまうという不具合を防止することが可能となる。 なお、溝の側面を曲面とせず、隅角部を備える溝とした場合には、ガスケットの面圧が高くなり、各プレートが変形する前記の不具合が生じる。また、ガスケットをUV硬化樹脂により製造した場合には、当該隅角部に存在する樹脂に対してUVを照射しにくくなるため、未硬化の樹脂が部分的に残ってしまうという製造上の不具合が生じる。 【0014】 溝14の幅(w)としては、リワーク性向上の観点、及びガスケットを溝に固定する観点から、0.5~2.4mmが好ましく、0.8~2.0mmがより好ましく、1.0~1.8mmが更に好ましい。また、溝14の深さ(d)は、同様の観点から、0.01~0.8mmが好ましく、0.015~0.7mmがより好ましく、0.02~0.6mmが更に好ましい。 前記溝の断面の形状は、半径(R)が0.6~10mmである円が描くカーブと同形状の曲面であることが好ましい。この半径(R)は、0.6~0.75mmがより好ましい。半径(R)が前記範囲内であると、ガスケットのカバープレート側の接触幅がより大きくなる。また、溝の形状を前記半径を有する曲面形状とした場合には、隅角部を備える溝の形状とした場合と比較して、後述のUV照射をガスケット用材料に対して均一に行うことができるため好ましい。」 (3)「【0018】 本発明においては、溝14の曲面に凹凸を設けることにより、ガスケット13と溝14との接着面積を調整してもよい。この凹凸としては、溝の延在方向と同一方向に、凹条と凸条とをそれぞれ交互に設けた波状の凹凸が好ましい。この場合、凹条の底部と凸条の頂部との高低差は、0.01~0.05mmが好ましく、0.02~0.04mmがより好ましい。また、凹条の底部と凸条の頂部との間隔は、0.01~0.09mmが好ましく、0.05~0.08mmが更に好ましい。このような波状の凹凸は、溝の延在方向の全部分に設けてもよく、溝の延在方向の途中部分にのみ設けてもよい。ただし、接着面積を向上させる観点から、溝の全面積に対する凹凸部分の面積は、20~100%であることが好ましく、50~100%であることが更に好ましい。なお、前記波状の凹凸は、溝の延在方向に対して直交する方向に設けてもよい。 溝14の曲面に設ける凹凸としては、円柱形状の凹部と円柱形状の凸部とを交互に設けたものであってもよい。この場合の円柱形状の直径は、0.05~0.2mmが好ましい。円柱形状の凹部と凸部との高低差は、0.01~0.05mmが好ましく、0.02~0.04mmがより好ましい。このような円柱形状の凸部と凹部とは、溝の面積1mm2あたりに、それぞれ1~10個設けることが好ましく、2~5個設けることがより好ましい。 さらに、本発明においては、溝の曲面を粗面とすることにより凹凸を形成してもよく、前記波状の凹凸、円柱形状の凹凸等を組み合わせてもよい。」 5.甲第5号証に記載された事項 甲第5号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0010】 (1.1)ボンデッドシール 本発明の方法により金属部材を分離回収する対象となる「ボンデッドシール」は、金属部材と、金属部材に強固に接合したフッ素ゴムシール材とを有するものであれば特に限定されないが、好ましくは、真空チャンバーの開口部を開閉するために用いられる弁体(valve body)である。 当該真空チャンバーは、例えば、半導体製造装置における真空チャンバーである。当該半導体製造装置における真空チャンバーの開口部は、好ましくは、ウエハを出し入れするための出入り口である。 当該ボンデッドシールは、金属部材と当該金属部材の少なくとも一つの表面に密着されたフッ素ゴムシール材とを有する、シール材一体型金属部品である。図1に当該ボンデッドシールの使用の一態様を示す。ボンデッドシール5は、例えば、プロセスチャンバー6とトランスファーチャンバー7との仕切り弁、および/またはロードロックチャンバーとトランスファーチャンバー7との仕切り弁として機能する弁体である。なお、図1において、ボンデッドシール5における、金属部材のシール材が接着されたシール側表面は、図示されていない。 図2に、ボンデッドシール5の部分拡大図を示す。