特許異議申立
2021-700761
自動倉庫システム
- 審判番号
- 2021-700761
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-158327
- 登録番号
- 6825056
- 請求日
- 2021年08月03日
- 審決日
- 2023年04月17日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】住友重機械搬送システム株式会社
- 【権利者代理人】森下 賢樹
- 【権利者代理人】富所 輝観夫
- 【異議申立人】小川 鐵夫
- 審判長/審判官
- 審判長 平田 信勝
- 審判官 尾崎 和寛
- 審判官 岡本 健太郎
- 分類
- P1651.113-YAA(B65G) / P1651.121-YAA(B65G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第7項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6825056号発明「自動倉庫システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6825056号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5〕について訂正することを認める。
特許第6825056号の請求項1~5に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6825056号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~5に係る特許についての出願は、平成30年11月6日(優先権主張 平成30年2月21日(以下、「優先日」という。))に出願した特願2018-208865号の一部を令和元年8月30日に特願2019-158327号として出願したものであって、令和3年1月15日にその特許権の設定登録がされ、令和3年2月3日に特許掲載公報が発行された。
本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和3年8月3日:特許異議申立人小川鐡夫(以下「申立人」という。)による本件特許の請求項1~5に係る特許に対する特許異議の申立て
令和3年11月8日付け:取消理由通知書
令和4年2月8日:特許権者による意見書の提出
令和4年3月2日付け:取消理由通知書(決定の予告)
令和4年6月3日:特許権者による訂正請求書及び意見書の提出
令和4年7月15日:申立人による意見書の提出
令和4年9月14日付け:取消理由通知書(決定の予告)
令和4年11月18日:特許権者による意見書の提出
令和5年1月16日付け:取消理由通知書(決定の予告)
令和5年3月14日:特許権者による訂正請求書及び意見書の提出
第2 訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
令和5年3月14日の訂正請求書による訂正請求(以下、「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)は、次の訂正事項1及び2からなる(下線部は訂正箇所を示す。)。
なお、令和4年6月3日の訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。
訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記各段の第1台車の前記電池は、前記第1台車が前記第2台車の上で停止し、且つ、前記第2台車が移動している間、前記第2台車から供給される電力により充電されることを特徴とする自動倉庫システム。」
と記載されているのを、
「前記各段の第1台車の前記電池は、前記第1台車が前記第2台車の上で停止し、且つ、前記第2台車が移動している間、前記第2台車から供給される電力により充電され、
前記電池は、前記第2台車が移動を停止する前に充電が停止されることを特徴とする自動倉庫システム。」
に訂正する。
請求項1の記載を引用する請求項2~5も同様に訂正する。
訂正事項2
訂正前の特許請求の範囲の請求項3に、
「前記電池は、前記第1台車が前記第2台車の上で停止してから前記第2台車が移動を開始するまでの間に充電が開始され、前記第2台車が移動を停止すると同時または移動を停止する前に充電が停止されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動倉庫システム。」
と記載されているのを、
「前記電池は、前記第1台車が前記第2台車の上で停止してから前記第2台車が移動を開始するまでの間に充電が開始され、前記第2台車が移動を停止する前に充電が停止されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動倉庫システム。」
に訂正する。
請求項3の記載を引用する請求項4~5も同様に訂正する。
2.訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項1は、第1台車の電池の充電の終期について、訂正前の請求項1においては限定されていなかったものを、「前記第2台車が移動を停止する前」と限定するものである。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、電池の充電の終期について限定を付したものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
ウ 新規事項の有無
訂正事項1は、願書に添付した明細書の段落【0054】に「移動と給電とは同時に停止されてもよいし、給電が先行して停止されてもよい。」と記載されているので、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項2は、訂正前の請求項3における第1台車の電池の充電の終期について、「前記第2台車が移動を停止すると同時または移動を停止する前」とし択一的であったのを、「前記第2台車が移動を停止する前」に限定するものである。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2は、訂正前の請求項3の択一的な記載の要素を削除するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
ウ 新規事項の有無
訂正事項2は、訂正前の請求項3の択一的な記載の要素を削除するものであり、また、願書に添付した明細書の段落【0054】に「移動と給電とは同時に停止されてもよいし、給電が先行して停止されてもよい。」と記載されているので、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
3.一群の請求項
訂正前の請求項1~5について、請求項2~5は請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
また、訂正前の請求項3~5について、請求項4及び5は請求項3を引用しているものであって、訂正事項2によって訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1~5に対応する訂正後の請求項1~5は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
よって、本件訂正請求は、一群の請求項1~5についてされているといえる。
4.独立特許要件
本件特許異議の申立てにおいては、訂正前の請求項1~5に対して特許異議の申立てがされているので、訂正事項1及び2によって訂正される請求項1~5に係る発明について、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
5.小括
上記のとおり、訂正事項1及び2に係る訂正は、訂正の要件を満たしている。したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5〕について訂正することを認める。
第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1~5の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明5」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
荷を保管する棚と、
入庫部および出庫部からなる入出庫部と、
前記棚と前記入出庫部との間で荷を移動させる搬送機構と、を備え、
前記搬送機構は、
電池を備え、前記電池の電力によって移動する第1台車と、
前記第1台車を搭載して移動する第2台車と、
前記第2台車とは別に設けられ、荷を昇降可能な昇降機構と、
を有し、
前記棚は、複数段の保管ステージを備え、
前記各段の保管ステージは、第1方向に延在する保管行が第1方向と交差する第2方向に沿って複数配置されることで構成されており、
前記各段の保管ステージに、前記第1台車および前記第2台車が配置されており、
前記第1台車は、前記保管行に対応する第1の移動路を移動し、
前記第2台車は、前記第1台車を搭載して前記第2方向に沿った方向に延在する第2移動路を移動し、
前記各段の第2台車に常時給電可能な給電部が、前記各段の前記第2移動路に沿って延在しており、
前記各段の第1台車の前記電池は、前記第1台車が前記第2台車の上で停止し、且つ、前記第2台車が移動している間、前記第2台車から供給される電力により充電され、
前記電池は、前記第2台車が移動を停止する前に充電が停止されることを特徴とする自動倉庫システム。
【請求項2】
前記第2台車は、前記給電部から受け取った受電電力により駆動されるモータを有することを特徴とする請求項1に記載の自動倉庫システム。
【請求項3】
前記電池は、前記第1台車が前記第2台車の上で停止してから前記第2台車が移動を開始するまでの間に充電が開始され、前記第2台車が移動を停止する前に充電が停止されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動倉庫システム。
【請求項4】
前記電池への充電は、荷を搭載した状態および荷を搭載していない状態の両方の状態の前記第1台車が前記第2台車上に停止して当該第2台車が前記棚と前記入出庫部との間を移動しているときに行われることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自動倉庫システム。
【請求項5】
前記第1台車および前記第2台車の動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、荷の搬送指令がない状態の前記第1台車を、前記第2台車の給電位置に移動させて当該第1台車の前記電池を充電するように制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動倉庫システム。」
第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1.取消理由の概要
請求項1~5に係る特許に対して、当審が令和5年1月16日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の概要は、次のとおりである。
(進歩性)本件特許の請求項1~5に係る発明は、本件特許出願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
引用文献等一覧
引用文献1:米国特許出願公開第2013/0129469号明細書(申立人が提出した甲第1号証)
引用文献2:特開平10-87020号公報(申立人が提出した甲第3号証)
2.各引用文献の記載事項等
(1)引用文献1に記載された事項及び引用発明
引用文献1には、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。また、当審訳は申立人が提出した訳文を元に当審で作成した。以下同様。)。
ア 「[0035] FIGS. 1-7 show an example of a rack 50 according to certain aspects of the disclosure. It should be understood that rack 50 as illustrated is but one example constructed using the present teachings. For example, rack 50 could be much larger than that shown. Also, multiple racks could be employed in a given location. Therefore, rack 50 could be a component of a larger combined automated storage system. For example, FIGS. 18-22, discussed below with reference to use of the disclosed structures, shows two side by side racks 50 substantially larger than that illustrated in FIG. 1. FIGS. 20 and 21 also show related equipment such as lifts and conveyors that will also be discussed below as part of an overall automated system. Therefore, it should be understood that the fullscope of the invention includes all such modifications, extensions and variations.
