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特許異議申立

2021-700024

包装用積層体及び包装体

審判番号
2021-700024
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-173334
登録番号
6721773
請求日
2021年01月08日
審決日
2023年03月15日
公報発行日
2023年06月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】福助工業株式会社
  • 【権利者代理人】稗苗 秀三
  • 【権利者代理人】小羽根 孝康
  • 【権利者代理人】藤原 清隆
  • 【異議申立人】成田 隆臣
審判長/審判官
  • 審判長 井上 茂夫
  • 審判官 久保 克彦
  • 審判官 藤井 眞吾
分類
P1651.121-YAA(B65D) / P1651.537-YAA(B65D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6721773号発明「包装用積層体及び包装体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6721773号の特許請求の範囲を、令和4年7月29日の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1-5〕について訂正することを認める。 特許第6721773号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6721773号の請求項1~5に係る特許についての出願は、令和1年9月24日に出願され、令和2年6月22日にその特許権の設定登録がされ、令和2年7月15日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和3年 1月 8日 :特許異議申立人成田隆臣(以下「申立人」という。)による請求項1~5に係る特許に対する特許異議の申立て 令和3年 7月 2日付け:取消理由通知書 令和3年 9月 1日 :特許権者による意見書の提出 令和3年12月14日 :申立人による上申書提出 令和4年 5月31日付け:取消理由通知書(決定の予告) 令和4年 7月29日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出(以下「本件訂正請求」といい、訂正自体を「本件訂正」という。) 令和4年 9月 7日 :申立人による意見書の提出 第2 訂正の適否についての判断 1. 訂正の内容 本件訂正の内容は、訂正箇所に下線を付して示すと、次のとおりである。 本件訂正前の請求項1に 「坪量が10g/m2以上、100g/m2未満の紙基材と、前記紙基材の少なくとも一面に積層された樹脂層とを備え、前記樹脂層を構成する樹脂組成物は、植物由来エチレンを含むモノマーを重合してなる植物由来低密度ポリエチレンを含めて複数の低密度ポリエチレンを含有し、かつ、前記樹脂組成物に含まれる各ポリマーについて測定したMFRを基に算出した前記樹脂組成物のMFR計算値が、7.2g/10min以下である包装用積層体。」とあるのを、 「坪量が10g/m2以上、100g/m2未満の紙基材と、前記紙基材の少なくとも一面に積層された樹脂層とを備え、前記樹脂層を構成する樹脂組成物は、植物由来エチレンを含むモノマーを重合してなる植物由来低密度ポリエチレンを含めて複数の低密度ポリエチレンを含有し、かつ、前記樹脂組成物に含まれる各ポリマーについてJIS K7210に準拠して加熱温度190℃にて測定したMFRを基に以下の(式1)を用いて算出した前記樹脂組成物のMFR計算値が、7.2g/10min以下である包装用積層体。 MFR計算値=W1×MFR1+…+Wn×MFRn ・・・(式1) ここで、 MFR1:樹脂組成物中の第1のポリマーのMFR測定値 MFRn:樹脂組成物中の第nのポリマーのMFR測定値 W1 :樹脂組成物に含まれるポリマー全体に対する第1のポリマーの質量割合 Wn :樹脂組成物に含まれるポリマー全体に対する第nのポリマーの質量割合 (ただし、W1+…+Wn=1)」 また、請求項1の記載を引用する請求項2~5も同様に訂正する。 (なお、上記「請求項1」の記載のうち、 「MFR=W1×MFR1+…+Wn×MFRn ・・・(式1) ここで、 MFR1:樹脂組成物中の第1のポリマーのMFR測定値 MFRn:樹脂組成物中の第nのポリマーのMFR測定値 W1 :樹脂組成物に含まれるポリマー全体に対する第1のポリマーの質量割合 Wn :樹脂組成物に含まれるポリマー全体に対する第nのポリマーの質量割合 (ただし、W1+…+Wn=1)」との記載を、「(式1)」とのみいうことがある。) 2. 