ボンデッドシール5は、主として、金属部材51と、フッ素ゴムシール材(本明細書中、単にシール材と称する場合がある。)52とからなる。図2における金属部材51の上側の面が、金属部材51のシール側表面である。図2に示すように、金属部材51のシール側表面にフッ素ゴムシール材52が密着されている。本実施形態において、フッ素ゴムシール材52は、金属部材51のシール側表面に、接着剤で接着されることによって密着(固着)されている。」 (2)「【0051】 (4)変形例 (4.1)変形例1 本発明の実施形態に係る金属部材の分離回収方法では、フッ素ゴムシール材が、金属部材のシール側表面に接着剤で接着されることによって密着されているが、フッ素ゴムシール材が、金属部材のシール側表面に接着剤を用いずに密着されてもよい。例えば、フッ素ゴムシール材の表面を有機溶剤等で溶解して金属部材のシール側表面に接着させる方法や、フッ素ゴムシール材を金属部材のシール側表面に圧着させる方法によって、密着されてもよい。なお、フッ素ゴムシール材を金属部材のシール側表面に圧着させる方法を採用する場合、密着効果を向上させるために、金属部材のシール側表面を圧着前に表面処理してもよい。」 (3)「【0057】 製造例3[架橋可能なフッ素ゴム組成物(A)の調製] 製造例1で得られたフルオロエラストマーと、架橋剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC、日本化成(株)製)と、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日油(株)製)と、充填材であるポリイミド樹脂粉末UIP-S(宇部興産(株)製)とを重量比100/2/1/15で混合した。この混合物をオープンロールにて混練して、架橋可能なフッ素ゴム組成物(A)を得た。」 (4)「【0059】 製造例5[接着試験片(1)の作製] 製造例3で得られた架橋可能なフッ素ゴム組成物(A)と、A5052製弁体とを用いて、160℃で7分間プレスして架橋形成を行ったのち、さらに180℃のエアーオーブン中で4時間かけてオーブン架橋し、フッ素ゴムと金属部材が一体化したボンデッドシールを得た。このボンデッドシールの概観図を図3に示す。このとき予め弁体のゴムと接着する部分は、サンドブラスト(#100)で表面を荒らした。この後に接着剤として3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学(株)製 KBM903)を刷毛で塗布し、室温で風乾後、さらに160℃で10分間の焼付けを行った。得られたボンデッドシールを小片(厚さ10mm、幅10mm、長さ35mm)に切断し、接着試験片(1)を作製した。」 6.甲第6号証に記載された事項 甲第6号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0010】 【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるバルブのシール構造について、その一実施の形態を図面を参照して説明する。本発明のシール構造は、例えば前記従来例で挙げたゲートバルブに用いられる。そのゲートバルブでは、例えば図1に示すように開口部を塞ぐ板状の弁体1に、開口部分を囲むことができるような環状のシールリング2が保持され、その弁体1の駆動により開口部外縁の弁座面にシールリング2を当接させることにより、開口部を遮断するとともに気密に閉塞するものである。シール構造とは、このような弁体1に形成された収納溝及び、その収納溝に装着されたシールリング2などのシール部材をいう。また、このシール構造は、弁座側に形成されているものであってもよい。 【0011】そこで、シール構造を弁体に構成したものとして、以下、実施の形態について説明する。図2は、シール構造の第1実施の形態を示した断面図である。図示するように弁体1の表面に形成された収納溝3は、両方の側壁が外側に向けて広がるように同一の角度で傾斜した傾斜面3A,3Bをなし、その断面はいわゆる逆台形形状をしている。一方、このような形状の収納溝3に装着されるシールリング21は、ゴム材で形成され、収納溝3に接着剤によって接着される。そのため、このシールリング21は、収納溝3に接着される裏側の固着面と、弁体2の表面に現れる表側のシール面とから構成されている。