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特許異議申立

2021-700016

スロットマシン

審判番号
2021-700016
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2016-114325外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年01月06日
審決日
2021年09月14日
公報発行日
2021年12月24日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-YAA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6723081号発明「スロットマシン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】
特許第6723081号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。
特許第6723081号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

目次 ▾ 16項目
【理 由】

第1 手続の経緯

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特許第6723081号(以下、「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成28年6月8日に出願され、令和2年6月25日にその特許権の設定登録がされ、同年7月15日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対して、令和3年1月6日に特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがされ、当審において、同年3月23日付けで取消理由が通知され、同年5月17日に特許権者である株式会社三共により意見書が提出されるとともに訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、これに対して、同年7月2日に特許異議申立人により意見書が提出されたものである。

第2 訂正の適否についての判断

1 訂正請求の趣旨

本件訂正請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを求める、というものである。

2 訂正の内容

本件訂正請求による訂正の内容は、次のとおりである。

(1) 訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1に、

「遊技を行うことが可能な遊技機であって、」とあるのを、

「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能となるゲームを行うことが可能なスロットマシンであって、」(下線は、訂正箇所を示す。以下、同じ。)に訂正する。

(2) 訂正事項2

特許請求の範囲の請求項1における上記訂正事項1の

「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能となるゲームを行うことが可能なスロットマシンであって、」の後に、
「遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前回のゲームにおける前記可変表示部の変動表示が開始したときから第1時間が経過していることを条件に前記可変表示部の変動表示を開始させた後、前記導出操作手段の操作を有効化し、前記導出操作手段の操作に応じて前記可変表示部の変動表示を停止させる変動表示制御手段と、
遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段と、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御を実行する音量制御手段と、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに前記第2時間が経過したときに、前記導出操作手段への操作を促す導出促進演出を実行する導出促進演出実行手段と、
複数種類のRT状態に制御するRT状態制御手段と、」を加える。

(3) 訂正事項3

特許請求の範囲の請求項1に、

「前記動作指示演出は文字画像を用いた演出であって、」とあるのを、

「前記動作指示演出および前記導出促進演出の各々は文字画像を用いた演出であって、」に訂正する。

(4) 訂正事項4

特許請求の範囲の請求項1に、

「前記文字画像を構成する一の文字は、当該文字の少なくとも一部分が前記所定動作を表した画像によって形成されている、遊技機。」とあるのを、

「前記動作指示演出および前記導出促進演出のうち、前記動作指示演出の文字画像を構成する一の文字は、当該文字の一部分が前記所定動作を表した画像によって形成されており、
前記動作指示演出および前記導出促進演出が実行されているときに前記所定動作が検出された場合、前記導出促進演出実行手段は前記導出促進演出を終了させ、前記指示演出実行手段は前記動作指示演出を終了させ、前記特定演出実行手段は前記特定演出を実行し、
前記可変表示部の変動表示中に前記動作指示演出が実行されているときに、前記可変表示部の変動表示が停止されることにより前記表示結果が導出されるまでに前記所定動作が検出されなかった場合、前記表示結果の導出後においても前記動作指示演出が継続され、
前記音量制御手段は、前記導出促進演出が実行されているときに、前記音量低下制御を実行させることが可能であり、
前記スロットマシンは、電断前に前記音量低下制御が実行されている場合であっても、前記音量低下制御が実行されていない状態で電断から復帰し、
前記スロットマシンは、電断から復帰したときに、電断前に実行されていた演出にかかわらず、前記動作指示演出、前記導出促進演出、前記特定演出のうちのいずれも実行されておらず、電断前の前記RT状態に対応した対応楽曲が出力されかつ電断前の前記RT状態に対応した対応画像が表示されている演出状態に制御される、スロットマシン。」に訂正する。

(5) 訂正事項5

本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の【発明の名称】に、

「遊技機」とあるのを、

「スロットマシン」に訂正する。

(6) 訂正事項6

本件特許明細書の段落【0001】に、

「本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。」とあるのを、

「本発明は、ゲームを行うことが可能なスロットマシンに関する。」に訂正する。

(7) 訂正事項7

本件特許明細書の段落【0002】に、

「遊技機として、所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたことに基づいて、複数種類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンや、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、該遊技領域に設けられている入賞口などの始動領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機などがある。」とあるのを、

「スロットマシンとして、所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたことに基づいて、複数種類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンがある。」に訂正する。

(8) 訂正事項8

本件特許明細書の段落【0003】に、

「このような遊技機においては、遊技者に所定の操作(MAXBETスイッチの操作等)を促す演出を行うことが提案されている(たとえば、特許文献1)。」とあるのを、

「このようなスロットマシンにおいては、遊技者に所定の操作(MAXBETスイッチの操作等)を促す演出を行うことが提案されている(たとえば、特許文献1)。」に訂正する。

(9) 訂正事項9

本件特許明細書の段落【0005】に、

「しかしながら、特許文献1に記載の遊技機は、所定の動作を促す演出として所定の動作を指示する文字(たとえば、「MAXBETを連打しろ!」という文字)を液晶表示器に表示するものであって、所定の動作との連動が鑑みられていない。」とあるのを、

「しかしながら、特許文献1に記載のスロットマシンは、所定の動作を促す演出として所定の動作を指示する文字(たとえば、「MAXBETを連打しろ!」という文字)を液晶表示器に表示するものであって、所定の動作との連動が鑑みられていない。」に訂正する。

(10) 訂正事項10

本件特許明細書の段落【0007】に、

「(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(スロットマシン1、[遊技機の変形例]欄のパチンコ遊技機など)であって、
遊技者の所定動作(演出用スイッチ56への操作、[所定動作の変形例]欄の打球操作ハンドルへの操作など)を検出する検出手段(演出用スイッチセンサ、[検出手段の変形例]欄の温度センサ、電圧センサなど)と、
前記検出手段が前記所定動作を検出したことに応じて特定演出を実行する特定演出実行手段(特定演出、[特定演出の変形例]欄に記載の演出など)と、
前記所定動作を促す動作指示演出(ボタン操作促進演出、[動作指示演出の変形例]欄に記載の演出など)を実行する指示演出実行手段(サブ制御部91など)と、を備え、
前記動作指示演出は文字画像(「ボタンを押せ」という文字画像など)を用いた演出であって、
前記文字画像を構成する一の文字は、当該文字の少なくとも一部分(「押」の「田」の部分)が前記所定動作を表した画像(ボタンを押す動作を表した画像)によって形成されている。」とあるのを、
「(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能となるゲームを行うことが可能なスロットマシン(スロットマシン1)であって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前回のゲームにおける前記可変表示部の変動表示が開始したときから第1時間が経過していることを条件に前記可変表示部の変動表示を開始させた後、前記導出操作手段の操作を有効化し、前記導出操作手段の操作に応じて前記可変表示部の変動表示を停止させる変動表示制御手段と、
続きを表示(全18行)
遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段と、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御を実行する音量制御手段と、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに前記第2時間が経過したときに、前記導出操作手段への操作を促す導出促進演出を実行する導出促進演出実行手段と、
複数種類のRT状態に制御するRT状態制御手段と、
遊技者の所定動作(演出用スイッチ56への操作)を検出する検出手段(演出用スイッチセンサ、[検出手段の変形例]欄の温度センサ、電圧センサなど)と、
前記検出手段が前記所定動作を検出したことに応じて特定演出を実行する特定演出実行手段(特定演出、[特定演出の変形例]欄に記載の演出など)と、
前記所定動作を促す動作指示演出(ボタン操作促進演出、[動作指示演出の変形例]欄に記載の演出など)を実行する指示演出実行手段(サブ制御部91など)と、を備え、
前記動作指示演出および前記導出促進演出の各々は文字画像(「ボタンを押せ」という文字画像など)を用いた演出であって、
前記動作指示演出および前記導出促進演出のうち、前記動作指示演出の文字画像を構成する一の文字は、当該文字の一部分(「押」の「田」の部分)が前記所定動作を表した画像(ボタンを押す動作を表した画像)によって形成されており、
前記動作指示演出および前記導出促進演出が実行されているときに前記所定動作が検出された場合、前記導出促進演出実行手段は前記導出促進演出を終了させ、前記指示演出実行手段は前記動作指示演出を終了させ、前記特定演出実行手段は前記特定演出を実行し、
前記可変表示部の変動表示中に前記動作指示演出が実行されているときに、前記可変表示部の変動表示が停止されることにより前記表示結果が導出されるまでに前記所定動作が検出されなかった場合、前記表示結果の導出後においても前記動作指示演出が継続され、
前記音量制御手段は、前記導出促進演出が実行されているときに、前記音量低下制御を実行させることが可能であり、
前記スロットマシンは、電断前に前記音量低下制御が実行されている場合であっても、前記音量低下制御が実行されていない状態で電断から復帰し、
前記スロットマシンは、電断から復帰したときに、電断前に実行されていた演出にかかわらず、前記動作指示演出、前記導出促進演出、前記特定演出のうちのいずれも実行されておらず、電断前の前記RT状態に対応した対応楽曲が出力されかつ電断前の前記RT状態に対応した対応画像が表示されている演出状態に制御される。」に訂正する。

(11) 訂正事項11

本件特許明細書の段落【0008】に、

「このような構成によれば、動作指示演出によって促す所定動作を表した画像が、動作指示演出を構成する文字画像の少なくとも一部を形成するため、動作指示演出と所定動作とを連動させることができ、遊技の興趣が向上する。」とあるのを、

「このような構成によれば、動作指示演出の文字画像を構成する一の文字は、当該文字の一部分が所定動作を表した画像によって形成されているため、動作指示演出と所定動作とを連動させることができ、遊技の興趣が向上する。」に訂正する。

