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特許異議申立

2021-700357

ラップネット

審判番号
2021-700357
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-020612外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
6775805
請求日
2021年04月20日
審決日
2022年11月02日
公報発行日
2023年02月24日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-YAA(D04B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項、特許法第135条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6775805号発明「ラップネット」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論
特許第6775805号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~11〕について訂正することを認める。
特許第6775805号の請求項8~11に係る特許を維持する。
特許第6775805号の請求項1~7に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

目次 ▾ 12項目
理 由

第1 手続の経緯

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特許第6775805号の請求項1~7に係る特許についての出願は、平成31年2月7日に出願され、令和2年10月9日にその特許権の設定登録がされ、令和2年10月28日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。

令和3年 4月20日 :特許異議申立人岡本レース株式会社(以下「申立人」という。)による請求項1~7に係る特許に対する特許異議の申立て
令和3年 7月16日付け:取消理由通知
令和3年 9月15日 :特許権者による意見書の提出及び訂正の請求
令和3年10月27日 :申立人による意見書の提出
令和3年12月24日付け:取消理由通知(決定の予告)
令和4年 3月 4日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和4年 5月30日付け:訂正拒絶理由通知
令和4年 6月28日 :特許権者による意見書及び手続補正書の提出

(以下、令和4年3月4日の訂正請求書及び令和4年6月28日の手続補正書による訂正の請求を「本件訂正請求」という。)

令和4年 8月15日 :申立人による意見書の提出

なお、令和3年9月15日の訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。

第2 訂正の請求について

1.訂正の内容

本件訂正請求は、「特許第6775805号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~11について訂正することを求める」ものであり、その訂正の内容は、本件特許に係る願書に添付した特許請求の範囲を、令和4年6月28日の手続補正書により補正された訂正請求書に記載された、次のように訂正するものである。(下線は、当審が訂正箇所に付したものである。)

(1)訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1~7を削除する。

(2)訂正事項2

訂正前の請求項1を新たに請求項8とし、

訂正前の請求項1において「セルロース系繊維からなる経糸群」とあるものを、訂正後の請求項8においては「セルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる経糸群」に訂正し、

訂正前の請求項1において「前記独立鎖編の各ループが他の独立鎖編の他のループとセルロース系繊維からなる緯糸によって連結されてなる編地からなり、」とあるものを、訂正後の請求項8においては、「前記独立鎖編の各ループが隣接する他の独立鎖編の他のル―プとセルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる2本の緯糸によって連結されてなる編地からなり、」に訂正し、

更に、訂正後の請求項8に「当該編地の編密度は、略2コース/2.54cmであり、編地の長さ方向に連なる独立鎖編と隣接する独立鎖編との間隔が略1.7cmであり、且つ、1本の独立鎖編における連結点の間隔が略1.3cmであって、」を追加する(訂正後の請求項8の記載を引用する訂正後の請求項9~11も同様に訂正する)。

(3)訂正事項3

訂正前の請求項2を新たに請求項9とし、

「前記経糸の糸強度が前記緯糸の糸強度より大きいことを特徴とする請求項8に記載のラップネット。」とする(訂正後の請求項9の記載を引用する訂正後の請求項10、11も同様に訂正する)。

(4)訂正事項4

訂正前の請求項3を新たに請求項10とし、

訂正前の請求項3において「前記経糸は、綿繊維からなる5番手~20番手の短繊維紡績糸条の単糸、又は、当該単糸の少なくとも2本以上の糸からなる合撚糸若しくは引き揃え糸であって、前記緯糸は、綿繊維からなる10番手~40番手の短繊維紡績糸条の単糸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のラップネット。」とあるのを、訂正後の請求項10においては「前記経糸は、綿繊維からなる5番手~20番手の短繊維紡績糸条の単糸、又は、当該単糸の少なくとも2本以上の糸からなる合撚糸若しくは引き揃え糸であって、撚り係数が4.0~4.8の範囲内にあり、前記緯糸は、綿繊維からなる10番手~40番手の短繊維紡績糸条の単糸であることを特徴とする請求項8又は9に記載のラップネット。」に訂正する(訂正後の請求項10の記載を引用する訂正後の請求項11も同様に訂正する)。