固着面は、収納溝3の形状に合わせた傾斜面21A,21B及び中間の水平面21Cの三面から形成され、シール面は、中央の大きな山面21Pと両側の小さな谷面21Q,21Rとから形成されている。」 7.甲第7号証に記載された事項 甲第7号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「 【0005】 【課題を解決するための手段】 以下図面を参照しつつ詳述する。 本考案は図1に示すように、エンジンにおけるシリンダヘッドカバー等のカバー部材(1)に削設された環状溝(2)へ挿着され、該カバー部材(1)とブロック部材(3)とを密封するガスケット(4)の取付構造であつて、前記カバー部材(1)の環状溝(2)は断面形状で奥方へ先細形状を有しており、これに挿着される前記ガスケット(4)はその環状溝(2)と対向する挿入面側に断面略U字状の細溝(5)を有し、該細溝(5)の底部にU字形のバネ材(6)を配設したことを特徴としている。 【0006】 【作用】 本考案は上記のような構造によって下記に示す優れた作用をなさしめる。 すなわち、図1に示す如く、カバー部材(1)の環状溝(2)は該ガスケット(4)の挿着部分ととほぼ同形状をもって断面形状で奥方へ先細形状に造形されており、これに前記ガスケット(4)を挿着すると、前記ガスケット(4)に形成された断面略U字状の細溝(5)が前記先細の両溝壁(2a・2b)に押圧されて狭まり、ぴったり密着して脱落防止効果を見せる。 【0006】 この状態からブロック部材(3)にカバー部材(1)を取付け、所定の締付トルクをもってその周囲に配置されたボルト等を締め付けると、図2に示すように前記狭まった細溝(5)の内底方に位置するU字形のバネ材(6)が前記環状溝(1)の先細の両溝壁(2a・2b)にガスケット材を介してその両角部を押し当てる状態になり、これをさらに締め付けると該バネ材(6)は内方に弾性変形して強い復元力を側面方向から外方向に変換発生せしめる。ここで該ガスケット(4)は前記バネ材(6)と共に半永久的な弾性力を発揮し、ブロック部材(3)に変わることのない弾性反発力を向ける。」 8.甲第8号証に記載された事項 甲第8号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0010】 図1は、本発明の実施形態の使用状態の分解斜視図である。本発明に係る防水パッキン構造は、防水機能を備えた電子機器の筐体に用いられる防水構造であり、図1に示したように、筐体10は、ダイカスト製であって略長方形状の開口部11を備えた本体部材1と、鉄板製であって前記開口部11を塞ぐ蓋部材2とから構成され、2つの部材の接合面に弾性体よりなる防水パッキン3を挟み込んで防水パッキン構造が構成されている。 前記防水パッキン構造は、前記本体部材1の開口部11を囲むように形成された溝Gと、前記溝Gに嵌め込まれる弾性体からなるリング状の防水パッキン3と、前記開口部11を覆うように配設されて、ビス等の締結手段4によって前記本体部材1に押しつけられた状態で締結されて固定される蓋部材2とからなり、前記締結手段4によって前記蓋部材2を前記本体部材1に押しつける際に、前記防水パッキン3を押しつぶすことによって弾性変形させ、その弾性復元力によって、前記本体部材1の溝Gと前記防水パッキン3との間、および、前記防水パッキン3と前記蓋部材2との間を、水が浸入しないような防水状態に密閉するように構成されている。」 (2)「【図3】 [図:0001384206000002.jpg] 」 9.甲第9号証に記載された事項 甲第9号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0001】 本発明は、例えば電気端子とこれを覆う樹脂成形体のような、金属部材と成形樹脂部材との異種材料を密着させて一体化する複合成形体に関し、また、金属部材の表面を粗面化する技術を含む金属表面の加工方法にも関する。」 (2)「【0080】 さらに、実施例の複合成形体としてのセンサーカバーでは、銅系合金材を用いた金属端子をインサートし、筐体部に熱可塑性樹脂であるPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂を用いたものを説明したが、使用できる異種材料の組み合わせはこれらに限定されるものではなく、レーザー光や電子ビームなどの高密度エネルギービームを照射することにより、本発明に係る粗面部の形成化が可能な金属材料、及び熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の分類に属する高分子材料、及びエラストマーなどあらゆる異種材料の組み合わせを任意に選定することができる。また、実施例として気密性を要する複合成形体としてのセンサーカバーを例に挙げているが、異種材料間の密着強度の向上など、何れかの特性が求められるあらゆる樹脂複合成形体に適用することができ、製造方法も射出成形に限定されるものではない。」 10.甲第10号証に記載された事項 甲第10号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「金属-樹脂の接合方法として,ボルトなどを用いる機械的接合,接着剤接合,レーザー接合,射出成形などが挙げられる。中でも,接着剤を用いる場合や射出成形などにより金属-樹脂を直接接合する場合には基材表面の凹凸形状が接合強度向上に対して大きな役割を担う。金属-樹脂の接合力を高める前処理として,あらかじめ金属材料の表面に微細な凹凸を形成する粗面化処理が広く用いられている。金属材料の粗面化方法は,機械的,物理的,電気化学的,化学的処理に大別される。機械的方法としては,ショットブラストや研磨処理があり,物理的方法としてはプラズマやレーザー処理などがある。」(第654ページ左欄第11~21行) 11.甲第11号証に記載された事項 甲第11号証には、以下の事項が記載されている。 (1)「【0001】 本発明は、含フッ素エラストマー組成物及び成形品に関する。」 (2)「【0014】 本発明は、上記の含フッ素エラストマー組成物から得られることを特徴とする成形品でもある。上記成形品は、シール材であってもよい。」 (3)「【0068】 本発明の成形品は、上記含フッ素エラストマー組成物を、成形し、架橋することによって製造される。架橋条件としては、ポリヒドロキシ芳香族化合物などの種類により適宜決めればよいが、通常、100~200℃の温度で、5~60分で一次架橋を行い、さらに必要に応じて二次架橋焼成を行う。」 (4)「【0072】 半導体製造分野では、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野では、O(角)リング、パッキン、シール材、ガスケット、ダイアフラム等があげられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置に用いることができる。具体的には、ゲートバルブのOリング、シール材として、クォーツウィンドウのOリング、シール材として、チャンバーのOリング、シール材として、ゲートのOリング、シール材として、ベルジャーのOリング、シール材として、カップリングのOリング、シール材として、ポンプのOリング、シール材、ダイアフラムとして、半導体用ガス制御装置のOリング、シール材として、レジスト現像液、剥離液用のOリングとして用いることができる。」 12.甲第12号証に記載された事項 甲第12号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0001】 本発明は、半導体製造装置のゲートバルブ等に好適に用いることができる弁体の製造方法に関する。」 (2)「【0037】 架橋性ゴム成分又はゴム組成物の架橋成形温度は、例えば150~220℃程度である。プレス成形等の加圧・加熱下での架橋成形後、必要に応じて、150~280℃程度の温度で熱処理(二次架橋)を行ってもよい。」 13.甲第13号証に記載された事項 甲第13号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0008】 本発明は、以上の状況に鑑みなされたものであり、その目的は、架橋性ゴム成分としてFFKMを用いたパーオキサイド架橋系のパーフルオロエラストマー組成物であって、送りプレス成形によっても繋ぎ痕が生じにくいパーフルオロエラストマー組成物、及びこれを架橋成形してなるシール材を提供することにある。」 (2)「【0048】 <シール材> 上記パーフルオロエラストマー組成物を架橋成形することにより、架橋成形物であるシール材を製造することができる。架橋成形方法は、送りプレス成形、プレス成形、インジェクション成形のような従来公知の方法を採用することができるが、大口径のリング状シール材(Oリング等)を製造する場合には、送りプレス成形を採用することが好ましい。架橋成形温度は、例えば100~200℃程度であり、好ましくは150~190℃である。必要に応じて、架橋成形温度と同程度の温度以上で二次架橋(熱処理)を行ってもよい。」 第5 当審の判断 1.本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明1とを対比する。 甲1発明1の「前面48」は、本件発明1の「表面」に相当し、甲1発明1の「環状に形成された溝58」は、本件発明1の「環状溝」に相当し、甲1発明1の「アルミニウム又はステンレス鋼のような金属で製作されるシールプレート42」は、本件発明1の「金属製の板状部材」に相当する。 甲1発明1の「フルオロカーボン及び過フルオロエラストマー」は、本件発明1の「フッ素ゴム」に相当し、甲1発明1の「現場込めシール50」は、本件発明1の「シール部材」に相当し、甲1発明1の「現場込めシール50」が「環状に形成された溝58の中に成形される」ことは、本件発明1の「シール部材」が「環状」であって、「上記環状溝の内部に設けられた」ことに相当する。 甲1発明1の「ウェハ上に集積回路を製作するための一連のプロセスにおいてウェハに対しある種の処理を行う真空室14を含む真空処理システム10」は、本件発明1の「半導体製造装置」に相当し、甲1発明1の「スリットバルブドア40」は、真空処理システムにおける2つのチャンバ間のスリットバルブ開口をシールするものであるから(段落【0001】参照)、本件発明1の「ゲートシール構造体」に相当する。 甲1発明1の「粗面」は、「粗い面」という限りにおいて、本件発明1の「粗さ曲線要素の平均粗さRcが50μm~500μmであり、且つ粗さ曲線のスキューネスRskが-3~0.5である粗面部」と一致し、甲1発明1の「溝58の内側の面」が「粗面」であることは、「環状溝の内面の少なくとも一部には、粗い面が設けられ」ているという限りにおいて、本件発明1の「環状溝の内面の少なくとも一部には、粗さ曲線要素の平均粗さRcが50μm~500μmであり、且つ粗さ曲線のスキューネスRskが-3~0.5である粗面部が設けられ」ていることと一致する。 甲1発明1において、「溝58の金属表面」には、「粗面」が設けられているから、甲1発明1の「現場込めシール50は溝58の金属表面に接合し」ていることは、「上記シール部材は、上記環状溝の粗い面に接合され」ているという限りにおいて、本件発明1の「上記シール部材は、上記環状溝の上記粗面部に接合され」ていることと一致する。 甲1発明1の「溝58は上向きに湾曲する縁部もしくは側部を有し、その端部は前面48に対して殆ど垂直である」ことは、「環状溝の内面は、底面及び両側面を有する」という限りにおいて、本件発明1の「上記環状溝の内面のうち、底面、及び該底面に対して傾斜した両側面には、上記粗面部が設けられていること」と一致する。 以上のとおりであるから、本件発明1と甲1発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりとなる。 【一致点1】 「環状溝が表面に形成された金属製の板状部材と、 上記環状溝の内部に設けられたフッ素ゴム製の環状のシール部材とを備えた半導体製造装置用のゲートシール構造体であって、 上記環状溝の内面の少なくとも一部には、粗い面が設けられ、 上記シール部材は、上記環状溝の上記粗い面に接合され、 上記環状溝の内面は、底面及び両側面を有する半導体製造装置用のゲートシール構造体。」 【相違点1】 「粗い面」について、本件発明1では、「粗さ曲線要素の平均粗さRcが50μm~500μmであり、且つ粗さ曲線のスキューネスRskが-3~0.5である粗面部」のに対し、甲1発明1では、「粗面」であって、「粗さ曲線要素の平均粗さRc」及び「粗さ曲線のスキューネスRsk」が特定されていない点。 