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特許異議申立

2023-701234

物品収納設備

審判番号
2023-701234
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-159675
登録番号
7279584
請求日
2023年11月22日
審決日
2025年03月26日
公報発行日
2025年08月29日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社ダイフク
  • 【権利者代理人】弁理士法人R&C
  • 【異議申立人】菖蒲谷 道広
審判長/審判官
  • 審判長 平城 俊雅
  • 審判官 横山 幸弘
  • 審判官 内田 博之
分類
P1651.121-ZAA(B65G) / P1651.537-ZAA(B65G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第113条第2号、特許法第113条第4号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

結論

結 論 特許第7279584号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。 特許第7279584号の請求項1、3~6に係る特許を取り消す。 特許第7279584号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7279584号(以下「本件特許」という。)の請求項1~6に係る特許についての出願は、2019年(令和元年)9月2日の出願であって、令和5年5月15日に特許権の設定登録がされ、同年5月23日に特許掲載公報が発行された。 その後、特許異議申立人菖蒲谷道広(以下、「申立人」という。)による特許異議の申立てがされた。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和5年11月22日 申立人による特許異議の申立て 令和6年 2月14日付け 取消理由通知書 同年 4月19日 特許権者による意見書、訂正請求書の提出 同年 6月19日 申立人による意見書の提出 同年10月23日付け 取消理由(決定の予告) なお、令和6年10月23日付け取消理由(決定の予告)に対して、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは応答がなかった。 第2 訂正の適否 1 本件訂正の内容について 令和6年4月19日提出の訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。)による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線は訂正箇所である。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数と、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数とが異なり、 前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数が設定されている、物品収納設備。」 と記載されているものを、 「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、 前記第2搬送装置による前記第2収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間は、前記第1搬送装置による前記第1収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間よりも短く、 前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整した、物品収納設備。」 に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に、 「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少ない、請求項1に記載の物品収納設備。」 と記載されているものを独立形式に改め、 「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少なく、 前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整し、 前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間が、前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間よりも短い、物品収納設備。」 に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に、 「前記第1収納部に収納される前記物品は、前記第2収納部に収納される前記物品よりも入出庫の頻度が高い、請求項3に記載の物品収納設備。」 と記載されているものを独立形式に改め、 「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少なく、 前記第1収納部に収納される前記物品は、前記第2収納部に収納される前記物品よりも入出庫の頻度が高く、 前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整した、物品収納設備。」 に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に、 「前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の一方側に設けられ、前記第1搬送方向の他方側には設けられていない場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の一方側に設けられ、前記第2搬送方向の他方側には設けられておらず、 前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の両側に設けられている場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の両側に設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品収納設備。」 と記載されているものを、 「前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の一方側に設けられ、前記第1搬送方向の他方側には設けられていない場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の一方側に設けられ、前記第2搬送方向の他方側には設けられておらず、 前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の両側に設けられている場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の両側に設けられている、請求項1、3、又は4に記載の物品収納設備。」 に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に、 「前記第1収納棚の複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記第2収納棚の複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記第1搬送装置は、前記第1移動体に支持された第1昇降機構と、前記第1昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第1収納部のいずれか又は前記第1入出庫部との間で前記物品を移載する第1移載機構と、を更に備え、 前記第2搬送装置は、前記第2移動体に支持された第2昇降機構と、前記第2昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第2収納部のいずれか又は前記第2入出庫部との間で前記物品を移載する第2移載機構と、を更に備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品収納設備。」 と記載されているものを、 「前記第1収納棚の複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記第2収納棚の複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記第1搬送装置は、前記第1移動体に支持された第1昇降機構と、前記第1昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第1収納部のいずれか又は前記第1入出庫部との間で前記物品を移載する第1移載機構と、を更に備え、 前記第2搬送装置は、前記第2移動体に支持された第2昇降機構と、前記第2昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第2収納部のいずれか又は前記第2入出庫部との間で前記物品を移載する第2移載機構と、を更に備えている、請求項1、3、4、又は5に記載の物品収納設備。」 に訂正する。 (7)一群の請求項について 訂正前の請求項1~6について、請求項5及び6は、請求項1~4を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1、訂正事項2によって記載が訂正される請求項2、訂正事項3によって記載が訂正される請求項3、及び訂正事項4によって記載が訂正される請求項4に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~6に対応する訂正後の請求項1~6は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 2 訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的の適否について(下線は当審で付した。以下同様。) 訂正事項1は、請求項1の (ア)「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数と、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数とが異なり、」との事項を 「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、」に限定し、 (イ)「前記第2搬送装置による前記第2収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間は、前記第1搬送装置による前記第1収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間よりも短く、」との事項を限定し、 (ウ)「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数が設定されている、」との事項を 「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整した、」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 イ 新規事項の追加の有無について (ア)訂正前の請求項2に「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多い、」との記載があり、 (イ)明細書の段落【0028】に「したがって、各収納部11A,11Bからの物品Wの取り出し又は各収納部11A,11Bへの物品Wの収納を行う場合の移載動作に要する時間は、第2自動倉庫10Bの方が第1自動倉庫10Aに比べて短くなる。」との記載があり、 (ウ)明細書の段落【0042】に「したがって、第1収納棚の第1搬送方向の長さ、及び第2収納棚の第2搬送方向の長さに応じて、第1収納部における第1棚奥行方向に収納可能な物品の数、及び第2収納部における第2棚奥行方向に収納可能な物品の数を設定することで、第1搬送装置による物品の入出庫に要する時間、及び第2搬送装置による物品の入出庫に要する時間を適切に調整することができる。」との記載があるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮しようとするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、請求項2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的について 訂正事項3は、 「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、」及び 「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整し、 前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間が、前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間よりも短い、」との事項を特定することで、特許請求の範囲を減縮するとともに、訂正前の請求項3が請求項1の記載を引用するものであったところ、訂正後の請求項3を独立請求項に改めるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であると共に、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 イ 新規事項の追加の有無について (ア)訂正前の請求項1に「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、」及び 「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数が設定されている、」との記載があり、(イ)明細書の段落【0042】に「したがって、第1収納棚の第1搬送方向の長さ、及び第2収納棚の第2搬送方向の長さに応じて、第1収納部における第1棚奥行方向に収納可能な物品の数、及び第2収納部における第2棚奥行方向に収納可能な物品の数を設定することで、第1搬送装置による物品の入出庫に要する時間、及び第2搬送装置による物品の入出庫に要する時間を適切に調整することができる。」