[0036] As shown in FIGS. 1-7, rack 50 includes a plurality of upright elements 52 arranged in a grid, a plurality of first horizontal elements 54 extending in a first direction to connect adjacent upright elements, and a plurality of second horizontal elements 56 extending in a second direction perpendicular to the first direction. Rack 50 includes a number of layers 58 formed by such intersecting horizontal elements 54 and 56. Struts 60 may also be provided to stiffen the structure.」
(当審訳)「[0035]図1~7は、本開示のある態様によるラック50の一例を示す。例示したラック50は、本教示を用いて構成した一例に過ぎないことが理解されるであろう。例えばラック50は、図示されたものよりはるかに大型になりうる。また複数のラックを、所定の位置で使用しうる。従って、ラック50は、より大型の複合自動保管システムの構成要素となりうる。例えば、開示される構造の使用を参照して後述する図18~22は、図1に例示されるものより実質的に大きな、ラック50を2つ横並びにしたものを示す。また図20及び21は、全体的な自動システムの一部として後述する、リフトやコンベヤなどの関連機器を示している。従って、本発明の全範囲には、そのような全ての変更、拡張及び変形が含まれることが理解されるであろう。
[0036]図1~7に示すように、ラック50は、格子状に配置された複数の直立要素52と、第1の方向に延在して、隣接する直立要素を接続する複数の第1の水平要素54と第1の方向に直交する第2の方向に延在する複数の第2の水平要素56とを含む。ラック50は、それらの交差する水平要素54及び56によって形成された層58を多数含む。構造を補強するために、支柱60が設けられていてもよい。」
イ 「[0038] Each second horizontal element 56 forms one side of a portion of a track for a row 88 to be travelled by a row cart 104, as will be described later. Accordingly, opposing elements 56 mounted to adjacent brackets 62 form such a row track (see FIG. 3). Second horizontal elements 56 are attached to brackets 62 via fasteners 70 without welding (see FIG. 7). Brackets 62 may have flanges 72,74,76 for rigidity and for aligning and attaching second horizontal elements 56, and flange 77 for aligning and attaching to upright elements 52.
[0039] First horizontal elements 54 provide spacing and support for elements within rack 50 and may be attached to upright elements 52 with fasteners 78 and to flange 79 of brackets 62 with additional fasteners 80. End brackets 82 at ends of rack 50 can be modified versions of brackets 62, designed to accept only one track element 56, if desired. Again, no welding is required. When goods are stored in rack 50, the goods are stored in discrete predetermined locations on rows 88 formed by second horizontal elements 56. Due to the fastened-together structure of rack 50, the weight of the rack and the stored items is transferred to and supported by upright elements 52 substantially via brackets 62. Each of the above elements can be formed of a metal such as steel or aluminum, can be painted, powder coated, etc. as desired. Due to the wide variation in potential sizes and loading, one skilled in the art can readily select dimensions and materials for the elements and fasteners to meet a given application need.」
(当審訳)「[0038]第2の水平要素56はそれぞれ、後述する列カート104が走行する列88の軌道部分の片側を形成する。従って、隣り合うブラケット62に取り付けられた対向する要素56は、列の軌道を形成する(図3参照)。第2の水平要素56は、溶接せずに締結具70を介してブラケット62に取り付けられる(図7参照)。ブラケット62は、剛性のため及び第2の水平要素56を整列させて取り付けるためのフランジ72、74、76と、直立要素52を整列させて取り付けるためのフランジ77とを有していてもよい。
[0039]第1の水平要素54は、ラック50内で様々な要素のための空間と支持を提供し、締結具78を用いて直立要素52に取り付けられ、追加の締結具80を用いてブラケット62のフランジ79に取り付けられてもよい。ラック50の端にある末端ブラケット82は、必要に応じて、1つの軌道要素56のみを受けるように設計された、ブラケット62の変更版とすることができる。ここでもまた、溶接をする必要はない。ラック50に商品を保管する際には、第2の水平要素56で形成される列88の個々の所定の位置に商品を収納する。ラック50の締結構造により、ラック及び保管された物品の重量は、実質的にブラケット62を介して直立要素52に伝達され支持される。上記の各要素は、鋼やアルミなどの金属で形成されてもよく、必要に応じて塗装や粉体途装などを施してもよい。サイズや荷重は幅広く様々なものになりうるため、当業者は所定の用途に応じて要素や締結具の寸法や材料を容易に選択することができる。」
ウ 「[0041] Items are moved within rack 50 in each layer along an aisle 86 and then along one of the rows 88. Various shuttle devices can be used for such movement into and out of the rack according to certain aspects of the disclosure (see aisle carts 102 and row carts 104 in FIGS. 2-5, discussed in greater detail below). Along aisle 86, horizontal elements 54 may be replaced with or supplemented by track elements 90 to transfer the shuttle device along the aisle. As discussed below, power can be provided to the shuttle carts 102 and 104 in various locations in the rack.
[0042] FIG. 8 shows one example of a dual shuttle 100 useful in the present system and methods. As shown, dual shuttle 100 includes a first (aisle) cart 102 (FIGS. 8-11) and a second (row) cart 104 (FIGS. 8 and 12-17) that can be carried on or driven off the aisle cart. Track portions 106 on aisle cart 102 are sized to complement track sections 56 of rack 50 allowing row cart 104 to drive on or off the aisle cart.
[0043] Aisle cart 102 includes two motors 108 and 110. Motor 108 drives aisle cart 102 up and down track elements 90 of the respective aisle 86 in which the cart is located. Motor 110 drives a conveyor 112 on aisle cart 102 for loading and unloading items onto the aisle cart. It should be understood that conveyor 112 could also be located on row cart, if desired. Also, it should be understood that conveyor 112 can place items directly onto aisle cart 102, or can place items on row cart 104 nested within the aisle cart, both of such modes being considered moving the items onto the aisle cart and/or moving the items onto the dual shuttle. Accordingly, as discussed in greater detail below, various configurations and modes of operation are possible within the scope of the present invention.
[0044] Both motors 108,110 can be powered by an energy storage device such as a attery, capacitor, a combination of a battery and capacitor, or the like charged by suitable electrical connections (see FIGS. 23-26) in rack 50. If desired, even though an energy storage device that would output DC current could be employed, motors 108,110 can be AC motors, used with an inverter. Use of such AC motors with an inverter may provide a less expensive alternative than use of a DC motor.