(12) 訂正事項12

本件特許明細書の段落【0009】に、

「(2) 上記(1)に記載の遊技機において、
遊技者による操作が可能な操作手段(演出用スイッチ56、[所定動作の変形例]欄の打球操作ハンドルなど)をさらに備え、
前記所定動作は、前記操作手段への操作である。」とあるのを、
「(2) 上記(1)に記載のスロットマシンにおいて、
遊技者による操作が可能な操作手段(演出用スイッチ56)をさらに備え、
前記所定動作は、前記操作手段への操作である。」に訂正する。

(13) 訂正事項13

本件特許明細書の段落【0011】に、

「(3) 上記(1)または(2)に記載の遊技機は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結
果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
続きを表示(全11行)
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L~8R)と、
演出を実行する演出実行手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに所定時間経過したときに(たとえば、レバーオン操作されたときからストップスイッチが操作されずに3分間経過したときに)、前記導出操作手段への操作を促す第1促進演出(たとえば、図16(イ)に示すリール停止報知)を実行する第1促進演出実行手段と、
前記導出操作手段への操作以外の特定操作(たとえば、演出用スイッチ56への操作)を促す第2促進演出(たとえば、図16(ア)に示すボタン操作促進演出)を実行する第2促進演出実行手段とを含み、
前記第2促進演出実行手段は、前記第2促進演出の実行中に前記特定操作がされたときには、該第2促進演出を終了させるとともに特別演出(たとえば、図16(ウ)に示す特定演出)を実行し(たとえば、ボタン操作促進演出から特定演出に切替え)、
前記第1促進演出実行手段は、前記第2促進演出が実行されているときには、前記第1促進演出を実行しない(たとえば、ボタン操作促進演出が実行されているときには、リール停止報知を実行しない)。」とあるのを、
「(3) 上記(1)または(2)に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結
果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
続きを表示(全11行)
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L~8R)と、
演出を実行する演出実行手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに所定時間経過したときに(たとえば、レバーオン操作されたときからストップスイッチが操作されずに3分間経過したときに)、前記導出操作手段への操作を促す第1促進演出(たとえば、図16(イ)に示すリール停止報知)を実行する第1促進演出実行手段と、
前記導出操作手段への操作以外の特定操作(たとえば、演出用スイッチ56への操作)を促す第2促進演出(たとえば、図16(ア)に示すボタン操作促進演出)を実行する第2促進演出実行手段とを含み、
前記第2促進演出実行手段は、前記第2促進演出の実行中に前記特定操作がされたときには、該第2促進演出を終了させるとともに特別演出(たとえば、図16(ウ)に示す特定演出)を実行し(たとえば、ボタン操作促進演出から特定演出に切替え)、
前記第1促進演出実行手段は、前記第2促進演出が実行されているときには、前記第1促進演出を実行しない(たとえば、ボタン操作促進演出が実行されているときには、リール停止報知を実行しない)。」に訂正する。

(14) 訂正事項14

本件特許明細書の段落【0013】に、

「(4) 上記(1)または(2)に記載の遊技機は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L~8R)と、
続きを表示(全11行)
演出を実行する演出実行手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに所定時間経過したときに(たとえば、レバーオン操作されたときからストップスイッチが操作されずに3分間経過したときに)、前記導出操作手段への操作を促す第1促進演出(たとえば、図16(イ)に示すリール停止報知)を実行する第1促進演出実行手段と、
前記導出操作手段への操作以外の特定操作(たとえば、演出用スイッチ56への操作)を促す第2促進演出(たとえば、図16(ア)に示すボタン操作促進演出)を実行する第2促進演出実行手段とを含み、
前記第2促進演出実行手段は、前記第2促進演出の実行中に前記特定操作がされたときには、該第2促進演出を終了させるとともに特別演出(たとえば、図16(ウ)に示す特定演出)を実行し(たとえば、ボタン操作促進演出から特定演出に切替え)、
前記第1促進演出実行手段は、前記第2促進演出が実行されているときでも、前記第1促進演出を実行させることが可能であり(たとえば、図16(イ)に示すように、ボタン操作促進演出およびリール停止報知の双方が実行可能であり)、
前記第2促進演出および前記第1促進演出が実行されておりかつ前記特定操作がされたときに、前記第1促進演出実行手段は該第1促進演出を終了させ、かつ前記第2促進演出実行手段は該第2促進演出を終了させるとともに前記特別演出を実行する(たとえば、図16(イ)、(ウ)に示すように、ボタン操作促進演出から特定演出に切替えると共に、リール停止報知を終了させる)。」とあるのを、
「(4) 上記(1)または(2)に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L~8R)と、
続きを表示(全11行)
演出を実行する演出実行手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに所定時間経過したときに(たとえば、レバーオン操作されたときからストップスイッチが操作されずに3分間経過したときに)、前記導出操作手段への操作を促す第1促進演出(たとえば、図16(イ)に示すリール停止報知)を実行する第1促進演出実行手段と、
前記導出操作手段への操作以外の特定操作(たとえば、演出用スイッチ56への操作)を促す第2促進演出(たとえば、図16(ア)に示すボタン操作促進演出)を実行する第2促進演出実行手段とを含み、
前記第2促進演出実行手段は、前記第2促進演出の実行中に前記特定操作がされたときには、該第2促進演出を終了させるとともに特別演出(たとえば、図16(ウ)に示す特定演出)を実行し(たとえば、ボタン操作促進演出から特定演出に切替え)、
前記第1促進演出実行手段は、前記第2促進演出が実行されているときでも、前記第1促進演出を実行させることが可能であり(たとえば、図16(イ)に示すように、ボタン操作促進演出およびリール停止報知の双方が実行可能であり)、
前記第2促進演出および前記第1促進演出が実行されておりかつ前記特定操作がされたときに、前記第1促進演出実行手段は該第1促進演出を終了させ、かつ前記第2促進演出実行手段は該第2促進演出を終了させるとともに前記特別演出を実行する(たとえば、図16(イ)、(ウ)に示すように、ボタン操作促進演出から特定演出に切替えると共に、リール停止報知を終了させる)。」に訂正する。

(15) 訂正事項15

本件特許明細書の段落【0015】に、

「(5) 上記(1)または(2)に記載の遊技機は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L~8R)と、
遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ53、54)と、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに所定時間経過したときに(たとえば、レバーオン操作されたときからストップスイッチが操作されずに3分間経過したときに)、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御(たとえば、図16(イ)に示す音出力停止制御)を実行する音量制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
特定操作(たとえば、演出用スイッチ56への操作)を促す促進演出(たとえば、図16(ア)に示すボタン操作促進演出)を実行する促進演出実行手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記促進演出実行手段は、前記促進演出の実行中に前記特定操作がされたときには、該促進演出を終了させるとともに特別演出(たとえば、図16(ウ)に示す特定演出)を実行し(たとえば、ボタン操作促進演出から特定演出に切替え)、
前記音量制御手段は、前記促進演出が実行されているときには、前記音量低下制御を実行しない(たとえば、ボタン操作促進演出が実行されているときには、音出力停止制御を実行しない)。」とあるのを、
「(5) 上記(1)または(2)に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L~8R)と、
遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ53、54)と、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに所定時間経過したときに(たとえば、レバーオン操作されたときからストップスイッチが操作されずに3分間経過したときに)、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御(たとえば、図16(イ)に示す音出力停止制御)を実行する音量制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
特定操作(たとえば、演出用スイッチ56への操作)を促す促進演出(たとえば、図16(ア)に示すボタン操作促進演出)を実行する促進演出実行手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記促進演出実行手段は、前記促進演出の実行中に前記特定操作がされたときには、該促進演出を終了させるとともに特別演出(たとえば、図16(ウ)に示す特定演出)を実行し(たとえば、ボタン操作促進演出から特定演出に切替え)、
前記音量制御手段は、前記促進演出が実行されているときには、前記音量低下制御を実行しない(たとえば、ボタン操作促進演出が実行されているときには、音出力停止制御を実行しない)。」に訂正する。

(16) 訂正事項16

本件特許明細書の段落【0017】に、

「(6) 上記(1)または(2)に記載の遊技機は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L~8R)と、
続きを表示(全11行)
遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段(スピーカ53、54)と、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに所定時間経過したときに(たとえば、レバーオン操作されたときからストップスイッチが操作されずに3分間経過したときに)、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御(たとえば、図16(イ)に示す音出力停止制御)を実行する音量制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
特定操作(たとえば、演出用スイッチ56への操作)を促す促進演出(たとえば、図16(ア)に示すボタン操作促進演出)を実行する促進演出実行手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記促進演出実行手段は、前記促進演出の実行中に前記特定操作がされたときには、該促進演出を終了させるとともに特別演出(たとえば、図16(ウ)に示す特定演出)を実行し(たとえば、ボタン操作促進演出から特定演出に切替え)、
前記音量制御手段は、前記促進演出が実行されているときでも、前記音量低下制御を実行させることが可能であり(たとえば、図16(イ)に示すように、ボタン操作促進演出および音出力停止制御の双方が実行可能であり)、
前記促進演出および前記音量低下制御が実行されておりかつ前記特定操作がされたときに、前記音量制御手段は該音量低下制御を終了させ、かつ前記促進演出実行手段は該促進
演出を終了させるとともに前記特別演出を実行する(たとえば、図16(イ)、(ウ)に示すように、ボタン操作促進演出から特定演出に切替えると共に、音出力停止制御を終了させる)。」とあるのを、
「(6) 上記(1)または(2)に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L~8R)と、
続きを表示(全11行)
遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段(スピーカ53、54)と、
前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに所定時間経過したときに(たとえば、レバーオン操作されたときからストップスイッチが操作されずに3分間経過したときに)、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御(たとえば、図16(イ)に示す音出力停止制御)を実行する音量制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
特定操作(たとえば、演出用スイッチ56への操作)を促す促進演出(たとえば、図16(ア)に示すボタン操作促進演出)を実行する促進演出実行手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記促進演出実行手段は、前記促進演出の実行中に前記特定操作がされたときには、該促進演出を終了させるとともに特別演出(たとえば、図16(ウ)に示す特定演出)を実行し(たとえば、ボタン操作促進演出から特定演出に切替え)、
前記音量制御手段は、前記促進演出が実行されているときでも、前記音量低下制御を実行させることが可能であり(たとえば、図16(イ)に示すように、ボタン操作促進演出および音出力停止制御の双方が実行可能であり)、
前記促進演出および前記音量低下制御が実行されておりかつ前記特定操作がされたときに、前記音量制御手段は該音量低下制御を終了させ、かつ前記促進演出実行手段は該促進
演出を終了させるとともに前記特別演出を実行する(たとえば、図16(イ)、(ウ)に示すように、ボタン操作促進演出から特定演出に切替えると共に、音出力停止制御を終了させる)。」に訂正する。