との記載があり、 (ウ)明細書の段落【0046】に「第1搬送装置による物品の入出庫に要する時間を、第2搬送装置による物品の入出庫に要する時間に比べて大幅に短くすることができる。」との記載があるから、訂正事項3は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項3は、特許請求の範囲を減縮するとともに、他の請求項の記載を引用しないものとするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的について 訂正事項4は、 「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、」、 「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少なく、」及び 「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整した、」との事項を特定することで、特許請求の範囲を減縮するとともに、訂正前の請求項4が請求項1の記載を引用する請求項3の記載を引用するものであったところ、訂正後の請求項4を独立請求項に改めるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であると共に、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 イ 新規事項の追加の有無について (ア)訂正前の請求項1に「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、」及び 「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数が設定されている、」との記載があり、 (イ)訂正前の請求項3に「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少ない、」との記載があり、 (ウ)明細書の段落【0042】に「したがって、第1収納棚の第1搬送方向の長さ、及び第2収納棚の第2搬送方向の長さに応じて、第1収納部における第1棚奥行方向に収納可能な物品の数、及び第2収納部における第2棚奥行方向に収納可能な物品の数を設定することで、第1搬送装置による物品の入出庫に要する時間、及び第2搬送装置による物品の入出庫に要する時間を適切に調整することができる。」との記載があるから、訂正事項4は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項4は、特許請求の範囲を減縮するとともに、他の請求項の記載を引用しないものとするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 (5)訂正事項5及び6について 訂正事項5及び6は、訂正前の請求項5が請求項1~4の記載を引用し、訂正前の請求項6が請求項1~5の記載を引用するものであったところ、訂正事項2により請求項2が削除されたこととの整合を図るための訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 3 独立特許要件について 本件訂正においては、全ての請求項について異議申立てがされているので、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 4 小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲の記載を、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 令和6年4月19日に提出された訂正請求書による訂正請求により訂正された請求項1~6に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明6」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~6に記載された次の事項により特定されるとおりのものである(なお、請求項2(本件発明2)は、本件訂正により削除されている。)。 「【請求項1】 それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、 前記第2搬送装置による前記第2収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間は、前記第1搬送装置による前記第1収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間よりも短く、 前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整した、物品収納設備。 【請求項2】(削除) 【請求項3】 それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少なく、 前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整し、 前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間が、前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間よりも短い、物品収納設備。 【請求項4】 それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少なく、 前記第1収納部に収納される前記物品は、前記第2収納部に収納される前記物品よりも入出庫の頻度が高く、 前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整した、物品収納設備。 【請求項5】 前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の一方側に設けられ、前記第1搬送方向の他方側には設けられていない場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の一方側に設けられ、前記第2搬送方向の他方側には設けられておらず、 前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の両側に設けられている場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の両側に設けられている、請求項1、3、又は4に記載の物品収納設備。 【請求項6】 前記第1収納棚の複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記第2収納棚の複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記第1搬送装置は、前記第1移動体に支持された第1昇降機構と、前記第1昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第1収納部のいずれか又は前記第1入出庫部との間で前記物品を移載する第1移載機構と、を更に備え、 前記第2搬送装置は、前記第2移動体に支持された第2昇降機構と、前記第2昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第2収納部のいずれか又は前記第2入出庫部との間で前記物品を移載する第2移載機構と、を更に備えている、請求項1、3、4、又は5に記載の物品収納設備。」 第4 令和6年10月23日付け取消理由(決定の予告)に記載した取消理由について 令和6年10月23日付け取消理由(決定の予告)に記載した取消理由は、以下のとおりである。 1 取消理由1(新規性) 本件特許の請求項1、3、5及び6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、本件特許の請求項1、3、5及び6に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。 2 取消理由2(進歩性) 本件特許の請求項1、3、5及び6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1、3、5及び6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 3 取消理由3(明確性) 本件特許は、特許請求の範囲の請求項1、3~6の記載が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 4 甲号証等について (1)甲第1号証:菅野茂、「食品工場の新・旧自動倉庫間搬送を無人搬送システムで自動化」、マテリアル フロー ‘98・11 No.464、流通研究社、1998年11月、第18~21ページ (2)甲第2号証:中国特許出願公開第109607020号明細書 (3)甲第3号証:特開2009-202971号公報 (4)甲第4号証:特開2015-24876号公報 (5)甲第5号証:特開2003-81402号公報 (6)甲第6号証:特開2003-252402号公報 (7)甲第7号証:特開2012-62144号公報 (甲第1~7号証は、申立人の提出した証拠である。以下、「甲1」~「甲7」という。) (8)参考文献:特開2005-104675号公報 第5 当審の判断 1 甲号証の記載等について (1)甲1の記載 甲1には次の記載がある。 ア「既設棟は弊社が昭和62年に納入したもので,生産用原材料,仕掛り品,製品の保管を行う自動倉庫である。」(第18ページ右欄第5~7行) イ「2.システム構成 ・既設棟自動倉庫 スタッカクレーン 3台 周辺コンベヤ 1式 ・新設棟自動倉庫 スタッカクレーン 4台 (内1台は温度管理倉庫) 荷捌きステーション 4式 有軌道搬送車(STV) 1台 無人搬送車(MV) 2台」(第20ページ左欄第10~19行) ウ「・入出荷場に到着したパレットは入出荷ステーションから有軌道搬送台車 (STV:Sorting Trans Vehicle)を介して新設棟の自動倉庫に一時格納される。 ・翌日生産に必要なものは夜間に無人搬送車(MV:Magic Vehicle)により既設棟自動倉庫に搬送される。」(第20ページ右欄第15行~第21ページ左欄第2行) エ 図表-1 レイアウト 「 [図:0001425717000001.jpg] 」 オ 図表-3 物の流れ 「 [図:0001425717000002.jpg] 」 (2)甲1の記載から分かること ア 図表-1より、既設棟は収納棚RM-1~3を備え、新設棟は収納棚RM-4~7を備えることが看取される。 また、図表-1より、収納棚RM-1~7が、複数の収納部を備えたものであることが看取されるから、甲1の収納棚RM-1~7は、それぞれにパレットが格納される複数の収納部を備えたものであるといえる。 イ 図表-1より、各収納棚RM-1~7に対応してスタッカクレーンが設けられたことが看取される。また、図表-1より、各収納棚RM-1~7がそれぞれ有端の搬送経路を有すること、各収納棚RM-1~7のスタッカクレーンが各収納棚RM-1~7の搬送経路に設けられること、及び、各収納棚RM-1~7の外部に入出荷場が設けられたことが看取される。 また、スタッカクレーンが搬送経路に沿って移動する移動体を備え、当該スタッカクレーンが収納部と入出荷場との間で物品やパレットを搬送するものであることは技術常識(必要であれば、下記(22)参照。)であるから、甲1の各収納棚RM-1~7のスタッカクレーンは、有端の収納棚RM-1~7の搬送経路に沿って移動する移動体を備え、複数の収納部のいずれかと、収納棚RM-1~7の外部に設けられた入出荷場との間でパレットを搬送するように構成されたものであると理解される。 ウ 図表-1より、各収納棚RM-1~7において、収納棚RM-1~7の搬送経路に沿う方向を収納棚RM-1~7の搬送方向とし、収納棚RM-1~7における平面視でそれぞれの搬送方向に交差する方向を収納棚RM-1~7の棚奥行方向として、各収納棚RM-1~7の複数の収納部は、収納棚RM-1~7の搬送方向に並んで配置されることが看取される。 エ 図表-1より、収納棚RM-4には17個の収納部が搬送方向に並んで配 置され、収納棚RM-6(または収納棚RM-5)には18個の収納部が搬送方 向に並んで配置されることが看取される。 そして、図表-1より、収納棚RM-4に配置された各収納部と収納棚RM-6に配置された各収納部とは、それぞれの搬送方向に沿った長さが同じであることは明らかであるから、(18個の収納部が配置される)収納棚RM-6の搬送方向の長さは、(17個の収納部が配置される)収納棚RM-4の搬送方向の長さよりも長いものであり、収納棚RM-6の搬送装置は、収納棚RM-4の搬送経路よりも長い有端の収納棚RM-6の搬送経路に沿って移動するものであるといえる。 また、図表-1より、収納棚RM-4の収納部における収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能なパレットの数は2個であり、収納棚RM-6の収納部における収納棚RM-6の棚奥行方向に収納可能なパレットの数は1個であることが看取されるから、収納棚RM-4の収納部における収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能なパレットの数は、収納棚RM-6の収納部における収納棚RM-6の棚奥行方向に収納可能なパレットの数よりも多いものといえる。 オ 図表-1より、収納棚RM-3及び収納棚RM-7には13個の収納部が搬送方向に並んで配置され、収納棚RM-4には17個の収納部が搬送方向に並んで配置されることが看取される。 