一群の請求項、訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1) 一群の請求項 本件訂正前の請求項2~5は、請求項1を引用するものである。したがって、本件訂正請求は、本件訂正前の請求項1~5に対応する本件訂正後の一群の請求項〔1~5〕について請求されたものである。 (2) 本件訂正の目的の適否 本件訂正は、本件訂正前の樹脂組成物に含まれる各ポリマーのMFRの測定方法を、JIS K7210に準拠して加熱温℃190℃にて測定したものに限定し、本件訂正前のMFR計算値を、(式1)を用いて算出したものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (3) 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 本件特許明細書には、 「本発明において、MFRは、メルトフローレートの略であり、JIS K 7210に準拠して加熱温度190℃にて測定した値を意味する。また、本発明において、MFR計算値とは、以下の(式1)で得られる値を意味する。 MFR計算値=W1×MFR1+…+Wn×MFRn ・・・(式1) ここで、 MFR1:樹脂組成物中の第1のポリマーのMFR測定値 MFRn:樹脂組成物中の第nのポリマーのMFR測定値 W1 :樹脂組成物に含まれるポリマー全体に対する第1のポリマーの質量割合 Wn :樹脂組成物に含まれるポリマー全体に対する第nのポリマーの質量割合 (ただし、W1+…+Wn=1)」(【0020】) という記載がある。よって、本件訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、又は、図面に記載した事項の範囲内でしたものであり、実質上、特許請求の範囲を拡張・変更するものでもない。 (4) 小括 上記のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件訂正発明 本件訂正請求により訂正された請求項1~5に係る発明(以下「本件訂正発明1」等という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~5にそれぞれ記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 坪量が10g/m2以上、100g/m2未満の紙基材と、前記紙基材の少なくとも一面に積層された樹脂層とを備え、前記樹脂層を構成する樹脂組成物は、植物由来エチレンを含むモノマーを重合してなる植物由来低密度ポリエチレンを含めて複数の低密度ポリエチレンを含有し、かつ、前記樹脂組成物に含まれる各ポリマーについてJIS K7210に準拠して加熱温度190℃にて測定したMFRを基に以下の(式1)を用いて算出した前記樹脂組成物のMFR計算値が、7.2g/10min以下である包装用積層体。 MFR計算値=W1×MFR1+…+Wn×MFRn ・・・(式1) ここで、 MFR1:樹脂組成物中の第1のポリマーのMFR測定値 MFRn:樹脂組成物中の第nのポリマーのMFR測定値 W1 :樹脂組成物に含まれるポリマー全体に対する第1のポリマーの質量割合 Wn :樹脂組成物に含まれるポリマー全体に対する第nのポリマーの質量割合 (ただし、W1+…+Wn=1) 【請求項2】 前記樹脂組成物は、植物由来エチレンを含むモノマーを重合してなる植物由来低密度ポリエチレンを複数含有し、かつ、前記樹脂組成物に含まれる各ポリマーについて測定したMFRを基に算出した前記樹脂組成物のMFR計算値が、4.9g/10min以上、7.2g/10min以下である請求項1に記載の包装用積層体。 【請求項3】 前記樹脂組成物は、植物由来エチレンを含むモノマーを重合してなる植物由来低密度ポリエチレンと、石油由来エチレンを含むモノマーを重合してなる石油由来低密度ポリエチレンとを含有し、かつ、前記樹脂組成物に含まれる各ポリマーについて測定したMFRを基に算出した前記樹脂組成物のMFR計算値が、3.4g/10min超、7.2g/10min以下である請求項1に包装用積層体。 【請求項4】 請求項1~3のいずれか一項に記載の包装用積層体をヒートシールしてなる包装体。 【請求項5】 請求項1~3のいずれか一項に記載の包装用積層体の製造方法であって、前記樹脂組成物を押出成形により前記紙基材に積層する包装用積層体の製造方法。」 第4 令和4年5月31日付け取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について 1. 取消理由の概要 上記取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由の概要は、以下のとおりである。 