3 訂正の適否

(1) 訂正事項1

ア 訂正の目的について

訂正事項1は、本件訂正前の「遊技機」を、「スロットマシン」に限定し、それが「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え」る点を限定するとともに、本件訂正前の「遊技」を、「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能となるゲーム」に限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項1は、本件訂正前の「遊技機」を、「スロットマシン」に限定し、それが「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え」る点を限定するとともに、本件訂正前の「遊技」を、「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能となるゲーム」に限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0011】の「(3) 上記(1)または(2)に記載の遊技機は、

各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、

前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、」との記載、本件特許明細書の段落【0026】の「ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L~2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L~8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。」との記載、本件特許明細書の段落【0042】の「スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L~2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L~2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。」との記載から、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能となるゲームを行うことが可能なスロットマシンが導き出せる。

したがって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(2) 訂正事項2

訂正事項2のうち、「遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、」を訂正事項2Aとする。

訂正事項2のうち、「前回のゲームにおける前記可変表示部の変動表示が開始したときから第1時間が経過していることを条件に前記可変表示部の変動表示を開始させた後、前記導出操作手段の操作を有効化し、前記導出操作手段の操作に応じて前記可変表示部の変動表示を停止させる変動表示制御手段と、」を訂正事項2Bとする。

訂正事項2のうち、「遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段と、」を訂正事項2Cとする。

訂正事項2のうち、「前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御を実行する音量制御手段と、」を訂正事項2Dとする。

訂正事項2のうち、「前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに前記第2時間が経過したときに、前記導出操作手段への操作を促す導出促進演出を実行する導出促進演出実行手段と、」を訂正事項2Eとする。

訂正事項2のうち、「複数種類のRT状態に制御するRT状態制御手段と、」を訂正事項2Fとする。

ア 訂正事項2A

(ア) 訂正の目的について

訂正事項2Aは、「スロットマシン」が「遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段」「を備え」る点を限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項2Aは、「スロットマシン」が「遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段」「を備え」る点を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0011】の「遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L~8R)と、」との記載、本件特許明細書の段落【0026】の「ストップスイッチ8L~8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。」との記載から、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段が導き出せる。

したがって、訂正事項2Aは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項2Aは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

イ 訂正事項2B

(ア) 訂正の目的について

訂正事項2Bは、「スロットマシン」が「前回のゲームにおける前記可変表示部の変動表示が開始したときから第1時間が経過していることを条件に前記可変表示部の変動表示を開始させた後、前記導出操作手段の操作を有効化し、前記導出操作手段の操作に応じて前記可変表示部の変動表示を停止させる変動表示制御手段」「を備え」る点を限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項2Bは、「スロットマシン」が「前回のゲームにおける前記可変表示部の変動表示が開始したときから第1時間が経過していることを条件に前記可変表示部の変動表示を開始させた後、前記導出操作手段の操作を有効化し、前記導出操作手段の操作に応じて前記可変表示部の変動表示を停止させる変動表示制御手段」「を備え」る点を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0046】の「内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L~2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L~8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図13、図14など参照)。」との記載から、前回のゲームにおける可変表示部の変動表示が開始したときから第1時間が経過していることを条件に可変表示部の変動表示を開始させた後、導出操作手段の操作を有効化し、導出操作手段の操作に応じて可変表示部の変動表示を停止させる変動表示制御手段が導き出せる。

したがって、訂正事項2Bは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項2Bは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 訂正事項2C

(ア) 訂正の目的について

訂正事項2Cは、「スロットマシン」が「遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段」「を備え」る点を限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項2Cは、「スロットマシン」が「遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段」「を備え」る点を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0015】の「遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ53、54)」との記載、本件特許明細書の段落【0021】の「前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。」との記載から、遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段が導き出せる。

したがって、訂正事項2Cは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項2Cは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

エ 訂正事項2D

(ア) 訂正の目的について

訂正事項2Dは、「スロットマシン」が「前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御を実行する音量制御手段」「を備え」る点を限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項2Dは、「スロットマシン」が「前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御を実行する音量制御手段」「を備え」る点を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0015】の「前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに所定時間経過したときに(たとえば、レバーオン操作されたときからストップスイッチが操作されずに3分間経過したときに)、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御(たとえば、図16(イ)に示す音出力停止制御)を実行する音量制御手段(たとえば、サブ制御部91)」との記載、本件特許明細書の段落【0069】の「レバーオン操作された時からストップスイッチが操作されずに3分間経過すると、図16(イ)に示すように、該ボタン操作促進演出の実行を継続するとともに、ボタン演出楽曲の出力を停止させる音出力停止制御とリール停止報知を実行する。」との記載から、可変表示部の変動表示が開始したときから、導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御を実行する音量制御手段が導き出せる。

したがって、訂正事項2Dは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項2Dは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

オ 訂正事項2E

(ア) 訂正の目的について

訂正事項2Eは、「スロットマシン」が「前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに前記第2時間が経過したときに、前記導出操作手段への操作を促す導出促進演出を実行する導出促進演出実行手段」「を備え」る点を限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項2Eは、「スロットマシン」が「前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに前記第2時間が経過したときに、前記導出操作手段への操作を促す導出促進演出を実行する導出促進演出実行手段」「を備え」る点を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0011】の「前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに所定時間経過したときに(たとえば、レバーオン操作されたときからストップスイッチが操作されずに3分間経過したときに)、前記導出操作手段への操作を促す第1促進演出(たとえば、図16(イ)に示すリール停止報知)を実行する第1促進演出実行手段」との記載、本件特許明細書の段落【0069】の「図16(ア)に示すように、ボタン操作促進演出が実行されているときにおいて、レバーオン操作された時からストップスイッチが操作されずに3分間経過すると、図16(イ)に示すように、該ボタン操作促進演出の実行を継続するとともに、ボタン演出楽曲の出力を停止させる音出力停止制御とリール停止報知を実行する。」との記載から、可変表示部の変動表示が開始したときから、導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、導出操作手段への操作を促す導出促進演出を実行する導出促進演出実行手段が導き出せる。

したがって、訂正事項2Eは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項2Eは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

カ 訂正事項2F

(ア) 訂正の目的について

訂正事項2Fは、「スロットマシン」が「複数種類のRT状態に制御するRT状態制御手段」「を備え」る点を限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項2Fは、「スロットマシン」が「複数種類のRT状態に制御するRT状態制御手段」「を備え」る点を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0034】の「本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0~RT4と、小役の当選確率がRT0~RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図8の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図9の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。」との記載から、複数種類のRT状態に制御するRT状態制御手段が導き出せる。

したがって、訂正事項2Fは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項2Fは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3) 訂正事項3

ア 訂正の目的について

訂正事項3は、本件訂正前の「前記動作指示演出は文字画像を用いた演出であって、」を、「前記動作指示演出および前記導出促進演出の各々は文字画像を用いた演出であって、」に訂正することにより、導出促進演出が文字画像を用いた演出であることを限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項3は、本件訂正前の「前記動作指示演出は文字画像を用いた演出であって、」を、「前記動作指示演出および前記導出促進演出の各々は文字画像を用いた演出であって、」に訂正することにより、導出促進演出が文字画像を用いた演出であることを限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0011】の「前記導出操作手段への操作を促す第1促進演出(たとえば、図16(イ)に示すリール停止報知)」との記載、本件特許明細書の段落【0069】の「リール停止報知とは、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段であるストップスイッチへの操作を促す報知(演出)である。具体的には、「リールを停止してね」という文字画像が液晶表示器51に表示される。」との記載、図16から、導出促進演出が文字画像を用いた演出であることが導き出せる。

したがって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(4) 訂正事項4

訂正事項4のうち、「前記動作指示演出および前記導出促進演出のうち、前記動作指示演出の文字画像を構成する一の文字は、当該文字の一部分が前記所定動作を表した画像によって形成されており、」を訂正事項4Aとする。

訂正事項4のうち、「前記動作指示演出および前記導出促進演出が実行されているときに前記所定動作が検出された場合、前記導出促進演出実行手段は前記導出促進演出を終了させ、前記指示演出実行手段は前記動作指示演出を終了させ、前記特定演出実行手段は前記特定演出を実行し、」を訂正事項4Bとする。

訂正事項4のうち、「前記可変表示部の変動表示中に前記動作指示演出が実行されているときに、前記可変表示部の変動表示が停止されることにより前記表示結果が導出されるまでに前記所定動作が検出されなかった場合、前記表示結果の導出後においても前記動作指示演出が継続され、」を訂正事項4Cとする。