甲1の第20ページ右欄第15行~第21ページ左欄第2行の記載から、収納棚RM-3及び収納棚RM-7に格納されるパレットと収納棚RM-4に格納されるパレットとは同じものであり、収納棚RM-3及び収納棚RM-7に配置された各収納部と収納棚RM-4に配置された各収納部とは、それぞれの搬送方向に沿った長さが同じであると理解されるから、(17個の収納部が配置される)収納棚RM-4の搬送方向の長さは、(13個の収納部が配置される)収納棚RM-3及び収納棚RM-7の搬送方向の長さよりも長いものであり、収納棚RM-4の搬送装置は、収納棚RM-3及び収納棚RM-7の搬送経路よりも長い有端の収納棚RM-4の搬送経路に沿って移動するものであるといえる。 また、図表-1より、収納棚RM-3及び収納棚RM-7の収納部における収納棚RM-3及び収納棚RM-7の棚奥行方向に収納可能なパレットの数は1個であり、収納棚RM-4の収納部における収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能なパレットの数は2個であることが看取されるから、収納棚RM-3及び収納棚RM-7の収納部における収納棚RM-3及び収納棚RM-7の棚奥行方向に収納可能なパレットの数は、収納棚RM-4の収納部における収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能なパレットの数よりも少ないものといえる。 カ 図表-1及び3より、収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場は、収納棚RM-4に対して、収納棚RM-4の搬送方向の両側に設けられ、収納棚RM-6の外部に設けられた入出荷場は、収納棚RM-6に対して、収納棚RM-6の搬送方向の両側に設けられていることが看取される。 キ 図表-1及び3より、収納棚RM-3の外部に設けられた入出荷場は、収納棚RM-3に対して、収納棚RM-3の搬送方向の両側に設けられ、収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場は、収納棚RM-4に対して、収納棚RM-4の搬送方向の両側に設けられ、収納棚RM-7の外部に設けられた入出荷場は、収納棚RM-7に対して、収納棚RM-7の搬送方向の片側に設けられていることが看取される。 ク スタッカクレーンが、移動体に支持された昇降機構と、昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の収納位置のいずれか又は入出庫部との間で物品を移載する移載機構と、を備えることは技術常識であるから、甲1の各収納棚RM-1~7のスタッカクレーンは、上記移動体に支持された昇降機構と、第1昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の収納部のいずれか又は入出荷場との間で物品を移載する移載機構と、を更に備えるものであると理解される。 また、スタッカクレーンを備える自動倉庫において、荷収納棚の複数の荷収納部が、搬送装置の搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置されることは技術常識であるから、甲1の各収納棚RM-1~7の複数の収納部は、収納棚RM-1~7の搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置されるものであると理解される。 (3)甲1に記載された発明及び技術的事項 ア 甲1-1発明 上記(1)、(2)ア~エ、カ、クの事項、及び甲1の第18ページ右欄第4行~第21ページ左欄第14行、図表-1~3の記載から、甲1には、次の発明(以下、「甲1-1発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲1-1発明] 「それぞれにパレットが収納される複数の収納部を備えた収納棚RM-4と、 それぞれに前記パレットが収納される複数の収納部を備えた収納棚RM-6と、 前記収納棚RM-4に対応して設けられた搬送装置と、 前記収納棚RM-6に対応して設けられた搬送装置と、を備えた自動倉庫であって、 前記収納棚RM-4に対応して設けられた搬送装置は、有端の収納棚RM-4の搬送経路に沿って移動する収納棚RM-4の移動体を備え、複数の前記収納棚RM-4の収納部のいずれかと、前記収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場との間で前記パレットを搬送するように構成され、 前記収納棚RM-6に対応して設けられた搬送装置は、前記収納棚RM-4の搬送経路よりも長い有端の収納棚RM-6の搬送経路に沿って移動する収納棚RM-6の移動体を備え、複数の前記収納棚RM-6の収納部のいずれかと、前記収納棚RM-6の外部に設けられた入出荷場との間で前記パレットを搬送するように構成され、 前記収納棚RM-4の搬送経路に沿う方向を収納棚RM-4の搬送方向とし、前記収納棚RM-6の搬送経路に沿う方向を収納棚RM-6の搬送方向とし、前記収納棚RM-4における平面視で前記収納棚RM-4の搬送方向に交差する方向を収納棚RM-4の棚奥行方向とし、前記収納棚RM-6における平面視で前記収納棚RM-6の搬送方向に交差する方向を収納棚RM-6の棚奥行方向として、 複数の前記収納棚RM-4の収納部は、前記収納棚RM-4の搬送方向に並んで配置され、 複数の前記収納棚RM-6の収納部は、前記収納棚RM-6の搬送方向に並んで配置され、 前記収納棚RM-6の前記搬送方向の長さは、前記収納棚RM-4の前記搬送方向の長さよりも長く、 前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数は、前記収納棚RM-6の収納部における前記収納棚RM-6の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数よりも多く、 前記収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場が、前記収納棚RM-4に対して、前記収納棚RM-4の搬送方向の両側に設けられ、前記収納棚RM-6の外部に設けられた入出荷場は、前記収納棚RM-6に対して、前記収納棚RM-6の搬送方向の両側に設けられ、 前記収納棚RM-4の複数の収納部は、前記収納棚RM-4の搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記収納棚RM-6の複数の収納部は、前記収納棚RM-6の搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記収納棚RM-4に対応して設けられた搬送装置は、前記収納棚RM-4の移動体に支持された収納棚RM-4の昇降機構と、前記収納棚RM-4の昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記収納棚RM-4の収納部のいずれか又は前記収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場との間で前記物品を移載する収納棚RM-4の移載機構と、を更に備え、 前記収納棚RM-6に対応して設けられた搬送装置は、前記収納棚RM-6の移動体に支持された収納棚RM-6の昇降機構と、前記収納棚RM-6の昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記収納棚RM-6の収納部のいずれか又は前記収納棚RM-6の外部に設けられた入出荷場との間で前記物品を移載する収納棚RM-6の移載機構と、を更に備えている、自動倉庫。」 イ 甲1-2発明及び甲1に記載された技術的事項 上記(1)、(2)ア~ウ、オ、キの事項、及び甲1の第18ページ右欄第4行~第21ページ左欄第14行、図表-1~3の記載から、甲1には、次の発明(以下、「甲1-2発明」という。)及び技術的事項(以下、「甲1技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 [甲1-2発明] 「それぞれにパレットが収納される複数の収納部を備えた収納棚RM-3と、 それぞれに前記パレットが収納される複数の収納部を備えた収納棚RM-4と、 前記収納棚RM-3に対応して設けられた搬送装置と、 前記収納棚RM-4に対応して設けられた搬送装置と、を備えた自動倉庫であって、 前記収納棚RM-3に対応して設けられた搬送装置は、有端の収納棚RM-3の搬送経路に沿って移動する移動体を備え、複数の前記収納棚RM-3の収納部のいずれかと、前記収納棚RM-3の外部に設けられた入出荷場との間で前記パレットを搬送するように構成され、 前記収納棚RM-4に対応して設けられた搬送装置は、前記収納棚RM-3の搬送経路よりも長い有端の収納棚RM-4の搬送経路に沿って移動する移動体を備え、複数の前記収納棚RM-4の収納部のいずれかと、前記収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場との間で前記パレットを搬送するように構成され、 前記収納棚RM-3の搬送経路に沿う方向を収納棚RM-3の搬送方向とし、前記収納棚RM-4の搬送経路に沿う方向を収納棚RM-4の搬送方向とし、前記収納棚RM-3における平面視で前記収納棚RM-3の搬送方向に交差する方向を収納棚RM-3の棚奥行方向とし、前記収納棚RM-4における平面視で前記収納棚RM-4の搬送方向に交差する方向を収納棚RM-4の棚奥行方向として、 複数の前記収納棚RM-3の収納部は、前記収納棚RM-3の搬送方向に並んで配置され、 複数の前記収納棚RM-4の収納部は、前記収納棚RM-4の搬送方向に並んで配置され、 前記収納棚RM-4の前記搬送方向の長さは、前記収納棚RM-3の前記搬送方向の長さよりも長く、 前記収納棚RM-3の収納部における前記収納棚RM-3の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数は、前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数よりも少なく、 前記収納棚RM-3の外部に設けられた入出荷場が、前記収納棚RM-3に対して、前記収納棚RM-3の搬送方向の両側に設けられ、前記収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場は、前記収納棚RM-4に対して、前記収納棚RM-4の搬送方向の両側に設けられ、 前記収納棚RM-3の複数の収納部は、前記収納棚RM-3の搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記収納棚RM-4の複数の収納部は、前記収納棚RM-4の搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記収納棚RM-3に対応して設けられた搬送装置は、前記収納棚RM-3の移動体に支持された収納棚RM-3の昇降機構と、前記収納棚RM-3の昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記収納棚RM-3の収納部のいずれか又は前記収納棚RM-3の外部に設けられた入出荷場との間で前記物品を移載する収納棚RM-3の移載機構と、を更に備え、 前記収納棚RM-4に対応して設けられた搬送装置は、前記収納棚RM-4の移動体に支持された収納棚RM-4の昇降機構と、前記収納棚RM-4の昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記収納棚RM-4の収納部のいずれか又は前記収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場との間で前記物品を移載する収納棚RM-4の移載機構と、を更に備えている、自動倉庫。」 [甲1技術的事項] 「収納棚RM-7の外部に設けられた入出荷場が、収納棚RM-7に対して、収納棚RM-7の搬送方向の片側に設けられ、収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場は、収納棚RM-4に対して、収納棚RM-4の搬送方向の両側に設けられている、自動倉庫。」 (4)甲2の記載 甲2には次の記載がある(記載事項は、異議申立人が提出した「甲第2号証の訳文」を当審において若干修正したものである。また、下線は、当審において付したものである。)。 ア「[0004] 本発明の主な目的は、従来技術の立体貯蔵システムの貯蔵体積が小さく、貯蔵作業効率が低いという問題を解決する立体貯蔵システムを提供することである。」 イ「[0024] 本発明は、図1及び図2を参照すると、複数の保管エリアと、複数の保管装置であって、複数の保管装置は、複数の保管エリアと一対一に対応して配置され、それぞれの保管装置は、それぞれの保管エリアに配置される、複数の保管装置と、切出選別エリアであって、切出選別エリアは、三次元保管システムの出口から離間して配置される、切出選別エリアと、を備え、切出選別エリアには、切出選別装置が配置され、切出選別装置を介して三次元保管システムから物品を搬出する、三次元保管システムを提供する。前記複数の貯蔵領域は、第二貯蔵領域20を備え、該第二貯蔵領域20は、前記切出選別領域の上方に配置され、該第二貯蔵領域20は、前記第2の物品を貯蔵する第二貯蔵装置を備えることを特徴とする。」 ウ「[0026] 具体的に実施する場合、第二保管装置は、複数の第二棚群21を含み、複数の第二棚群21は、間隔をあけて配置され、それぞれの第二棚群21は、第二棚211と第三棚212とを含み、第二棚211と第三棚212との間には、第二移動路22が設けられ、第二棚211は、上下方向に、第二棚211の延長線上に沿って、複数の第二保管段が設けられ、ここで、第二棚211は、上下方向に複数の第二収納段を備え、第二棚211の延長方向に沿って、各第二収納段は、複数の第二収納位置を有し、第三棚212は、上下方向に複数の第三収納段を備え、第三棚212の延長方向に沿って、各第三収納段は、複数の第三収納位置を有する。」 エ 「[0028] 具体的な実施態様において、第二貯蔵装置はシャトル装置23を更に備え、シャトル装置23は第二移動レールに沿って移動可能に配置され、シャトル装置23は第二棚211及び第三棚に材料を排出又はピックアップするために第2の物品を運ぶのに使用される。 [0029] 具体的な実施態様において、第二移動路22は、対向して配置された第一の端部及び第二の端部を有し、第二貯蔵装置は、昇降装置24を更に備え、昇降装置24は、第二移動路22の第一の端部に配置され、昇降装置24の少なくとも一部は、シャトル装置23をそれぞれの第二の移動トラックに移動させるように駆動するために、垂直方向に沿って移動可能に配置される。 [0030] 具体的な実施態様では、昇降装置24はスタッカに置き換えることもできる。」 オ「[0032] 本実施形態において、複数の保管エリアは、第一保管領域10を含み、第一保管領域10は、第1の物品を保管する第一保管装置を備え、第一保管装置は、複数の第一棚組11を含み、複数の第一棚組11は、互いに隣接して設けられ、第一棚組11は、2つの第一棚組111を含み、2つの第一棚組111は、それらの間に第一移動路12を有する。ここで、2つの第一棚組111は、1つ以上の第一棚1111を含み、第一棚1111の延伸方向は、第二棚211の延伸方向に対して垂直である。このように、第一貯蔵システムは、大流量の物品を貯蔵し、拍動が速く、効率が高く、貯蔵位置の調節が柔軟であり、制御が簡単である。 [0033] ここで、第一貯蔵領域10は、第二貯蔵領域20から離間している。 [0034] ここで、第1の物品と第2の物品は、同じ商品であってもよいし、異なる商品であってもよい。 [0035] 特定の実施態様において、第一棚1111は、垂直方向に沿って複数の第一収納段を有し、各第一収納段は、第一棚1111の延長方向に沿って複数の第一収納位置を有する。 [0036] 特定の実施形態において、第一棚1111は、第一スタッカ13をさらに備え、第一スタッカ13は、第一棚1111上に材料をストックまたはピックアップするために、第一移動路12内に移動可能に配置される。」 カ 図1 「 [図:0001425717000003.jpg] 」 (5)甲2の記載から分かること ア 段落[0034]の記載より、第一棚組11の複数の第一収納位置に保管される第1の物品と、第二棚211の複数の第二収納位置に保管される第2の物品とは、同じ物品であってよいことが理解される。 そうすると、甲2の三次元保管システムは、それぞれに物品が保管される複数の第一収納位置を有する第一棚組11と、それぞれに前記物品が保管される複数の第二収納位置を有する第二棚211とを備えたものであるといえる。 イ 第一のスタッカ13は、第一棚組11を構成する2つの第一棚組111の間の第一移動路12に設けられるものであるから、第一棚組11に対応して設けられたものである。 また、シャトル装置23は、第二棚211と第三棚212との間に設けられた第二移動路22に配置されるものであるから、第二棚211に対応して設けられたものである。 ウ 図1より、第一移動路12及び第二移動路22がそれぞれ有端であること、及び、第一棚組11及び第二棚211のそれぞれの外部に入出庫部が設けられたことが看取される。 上記参考文献の段落【0016】~【0017】に記載されるように、スタッカ及びシャトル装置が移動路に沿って移動する移動体を備え、当該スタッカ及びシャトル装置が収納位置と入出庫部との間で物品を搬送するものであることは技術常識であるから、第一のスタッカ13は、有端の第一移動路12に沿って移動する移動体を備え、複数の第一収納位置のいずれかと、第一棚組11の外部に設けられた入出庫部との間で物品を搬送するように構成され、シャトル装置23は、有端の第二移動路22に沿って移動する移動体を備え、複数の第二収納位置のいずれかと、第二棚211の外部に設けられた入出庫部との間で物品を搬送するように構成されたものであると理解される。 エ 図1より、第一移動路12に沿う方向を第一搬送方向とし、第二移動路22に沿う方向を第二搬送方向とし、第一棚組11における平面視で第一搬送方向に交差する方向を第一棚奥行方向とし、第二棚211における平面視で第二搬送方向に交差する方向を第二棚奥行方向として、複数の第一収納位置は、第一搬送方向に並んで配置され、複数の第二収納位置は、第二搬送方向に並んで配置されることが看取される。 オ 図1より、第一棚組11には34個の第一収納位置が第一搬送方向に並んで配置され、第二棚211には50個の第二収納位置が第二搬送方向に並んで配置されることが看取される。 段落[0034]の記載を踏まえ、第一棚組11の第一収納位置に保管される物品と第二棚211の第二収納位置に保管される物品とが同じものであれば、第一収納位置と第二収納位置とは、それぞれの搬送方向に沿った長さが同じであると理解されるから、(50個の第二収納位置が配置される)第二棚211の第二搬送方向の長さは、(34個の第一収納位置が配置される)第一棚組11の第一搬送方向の長さよりも長いものであり、シャトル装置23は、第一移動路12よりも長い第二移動路22に沿って移動するものであるといえる。 また、図1より、第一収納位置における第一棚奥行方向に収納可能な物品の数は2個であり、第二収納位置における第二棚奥行方向に収納可能な物品の数は1個であることが看取されるから、第一収納位置における第一棚奥行方向に収納可能な物品の数は、第二収納位置における第二棚奥行方向に収納可能な物品の数よりも多いものといえる。 カ 段落[0035]の記載を踏まえれば、第一棚組11の複数の第一収納位置は、第一搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置されていると理解される。 段落[0026]の記載を踏まえれば、第二棚211の複数の第二収納位置は、第二搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置されていると理解される。 また、上記参考文献の段落【0016】~【0017】に記載されるように、スタッカやシャトル装置が、移動体に支持された昇降機構と、昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の収納位置のいずれか又は入出庫部との間で物品を移載する移載機構と、を備えることは技術常識であるから、第一のスタッカ13は、上記移動体に支持された第1昇降機構と、第1昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の第一収納位置のいずれか又は第一棚組11の外部に設けられた入出庫部との間で物品を移載する第1移載機構と、を更に備え、シャトル装置23は、上記移動体に支持された第2昇降機構と、第2昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の第二収納位置のいずれか又は第二棚211の外部に設けられた入出庫部との間で物品を移載する第2移載機構と、を更に備えるものであると理解される。 (6)甲2に記載された発明 上記(4)、(5)ア~カの事項、及び段落[0024]~[0041]、図1の記載から、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲2発明] 「それぞれに物品が保管される複数の第一収納位置を有する第一棚組11と、 それぞれに前記物品が保管される複数の第二収納位置を有する第二棚211と、 前記第一棚組11に対応して設けられた第一のスタッカ13と、 前記第二棚211に対応して設けられたシャトル装置23と、を備えた三次元保管システムであって、 前記第一のスタッカ13は、有端の第一移動路12に沿って移動する前記第一のスタッカ13の移動体を備え、複数の前記第一収納位置のいずれかと、前記第一棚組11の外部に設けられた入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記シャトル装置23は、前記第一移動路12よりも長い有端の第二移動路22に沿って移動する前記シャトル装置23の移動体を備え、複数の前記第二収納位置のいずれかと、前記第二棚211の外部に設けられた入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第一移動路12に沿う方向を第一搬送方向とし、前記第二移動路22に沿う方向を第二搬送方向とし、前記第一棚組11における平面視で前記第一搬送方向に交差する方向を第一棚奥行方向とし、前記第二棚211における平面視で前記第二搬送方向に交差する方向を第二棚奥行方向として、 複数の前記第一収納位置は、前記第一搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第二収納位置は、前記第二搬送方向に並んで配置され、 前記第二棚211の前記第二搬送方向の長さは、前記第一棚組11の前記第一搬送方向の長さよりも長く、 前記第一収納位置における前記第一棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第二収納位置における前記第二棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、 前記第一棚組11の複数の前記第一収納位置は、前記第一搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記第二棚211の複数の前記第二収納位置は、前記第二搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され、 前記第一のスタッカ13は、前記移動体に支持された第1昇降機構と、前記第1昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第一収納位置のいずれか又は前記第一棚組11の外部に設けられた入出庫部との間で前記物品を移載する第1移載機構と、を更に備え、 前記シャトル装置23は、前記移動体に支持された第2昇降機構と、前記第2昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第二収納位置のいずれか又は前記第二棚211の外部に設けられた入出庫部との間で前記物品を移載する第2移載機構と、を更に備えている、三次元保管システム。」 (7)甲3の記載 甲3には次の記載がある(なお、下線は、当審において付したものである。)。 ア「【0024】 第1自動倉庫設備1a及び第2自動倉庫設備1bの夫々は、複数の収納部を有する物品収納棚2を物品の出し入れ方向が互いに対向する状態で一対設け、その一対の物品収納棚2を一組とし、物品収納棚2を複数組(例えば、6組)設けている。図示は省略するが、自動倉庫設備1に保管する物品は複数の物品が載置されたパレットであり、高さの異なるパレットが存在することになる。第1自動倉庫設備1aは、物品収納棚2の全てが高さの高いパレットでも高さの低いパレットでも収納できるように構成されている。それに対して、第2自動倉庫設備1bは、複数の物品収納棚2の一部が高さの高いパレットでも高さの低いパレットでも収納可能な高棚用の物品収納棚であり、残りの一部が高さの低いパレットのみを収納可能な低棚用の物品収納棚である。 各組の物品収納棚2には、物品収納棚2に収納する物品を載置させる入庫部3及び物品収納棚2から取り出した物品を載置させる出庫部4が設けられている。また、各組の物品収納棚2には、一対の物品収納棚2の間に形成された移動空間を移動して、入庫部3と複数の収納部との間及び複数の収納部と出庫部4との間で物品を搬送する第1物品搬送装置5(例えば、スタッカークレーン)が設けられている。」 イ 「【図1】 [図:0001425717000004.jpg] 」 (8)甲3の記載から分かること 図1より、入庫部3及び出庫部4が、第1自動倉庫設備1aの物品収納棚2に対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられておらず、第1自動倉庫設備1bの物品収納棚2に対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられていないことが看取される。 (9)甲3に記載された技術的事項 上記(7)、(8)の事項から、甲3には、次の事項(以下、「甲3技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 [甲3技術的事項] 「第1自動倉庫設備1aの物品収納棚2における入庫部3及び出庫部4が、第1自動倉庫設備1aの物品収納棚2に対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられておらず、第1自動倉庫設備1bの物品収納棚2における入庫部3及び出庫部4が、第1自動倉庫設備1bの物品収納棚2に対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられていない自動倉庫設備。」 (10)甲4の記載 甲4には次の記載がある(なお、下線は、当審において付したものである。)。 ア 「【0024】 第1棟Z1及び第2棟Z2の夫々は、外周部に配置された断熱性の区画壁5により外部と区画され、内部に配置された同じく断熱性の区画壁5により、空調管理単位の倉庫空間SSが2個形成されている。すなわち、第1棟Z1及び第2棟Z2において、合計4個の倉庫空間SSが形成されている。 そして、第1倉庫空間SS1に、第1倉庫1の収納棚1a及び搬送装置1bが設けられ、第1倉庫空間SS2に、第2倉庫2の収納棚2a及び搬送装置2bが設けられ、第1倉庫空間SS3に、第3倉庫3の収納棚3a及び搬送装置3bが設けられ、第1倉庫空間SS4に、第4倉庫4の収納棚4a及び搬送装置4bが設けられている。」 イ 「【0026】 各倉庫の搬送装置1b~4bは、処理物をパレット単位で搬送して収納棚1a~4aに対する入出庫処理を行うスタッカークレーンにて構成される。スタッカークレーンは、搬送用通路を走行自在な走行台車と、走行台車に立設された昇降マストに沿って昇降自在な昇降台と、昇降台に設けられて出退式のフォーク装置とを備えている。第4倉庫4は、2対の棚体のそれぞれの搬送用空間に対して搬送装置4bが設けられている。」 ウ 「【0029】 搬送台車9は、各倉庫の搬送装置1b~4bについて設けられた入庫コンベヤ10a及び出庫コンベヤ10bや、荷捌き箇所に設けられた搬出入コンベヤを経由するように設定された直線状の走行経路に沿って往復移動自在となっており、第1倉庫1~第4倉庫4のそれぞれについての搬送装置1b~4bと搬出入コンベヤ14との間、並びに搬送装置1b~4bの相互間で入庫コンベヤ10a及び出庫コンベヤ10bを介して処理物を搬送する。」 