【理由1】特許法第29条第2項(進歩性)についての取消理由 本件訂正発明1~5は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2~6に記載された事項から導かれる周知技術に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 引用文献1:特開2017-196777号公報(本件特許異議申立書に添付した甲第1号証である。) 引用文献2:特開2017-114525号公報(同甲2) 引用文献3:特開2019-34519号公報(同甲3) 引用文献4:特開2007-276194号公報(同甲4) 引用文献5:特開2017-124564号公報(同甲5) 引用文献6:国際公開第2019/069963号(当審で発見した証拠) 【理由2】特許法第36条第6項第1号(サポート要件) 本件特許明細書の発明の詳細な説明を参照した当業者はMFR計算値が6.3g/10minのNo.3、同じく3.8g/10minのNo.6が包装用積層体を作製できない、あるいは、実用レベルでないとの評価を受けており、7.2g/10min以下との事項を含む請求項1~5に係る発明が、本件訂正発明の課題を解決し得るとは認識しない。 したがって、本件特許の請求項1~5に係る発明は、発明の詳細な説明に記載された発明であるとはいえない。 2.理由2(サポート要件)について 事案に鑑み、理由2(サポート要件)から検討する。 (1)本件特許明細書の記載 本件特許明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。 「【背景技術】 【0002】 現在、油分や水分を含んだ惣菜、パン等の包装体の材料として、紙基材にポリエチレンを積層した積層体が多用されている。ポリエチレンとしては柔軟性及びヒートシール性に優れるという観点から低密度ポリエチレンが多用されている。一方、地球温暖化を抑制する観点から、世界規模で二酸化炭素の排出量の削減が求められており、近年、石油を炭素源とするエチレン(石油由来エチレン)を含んだポリエチレン(石油由来ポリエチレン)の代替品として、植物を炭素源とするエチレン(植物由来エチレン)を含んだポリエチレン(植物由来ポリエチレン)が上市されている。 【0003】 そして、特許文献1には、坪量100~700g/m2の紙基材と、植物由来ポリエチレンと、石油由来ポリエチレンとを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂層とを有する積層体を備えた包装製品(紙カップ又は液体用紙容器)が開示されており、植物の生育時のCO2吸収と燃焼時の排出が同一となるカーボンニュートラルなポリオレフィン樹脂フィルムを実現できる旨記載されている。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、植物由来ポリエチレンを構成するモノマーである植物由来エチレンは、植物原料を含む培養液に微生物を作用させて産生する発酵エタノールを脱水することによって製造される。このようにして得られた植物由来エチレンには極微量の不純物が含まれることから、これをモノマーとして重合してなる植物由来ポリエチレンは、同じグレードであっても石油由来ポリエチレンと同等の物性とするのが難しいことが知られている(特許文献1段落0058参照)。 【0006】 実際に、本願発明者が検討したところ、紙基材上に樹脂層が積層された包装用積層体において、樹脂層を構成する樹脂組成物中の石油由来低密度ポリエチレンを植物由来低密度ポリエチレンに代替した場合、樹脂組成物の物性が変化することが確認された。そして、樹脂層のヒートシール性が低下するなどの不都合が生じることがわかった。 【0007】 そこで、本発明においては、植物由来ポリエチレンを用いることで環境負荷の低減を図りつつ、実用レベルの物性を備えた包装用積層体を提供することを目的とする。」 「【0017】 包装用積層体1を製造する手順としては、押出機で加熱溶融してTダイ4からフィルム状に押出された樹脂組成物7を、基材3の表面に塗布する。溶融状態の樹脂組成物7が塗布された基材3は、圧着ロール5と冷却ロール6の間を通過することで、樹脂層2が圧着された状態で冷却され、包装用積層体1が得られる。 【0018】 本発明で使用される紙基材3の坪量は、10g/m2以上、100g/m2未満である。すなわち、本発明の紙基材3は、紙パック、紙コップ、紙容器等に用いられる紙基材に比べて厚みが薄く、柔軟性を有する。したがって、包装用積層体1は、紙基材3に積層される樹脂組成物の性状の影響を受けやすくなる。よって、本発明の包装用積層体1に適した樹脂組成物の調製が必要となる。」 「【実施例】 【0025】 本実施例では、低密度ポリエチレンとして、植物由来低密度ポリエチレンおよび石油由来低密度ポリエチレンを用い、これらを種々組み合わせて樹脂組成物を調製した。調整した樹脂組成物は、押出機によって紙基材上に積層して包装用積層体を作製し、包装用積層体の成形性及び物性について評価した。