(5)訂正事項5

訂正前の請求項4を新たに請求項11とし、

訂正前の請求項4において「前記独立鎖編とこれに隣接する他の独立鎖編とが連結して編地を編成することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載のラップネット。」とあるのを、訂正後の11においては「前記独立鎖編とこれに隣接する他の独立鎖編とが連結して編地を編成することを特徴とする請求項8~10のいずれか1つに記載のラップネット。」とする。

2.訂正の適否

(1)一群の請求項

訂正前の請求項1~7は、請求項2~7が訂正請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正請求は一群の請求項について請求されたものである。

(2)訂正事項1について

訂正事項1は、本件訂正前の請求項1~7を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

また、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書」という。)に記載された事項の範囲内においてするものであることは明らかである。

(3)訂正事項2について

ア 訂正前の請求項1において「セルロース系繊維からなる経糸群」及び「セルロース系繊維からなる緯糸」とあるものを、それぞれ「セルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる経糸群」及び「セルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる緯糸」とする訂正は、セルロース系繊維が「短繊維紡績糸条からなる」ことを限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

また、訂正前の請求項1において「前記独立鎖編の各ループが他の独立鎖編の他のループとセルロース系繊維からなる緯糸によって連結されてなる編地からなり、」とあるものを、「前記独立鎖編の各ループが隣接する他の独立鎖編の他のル―プとセルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる2本の緯糸によって連結されてなる編地からなり、」とする訂正は、緯糸により独立鎖編と「隣接する他の独立鎖編」の間が連結されていること、本数が「2本」であることを限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

更に、「当該編地の編密度は、略2コース/2.54cmであり、編地の長さ方向に連なる独立鎖編と隣接する独立鎖編との間隔が略1.7cmであり、且つ、1本の独立鎖編における連結点の間隔が略1.3cmであって、」を追加する訂正は、訂正前の請求項1において、編地の編密度、独立鎖編の間隔及び連結点の間隔が特定されていなかったものを特定して限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

イ 訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。

ウ 「短繊維紡績糸条からなる」ことは本件特許明細書の段落【0026】に、緯糸の本数が「2本」であることは本件特許明細書の段落【0094】に、それぞれ記載されている。

本件特許明細書の段落【0094】に、「本実施例2で編成されたラップネットの編密度は、2コース/2.54cmであって、編地の長さ方向に連なるチェーンステッチ(独立鎖編)と隣接するチェーンステッチ(独立鎖編)との間隔(図4におけるX2)が1.7cm(約1インチ)であった。また、1本のチェーンステッチ(独立鎖編)における連結点の間隔(図4におけるY2)が1.3cm(約2/3インチ)であった。」と記載されているところ、編地の編密度を「略2コース/2.54cm」とすることついて、訂正前の請求項6には、「編密度が0.5~20コース/2.54cm」と記載されており、2.54cmあたり「略2コース」は「0.5~20コース」の範囲内である。独立鎖編の間隔の「略1.7cm」は、同じく訂正前の請求項7の「1.5cm~5.0cm」の範囲内であり、連結点の間隔の「略1.3cm」は、訂正前の請求項7の「1.0cm~5.0cm」の範囲内であり、訂正事項2は、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものである。

(4)訂正事項3について

訂正事項3は、訂正事項2で訂正前の請求項1を新たに請求項8に項番を換えることに伴い、請求項9が引用する請求項の項番を換えるものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

また、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであることは明らかである。

(5)訂正事項4について

ア 経糸の撚り係数を「4.0~4.8の範囲内」と限定する訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

また、訂正事項4で引用する請求項を「請求項8又は9」とする訂正は、訂正事項2で訂正前の請求項1を新たに請求項8に項番を換えることに伴い、請求項10が引用する請求項の項番を換えるものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

イ 訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。

ウ 本件特許明細書の段落【0093】には、「いずれの綿紡績糸も撚り係数を4.0~4.8の範囲で制御し、経糸の強度が緯糸の強度より大きいようにした。」と記載されており、訂正事項4は、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものである。

(6)訂正事項5について

訂正事項5は、訂正事項2で訂正前の請求項1を新たに請求項8に項番を換えることに伴い、請求項11が引用する請求項の項番を換えるものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

また、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであることは明らかである。

3.小括

上記のとおり、訂正事項1~5に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~11〕について訂正することを認める。