[0045] Also, as discussed below, aisle cart 102 can receive three-wire single phase or three-phase AC power directly from track elements 90 via an electrified rail/wiper system. Use of such direct powering allows aisle cart 102 to be constantly and fully electrified, without need for charging. Also, the weight and space used by the energy storage devices, inverter, etc., can be eliminated from each aisle cart 102. Because aisle carts 102 each traverse only one dedicated aisle 86, electrifying the aisles with a track (see FIGS. 23-26) and wiper contact interface is a cost effective solution for powering aisle carts 102.」
(当審訳)「[0041]物品は、ラック50内の各層において、通路86に沿って移動され、次いで列88の1つに沿って移動される。本開示のある態様によれば、このようなラックヘの出し入れのために様々なシャトル装置を用いることができる(図2~5の通路カート102及び列カート104を参照。以下でより詳細に説明)。通路に沿ってシャトル装置を移動させるために、通路86に沿った水平要素54を軌道要素90に置き換えてもよいし、軌道要素90を補完してもよい。後述するように、ラック内の様々な場所でシャトルカート102、104に電力を供給することができる。
[0042]図8は、本発明のシステム及び方法に有用な二重シャトル100の一例を示す。図に示すように、二重シャトル100は、第1の(通路)カート102(図8~11)と、通路カートに乗り降りすることができる第2の(列)カート104(図8、図12~17)とを含む。列カート104が通路カート102に乗り降りできるように、通路カートの軌道部分106は、ラック50の軌道部分56を補完するサイズになっている。
[0043]通路カート102は、2つのモータ108及び110を含む。モータ108は、通路カート102を駆動して、カートが配置されている通路86それぞれの軌道要素90上を行き来させる。モータ110は、通路カート102に設けられたコンベヤ112を駆動して、通路カートに物品を積み下ろしする。コンベヤ112は、必要に応じて列カート上に配置することも可能であることが理解されるであろう。またコンベヤ112により、通路カート102の上に物品を直接載せることもできるし、通路カートの中に入れ子にした列カート104に物品を載せることもできるが、いずれも、物品を通路カート上に載せた及び/又は物品を二重シャトル上に載せたとみなされることが理解されよう。従って以下に詳述するように、本発明の範囲内で様々な構成と動作モードが可能である。
[0044]モータ108、110の両方には、ラック50内の適切な電気接続(図23~26参照)によって充電されたバッテリ、コンデンサ、バッテリとコンデンサの組み合わせなどのエネルギー蓄積装置によって電力が供給される。直流電流を出力するエネルギー蓄積装置を採用した場合であっても、必要に応じて、モータ108、110はインバータを使用した交流モータとすることができる。このような交流モータとインバータを併用することで、直流モータを使用するよりも安価な代替手段が提供される。
[0045]また後述するように、通路カート102は、通電されたレール/ワイパーシステムを介して、3線の単相又は三相の交流電力を軌道要素90から直接受けることができる。このように直接的な給電を用いることで、通路カート102は充電を必要とすることなく、常に完全に通電することができる。また、エネルギー蓄電装置やインバータなどによる重量や空間を、各通路カート102からなくすことができる。通路カート102はそれぞれ、1つの専用の通路86のみを進むので、軌道を有する通路(図23~26参照)とワイパ接触界面で通電することは、通路カート102に電力を供給するためのコスト効率の良い解決策である。」
エ 「[0052] Cart 104 may be driven via an energy storage device 204 such as batteries, capacitors, combinations or batteries and capacitors, or the like. Motors 146, 148 may be DC motors or may be AC motors if an inverter 206 and frequency converter 208 is used (all schematically shown in FIG. 14). For example, running a battery at 24 VDC through an inverter to create 230VAC and a frequency converter to allow use of common 400V AC motors can provide cost and maintenance savings. Batteries rated in the range of 24 Amp-hours provide suitable power to travel along rows 88 with loads with the duration of charging provided by contact with aisle cart 102, as described below. If energy storage device 204 includes a capacitor, it may be an ultra-capacitor providing a substantially equivalent output. Capacitors provide the benefit of quick charging of row cart 104, as described below, and accordingly can provide for alternate modes of operation.
[0053] Power can be provided to the dual shuttle 100 in various ways. For example, an electrified rail may be added along aisles 86 within rack 50 to constantly power aisle cart 102 or charge the energy storage device of the aisle cart, if desired. Since there are many fewer aisles 86 than rows 88, adding electrification to aisles only can be cost effective in some applications. Alternatively, charging could be provided at only one location or some locations along aisles. Such structure would require an energy storage device within aisle cart 102.
[0054] Similarly, row cart 104 can be charged via an electrified rail or via charge from a given location. If desired, aisle cart 102 and row cart 104 may have electrical contacts so that aisle cart can maintain charge on the row cart. As there are many more rows 88 than aisles 86, adding rail/wiper electrification to all of the rows while simplifying the row carts 104 so as to eliminate the energy storage device and related electronics may not be as cost effective as employing more electrically complicated row carts (with batteries or capacitors, for example) charged via aisle carts 102. However, if capacitors are used in row carts 104, placing a single charge contact located at an end of a row adjacent the aisle may be a suitable mode of charging the row carts. Capacitor charging occurs in a matter of seconds, and each time a row cart 104 passes the end of a row, it could pause just long enough for charging before or after moving onto or off the aisle cart 102, or charging could occur while the row cart is idle and the aisle cart is elsewhere. Alternatively, the capacitor charging contact in the row could be lengthy enough to charge row cart 104 while moving (without pausing) to make the system more eff
icient in terms of load moves per hour. Electrically connecting the carts 102 and 104 so that row carts 104 are charged by aisle carts 102, and aisle carts are charged via an electrified rail, may be the most cost effective solution in some applications, particularly those with battery powered row carts. However, it should be understood that various methods and systems of electrical delivery and usage are possible within the present invention.」
(当審訳)「[0052]カート104は、バッテリ、コンデンサ、バッテリとコンデンサの組み合わせなどのエネルギー蓄積装置204を介して駆動することができる。モータ146、148は、インバータ206と周波数変換器208が使用されていれば、DCモータであってもよいしACモータであってもよい(いずれも図14に模式的に示す)。例えば、24VDCのバッテリを使用して、インバータを介して230VACを生成し、周波数変換器を介して一般的な400VACのモータが使えるようになり、費用やメンテナンスを節約できる。以下に説明するように、24アンペア時の範囲で定格されたバッテリは、通路カート102に接触することで与えられる充電時間で、荷物を積んで列88に沿って移動するのに適した電力を供給する。エネルギー蓄積装置204がコンデンサを含む場合、実質的に同等の出力を提供するウルトラキャパシタであってもよい。後述するように、コンデンサにより列カート104の急速充電という利点が得られ、それにより代替の動作モードを提供することができる。
[0053]二重シャトル100には様々な方法で電力を供給することができる。例えば必要に応じて、通路カート102に常時電力を供給したり通路カートのエネルギー蓄積装置を充電したりするために、ラック50内の通路86に沿って通電レールを追加してもよい。通路86の数が列88よりもはるかに少ないため、通路のみに給電を追加することは、用途によっては費用対効果が高い。また、通路に沿った1箇所のみ、又は数箇所で充電することも可能である。このような構造の場合、通路カート102内にエネルギー蓄積装置を設ける必要がある。
[0054]同様に列カート104は、通電されたレールを介して、又は所定位置からの通電を介して充電することができる。必要であれば、通路カートが列カートの充電を維持できるように、通路カート102と列カート104とが電気接点を有していてもよい。列88の数が通路86よりもはるかに多いため、エネルギー蓄積装置及び関連の電子機器をなくすように列カート104を簡素化しつつ全ての列にレール/ワイパ給電を追加することは通路カート102を介して充電される、より電気的に複雑な(例えば、バッテリ又はコンデンサを有する)列カートを採用することほどには費用対効果が高くないかもしれない。しかし、コンデンサが列カート104に使用されている場合、通路に隣接した列の端部に単一の充電接点を配置するごとは、列カートを充電する適切な方法であるかもしれない。コンデンサの充電は数秒で行われ、列カート104が列の端部を通過するたびに、通路カート102に乗り降りする前又は後で充電に十分な時間だけ一時停止するか、列カートがアイドリング状態で通路カートが別の場所にいる間に充電を行うことができる。あるいは、列におけるコンデンサの充電接点を、移動中に(一時停止せずに)列カート104を充電するのに十分な長さにすることで、1時間あたりの荷物移動量の点でシステムをより効率的なものにすることができる。列カート104が通路カート102で充電され、通路カートが通電したレール
を介して充電されるようにカート102と104とを電気的に接続すると、用途によっては、特にバッテリで動く列カートを使用する用途では、最も費用効率の良い解決策になる可能性がある。しかし、本発明の範囲内であれば、電気の供給や使用に関する様々な方法やシステムが可能であることが理解されよう。」
オ 「[0056] As shown, racks 300 each include two lifts 302, one on either side of an aisle 303. Use of two lifts 302, particularly in a large system, optionally allows greater throughput. Each lift 302 includes a lift platform 304 onto which items 306 are placed, as illustrated goods/items 308 on pallets 310. Each lift platform 304 is moved up and down rack 300 along a frame 312 between layers 314 (in this case six, layers).