訂正事項4のうち、「前記音量制御手段は、前記導出促進演出が実行されているときに、前記音量低下制御を実行させることが可能であり、」を訂正事項4Dとする。

訂正事項4のうち、「前記スロットマシンは、電断前に前記音量低下制御が実行されている場合であっても、前記音量低下制御が実行されていない状態で電断から復帰し、」を訂正事項4Eとする。

訂正事項4のうち、「前記スロットマシンは、電断から復帰したときに、電断前に実行されていた演出にかかわらず、前記動作指示演出、前記導出促進演出、前記特定演出のうちのいずれも実行されておらず、電断前の前記RT状態に対応した対応楽曲が出力されかつ電断前の前記RT状態に対応した対応画像が表示されている演出状態に制御される、スロットマシン。」を訂正事項4Fとする。

ア 訂正事項4A

(ア) 訂正の目的について

訂正事項4Aは、訂正事項3に係る訂正により、導出促進演出が文字画像を用いた演出であることを限定する訂正を行った結果、何を指すのか不明となった本件訂正前の「前記文字画像」を、「前記動作指示演出および前記導出促進演出のうち、前記動作指示演出の文字画像」に訂正することにより明瞭にしようとするものであるとともに、本件訂正前の「当該文字の少なくとも一部分」を、「当該文字の一部分」に限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるとともに、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項4Aは、訂正事項3に係る訂正により、導出促進演出が文字画像を用いた演出であることを限定する訂正を行った結果、何を指すのか不明となった本件訂正前の「前記文字画像」を、「前記動作指示演出および前記導出促進演出のうち、前記動作指示演出の文字画像」に訂正するとともに、本件訂正前の「当該文字の少なくとも一部分」を、「当該文字の一部分」に限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0065】の「文字画像の一部である、「押」という文字の「田」の部分は、演出用スイッチ56への操作を表した画像によって形成される。」との記載、本件特許明細書の段落【0069】の「リール停止報知とは、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段であるストップスイッチへの操作を促す報知(演出)である。具体的には、「リールを停止してね」という文字画像が液晶表示器51に表示される。」との記載、図15-16から、動作指示演出および導出促進演出のうち、動作指示演出の文字画像を構成する一の文字は、当該文字の一部分が所定動作を表した画像によって形成されていることが導き出せる。

したがって、訂正事項4Aは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項4Aは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

イ 訂正事項4B

(ア) 訂正の目的について

訂正事項4Bは、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記動作指示演出および前記導出促進演出が実行されているときに前記所定動作が検出された場合、前記導出促進演出実行手段は前記導出促進演出を終了させ、前記指示演出実行手段は前記動作指示演出を終了させ、前記特定演出実行手段は前記特定演出を実行し、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項4Bは、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記動作指示演出および前記導出促進演出が実行されているときに前記所定動作が検出された場合、前記導出促進演出実行手段は前記導出促進演出を終了させ、前記指示演出実行手段は前記動作指示演出を終了させ、前記特定演出実行手段は前記特定演出を実行し、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0013】の「前記第2促進演出および前記第1促進演出が実行されておりかつ前記特定操作がされたときに、前記第1促進演出実行手段は該第1促進演出を終了させ、かつ前記第2促進演出実行手段は該第2促進演出を終了させるとともに前記特別演出を実行する(たとえば、図16(イ)、(ウ)に示すように、ボタン操作促進演出から特定演出に切替えると共に、リール停止報知を終了させる)。」との記載、本件特許明細書の段落【0069】の「ボタン操作促進演出、音出力停止制御およびリール停止報知が実行されている状態において、演出用スイッチ56が操作されたときには、図16(ウ)に示すように、ボタン操作促進演出から特定演出に切替えると共に、音出力停止制御を終了させる(特定演出楽曲を出力する)。図16(ウ)においては、特定演出として、BB当選あるいはAT当選を報知する「CHANCE」という文字画像が液晶表示器51に表示される。」との記載、図16から、動作指示演出および導出促進演出が実行されているときに所定動作が検出された場合、導出促進演出実行手段は導出促進演出を終了させ、指示演出実行手段は動作指示演出を終了させ、特定演出実行手段は特定演出を実行することが導き出せる。

したがって、訂正事項4Bは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項4Bは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 訂正事項4C

(ア) 訂正の目的について

訂正事項4Cは、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記可変表示部の変動表示中に前記動作指示演出が実行されているときに、前記可変表示部の変動表示が停止されることにより前記表示結果が導出されるまでに前記所定動作が検出されなかった場合、前記表示結果の導出後においても前記動作指示演出が継続され、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項4Cは、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記可変表示部の変動表示中に前記動作指示演出が実行されているときに、前記可変表示部の変動表示が停止されることにより前記表示結果が導出されるまでに前記所定動作が検出されなかった場合、前記表示結果の導出後においても前記動作指示演出が継続され、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0070】の「また、全てのリールが停止されるまでに演出用スイッチ56が操作されなかった場合は、次のゲームの開始を制限することとしたが、次ゲームの開始を制限することなくボタン操作促進演出を継続して実行してもよいし、」との記載から、可変表示部の変動表示中に動作指示演出が実行されているときに、可変表示部の変動表示が停止されることにより表示結果が導出されるまでに所定動作が検出されなかった場合、表示結果の導出後においても動作指示演出が継続されることが導き出せる。

したがって、訂正事項4Cは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項4Cは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

エ 訂正事項4D

(ア) 訂正の目的について

訂正事項4Dは、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記音量制御手段は、前記導出促進演出が実行されているときに、前記音量低下制御を実行させることが可能であり、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項4Dは、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記音量制御手段は、前記導出促進演出が実行されているときに、前記音量低下制御を実行させることが可能であり、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0017】の「前記音量制御手段は、前記促進演出が実行されているときでも、前記音量低下制御を実行させることが可能であり(たとえば、図16(イ)に示すように、ボタン操作促進演出および音出力停止制御の双方が実行可能であり)、」との記載、本件特許明細書の段落【0069】の「図16(イ)に示すように、該ボタン操作促進演出の実行を継続するとともに、ボタン演出楽曲の出力を停止させる音出力停止制御とリール停止報知を実行する。」との記載から、音量制御手段は、導出促進演出が実行されているときに、音量低下制御を実行させることが可能であることが導き出せる。

したがって、訂正事項4Dは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項4Dは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

オ 訂正事項4E

(ア) 訂正の目的について

訂正事項4Eは、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記スロットマシンは、電断前に前記音量低下制御が実行されている場合であっても、前記音量低下制御が実行されていない状態で電断から復帰し、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項4Eは、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記スロットマシンは、電断前に前記音量低下制御が実行されている場合であっても、前記音量低下制御が実行されていない状態で電断から復帰し、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0073】の「また、電断前に音出力停止制御が実行されている場合であっても、電断から復帰する際に音出力停止制御が実行されていない共通表示状態で電断復帰するため、音量低下制御が実行されている状態で電断復帰することに起因する遊技者の困惑を防止できる。」との記載から、スロットマシンは、電断前に音量低下制御が実行されている場合であっても、音量低下制御が実行されていない状態で電断から復帰することが導き出せる。

したがって、訂正事項4Eは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項4Eは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

カ 訂正事項4F

(ア) 訂正の目的について

訂正事項4Fは、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記スロットマシンは、電断から復帰したときに、電断前に実行されていた演出にかかわらず、前記動作指示演出、前記導出促進演出、前記特定演出のうちのいずれも実行されておらず、電断前の前記RT状態に対応した対応楽曲が出力されかつ電断前の前記RT状態に対応した対応画像が表示されている演出状態に制御される、スロットマシン。」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項4Fは、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記スロットマシンは、電断から復帰したときに、電断前に実行されていた演出にかかわらず、前記動作指示演出、前記導出促進演出、前記特定演出のうちのいずれも実行されておらず、電断前の前記RT状態に対応した対応楽曲が出力されかつ電断前の前記RT状態に対応した対応画像が表示されている演出状態に制御される、スロットマシン。」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(ウ) 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0071】の「特定演出が実行されているときに、電断(たとえば、停電)が発生して、電断から復帰したときには、図16(エ)に示すように、共通表示状態に制御される。特定演出が実行されているときに電断した場合において電断から復帰した場合について示したが、電断前に実行されていた演出(音出力停止制御も含む)に関わらず、電断復帰時は、音出力停止制御が実行されていない共通の演出状態に制御される。具体的には、電断前に制御されていたRT状態(図8など参照)に1対1で対応した対応楽曲の出力と、対応する画像の表示が実行される。遊技者は、電断復帰時において、出力される対応楽曲を聴くこと、および背景画像に含まれた対応画像を視認することのうちの少なくとも一方で、電断前に制御されていたRT状態、つまり電断復帰後に制御されているRT状態を把握することができる。」との記載、本件特許明細書の段落【0073】の「また、電断前に実行されていた演出に関わらず、電断復帰時は、共通の演出状態に制御されることから、電断復帰時の処理負担を軽減できる。また、電断復帰時は、ボタン操作促進演出、リール停止報知、特定演出のうちのいずれも実行されていない共通の演出状態に制御されることから、電断復帰時の処理負担を軽減できる。」との記載から、スロットマシンは、電断から復帰したときに、電断前に実行されていた演出にかかわらず、動作指示演出、導出促進演出、特定演出のうちのいずれも実行されておらず、電断前のRT状態に対応した対応楽曲が出力されかつ電断前のRT状態に対応した対応画像が表示されている演出状態に制御されることが導き出せる。

したがって、訂正事項4Fは、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項4Fは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(5) 訂正事項5-16

ア 訂正の目的について

訂正事項5-16は、訂正事項1-4に係る訂正により、本件訂正前の請求項1における特許請求の範囲の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の【発明の名称】、段落【0001】-【0003】、【0005】、【0007】-【0009】、【0011】、【0013】、【0015】、【0017】の不明瞭な記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記アにて説示のとおり、訂正事項5-16は、訂正事項1-4に係る訂正に整合させるための訂正であるから、訂正事項1-4と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

