審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2024-700980

物品収容設備、物品収容方法、及び物品収容プログラム

審判番号
2024-700980
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-148606
登録番号
7464025
請求日
2024年10月08日
審決日
2025年10月31日
公報発行日
2026年02月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社ダイフク
  • 【権利者代理人】弁理士法人R&C
  • 【異議申立人】齊藤 恵美子
審判長/審判官
  • 審判長 中屋 裕一郎
  • 審判官 伊藤 紀史
  • 審判官 小川 恭司
分類
P1652.113-YAA(B65G) / P1652.121-YAA(B65G) / P1652.851-YAA(B65G) / P1652.853-YAA(B65G) / P1652.856-YAA(B65G) / P1652.857-YAA(B65G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7464025号発明「物品収容設備、物品収容方法、及び物品収容プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7464025号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕、8、9、10、11について訂正することを認める。 特許第7464025号の請求項1、4、6~8、10~11に係る特許を維持する。 特許第7464025号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯の概略 特許第7464025号の請求項1~11に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和3年9月13日の出願であり、手続の経緯は、概ね、次のとおりである。 令和 6年 4月 1日 特許権の設定登録 令和 6年 4月 9日 特許掲載公報 令和 6年10月 8日 特許異議申立人齊藤恵美子(以下「申立人」という。)による請求項1~2、4、6~8、10~11に係る特許に対する特許異議の申立て 令和 7年 1月17日付け 取消理由通知書 令和 7年 3月24日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和 7年 5月21日 申立人による意見書の提出 令和 7年 8月 6日付け 訂正拒絶理由通知書 令和 7年 9月10日 特許権者による手続補正書及び意見書の提出 以下、令和7年3月24日に提出された訂正請求書に係る訂正を「本件訂正」という。 第2 本件訂正の適否 1 令和7年9月10日に提出された手続補正書による手続補正について 上記手続補正は、令和7年3月24日に提出された訂正請求書における訂正事項2(請求項2に係る訂正事項)を当該請求項2の削除という訂正事項に変更する補正、それに整合させるために請求項6及び請求項7において請求項2を引用しないものとする訂正事項6及び訂正事項7を追加する補正、補正前の訂正事項6~訂正事項7を訂正事項8~訂正事項9に繰り下げる補正、及び、訂正事項4-2を削除して訂正事項4-1を訂正事項4とする補正であるから、上記手続補正は、訂正請求書の要旨を変更するものではない。 したがって、上記手続補正は、特許法120条の5第9項において準用する同法131条の2第1項の規定に適合するものであるから、上記手続補正を認める。 2 本件訂正の内容 本件訂正の請求は、特許第7464025号の特許請求の範囲を、令和7年9月10日に提出された手続補正書によって補正された訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~11について訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。 (訂正事項1) 特許請求の範囲の請求項1に「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。」と記載されているのを、「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、前記制御システムは、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項6、7も同様に訂正する)。 (訂正事項2) 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (訂正事項3) 特許請求の範囲の請求項3に「前記通常収容位置に前記高頻度物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第2状態収容部とし、前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、前記制御システムは、前記対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部がない場合であって前記第2状態収容部がある場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第1状態収容部及び前記第2状態収容部がない場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項2に記載の物品収容設備。」と記載されているのを、「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常収容位置に前記高頻度物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第2状態収容部とし、前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、前記制御システムは、前記対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部がない場合であって前記第2状態収容部がある場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第1状態収容部及び前記第2状態収容部がない場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。」に訂正する(請求項3の記載を引用する請求項6、7も同様に訂正する)。 (訂正事項4) 特許請求の範囲の請求項4に「前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品収容設備。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、前記制御システムは、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項6、7も同様に訂正する)。 (訂正事項5) 特許請求の範囲の請求項5に「前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部とし、前記通常収容位置に前記高頻度物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第2状態収容部として、前記制御システムは、前記対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がない場合であって前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第3状態収容部及び前記第1状態収容部がない場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項4に記載の物品収容設備。」と記載されているのを、「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部とし、前記通常収容位置に前記高頻度物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第2状態収容部として、前記制御システムは、前記対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がない場合であって前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第3状態収容部及び前記第1状態収容部がない場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項6、7も同様に訂正する)。 (訂正事項6) 特許請求の範囲の請求項6に「前記収容棚に収容する前記物品が搬入されると共に前記収容棚から取り出された前記物品が搬出される入出庫部を更に備え、前記制御システムは、前記高頻度物品を前記収容棚に収容する場合であって前記高頻度物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、それらのうち前記入出庫部に最も近い前記収容部に優先的に前記高頻度物品を収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常物品を前記収容棚に収容する場合であって前記通常物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、それらのうち前記入出庫部から最も遠い前記収容部に優先的に前記通常物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品収容設備。」と記載されているのを、「前記収容棚に収容する前記物品が搬入されると共に前記収容棚から取り出された前記物品が搬出される入出庫部を更に備え、前記制御システムは、前記高頻度物品を前記収容棚に収容する場合であって前記高頻度物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、それらのうち前記入出庫部に最も近い前記収容部に優先的に前記高頻度物品を収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常物品を前記収容棚に収容する場合であって前記通常物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、それらのうち前記入出庫部から最も遠い前記収容部に優先的に前記通常物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1、3から5のいずれか一項に記載の物品収容設備。」に訂正する。 (訂正事項7) 特許請求の範囲の請求項7に「前記収容棚から取り出す前記物品を出庫物品とし、前記出庫物品が収容されている前記収容部における前記出庫物品よりも前記棚正面側に収容された前記物品を移動物品として、前記制御システムは、前記移動物品を別の前記収容部に移動させる荷繰り処理を行う場合に、前記移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1から6のいずれか一項に記載の物品収容設備。」と記載されているのを、「前記収容棚から取り出す前記物品を出庫物品とし、前記出庫物品が収容されている前記収容部における前記出庫物品よりも前記棚正面側に収容された前記物品を移動物品として、前記制御システムは、前記移動物品を別の前記収容部に移動させる荷繰り処理を行う場合に、前記移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1、3から6のいずれか一項に記載の物品収容設備。」に訂正する。 (訂正事項8) 特許請求の範囲の請求項8に「前記制御システムは、前記荷繰り処理を行う場合であって前記移動物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、前記移動物品が収容されている前記収容部からの前記搬送装置による搬送距離が最も短い前記収容部に優先的に前記移動物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項7に記載の物品収容設備。」と記載されているのを、「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、前記収容棚から取り出す前記物品を出庫物品とし、前記出庫物品が収容されている前記収容部における前記出庫物品よりも前記棚正面側に収容された前記物品を移動物品として、前記制御システムは、前記移動物品を別の前記収容部に移動させる荷繰り処理を行う場合に、前記移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、前記制御システムは、前記荷繰り処理を行う場合であって前記移動物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、前記移動物品が収容されている前記収容部からの前記搬送装置による搬送距離が最も短い前記収容部に優先的に前記移動物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。」に訂正する。 (訂正事項9) 特許請求の範囲の請求項9に「前記通常物品には、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満であって規定の低頻度しきい値以上である中頻度物品と、前記出庫頻度が前記低頻度しきい値未満である低頻度物品とが含まれ、前記収容部は、前記棚奥行方向に3つ以上の前記物品を並べて収容可能に構成され、1つの前記収容部において、前記第1収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第2収容位置とし、前記第2収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第3収容位置として、前記制御システムは、前記中頻度物品を優先的に前記第2収容位置に収容し、前記低頻度物品を優先的に前記第3収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載の物品収容設備。」と記載されているのを、「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常物品には、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満であって規定の低頻度しきい値以上である中頻度物品と、前記出庫頻度が前記低頻度しきい値未満である低頻度物品とが含まれ、前記収容部は、前記棚奥行方向に3つ以上の前記物品を並べて収容可能に構成され、1つの前記収容部において、前記第1収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第2収容位置とし、前記第2収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第3収容位置として、前記制御システムは、前記中頻度物品を優先的に前記第2収容位置に収容し、前記低頻度物品を優先的に前記第3収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。」に訂正する。 (訂正事項10) 特許請求の範囲の請求項10に「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備において、前記制御システムによって実行される物品収容方法であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けられた情報に基づいて、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容方法。」と記載されているのを、「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備において、前記制御システムによって実行される物品収容方法であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けられた情報に基づいて、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容方法。」に訂正する。 (訂正事項11) 特許請求の範囲の請求項11に「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備を制御するための物品収容プログラムであって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けられた情報に基づいて、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する機能を、前記制御システムのコンピュータに実現させるための、物品収容プログラム。」と記載されているのを、「複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備を制御するための物品収容プログラムであって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けられた情報に基づいて、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置とし、前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する機能と、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する機能と、を、前記制御システムのコンピュータに実現させるための、物品収容プログラム。」に訂正する。 3 本件訂正の適否について (1)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正事項1に係る本件訂正は、請求項1に係る発明における搬送装置の制御について、「前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、前記制御システムは、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」ことでさらに特定するものである。 