エ「【図1】 [図:0001425717000005.jpg] 」 (11)甲4の記載から分かること 図1より、入庫コンベヤ10a及び出庫コンベヤ10bが、第1倉庫空間SS1の収納棚1aに対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられておらず、第1倉庫空間SS3の収納棚3aに対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられていないことが看取される。 (12)甲4に記載された技術的事項 上記(10)、(11)の事項から、甲4には、次の事項(以下、「甲4技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 [甲4技術的事項] 「第1倉庫空間SS1における入庫コンベヤ10a及び出庫コンベヤ10bが、収納棚1aに対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられておらず、第1倉庫空間SS3における入庫コンベヤ10a及び出庫コンベヤ10bが、収納棚3aに対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられていない乾燥保存設備100。」 (13)甲5の記載 甲5には次の記載がある(なお、下線は、当審において付したものである。)。 ア「【0024】上記自動倉庫Cは、収納容器Dを収納する複数の区画収納空間(荷収納部)201が上下多段かつ左右に並設された収納棚202と、この収納棚202に沿って走行する走行車体、この走行車体に垂設されたマストに沿って昇降される昇降台、およびこの昇降台上に設けられ、収納棚202の区画収納空間201と搬入出口に相当する自走搬送台車E側(B工程側)の入出庫コンベヤ203または自走搬送台車F側(A工程側)の入出庫コンベヤ204において前記収納容器Dの受け渡しを行うフォーク装置(いずれも図示せず)を有するスタッカークレーン(荷搬送手段)205などから構成され、このスタッカークレーン205の動作により収納棚202の区画収納空間201とB工程側入出庫コンベヤ203またはA工程側の入出庫コンベヤ204との間、あるいはB工程側入出庫コンベヤ203とA工程側入出庫コンベヤ204との間において収納容器Dの搬送・移載が行われ、自動倉庫Cにおいて収納容器Dの貯留・搬送が行われる。」 イ「【図1】 [図:0001425717000006.jpg] 」 (14)甲5の記載から分かること 図1より、入出庫コンベヤ203または204が、収納棚202に対して、搬送方向の両側に設けられ、別の収納棚に対して、搬送方向の両側に設けられていることが看取される。 (15)甲5に記載された技術的事項 上記(13)、(14)の事項から、甲5には、次の事項(以下、「甲5技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 [甲5技術的事項] 「入出庫コンベヤ203または204が、収納棚202に対して、搬送方向の両側に設けられ、入出庫コンベヤ203または204が、別の収納棚に対して、搬送方向の両側に設けられている、物流設備。」 (16)甲6の記載 甲6には次の記載がある(なお、下線は、当審において付したものである。)。 ア 「【0012】すなわち、自動倉庫20は、一対の棚装置21と、少なくとも一方の棚装置21における始端側ポジションHP側の端部外方において2階床6上に配設された出庫装置(入出庫装置の一例)41と、少なくとも一方の棚装置21における始端側ポジションHP側の端部外方において3階床7上に配設された入庫装置(入出庫装置の一例)42と、少なくとも一方の棚装置21における終端側ポジションOP側の端部外方において2階床6上に配設された出庫装置(入出庫装置の一例)43と、少なくとも一方の棚装置21における終端側ポジションOP側の端部外方において4階床8上に配設された入庫装置(入出庫装置の一例)44と、これら出庫装置41,43または入庫装置42,44と前記棚装置21との間でパレットP(物品W)を受け渡し可能な出し入れ手段30などにより構成されている。 【0013】ここで始端側ポジションHP側においては、出庫装置41と入庫装置42とが、出庫装置41を下位として上下に振り分けて配設されている。また終端側ポジションOP側においても、出庫装置43と入庫装置44とが、出庫装置43を下位として上下に振り分けて配設されている。」 イ 「【図5】 [図:0001425717000007.jpg] 」 ウ 「【図7】 [図:0001425717000008.jpg] 」 (17)甲6の記載から分かること 図5及び7より、出庫装置41、43または入庫装置42、44が、棚装置21に対して、搬送方向の両側に設けられ、別の棚装置21に対して、搬送方向の両側に設けられていることが看取される。 (18)甲6に記載された技術的事項 上記(16)、(17)の事項から、甲6には、次の事項(以下、「甲6技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 [甲6技術的事項] 「出庫装置41、43または入庫装置42、44が、棚装置21に対して、搬送方向の両側に設けられ、出庫装置41、43または入庫装置42、44が、別の棚装置21に対して、搬送方向の両側に設けられている、自動倉庫20。」 (19)甲7の記載 甲7には次の記載がある(なお、下線は、当審において付したものである。)。 ア 「【0025】 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。 図1に示すように、物品搬送設備には、物品を収納する収納棚1と、物品を入庫又は出庫するための倉庫ステーション2と、収納棚1の前方側を棚横幅方向に沿って走行して収納棚1と倉庫ステーション2との間で物品を搬送する倉庫内搬送台車としてのスタッカークレーン3とを備えて構成された自動倉庫Aが設けられている。また、物品搬送設備には、自動倉庫Aの倉庫ステーション2と自動倉庫Aの外部に設けられた外部ステーション4との間で物品を搬送する倉庫外搬送台車5も設けられている。 【0026】 自動倉庫Aには、収納棚1が棚前後方向に4列並設されており、1列目の収納棚1と2列目の収納棚1とが間口を対向させた状態で設けられ、3列目の収納棚1と4列目の収納棚1とが間口を対向させた状態で設けられている。1列目の収納棚1と2列目の収納棚1との間、並びに、3列目の収納棚1と4列目の収納棚1との間には、スタッカークレーン3が棚横幅方向に沿って走行するための内部走行経路11が形成されている。 【0027】 また、自動倉庫Aには、倉庫ステーション2として、自動倉庫Aの棚横幅方向の一方側端部に設けられた第1倉庫ステーション2aと、自動倉庫Aの棚横幅方向の他方側端部に設けられた第2倉庫ステーション2bとが設けられており、第1倉庫ステーション2aは、4列の収納棚1の夫々における棚横幅方向の一方側に設けられ、第2倉庫ステーション2bは、4列の収納棚1の夫々における棚横幅方向の他方側に設けられている。」 イ 「【図1】 [図:0001425717000009.jpg] 」 (20)甲7の記載から分かること 図1より、第1倉庫ステーション2a及び第2倉庫ステーション2bが、収納棚1に対して、搬送方向の両側に設けられ、別の収納棚1に対して、搬送方向の両側に設けられていることが看取される。 (21)甲7に記載された技術的事項 上記(19)、(20)の事項から、甲7には、次の事項(以下、「甲7技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 [甲7技術的事項] 「第1倉庫ステーション2a及び第2倉庫ステーション2bが、収納棚1に対して、搬送方向の両側に設けられ、第1倉庫ステーション2a及び第2倉庫ステーション2bが、別の収納棚1に対して、搬送方向の両側に設けられている、自動倉庫A。」 (22)参考文献の記載 上記参考文献(特開2005-104675号公報)には、次の記載がある。 「【0016】 以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1乃至図3は本発明に係る自動倉庫の構成を示す図で、図1は荷収納棚の外観構成を示す図、図2はスタッカークレーンの側面構成を示す図、図3は自動倉庫の平面構成を示す図、図4は自動倉庫の制御系のシステム構成を示す図である。荷収納棚10は、図示するように、上下方向に複数段(m段)の荷収納部11を有する棚連12を水平方向に複数連(n連)配置した構成のものである。この荷収納棚10を2基(荷収納棚10-1、荷収納棚10-2)所定の間隔、即ち、スタッカークレーン20が走行可能な間隔を設けて平行に配置している。なお、荷収納棚10-1、10-2に隣接して入庫ステーション41、出庫ステーション42が配置されている。 【0017】 スタッカークレーン20は荷収納棚10-1と荷収納棚10-2の間を走行できるようになっており、走行方向の前後に第1のキャリッジ21及び第2のキャリッジ22がそれぞれ独立して昇降できるように配置されている。各キャリッジ21、22は荷Mを出し入れするためのフォーク23、24を具備している。スタッカークレーン20は制御手段30により、走行、第1及び第2のキャリッジ21、22の昇降、及びそのフォーク23、24の出し入れ等が制御されるようになっている。制御手段30は荷収納棚10-1、10-2の荷Mが収納されていない空の荷収納部11を検出する空荷収納部検索手段31を具備し、更に荷収納棚10-1、10-2の各荷収納部11の荷のデータを格納した在庫データ記憶部32と、第1のキャリッジ21のフォーク23の停止位置にある荷収納部11に対して第2のキャリッジ22のフォーク24がアクセスしようとする荷収納部11の走行方向位置をパルス数の絶対値で検索する荷収納部位置検索手段33と、各荷収納部11のスタッカークレーン20の走行方向位置を実測して得た荷収納部位置データを格納した荷収納部位置データ記憶部34を具備する。」 2 甲1-1発明を主引用発明とした新規性・進歩性について (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1-1発明とを対比する。 甲1-1発明の「パレット」は、本件発明1の「物品」に相当する。 甲1-1発明の「収納棚RM-4」及び「収納棚RM-6」は、本件発明1の「第1収納棚」及び「第2収納棚」に相当し、甲1-1発明の収納棚RM-4の「収納部」及び収納棚RM-6の「収納部」は、本件発明1の「第1収納部」及び「第2収納部」にそれぞれ相当する。 甲1-1発明の「前記収納棚RM-4に対応して設けられた搬送装置」及び「前記収納棚RM-6に対応して設けられた搬送装置」は、本件発明1の「第1搬送装置」及び「第2搬送装置」にそれぞれ相当する。 甲1-1発明の「自動倉庫」は、本件発明1の「物品収納設備」に相当する。 甲1-1発明の「収納棚RM-4の搬送経路」、「収納棚RM-4の移動体」、「収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場」、「収納棚RM-6の搬送経路」、「収納棚RM-6の移動体」、「収納棚RM-6の外部に設けられた入出荷場」は、本件発明1の「第1搬送経路」、「第1移動体」、「第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部」、「第2搬送経路」、「第2移動体」、「第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部」にそれぞれ相当する。 甲1-1発明の「収納棚RM-4の搬送方向」、「収納棚RM-6の搬送方向」、「収納棚RM-4の棚奥行方向」、「収納棚RM-6の棚奥行方向」は、本件発明1の「第1搬送方向」、「第2搬送方向」、「第1棚奥行方向」、「第2棚奥行方向」にそれぞれ相当する。 甲1-1発明の「複数の前記収納棚RM-4の収納部は、前記収納棚RM-4の搬送方向に並んで配置され」るという事項、及び、「複数の前記収納棚RM-6の収納部は、前記収納棚RM-6の搬送方向に並んで配置され」るという事項は、本件発明1の「複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され」るという事項、及び、「複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され」るという事項にそれぞれ相当する。 甲1-1発明の「前記収納棚RM-6の前記搬送方向の長さは、前記収納棚RM-4の前記搬送方向の長さよりも長」いという事項は、本件発明1の「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長」いという事項に相当する。 一方の物品の数が他方の物品の数よりも多いという事項は、一方の物品の数と他方の物品の数とが異なることに他ならないから、甲1-1発明の「前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数は、前記収納棚RM-6の収納部における前記収納棚RM-6の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数よりも多」いという事項は、本件発明1の「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多」いという事項に相当する。 そうすると、本件発明1と甲1-1発明とは、以下の一致点1で一致し、相違点1及び2で一応相違する。 【一致点1】 「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多い、物品収納設備。」 【相違点1】 本件発明1では、「前記第2搬送装置による前記第2収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間は、前記第1搬送装置による前記第1収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間よりも短く、」と特定されているのに対して、甲1-1発明では、このような特定がなされていない点。 【相違点2】 本件発明1では、「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整した」と特定されているのに対して、甲1-1発明では、このような特定がなされていない点。 イ 判断 (ア)相違点1について 上記相違点1について検討する。 