上記アにて説示のとおり、訂正事項5-16は、訂正事項1-4に係る訂正に整合させるための訂正であるから、訂正事項1-4と同様に、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

4 独立特許要件

本件特許異議の申立てにおいては、請求項1が申立ての対象であるから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定の独立特許要件につき検討することを要しない。

5 令和3年7月2日提出の意見書における特許異議申立人の主張について

特許異議申立人は、令和3年7月2日提出の意見書(以下、単に「意見書」という。)において、本件訂正は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項又は第6項に適合しない訂正であるので、不適法な訂正である旨主張している。

(1) 特許異議申立人は、意見書において、本件訂正は、新たに追加した構成要件が持つ、数多の作用効果を純粋に付加するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるから、適法なものではない旨主張している。

しかしながら、上記3にて説示のとおり、訂正事項1-16に係る訂正は適法な訂正であり、特許異議申立人が主張するように、本件訂正によって追加された構成要件により、数多の作用効果が付加されるものであったとしても、訂正後の本件発明は、動作指示演出の文字画像を構成する一の文字の一部分が所定動作を表した画像によって形成されているという構成により、依然として訂正前の請求項1に係る発明の動作指示演出と所定動作とを連動させることで遊技の興趣が向上するという作用効果を奏するものであるから、本件訂正は、作用効果を変更するものであるとはいえない。よって、本件訂正が、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるとはいえないから、特許異議申立人の主張を採用することはできない。

(2) また、特許異議申立人は、意見書において、構成Mでは、「動作指示演出」と「導出促進演出」の両者について、それら「のうち」という語句が加わることにより、「導出促進演出」の場合であっても、その後に続く、「文字画像を構成する一の文字は、当該文字の一部分が前記所定動作を表した画像によって形成されて」いるという動作指示演出の場合にのみ行われる演出を選択することを含意することとなり、本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるとともに、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものではないから、適法なものではない旨主張している。

しかしながら、上記3(4)アにて説示のとおり、訂正事項4Aに係る訂正は適法な訂正であり、構成M「前記動作指示演出および前記導出促進演出のうち、前記動作指示演出の文字画像を構成する一の文字は、当該文字の一部分が前記所定動作を表した画像によって形成されており、」は、「前記動作指示演出の文字画像を構成する一の文字」が、「当該文字の一部分が前記所定動作を表した画像によって形成されて」いることを限定するものであって、特許異議申立人が主張するように、「前記導出促進演出」の「文字画像を構成する一の文字」についても、「当該文字の一部分が前記所定動作を表した画像によって形成されて」いることを限定するものであるとは解釈することができないから、特許異議申立人の主張を採用することはできない。

(3) さらに、特許異議申立人は、意見書において、本件訂正は、特許請求の範囲の記載の文字数の大幅な増加とともに数多の構成要件を追加しており、その中には、俄かに文献の提示や意見を述べることのできない構成要件も多く盛り込まれているから、そのような構成要件についてまで限られた短い期間内に意見を提出することが極めて困難な本件訂正は、異議申立制度の健全な運営のためにも、作用効果の変更により、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものとして排除されるべきである旨主張している。

しかしながら、上記(1)にて説示のとおり、本件訂正は、作用効果を変更するものであるとはいえず、上記3にて説示のとおり、訂正事項1-16に係る訂正は適法な訂正であるから、特許異議申立人の主張を採用することはできない。

6 小括

以上のとおりであるから、本件訂正請求に係る上記訂正事項1-3に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、上記訂正事項4に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、上記訂正事項5-16に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正請求に係る訂正を認める。

第3 訂正後の本件発明

本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A等は、分説するために当審で付した。以下、A等が付された事項を「構成A」等という。)。

「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
B 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能となるゲームを行うことが可能なスロットマシンであって、
C 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
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D 前回のゲームにおける前記可変表示部の変動表示が開始したときから第1時間が経過していることを条件に前記可変表示部の変動表示を開始させた後、前記導出操作手段の操作を有効化し、前記導出操作手段の操作に応じて前記可変表示部の変動表示を停止させる変動表示制御手段と、
E 遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段と、
F 前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御を実行する音量制御手段と、
G 前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに前記第2時間が経過したときに、前記導出操作手段への操作を促す導出促進演出を実行する導出促進演出実行手段と、
H 複数種類のRT状態に制御するRT状態制御手段と、
I 遊技者の所定動作を検出する検出手段と、
J 前記検出手段が前記所定動作を検出したことに応じて特定演出を実行する特定演出実行手段と、
K 前記所定動作を促す動作指示演出を実行する指示演出実行手段と、を備え、
L 前記動作指示演出および前記導出促進演出の各々は文字画像を用いた演出であって、
M 前記動作指示演出および前記導出促進演出のうち、前記動作指示演出の文字画像を構成する一の文字は、当該文字の一部分が前記所定動作を表した画像によって形成されており、
N 前記動作指示演出および前記導出促進演出が実行されているときに前記所定動作が検出された場合、前記導出促進演出実行手段は前記導出促進演出を終了させ、前記指示演出実行手段は前記動作指示演出を終了させ、前記特定演出実行手段は前記特定演出を実行し、
O 前記可変表示部の変動表示中に前記動作指示演出が実行されているときに、前記可変表示部の変動表示が停止されることにより前記表示結果が導出されるまでに前記所定動作が検出されなかった場合、前記表示結果の導出後においても前記動作指示演出が継続され、
P 前記音量制御手段は、前記導出促進演出が実行されているときに、前記音量低下制御を実行させることが可能であり、
Q 前記スロットマシンは、電断前に前記音量低下制御が実行されている場合であっても、前記音量低下制御が実行されていない状態で電断から復帰し、
R 前記スロットマシンは、電断から復帰したときに、電断前に実行されていた演出にかかわらず、前記動作指示演出、前記導出促進演出、前記特定演出のうちのいずれも実行されておらず、電断前の前記RT状態に対応した対応楽曲が出力されかつ電断前の前記RT状態に対応した対応画像が表示されている演出状態に制御される、スロットマシン。」

第4 特許異議の申立てについて

1 特許異議の申立ての概要

特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1-7号証を提出し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に開示された事項に基いて、又は甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張している。

(証拠方法)

甲第1号証:特開2014-144221号公報
甲第2号証:「【ScooP!tv】スロ番 vol.12 第1/2話【ファーストII】」,YouTube,[online],平成24年11月9日,<https://www.youtube.com/watch?v=wxtUpM3Ht1g>
甲第3号証:酒井忠康 外21名,「美術1 文部科学省検定済教科書」,光村図書出版株式会社,平成28年2月5日発行,p.34-35
甲第4号証:特開2001-184050号公報
甲第5号証:商標登録第5628132号公報
甲第6号証:商標登録第5670806号公報
甲第7号証:特開2014-230778号公報

2 令和3年3月23日付け取消理由の概要

令和3年3月23日付け取消理由通知は、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に開示された事項に基いて、又は甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである、とするものである。