第3 訂正後の請求項8~11に係る発明

本件訂正後の請求項8~11に係る発明(以下「本件発明8」等という。)は、以下のとおりのものである。

「【請求項8】
編地の長さ方向に並列したセルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる経糸群が、それぞれ、編地の長さ方向に連続したループにより複数の独立鎖編を形成し、
前記独立鎖編の各ループが隣接する他の独立鎖編の他のル―プとセルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる2本の緯糸によって連結されてなる編地からなり、
当該編地の編密度は、略2コース/2.54cmであり、編地の長さ方向に連なる独立鎖編と隣接する独立鎖編との間隔が略1.7cmであり、且つ、1本の独立鎖編における連結点の間隔が略1.3cmであって、
続きを表示(全14行)
前記複数の独立鎖編は、それぞれ、閉じ目からなる1又は数個のループと、開き目からなる1又は数個のループとが交互に形成されてなることを特徴とするラップネット。
【請求項9】
前記経糸の糸強度が前記緯糸の糸強度より大きいことを特徴とする請求項8に記載のラップネット。
【請求項10】
前記経糸は、綿繊維からなる5番手~20番手の短繊維紡績糸条の単糸、又は、当該単糸の少なくとも2本以上の糸からなる合撚糸若しくは引き揃え糸であって、撚り係数が4.0~4.8の範囲内にあり、
前記緯糸は、綿繊維からなる10番手~40番手の短繊維紡績糸条の単糸であることを特徴とする請求項8又は9に記載のラップネット。
【請求項11】
前記緯糸は、編地の長さ方向に対して下方から上方に伸びて前記独立鎖編を構成するループのニードルループと当該ループの真上のループのシンカーループとの交絡点で当該独立鎖編に挿入され、
更に、上方に伸びて前記独立鎖編とこれに隣接する他の独立鎖編を構成するループのニードルループと当該ループの真上のループのシンカーループとの交絡点で当該他の独立鎖編に挿入されることにより、
前記独立鎖編とこれに隣接する他の独立鎖編とが連結して編地を編成することを特徴とする請求項8~10のいずれか1つに記載のラップネット。」

第4 当審の判断

1.取消理由(決定の予告)の概要

訂正前の請求項1~7に係る特許に対して、当審が令和3年12月24日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。

請求項1~7に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に、甲第2号証に記載された技術を組み合わせることにより、又は、甲第2号証に記載された発明に、甲第1号証に記載された技術を組み合わせることにより、当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項1~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。

甲第1号証:国際公開第2014/175300号
甲第2号証:ワープニット(経編)マガジン,KWP2006/3版,日本マイヤー株式会社,平成18年12月,p.38

以下、甲第1号証等を「甲1」等と略記する。

2.甲1、甲2の記載事項等

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(1)甲1の記載事項、甲1に記載された発明

ア 甲1には、以下の記載がある。

(ア)請求の範囲

「[請求項1] 編地の長さ方向に並列したセルロース系繊維からなる経糸群が、それぞれ、編地の長さ方向に連続したループにより複数の独立鎖編を形成し、
前記独立鎖編の各ループが他の独立鎖編の他のループとセルロース系繊維からなる緯糸によって連結されてなる編地からなることを特徴とするラップネット。」
「[請求項3] 前記経糸は、綿繊維からなる5番手~20番手の短繊維紡績糸条の単糸の少なくとも2本以上の糸に撚りを掛けずに引き揃えた引き揃え糸であって、
前記緯糸は、綿繊維からなる10番手~30番手の短繊維紡績糸条の単糸であることを特徴とする請求項2に記載のラップネット。
[請求項4] 前記経糸は、綿繊維からなる5番手~20番手の短繊維紡績糸条の単糸の少なくとも2本以上の糸を合撚した合撚糸であって、
前記緯糸は、綿繊維からなる10番手~30番手の短繊維紡績糸条の単糸であることを特徴とする請求項2に記載のラップネット。」