【相違点2】 本件発明1では、「環状溝の内面」が、「底面、及び該底面に対して傾斜した両側面」を有しており、「粗面部」が「環状溝の内面のうち、底面、及び該底面に対して傾斜した両側面」に設けられているのに対し、甲1発明1では、「溝58は上向きに湾曲する縁部もしくは側部を有し、その端部は前面48に対して殆ど垂直であ」り、「粗面」が「溝58の内側」に設けられている点。 (2)判断 上記相違点1について検討する。 上記「第4 2.」で示すように、甲第2号証には、表面処理銅箔の表面処理面SのスキューネスRskを-0.35~0.53、十点平均粗さRz(JIS B0601 1994)を0.20~0.64μmとすることにより、表面処理銅箔が樹脂と良好に接着し、且つ、銅箔をエッチングで除去した後の樹脂の透明性が高くなることが記載されている。 しかしながら、甲1発明1は、「真空処理システムにおける2つのチャンバ間のスリットバルブ開口をシールするバルブドア」(甲第1号証の段落【0001】参照)に関するものであるのに対し、甲第2号証に記載された事項は、「銅箔をエッチングした後の残部の樹脂の透明性が要求される分野に好適な表面処理銅箔及びそれを用いた積層板、プリント配線板、電子機器、並びに、プリント配線板」(甲第2号証の段落【0001】参照)に関するものであるから、両者の技術分野は大きく異なるものである。 また、甲1発明1の「粗面」は、「シール50の材料と溝58との間の接着を強くする」(甲第1号証の段落【0027】参照)ものであるのに対し、甲第2号証に記載された事項の「表面処理面S」は、「表面処理銅箔が樹脂と良好に接着し、且つ、銅箔をエッチングで除去した後の樹脂の透明性が高くなる」(甲第2号証の段落【0072】~【0073】等参照)ものであるから、両者の目的は大きく異なるものであり、甲1発明1に対して甲第2号証に記載された事項を採用する動機付けは認められない。 加えて、甲第2号証に記載された事項は、表面処理面Sの粗さを、「十点平均粗さRz(JIS B0601 1994)」及び「スキューネスRsk」で特定しているのであって、「粗さ曲線要素の平均粗さRc」及び「粗さ曲線のスキューネスRsk」で特定しているものではないし、「十点平均粗さRz(JIS B0601 1994)」と「粗さ曲線要素の平均粗さRc」との間に相関関係があるとも認められないから、仮に、甲1発明1に対し、甲第2号証に記載された事項を採用したとしても、粗面の粗さを、「粗さ曲線要素の平均粗さRc」及び「粗さ曲線のスキューネスRsk」で特定することを想到できるとはいえない。 そして、本件発明1は、上記相違点1に係る構成を有することで、「環状溝5の内面の粗面部Rとシール部材15とが深く嵌め合った状態で接合され、環状溝5の内面の粗面部Rとシール部材15とを確実に固定することができる。したがって、金属製の板状部材10aに形成された環状溝5の内部にフッ素ゴム製のシール部材15を確実に固定することができる。」(本件特許の段落【0071】参照)ものであるから、上記相違点1に係る構成が、当業者が適宜なし得る設計的事項であるともいえない。 また、甲第3号証~甲第13号証にも、上記相違点1に係る構成は記載も示唆もされていない。 以上のとおりであるから、甲1発明1及び甲第2号証~甲第13号証に記載された事項から、上記相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者といえども容易になし得たこととはいえない。 したがって、上記相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明1及び甲第2号証~甲第3号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2.本件発明3について 本件発明3は、本件発明1をさらに減縮するものであり、甲1発明1との間に少なくとも上記「1.(1)」で示した相違点1~2を有するものである。 したがって、本件発明1と同様の理由により、本件発明3は、甲1発明1及び甲第2号証~甲第13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3.