3 各甲号証の記載

(1) 甲第1号証

甲第1号証には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下、同じ。)。

ア 「【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。
【実施例】
【0018】
[第1実施例]
図1は本発明の一実施例であるパチンコ機10(遊技機)の外観を示す外観斜視図であり、図2は実施例のパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3は実施例のパチンコ機10の制御回路の構成の概略を示すブロック図である。」
イ 「【0021】
また、前面枠11の左上部と右上部には遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28bが設けられている。前面枠11の右端部には、前面枠11を本体枠21に対して施錠するための施錠装置29が設けられている。
【0022】
上受け皿14は、その上面部に、CRユニットに挿入された記録媒体(例えばカードやコイン)の価値残高(有価残高)の範囲内で遊技球の貸し出しを指示するための球貸ボタン24aと、CRユニットに挿入されている記録媒体の返却を指示するための返却ボタン24bとが配設されている。また、上受け皿14は、その上面中央部には、遊技者の操作に応じて各種演出を行うための演出ボタン26が配設されている。」
ウ 「【0028】
特別図柄表示装置42は、図4に示すように、7セグメント表示器を用いて構成された第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bとを備えており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数通りの表示態様(最大128通り)を表現している。特別図柄表示装置42は、第1始動口36か第2始動口38かのいずれかの入賞が検知されたときに、第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bのうち対応する特別図柄表示部の表示状態を順次切り替えることにより特別図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で特別図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された特別図柄の表示態様が特定の表示態様(当り特別図柄)である場合に、当りとなる。本実施例では、第1特別図柄表示部42aが第1始動口36への遊技球の入賞時に特別図柄を変動表示させる第1始動口入賞時用の表示部に対応し、第2特別図柄表示部42bが第2始動口38への遊技球の入賞時に特別図柄を変動表示させる第2始動口入賞時用の表示部に対応している。以下、特に、第1始動口入賞時用の第1特別図柄表示部42aで表示される特別図柄を第1特別図柄とも呼び、第2始動口入賞時用の第2特別図柄表示部42bで表示される特別図柄を第2特別図柄とも呼ぶ。図6に、大当り時における特別図柄表示装置42の表示態様の一例を示す。図示するように、第1の通常大当りとなる特別図柄(第1の通常大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける右上,右下,左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける中段の横棒セグメントと右上,左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様とがある(図6の上から1段目参照)。また、第1の確変大当りとなる特別図柄(第1の確変大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける上段の横棒セグメントと左上および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様とがある(図6の上から2段目参照)。第2の確変大当りとなる特別図柄(第2の確変大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける上段および下段の横棒セグメントと左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様とがある(図6の上から3段目参照)。なお、大当り時における特別図柄の表示態様は、上記態様に限られることはなく、如何なる態様で表示するものとしてもよいし、各大当り時における特別図柄の表示態様の種類も1種類に限られず、複数種類用意するものとしてもよい。特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1始動口36および第2始動口38のいずれかに入賞したときには、それぞれの始動口毎に特別図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている特別図柄の変動表示が順次消化される。なお、後述するが、第1特別図柄の変動表示の保留数は第1保留図柄35aによって表示され、第2特別図柄の変動表示の保留数は第2保留図柄35bによって表示される。」
エ 「【0036】
サブ制御基板90は、図8に示すように、CPU90aやROM90b,RAM90c,タイマ90dなどを備えており、主制御基板70から各種指令信号を受信してその指令に応じた遊技の演出を行う。サブ制御基板90は、演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91や各種スピーカ28a,28bを駆動するアンプ基板92、各種LEDランプ93a,93bを駆動したりセンター役物50の可動式の装飾部材を作動させるための装飾モータ93cを駆動したりする装飾駆動基板93,演出ボタン26に設けられ、演出ボタン26の操作を検知する操作検知スイッチ27からの操作信号を入力する演出ボタン基板94などが接続されている。」
オ 「【0063】
ボタン演出実行処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、演出ボタン26に対する操作を検出可能に有効化して(S550)、演出ボタン26の操作を遊技者に促すための操作促進演出を行ってボタン演出を開始する(S552)。ここで、操作促進演出は、操作促進演出の開始を指示する演出コマンドを演出表示制御基板91に送信することによって行われる。この演出コマンドを受信した演出表示制御基板91は、演出表示装置34に、演出ボタン26の外観を模した画像(ボタン画像)が表示されると共に、「ボタンを押せ!」等の演出ボタン26の操作を促すメッセージが表示されるよう制御する。こうしてボタン演出を開始すると、タイマ90dをスタートさせ(S554)、演出ボタン26に対する操作が検出されたか否かに基づき、演出ボタン26の操作有無を判定する(S556)。演出ボタン26が操作されていないと判定すると、演出ボタン26に対する操作を検出可能な期間である操作有効期間(本実施例では4.0秒)が経過したか否かを判定し(S558)、操作有効期間が経過したと判定されるまでS556に戻って、演出ボタン26が操作されたか否かの判定を繰り返す。操作有効期間が経過する前にS556で演出ボタン26が操作されたと判定すると、直ちに、演出ボタン26の操作に対応する操作対応演出として、遊技者に対して大当りの信頼度を報知する大当り信頼度報知演出を実行する(S560)。ここで、大当り信頼度報知演出としては、例えば、大当りの信頼度が高いほど大きな魚が釣り上げられる釣り演出を挙げることができる。そして、タイマ90dをストップする共に(S562)、タイマ90dの計測時間を操作有効期間から減じることにより操作有効期間が満了する間での残り時間を余り時間として演算し(S564)、演出ボタン26の操作を無効化して(S566)、ボタン演出実行処理を終了する。一方、演出ボタン26が操作されないままS558で操作有効期間が経過したと判定すると、操作対応演出を行うことなく、演出ボタン26の操作を無効化して(S566)、ボタン演出実行処理を終了する。なお、S562,S564の余り時間を演算する処理をS560の操作対応演出の実行よりも前に実行するものとし、余り時間が所定時間T1(例えば1.0秒)未満の場合(後述する特別演出を実行しない場合)には、操作有効期間が経過するのを待ってからS560の操作対応演出を実行するものとしてもよい。」
カ 「【0071】
図28は、ボタン演出あり図柄変動演出の進行の様子を説明する説明図である。ボタン演出が開始されると、まず、操作促進演出が行われる。操作促進演出は、本実施例では、演出ボタン26の外観を模したボタン画像と、「ボタンを押せ!」等のボタン操作を促すメッセージと、操作有効期間が満了するまでの残り時間を示すインジケータとを演出表示装置34に表示する(図28(a)参照)。そして、操作有効期間の残り時間が0となる前に演出ボタン26が操作されると(図28(b)参照)、直ちに、操作対応演出が実行される。本実施例では、操作対応演出として、ウキが揺れる画像(図28(c)参照)と、何かがヒットした画像(図28(d)参照)と、魚が釣り上げられる画像(図28(e)参照)とを表示する釣り演出が実行される。この釣り演出は、大当りの信頼度を報知する大当り信頼度報知演出として行われ、釣り上げられた魚が大きいほど大当り信頼度が高いことを示唆する。そして、演出ボタン26が操作されてから操作有効期間が満了するまでの間に余り時間が発生している場合には、操作対応演出終了後のリーチ演出の動画の繋ぎ目で、余り時間を用いて特別演出を実行する。特別演出は、操作対応演出とは異なる態様で、大当り信頼度を報知する大当り信頼度報知演出として行われる(図28(g)~(i)参照)。本実施例では、左右方向に並んだ5つの星が左から順に点灯する演出が行われ、点灯する星の数が多いほど大当り信頼度が高いことを示唆するものとした。遊技者は特別演出により操作対応演出とは異なる態様で大当り信頼度を知ることができるため、大当りへの期待感を高めて、遊技興趣をより向上させることができる。」

上記ア-カの記載事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(a等は、発明の構成を分説するために本件発明の構成A等に対応させて当審で付した。)。

「a、b 7セグメント表示器を用いて構成された第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bとを備えており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数通りの表示態様を表現し、第1始動口36か第2始動口38かのいずれかの入賞が検知されたときに、第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bのうち対応する特別図柄表示部の表示状態を順次切り替えることにより特別図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で特別図柄を停止表示させる特別図柄表示装置42(段落【0028】)を備え、
前記特別図柄表示装置42に停止表示された特別図柄の表示態様が特定の表示態様である場合に、当りとなり(段落【0028】)、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプのパチンコ機10であって(段落【0017】-【0018】)、
e 前面枠11の左上部と右上部に設けられ、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28bと(段落【0021】)、
i 遊技者の操作に応じて各種演出を行うための演出ボタン26と(段落【0022】)、
CPU90aなどを備えており、演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91や、演出ボタン26に設けられ、演出ボタン26の操作を検知する操作検知スイッチ27からの操作信号を入力する演出ボタン基板94などが接続されているサブ制御基板90と(段落【0036】)、を備え、
j、k、n サブ制御基板90のCPU90aは、演出ボタン26の操作を遊技者に促すための操作促進演出を行ってボタン演出を開始し、ここで、操作促進演出は、操作促進演出の開始を指示する演出コマンドを演出表示制御基板91に送信することによって行われ、操作有効期間が経過する前に演出ボタン26が操作されたと判定すると、直ちに、演出ボタン26の操作に対応する操作対応演出として、遊技者に対して大当りの信頼度を報知する大当り信頼度報知演出を実行し(段落【0063】)、
操作対応演出として、ウキが揺れる画像と、何かがヒットした画像と、魚が釣り上げられる画像とを表示する釣り演出が実行され(段落【0071】)、
l 操作促進演出は、演出ボタン26の外観を模したボタン画像と、「ボタンを押せ!」等のボタン操作を促すメッセージと、操作有効期間が満了するまでの残り時間を示すインジケータとを演出表示装置34に表示するものである(段落【0071】)、
r パチンコ機10(段落【0018】)。」

(2) 甲第2号証

甲第2号証の動画(特に動画の開始後7分40秒経過時から8分10秒経過時まで及び9分27秒経過時前後)には、次の事項(以下、「甲第2号証に開示された事項」という。)が開示されていると認められる。

「表示画面の中央やや左側に、ボタンを模した画像が表示されるとともに、ボタンを模した画像におけるボタンの被押圧部(赤色の部分)が繰り返し上下動し、表示画面におけるボタンを模した画像の右側に「を押せ!」との文字が横書きで表示される、スロットマシン。」

(甲第2号証の動画の開始後8分00秒経過時の画像)

(3) 甲第3号証

甲第3号証の第34頁右下部及び第35頁上部には、それぞれ以下の事項が記載されている。

「「走」という漢字の下部を、靴を履いた人間の両足が走る様子の図で表した、「走り出そう!」というタイトルのポスターカラー。」

「「煮」という漢字の下部の4つの点を、それぞれ炎の図で置き換えて表した、「百貨店の食料品売り場の壁にデザインされた絵文字」のうちの一つ。」

(4) 甲第4号証

甲第4号証には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像メディア上に文字を表わし、文字のもっている意味、内容の重みを視聴者に簡単に好印象をもたらし、記憶効果を上げるための文字の表現方法に関する。」

イ 「【0005】漢字は1文字で意味、内容を表わし、文字として人類の所持する最大の知的資源である。 この文字を基本に、趣きをかえて、一目見て意味とその重みづけが分かれば、情報の伝達手段として効果的である。」

ウ 「【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、映像メディア上に写し出す文字に振り子状の振動(以下、文字振り子表現法と称する)させて、文字の意味、重みづけを一見してわかるようにする。
【0008】漢字の末尾とか、一部分を振り子表現したり、文字全体を振り子表現する。
【0009】文字の意味、内容の重みづけに応じて振り子状の振動の大きさを変えて、視聴者に印象深く訴える。」

エ 「【0013】文字は、特に漢字は一文字で多彩な意味を含み、アルファベット、カタカナ、ひらがなとはちがい、諸事方端の事象を一字で示すことが出来る。」

オ 「【0015】漢字一文字に、表現を加えて見た人に感動を与えれば広告媒体としての効果は一層向上する。 本発明は、広告媒体として長く記憶を鮮明にとどめておくために、漢字の意味にあわせた表現を漢字自体が振り子表現法によって、映像をとらえて行う事を特徴とする。」