(イ)発明が解決しようとする課題

「[0008] ところで、上記特許文献1或いは上記特許文献2などのラッピングマシンで使用されるラップネットやラップフィルムには、ポリエチレンなどの汎用合成樹脂が使用されている。また、ラップネットには、例えば、経済性などの点から、ポリエチレンフィルムを細長く裁断したスリットヤーンが使用されている。このスリットヤーンは、ラップネットの物性(特に強度)を維持するため延伸された高密度ポリエチレン(HDPE)フィルムから形成されており、そのためラップネットの伸度は非常に小さなものである。
[0009] 実際の作業において、ロールベールにラップネットやラップフィルムをラッピングする際には、ラッピングマシンで大きな張力をかけてラッピングする。従って、ラップネット及びラップフィルムによりラッピングされたロールベールの外周には、大きな張力が掛かっており硬くしっかりと固定されている。
[0010] このように、運搬・保管に有効なラップネットとラップフィルムによるラッピングであっても、その後にロールベールを飼料として利用する際には、ラップネット及びラップフィルムを切断・除去して牧草を解きほぐす作業を行う。その際に、ラップフィルムは、シート状であり扱い易く除去作業は容易である。これに対して、ラップネットは、伸度が小さなスリットヤーンが大きな張力で何本も重なってロールベールに巻き付いており、除去作業が難しいという問題があった。
[0011] 例えば、ラップフィルムを除去した後のロールベールからラップネットを切断除去する際には強い力が必要であり、作業者が誤って刃物により身体を傷つけるという事故が多発している。また、ラップネットの切り残しを牧草の攪拌時に発見し、これを取り除こうとした作業者が機械に挟まれるという事故も発生している。
[0012] また、ラップネットの除去作業の難しさから、除去したラップネット一部が家畜用飼料の中に混入するという問題があった。このように、家畜用飼料の中にラップネットの一部が混入すると、家畜が飼料と一緒に合成樹脂製のラップネットを食べてしまい、家畜が病気になり、或いは、死んでしまうという問題があった。
[0013] 更に、除去したラップネット及びラップフィルムには、上述のように、ポリエチレンなどの汎用合成樹脂が使用されている。従って、これらを産業廃棄物として処分しなければならず、農畜産業者にとってその労力と処理コストが大きいという問題があった。
[0014] 一方、バイオエタノールの発酵原料として干草や藁など、或いは、河岸整備などで刈り取られた草木などをロールベールにして運搬・保管した場合でも、発酵作業に入るときには、同様にラップネットを切断・除去して干草や藁などを解きほぐす作業が必要である。上述のように、ラップネットには、ポリエチレンなどの汎用合成樹脂が使用されている。これらの汎用合成樹脂は、バイオエタノールの発酵原料として利用することができない。
[0015] ラップネットの除去作業の難しさは、農畜産業の場合と同様であり、除去したラップネットの一部がバイオエタノールの発酵原料の中に混入するという問題が生じる。このように、バイオエタノールの発酵原料の中にラップネットの一部が混入すると、発酵槽が詰まる、或いは、混合装置に絡まるなどのトラブルが考えられる。
[0016] そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、運搬・保管に有効ラップネットによるラッピングのメリットを維持し、且つ、ラップネットの除去作業が容易になり、ラップネットの残渣が飼料、或いは、発酵原料に混入した場合でも、家畜への影響が少なく、或いは、発酵装置がトラブルを生じないラップネットを提供することを目的とする。更に、本発明は、これらのラップネットの製造方法を提供することを目的とする。」