本件発明5について (1)対比 本件発明5と甲1発明2とを対比する。 甲1発明2の「ウェハ上に集積回路を製作するための一連のプロセスにおいてウェハに対しある種の処理を行う真空室14を含む真空処理システム10」は、本件発明5の「半導体製造装置」に相当し、甲1発明2の「スリットバルブドア40」は、真空処理システムにおける2つのチャンバ間のスリットバルブ開口をシールするものであるから(段落【0001】参照)、本件発明5の「ゲートシール構造体」に相当する。 甲1発明2の「前面48」は、本件発明5の「表面」に相当し、甲1発明2の「環状に形成された溝58」は、本件発明5の「環状溝」に相当し、甲1発明2の「アルミニウム又はステンレス鋼のような金属で製作されるシールプレート42」は、本件発明5の「金属板」である「板状部材」に相当する。また、甲1発明2の「粗面」は、「粗い面」という限りにおいて、本件発明5の「粗さ曲線要素の平均粗さRcが50μm~500μmであり、且つ粗さ曲線のスキューネスRskが-3~0.5である粗面部」と一致し、甲1発明2の「粗面」が「60-グリットブラスト仕上げから得られる」ことは、「所定の加工を施して」「粗い面」を形成するという限りにおいて、本件発明5の「レーザー光を照射することにより」「粗面部を形成」することと一致する。そして、甲1発明2の「前面48の周りに環状に形成された溝58を有するアルミニウム又はステンレス鋼のような金属で製作されるシールプレート42の溝58の内側の面を、60-グリットブラスト仕上げから得られる粗面とし」ていることは、「シールプレート42」に所定の加工を施す工程であるといえるから、「環状溝が表面に形成された金属板の該環状溝の内面の少なくとも一部に所定の加工を施すことにより、粗い面を形成して、板状部材を作製する板状部材作製工程」という限りにおいて、本件発明5の「環状溝が表面に形成された金属板の該環状溝の内面の少なくとも一部にレーザー光を照射することにより、粗さ曲線要素の平均粗さRcが50μm~500μmであり、且つ粗さ曲線のスキューネスRskが-3~0.5である粗面部を形成して、板状部材を作製する板状部材作製工程」と一致する。 甲1発明2の「フルオロカーボン及び過フルオロエラストマーのような材料」は、本件発明5の「含フッ素エラストマー組成物」である「成形用組成物」に相当する。また、甲1発明2において、「現場込めシール50」が、「フルオロカーボン及び過フルオロエラストマーのような材料から製作することができ」るためには、「フルオロカーボン及び過フルオロエラストマーのような材料」が、「現場込めシール50」として適切な機能を果たすように調整されていることが技術常識であるから、甲1発明2の「現場込めシール50は、フルオロカーボン及び過フルオロエラストマーのような材料から製作することができ」ることは、本件発明5の「成形用組成物として含フッ素エラストマー組成物を調製する成形用組成物調製工程」を有することに相当する。 甲1発明2の「現場込めシール50」は、本件発明5の「シール部材」に相当し、甲1発明2の「現場込めシール50は、前面48の周りに形成された溝58の中に成形され」ることは、「現場込めシール」を製作するための「フルオロカーボン及び過フルオロエラストマーのような材料」が「前面48の周りに形成された溝58の中に成形され」ることを意味するから、本件発明5の「上記板状部材の環状溝の内部に上記成形用組成物を配置した」ことに相当する。また、甲1発明2の「現場込めシール50」が「シールプレート42に対して加硫され」ることは、「前面48の周りに形成された溝58の中に成形され」た「フルオロカーボン及び過フルオロエラストマーのような材料」が、「加硫」されることにより「現場込めシール50」となることを意味するから、「加硫」が、加熱・加圧されることにより起こる化学反応であるという技術常識を踏まえると、「成形用組成物を板状部材に対して加熱及び加圧すること」の限りにおいて、本件発明5の「該成形用組成物を上記板状部材と成形型との間で加熱及び加圧すること」と一致する。