カ 「【0017】漢字は、人の心を示す感情、感激、感動と風情を示す意味、動作、景色等、人間、動物、自然界を取り巻くいろいろな複雑な事象、行動を一文字で示せる。
【0018】図1は漢字の一部分を使って、漢字のもつ意味の表現を示したものである。図1(a)は風であって、あたかも風がふいている印象を与えるよう字の末尾が振り子表現法によって風になびいている様子が分かる。
【0019】図1(b)は同様に寒さを字の末尾で表現している。 あたかも見て寒さが感じ取れる。図1(c)は怒りという感情を表現している。 おこっている様子が漢字の末尾を振り子表現法によって怒りの程度が一目でわかる。
【0020】図1(d)は自然現象としての雨を示している。 あたかも雨が降っている印象を与える。図1(e)は涙という人間の表情を、同様に漢字の末尾を使って表現している。
【0021】図1は漢字の末尾を振り子表現したもので、振らす事によって見た人は、字の意味を印象深く脳裏に記憶できるのが特徴である。
【0022】図2は漢字一文字全体を振り子表現法によって意味を示したものである。 図2(a)は風の吹いている状態を示している。 風の強弱に応じて字の波形を大きく振らせても良い。
【0023】図(b)は寒さを漢字全体で表現している。 寒さに応じて字全体を振るわせば良い。図(c)は怒りを表わしており、これも怒りの程度に応じて字全体を振るわせば、見る人に与える印象は大きい。
【0024】図2(d)は気象現象である雨を字全体で表わしている。 これも大雨か、小雨かは字全体の振り子の程度を加減して、眼で見て判断出来る。
【0025】図2(e)は人間の表情のひとつである涙を表わしている。 悲しい涙かうれしい涙かは、漢字の振り子の振動の程度を変えて表現出来る。
【0026】図1、図2はほんの一例を示した。 テレビコマーシャルの最後に、あるいは最初に、関係ある漢字一文字を本発明による方法で表現すれば視聴者に大きい感銘を与え、強く印象に残る。 広告としての効果は大きい。」
キ 「【図1】
」
ク 「【図2】
」

(5) 甲第5号証

甲第5号証には、次の事項が記載されている。

「温泉マークの湯気が立ち上るという動作の部分を、地名である「大分」のローマ字表現を画像化して置き換えたものからなる標章。」

(6) 甲第6号証

甲第6号証には、次の事項が記載されている。

「「押」という漢字の右上部を、「おし」という文字の判を押す様子の図で表した、「押しキャラ!」との文字とこれを囲む図からなる標章。」

(7) 甲第7号証

甲第7号証には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。」
イ 「【0316】
図71は、デモ画面の表示例を示す図である。図71(A)は、遊技がされていないときの画像表示装置5を示している。この状態で変動開始コマンドを所定期間受信しなかった場合などに、図40のステップS453のデモ画面表示開始設定に従って、図71(B)に示すようなデモ画面が表示される。このデモ画面表示中に操作ボタン30の操作信号がオン状態になると(ステップS454;Yes)、図71(C)に示すように、状態データ設定部195に設定される状態データの値に応じて、最も信頼度が高い演出に使用される味方キャラクタ(この場合、月曜日であることに対応する「月」の味方キャラクタCH3)が表示される。これにより、遊技者は信頼度の高い演出(飾り図柄)を認識することができる。」
ウ 「【0323】
図74は演出モードの選択画面(デモ画面)の表示例である。図74(A)は、遊技がされていないときの画像表示装置5を示している。また、現在が「水」のモードであることを表示している。この状態で変動開始コマンドを所定期間受信しなかった場合などに、図74(B)に示すようなデモ画面が表示される。このデモ画面では、図74(C)に示すようにカーソルCUが所定時間ごとに切り替わる。このときに操作ボタン30が操作されると、カーソルCUにより選択されているキャラクタに対応した演出モード(「月」のモード)に切り替わる。また、状態データ設定部195に「月」に対応した値が設定される。そして、図74(D)に示すように、選択された「月」のキャラクタが期待できることを表示して、図74(E)に示すように、「月」のモードであることが表示される。このように、状態データ設定部195に曜日に対応した値ではなく、遊技者の選択に対応した値が設定されるようにしてもよい。なお、図58(B)(C)の選択はジョグの操作により選択されるようにしてもよい。」
エ 「【図71】
」
オ 「【図74】
」

(8) 周知技術の認定

上記(3)、(6)から、次の事項が本件特許の出願前に表示技術一般において周知の技術(以下、「周知技術」という。)であったことが認められる。

「漢字の一部を、その漢字が意味する動作を表す図によって表示する表示技術。」

第5 取消理由通知に記載した取消理由について

本件発明が、甲1発明及び甲第2号証に開示された事項に基いて、又は甲1発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるか検討する。

1 対比

本件発明と甲1発明とを対比する。

(1) 構成Aについて

甲1発明の「特別図柄」は、「複数通りの表示態様」で「表現」されるものであり、その各々が識別可能であることは明らかであるから、本件発明の「各々が識別可能な複数種類の識別情報」に相当する。

そして、甲1発明の「特別図柄を変動表示させ」る「特別図柄表示装置42」は、本件発明の「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部」に相当する。

したがって、甲1発明の構成a、bは、本件発明の構成Aに相当する構成を有している。

(2) 構成Bについて

甲1発明の「特別図柄表示装置42」で「特別図柄を変動表示させ」ることは、本件発明の「前記可変表示部を変動表示」することに相当し、甲1発明の「特別図柄表示装置42」で「特別図柄を停止表示させる」ことは、本件発明の「前記可変表示部の変動表示を停止すること」に相当し、甲1発明の「停止表示された特別図柄の表示態様」は、本件発明の「表示結果」に相当し、甲1発明の「当り」は、本件発明の「入賞」に相当する。

また、甲1発明の「パチンコ機10」は、本件発明の「スロットマシン」と、遊技機である点で共通している。

したがって、甲1発明の構成a、bにおける「特別図柄表示装置42」で「特別図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で特別図柄を停止表示させ」、「停止表示された特別図柄の表示態様が特定の表示態様である場合に、当りとな」る「パチンコ機10」は、本件発明の構成Bと、「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能となるゲームを行うことが可能な」遊技機である点で共通している。

(3) 構成Eについて

甲1発明の「遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28b」は、本件発明の「遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段」に相当する。

したがって、甲1発明の構成eは、本件発明の構成Eに相当する構成を有している。

(4) 構成Iについて

甲1発明の「遊技者の操作」は、本件発明の「遊技者の所定動作」に相当する。

そして、甲1発明の「演出ボタン26」は、「遊技者の操作に応じて各種演出を行うため」のものであるところ、甲1発明の「操作検知スイッチ27」は、「演出ボタン26に設けられ、演出ボタン26の操作を検知する」ものであるから、本件発明の「遊技者の所定動作を検出する検出手段」に相当する。

したがって、甲1発明の構成iは、本件発明の構成Iに相当する構成を有している。

(5) 構成Jについて

甲1発明の「操作検知スイッチ27」(検出手段)は、「演出ボタン26に設けられ、演出ボタン26の操作を検知する」(構成i)ものであるから、甲1発明の「操作有効期間が経過する前に演出ボタン26が操作されたと判定する」ことは、本件発明の「前記検出手段が前記所定動作を検出したこと」に相当する。

また、甲1発明の「演出ボタン26の操作に対応する操作対応演出として」「実行」される「遊技者に対して大当りの信頼度を報知する大当り信頼度報知演出」は、本件発明の「特定演出」に相当する。

そうすると、甲1発明の「操作有効期間が経過する前に演出ボタン26が操作されたと判定すると、直ちに、演出ボタン26の操作に対応する操作対応演出として、遊技者に対して大当りの信頼度を報知する大当り信頼度報知演出を実行」することは、本件発明の「前記検出手段が前記所定動作を検出したことに応じて特定演出を実行する」ことに相当する。

そして、甲1発明の「サブ制御基板90」は、「演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91」「が接続されている」ところ、甲1発明は、「操作対応演出として、ウキが揺れる画像と、何かがヒットした画像と、魚が釣り上げられる画像とを表示する釣り演出が実行され」るものであるから、「サブ制御基板90のCPU90a」に加えて、「演出表示制御基板91」が「操作対応演出」としての「大当り信頼度報知演出」(特定演出)を実行することは明らかである。

してみると、甲1発明の「サブ制御基板90のCPU90a」及び「演出表示制御基板91」は、本件発明の「特定演出実行手段」としての機能を有している。

したがって、甲1発明の構成j、k、nは、本件発明の構成Jに相当する構成を有している。

(6) 構成Kについて

上記(4)にて説示のとおり、甲1発明の「演出ボタン26」に対する「遊技者の操作」は、本件発明の「遊技者の所定動作」に相当するから、甲1発明の「演出ボタン26の操作を遊技者に促すための操作促進演出」は、本件発明の「前記所定動作を促す動作指示演出」に相当する。

そして、甲1発明において、「サブ制御基板90のCPU90aは、演出ボタン26の操作を遊技者に促すための操作促進演出を行ってボタン演出を開始し、ここで、操作促進演出は、操作促進演出の開始を指示する演出コマンドを演出表示制御基板91に送信することによって行われ」るから、甲1発明の「サブ制御基板90のCPU90a」及び「演出表示制御基板91」は、本件発明の「指示演出実行手段」としての機能を有している。

したがって、甲1発明の構成j、k、nは、本件発明の構成Kに相当する構成を有している。

(7) 構成Lについて

甲1発明の「演出表示装置34に表示」される「「ボタンを押せ!」等のボタン操作を促すメッセージ」は、本件発明の「文字画像」に相当する。

そして、上記(6)にて説示のとおり、甲1発明の「操作促進演出」は、本件発明の「動作指示演出」に相当するから、甲1発明の「操作促進演出は、」「「ボタンを押せ!」等のボタン操作を促すメッセージ」「を演出表示装置34に表示する」ことは、本件発明の「前記動作指示演出」「は文字画像を用いた演出であ」ることに相当する。