(ウ)課題を解決するための手段

「[0017] 上記課題の解決にあたり、本発明者は、鋭意研究の結果、ラップネットの構造を検討し、ラップネットの素材としてセルロース系繊維からなる糸を組み合わせることにより、上記目的を達成できることを見出し本発明の完成に至った。
[0018] 即ち、本発明に係るラップネットは、請求項1の記載によると、編地の長さ方向に並列したセルロース系繊維からなる経糸群が、それぞれ、編地の長さ方向に連続したループにより複数の独立鎖編を形成し、
前記独立鎖編の各ループが他の独立鎖編の他のループとセルロース系繊維からなる緯糸によって連結されてなる編地からなることを特徴とする。
[0019] また、本発明は、請求項2の記載によると、請求項1に記載のラップネットであって、前記経糸の糸強度が前記緯糸の糸強度より大きいことを特徴とする。
続きを表示(全18行)
[0020] また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項2に記載のラップネットであって、前記経糸は、綿繊維からなる5番手~20番手の短繊維紡績糸条の単糸の少なくとも2本以上の糸に撚りを掛けずに引き揃えた引き揃え糸であって、
前記緯糸は、綿繊維からなる10番手~30番手の短繊維紡績糸条の単糸であることを特徴とする。
[0021] また、本発明は、請求項4の記載によると、請求項2に記載のラップネットであって、前記経糸は、綿繊維からなる5番手~20番手の短繊維紡績糸条の単糸の少なくとも2本以上の糸を合撚した合撚糸であって、
前記緯糸は、綿繊維からなる10番手~30番手の短繊維紡績糸条の単糸であることを特徴とする。
[0022] また、本発明に係るラップネットは、請求項5の記載によると、編地の長さ方向に並列した合成樹脂系繊維からなる経糸群が、それぞれ、当該長さ方向に連続したループにより複数の独立鎖編を形成し、
前記独立鎖編の各ループが他の独立鎖編の他のループとセルロース系繊維からなる緯糸によって連結されてなる編地からなり、
前記経糸の糸強度が前記緯糸の糸強度より大きいことを特徴とする。
[0023] また、本発明は、請求項6の記載によると、請求項5に記載のラップネットであって、前記経糸は、合成樹脂フィルムをスリットしてなる単糸繊度が200~2500デシテックスのスリットヤーンであって、
前記緯糸は、綿繊維からなる3番手~30番手の短繊維紡績糸条であることを特徴とする。
[0024] また、本発明は、請求項7の記載によると、請求項6に記載のラップネットであって、前記経糸は、生分解性樹脂からなることを特徴とする。
[0025] また、本発明は、請求項8の記載によると、請求項1~7のいずれか1つに記載のラップネットであって、前記緯糸は、編地の長さ方向に対して下方から上方に伸びて前記独立鎖編を構成するループのニードルループと当該ループの真上のループのシンカーループとの交絡点で当該独立鎖編に挿入され、
更に、上方に伸びて前記独立鎖編とこれに隣接する他の独立鎖編を構成するループのニードルループと当該ループの真上のループのシンカーループとの交絡点で当該他の独立鎖編に挿入されることにより、
前記独立鎖編とこれに隣接する他の独立鎖編とが連結して編地を編成することを特徴とする。
[0026] また、本発明は、請求項9の記載によると、請求項8に記載のラップネットであって、経編機にて編密度が0.5~20コース/2.54cm、且つ、編地の長さ方向に連なる前記独立鎖編と隣接する他の独立鎖編との間隔が10cm以下となるように編成してなることを特徴とする。」

(エ)発明を実施するための形態

「[0053] 本第1実施形態において、経糸に綿繊維からなる糸条を使用する場合には、太番手の単糸をそのまま使用するようにしてもよく、或いは、中番手から太番手の単糸を少なくとも2本以上合わせて使用するようにしてもよい。例えば、綿繊維の単糸を2本以上合わせて使用する場合には、5番手~20番手の短繊維紡績糸条の単糸の2本以上に撚りを掛けずに引き揃えた引き揃え糸として使用するようにしてもよい。また、5番手~20番手の短繊維紡績糸条の単糸の2本以上を撚り合わせた合撚糸として使用するようにしてもよい。」

「[0056] 一方、本第1実施形態において、緯糸に綿繊維からなる糸条を使用する場合には、10番手~30番手の綿紡績糸の単糸とすることが好ましい。10番手~30番手の綿紡績糸も、低価格の汎用糸として市場に流通しており、容易に入手することができるからである。緯糸に単糸を使用するのは、上述の経糸との糸強度差を大きくするためである。なお、綿紡績糸の撚りの程度は、糸強度と伸度により適宜選定すればよい。」

「[0064] 次に、本第1実施形態に係るラップネットを構成する編成組織について説明する。なお、本第1実施形態において説明するラップネットの編成組織は、本第1実施形態のみに関するものではなく本発明において共通するものである。本第1実施形態において、ラップネットは、上述の2種類のセルロース系繊維からなる経糸と緯糸とを用いて経編機にて編成される経編ネットである。ここで、経編とは、編地の長さ方向に並列した経糸群が編地の長さ方向に連続して編目(ループ)を形成する編み方であって、一般的に編地の長さ方向の強度が大きいことを特徴とする。」