本件特許において、本件発明1では、「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、」と特定されている。 そして、奥行方向に収納可能な物品ないしパレットの数が多いほど移載動作に要する時間が長くなるという技術常識に照らせば、本件発明1における「前記第2搬送装置による前記第2収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間は、前記第1搬送装置による前記第1収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間よりも短く、」という事項は、本件発明1に係る「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、」という事項と実質的に同様の内容を特定していると解される。 他方、甲1-1発明の「前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数は、前記収納棚RM-6の収納部における前記収納棚RM-6の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数よりも多く、」という事項は、本件発明1に係る「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、」という事項に相当するものであり、甲1-1発明において上記事項を有するからには、甲1-1発明においても、前記収納棚RM-6の収納部における前記収納棚RM-6の移載動作に要する時間は、前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の移載動作に要する時間より短いという事項、すなわち上記相違点1に係る構成を有していることは明らかである。 (イ)相違点2について 次に、相違点2について検討する。 本件発明1における「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整した、」という事項は、後記「5 取消理由(明確性)について」で指摘するとおり明確ではないため、「第1収納棚の第1搬送方向の長さ」及び「第2収納棚の第2搬送方向の長さ」と、「第1収納部における第1棚奥行方向に収納可能な物品の数」及び「第2収納部における第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数」が設定され、それによって、「第1搬送装置による物品の入出庫に要する時間」及び「第2搬送装置による物品の入出庫に要する時間」が定まるという程度に理解せざるを得ず、本件発明1に係る「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多い」という構成を、実質的に限定するものとは解されない。 他方、甲1-1発明の「前記収納棚RM-6の前記搬送方向の長さは、前記収納棚RM-4の前記搬送方向の長さよりも長く、 前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数は、前記収納棚RM-6の収納部における前記収納棚RM-6の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数よりも多く、」という事項は、本件発明1に係る「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多い」という事項に相当するものであり、甲1-1発明において上記事項を有するからには、甲1-1発明においても、前記収納棚RM-4の搬送方向の長さ、及び前記収納棚RM-6の搬送方向の長さに応じて、前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数、及び前記収納棚RM-6の収納部における前記収納棚RM-6の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数を設定することで、収納棚RM-4によるパレットの入出庫に要する時間、及び収納棚RM-6によるパレットの入出庫に要する時間を調整したという事項、すなわち上記相違点2に係る構成を有していることは明らかである。 (ウ)小括 したがって、本件発明1は甲1-1発明である。 また、仮に相違するところがあるとしても、本件発明1は、甲1-1発明に基いて当業者であれば容易に想到し得たものである。 (2)本件発明5について 本件発明5について、「前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の一方側に設けられ、前記第1搬送方向の他方側には設けられていない場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の一方側に設けられ、前記第2搬送方向の他方側には設けられておらず」という事項と、「前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の両側に設けられている場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の両側に設けられている」という事項とは、二者択一のものであるから、本件発明5は、「前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の一方側に設けられ、前記第1搬送方向の他方側には設けられていない場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の一方側に設けられ、前記第2搬送方向の他方側には設けられて」いないという構成を選択肢の一方とし、「前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の両側に設けられている場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の両側に設けられている」という構成を選択肢の他方として、特定したものであると理解される。 これを踏まえて、本件発明5と甲1-1発明とを対比すると、甲1-1発明の「前記収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場が、前記収納棚RM-4に対して、前記収納棚RM-4の搬送方向の両側に設けられ、前記収納棚RM-6の外部に設けられた入出荷場は、前記収納棚RM-6に対して、前記収納棚RM-6の搬送方向の両側に設けられ」るという事項は、本件発明5の選択肢の他方である「前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の両側に設けられている場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の両側に設けられている」という事項に相当するから、甲1―1発明は本件発明5の選択肢の他方を満たすものである。 そうすると、本件発明5と甲1-1発明とは、上記相違点1及び2で一応相違し、その余の点で一致する。 相違点1及び2については、上記(1)イ(ア)及び(イ)で検討したとおりである。 したがって、本件発明5は甲1-1発明である。 念のため、本件発明5の選択肢の一方についても検討すると、物品収納設備において、或る入出庫部が、或る収納棚に対して、搬送方向の一方側に設けられ搬送方向の他方側には設けられておらず、別の入出庫部が、別の収納棚に対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられていない構成を採用することは、上記甲1技術的事項(上記1(3)イ.参照)、上記甲3技術的事項(上記1(9)参照)及び上記甲4技術的事項(上記1(12)参照)からみて、本願の出願前から周知の技術的事項(以下、「周知技術1」という。)である。 そして、収納棚に対して入出庫部をどのように設けるかは、物品の入出庫の効率性等を考慮して、当業者が適宜選択し得る設計的事項である。 また、本件発明5の奏する作用効果は、甲1-1発明及び周知技術1の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 したがって、本件発明5は甲1-1発明及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)本件発明6について 本件発明6と甲1-1発明とを対比すると、甲1-1発明の「前記収納棚RM-4の複数の収納部は、前記収納棚RM-4の搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記収納棚RM-6の複数の収納部は、前記収納棚RM-6の搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記収納棚RM-4に対応して設けられた搬送装置は、前記収納棚RM-4の移動体に支持された収納棚RM-4の昇降機構と、前記収納棚RM-4の昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記収納棚RM-4の収納部のいずれか又は前記収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場との間で前記物品を移載する収納棚RM-4の移載機構と、を更に備え」るという事項、及び「前記収納棚RM-6に対応して設けられた搬送装置は、前記収納棚RM-6の移動体に支持された収納棚RM-6の昇降機構と、前記収納棚RM-6の昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記収納棚RM-6の収納部のいずれか又は前記収納棚RM-6の外部に設けられた入出荷場との間で前記物品を移載する収納棚RM-6の移載機構と、を更に備えている」という事項は、本件発明6の「前記第1収納棚の複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記第2収納棚の複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記第1搬送装置は、前記第1移動体に支持された第1昇降機構と、前記第1昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第1収納部のいずれか又は前記第1入出庫部との間で前記物品を移載する第1移載機構と、を更に備え」るという事項、及び「前記第2搬送装置は、前記第2移動体に支持された第2昇降機構と、前記第2昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第2収納部のいずれか又は前記第2入出庫部との間で前記物品を移載する第2移載機構と、を更に備えている」という事項に、それぞれ相当する。 そうすると、本件発明1を直接的に引用する本件発明6と甲1-1発明とは、上記相違点1及び2で一応相違し、その余の点で一致する。 相違点1及び2については、上記(1)イ(ア)及び(イ)で検討したとおりである。 したがって、本件発明1を直接的に引用する本件発明6は甲1-1発明である。 また、仮に相違するところがあるとしても、本件発明1を直接的に引用する本件発明6は、甲1-1発明に基いて当業者であれば容易に想到し得たものである。 本件発明5を引用する本件発明6についても、甲1-1発明であるか、または、甲1-1発明及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 3 甲1-2発明を主引用発明とした新規性・進歩性について (1)本件発明3について ア 対比 本件発明3と甲1-2発明とを対比する。 甲1-2発明の「パレット」は、本件発明3の「物品」に相当する。 甲1-2発明の「収納棚RM-3」及び「収納棚RM-4」は、本件発明3の「第1収納棚」及び「第2収納棚」に相当し、甲1-2発明の収納棚RM-3の「収納部」及び収納棚RM-4の「収納部」は、本件発明3の「第1収納部」及び「第2収納部」にそれぞれ相当する。 甲1-2発明の「前記収納棚RM-3に対応して設けられた搬送装置」及び「前記収納棚RM-4に対応して設けられた搬送装置」は、本件発明3の「第1搬送装置」及び「第2搬送装置」にそれぞれ相当する。 甲1-2発明の「自動倉庫」は、本件発明3の「物品収納設備」に相当する。 甲1-2発明の「収納棚RM-3の搬送経路」、「収納棚RM-3の移動体」、「収納棚RM-3の外部に設けられた入出荷場」、「収納棚RM-4の搬送経路」、「収納棚RM-4の移動体」、「収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場」は、本件発明3の「第1搬送経路」、「第1移動体」、「第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部」、「第2搬送経路」、「第2移動体」、「第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部」にそれぞれ相当する。 甲1-2発明の「収納棚RM-3の搬送方向」、「収納棚RM-4の搬送方向」、「収納棚RM-3の棚奥行方向」、「収納棚RM-4の棚奥行方向」は、本件発明3の「第1搬送方向」、「第2搬送方向」、「第1棚奥行方向」、「第2棚奥行方向」にそれぞれ相当する。 甲1-2発明の「複数の前記収納棚RM-3の収納部は、前記収納棚RM-3の搬送方向に並んで配置され」るという事項、及び、「複数の前記収納棚RM-4の収納部は、前記収納棚RM-4の搬送方向に並んで配置され」るという事項は、本件発明3の「複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され」るという事項、及び、「複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され」るという事項にそれぞれ相当する。 甲1-2発明の「前記収納棚RM-4の前記搬送方向の長さは、前記収納棚RM-3の前記搬送方向の長さよりも長」いという事項は、本件発明3の「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長」いという事項に相当する。 