[0057] A system 316 of feed and delivery conveyors can be provided adjacent lifts 302 and racks 300. As shown, first conveyors 318 adjacent lifts 302 fed by second conveyors 320 can transfer items to and from the lift platforms 304. An array of third conveyors 322 can be provided along with a common conveyor 324. Third conveyors 322 can be used with individual vehicles, for example, for loading and unloading. Common conveyor 324 can use a transfer cart 326 similar to aisle cart 102 for receiving items from one of the third conveyors 322 and distributing it to one of the second conveyors 322 (or vice versa). The various conveyors disclosed can be driven or idler rollers, belt conveyors, chain conveyors, etc., as desired, with appropriate motor drives, in various possible orientations and arrangements. The logic and decision making for storage and retrieval of items in racks 300 can be controlled by various types of systems available from various sources, including ITW Warehouse Automation, using programmable logic controllers or the like. Accordingly, it should be understood that various different systems 316 for feed and delivery of items, as well as logic and management of items are all within the scope
of the present invention.」
(当審訳)「[0056]図に示すように、各ラック300は、通路303の両側に1つずつ、合わせて2つのリフト302を備えている。2つのリフト302を、特に大規模なシステムで使用すると、更に高い処理量が得られる。各リフト302は、パレット310上の商品/物品308として例示している物品306が載せられるリフトプラットフォーム304を含む。各リフトプラットフォーム304は、層314(ここでは6つの層)の間でフレーム312に沿ってラック300を上下に移動する。
[0057]リフト302及びラック300に隣接して、供給及び送出コンベヤのシステム316を設けることができる。図に示すように、第2のコンベヤ320によって供給される第1のコンベヤ318は、リフト302に隣接して、リフトプラットフォーム304との間で物品を移動することができる。一連の第3のコンベヤ322を、共通コンベヤ324と共に提供してもよい。第3のコンベヤは、例えば積み下ろし用の個別の車両と一緒に使用することができる。共通コンベヤ324は、第3のコンベヤ322の1つから物品を受け取り第2のコンベヤ322の1つに分配する(又はその逆を行う)ために、通路カート102と同様の移送カート326を使用することができる。ここに開示した様々なコンベヤは、必要に応じて、適切なモータ駆動を用いた、様々な方向や配置を取りうる、駆動又は遊動ローラ、ベルトコンベヤ、チェーンコンベヤなどが可能である。ラック300における物品の保管・取り出しのための論理や意思決定は、プログラマブル論理制御装置などを用いて、ITW Warehouse Automation社等の様々な提供元から入手可能な様々な種類のシステムによって制御することができる。従って、物品の供給及び送出のための、並びに論理及び物品の管理のための様々な異なるシステム316は、すべて本発明の範囲内であることが理解されよう。」
カ 「[0064] FIGS. 18-21 show the use of lifts 302 and buffer conveyors 330 to get items onto dual shuttles 100 (including nested carts 102 and 104) at the loading position. FIG. 22 shows that dual shuttle 100 has traveled down an aisle 303 to a desired row 332. Row cart 104 has raised its upper surface 142 to lift the item off conveyors 112 of aisle cart 102 and has left the aisle cart to deliver the item to a desired location in the row 332. Aisle cart 102 may wait for row cart 104 or may return to the lift area for another load while the row cart operates. After reaching the desired location, row cart 104 will lower its upper surface 142 to place the item. Row cart 104 may then return down the row to nest within aisle cart 102, if the aisle cart is waiting for the row cart, or to wait for the aisle cart to return. Aisle cart 102 will then either move down aisle 303 to a different row to retrieve an item from storage, sending row cart 104 out to do so, or return to the loading area at the end of the aisle to obtain an additional item to place into storage, or allow row cart 104 to take a load to the present row or a different row if the aisle cart had left to get another load while the row cart was oper
ating. These patterns repeat as controlled by the master controller of the entire automated warehousing system, as desired.
[0065] The retrieval of items from the rack is essentially the same pattern in reverse. Row cart 104 gets a load, carries it to the aisle cart 102, and the two carts return nested to the loading/unloading position at the end of the aisle. At that point, conveyor 112 drives the load off the shuttle 100.」
(当審訳)「[0064]図18~21は、積込み位置で二重シャトル100(入れ子式カート102、104を含む)に物品を乗せるための、リフト302とバッファコンベヤ330の使用を示している。図22は、二重シャトル100が、通路303を通って所望の列332に移動したことを示している。列カート104は、その上面142を上昇させて、通路カート102のコンベヤ112から物品を持ち上げ、通路カートから離れて、物品を列332の所望の場所に運んでいる。通路カート102は、列カート104を待ってもよいし、列カートが作動している間に別の荷物を運ぶためにリフトエリアに戻ってもよい。所望の場所に到達した後、列カート104は上面142を下降させて物品を置く。その後、列カート104は、通路カートが列カートを待っている場合には、列を戻って通路カート102内で入れ子になってもよいし、通路カートが戻ってくるのを待ってもよい。通路カート102は、その後、保管場所から物品を取り出すために通路303を通って別の列に移動してから列カート104を送り出すか、あるいは、通路端の積込みエリアに戻り、保管場所に置くための追加の物品を得るか、あるいは、列カートが作動している間に通路カートが別の荷物を取りに離れた場合、列カート104が現在の列又は別の列に荷物を運ぶようにする。これらのパターンは、自動倉庫システム全体のマスター制御装置により制御されつつ、必要に応
じて繰り返される。
[0065]ラックからの物品の取り出しは、基本的には同じパターンを逆に行う。列カート104が荷物を受け取り、それを通路カート102に運び、2つのカートが入れ子になって通路の端にある積み下ろし位置に戻る。その時点で、コンベヤ112がシャトル100から荷物を下ろす。」
キ 「[0067] However, operation of the row cart and aisle carts separately in such fashion reduces the nested time of the row cart on the aisle cart. If row cart 104 is to be powered and charged by contact only with aisle cart 102, only a limited, defined amount of usage time off the aisle cart is advisable before the energy storage device in row cart 104 would be drained. The overall control system can optionally monitor and control such operation if needed to limit such operation in various ways, such as to allow only a certain number of row cart trips per hour, to require a certain amount of nested time per hour, to allow for only a certain number of successive row trips or row trips only a certain distance from the loading area or from each other, etc. Such limitations might not be needed if row carts 104 are charged or powered by wiping contact with electrified rails on rows or other method apart from nesting on aisle carts 102. Row carts 104 can operate more independently from aisle carts 102 if they have a capacitor or ultra-capacitor based energy storage device, as such can be charged quickly by charging pads in the rows, either instead of or in addition to charging on the aisle carts.
[0068] FIGS. 23-26 show one example of electrical connections that could be used to power the aisle and row carts. As shown, aisle cart 102 can include an electrical contact 400 in the form of a brush, wiper, etc., for receiving power from an electrified track 402 on the side elements 90 forming part of the aisle cart track. As shown, brush 400 has four contacts 404, 406, 408, 410, that can be used to contact individual elements 412, 414, 416, 418 on track 402 for three-phase power AC supply plus ground. If desired, single-phase AC power could also be provided with positive/negative connections plus ground. Using a sliding connection in this fashion may be simpler than providing a cable connection to aisle cart 102 in some applications, although that could also be employed as an option.