以下、その詳細について記す。 【0026】 [樹脂組成物の調製] 樹脂組成物の調製に用いた樹脂及びスリップ剤(SL剤)の詳細を表1に示す。なお、ポリエチレンとして、1種類の石油由来低密度ポリエチレン(石油由来LDと略する)、2種類の植物由来低密度ポリエチレン(植物由来LDと略する)及び1種類の植物由来直鎖状低密度ポリエチレン(植物由来LLDと略する)を用いた。」 「【0027】 【表1】 [図:0001398207000001.jpg] 」 「【0028】 [包装用積層体の作製及び評価] (1)樹脂組成物のポリエチレンとして植物由来ポリエチレンのみを配合した場合 樹脂組成物のポリエチレン成分として植物由来ポリエチレンのみ配合して包装用積層体を作製した(表2のNo.1~6)。比較材として、石油由来LD単体を紙基材に積層した包装用積層体(現行品)を作製して相対評価を行なった(表2のNo.7)。 【0029】 具体的には、紙基材として坪量37g/m2の耐油紙を使用し、そこへ押出機より押出した樹脂組成物を塗布して厚み14μmの樹脂層を積層した。包装用積層体作製時における加工性及び樹脂圧、さらに、作製した包装用積層体のヒートシール性について評価を行った。評価結果を表2に記す。」 「【0030】 【表2】 [図:0001398207000002.jpg] 「【0031】 (2)樹脂組成物のポリエチレンとして植物由来LDと石油由来LDを併用した場合 樹脂組成物のポリエチレンとして植物由来LDと石油由来LDとを併用して包装用積層体を作製した(表3のNo.9~12)。比較材として、石油由来LD単体を紙基材に積層した包装用積層体を作製して相対評価を行なった(表3のNo.13)。なお、表3のNo.13と、表2のNo.7とは樹脂組成物は同配合であるが、紙基材の種類、樹脂層厚み及び押出機が異なる。 【0032】 具体的には、紙基材として坪量40g/m2の耐油紙を使用し、そこへ押出機より押出した樹脂組成物を塗布して厚み15μmの樹脂層を積層した。なお、No.1~7の作製に用いた押出機と、No.8~13の作製に用いた押出機とは別の押出機を使用した。包装用積層体作製時における加工性及び樹脂圧、さらに、作製した包装用積層体のヒートシール性について評価を行なった。評価結果を表3に記す。」 「【0033】 【表3】 [図:0001398207000003.jpg] 」 「【0034】 (3)包装用積層体作製時の樹脂圧 包装用積層体作製時に樹脂組成物を押出機から押出す際の樹脂圧を測定し、以下の基準により評価した。 〇:No.7(又はNo.13)の樹脂圧の1.5倍以内の圧力である。 △:No.7(又はNo.13)の樹脂圧の1.5倍を超える圧力である。 ×:樹脂圧が高すぎて押出し不可。 【0035】 (4)包装用積層体作製時の加工性 包装用積層体作製時に押出機から押出される樹脂組成物の状態及び包装用積層体の外観を目視により観察し、以下の基準により評価した。なお、下記基準において、樹脂揺れとはTダイから押し出された膜状の樹脂組成物の幅が一定でなく、不安定に増減する現象をいう。 〇:樹脂組成物に樹脂揺れがなく、得られた包装用積層体は平坦なシート状である。 ×:樹脂組成物に樹脂揺れが認められ、得られた包装用積層体が波打った状態である。 -:樹脂組成物が押出し不可により包装用積層体を作製できない。 【0036】 (5)包装用積層体のシール強度 長さ200mm、幅15mmの短冊状にカットした包装用積層体片一対を樹脂層が接触するようにして重ね合わせ、短冊の一端部を幅方向にヒートシールした。なお、ヒートシール領域は短冊の長さ方向5mm×幅方向15mmとした。ヒートシール条件は、シール温度150℃、シール時間1sec、シール圧力0.2MPaとした。ヒートシールした短冊の他端部を引張試験機にセットして引張り、最大強度を測定した。n=5で測定し、その平均値をシール強度とした。No.7(又はNo.13)のシール強度に対し、シール強度低下率が10%未満の場合は実用レベルであると判定した。 【0037】 [評価結果] 表2、3より、樹脂組成物として、植物由来LDを含む複数の低密度ポリエチレンを含有し、かつ、樹脂組成物のMFR計算値が7.2g/10min以下であるNo.2、4及び5並びにNo.9~12のシール強度は、比較材であるNo.7又は13のシール強度に比べてシール強度の低下率が10%未満であり、十分実用レベルであった。 【0038】 なお、No.6については実機レベルの試験で樹脂揺れが発生し、適切にシール強度の試験を行なうことができなかった。ただ、少量スケール試験では、No.6の加工性に問題はなく、シール強度も比較材(No.7)のシール強度に比べて低下率が10%未満のレベルを維持することが確認された。 