したがって、甲1発明の構成lにおける「操作促進演出は、」「「ボタンを押せ!」等のボタン操作を促すメッセージ」「を演出表示装置34に表示する」ことは、本件発明の構成Lと、「前記動作指示演出」「は文字画像を用いた演出であ」る点で共通している。

(8) 構成Nについて

甲1発明は、「演出ボタン26の操作を遊技者に促すための操作促進演出を行ってボタン演出を開始し、」「操作有効期間が経過する前に演出ボタン26が操作されたと判定すると、直ちに、演出ボタン26の操作に対応する操作対応演出として、遊技者に対して大当りの信頼度を報知する大当り信頼度報知演出を実行」するものであり、演出ボタン26が操作されると操作促進演出が終了されることは明らかであるから、操作促進演出を行っているときに演出ボタン26が操作されたと判定された場合、サブ制御基板90のCPU90a及び演出表示制御基板91は操作促進演出を終了させ、サブ制御基板90のCPU90a及び演出表示制御基板91は大当り信頼度報知演出を実行しているといえる。

したがって、甲1発明の構成j、k、nにおける「演出ボタン26の操作を遊技者に促すための操作促進演出を行ってボタン演出を開始し、」「操作有効期間が経過する前に演出ボタン26が操作されたと判定すると、直ちに、演出ボタン26の操作に対応する操作対応演出として、遊技者に対して大当りの信頼度を報知する大当り信頼度報知演出を実行」することは、本件発明の構成Nと、「前記動作指示演出」「が実行されているときに前記所定動作が検出された場合、」「前記指示演出実行手段は前記動作指示演出を終了させ、前記特定演出実行手段は前記特定演出を実行」する点で共通している。

(9) 構成Rについて

上記(2)にて説示のとおり、甲1発明の「パチンコ機10」は、本件発明の「スロットマシン」と、遊技機である点で共通している。

したがって、甲1発明の構成rにおける「パチンコ機10」は、本件発明の構成Rと、遊技機である点で共通している。

以上のことから、本件発明と甲1発明とは、

[一致点]

「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
B’前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能となるゲームを行うことが可能な遊技機であって、
E 遊技の進行に応じて、音を出力する音出力手段と、
I 遊技者の所定動作を検出する検出手段と、
J 前記検出手段が前記所定動作を検出したことに応じて特定演出を実行する特定演出実行手段と、
K 前記所定動作を促す動作指示演出を実行する指示演出実行手段と、を備え、
L’前記動作指示演出は文字画像を用いた演出であって、
N’前記動作指示演出が実行されているときに前記所定動作が検出された場合、前記指示演出実行手段は前記動作指示演出を終了させ、前記特定演出実行手段は前記特定演出を実行する、
R’遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](構成B)

「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能となるゲームを行うことが可能な」遊技機が、

本件発明は、「スロットマシン」であるのに対して、

甲1発明は、「パチンコ機10」である点。

[相違点2](構成C)

本件発明は、「遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段」「を備え」ているのに対して、

甲1発明は、本件発明の「導出操作手段」に相当する構成を有していない点。

[相違点3](構成D)

本件発明は、「前回のゲームにおける前記可変表示部の変動表示が開始したときから第1時間が経過していることを条件に前記可変表示部の変動表示を開始させた後、前記導出操作手段の操作を有効化し、前記導出操作手段の操作に応じて前記可変表示部の変動表示を停止させる変動表示制御手段」「を備え」ているのに対して、

甲1発明は、本件発明の「変動表示制御手段」に相当する構成を有していない点。

[相違点4](構成F、P)

本件発明は、「前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、前記音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御を実行する音量制御手段」「を備え」、「前記音量制御手段は、前記導出促進演出が実行されているときに、前記音量低下制御を実行させることが可能であ」るのに対して、

甲1発明は、本件発明の「音量制御手段」に相当する構成を有していない点。

[相違点5](構成G、L、N)

本件発明は、「前記可変表示部の変動表示が開始したときから、前記導出操作手段が操作されずに前記第2時間が経過したときに、前記導出操作手段への操作を促す導出促進演出を実行する導出促進演出実行手段」「を備え」、「前記導出促進演出」「は文字画像を用いた演出であ」り、「前記動作指示演出および前記導出促進演出が実行されているときに前記所定動作が検出された場合、前記導出促進演出実行手段は前記導出促進演出を終了させ」ているのに対して、

甲1発明は、本件発明の「導出促進演出実行手段」に相当する構成を有しておらず、「導出促進演出」を実行するものではない点。

[相違点6](構成H)

本件発明は、「複数種類のRT状態に制御するRT状態制御手段」「を備え」ているのに対して、

甲1発明は、本件発明の「RT状態制御手段」に相当する構成を有していない点。

[相違点7](構成M)

「前記動作指示演出の文字画像を構成する一の文字」に関して、

本件発明は、「当該文字の一部分が前記所定動作を表した画像によって形成されて」いるのに対して、

甲1発明は、そのような構成を有していない点。

[相違点8](構成O)

本件発明は、「前記可変表示部の変動表示中に前記動作指示演出が実行されているときに、前記可変表示部の変動表示が停止されることにより前記表示結果が導出されるまでに前記所定動作が検出されなかった場合、前記表示結果の導出後においても前記動作指示演出が継続され」ているのに対して、

甲1発明は、「特別図柄表示装置42」の「表示態様」と「操作促進演出」との関係についてそのような特定がない点。

[相違点9](構成Q)

本件発明は、「電断前に前記音量低下制御が実行されている場合であっても、前記音量低下制御が実行されていない状態で電断から復帰し」ているのに対して、

甲1発明は、本件発明の「音量低下制御」に相当する構成を有していないことに加えて、電断から復帰したときの音量の状態について特定がない点。

[相違点10](構成R)

本件発明は、「電断から復帰したときに、電断前に実行されていた演出にかかわらず、前記動作指示演出、前記導出促進演出、前記特定演出のうちのいずれも実行されておらず、電断前の前記RT状態に対応した対応楽曲が出力されかつ電断前の前記RT状態に対応した対応画像が表示されている演出状態に制御され」ているのに対して、

甲1発明は、本件発明の「RT状態」に相当する構成を有していないことに加えて、電断から復帰したときの演出状態について特定がない点。

2 判断

事案に鑑み、相違点9-10について検討する。

(1) 相違点9について(構成Q)

甲1発明には、電断前に可変表示部の変動表示が開始したときから、導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御が実行されている場合であっても、前記音量低下制御が実行されていない状態で電断から復帰する構成が記載されているとはいえない。

また、甲第2号証にも、電断前に可変表示部の変動表示が開始したときから、導出操作手段が操作されずに第2時間が経過したときに、音出力手段から出力される音の音量を低下させる音量低下制御が実行されている場合であっても、前記音量低下制御が実行されていない状態で電断から復帰する構成は、記載も示唆もされておらず、当該構成を備えることは、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明な事項でも、周知でもない。

そして、本件発明は、上記相違点9に係る構成を備えることにより、電断から復帰したときに、スロットマシンの音量が通常の音量よりも小さくあるいは無音であることによって遊技者がスロットマシンに不具合が生じたと誤解し、あるいは、通常の音量でないことに対して遊技者が不満に思うことを防止できるという効果を奏するものである。

したがって、本件発明の上記相違点9に係る構成は、甲1発明及び甲第2号証に開示された事項に基いて、又は甲1発明及び上記周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易になし得たものであるとはいえない。

(2) 相違点10について(構成R)

甲1発明には、電断から復帰したときに、電断前に実行されていた演出にかかわらず、動作指示演出、導出促進演出、特定演出のうちのいずれも実行されておらず、電断前のRT状態に対応した対応楽曲が出力されかつ電断前のRT状態に対応した対応画像が表示されている演出状態に制御される構成が記載されているとはいえない。

また、甲第2号証にも、電断から復帰したときに、電断前に実行されていた演出にかかわらず、動作指示演出、導出促進演出、特定演出のうちのいずれも実行されておらず、電断前のRT状態に対応した対応楽曲が出力されかつ電断前のRT状態に対応した対応画像が表示されている演出状態に制御される構成は、記載も示唆もされておらず、当該構成を備えることは、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明な事項でも、周知でもない。

そして、本件発明は、上記相違点10に係る構成を備えることにより、遊技者は、電断復帰時において、出力される対応楽曲を聴くこと、および対応画像を視認することのうちの少なくとも一方で、電断復帰後に制御されているRT状態を把握することができ、また、電断復帰時は、動作指示演出、導出促進演出、特定演出のいずれも実行されていない演出状態に制御されることから、電断復帰時の処理負担を軽減できるという効果を奏するものである。

したがって、本件発明の上記相違点10に係る構成は、甲1発明及び甲第2号証に開示された事項に基いて、又は甲1発明及び上記周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易になし得たものであるとはいえない。

以上のことから、上記相違点1-8について検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明及び甲第2号証に開示された事項に基いて、又は甲1発明及び上記周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について

特許異議申立人は、特許異議申立書において、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張している。

しかしながら、上記第5にて説示のとおり、甲1発明には、上記相違点9-10に係る構成が記載も示唆もされておらず、当該構成を備えることは、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明な事項でも、周知でもないから、本件発明の上記相違点9-10に係る構成は、甲1発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易になし得たものであるとはいえない。よって、上記相違点1-8について検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

したがって、特許異議申立人のかかる主張は、採用することができない。

第7 むすび

以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由並びに特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠方法によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。

また、他に訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。

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2021-700016

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