よって、訂正事項1に係る本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か 訂正事項1に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項1における搬送装置の制御について、概念的により下位のものに限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項の追加の有無 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)には、特許明細書の【0040】には「ここで、図3~図11に示すように、通常収容位置PNに通常物品WNが収容されており、且つ、第1収容位置P1に物品Wが収容されていない収容部20を第1状態収容部21とする。」と記載され、【0043】には「制御システム30は、対象物品(収容棚1に収容する物品W、以下同様)が高頻度物品WHである場合に(ステップ#01:Yes)、第1状態収容部21がある場合には(ステップ#02:Yes)、第1状態収容部21の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する(ステップ#03)。」と記載され、【0049】には「ところで、高頻度物品WHを収容棚1に収容する場合に、高頻度物品WHを収容可能な収容部20が複数ある場合がある。」と記載されている。また、【0013】に「【図3】入庫処理の一局面を示す図」と記載され、【0028】には、「入出庫部3には、収容棚1に収容する物品Wが入庫ライン等から搬入される。」と記載され、【0032】には「第4コンベヤ44は、入出庫部3において入庫部(具体的には、入庫用コンベヤ)として用いられている。」と記載され、【0038】には、「ピッキング作業が行われた後の物品Wは、例えば、収容棚1に再入庫される。」と記載されている。これらの記載から、本件特許明細書等には、「前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、前記制御システムは、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」ことが記載されていると認められる。 そうすると、訂正事項1に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (2)訂正事項2について 訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的 本件訂正前の請求項3は請求項2のみを引用し、請求項2は請求項1を引用していたところ、訂正事項3に係る訂正は、請求項3について請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であるから、訂正事項3は、他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か、及び、新規事項の追加の有無 訂正事項3に係る本件訂正は、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であって、実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的について 訂正事項4に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項4は請求項1~3のいずれか1項を引用していたところ、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるとともに、請求項4に係る発明における搬送装置の制御について、「入庫処理によって」前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、「複数の前記収容部の中に」前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御することでさらに特定するものである。 よって、訂正事項4に係る本件訂正は、特許請求の範囲の減縮、及び、他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か 訂正事項4に係る本件訂正は、他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとするとともに、本件訂正前の請求項4における搬送装置の制御について、概念的により下位のものに限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項の追加の有無 本件特許明細書等には、上記(1)ウに加えて、特許明細書の【0049】には「また、通常物品WNを収容棚1に収容する場合に、通常物品WNを収容可能な収容部20が複数ある場合がある。」と記載されている。これらの記載から、本件特許明細書等には、「入庫処理によって」前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、「複数の前記収容部の中に」前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御することが記載されていると認められる。 そうすると、訂正事項4に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的 本件訂正前の請求項5は直接または間接的に引用する請求項の組み合わせが複数含まれるところ、訂正事項5に係る本件訂正は、引用する請求項の数を減少させて請求項1を引用する請求項4を引用するもののみに限定するとともに、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であるから、訂正事項5は、特許請求の範囲の減縮、及び、他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か、及び、新規事項の追加の有無 訂正事項5に係る本件訂正は、特許請求の範囲を減縮するとともに、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であって、実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 ウ 独立特許要件 訂正事項5は、特許異議の申立てがされていない本件訂正前の請求項5について、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を含むものである。 そこで、独立特許要件について検討する。 訂正後の請求項5に係る発明は「前記制御システムは、前記対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がない場合であって前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第3状態収容部及び前記第1状態収容部がない場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」との構成を有するが、申立人が提示した甲1~甲4にいずれにも、第1状態収容部~第3状態収容部を識別し、それらの状態に優先順位をつけて対象物品を収容する制御をすることは記載も示唆もされておらず、また、当該構成が一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、訂正後の請求項5に係る発明は、甲1~甲4に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 また、他に独立特許要件を満たさない理由も発見しない。 よって、訂正後の請求項5に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。 (6)訂正事項6について 訂正事項6に係る訂正は、訂正前の請求項6が請求項1~5を引用していたところ、訂正事項2に係る訂正で請求項2が削除されて請求項2を引用できなくなったことに伴い、請求項6において引用する請求項から請求項2を削除するものであるから、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 また、訂正事項6に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (7)訂正事項7について 訂正事項7に係る訂正は、訂正前の請求項7が請求項1~6を引用していたところ、訂正事項2に係る訂正で請求項2が削除されて請求項2を引用できなくなったことに伴い、請求項7において引用する請求項から請求項2を削除するものであるから、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 また、訂正事項7に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (8)訂正事項8について ア 訂正の目的 本件訂正前の請求項8は直接または間接的に引用する請求項の組み合わせが複数含まれるところ、訂正事項8に係る本件訂正は、引用する請求項の数を減少させて請求項1を引用する請求項7を引用するもののみに限定するとともに、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であるから、訂正事項8は、特許請求の範囲の減縮、及び、他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か、及び、新規事項の追加の有無 訂正事項8に係る本件訂正は、特許請求の範囲を減縮するとともに、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であって、実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (9)訂正事項9について ア 訂正の目的 訂正事項9に係る訂正は、訂正前の請求項9が請求項1~8を引用していたところ、引用する請求項の数を減少させて請求項1を引用するもののみに限定するとともに、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であるから、訂正事項9は、特許請求の範囲の減縮、及び、他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か、及び、新規事項の追加の有無 訂正事項9に係る本件訂正は、特許請求の範囲を減縮するとともに、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であって、実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 ウ 独立特許要件 訂正事項9は、特許異議の申立てがされていない本件訂正前の請求項9について、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を含むものである。 そこで、独立特許要件について検討する。 訂正後の請求項9に係る発明は「前記通常物品には、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満であって規定の低頻度しきい値以上である中頻度物品と、前記出庫頻度が前記低頻度しきい値未満である低頻度物品とが含まれ、 前記収容部は、前記棚奥行方向に3つ以上の前記物品を並べて収容可能に構成され、 1つの前記収容部において、前記第1収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第2収容位置とし、前記第2収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第3収容位置として、 前記制御システムは、前記中頻度物品を優先的に前記第2収容位置に収容し、前記低頻度物品を優先的に前記第3収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する」との構成を有するが、申立人が提示した甲1~甲4にいずれにも、上記構成は記載も示唆もされておらず、また、当該構成が一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、訂正後の請求項9に係る発明は、甲1~甲4に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 また、他に独立特許要件を満たさない理由も発見しない。 よって、訂正後の請求項9に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。 (10)訂正事項10について ア 訂正の目的について 訂正事項10に係る本件訂正は、請求項10に係る発明における搬送装置の制御について、「前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」ことでさらに特定するものである。 よって、訂正事項10に係る本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か 訂正事項10に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項10における搬送装置の制御について、概念的により下位のものに限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項の追加の有無 上記(1)ウと同様の理由により、訂正事項10に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (11)訂正事項11について ア 訂正の目的について 訂正事項11に係る本件訂正は、請求項11に係る発明における搬送装置の制御する機能について、「前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として」、「入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する機能と」を実現させることでさらに特定するものである。 よって、訂正事項11に係る本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものか否か 訂正事項11に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項11における搬送装置の制御について、概念的により下位のものに限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項の追加の有無 上記(1)ウと同様の理由により、訂正事項11に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (4)一群の請求項について 訂正前の請求項2~9は、請求項1を直接的又は間接的に引用するものであって、請求項1の訂正に伴って訂正されるものである。従って、訂正前の請求項1~9に対応する訂正後の請求項1~9は一群の請求項である。そして、本件訂正は、請求項1~11について訂正することを求めるものであるから、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に対してされたものである。 (5)まとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであって、同条第9項において準用する同法第126条第5項~第7項の規定に適合する。 また、訂正後の請求項8、9については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することの求めがされている。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕、8、9、10、11について訂正することを認める。 第3 本件発明 前記第2のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~11に係る発明(以下「本件発明1」などという。)は、特許請求の範囲の請求項1~11に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 【請求項1】 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、 前記制御システムは、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。 【請求項2】(削除) 【請求項3】 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、 前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御し、 前記通常収容位置に前記高頻度物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第2状態収容部とし、前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、 前記制御システムは、前記対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部がない場合であって前記第2状態収容部がある場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第1状態収容部及び前記第2状態収容部がない場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。 【請求項4】 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、 前記制御システムは、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。 【請求項5】 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、 前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御し、 前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部とし、前記通常収容位置に前記高頻度物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第2状態収容部として、 前記制御システムは、前記対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がない場合であって前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第3状態収容部及び前記第1状態収容部がない場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。 