【0039】 上述のごとく、樹脂組成物を構成する低密度ポリエチレンとして、植物由来LDにさらに別の植物由来LDを混合するか、石油由来LDを混合し、樹脂組成物のMFR計算値を7.2g/10min以下にすることで、環境負荷の低減を図りつつ、実用レベルの物性を備えた包装用積層体を提供することができる。なお、植物由来LDに植物由来LLDを混合したNo.3は、MFR計算値が6.3g/10minであるにもかかわらず樹脂圧が高くなりすぎて包装用積層体を作製できないという結果となった。 【0040】 表2に示すように、樹脂組成物中に複数の植物由来LDを含む場合、MFR計算値を4.9g/10min以上とすることで樹脂揺れの発生を抑制することができ、平坦なシート状の包装用積層体を得ることができる。この場合、MFR計算値は6.0g/10min以上とするのが好ましい。これにより、樹脂圧の上昇を抑えることができ、よりスムーズに樹脂層を積層することが可能となる。 【0041】 一方、表3に示すように、樹脂組成物中に植物由来LDと石油由来LDを含む場合は、MFR計算値が3.4g/10min超、7.2g/10min以下の範囲で良好なシール強度を維持可能である。ただ、環境負荷の低減を図る観点から植物由来LDは樹脂組成物のポリエチレン成分として5質量%以上含むことが好ましい。すなわち、L420、95質量%及びSBC818、5質量%を含む樹脂組成物のMFR計算値3.6g/10min以上であることが好ましい。 【0042】 表2より、樹脂組成物を構成する低密度ポリエチレンとして、現行品の石油由来LDと同等のMFRを有するSPB681を100%使用したNo.6は、現行品のNo.7に比べて樹脂圧が高く、樹脂組成物押出し時に樹脂揺れが発生した。これにより、包装用積層体の樹脂層に厚みムラが発生し、樹脂層厚が薄い部分では樹脂層が紙基材から浮く現象が認められた。また、作製した包装用積層体は波打った状態となり、実用レベルでないことが確認された。 【0043】 一方、植物由来LDとして、SPB681に比べてMFR値の大きいSBC818を100%使用したNo.1は、樹脂圧および加工性とも問題は認められなかったものの、シール強度が現行品であるNo.7よりも19%低下し、実用レベルでないことが確認された。」 (2)判断 ア.本件特許明細書に記載された、本件訂正発明が解決しようとする課題は、「極微量の不純物が含まれることにより、石油由来ポリエチレンと同等の物性とするのが難しい植物由来ポリエチレンを用いることで環境負荷の低減を図りつつ、実用レベルの物性を備えた包装用積層体を提供する」ことである。 そして、上記課題は、坪量が「10g/m2以上、100g/m2未満」の紙基材に対して塗布する「樹脂組成物を構成する低密度ポリエチレンとして、植物由来LDにさらに別の植物由来LDを混合するか、石油由来LDを混合し、樹脂組成物のMFR計算値を7.2g/10min以下にすること」で解決し得ると認識できるものである。 イ.本件特許明細書に記載された「No.3」は、樹脂組成物中に2種類のポリエチレンを含み、そのうちの一種類が植物由来低密度ポリエチレンではあるが、他の一種類が植物由来直鎖状低密度ポリエチレンであり、二種類の低密度ポリエチレンを含有するものではなく、「No.6」は、樹脂組成物中に一種類の植物由来低密度ポリエチレンしか含有せず、二種類の低密度ポリエチレンを含有するものではないから、これらの組成物の例が記載されていることをもって、(式1)を用いたMFR計算値が「7.2g/10min」との事項を含む本件訂正発明1~5が、本件訂正発明の課題を解決し得ないものを含むとはいえない。 ウ.したがって、本件特許の請求項1~5に係る発明は、発明の詳細な説明に記載された発明である。 3.理由1(進歩性)について (1)引用文献1に記載された事項及び発明 ア.引用文献1には、以下の事項が記載されている。 「【請求項1】 少なくとも、紙基材層と、ポリオレフィン樹脂層とを備える積層体であって、 前記ポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合体であるバイオマスポリオレフィンを含み、 前記ポリオレフィン樹脂層中のバイオマス度が5%以上であり、 前記バイオマスポリオレフィンが、0.91g/cm3以上0.93g/cm3以下の密度を有する、積層体」 「【0021】 (紙基材層) 本発明において、紙基材層は、ポリオレフィン樹脂層を保持する基材層としての機能を果たすものであり、積層体に包装製品としての強度を付与できるものが好ましい。紙基材層として用いる紙は、100g/m2以上700g/m2以下、好ましくは150g/m2以上600g/m2以下、より好ましくは200g/m2以上500g/m2以下の坪量を有するものである。紙基材層としては、白板紙全般を対象とするが、特に安全性の観点から天然パルプを用いたアイボリー紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙等の使用が好ましい。」 