「[0067] ここで、本第1実施形態に係るラップネットの編成を具体的に説明する。図1は、本第1実施形態に係るラップネットの編成組織を示す概略図である。図1において、ラップネット(10)は、糸強度の強いセルロース系繊維からなる経糸(1)と糸強度の弱いセルロース系繊維からなる緯糸(2)とからなり、この経糸(1)が編地の基礎を構成するループ(20)を形成する。
[0068] 図1においては、4ウェール(タテ方向の畝)×8コース(ヨコ方向の畝)のチェーンステッチからなる編地を示す。各ウェール(30)及び各コース(40)は、更に上下左右方向に編成されて広幅長尺の編地を形成する。この図1においては、タテ方向に並列した4本の経糸(1)が、それぞれ、図示上方に延びながら連続したループ(20)を形成し、それぞれ独立鎖編からなるウェール(30)を構成する。
[0069] この状態においては、各独立鎖編のウェール(30)は、それぞれが連結しておらず、編地を構成しない。そこで、セルロース系繊維からなる経糸群(1)が各独立鎖編のウェール(30)を形成すると共に、セルロース系繊維からなる緯糸(2)がウェール(30)の各ループ(20)と他のウェールの他のループ(20)とを連結するようにして経編ネットを編成する。
[0070] 図1において、緯糸(2)は、図示上方に伸びて、まず、ウェールの連続した2つのループの交絡点(1つのループの上方に凸のニードルループと、その真上のループの下方に凸のシンカーループとの連結するところ)において、これらのループを経由(潜り抜ける)して上方に伸びる。その後、この緯糸(2)は、隣接する他のウェールの連続した2つのループの交絡点において、これらのループを経由(潜り抜ける)して更に上方に伸びる。その後、この緯糸(2)は、隣接する元のウェールの連続した2つのループの交絡点において、これらのループを経由(潜り抜ける)して更に上方に伸び、その後も同様に伸びて各ウェールを連結する。」

「[0072] ラップネットの編密度が0.5~20コース/2.54cm、且つ、編地の長さ方向に連なる編目と隣接する編目との間隔が10cm以下であることにより、短くカットされた干草や藁などがラップネットの網目から脱落することがなく、且つ、ある程度の粗さを有することから、目付(単位面積当たりの重量)が小さく経済性のよいラップネットを構成することができる。このことにより、運搬・保管に有効なラップネットのメリットを維持すると共に、ラップネットの除去作業が容易になる。」

(オ)図面

「[図1]
[図:0001393972000001.jpg]
」

図1からは、独立鎖編の各ループが、隣接する他の独立鎖編の他のル―プと1本の緯糸によって連結された編地の組織が看取できる。

イ 上記の記載事項からみて、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

「編地の長さ方向に並列したセルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる経糸群が、それぞれ、編地の長さ方向に連続したループにより複数の独立鎖編を形成し、
前記独立鎖編の各ループが、隣接する他の独立鎖編の他のループとセルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる1本の緯糸によって連結され、
編密度が0.5~20コース/2.54cm、且つ、編地の長さ方向に連なる前記独立鎖編と隣接する他の独立鎖編との間隔が10cm以下の編地からなるラップネット。」

(2)甲2の記載事項

ア 甲2には、以下の記載がある。

(ア)「ベール梱包ネットとパレットネット」

(イ)「本誌で紹介するネット材は第一に藁や干草梱包のラッピングに使用され、また牧草梱包をあらかじめ固定する際にも使用される。鎖編が梱包を支えるのに必要なパワーを提供するのに対して鎖編にジョイントしている緯糸は突き出た茎を覆い、平坦な面を作る。」

(ウ)「
[図:0001393972000002.jpg]
」
(エ)「
[図:0001393972000003.jpg]
」

(オ)上記(イ)の「鎖編が梱包を支えるのに必要なパワーを提供するのに対して鎖編にジョイントしている緯糸は突き出た茎を覆い、平坦な面を作る。」との記載より、「鎖編」は、複数の独立した「鎖編」であり、前記複数の独立した鎖編は、ネット材の長さ方向に並列した経糸群から、ネット材の長さ方向に連続したループにより形成されるものと解される。