【請求項6】 前記収容棚に収容する前記物品が搬入されると共に前記収容棚から取り出された前記物品が搬出される入出庫部を更に備え、 前記制御システムは、前記高頻度物品を前記収容棚に収容する場合であって前記高頻度物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、それらのうち前記入出庫部に最も近い前記収容部に優先的に前記高頻度物品を収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常物品を前記収容棚に収容する場合であって前記通常物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、それらのうち前記入出庫部から最も遠い前記収容部に優先的に前記通常物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1、3から5のいずれか一項に記載の物品収容設備。 【請求項7】 前記収容棚から取り出す前記物品を出庫物品とし、前記出庫物品が収容されている前記収容部における前記出庫物品よりも前記棚正面側に収容された前記物品を移動物品として、 前記制御システムは、前記移動物品を別の前記収容部に移動させる荷繰り処理を行う場合に、前記移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1、3から6のいずれか一項に記載の物品収容設備。 【請求項8】 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記収容棚から取り出す前記物品を出庫物品とし、前記出庫物品が収容されている前記収容部における前記出庫物品よりも前記棚正面側に収容された前記物品を移動物品として、 前記制御システムは、前記移動物品を別の前記収容部に移動させる荷繰り処理を行う場合に、前記移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記制御システムは、前記荷繰り処理を行う場合であって前記移動物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、前記移動物品が収容されている前記収容部からの前記搬送装置による搬送距離が最も短い前記収容部に優先的に前記移動物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。 【請求項9】 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記通常物品には、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満であって規定の低頻度しきい値以上である中頻度物品と、前記出庫頻度が前記低頻度しきい値未満である低頻度物品とが含まれ、 前記収容部は、前記棚奥行方向に3つ以上の前記物品を並べて収容可能に構成され、 1つの前記収容部において、前記第1収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第2収容位置とし、前記第2収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第3収容位置として、 前記制御システムは、前記中頻度物品を優先的に前記第2収容位置に収容し、前記低頻度物品を優先的に前記第3収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。 【請求項10】 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備において、前記制御システムによって実行される物品収容方法であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けられた情報に基づいて、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、 入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容方法。 【請求項11】 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備を制御するための物品収容プログラムであって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けられた情報に基づいて、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置とし、前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、 前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する機能と、 入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する機能と、を、前記制御システムのコンピュータに実現させるための、物品収容プログラム。 第4 取消理由の概要 1 概要 本件訂正前の本件特許に対し通知した取消理由は、概ね、次のとおりである。 (1)請求項1、2、4、6、7、10、11に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証から甲第3号証のいずれかに記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、2、4、6、7、10、11に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 (2)請求項1、2、4、6、7、10、11に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証から甲第3号証に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、2、4、6、7、10、11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 2 申立人の証拠方法 申立人提出の証拠方法は以下のとおりである。 甲第1号証:特開平11-310311号公報 甲第2号証:特開2009-286617号公報 甲第3号証:特開2010-174504号公報 甲第4号証:特開平11-11611号公報 以下、証拠番号に従い「甲1」「甲2」などという。 第5 当審合議体の判断 1 各甲号証について (1)甲1について 甲1には特に次の記載がある。 ア 「【0003】 【発明が解決しようとする課題】したがって、従来のものでは、受付部への出庫実績がある出庫される可能性の高い容器が、出庫実績が無い出庫される可能性の低い容器よりも棚の奥側などのように、受付部への図書の搬出に時間がかかる収納位置に配置されることがあるので、必ずしも図書の貸出作業を効率よく行えるものではなかった。 【0004】そこで、本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、物品の貸出の作業効率を向上させることが可能となる物品保管管理システムを提供する点にある。」 イ 「【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、物品としての図書の貸出や返却を受け付ける受付部Kと、複数の図書を収納するための容器Yの複数を収納する棚Rと、図書のサイズおよび厚さを入力するための計測部としても機能する作業ステーションSと、受付部Kと棚Rとの間や、作業ステーションSと棚Rとの間で容器Yを搬送する搬送手段TPと、棚Rに収納される各図書の収納位置および各容器Yの図書の充填率を管理しながら、搬送手段TPの搬送作動を実行して、図書の貸出および返却を管理する管理手段P(図12参照)とが設けられて、物品としての図書を保管管理する図書保管管理システムが構成されている。」 ウ 「【0013】・・・なお、各容器Yには、各容器Yを識別するための容器ナンバーをバーコードとして表示するバーコード表示体BCが装着されている。ちなみに、このバーコード表示体BCには、容器ナンバーが数字にて目視可能に記載されている。 【0014】図1、図6および図8に示すように、前記棚Rは、大型容器YLを収納するための大型容器用の棚部RLと、小型容器YSを収納するための小型容器用の棚部RSとを備えている。大型容器用の棚部RLおよび小型容器用の棚部RSのそれぞれは、前記容器Yの収納部40を長手方向および上下方向に複数個備えるラック部分1Lおよび1Sを、棚奥行き方向に複数並べて備えている。そして、複数のラック部分1Lおよび1Sのうちの両端の間に位置するラック部分が、棚奥行き方向に駆動移動自在に構成され、隣接するラック部分1の間にスタッカクレーン2の移動通路Tが選択的に形成されるようになっている。また、スタッカクレーン2を載せて搬送するトラバーサ3が、棚Rの横幅方向一端部に沿って走行するように設けられ、このラック部分1Lおよび1Sの横幅方向一端側を容器Yの入出庫用の出入り部Eとして構成されている。そして、前記ラック部分1L,1Sの収納部40は、図11に示すように、左右一対の物品保持部40Aにて奥行き方向にひとつの容器Yを支持するように構成されている。」 エ 「【0016】前記搬送手段TPについて説明すると、前記建物の地下に設けた作業ステーションSに対応させて、図1および図6に示すように、コの字状の作業ステーション形成用のコンベヤ5が設置されて、スタッカークレーン2が、このコンベヤ5に対して容器Yの移載、つまり容器Yの搬出を行うようになっている。また、トラバーサ3には、それを作業用ステーションSに対応する位置に位置させたときに、作業ステーション形成用のコンベヤ5から搬出される容器Yを受け取る受け継ぎコンベヤ3Aが設けられ、スタッカークレーン2が、この受け継ぎコンベヤ3Aに対して容器Yの移載、つまり容器Yの搬入を行うようになっている。」 オ 「【0026】説明を加えると、このシステムコントローラP2には、サービスステーションT1に設置される第1設定器U1、リファレンスステーションT2に設置される第2設定器U2、前記作業ステーションSに設置される第3設定器U3、前記作業ステーションSに設置されて、図書のサイズおよび厚さを計測する計測手段として用いる計測器J、前記作業ステーションSの近くに設置されて、搬送手段TPの作動状況をモニタリングするために用いるモニタリング用端末U4、スタッカークレーン2やトラバーサ3を備えた移動棚として構成された棚Rの作動を管理する棚管理コントローラU5、および、搬送手段TPの作動を管理する搬送用コントローラU6が接続されている。なお、前記搬送用コントローラU6は、高速リフター6やコンベヤ類のそれぞれに対応して設置される多数のコントローラから構成されるものである。」 カ 「【0030】[通常入庫作業]・・・容器Yが到着すると、バーコードリーダCRを用いて容器Yのバーコード表示体BCを読み取るなどにより、容器Yの識別情報を入力する。そして、返却する図書のバーコード表示体BをバーコードリーダCRにて読み取って、その容器Yに図書を収納することを入力した後、図書を容器Yに収納する。その容器Yに収納可能な図書の全てを収納すると、完了を入力する。完了が入力されるに伴い、システムコントローラP2は、図書の収納が完了した容器Yを棚Rに搬入すべく、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになる。そして、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6が、指令された容器Yを棚Rに搬入するために作動して、対象とする容器Yが棚Rに搬入される。このとき、システムコントローラP2は、入庫が指令された図書が残存するか否かを判断して、残存する場合には、その残存する図書を収納する容器Yを上述と同様に検索することになる。その後の手順は、上記と同様である。」 キ 「【0033】[通常の出庫作業]通常の出庫作業は、上述した貸出要求書がサービスカウンターK1にて図書館員に渡されることによっておこなわれる。図書館員は、第1設定器U1にて「通常出庫」を設定した後、貸出要求書に記載された図書ナンバーを入力する。複数の図書がある場合には、全ての図書について図書ナンバーを入力することは勿論である。なお、例示はしないが、図書の識別情報が入力されるに伴って、その入力された図書の図書ナンバーおよび図書名、その図書を収納する容器を識別する容器ナンバーなどの容器Yの識別情報、並びに、図書のタイプが、第1設定器U1の表示画面に表示される。図書の識別情報の入力が完了すると、設定を入力する。」 ク 「【0052】[別実施形態](1)上記実施形態では、ラック部分1L,1Sの収納部40は、左右一対の容器支持部40Aにて奥行き方向にひとつの容器Yを支持するように構成されているが、ラック部分1L,1Sの収納部に、左右一対の物品保持部を奥行き方向に複数設け、奥行き方向に複数の容器Yを支持するように構成してもよい。例えば、図18に示すように、ラック部分1L,1Sの収納部41に、奥行き方向において手前側の物品保持部42Aと奥側の物品保持部42Bの2つ設けられ、奥行き方向に2つの容器Yを支持するようにしてもよい。 【0053】この別実施形態におけるそれぞれの作業について説明を加える。「通常入庫作業」では、システムコントローラP2が、設定された図書を収納可能な容器Yを検索し、検索した容器Yが奥側の物品保持部42Bに位置していると、その手前側の容器Yを予め設けた仮置き収納部に移動させた後、奥側の容器YをサービスステーションT1に搬出するようにしている。 【0054】つまり、サービスステーションT1、リファレンスステーションT2、および、作業ステーションSに容器Yを搬出する作業を行う場合には、システムコントローラP2の検索により搬出する容器Yが、奥側の物品保持部42Bに位置すると、手前側の物品保持部42Aの容器Yを予め設けた仮置き収納部に移動させた後、奥側の物品保持部42Bの容器Yを搬出するようにしている。 【0055】また、「リロケーション」の作業について詳述すると、システムコントローラP2は、記憶管理している通常入出庫作業を対象とした容器Yの出庫実績に基づいて、設定期間内において出庫実績の無い容器Yと、それが収納されている棚R内の位置とを検索する。そして、上記実施形態と同様に、出庫実績の無い容器Yが出庫実績のある容器Yよりも出入り部Eに対して奥側になるように配置替えするとともに、システムコントローラP2の検索により、出庫実績の無い容器Yが手前側の物品保持部42Aに位置し、かつ、その奥側の物品保持部42Bに出庫実績のある容器Yが位置していると、その出庫実績の無い容器Yを、棚R内に予め設けた仮置き収納部に移動させ、出庫実績のある容器Yも出庫実績の無い容器Yとは別の仮置き収納部に移動させる。そして、仮置き収納部の出庫実績の無い容器Yを元々収納されていた収納部41の奥側の物品保持部42Bに収納させ、仮置き収納部の出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yの手前側の物品保持部42Aに収納させる。 【0056】また、仮置き収納部の2つの容器保持部42A,42Bとも容器Yが収納されていないときには、出庫実績の無い容器Yを仮置き収納部の奥側の物品保持部42Bに収納させ、出庫実績のある容器Yを仮置き収納部の手前側の容器保持部42Aに収納させる。そして、容器Yが元々収納されていた収納部を仮置き収納部とする。以上の手順で、出庫実績の無い容器Yが出庫実績のある容器Yよりも出入り部Eに対して奥側になるように容器Yの配置替えが行われるとともに、出庫実績の無い容器Yが出庫実績のある容器Yよりも物品収納部41の奥側になるように容器Yの配置替えが行われることになる。 【0057】以上のように、ラック部分1L,1S内で、出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yよりも受付部Kへの物品の搬出が短時間で行える収納位置に配置替えされるが、ラック部分1L,1S内におけるものに限られるものではなく、例えば、棚Rが、図19に示すように、小型容器用の棚部RSが入出庫用の出入り部E側に、大型容器用の棚部RLが小型容器用の棚部RSよりも出入り部Eに対して奥側になるように構成されているものでは、出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yよりも入庫コンベヤ7および出庫コンベヤ8に近い側のラック部分1L,1Sに配置替えするようにしてもよい。つまり、「リロケーション」においては、出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yよりも受付部Kへの物品の搬出が短時間で行える収納位置に配置替えするものであればよい。」 ケ 「図6 [図:0001432047000001.jpg] 図18 [図:0001432047000002.jpg] 」 コ 図18から、棚Rは複数の収納部41を備えていることが看て取れる。 サ 【0014】及び【0016】の記載並びに図6から、スタッカクレーン2は移動通路Tに沿って容器Yを移載することが理解できる。 シ 【0052】の記載及び図18から、移動通路Tに直交する方向を奥行き方向とし、奥行き方向における移動通路Tの側を手前側とし、奥行き方向における手前側とは反対側を奥側として、収納部41は、奥行き方向に2つの容器Yを並べて収納可能に構成されていること、2つの前記容器Yをそれぞれ収容する手前側の物品保持部42Aと奥側の物品保持部42Bを有するよう構成されていることが理解できる。 ス 【0016】の記載及び図18の記載から、スタッカクレーン2は、棚Rに対して手前側から奥行き方向に容器Yを移動させて、収納部41からの容器Yの搬出及び収納部41への容器Yの収納を行うスタッカクレーン2の機能を備えていることが理解できる。 セ 【0033】及び【0055】の記載から、システムコントローラP2は、容器を識別する容器ナンバーなどの容器Yの識別情報と設定期間内における容器Yの出庫実績とが関連づけて記憶された記憶部を備えていると理解できる。 また、設定期間内における容器Yの出庫実績に基づいて、出庫実績のある容器Yと出庫実績の無い容器Yとを判断していると理解できる。 ソ 【0052】~【0055】の記載及び図18から、システムコントローラP2は、リロケーションの作業において、出庫実績の無い容器Yが手前側の物品保持部42Aに位置し、かつ、その奥側の物品保持部42Bに出庫実績のある容器Yが位置していると、出庫実績の無い容器Yを、仮置き収納部に移動させ、出庫実績のある容器Yも出庫実績の無い容器Yとは別の仮置き収納部に移動させ、仮置き収納部の出庫実績の無い容器Yを元々収納されていた収納部41の奥側の物品保持部42Bに収納させ、仮置き収納部の出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yの手前側の物品保持部42Aに収納させるように前記スタッカクレーン2を制御すると理解できる。 