「【0023】 (ポリオレフィン樹脂層) 本発明において、ポリオレフィン樹脂層は、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合体であるバイオマスポリオレフィンを含むものであり、化石燃料由来のポリオレフィンをさらに含んでもよい。ポリオレフィン樹脂層は、ポリオレフィン樹脂層全体に対して、5質量%以上100質量%以下のバイオマスポリオレフィンと0質量%以上95質量%以下の化石燃料由来のポリオレフィンとを含んでもよく、5質量%以上100質量%未満のバイオマスポリオレフィンと0質量%超過95質量%以下の化石燃料由来のポリオレフィンとを含んでもよく、25質量%以上75質量%質量%以下のバイオマスポリオレフィンと25質量%以上75質量%質量%以下の化石燃料由来のポリオレフィンとを含んでもよい。ポリオレフィン樹脂層全体として、下記のバイオマス度を実現できればよい。本発明においては、ポリオレフィン樹脂層がバイオマスポリオレフィンを含むことで、従来に比べて化石燃料由来のポリオレフィンの量を削減し環境負荷を減らすことができる。」 【0033】 バイオマスポリオレフィンは、異なるバイオマス度のバイオマスポリオレフィンを2種以上含むものであってもよく、ポリオレフィン樹脂層全体として、バイオマス度が、上記範囲内であればよい。」 「【0035】 バイオマスポリオレフィンは、0.1g/10分以上10g/10分以下、好ましくは0.2g/10分以上9g/10分以下、より好ましくは1g/10分以上8.5g/10分以下のメルトフローレート(MFR)を有するものである。メルトフローレートとは、JIS K7210-1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。バイオマスポリオレフィンのMFRが0.1g/10分以上であれば、成形加工時の押出負荷を低減することができる。また、バイオマスポリオレフィンのMFRが10g/10分以下であれば、バイオマスポリオレフィンを含むポリオレフィン樹脂層の機械的強度を高めることができる。」 「【0075】 (積層体の製造方法) 本発明による積層体の製造方法は特に限定されず、ドライラミネート法、溶融押出しラミネート法、サンドラミネート法等の従来公知の方法を用いて製造することができる。本発明においては、溶融押出しラミネート法を用いて、積層しようとする層の表面にポリオレフィン樹脂層を形成することが好ましい。また、ポリオレフィン樹脂層と、他の層とを、共押し出し法により積層してもよい。」 「【0086】 [実施例2] <積層体2の作製> 紙基材層として耐酸コートカップ(中越パルプ工業株式会社製、坪量270g/m2)を用意し、一方の面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に、バイオマス由来の低密度ポリエチレン(Braskem社製、SBC818、密度:0.918g/cm3、MFR:8.1g/10分、バイオマス度:95%)70質量部と化石燃料由来の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、LC520、密度:0.923g/cm3、MFR:3.6g/10分、バイオマス度:0%)30質量部とをドライブレンドした混合樹脂を、320℃の樹脂温度、ライン速度100m/分で溶融押出しラミネートして、ポリオレフィン樹脂層(バイオマス度:67%、厚さ40μm)を形成して、紙基材層、ポリオレフィン樹脂層が順に積層された積層体2を得た。」 「【0100】 [製造例1~14] <紙カップの作製> 下記表1に記載の胴部材用積層体と底部材用積層体を組み合わせて、以下の工程にて紙カップを製造した。まず、胴部材用積層体から紙カップの胴部を作る円錐台形のブランク板を打ち抜き加工した。次に、上記のブランク板を筒状に巻いて、その両端部を部分的に重ね合わせ、その重合部分にホットエアー処理を行い、上記の重合部分に存在する低密度ポリエチレン樹脂層を加熱溶融した。続いて、熱板等によって押圧して胴貼りを行って胴シール部を形成して、紙カップを構成する筒状のカップ胴部を製造した。 【0101】 他方、底部材用積層体を円形状に打ち抜き加工して、底部を構成する円板を製造し、次いで、当該円板の外周部を筒状に起立成形して、起立成形部を有する底部を製造した。次いで、上記で製造した筒状のカップ胴部に、同じく上部で製造した底紙を挿入した後、その筒状のカップ胴部と底紙とを、その接合部分に熱風等を吹きつけてその接合部分に存在する樹脂層を加熱溶融した。続いて、カール用型により筒状のカップ胴部の先端部を内方に折り曲げて、上記の底部を構成する起立成形部にかぶせて、上記の筒状のカップ胴部の先端部と底部の起立成形部との重合部分を内径側からローレットによりローレットがけすることにより、上記の筒状のカップ胴部と底部とを密接着させて接合部を形成して、上記の筒状のカップ胴部と底部とからなる紙カップ底部を形成した。 