(カ)他方、当審が職権で探知した特開2010-63585号公報の段落0016には、「中間部Mは、経編の開き目24aと閉じ目24bを交互に繰り返す鎖編糸24により構成され、鎖編糸24のパターンは、各筬の位置番号が1-0/0-1/0-1/1-0の繰り返しで表され、・・・」と記載されていることより、上記(エ)に記載されているGB1の筬の位置番号「1-0/0-1/0-1/1-0//」は、複数の独立鎖編が、それぞれ、閉じ目からなる1個のループと、開き目からなる1個のループとが交互に形成されてなることを表していると解される。

また、上記(エ)に記載されている筬の位置番号「0-0/1-1/2-2/0-0//」のGB2の糸は、1本の緯糸を表していると解される。

イ 上記の記載事項からみて、甲2には次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

「ネット材の長さ方向に並列したポリエチレンからなる経糸群が、それぞれ、ネット材の長さ方向に連続したループにより複数の独立した鎖編を形成し、
前記独立した鎖編の各ループが他の独立した鎖編の他のループとポリエチレンからなる1本の緯糸によってジョイントされてなるネット材からなり、
前記複数の独立した鎖編は、それぞれ、閉じ目からなる1個のループと、開き目からなる1個のループとが交互に形成されてなるベール梱包ネット。」

3.本件発明8について

(1)甲1発明を主引用発明とした場合

ア 本件発明8と甲1発明とを対比すると、以下の一致点1で一致し、相違点1-1及び相違点1-2で相違する。

<一致点1>

編地の長さ方向に並列したセルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる経糸群が、それぞれ、編地の長さ方向に連続したループにより複数の独立鎖編を形成し、

前記独立鎖編の各ループが他の独立鎖編の他のループとセルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる緯糸によって連結されてなる編地からなるラップネットである点。

<相違点1-1>

本件発明8が「前記複数の独立鎖編は、それぞれ、閉じ目からなる1又は数個のループと、開き目からなる1又は数個のループとが交互に形成されてなる」のに対し、甲1発明は、そうではない点。

<相違点1-2>

本件発明8の編地の「前記独立鎖編の各ループが隣接する他の独立鎖編の他のル―プ」が「セルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる2本の緯糸によって連結され」、「当該編地の編密度は、略2コース/2.54cmであり、編地の長さ方向に連なる独立鎖編と隣接する独立鎖編との間隔が略1.7cmであり、且つ、1本の独立鎖編における連結点の間隔が略1.3cm」であるのに対し、引用発明1の編地の独立鎖編は1本の緯糸で連結され、編地の編密度、独立鎖編の間隔及び連結点の間隔が特定されていない点。

イ 上記相違点1-1について検討する。

独立鎖編には、閉じ目からなるループと、開き目からなるループがあり、甲1には、いずれのループに限定する記載はなく、甲1発明においては、複数の独立鎖編における編地の長さ方向に連続したループを、閉じ目、開き目、またはそれらの組み合わせから適宜選択し得るものであるところ、同じ干草等をラッピングするネット材に係る甲2発明のように、閉じ目からなる1個のループと、開き目からなる1個のループとが交互に形成されてなるものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

ウ 続いて、上記相違点1-2について検討する。

甲1発明の「編密度が0.5~20コース/2.54cm、且つ、編地の長さ方向に連なる前記独立鎖編と隣接する他の独立鎖編との間隔が10cm以下の編地」を採用する技術的意義について、甲1では、「短くカットされた干草や藁などがラップネットの網目から脱落することがなく、且つ、ある程度の粗さを有することから、目付(単位面積当たりの重量)が小さく経済性のよいラップネットを構成することができる。」([0072])としている。このことから、編地を構成する鎖編の組織については、干草や藁などがラップネットの網目から脱落しないようにし、且つ、経済性も考慮して、その寸法は、適宜、設定し得るものといえる。

しかし、甲1には、1本の独立鎖編における連結点の間隔についての記載はなく、また、緯糸の本数を1本から増やし得ることも示唆されていないため、本件発明8のように、緯糸を2本とし、編地の編密度を略2コース/2.54cm、編地の長さ方向に連なる独立鎖編と隣接する独立鎖編との間隔を略1.7cm、且つ、1本の独立鎖編における連結点の間隔を略1.3cmの組み合わせを選択することまでは、当業者にとって容易に想到できたものではない。