したがって、甲1には、図18の実施形態として、次の発明が記載されていると認められる。 (甲1-1発明) 「複数の収納部41を備えた棚Rと、移動通路Tに沿って容器Yを搬送するスタッカクレーン2と、前記スタッカクレーン2の作動を管理するシステムコントローラP2と、を備えた図書保管管理システムであって、 前記移動通路Tに直交する方向を奥行き方向とし、前記奥行き方向における前記移動通路Tの側を手前側とし、前記奥行き方向における手前側とは反対側を奥側として、 前記収納部41は、前記奥行き方向に2つの前記容器Yを並べて収納可能なように、手前側の物品保持部42Aと奥側の物品保持部42Bを有するように構成され、 前記スタッカクレーン2は、前記棚Rに対して前記手前側から前記奥行き方向に前記容器Yを移動させて、前記収納部41からの前記容器Yの搬出及び前記収納部41への前記容器Yの収納を行う機能を備え、 前記システムコントローラP2は、前記容器を識別する容器ナンバーなどの容器Yの識別情報と設定期間内における容器Yの出庫実績とが関連づけて記憶された記憶部を備え、 設定期間内における容器Yの出庫実績に基づいて、出庫実績のある容器Yと、出庫実績がない容器Yとを判断し、 前記システムコントローラP2は、リロケーションの作業において、出庫実績の無い容器Yが手前側の物品保持部42Aに位置し、かつ、その奥側の物品保持部42Bに出庫実績のある容器Yが位置していると、出庫実績の無い容器Yを、仮置き収納部に移動させ、出庫実績のある容器Yも出庫実績の無い容器Yとは別の仮置き収納部に移動させ、仮置き収納部の出庫実績の無い容器Yを元々収納されていた収納部41の奥側の物品保持部42Bに収納させ、仮置き収納部の出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yの手前側の物品保持部42Aに収納させるように前記スタッカクレーン2を制御する、図書保管管理システム。」 また、【0055】の記載及び図18から、システムコントローラP2は、棚Rに収納する容器Yが出庫実績の無い容器Yである場合に、仮置き収納部の物品保持部42A及び物品保持部42Bに容器Yが収納されていない収納部41がある場合には、仮置き収納部の物品保持部42Bに出庫実績の無い容器Yを収納するようにスタッカクレーン2を制御すると理解できる。 したがって、甲1には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲1-2発明) 「前記システムコントローラP2は、前記棚Rに収納する前記容器Yが前記出庫実績の無い容器Yである場合に、物品保持部42A及び物品保持部42Bに前記容器Yが収納されていない仮置き収納部がある場合には、当該仮置き収納部の前記物品保持部42Bに前記出庫実績の無い容器Yを収納し、前記出庫実績のある容器Yを前記仮置き収納部の手前側の物品保持部42Aに収納するように前記スタッカクレーン2を制御する、甲1-1発明の図書保管管理システム。」 また、【0054】の記載から、甲1には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲1-3発明) 「前記棚Rから搬出する容器Yが奥側の物品保持部42Bに位置する容器Yである場合は、手前側の物品保持部42Aの容器Yを予め設けた仮置き収納部に移動させた後、前記奥側の物品保持部42Bに位置する容器Yを搬出する、甲1-1発明の図書保管管理システム。」 (甲1―4発明) 「複数の収納部41を備えた棚Rと、移動通路Tに沿って容器Yを移載するスタッカクレーン2と、前記スタッカクレーン2の作動を管理するシステムコントローラP2と、を備えた図書保管管理システムにおいて、前記システムコントローラP2によって実行される容器Yの収納方法であって、 前記移動通路Tに直交する方向を奥行き方向とし、前記奥行き方向における前記移動通路Tの側を手前側とし、前記奥行き方向における手前側とは反対側を奥側として、 前記収納部41は、前記奥行き方向に2つの前記容器Yを並べて収納可能なように、手前側の物品保持部42Aと奥側の物品保持部42Bを有するように構成され、 前記スタッカクレーン2は、前記棚Rに対して前記手前側から前記奥行き方向に前記容器Yを移動させて、前記収納部41からの前記容器Yの搬出及び前記収納部41への前記容器Yの収納を行う機能を備え、 前記容器を識別する容器ナンバーなどの容器Yの識別情報と設定期間内における容器Yの出庫実績とが関連づけられた情報に基づいて、出庫実績のある容器Yと、出庫実績の無い容器Yとを判断し、リロケーションの作業において、出庫実績の無い容器Yが手前側の物品保持部42Aに位置し、かつ、その奥側の物品保持部42Bに出庫実績のある容器Yが位置していると、出庫実績の無い容器Yを、仮置き収納部に移動させ、出庫実績のある容器Yも出庫実績の無い容器Yとは別の仮置き収納部に移動させ、仮置き収納部の出庫実績の無い容器Yを元々収納されていた収納部41の奥側の物品保持部42Bに収納させ、仮置き収納部の出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yの手前側の物品保持部42Aに収納させるように前記スタッカクレーン2を制御する、容器Yの収納方法。」 また、システムコントローラP2は、システムコントローラP2の機能をシステムコントローラP2のコンピュータに実現させるためのプログラムを備えていることは明らかである。 したがって、甲1には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲1―5発明) 「複数の収納部41を備えた棚Rと、移動通路Tに沿って容器Yを移載するスタッカクレーン2と、前記スタッカクレーン2の作動を管理するシステムコントローラP2と、を備えた図書保管管理システムにおけるシステムコントローラP2の機能を制御するための容器Yの収納プログラムであって、 前記移動通路Tに直交する方向を奥行き方向とし、前記奥行き方向における前記移動通路Tの側を手前側とし、前記奥行き方向における手前側とは反対側を奥側として、 前記収納部41は、前記奥行き方向に2つの前記容器Yを並べて収納可能なように、手前側の物品保持部42Aと奥側の物品保持部42Bを有するように構成され、 前記スタッカクレーン2は、前記棚Rに対して前記手前側から前記奥行き方向に前記容器Yを移動させて、前記収納部41からの前記容器Yの搬出及び前記収納部41への前記容器Yの収納を行う機能を備え、 前記容器を識別する容器ナンバーなどの容器Yの識別情報と設定期間内における容器Yの出庫実績とが関連づけられた情報に基づいて、出庫実績のある容器Yと、出庫実績の無い容器Yとを判断し、リロケーションの作業において、出庫実績の無い容器Yが手前側の物品保持部42Aに位置し、かつ、その奥側の物品保持部42Bに出庫実績のある容器Yが位置していると、出庫実績の無い容器Yを、仮置き収納部に移動させ、出庫実績のある容器Yも出庫実績の無い容器Yとは別の仮置き収納部に移動させ、仮置き収納部の出庫実績の無い容器Yを元々収納されていた収納部41の奥側の物品保持部42Bに収納させ、仮置き収納部の出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yの手前側の物品保持部42Aに収納させるように前記スタッカクレーン2を制御する機能を、前記システムコントローラP2のコンピュータに実現させるための、容器Yの収納プログラム。」 (2)甲2について 甲2には特に次の記載がある。 ア 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1に記載の発明では、出納作業を行なう出納ステーションから「配置換えモード」を設定し、設定期間内において、入出庫実績の無いコンテナを入出庫実績のあるコンテナより奥側に配置換えすることで作業効率を向上させている。しかしながら、オペレータは「配置換えモード」を意識的に操作して設定する必要性があり、意識しなければこの発明の効果は得られない。 【0006】 また、この「配置換えモード」の操作を行なう間は、図書館の通常業務は行なえず、業務自体が制限されてしまう可能性もある。 本発明は、保管図書の利用頻度にバラツキがある場合でも、オペレータが意識して配置換えモードなどの設定操作を行なう必要性がなく、図書取り出し時のコンテナ出庫間隔を低減させることが可能な自動書籍管理装置を提供することをその目的とする。」 イ 「【0017】 本発明が適用された自動書籍管理装置の一形態について図面を用いて説明する。図1に示す自動書籍管理装置は、書庫4内に配列された保管棚2A,2B,2Cと、保管棚2A,2B,2Cの間に形成される通路5A,5B,5Cを移動可能なスタッカークレーン6A,6B,6C、各スタッカークレーンで運び出される荷物であるコンテナ8・・を搬送台車9へ搬送する搬送コンベア37A,37B,37C、搬送台車9との間でコンテナ8の授受を行う搬送コンベヤ38、コンテナ8が運ばれ、オペレータが出納作業を行なう出納ステーション10、一時保管棚11、受付カウンタ12、利用者カウンタ40等を有している。これらの構成により書籍16(図2参照)を収納したコンテナ8は、必要に応じて各保管棚2A,2B,2Cに入庫及び出庫され、所定のコンテナ搬送ラインへ導かれる。 【0018】 保管棚2A~2Cは、その前面に、列、連、段を有する単式と、その前面と後面に列、連、段を有する複式のものがある。単式と複式とを比較した場合,複数式の保管棚の方が収納量は多くなる半面、コンテナ8・・の排架位置が多くなるため、単式に比べてコンテナ出庫間隔が長くなる傾向となる。図1に示す保管棚2A,2B,2Cは複式のみのであり、通路5A,5B,5Cと対面する区分は前面側、反対側を後面側としている。例えば、保管棚2Cにおいて、符号201は前面側、符号202は後面側をそれぞれ示す。スタッカークレーン6A,6B,6Cは、それぞれ通路5A,5B,5C内を移動するが、それぞれ1号機,2号機,3号機とされている。図1においては複式の保管棚を例示したが、単式のものであってもよい。」 ウ 「【0024】 出納ステーション10の内部下方には、各コンテナ8・・の空きスペースに関する情報と、各コンテナの書庫4内での排架位置情報を取得し、これら取得情報をコンテナ8と対応させて記憶手段としての図3に示すコンテナマスターデータベース33に記憶すると共に、各コンテナ8・・の空きスペース情報とコンテナ8の排架位置情報と、各コンテナ8の利用頻度に基づいて、書庫4から出納ステーション10に取出すコンテナを選択する制御手段34と、コンテナマスターデータベース33及び制御手段34に対する無停電装置(UPS)35等が配設されている。 【0025】 制御手段34は、図3に示すように、CPU340、ROM341、RAM342及び図示しないタイマを備えた周知のコンピュータで構成されている。制御手段34には、モニタ20、図書ID読み取り装置21、マウス22、作業完了ボタン23、移動完了ランプ24、キーボード25、ハンディバーコードリーダ26と共に、スタッカークレーン6A~6C、搬送コンベア37A~37C、搬送コンベヤ38、ステーションコンベア39が、それぞれの図示しない駆動回路を介して接続されている。各コンテナ8・・には、それぞれを識別するための識別部として図示しないバーコードが付されている。搬送コンベア37A~37Cと搬送コンベア38およびステーションコンベヤ39の近傍には、固定式のバーコードリーダ50が設置されていて、通過する各コンテナ8・・のバーコードを読み取り、その信号を制御手段34に送信している。 【0026】 コンテナマスターデータベース33には、各コンテナ8の排架位置情報となる各保管棚と、その列、連、段、フロント側とリア側の情報及び移動機器の号数からなる格納アドレスが記憶されている。コンテナマスターデータベース33には、各コンテナ8・・の識別情報が入力されていて、これら識別情報が格納アドレスと後述する各コンテナの利用頻度と関連付けられて記憶されている。このデータとしては各コンテナ8の位置にナンバーが付されて記憶されている。 【0027】 次に本形態の特徴的な構成について説明する。本形態では、コンテナ8・・の利用頻度を算出すると共に、算出された利用頻度に応じて各コンテナ8・・の書庫4内での排架位置を決定するようにしている。そして、コンテナ8の利用頻度を所定期間T毎に更新するとともに、所定期間T内にコンテナ8の利用履歴情報がある場合には当該コンテナの利用頻度を数値化した利用ポイントに加算し、所定期間T内に利用履歴情報がない場合には当該コンテナ8の利用頻度を数値化した利用ポイントから減算するようにしている。」 【0028】 また、本形態では、コンテナ8を排架位置より出庫してから出納ステーション10までの搬送時間に係わる情報に基づき排架位置に重み付け付してロケーション係数を算出し、算出されたロケーション係数と利用頻度情報とから排架位置を決定してもよい。この場合、利用頻度が所定値を超える場合には、ロケーション係数が最も小さくなる排架位置を決定し、利用頻度が所定値より低い場合には、ロケーション係数が最も大きくなる排架位置を決定するようにしてもよい。 【0029】 より詳細に説明すると、本形態では、コンテナ8・・の利用頻度を、コンテナ8を使用する度に所定のポイントを加算し、利用ポイントとして各コンテナ情報と関連づけて記憶することで数値化して管理し、その度合いによって入庫コンテナ及び荷振りコンテナの排架位置となる格納アドレスを決定する。このため、制御手段34にはコンテナ8の使用頻度となる利用ポイントを算出する式1とロケーション係数を算出する式2が予め記憶設定されていて、これら式1,2を用いて使用頻度とロケーション係数を算出する。 (1)利用ポイントの算出 Pn=Pn-1+ΔP+ΔC・・・・・・式1 (但し、0≦Pn≦10) Pn:現在の利用ポイント 但し、初回登録時(空コンテナ引当て)には初期値(持ち点)を与える。」 エ 「【0032】 これら利用ポイント及び加算点は、コンテナマスターデータベース33に「利用ポイント」、「加算点」のフィールドを設けてこれに記憶され、制御手段34によって一定間隔毎に呼び出されて更新される。すなわち、コンテナマスターデータベース33は、各コンテナ8・・の位置や利用頻度が変更されると、更新後の情報が記憶されるように構成されている。 (2)各コンテナの格納アドレスの決定について 本形態では、上記の利用ポイントの平均値が所定値となる、例えば所定値を上回る場合は、複数の空きアドレスの中からロケーション係数の最も小さい排架位置となる格納アドレスを決定しコンテナ8を格納する。利用ポイントが平均値を下回る場合は、複数の空きアドレスの中からロケーション係数の最も大きな排架位置となる格納アドレスを決定し、コンテナ8を格納する。 【0033】 ロケーション係数K= 排架位置要素1×重み1+排架位置要素2×重み2+・・+排架位置要素N×重みN・・・・式2 ここで、1,2・・・・Nは例えば、連,列,段,号機等。重み1,2・・・・Nで相対的な時間的距離が求められる。すなわち、スタッカークレーン6A~6Cのホームポジションから時間的近い場合は値が小さく、遠い場合は値が大きくなるように重みが制御手段34によって選択される。 【0034】 次に、制御手段34による実施時期について説明する。 複式の保管棚2A~2Cの場合、各保管棚への図書格納作業時、保管棚へのコンテナ入庫過程及び荷振過程において上記(2)で示すコンテナ格納アドレス決定を実施する。単式の保管棚の場合には、図書格納作業時保管棚へのコンテナ入庫過程において上記(2)で示すコンテナ格納アドレス決定を実施する。」 オ 「【0043】 図5~図7から、単式の保管棚の場合、図書利用と時間の経過に伴って利用頻度の高いコンテナはクレーンホームポジシンに近いロケーションに集まり、図8,図9から複式の保管棚の場合、前後の格納アドレスのロケーション係数に有意差を与えておくと利用頻度の高いコンテナは、前部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まることになる。」 カ 「【0048】 作業が正常に行われると、返却格納作業の一覧がなされるとともに(C4)、本発明の主要部となる加算点の更新が上述のように実行される。そして、次の返却図書がある場合には、再び図書IDの読み取りへと戻り、次の図書が無い場合は、オペレータにより作業完了ボタン23が押されることで(C6)入庫指令がなされる。ここでは入庫制御としてスタッカークレーン6A~6Cの何れか、搬送台車9、搬送コンベア37A~37Cの何れか、搬送コンベヤ38、ステーションコンベア39が駆動されて返却図書が収納されたコンテナ8が、利用頻度に応じた排架位置となる格納アドレスに該当する書庫4の保管棚の位置へと搬送されて格納される。つまり、排架位置へのコンテナ8の格納の1つである入庫動作による保管棚への格納としては、出納ステーション10へ出庫されたコンテナ8を搬送機器により搬送し、保管棚2A~2Cの何れかの空きアドレスへ格納することになる。また、排架位置へのコンテナ8の格納の別な形態である荷振り動作による保管棚への格納は、保管棚が複式のみに対応する。つまり、例えば後面側(図1の202)のコンテナ8を出庫する際に、前面側(図1の201)のコンテナ8をスタッカークレーン6によって保管棚2A~2Cの他の空きアドレス(コンテナ8が格納されていない保管棚のアドレス)へ格納し、その後、後面側(図1の202)のコンテナ8を出庫する。」 キ 「図1 [図:0001432047000003.jpg] 図3 [図:0001432047000004.jpg] 」 ク 【0018】の記載から、保管棚2A、2B、2Cは、コンテナ8を格納する複数の格納部を備え、前記格納部は、保管棚前面に直交する方向を前後方向とし、前記前後方向における前記保管棚前面の側を前面側201とし、前記前後方向における前記前面側201とは反対側を後面側202として、前後方向に2つのコンテナ8を並べて格納可能に構成されているといえる。 ケ 【0017】~【0018】の記載及び図1から、スタッカークレーン6A~6Cは、保管棚2A、2B、2Cの前面(以下「保管棚前面」という。)に沿ってコンテナ8を運び出しているといえる。 コ 【0025】及び【0048】の記載並びに図3から、コンテナマスターデータベース33及び制御手段34はスタッカークレーン6A~6Cを制御していることが理解できる。 サ 【0017】及び【0048】の記載から、スタッカークレーン6A、6B、6Cは、保管棚2A、2B、2Cに対して前面側201から後面側202にコンテナ8を搬送して、保管棚2A、2B、2Cからのコンテナ8の出庫及び保管棚2A、2B、2Cへのコンテナ8の格納を行う機能を備えていると理解できる。 