【0102】 その後、上記の筒状のカップ胴部の底部を密接着させて接合部を形成した側と反対側の先端短部を、上記と同様にカール用型により外方に折り曲げながらカールさせて、上端外向きカール部を形成して、満杯容量382ccの紙カップを製造した。」 「【0104】 (破壊検査試験) 製造した紙カップを破壊検査し、接着状態を下記の評価基準にて目視で評価した。評価結果を表1に示した。 (評価基準) ○:紙剥けの現象が確認されるかあるいは材料が破壊され、接着状態は問題無かった。 ×:シール異常が有り、接着状態は不良であった。」 「【0105】 (液漏れ試験) 製造した紙カップを各40個用意し、各紙カップに中性洗剤(0.3%溶液)を添加し、10分間静置した後、下記の評価基準にて目視で評価した。評価結果を表1に示した。 (評価基準) ○:液漏れが無く、紙カップとしての性能が良好であった。 ×:液漏れが有り、紙カップとしての性能が不良であった。 【0106】 【表1】 [図:0001398207000004.jpg] イ.引用発明1 上記ア.に摘記した事項から、特に「実施例2」に着目して総合すると、引用文献1には、以下の引用発明1が記載されている。 「紙基材層として耐酸コートカップ(坪量270g/m2)の一方の面に、バイオマス由来の低密度ポリエチレン(Braskem社製、SBC818、密度:0.918g/cm3、MFR:8.1g/10分、バイオマス度:95%)70質量部と化石燃料由来の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、LC520、密度:0.923g/cm3、MFR:3.6g/10分、バイオマス度:0%)30質量部とをドライブレンドした混合樹脂を、溶融押出しラミネートして、ポリオレフィン樹脂層(バイオマス度:67%、厚さ40μm)を形成して、紙基材層、ポリオレフィン樹脂層が順に積層された、積層体。」 (2)本件訂正発明1について ア.対比 本件訂正発明1と引用発明1を対比すると、引用発明1の「バイオマス由来の低密度ポリエチレン(Braskem社製、SBC818、密度:0.918g/cm3、MFR:8.1g/10分、バイオマス度:95%)」は本件訂正発明1の「植物由来エチレンを含むモノマーを重合してなる植物由来低密度ポリエチレン」に相当し、引用発明1の「バイオマス由来の低密度ポリエチレン(Braskem社製、SBC818、密度:0.918g/cm3、MFR:8.1g/10分、バイオマス度:95%)70質量部と化石燃料由来の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、LC520、密度:0.923g/cm3、MFR:3.6g/10分、バイオマス度:0%)30質量部とをドライブレンドした混合樹脂」は本件訂正発明1の「植物由来エチレンを含むモノマーを重合してなる植物由来低密度ポリエチレンを含めて複数の低密度ポリエチレンを含有」する「樹脂組成物」に相当し、引用発明1の「ポリオレフィン樹脂層(バイオマス度:67%、厚さ40μm)」は本件訂正発明1の「樹脂層」に相当し、引用発明1の「積層体」は「紙コップ」に用いられるものであるから本件発明1の「包装用積層体」に相当する。 そうすると、両者は、以下の<一致点1>で一致し、以下の<相違点1>及び<相違点2>で相違する。 <一致点1> 「紙基材と、紙基材の少なくとも一面に積層された樹脂層を備え、該樹脂層を構成する樹脂組成物は、植物由来エチレンを含むモノマーを重合してなる植物由来低密度ポリエチレンを含めて複数の低密度ポリエチレンを含有する、包装用積層体。」 <相違点1> 本件訂正発明1では紙基材の坪量が10g/m2以上、100g/m2未満であるのに対し、引用発明1は270g/m2である点。 <相違点2> 本件訂正発明1では「前記樹脂層を構成する樹脂組成物は、植物由来エチレンを含むモノマーを重合してなる植物由来低密度ポリエチレンを含めて複数の低密度ポリエチレンを含有し、かつ、前記樹脂組成物に含まれる各ポリマーについてJIS K7210に準拠して加熱温度190℃にて測定したMFRを基に以下の(式1)用いて算出した前記樹脂組成物のMFR計算値が、7.2g/10min以下である」 「MFR計算値=W1×MFR1+…+Wn×MFRn ・・・(式1) ここで、 MFR1:樹脂組成物中の第1のポリマーのMFR測定値 MFRn:樹脂組成物中の第nのポリマーのMFR測定値 W1 :樹脂組成物に含まれるポリマー全体に対する第1のポリマーの質量割合 Wn :樹脂組成物に含まれるポリマー全体に対する第nのポリマーの質量割合 (ただし、W1+…+Wn=1)」のに対し、 引用発明1は、「バイオマス由来の低密度ポリエチレン(Braskem社製、SBC818、密度:0.918g/cm3、MFR:8.1g/10分、バイオマス度:95%)70質量部と化石燃料由来の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、LC520、密度:0.923g/cm3、MFR:3.6g/10分、バイオマス度:0%)30質量部とをドライブレンドした混合樹脂」である点。 