甲1-2発明の「前記収納棚RM-3の収納部における前記収納棚RM-3の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数は、前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数よりも少な」いという事項は、本件発明3の「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数より少な」いという事項に相当する。 そうすると、本件発明3と甲1-2発明とは、以下の一致点2で一致し、相違点3及び4で一応相違する。 【一致点2】 「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数より少ない 、物品収納設備。」 【相違点3】 本件発明3では、「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整し、」と特定されているのに対して、甲1-2発明では、このような特定がなされていない点。 【相違点4】 本件発明3では、「前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間が、前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間よりも短い、」と特定されているのに対して、甲1-2発明では、このような特定がなされていない点。 イ 判断 (ア)相違点3について 上記相違点3について検討する。 本件発明3における「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整し、」という事項は、上記2(1)イ(イ)で検討したとおり、本件発明3に係る「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少なく、」という構成を、実質的に限定するものとは解されない。 他方、甲1-2発明の「前記収納棚RM-4の前記搬送方向の長さは、前記収納棚RM-3の前記搬送方向の長さよりも長く、 前記収納棚RM-3の収納部における前記収納棚RM-3の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数は、前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数よりも少なく、」という事項は、本件発明3に係る「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少なく、」という事項に相当するものであり、甲1-2発明において上記事項を有するからには、甲1-2発明においても、前記収納棚RM-3の搬送方向の長さ、及び前記収納棚RM-4の搬送方向の長さに応じて、前記収納棚RM-3の収納部における前記収納棚RM-3の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数、及び前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数を設定することで、収納棚RM-3によるパレットの入出庫に要する時間、及び収納棚RM-4によるパレットの入出庫に要する時間を調整したという事項、すなわち上記相違点3に係る構成を有していることは明らかである。 (イ)相違点4について 上記相違点4について検討する。 本件特許において、本件発明3では、「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少なく、」と特定されている。 そして、搬送方向の長さが長いほど、物品ないしパレットを搬送方向に移動するための時間が長くなり、奥行方向に収納可能な物品ないしパレットの数が多いほど移載動作に要する時間が長くなるという技術常識に照らせば、本件発明3における「前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間が、前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間よりも短い、」という事項は、当該事項を手段として、本件発明3に係る「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少なく、」という事項と実質的に同様の内容を特定していると解される。 他方、甲1-2発明の「前記収納棚RM-4の前記搬送方向の長さは、前記収納棚RM-3の前記搬送方向の長さよりも長く、 前記収納棚RM-3の収納部における前記収納棚RM-3の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数は、前記収納棚RM-4の収納部における前記収納棚RM-4の棚奥行方向に収納可能な前記パレットの数よりも少なく、」という事項は、本件発明3に係る「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも少なく、」という事項に相当するものであり、甲1-2発明において上記事項を有するからには、甲1-2発明においても、収納棚RM-3によるパレットの入出庫に要する時間が、収納棚RM-4による前記物品の入出庫に要する時間よりも短いという事項、すなわち上記相違点4に係る構成を有していることは明らかである。 (ウ)小括 したがって、本件発明3は甲1-2発明である。 また、仮に相違するところがあるとしても、本件発明3は、甲1-2発明に基いて当業者であれば容易に想到し得たものである。 (2)本件発明5について 上記(1)にて検討した事項を踏まえて、本件発明5と甲1-2発明とを対比すると、甲1-2発明の「前記収納棚RM-3の外部に設けられた入出荷場が、前記収納棚RM-3に対して、前記収納棚RM-3の搬送方向の両側に設けられ、前記収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場は、前記収納棚RM-4に対して、前記収納棚RM-4の搬送方向の両側に設けられ」るという事項は、本件発明5の選択肢の他方である「前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の両側に設けられている場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の両側に設けられている」という事項に相当するから、甲1―2発明は本件発明5の選択肢の他方を満たすものである。 そうすると、本件発明5と甲1-2発明とは、上記相違点3及び4で一応相違し、その余の点で一致する。 相違点3及び4については、上記(1)イ(ア)及び(イ)で検討したとおりである。 したがって、本件発明5は甲1-2発明である。 念のため、本件発明5の選択肢の一方についても検討すると、上記2(2)にて述べたとおり、物品収納設備において、或る入出庫部が、或る収納棚に対して、搬送方向の一方側に設けられ搬送方向の他方側には設けられておらず、別の入出庫部が、別の収納棚に対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられていない構成を採用することは、上記甲1-1発明、上記甲3技術的事項及び上記甲4技術的事項からみて、周知技術1である。 そして、収納棚に対して入出庫部をどのように設けるかは、物品の入出庫の効率性等を考慮して、当業者が適宜選択し得る設計的事項である。 また、本件発明5の奏する作用効果は、甲1-2発明及び周知技術1の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 したがって、本件発明5は甲1-2発明及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)本件発明6について 本件発明6と甲1-2発明とを対比すると、甲1-2発明の「前記収納棚RM-3の複数の収納部は、前記収納棚RM-3の搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記収納棚RM-4の複数の収納部は、前記収納棚RM-4の搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記収納棚RM-3に対応して設けられた搬送装置は、前記収納棚RM-3の移動体に支持された収納棚RM-3の昇降機構と、前記収納棚RM-3の昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記収納棚RM-3の収納部のいずれか 又は前記収納棚RM-3の外部に設けられた入出荷場との間で前記物品を移載する収納棚RM-3の移載機構と、を更に備え」るという事項、及び「前記収納棚RM-4に対応して設けられた搬送装置は、前記収納棚RM-4の移動体に支持された収納棚RM-4の昇降機構と、前記収納棚RM-4の昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記収納棚RM-4の収納部のいずれか又は前記収納棚RM-4の外部に設けられた入出荷場との間で前記物品を移載する収納棚RM-4の移載機構と、を更に備えている」という事項は、本件発明6の「前記第1収納棚の複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記第2収納棚の複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記第1搬送装置は、前記第1移動体に支持された第1昇降機構と、前記第1昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第1収納部のいずれか又は前記第1入出庫部との間で前記物品を移載する第1移載機構と、を更に備え」るという事項、及び「前記第2搬送装置は、前記第2移動体に支持された第2昇降機構と、前記第2昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第2収納部のいずれか又は前記第2入出庫部との間で前記物品を移載する第2移載機構と、を更に備えている」という事項に、それぞれ相当する。 そうすると、本件発明3を直接的に引用する本件発明6と甲1-2発明とは、上記相違点3及び4で一応相違し、その余の点で一致する。 相違点3及び4については、上記(1)イ(ア)及び(イ)で検討したとおりである。 したがって、本件発明3を直接的に引用する本件発明6は甲1-2発明である。 また、仮に相違するところがあるとしても、本件発明3を直接的に引用する本件発明6は、甲1-2発明に基いて当業者であれば容易に想到し得たものである。 本件発明5を引用する本件発明6についても、甲1-2発明であるか、または、甲1-2発明及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 甲2発明を主引用発明とした新規性・進歩性について (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲2発明とを対比する。 甲2発明の「物品」は、本件発明1の「物品」に相当する。 甲2発明の「第一収納位置」、「第一棚組11」、「第二収納位置」及び「第二棚211」は、本件発明1の「第1収納部」、「第1収納棚」、「第2収納部」及び「第2収納棚」にそれぞれ相当する。 甲2発明の「第一のスタッカ13」及び「シャトル装置23」は、本件発明1の「第1搬送装置」及び「第2搬送装置」にそれぞれ相当する。 甲2発明の「三次元保管システム」は、本件発明1の「物品収納設備」に相当する。 甲2発明の「第一移動路12」、「第一のスタッカ13の移動体」、「第一棚組11の外部に設けられた入出庫部」、「第二移動路22」、「シャトル装置23の移動体」、「第二棚211の外部に設けられた入出庫部」は、本件発明1の「第1搬送経路」、「第1移動体」、「第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部」、「第2搬送経路」、「第2移動体」、「第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部」にそれぞれ相当する。 甲2発明の「第一搬送方向」、「第二搬送方向」、「第一棚奥行方向」、「第二棚奥行方向」は、本件発明1の「第1搬送方向」、「第2搬送方向」、「第1棚奥行方向」、「第2棚奥行方向」にそれぞれ相当する。 甲2発明の「複数の前記第一収納位置は、前記第一搬送方向に並んで配置され」るという事項、及び、「複数の前記第二収納位置は、前記第二搬送方向に並んで配置され」るという事項は、本件発明1の「複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され」るという事項、及び、「複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され」るという事項にそれぞれ相当する。 甲2発明の「前記第二棚211の前記第二搬送方向の長さは、前記第一棚組11の前記第一搬送方向の長さよりも長」いという事項は、本件発明1の「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長」いという事項に相当する。 一方の物品の数が他方の物品の数よりも多いという事項は、一方の物品の数と他方の物品の数とが異なることに他ならないから、甲2発明の「前記第一収納位置における前記第一棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第二収納位置における前記第二棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多」いという事項は、本件発明1の「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多」いという事項に相当する。 そうすると、本件発明1と甲2発明とは、以下の一致点3で一致し、相違点5及び6で一応相違する。 