シ 【0025】、【0028】、【0033】、【0043】及び【0048】の記載から、制御手段34は、利用頻度が所定値を超えるコンテナ8を利用頻度の高いコンテナとし、利用頻度が所定値より低いコンテナ8を利用頻度の低いコンテナとし、前面側201の排架位置を前部格納アドレスとし、後面側202の排架位置を後部格納アドレスとして、スタッカークレーン6A~6Cのホームポジションから時間的に近い場合は値が小さく、遠い場合は値が大きくなるように重みが選択され、複式の保管棚の場合は前記前部格納アドレスは値が小さくなるように重みが選択されるロケーション係数を算出し、入庫動作や荷振り動作において、前記利用頻度の高いコンテナ8は前記ロケーション係数が最も小さくなる排架位置を決定し、前記利用頻度の低いコンテナ8は前記ロケーション係数が最も大きくなる排架位置を決定することで、利用頻度の高いコンテナ8を前部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まるように格納するようにスタッカークレーン6A、6B、6Cを制御し、利用頻度の低いコンテナ8を後部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに遠いロケーションに集まるように格納するようにスタッカークレーン6A、6B、6Cを制御すると理解できる。 したがって、甲2には、複式の保管棚を有した実施形態として、次の発明が記載されていると認められる。 (甲2-1発明) 「複数の格納部を備えた保管棚2A、2B、2Cと、前記保管棚2A、2B、2Cの前面である保管棚前面に沿ってコンテナ8を運び出すスタッカークレーン6A、6B、6Cと、前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御するコンテナマスターデータベース33及び制御手段34と、を備えた自動書籍管理装置であって、 前記保管棚前面に直交する方向を前後方向とし、前記前後方向における前記保管棚前面の側を前面側201とし、前記前後方向における前記前面側201とは反対側を後面側202として、 前記格納部は、前記前後方向に2つのコンテナ8を並べて格納可能なように、前面側201の排架位置と後面側202の排架位置を有するように構成され、 前記スタッカークレーン6A、6B、6Cは、前記保管棚2A、2B、2Cに対して前記前面側201から前記後面側202に前記コンテナ8を移動させて、前記格納部からの前記コンテナ8の出庫及び前記格納部への前記コンテナ8の格納を行う機能を備え、 前記制御手段34及び前記コンテナマスターデータベース33は、前記コンテナ8の識別情報と前記コンテナ8の利用頻度とが関連付けられて記憶されたコンテナマスターデータベース33を備え、 前記利用頻度が所定値を超える前記コンテナ8を利用頻度の高いコンテナとし、前記利用頻度が所定値より低い前記コンテナ8を利用頻度の低いコンテナとし、 前記前面側201の前記排架位置を前部格納アドレスとし、前記後面側202の前記排架位置を後部格納アドレスとして、 スタッカークレーン6A~6Cのホームポジションから時間的に近い場合は値が小さく、遠い場合は値が大きくなるように重みが選択され、複式の保管棚の場合は前記前部格納アドレスは値が小さくなるように重みが選択されるロケーション係数を算出し、 前記制御手段34は、入庫動作や荷振り動作において、前記利用頻度の高いコンテナ8は前記ロケーション係数が最も小さくなる排架位置を決定し、前記利用頻度の低いコンテナ8は前記ロケーション係数が最も大きくなる排架位置を決定することで、前記利用頻度の高いコンテナ8を前記前部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まるように格納するように前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御し、前記利用頻度の低いコンテナ8を前記後部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに遠いロケーションに集まるよう前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御する、自動書籍管理装置。」 また、【0029】、【0048】、【0053】の記載から、制御手段34は、保管棚2A、2B、2Cから出庫するコンテナ8を出庫コンテナとし、出庫コンテナが格納されている格納部における出庫コンテナよりも前面側201に格納されたコンテナ8を移動コンテナとして、移動コンテナをコンテナ8が格納されていない保管棚のアドレスに移動させる荷振り動作を行う場合に、移動コンテナが利用頻度の高いコンテナである場合には移動コンテナを前部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まるようにし、移動コンテナが利用頻度の低いコンテナである場合には移動コンテナを後部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まるようにスタッカークレーン6A、6B、6Cをロケーション係数に基づいて制御すると理解できる。 したがって、甲2には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲2-2発明) 「前記保管棚2A、2B、2Cから出庫する前記コンテナ8を出庫コンテナとし、前記出庫コンテナが格納されている前記格納部における前記出庫コンテナ8よりも前記前面側201に格納されたコンテナ8を移動コンテナとして、 前記制御手段34は、前記移動コンテナをコンテナ8が格納されていない保管棚のアドレスに移動させる前記荷振り動作を行う場合に、前記移動コンテナが前記利用頻度の高いコンテナである場合には前記移動コンテナを前記前部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まるようにし、前記移動コンテナが前記利用頻度の低いコンテナである場合には前記移動コンテナを前記後部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まるように前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを前記ロケーション係数に基づいて制御する、甲2-1発明の自動書籍管理装置。」 また、コンテナ8の格納方法は、制御手段34によって実行されていると理解できる。 したがって、甲2には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲2-3発明) 「複数の格納部を備えた保管棚2A、2B、2Cと、前前記保管棚2A、2B、2Cの前面である保管棚前面に沿ってコンテナ8を運び出すスタッカークレーン6A、6B、6Cと、前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御するコンテナマスターデータベース33及び制御手段34と、を備えた自動書籍管理装置において、コンテナマスターデータベース33及び制御手段34によって実行されるコンテナ8の格納方法であって、 前記保管棚前面に直交する方向を前後方向とし、前記前後方向における前記保管棚前面の側を前面側201とし、前記前後方向における前記前面側201とは反対側を後面側202として、 前記格納部は、前記前後方向に2つのコンテナ8を並べて格納可能なように、前面側201の排架位置と後面側202の排架位置を有するように構成され、 前記スタッカークレーン6A、6B、6Cは、前記保管棚2A、2B、2Cに対して前記前面側201から前記後面側202に前記コンテナ8を移動させて、前記格納部からの前記コンテナ8の出庫及び前記格納部への前記コンテナ8の格納を行う機能を備え、 前記コンテナ8の識別情報と前記コンテナ8の利用頻度とが関連付けられた情報に基づいて、前記利用頻度が所定値を超える前記コンテナ8を利用頻度の高いコンテナとし、前記利用頻度が所定値より低い前記コンテナ8を利用頻度の低いコンテナとし、 前記前面側201の前記排架位置を前部格納アドレスとし、前記後面側202の前記排架位置を後部格納アドレスとして、 スタッカークレーン6A~6Cのホームポジションから時間的に近い場合は値が小さく、遠い場合は値が大きくなるように重みが選択され、複式の保管棚の場合は前記前部格納アドレスは値が小さくなるように重みが選択されるロケーション係数を算出し、前記制御手段34は、入庫コンテナ及び荷振りコンテナについて、前記利用頻度の高いコンテナ8は前記ロケーション係数が最も小さくなる排架位置を決定し、前記利用頻度の低いコンテナ8は前記ロケーション係数が最も大きくなる排架位置を決定することで、前記利用頻度の高いコンテナ8を前部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まるように格納するように前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御し、利用頻度の低いコンテナ8を後部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに遠いロケーションに集まるよう前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御する、コンテナ8の格納方法。」 また、制御手段34は、スタッカークレーン6A、6B、6Cの制御を、コンピュータに実現させるためのプログラムを備えていることは明らかである。 したがって、甲2には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲2-4発明) 「複数の格納部を備えた保管棚2A、2B、2Cと、前前記保管棚2A、2B、2Cの前面である保管棚前面に沿ってコンテナ8を運び出すスタッカークレーン6A、6B、6Cと、前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御するコンテナマスターデータベース33及び制御手段34と、を備えた自動書籍管理装置を制御するためのコンテナ8を格納するプログラムであって、 記保管棚前面に直交する方向を前後方向とし、前記前後方向における前記保管棚前面の側を前面側201とし、前記前後方向における前記前面側201とは反対側を後面側202として、 前記格納部は、前記前後方向に2つのコンテナ8を並べて格納可能なように、前面側201の排架位置と後面側202の排架位置を有するように構成され、 前記スタッカークレーン6A、6B、6Cは、前記保管棚2A、2B、2Cに対して前記前面側201から前記後面側202に前記コンテナ8を移動させて、前記格納部からの前記コンテナ8の出庫及び前記格納部への前記コンテナ8の格納を行う機能を備え、 前記コンテナ8の識別情報と前記コンテナ8の利用頻度とが関連付けられた情報に基づいて、前記利用頻度が所定値を超える前記コンテナ8を利用頻度の高いコンテナとし、前記利用頻度が所定値より低い前記コンテナ8を利用頻度の低いコンテナとし、 前記前面側201の前記排架位置を前部格納アドレスとし、前記後面側202の前記排架位置を後部格納アドレスとして、 スタッカークレーン6A~6Cのホームポジションから時間的に近い場合は値が小さく、遠い場合は値が大きくなるように重みが選択され、複式の保管棚の場合は前記前部格納アドレスは値が小さくなるように重みが選択されるロケーション係数を算出し、前記制御手段34は、入庫コンテナ及び荷振りコンテナについて、前記利用頻度の高いコンテナ8は前記ロケーション係数が最も小さくなる排架位置を決定し、前記利用頻度の低いコンテナ8は前記ロケーション係数が最も大きくなる排架位置を決定することで、前記利用頻度の高いコンテナ8を前部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まるように格納するように前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御し、利用頻度の低いコンテナ8を後部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに遠いロケーションに集まるよう前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御する、コンテナ8を格納するプログラム。」 (3)甲3について 甲3には特に次の記載がある。 ア 「【0033】 図1乃至図3に示したように、貸金庫システム10は、防盗・防火性に優れた金庫室11と、金庫室11とは物理的に隔離されており、利用者が貴重品(被格納物)の預入や引出を行う閲覧室12と、貸金庫システム10の運用管理をするコンピュータ23を備えている。また、金庫室11と閲覧室12との間の金庫箱13の搬送は、搬送機構によって実行される。 【0034】 金庫室11には、省スペースで多数の金庫箱13を収納できるように、複数の段(m段)、複数の列(n列)、及び1以上の奥行き列(q列)からなり、(m×n×q)個の金庫箱13を収納可能な収納棚14が複数個(p個)設置され、各収納棚14には、(m×n×q)個の金庫箱13が収納されている。各金庫箱13は、各収納棚14の番号及び各収納棚において該金庫箱13が配置されている段数、列数及び奥行き列によって収納位置が特定される。以降、金庫箱13の収納棚14内の収納位置を、(段、列、奥行き列)で特定する。 【0035】 コンピュータ23は、利用者を特定する利用者情報と、利用者が使用する金庫箱13の収納位置(i段、j列、k奥行き列)を特定する収納位置情報と、を対応付けて管理する。 【0036】 また、金庫室11内の収納棚14aと収納棚14bの間には、金庫箱13を収納棚14から取り出したり、収納棚14に収納したり、収納棚14内の2つの金庫箱13の収納位置を入れ替えたりするスタッカクレーン16が配置されている。スタッカクレーン16には、収納棚14から取り出された金庫箱13を一時的に載置する2つの載置台(図示せず)が備えられている。スタッカクレーン16は、入替機構であるとともに搬送機構の一部である。 【0037】 ここで、収納棚14の同一段は矢印26に示す横方向(水平方向)のことであり、同一列は矢印25に示す縦方向(鉛直方向)のことである。また、奥行き列は、スタッカクレーン16に近いほうが奥行き列の番号が小さくなる。図1の例は、16段(m=16)、6列(n=6)、奥行き2列(q=2)からなる(16×6×2)個の金庫箱13を収納可能な収納棚14が2個(p=2:収納棚14a及び14b)設置されている。また、収納棚14aにおいては、金庫箱13aが前列(奥行き列番号=1)で金庫箱13bが後列(奥行き列番号=2)となり、収納棚14bにおいては、金庫箱13cが前列(奥行き列番号=1)で金庫箱13dが後列(奥行き列番号=2)となる。以降、奥行き2列構成の収納棚14を例に挙げて説明する。 【0038】 また、コンピュータ23からの命令に従って貸金庫システム10を構成する各装置の動作制御を実行する動作制御装置15も、金庫室11内に配置されている。スタッカクレーン16は、動作制御装置15からの入替指示に従って、収納棚14内の指示された2個の金庫箱13の収納位置を互いに入れ替えたり、動作制御装置15からの搬送指示に従って、指示された収納位置の金庫箱13を収納棚14から取り出したり、収納棚14に収納したりする。 【0039】 例えば、金庫箱13の入替作業は、コンピュータ23が、収納棚14内の金庫箱13の利用頻度に基づいて、収納棚14内の入替対象となる2個の金庫箱13の収納位置を検索し、コンピュータ23からの入替金庫箱13の収納位置の入替命令に従って動作制御装置15がスタッカクレーン16の動作制御を実行して、スタッカクレーン16が入替金庫箱13の収納位置の入替作業を実行する。その結果、収納棚14内の入替金庫箱13が入替される。尚、金庫箱13の利用頻度とは、該金庫箱13が利用者によって呼出要求された頻度を示す値である。 【0040】 例えば、図1において、収納棚14aの前列にある金庫箱13eと後列にある金庫箱13fの利用頻度を比較し、金庫箱13fの利用頻度が金庫箱13eの利用頻度よりも大きい場合に、2つの入替金庫箱13を金庫箱13eと金庫箱13fとし、金庫箱13eと金庫箱13fの収納位置の入替作業を実行する。 【0041】 収納棚14aの(i段、j列、1列)の収納位置の金庫箱13eと収納棚14aの(i段、j列、2列)の収納位置の金庫箱13fの入替作業は、まず、スタッカクレーン16によって収納棚14aの収納位置(i段、j列、1列)から金庫箱13eを取出し、スタッカクレーン16の一方の載置台に移載する。次に、スタッカクレーン16によって収納棚14の収納位置(i段、j列、2列)から金庫箱13fを取出し、スタッカクレーン16の他方の載置台に移載する。次に、スタッカクレーン16によって一方の載置台に載置されている金庫箱13eを収納棚14aの収納位置(i1段、j1列、2列)に収納する。最後に、スタッカクレーン16によって他方の載置台に載置されている金庫箱13fを収納棚14aの収納位置(i1段、j1列、1列)に収納して入替作業を終了する。 【0042】 上述した入替作業は、金庫箱13eと金庫箱13fの利用頻度の値の比較により作業を実施しているが、金庫箱13fが高頻度の金庫箱である場合に、入替作業が実行されるようにして、入替時間及び入替負荷を抑えた入替作業を実行できるようにすることも可能である。ここで、高頻度の金庫箱とは、所定の頻度閾値以上の利用頻度を有する金庫箱13のことである。また、低頻度の金庫箱とは、所定の頻度閾値未満の利用頻度を有する金庫箱13のことである。 【0043】」 イ 「【0052】 記憶部34には、金庫箱13毎に、収納棚14に収納される金庫箱13の収納位置(段数、列数、奥行き列数)を示す収納位置情報が、金庫箱13に対応付けられて記憶されている。」 ウ 「【0077】 上述したような貸金庫システム10によれば、利用頻度の高い金庫箱13を、搬出時間の短い収納棚14内の収納位置に収納させることができる。例えば、奥行き2列構成の収納棚14においては、利用頻度のより高い金庫箱14を前列に収納することができる。即ち、搬出送時間は、移動時間に比較して移載時間のほうがより影響を受けるため、利用頻度の高い金庫箱14を搬出時間の短い収納棚14内の収納位置に収納することができる。従って、システム全体の搬出時間が短くなり、システムの運用効率を向上させるとともに、利用者の利便性を向上させることができる。」 エ 「図1 [図:0001432047000005.jpg] 図4 [図:0001432047000006.jpg] 」 オ 【0034】及び【0037】の記載及び図1から、収納棚14は複数の金庫箱13を収納可能な収納部を備えていること、収納棚14正面に直交する方向を奥行き方向とし、奥行き方向における収納棚14正面の側を前列の側とし、奥行き方向における前列の側とは反対側を後列の側として、収納部は奥行き方向に2列の金庫箱13を並べて収容可能に構成されていることが理解できる。 カ 【0036】の記載及び図1から、スタッカクレーン16は収納棚14の正面である収納棚14正面に沿って金庫箱13を搬送することが理解できる。 