[0069] A contact 420 on top of aisle cart 102 includes two spring-loaded elements 422, 424 for contacting two plates 426, 428 on an electrical connector portion 430 of row cart 104. The storage element (battery and/or capacitor) on row cart 104 can be charged whenever it is located on aisle cart 102 via contact between elements 422, 424 and plates 426,428. The location of elements 422,424 and plates 426,428 can be reversed between the carts. Alternatively, instead of placing elements 422, 424 (or 426,428) on aisle cart 102, such elements could be placed in the rack, for example in the center of the end of each row adjacent the aisle. Such location could be particularly useful if capacitors or ultra-capacitors are employed as an energy storage device within carts 104. As a further alternative, row carts 104 could employ a wiper and track system as disclosed for aisle carts 102 above for direct powering or charging or an energy storage device. Various devices suitable for making the electrical connections between the aisle cart track 90 and aisle cart 102, and between the aisle cart and row cart 104 or rack, are available from Vahle Electrification Systems.
[0070] Use of such power delivery systems allowing the row carts 104 to be charged on the aisle carts 102 and/or within rack, while also driving the row carts off the aisle carts to go up and down rows and not to have to load or unload at the loading locations at the lift platforms 304, provides various benefits. First, the system can move more loads per hour, as using the lift conveyor 328 and optional buffer conveyor 331 chains to move loads between the lifts and dual shuttle is generally faster than driving the row cart 104 back and forth off the aisle cart 102 to do so. Also, keeping the row cart 104 on the aisle cart 102 for more time provides more time within a duty cycle for charging and/or allows for use of a smaller storage device in the row cart, thereby potentially providing cost savings for the storage device and the motor used to drive it.
However, within certain aspects of the invention even if a row cart 104 is driven off an aisle cart 102 to load and unload items at a loading/unloading position the end of the aisle, other disclosed structures and methods above provide other benefits within the scope of the present invention.」
(当審訳)「[0067]しかし、このように列カートと通路カートを別々に作動すると、列カートが通路カート上で入れ子状になっている時間が短くなる。列カート104が通路カート102との接触のみで電力供給と充電を行う場合は、列カート104のエネルギー蓄積装置が消耗する前に、限られた規定の時間だけ、通路カートを離れて使用することが望ましい。全体的な制御システムは、必要に応じてそのような動作を監視・制御して、例えば、1時間あたりの列カート走行を一定数のみ可能にする、1時間あたり一定の入れ子状態時間を必須とする、連続した列走行を一定回数のみ可能にする、列走行を積込みエリアから一定距離のみ可能にする、又は列走行を互いに一定距離だけ離れたもののみ可能にする、など様々な方法でそのような動作を制限してもよい。通路カート102において入れ子になる方法以外に、列の帯電レールにワイパ接触するなどの方法で列カート104を充電又は給電する場合は、このような制限は必要ないかもしれない。列カート104は、コンデンサ又はウルトラキャパシタを用いたエネルギー貯蔵装置を備えていれば、通路カートでの充電に代えて又はそれに加えて、列の充電パッドによる迅速な充電が可能なので、通路カート102から更に独立して動作させることができる。
[0068]図23~26は、通路カート及び列カートの給電に用いることができる電気接続の一例を示す。図に示すように、通路カート102は、通路カート軌道の一部を形成する側方要素90において、通電した軌道402から電力を受け取るための、ブラシ、ワイパなどの形状の電気接点400を備えていてもよい。図に示すように、ブラシ400は4つの接点404、406、408、410を備えており、三相交流電源とアース用として軌道402に備えられた、個別の要素412、414、416、418と接触する。必要であれば、単相交流電源は、正/負の接続とアースを更に備えることもできる。ある用途においては、通路カート102をケーブルで接続するよりも、このようにスライド式で接続する方が簡単な場合もあるが、オプションとして採用することも可能である。
[0069]通路カート102の上面にある接点420は、列カート104の電気コネクタ部430にある2つのプレート426、428に接触するための2つのバネ式要素422、424を備えている。列カート104上の蓄電素子(バッテリ及び/又はコンデンサ)は、通路カート102上に位置するときはいつでも、要素422、424とプレート426、428との接触を介して充電することができる。要素422、424及びプレート426、428の位置は、カート間で逆にすることができる。あるいは、要素422、424(又は426、428)を通路カート102に配置する代わりに、ラック内、例えば通路に隣接する各列の端部の中央に、配置することも可能である。このような配置は、カート104内のエネルギー蓄積装置としてキャパシタ又はウルトラキャパシタが採用されている場合に、特に有用である。さらに別の選択肢として、列カート104は、通路カート102用として上述したような、エネルギー蓄積装置に直接電力供給や充電を行うワイパ・軌道システムを採用してもよい。通路カート軌道90と通路カート102との間、及び通路カートと列カート104又はラックとの間の電気接続を行うのに適した様々な装置が、Vahle Electrification Systems社から入手可能である。
[0070]このような電力供給システムを使用することで、通路カート102上及び/又はラック内で列カート104を充電することが可能になり、また列カートを通路カートから離れて列を行き来させつつ、リフトプラットフォーム304の積込み位置で積み下ろしする必要がなくなるため、さまざまな利点が得られる。第一に、リフトと二重シャトルとの間で荷物を移動させるのに、リフトコンベア328とオプションのバッファコンベア331のチェーンを使用する方が、列カート104を通路カート102から降ろして行き来させて荷物の移動を行うよりも概して速いため、システムは1時間あたりより多くの荷物を移動させることができる。また、列カート104を通路カート102の上に載せる時間を長くすることで、充電の負荷サイクル内での時間が長くなる及び/又は列カートに搭載する保管装置のサイズが小さくなるため、保管装置とそれを駆動するためのモータのコストの削減が可能となる。しかし、本発明のある態様では、列カート104が通路カート102から離れて、通路端部の積み下ろし位置で物品を積み下ろしする場合であっても、本発明の範囲内で上記以外の他の構造及び方法が、他の利点を提供する。」