【一致点3】 「それぞれに物品が収納される複数の第1収納部を備えた第1収納棚と、 それぞれに前記物品が収納される複数の第2収納部を備えた第2収納棚と、 前記第1収納棚に対応して設けられた第1搬送装置と、 前記第2収納棚に対応して設けられた第2搬送装置と、を備えた物品収納設備であって、 前記第1搬送装置は、有端の第1搬送経路に沿って移動する第1移動体を備え、複数の前記第1収納部のいずれかと、前記第1収納棚の外部に設けられた第1入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第2搬送装置は、前記第1搬送経路よりも長い有端の第2搬送経路に沿って移動する第2移動体を備え、複数の前記第2収納部のいずれかと、前記第2収納棚の外部に設けられた第2入出庫部との間で前記物品を搬送するように構成され、 前記第1搬送経路に沿う方向を第1搬送方向とし、前記第2搬送経路に沿う方向を第2搬送方向とし、前記第1収納棚における平面視で前記第1搬送方向に交差する方向を第1棚奥行方向とし、前記第2収納棚における平面視で前記第2搬送方向に交差する方向を第2棚奥行方向として、 複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に並んで配置され、 複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に並んで配置され、 前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数より多い、物品収納設備。」 【相違点5】 本件発明1では、「前記第2搬送装置による前記第2収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間は、前記第1搬送装置による前記第1収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間よりも短く、」と特定されているのに対して、甲2発明では、このような特定がなされていない点。」 【相違点6】 本件発明1では、「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整した」と特定されているのに対して、甲2発明では、このような特定がなされていない点。 イ 判断 (ア)相違点5について 上記相違点5について検討する。 本件特許において、本件発明1では、「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、」と特定されている。 そして、奥行方向に収納可能な物品ないしパレットの数が多いほど移載動作に要する時間が長くなるという技術常識に照らせば、本件発明1における「前記第2搬送装置による前記第2収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間は、 前記第1搬送装置による前記第1収納部に対する前記物品の移載動作に要する時間よりも短く、」という事項は、本件発明1に係る「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、」という事項と実質的に同様の内容を特定していると解される。 他方、甲2発明の「前記第一収納位置における前記第一棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第二収納位置における前記第二棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、」という事項は、本件発明1に係る「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、」という事項に相当するものであり、甲2発明において上記事項を有するからには、甲2発明においても、第一収納位置の第一棚奥行方向の移載動作に要する時間は、第二収納位置の第二棚奥行方向の移載動作に要する時間より短いという事項、すなわち上記相違点5に係る構成を有していることは明らかである。 (イ)相違点6について 次に、相違点6について検討する。 本件発明1における「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整した、」という事項は、上記2(1)イ(イ)で検討したとおり、本件発明1に係る「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多い」という構成を、実質的に限定するものとは解されない。 他方、甲2発明の「前記第二棚211の前記第二搬送方向の長さは、前記第一棚組11の前記第一搬送方向の長さよりも長く、 前記第一収納位置における前記第一棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第二収納位置における前記第二棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多く、」という事項は、本件発明1に係る「前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さは、前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さよりも長く、 前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数は、前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数よりも多い」という事項に相当するものであり、甲2発明において上記事項を有するからには、甲2発明においても、第一棚組11の前記第一搬送方向の長さ及び第二棚211の第二搬送方向の長さに応じて、第一収納位置における第一棚奥行方向に収納可能な物品の数、及び第二収納位置における第二棚奥行方向に収納可能な物品の数を設定することで、第一棚組11による物品の入出庫に要する時間、及び第二棚211による物品の入出庫に要する時間を調整したという事項、すなわち上記相違点6に係る構成を有していることは明らかである。 (ウ)小括 したがって、本件発明1は甲2発明である。 また、仮に相違するところがあるとしても、本件発明1は、甲2発明に基いて当業者であれば容易に想到し得たものである。 (2)本件発明5について 本件発明5と甲2発明とを対比すると、両者は、上記相違点5及び6とともに以下の相違点7で相違し、その余の点で一致する。 【相違点7】 本件発明5では、「前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の一方側に設けられ、前記第1搬送方向の他方側には設けられていない場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の一方側に設けられ、前記第2搬送方向の他方側には設けられておらず、前記第1入出庫部が、前記第1収納棚に対して、前記第1搬送方向の両側に設けられている場合、前記第2入出庫部が、前記第2収納棚に対して、前記第2搬送方向の両側に設けられている」という構成を具備しているのに対し、甲2発明では、このような構成を具備していない点。 上記相違点5~7について、検討する。 相違点5及び6については、上記(1)イ(ア)及び(イ)で検討したとおりである。 相違点7について検討すると、物品収納設備において、或る入出庫部が、或る収納棚に対して、搬送方向の一方側に設けられ搬送方向の他方側には設けられておらず、別の入出庫部が、別の収納棚に対して、搬送方向の一方側に設けられ、搬送方向の他方側には設けられていない構成を採用することは、上記甲3技術的事項及び上記甲4技術的事項からみて、周知技術1である。 また、物品収納設備において、或る入出庫部が、或る収納棚に対して、搬送方向の両側に設けられ、別の入出庫部が、別の収納棚に対して、搬送方向の両側に設けられている構成を採用することもまた、上記甲5技術的事項(上記1(15)参照)、上記甲6技術的事項(上記1(18)参照)及び上記甲7技術的事項(上記1(21)参照)からみて、本願の出願前から周知の技術的事項(以下、「周知技術2」という。)である。 そして、収納棚に対して入出庫部をどのように設けるかは、物品の入出庫の効率性等を考慮して、当業者が適宜選択し得る設計的事項である。 また、本件発明5の奏する作用効果は、甲2発明及び周知技術1~2の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 したがって、本件発明5は甲2発明及び周知技術1または周知技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)本件発明6について 本件発明6と甲2発明とを対比すると、甲2発明の「前記第一棚組11の複数の前記第一収納位置は、前記第一搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記第二棚211の複数の前記第二収納位置は、前記第二搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記第一のスタッカ13は、前記移動体に支持された第1昇降機構と、前記第1昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第一収納位置のいずれか又は前記第一棚組11の外部に設けられた入出庫部との間で前記物品を移載する第1移載機構と、を更に備え」るという事項、及び「前記シャトル装置23は、前記移動体に支持された第2昇降機構と、前記第2昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第二収納位置のいずれか又は前記第二棚211の外部に設けられた入出庫部との間で前記物品を移載する第2移載機構と、を更に備えている」という事項は、本件発明6の「前記第1収納棚の複数の前記第1収納部は、前記第1搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記第2収納棚の複数の前記第2収納部は、前記第2搬送方向に加えて、上下方向にも並んで配置され」るという事項、「前記第1搬送装置は、前記第1移動体に支持された第1昇降機構と、前記第1昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第1収納部のいずれか又は前記第1入出庫部との間で前記物品を移載する第1移載機構と、を更に備え」るという事項、及び「前記第2搬送装置は、前記第2移動体に支持された第2昇降機構と、前記第2昇降機構に昇降可能に支持されて、複数の前記第2収納部のいずれか又は前記第2入出庫部との間で前記物品を移載する第2移載機構と、を更に備えている」という事項に、それぞれ相当する。 そうすると、本件発明1を直接的に引用する本件発明6と甲2発明とは、上記相違点5及び6で文言上相違し、その余の点で一致する。 相違点5及び6については、上記(1)イ(ア)及び(イ)で検討したとおりである。 したがって、本件発明1を直接的に引用する本件発明6は甲2発明である。 また、仮に相違するところがあるとしても、本件発明1を直接的に引用する本件発明6は、甲2発明に基いて当業者であれば容易に想到し得たものである。 本件発明5を引用する本件発明6についても、甲2発明であるか、または、甲2発明及び周知技術1または周知技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 5 明確性について 本件発明1、3及び4に、「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて、前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数を設定することで、前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整」という記載がある。 この記載から、「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さ」に応じて、「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数」を設定し、もって「前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整」するという時系列的な決めごとは理解できるものの、「物品収納設備」という物の発明において、「設定する」、「調整し」といった動作を含むような時系列的な決めごとを経ているかどうかを、どのように確認すれば良いのか不明であるし、上記のような時系列的な決めごとを経ていることが、「物品収納設備」という物のどこを観察することで検証できるのか、不明である。 さらに、「前記第1収納棚の前記第1搬送方向の長さ、及び前記第2収納棚の前記第2搬送方向の長さに応じて」、具体的にどのように「前記第1収納部における前記第1棚奥行方向に収納可能な前記物品の数、及び前記第2収納部における前記第2棚奥行方向に収納可能な前記物品の数」を設定するのか依然として不明であり、その設定によりどのように「前記第1搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間、及び前記第2搬送装置による前記物品の入出庫に要する時間を調整」するのか不明である。 したがって、本件発明1、3及び4並びに請求項1、3又は4の記載を引用する本件発明5及び6は、明確でない。 第6 むすび 以上のとおり、本件請求項1、3、5、6に係る発明は、甲1-1発明、甲1-2発明または甲2発明であるか、甲1-1発明、甲1-2発明、甲2発明、周知技術1、周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 そうすると、本件発明1、3、5、6に係る特許は、特許法第29条第1項第3号に該当するか、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 また、本件請求項1、3~6に係る特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから特許法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 さらに、請求項2に係る特許は、上記のとおり訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項2に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、上記の結論のとおり決定する。

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2023-701234

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