キ 【0041】の記載から、スタッカクレーン16は、後列にある金庫箱13fを取り出し、載置台に載置されている金庫箱13eを収納棚14aの収納位置(i1段、j1列、2列)に収納しているから、収納棚14に対して前列の側から奥行き方向に金庫箱13を移動させて、収納部からの金庫箱13の取り出し及び収納部への金庫箱13の収納を行う機能を備えていると理解できる。 ク 【0036】及び【0053】の記載から、コンピュータ23は、利用者情報に対応付けられた収納位置情報と利用頻度とが対応づけられて記憶された記憶部34を備えていると理解できる。 したがって、甲3には、保管棚を有した貸金庫システム10の実施形態として、次の発明が記載されていると認められる。 (甲3-1発明) 「複数の金庫箱13を収納可能な収納部を備えた収納棚14と、前記収納棚14の正面である収納棚14正面に沿って金庫箱13を搬送するスタッカクレーン16と、前記スタッカクレーン16を制御するコンピュータ23及び動作制御装置15と、を備えた貸金庫システム10であって、 前記収納棚14正面に直交する方向を奥行き方向とし、前記奥行き方向における前記収納棚14正面の側を前列の側とし、前記奥行き方向における前記前列の側とは反対側を後列の側として、 前記収納部は、前記奥行き方向に2列の前記金庫箱13を並べて収容可能なように、前列の収納位置と後列の収納位置とを有するように構成され、 前記スタッカクレーン16は、前記収納棚14に対して前列の側から前記奥行き方向に金庫箱13を移動させて、収納部からの金庫箱13の取り出し及び前記収納部への前記金庫箱13の収納を行う機能を備え、 前記コンピュータ23は、利用者情報に対応付けられた金庫箱13毎の収納位置情報と利用頻度とが対応づけられて記憶された記憶部34を備え、 前記利用頻度が所定の頻度閾値以上である金庫箱13を高頻度の金庫箱とし、前記利用頻度が所定の頻度閾値未満である金庫箱13を低頻度の金庫箱とし、 前記コンピュータ23及び動作制御装置15は、収納棚14の前列の収納位置にある金庫箱13が低頻度の金属箱であり、後列の収納位置にある金庫箱13が高頻度の金属箱である場合、高頻度の金属箱を前列の収納位置に収納し、低頻度の金属箱を後列の収納位置に収納するように前記スタッカクレーン2を制御する、貸金庫システム10。」 (甲3-2発明) 「複数の収納部を備えた収納棚14と、前記収納棚14の正面である収納棚14正面に沿って金庫箱13を搬送するスタッカクレーン16と、前記スタッカクレーン16を制御するコンピュータ23及び動作制御装置15と、を備えた貸金庫システム10において、前記コンピュータ23及び動作制御装置15によって実行される金庫箱13の収納方法であって、 前記収納棚14正面に直交する方向を奥行き方向とし、前記奥行き方向における前記収納棚14正面の側を前列の側とし、前記奥行き方向における前記前列の側とは反対側を後列の側として、 前記収納部は、前記奥行き方向に2列の前記金庫箱13を並べて収容可能なように、前列の収納位置と後列の収納位置とを有するように構成され、 前記スタッカクレーン16は、前記収納棚14に対して前列の側から前記奥行き方向に金庫箱13を移動させて、収納部からの金庫箱13の取り出し及び前記収納部への前記金庫箱13の収納を行う機能を備え、 前記コンピュータ23は、利用者情報に対応付けられた金庫箱13毎の収納位置情報と利用頻度とが対応づけられた情報に基づいて、前記利用頻度が所定の頻度閾値以上である金庫箱13を高頻度の金庫箱とし、前記利用頻度が所定の頻度閾値未満である金庫箱13を低頻度の金庫箱とし、 収納棚14の前列の収納位置にある金庫箱13が低頻度の金属箱であり、後列の収納位置にある金庫箱13が高頻度の金属箱である場合、高頻度の金属箱を前列の収納位置に収納し、低頻度の金属箱を後列の収納位置に収納するように前記スタッカクレーン2を制御する、金庫箱13の収納方法。」 (甲3-3発明) 「複数の収納部を備えた収納棚14と、前記収納棚14の正面である収納棚14正面に沿って金庫箱13を搬送するスタッカクレーン16と、前記スタッカクレーン16を制御するコンピュータ23及び動作制御装置15と、を備えた貸金庫システム10を制御するための金庫箱13の収納プログラムであって、 前記収納棚14正面に直交する方向を奥行き方向とし、前記奥行き方向における前記収納棚14正面の側を前列の側とし、前記奥行き方向における前記前列の側とは反対側を後列の側として、 前記収納部は、前記奥行き方向に2列の前記金庫箱13を並べて収容可能なように、前列の収納位置と後列の収納位置とを有するように構成され、 前記スタッカクレーン16は、前記収納棚14に対して前列の側から前記奥行き方向に金庫箱13を移動させて、収納部からの金庫箱13の取り出し及び前記収納部への前記金庫箱13の収納を行う機能を備え、 前記コンピュータ23は、利用者情報に対応付けられた金庫箱13毎の収納位置情報と利用頻度とが対応づけられた情報に基づいて、前記利用頻度が所定の頻度閾値以上である金庫箱13を高頻度の金庫箱とし、前記利用頻度が所定の頻度閾値未満である金庫箱13を低頻度の金庫箱とし、 収納棚14の前列の収納位置にある金庫箱13が低頻度の金属箱であり、後列の収納位置にある金庫箱13が高頻度の金属箱である場合、高頻度の金属箱を前列の収納位置に収納し、低頻度の金属箱を後列の収納位置に収納するように前記スタッカクレーン2を制御する機能を、前記コンピュータ23に実現させるための、金庫箱13の収納プログラム。」 (4)甲4について 甲4には特に次の記載がある。 ア 「【請求項1】手前棚と奥棚が配置されて奥行方向に2個の荷を収納可能な枠組棚と、 前記手前棚と奥棚に対して2段階の出退ストロークで作動される出し入れ具を備え、前記枠組棚に対して入出庫作業を行うクレーン装置と、 奥棚の荷を出庫させる際にその手前棚に荷があるか否かを判断し、手前棚に荷があるときには、手前棚の荷を仮置棚に一時退避させてから奥棚の荷を出庫させ、出庫の完了を確認すると、仮置棚に一時退避させた荷を出庫で空になった奥棚に戻すように前記クレーン装置を制御する第1制御手段とを備えたダブルリーチ式自動倉庫。」 イ 「【請求項6】前記第1制御手段は、前記手前棚の荷を退避させるのに要する前記クレーン装置の作業時間が最も短くて済む退避先を検索して前記仮置棚を選択する仮置棚検索手段を備えている請求項4又は請求項5に記載のダブルリーチ式自動倉庫。」 ウ 「【0021】図2,図3に示すように、ダブルリーチ式自動倉庫1(以下、単に自動倉庫という)は互いに対向して配置された一対の枠組棚2a,2b(但し、図3では片側のみ図示)を備える。図3に示すように、枠組棚2a,2bは、多数の棚部3aが連方向(図3における左右方向)および段方向(図3における上下方向)にそれぞれ所定間隔で列設されることにより、20連かつ8段となる計160の収納部3に区画される。各収納部3は奥行方向(図2の上下方向)に荷Wを2個収納できるような長さを有し、棚部3aも奥行方向に荷Wを2個載置できる長さに延設されている。各収納部3には奥行方向に手前棚4と奥棚5との2つが形成され、両棚4,5にそれぞれ1個ずつ荷Wが収納される。」 エ 「【0023】図2に示すように、自動倉庫1の枠組棚2a,2b間にはレール9が敷設されており、レール9上にはクレーン装置としてのスタッカクレーン10が走行可能に配備されている。スタッカクレーン10は走行台11に立設された一対のマスト12,12間にキャリッジ13を昇降可能に吊下し、キャリッジ13上に左右方向(図2における上下方向)に出退可能な出し入れ具としてのフォーク14を備える。走行台11上にはスタッカクレーン10を走行させるための走行モータ15と、キャリッジ13を昇降させるための昇降モータ16が配設されている。また、フォーク14を駆動させるためのフォーク駆動モータ17(図4に示す)がキャリッジ13に配設されている。フォーク14は手前棚4と奥棚5に対する距離の違いに応じて2段階の出退ストロークで駆動されるようになっている。前側のマスト12の下部前面には各モータ15~17を駆動制御するためのクレーンコントローラ18が装備されている。」 オ 「【0032】このため、スタッカクレーン10は同一収納部3の各棚4,5に共に荷があるうちの奥棚5から荷を出庫させるとき、まず手前棚4の荷を最も近い(退避に要する作業時間の最も短くて済む)退避専用棚6に退避させた後、奥棚5の荷を出庫させる。そして、退避させた荷を元の手前棚4ではなく出庫で空になった奥棚5に戻す。」 カ 「【0053】(r)退避専用棚6を用意した構成において、荷の収納対象である棚4,5のうちの空棚と退避専用棚6との両方を退避先として選べるようにし、そのうちの最も近くの(特に退避作業時間の最も短くて済む)棚(4,5,6)を退避先として割り当てるようにしてもよい。」 2 甲1を主引例とする場合 (1)本件発明1について ア 本件発明1と甲1-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲1-1発明の「収納部41」は本件発明1の「収容部」に相当し、以下同様に、「棚R」は「収容棚」に、「移動通路Tに沿って」という事項は、「前記収容棚の正面である棚正面に沿って」という事項に、「容器Y」は「物品」に、「スタッカクレーン2」は「搬送装置」に、「スタッカクレーン2の作動を管理する」という事項は「搬送装置を制御する」という事項に、「システムコントローラP2」は「制御システム」に、「図書保管管理システム」は「物品収容設備」に、「移動通路Tに直交する方向」は「棚正面に直交する方向」に、「奥行き方向」は「棚奥行方向」に、「移動通路Tの側」は「棚正面の側」に、「手前側」は「棚正面側」に、「奥側」は「棚背面側」に、「2つの」という事項は、「複数の」という事項に、「収納」は「収容」に、「搬出」は「取り出し」に相当する。そして、甲1-1発明の「スタッカクレーン2」は「前記棚Rに対して前記手前側から前記奥行き方向に前記容器Yを移動させて、前記収納部41からの前記容器Yの搬出及び前記収納部41への前記容器Yの収納を行う機能」を有するのであるから、上述のとおり本件発明1の「搬送装置」に相当するだけでなく、本件発明1の「移載装置」にも相当する。 イ 甲1-1発明の「前記容器を識別する容器ナンバーなどの容器Yの識別情報」について、本件発明1の「物品の種類である物品種類を示す物品種類情報」に関する本件明細書【0037】における「物品Wが荷を収容する容器である場合、物品種類情報70に示される物品種類は、例えば、荷に対応する品名コードとされる。」との記載を考慮すると、甲1-1発明の「前記容器を識別する容器ナンバーなどの容器Yの識別情報」は本件発明1の「物品の種類である物品種類を示す物品種類情報」に相当する。 ウ 甲1-1発明の「設定期間内における容器Yの出庫実績」は、特定の期間あたりの容器Yの出庫された実際の回数であり、本件発明1の「出庫頻度情報」も本件明細書【0037】における「出庫頻度は、例えば、物品種類毎の、単位時間あたりの出庫数(或いは、出庫容器数)に応じた値」との記載を考慮すると、特定の期間あたりの出庫数であるから、甲1-1発明の「設定期間内における容器Yの出庫実績」は本件発明1の「種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報」に相当する。 エ 甲1-1発明の「設定期間内における容器Yの出庫実績」に基づき判断された「出庫実績がある容器Y」は、特定の期間あたりの容器Yの出庫された実際の回数が1以上(すなわち、規定の高頻度しきい値以上)の容器Yであるから、本件発明1の「前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品」ないし「高頻度物品」に相当する。 オ 甲1-1発明の「設定期間内における容器Yの出庫実績」に基づき判断された「出庫実績がない容器Y」は、特定の期間あたりの容器Yの出庫された実際の回数が1未満(すなわち高頻度しきい値未満)の容器Yであるから、本件発明1の「前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品」ないしは「通常物品」に相当する。 カ 甲1-1発明の「手前側の物品保持部42A」及び「奥側の物品保持部42B」は、それぞれが本件発明1の収容部における「複数の前記物品がそれぞれ収容される位置」ないし「収容位置」に相当する。そして、甲1-1発明の「手前側の物品保持部42A」は、本件発明1の「1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置とし」たときの「第1収容位置」に相当し、甲1-1発明の「奥側の物品保持部42B」は、同様に本件発明1の「通常収容位置」に相当する。 キ 甲1-1発明の「リロケーションの作業において、出庫実績の無い容器Yが手前側の物品保持部42Aに位置し、かつ、その奥側の物品保持部42Bに出庫実績のある容器Yが位置していると、出庫実績の無い容器Yを、仮置き収納部に移動させ、出庫実績のある容器Yも出庫実績の無い容器Yとは別の仮置き収納部に移動させ、仮置き収納部の出庫実績の無い容器Yを元々収納されていた収納部41の奥側の物品保持部42Bに収納させ、仮置き収納部の出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yの手前側の物品保持部42Aに収納させるように前記スタッカクレーン2を制御する」という事項は、本件発明1の「高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する」という事項に相当する。 ク 甲1-1発明における「リロケーションの作業において、出庫実績の無い容器Yが手前側の物品保持部42Aに位置し、かつ、その奥側の物品保持部42Bに出庫実績のある容器Yが位置していると、出庫実績の無い容器Yを、仮置き収納部に移動させ、出庫実績のある容器Yも出庫実績の無い容器Yとは別の仮置き収納部に移動させ、仮置き収納部の出庫実績の無い容器Yを元々収納されていた収納部41の奥側の物品保持部42Bに収納させ、仮置き収納部の出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yの手前側の物品保持部42Aに収納させるように前記スタッカクレーン2を制御する」という事項は、以下の手順の制御と理解できる。 (制御1) 出庫実績の無い容器Yを、棚R内に予め設けた仮置き収納部に移動させる。 (制御2) 出庫実績のある容器Yも出庫実績の無い容器Yとは別の仮置き収納部に移動させる。 (制御3) 仮置き収納部の出庫実績の無い容器Yを元々収納されていた収納部41の奥側の物品保持部42Bに収納させる。 (制御4) 別の仮置き収納部の出庫実績のある容器Yを元々収納されていた収納部41の出庫実 績の無い容器Yの手前側の物品保持部42Aに収納させる。 そして、上記制御4の場面は、棚Rに収納する容器Yが出庫実績のある容器Yである場面である。さらに、上記制御4の場面において、その出庫実績のある容器Yを収納しようとする「元々収納されていた収納部41」は、上記制御3により、奥側の物品保持部42Bに出庫実績の無い容器Yが収納されており、且つ、手前側の物品保持部42Aに容器Yが収納されていない状態にあり、この状態にある「元々収納されていた収納部41」は、本件発明1における「第1収容部」に相当する。そうすると、本件発明1の「前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、前記制御システムは、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」ことと、甲1-1発明の「前記システムコントローラP2は、リロケーションの作業において、出庫実績の無い容器Yが手前側の物品保持部42Aに位置し、かつ、その奥側の物品保持部42Bに出庫実績のある容器Yが位置していると、出庫実績の無い容器Yを、仮置き収納部に移動させ、出庫実績のある容器Yも出庫実績の無い容器Yとは別の仮置き収納部に移動させ、仮置き収納部の出庫実績の無い容器Yを元々収納されていた収納部41の奥側の物品保持部42Bに収納させ、仮置き収納部の出庫実績のある容器Yを出庫実績の無い容器Yの手前側の物品保持部42Aに収納させるように前記スタッカクレーン2を制御する」こととは、「前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」点において共通する。 したがって、本件発明1と甲1-1発明とは次の一致点と相違点を有する。 <一致点> 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、 前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。 <相違点1-1> 本件発明1は、「入庫処理によって」前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、「複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には」前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御しているのに対し、甲1-1発明は、リロケーションの作業中の制御であって、リロケーション中の上記(制御1)~(制御3)で第1状態収容部をつくっているのであって、「複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある」か否かの判断は行っていない点。 本件発明1は甲1-1発明との対比において相違点1-1を有するから、本件発明1は甲1-1発明ではない。 次に、相違点1-1について検討する。 入庫処理の作業中に、収容設備の複数の収容部の中に第1状態収容部があるか否かを識別して、当該第1状態収容部に高頻度物品を収納することは、甲2~甲4のいずれにも記載も示唆もされておらず、また、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、本件発明1は、甲1-1発明及び甲2~甲4に記載されている事項から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (2)本件発明4について 本件発明4と甲1-2発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲1-2発明における「物品保持部42A及び物品保持部42Bに前記容器Yが収納されていない仮置き収納部」は、本件発明4における「第3状態収容部」とされる「前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部」に相当する。