申立人は、令和4年8月17日(受付日)の意見書に添付して、新たに次の参考文献2~6を提出する。

参考文献2:国際公開第2013/057597号
参考文献3:欧州特許出願公開第0891698号明細書
参考文献4:欧州特許出願公開第1743968号明細書
参考文献5:韓国特許第10-0974071号明細書
参考文献6:韓国特許第10-1019465号明細書

しかし、いずれの参考文献にも、本件発明8の上記相違点1-2に係る構成は記載されていない。

よって、本件発明8の上記相違点1-2に係る構成は、甲1発明に基いて、当業者が容易に想到し得たものではない。

エ 以上より、本件発明8は、甲1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)甲2発明を主引用発明とした場合

ア 本件発明8と甲2発明とを対比すると、甲2発明の「ネット材」は本件発明8「編地」に相当し、以下同様に、「独立した鎖編」は「独立鎖編」に、「ジョイント」は「連結」に、「ベール梱包ネット」は「ラップネット」に、それぞれ相当する。

そうすると、以下の一致点2で一致し、相違点2-1及び相違点2-2で相違する。

<一致点2>

編地の長さ方向に並列した経糸群が、それぞれ、編地の長さ方向に連続したループにより複数の独立鎖編を形成し、

前記独立鎖編の各ループが他の独立鎖編の他のループと緯糸によって連結されてなる編地からなり、

前記複数の独立鎖編は、それぞれ、閉じ目からなる1個のループと、開き目からなる1個のループとが交互に形成されてなるラップネットである点。

<相違点2-1>

本件発明8では、経糸群及び緯糸が、セルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなるのに対して、甲2発明は、経糸群及び緯糸が、ポリエチレンからなる点。

<相違点2-2>

本件発明8の編地の「前記独立鎖編の各ループが隣接する他の独立鎖編の他のル―プ」が「セルロース系繊維の短繊維紡績糸条からなる2本の緯糸によって連結され」、「当該編地の編密度は、略2コース/2.54cmであり、編地の長さ方向に連なる独立鎖編と隣接する独立鎖編との間隔が略1.7cmであり、且つ、1本の独立鎖編における連結点の間隔が略1.3cm」であるのに対し、引用発明2の編地の独立鎖編は1本の緯糸で連結され、編地の編密度、独立鎖編の間隔及び連結点の間隔について特定されていない点。

イ 上記相違点2-1について検討する。

甲2発明において、経糸群及び緯糸の素材は、所望の目的に応じて適宜選択し得るものであるから、甲1発明のように、ラップネットの残渣による悪影響を防ぐために、経糸群及び緯糸の素材としてセルロース系繊維の短繊維紡績糸条を選択することは、当業者が容易に想到し得ることである。

ウ 続いて、上記相違点2-2について検討する。

甲2は、筬を2枚用いて藁や干草を梱包するネット材の独立鎖編を1本の緯糸で連結する組織を編成する例を示すものであるが、筬の枚数を増やして、経糸で構成した独立鎖編を2本の緯糸で連結することは記載されておらず、緯糸の本数を1本から増やす動機付けはない。

また、申立人が提出した参考文献2~6に、本件発明8の上記相違点2-2に係る構成が記載されていないのは、上述のとおりである。

よって、本件発明8の上記相違点2-2に係る構成は、甲2発明に基いて、当業者が容易に想到し得たものではない。

エ 以上より、本件発明8は、甲2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

4.本件発明9~11について

本件発明9~11は、本件発明8の発明特定事項を全て備えるものであり、上記3.(1)及び(2)で述べたように、本件発明8は、甲1発明あるいは甲2発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、その発明特定事項を全て備える本件発明9~11も、甲1発明あるいは甲2発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第5 むすび

以上のとおりであるから、請求項8~11に係る特許は、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由によっては取り消すことはできない。

また、他に請求項8~11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

本件訂正により、請求項1~7に係る特許は削除されたため、請求項1~7に対して申立人がした特許異議の申立ては、不適法であって、その補正をすることができないものであることから、特許法第120条の8第1項で準用する特許法第135条の規定により、却下すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

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2021-700357

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