ク 「FIG.18
[図:0001399313000001.jpg]
」
ケ 「FIG.19
[図:0001399313000002.jpg]
」
コ 「FIG.22
[図:0001399313000003.jpg]
」
サ 上記摘記事項オ、カ、クのFIG.18の図示内容及びケのFIG.19の図示内容から、二重シャトル100及びリフト302は、ラック300と供給及び送出コンベヤのシステム316との間で商品/物品308を移動させているものと認められる。
シ 摘記事項イ、ウ、クのFIG.18の図示内容及びケのFIG.19の図示内容から、各層314には、二重シャトル100が配置されていることが看取できる。
ス 摘記事項コのFIG.22の図示内容から、列332が、第1の方向に延在するとともに、第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数配置されることで、層314が構成されていることが看取できる。
セ 摘記事項コのFIG.22の図示内容から、通路303が、第2の方向に沿った方向に延在していることが看取できる。
上記摘記事項ア~コ及び認定事項サ~セから、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
【引用発明】
「商品/物品308を保管するラック300と、
供給及び送出コンベヤのシステム316と、
ラック300と供給及び送出コンベヤのシステム316との間で商品/物品308を移動させる二重シャトル100及びリフト302と、を備え、
二重シャトル100は、
バッテリであるエネルギー蓄積装置204を介して駆動することができる列カート104と、
列カート104が乗り降りでき、列カート104を入れ子にして移動する通路カート102と、
を有し、
ラック300は、層314を多数含み、
層314は、第1の方向に延在し、所望の場所に物品が置かれる列332が第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数配置されて構成されており、
各層314に、二重シャトル100が配置されており、
列カート104は、列332の軌道を形成する第2の水平要素56を走行し、
通路カート102は、列カート104を入れ子にして第2の方向に延在する通路303を移動し、
通路カート102に常時電力を供給する通電レールが、通路303に沿って追加され、
通路カート102の上面にある接点420は、列カート104の電気コネクタ部430にある2つのプレート426、428に接触するための2つのバネ式要素422、424を備え、列カート104上の蓄電素子(バッテリ及び/又はコンデンサ)は、列カート104が通路カート102上に位置するときはいつでも、要素422、424とプレート426、428との接触を介して充電することができ、
通路カート102は、2つのモータ108及び110を含み、通路カート102は、通電レールから電力を直接受けることによって、2つのモータ108及び110に電力が供給される複合自動保管システム。」
(2)引用文献2に記載された事項
ア 「【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の収納棚用の搬出入設備は、移動台車に載せた搬送台車の二次電池を充電可能な充電手段が、その移動台車に設けられているので、搬送台車を移動台車で所定の収納部の走行路に案内する時間を利用して、物品の搬出入のための搬送台車の稼働の妨げになりにくい状態で、その二次電池を充電することができる。従って、搬送台車を所定の収納部の走行路に案内する時間を利用して、充電時間を確保し易い状態で、搬送台車の稼働率を向上させることができる。特に、充電手段が、移動台車に載せた搬送台車が昇降中でも、その搬送台車に備えた二次電池を充電可能に設けられている場合は、必要な充電時間を一層確保し易い。」
イ 「【0009】
【発明の実施の形態】図1,図2は、複数の収納部1aを上下左右に備えている 収納棚1の複数と、それらの収納部1aの内側に設けた走行路1bを走行して、その収納部1aに対してパレット2a上の物品2をパレット2aごと搬出入する搬送台車3と、この搬送台車3を昇降台4に載せて収納棚1の前面側に沿って移動し、かつ、その昇降台4を駆動昇降させて搬送台車3を所定の収納部1aの走行路1bに案内する移動台車としてのスタッカークレーン5とが設けられている収納棚用の搬出入設備を示す。
【0010】前記収納棚1の複数は、収納棚1へ物品2を搬出入する搬送台車3を載せたスタッカークレーン5が走行移動する移動経路であるクレーン走行通路5aを隔てて設置され、収納棚1の各々は、クレーン走行方向に沿って間隔を隔てて設けた棚支柱1cの間毎に、クレーン走行方向に並ぶ二つの収納部1a,1aを上下多段に設けて構成されている。
【0011】前記収納部1aの各々は、図3,図4に示すように、パレット2aに載せた物品2の複数個をパレット2aごと一列に並べて載置収納できるように、収納棚1両側のクレーン走行通路5aに連通する細長い物品収納空間を形成する状態で設けられ、搬送台車3の走行面6aが形成されている二本の走行フレーム6をその収納部1aの長手方向に沿って設けて搬送台車3の走行路1bが構成され、いずれのクレーン走行通路5a側からでも、そのクレーン走行通路5aを走行するスタッカークレーン5に載せた搬送台車3で物品2をパレット2aごと搬出入できるように設けられているとともに、その走行路1bの両側脇には、この走行フレーム6に一体形成した荷載置面6bに収納物品2をパレット2aごと載置支持する物品支持部がその走行路長手方向に沿って設けられている。
【0012】前記クレーン走行通路5a一端側のクレーン待機位置の一側脇には、パレット2aに載せた入庫物品2を搬送する入庫用ローラコンベア7aと、その入庫用ローラコンベア7aに載置されている入庫物品2をパレット2ごと持ち上げて載置し、クレーン待機位置に待機しているスタッカークレーン5に向けて搬送する物品載置部としての昇降自在な入庫用チェーンコンベア8aとが設けられ、その他側脇には、パレット2aに載せた出庫物品2を搬送する出庫用ローラコンベア7bと、クレーン待機位置に戻ったスタッカークレーン5から搬出される出庫物品2をパレット2aごと載置して出庫用ローラコンベア7b側に搬送し、その出庫用ローラコンベア7bに受け渡す物品載置部としての昇降自在な出庫用チェーンコンベア8bとが設けられ、入庫物品2を入庫用ローラコンベア7aに受け渡し、かつ、出庫用ローラコンベア7bで搬送されてきた出庫物品2を搬出する入出庫用ローラコンベア7cが収納棚1の一端側に沿って設けられている。
【0013】前記スタッカークレーン5は、クレーン走行通路5aに敷設した単一のクレーン走行レール5bに沿って自動走行する走行台車5cに、その走行台車5cの走行駆動装置5dと、昇降台4の昇降を案内する前後一対の支柱5eと、昇降台4の昇降駆動装置5fと、クレーン走行通路5aを挟んで隣合う収納棚1どうしを連結する連結フレーム1dに固定したガイドレール5gを支柱上部で挟み込んでそのスタッカークレーン5の倒れを阻止する走行ガイド5hと、クレーン走行通路5aに敷設した給電トローリ5jから集電する図外の集電装置と、走行駆動装置5dと昇降駆動装置5fと搬送台車5cの作動を制御する図外の制御装置とを設けて構成されている。
【0014】前記昇降台4には、図5,図6に示すように、搬送台車3の走行フレーム4aと、搬送台車3が走行してくる方向に応じてそのオーバーランを防止するための可動式のストッパー4bと、パレット2aに載せた物品2を搬送台車3と入庫用チェーンコンベア8a又は出庫用チェーンコンベア8bとに亘って移載する移載手段としての移載用チェーンコンベア4cと、搬送台車3に入出庫用の制御データを入力する光伝送装置4dと、搬送台車3側に設けた受電端子10aに接続される給電端子9aを備えた充電手段としての充電ユニット9とが設けられ、充電ユニット9には集電装置からの電力ケーブル9bが接続されている。」
ウ 「【0018】前記搬送台車3には、図9,図10に示すように、左右各4輪の走行車輪3aと、それらの走行車輪3aをチェーン駆動する減速機付走行用電動モータ3bと、走行フレーム4a,6の内側面4f,6cとの接触で転動してその走行方向を規制するガイドローラ3cと、物品2をパレット2aごとを昇降自在に載置支持する四つの載置面3dを備えた載置台3eと、その載置台3eを駆動昇降させる電動式アクチュエータとしての減速機付昇降用電動モータ3fと、走行用電動モータ3b及び昇降用電動モータ3fに駆動用の電力を給電する二次電池3gと、その二次電池3gに充電するための電力を受け取る受電端子10aを備えた受電コネクタ10と、搬送台車3の停止位置を検出するためのフォトセンサ3nとが設けられている。」
エ 「【0020】つぎに、物品2の入出庫動作を説明する。入庫動作はスタッカークレーン5がクレーン走行通路5aの待機位置に待機している状態で開始され、所定高さで停止している昇降台4には載置台3eを下降させた搬送台車3が載せられており、その搬送台車3の受電端子10aは充電ユニット9の給電端子9aに接続されていて、二次電池3gに対する充電が行われている。