そうすると、本件発明4の「前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、前記制御システムは、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」ことと、甲1-2発明の「前記システムコントローラP2は、前記棚Rに収納する前記容器Yが前記出庫実績の無い容器Yである場合に、物品保持部42A及び物品保持部42Bに前記容器Yが収納されていない仮置き収納部がある場合には、当該仮置き収納部の前記物品保持部42Bに前記出庫実績の無い容器Yを収納し、前記出庫実績のある容器Yを前記仮置き収納部の手前側の物品保持部42Aに収納するように前記スタッカクレーン2を制御する」こととは、「前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、 前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」という点で共通する。 したがって、本件発明4と甲1-2発明とは次の一致点と相違点を有する。 <一致点> 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、 前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。」 <相違点1-2> 本件発明4の制御システムは、「入庫処理によって」収容棚に収容する物品である対象物品が通常物品である場合に、第3状態収容部の通常収容位置に前記対象物品を収容するのに対し、甲1-2発明は、リロケーションの作業中の制御であって、仮置き収納部の前記物品保持部42Bに前記出庫実績の無い容器Yを収納するにとどまらず、その後に、出庫実績のある容器Yを前記仮置き収納部の手前側の物品保持部42Aに収納するものである点。 本件発明4は甲1-2発明との対比において相違点1-2を有するから、本件発明4は甲1-2発明ではない。 次に、相違点1-2について検討する。 入庫処理の作業中に、収容設備の複数の収容部の中に第3状態収容部があるか否かを識別して、当該第3状態収容部に通常物品を収納することは、甲2~甲4のいずれにも記載も示唆もされておらず、また、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、本件発明4は、甲1-2発明及び甲2~甲4に記載されている事項から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (3)本件発明6について 本件発明1、4又は5を引用する本件発明6も、上記(1)、上記(2)又は上記第2の3(5)ウと同様の理由により、甲1発明及び甲2~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 次に本件発明3を引用する本件発明6について検討する。 本件発明3は「前記制御システムは、前記対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部がない場合であって前記第2状態収容部がある場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第1状態収容部及び前記第2状態収容部がない場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」との構成を有するが、甲1~甲4にいずれにも、第1状態収容部~第3状態収容部の有無を識別し、それらの状態に優先順位をつけて対象物品を収容する制御をすることは記載も示唆もされておらず、また、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、本件発明3は、甲1発明及び甲2~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件発明3を引用する本件発明6も同様の理由により、甲1発明及び甲2~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 以上のことから、本件発明6は、甲1発明及び甲2~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件発明7について 本件発明1、3~6のいずれか一項を引用する本件発明7も、上記(3)と同様の理由により、甲1発明及び甲2~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (5)本件発明10について 本件発明10と甲1-4発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲1-4発明の「容器Yの収納方法」は本件発明10の「物品収容方法」に相当する。 そして、上記(1)の相当関係を踏まえれば、本件発明10と甲1-4発明とは、上記(1)における<相違点1-1>で相違する。 したがって、本件発明10は甲1-4発明ではない。 また、相違点1-1については上記(1)で検討した通りであるから、本件発明10は、甲1-4発明及び甲2~甲4に記載されている事項から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (6)本件発明11について 本件発明11と甲1-5発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲1-5発明の「図書保管管理システムにおけるシステムコントローラP2の機能を制御するための容器Yの収納プログラム」は、システムコントローラP2の機能を制御することは、図書保管管理システムを制御することでもあるから、本件発明11の「物品収容設備を制御するための物品収容プログラム」に相当する。 そして、上記(1)の相当関係を踏まえれば、本件発明11と甲1-5発明とは、上記(1)における<相違点1-1>で相違する。 したがって、本件発明11は甲1-5発明ではない。 また、相違点1-1については上記(1)で検討した通りであるから、本件発明11は、甲1-5発明及び甲2~甲4に記載されている事項から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 3 甲2を主引例とする場合 (1)本件発明1について 本件発明1と甲2-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲2-1発明の「格納部」は「収容部」に相当し、以下同様に、「保管棚2A、2B、2C」は「収容棚」に、「前面」は「正面」に、「保管棚前面」は「棚正面」に、「コンテナ8」は「物品」に、「運び出す」という事項は「搬送する」という事項に、「スタッカークレーン6A、6B、6C」は「搬送装置」に、「コンテナマスターデータベース33及び制御手段34」は「制御システム」に、「自動書籍管理装置」は「物品収容設備」に、「前後方向」は「棚奥行方向」に、「前面側201」は「棚正面側」に、「後面側202」は「棚背面側」に、「2つの」という事項は「複数の」という事項に、「格納可能」は「収容可能」に相当する。甲2-1発明の「スタッカークレーン6A、6B、6C」は「前記格納部からの前記コンテナ8の出庫及び前記格納部への前記コンテナ8の格納を行う機能」を有するのであるから、上述のとおり本件発明1の「搬送装置」に相当するだけでなく、本件発明1の「前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置」にも相当する。 甲2-1発明の「コンテナ8の識別情報」について、本件発明1の「物品の種類である物品種類を示す物品種類情報」に関する本件明細書【0037】における「物品Wが荷を収容する容器である場合、物品種類情報70に示される物品種類は、例えば、荷に対応する品名コードとされる。」との記載を考慮すると、甲2-1発明の「コンテナ8の識別情報」は本件発明1の「物品の種類である物品種類を示す物品種類情報」に相当する。 甲2-1発明の「コンテナ8の利用頻度」は、本件発明1の「前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報」に相当し、以下同様に、「コンテナマスターデータベース33」は「記憶部」に、「利用頻度が所定値を超える前記コンテナ8」は「出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品」に、「利用頻度の高いコンテナ」は「高頻度物品」に、「利用頻度が所定値より低い前記コンテナ8」は「出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品」に、「利用頻度の低いコンテナ」は「通常物品」に相当する。 甲2-1発明の「前面側201の排架位置」及び「後面側202の排架位置」は、それぞれが本件発明1の「複数の前記物品がそれぞれ収容される位置」ないし「収容位置」に相当する。そして、甲2-1発明の「前面側201の前記排架位置」と「前部格納アドレス」はそれぞれ、本件発明1の「最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置」と「第1収容位置」に相当し、甲2-1発明の「前記後面側202の前記排架位置」と「後部格納アドレス」はそれぞれ、本件発明1の「第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置」と「通常収容位置」に相当する。 甲2-1発明の「利用頻度の高いコンテナ8を前部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まるように格納するように前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御し、利用頻度の低いコンテナ8を後部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに遠いロケーションに集まるよう前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを制御する」という事項は、本件発明1の「前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する」という事項に相当する。 そうすると、本件発明1と甲2-1発明とは次の一致点及び相違点を有する。 <一致点> 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。 <相違点2-1> 本件発明1は「前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、前記制御システムは、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」ものであるのに対し、甲2-1発明は、排架先の保管棚に、後部格納アドレスに利用頻度が所定値より低いコンテナが収容されており、かつ、前部格納アドレスにコンテナが収容されていない格納部が存在するか否を識別していない点。 本件発明1は甲2-1発明との対比において相違点2-1を有するから、本件発明1は甲2-1発明ではない。 次に相違点2-1について検討する。 入庫処理の作業中に、収容設備の複数の収容部の中に第1状態収容部があるか否かを識別して、当該第1状態収容部に高頻度物品を収納することは、甲1、甲3~甲4のいずれにも記載も示唆もされておらず、また、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、本件発明1は、甲2-1発明及び甲1、甲3~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (2)本件発明6について 本件発明1、3又は5を引用する本件発明6も、上記(1)、上記2(3)又は上記第2の3(5)ウと同様の理由により、甲2に記載された発明及び甲1、甲3~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 次に本件発明4を引用する本件発明6について検討する。 本件発明4は「前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、前記制御システムは、入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する」との構成を有するが、入庫処理の作業中に、収容設備の複数の収容部の中に第3状態収容部があるか否かを識別して、当該第3状態収容部に通常物品を収納することは、甲1~甲4のいずれにも記載も示唆もされておらず、また、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、本件発明4は、甲2-1発明及び甲1、甲3~甲4に記載されている事項から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件発明4を引用する本件発明6も同様の理由により、甲2-1発明及び甲1、甲3~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 以上のことから、本件発明6は、甲2-1発明及び甲1、甲3~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)本件発明7について 本件発明1、3~6のいずれか一項を引用する本件発明7も、上記(2)と同様の理由により、甲2-1発明及び甲1、甲3~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件発明10について 本件発明10と甲2-3発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲2-3発明の「コンテナ8の格納方法」は本件発明10の「物品収容方法」に相当する。 そして、上記(1)の相当関係を踏まえれば、本件発明10と甲2-3発明とは上記(1)における<相違点2-1>で相違する。 したがって、本件発明10は甲2-3発明ではない。 また、相違点2-1については上記(1)で検討した通りであるから、本件発明10は、甲2-3発明及び甲1、甲3~甲4に記載されている事項から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (5)本件発明11について 本件発明11と甲2-4発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲2-4発明の「自動書籍管理装置を制御するためのコンテナ8を格納するプログラム」は、本件発明11の「物品収容設備を制御するための物品収容プログラム」に相当する。 そして、上記(1)の相当関係を踏まえれば、本件発明11と甲2-4発明とは上記(1)における<相違点2-1>で相違する。 したがって、本件発明11は甲2-4発明ではない。 また、相違点2-1については上記(1)で検討した通りであるから、本件発明11は、甲2-4発明及び甲1、甲3~甲4に記載されている事項から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 4 甲3を主引例とする場合 (1)本件発明1について 本件発明1と甲3-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲3-1発明の「収納部」は本件発明1の「収容部」に相当し、以下同様に、「収納棚14」は「収容棚」に、「収納棚14正面」は「棚正面」に、「金庫箱13」は「物品」に、「スタッカクレーン16」は「搬送装置」に、「コンピュータ23及び動作制御装置15」は「制御システム」に、「貸金庫システム10」は「物品収容設備」に、「奥行き方向」は「棚奥行方向」に、「前列の側」は「棚正面側」に、「後列の側」は「棚背面側」に、「2列の」という事項は「複数の」という事項に相当する。 甲3-1発明の「利用頻度」は本件発明1の「前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報」に相当し、以下同様に、「対応づけられて記憶された」という事項は「関連付けて記憶された」という事項に、「記憶部34」は「記憶部」に、「前記利用頻度が所定の頻度閾値以上である金庫箱13」は「前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品」に、「高頻度の金庫箱」は「高頻度物品」に、「前記利用頻度が所定の頻度閾値未満である金庫箱13」は「前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品」に、「低頻度の金庫箱」は「通常物品」に、「収納される位置」は「収容される位置」に、「収納位置」は「収容位置」に相当する。 甲3-1発明の「前列の収納位置」及び「後列の収納位置」は、それぞれが本件発明1の収容部における「複数の前記物品がそれぞれ収容される位置」に相当するし、「収容位置」に相当する。そして、甲3-1発明の「前列の収納位置」は、本件発明1の「1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置とし」たときの「第1収容位置」に相当し、甲3-1発明の「後列の収納位置」は、同様に本件発明1の「通常収容位置」に相当する。 甲3-1発明の「収納棚14の前列の収納位置にある金庫箱13が低頻度の金属箱であり、後列の収納位置にある金庫箱13が高頻度の金属箱である場合、高頻度の金属箱を前列の収納位置に収納し、低頻度の金属箱を後列に収納位置に収納するように前記スタッカクレーン2を制御する」という事項は、「前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する」という事項に相当する。 そうすると、本件発明1と甲3-1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点> 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報が記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。 <相違点3-1> 「記憶部」に「出庫頻度情報」と関連づけて記憶された情報に関して、本件発明1は、「物品の種類である物品種類を示す物品種類情報」であるのに対して、甲3-1発明は、「金庫箱13毎の収納位置情報」である点。 <相違点3-2> 本件発明1は「前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、」前記制御システムは、「入庫処理によって前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、複数の前記収容部の中に前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御」しているのに対し、甲3-1発明は入庫時の制御については明らかではない点。 