したがって、甲1発明2の「現場込めシール50は、前面48の周りに形成された溝58の中に成形され、シールプレート42に対して加硫され」ることは、「上記板状部材の環状溝の内部に上記成形用組成物を配置した後に、該成形用組成物を上記板状部材に対して加熱及び加圧することにより、上記板状部材の環状溝の内部にシール部材を形成する成形工程」の限りにおいて、本件発明5の「上記板状部材の環状溝の内部に上記成形用組成物を配置した後に、該成形用組成物を上記板状部材と成形型との間で加熱及び加圧することにより、上記板状部材の環状溝の内部にシール部材を形成する成形工程」と一致する。 甲1発明2の「溝58は上向きに湾曲する縁部もしくは側部を有し、その端部は前面48に対して殆ど垂直である」ことは、「環状溝の内面は、底面と、両側面とを有していること」の限りにおいて、本件発明5の「上記環状溝の内面は、底面と、底面に対して傾斜した両側面とを有していること」と一致する。 以上のとおりであるから、本件発明5と甲1発明2との一致点及び相違点は、以下のとおりとなる。 【一致点2】 「半導体製造装置用のゲートシール構造体の製造方法であって、 環状溝が表面に形成された金属板の該環状溝の内面の少なくとも一部に所定の加工を施して粗い面を形成して、板状部材を作製する板状部材作製工程と、 成形用組成物として含フッ素エラストマー組成物を調製する成形用組成物調製工程と、 上記板状部材の環状溝の内部に上記成形用組成物を配置した後に、該成形用組成物を上記板状部材に対して加熱及び加圧することにより、上記板状部材の環状溝の内部にシール部材を形成する成形工程とを備え、 上記環状溝の内面は、底面と、両側面とを有している半導体製造装置用のゲートシール構造体の製造方法。」 【相違点3】 「粗い面」について、本件発明5では、「粗さ曲線要素の平均粗さRcが50μm~500μmであり、且つ粗さ曲線のスキューネスRskが-3~0.5である粗面部」のに対し、甲1発明2では、「粗面」であって、「粗さ曲線要素の平均粗さRc」及び「粗さ曲線のスキューネスRsk」が特定されていない点。 【相違点4】 粗い面を形成する方法について、本件発明5では、「粗面部」は、「環状溝が表面に形成された金属板の該環状溝の内面の少なくとも一部にレーザー光を照射することにより」形成されるのに対し、甲1発明2では、「粗面」が「溝58の内側の面を、60-グリットブラスト仕上げから得られる」点。 【相違点5】 板状部材の環状溝の内部にシール部材を形成する成形工程に関し、本件発明5では、「成形用組成物を上記板状部材と成形型との間で加熱及び加圧する」のに対し、甲1発明2では、「成形型」を用いているか否かが不明である点。 【相違点6】 本件発明5では、「環状溝の内面」が、「底面と、底面に対して傾斜した両側面とを有している」のに対し、甲1発明2では、「溝58」が「上向きに湾曲する縁部もしくは側部を有し、その端部は前面48に対して殆ど垂直である」点。 (2)判断 上記相違点3について検討する。 上記相違点3は、上記「1.(1)」で示した相違点1と実質的に同内容の相違点である。 してみれば、上記「1.(2)」で示した判断と同様に、甲1発明2及び甲第2号証~甲第13号証に記載された事項から、上記相違点3に係る本件発明5の構成とすることは、当業者といえども容易になし得たこととはいえない。 したがって、上記相違点4~6について検討するまでもなく、本件発明5は、甲1発明2及び甲第2号証~甲第13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4.本件発明6について 本件発明6は、本件発明5をさらに減縮するものであり、甲1発明2との間に少なくとも上記「3.(1)」で示した相違点3~6を有するものである。 したがって、本件発明5と同様の理由により、本件発明6は、甲1発明2及び甲第2号証~甲第13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1、3、5、6に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1、3、5、6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700921

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