イ.本件訂正発明1の技術的意義について 上記2.(1)で摘記した本件特許明細書の上記記載から、本件訂正発明1は、「紙パック、紙コップ、紙容器等に用いられる紙基材に比べて厚みが薄く、柔軟性を有する」、坪量が「10g/m2以上、100g/m2未満」の紙基材に対して樹脂組成物を塗布する場合に、「樹脂組成物を構成する低密度ポリエチレンとして、植物由来LDにさらに別の植物由来LDを混合するか、石油由来LDを混合し、樹脂組成物のMFR計算値を7.2g/10min以下にすることで、環境負荷の低減を図りつつ、実用レベルの物性を備えた包装用積層体を提供することができる」ようにしたものと理解される。 ウ.相違点1及び相違点2について 引用発明1は、紙コップに用いられる「坪量が270g/m2」の紙基材に、バイオマス由来の低密度ポリエチレンと化石燃料由来の低密度ポリエチレンの混合樹脂を溶融押出しラミネートしたものであり、本件訂正発明1の「紙パック、紙コップ、紙容器等に用いられる紙基材に比べて厚みが薄く、柔軟性を有する」、坪量が「10g/m2以上、100g/m2未満」の紙基材に対して樹脂組成物を塗布したものではない。 また、引用発明1の「バイオマス由来の低密度ポリエチレン(Braskem社製、SBC818、密度:0.918g/cm3、MFR:8.1g/10分、バイオマス度:95%)70質量部と化石燃料由来の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、LC520、密度:0.923g/cm3、MFR:3.6g/10分、バイオマス度:0%)30質量部とをドライブレンドした混合樹脂」は、本件訂正発明1の「式1」でMFR計算値を求めた場合の値が「6.7g/10min」ではあるが、「270g/m2」よりも遙かに薄い「坪量が10g/m2以上、100g/m2未満」の紙基材に対しても、この混合樹脂で「環境負荷の低減を図りつつ、実用レベルの物性を備え」てラミネートし得るとは必ずしもいえない。 そもそも、引用文献1には、「坪量が10g/m2以上、100g/m2未満」の紙基材にラミネートする樹脂について、植物由来低密度ポリエチレンを含む複数の低密度ポリエチレンとし、それらを混合した樹脂のMFRの値に着目して、その計算値が「7.2g/10min以下」となるものを用いることは、記載も示唆もされていない。 そうすると、引用発明1において、紙基材を「坪量が10g/m2以上、100g/m2未満」のものに換え、「前記樹脂層を構成する樹脂組成物は、植物由来エチレンを含むモノマーを重合してなる植物由来低密度ポリエチレンを含めて複数の低密度ポリエチレンを含有し、かつ、前記樹脂組成物に含まれる各ポリマーについてJIS K7210に準拠して加熱温度190度にて測定したMFRを基に」「(式1)を用いて算出した前記樹脂組成物のMFR計算値が、7.2g/10min以下」のものを採用する動機付けはない。 また、本件訂正発明1の相違点1及び相違点2に係る構成は、引用文献2~6に記載されていない。 よって、本件訂正発明1の相違点1及び相違点2に係る構成は、当業者が容易に想到し得たものではない。 エ.本件訂正発明1についてのまとめ 以上のとおりであるから、本件訂正発明1は、引用発明1及び引用文献2~6に記載された事項から導かれる周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものあるとはいえない。 (3)本件訂正発明2~5について 本件訂正発明2~5は、本件訂正発明1に構成を付加し、限定する発明である。そして、本件訂正発明1は、上記(2)で示したとおり、引用発明1及び引用文献2~6に記載された事項から導かれる周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるとはいえないから、本件訂正発明1を引用し、さらに技術的に限定された本件発明2~5も、同様に、引用発明1及び当該周知技術から当業者が容易に発明することができたものであるとはいえない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件請求項1~5に係る特許は、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由によっては、取り消すことはできない。 また、他に請求項1~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700024

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