事案に鑑み相違点3-2について検討する。 入庫処理の作業中に、収容設備の複数の収容部の中に第1状態収容部があるか否かを識別して、当該第1状態収容部に高頻度物品を収納することは、甲1~甲2、甲4のいずれにも記載も示唆もされておらず、また、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、相違点3-1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲3-1発明及び甲1~甲2、甲4に記載されている事項から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (2)本件発明10について 本件発明10と甲3-2発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲3-2発明の「金庫箱13の収納方法」は本件発明10の「物品収容方法」に相当する。 そして、上記(1)の相当関係を踏まえれば、本件発明10と甲3-2発明とは、少なくとも相違点3-2において相違する。 相違点3-2については上記(1)で検討した通りであるから、本件発明10は、甲3-2発明及び甲1~甲2、甲4に記載されている事項から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (6)本件発明11について 本件発明11と甲3-3発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲3-3発明の「貸金庫システム10を制御するための金庫箱13の収納プログラム」は、本件発明11の「物品収容設備を制御するための物品収容プログラム」に相当する。 そして、上記(1)の相当関係を踏まえれば、本件発明11と甲3-3発明とは、少なくとも相違点3-2で相違する。 相違点3-2については上記(1)で検討した通りであるから、本件発明11は、甲3-3発明及び甲1~甲2、甲4に記載されている事項から、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 4 申立人の主張について 申立人は、令和7年5月21日に提出した意見書において、次の主張をしている。 (1)甲1発明1において、上記理想的な容器の配置を考慮すれば、システムコントローラが通常入庫作業を実行する場合に、実績有り容器を、複数の各種状態の収納部がある場合に、通常想定される上記状態イ、口、ハの空きの収納部が存在するとき、状態口の収納部の手前側の容器保持部42Aに収納し、上記理想的な容器の配置となるようにスタッカークレーンを制御することも、当業者が容易に想到し得ることといえる。(5頁下から4行~6頁2行) (2)そうすると、甲2発明1において、上記理想的な容器の配置を考慮すれば、制御手段34が入庫動作の際に、利用頻度が所定値を上回るコンテナ8を、複数の空きアドレス(空き収納部)の中から、図8(c)に示された4連目の3段目の棚を選択し、上記理想的な容器の配置とすべく、その前面側の空きアドレスに収納するようにスタッカークレーン6A~6Cを制御すること、すなわち、上記相違点に係る訂正発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることといえる。(8頁下から6行~最終行) 上記(1)について検討する。 入庫処理の作業中に、収容設備の複数の収容部の中に第1状態収容部があるか否か、すなわち、収容部が申立人の主張における(状態ロ)に該当する収容部であるのか否かを識別して、当該第1状態収容部に高頻度物品を収納することは、甲1~甲4のいずれにも記載も示唆もされておらず、また、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、申立人の上記(1)の主張を採用することはできない。 上記(2)について検討する。 甲2に記載されている発明は、上記第5の(2)で検討した通り、スタッカークレーン6A~6Cのホームポジションから時間的に近い場合は値が小さく、遠い場合は値が大きくなるように重みが選択され、複式の保管棚の場合は前部格納アドレスは値が小さくなるように重みが選択されるロケーション係数を算出し、利用頻度の高いコンテナ8はロケーション係数が最も小さくなる排架位置を決定し、利用頻度の低いコンテナ8はロケーション係数が最も大きくなる排架位置を決定するものであるから、既に保管棚の格納部の前部格納アドレスと後部格納アドレスとに収納されているコンテナ8が利用頻度の高いものか低いものかは認識していない。したがって、保管棚の格納部が、「前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部」と認識することもできないから、当該第1状態収容部を選択して収納することもできない。 したがって、申立人の上記(2)の主張を採用することはできない。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立ての理由について 1 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立ての理由は、概ね、次のとおりである。 本件発明8は、甲1発明、甲2記載事項及び甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるか、甲2発明及び甲4記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 2 当審合議体の判断 (1)甲1を主引例とする場合について 本件発明8と甲1-3発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲1-3発明は甲1-1発明を引用するものであるから、上記第5の2(1)で検討した相当関係に加えて、甲1-3発明の「前記棚Rから搬出する容器Yが奥側の物品保持部42Bに位置する容器Yである場合は」という事項は本件発明8の「前記収容棚から取り出す前記物品を出庫物品とし」という事項に相当し、同様に「手前側の物品保持部42Aの容器Yを予め設けた仮置き収納部に移動させた」という事項は「前記出庫物品が収容されている前記収容部における前記出庫物品よりも前記棚正面側に収容された前記物品を移動物品として、前記制御システムは、前記移動物品を別の前記収容部に移動させる荷繰り処理を行う」という事項に相当する。 したがって、本件発明8と甲1-3発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点> 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記収容棚から取り出す前記物品を出庫物品とし、前記出庫物品が収容されている前記収容部における前記出庫物品よりも前記棚正面側に収容された前記物品を移動物品として、 前記制御システムは、前記移動物品を別の前記収容部に移動させる荷繰り処理を行う、物品収容設備。 <相違点1-3> 本件発明8の制御システムは、荷繰り処理を行う場合に、「前記移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、前記制御システムは、前記荷繰り処理を行う場合であって前記移動物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、前記移動物品が収容されている前記収容部からの前記搬送装置による搬送距離が最も短い前記収容部に優先的に前記移動物品を収容するように前記搬送装置を制御する」のに対し、甲1-3発明は、手前側の物品保持部42Aの容器Y(移動物品)を移動させる先は「予め設けた仮置き収納部」であって、収容部41の奥側と手前側のいずれに移動させるかということや、搬送距離の長短については考慮していない点。 相違点1-3について検討する。 甲2-1発明は、スタッカークレーン6A~6Cのホームポジションから時間的に近い場合は値が小さく、遠い場合は値が大きくなるように重みが選択され、複式の保管棚の場合は前記前部格納アドレスは値が小さくなるように重みが選択されるロケーション係数を算出し、前記制御手段34は、入庫動作や荷振り動作において、前記利用頻度の高いコンテナ8は前記ロケーション係数が最も小さくなる排架位置を決定し、前記利用頻度の低いコンテナ8は前記ロケーション係数が最も大きくなる排架位置を決定しているため、利用頻度の高いコンテナ8は、荷振りの際も、スタッカークレーン6A~6Cのホームポジションに近いロケーションに格納されることとなる。 したがって、甲1-3発明に、甲2-1発明における荷振りコンテナの排架位置の決定の仕方を適用できたとしても、依然として少なくとも、「前記制御システムは、前記荷繰り処理を行う場合であって前記移動物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、前記移動物品が収容されている前記収容部からの前記搬送装置による搬送距離が最も短い前記収容部に優先的に前記移動物品を収容するように前記搬送装置を制御する、」点が相違点として残る。 また、甲4は、「スタッカクレーン10は同一収納部3の各棚4,5に共に荷があるうちの奥棚5から荷を出庫させるとき、まず手前棚4の荷を最も近い(退避に要する作業時間の最も短くて済む)退避専用棚6に退避させた後、奥棚5の荷を出庫させる。」(【0032】参照)という技術的事項が記載されているが、甲1-3発明に、甲4に記載された技術的事項を適用できたとしても、依然として、「荷繰り処理を行う場合に、前記移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御」する点が相違点として残る。 さらに、甲1-3発明に、甲2-1発明における荷振りコンテナの排架位置の決定の仕方と、甲4に記載された技術的事項の双方を適用しようとすると、甲2-1発明におけるスタッカークレーン6A~6Cのホームポジションを基準に算出されるロケーション係数に基づく荷振りコンテナの排架位置の決定と、甲4に記載された技術的事項における出庫させる棚から最も近い(退避に要する作業時間の最も短くて済む)退避専用棚6に退避させる制御とが矛盾するため、甲1-3発明に、甲2-1発明における荷振りコンテナの排架位置の決定の仕方と、甲4に記載された技術的事項の双方を適用することはできない。 そして、甲3にも、相違点1-3に係る本件発明8の構成は記載も示唆もされておらず、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、本件発明8は、甲1-3発明及び甲2~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 (2)甲2を主引例とする場合について 本件発明8と甲2-2発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲2-2発明は甲2-1発明を引用するものであるから、上記第5の3(1)で検討した相当関係に加えて、甲2-2発明の「出庫する」という事項は本件発明7の「取り出す」という事項に、「出庫コンテナ」は「出庫物品」に、「移動コンテナ」は「移動物品」に、「移動コンテナをコンテナ8が格納されていない保管棚のアドレスに移動させる」という事項は「移動物品を別の前記収容部に移動させる」という事項に、「荷振り動作」は「荷繰り処理」に、「移動コンテナが前記利用頻度の高いコンテナである場合には前記移動コンテナ8を前記前部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに近いロケーションに集まるようにし」という事項は、「移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し」という事項に、「移動コンテナが前記利用頻度の低いコンテナである場合には前記移動コンテナ8を前記後部格納アドレスで且つクレーンホームポジションに遠いロケーションに集まるように前記スタッカークレーン6A、6B、6Cを前記ロケーション係数に基づいて制御する」という事項は「前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する」という事項に相当する。 したがって、本件発明8と甲2-2発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点> 複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、 前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、 前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、 前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、 前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、 前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、 前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、 前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御し、 前記収容棚から取り出す前記物品を出庫物品とし、前記出庫物品が収容されている前記収容部における前記出庫物品よりも前記棚正面側に収容された前記物品を移動物品として、 前記制御システムは、前記移動物品を別の前記収容部に移動させる荷繰り処理を行う場合に、前記移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、 物品収容設備。 <相違点2-2> 本件発明8では、「前記制御システムは、前記荷繰り処理を行う場合であって前記移動物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、前記移動物品が収容されている前記収容部からの前記搬送装置による搬送距離が最も短い前記収容部に優先的に前記移動物品を収容するように前記搬送装置を制御する」のに対し、甲2-2発明では、入庫動作及び荷振り動作においてスタッカークレーン6A~6Cのホームポジションから時間的に近い場合に値が小さくなるように重みが選択されるロケーション係数に基づいて制御をしている点。 相違点2-2について検討する。 甲4には、スタッカクレーン10は同一収納部3の各棚4、5に共に荷があるうちの奥棚5から荷を出庫させるとき、まず手前棚4の荷を最も近い(退避に要する作業時間の最も短くて済む)退避専用棚6に退避させた後、奥棚5の荷を出庫させ、退避させた荷を元の手前棚4ではなく出庫で空になった奥棚5に戻す(【0032】参照)という技術的事項が記載されている。 そうすると、甲4に記載された技術的事項は、退避させた荷を元の収納部3に戻すことを前提としているため、甲2-2発明における、入庫動作及び荷振り動作において一貫してスタッカークレーン6A~6Cのホームポジションを基準としたロケーション係数に基づく制御とは制御内容が根本的に異なる。したがって、甲2-2発明の入庫動作と荷振り動作とで一貫している制御のうち、荷振り動作のみについて、甲4に記載された技術的事項と置換する動機付けがあるとはいえず、むしろ阻害要因がある。 そして、甲1及び甲3にも相違点2-2に係る本件発明8の構成は記載も示唆もされておらず、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更や設計的事項の採用の範疇にあるというに足る根拠もない。 したがって、本件発明8は、甲2-2発明及び甲1、甲3~甲4に記載されている事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては、本件の請求項1、4、6~8、10~11に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件の請求項1、4、6~8、10~11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、請求項2は本件訂正により削除された。これにより、請求項2に係る特許に対する特許異議の申立は、申立の対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-700980

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決68件(株式会社ダイフク、齊藤 恵美子)
  • 2025-700729異議申立 / 2026-03-13 / 訂正認容積層体及び包装袋
    同じ当事者: 齊藤 恵美子
  • 2024-700417異議申立 / 2026-03-10 / 訂正認容積層体および包装袋
    同じ当事者: 齊藤 恵美子
  • 2025-700204異議申立 / 2026-02-05 / 維持親魚の産卵管理装置
    同じ当事者: 齊藤 恵美子
  • 2025-701000異議申立 / 2026-02-05 / 維持積層体及び包装袋
    同じ当事者: 齊藤 恵美子
  • 2025-701025異議申立 / 2026-02-03 / 維持洗車機および洗車システム
    同じ当事者: 株式会社ダイフク
同じ論点・分野の審決(審決分類)202件(113・B65G、121・B65G、851・B65G ほか)
  • 2018-701073異議申立 / 2019-11-11 / 訂正認容モジュール式コンベアシステムのためのゾーン制御装置
    共通の審決分類: 113・B65G、121・B65G、851・B65G、853・B65G ほか1件
  • 2019-700874異議申立 / 2020-08-26 / 訂正認容物品搬送システム、搬送装置及び物品搬送方法
    共通の審決分類: 121・B65G、851・B65G、853・B65G、857・B65G
  • 2019-700280異議申立 / 2020-10-12 / 訂正認容物品のピッキングまたは収納作業の支援装置及びシステム
    共通の審決分類: 113・B65G、121・B65G、851・B65G
  • 2019-800065無効審判 / 2020-09-11 / 請求不成立搬送装置
    共通の審決分類: 113・B65G、121・B65G、851・B65G
  • 2023-700247異議申立 / 2024-10-04 / 請求成立(取消)搬送設備
    共通の審決分類: 113・B65G、121・B65G

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存