【0021】そして、入庫用ローラコンベア7aで運ばれてきた入庫物品2は、入庫用チェーンコンベア8aの上昇移動でパレット2aごと持ち上げられて、その入庫用チェーンコンベア8aと移載用チェーンコンベア4cの駆動で昇降台4側に載せ代えられ、スタッカークレーン5は昇降台4を必要に応じて昇降させながらクレーン走行通路5aを走行して、所定の収納部1aの入口側にその昇降台4を停止させる。
【0022】次に、搬送台車3はその載置台3eを上昇移動させて物品2をパレット2aごと受け取り、揺動アーム9eの駆動揺動で給電端子9aが搬送台車3の受電端子10aから外れると、搬送台車3はその載置台3eで物品2をパレット2aごと持ち上げた状態で収納部1aの走行路1bを走行して所定の収納位置に停止し、載置台3eを下降移動させて物品2をパレット2aごと荷載置面6bに載置したあと、載置台3eを下降させた状態で走行路1bを逆方向に走行してスタッカークレーン5の昇降台4に乗り移り、フォトセンサ3nが所定の停止位置を検出すると停止する。
【0023】昇降台4に乗り移った搬送台車3が停止すると、揺動アーム9eを駆動揺動させて給電端子9aが搬送台車3の受電端子10aに接続され、二次電池3gに対する充電が開始されるとともに、スタッカークレーン5は昇降台4を必要に応じて昇降させながらクレーン走行通路5aを走行して待機位置に戻り、昇降台4を所定の高さに停止させて次の入庫動作又は出庫動作を開始するまで待機する。
【0024】出庫動作は、図示しないコントローラからスタッカークレーン5に出庫指令が入力されると開始され、スタッカークレーン5は昇降台4を必要に応じて昇降させながらクレーン走行通路5aを走行して、所定の収納部1aの入口側にその昇降台4を停止させ、揺動アーム9eを駆動揺動させて給電端子9aを搬送台車3の受電端子10aから外す。
【0025】次に、搬送台車3はその載置台3eを下降させた状態で収納部1aの走行路1bを走行して、出庫するべき物品2を載せているパレット2aの下側に入り込み、載置台3eを上昇移動させて物品2をパレット2aごとその載置台3eに受け取ったあと、載置台3eを上昇させた状態で走行路1bを逆方向に走行してスタッカークレーン5の昇降台4に乗り移り、フォトセンサ3nが所定の停止位置を検出すると停止する。」
オ 「【0027】 〔その他の実施形態〕
1.搬送台車は、物品をその車体の下側に把持して、所定の収納部に対して搬出入するように構成されていても良い。
2.給電端子と受電端子との接触によらず、移動台車側に備えた給電用コイルと搬送台車側に備えた受電用コイルとで非接触で充電する電磁誘導式の充電手段を設けても良い。
3.搬送台車を載せて昇降させる昇降台とは別に、充電手段を昇降台の昇降経路に沿って昇降させる昇降手段を移動台車に設けて、その充電手段を昇降台の昇降に追従させて昇降させることで、搬送台車が昇降中においても充電できるように構成しても良い。
4.移動台車における一定の固定位置から給電用ケーブルを延出し、昇降台に載せた搬送台車にその給電用ケーブルを接続して、その搬送台車の二次電池を充電する充電手段が設けられていても良い。
5.搬送台車を載せた昇降台を一定位置に停止させた状態で、その搬送台車の二次電池を充電する充電手段が設けられていても良い。
6.搬送台車は、ケースに入れた物品をケースごと収納部に搬出入するものであっても、或いは、物品を直に収納部に搬出入するものであっても良い。」
3.当審の判断
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と引用発明とを対比する。
引用発明の「商品/物品308」は、本件発明1の「荷」に相当し、引用発明の「ラック300」は、本件発明1の「棚」に相当する。
引用発明の「供給及び送出コンベヤのシステム316」は、「ラック300」に対して「商品/物品308」を「供給及び送出」するものであるから、本件発明1の「入庫部および出庫部からなる入出庫部」に相当する。
引用発明の「ラック300と供給及び送出コンベヤのシステム316との間で商品/物品308を移動させる」ことは、本件発明1の「前記棚と前記入出庫部との間で荷を移動させる」ことに相当するから、引用発明の「二重シャトル100及びリフト302」は、本件発明1の「搬送機構」に相当する。
引用発明の「列カート104」は、本件発明1の「第1台車」に相当し、引用発明の「列カート104」の「バッテリであるエネルギー蓄積装置204」は、本件発明1の「第1台車」に備えられた「電池」に相当し、引用発明の「列カート104」が「バッテリであるエネルギー蓄積装置204を介して駆動することができる」ことは、本件発明1の「第1台車」が「前記電池の電力によって移動する」ことに相当する。
引用発明の「通路カート102」は、本件発明1の「第2台車」に相当し、引用発明の「通路カート102」が「列カート104を入れ子にして移動する」ことは、「通路カート102」に「列カート104が乗」ることで「通路カート102」が「列カート104を入れ子にし」ているものであるから、本件発明1の「前記第1台車を搭載して移動する」ことに相当する。
引用発明の「層314」は、「ラック300」に含まれるものであるから、本件発明1の「保管ステージ」に相当し、引用発明の「ラック300」が「層314を多数含」むことは、本件発明1の「棚」が「複数段の保管ステージを備え」ることに相当する。
引用発明の「層314」における「第1の方向」及び「第1の方向と交差する第2の方向」は、それぞれ、本件発明1の「保管ステージ」における「第1方向」及び「第1方向と交差する第2方向」に相当し、引用発明の「所望の場所に物品が置かれる列332」は、「物品」が「所望の場所」に置かれることで、「物品」が保管されるといえるから、本件発明1の「保管行」に相当し、引用発明の「列332」が「第1の方向に延在する」ことは、本件発明1の「保管行」が「第1方向に延在する」ことに相当し、引用発明の「列332」が「第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数配置されて構成されて」いることは、本件発明1の「保管行」が「第1方向と交差する第2方向に沿って複数配置されることで構成されて」いることに相当する。
引用発明の「二重シャトル100」は、「通路カート102」と「列カート104」とを有するものであるから、引用発明の「各層314に、二重シャトル100が配置されて」いることは、本件発明1の「前記各段の保管ステージに、前記第1台車および前記第2台車が配置されて」いることに相当する。
引用発明の「列332の軌道を形成する第2の水平要素56」は、本件発明1の「前記保管行に対応する第1の移動路」に相当するから、引用発明の「列カート104」が「列332の軌道を形成する第2の水平要素56」を「走行」することは、本件発明1の「前記第1台車」が「前記保管行に対応する第1の移動路」を「移動」することに相当する。
引用発明の「第2の方向に延在する通路303」は、本件発明1の「第2方向に沿った方向に延在する第2移動路」に相当するから、引用発明の「通路カート102」が「列カート104を入れ子にして」「第2の方向に延在する通路303を移動」することは、本件発明1の「前記第2台車」が「前記第1台車を搭載して」「前記第2方向に沿った方向に延在する第2移動路を移動」することに相当する。
引用発明の「通路カート102」に「常時電力を供給する」「通電レール」は、本件発明1の「前記各段の第2台車」に「常時給電可能な」「給電部」に相当し、引用発明の「通電レール」が「通路303に沿って追加され」ることは、本件発明1の「給電部」が「前記各段の前記第2移動路に沿って延在して」いることに相当する。
引用発明の「通路カート102の上面にある接点420は、列カート104の電気コネクタ部430にある2つのプレート426、428に接触するための2つのバネ式要素422、424を備え、列カート104上の蓄電素子(バッテリ及び/又はコンデンサ)は、列カート104が通路カート102上に位置するときはいつでも、要素422、424とプレート426、428との接触を介して充電することができ」ることは、通路カート102の上面にある接点420の2つのバネ式要素422、424が列カート104の電気コネクタ部430にある2つのプレート426、428に接触することで、通路カート102から供給される電力により、列カート104上の蓄電素子(バッテリ及び/又はコンデンサ)が充電されることを意味するから、「前記各段の第1台車の前記電池は、前記第2台車から供給される電力により充電される」ことの限りにおいて、本件発明1の「前記各段の第1台車の前記電池は、前記第1台車が前記第2台車の上で停止し、且つ、前記第2台車が移動している間、前記第2台車から供給される電力により充電され」ることと一致する。
以上のとおりであるから、本件発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりとなる。
【一致点1】
「荷を保管する棚と、
入庫部および出庫部からなる入出庫部と、
前記棚と前記入出庫部との間で荷を移動させる搬送機構と、を備え、
前記搬送機構は、
電池を備え、前記電池の電力によって移動する第1台車と、
前記第1台車を搭載して移動する第2台車と、
前記第2台車とは別に設けられ、荷を昇降可能な昇降機構と、
を有し、
前記棚は、複数段の保管ステージを備え、
前記各段の保管ステージは、第1方向に延在する保管行が第1方向と交差する第2方向に沿って複数配置されることで構成されており、
前記各段の保管ステージに、前記第1台車および前記第2台車が配置されており、
前記第1台車は、前記保管行に対応する第1の移動路を移動し、
前記第2台車は、前記第1台車を搭載して前記第2方向に沿った方向に延在する第2移動路を移動し、
前記各段の第2台車に常時給電可能な給電部が、前記各段の前記第2移動路に沿って延在しており、
前記各段の第1台車の前記電池は、前記第2台車から供給される電力により充電される自動倉庫システム。」
【相違点1】
「前記各段の第1台車の前記電池は、前記第2台車から供給される電力により充電される」点に関し、本件発明1では、(ア)「前記第1台車が前記第2台車の上で停止し、且つ、前記第2台車が移動している間」であって、(イ)「前記電池は、前記第2台車が移動を停止する前に充電が停止される」のに対し、引用発明では、「列カート104上の蓄電素子(バッテリ及び/又はコンデンサ)は、列カート104が通路カート102上に位置するときはいつでも」充電することができる点。
イ 判断
(ア)第2台車から供給される電力により充電される点について
引用発明は、「列カート104上の蓄電素子(バッテリ及び/又はコンデンサ)」が「通路カート102上に位置するとき」は「いつでも」充電することができるのであるから、「列カート104」が「通路カート102」の上で停止し、且つ、「通路カート102」が移動している間にも「蓄電素子(バッテリ及び/又はコンデンサ)」を充電することができることは、明らかなことといえる。
してみれば、引用発明の「列カート104上の蓄電素子(バッテリ及び/又はコンデンサ)は、列カート104が通路カート102上に位置するときはいつでも」充電することができることは、本件発明1の「前記第1台車が前記第2台車の上で停止し、且つ、前記第2台車が移動している間」に充電されることに相当するといえるから、上記相違点1のうち、上記(ア)については実質的に相違点ではない。
(イ)第1台車の電池は、第2台車が移動を停止する前に充電が停止される点について
引用文献2の段落【0022】~【0025】には、昇降台4に乗り移った搬送台車3が停止すると、搬送台車3の二次電池3gに対する充電が開始されるとともに、スタッカークレーン5はクレーン走行通路5aを走行して待機位置に戻り、出庫動作が開始されると、スタッカークレーン5はクレーン走行通路5aを走行して、所定の収納部1aの入口側にその昇降台4を停止させ、揺動アーム9eを駆動揺動させて給電端子9aを搬送台車3の受電端子10aから外し、搬送台車3を収納部1aの走行路1bに走行させることが記載されている。
ここで、給電端子9aを搬送台車3の受電端子10aから外すことは、搬送台車3の二次電池3gへの充電を終了することを意味することは、明らかであるから、引用文献2には、搬送台車3を乗せた昇降台4が停止すると、即座に、搬送台車3の受電端子10aから給電端子9aを外し充電を終了すること(以下、「引用文献2に記載された事項」という。)が記載されているといえるが、搬送台車3を乗せた昇降台4が停止をする前に、充電を停止することは記載も示唆もされていない。
したがって、引用発明に引用文献2に記載された事項を適用しても、相違点1に係る本件発明1の「前記電池は、前記第2台車が移動を停止する前に充電が停止される」構成とはならない。
そして、本件発明1は、上記相違点1に係る本件発明1の構成によって、「台車への効率的な電力供給を可能とする自動倉庫システムを提供する」(本件特許明細書の段落【0006】)という効果を奏するものである。
よって、本件発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2~5について
本件発明2~5は、本件発明1の発明特定事項を全て含む発明であるから、引用発明と対比すると、両者の間には少なくとも上記(1)アで挙げた相違点1が存在することとなり、上記(1)イと同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではい。
第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由、及び、意見書における申立人の意見について
1.特許法第29条第1項第3号について
申立人は、特許異議申立書において、本件特許の請求項1、2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一であり、特許法第29条第1項3号の規定に違反して特許されたものである旨主張しているが、上述のとおり、請求項1、2は訂正され、訂正後の請求項1、2に係る発明(本件発明1、2)は、上記第4の3.(1)アで挙げた相違点1で、甲第1号所に記載された発明(引用発明)と相違するので、係る主張は採用できない。
2.特許法第29条第2項について
申立人は、特許異議申立書及び令和4年7月15日の意見書において、上記第4の3.(1)アで挙げた相違点1に係る本件発明1の構成について、甲第2号証(国際公開第2016/167712号、翻訳文として添付された参考資料1:特表2018-516521号公報を参照。)を提出し、以下のとおり主張する。
・特許異議申立書における主張
第2号証の段落0022(参考資料1の段落0023)には、「本発明の場合、シャトル110を運ぶときに、転送カート150が第1の貯蔵通路のフロントエンドから第2の貯蔵通路111のフロントエンドまで輸送通路に沿って移動するために取る時間の間、第2のコンデンサバンク156から第1のコンデンサバンク132の完全なまたはほぼ完全な再充電を許容するくらい速い。」との記載がある。すなわち、甲第2号証には、転送カートの停止前にシャトルの充電を停止することの示唆がある。構成要件Iについての示唆は、甲第2号証の段落0026-0027(参考資料1の段落0027-0028)、図2a、図2bにもある。これらの示唆は、構成要件Iを備えた本件特許発明3が、甲1発明と甲2発明とに基づいて容易に想到できたことを裏付ける証拠となる。(第52頁第1~10行)
・意見書における主張
訂正により請求項1に追加された構成要件Mを含む、訂正前の請求項3の構成要件は、・・・(中略)・・・甲第2号証に示唆されている。具体的には、甲第2号証の段落0026-0027(特許異議申立書に添付した参考資料1の段落0027-0028)、及び、図2aには、商品輸送サイクルの典型的シナリオについて記載されており、このシナリオでは、シャトルのコンデンサバンクが完全に充電された後の時点(図2aにおいて“214”で示される時点)で、シャトルが、出るように命じられて、貯蔵通路の特定の位置まで加速及び移動している。そして、甲第2号証の段落0009(参考資料1の段落0009)に記載されているように、甲第2号証に記載されている発明では、転送カートが目的の貯蔵通路のフロントエンドに到達したときに、シャトルが、解放されて、貯蔵通路の適切な位置まで駆動きれるように構成されている。そのため、上記の“214”で示される時点は、転送カートが目的の貯蔵通路のフロントエンドに到達した時点と解することができ、上記のシナリオでは、転送カートの停止前にシャトルの充電が停止されているといえる。
このように、甲第2号証には、本件発明1の構成要件Mに関して、転送カートの停止前にシャトルの充電を停止することが記載されている。また、第2号証に記載の上記のシナリオでは、転送カートの停止前にシャトルが完全に充電される場合を想定しているが、シャトルが完全に充電される前に転送カートが目的の貯蔵通路のフロントエンドに到達した場合に、転送カートが移動を停止すると同時に充電が停止されてシャトルが転送カートから出る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。また、そのような構成は、引用文献2にも開示され、或いは開示されているに等しい。
そして、・・・(中略)・・・引用発明に甲第2号証に記載の事項を適用する動機付けや、引用発明に引用文献2に記載の事項を適用する動機付けはあるといえる。従って、本件発明1は、引用発明及び甲第2号証に記載された事項に基づいて、または、引用発明、甲第2号証に記載された事項、及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである(第4頁第19行~第5頁第19行)。
しかしながら、甲第2号証の段落【0022】の記載は、転送カート150の第2のコンデンサバンク156からシャトル110の第1のコンデンサバンク132への充電プロセスが非常に速く、シャトル110を載せた転送カート150が第1の貯蔵通路のフロントエンドから第2の貯蔵通路111のフロントエンドまで移動するまでの間に、充電完了またはほぼ充電完了の状態となること、すなわち、第1の貯蔵通路と第2の貯蔵通路との間の距離によっては、転送カート150の第2のコンデンサバンク156からシャトル110の第1のコンデンサバンク132への充電が完了またはほぼ完了することを示すものであり、転送カート150が移動を停止する前に第1のコンデンサバンク132への充電を停止することを示唆するものではない。
甲第2号証の段落【0026】~【0027】の記載についても同様である。
よって、申立人の上記主張は採用できない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1~5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-700761